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法律第三十九号(平九・四・二三)

  ◎日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法の一部を改正する法律

 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法(昭和二十七年法律第百四十号)の一部を次のように改正する。

 本則に次の三条を加える。

 (認定土地等の暫定使用)

第十五条 防衛施設局長は、駐留軍の用に供するため所有者若しくは関係人との合意又はこの法律の規定により使用されている土地等で引き続き駐留軍の用に供するためその使用について第五条の規定による認定があったもの(以下「認定土地等」という。)について、その使用期間の末日以前に前条の規定により適用される土地収用法第三十九条第一項の規定による裁決の申請及び前条の規定により適用される同法第四十七条の二第三項の規定による明渡裁決の申立て(以下「裁決の申請等」という。)をした場合で、当該使用期間の末日以前に必要な権利を取得するための手続が完了しないときは、損失の補償のための担保を提供して、当該使用期間の末日の翌日から、当該認定土地等についての明渡裁決において定められる明渡しの期限までの間、引き続き、これを使用することができる。ただし、次の各号に掲げる場合においては、その使用の期間は、当該各号に定める日までとする。

 一 裁決の申請等について却下の裁決があったとき 前条の規定により適用される土地収用法第百三十条第二項に規定する期間の末日(当該裁決について同日までに防衛施設局長から審査請求があつたときは、当該審査請求に対し却下又は棄却の裁決があった日)

 二 当該認定土地等に係る第五条の規定による使用の認定が効力を失つたとき 当該認定が効力を失つた日

2 前項の規定による担保の提供は、防衛施設局長において、同項の規定による使用(以下「暫定使用」という。)の期間の六月ごとに、あらかじめ自己の見積もつた損失補償額(当該見積額が当該認定土地等の暫定使用前直近の使用に係る賃借料若しくは使用料又は補償金の六月分に相当する額を下回るときは、その額とする。)に相当する金銭を当該認定土地等の所在地の供託所に供託して行うものとする。

3 防衛施設局長は、前項の規定による供託をしたときは、総理府令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を収用委員会及び当該認定土地等の所有者又は関係人に通知しなければならない。

4 防衛施設局長は、認定土地等の所有者又は関係人の請求があるときは、政令で定めるところにより、次条第一項の規定による損失の補償の内払として、第二項の規定による担保の全部又は一部を取得させるものとする。この場合において、土地若しくは土地に関する所有権以外の権利又は建物若しくは建物に関する所有権以外の権利に対する損失の補償に係る担保については、暫定使用が行われた期間に応じて取得させるものとする。

5 防衛施設局長は、前項の規定により認定土地等の所有者又は関係人が担保を取得したときは、総理府令で定めるところにより、その旨を収用委員会に通知するものとする。

6 防衛施設局長は、次条第一項の規定による損失の補償を了したときは、政令で定めるところにより、第一項の規定により提供した担保を取り戻すことができる。

7 第一項本文に規定する場合においては、前条の規定にかかわらず、認定土地等の使用に関しては、土地収用法第百二十三条の規定は、適用しない。

第十六条 暫定使用によつて認定土地等の所有者及び関係人が受ける損失(以下「暫定使用による損失」という。)については、土地収用法第六章第一節中土地の使用による損失の補償に関する規定(第七十二条、第七十三条、第七十四条第二項、第七十八条、第七十九条、第八十条の二第二項及び第八十一条の規定を除く。)に準じて補償しなければならない。この場合において、損失の補償は、暫定使用の時期の価格(土地若しくは土地に関する所有権以外の権利又は建物若しくは建物に関する所有権以外の権利に対する損失の補償については、その土地及び近傍類地の地代及び借賃等又はその建物及び近傍同種の建物の借賃等を考慮して算定した暫定使用の時期の価格)によつて算定しなければならない。

2 収用委員会は、認定土地等について明渡裁決をする場合において、当該明渡裁決において定める明渡しの期限までの間に暫定使用の期間があるときは、当該明渡裁決において、併せて暫定使用による損失の補償を裁決しなければならない。この場合において、当該明渡裁決において定める明渡しの期限は、当該認定土地等についての権利取得裁決において定める権利取得の時期としなければならない。

3 収用委員会は、前条第四項の規定により認定土地等の所有者又は関係人が担保を取得したときは、前項の規定による裁決において、防衛施設局長が支払うべき補償金の残額及びその権利者又は防衛施設局長が返還を受けることができる額及びその債務者を裁決しなければならない。

4 土地収用法第九十四条第十項から第十二項までの規定は、第二項の規定による裁決中前項に規定する防衛施設局長が返還を受けることができる額に関する部分について、第十四条の規定により適用される同法第百三十三条の規定による訴えの提起がなかつた場合に準用する。

第十七条 前条第二項の規定による裁決がされる場合を除き、暫定使用の期間が終了したときは、暫定使用による損失の補償について、防衛施設局長と暫定使用による損失を受けた者とが協議しなければならない。ただし、協議をすることができないときは、この限りでない。

2 前項本文の規定による協議が成立しないとき、又は同項ただし書に規定する場合に該当するときは、防衛施設局長又は暫定使用による損失を受けた者は、政令で定めるところにより、収用委員会に土地収用法第九十四条第二項の規定による裁決を申請することができる。

3 前条第三項及び第四項の規定は、前項の裁決について準用する。

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から施行する。

 (経過措置)

2 この法律による改正後の日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法(以下「新法」という。)第十五条から第十七条までの規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前において、日本国に駐留するアメリカ合衆国の軍隊(以下「駐留軍」という。)の用に供するため所有者若しくは関係人との合意又はこの法律による改正前の日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法(以下「旧法」という。)の規定により使用されている土地等で引き続き駐留軍の用に供するためその使用について旧法第五条の規定による認定があったものについて、防衛施設局長がその使用期間の末日以前に旧法第十四条の規定により適用される土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第三十九条第一項の規定による裁決の申請及び旧法第十四条の規定により適用される土地収用法第四十七条の二第三項の規定による明渡裁決の申立てをしていた場合についても適用するものとする。この場合において、施行日においてその従前の使用期間が満了しているにかかわらず必要な権利を取得するための手続が完了していない土地等の暫定使用については、新法第十五条第一項中「当該使用期間の末日以前」とあるのは「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法の一部を改正する法律(平成九年法律第三十九号)の施行の日前」と、「当該使用期間の末日の翌日」とあるのは「当該担保を提供した日の翌日」とする。

3 防衛施設局長は、前項後段に規定する土地等の暫定使用を開始した場合においては、その従前の使用期間の末日の翌日から暫定使用を開始した日の前日までの間の当該土地等の使用によってその所有者及び関係人(日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法第十四条の規定により適用される土地収用法第八条第三項に規定する関係人をいう。)が通常受ける損失を補償するものとする。

4 前項の規定による損失の補償については、防衛施設局長と損失を受けた者とが協議しなければならない。ただし、協議をすることができないときは、この限りでない。

5 前項本文の規定による協議が成立しないとき、又は同項ただし書に規定する場合に該当するときは、防衛施設局長又は損失を受けた者は、政令で定めるところにより、収用委員会に土地収用法第九十四条第二項の規定による裁決を申請することができる。

(内閣総理・建設大臣署名) 

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