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法律第二十四号(昭五九・五・一)

  ◎特許特別会計法

 (設置)

第一条 特許等工業所有権に関する事務の遂行に資するとともに、その経理を明確にするため、特別会計を設置し、一般会計と区分して経理する。

 (管理)

第二条 この会計は、通商産業大臣が、法令で定めるところに従い、管理する。

 (歳入及び歳出)

第三条 この会計においては、郵政事業特別会計法(昭和二十四年法律第百九号)第四十条の規定による郵政事業特別会計からの特許印紙に係る受入金、第七条の規定による一般会計からの繰入金、第十一条第一項の規定による借入金、第十二条第三項ただし書の規定による一時借入金の借換えによる収入金及び附属雑収入をもつてその歳入とし、事務取扱費、施設費、第十一条第一項の規定による借入金の償還金及び利子、第十二条第一項の規定による一時借入金の利子、同条第三項ただし書の規定により借り換えた一時借入金の償還金及び利子その他の諸費をもつてその歳出とする。

 (歳入歳出予定計算書の作成及び送付)

第四条 通商産業大臣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出予定計算書を作成し、大蔵大臣に送付しなければならない。

 (歳入歳出予算の区分)

第五条 この会計の歳入歳出予算は、歳入にあつては、その性質に従つて款及び項に、歳出にあつては、その目的に従つて項に区分する。

 (予算の作成及び提出)

第六条 内閣は、毎会計年度、この会計の予算を作成し、一般会計の予算とともに、国会に提出しなければならない。

2 前項の予算には、第四条に規定する歳入歳出予定計算書を添付しなければならない。

 (一般会計からの繰入れ)

第七条 政府は、登録免許税の納付の確認並びに課税標準及び税額の認定の事務に要する経費の財源に充てるため、毎会計年度、予算で定めるところにより、一般会計からこの会計に繰入金をするものとする。

2 政府は、この会計の収入支出の状況により必要があると認めるときは、予算で定めるところにより、一般会計からこの会計に繰入金をすることができる。

 (剰余金の繰入れ)

第八条 この会計において、毎会計年度の歳入歳出の決算上剰余金を生じたときは、これを翌年度の歳入に繰り入れるものとする。ただし、当該剰余金から政令で定める金額を控除した金額は、予算で定めるところにより、一般会計の歳入に繰り入れることができる。

 (歳入歳出決定計算書の作成及び送付)

第九条 通商産業大臣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出予定計算書と同一の区分により、この会計の歳入歳出決定計算書を作成し、大蔵大臣に送付しなければならない。

 (歳入歳出決算の作成及び提出)

第十条 内閣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出決算を作成し、一般会計の歳入歳出決算とともに、国会に提出しなければならない。

2 前項の歳入歳出決算には、前条に規定する歳入歳出決定計算書を添付しなければならない。

 (借入金)

第十一条 この会計において、経費を支弁するため必要があるときは、この会計の負担において、借入金をすることができる。

2 前項の規定による借入金の限度額については、予算をもつて、国会の議決を経なければならない。

 (一時借入金等)

第十二条 この会計において、支払上現金に不足があるときは、この会計の負担において、一時借入金をし、又は国庫余裕金を繰り替えて使用することができる。

2 前項の規定による一時借入金及び繰替金の限度額については、予算をもつて、国会の議決を経なければならない。

3 第一項の規定による一時借入金及び繰替金は、当該年度の歳入をもつて償還しなければならない。ただし、歳入不足のため償還することができないときは、その償還することができない金額を限り、一時借入金の借換えをすることができる。

4 前項ただし書の規定により借り換えた一時借入金は、その借換えをしたときから一年内に償還しなければならない。

 (借入金及び一時借入金の借入れ及び償還の事務)

第十三条 第十一条の規定による借入金及び前条の規定による一時借入金の借入れ及び償還に関する事務は、大蔵大臣が行う。

 (国債整理基金特別会計への繰入れ)

第十四条 第十一条第一項の規定による借入金の償還金及び利子、第十二条第一項の規定による一時借入金の利子並びに同条第三項ただし書の規定により借り換えた一時借入金の償還金及び利子の支出に必要な金額は、毎会計年度、国債整理基金特別会計に繰り入れなければならない。

 (余裕金の預託)

第十五条 この会計において、支払上現金に余裕があるときは、これを資金運用部に預託することができる。

 (実施規定)

第十六条 この法律の実施のための手続その他その執行について必要な事項は、政令で定める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、昭和五十九年七月一日から施行する。

 (権利義務の帰属等に関する経過措置)

第二条 この法律の施行の際一般会計に所属する権利義務で工業所有権に関する事務に係るものは、政令で定めるところにより、この会計に帰属するものとする。

2 次に掲げる場合には、当分の間、この会計と一般会計との間において無償として整理することができる。

 一 前項の規定によりこの会計に帰属することとなつた国有財産でこの会計において使用する必要がなくなつたものについて、政令で定めるところにより、一般会計に所管換又は所属替をする場合

 二 一般会計に所属する国有財産のうち、この会計の事務の用に供するため必要があるものについて、政令で定めるところにより、この会計に所管換又は所属替をする場合

 三 この会計の事務のために使用する必要がある場合において、一般会計に所属する国有財産を、政令で定めるところにより、この会計において使用させるとき。

 (特許法の一部改正)

