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法律第六十二号(平五・六・一四)

  ◎商法等の一部を改正する法律

 (商法の一部改正)

第一条 商法(明治三十二年法律第四十八号)の一部を次のように改正する。

  第二百六十七条第四項中「前二項」を「第二項又ハ第三項」に改め、同条第三項の次に次の一項を加える。

  前二項ノ訴ハ訴訟ノ目的ノ価額ノ算定ニ付テハ財産権上ノ請求ニ非ザル請求ニ係ル訴ト看做ス

  第二百六十八条ノ二第一項中「第二百六十七条第二項」の下に「又ハ第三項」を、「場合ニ於テ」の下に「其ノ訴訟ヲ行フニ必要ト認ムベキ費用ニシテ訴訟費用ニ非ザルモノヲ支出シタルトキ又ハ」を、「対シ」の下に「其ノ費用ノ額ノ範囲内又ハ」を加える。

  第二百七十三条第一項中「二年」を「三年」に改める。

  第二百九十三条ノ六第一項中「十分ノ一」を「百分ノ三」に改める。

  第二百九十七条を次のように改める。

 第二百九十七条 社債ヲ募集スルニハ会社ハ社債管理会社ヲ定メ社債権者ノ為ニ弁済ノ受領、債権ノ保全其ノ他ノ社債ノ管理ヲ為スベキコトヲ委託スルコトヲ要ス但シ各社債ノ金額ガ一億円ヲ下ラザル場合又ハ社債ノ総額ヲ社債ノ最低額ヲ以テ除シタル数ガ五十ヲ下ル場合ハ此ノ限ニ在ラズ

  第二百九十七条の次に次の二条を加える。

 第二百九十七条ノ二 銀行、信託会社又ハ担保附社債信託法第五条ノ免許ヲ受ケタル会社ニ非ザレバ社債管理会社タルコトヲ得ズ

 第二百九十七条ノ三 社債管理会社ハ社債権者ノ為ニ公平且誠実ニ社債ノ管理ヲ為スコトヲ要ス

  社債管理会社ハ社債権者ニ対シ善良ナル管理者ノ注意ヲ以テ社債ノ管理ヲ為ス義務ヲ負フ

  第二百九十九条第一項を削る。

  第三百一条第二項第一号中「会社」の下に「及社債管理会社」を加え、同項第九号から第十四号までを次のように改める。

  九 第三百四条ノ規定ニ依リ社債ヲ発行スルトキハ其ノ旨及各会社ノ負担部分

  十 第三百八条ノ別段ノ定アルトキハ其ノ規定

  十一乃至十四 削除

  第三百一条第二項第十五号中「前号ノ会社ガ」を削り、「トキハ其ノ旨」を「者アルトキハ其ノ氏名」に改め、同項の次に次の一項を加える。

  社債ノ応募額ガ社債申込証ニ記載シタル社債ノ総額ニ達セザルトキト雖モ社債ヲ成立セシムル旨ヲ社債申込証ニ記載シタルトキハ其ノ応募額ヲ以テ社債ノ総額トス

  第三百二条後段を削る。

  第三百四条を次のように改める。

 第三百四条 会社ハ合同シテ社債ヲ発行スルコトヲ得

  第三百六条第二項中「第十四号」を「第十号」に改める。

  第三百八条中「社債権者ハ」の下に「別段ノ定アル場合ヲ除クノ外」を加え、同条ただし書を削る。

  第三百九条第一項中「社債募集ノ委託ヲ受ケタル会社」を「社債管理会社」に、「社債ノ償還ヲ受クルニ」を「弁済ヲ受ケ又ハ債権ノ実現ヲ保全スルニ」に改め、同条第二項中「前項ノ会社ガ社債ノ償還」を「社債管理会社ガ弁済」に改め、同条第三項中「償還額ノ」の下に「、利札ト引換ニ利息ノ」を加え、同条の次に次の四条を加える。

