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法律第十六号(平七・三・一)

  ◎阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律

目次

 第一章 総則(第一条・第二条)

 第二章 総理府関係(第三条―第五条)

 第三章 大蔵省関係(第六条―第十三条)

 第四章 文部省関係(第十四条―第十七条)

 第五章 厚生省関係(第十八条―第五十六条)

 第六章 農林水産省関係(第五十七条―第六十四条)

 第七章 通商産業省関係(第六十五条―第七十条)

 第八章 運輸省関係(第七十一条―第七十三条)

 第九章 労働省関係(第七十四条)

 第十章 建設省関係(第七十五条―第七十八条)

 第十一章 自治省関係(第七十九条―第八十八条)

 附則

   第一章 総則

 (趣旨)

第一条 この法律は、阪神・淡路大震災に対処するため、地方公共団体等に対する特別の財政援助並びに社会保険の加入者等についての負担の軽減、中小企業者及び住宅を失った者等に対する金融上の支援等の特別の助成措置について定めるものとする。

 (定義)

第二条 この法律において「特定被災地方公共団体」とは、兵庫県及び阪神・淡路大震災による被害を受けた市町村で政令で定めるものをいう。

2 この法律において「特定被災区域」とは、阪神・淡路大震災に際し災害救助法(昭和二十二年法律第百十八号)が適用された市町村の区域をいう。

   第二章 総理府関係

 (警察施設の復旧に要する経費の補助)

第三条 阪神・淡路大震災に伴い被害を受けた兵庫県の区域内における警察施設であって次の各号に掲げるものの復旧に要する経費については、国は、予算の範囲内において、兵庫県に対し、当該各号に掲げる警察施設の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める割合により算定した額に相当する額を補助する。

 一 信号機、道路標識、道路標示又は交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法(昭和四十一年法律第四十五号)第二条第三項第一号ロに規定する交通管制センター 十分の八

 二 前号に掲げるもの以外の警察施設であって、警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第三十七条第二項の規定により都道府県がその要する経費を支弁することとされているもの 三分の二

 (自衛官の療養の給付に係る一部負担金の支払の免除等の措置)

第四条 防衛庁の職員の給与等に関する法律(昭和二十七年法律第二百六十六号)第二十二条第一項の規定の適用を受ける者であって、第六条第一項に規定する大蔵省令で定めるものを勘案して総理府令で定めるものに係る一部負担金の支払の免除並びに入院時食事療養費、特定療養費、療養費及び訪問看護療養費の額の特例については、国家公務員等共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)による組合員に対する特例に関する第三章の規定の例により、総理府令で定める。

 (激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律の特例)

第五条 特定被災地方公共団体については、阪神・淡路大震災に係る激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律(昭和三十七年法律第百五十号)第三条第一項の特定地方公共団体とみなして、同法の規定を適用する。

   第三章 大蔵省関係

 (国共済法の療養の給付に係る一部負担金の支払の免除の特例)

第六条 国家公務員等共済組合法(以下「国共済法」という。)第三条第一項に規定する国家公務員等共済組合(以下この条及び次条において「国共済組合」という。)は、国共済組合の組合員(国共済法第五十九条第一項本文の規定の適用を受ける同項に規定する一年以上組合員であった者を含み、老人保健法(昭和五十七年法律第八十号)の規定による医療を受けることができる者を除く。)であって、阪神・淡路大震災による特定被災区域における被害の状況その他の事情(第二十五条第一項に規定する厚生大臣が定める日の翌日以降においては、阪神・淡路大震災による特定被災区域における被害の状況、所得の状況その他の事情)を参酌して大蔵省令で定めるもの(以下この章において「被災国共済組合員」という。)が、平成七年一月十七日から同年十二月三十一日までの間に受ける療養の給付について、国共済法第五十五条第一項第二号又は第三号に掲げる医療機関又は薬局に支払うべき同条第二項の規定による一部負担金の支払を免除することができる。

2 前項の規定により一部負担金の支払を免除された被災国共済組合員は、国共済法第五十五条第二項本文の規定にかかわらず、当該一部負担金を同条第一項第二号又は第三号に掲げる医療機関又は薬局に支払うことを要しない。

3 国共済法第五十五条第四項の規定は、第一項の規定により被災国共済組合員が同項に規定する一部負担金の支払を免除された場合には、適用しない。

 (国共済法の入院時食事療養費の額についての特例)

第七条 前条第一項の規定により同項に規定する一部負担金の支払を免除した国共済組合(以下この章において「特例国共済組合」という。)が、平成七年一月十七日から第二十五条第一項に規定する厚生大臣が定める日までの間に被災国共済組合員が受けた食事療養(国共済法第五十四条第二項に規定する食事療養をいう。以下この章において同じ。)について国共済法第五十五条の二第一項の規定により当該被災国共済組合員に対して支給する入院時食事療養費の額は、同条第二項の規定にかかわらず、当該食事療養に係る同項に規定する費用の額に相当する金額とする。

 (国共済法の特定療養費の額についての特例)

第八条 特例国共済組合が、平成七年一月十七日から同年十二月三十一日までの間に被災国共済組合員が受けた国共済法第五十五条の三第一項各号に掲げる療養について同項の規定により当該被災国共済組合員に対して支給する特定療養費の額は、同条第二項の規定にかかわらず、第一号に規定する金額(当該療養に食事療養が含まれるときは、当該金額及び第二号に規定する金額との合算額)とする。

 一 当該療養(食事療養を除く。)に係る国共済法第五十五条の三第二項第一号に規定する費用の額に相当する金額

 二 当該食事療養に係る国共済法第五十五条の三第二項第二号に規定する費用の額に相当する金額(第二十五条第一項に規定する厚生大臣が定める日の翌日以降に受けた食事療養については、当該費用の額から同号に規定する標準負担額を控除した額に相当する金額)

 (国共済法の療養費の額についての特例)

第九条 特例国共済組合が、平成七年一月十七日から同年十二月三十一日までの間に被災国共済組合員が受けた療養について国共済法第五十六条第一項又は第二項の規定により当該被災国共済組合員に対して支給する療養費の額は、同条第三項の規定にかかわらず、当該療養(食事療養を除く。)に係る同項に規定する費用の額に相当する金額及び当該食事療養に係る同項に規定する費用の額に相当する金額(第二十五条第一項に規定する厚生大臣が定める日の翌日以降に被災国共済組合員が受けた食事療養については、当該費用の額から国共済法第五十六条第三項に規定する標準負担額を控除した額に相当する金額)の合算額(同条第一項の規定による場合には、当該合算額の範囲内で特例国共済組合が定める金額)とする。

 (国共済法の訪問看護療養費の額についての特例)

第十条 特例国共済組合が、平成七年一月十七日から同年十二月三十一日までの間に被災国共済組合員が受けた指定訪問看護(国共済法第五十六条の二第一項に規定する指定訪問看護をいう。第十二条において同じ。)についての同項の規定により当該被災国共済組合員に対して支給する訪問看護療養費の額は、国共済法第五十六条の二第二項の規定にかかわらず、当該指定訪問看護に係る同項に規定する費用の額に相当する金額とする。

 (国共済法の家族療養費の額についての特例)

第十一条 特例国共済組合が、平成七年一月十七日から同年十二月三十一日までの間に国共済法第二条第一項第二号に規定する被扶養者(国共済法第五十九条第一項本文の規定の適用を受ける同項に規定する一年以上組合員であった者の被扶養者及び同条第二項の規定により療養に関する死亡後の給付を受ける者を含み、老人保健法の規定による医療を受けることができる者を除く。)であって、阪神・淡路大震災による特定被災区域における被害の状況その他の事情(第二十五条第一項に規定する厚生大臣が定める日の翌日以降においては、阪神・淡路大震災による特定被災区域における被害の状況、所得の状況その他の事情)を参酌して大蔵省令で定めるもの(以下この条及び次条において「被災国共済被扶養者」という。)が受けた療養について国共済法第五十七条第一項の規定により当該被災国共済被扶養者に係る組合員(国共済法第五十九条第一項本文の規定の適用を受ける同項に規定する一年以上組合員であった者及び同条第二項の規定の適用を受ける被災国共済被扶養者を含む。次条において同じ。)に対して支給する家族療養費の額は、国共済法第五十七条第二項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める金額とする。

 一 保険医療機関等(国共済法第五十五条の三第一項第二号に規定する保険医療機関等をいう。以下この条において同じ。)から国共済法第五十四条第一項各号に掲げる療養(食事療養及び選定療養(同条第二項に規定する選定療養をいう。以下この条において同じ。)を除く。)を受ける場合(第三号に掲げる場合を除く。) その療養に係る費用の額に相当する金額

 二 特定承認保険医療機関(国共済法第五十五条の三第一項第一号に規定する特定承認保険医療機関をいう。)から国共済法第五十四条第一項各号に掲げる療養(食事療養を除く。)を受ける場合又は保険医療機関等から同項各号に掲げる療養(食事療養を除く。)であって選定療養に該当するものを受ける場合(次号に掲げる場合を除く。) その療養に係る費用の額に相当する金額

 三 保険医療機関等から国共済法第五十四条第一項各号に掲げる療養(食事療養及び選定療養を除く。)及び同項各号に掲げる療養(食事療養を除く。)であって選定療養に該当するものを受ける場合 前二号に規定する金額の合算額

 四 前三号に掲げる場合において国共済法第五十四条第一項第五号に掲げる療養(食事療養を除く。)に併せて食事療養を受ける場合 前三号に規定する金額及び当該食事療養について算定した費用の額に相当する金額(第二十五条第一項に規定する厚生大臣が定める日の翌日以降に被災国共済被扶養者が受けた食事療養については、当該費用の額から国共済法第五十七条第二項第七号に規定する標準負担額を控除した額に相当する金額)の合算額

2 前項第一号に規定する療養に係る費用の額は国共済法第五十五条第六項に規定する費用の額と、前項第二号に規定する療養に係る費用の額は国共済法第五十五条の三第二項第一号に規定する費用の額と、前項第四号に規定する食事療養に係る費用の額は国共済法第五十五条の二第二項に規定する費用の額とする。

3 第九条の規定は、国共済法第五十七条第七項において準用する国共済法第五十六条第一項又は第二項の規定により被災国共済被扶養者に係る家族療養費を支給する場合について準用する。この場合において、国共済法第五十七条第八項の規定は、適用しない。

 (国共済法の家族訪問看護療養費の額についての特例)

第十二条 特例国共済組合が、平成七年一月十七日から同年十二月三十一日までの間に被災国共済被扶養者が受けた指定訪問看護について国共済法第五十七条の二第一項の規定により当該被災国共済被扶養者に係る組合員に対して支給する家族訪問看護療養費の額は、同条第二項の規定にかかわらず、当該指定訪問看護に係る同項に規定する費用の額に相当する金額とする。

 (適用)

第十三条 第六条から前条までの規定は、平成七年一月十七日から適用する。

   第四章 文部省関係

 (私学共済組合の標準給与の改定の特例)

第十四条 私立学校教職員共済組合(以下この章において「私学共済組合」という。)は、学校法人等(私立学校教職員共済組合法(昭和二十八年法律第二百四十五号。以下この条及び次条において「私学共済法」という。)第十四条第一項に規定する学校法人等及び私学共済法附則第十項の規定により学校法人とみなされる者をいう。第十六条において同じ。)が設置する学校等(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校、同法第八十二条の二に規定する専修学校及び同法第八十三条第一項に規定する各種学校をいう。以下この項及び第十六条第一項において同じ。)で、平成七年一月十七日において特定被災区域に所在していたものが阪神・淡路大震災による被害を受けたことにより、当該学校等に勤務する私学共済法による組合員(私学共済法第二十五条において準用する国共済法第百二十六条の五第二項に規定する任意継続組合員を除く。以下この条及び第十六条第一項において「私学共済組合員」という。)の同月から同年十二月までのいずれかの月に受けた給与(私学共済法第二十一条第一項に規定する給与をいう。以下この条及び第十六条第一項において同じ。)の額が当該私学共済組合員のその月の標準給与(私学共済法第二十二条に規定する標準給与をいう。以下この条において同じ。)の基礎となった給与月額に比べて著しく低下した場合において、必要があると認めるときは、その月に受けた給与の額を給与月額として、その著しく低下した月から、標準給与を改定することができる。

2 私学共済組合は、前項の規定により標準給与が改定された私学共済組合員の当該改定が行われた月の翌月から平成七年十二月までのいずれかの月に受けた給与の額が当該私学共済組合員のその月の標準給与の基礎となった給与月額に比べて著しく上昇した場合において、必要があると認めるときは、その月に受けた給与の額を給与月額として、その著しく上昇した月から、標準給与を改定することができる。

3 私学共済法第二十二条第八項の規定は、前二項の規定により改定された標準給与について準用する。

 (国共済法の療養の給付に係る一部負担金の支払の免除の特例等に関する規定の準用)

