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法律第百三号(昭四一・七・一)

  ◎野菜生産出荷安定法

目次

 第一章 総則(第一条・第二条)

 第二章 需要の見通し(第三条)

 第三章 野菜指定産地の指定及び生産出荷近代化計画(第四条―第九条)

 第四章 野菜生産出荷安定資金協会

  第一節 総則(第十条―第十四条)

  第二節 業務(第十五条―第十九条)

  第三節 会員(第二十条―第二十四条)

  第四節 設立(第二十五条―第二十九条)

  第五節 管理(第三十条―第四十八条)

  第六節 解散及び清算(第四十九条―第五十一条)

  第七節 監督(第五十二条―第五十八条)

 第五章 雑則(第五十九条・第六十条)

 第六章 罰則(第六十一条―第六十三条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、主要な野菜につき、一定の生産地域におけるその生産及び出荷の近代化を計画的に推進するための措置を定めるとともに、一定の消費地域におけるその価格の著しい低落が当該生産地域におけるその生産者の経営に及ぼす影響に対処するための出荷者の自主的な組識である野菜生産出荷安定資金協会の制度を確立することにより、その主要な野菜についての当該生産地域における生産及び当該消費地域に対する出荷の安定を図り、もつて野菜農業の健全な発展と国民消費生活の安定に資することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「指定消費地域」とは、人口の集中が著しい大都市及びその周辺の地域であつて、政令で定めるものをいう。

2 この法律において「指定野菜」とは、消費量が相対的に多く又は多くなることが見込まれる野菜であつて、その種類、通常の出荷時期等により政令で定める種別に属するものをいう。

   第二章 需要の見通し

 (需要の見通し)

第三条 農林大臣は、政令で定めるところにより、関係都道府県知事の意見をきいて指定消費地域における指定野菜の需要の見通しをたて、これを公表しなければならない。

2 農林大臣は、前項の需要の見通しをたてるため必要があるときは、関係都道府県知事に対し、資料の提出その他必要な協力を求めることができる。

3 農林大臣は、第一項の需要の見通しをたてようとするときは、学識経験を有する者の意見をきかなければならない。

   第三章 野菜指定産地の指定及び生産出荷近代化計画

 (野菜指定産地の指定)

第四条 農林大臣は、指定野菜の種別ごとに、その区域から指定消費地域に対する当該指定野菜の出荷が行なわれる一定の生産地域であつて、その出荷の安定を図るため当該指定野菜の集団産地として形成することが必要と認められるものを野菜指定産地として指定することができる。

2 前項の規定による指定は、その区域が合理的な当該指定野菜の集団産地の形成のために必要な次に掲げる要件のすべてを備える場合において、するものとする。

 一 その区域内の当該指定野菜の作付面積が、農林省令で定める面積に達しているか、又はこれに達する見込みが確実であること。

 二 その区域内で生産される当該指定野菜の指定消費地域に対する出荷数量が、農林省令で定める数量に達しているか、又はこれに達する見込が確実であること。

 三 その区域内で生産される当該指定野菜についての共同出荷組織その他その出荷に関する条件が、農林省令で定める基準に適合するものであること。

3 農林大臣は、指定野菜の種別ごと及び指定消費地域ごとに、野菜指定産地からの当該指定消費地域に対する当該指定野菜の総出荷数量の見込数量が、前条第一項の規定により公表した需要の見通し等から推定される当該指定消費地域における当該指定野菜の需要の動向に即するように、第一項の規定による指定をするものとする。

4 農林大臣は、第一項の規定による指定をしようとするときは、当該区域を管轄する都道府県知事の意見をきかなければならない。

5 第一項の規定による指定は、告示してしなければならない。

 (指定の申出)

第五条 都道府県知事は、その管轄に属する前条第一項の一定の生産地域でその区域が同条第二項各号に掲げる要件のすべてを備えるものにつき、同条第一項の規定による指定をすべき旨を農林大臣に申し出ることができる。

 (区域の変更)

第六条 農林大臣は、指定野菜の生産事情、出荷事情その他の経済事情に変動が生じ、又は生ずるおそれがある場合において、必要があるときは、野菜指定産地の区域を変更することができる。

