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法律第七十号(昭五六・六・九)

  ◎原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律

 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律(昭和四十三年法律第五十三号)の一部を次のように改正する。

 第一条中「特別手当」を「医療特別手当」に改める。

 第四条を削り、第三条第一項中「こえる」を「超える」に改め、「政令の定めるところにより、その全部又は一部を」を削り、同条を第四条とする。

 第二条第一項中「原子爆弾被爆者の医療等に関する法律(昭和三十二年法律第四十一号。以下「原子爆弾被爆者医療法」という。)」を「原子爆弾被爆者医療法」に改め、同項に次のただし書を加える。

  ただし、その者が医療特別手当の支給を受けている場合は、この限りでない。

 第二条第三項中「三万三千八百円」を「三万六千円」に改め、同項ただし書を削り、同条第四項中「その者が死亡した日」を「第一項に規定する要件に該当しなくなつた日」に改め、同条第五項及び第六項を削り、同条を第三条とする。

 第一条の次に次の一条を加える。

 (医療特別手当の支給)

第二条 都道府県知事は、原子爆弾被爆者の医療等に関する法律(昭和三十二年法律第四十一号。以下「原子爆弾被爆者医療法」という。)第八条第一項の認定を受けた者であつて、同項の認定に係る負傷又は疾病の状態にあるものに対し、医療特別手当を支給する。

2 前項に規定する者は、医療特別手当の支給を受けようとするときは、同項に規定する要件に該当することについて、都道府県知事の認定を受けなければならない。

3 医療特別手当は、月を単位として支給するものとし、その額は、一月につき、九万八千円とする。

4 医療特別手当の支給は、第二項の認定を受けた者が同項の認定の申請をした日の属する月の翌月から始め、第一項に規定する要件に該当しなくなつた日の属する月で終わる。

 第五条第一項中「原子爆弾被爆者医療法第二条に規定する被爆者(以下単に「被爆者」という。)」を「被爆者」に改め、同項ただし書中「特別手当」を「医療特別手当、特別手当又は原子爆弾小頭症手当」に改め、同条第四項中「二万二千五百円」を「二万四千円」に改め、同条の前に次の一条を加える。

 (原子爆弾小頭症手当の支給)

第四条の二 都道府県知事は、原子爆弾被爆者医療法第二条に規定する被爆者(以下単に「被爆者」という。)であつて、原子爆弾の放射能の影響による小頭症の患者であるもの(小頭症による厚生省令で定める範囲の精神上又は身体上の障害がない者を除く。)に対し、原子爆弾小頭症手当を支給する。

2 前項に規定する者は、原子爆弾小頭症手当の支給を受けようとするときは、同項に規定する要件に該当することについて、都道府県知事の認定を受けなければならない。

3 原子爆弾小頭症手当は、月を単位として支給するものとし、その額は、一月につき、三万三千六百円とする。

4 原子爆弾小頭症手当の支給は、第二項の認定を受けた者が同項の認定の申請をした日の属する月の翌月から始め、その者が死亡した日の属する月で終わる。

 第五条の二第一項ただし書中「特別手当」を「医療特別手当、特別手当、原子爆弾小頭症手当」に改め、同条第三項中「一万千三百円」を「一万二千円」に改め、同項に次のただし書を加える。

  ただし、次の各号の一に該当する旨の都道府県知事の認定を受けた者であつて、現に当該各号の一に該当するものに支給する保健手当の額は、一月につき、二万四千円とする。

 一 厚生省令で定める範囲の身体上の障害(原子爆弾の傷害作用の影響によるものでないことが明らかであるものを除く。)がある者

 二 配偶者、子及び孫のいずれもいない七十歳以上の者であつて、その者と同居している者がいないもの

 第五条の二に次の二項を加える。

5 第二項の認定を受けた者が新たに第三項ただし書に規定する都道府県知事の認定を受けた場合における保健手当の額の改定は、その認定の申請をした日の属する月の翌月から行う。

