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法律第九十号(昭五六・一一・一七)

  ◎昭和五十六年分所得税の特別減税のための臨時措置法

 (趣旨)

第一条 この法律は、一年限りの特例措置として、昭和五十六年分の所得税について、特別減税を行うため必要な事項を定めるものとする。

 (定義)

第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 一 居住者 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)第二条第一項第三号に規定する居住者をいう。

 二 非居住者 所得税法第百六十四条第一項各号に掲げる非居住者をいう。

 三 控除対象配偶者 所得税法第二条第一項第三十三号に規定する控除対象配偶者をいう。

 四 扶養親族 所得税法第二条第一項第三十四号に規定する扶養親族をいう。

 五 特別減税前の所得税額 昭和五十六年分の所得税につき、この法律の規定を適用せず、かつ、所得税法第二編第二章第四節、第三章、第四章及び第百六十五条の規定、租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第九条、第十条、第十条の二第三項及び第四項、第二十四条から第二十五条の二まで、第二十八条の四、第二章第四節第二款から第八款まで、第三十八条、第三十九条、第二章第五節第一款、第四十一条の四並びに第四十一条の五の規定、租税特別措置法の一部を改正する法律(昭和五十四年法律第十五号)附則第五条の規定、租税特別措置法の一部を改正する法律(昭和五十五年法律第九号。第八条第二項において「昭和五十五年改正法」という。)附則第十三条第二項の規定、租税特別措置法の一部を改正する法律(昭和五十六年法律第十三号)附則第三条及び第五条の規定並びに災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律(昭和二十二年法律第百七十五号)第二条の規定を適用して計算した所得税の額をいう。

 六 確定申告書 所得税法第二条第一項第三十七号に規定する確定申告書(当該確定申告書に係る国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第十九条第三項に規定する修正申告書を含む。)をいう。

 (特別減税の額の控除)

第三条 居住者又は非居住者の昭和五十六年分の所得税については、この法律の定めるところにより、その者の特別減税前の所得税額から特別減税の額を控除する。

 (特別減税の額)

第四条 前条に規定する特別減税の額は、居住者又は非居住者について五百円(昭和五十六年分の所得税につき適用される所得税法第八十三条第三項に規定する配偶者控除に係る控除対象配偶者又は同法第八十四条第三項に規定する扶養控除に係る扶養親族を有する居住者については、五百円に当該控除対象配偶者又は扶養親族一人につき五百円を加算した金額)とする。ただし、当該金額が当該居住者又は非居住者の特別減税前の所得税額を超える場合には、特別減税の額は、当該特別減税前の所得税額に相当する金額とする。

2 前項に定めるもののほか、同項に規定する特別減税の額の計算に関し必要な事項は、政令で定める。

 (居住者の確定申告に係る特別減税の額の控除)

第五条 居住者の昭和五十六年分の所得税に係る所得税法第百二十条第一項第三号に掲げる所得税の額の計算については、同号中「第三章(税額の計算)」とあるのは、「第三章(税額の計算)及び昭和五十六年分所得税の特別減税のための臨時措置法(昭和五十六年法律第九十号)第三条(特別減税の額の控除)」とする。

 (居住者の確定申告書の提出の特例)

第六条 居住者の昭和五十六年分の所得税に係る確定申告書の提出については、次に定めるところによる。

 一 所得税法第百二十条第一項の規定の適用については、同項中「配当控除の額」とあるのは、「配当控除の額と昭和五十六年分所得税の特別減税のための臨時措置法第三条(特別減税の額の控除)の規定により控除される特別減税の額との合計額」とする。

 二 所得税法第百二十条第三項第三号の規定の適用については、同号中「交付される源泉徴収票」とあるのは、「交付される源泉徴収票(当該給与所得に係る第二十八条第一項(給与所得)に規定する給与等のうち第百八十五条第一項第三号(労働した日ごとに支払われる給与等)に掲げる給与等については、当該給与等の金額等を証する書類として大蔵省令で定めるものを含む。)」とする。