2 前項の規定による変更は、その変更後の区域が第四条第二項各号に掲げる要件のすべてを備える区域である場合でなければ、することができない。

3 第四条第四項及び第五項並びに前条の規定は、第一項の規定による変更について準用する。

 (指定の解除)

第七条 農林大臣は、野菜指定産地の区域が第四条第二項各号に掲げる要件の全部又は一部を欠くに至つたときは、野菜指定産地の指定を解除しなければならない。

2 第四条第四項及び第五項並びに第五条の規定は、前項の規定による指定の解除について準用する。

 (生産出荷近代化計画の樹立)

第八条 野菜指定産地の区域を管轄する都道府県知事は、野菜指定産地ごとに、政令で定めるところにより、当該指定野菜の生産及び出荷の近代化を図るための計画(以下「生産出荷近代化計画」という。)をたて、これを農林大臣に提出するとともに、その概要を公表しなければならない。

2 生産出荷近代化計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

 一 作付面積、生産数量及び指定消費地域に対する出荷数量に関する事項

 二 土地改良、作付地の集団化、農作業の機械化その他生産の近代化に関する事項

 三 集荷、選別、保管又は輸送の共同化、規格の統一その他出荷の近代化に関する事項

3 生産出荷近代化計画の内容は、第三条第一項の規定により公表された需要の見通し等から推定される関係指定消費地域における当該指定野菜の需要の動向に照らして適当なものであり、かつ、当該野菜指定産地の区域の自然的経済的条件に適合するものでなければならない。

4 都道府県知事は、生産出荷近代化計画をたてようとするときは、関係市町村及び農林省令で定める農業団体等の意見をきかなければならない。

 (生産出荷近代化計画の変更)

第九条 都道府県知事は、生産出荷近代化計画を変更したときは、遅滞なく、その変更の内容を農林大臣に届け出るとともに、その概要を公表しなければならない。

2 前条第四項の規定は、生産出荷近代化計画の変更について準用する。

   第四章 野菜生産出荷安定資金協会

    第一節 総則

 (目的)

第十条 野菜生産出荷安定資金協会は、会員から徴収する負担金等をもつて、指定消費地域における指定野菜の価格の著しい低落があつた場合における会員を通ずる生産者補給金の交付の業務を行なうことを目的とする。

 (法人格)

第十一条 野菜生産出荷安定資金協会(以下「協会」という。)は、法人とする。

 (住所)

第十二条 協会の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。

 (名称)

第十三条 協会は、その名称中に野菜生産出荷安定資金協会という文字を用いなければならない。

2 協会でない者は、その名称中に野菜生産出荷安定資金協会という文字を用いてはならない。

 (登記)

第十四条 協会は、政令で定めるところにより、登記をしなければならない。

2 前項の規定により登記をしなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。

    第二節 業務

 (業務)

第十五条 協会は、次に掲げる業務を行なう。

 一 指定消費地域における指定野菜の価格の著しい低落(政令で定める指定野菜の種別ごとに政令で定める指定消費地域における当該種別に属する指定野菜に係るものに限る。)があつた場合において、その低落が対象野菜(野菜指定産地の区域内で生産される当該指定野菜で当該政令で定める種別に属するものをいう。以下同じ。)の出荷に関し会員との間に農林省令で定める委託関係のあるその生産者の経営に及ぼす影響を緩和するための生産者補給金をその生産者に交付するため、会員に対し生産者補給交付金を交付すること。

 二 前号の業務に附帯する業務

2 協会は、前項第一号に掲げる業務については、同号の政令で定める指定野菜の種別又は指定消費地域を限定して、その業務を行なつてはならない。

 (負担金)

第十六条 協会は、業務方法書で定めるところにより、前条第一項第一号の生産者補給交付金(以下「生産者補給交付金」という。)の交付に充てるため、会員から負担金を徴することができる。

 (資金)

第十七条 協会は、前条の負担金及び会員以外の者から生産者補給交付金の交付に充てることを条件として交付された金銭を、生産者補給交付金の交付に充てるための資金として、次に掲げる方法により管理しなければならない。

