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法律第七十一号(平一六・六・二)

  ◎海上運送事業の活性化のための船員法等の一部を改正する法律

 (船員法の一部改正)

第一条 船員法(昭和二十二年法律第百号)の一部を次のように改正する。

  第二十八条中「海員が」を削り、「公認があつた後」を「届出をした後当該届出に係る海員が」に改める。

  第三十七条の前の見出しを「(雇入契約の成立等の届出)」に改め、同条第一項中「変更」の下に「(以下「雇入契約の成立等」という。)」を加え、「雇入契約の公認を申請しなければならない」を「届け出なければならない」に改め、同条第二項中「公認を申請する」を「届け出る」に、「公認を申請しなければならない」を「届け出なければならない」に改める。

  第三十八条中「公認の申請」を「成立等の届出」に、「、又、」を「及び」に、「審査する」を「確認する」に改め、同条に後段として次のように加える。

   この場合において、国土交通大臣は、必要があると認めるときは、第百一条第一項の規定による命令その他必要な措置を講ずるものとする。

  第六十四条第一項中「船長は、」の下に「船舶の航海の安全を確保するため」を加える。

  第六十四条の二中「、公衆の不便を避けるために第六十条第一項の規定又は第七十二条の二の国土交通省令の規定による労働時間の制限を超えて海員を作業に従事させる必要があると認められる国土交通省令で定める船舶に乗り組む海員については」を削り、「これらの規定による労働時間の制限を超えて」を「第六十条第一項の規定又は第七十二条の二の国土交通省令の規定による労働時間の制限を超えて海員を」に改める。

  第六十五条の次に次の一条を加える。

  (労働時間の限度)

 第六十五条の二 第六十四条第二項又は第六十四条の二の規定により第六十条第一項の規定又は第七十二条の二の国土交通省令の規定による労働時間の制限を超えて海員を作業に従事させる場合であつても、海員の一日当たりの労働時間及び一週間当たりの労働時間は、第六十条第一項の規定及び第七十二条の二の国土交通省令の規定による労働時間を含め、それぞれ十四時間及び七十二時間を限度とする。

   船舶所有者は、海員を前項に規定する労働時間の限度を超えて作業に従事させてはならない。

   第六十四条第一項の規定により海員が作業に従事した労働時間は、第一項に規定する労働時間には算入しないものとする。

   第一項及び第二項の規定は、海底の掘削に従事する船舶その他のその航海の態様が特殊であるため海員がこれらの規定によることが著しく不適当な職務に従事することとなると認められる船舶として国土交通省令で定めるものについては、適用しない。

  第六十六条中「前三条」を「第六十四条から第六十五条まで」に改め、「海員が、」の下に「第六十条第一項の規定若しくは第七十二条の二の国土交通省令の規定による」を加える。

  第六十七条の見出しを「(記録簿の備置き)」に改め、同条第一項中「備え置いて」の下に「、労働時間」を加える。

  第七十二条の二中「平均し」を「平均した」に改め、「八時間を」の下に「超えず、かつ、一日当たりの労働時間が十四時間を」を加える。

  第八十八条の二の二第三項中「第六十六条」を「第六十五条の二第一項から第三項まで、第六十六条」に改め、「この場合において」の下に「、第六十五条の二第一項中「第六十条第一項の規定及び第七十二条の二の国土交通省令の規定」とあるのは「第八十八条の二の二第一項の規定」と、同条第二項中「前項」とあるのは「第八十八条の二の二第三項において準用する前項」と」を加え、「、「第八十八条の二の二第三項」を「「第八十八条の二の二第三項」に改める。

  第百八条の次に次の一条を加える。

 第百八条の二 船員労務官は、第百一条第二項に規定する場合において、船舶の航海の安全を確保するため緊急の必要があると認めるときは、同項に規定する国土交通大臣の権限を即時に行うことができる。

  第百二十一条の二中「雇入契約の公認、」を削る。

  第百三十条中「第六十三条」の下に「、第六十五条の二第二項(第八十八条の二の二第三項において準用する場合を含む。)」を加える。

  第百三十三条第一号中「公認を申請しなかつた」を「成立等の届出をせず、又は虚偽の届出をした」に改め、同条第二号を次のように改める。

  二 削除

  第百三十五条第一項中「、第二号、第七号から第十号まで若しくは第十一号」を「若しくは第七号から第十一号まで」に改める。

 (船員職業安定法の一部改正)

