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法律第百四十号(昭四二・八・二四)

  ◎健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律

 (趣旨)

第一条 この法律は、健康保険及び船員保険の療養の給付に関する一部負担金及び保険料率についての特例を規定するものとする。

 (健康保険の一部負担金の特例)

第二条 健康保険法(大正十一年法律第七十号)第四十三条第三項の規定により保険医療機関又は保険薬局から給付を受ける者は、同法第四十三条ノ八第一項の規定にかかわらず、その給付を受ける際、次の各号の区分に従い、当該各号に規定する額を、一部負担金として当該保険医療機関又は保険薬局に支払わなければならない。

 一 初診(命令で定める初診を除く。)を受ける際 二百円

 二 薬剤の支給を受ける際 一剤一日分(厚生大臣の定める薬剤にあつては、一単位分とする。以下この号において同じ。)の額が十五円をこえる薬剤につき一剤一日分ごとに十五円

 三 健康保険法第四十三条第一項第四号の給付を受ける際 保険医療機関ごとに一日につき六十円

2 前項第二号の薬剤の単位は、健康保険法第四十三条ノ九第二項の規定による調剤料の算定の基礎となる薬剤の単位とし、同号の薬剤の額の算定は、同項の規定による薬剤料の算定の例による。

3 第一項第二号の一部負担金は、健康保険法第四十三条第一項第四号の給付を受ける者が当該保険医療機関において診療に従事する保険医の処方に係る薬剤の支給を受けるときは、支払うことを要しない。

4 第一項に規定する者で、政令で定める日において健康保険法第三条の規定による標準報酬の等級が第十五級(同法第一条に規定する被扶養者がある場合にあつては、二万四千円にその被扶養者一人につき六千円を加算して得た額を報酬月額とした場合におけるその標準報酬の等級。次項において同じ。)以下に該当するものが、政令で定めるところにより、保険者からその旨の証明書の交付を受け、これを保険医療機関又は保険薬局に提示して給付を受けるときは、第一項第二号の一部負担金は、支払うことを要しない。

5 保険者は、前項の政令で定める日において健康保険法第三条の規定による標準報酬の等級が第十五級以下に該当する者が第一項第二号の一部負担金を支払つた場合において、その支払が、緊急その他やむをえない理由により前項に規定する証明書の交付を受けることができず、又はこれを提示することができなかつたことによると認めるときは、その者に対し、当該支払つた一部負担金に相当する金額を支給することができる。

6 前項の規定による支給は、健康保険法の規定による保険給付とみなす。

7 第一項に規定する者が健康保険法第五十五条第一項の規定により給付を受ける者であるときは、第一項第二号の一部負担金は支払うことを要せず、また、同項第三号の一部負担金の額は、一日につき三十円とする。

8 健康保険法第四十三条ノ八第二項の規定は、第一項第三号の一部負担金の支払について、同条第三項及び第四項の規定は、被保険者が保険医療機関又は保険薬局に対し一日に支払うべき第一項の規定による一部負担金の額について準用する。この場合において、同条第三項中「当該保険医療機関」とあるのは「当該保険医療機関又ハ保険薬局」と、「次条第二項又ハ第三項」とあるのは「健康保険法第四十三条ノ九第二項又ハ第三項」と読み替えるものとする。

第三条 他の法令の規定で健康保険法第四十三条ノ八の規定を引用し、又は同条の規定の例によることとしているものは、前条の規定を引用し、又は同条の規定の例によることとしているものとみなす。この場合において、当該他の法令の規定中前条第四項に係る部分の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

2 健康保険法第四十三条ノ十六第二項及び第三項中「病院又ハ診療所」とあるのは、「病院若ハ診療所又ハ薬局」とする。

 (健康保険の保険料率の特例)

第四条 政府の管掌する健康保険の保険料率は、健康保険法第七十一条ノ四第一項の規定にかかわらず、千分の七十とする。

 (船員保険の一部負担金の特例)

第五条 船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)第二十八条第三項の規定により保険医療機関又は保険薬局から給付を受ける者は、同法第二十八条ノ三第一項の規定にかかわらず、その給付を受ける際、次の各号の区分に従い、当該各号に規定する額を、一部負担金として当該保険医療機関又は保険薬局に支払わなければならない。

 一 初診(命令で定める初診を除く。)を受ける際 二百円

 二 薬剤の支給を受ける際 一剤一日分(厚生大臣の定める薬剤にあつては、一単位分とする。以下この号において同じ。)の額が十五円をこえる薬剤につき一剤一日分ごとに十五円

2 前項第二号の薬剤の単位は、健康保険法第四十三条ノ九第二項の規定による調剤料の算定の基礎となる薬剤の単位とし、同号の薬剤の額の算定は、同項の規定による薬剤料の算定の例による。