 一 銀行、農林中央金庫その他農林大臣の指定する金融機関への預金

 二 国債、地方債その他農林大臣の指定する有価証券の取得

 三 信託業務を営む銀行又は信託会社への金銭信託

 (準備金の積立て)

第十八条 協会は、毎事業年度の剰余金の全部を準備金として積み立てなければならない。

2 前項の準備金は、損失のてん補に充て、又は前条の資金に繰り入れる場合を除いては、これを取りくずしてはならない。

 (財務についての農林省令への委任)

第十九条 前二条に規定するもののほか、協会がその財務を適正に処理するために従わなければならない準則は、農林省令で定める。

    第三節 会員

 (会員の資格)

第二十条 協会の会員たる資格を有する者は、対象野菜をその種別に係る第十五条第一項第一号の政令で定める指定消費地域に出荷する次に掲げる法人その他の団体であつて、少なくとも一の野菜指定産地の区域の全部をその地区等の全部又は一部とするものとする。ただし、第三号から第五号までに掲げる法人その他の団体にあつては、農林省令で定めるものに限る。

 一 農業協同組合

 二 農業協同組合連合会

 三 事業協同組合

 四 協同組合連合会

 五 前各号に掲げる法人のほか、農業協同組合又は農業協同組合連合会が主たる構成員となつている法人その他の団体

 (議決権)

第二十一条 法人たる会員は、各一個の議決権を有する。

2 法人たる会員は、定款で定めるところにより、第四十一条第三項の規定によりあらかじめ通知があつた事項につき、書面又は代理人をもつて議決権を行なうことができる。

3 前項の規定により議決権を行なう者は、出席者とみなす。

4 代理人は、代理権を証する書面を協会に提出しなければならない。

 (加入)

第二十二条 会員たる資格を有する者が協会に加入しようとするときは、協会は、正当な理由がないのに、その加入を拒んではならない。

 (脱退)

第二十三条 会員は、次に掲げる事由によつて脱退する。

 一 会員たる資格の喪失

 二 解散

 三 除名

2 除名は、定款で定める事由に該当する会員につき、総会の議決によつてすることができる。この場合には、協会は、その総会の会日の十日前までにその会員に対してその旨を通知し、かつ、総会で弁明する機会を与えなければならない。

3 除名は、除名した会員にその旨を通知しなければ、これをもつてその会員に対抗することができない。

第二十四条 会員は、事業年度の終りにおいて脱退することができる。ただし、協会が当該会員に対してその脱退を承認しない旨を通知した場合は、この限りでない。

2 会員は、前項の規定により脱退しようとするときは、六月前までに協会に予告しなければならない。

3 協会は、当該会員の脱退によりその業務の遂行に著しい支障を及ぼす場合でなければ、第一項ただし書の通知をしてはならない。

    第四節 設立

 (発起人)

第二十五条 協会を設立するには、その会員になろうとする七以上の法人が発起人となることを必要とする。

 (創立総会)

第二十六条 発起人は、定款及び業務方法書を作成し、これらを会議の日時、場所及び議題とともにその会日の十五日前までに公告して、創立総会を開かなければならない。

2 定款及び業務方法書の承認、事業計画の設定その他設立に必要な事項の決定は、創立総会の議決によらなければならない。

3 創立総会においては、定款及び業務方法書を修正することができる。

4 創立総会の議事は、会員たる資格を有する法人でその会日までに発起人に対して会員となる旨を申し出たものの半数以上が出席し、その議決権の三分の二以上で決する。

5 第二十一条、第四十六条第二項及び第三項、民法(明治二十九年法律第八十九号)第六十六条(表決権のない場合)並びに商法(明治三十二年法律第四十八号)第二百四十三条(総会の延期又は続行の決議)及び第二百四十四条(総会の議事録)の規定は、創立総会について準用する。この場合において、商法第二百四十三条中「第二百三十二条」とあるのは「野菜生産出荷安定法第二十六条第一項」と、同法第二百四十四条第二項中「取締役」とあるのは「発起人」と読み替えるものとする。

 (設立の認可)