第二条 船員職業安定法(昭和二十三年法律第百三十号)の一部を次のように改正する。

  目次を次のように改める。

 目次

  第一章 総則(第一条―第七条)

  第二章 政府の行う船員職業紹介等

   第一節 通則(第八条―第十四条)

   第二節 船員職業紹介(第十五条―第二十二条)

   第三節 職業指導(第二十三条―第二十六条)

   第四節 部員職業補導(第二十七条―第三十二条)

  第三章 政府以外の者の行う船員職業紹介事業等

   第一節 船員職業紹介事業(第三十三条―第四十三条)

   第二節 船員の募集(第四十四条―第四十九条)

   第三節 船員労務供給事業(第五十条―第五十三条)

   第四節 船員派遣事業

    第一款 船員派遣事業の適正な運営の確保に関する措置

     第一目 事業の許可等(第五十四条―第六十三条)

     第二目 補則(第六十四条・第六十五条)

    第二款 派遣船員の就業条件の整備等に関する措置

     第一目 船員派遣契約(第六十六条―第六十八条)

     第二目 船員派遣元事業主の講ずべき措置等(第六十九条―第七十八条)

     第三目 派遣先の講ずべき措置等(第七十九条―第八十八条)

     第四目 船員法等の適用に関する特例等(第八十九条―第九十四条)

  第四章 船員労働委員会への諮問等(第九十五条)

  第五章 雑則(第九十六条―第百十条)

  第六章 罰則(第百十一条―第百十六条)

  附則

  第一条の見出しを「(目的)」に改め、同条第一項を次のように改める。

   この法律は、政府が地方公共団体等の協力を得て船員職業紹介等を行うこと、政府以外の者の行う船員職業紹介事業等が海上労働力の需要供給の適正かつ円滑な調整に果たすべき役割にかんがみその適正な運営を確保すること等により、何人にもその能力及び資格に応じて公平かつ有効に船員の職業に就く機会を与えるとともに、政府以外の海上企業(以下「海上企業」という。)に対する労働力の適正な充足を図り、もつて経済及び社会の発展に寄与することを目的とする。

  第五条第一号中「適正」の下に「かつ円滑」を加え、同条第二号中「船員職業紹介、船員の募集又は船員労務供給事業」を「船員職業紹介事業、船員の募集、船員労務供給事業又は船員派遣事業」に改める。

  第六条第二項中「申込」を「申込み」に改め、同条第六項中「いう」を「いい、船員派遣に該当するものを含まないものとする」に改め、同項を同条第八項とし、同条第五項を同条第七項とし、同条第四項中「且つ」を「かつ」に改め、同項を同条第六項とし、同条中第三項を第五項とし、第二項の次に次の二項を加える。

 3 この法律で「船員職業紹介事業」とは、船員職業紹介を業として行うことをいう。

 4 この法律で「無料船員職業紹介事業者」とは、第三十四条第一項の許可を受けて、又は第四十条第一項の規定による届出をして、無料の船員職業紹介事業を行う者をいう。

  第六条に次の八項を加える。

 9 この法律で「船員労務供給事業」とは、船員労務供給を業として行うことをいう。

 10 この法律で「無料船員労務供給事業者」とは、第五十一条の許可を受けて、無料の船員労務供給事業を行う労働組合等(労働組合法による労働組合(以下単に「労働組合」という。)その他これに準ずるものであつて国土交通省令で定めるものをいう。以下同じ。)をいう。

 11 この法律で「船員派遣」とは、船舶所有者が、自己の常時雇用する船員を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために船員として労務に従事させることをいい、当該他人に対し当該船員を当該他人に雇用させることを約してするものを含まないものとする。

 12 この法律で「派遣船員」とは、船舶所有者が常時雇用する船員であつて、船員派遣の対象となるものをいう。

 13 この法律で「船員派遣事業」とは、船員派遣を業として行うことをいう。

 14 この法律で「船員派遣元事業主」とは、第五十五条第一項の許可を受けて、船員派遣事業を行う者をいう。

 15 この法律(第三章第四節第二款第四目を除く。)で「派遣先」とは、船員派遣元事業主から船員派遣の役務の提供を受ける者をいう。

 16 この法律で「個人情報」とは、個人に関する情報であつて、特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。