3 第一項第二号の一部負担金は、保険医療機関に収容されている者が当該保険医療機関において診療に従事する保険医の処方に係る薬剤の支給を受けるときは、支払うことを要しない。被保険者であつた者が、その資格喪失前に発した疾病若しくは負傷又はこれにより発した疾病につき給付を受けるときも、同様とする。

4 第一項に規定する者で、政令で定める日において船員保険法第四条の規定による標準報酬の等級が第九級(同法第一条に規定する被扶養者がある場合にあつては、二万四千円にその被扶養者一人につき六千円を加算して得た額を報酬月額とした場合におけるその標準報酬の等級。次項において同じ。)以下に該当するものが、政令で定めるところにより、都道府県知事からその旨の証明書の交付を受け、これを保険医療機関又は保険薬局に提示して給付を受けるときは、第一項第二号の一部負担金は、支払うことを要しない。

5 都道府県知事は、前項の政令で定める日において船員保険法第四条の規定による標準報酬の等級が第九級以下に該当する者が第一項第二号の一部負担金を支払つた場合において、その支払が、緊急その他やむをえない理由により前項に規定する証明書の交付を受けることができず、又はこれを提示することができなかつたことによると認めるときは、その者に対し、当該支払つた一部負担金に相当する金額を支給することができる。

6 前項の規定による支給は、船員保険法の規定による保険給付とみなす。

7 被保険者が保険医療機関又は保険薬局に対し一日に支払うべき一部負担金の額は、第一項の規定にかかわらず、その者が当該保険医療機関又は保険薬局からその日に受けたすべての給付について、船員保険法第二十八条ノ四第二項又は第三項の規定により算定した額をこえることができない。

8 前項の場合には、船員保険法第二十八条ノ三第三項の規定を準用する。

第六条 他の法令の規定で船員保険法第二十八条ノ三の規定を引用し、又は同条の規定の例によることとしているものは、前条の規定を引用し、又は同条の規定の例によることとしているものとみなす。この場合において、当該他の法令の規定中前条第四項に係る部分の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

2 船員保険法第二十八条ノ六第二項及び第二十八条ノ七中「病院又ハ診療所」とあるのは、「病院若ハ診療所又ハ薬局」とする。

 (船員保険の保険料率の特例)

第七条 船員保険法第五十九条第五項第一号中「千分ノ二百二」とあるのは「千分ノ二百五」と、同項第二号中「千分ノ百九十一」とあるのは「千分の百九十四」とする。

2 船員保険法第六十条第一項第一号中「二百二分ノ六十六」とあるのは「二百五分ノ六十八」と、「二百二分ノ百三十六」とあるのは「二百五分ノ百三十七」と、同項第二号中「百九十一分ノ六十・五」とあるのは「百九十四分ノ六十二・五」と、「百九十一分ノ百三十・五」とあるのは「百九十四分ノ百三十一・五」とする。

   附 則

 (施行期日等)

第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。

 一 第二条、第三条、第五条及び第六条(これらの規定中それぞれ次号に規定する部分を除く。)並びに附則第三条の規定 昭和四十二年九月一日

 二 第二条第一項第二号、第二項から第六項まで及び第七項中同条第一項第二号に係る部分、第三条第一項前段(第二条第一項第二号、第二項から第六項まで及び第七項中同条第一項第二号に係る部分に係るものに限る。)、後段及び第二項、第五条第一項第二号及び第二項から第六項まで並びに第六条第一項前段(第五条第一項第二号及び第二項から第六項までに係る部分に限る。)、後段及び第二項並びに附則第二条及び附則第四条の規定 昭和四十二年十月一日

2 第四条及び第七条の規定は、昭和四十二年八月一日から適用する。

 (関連法律における措置)

第二条 国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)第五十五条第二項及び地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)第五十七条第二項中「医療機関」とあるのは、「医療機関又は薬局」とする。

 (経過規定)

第三条 昭和四十二年九月一日前に行なわれた診療又は手当に係る療養費の額については、なお従前の例による。

第四条 昭和四十二年十月一日前に行なわれた薬剤の支給に係る療養費の額については、なお従前の例による。

第五条 昭和四十二年七月以前の月に係る健康保険及び船員保険の保険料については、なお従前の保険料率による。

第六条 附則第一条第一項ただし書の規定にかかわらず、昭和四十二年十月一日前においても、第二条第四項又は第五条第四項(他の法令においてこれらの規定を引用し、又はこれらの規定の例によることとされる場合を含む。)に規定する証明書の交付の請求及びその交付をすることができる。

 (この法律の失効)

第七条 この法律は、昭和四十四年八月三十一日限り、その効力を失う。この場合における経過措置に関し必要な事項は、政令で定める。

(大蔵・厚生・自治・内閣総理大臣署名) 

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