第二十七条 発起人は、創立総会の終了後遅滞なく、定款、業務方法書及び事業計画を農林大臣に提出して、設立の認可を申請しなければならない。

2 農林大臣は、前項の認可の申請があつた場合において、次の各号の一に該当せず、かつ、その業務が健全に行なわれ、対象野菜の生産及び指定消費地域に対する出荷の安定に寄与することが確実であると認められるときは、設立の認可をしなければならない。

 一 設立の手続又は定款、業務方法書若しくは事業計画の内容が、法令又は法令に基づいてする行政庁の処分に違反するとき。

 二 定款、業務方法書又は事業計画に、虚偽の記載があり、又は記載すべき事項の記載が欠けているとき。

 三 他の協会が既に成立しているとき。

 (理事への事務の引継ぎ)

第二十八条 設立の認可があつたときは、発起人は、遅滞なくその事務を理事に引き継がなければならない。

 (成立の時期)

第二十九条 協会は、主たる事務所の所在地で設立の登記をすることによつて成立する。

    第五節 管理

 (定款に記載すべき事項)

第三十条 協会の定款には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

 一 目的

 二 名称

 三 事務所の所在地

 四 業務

 五 会員たる資格並びに会員の加入及び脱退に関する規定

 六 剰余金の処分及び損失の処理に関する規定

 七 準備金に関する規定

 八 役員の定数、職務の分担及び選任に関する規定

 九 事業年度

 十 公告の方法

 (業務方法書に記載すべき事項)

第三十一条 協会の業務方法書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

 一 資金の管理方法

 二 負担金の金額及び徴収方法に関する事項

 三 生産者補給交付金を交付すべき事由に関する事項

 四 生産者補給交付金の金額に関する事項

 五 生産者補給交付金の交付を受ける者の守るべき条件に関する事項

 六 その他農林省令で定める事項

 (規約)

第三十二条 次に掲げる事項は、定款及び業務方法書で定めなければならない事項を除いて、規約で定めることができる。

 一 総会に関する事項

 二 業務の執行及び会計に関する事項

 三 役員に関する事項

 四 会員に関する事項

 五 その他必要な事項

 (役員の定数及び選任等)

第三十三条 協会に、役員として、理事三人以上及び監事一人以上を置く。

2 役員は、定款で定めるところにより、総会において選任する。ただし、設立当時の役員は、創立総会において選任する。

3 理事の定数の少なくとも二分の一は、法人たる会員の理事でなければならない。ただし、設立当時の理事の定数の少なくとも二分の一は、会員になろうとする法人の理事でなければならない。

4 第二項の規定による役員の選任は、農林大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

 (役員の任期)

第三十四条 役員の任期は、二年とする。ただし、定款で三年以内において別段の期間を定めたときは、その期間とする。

2 設立当時の役員の任期は、前項の規定にかかわらず、創立総会において定める期間とする。ただし、その期間は、一年をこえてはならない。

 (役員の忠実義務)

第三十五条 役員は、法令、法令に基づいてする行政庁の処分、定款、業務方法書、規約及び総会の決議を遵守し、協会のため忠実にその職務を遂行しなければならない。

2 役員がその任務を怠つたときは、その役員は、協会に対し連帯して損害賠償の責めに任ずる。

3 役員がその職務を行なうにつき悪意又は重大な過失があつたときは、その役員は、第三者に対し連帯して損害賠償の責めに任ずる。重要な事項につき、第四十三条第一項に規定する書類に虚偽の記載をし、又は虚偽の登記若しくは公告をしたときも、同様とする。

 (監事の兼職禁止)

第三十六条 監事は、理事又は協会の使用人と兼ねてはならない。

 (理事の自己契約等の禁止)

第三十七条 協会が理事と契約するときは、監事が協会を代表する。協会と理事との訴訟についても、同様とする。

 (総会の招集)

第三十八条 理事は、毎事業年度一回通常総会を招集しなければならない。

2 理事は、必要があると認めるときは、何時でも臨時総会を招集することができる。

第三十九条 法人たる会員が、総会員(法人でない会員を除く。)の五分の一以上の同意を得て、会議の目的たる事項及び招集の理由を記載した書面を理事に提出して総会の招集を請求したときは、理事は、その請求のあつた日から二十日以内に総会を招集しなければならない。

