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法律第五十三号(平七・三・三一)

  ◎国民健康保険法等の一部を改正する法律

 (国民健康保険法の一部改正)

第一条 国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)の一部を次のように改正する。

  目次中「第九章 審査請求(第九十一条―第百七条)」を

第九章 審査請求(第九十一条―第百三条)

 
 

第九章の二 高額な医療に係る交付金事業等(第百四条―第百七条)

 に改める。

  第六十八条の二第一項中「この条において」を削る。

  第百四条の前に次の章名を付する。

    第九章の二 高額な医療に係る交付金事業等

  第百四条から第百七条までを次のように改める。

 (高額な医療に係る交付金事業)

第百四条 連合会は、高額な医療に関する給付の発生が国民健康保険の財政に与える影響を緩和するため、その会員である市町村に対して高額な医療に関する給付に係る交付金を交付する事業を行うことができる。

2 第四十五条第六項に規定する厚生大臣が指定する法人(以下単に「指定法人」という。)は、連合会からの拠出金その他の当該事業に必要な経費に充てるために支出された金銭を財源として、連合会に対して前項に規定する事業のうち著しく高額な医療に関する給付に係るものについて交付金を交付する事業を行うことができる。

 (保健事業等に関する援助等)

第百五条 連合会及び指定法人は、国民健康保険事業の運営の安定化を図るため、市町村が行う第八十二条第一項及び第二項に規定する事業、療養の給付等に要する費用の適正化のための事業その他の事業(以下この条において「保健事業等」という。)に関する調査研究及び保健事業等の実施に係る市町村相互間の連絡調整を行うとともに、保健事業等に関し、専門的な技術又は知識を有する者の派遣、情報の提供その他の必要な援助を行うよう努めなければならない。

 (国及び地方公共団体の措置)

第百六条 国及び地方公共団体は、前条の規定により連合会又は指定法人が行う事業を促進するために必要な助言、情報の提供その他の措置を講ずるよう努めなければならない。

第百七条 削除

 第百十六条の二の見出し中「入所」の下に「又は入院」を加え、同条中「身体障害者更生援護施設への入所措置」の下に「、精神保健法(昭和二十五年法律第百二十三号)第二十九条第一項の規定による国若しくは都道府県の設置した精神病院若しくは指定病院への入院措置」を加え、「又は老人福祉法」を「若しくは老人福祉法」に改め、「採られたため」の下に「、又は結核予防法(昭和二十六年法律第九十六号)第二十九条第一項の規定による結核療養所(結核患者を収容する施設を有する病院を含む。)への入所命令がされたため」を加え、「採られた際」を「採られ、又は当該命令がされた際」に改める。

 附則第十二項及び第十三項中「及び平成六年度」を「から平成八年度までの各年度」に改める。

 (地方税法の一部改正)

第二条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。

 第七百三条の四第十七項中「五十万円」を「五十二万円」に改める。

 第七百三条の五に次の一項を加える。

2 前条第三項の被保険者均等割総額及び世帯別平等割総額の合算額の一般被保険者に係る国民健康保険税の課税総額に対する割合が政令で定める基準に該当する市町村は、前項の規定による減額がされない国民健康保険税の納税義務者である世帯主及びその世帯に属する国民健康保険の被保険者につき算定した同項に規定する総所得金額及び山林所得金額の合算額が政令で定める金額を超えない場合(当該市町村長が、これらの者の前年からの所得の状況の著しい変化等により国民健康保険税の減額が適当でないと認めるときを除く。)においては、政令で定める基準に従い当該市町村の条例で定めるところによつて、当該納税義務者に対して課する被保険者均等割額又は世帯別平等割額を減額するものとする。

 附則第三十五条の四中「第七百三条の五」を「第七百三条の五第一項」に改める。

 附則第三十五条の五第一項及び第三十七条中「第七百三条の五中」を「第七百三条の五第一項中」に改める。

 (老人保健法の一部改正)

第三条 老人保健法(昭和五十七年法律第八十号)の一部を次のように改正する。

 第四十八条第一項中「ものの」を「もの又は診療所の」に改める。

 第五十五条第二項を削り、同条第三項中「第一項」を「前項」に改め、同項を同条第二項とし、同条第四項中「百分の二十を超えるときは百分の二十」を「上限割合(当該割合を超える保険者の見込数がすべての保険者の数のおおむね百分の三となる割合として政令で定める割合をいう。以下この項及び次条第三項において同じ。)を超えるときは上限割合」に、「百分の一」を「百分の一・五」に改め、同項を同条第三項とし、同条に次の一項を加える。

