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法律第五十四号(昭五六・五・二七)

  ◎脱税に係る罰則の整備等を図るための国税関係法律の一部を改正する法律

 (国税通則法の一部改正)

第一条 国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)の一部を次のように改正する。

  第七十条第二項第四号を削り、同項第五号中「前各号」を「前三号」に改め、同号を同項第四号とし、同条に次の一項を加える。

 5 偽りその他不正の行為によりその全部若しくは一部の税額を免れ、若しくはその全部若しくは一部の税額の還付を受けた国税(当該国税に係る加算税及び過怠税を含む。)についての更正決定等又は偽りその他不正の行為により当該課税期間において生じた純損失等の金額が過大にあるものとする納税申告書を提出していた場合における当該申告書に記載された当該純損失等の金額(当該金額に関し更正があつた場合には、当該更正後の金額)についての更正は、前各項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる更正決定等の区分に応じ、当該各号に掲げる期限又は日から七年を経過する日まで、することができる。

  一 更正又は決定 その更正又は決定に係る国税の法定申告期限(還付請求申告書に係る更正については、当該申告書を提出した日)

  二 課税標準申告書の提出を要する国税に係る賦課決定 当該申告書の提出期限

  三 課税標準申告書の提出を要しない賦課課税方式による国税に係る賦課決定 その納税義務の成立の日

  第七十二条第一項中「日とする」の下に「。次条第三項において同じ」を加える。

  第七十三条第四項を同条第五項とし、同条第三項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。

 3 国税の徴収権で、偽りその他不正の行為によりその全部若しくは一部の税額を免れ、又はその全部若しくは一部の税額の還付を受けた国税に係るものの時効は、当該国税の法定納期限から二年間は、進行しない。ただし、当該法定納期限の翌日から同日以後二年を経過する日までの期間内に次の各号に掲げる行為又は処分があつた場合においては当該各号に掲げる行為又は処分の区分に応じ当該行為又は処分に係る部分の国税ごとに当該各号に掲げる日の翌日から、当該法定納期限までに当該行為又は処分があつた場合においては当該行為又は処分に係る部分の国税ごとに当該法定納期限の翌日から進行する。

  一 納税申告書の提出 当該申告書が提出された日

  二 更正法定等(加算税に係る賦課決定を除く。)当該更正決定等に係る更正通知書若しくは決定通知書又は賦課決定通知書が発せられた日

  三 納税に関する告知(賦課決定通知書が発せられた国税に係るものを除く。) 当該告知に係る納税告知書が発せられた日(当該告知が当該告知書の送達に代え、口頭でされた場合には、当該告知がされた日)

  四 納税の告知を受けることなくされた源泉徴収等による国税の納付 当該納付の日

 (所得税法の一部改正)

第二条 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)の一部を次のように改正する。

  第二百三十八条第一項中「三年」を「五年」に改める。

  第二百四十四条第一項中「各本条」を「当該各条」に改め、同条第二項中「前項」を「第一項」に改め、同項を同条第三項とし、同項の前に次の一項を加える。

 2 前項の規定により第二百三十八条第一項の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、同項の罪についての時効の期間による。

 (法人税法の一部改正)

第三条 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。

  第百五十九条第一項中「三年」を「五年」に改める。

  第百六十四条第一項中「第百五十九条」を「第百五十九条第一項」に、「各本条」を「当該各条」に改め、同条第二項中「前項」を「第一項」に改め、同項を同条第三項とし、同項の前に次の一項を加える。

 2 前項の規定により第百五十九条第一項の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、同項の罪についての時効の期間による。

 (相続税法の一部改正)

第四条 相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。

  第六十八条第一項中「詐偽」を「偽り」に、「三年」を「五年」に改める。

  第七十一条中「法人の代表者」を「法人(第六十六条第一項に規定する人格のない社団又は財団を含む。以下この項及び次項において同じ。)の代表者(当該社団又は財団の代表者又は管理者を含む。)」に、「罰する外」を「罰するほか」に、「各本条」を「当該各条」に改め、同条に次の二項を加える。

 2 前項の規定により第六十八条第一項の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、同項の罪についての時効の期間による。

 3 第一項に規定する社団又は財団について同項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理者がその訴訟行為につきその社団又は財団を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。

 (酒税法の一部改正)

第五条 酒税法(昭和二十八年法律第六号)の一部を次のように改正する。

  第六十二条中「罰する外」を「罰するほか」に、「各本条」を「当該各条」に改め、同条に次の一項を加える。

 2 前項の規定により第五十四条第一項若しくは第二項又は第五十五条第一項の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、当該各条の罪についての時効の期間による。