第四十条 理事の職務を行なう者がないとき、又は前条の請求があつた場合において理事が正当な理由がないのに総会の招集の手続をしないときは、監事は、総会を招集しなければならない。

 (会員に対する通知又は催告)

第四十一条 協会が会員に対してする通知又は催告は、会員名簿に記載したその者の住所(その者が別に通知又は催告を受ける場所を協会に通知したときは、その場所)にあててすれば足りる。

2 前項の通知又は催告は、通常到達すべきであつた時に到達したものとみなす。

3 総会の招集の通知は、その会日の十日前までに、その会議の目的たる事項を示してしなければならない。

 (定款その他の書類の備付け及び閲覧)

第四十二条 理事は、定款、業務方法書、規約、会員名簿及び総会の議事録を主たる事務所に備えて置かなければならない。

2 会員名簿には、各会員について次に掲げる事項を記載しなければならない。

 一 名称及び住所

 二 加入の年月日及び会員たる資格の別

3 会員及び協会の債権者は、第一項に規定する書類の閲覧を求めることができる。

 (決算関係書類の提出、備付け及び閲覧)

第四十三条 理事は、通常総会の会日の七日前までに、事業報告書、財産目録、貸借対照表、損益計算書及び剰余金処分案又は損失処理案を監事に提出し、かつ、これらの書類を主たる事務所に備えて置かなければならない。

2 会員及び協会の債権者は、前項に規定する書類の閲覧を求めることができる。

3 第一項に規定する書類を通常総会に提出するときは、監事の意見書を添附しなければならない。

 (役員に関する商法等の準用)

第四十四条 商法第二百五十四条第三項(取締役と会社との関係)、第二百五十六条第三項(取締役の任期の特例)及び第二百五十八条第一項(欠員の場合の処置)の規定は役員について、民法第四十四条第一項(法人の不法行為能力)、第五十二条第二項(理事の業務執行)及び第五十三条から第五十六条まで(理事の代表権等)の規定は理事について、同法第五十九条(監事の職務)の規定は監事について準用する。この場合において、同法第五十六条中「裁判所ハ利害関係人又ハ検察官ノ請求ニ因リ」とあるのは、「農林大臣ハ利害関係人ノ請求ニ因リ又ハ職権ヲ以テ」と読み替えるものとする。

 (総会の議決事項)

第四十五条 次に掲げる事項は、総会の議決を経なければならない。

 一 定款の変更

 二 業務方法書の変更

 三 規約の設定、変更及び廃止

 四 毎事業年度の事業計画の設定及び変更

 五 事業報告書、財産目録、貸借対照表、損益計算書、剰余金処分案及び損失処理案

2 定款又は業務方法書の変更は、農林大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

3 第二十七条第二項の規定は、前項の認可の申請があつた場合について準用する。

 (総会の議事)

第四十六条 総会の議事は、この法律、定款又は規約に特別の定めがある場合を除き、出席者の議決権の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

2 議長は、総会において選任する。

3 議長は、会員として総会の議決に加わる権利を有しない。

 (特別の議決)

第四十七条 次に掲げる事項は、総会員(法人でない会員を除く。)の半数以上が出席し、その議決権の三分の二以上の多数による議決を必要とする。

 一 定款の変更

 二 協会の解散

 三 会員の除名

 (総会に関する民法等の準用)

第四十八条 民法第六十四条(総会の決議事項)及び第六十六条(表決権のない場合)並びに商法第二百四十三条(総会の延期又は続行の決議)及び第二百四十四条(総会の議事録)の規定は、総会について準用する。この場合において、民法第六十四条中「第六十二条」とあり、商法第二百四十三条中「第二百三十二条」とあるのは、「野菜生産出荷安定法第四十一条第三項」と読み替えるものとする。

    第六節 解散及び清算

 (解散事由)

第四十九条 協会は、次に掲げる事由によつて解散する。

 一 総会の議決

 二 破産

 三 第五十七条の規定による解散の命令

2 解散の決議は、農林大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

 (残余財産の処分)