第三条 特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)の一部を次のように改正する。

  第百七条に次の一項を加える。

 3 第一項の特許料の納付は、通商産業省令で定めるところにより、特許印紙をもつてしなければならない。

  第百十二条第四項を同条第五項とし、同条第三項中「前項」を「第二項」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。

 3 前項の割増特許料の納付は、通商産業省令で定めるところにより、特許印紙をもつてしなければならない。

  第百九十五条中第五項を第六項とし、第四項を第五項とし、第三項の次に次の一項を加える。

 4 第一項又は第二項の手数料の納付は、通商産業省令で定めるところにより、特許印紙をもつてしなければならない。

 (実用新案法の一部改正)

第四条 実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)の一部を次のように改正する。

  第三十一条に次の一項を加える。

 3 第一項の登録料の納付は、通商産業省令で定めるところにより、特許印紙をもつてしなければならない。

  第三十三条第四項を同条第五項とし、同条第三項中「前項」を「第二項」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。

 3 前項の割増登録料の納付は、通商産業省令で定めるところにより、特許印紙をもつてしなければならない。

  第五十四条中第五項を第六項とし、第四項を第五項とし、第三項を第四項とし、第二項の次に次の一項を加える。

 3 第一項の手数料の納付は、通商産業省令で定めるところにより、特許印紙をもつてしなければならない。

 (意匠法の一部改正)

第五条 意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)の一部を次のように改正する。

  第四十二条に次の一項を加える。

 4 第一項又は第二項の登録料の納付は、通商産業省令で定めるところにより、特許印紙をもつてしなければならない。

  第四十四条第三項中「前項」を「第二項」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。

 3 前項の割増登録料の納付は、通商産業省令で定めるところにより、特許印紙をもつてしなければならない。

  第六十七条中第四項を第五項とし、第三項を第四項とし、第二項の次に次の一項を加える。

 3 第一項の手数料の納付は、通商産業省令で定めるところにより、特許印紙をもつてしなければならない。

 (商標法の一部改正)

第六条 商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)の一部を次のように改正する。

  第四十条に次の一項を加える。

 4 第一項又は第二項の登録料の納付は、通商産業省令で定めるところにより、特許印紙をもつてしなければならない。

  第七十六条中第四項を第五項とし、第三項を第四項とし、第二項の次に次の一項を加える。

 3 第一項の手数料の納付は、通商産業省令で定めるところにより、特許印紙をもつてしなければならない。

 (特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律の一部改正)

第七条 特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律(昭和五十三年法律第三十号)の一部を次のように改正する。

  第十八条第三項中「第五項」を「第六項」に改める。

 (特許印紙による納付の開始に伴う経過措置)

第八条 附則第三条から前条までの規定による改正後の特許法、実用新案法、意匠法、商標法又は特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律の規定にかかわらず、この法律の施行の日から二週間以内に特許料、割増特許料、手数料、登録料又は割増登録料を納付するときは、収入印紙又は特許印紙をもつてすることができる。

 (印紙をもつてする歳入金納付に関する法律の一部改正)

第九条 印紙をもつてする歳入金納付に関する法律(昭和二十三年法律第百四十二号)の一部を次のように改正する。

  第二条第一項に次の一号を加える。

  七 特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第百七条第一項の規定により特許料を、同法第百十二条第二項の規定により割増特許料を、同法第百九十五条第一項若しくは第二項の規定により手数料を、実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第三十一条第一項の規定により登録料を、同法第三十三条第二項の規定により割増登録料を、同法第五十四条第一項の規定により手数料を、意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第四十二条第一項若しくは第二項の規定により登録料を、同法第四十四条第二項の規定により割増登録料を、同法第六十七条第一項の規定により手数料を、商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第四十条第一項若しくは第二項の規定により登録料を、同法第七十六条第一項の規定により手数料を、特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律(昭和五十三年法律第三十号)第八条第四項、第十二条第三項若しくは第十八条第一項の規定により手数料を又はその他工業所有権に関する事務に係る手数料を納付するとき。

  第二条第二項中「及び自動車重量税法に規定する自動車重量税印紙」を「、自動車重量税法に規定する自動車重量税印紙並びに特許法、実用新案法、意匠法及び商標法に規定する特許印紙」に改める。

  第三条第一項に次の一号を加える。

  八 特許印紙 郵便局のうち郵政大臣が通商産業大臣に協議して指定するもの又は郵便切手類売りさばき所若しくは印紙売りさばき所

  第三条第二項中「及び第七号」を「、第七号及び第八号」に改める。

 (郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部改正)

第十条 郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律(昭和二十四年法律第九十一号)の一部を次のように改正する。

  第一条中「及び自動車重量税印紙」を「、自動車重量税印紙及び特許印紙」に改める。

 (郵政事業特別会計法の一部改正)

第十一条 郵政事業特別会計法(昭和二十四年法律第百九号)の一部を次のように改正する。

  第四十条中「国税収納金整理資金に」の下に「、特許印紙に係るものは特許特別会計に」を加える。

 (退職職員に支給する退職手当支給の財源に充てるための特別会計等からする一般会計への繰入及び納付に関する法律の一部改正)

第十二条 退職職員に支給する退職手当支給の財源に充てるための特別会計等からする一般会計への繰入及び納付に関する法律(昭和二十五年法律第六十二号)の一部を次のように改正する。

  第一条中「機械類信用保険特別会計」の下に「、特許特別会計」を加える。

(大蔵・通商産業・内閣総理大臣署名) 

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