第十五条 第六条の規定は私学共済法による組合員(私学共済法第二十五条において準用する国共済法第五十九条第一項本文の規定の適用を受ける私学共済法第二十五条において準用する国共済法第五十九条第一項に規定する一年以上組合員であった者(以下この条において単に「一年以上組合員であった者」という。)を含み、老人保健法の規定による医療を受けることができる者を除く。)であって阪神・淡路大震災による特定被災区域における被害の状況その他の事情(第二十五条第一項に規定する厚生大臣が定める日の翌日以降においては、阪神・淡路大震災による特定被災区域における被害の状況、所得の状況その他の事情)を参酌して文部省令で定めるもの(以下この条において「被災私学共済組合員」という。)が私学共済法第二十五条において準用する国共済法第五十五条第一項第二号又は第三号に掲げる医療機関又は薬局に対して支払うべき私学共済法第二十五条において準用する国共済法第五十五条第二項の規定による一部負担金について、第七条から第十条までの規定は私学共済組合が私学共済法第二十五条において準用する国共済法第五十五条の二第一項、第五十五条の三第一項、第五十六条第一項及び第二項並びに第五十六条の二第一項の規定により被災私学共済組合員に対して支給する入院時食事療養費の額、特定療養費の額、療養費の額及び訪問看護療養費の額について、第十一条及び第十二条の規定は私学共済組合が私学共済法第二十五条において準用する国共済法第五十七条第一項及び第五十七条の二第一項の規定により私学共済法による被扶養者(一年以上組合員であった者の被扶養者及び私学共済法第二十五条において準用する国共済法第五十九条第二項の規定により療養に関する死亡後の給付を受ける者を含み、老人保健法の規定による医療を受けることができる者を除く。)であって阪神・淡路大震災による特定被災区域における被害の状況その他の事情(第二十五条第一項に規定する厚生大臣が定める日の翌日以降においては、阪神・淡路大震災による特定被災区域における被害の状況、所得の状況その他の事情)を参酌して文部省令で定めるもの(以下この条において「被災私学共済被扶養者」という。)が受けた療養又は指定訪問看護(私学共済法第二十五条において準用する国共済法第五十六条の二第一項に規定する指定訪問看護をいう。)について当該被災私学共済被扶養者に係る組合員(一年以上組合員であった者及び私学共済法第二十五条において準用する国共済法第五十九条第二項の規定の適用を受ける被災私学共済被扶養者を含む。)に対して支給する家族療養費の額及び家族訪問看護療養費の額について準用する。

 (私学共済組合の掛金の免除の特例)

第十六条 私学共済組合は、次の各号のいずれにも該当する学校法人等から申請があった場合において、必要があると認めるときは、当該学校法人等が第二号に該当することとなった月から当該学校法人等が同号に該当しなくなることとなった月の前月(その月が平成八年一月以後の月であるときは、平成七年十二月)までの各月に納付すべき掛金(第一号に規定する学校等に勤務する私学共済組合員が負担すべき掛金及び当該私学共済組合員を使用する学校法人等が負担すべき当該私学共済組合員に係る掛金に限る。)を免除することができる。

 一 平成七年一月十七日において特定被災区域に所在する学校等を設置していたこと。

 二 阪神・淡路大震災による被害を受けたことにより、前号に規定する学校等に勤務する私学共済組合員に対する給与の支払に著しい支障が生じていること。

2 前項の規定により掛金を免除された学校法人等は、平成七年十二月までの間に当該学校法人等が同項第二号に該当しなくなることとなったときは、その旨を私学共済組合に届け出なければならない。

 (適用)

第十七条 第十四条及び前条の規定は平成七年一月一日から、第十五条の規定は同月十七日から適用する。

   第五章 厚生省関係

 (病院の災害復旧に関する補助)

第十八条 国は、次項各号に掲げる病院の開設者に対し、阪神・淡路大震災により著しい被害を受けたその開設する病院の災害復旧に要する費用(次項第二号に掲げる病院にあっては、政令で定める施設の災害復旧に要する費用)について、他の法令の規定にかかわらず、予算の範囲内において、その一部を補助する。

2 前項の規定により国が行う補助の割合は、次の各号に掲げる病院の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める割合とする。

 一 特定被災地方公共団体の開設する病院 三分の二

 二 その他政令で定める病院 二分の一

 (火葬場の災害復旧に関する補助)

第十九条 国は、特定被災地方公共団体である市町村に対し、阪神・淡路大震災により著しい被害を受けたその設置する火葬場(墓地、埋葬等に関する法律(昭和二十三年法律第四十八号)第二条第七項に規定する火葬場をいう。)の災害復旧に要する費用について、予算の範囲内において、その三分の二を補助する。

 (と畜場の災害復旧に関する補助)

第二十条 国は、特定被災地方公共団体である市町村に対し、阪神・淡路大震災により著しい被害を受けたその設置すると畜場(と畜場法(昭和二十八年法律第百十四号)第二条第二項に規定すると畜場をいう。)の災害復旧に要する費用について、予算の範囲内において、その三分の二を補助する。

 (水道の災害復旧に関する補助)

第二十一条 国は、特定被災地方公共団体である市町村に対し、その経営する水道事業(水道法(昭和三十二年法律第百七十七号)第三条第二項に規定する水道事業をいう。)又はこれに類する事業として政令で定めるものに係る水道(同条第一項に規定する水道をいう。)であって阪神・淡路大震災により著しい被害を受けたものの災害復旧に要する費用について、予算の範囲内において、その十分の八を補助する。

 (一般廃棄物の処理施設の災害復旧に関する補助)

第二十二条 国は、特定被災地方公共団体である市町村に対し、阪神・淡路大震災により著しい被害を受けた一般廃棄物(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)第二条第二項に規定する一般廃棄物をいう。)の処理施設であって政令で定めるものの災害復旧に要する費用について、予算の範囲内において、その十分の八を補助する。

 (社会福祉施設の災害復旧に関する補助)

第二十三条 国は、都道府県が、次に掲げる施設であって阪神・淡路大震災により著しい被害を受けたものを設置した特定被災地方公共団体である市町村(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下この条において単に「指定都市」という。)を除く。以下この条において同じ。)の当該施設の災害復旧に要する費用につき六分の五を下らない率により補助する場合には、当該都道府県に対し、予算の範囲内において、当該補助に要する費用(当該都道府県が六分の五を超える率による補助をする場合には、その超える部分の補助に要する費用を除いた費用)の五分の四を補助する。

 一 老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第十五条第二項の規定により設置された老人デイサービスセンター、老人短期入所施設及び老人介護支援センター並びに同条第五項の規定により設置された軽費老人ホーム

 二 精神薄弱者福祉法(昭和三十五年法律第三十七号)第十九条第二項の規定により設置された精神薄弱者通勤寮及び精神薄弱者福祉ホーム

 三 社会福祉事業法(昭和二十六年法律第四十五号)第二条第二項第六号の授産施設

2 国は、都道府県又は指定都市が、その区域(都道府県にあっては、当該都道府県の区域内にある指定都市の区域を除く。)内に設置されている次に掲げる施設であって阪神・淡路大震災により著しい被害を受けたものを設置した社会福祉法人の当該施設の災害復旧に要する費用につき六分の五を下らない率により補助する場合には、政令で定めるところにより、当該都道府県又は指定都市に対し、予算の範囲内において、当該補助に要する費用(当該都道府県又は指定都市が六分の五を超える率による補助をする場合には、その超える部分の補助に要する費用を除いた費用)の五分の四を補助する。

 一 老人福祉法第十五条第二項の規定により設置された老人デイサービスセンター、老人短期入所施設及び老人介護支援センター並びに同条第五項の規定により設置された軽費老人ホーム

 二 身体障害者福祉法(昭和二十四年法律第二百八十三号)第二十七条第四項の規定により設置された身体障害者更生施設、身体障害者療護施設、身体障害者福祉ホーム、身体障害者授産施設、補装具製作施設及び視聴覚障害者情報提供施設

 三 精神薄弱者福祉法第十九条第二項の規定により設置された精神薄弱者更生施設、精神薄弱者授産施設、精神薄弱者通勤寮及び精神薄弱者福祉ホーム

 四 社会福祉事業法第二条第二項第六号の授産施設

3 国は、特定被災地方公共団体である都道府県又は指定都市に対し、その設置する次に掲げる施設であって阪神・淡路大震災により著しい被害を受けたものの災害復旧に要する費用について、予算の範囲内において、その三分の二を補助する。

 一 老人福祉法第十五条の規定により設置された老人デイサービスセンター、老人短期入所施設、老人介護支援センター及び軽費老人ホーム

 二 精神薄弱者福祉法第十九条の規定により設置された精神薄弱者通勤寮及び精神薄弱者福祉ホーム

 三 社会福祉事業法第二条第二項第六号の授産施設

 (健康保険の標準報酬の改定の特例)

第二十四条 健康保険の保険者(以下この条から第二十六条まで及び第三十四条において「健保保険者」という。)は、平成七年一月十七日において特定被災区域に所在していた事業所(健康保険法(大正十一年法律第七十号)第三条第二項に規定する事業所又は事務所をいう。以下この条及び第三十四条において同じ。)の事業が阪神・淡路大震災による被害を受けたことにより、当該事業所に使用される健康保険の被保険者(同法第二十条の規定による被保険者、同法第六十九条の七に規定する日雇特例被保険者(次条、第三十二条及び第三十三条において単に「日雇特例被保険者」という。)及び同法附則第九条第一項に規定する特例退職被保険者を除く。以下この条において同じ。)の同月から平成七年十二月までのいずれかの月に受けた報酬(同法第二条に規定する報酬をいう。以下この条及び第三十四条において同じ。)の額が、その者のその月の健康保険の標準報酬の基礎となった報酬月額に比べて、著しく低下した場合において、必要があると認めるときは、その月に受けた報酬の額を報酬月額として、その著しく低下した月から、健康保険の標準報酬を改定することができる。

2 健保保険者は、前項の規定により健康保険の標準報酬が改定された健康保険の被保険者の当該改定が行われた月の翌月から平成七年十二月までのいずれかの月に受けた報酬の額が、その者のその月の健康保険の標準報酬の基礎となった報酬月額に比べて、著しく上昇した場合において、必要があると認めるときは、その月に受けた報酬の額を報酬月額として、その著しく上昇した月から、健康保険の標準報酬を改定することができる。

3 健康保険法第三条第五項の規定は、前二項の規定により改定された健康保険の標準報酬について準用する。

 (健康保険の一部負担金の支払の免除の特例)

第二十五条 健保保険者は、健康保険の被保険者(健康保険法第五十五条の規定の適用を受ける者を含み、日雇特例被保険者及び老人保健法の規定による医療を受けることができる者を除く。)であって、阪神・淡路大震災による特定被災区域における被害の状況その他の事情(特定被災区域における災害救助法第二条に規定する救助の実施状況を勘案して厚生大臣が定める日の翌日以降においては、阪神・淡路大震災による特定被災区域における被害の状況、所得の状況その他の事情)をしん酌して厚生省令で定めるもの(以下この条から第二十九条までにおいて「被災健保被保険者」という。)が、平成七年一月十七日から同年十二月三十一日までの間に受ける療養の給付について、健康保険法第四十三条第三項第一号に規定する保険医療機関又は保険薬局に支払うべき同法第四十三条ノ八第一項の規定による一部負担金の支払を免除することができる。

2 前項の規定により一部負担金の支払を免除された被災健保被保険者は、健康保険法第四十三条ノ八の規定にかかわらず、一部負担金を同法第四十三条第三項第一号に規定する保険医療機関又は保険薬局に支払うことを要しない。

3 前二項の規定は、健康保険法第四十三条ノ十六第二項の規定による同法第四十三条第三項第二号に掲げる病院若しくは診療所又は薬局に支払うべき一部負担金について準用する。

4 健康保険法第四十三条ノ八第二項の規定は、第一項及び前項の規定により被災健保被保険者が一部負担金の支払を免除された場合には、適用しない。

 (健康保険の入院時食事療養費の額の特例)

第二十六条 前条第一項の規定により一部負担金の支払を免除した健保保険者(次条から第三十一条まで及び第三十三条において「特例健保保険者」という。)が、平成七年一月十七日から同項に規定する厚生大臣が定める日までの間に被災健保被保険者が受けた食事療養(健康保険法第四十三条第二項に規定する食事療養をいう。以下この条から第二十八条まで、第三十条及び第三十三条において同じ。)につき同法第四十三条ノ十七第一項の規定により当該被災健保被保険者に対して支給する入院時食事療養費の額は、同条第二項の規定にかかわらず、当該食事療養につき同項の厚生大臣の定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該食事療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に食事療養に要した費用の額)とし、当該厚生大臣が定める日の翌日以降に受けた食事療養については、当該食事療養につき同項の規定により算定した額とする。

 (健康保険の特定療養費の額の特例)

第二十七条 特例健保保険者が、平成七年一月十七日から同年十二月三十一日までの間に被災健保被保険者が受けた特定療養費に係る療養につき健康保険法第四十四条第一項の規定により当該被災健保被保険者に対して支給する特定療養費の額は、同条第二項の規定にかかわらず、第一号に掲げる額(当該療養に食事療養が含まれるときは、当該額及び第二号に掲げる額の合算額)とする。