 (砂糖消費税法の一部改正)

第六条 砂糖消費税法(昭和三十年法律第三十八号)の一部を次のように改正する。

  第三十九条に次の一項を加える。

 2 前項の規定により第三十五条第一項の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、同項の罪についての時効の期間による。

 (揮発油税法の一部改正)

第七条 揮発油税法(昭和三十二年法律第五十五号)の一部を次のように改正する。

  第二十七条第一項第一号中「免かれ」を「免れ」に改め、同項第二号中「及び」を「又は」に改める。

  第三十一条に次の一項を加える。

 2 前項の規定により第二十七条第一項の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、同項の罪についての時効の期間による。

 (地方道路税法の一部改正)

第八条 地方道路税法(昭和三十年法律第百四号)の一部を次のように改正する。

  第十七条中「同条」を「当該各条」に改め、同条に次の一項を加える。

 2 前項の規定により第十五条第一項の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、同項の罪についての時効の期間による。

 (石油ガス税法の一部改正)

第九条 石油ガス税法(昭和四十年法律第百五十六号)の一部を次のように改正する。

  第三十一条に次の一項を加える。

 2 前項の規定により第二十八条第一項の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、同項の罪についての時効の期間による。

 (石油税法の一部改正)

第十条 石油税法(昭和五十三年法律第二十五号)の一部を次のように改正する。

  第二十七条に次の一項を加える。

 2 前項の規定により第二十四条第一項の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、同項の罪についての時効の期間による。

 (物品税法の一部改正)

第十一条 物品税法(昭和三十七年法律第四十八号)の一部を次のように改正する。

  第四十七条に次の一項を加える。

 2 前項の規定により第四十四条第一項の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、同項の罪についての時効の期間による。

 (トランプ類税法の一部改正)

第十二条 トランプ類税法(昭和三十二年法律第百七十三号)の一部を次のように改正する。

  第四十一条に次の一項を加える。

 2 前項の規定により第三十七条第一項の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、同項の罪についての時効の期間による。

 (入場税法の一部改正)

第十三条 入場税法(昭和二十九年法律第九十六号)の一部を次のように改正する。

  第二十五条第一項中「左の」を「次の」に、「詐偽」を「偽り」に、「免かれ」を「免れ」に改める。

  第二十八条中「罰する外」を「罰するほか」に改め、同条に次の一項を加える。

 2 前項の規定により第二十五条第一項の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、同項の罪についての時効の期間による。

 (取引所税法の一部改正)

第十四条 取引所税法(大正三年法律第二十三号)の一部を次のように改正する。

  第二十条に次の一項を加える。

  前項ノ規定ニ依リ第十六条後段、第十七条第一項、第十七条ノ二第一項又ハ第十八条後段ノ違反行為ニ付法人又ハ人ニ罰金刑ヲ科スル場合ニ於ケル時効ノ期間ハ各本条ノ罪ニ付テノ時効ノ期間ニ依ル

 (関税法の一部改正)

第十五条 関税法(昭和二十九年法律第六十一号)の一部を次のように改正する。

  第十四条第一項中「次項」を「第三項」に改め、同条第二項を削り、同条第三項を同条第二項とし、同条に次の一項を加える。

 3 偽りその他不正の行為により関税を免れ、又は関税を納付すべき貨物について関税を納付しないで輸入した場合における当該貨物に係る関税についての第一項各号又は前項各号に掲げる更正、決定又は賦課決定は、これらの規定にかかわらず、法定納期限等から七年を経過する日まで、することができる。

  第十四条の二第二項中「、「関税法第九条第二項(申告納税方式による関税の納付)」」を「「関税法第九条第二項(申告納税方式による関税の納付)」と、同条第三項中「国税」とあるのは「関税」と、「又はその全部若しくは一部の税額の還付を受けた」とあるのは「又は関税を納付すべき貨物について関税を納付しないで輸入した場合における当該貨物に係る」と、「決定納期限」とあるのは「関税法第十四条第一項に規定する法定納期限等」と、「納税申告書」とあるのは「納税申告に係る書面」と、「当該申告書」とあるのは「当該納税申告に係る書面」」に改める。

  第百十七条中「免かれる」を「免れる」に、「(前条」を「(同条」に、「罰する外」を「罰するほか」に改め、同条に次の一項を加える。

 2 前項の規定により第百十条第一項から第三項まで(関税を免れる等の罪)の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、当該各項の罪についての時効の期間による。