 第三百九条ノ二 社債管理会社ガ左ノ行為ヲ為スニハ社債権者集会ノ決議ニ依ルコトヲ要ス

  一 総社債ニ付為ス支払ノ猶予、不履行ニ因リテ生ジタル責任ノ免除又ハ和解

  二 前条第一項ノ行為ヲ除クノ外総社債ニ付為ス訴訟行為又ハ破産手続、和議手続、更生手続若ハ整理若ハ特別清算ニ関スル手続ニ属スル一切ノ行為

  前条第二項ノ規定ハ社債管理会社ガ前項各号ニ掲グル行為ヲ為シタル場合ニ之ヲ準用ス

 第三百九条ノ三 第三百九条第一項ノ行為又ハ前条第一項各号ニ掲グル行為ヲ為ス為必要アルトキハ社債管理会社ハ裁判所ノ許可ヲ得テ社債ヲ発行シタル会社ノ業務及財産ノ状況ヲ調査スルコトヲ得

 第三百九条ノ四 社債権者ト社債管理会社トノ利益相反スル場合ニ於テ社債権者ノ為ニ裁判上又ハ裁判外ノ行為ヲ為ス必要アルトキハ裁判所ハ社債権者集会ノ請求ニ依リ特別代理人ヲ選任スルコトヲ要ス

 第三百九条ノ五 社債管理会社又ハ前条ノ特別代理人ガ社債権者ノ為ニ裁判上又ハ裁判外ノ行為ヲ為ス場合ニ於テハ各別ニ社債権者ヲ表示スルコトヲ要セズ

  第三百十条中「社債募集ノ委託ヲ受ケタル会社」を「社債管理会社」に改める。

  第三百十一条中「社債募集ノ委託ヲ受ケタル会社」を「社債管理会社」に、「償還額」を「弁済額」に改め、同条の次に次の一条を加える。

 第三百十一条ノ二 社債管理会社ガ本法又ハ社債権者集会ノ決議ニ違反スル行為ヲ為シ之ニ因リテ社債権者ニ損害ヲ生ジタルトキハ其ノ社債管理会社ハ社債権者ニ対シ連帯シテ其ノ賠償ノ責ニ任ズ

  社債管理会社ガ自己ノ債権ニ付社債ヲ発行シタル会社ヨリ担保ノ供与又ハ債務ノ消滅ニ関スル行為ヲ受ケタル場合ニ於テ其ノ後三月内ニ其ノ社債ヲ発行シタル会社ガ社債ノ償還若ハ其ノ利息ノ支払ヲ怠リ又ハ其ノ社債ヲ発行シタル会社ニ付支払ノ停止アリタルトキハ其ノ社債管理会社ハ社債権者ニ対シ損害賠償ノ責ニ任ズ但シ社債管理会社ガ誠実ニ為スベキ社債ノ管理ヲ怠ラザリシコト又ハ自己ノ債権ニ付担保ノ供与若ハ債務ノ消滅ニ関スル行為ヲ受ケズトモ社債権者ニ損害ガ生ズベカリシコトヲ証明シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ

  第三百十二条中「社債募集ノ委託ヲ受ケタル会社」を「社債管理会社」に改め、同条後段を次のように改める。

   此ノ場合ニ於テ社債管理会社ナキニ至ルベキトキハ予メ事務ヲ承継スベキ社債管理会社ヲ定ムルコトヲ要ス

  第三百十二条に次の二項を加える。

  前項ノ規定ニ依リ事務ヲ承継スベキ社債管理会社ガ定メラレタルトキハ社債ヲ発行シタル会社ハ遅滞ナク其ノ旨ヲ公告シ且知レタル社債権者ニハ各別ニ之ヲ通知スルコトヲ要ス

  社債管理会社ハ已ムコトヲ得ザル事由アルトキハ第一項ノ規定ニ拘ラズ裁判所ノ許可ヲ得テ辞任スルコトヲ得

  第三百十三条中「社債募集ノ委託ヲ受ケタル会社ガ」を「社債管理会社ガ其ノ義務ニ違反シ又ハ」に改める。

  第三百十四条第一項を次のように改める。

  社債管理会社ガ第二百九十七条ノ二ニ規定スル会社タラザルモノト為リ第三百十二条第三項ノ規定ニ依リ辞任シ若ハ前条ノ規定ニ依リ解任セラレ又ハ解散シタル場合ニ於テ社債管理会社ナキニ至リタルトキハ社債ヲ発行シタル会社ハ事務ヲ承継スベキ社債管理会社ヲ定メテ社債ノ管理ヲ為スベキコトヲ委託スルコトヲ要ス此ノ場合ニ於テハ同意ヲ得ル為遅滞ナク社債権者集会ヲ招集シ若シ社債権者集会ノ同意ヲ得ラレザリシトキハ其ノ同意ニ代ヘテ裁判所ノ許可ヲ求ムルコトヲ要ス