 一 当該療養(食事療養を除く。)につき健康保険法第四十四条第二項第一号に規定する厚生大臣の定めるところにより算定した費用の額(その額が現に当該療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に療養に要した費用の額)

 二 当該食事療養につき健康保険法第四十三条ノ十七第二項の厚生大臣の定める基準により算定した資用の額(その額が現に当該食事療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に食事療養に要した費用の額)(第二十五条第一項に規定する厚生大臣が定める日の翌日以降に受けた食事療養については、同法第四十三条ノ十七第二項の規定により算定した額)

 (健康保険の療養費の額の特例)

第二十八条 特例健保保険者が、平成七年一月十七日から同年十二月三十一日までの間に被災健保被保険者が受けた療養につき健康保険法第四十四条ノ二の規定により当該被災健保被保険者に対して支給する療養費の額は、同法第四十四条ノ三第一項の規定にかかわらず、当該療養(食事療養を除く。)につき算定した費用の額及び当該食事療養につき算定した費用の額を標準として、特例健保保険者が定める額とする。

2 前項の費用の算定については、療養の給付を受けるべき場合においては健康保険法第四十三条ノ九第二項の費用の算定、入院時食事療養費の支給を受けるべき場合においては第二十六条の費用の算定、特定療養費の支給を受けるべき場合においては前条の費用の算定の例による。ただし、その額は現に療養に要した費用の額を超えることができない。

 (健康保険の訪問看護療養費の額の特例)

第二十九条 特例健保保険者が、平成七年一月十七日から同年十二月三十一日までの間に被災健保被保険者が受けた指定訪問看護(健康保険法第四十四条ノ四第一項に規定する指定訪問看護をいう。第三十一条及び第三十三条において同じ。)につき同項の規定により当該被災健保被保険者に対して支給する訪問看護療養費の額は、同法第四十四条ノ四第四項の規定にかかわらず、当該指定訪問看護につき同項に規定する厚生大臣の定めるところにより算定した費用の額とする。

 (健康保険の家族療養費の額の特例)

第三十条 特例健保保険者が、平成七年一月十七日から同年十二月三十一日までの間に健康保険の被扶養者(健康保険法第五十九条ノ二第七項又は同法第五十九条ノ二ノ二第三項において準用する同法第五十五条の規定の適用を受ける者を含み、老人保健法の規定による医療を受けることができる者を除く。)であって、阪神・淡路大震災による特定被災区域における被害の状況その他の事情(第二十五条第一項に規定する厚生大臣が定める日の翌日以降においては、阪神・淡路大震災による特定被災区域における被害の状況、所得の状況その他の事情)をしん酌して厚生省令で定めるもの(以下この条から第三十三条までにおいて「被災健保被扶養者」という。)が受けた療養につき健康保険法第五十九条ノ二第一項の規定により当該被災健保被扶養者に係る健康保険の被保険者(同条第七項において準用する同法第五十五条の規定により家族療養費の支給を受けることができる者を含む。)に対して支給する家族療養費の額は、同条第二項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額とする。ただし、第一号から第三号までに掲げる場合においては、現に支払うべき療養に要した費用の額を、第四号に掲げる場合においては、第一号から第三号までに規定する額は現に支払うべき療養に要した費用の額を、食事療養について算定した費用の額は現に食事療養に要した費用の額を超えることができない。

 一 保険医療機関等(健康保険法第四十四条第一項第二号に規定する保険医療機関等をいう。以下この条において同じ。)から同法第四十三条第一項各号に掲げる療養(食事療養及び選定療養(同条第二項に規定する選定療養をいう。以下この条において同じ。)を除く。)を受ける場合 その療養につき算定した費用の額

 二 特定承認保険医療機関(健康保険法第四十四条第一項第一号に規定する特定承認保険医療機関をいう。第四十一条において同じ。)から同法第四十三条第一項各号に掲げる療養(食事療養を除く。)を受ける場合又は保険医療機関等から同項各号に掲げる療養(食事療養を除く。)であって選定療養に該当するものを受ける場合 その療養につき算定した費用の額

 三 保険医療機関等から健康保険法第四十三条第一項各号に掲げる療養(食事療養及び選定療養を除く。)及び同項各号に掲げる療養(食事療養を除く。)であって選定療養に該当するものを受ける場合 第一号及び前号に規定する額の合算額

 四 前三号に掲げる場合において健康保険法第四十三条第一項第五号に掲げる療養(食事療養を除く。)に併せて食事療養を受ける場合 前三号に規定する額及び当該食事療養につき算定した費用の額の合算額

2 前項第一号に規定する療養についての費用の算定に関しては健康保険法第四十三条ノ九第二項の規定を、前項第二号に規定する療養についての費用の算定に関しては第二十七条の規定を、同項第四号に規定する食事療養についての費用の算定に関しては第二十六条の規定を準用する。

3 第二十八条の規定は、健康保険法第五十十九条ノ二第七項において準用する同法第四十四条ノ二の規定により被災健保被扶養者に係る家族療養費を支給する場合について準用する。

 (健康保険の家族訪問看護療養費の額の特例)

第三十一条 特例健保保険者が、平成七年一月十七日から同年十二月三十一日までの間に被災健保被扶養者が受けた指定訪問看護につき健康保険法第五十九条ノ二ノ二第一項の規定により当該被災健保被扶養者に係る健康保険の被保険者(同条第三項において準用する同法第五十五条の規定により家族訪問看護療養費の支給を受けることができる者を含む。)に対して支給する家族訪問看護療養費の額は、同法第五十九条ノ二ノ二第二項の規定にかかわらず、当該指定訪問看護につき同項に規定する厚生大臣の定めの例により算定した費用の額とする。

 (健康保険の日雇特例被保険者に係る特例)

第三十二条 被災日雇特例被保険者(日雇特例被保険者であって、阪神・淡路大震災による特定被災区域における被害の状況その他の事情(第二十五条第一項に規定する厚生大臣が定める日の翌日以降においては、阪神・淡路大震災による特定被災区域における被害の状況、所得の状況その他の事情)をしん酌して厚生省令で定めるものをいう。以下この条及び次条において同じ。)又は被災健保被扶養者を有する日雇特例被保険者に係る健康保険の保険給付については、健康保険法第六十九条の三十一の規定にかかわらず、次の表の上欄に掲げる規定は、それぞれ同表の下欄に掲げる被災日雇特例被保険者又は被災健保被扶養者の日雇特例被保険者に係る事項について準用する。

第二十五条

一部負担金の支払の免除の特例

第二十六条

入院時食事療養費の額の特例

第二十七条

特定療養費の額の特例

第二十八条

療養費の額の特例

第二十九条

訪問看護療養費の額の特例

第三十条

家族療養費の額の特例

第三十一条

家族訪問看護療養費の額の特例

 (健康保険の特別療養費の額の特例)

第三十三条 特例健保保険者が、平成七年一月十七日から同年十二月三十一日までの間に被災日雇特例被保険者又は被災健保被扶養者が健康保険法第四十三条第三項第一号若しくは第二号に掲げる病院若しくは診療所若しくは薬局又は特定承認保険医療機関から受けた療養につき同法第六十九条の二十六第一項の規定により被災日雇特例被保険者又は被災健保被扶養者に係る日雇特例被保険者に対して支給する特別療養費の額は、同条第二項の規定にかかわらず、第一号に掲げる額(当該療養に食事療養が含まれるときは、当該額及び第二号に掲げる額の合算額)とする。

 一 当該療養(食事療養を除く。)につき算定された費用の額(その額が、現に当該療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に療養に要した費用の額)

 二 当該食事療養につき算定された費用の額(その額が、現に当該食事療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に食事療養に要した費用の額)

2 特例健保保険者が、平成七年一月十七日から同年十二月三十一日までの間に被災日雇特例被保険者又は被災健保被扶養者が健康保険法第四十四条ノ四第一項に規定する指定訪問看護事業者から受けた指定訪問看護につき同法第六十九条の二十六第一項の規定により被災日雇特例被保険者又は被災健保被扶養者に係る日雇特例被保険者に対して支給する特別療養費の額は、同条第二項の規定にかかわらず、当該指定訪問看護につき算定された費用の額とする。

3 第一項に規定する療養についての費用の算定については第三十条の規定を、前項に規定する指定訪問看護についての費用の算定については第二十九条の規定を準用する。

 (健康保険の保険料の免除の特例)

第三十四条 健保保険者は、次の各号のいずれにも該当する事業所の事業主から申請があった場合において、必要があると認めるときは、当該事業所が第二号に該当するに至った月から当該事業所が同号に該当しなくなるに至った月の前月(その月が平成八年一月以後であるときは、平成七年十二月)までの期間に納付すべき健康保険の保険料(健康保険法第七十二条本文、第七十五条及び第七十五条ノ二の規定により健康保険の被保険者及び当該被保険者を使用する事業主が負担すべき保険料をいう。)の額を免除することができる。

 一 平成七年一月十七日において特定被災区域に所在していたこと。

 二 当該事業所の事業が阪神・淡路大震災による被害を受けたことにより、当該事業所に使用される健康保険の被保険者に対する報酬の支払に著しい支障が生じていること。

2 前項の規定により健康保険の保険料の額を免除された事業所の事業主は、平成七年十二月までの間において、当該事業所が同項第二号に該当しなくなるに至ったときは、その旨を健保保険者に届け出なければならない。

3 前二項の規定は、健康保険法附則第八条第三項に規定する調整保険料の額について準用する。

 (船員保険の標準報酬の改定の特例)

第三十五条 船員保険の保険者(以下この条から第三十七条まで及び第四十三条において「船保保険者」という。)は、平成七年一月十七日において特定被災区域に住所又は主たる事務所若しくは仮住所を有していた船舶所有者(船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)第十条に規定する船舶所有者をいう。以下この条、第四十三条及び第四十四条において単に「船舶所有者」という。)の船舶に係る事業が阪神・淡路大震災による被害を受けたことにより、当該船舶所有者に使用される船員保険の被保険者(同法第十九条ノ三の規定による被保険者を除く。以下この条において同じ。)の同月から平成七年十二月までのいずれかの月に受けた報酬(同法第三条に規定する報酬をいう。以下この条及び第四十三条において同じ。)の額が、その者のその月の船員保険の標準報酬の基礎となった報酬月額に比べて、著しく低下した場合において、必要があると認めるときは、同法第四条第三項及び第四項の規定にかかわらず、その月に受けた報酬の額を報酬月額として、その著しく低下した月から、船員保険の標準報酬を改定することができる。

2 船保保険者は、前項の規定により船員保険の標準報酬が改定された船員保険の被保険者の当該改定が行われた月の翌月から平成七年十二月までのいずれかの月に受けた報酬の額が、その者のその月の船員保険の標準報酬の基礎となった報酬月額に比べて、著しく上昇した場合において、必要があると認めるときは、船員保険法第四条第三項及び第四項の規定にかかわらず、その月に受けた報酬の額を報酬月額として、その著しく上昇した月から、船員保険の標準報酬を改定することができる。

 (船員保険の一部負担金の支払の免除の特例)

第三十六条 船保保険者は、船員保険の被保険者(老人保健法の規定による医療を受けることができる者を除く。)又は被保険者であった者(同法の規定による医療を受けることができる者を除く。)であって、阪神・淡路大震災による特定被災区域における被害の状況その他の事情(第二十五条第一項に規定する厚生大臣が定める日の翌日以降においては、阪神・淡路大震災による特定被災区域における被害の状況、所得の状況その他の事情)をしん酌して厚生省令で定めるもの(以下この条から第四十条までにおいて「被災船保被保険者等」という。)が、平成七年一月十七日から同年十二月三十一日までの間に受ける療養の給付について、健康保険法第四十三条第三項第一号に規定する保険医療機関又は保険薬局に支払うべき船員保険法第二十八条ノ三第一項の規定による一部負担金の支払を免除することができる。

2 前項の規定により一部負担金の支払を免除された被災船保被保険者等は、船員保険法第二十八条ノ三第一項の規定にかかわらず、一部負担金を健康保険法第四十三条第三項第一号に規定する保険医療機関又は保険薬局に支払うことを要しない。

3 前二項の規定は、船員保険法第二十八条ノ六第二項の規定による同法第二十八条第五項第二号に掲げる病院若しくは診療所又は薬局に支払うべき一部負担金の支払について準用する。

4 船員保険法第二十八条ノ三第三項の規定は、第一項及び前項の規定により被災船保被保険者等が一部負担金の支払を免除された場合には、適用しない。

 (船員保険の入院時食事療養費の額の特例)

第三十七条 前条第一項の規定により一部負担金の支払を免除した船保保険者(次条から第四十二条までにおいて「特例船保保険者」という。)が、平成七年一月十七日から第二十五条第一項に規定する厚生大臣が定める日までの間に被災船保被保険者等が受けた食事療養(船員保険法第二十八条第二項に規定する食事療養をいう。以下この条から第三十九条まで及び第四十一条において同じ。)につき同法第二十八条ノ七第一項の規定により当該被災船保被保険者等に対して支給する入院時食事療養費(船員法(昭和二十二年法律第百号)第八十九条に規定する療養補償に相当する入院時食事療養費及び船員保険法第二十八条ノ三第二項に規定する疾病又は負傷についての入院時食事療養費を除く。)の額は、同法第二十八条ノ七第二項の規定にかかわらず、同項に規定する入院時食事療養費算定額とし、当該厚生大臣が定める日の翌日以降に受けた食事療養については、当該食事療養につき同項の規定により算定した額とする。