第五十条 協会が解散した場合における残余財産の処分については、政令で定める。

 (民法及び非訟事件手続法の準用)

第五十一条 民法第七十三条から第七十六条まで、第七十七条第二項(届出に関する部分に限る。)及び第七十八条から第八十三条まで(法人の解散及び清算)並びに非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)第三十五条第二項、第三十六条、第三十七条ノ二、第百三十五条ノ二十五第二項及び第三項、第百三十六条前段、第百三十七条前段並びに第百三十八条(法人の清算の監督)の規定は、協会の解散及び清算について準用する。

    第七節 監督

 (事業計画等の承認)

第五十二条 協会は、農林省令で定めるところにより、毎事業年度、事業計画及び収支予算を農林大臣に提出し、その承認を受けなければならない。これを変更するときも、同様とする。

 (業務又は財産の状況の報告の徴収)

第五十三条 農林大臣は、協会の業務又は財産の状況に関して監督上必要があると認めるときは、協会からその業務又は財産の状況に関し報告を徴することができる。

 (業務又は会計の状況の検査)

第五十四条 会員が、総会員の十分の一以上の同意を得て、協会の業務又は会計が法令若しくは法令に基づいてする行政庁の処分又は定款、業務方法書若しくは規約に違反する疑いがあることを理由として検査を行なうべき旨を請求したときは、農林大臣は、協会の業務又は会計の状況を検査しなければならない。

2 農林大臣は、協会の業務の健全な運営を確保するため必要があると認めるときは、何時でも、協会の業務又は会計の状況を検査することができる。

 (法令等の違反に対する措置)

第五十五条 農林大臣は、第五十三条の規定により報告を徴した場合又は前条の規定により検査を行なつた場合において、協会の業務又は会計が法令若しくは法令に基づいてする行政庁の処分又は定款、業務方法書若しくは規約に違反すると認めるときは、協会に対し、役員の解任、業務の停止その他必要な措置をとるべき旨を命ずることができる。

 (監督命令)

第五十六条 農林大臣は、前条の規定によるほか、協会の業務を適正円滑に行なわせるため特に必要があるときは、協会に対し、業務の執行方法の変更その他監督上必要な命令をすることができる。

 (解散命令等)

第五十七条 協会が前二条の規定による命令に従わなかつたときは、農林大臣は、協会の役員を解任し、又は協会の解散を命ずることができる。

2 前項の場合のほか、協会の法人たる会員が七未満になつたときは、農林大臣は、協会の解散を命ずることができる。

 (決議の取消し)

第五十八条 法人たる会員が、総会員(法人でない会員を除く。)の十分の一以上の同意を得て、総会の招集手続又は議決の方法が法令若しくは法令に基づいてする行政庁の処分又は定款若しくは規約に違反することを理由として、その議決の日から三十日以内に、その決議の取消しを請求した場合において、農林大臣は、その違反の事実があると認めるときは、当該決議を取り消すことができる。

2 前項の規定は、創立総会について準用する。

   第五章 雑則

 (勧告)

第五十九条 農林大臣又は野菜指定産地の区域を管轄する都道府県知事は、野菜指定産地の区域内で生産される当該指定野菜の指定消費地域に対する出荷の安定を図るため必要があるときは、当該野菜指定産地の区域内で生産される当該指定野菜を指定消費地域に出荷する者に対し、その合理的かつ計画的な出荷に関し必要な勧告をすることができる。

 (報告の徴収)

第六十条 農林大臣は、この法律を施行するため必要があるときは、指定野菜の生産若しくは出荷の事業を行なう者又はこれらの者の組織する団体(協会を除く。)から、これらの事業に係る業務に関して、必要な報告を徴することができる。

   第六章 罰則

 (罰則)

第六十一条 第五十三条の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は第五十四条の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。

2 協会の役員又は協会の代理人、使用人その他の従業者が、協会の業務に関して、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、協会に対しても同項の罰金刑を科する。

第六十二条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をした協会の役員又は清算人は、三万円以下の過料に処する。