  第三百十四条第二項中「事務承継者」を「事務ヲ承継スベキ社債管理会社」に改め、同条第一項の次に次の一項を加える。

  前項前段ニ規定スル場合ニ於テ社債管理会社ナキニ至リタル後二月内ニ社債ヲ発行シタル会社ガ同項ノ規定ニ違反シテ社債権者集会ヲ招集セズ又ハ裁判所ノ許可ヲ求メザルトキハ社債ノ総額ニ付期限ノ利益ヲ失フ

  第三百十四条に次の一項を加える。

  第三百十二条第二項ノ規定ハ第一項又ハ前項ノ規定ニ依リ事務ヲ承継スベキ社債管理会社ガ定メラレ又ハ選任セラレタル場合ニ之ヲ準用ス

  第三百十七条第三号中「第三百一条第二項第二号」を「第三百一条第二項第一号」に、「第十四号」を「第九号」に改める。

  第三百二十条第一項中「社債募集ノ委託ヲ受ケタル会社」を「社債管理会社」に改め、同条第三項中「会社」を「社債ヲ発行シタル会社又ハ社債管理会社」に改め、同条に次の一項を加える。

  前項ノ規定ニ依ル供託ハ社債管理会社アルトキハ其ノ社債管理会社ニ之ヲ為スコトヲ要ス

  第三百二十一条に次の一項を加える。

  前条第六項ノ規定ハ前項ノ規定ニ依ル供託ニ之ヲ準用ス

  第三百二十一条の次に次の一条を加える。

 第三百二十一条ノ二 社債権者集会ニ出席セザル社債権者ハ書面ヲ以テ議決権ヲ行使スルコトヲ得

  前項ノ規定ニ依リ議決権ヲ行使スルニハ書面ニ必要ナル事項ヲ記載シ之ヲ社債権者集会ノ会日ノ前日迄ニ其ノ招集者ニ提出スルコトヲ要ス

  第一項ノ規定ニ依リ行使セラレタル議決権ノ数ハ出席シタル社債権者ノ議決権ノ数ニ之ヲ算入ス

  第三百二十二条第一項中「社債募集ノ委託ヲ受ケタル会社」を「社債管理会社」に改め、同項に次のただし書を加える。

   但シ社債管理会社ニ在リテハ其ノ社債権者集会ガ第三百九条ノ四ノ特別代理人ノ選任ニ関スル事項ニ付招集セラレタルモノナル場合ハ此ノ限ニ在ラズ

  第三百二十二条第二項中「会社」を「社債ヲ発行シタル会社及社債管理会社」に改める。

  第三百二十四条を次のように改める。

 第三百二十四条 社債権者集会ノ決議ハ出席シタル社債権者ノ議決権ノ過半数ヲ以テ之ヲ為ス但シ第三百九条ノ二第一項、第三百十九条、第三百二十九条第一項、第三百三十条第一項但書及第三百三十三条ニ規定スル社債権者集会ノ目的タル事項ノ決議ニ付テハ第三百四十三条ノ規定ヲ準用ス

  第三百二十九条第一項中「五百分ノ一」を「千分ノ一」に改め、同条第二項中「トキハ」を「場合ニ於テ社債権者集会ニ於テ別段ノ定ヲ為サザルトキハ」に改める。

  第三百三十条中「社債募集ノ委託ヲ受ケタル会社」を「社債管理会社」に改め、同条に次の一項を加える。

  第三百九条ノ五ノ規定ハ代表者又ハ執行者ガ社債権者集会ノ決議ヲ執行スル場合ニ之ヲ準用ス

  第三百三十二条中「社債ノ償還」を「弁済」に改める。

  第三百三十六条第一項中「社債募集ノ委託ヲ受ケタル会社」を「社債管理会社」に、「及其ノ事務処理ノ為ニ要スル費用」を「、其ノ事務処理ノ為ニ要スル費用及其ノ支出ノ日以後ニ於ケル利息並ニ其ノ事務処理ノ為自己ニ過失ナクシテ受ケタル損害ノ賠償ノ額」に改め、同条第二項中「社債募集ノ委託ヲ受ケタル会社」を「社債管理会社」に、「償還」を「弁済」に、「及費用ノ弁済」を「、費用及其ノ利息ノ弁済並ニ損害ノ賠償」に改める。