 (船員保険の特定療養費の額の特例)

第三十八条 特例船保保険者が、平成七年一月十七日から同年十二月三十一日までの間に被災船保被保険者等が受けた特定療養費に係る療養につき船員保険法第二十九条第一項の規定により当該被災船保被保険者等に対して支給する特定療養費(船員法第八十九条に規定する療養補償に相当する特定療養費及び船員保険法第二十八条ノ三第二項に規定する疾病又は負傷についての特定療養費を除く。)の額は、同法第二十九条第二項の規定にかかわらず、同項第一号に規定する特定療養費算定額(当該療養に食事療養が含まれるときは、当該額及び同項第二号に規定する入院時食事療養費算定額(第二十五条第一項に規定する厚生大臣が定める日の翌日以降に受けた食事療養については、当該食事療養につき同法第二十八条ノ七第二項の規定により算定した額)の合計額)とする。

 (船員保険の療養費の額の特例)

第三十九条 特例船保保険者が、平成七年一月十七日から同年十二月三十一日までの間に被災船保被保険者等が受けた療養につき船員保険法第二十九条ノ二の規定により当該被災船保被保険者等に対して支給する療養費(船員法第八十九条に規定する療養補償に相当する療養費及び船員保険法第二十八条ノ三第二項に規定する疾病又は負傷についての療養費を除く。)の額は、同法第二十九条ノ三第一項の規定にかかわらず、当該療養(食事療養を除く。)につき算定した費用の額及び食事療養につき算定した費用の額を標準として、特例船保保険者が定める額とする。

2 前項の費用の算定については、療養の給付を受けるべき場合においては船員保険法第二十八条ノ四第二項の費用の算定、入院時食事療養費の支給を受けるべき場合においては第三十七条の費用の算定、特定療養費の支給を受けるべき場合においては前条の費用の算定の例による。ただし、その額は現に療養に要した費用の額を超えることができない。

 (船員保険の訪問看護療養費の額の特例)

第四十条 特例船保保険者が、平成七年一月十七日から同年十二月三十一日までの間に被災船保被保険者等が受けた指定訪問看護(船員保険法第二十九条ノ四第一項に規定する指定訪問看護をいう。第四十二条において同じ。)につき同項の規定により当該被災船保被保険者等に対して支給する訪問看護療養費(船員法第八十九条に規定する療養補償に相当する訪問看護療養費及び船員保険法第二十八条ノ三第二項に規定する疾病又は負傷についての訪問看護療養費を除く。)の額は、同法第二十九条ノ四第四項の規定にかかわらず、当該指定訪問看護につき同項に規定する厚生大臣の定めの例により算定した費用の額とする。

 (船員保険の家族療養費の額の特例)

第四十一条 特例船保保険者が、平成七年一月十七日から同年十二月三十一日までの間に船員保険の被扶養者(船員保険法第三十一条ノ五の規定により家族療養費又は家族訪問看護療養費の支給を受けることができる場合における当該家族療養費又は家族訪問看護療養費の支給に係る当該療養を受ける者を含み、老人保健法の規定による医療を受けることができる者を除く。)であって、阪神・淡路大震災による特定被災区域における被害の状況その他の事情(第二十五条第一項に規定する厚生大臣が定める日の翌日以降においては、阪神・淡路大震災による特定被災区域における被害の状況、所得の状況その他の事情)をしん酌して厚生省令で定めるもの(以下この条及び次条において「被災船保被扶養者」という。)が受けた療養につき船員保険法第三十一条ノ二第一項又は第三十一条ノ五第一項の規定により当該被災船保被扶養者に係る船員保険の被保険者(同条の規定により家族療養費の支給を受けることができる船員保険の被保険者であった者を含む。)に対して支給する家族療養費の額は、同法第三十一条ノ二第二項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額とする。ただし、第一号から第三号までに掲げる場合においては、現に支払うべき療養に要した費用の額を、第四号に掲げる場合においては、第一号から第三号までに規定する額は現に支払うべき療養に要した費用の額を、食事療養について算定した費用の額は現に食事療養に要した費用の額を超えることができない。

 一 保険医療機関等(船員保険法第二十九条第一項第二号に規定する保険医療機関等をいう。以下この条において同じ。)から同法第二十八条第一項第一号から第五号までに掲げる療養(食事療養及び選定療養(同条第二項に規定する選定療養をいう。以下この条において同じ。)を除く。)を受ける場合 その療養につき算定した費用の額

 二 特定承認保険医療機関から船員保険法第二十八条第一項第一号から第五号までに掲げる療養(食事療養を除く。)を受ける場合又は保険医療機関等から同項第一号から第五号までに掲げる療養(食事療養を除く。)であって選定療養に該当するものを受ける場合 その療養につき算定した費用の額

 三 保険医療機関等から船員保険法第二十八条第一項第一号から第五号までに掲げる療養(食事療養及び選定療養を除く。)及び同項第一号から第五号までに掲げる療養(食事療養を除く。)であって選定療養に該当するものを受ける場合 第一号及び前号に規定する額の合算額

 四 前三号に掲げる場合において船員保険法第二十八条第一項第五号に掲げる療養(食事療養を除く。)に併せて食事療養を受ける場合 前三号に規定する額及び当該食事療養につき算定した費用の額の合算額

2 前項第一号に規定する療養についての費用の算定に関しては船員保険法第二十八条ノ四第二項の規定を、前項第二号に規定する療養についての費用の算定に関しては第三十八条の規定を、同項第四号に規定する食事療養についての費用の算定に関しては第三十七条の規定を準用する。

3 第三十七条の規定は、船員保険法第三十一条ノ二第六項において準用する同法第二十九条ノ二の規定により被災船保被扶養者に係る家族療養費を支給する場合について準用する。

 (船員保険の家族訪問看護療養費の額の特例)

第四十二条 特例船保保険者が、平成七年一月十七日から同年十二月三十一日までの間に被災船保被扶養者が受けた指定訪問看護につき船員保険法第三十一条ノ三第一項又は第三十一条ノ五第一項の規定により当該被災船保被扶養者に係る船員保険の被保険者(同条の規定により家族訪問看護療養費の支給を受けることができる船員保険の被保険者であった者を含む。)に対して支給する家族訪問看護療養費の額は、同法第三十一条ノ三第二項の規定にかかわらず、当該指定訪問看護につき同項に規定する厚生大臣の定めの例により算定した費用の額とする。

 (船員保険の保険料の免除の特例)

第四十三条 船保保険者は、次の各号のいずれにも該当する船舶所有者から申請があった場合において、必要があると認めるときは、当該船舶所有者が第二号に該当するに至った月から当該船舶所有者が同号に該当しなくなるに至った月の前月(その月が平成八年一月以後であるときは、平成七年十二月)までの期間に納付すべき船員保険の保険料(船員保険法第六十条第一項の規定により船員保険の被保険者(同法第十九条ノ三に規定する被保険者を除く。以下この条において同じ。)及び当該被保険者を使用する船舶所有者が負担すべき保険料の額をいう。)の額を免除することができる。

 一 平成七年一月十七日において特定被災区域に住所又は主たる事務所若しくは仮住所を有していたこと。

 二  当該船舶所有者の船舶に係る事業が阪神・淡路大震災による被害を受けたことにより、当該船舶所有者に使用される船員保険の被保険者に対する報酬の支払に著しい支障が生じていること。

2 前項の規定により船員保険の保険料の額を免除された船舶所有者は、平成七年十二月までの間において、同項第二号に該当しなくなるに至ったときは、その旨を船保保険者に届け出なければならない。

 (船員保険の失業保険金等の支給の特例)

第四十四条 特定被災区域において事業を行う船舶所有者であって厚生省令で定めるものの事務所(特定被災区域にあるものに限る。)若しくは船舶が阪神・淡路大震災による被害を受けたため又は特定被災区域にある港湾施設(港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)第二条第五項に規定する港湾施設をいう。)が阪神・淡路大震災による著しい被害を受けたため、当該船舶所有者がやむを得ず、事業を休止し、又は廃止したことにより、当該船舶所有者に使用されている船員保険の被保険者(船員保険法第三十三条ノ十六ノ二第一項に規定する被保険者(以下この条において「高齢継続被保険者」という。)を除く。第五項を除き、以下この条において同じ。)が、休業するに至り、労働の意思及び能力を有するにもかかわらず、就労することができず、かつ、報酬を受けることができない状態にあるときは、同法第三章第四節の規定の適用については、失業しているものとみなして失業保険金を支給することができる。ただし、当該被害の状況を考慮して、厚生大臣が別に定める日(以下この条において「指定期日」という。)までの間に限る。

2 前項の規定による失業保険金の支給を受けるには、当該休業について厚生省令の定めるところにより厚生大臣の確認を受けなければならない。

3 前項の確認があった場合における船員保険法第三章第四節の規定の適用については、その者は、当該休業の最初の日の前日において離職したものとみなす。

4 第一項の規定による失業保険金の支給については、船員保険法第三十三条ノ四、第三十三条ノ八ノ二、第三十三条ノ九、第三十三条ノ十一及び第三十三条ノ十四の規定の適用について厚生省令で特別の定めをすることができる。

5 第一項に規定する船舶所有者に使用されている船員保険の被保険者で、高齢継続被保険者に該当するものについては、その者を高齢継続被保険者以外の被保険者とみなして、前各項の規定により失業保険金を支給するものとする。この場合において、第一項の規定において適用される船員保険法第三十三条ノ十二第一項第一号中「四十五歳以上六十歳未満」とあるのは、「四十五歳以上」とする。

6 第二項の確認を受けた者(指定期日までの間において従前の船舶所有者との使用関係が終了した者を除く。)は、船員保険法第三章第四節の規定の適用については、指定期日の翌日に従前の船舶所有者に使用されたものとみなす。ただし、指定期日までに従前の船舶所有者の船舶に再び就業するに至った者は、就業の最初の日に使用されたものとみなす。

7 第五項の規定により高齢継続被保険者以外の被保険者とみなされた者と従前の船舶所有者との使用関係が終了した場合には、その使用関係が終了した日後におけるその者に関する船員保険法第三章第四節の規定の適用については、厚生省令で特別の定めをすることができる。

8 第二項の確認に関する処分については、船員保険法第九条ノ四及び第六十三条から第六十六条までの規定を準用する。

9 第二項の確認を受けた者(指定期日までの間において従前の船舶所有者との使用関係が終了した者を除く。)の休業している間の保険料率については、船員保険法第五十九条の規定にかかわらず千分の九十七とし、その負担区分については、同法第六十条の規定にかかわらず、船員保険の被保険者が千分の四十四を、当該被保険者を使用する船舶所有者が千分の五十三を負担する。

 (国民健康保険の入院時食事療養費の額の特例)

第四十五条 国民健康保険の保険者が、平成七年一月十七日から第二十五条第一項に規定する厚生大臣が定める日までの間に被災国保被保険者(国民健康保険の被保険者であって、阪神・淡路大震災による被害を受けたことにより療養の給付について国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第四十四条第一項第二号の措置が執られるべきものをいう。以下この条から第四十八条までにおいて同じ。)が受けた食事療養(同法第三十六条第二項に規定する食事療養をいう。以下この条から第四十八条までにおいて同じ。)につき同法第五十二条第一項の規定により当該被災国保被保険者に対して支給する入院時食事療養費の額は、同条第二項の規定にかかわらず、当該食事療養につき健康保険法第四十三条ノ十七第二項の規定による厚生大臣の定める基準の例により算定した費用の額(その額が現に当時食事療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に食事療養に要した費用の額とする。)とする。

 (国民健康保険の特定療養費の額の特例)

第四十六条 国民健康保険の保険者が、平成七年一月十七日から第二十五条第一項に規定する厚生大臣が定める日までの間に被災国保被保険者が受けた特定療養費に係る療養(食事療養が含まれている療養に限る。)につき国民健康保険法第五十三条第一項の規定により当該被災国保被保険者に対して支給する特定療養費の額は、同条第二項の規定にかかわらず、同項第一号に規定する額及び当該食事療養につき健康保険法第四十三条ノ十七第二項の規定による厚生大臣の定める基準の例により算定した費用の額(その額が現に当該食事療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に食事療養に要した費用の額とする。)の合算額とする。

 (国民健康保険の療養費の額の特例)

第四十七条 国民健康保険の保険者が、平成七年一月十七日から第二十五条第一項に規定する厚生大臣が定める日までの間に被災国保被保険者が受けた療養につき国民健康保険法第五十四条第一項の規定により当該被災国保被保険者に対して支給する療養費の額は、同条第三項の規定にかかわらず、当該療養(食事療養を除く。)につき算定した費用の額及び当該食事療養につき算定した費用の額を基準として、国民健康保険の保険者が定める。