 一 この法律の規定により農林大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかつたとき。

 二 この法律の規定に基づき協会が行なうことができる業務以外の業務を行なつたとき。

 三 第十四条第一項の政令の規定に違反して登記をすることを怠つたとき。

 四 第十七条の規定に違反して資金を管理し、又は第十八条の規定に違反する経理をしたとき。

 五 第二十二条の規定に違反して協会への加入を拒み、又は第二十三条第二項後段の規定に違反して弁明の機会を与えなかつたとき。

 六 第三十六条の規定に違反して兼職したとき。

 七 第三十八条第一項、第三十九条又は第四十条の規定に違反して総会を招集しなかつたとき。

 八 第四十二条又は第四十三条の規定に違反して、書類を備えて置かず、その書類に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は正当な理由がないのに、第四十二条第三項若しくは第四十三条第二項の規定による閲覧を拒んだとき。

 九 第五十一条において準用する民法第七十九条第一項又は同法第八十一条第一項に規定する公告を怠り、又は虚偽の公告をしたとき。

 十 第五十一条において準用する民法第八十一条第一項の規定に違反して破産宣告の請求を怠つたとき。

第六十三条 次の各号の一に該当する者は、一万円以下の過料に処する。

 一 第十三条第二項の規定に違反した者

 二 第六十条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から施行する。

 (財団法人からの権利義務の引継ぎ)

第二条 昭和三十七年六月一日に設立された財団法人青果物生産安定資金協会及び昭和三十八年八月二十八日に設立された財団法人野菜指定産地生産安定資金協会は、それぞれ、その寄附行為で定めるところにより、協会の発起人に対し、協会において当該財団法人の権利及び義務を承継すべき旨を申し出ることができる。

2 前項の申出があつた場合において、協会の創立総会でその申出を承認する旨の議決があつたときは、その申出をした財団法人の権利及び義務は、協会の成立の時において協会に承継されるものとし、その申出をした財団法人は、その時において解散するものとする。この場合においては、、他の法令中法人の解散及び清算に関する規定は、適用しない。

3 前項の規定により同項の財団法人が解散した場合におけるその解散の登記については、政令で定める。

4 協会は、第二項の規定による財団法人の権利及び義務の承継をした場合には、その承継をした権利及び義務に係る業務を行なうことができる。

5 協会は、第二項の規定による財団法人の権利及び義務の承継をした場合には、当該財団法人の純財産のうちその寄附行為に基づいて定められた金額に相当する金額の全部又は一部を、農林大臣の承認を受けて、第十七条の資金に繰り入れることができる。

 (政府の交付金)

第三条 昭和四十一年度において協会が設立された場合には、政府は、その設立に際し、予算の範囲内において、協会に対し、その事務費の財源に充てるため、交付金を交付する。

 (名称制限に関する経過規定)

第四条 この法律の施行の際現にその名称中に野菜生産出荷安定資金協会という文字を用いている者については、第十三条第二項の規定は、この法律の施行後六月間は適用しない。

 (登録税法の一部改正)

第五条 登録税法(明治二十九年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。

  第十九条第七号中「開拓融資保証協会」の下に「、野菜生産出荷安定資金協会」を、「開拓融資保証法」の下に「、野菜生産出荷安定法」を加える。

 (農林中央金庫法の一部改正)

第六条 農林中央金庫法(大正十二年法律第四十二号)の一部を次のように改正する。

  第五条第一項中「漁業共済組合連合会」の下に「、野菜生産出荷安定資金協会」を加える。

 (地方税法の一部改正)

第七条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。

  第七十二条の五第一項第四号中「開拓融資保証協会」の下に「、野菜生産出荷安定資金協会」を加える。

 (所得税法の一部改正)

第八条 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)の一部を次のように改正する。

  別表第一第一号の表中水資源開発公団の項の次に次のように加える。

野菜生産出荷安定資金協会

野菜生産出荷安定法(昭和四十一年法律第百三号)

 (法人税法の一部改正)

第九条 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。

  別表第二第一号の表中北方協会の項の次に次のように加える。

野菜生産出荷安定資金協会

野菜生産出荷安定法(昭和四十一年法律第百三号)

(法務・大蔵・農林・自治・内閣総理大臣署名) 

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