  第三百三十九条第一項中「第二百三十九条第二項第三項」の下に「、第二百三十九条ノ二」を加え、「、第二百四十三条及第二百四十四条第一項第二項」を「及第二百四十三条」に改め、同条第二項中「社債権者集会」を「前項」に改め、同条第三項中「社債募集ノ委託ヲ受ケタル会社」を「社債管理会社」に、「前項」を「第二項」に改め、「閲覧」の下に「又ハ謄写」を加え、同条第一項の次に次の一項を加える。

  社債権者集会ノ招集者ハ議事録ヲ作ルコトヲ要ス此ノ場合ニ於テ議事録ニハ議事ノ経過ノ要領及其ノ結果ヲ記載シ議長並ニ出席シタル社債ヲ発行シタル会社ノ代表者及社債管理会社ノ代表者之ニ署名スルコトヲ要ス

  第三百四十条第一項及び第二項中「社債募集ノ委託ヲ受ケタル会社」を「社債管理会社」に改める。

  第四百九十八条第一項中「社債募集ノ委託ヲ受ケタル会社、其ノ事務ノ承継者」を「社債管理会社、事務ヲ承継スベキ社債管理会社」に改め、同項第二十号中「第三百三十九条第二項」を「第三百三十九条第三項」に改め、同項第二十二号中「旧社債ノ償還ヲ為サザル」を「第三百十四条第一項ノ規定ニ違反シテ事務ヲ承継スベキ社債管理会社ヲ定メザリシ」に改める。

 (株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の一部改正)

第二条 株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律(昭和四十九年法律第二十二号)の一部を次のように改正する。

  第三条第二項中「監査役の過半数」を「監査役会」に改め、同条第三項中「監査役は、その過半数の同意」を「監査役会は、その決議」に改める。

  第六条の二第一項中「監査役の全員の同意」を「監査役会の決議」に改め、同条第二項中「監査役」を「監査役会が選任した監査役」に改める。

  第六条の四第一項中「監査役は、その過半数の同意」を「監査役会は、その決議」に改める。

  第八条の見出し及び同条第一項、第十二条並びに第十三条第一項中「監査役」を「監査役会」に改める。

  第十四条の見出し中「監査役」を「監査役会」に改め、同条第三項中「第一項」を「第二項」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項中「監査報告書には」の下に「、第一項の規定による監査役の報告に基づき」を加え、同項に後段として次のように加える。

   この場合において、各監査役の意見を付記することができる。

  第十四条第二項第一号中「自己」を「監査役」に改め、同項を同条第三項とする。

  第十四条第一項中「監査役」を「監査役会」に改め、同項を同条第二項とし、同条に第一項として次の一項を加える。

   監査役は、前条第一項の監査報告書の調査その他の監査を終えたときは、監査役会に対し、第三項各号に掲げる事項について報告しなければならない。

  第十六条第一項前段中「各監査役」を「監査役会」に改め、「旨の記載」の下に「(各監査役の意見の付記を含む。)」を加える。

  第十七条第一項中「監査役」を「監査役会又は監査役」に改める。

  第十八条第一項中「二人以上」を「三人以上で、そのうち一人以上は、その就任の前五年間会社又はその子会社の取締役又は支配人その他の使用人でなかつた者」に改め、同条の次に次の三条を加える。

  (監査役会の組織等)

 第十八条の二 会社にあつては、監査役の全員で監査役会を組織する。

 2 監査役会は、この法律に定める権限を有するほか、その決議をもつて、監査の方針、会社の業務及び財産の状況の調査の方法その他の監査役の職務の執行に関する事項を定めることができる。ただし、監査役の権限の行使を妨げることはできない。

 3 監査役は、監査役会の求めがあるときは、いつでもその職務の執行の状況を監査役会に報告しなければならない。

  (監査役会の決議方法等)