2 前項の費用の額の算定については、療養の給付を受けるべき場合においては国民健康保険法第四十五条第二項の規定を、入院時食事療養費の支給を受けるべき場合においては第四十五条の規定を、特定療養費の支給を受けるべき場合においては前条の規定を準用する。ただし、その額は、現に療養に要した費用の額を超えることができない。

 (国民健康保険の特別療養費の額の特例)

第四十八条 国民健康保険の保険者が、平成七年一月十七日から第二十五条第一項に規定する厚生大臣が定める日までの間に被災国保被保険者が受けた特別療養費に係る療養(食事療養が含まれている療養に限る。)につき国民健康保険法第五十四条の三第一項の規定により当該被災国保被保険者に対して支給する特別療養費の額は、同条第二項の規定にかかわらず、第一号に規定する額及び第二号に規定する額の合算額とする。

 一 当該療養(食事療養を除く。)につき、被保険者証が交付されているならば療養の給付を受けることができる場合は健康保険法第四十三条ノ九第二項の規定による厚生大臣の定めの例により、被保険者証が交付されているならば特定療養費の支給を受けることができる場合は同法第四十四条第二項第一号の規定による厚生大臣の定めの例により算定した費用の額(その額が現に当該療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に療養に要した費用の額とする。)

 二 当該食事療養につき健康保険法第四十三条ノ十七第二項の規定による厚生大臣の定める基準の例により算定した費用の額(その額が現に当該食事療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に食事療養に要した費用の額とする。)

 (老人保健の入院時食事療養費の額の特例)

第四十九条 市町村長が、平成七年一月十七日から第二十五条第一項に規定する厚生大臣が定める日までの間に被災老人医療受給対象者(老人医療受給対象者(老人保健法第十七条第二項に規定する老人医療受給対象者をいう。)であって、阪神・淡路大震災による被害を受けたことにより同法第二十八条第八項の規定に基づき一部負担金の支払を免除されるべきものをいう。以下この条から第五十二条までにおいて同じ。)が受けた食事療養(同法第十七条第二項に規定する食事療養をいう。以下この条から第五十一条までにおいて同じ。)につき同法第三十一条の二第一項の規定により当該被災老人医療受給対象者に対して支給する入院時食事療養費の額は、同条第二項の規定にかかわらず、当該食事療養につき同項の厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該食事療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に食事療養に要した費用の額とする。)とする。

 (老人保健の特定療養費の額の特例)

第五十条 市町村長が、平成七年一月十七日から第二十五条第一項に規定する厚生大臣が定める日までの間に被災老人医療受給対象者が受けた特定療養費に係る療養(食事療養が含まれている療養に限る。)につき老人保健法第三十一条の三第一項の規定により当該被災老人医療受給対象者に対して支給する特定療養費の額は、同条第二項の規定にかかわらず、同項第一号に規定する額及び当該食事療養につき同法第三十一条の二第二項の厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該食事療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に食事療養に要した費用の額とする。)の合計額とする。

 (老人保健の食事療養に係る医療費の額の特例)

第五十一条 市町村長が、平成七年一月十七日から第二十五条第一項に規定する厚生大臣が定める日までの間に被災老人医療受給対象者が受けた食事療養につき老人保健法第三十二条第一項の規定により当該被災老人医療受給対象者に対して支給する食事療養に係る医療費の額は、同条第二項の規定にかかわらず、当該被災老人医療受給対象者が受けた食事療養に要する費用の額を基準として、市町村長が定める。

2 前項の食事療養に要する費用の額は、老人保健法第三十一条の二第二項の厚生大臣が定める基準により算定した額とする。ただし、その額は現に食事療養に要した費用の額を超えることはできない。

 (老人訪問看護療養費の額の特例)

第五十二条 市町村長が、平成七年一月十七日から同年十二月三十一日までの間に被災老人医療受給対象者が受けた指定老人訪問看護(老人保健法第四十六条の五の二第一項に規定する指定老人訪問看護をいう。)につき同項の規定により当該被災老人医療受給対象者に対して支給する老人訪問看護療養費の額は、同条第二項の規定にかかわらず、当該指定老人訪問看護につき同項の厚生大臣が定める基準により算定した費用の額とする。

 (厚生年金保険の標準報酬の改定の特例)

第五十三条 都道府県知事は、平成七年一月十七日において特定被災区域に所在した厚生年金保険の適用事業所(同日において特定被災区域に住所又は主たる事務所若しくは仮住所を有していた厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第六条第一項第三号に規定する船舶所有者(次条第一項第一号において単に「船舶所有者」という。)に係る同法第六条第一項第三号に規定する船舶を含む。)の事業が阪神・淡路大震災による被害を受けたことにより、当該適用事業所に使用される厚生年金保険の被保険者の同月から平成七年十二月までのいずれかの月に受けた報酬(同法第三条第一項第三号に規定する報酬をいう。以下この条及び次条において同じ。)の額が、その者のその月の厚生年金保険の標準報酬の基礎となった報酬月額に比べて、著しく低下した場合において、必要があると認めるときは、その月に受けた報酬の額を報酬月額として、その著しく低下した月から、厚生年金保険の標準報酬を改定することができる。

2 都道府県知事は、前項の規定により厚生年金保険の標準報酬が改定された厚生年金保険の被保険者の当該改定が行われた月の翌月から平成七年十二月までのいずれかの月に受けた報酬の額が、その者のその月の厚生年金保険の標準報酬の基礎となった報酬月額に比べて、著しく上昇した場合において、必要があると認めるときは、その月に受けた報酬の額を報酬月額として、その著しく上昇した月から、厚生年金保険の標準報酬を改定することができる。

3 厚生年金保険法第二十三条第二項の規定は、前二項の規定により改定された厚生年金保険の標準報酬について準用する。

 (厚生年金保険の保険料の免除の特例)

第五十四条 都道府県知事は、次の各号のいずれにも該当する厚生年金保険の適用事業所の事業主から申請があった場合において、必要があると認めるときは、厚生年金保険法第八十二条第一項の規定にかかわらず、当該適用事業所が第二号に該当するに至った月から当該適用事業所が同号に該当しなくなるに至った月の前月(その月が平成八年一月以後であるときは、平成七年十二月)までの期間に納付すべき厚生年金保険の保険料(同項の規定により厚生年金保険の被保険者及び当該被保険者を使用する事業主が負担すべき保険料をいう。)の額を免除することができる。

 一 平成七年一月十七日において特定被災区域に所在していたこと(当該適用事業所が船舶であるときは、船舶所有者が同日において特定被災区域に住所又は主たる事務所若しくは仮住所を有していたこと。)。

 二 当該適用事業所の事業が阪神・淡路大震災による被害を受けたことにより、当該適用事業所に使用される厚生年金保険の被保険者に対する報酬の支払に著しい支障が生じていること。

2 前項の規定により厚生年金保険の保険料の額を免除された厚生年金保険の適用事業所の事業主は、平成七年十二月までの間において、当該適用事業所が同項第二号に該当しなくなるに至ったときは、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

3 第一項の規定により厚生年金保険の保険料の額を免除された厚生年金保険の被保険者が厚生年金基金(以下この項において「基金」という。)の加入員である場合においては、掛金(厚生年金保険法第百三十八条第一項に規定する掛金をいう。以下この項において同じ。)又は徴収金(同法第百四十条第一項の規定による徴収金をいう。以下この項において同じ。)の額の免除及び当該掛金又は徴収金の額を免除した基金の加入員の費用の負担に関し必要な事項については、同法の規定にかかわらず、政令で特別の定めをすることができる。

 (児童手当の拠出金の免除の特例)

第五十五条 児童手当法(昭和四十六年法律第七十三号)第二十条第一項に規定する一般事業主のうち次の各号に掲げる者については、同条第二項(同法附則第六条第二項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、当該各号に定める期間に納付すべき児童手当の拠出金(同法第二十条第一項に規定する拠出金をいう。)の額(第二号に掲げる者にあっては第十六条第一項第一号に規定する学校等に勤務する私立学校教職員共済組合の組合員の標準給与に係る拠出金の額とし、第三号に掲げる者にあっては第五十九条第一項第一号に規定する事業所に勤務する農林漁業団体職員共済組合の組合員の標準給与に係る拠出金の額とする。)を免除するものとする。

 一 前条第一項の規定により厚生年金保険の保険料の額を免除された厚生年金保険の適用事業所の事業主 同項第二号に該当するに至った月から同号に該当しなくなるに至った月の前月(その月が平成八年一月以後であるときは、平成七年十二月)まで

 二 第十六条第一項の規定により私立学校教職員共済組合の掛金を免除された学校法人等 同項第二号に該当するに至った月から同号に該当しなくなるに至った月の前月(その月が平成八年一月以後であるときは、平成七年十二月)まで

 三 第五十九条第一項の規定により農林漁業団体職員共済組合の掛金を免除された農林漁業団体 同項第二号に該当するに至った月から同号に該当しなくなるに至った月の前月(その月が平成八年一月以後であるときは、平成七年十二月)まで

 (適用)

第五十六条 第二十四条、第三十四条、第三十五条、第四十三条及び前三条の規定は平成七年一月一日から、第二十五条から第三十三条まで、第三十六条から第四十二条まで及び第四十四条から第五十二条までの規定は同月十七日から適用する。

   第六章 農林水産省関係

 (卸売市場法による災害復旧の特例)

第五十七条 卸売市場法(昭和四十六年法律第三十五号)第七十二条第一項の規定は、特定被災地方公共団体である市町村の区域に所在する中央卸売市場(同法第二条第三項に規定する中央卸売市場をいう。)の阪神・淡路大震災により被害を受けた施設の災害復旧に要する費用について準用する。この場合において、同法第七十二条第一項中「中央卸売市場整備計画に基づき中央卸売市場の施設の改良、造成又は取得」とあるのは「中央卸売市場の施設の災害復旧」と、「重要な施設の改良、造成又は取得」とあるのは「重要な施設の災害復旧」と、「十分の四以内」とあるのは「三分の二」と読み替えるものとする。

 (農林漁業団体職員共済組合の標準給与の改定の特例)

第五十八条 農林漁業団体職員共済組合は、平成七年一月十七日において、特定被災区域に所在した農林漁業団体(農林漁業団体職員共済組合法(昭和三十三年法律第九十九号)第一条第一項に規定する農林漁業団体をいう。次条において同じ。)の事業所又は事務所(以下この条及び次条において単に「事業所」という。)の事業が阪神・淡路大震災による被害を受けたことにより、当該事業所に勤務する農林漁業団体職員共済組合の組合員の同月から平成七年十二月までのいずれかの月に受けた給与(同法第十二条に規定する給与をいう。以下この条及び次条において同じ。)の額が、その組合員のその月の標準給与の基礎となった給与月額に比べて、著しく低下したときは、その月に受けた給与の額を給与月額として、その著しく低下した月から、標準給与を改定することができる。

2 農林漁業団体職員共済組合は、前項の規定により標準給与が改定された農林漁業団体職員共済組合の組合員の当該改定が行われた月の翌月から平成七年十二月までのいずれかの月に受けた給与の額が、その組合員のその月の標準給与の基礎となった給与月額に比べて、著しく上昇したときは、その月に受けた給与の額を給与月額として、その著しく上昇した月から、標準給与を改定することができる。

3 農林漁業団体職員共済組合法第二十条第八項の規定は、前二項の規定により改定された標準給与について準用する。

 (農林漁業団体職員共済組合の掛金の免除の特例)

第五十九条 農林漁業団体職員共済組合は、次の各号のいずれにも該当する農林漁業団体から申請があった場合において、必要があると認めるときは、農林漁業団体職員共済組合法第五十五条の規定にかかわらず、当該農林漁業団体が第二号に該当するに至った月から当該農林漁業団体が同号に該当しなくなるに至った月の前月(その月が平成八年一月以後であるときは、平成七年十二月)までの期間に納付すべき掛金(第一号に規定する事業所に勤務する農林漁業団体職員共済組合の組合員の負担すべき掛金及びその組合員を使用する農林漁業団体が負担すべき当該組合員に係る掛金に限る。)を免除することができる。

 一 平成七年一月十七日において特定被災区域に所在する事業所を設置していたこと。

 二 前号に規定する事業所の事業が阪神・淡路大震災による被害を受けたことにより、当該事業所に勤務する農林漁業団体職員共済組合の組合員に対する給与の支払に著しい支障が生じていること。

2 前項の規定により掛金を免除された農林漁業団体は、平成七年十二月までの間において、当該農林漁業団体が同項第二号に該当しなくなるに至ったときは、その旨を農林漁業団体職員共済組合に届け出なければならない。

 (農業者年金の保険料の免除の特例)

第六十条 農業者年金基金は、次の各号のいずれにも該当する農業者年金の被保険者から申請があった場合において、必要があると認めるときは、農業者年金基金法(昭和四十五年法律第七十八号)第六十六条第一項の規定にかかわらず、当該被保険者が第二号に該当するに至った月から当該被保険者が同号に該当しなくなるに至った月の前月(その月が平成八年一月以後であるときは、平成七年十二月)までの期間に係る保険料につき、既に納付されたもの及び同法第六十六条の二第一項の規定により前納されたものを除き、これを納付することを要しないものとすることができる。

