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法律第七十六号(昭四八・九・一)

  ◎地方公務員災害補償法の一部を改正する法律

 地方公務員災害補償法(昭和四十二年法律第百二十一号)の一部を次のように改正する。

 第一条中「以下同じ。)」の下に「又は通勤による災害」を加える。

 第二条中第六項を第八項とし、第五項を第七項とし、同条第四項中「第二項」を「第四項」に改め、同項第一号中「又は疾病にかかり」を「若しくは疾病にかかり、又は通勤により負傷し、若しくは疾病にかかり、」に改め、同項を同条第六項とし、同条中第三項を第五項とし、第二項を第四項とし、第一項の次に次の二項を加える。

2 この法律で「通勤」とは、職員が、勤務のため、住居と勤務場所との間を、合理的な経路及び方法により往復することをいい、公務の性質を有するものを除くものとする。

3 職員が、前項の往復の経路を逸脱し、又は同項の往復を中断した場合においては、当該逸脱又は中断の間及びその後の同項の往復は、同項の通勤としない。ただし、当該逸脱又は中断が、日用品の購入その他これに準ずる日常生活上必要な行為をやむを得ない事由により行なうための最少限度のものである場合は、当該逸脱又は中断の間を除き、この限りでない。

 第三条第一項中「公務上の災害」の下に「又は通勤による災害」を加える。

 第四条中「指定都市」の下に「(第六十六条において「指定都市」という。)」を加える。

 第二十六条中「又は疾病」を「若しくは疾病にかかり、又は通勤により負傷し、若しくは疾病」に改める。

 第二十八条中「又は」を「若しくは疾病にかかり、又は通勤により負傷し、若しくは」に改める。

 第二十九条第一項中「又は」を「若しくは疾病にかかり、又は通勤により負傷し、若しくは」に改め、同条第五項中「又は」を「若しくは疾病又は通勤による負傷若しくは」に改める。

 第三十条中「、公務上の負傷、」を「、公務上の負傷若しくは疾病若しくは通勤による負傷若しくは」に改め、「身体障害」の下に「若しくは通勤による負傷、疾病若しくは身体障害」を加える。

 第三十一条中「公務上」の下に「死亡し、又は通勤により」を加える。

 第三十八条第一項中「死亡」の下に「又は通勤による死亡」を加える。

 第四十二条中「公務上」の下に「死亡し、又は通勤により」を加え、「平均給与額の六十日分に相当する」を「通常葬祭に要する費用を考慮して政令で定める」に改める。

 第四十五条中「公務」の下に「又は通勤」を加える。

 第四十七条中「災害」の下に「又は通勤による災害」を加える。

 第四十九条第一項中「負担金」の下に「その他の収入」を加える。

 第五十八条を次のように改める。

 (損害賠償との調整等)

第五十八条 地方公共団体が国家賠償法(昭和二十二年法律第百二十五号)、民法その他の法律による損害賠償の責めに任ずる場合において、基金がこの法律による補償を行なつたときは、同一の事由については、地方公共団体は、その価額の限度においてその損害賠債の責めを免れる。

2 前項の場合において、補償を受けるべき者が、同一の事由につき国家賠償法、民法その他の法律による損害賠償を受けたときは、基金は、その価額の限度において補償の義務を免れる。

 第五十九条の見出しを削る。

 第六十六条を次のように改める。

 (戸籍に関する無料証明)

第六十六条 市町村長(特別区の区長を含むものとし、指定都市にあつては、区長とする。)は、基金又はこの法律若しくはこの法律に基づく条例による補償を受けようとする者に対して、当該市(特別区を含む。)町村の条例で定めるところにより、補償を受けようとする者又は遺族の戸籍に関し、無料で証明を行なうことができる。

 第六十六条の次に次の一条を加える。

 (通勤による災害に係る一部負担金)

第六十六条の二 通勤による負傷又は疾病に係る療養補償を受ける職員(自治省令で定める職員を除く。)は、一部負担金として、二百円をこえない範囲内で自治省令で定める金額を基金に払い込まなければならない。

2 基金は、前項の一部負担金に充てるため、同項の職員に支払うべき補償の額から当該一部負担金の額に相当する金額を控除することができる。

3 職員の給与支給機関は、第一項の職員に支給すべき補償がない場合において当該職員に支給すべき給与があるときは、当該職員の給与から同項の一部負担金の額に相当する金額を控除して、これを当該職員に代わつて基金に払い込むことができる。