 第十八条の三 監査役会の決議は、監査役の過半数をもつて行う。ただし、第六条の二第一項の決議は、監査役の全員一致をもつて行う。

 2 商法第二百五十九条第一項本文、第二百五十九条ノ二、第二百五十九条ノ三及び第二百六十条ノ四の規定は、監査役会について準用する。この場合において、同法第二百五十九条第一項本文中「各取締役」とあるのは「各監査役」と、同法第二百五十九条ノ二中「各取締役及各監査役」とあるのは「各監査役」と、同法第二百五十九条ノ三及び第二百六十条ノ四第二項中「取締役及監査役」とあるのは「監査役」と読み替えるものとする。

  (監査役の損害賠償責任)

 第十八条の四 商法第二百六十六条第二項及び第三項の規定は、監査役のした行為につき同法第二百七十七条の規定を適用する場合又は同法第二百八十条第一項の規定により同法第二百六十六条ノ三第一項の規定を準用する場合において、その監査役のした行為が監査役会の決議に基づいてされたときについて準用する。

 2 商法第二百六十六条ノ三第二項及び第三項の規定は、監査役が第十四条第二項の監査報告書に記載すべき重要な事項につき虚偽の記載をした場合について準用する。

  第十九条の見出しを「(商法の特例等)」に改め、同条中「商法」の下に「第二百八十条第二項、」を加え、同条を同条第二項とし、同条に第一項として次の一項を加える。

   会社に関する商法第二百三十八条、第二百七十四条ノ二並びに第四百二十条第一項及び第二項の規定の適用については、これらの規定中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。

  第三十条第一項第三号中「第七条第一項」の下に「、第十八条の三第二項において準用する商法第二百六十条ノ四第四項」を加え、同項第六号中「第二百八十二条第一項」の下に「、第十八条の三第二項において準用する同法第二百六十条ノ四第三項」を加え、同項第十一号を同項第十二号とし、同項第十号の次に次の一号を加える。

  十一 第十八条第一項の規定に違反して、同項に規定する者に該当する者を監査役に選任しなかつたとき。

 (担保附社債信託法の一部改正)

第三条 担保附社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)の一部を次のように改正する。

  第二条に後段として次のように加える。

   此ノ場合ニ於テハ其ノ信託会社ハ社債権者ノ為ニ社債ノ管理ヲ為ス

  第二条に次の一項を加える。

  商法(明治三十二年法律第四十八号)第二百九十七条ノ規定ハ前項ノ場合ニハ之ヲ適用セズ

  第十五条第二項中「社債権者集会」の下に「(物上担保付社債ノ社債権者集会ヲ謂フ以下同ジ)」を加える。

  第十九条第十号中「第三十二条ニ依ル社債ナルトキハ其ノ事実」を「商法第三百四条ノ規定ニ依リ社債ヲ発行スルトキハ其ノ旨」に改める。

  第二十条第二項中「其ノ原本ヲ」を削り、「、其ノ謄本ヲ各支店ニ」を「之ヲ」に改める。

  第二十一条中「信託証書ノ原本又ハ謄本ハ」を削り、「社債応募者ノ請求アルトキハ」を「社債応募者ハ」に、「之ヲ閲覧又ハ謄写セシムベシ」を「前条ノ信託証書ノ閲覧ヲ求メ又ハ会社ノ定メタル費用ヲ支払ヒテ其ノ謄本若ハ抄本ノ交付ヲ求ムルコトヲ得」に改める。

  第二十二条第一項各号列記以外の部分を次のように改める。

  物上担保付社債ノ社債申込証ニハ商法第三百一条第二項及第三項、第三百四十一条ノ三並ニ第三百四十一条ノ十二ニ掲ゲタルモノ(社債管理会社ノ商号ヲ除ク)ノ外左ノ事項ヲ記載スベシ

  第二十二条第一項第一号を次のように改める。

  一 受託会社ノ商号

  第二十二条第一項第五号を削り、同項第四号ノ二を同項第五号とする。

  第二十二条第一項第六号及び第七号を次のように改める。

  六及七 削除

  第二十二条第一項第八号中「若ハ其ノ謄本」及び「若ハ謄写」を削り、「場所」の下に「並ニ其ノ謄本又ハ抄本ノ交付ヲ為スベキ方法」を加え、同条第二項中「前項ニ」を「前項ノ社債申込証ニ同項ニ」に、「公告スベシ」を「記載スベシ」に改め、同項ただし書中「第十九条第三号乃至第七号」を「商法第三百一条第二項第三号乃至第八号、第十号及第十五号、第三百四十一条ノ三並ニ第三百四十一条ノ十二」に改め、同項第四号中「若ハ其ノ謄本」及び「若ハ謄写」を削り、「場所」の下に「並ニ其ノ謄本又ハ抄本ノ交付ヲ為スベキ方法」を加え、同条第三項中「公告」を「社債申込証」に、「為スベシ」を「作ルベシ」に改める。