 (非居住者の確定申告に係る特別減税の額の控除等)

第七条 前二条の規定は、非居住者の昭和五十六年分の所得税の額の計算及び確定申告書の提出について準用する。

 (居住者の年末調整に係る給与特別減税額の控除)

第八条 居住者の昭和五十六年中に支払の確定した給与等(所得税法第百九十条第一号に規定する給与等をいう。次項において同じ。)に対する同条の規定の適用については、同条第二号に掲げる税額は、当該税額に相当する金額から給与特別減税額を控除した金額に相当する金額とする。

2 前項に規定する給与特別減税額は、五百円(所得税法第百九十条第二号の規定により同号に掲げる税額を求める場合に適用される同号ハに規定する配偶者控除の額に係る控除対象配偶者又は同号ハに規定する扶養控除の額に係る扶養親族を有する者については、五百円に当該控除対象配偶者又は扶養親族一人につき五百円を加算した金額)とする。ただし、当該金額が昭和五十六年中に支払の確定した給与等につき同条の規定(租税特別措置法第四十一条の二若しくは第四十一条の五の規定又は昭和五十五年改正法附則第十三条第二項の規定の適用がある場合には、これらの規定を含む。)を適用して求めた所得税法第百九十条第二号に掲げる税額を超える場合には、給与特別減税額は、当該税額に相当する金額とする。

3 第一項の規定の適用がある場合における所得税法第二条第一項第四十五号の規定の適用については、同号中「第六章まで(源泉徴収)」とあるのは、「第六章まで(源泉徴収)及び昭和五十六年分所得税の特別減税のための臨時措置法第八条第一項(居住者の年末調整に係る給与特別減税額の控除)」とする。

 (政令への委任)

第九条 第五条から前条までに定めるもののほか、昭和五十七年分の所得税に係る所得税法第百四条第一項に規定する予定納税基準額の計算その他この法律の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から施行する。

 (確定申告に係る特別減税の額の控除に関する経過措置)

第二条 第五条から第七条までの規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後に提出する確定申告書に係る昭和五十六年分の所得税について適用する。

 (年末調整に係る給与特別減税額の控除に関する経過措置)

第三条 第八条の規定は、昭和五十六年中に支払うべき給与等でその最後に支払をする日が施行日以後であるものについて適用する。ただし、同年中に支払うべき所得税法第二十九条に規定する年金については、当該年金に係る同法第百九十条の規定による所得税の納付をすべき日が施行日以後であるものについて適用する。

 (施行日前に死亡した者等に係る更正の請求)

第四条 施行日前に昭和五十六年分の所得税につき所得税法第百二十五条又は第百二十七条(これらの規定を同法第百六十六条において準用する場合を含む。)の規定による確定申告書を提出した者及び施行日前に同年分の所得税につき国税通則法第二十五条の規定による決定を受けた者は、当該確定申告書に記載された事項又は当該決定に係る事項(これらの事項につき施行日前に同法第二十四条又は第二十六条の規定による更正があつた場合には、当該更正後の事項)につきこの法律の規定の適用により異動を生ずることとなつたときは、その異動を生ずることとなつた事項について、施行日から起算して一年を経過する日までに、税務署長に対し、国税通則法第二十三条第一項の更正の請求をすることができる。

2 前項の更正の請求に基づく国税通則法第二十四条又は第二十六条の規定による更正があつた場合において、所得税法第百五十九条第二項(同法第百六十八条において準用する場合を含む。)の規定による還付金(第四条第一項に規定する特別減税の額に相当する金額に限る。)について国税通則法第五十八条第一項に規定する還付加算金を計算するときは、その計算の基礎となる同項の期間は、施行日からその還付のための支払決定をする日又はその還付金につき同法第五十七条第一項の規定による充当をする日(同日前にその充当をするのに適することとなつた日がある場合には、その適することとなつた日)までの期間とする。

(大蔵・内閣総理大臣署名) 

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