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法律第十五号(昭四五・四・三)

  ◎不動産鑑定士特例試験及び不動産鑑定士補特例試験に関する法律

 (趣旨)

第一条 この法律は、不動産鑑定士制度の充実を図るべき必要性が存することにかんがみ、不動産の鑑定評価に関する法律(昭和三十八年法律第百五十二号。以下「法」という。)に規定する不動産鑑定士試験の特例として行なう不動産鑑定士特例試験及び不動産鑑定士補特例試験に関し所要の事項を定めるものとする。

 (特例試験の実施)

第二条 不動産鑑定士特例試験及び不動産鑑定士補特例試験は、昭和四十五年及び昭和四十六年に限り、毎年一回、行なうものとする。

 (不動産鑑定士となる資格の特例)

第三条 不動産鑑定士特例試験に合格した者は、法第四条第三項の規定にかかわらず、不動産鑑定士となる資格を有する。

 (不動産鑑定士補となる資格の特例)

第四条 不動産鑑定士補特例試験に合格した者は、法第四条第二項の規定にかかわらず、不動産鑑定士補となる資格を有する。

 (不動産鑑定士特例試験)

第五条 次の各号の一に該当する者は、不動産鑑定士特例試験を受けることができる。

 一 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)による大学(短期大学を除く。)又は旧大学令(大正七年勅令第三百八十八号)による大学を卒業した後、不動産の鑑定評価に関し通算して十年以上の実務の経験を有する者

 二 学校教育法による短期大学、旧大学令による大学予科、旧高等学校令(大正七年勅令第三百八十九号)による高等学校高等科又は旧専門学校令(明治三十六年勅令第六十一号)による専門学校を卒業し、又は修了した後、不動産の鑑定評価に関し通算して十二年以上の実務の経験を有する者

 三 学校教育法による高等学校又は旧中等学校令(昭和十八年勅令第三十六号)による中学校、高等女学校若しくは実業学校を卒業した後、不動産の鑑定評価に関し通算して十四年以上の実務の経験を有する者

 四 不動産の鑑定評価に関し通算して十七年以上の実務の経験を有する者

 五 行政機関又は政令で定めるその他の機関において不動産の鑑定評価に関する研究、調査、審査又は監督についての責任のある地位にあつた期間が、政令で定める期間以上である者

 六 前各号の一に該当する者のほか、政令で定めるところにより、これらの者と同等以上の知識及び経験を有すると認められた者

第六条 不動産鑑定士特例試験は、不動産鑑定士となるのに必要な専門的学識及び高等の専門的応用能力を有するかどうかを判定することをもつてその目的とし、不動産に関する行政法規並びに不動産の鑑定評価に関する理論及び実務について行なう。

 (不動産鑑定士補特例試験)

第七条 次の各号の一に該当する者は、不動産鑑定士補特例試験を受けることができる。

 一 学校教育法による大学(短期大学を除く。)又は旧大学令による大学を卒業した後、不動産の鑑定評価に関し通算して五年以上の実務の経験を有する者

 二 学校教育法による短期大学、旧大学令による大学予科、旧高等学校令による高等学校高等科又は旧専門学校令による専門学校を卒業し、又は修了した後、不動産の鑑定評価に関し通算して七年以上の実務の経験を有する者

 三 学校教育法による高等学校又は旧中等学校令による中学校、高等女学校若しくは実業学校を卒業した後、不動産の鑑定評価に関し通算して九年以上の実務の経験を有する者

 四 不動産の鑑定評価に関し通算して十二年以上の実務の経験を有する者

 五 前各号の一に該当する者のほか、政令で定めるところにより、これらの者と同等以上の知識及び経験を有すると認められた者

第八条 不動産鑑定士補特例試験は、不動産鑑定士補となるのに必要な専門的学識を有するかどうかを判定することをもつてその目的とし、不動産に関する行政法規並びに不動産の鑑定評価に関する理論及び実務について行なう。

 (合格者の決定)

第九条 不動産鑑定士特例試験又は不動産鑑定士補特例試験の合格者を定めるには、当該試験の成績によるほか、政令で定めるところにより、これらの試験を受けた者の不動産の鑑定評価に関する実務の経験年数を参酌することができる。

 (受験手数料)

第十条 不動産鑑定士特例試験又は不動産鑑定士補特例試験を受けようとする者は、政令で定めるところにより、千円を受験手数料として納付しなければならない。

 (特例試験の執行)

第十一条 不動産鑑定士特例試験及び不動産鑑定士補特例試験は、土地鑑定委員会が行なう。

 (準用規定)

第十二条 法第二条第一項、第十一条第二項、第十三条、第十四条、第二十条第五号、第四十七条及び第五十五条の規定は、不動産鑑定士特例試験及び不動産鑑定士補特例試験について準用する。

 (罰則)

第十三条 不動産鑑定士特例試験又は不動産鑑定士補特例試験に関し、事前に試験問題を漏らし、又は不正の採点をした者は、三万円以下の罰金に処する。

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から施行する。

 (建設省設置法の一部改正)

2 建設省設置法(昭和二十三年法律第百十三号)の一部を次のように改正する。

  第三条中第十八号の五を第十八号の六とし、第十八号の四を第十八号の五とし、第十八号の三の次に次の一号を加える。

  十八の四 不動産鑑定士特例試験及び不動産鑑定士補特例試験に関する法律(昭和四十五年法律第十五号)の施行に関する事務を管理すること。

  第四条第三項及び第四条の二第三項中「第十八号の五」を「第十八号の六」に改める。

  第十条第一項の表中「及び不動産の鑑定評価に関する法律」を「、不動産の鑑定評価に関する法律及び不動産鑑定士特例試験及び不動産鑑定士補特例試験に関する法律」に改める。

(建設・内閣総理大臣署名) 

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