 第六十九条第一項中「災害」の下に「又は通勤による災害」を加える。

 附則第六条第一項中「公務上」の下に「死亡し、又は通勤により」を加える。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、労働者災害補償保険法の一部を改正する法律(昭和四十八年法律第八十五号)の施行の日から施行する。ただし、第四十二条の改正規定(「公務上」の下に「死亡し、又は通勤により」を加える部分を除く。)並びに第五十八条及び第五十九条の改正規定は、公布の日から施行する。

 (経過措置)

第二条 この法律による改正後の地方公務員災害補償法第二条、第二十六条、第二十八条から第三十一条まで、第三十八条第一項、第四十二条(公務上の死亡に係る葬祭補償の額に関する部分を除く。)、第四十七条及び附則第六条第一項の規定は、この法律の施行の日以後に発生した事故に起因する同法第二条第二項に規定する通勤による災害(附則第六条において「通勤災害」という。)について適用する。

 (健康保険法の一部改正)

第三条 健康保険法(大正十一年法律第七十号)の一部を次のように改正する。

  第五十九条ノ七中「労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)」の下に「又ハ地方公務員災害補償法(昭和四十二年法律第百二十一号)若ハ同法ニ基ク条例」を加え、「夫々療養給付若ハ長期傷病給付、休業給付若ハ長期傷病給付又ハ葬祭給付」を「夫々ノ給付ニ相当スル給付」に改める。

 (日雇労働者健康保険法の一部改正)

第四条 日雇労働者健康保険法(昭和二十八年法律第二百七号)の一部を次のように改正する。

  第十八条第一項中「労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)」の下に「、地方公務員災害補償法(昭和四十二年法律第百二十一号)若しくは同法に基づく条例」を加え、同条第四項中「労働者災害補償保険法」の下に「、地方公務員災害補償法若しくは同法に基づく条例」を加える。

 (地方公務員等共済組合法の一部改正)

第五条 地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)の一部を次のように改正する。

  目次中「第五十五条」を「第五十五条の二」に、「第九十二条」を「第九十二条の二」に改める。

  第四章第二節第一款中第五十五条の次に次の一条を加える。

  (通勤による災害に係る補償との調整)

 第五十五条の二 次条第一項又は第五十八条第一項若しくは第二項、第六十五条第一項若しくは第二項若しくは第六十八条第一項若しくは第二項に規定する療養の給付又は療養費、埋葬料若しくは傷病手当金の支給は、同一の病気、負傷又は死亡に関し、地方公務員災害補償法(昭和四十二年法律第百二十一号)の規定による補償でこれらの給付に相当する通勤(同法第二条第二項の通勤をいう。第百三十六条第一項及び第百三十七条において同じ。)による災害(以下「通勤災害」という。)に係るもの又はこれに相当する給付が行なわれることとなつたときは、行なわない。

  第八十六条第二項中「(昭和四十二年法律第百二十一号)」を削り、「これらの給付を受けている者」の下に「(当該傷病についての同法の規定による通勤災害に係る療養補償又はこれに相当する給付の開始後三年を経過するまでの間に組合員の資格を喪失し、継続して当該補償又は給付を受けている者を含む。)」を、「「療養の給付又は療養費の支給」の下に「(地方公務員災害補償法の規定による通勤災害に係る療養補償又はこれに相当する給付を含む。)」を加える。

  第八十八条第四項中「公務によらない廃疾年金にあつては」の下に「、その者が同一の廃疾に関し地方公務員災害補償法の規定による通勤災害に係る障害補償又はこれに相当する給付を受けていた者である場合を除き」を加え、同条第五項中「公務によらない廃疾年金に係る場合」の下に「(同一の廃疾に関し地方公務員災害補償法の規定による通勤災害に係る障害補償又はこれに相当する給付を受けていた場合を除く。)」を、「公務による廃疾年金に係る場合」の下に「(同一の廃疾に関し同法の規定による通勤災害に係る障害補償又はこれに相当する給付を受けていた場合を含む。)」を加える。

