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法律第八十七号(昭三八・四・一一)

  ◎農薬取締法の一部を改正する法律

 農薬取締法(昭和二十三年法律第八十二号)の一部を次のように改正する。

 第一条第一項中「農作物(樹木を含む。以下同じ。)又は農林産物」を「農作物(樹木及び農林産物を含む。以下「農作物等」という。)」に、「(以下病害虫と総称する。)」を「又はウイルス(以下「病害虫」と総称する。)」に改め、「その他の薬剤」の下に「(その薬剤を原料又は材料として使用した資材で当該防除に用いられるもののうち政令で定めるものを含む。)及び農作物等の生理機能の増進又は抑制に用いられる成長促進剤、発芽抑制剤その他の薬剤」を加える。

 第二条第二項中「及び農薬の見本」を「、農薬の薬効及び薬害に関する試験成績を記載した書類並びに農薬の見本」に改め、同項第四号中「適用病害虫、」を「適用病害虫(農作物等の生理機能の増進又は抑制に用いられる薬剤にあつては、適用農作物等及び薬効。以下同じ。)及び」に改め、「並びに薬効及び薬害に関する試験成績」を削り、同項中第九号を第十号とし、第六号から第八号までを一号ずつ繰り下げ、第五号の次に次の一号を加える。

 六 水産動植物に有毒な農薬については、その旨

 第二条第三項中「官吏(以下「検査官吏」という。)」を「職員(以下「検査職員」という。)」に改め、第三号を次のように改める。

 三 申請書に記載する前項第二号及び第四号に掲げる事項

 第三条第一項第二号中「農作物又は農林産物」を「農作物等」に改め、同項中第六号を第七号とし、第四号及び第五号を一号ずつ繰り下げ、第三号の次に次の一号を加える。

 四 当該種類の農薬が、その相当の普及状態のもとに通常の方法及び数量により一般的に使用されるとした場合に、その水産動植物に対する毒性の強さ及びその毒性の相当日数にわたる持続性からみて、多くの場合、その使用に伴うと認められる水産動植物の被害が発生し、かつ、その被害が著しいものとなるおそれがあるとき。

 第三条第二項中「前項」を「第一項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

2 前項第四号に掲げる場合に該当するかどうかの基準は、農林大臣が定めて告示する。

 第五条ただし書中「但し、」の下に「登録票に記載する」を加える。

 第六条第二項中「又は第三号から第九号まで」を「、第三号又は第五号から第十号まで」に改め、同条の次に次の一条を加える。

 (適用病害虫等の変更)

第六条の二 第二条の登録を受けた者は、登録票に記載する同条第二項第四号の事項を変更する必要があるときは、省令で定める事項を記載した申請書、登録票、変更に係る事項についての薬効及び薬害に関する試験成績を記載した書類並びに農薬の見本を農林大臣に提出して、当該登録票の書替交付を申請することができる。

2 農林大臣は、前項の規定による申請を受けたときは、検査職員に農薬の見本について検査をさせ、その検査の結果第三条第一項各号の一に該当する場合を除き、遅滞なく、当該登録票を書き替えて交付しなければならない。

3 第一項の規定による申請をする者については、第二条第五項の規定を準用する。

 第七条第三号中「記載された」を「記載する」に改め、同条第五号中「適用病害虫」を「登録票に記載する適用病害虫」に改め、同条中第十号を削り、第九号を第十号とし、第七号及び第八号を一号ずつ繰り下げ、第六号の次に次の一号を加える。

 七 水産動植物に有毒な農薬については、その旨

 第七条に次の一号を加える。

 十一 最終有効年月

 第十二条第一項中「農作物又は農林産物」を「農作物等、人畜又は水産動植物」に改め、同条の次に次の二条を加える。

 (指定農薬の使用の規制)

第十二条の二 政府は、政令をもつて、次の各号の要件のすべてを備える種類の農薬を指定農薬として指定する。

 一 当該種類の農薬が相当広範な地域にわたる水田においてまとまつて使用されているか、又は当該種類の農薬の普及の状況からみて近くその状態に達する見込みが確実であること。

 二 当該種類の農薬が相当広範な地域にわたる水田においてまとまつて使用されるときは、一定の気象条件、地理的条件その他の自然的条件のもとでは、その使用に伴つて発生すると認められる水産動植物の被害が著しいものとなるおそれがあること。

2 都道府県知事は、前項の指定農薬につき、その当該都道府県の区域内における使用に伴つて発生したと認められる水産動植物の被害が現に著しいとき、又は当該都道府県の区域内の水田の面積及び当該指定農薬の使用見込み並びにその区域における自然的条件その他の条件を勘案して当該指定農薬の当該都道府県の区域内における使用に伴つて発生すると認められる水産動植物の被害が著しいものとなるおそれがあるときは、政令で定めるところにより、当該指定農薬の使用に係る利害の調整その他その使用の規制に関し必要となる方策について、農業に関する団体及び漁業に関する団体のそれぞれの意見並びに学識経験を有する者の意見を徴しなければならない。