 (関税暫定措置法の一部改正)

第十六条 関税暫定措置法(昭和三十五年法律第三十六号)の一部を次のように改正する。

  第十四条中「各本条」を「当該各条」に改め、同条に次の一項を加える。

 2 前項の規定により第十二条第一項の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、同項の罪についての時効の期間による。

 (沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律の一部改正)

第十七条 沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律(昭和四十六年法律第百二十九号)の一部を次のように改正する。

  第八十七条第六項中「及び前二項」を「、第四項及び第五項」に、「前項」を「第五項」に改め、同項を同条第七項とし、同条第五項の次に次の一項を加える。

 6 前項の規定により第一項の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、同項の罪についての時効の期間による。

 (輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律の一部改正)

第十八条 輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律(昭和三十年法律第三十七号)の一部を次のように改正する。

  第二十五条に次の一項を加える。

 2 前項の規定により第二十三条第一項の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、同項の罪についての時効の期間による。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から施行する。

 (国税の更正、決定等の期間制限に関する経過措置)

第二条 改正後の国税通則法第七十条の規定は、この法律の施行後に同条第五項各号に掲げる期限又は日が到来する国税(国税通則法第二条第一号に規定する国税をいう。以下この条及び次条において同じ。)について適用し、この法律の施行前に当該期限又は日が到来した国税に係る国税通則法第五十八条第一項第一号に規定する更正決定等をすることができる期間については、なお従前の例による。

 (国税の徴収権の消滅時効に関する経過措置)

第三条 改正後の国税通則法第七十三条の規定は、この法律の施行後に国税通則法第七十二条第一項に規定する法定納期限が到来する国税について適用し、この法律の施行前に当該法定納期限が到来した国税の徴収権の時効については、なお従前の例による。

 (関税及び輸入品に対する内国消費税の更正、決定又は賦課決定の期間制限及び徴収権の消滅時効に関する経過措置)

第四条 改正後の関税法第十四条(輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律(以下この条において「輸徴法」という。)第二十条において準用する場合を含む。)及び第十四条の二の規定は、この法律の施行後に関税法第十四条第一項(輸徴法第二十条において準用する場合を含む。)に規定する法定納期限等が到来する関税及び内国消費税(輸徴法第二条第一号に規定する内国消費税をいう。以下この条において同じ。)について適用し、この法律の施行前に当該法定納期限等が到来した関税及び内国消費税に係る改正前の関税法第十四条第二項及び第三項(輸徴法第二十条において準用する場合を含む。)に規定する更正、決定又は賦課決定をすることができる期間並びに徴収権の消滅時効については、なお従前の例による。

 (罰則に関する経過措置)

第五条 改正後の所得税法第二百四十四条第二項、法人税法第百六十四条第二項、相続税法第七十一条第二項、酒税法第六十二条第二項、砂糖消費税法第三十九条第二項、揮発油税法第三十一条第二項、地方道路税法第十七条第二項、石油ガス税法第三十一条第二項、石油税法第二十七条第二項、物品税法第四十七条第二項、トランプ類税法第四十一条第二項、入場税法第二十八条第二項、取引所税法第二十条第二項、関税法第百十七条第二項、関税暫定措置法第十四条第二項、沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律第八十七条第六項及び輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律第二十五条第二項の規定は、この法律の施行後にした所得税法第二百三十八条第一項、法人税法第百五十九条第一項、相続税法第六十八条第一項、酒税法第五十四条第一項若しくは第二項若しくは第五十五条第一項、砂糖消費税法第三十五条第一項、揮発油税法第二十七条第一項、地方道路税法第十五条第一項、石油ガス税法第二十八条第一項、石油税法第二十四条第一項、物品税法第四十四条第一項、トランプ類税法第三十七条第一項、入場税法第二十五条第一項、取引所税法第十六条後段、第十七条第一項、第十七条ノ二第一項若しくは第十八条後段、関税法第百十条第一項から第三項まで、関税暫定措置法第十二条第一項、沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律第八十七条第一項又は輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律第二十三条第一項の違反行為について適用し、この法律の施行前にしたこれらの規定の違反行為については、なお従前の例による。

第六条 改正後の相続税法第七十一条第一項の規定は、この法律の施行後にした同項に規定する違反行為について適用する。

 (租税特別措置法の一部改正)

第七条 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)の一部を次のように改正する。

  第七十条の四第十二項第三号中「第七十三条第三項」を「第七十三条第四項」に改める。

(内閣総理・法務・大蔵大臣署名) 

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