 一 平成七年一月十七日において特定被災区域に住所を有していたこと又は当該被保険者の従事する耕作若しくは養畜の事業に供されていた農地等(農業者年金基金法第十九条第一項第二号に規定する農地等をいう。)が特定被災区域にあったこと。

 二 当該被保険者の従事する耕作又は養畜の事業が阪神・淡路大震災による被害を受けたことにより、保険料を納付することが著しく困難であると認められること。

2 前項の規定により農業者年金の保険料を納付することを要しないものとされた農業者年金の被保険者は、平成七年十二月までの間において、同項第二号に該当しなくなるに至ったときは、その旨を農業者年金基金に届け出なければならない。

 (農業者年金の保険料の追納の特例)

第六十一条 農業者年金の被保険者又は被保険者であった者(経営移譲年金及び農業者老齢年金に係る受給権者を除く。)は、農業者年金基金の承認を受けて、前条第一項の規定により納付することを要しないものとされた保険料(承認の日の属する月前十年以内の期間に係るものに限る。)の全部又は一部につき追納をすることができる。この場合において、その一部につき追納をするときは、追納は、先に経過した月の分から順次行うものとする。

2 前項の場合において追納すべき額は、当該追納に係る期間の各月の保険料の額に政令で定める額を加算した額とする。

3 第一項の規定により追納が行われたときは、追納が行われた日に、追納に係る月の保険料が納付されたものとみなす。

4 前三項に定めるもののほか、保険料の追納について必要な事項は厚生省令、農林水産省令で定める。

 (農業者年金の保険料納付済期間等の特例)

第六十二条 第六十条第一項の規定により農業者年金の保険料を納付することを要しないものとされた期間(前条第三項の規定により納付されたものとみなされる保険料に係る被保険者期間を除く。次条において「特例免除期間」という。)は、農業者年金基金法第二十三条第二項第三号、第二十五条第四号及び第五号、第二十六条第一項及び第四項(同法第二十六条の二第五項(同法第二十六条の三第二項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)、第二十六条の二第一項から第四項まで、第二十六条の三第一項、第四十一条並びに第四十七条の規定の保険料納付済期間等に算入する。この場合における同法第二十三条第二項第三号の規定の適用については、同号中「合算した期間」とあるのは、「合算した期間に特例免除期間(阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律(平成七年法律第十六号)第六十二条に規定する特例免除期間をいう。)を加えた期間」とする。

 (農業者年金の経営移譲年金の額の特例)

第六十三条 特例免除期間を有する農業者年金の経営移譲年金に係る受給権者についての農業者年金基金法第四十四条第一項の規定の適用については、同項中「保険料納付済期間の月数」とあるのは、「保険料納付済期間の月数と特例免除期間(阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律第六十二条に規定する特例免除期間をいう。)の月数の二分の一に相当する月数とを合算した月数」とする。

 (適用)

第六十四条 第五十八条から前条までの規定は、平成七年一月一日から適用する。

   第七章 通商産業省関係

 (工業用水道施設災害復旧事業に対する補助)

第六十五条 国は、工業用水道事業法(昭和三十三年法律第八十四号)第二条第四項に規定する工業用水道事業を営む特定被災地方公共団体に対し、阪神・淡路大震災により著しい被害を受けた同条第六項に規定する工業用水道施設の災害復旧事業に要する費用について、予算の範囲内において、その十分の八を補助する。

 (商店街振興組合等の施設の災害復旧事業に対する補助)

第六十六条 国は、政令で定める都道府県が、阪神・淡路大震災により著しい被害を受けた商店街振興組合又は商店街振興組合連合会の販売施設その他の共同施設であって政令で定めるものの災害復旧事業に要する経費につき四分の三を下らない率により補助する場合には、当該都道府県に対し、予算の範囲内において、当該補助に要する経費(当該都道府県が四分の三を超える率による補助をする場合には、その超える部分の補助に要する経費を除いた経費)の三分の二を補助する。

 (中小企業信用保険法の特例)

第六十七条 中小企業信用保険法(昭和二十五年法律第二百六十四号)第三条の二第一項に規定する無担保保険(以下この条において「無担保保険」という。)の保険関係であって、阪神・淡路大震災関連保証(同項に規定する債務の保証(その保証について担保(保証人(通商産業大臣が指定する者を除く。)の保証を含む。)を提供させないものに限る。)であって、政令で定める日までに行われた次の各号に掲げる者の事業(第二号に掲げる者にあっては、その直接又は間接の構成員たる第一号に掲げる者の事業)の再建その他の経営の安定に必要な資金に係るものをいう。以下この条において同じ。)を受けた当該各号に掲げる者に係るものについての同項及び同条第三項の規定の適用については、同条第一項中「保険価額の合計額が二千万円」とあるのは「阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律第六十七条第一項に規定する阪神・淡路大震災関連保証(以下「阪神・淡路大震災関連保証」という。)に係る保険関係の保険価額の合計額及びその他の保険関係の保険価額の合計額がそれぞれ千万円及び二千万円」と、同条第三項中「当該保証をした借入金の額が二千万円(当該債務者」とあるのは「阪神・淡路大震災関連保証及びその他の保証ごとに、当該保証をした借入金の額がそれぞれ千万円及び二千万円(阪神・淡路大震災関連保証及びその他の保証ごとに、当該債務者」と、「二千万円から」とあるのは「それぞれ千万円及び二千万円から」とする。

 一 政令で定める地域内に事業所を有し、かつ、阪神・淡路大震災により著しい被害を受けた中小企業者

 二 中小企業等協同組合その他の主として中小規模の事業者を直接又は間接の構成員とする団体であって、その直接又は間接の構成員のうちに前号に掲げる者を含むもの

2 阪神・淡路大震災関連保証を受けた中小企業者一人についての無担保保険の保険関係であって政令で指定するものの保険価額の合計額の限度額は、政令で定める。

3 無担保保険の保険関係であって、阪神・淡路大震災関連保証に係るものについての中小企業信用保険法第三条の二第二項及び第五条の規定の適用については、同法第三条の二第二項中「百分の八十」とあるのは「百分の九十」と、同法第五条中「百分の七十(無担保保険」とあるのは「百分の七十(阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律第六十七条第一項に規定する阪神・淡路大震災関連保証に係る無担保保険にあつては百分の九十、その他の無担保保険」とする。

4 中小企業信用保険法第三条の三第一項に規定する特別小口保険(以下この条において「特別小口保険」という。)の保険関係であって、阪神・淡路大震災関連小口保証(同項に規定する債務の保証(その保証について担保(保証人(通商産業大臣が指定する者を除く。)の保証を含む。)を提供させないものに限る。)であって、政令で定める日までに行われた次の各号に掲げる者の事業(第二号に掲げる者にあっては、その直接又は間接の構成員たる第一号に掲げる者の事業)の再建その他の経営の安定に必要な資金に係るものをいう。以下この条において同じ。)を受けた当該各号に掲げる者に係るものについての同項及び同条第二項の規定の適用については、同条第一項中「保証人」とあるのは「保証人(阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律第六十七条第四項に規定する阪神・淡路大震災関連小口保証(以下「阪神・淡路大震災関連小口保証」という。)に係るものにあつては、通商産業大臣が指定する者を除く。」と、「保険価額の合計額が五百万円」とあるのは「阪神・淡路大震災関連小口保証に係る保険関係の保険価額の合計額及びその他の保険関係の保険価額の合計額がそれぞれ千万円及び五百万円」と、同条第二項中「当該保証をした借入金の額が五百万円(当該債務者」とあるのは「阪神・淡路大震災関連小口保証及びその他の保証ごとに、当該保証をした借入金の額がそれぞれ千万円及び五百万円(阪神・淡路大震災関連小口保証及びその他の保証ごとに、当該債務者」と、「五百万円から」とあるのは「それぞれ千万円及び五百万円から」とする。

 一 第一項第一号に規定する地域内に事業所を有し、かつ、阪神・淡路大震災により著しい被害を受けた中小企業信用保険法第二条第二項に規定する小企業者(次号において「小企業者」という。)

 二 中小企業等協同組合その他の主として小企業者を直接又は間接の構成員とする団体であって、その直接又は間接の構成員のうちに前号に掲げる者を含むもの

5 特別小口保険の保険関係であって、阪神・淡路大震災関連小口保証に係るものについての中小企業信用保険法第三条の三第四項において準用する同法第三条の二第二項及び同法第五条の規定の適用については、同法第三条の二第二項中「百分の八十」とあるのは「百分の九十」と、同法第五条中「百分の七十(無担保保険、特別小口保険」とあるのは「百分の七十(阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律第六十七条第四項に規定する阪神・淡路大震災関連小口保証に係る特別小口保険にあつては百分の九十、その他の特別小口保険、無担保保険」とする。

6 無担保保険又は特別小口保険の保険関係であって、阪神・淡路大震災関連保証又は阪神・淡路大震災関連小口保証に係るものについての保険料の額は、中小企業信用保険法第四条の規定にかかわらず、保険金額に年百分の二以内において政令で定める率を乗じて得た額とする。

 (中小企業近代化資金等助成法の特例)

第六十八条 政令で定める都道府県は、中小企業近代化資金等助成法(昭和三十一年法律第百十五号)第三条第一項に規定する貸付けに係る貸付金であって、阪神・淡路大震災により著しい被害を受けた者で政令で定めるものが阪神・淡路大震災の後に貸付けを受けるもの(同項第二号の貸与機関が、阪神・淡路大震災により著しい被害を受けた者で政令で定めるものに対し、阪神・淡路大震災の後に同号に規定する近代化設備の譲渡若しくは貸付け又は近代化プログラムに係るプログラム使用権の提供を行う場合における当該譲渡若しくは貸付け又はプログラム使用権の提供に充てるため貸付けを受けるものを含む。)については、同法第五条の規定にかかわらず、その償還期間を七年を超えない範囲内で政令で定める期間とすることができる。

 (中小企業者に対する資金の融通に関する特例)

第六十九条 商工組合中央金庫は、次に掲げる者に対して、その事業(第二号に掲げる団体にあっては、その直接又は間接の構成員たる第一号に掲げる者の事業)の再建に必要な資金を政令で定める日までに貸し付ける場合には、同号に掲げる者に対する貸付金にあっては一人又は一団体につき三千万円を、第二号に掲げる団体に対する貸付金(その直接又は間接の構成員である第一号に掲げる者に転貸されるものに限る。)にあっては当該貸付金の転貸を受けるその直接又は間接の構成員たる第一号に掲げる者一人又は一団体につき三千万円をそれぞれ超えない範囲内において政令で定める額を限度として、政令で定めるところにより当該貸付け後三年間は年三パーセントの利率により、その後二年間は政令で定める利率により貸し付けるものとし、国は、必要と認める場合には、政令で定めるところにより、当該貸付けにつき、貸付け後五年間を限り利子補給金を支給する旨の契約を商工組合中央金庫と結ぶことができる。

 一 政令で定める地域内に事業所を有し、かつ、阪神・淡路大震災により著しい被害を受けた中小企業者、協業組合及び中小企業等協同組合その他の主として中小規模の事業者を直接又は間接の構成員とする団体で政令で定めるものであって、当該地域内にあるその者の事業所又は主要な事業用資産の阪神・淡路大震災による損失額が当該事業所若しくは主要な事業用資産の価額又はその者の事業による総収入に比し政令で定める程度以上である旨の証明を市町村長その他相当な機関から受けた者

 二 中小企業等協同組合その他の主として中小規模の事業者を直接又は間接の構成員とする団体であって、その直接又は間接の構成員のうちに前号に掲げる者を含むもの

 (適用等)

第七十条 前三条の規定は、平成七年一月十七日から適用する。

2 前条の規定の施行前に阪神・淡路大震災に関し激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律第十五条第一項の規定に基づき同条第二項に規定する特別被害者及び同条第一項第二号に掲げる団体の直接又は間接の構成員である同条第二項に規定する特別被害者に転貸される当該団体に対して行われた商工組合中央金庫の貸付けは、前条の規定に基づいて行われたものとみなす。

   第八章 運輸省関係

 (外貿埠頭等の災害復旧事業に対する補助)

第七十一条 国は、予算の範囲内において、外貿埠頭公団の解散及び業務の承継に関する法律(昭和五十六年法律第二十八号。次条第一項及び第七十三条において「承継法」という。)第二条第一項の規定により神戸港につき運輸大臣が指定した法人(次条第一項及び第七十三条において「神戸港指定法人」という。)に対し、当該法人が管理する外貿埠頭のうち政令で定める施設であって阪神・淡路大震災により被害を受けたものの災害復旧事業(災害にかかった施設を原形に復旧すること(原形に復旧することが不可能な場合において当該施設の従前の効用を復旧するための施設をすることを含む。)を目的とする事業及び災害にかかった施設を原形に復旧することが著しく困難又は不適当な場合においてこれに代わるべき必要な施設をすることを目的とする事業をいう。次項及び次条において同じ。)に要する費用の一部を補助することができる。