  「第二章 政府の行う船員の職業紹介、職業指導及び部員職業補導」を「第二章 政府の行う船員職業紹介等」に改める。

  第八条及び第九条を削り、第七条を第八条とする。

  第一章中第六条の次に次の一条を加える。

  (地方運輸局長と無料船員職業紹介事業者等の協力)

 第七条 地方運輸局長及び無料船員職業紹介事業者又は無料船員労務供給事業者は、海上労働力の需要供給の適正かつ円滑な調整を図るため、雇用情報の充実、海上労働力の需要供給の調整に係る技術の向上等に関し、相互に協力するように努めなければならない。

  第十条を第九条とし、第十一条を第十条とする。

  第十二条中「船員職業紹介の事業」を「船員職業紹介事業」に、「あたり」を「当たり」に改め、同条を第十一条とする。

  第十三条中「基いて」を「基づいて」に改め、同条を第十二条とする。

  第十四条の見出しを「(船舶所有者等に対する援助)」に改め、同条中「船舶所有者」の下に「、労働組合等その他関係者」を加え、「指導」を「援助」に、「基いて、その処理に必要な資料、方法及び基準を指示し、もつて海上企業の進展に奉仕することに努めなければならない」を「基づいて、その者に対して必要な助言その他の措置を行わなければならない」に改め、同条を第十三条とする。

  第十五条第一項中「左の」を「次の」に改め、同項第一号中「申込」を「申込み」に改め、同条第二項中「あたり」を「当たり」に、「に前項各号」を「に同項各号」に改め、同条を第十四条とする。

  第十六条の見出し中「申込」を「申込み」に改め、同条第一項中「申込に」を「申込みに」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に、「申込の」を「申込みの」に、「又は求人」を「求人」に、「内容をなす」を「内容である」に、「、著しく」を「著しく」に改め、「認めるとき」の下に「、又は求人者が次条第一項の規定による労働条件の明示をしないとき」を加え、「申込を」を「申込みを」に改め、第二章第二節中同条を第十五条とする。

  第十七条中「申込」を「申込み」に、「あたり」を「当たり」に改め、同条に次の一項を加える。

 2 前項の規定による労働条件の明示は、賃金及び労働時間に関する事項その他の国土交通省令で定める事項については、国土交通省令で定める方法により行わなければならない。

  第十七条を第十六条とする。

  第十八条中「申込」を「申込み」に改め、同条を第十七条とする。

  第十九条中「する申込」を「する申込み」に改め、同条ただし書中「但し」を「ただし」に、「あらたに申込」を「新たに申込み」に改め、同条を第十八条とし、同条の次に次の一条を加える。

  (求職者の個人情報の取扱い)

 第十九条 地方運輸局長は、その業務に関し、求職者の個人情報を収集し、保管し、又は使用するに当たつては、その業務の目的の達成に必要な範囲内で求職者の個人情報を収集し、並びに当該収集の目的の範囲内でこれを保管し、及び使用しなければならない。ただし、本人の同意がある場合その他正当な事由がある場合は、この限りでない。

 2 地方運輸局長は、求職者の個人情報を適正に管理するために必要な措置を講じなければならない。

  第二十条の見出し中「開拓」を「開拓等」に改め、同条に次の二項を加える。

 2 地方運輸局長は、前項の規定による求人又は求職の開拓に関し、地方公共団体、船舶所有者の団体、労働組合等その他の関係者に対し、情報の提供その他必要な連絡又は協力を求めることができる。

 3 地方運輸局長は、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校(以下単に「学校」という。)の学生若しくは生徒又は学校を卒業した者(国土交通省令で定める者を除く。以下「学生生徒等」という。)の船員職業紹介については、学校と協力して、学生生徒等に対し、雇用情報、職業に関する調査研究の成果等を提供し、職業指導を行い、及び地方運輸局長間で連絡をすることにより、学生生徒等に対して紹介することが適当と認められるできる限り多くの求人を開拓し、各学生生徒等の能力に適合した船員の職業にあつせんするように努めなければならない。

  第二十二条中「船員の職業紹介」を「船員職業紹介」に改め、「これを」を削る。

  第二十五条を次のように改める。

  (船員教育機関等との連携)

 第二十五条 地方運輸局長は、職業指導を受ける者に対し、船員教育に関する情報の提供、相談その他の援助を与えることが必要であると認めるときは、船員教育機関その他の関係者に対し、必要な協力を求めることができる。

 2 地方運輸局長は、学校が学生又は生徒に対して行う職業指導に協力しなければならない。

  第二十七条第二項中「学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)による」を削り、「止める」を「とどめる」に改める。