  第二十三条から第三十条までを次のように改める。

 第二十三条乃至第三十条 削除

  第三十一条を削り、第三十一条ノ二を第三十一条とする。

  第三十二条を削り、第三十一条ノ三を第三十二条とする。

  第三十三条を削り、第三十三条ノ二を第三十三条とする。

  第三十五条中「債券ニハ」の下に「商法第三百六条第二項、第三百四十一条ノ三及第三百四十一条ノ十二ニ掲ゲタルモノ(社債管理会社ノ商号ヲ除ク)ノ外」を加え、同条第一号を次のように改める。

  一 受託会社ノ商号

  第三十五条第三号を削り、同条第二号ノ二を同条第三号とし、同条第四号及び第五号を削る。

  第三十八条及び第三十九条を次のように改める。

 第三十八条及第三十九条 削除

  第四十条第一項中「第三百十七条」の下に「、第三百四十一条ノ三及第三百四十一条ノ十二」を、「モノ」の下に「(社債管理会社ノ商号ヲ除ク)」を加え、同項第一号中「第十九条第一号、第九号及第十号」を「第十九条第九号」に改め、同項第二号中「第三十五条第二号、第四号及第五号」を「第二十二条第一項第一号乃至第三号」に改める。

  「第六章 社債権者集会」を削る。

  第四十四条から第五十七条までを次のように改める。

 第四十四条乃至第五十七条 削除

  第五十八条中「本法」の下に「及商法」を加え、「特ニ」を削り、同条の前に次の章名を付する。

    第六章 社債権者集会

  第五十九条を次のように改める。

 第五十九条 社債権者集会ハ委託会社ノ外受託会社之ヲ招集ス

  社債権者集会ニ関シテハ商法第三百二十条第三項及第六項(同法第三百二十一条第三項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)並ニ第三百二十二条第一項及第二項中「社債管理会社」トアルハ「受託会社」トス

  第六十二条を削り、第六十一条第一項中「決議録」を「議事録」に改め、「自ラ其ノ原本ヲ保存シ」を削り、同条第二項を削り、同条を第六十二条とする。

  第六十条第一項中「決議録」を「議事録ノ謄本」に改め、「、其ノ謄本ヲ五年間支店ニ」を削り、同条第二項中「委託会社又ハ」を削り、「決議録」を「謄本」に改め、同条に次の一項を加え、同条を第六十一条とする。