  第九十一条の見出し中「公務による」を削り、同条の次に次の一条を加える。

 第九十一条の二 組合員期間が十年をこえる者に支給する公務によらない廃疾年金は、同一の廃疾に関し地方公務員災害補償法の規定による通勤災害に係る障害補償年金又はこれに相当する給付が支給されることとなつたときは、これらが支給される間、次の各号に掲げる者の区分により、その額のうち、その算定の基礎となつた給料年額に当該各号に掲げる割合を乗じて得た金額に相当する金額の支給を停止する。

  一 組合員期間が二十年未満である者 組合員期間が十年をこえる年数一年につき百分の一

  二 組合員期間が二十年以上である者 百分の十

 2 公務によらない廃疾年金で、前項の規定によりその額のうち一部の金額の支給が停止されているものの額は、その額が、当該公務傷病によらない廃疾を公務傷病による廃疾とみなした場合において支給されるべき公務による廃疾年金の額をこえるときは、当該公務による廃疾年金の額に相当する額とする。

  第四章第三節第三款中第九十二条の次に次の一条を加える。

 第九十二条の二 廃疾一時金は、同一の廃疾に関し、地方公務員災害補償法の規定による通勤災害に係る障害補償又はこれに相当する給付が行なわれることとなつたときは、支給しない。

  第百六条の見出し中「特例」を「特例等」に改め、同条に次の一項を加える。

 3 地方公共団体の長であつた期間が十年をこえる者に対する公務によらない廃疾年金については、第九十一条の二第一項中「給料年額」とあるのは「第百二条第二項に規定する地方公共団体の長の給料年額」と、「組合員期間」とあるのは「地方公共団体の長であつた期間」と、「二十年」とあるのは「十二年」と、「百分の一」とあるのは「百分の二・五」と、「百分の十」とあるのは「百分の五」として、同条の規定を適用する。

  第百三十六条第一項中「負傷し、」を「負傷した場合(通勤により病気にかかり、又は負傷した場合を除く。)」に改める。

  第百三十七条第一項中「死亡した場合」の下に「(通勤により死亡した場合を除く。)」を加え、同条第二項中「公務によるもの」の下に「及び通勤によるもの」を加える。

  第百四十二条第二項の表第八十六条第二項の項中「(昭和四十二年法律第百二十一号)」を削る。

  第二百二条の表中

第八十六条第一項第一号

第八十九条第二項

 を

第八十六条第一項第一号

第八十九条第二項

第九十一条の二第二項

 に、

第八十六条第一項第二号

第八十七条第一項及び第二項

第八十八条第四項

第八十九条第一項及び第三項

第九十条第四項及び第五項

第九十三条第一項第四号

 を

第八十六条第一項第二号

第八十七条第一項及び第二項

第八十八条第四項

第八十九条第一項及び第三項

第九十条第四項及び第五項

第九十一条の二第一項

第九十三条第一項第四号

 に改め、同表第八十六条第二項の項中「(昭和四十二年法律第百二十一号)」を削り、「これらの給付を受けている者」の下に「(当該傷病についての同法の規定による通勤災害に係る療養補償又はこれに相当する給付の開始後三年を経過するまでの間に組合員の資格を喪失し、継続して当該補償又は給付を受けている者を含む。)」を、「「療養の給付又は療養費の支給」の下に「(地方公務員災害補償法の規定による通勤災害に係る療養補償又はこれに相当する給付を含む。)」を加える。

  附則第二十四条の見出し中「特例」を「特例等」に改め、同条第一項中「として」を「と、第九十一条の二第一項中「組合員期間」とあるのは「警察職員であつた期間」と、「給料年額」とあるのは「附則第二十条第二項に規定する警察職員の給料年額」として」に改める。

 (地方公務員等共済組合法の一部改正に伴う経過措置)

第六条 前条の規定による改正後の地方公務員等共済組合法第百三十六条及び第百三十七条の規定は、この法律の施行の日以後に発生した事故に起因する通勤災害に係る給付について適用する。

 (昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律の一部改正)

第七条 昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律(昭和四十八年法律第七十五号)の一部を次のように改正する。

  附則第三条に次の一項を加える。

 4 前項の規定によりなおその効力を有することとされる改正前の法第九十八条の規定による遺族一時金は、地方公務員災害補償法(昭和四十二年法律第百二十一号)の規定による通勤による災害に係る遺族補償又はこれに相当する給付が行なわれる場合には、支給しない。

(厚生・自治・内閣総理大臣署名) 

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