  「第三章 政府以外の者の行う船員職業紹介事業、船員の募集及び船員労務供給事業」を「第三章 政府以外の者の行う船員職業紹介事業等」に改める。

  第三十三条中「第三十四条」を「、次条及び第四十条」に改める。

  第三十四条の見出しを「(無料の船員職業紹介事業の許可)」に改め、同条第一項中「左の」を「次の」に、「船員職業紹介事業」を「無料の船員職業紹介事業」に改め、同項第一号中「且つ」を「かつ」に改め、同条第二項中「前項」を「第一項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

 2 前項の規定により無料の船員職業紹介事業を行おうとする同項の団体は、その無料の船員職業紹介事業において取り扱う職種の範囲その他業務の範囲(次条第二号、第四十条第三項及び第四十二条第二項において「取扱職種の範囲等」という。)を定めて、前項の許可の申請を行うことができる。

  第三十五条を次のように改める。

  (船員職業紹介所の所在地変更等)

 第三十五条 前条第一項の許可を受けて、無料の船員職業紹介事業を行う者(以下「無料船員職業紹介許可事業者」という。)は、次の各号のいずれかに該当するときは、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

  一 船員職業紹介所の所在地若しくは設備を変更し、又は船員職業紹介所を増設しようとするとき。

  二 取扱職種の範囲等を変更しようとするとき。

  第三十六条を削る。

  第三十七条中「船員職業紹介事業」を「無料船員職業紹介許可事業者」に、「船員の職業紹介」を「船員職業紹介」に改め、同条を第三十六条とする。

  第三十八条第一項中「船員職業紹介事業を行う者及び」を「無料船員職業紹介許可事業者及び」に、「左の」を「次の」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に、「船員職業紹介事業を行う者は」を「無料船員職業紹介許可事業者は」に改め、同条第二項中「船員職業紹介事業を行う者」を「無料船員職業紹介許可事業者」に改め、同条を第三十七条とする。

  第三十九条を削る。

  第四十条中「第三十四条の規定により船員職業紹介事業を行う者」を「無料船員職業紹介許可事業者」に改め、同条を第三十八条とし、同条の次に次の二条を加える。

  (事業報告)

 第三十九条 無料船員職業紹介許可事業者は、国土交通省令で定めるところにより、船員職業紹介所ごとの当該船員職業紹介事業に係る事業報告書を作成し、国土交通大臣に提出しなければならない。

 2 前項の事業報告書には、国土交通省令で定めるところにより、船員職業紹介所ごとの当該船員職業紹介事業に係る求職者の数その他船員職業紹介に関する事項を記載しなければならない。

  (学校等の行う無料の船員職業紹介事業)

 第四十条 次の各号に掲げる施設の長は、国土交通大臣に届け出て、当該各号に定める者(これらの者に準ずる者として国土交通省令で定めるものを含む。)について、無料の船員職業紹介事業を行うことができる。

  一 学校(小学校及び幼稚園を除く。) 当該学校の学生生徒等

  二 専修学校(学校教育法第八十二条の二に規定する専修学校をいう。) 当該専修学校の生徒又は当該専修学校を卒業した者

  三 独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人であつて、船員の教育訓練に関する業務を行うものとして国土交通省令で定めるものに限る。) 当該独立行政法人の行う船員の教育訓練を受ける者又は当該船員の教育訓練を修了した者

 2 前項の規定により無料の船員職業紹介事業を行う同項各号に掲げる施設の長は、当該施設の職員のうちから、船員職業紹介事業に関する業務を担当する者を定めて、自己に代わつてその業務を行わせることができる。

 3 第一項の規定により無料の船員職業紹介事業を行おうとする同項各号に掲げる施設の長は、その取扱職種の範囲等を定めて、同項の届出をすることができる。

 4 第三十六条、第三十八条及び前条の規定は、第一項の規定により同項各号に掲げる施設の長が無料の船員職業紹介事業を行う場合について準用する。この場合において、同条第一項中「船員職業紹介所ごとの当該船員職業紹介事業に係る事業報告書」とあるのは「事業報告書」と、同条第二項中「船員職業紹介所ごとの当該船員職業紹介事業」とあるのは「当該船員職業紹介事業」と読み替えるものとする。