  社債権者集会ノ議事録ニ付テハ商法第三百三十九条第二項及第四項中「社債管理会社」トアルハ「受託会社」トス

  第五十九条の次に次の一条を加える。

 第六十条 社債権者集会ノ決議ハ商法第三百二十四条ノ規定ニ依ルノ外第七十五条及第七十五条ノ二ノ決議ニ付テハ同法第三百四十三条ノ規定ヲ準用ス

  第六十三条中「決議ハ」の下に「商法第三百三十条第一項ノ規定ニ拘ラズ」を加える。

  第六十四条を次のように改める。

 第六十四条 削除

  第六十五条中「代表者」を「社債権者集会ノ代表者」に改め、「於テハ」の下に「商法第三百三十条第一項本文ノ規定ニ拘ラズ」を加える。

  第六十六条及び第六十七条を削り、第六十七条ノ二を第六十六条とし、第六十七条ノ三を第六十七条とする。

  第六十八条に次の一項を加える。

  受託会社ハ委託会社及社債権者ニ対シテ善良ナル管理者ノ注意ヲ以テ信託事務ヲ処理スル義務ヲ負フ

  第六十九条を次のように改める。

 第六十九条 受託会社ハ社債ノ管理ニ関シテハ本法ニ規定アル場合ヲ除クノ外社債管理会社ト同一ノ権限ヲ有シ義務ヲ負フ

  第七十七条第一項ただし書中「及第二十九条第一項ニ依リ社債ノ総額ヲ引受ケタル者」を削り、同条第二項中「、第二十一条及第三十一条」を「及第二十一条」に改める。

  第七十九条から第八十一条までを次のように改める。

 第七十九条乃至第八十一条 削除

  第八十二条第一項の次に次の一項を加える。

  商法第三百九条第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス

  第八十四条から第八十七条までを次のように改める。

 第八十四条乃至第八十七条 削除

  第八十八条第四項を削る。

  第八十九条第二項中「トキ」を「トキハ商法第三百九条ノ四ノ規定ニ拘ラズ」に改める。

  第九十一条第一項中「受託会社ハ」の下に「商法第三百三十六条第一項ノ規定ニ拘ラズ」を加え、同条に次の一項を加える。

  商法第三百三十六条第二項ノ規定ハ第一項ノ報酬ヲ受クルコトニ之ヲ適用セズ

  第九十二条第一項中「委託会社ハ」の下に「商法第三百三十六条第一項ノ規定ニ拘ラズ」を加え、同条第三項を次のように改める。

  商法第三百三十六条第二項ノ規定ハ第一項ノ費用及其ノ利息ノ償還並ニ損害ノ賠償ヲ受クルコトニ之ヲ適用セズ

  第九十五条第一項中「第六十四条第一項ニ依リ選任セラレタル」を「社債権者集会ノ」に改める。

  第百二条ただし書中「及第二十九条第一項ニ依リ社債ノ総額ヲ引受ケタル者」を削る。

  第百八条中「十円以上千円以下ノ過料ニ処ス」を「三年以下ノ懲役若ハ三百万円以下ノ罰金ニ処シ又ハ之ヲ併科ス」に改める。

  第百九条を次のように改める。

 第百九条 法人(法人ニ非ザル社団又ハ財団ニシテ代表者又ハ管理人ノ定アルモノヲ含ム以下本項ニ於テ同ジ)ノ代表者又ハ法人若ハ人ノ代理人、使用人其ノ他ノ従業者ガ其ノ法人又ハ人ノ業務ニ関シ前条ノ違反行為ヲ為シタルトキハ其ノ行為者ヲ罰スルノ外其ノ法人又ハ人ニ対シ同条ノ罰金刑ヲ科ス

  前項ノ規定ニ依リ法人ニ非ザル社団又ハ財団ヲ処罰スル場合ニ於テハ其ノ代表者又ハ管理人ガ其ノ訴訟行為ニ付其ノ社団又ハ財団ヲ代表スルノ外法人ヲ被告人トスル場合ノ刑事訴訟ニ関スル法律ノ規定ヲ準用ス

  第百十条中「第二十九条第一項ニ依リ社債ノ総額ヲ引受ケタル者、第六十四条」を「社債権者集会」に、「五円以上五百円」を「百万円」に改め、同条第三号を次のように改める。

  三 本法ノ規定ニ違反シ正当ノ事由ナクシテ書類ノ閲覧若ハ謄写又ハ其ノ謄本若ハ抄本ノ交付ヲ拒ミタルトキ   

  第百十条に次の十五号を加える。

  五 本法ニ依ル主務官庁ノ命令ニ違反シタルトキ

  六 本法ニ依ル主務官庁ノ検査ヲ妨ゲタルトキ

  七 社債権者集会ノ決議ニ依ルベキ場合ニ於テ之ニ依ラズ又ハ之ニ違反シタルトキ

  八 社債権者集会又ハ其ノ代表者ニ対シテ不実ノ報告ヲ為シ又ハ事実ヲ隠蔽シタルトキ

  九 第六条ノ規定ニ違反シタルトキ

  十 第八条ノ規定ニ違反シタルトキ

  十一 第十七条第一項又ハ第九十七条第二項ノ規定ニ違反シタルトキ

  十二 第二十二条第一項又ハ第二項ノ規定ニ違反シテ社債申込証ニ記載スベキ事項ヲ記載セズ又ハ不実ノ記載ヲ為シタルトキ

  十三 第三十五条ノ規定ニ違反シテ債券ニ記載スベキ事項ヲ記載セズ又ハ不正ノ記載ヲ為シタルトキ

  十四 第三十六条ニ定メタル手続ヲ履行セズシテ債券ヲ交付シタルトキ

  十五 第七十条第二項ニ依ル担保権ノ保存又ハ実行ヲ怠リタルトキ

  十六 第八十八条第一項又ハ第三項ノ規定ニ違反シタルトキ

  十七 第九十五条第一項ニ依ル検査ヲ妨ゲタルトキ

  十八 第百五条第一項ニ定メタル事務ノ引継ヲ怠リタルトキ

  十九 第百十九条ノ二ニ依ル登記ヲ為スコトヲ怠リタルトキ

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (経過措置の原則)