2 国は、予算の範囲内において、港湾法第五十五条の七第一項の規定により神戸港における特定用途港湾施設の建設又は改良に係る資金につき港湾管理者から貸付けを受けた者に対し、当該貸付けに係る特定用途港湾施設のうち政令で定める施設であって阪神・淡路大震災により被害を受けたものの災害復旧事業に要する費用の一部を補助することができる。

 (外貿埠頭等の災害復旧事業に係る資金の貸付け)

第七十二条 神戸港指定法人が管理する外貿埠頭(前条第一項の政令で定める施設を除く。)であって阪神・淡路大震災により被害を受けたものの災害復旧事業に要する費用については、当該費用を外貿埠頭の建設又は改良に要する費用とみなして、承継法第六条の規定を適用する。この場合において、同条中「前条第一項の認可を受けた整備計画に基づき、又は旧公団法第三十二条第一項の規定により公団が認可を受けた工事実施計画に従つて行う外貿埠頭」とあるのは、「外貿埠頭」とする。

2 前条第二項に規定する貸付けを受けた者が管理する当該貸付けに係る特定用途港湾施設(同項の政令で定める施設を除く。)であって阪神・淡路大震災により被害を受けたものの災害復旧事業に要する費用については、当該費用を特定用途港湾施設の建設又は改良に要する費用とみなして、港湾法第五十五条の七第一項及び第三項から第五項までの規定を適用する。

 (外貿埠頭の建設等に係る貸付金の償還期限の延長)

第七十三条 国は、承継法第六条の規定による貸付金であって、神戸港指定法人が阪神・淡路大震災を受ける以前に貸付けを受けたものについては、担保の提供をさせず、かつ、利息を付さないで償還期限を延長することができる。

   第九章 労働省関係

 (雇用保険法による雇用安定事業等の特例)

第七十四条 特定被災区域内に所在する事業所に、雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第四条第一項に規定する被保険者(以下この条において「被保険者」という。)として雇用される旨が平成七年一月十七日前に約された者であって、現に当該事業所に被保険者として雇用されることとなっているもの(以下この条において「内定者」という。)については、当該事業所に被保険者として雇用されることとなる日(その日が平成八年三月三十一日後の日であるときは、同月三十一日)までの間、当該内定者を被保険者とみなして、同法第四章の規定を適用する。

   第十章 建設省関係

 (改良住宅等に対する補助)

第七十五条 国は、住宅地区改良法(昭和三十五年法律第八十四号)第二条第二項に規定する施行者である特定被災地方公共団体に対し、阪神・淡路大震災による被害を受けた同条第六項に規定する改良住宅又は同条第七項に規定する地区施設の災害の復旧に要する費用について、予算の範囲内において、その十分の八を補助する。

 (都市施設に対する補助)

第七十六条 国は、特定被災地方公共団体に対し、阪神・淡路大震災による被害を受けた都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第十一条第一項第一号、第二号又は第四号に掲げる都市施設で政令で定めるものの災害の復旧に要する費用について、予算の範囲内において、その十分の八を補助する。

 (住宅金融公庫法等の特例)

第七十七条 住宅金融公庫(以下この条及び次条において「公庫」という。)は、住宅金融公庫法(昭和二十五年法律第百五十六号。以下この条及び次条において「公庫法」という。)第十七条に規定する業務のほか、阪神・淡路大震災により、人の居住の用に供する家屋(主として人の居住の用に供する家屋を含む。第九項において同じ。)が滅失し、若しくは損傷し、又はその家屋の用に供する土地に擁壁の損壊その他の被害が生じた場合において、次の各号に掲げる者に対し、それぞれ当該各号に定める資金を貸し付けることができる。

 一 阪神・淡路大震災の当時当該家屋に居住していた親族の居住の用に供するために自ら居住する家屋以外に家屋を必要とする者のうち、当該災害の発生の日から起算して二年を経過する日までの間(被災市街地復興特別措置法(平成七年法律第十四号)第七条の規定による制限その他の制限で建設省令・大蔵省令で定めるものにより当該期間内に当該家屋の建設を行うことができない場合にあっては、これらの制限が行われなくなった日から起算して六月以内で建設省令・大蔵省令で定める日までの間。第八項において「特定建設期間」という。)に、当該親族の居住していた家屋に代わるべき家屋若しくは当該損傷した家屋で建設省令・大蔵省令で定めるもの(以下この条において「特定災害復興住宅」という。)を建設し、購入し、若しくは補修し、又は当該特定災害復興住宅の補修に付随して当該特定災害復興住宅を移転し、当該特定災害復興住宅の建設若しくは補修に付随してたい積土砂の排除その他の宅地の整備(以下この条において「整地」という。)をし、若しくは当該特定災害復興住宅の建設若しくは購入に付随して土地若しくは借地権を取得しようとする者 当該特定災害復興住宅の建設、購入若しくは補修又は当該特定災害復興住宅の補修に付随する当該特定災害復興住宅の移転、当該特定災害復興住宅の建設若しくは補修に付随する整地若しくは当該特定災害復興住宅の建設若しくは購入に付随する土地若しくは借地権の取得に必要な資金

 二 阪神・淡路大震災の当時当該土地を所有し、賃借し、若しくは使用していた者で、自ら居住し、若しくは他人に貸すために、前号の災害の発生の日から起算して二年を経過する日までの間(被災市街地復興特別措置法第七条の規定による制限その他の制限で建設省令・大蔵省令で定めるものにより当該期間内に当該土地の補修を行うことができない場合にあっては、これらの制限が行われなくなった日から起算して六月以内で建設省令・大蔵省令で定める日までの間。以下この号において「特定補修期間」という。)に、当該土地で建設省令・大蔵省令で定めるもの(以下この条において「災害復興宅地」という。)を補修しようとするもの又は阪神・淡路大震災の当時当該土地を所有し、賃借し、若しくは使用していた親族の居住の用に供するために、特定補修期間内に、災害復興宅地を補修しようとする者 当該災害復興宅地の補修に必要な資金

2 公庫は、前項に規定する業務のほか、次に掲げる業務を行うことができる。

 一 特定災害復興住宅又は災害復興宅地の設計、工事及び維持補修並びに特定災害復興住宅の建設又は補修に付随する整地に関する指導

 二 特定災害復興住宅又は災害復興宅地に係る貸付金の回収に関連して取得した動産、不動産又は所有権以外の財産権の管理(建設中又は補修中の特定災害復興住宅又は災害復興宅地についてそれらの円滑な処分を図るために必要やむを得ない範囲内で行う建設工事又は補修工事を含む。)及び処分

3 公庫が、第一項の規定により、北海道の区域内において特定災害復興住宅の建設又は購入をしようとする者に対し資金の貸付けをすることができる特定災害復興住宅は、北海道の気象に適した防寒的な構造及び設備を有する家屋であり、かつ、防火性能を有する構造のものでなければならない。

4 第一項の規定による貸付金の金額の限度については、政令で定める。

5 第一項の規定による貸付金の利率、償還期間及び据置期間は、次の表の区分の欄各項に掲げる区分に応じ、それぞれ同表の利率の欄、償還期間の欄及び据置期間の欄各項に定めるとおりとする。

区分

利率

償還期間

据置期間

耐火構造の特定災害復興住宅の建設又は購入(新たに建設された特定災害復興住宅でまだ人の居住の用その他のその本来の用途に供したことのないもの(以下この表において「新築の特定災害復興住宅」という。)の購入に限る。)及び当該特定災害復興住宅の建設に付随する整地又は当該特定災害復興住宅の建設若しくは購入に付随する土地若しくは借地権の取得を目的とする貸付金

年五・五パーセント以内で政令で定める率

三十五年以内

五年以内

準耐火構造の特定災害復興住宅の建設又は購入(新築の特定災害復興住宅の購入に限る。)及び当該特定災害復興住宅の建設に付随する整地又は当該特定災害復興住宅の建設若しくは購入に付随する土地若しくは借地権の取得を目的とする貸付金

年五・五パーセント以内で政令で定める率

三十年以内

五年以内

耐火構造の特定災害復興住宅及び準耐火構造の特定災害復興住宅以外の特定災害復興住宅の建設若しくは購入又は新築の特定災害復興住宅以外の特定災害復興住宅で耐火構造の特定災害復興住宅若しくは準耐火構造の特定災害復興住宅であるものの購入並びに当該特定災害復興住宅の建設に付随する整地又はこれらの特定災害復興住宅の建設若しくは購入に付随する土地若しくは借地権の取得を目的とする貸付金

年五・五パーセント以内で政令で定める率

二十五年以内

五年以内

特定災害復興住宅の補修及びこれに付随する移転又は整地を目的とする貸付金

年五・五パーセント以内で政令で定める率

二十年以内(据置期間を含む。)

一年以内

災害復興宅地の補修を目的とする貸付金

年五・五パーセント以内で政令で定める率

二十年以内(据置期間を含む。)

一年以内

備考

一 この表において「耐火構造の特定災害復興住宅」とは、建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第五号に規定する主要構造部を同条第七号に規定する耐火構造とした特定災害復興住宅をいう。

二 この表において「準耐火構造の特定災害復興住宅」とは、耐火構造の特定災害復興住宅以外の特定災害復興住宅で、建築基準法第二条第九号の三イ若しくはロのいずれかに該当するもの又はこれに準ずる耐火性能を有する構造の特定災害復興住宅として建設省令・大蔵省令で定めるものをいう。

6 前各項の規定により公庫の業務が行われる場合には、公庫法第五条第六項中「第十七条」とあるのは「第十七条及び阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律(平成七年法律第十六号)第七十七条」と、公庫法第十八条中「第十一項」とあるのは「第十一項並びに阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律第七十七条第一項」と、公庫法第二十一条の四第三項各号列記以外の部分中「災害復興住宅」とあるのは「災害復興住宅、特定災害復興住宅(阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律第七十七条第一項第一号の特定災害復興住宅をいう。以下同じ。)、災害復興宅地(同項第二号の災害復興宅地をいう。以下同じ。)」と、同項第二号中「災害復興住宅」とあるのは「災害復興住宅、特定災害復興住宅、災害復興宅地」と、同項第四号中「第十一項」とあるのは「第十一項若しくは阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律第七十七条第一項」と、「災害復興住宅」とあるのは「災害復興住宅、特定災害復興住宅、災害復興宅地」と、同項第五号中「災害復興住宅」とあるのは「災害復興住宅、特定災害復興住宅、災害復興宅地」と、同項第七号中「第十一項」とあるのは「第十一項若しくは阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律第七十七条第一項」と、「災害復興住宅」とあるのは「災害復興住宅、災害復興宅地」と、公庫法第二十三条第一項第二号中「関連利便施設、災害復興住宅」とあるのは「関連利便施設、災害復興住宅、特定災害復興住宅、災害復興宅地」と、「災害復興住宅の建設」とあるのは「災害復興住宅又は特定災害復興住宅の建設」と、「住宅、災害復興住宅」とあるのは「住宅、災害復興住宅、特定災害復興住宅」と、「関連公共施設、災害復興住宅」とあるのは「関連公共施設、災害復興住宅、特定災害復興住宅、災害復興宅地」と、「第十一項」とあるのは「第十一項並びに阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律第七十七条第一項」と、「第八項までの」とあるのは「第八項まで及び阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律第七十七条第一項の」と、公庫法第二十四条第二項中「関連利便施設、災害復興住宅」とあるのは「関連利便施設、災害復興住宅、特定災害復興住宅」と、「関連公共施設、災害復興住宅」とあるのは「関連公共施設、災害復興住宅、特定災害復興住宅、災害復興宅地」と、「第十七条第十二項各号」とあるのは「第十七条第十二項各号及び阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律第七十七条第二項各号」と、公庫法第三十一条第二項及び第三十二条第二項第一号中「この法律」とあるのは「この法律、阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律」と、同条第三項中「前項第一号」とあるのは「前項第一号(阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律第七十七条第六項の規定により読み替えて適用される場合を含む。)」と、公庫法第三十四条第二項中「災害復興住宅」とあるのは「災害復興住宅、特定災害復興住宅」と、「貸付金をもつて整備する関連公共施設」とあるのは「貸付金をもつて整備する関連公共施設、貸付金をもつて補修する災害復興宅地」と、公庫法第三十五条第四項中「又は第十一項」とあるのは「若しくは第十一項又は阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律第七十七条第一項」と、「災害復興住宅」とあるのは「災害復興住宅、災害復興宅地」と、公庫法第四十四条中「この法律」とあるのは「この法律又は阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律第七十七条」と、公庫法第四十九条第三号中「第十七条に規定する業務」とあるのは「第十七条に規定する業務並びに阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律第七十七条第一項及び第二項に規定する業務」と、同条第四号中「第八項」とあるのは「第八項若しくは阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律第七十七条第四項」と、「同条第五項」とあるのは「第二十条第五項」と、同条第七号中「第三十一条第二項」とあるのは「第三十一条第二項(阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律第七十七条第六項の規定により読み替えて適用される場合を含む。)」と、公庫法附則第十三項中「掲げる貸付金」とあるのは「掲げる貸付金及び阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律第七十七条第五項の表三の項に掲げる貸付金」と、「新築の災害復興住宅以外の災害復興住宅」とあるのは「新築の災害復興住宅以外の災害復興住宅及び新築の特定災害復興住宅以外の特定災害復興住宅」と、「同表六の項ハ償還期間の欄」とあるのは「第二十一条第一項の表六の項ハ償還期間の欄及び阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律第七十七条第五項の表三の項償還期間の欄」と、「同欄」とあるのは「これらの欄」とする。