 5 国土交通大臣は、第一項の規定により無料の船員職業紹介事業を行う同項各号に掲げる施設の長に対し、第百三条第一項の規定により船員職業紹介事業の停止を命じようとする場合には、あらかじめ、関係行政庁に通知しなければならない。

  第四十一条を次のように改める。

  (名称の制限)

 第四十一条 無料船員職業紹介事業者でない者は、その名称又はその有する施設の名称中に船員職業紹介を行う者であることを示すような文字を用いてはならない。

  第四十三条及び第四十四条を削る。

  第四十二条中「の外」を「のほか」に改め、「これを」を削り、第三章第一節中同条を第四十三条とする。

  第四十一条の次に次の一条を加える。

  (準用規定)

 第四十二条 第十五条から第十九条まで、第二十条第一項及び第二項並びに第二十一条の規定は、無料船員職業紹介事業者が無料の船員職業紹介事業を行う場合について準用する。この場合において、これらの規定(第十六条第二項及び第二十一条第二項を除く。)中「地方運輸局長」とあるのは「無料船員職業紹介事業者」と、同条第二項中「地方運輸局長は」とあるのは「地方運輸局長は、その旨を無料船員職業紹介事業者に通報するものとし、当該通報を受けた無料船員職業紹介事業者は」と読み替えるものとする。

 2 無料船員職業紹介事業者が、第三十四条第二項、第三十五条又は第四十条第三項の規定により、取扱職種の範囲等を定めてこれらの規定の申請又は届出をした場合にあつては、前項において準用する第十五条第一項の規定は、その範囲内に限り適用するものとする。

  第四十五条第一項中「者に」の下に「報酬を与えて」を加え、同条第二項を削り、同条第三項中「第一項の規定により船員の募集を行う者」を「船員の募集を行う者(船舶所有者及び船員の募集に従事する被用者を除く。以下「募集受託者」という。)」に改め、同項を同条第二項とし、第三章第二節中同条を第四十四条とする。

  第四十六条及び第四十七条を削る。

  第四十八条中「第四十五条第一項の規定により船員の募集を行う者」を「募集受託者」に改め、同条を第四十五条とする。

  第四十九条を第四十六条とする。

  第五十条中「第四十五条第一項の規定により船員の募集を行う者」を「募集受託者」に改め、同条を第四十七条とする。

  第五十一条第一項を次のように改める。

   第十六条、第十九条及び第二十一条の規定は、船員の募集について準用する。この場合において、第十六条第一項中「求人者は、求人の申込みに当たり、地方運輸局長に対し、地方運輸局長」とあり、第十九条中「地方運輸局長」とあるのは「船員の募集を行う者」と、同項中「紹介」とあるのは「船員の募集」と、同項及び同条中「求職者」とあるのは「募集に応じて船員になろうとする者」と、第二十一条第一項中「地方運輸局長」とあるのは「船員の募集を行う者(国土交通省令で定める者を除く。次項において同じ。)」と、「船舶につき、求職者を紹介してはならない」とあるのは「船舶における就業を内容とする船員の募集をしてはならない」と、同条第二項中「求職者を無制限に紹介する」とあるのは「船員を無制限に募集する」と、「地方運輸局長は、当該船舶につき、求職者を紹介してはならない」とあるのは「地方運輸局長は、その旨を船員の募集を行う者に通報するものとし、当該通報を受けた船員の募集を行う者は、当該船舶における就業を内容とする船員の募集をしてはならない」と、同項ただし書中「求職者を紹介する」とあるのは「船員を募集する」と読み替えるものとする。

  第五十一条第二項中「第四十三条に規定する」を「新聞、雑誌その他の刊行物に掲載する広告、文書の掲出若しくは頒布又は放送その他国土交通省令で定める」に、「第十七条」を「第十六条」に改め、同条を第四十八条とする。

  第五十二条中「の外」を「のほか」に改め、「これを」を削り、同条を第四十九条とする。

  第三章第三節中第五十三条を第五十条とする。

  第五十四条の見出しを「(無料の船員労務供給事業の許可)」に改め、同条中「労働組合法による労働組合」を「労働組合等」に改め、同条を第五十一条とし、同条の次に次の一条を加える。

  (準用規定)