第二条 改正後の商法、株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律及び担保附社債信託法の規定(罰則を除く。)は、特別の定めがある場合を除いては、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、改正前のこれらの法律によって生じた効力を妨げない。

 (代表訴訟に関する経過措置)

第三条 この法律の施行前に商法第二百六十七条第二項又は第三項(これらの規定を同法又は他の法律において準用する場合を含む。)の訴えが提起された場合においては、その訴訟の目的の価額の算定に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。

 (監査役の任期に関する経過措置)

第四条 この法律の施行の際現に存する株式会社の監査役でこの法律の施行後最初に到来する決算期に関する定時総会の終結前に在任するものの任期に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。

 (旧社債に関する経過措置)

第五条 この法律の施行前に社債(担保付社債を除く。以下この条、次条及び附則第十四条において同じ。)の募集の決議があった場合においては、その社債に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。

 (旧社債の社債権者集会に関する経過措置)

第六条 前条に規定する場合においても、この法律の施行後に招集手続が開始される社債の社債権者集会に関しては、同条の規定にかかわらず、改正後の商法第三百二十一条ノ二、第三百二十四条、第三百二十九条及び第三百三十九条の規定を適用する。この場合において、同条第二項及び第四項中「社債管理会社」とあるのは、「社債募集ノ委託ヲ受ヶタル会社」とする。

 (大会社の監査等に関する経過措置)

第七条 この法律の施行の際現に存する株式会社で株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律第二条各号の一に該当するものについては、改正後の株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の規定は、この法律の施行後最初に到来する決算期に関する定時総会の終結の時までは、適用しない。

 (旧担保付社債に関する経過措置)

第八条 この法律の施行前に担保付社債について信託契約が締結された場合においては、その担保付社債に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。ただし、信託証書の備置き、その閲覧又は謄写及びその謄本又は抄本の交付、受託会社に対する担保付社債の募集の委任並びにそれにより生じる受託会社の権能及び義務並びに受託会社及びそれ以外の者による担保付社債の総額の引受け並びにそれにより生じるこれらの者の権能及び義務については、この限りでない。

 (旧担保付社債の分割発行に関する経過措置)

第九条 前条本文に規定する場合においても、この法律の施行前にその信託契約により社債の総額を数回に分けて発行することとされた担保付社債でこの法律の施行後に発行されるものに関しては、同条本文の規定にかかわらず、改正後の商法及び担保附社債信託法を適用する。

 (旧担保付社債の社債権者集会に関する経過措置)

第十条 附則第八条本文に規定する場合においても、この法律の施行後に招集手続が開始される担保付社債の社債権者集会に関しては、同条本文の規定にかかわらず、改正後の商法及び担保附社債信託法を適用する。

 (旧担保付社債の期限の利益の喪失に関する経過措置)

第十一条 附則第八条本文に規定する場合においても、この法律の施行後に委託会社が定期にするべき担保付社債の一部の償還又は利息の支払を怠ったときにおける期限の利益の喪失に関しては、同条本文の規定にかかわらず、商法第三百三十四条及び第三百三十五条の規定を適用する。

 (罰則の適用に関する経過措置)

第十二条 この法律の施行前にした行為及びこの法律附則の規定により従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (商法中改正法律施行法の一部改正)

第十三条 商法中改正法律施行法(昭和十三年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。

  第五十六条を次のように改める。

 第五十六条 削除

  第六十条を次のように改める。

 第六十条 削除

  第六十一条中「償還額」を「弁済額」に、「償還」を「弁済」に改める。

 (商法中改正法律施行法の一部改正に伴う経過措置)

第十四条 附則第五条の規定により従前の例によることとされる場合における社債に係る募集の委託を受ける者並びに社債権者集会に係る供託及び公告方法に関しては、前条の規定の施行後も、なお従前の例による。

(法務・内閣総理大臣署名) 

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