4 第一項第一号イ及び前項の政令を定めるに当たつては、厚生大臣は、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。

 第五十六条第三項中「百分の二十を超えるときは百分の二十」を「前々年度における上限割合を超えるときは当該上限割合」に、「百分の一」を「百分の一・五」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、平成七年四月一日から施行する。ただし、第一条中国民健康保険法第百十六条の二の改正規定及び次条の規定は、同年七月一日から施行する。

 (国民健康保険法の一部改正に伴う経過措置)

第二条 第一条の規定による改正後の国民健康保険法(以下「新国保法」という。)第百十六条の二の規定は、同条に規定する入院措置が採られ、又は同条に規定する入所命令がされたため平成七年七月一日以後に一の市町村又は特別区(以下この条において単に「市町村」という。)の区域内に住所を有するに至った被保険者であって、当該措置が採られ、又は当該命令がされた際現に他の市町村の区域内に住所を有していたと認められるものについて、適用する。

 (地方税法の一部改正に伴う経過措置)

第三条 第二条の規定による改正後の地方税法第七百三条の四第十七項の規定は、平成七年度以後の年度分の国民健康保険税について適用し、平成六年度分までの国民健康保険税については、なお従前の例による。

 (検討)

第四条 政府は、この法律の施行後における老人医療費の動向、各医療保険の運営の状況、第三条の規定による改正後の老人保健法(以下「新老健法」という。)の規定による医療費拠出金の額の動向等を勘案し、この法律の施行後三年以内を目途として、医療費拠出金の算定方法に関し検討を行い、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

 (交付金に関する経過措置)

第五条 新老健法第四十八条の規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後に行われる新老健法の規定による医療(医療費の支給を含む。)、入院時食事療養費の支給(医療費の支給を含む。)及び特定療養費の支給(医療費の支給を含む。)に要する費用並びにこれらの事業に関する事務の執行に要する費用について適用し、施行日前に行われた第三条の規定による改正前の老人保健法の規定による医療(医療費の支給を含む。)、入院時食事療養費の支給(医療費の支給を含む。)及び特定療養費の支給(医療費の支給を含む。)に要する費用並びにこれらの事業に関する事務の執行に要する費用については、なお従前の例による。

 (平成六年度以前の年度の医療費拠出金に関する経過措置)

第六条 平成六年度以前の年度の概算医療費拠出金及び確定医療費拠出金については、なお従前の例による。

 (加入者調整率に関する特例)

第七条 平成七年度の新老健法第五十五条第三項に規定する概算加入者調整率については、同項中「上限割合(当該割合を超える保険者の見込数がすべての保険者の数のおおむね百分の三となる割合として政令で定める割合をいう。以下この項及び次条第三項において同じ。)を超えるときは上限割合」とあるのは「百分の二十二を超えるときは百分の二十二」と、「百分の一・五」とあるのは「百分の一・四」と、同条第四項中「第一項第一号イ及び前項」とあるのは「第一項第一号イ」とし、同年度の新老健法第五十六条第三項に規定する確定加入者調整率については、同項中「前々年度における上限割合を超えるときは当該上限割合」とあるのは「百分の二十二を超えるときは百分の二十二」と、「百分の一・五」とあるのは「百分の一・四」とする。

2 平成八年度以降附則第四条の規定により医療費拠出金の算定方法に関する措置が講じられるまでの間に係る新老健法第五十五条第三項に規定する概算加入者調整率については、同項中「(当該割合を超える保険者の見込数がすべての保険者の数のおおむね百分の三となる割合として政令で定める割合をいう。以下この項及び次条第三項において同じ。)」とあるのは「(各医療保険の運営の状況等を勘案し、百分の二十四以上百分の二十六以下において各年度ごとに政令で定める割合をいう。以下この項及び国民健康保険法等の一部を改正する法律(平成七年法律第五十三号)附則第七条第二項の規定により読み替えて適用される次条第三項において同じ。)」と、「百分の一・五」とあるのは「百分の一・四」と、同条第四項中「前項」とあるのは「国民健康保険法等の一部を改正する法律附則第七条第二項の規定により読み替えて適用される前項」とし、平成八年度以降附則第四条の規定により医療費拠出金の算定方法に関する措置が講じられるまでの間に係る新老健法第五十六条第三項に規定する確定加入者調整率については、同項中「百分の一・五」とあるのは、「百分の一・四」とする。

 (医療費拠出金の算定に係る特別調整)