6 第二項の認定を受けた者が第三項ただし書に規定する者に該当しなくなつた場合における保健手当の額の改定は、その該当しなくなつた日の属する月の翌月から行う。

 第六条中「第三条及び」を削る。

 第七条を次のように改める。

 (届出)

第七条 第二条第二項、第三条第二項、第四条の二第二項、第五条第二項又は第五条の二第二項の認定を受けた者は、厚生省令の定めるところにより、都道府県知事に対し、厚生省令で定める事項を届け出なければならない。

2 都道府県知事は、医療特別手当、特別手当、原子爆弾小頭症手当、健康管理手当又は保健手当の支給を受けている者が、正当な理由がなくて前項の規定による届出をしないときは、その支払を一時差し止めることができる。

 第八条を削る。

 第九条第二項を削り、同条を第八条とする。

 第九条の二の前に次の一条を加える。

 (介護手当の支給の制限)

第九条 介護手当は、前条に規定する者、その配偶者又は民法第八百七十七条第一項に定める扶養義務者で前条に規定する者の生計を維持するものの所得につき所得税法の規定により計算した前年分(一月から四月までの間に受けた介護に係る介護手当については、前前年分とする。)の所得税の額が政令で定める額を超えるときは、支給しない。

 第十条第一項中「特別手当」を「医療特別手当、特別手当、原子爆弾小頭症手当」に改め、「、医療手当」を削る。

 第十一条第一項中「特別手当」を「医療特別手当、特別手当、原子爆弾小頭症手当」に改め、「、医療手当」を削り、「特別手当等」を「医療特別手当等」に改める。

 第十二条中「特別手当等」を「医療特別手当等」に、「差し押える」を「差し押さえる」に改める。

 第十三条中「特別手当等」を「医療特別手当等」に改める。

 第十四条中「第二条第一項」の下に「、第三条第一項、第四条の二第一項」を加える。

 第十六条中「行なう特別手当等」を「行う医療特別手当等」に改める。

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、昭和五十六年八月一日から施行する。

 (経過措置)

2 この法律の施行の際現にこの法律による改正前の原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律(以下「旧法」という。)第二条第三項ただし書の認定の申請をしている者に対しては、なお従前の例により認定をするものとする。

3 昭和五十六年七月以前の月分の特別手当、健康管理手当及び保健手当の額については、なお従前の例による。

4 この法律の施行前に原子爆弾被爆者の医療等に関する法律(昭和三十二年法律第四十一号)第七条第一項の規定により受けた医療の給付に係る旧法第七条の医療手当の支給に関しては、なお従前の例による。

5 旧法第二条第三項ただし書の認定を受けた者であつて、この法律の施行の際現に当該認定に係る負傷又は疾病の状態にあるもの及び附則第二項の規定により旧法第二条第三項ただし書の規定の例による認定を受けた者であつて、この法律の施行の際現に当該認定に係る負傷又は疾病の状態にあつたものは、この法律による改正後の原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律(以下「新法」という。)第二条第二項の認定を受けた者とみなす。

6 前項の規定により新法第二条第二項の認定を受けた者とみなされた者に対する医療特別手当の支給は、昭和五十六年八月から始める。

7 この法律の施行の際現に原子爆弾小頭症手当の支給要件に該当する者が、昭和五十六年八月三十一日までに新法第四条の二第二項の認定の申請をしたときは、その者に対する原子爆弾小頭症手当の支給は、同条第四項の規定にかかわらず、同月から始める。

8 この法律の施行の際現に保健手当の支給を受けている者であつて、新法第五条の二第三項ただし書各号の一に該当するものが、昭和五十六年八月三十一日までに同項ただし書の認定の申請をしたときは、その者に対する保健手当の額の改定は、同条第五項の規定にかかわらず、同月から行う。

(厚生・内閣総理大臣署名) 

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