 第五十二条 第十六条、第十九条及び第二十一条の規定は、無料船員労務供給事業者が無料の船員労務供給事業を行う場合について準用する。この場合において、第十六条第一項中「求人者は、求人の申込みに当たり、地方運輸局長に対し、地方運輸局長」とあるのは「船員労務供給を受けようとする者は、あらかじめ、無料船員労務供給事業者に対し、無料船員労務供給事業者」と、「紹介」とあるのは「船員労務供給」と、同項及び第十九条中「求職者」とあるのは「供給される船員」と、同条及び第二十一条第一項中「地方運輸局長」とあるのは「無料船員労務供給事業者」と、同項中「求職者を紹介してはならない」とあるのは「船員を供給してはならない」と、同条第二項中「求職者を無制限に紹介する」とあるのは「船員を無制限に供給する」と、「地方運輸局長は、当該船舶につき、求職者を紹介してはならない」とあるのは「地方運輸局長は、その旨を無料船員労務供給事業者に通報するものとし、当該通報を受けた無料船員労務供給事業者は、当該船舶につき、船員を供給してはならない」と、同項ただし書中「求職者を紹介する」とあるのは「船員を供給する」と読み替えるものとする。

  第五十五条を削る。

  第五十六条中「これを」を削り、同条を第五十三条とする。

  第六十九条中「一に」を「いずれかに」に改め、同条第二号中「第三十九条」を「第四十一条」に改め、同条第三号を削り、同条を第百十六条とする。

  第六十八条中「第六十四条」を「第百十一条」に改め、同条を第百十五条とする。

  第六十七条中「一に」を「いずれかに」に改め、同条第一号中「第四十条」を「第三十八条(第四十条第四項において準用する場合を含む。)」に改め、同条第三号中「第五十九条第一項又は第二項」を「第百二条第一項又は第二項」に改め、「故なく」を削り、「又は検査」を「検査」に改め、「忌避し」の下に「、又は質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の陳述をし」を加え、同号を同条第六号とし、同条第二号中「第五十八条」を「第百一条」に改め、「故なく」を削り、同号を同条第五号とし、同条第一号の次に次の三号を加える。

  二 第五十五条第二項(第六十条第五項において準用する場合を含む。)に規定する申請書又は第五十五条第三項(第六十条第五項において準用する場合を含む。)に規定する書類に虚偽の記載をして提出した者

  三 第六十一条第一項、第六十二条第一項若しくは第六十四条第三項の規定による届出をせず、若しくは虚偽の届出をし、又は第六十一条第一項に規定する書類に虚偽の記載をして提出した者

  四 第七十三条、第七十四条、第七十五条第一項、第七十六条、第七十七条、第八十五条又は第八十六条の規定に違反した者

  第六十七条を第百十四条とする。

  第六十六条中「一に」を「いずれかに」に改め、同条第一号中「第三十七条」を「第三十六条」に改め、同条第三号を削り、同条第二号中「第四十五条第二項又は同条第三項」を「第四十四条第二項」に改め、同号を同条第三号とし、同条第一号の次に次の一号を加える。

  二 第四十条第一項の規定による届出をしないで、又は虚偽の届出をして、無料の船員職業紹介事業を行つた者

  第六十六条第四号中「第四十八条」を「第四十五条」に改め、同条第五号中「第四十九条」を「第四十六条」に改め、同条第六号中「第五十条」を「第四十七条」に改め、同条第八号中「船員の職業紹介、募集若しくは船員労務の供給」を「船員職業紹介、船員の募集、船員労務供給若しくは船員派遣」に改め、同号を同条第九号とし、同条第七号中「放送」の下に「その他第四十八条第二項の国土交通省令で定める方法」を加え、「船員の職業紹介、募集若しくは船員労務の供給」を「船員職業紹介、船員の募集、船員労務供給若しくは船員派遣」に改め、同号を同条第八号とし、同条第六号の次に次の一号を加える。

  七 第九十八条の規定による命令に違反した者

  第六十六条を第百十三条とする。

  第六十五条中「一に」を「いずれかに」に、「五十万円」を「百万円」に改め、同条第一号中「違反した者」の下に「(次条第二号の規定に該当する者を除く。)」を加え、同条第三号を削り、同条第二号中「第三十八条」を「第三十七条」に改め、同号を同条第三号とし、同条第一号の次に次の一号を加える。

  二 偽りその他不正の行為により、第三十四条第一項、第四十四条第一項、第五十一条若しくは第五十五条第一項の許可又は第六十条第二項の規定による許可の有効期間の更新を受けた者