3 都道府県知事は、前項の規定により意見を徴した場合において、同項に規定する事態に対処するため有効適切であると認められる当該指定農薬の使用についての農業者の自主的な措置が現に講ぜられているか又はその措置が近く講ぜられる見込みがあると認められるときは、その措置の実施(その措置が近く講ぜられる見込みがある場合にあつては、その措置が講ぜられるようにするために必要な事項を含む。)について必要な指導その他の援助を行なうものとし、当該自主的な措置が講ぜられていないか又は近く講ぜられる見込みがなく、かつ、同項に規定する事態に対処するため有効適切な方法が他にないと認められるときは、政令で定めるところにより、同項に規定する団体のそれぞれの意見及び学識経験者の意見を徴し、当該指定農薬の使用についての農業者の自主的な措置の内容及び被害の発生の状況又はその発生の見込みその他の事情を勘案して、同項に規定する事態に有効適切に対処するため必要な範囲内において、規則をもつて、区域及び期間を限り、当該指定農薬の使用につきあらかじめ都道府県知事の許可を受けるべき旨を命ずることができる。

4 前項の規定による命令があつた場合における当該命令に係る同項の許可の基準については、省令で定める。

 (被害の防止に関する指導等)

第十二条の三 農林大臣及び都道府県知事は、人畜又は水産動植物に有毒な農薬について、その使用に伴うと認められる人畜に対する危険又は水産動植物の被害を防止するため必要な知識の普及、その使用に関する情報の提供並びにその使用の時期及び方法の適正化に関する指導を行なうように努めるものとする。

 第十三条中「検査官吏」を「検査職員」に改め、同条に次の一項を加える。

3 第一項の規定により農林大臣の権限に属する事項は、政令で定めるところにより、都道府県知事に行なわせることができる。

 第十四条第二項中「検査官吏」を「検査職員」に、「農作物、農林産物又は人畜」を「農作物等、人畜又は水産動植物」に改める。

 第十六条中「農林大臣は」の下に「、第一条第一項若しくは第十二条の二第一項の政令の制定若しくは改廃の立案をしようとするとき」を、「廃止しようとするとき」の下に「、第三条第二項の基準を定め、若しくは変更しようとするとき、第十二条の二第四項の省令を制定し、若しくは改正しようとするとき」を加え、「聞くことができる。」を「聞かなければならない。」に改める。

 第十六条の二に次の一項を加える。

2 第一条第一項の政令の制定又はその改正により新たに農薬とされたものについては、当該制定又は改正に係る政令の施行の日から起算して四箇月(その期間の経過する日までにした第二条第一項の登録の申請に対し登録をするかどうかの処分がその日までになかつたものについては、当該政令の施行の日からその処分のある日まで。以下この項において「未登録売買許容期間」という。)は第二条第一項の規定を、未登録売買許容期間及びその期間が経過した日から起算してさらに一箇月は第七条の規定を、当該政令の施行の日から起算して十箇月は第九条の規定を、それぞれ、適用しない。

 第十八条の二を第十八条の三とし、第十八条の次に次の一条を加える。

第十八条の二 第十二条の二第三項の規定による命令に違反して都道府県知事の許可を受けないで指定農薬を使用した者は、一万円以下の罰金に処する。

 第十九条中「前三条」を「前四条」に改める。

   附 則

1 この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。

2 改正後の農薬取締法(以下「新法」という。)第一条第一項の農薬のうち、ウイルスの防除に用いられる薬剤及び農作物等(同項に規定する農作物等をいう。)の生理機能の増進又は抑制に用いられる薬剤については、この法律の施行の日から起算して四箇月(その期間の経過する日までにした新法第二条第一項の登録の申請に対し登録をするかどうかの処分がその日までになかつたものについては、この法律の施行の日からその処分のある日まで。以下この項において「未登録売買許容期間」という。)は新法第二条第一項の規定を、未登録売買許容期間及びその期間が経過した日から起算してさらに一箇月は新法第七条の規定を、この法律の施行の日から起算して十箇月は新法第九条の規定を、それぞれ、適用しない。

3 この法律の施行前に改正前の農薬取締法(以下「旧法」という。)第二条の規定によつてした登録は、当該登録の有効期間中は、新法第二条の規定によつてしたものとみなす。

4 前項の規定により新法第二条の規定によつてしたものとみなされる登録については、その登録につき旧法第二条第三項の規定により交付された登録票は、新法第二条第三項の規定により交付され、かつ、これに、当該登録に係る申請書に記載された適用病害虫及び使用方法(これらの事項につき変更を生じたため旧法第六条第二項の規定によりその旨の届出がされた農薬については、その届出に係る変更後のこれらの事項)が記載されているものとみなす。

5 この法律の施行前に旧法第七条の規定による表示をされた農薬についての新法第七条及び第九条の規定の適用に関しては、この法律の施行の日から起算して、新法第七条の規定の適用については四箇月、新法第九条の規定の適用については十箇月は、なお従前の例による表示をもつて足りる。

6 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(農林・内閣総理大臣署名) 

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