7 第三項に規定する防火性能を有する構造について必要な技術的事項は、建設省令・大蔵省令で定める。

8 公庫は、阪神・淡路大震災により滅失した住宅に阪神・淡路大震災の当時居住していた親族の居住の用に供するため自ら居住する住宅以外に住宅を必要とする者が、特定建設期間内に、住宅を建設し、若しくは購入し、又は公庫法第十七条第十一項に規定する中高層耐火建築物等を建設しようとする場合において、同条第一項、第二項又は第十項前段の規定により、その者に住宅の建設若しくは購入、住宅の建設若しくは購入に付随する土地若しくは借地権の取得又は中高層耐火建築物等の建設に必要な資金を貸し付けるときは、貸付金の償還期間を五年以内延長し、かつ、貸付けの日から起算して五年以内の据置期間を設けることができる。

9 阪神・淡路大震災により滅失した人の居住の用に供する家屋を阪神・淡路大震災の当時所有し、若しくは賃借していた者又は阪神・淡路大震災の当時当該家屋に居住していた者に対する公庫法第十七条第六項、第二十一条第一項の表六の項及び第二十一条の二第一項並びに北海道防寒住宅建設等促進法(昭和二十八年法律第六十四号)第八条の二第二項の規定の適用については、公庫法第十七条第六項中「二年以内」とあるのは「二年を経過する日までの間(被災市街地復興特別措置法(平成七年法律第十四号)第七条の規定による制限その他の制限で建設省令・大蔵省令で定めるものにより当該期間内に当該家屋に代わるべき家屋の建設を行うことができない場合にあつては、これらの制限が行われなくなつた日から起算して六月以内で建設省令・大蔵省令で定める日までの間)」と、公庫法第二十一条第一項の表六の項中「三年以内」とあるのは「五年以内」と、公庫法第二十一条の二第一項中「二年以内」とあるのは「二年を経過する日までの間(被災市街地復興特別措置法第七条の規定による制限その他の制限で建設省令・大蔵省令で定めるものにより当該期間内に当該住宅に代わるべき住宅又は中高層耐火建築物等の建設を行うことができない場合にあつては、これらの制限が行われなくなつた日から起算して六月以内で建設省令・大蔵省令で定める日までの間)」と、「三年以内」とあるのは「五年以内」と、北海道防寒住宅建設等促進法第八条の二第二項の表中「三年以内」とあるのは「五年以内」とする。

 (経過措置)

第七十八条 前条第八項の規定並びに同条第九項の規定により読み替えて適用される公庫法第十七条第六項、第二十一条第一項の表六の項及び第二十一条の二第一項並びに北海道防寒住宅建設等促進法第八条の二第二項の規定は、公庫が平成七年一月十七日以後に受理した申込みに係る資金の貸付けから適用し、公庫が同日前に受理した申込みに係る資金の貸付けについては、なお従前の例による。

2 前条の規定の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

   第十一章 自治省関係

 (消防施設の復旧に要する経費の補助)

第七十九条 国は、特定被災地方公共団体である市町村に対し、当該市町村が行う阪神・淡路大震災により被害を受けた消防の用に供する施設であって政令で定めるものの復旧に要する経費について、予算の範囲内において、その三分の二を補助する。

 (地方債の特例)

第八十条 次に掲げる場合においては、阪神・淡路大震災により被害を受けた地方公共団体でその区域の全部又は一部が特定被災区域内にあるもののうち政令で定めるものは、平成六年度及び平成七年度に限り、地方財政法(昭和二十三年法律第百九号)第五条第一項及び災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第百二条の規定にかかわらず、地方債をもってその財源とすることができる。

 一 地方税、使用料、手数料その他の徴収金で自治省令で定めるものの阪神・淡路大震災のための減免で、その程度及び範囲が被害の状況に照らし相当と認められるものによって生ずる財政収入の不足を補う場合

 二 阪神・淡路大震災に係る災害予防、災害応急対策又は災害復旧で自治省令で定めるものに通常要する費用で、当該地方公共団体の負担に属するものの財源とする場合

2 前項の地方債は、資金事情の許す限り、国が資金運用部資金又は簡易生命保険特別会計の積立金(次項において「政府資金」という。)をもって引き受けるものとする。

3 第一項の規定による地方債を政府資金で引き受けた場合における当該地方債の利率及び償還方法は、政令で定める。

 (地共済法の療養の給付に係る一部負担金の支払の免除の特例)

第八十一条 地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号。以下この条から第八十七条までにおいて「地共済法」という。)第三条第一項に規定する組合(以下この条及び次条において「地共済組合」という。)は、地共済組合の組合員(地共済法第六十一条第一項本文の規定の適用を受ける同項に規定する一年以上組合員であった者を含み、老人保健法の規定による医療を受けることができる者を除く。)であって、阪神・淡路大震災による特定被災区域における被害の状況その他の事情(第二十五条第一項に規定する厚生大臣が定める日の翌日以降においては、阪神・淡路大震災による特定被災区域における被害の状況、所得の状況その他の事情)を参酌して自治省令で定めるもの(以下この条から第八十五条までにおいて「被災地共済組合員」という。)が、平成七年一月十七日から同年十二月三十一日までの間に受ける療養の給付について、地共済法第五十七条第一項第二号又は第三号に掲げる医療機関又は薬局に支払うべき同条第二項の規定による一部負担金の支払を免除することができる。

2 前項の規定により一部負担金の支払を免除された被災地共済組合員は、地共済法第五十七条第二項本文の規定にかかわらず、当該一部負担金を同条第一項第二号又は第三号に掲げる医療機関又は薬局に支払うことを要しない。

3 地共済法第五十七条第四項の規定は、第一項の規定により被災地共済組合員が同項に規定する一部負担金の支払を免除された場合には、適用しない。

 (地共済法の入院時食事療養費の額についての特例)

第八十二条 前条第一項の規定により同項に規定する一部負担金の支払を免除した地共済組合(次条から第八十七条までにおいて「特例地共済組合」という。)が、平成七年一月十七日から第二十五条第一項に規定する厚生大臣が定める日までの間に被災地共済組合員が受けた食事療養(地共済法第五十六条第二項に規定する食事療養をいう。以下この条から第八十四条まで及び第八十六条において同じ。)について地共済法第五十七条の二第一項の規定により当該被災地共済組合員に対して支給する入院時食事療養費の額は、同条第二項の規定にかかわらず、当該食事療養に係る同項に規定する費用の額に相当する金額とする。

 (地共済法の特定療養費の額についての特例)

第八十三条 特例地共済組合が、平成七年一月十七日から同年十二月三十一日までの間に被災地共済組合員が受けた地共済法第五十七条の三第一項各号に掲げる療養について同項の規定により当該被災地共済組合員に対して支給する特定療養費の額は、同条第二項の規定にかかわらず、第一号に掲げる金額(当該療養に食事療養が含まれるときは、当該金額及び第二号に掲げる金額の合算額)とする。

 一 当該療養(食事療養を除く。)に係る地共済法第五十七条の三第二項第一号に規定する費用の額に相当する金額

 二 当該食事療養に係る地共済法第五十七条の三第二項第二号に規定する費用の額に相当する金額(第二十五条第一項に規定する厚生大臣が定める日の翌日以降に受けた食事療養については、当該費用の額から同号に規定する標準負担額を控除した額に相当する金額)

 (地共済法の療養費の額についての特例)

第八十四条 特例地共済組合が、平成七年一月十七日から同年十二月三十一日までの間に被災地共済組合員が受けた療養について地共済法第五十八条第一項又は第二項の規定により当該被災地共済組合員に対して支給する療養費の額は、同条第三項の規定にかかわらず、当該療養(食事療養を除く。)に係る同項に規定する費用の額に相当する金額及び当該食事療養に係る同項に規定する費用の額に相当する金額(第二十五条第一項に規定する厚生大臣が定める日の翌日以降に被災地共済組合員が受けた食事療養については、当該費用の額から地共済法第五十八条第三項に規定する標準負担額を控除した額に相当する金額)の合算額(地共済法第五十八条第一項の規定による場合には、当該合算額の範囲内で特例地共済組合が定める金額)とする。

 (地共済法の訪問看護療養費の額についての特例)

第八十五条 特例地共済組合が、平成七年一月十七日から同年十二月三十一日までの間に被災地共済組合員が受けた指定訪問看護(地共済法第五十八条の二第一項に規定する指定訪問看護をいう。第八十七条において同じ。)について同項の規定により当該被災地共済組合員に対して支給する訪問看護療養費の額は、地共済法第五十八条の二第二項の規定にかかわらず、当該指定訪問看護に係る同項に規定する費用の額に相当する金額とする。

 (地共済法の家族療養費の額についての特例)

第八十六条 特例地共済組合が、平成七年一月十七日から同年十二月三十一日までの間に地共済法第二条第一項第二号に規定する被扶養者(地共済法第六十一条第一項本文の規定の適用を受ける同項に規定する一年以上組合員であった者の被扶養者及び同条第二項の規定により療養に関する死亡後の給付を受ける者を含み、老人保健法の規定による医療を受けることができる者を除く。)であって、阪神・淡路大震災による特定被災区域における被害の状況その他の事情(第二十五条第一項に規定する厚生大臣が定める日の翌日以降においては、阪神・淡路大震災による特定被災区域における被害の状況、所得の状況その他の事情)を参酌して自治省令で定めるもの(以下この条及び次条において「被災地共済被扶養者」という。)が受けた療養について地共済法第五十九条第一項の規定により当該被災地共済被扶養者に係る組合員(地共済法第六十一条第一項本文の規定の適用を受ける同項に規定する一年以上組合員であった者及び同条第二項の規定の適用を受ける被災地共済被扶養者を含む。次条において同じ。)に対して支給する家族療養費の額は、地共済法第五十九条第二項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める金額とする。

 一 保険医療機関等(地共済法第五十七条の三第一項第二号に規定する保険医療機関等をいう。次号及び第三号において同じ。)から地共済法第五十六条第一項各号に掲げる療養(食事療養及び選定療養(同条第二項に規定する選定療養をいう。次号及び第三号において同じ。)を除く。)を受ける場合(第三号に掲げる場合を除く。) その療養に係る費用の額に相当する金額

 二 特定承認保険医療機関(地共済法第五十七条の三第一項第一号に規定する特定承認保険医療機関をいう。)から地共済法第五十六条第一項各号に掲げる療養(食事療養を除く。)を受ける場合又は保険医療機関等から同項各号に掲げる療養(食事療養を除く。)であって選定療養に該当するものを受ける場合(次号に掲げる場合を除く。) その療養に係る費用の額に相当する金額

 三 保険医療機関等から地共済法第五十六条第一項各号に掲げる療養(食事療養及び選定療養を除く。)及び同項各号に掲げる療養(食事療養を除く。)であって選定療養に該当するものを受ける場合 前二号に定める金額の合算額

 四 前三号に掲げる場合において地共済法第五十六条第一項第五号に掲げる療養(食事療養を除く。)に併せて食事療養を受ける場合 前三号に定める金額及び当該食事療養について算定した費用の額に相当する金額(第二十五条第一項に規定する厚生大臣が定める日の翌日以降に被災地共済被扶養者が受けた食事療養については、当該費用の額から地共済法第五十九条第二項第七号に規定する標準負担額を控除した額に相当する金額)の合算額

2 前項第一号に規定する療養に係る費用の額は地共済法第五十七条第六項に規定する費用の額と、前項第二号に規定する療養に係る費用の額は地共済法第五十七条の三第二項第一号に規定する費用の額と、前項第四号に規定する食事療養に係る費用の額は地共済法第五十七条の二第二項に規定する費用の額とする。

3 第八十四条の規定は、地共済法第五十九条第七項において準用する地共済法第五十八条第一項又は第二項の規定により被災地共済被扶養者に係る家族療養費を支給する場合について準用する。この場合において、地共済法第五十九条第八項の規定は、適用しない。

 (地共済法の家族訪問看護療養費の額についての特例)

第八十七条 特例地共済組合が、平成七年一月十七日から同年十二月三十一日までの間に被災地共済被扶養者が受けた指定訪問看護について地共済法第五十九条の二第一項の規定により当該被災地共済被扶養者に係る組合員に対して支給する家族訪問看護療養費の額は、同条第二項の規定にかかわらず、当該指定訪問看護に係る同項に規定する費用の額に相当する金額とする。

 (適用)

第八十八条 第八十一条から前条までの規定は、平成七年一月十七日から適用する。

   附 則

 この法律は、公布の日から施行する。

(内閣総理・大蔵・文部・厚生・農林水産・通商産業・運輸・労働・建設・ 

     自治大臣署名)

衆議院
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