第八条 平成七年度以降附則第四条の規定により医療費拠出金の算定方法に関する措置が講じられるまでの間の各年度の概算医療費拠出金の額は、新老健法第五十五条第一項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる保険者(新老健法第六条第二項に規定する保険者をいう。以下この条において同じ。)の区分に応じて、当該各号に掲げる額とする。

 一 概算特別調整基準超過保険者(新老健法第五十五条第三項に規定する概算加入者調整率が一を超える保険者のうち、特別調整前概算医療費拠出金相当額(同条第一項各号に掲げる額の合計額をいう。以下この条において同じ。)からイに掲げる額を控除して得た額がロに掲げる額を超えるものをいう。以下この条において同じ。) 特別調整前概算医療費拠出金相当額から特別調整対象見込額(特別調整前概算医療費拠出金相当額からイに掲げる額とロに掲げる額との合計額を控除して得た額をいう。次項において同じ。)を控除して得た額と、特別調整見込額との合計額

  イ 次に掲げる額の合計額

   (1) 当該保険者に係る老人医療費見込額(新老健法第五十五条第一項第一号イに規定する老人医療費見込額をいう。(2)において同じ。)に、一から老人保健施設療養費等概算率(同条第二項に規定する老人保健施設療養費等概算率をいう。(2)において同じ。)を控除して得た率を乗じて得た額の十分の七に相当する額

   (2) 当該保険者に係る老人医療費見込額に老人保健施設療養費等概算率を乗じて得た額の十二分の六に相当する額

  ロ 次に掲げる額の合計額に特別調整基準率を乗じて得た額

   (1) 特別調整前概算医療費拠出金相当額

   (2) 当該保険者の給付であって新老健法第六条第一項に規定する医療保険各法の規定による医療に関する給付(健康保険法(大正十一年法律第七十号)第六十九条ノ三に規定するその他の給付及びこれに相当する給付を除く。)のうち厚生省令で定めるものに該当するものに要する費用(同法第七十九条ノ九第二項に規定する日雇拠出金の納付に要する費用及び新国保法第八十一条の二第一項に規定する療養給付費拠出金の納付に要する費用を含む。第三項において「保険者の給付に要する費用」という。)の当該年度における見込額として厚生省令で定めるところにより算定される額

 二 概算特別調整基準超過保険者以外の保険者 特別調整前概算医療費拠出金相当額と特別調整見込額との合計額

2 前項の特別調整見込額は、当該保険者に係る特別調整前概算医療費拠出金相当額(概算特別調整基準超過保険者にあっては、特別調整前概算医療費拠出金相当額から特別調整対象見込額を控除して得た額)に概算特別調整加算率(すべての概算特別調整基準超過保険者に係る特別調整対象見込額の総額を、すべての保険者に係る特別調整前概算医療費拠出金相当額の総額からすべての概算特別調整基準超過保険者に係る特別調整対象見込額の総額を控除して得た額で除して得た率を基礎として厚生大臣が定める率をいう。)を乗じて得た額とする。

3 第一項第一号ロの特別調整基準率は、平成七年度にあっては百分の二十五とし、平成八年度以降附則第四条の規定により医療費拠出金の算定方法に関する措置が講じられるまでの間の各年度にあっては、一人当たりの老人医療費の動向、新老健法第二十五条第一項に規定する七十歳以上の加入者等の増加の状況、保険者の給付に要する費用の動向、概算特別調整基準超過保険者の数の動向等を勘案し、百分の二十五以上において各年度ごとに政令で定める率とする。

4 前項の政令を定めるに当たっては、厚生大臣は、あらかじめ、新老健法第七条の政令で定める審議会の意見を聴かなければならない。

5 平成七年度以降附則第四条の規定により医療費拠出金の算定方法に関する措置が講じられるまでの間の各年度の確定医療費拠出金の額については、新老健法第五十六条第一項の規定にかかわらず、第一項から第三項までの規定を準用する。この場合において、第三項中「一人当たりの老人医療費の動向、新老健法第二十五条第一項に規定する七十歳以上の加入者等の増加の状況、保険者の給付に要する費用の動向、概算特別調整基準超過保険者の数の動向等を勘案し、百分の二十五以上において各年度ごとに政令で定める率」とあるのは、「国民健康保険法等の一部を改正する法律(平成七年法律第五十三号)附則第八条第三項の政令で定める率」と読み替えるものとする。

 (その他の経過措置の政令への委任)

第九条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。

(厚生・自治・内閣総理大臣署名) 

 

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