  第六十五条第四号中「第四十五条第一項」を「第四十四条第一項」に改め、同条第五号中「第五十三条」を「第五十条」に改め、同条に次の三号を加える。

  六 第五十四条第一項の規定に違反した者

  七 第六十三条の規定に違反した者

  八 第百三条第一項の規定による船員職業紹介事業、船員の募集の業務、船員労務供給事業又は船員派遣事業の停止の処分に違反した者

  第六十五条を第百十二条とする。

  第六十四条中「一に」を「いずれかに」に改め、同条第一号及び第二号中「船員の職業紹介、募集若しくは船員労務の供給」を「船員職業紹介、船員の募集、船員労務供給若しくは船員派遣」に改め、同条を第百十一条とする。

  第六十三条の二中「第十五条第二項」を「第十四条第二項」に改め、第五章中同条を第百八条とし、同条の次に次の二条を加える。

  (国土交通省令への委任)

 第百九条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のために必要な手続その他の事項は、国土交通省令で定める。

  (経過措置の命令への委任)

 第百十条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

  第六十三条を第百七条とする。

  第六十二条中「船員の職業紹介」を「船員職業紹介」に改め、同条を第百六条とし、同条の前に次の四条を加える。

  (報告及び検査)

 第百二条 国土交通大臣は、この法律を施行するために必要な限度において、国土交通省令で定めるところにより、船員職業紹介事業、船員の募集若しくは船員労務供給事業を行う者又は船員派遣事業を行う事業主若しくは当該事業主から船員派遣の役務の提供を受ける者に対し、必要な事項を報告させ、又は帳簿書類の提出を求めることができる。

 2 国土交通大臣は、この法律を施行するために必要な限度において、所属の職員に、船員職業紹介事業、船員の募集若しくは船員労務供給事業を行う者又は船員派遣事業を行う事業主若しくは当該事業主から船員派遣の役務の提供を受ける者の事業所その他の施設に立ち入り、関係者に質問させ、又は帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。

 3 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

 4 第二項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

  (事業の停止又は許可の取消し)

 第百三条 国土交通大臣は、無料船員職業紹介事業者、船員の募集を行う者、無料船員労務供給事業者若しくは船員派遣元事業主が法令若しくはこれに基づく国土交通大臣若しくは地方運輸局長の処分に違反し、若しくはその事業若しくは業務が公益を害するおそれがあると認めるとき、又はこれらの者が許可に付された条件に違反したときは、その事業若しくは業務を停止し、又は許可を取り消すことができる。

 2 国土交通大臣は、船員派遣元事業主が第五十六条各号(第四号を除く。)のいずれかに該当しているときは、許可を取り消すことができる。

 3 第一項の規定により船員職業紹介事業の許可を取り消され、当該取消しの日から起算して五年を経過しない者には、船員職業紹介事業の許可を与えることができない。

  (秘密の厳守)

 第百四条 無料船員職業紹介事業者、船員の募集を行う者、無料船員労務供給事業者及び船員派遣元事業主(以下この条において「無料船員職業紹介事業者等」という。)並びに無料船員職業紹介事業者等の業務に従事する者は、その業務に関して知り得た個人情報その他国土交通省令で定める者に関する情報を、みだりに他人に知らせてはならない。無料船員職業紹介事業者等及び無料船員職業紹介事業者等の業務に従事する者でなくなつた後においても、同様とする。

  (手数料)

 第百五条 次に掲げる者は、実費を勘案して国土交通省令で定める額の手数料を納付しなければならない。

  一 第五十五条第一項の許可を受けようとする者

  二 第五十八条第三項の規定による許可証の再交付を受けようとする者

  三 第六十条第二項の規定による許可の有効期間の更新を受けようとする者

  四 第六十一条第四項の規定による許可証の書換えを受けようとする者

  第五十九条から第六十一条までを削る。

  第五十八条を第百一条とし、第五章中同条の前に次の五条を加える。

  (指針)

 第九十六条 国土交通大臣は、第四条、第十六条、第十九条及び第四十八条第二項に定める事項に関し、無料船員職業紹介事業者、船員の募集を行う者及び無料船員労務供給事業者が適切に対処するために必要な指針を公表するものとする。

 2 国土交通大臣は、第四条、第六十五条において準用する第十九条及び第三章第四節第二款第一目から第三目までの規定により船員派遣元事業主及び派遣先が講ずべき措置に関し、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針を公表するものとする。

  (指導及び助言)

 第九十七条 国土交通大臣は、この法律(第三章第四節第二款第四目の規定を除く。第百条並びに第百二条第一項及び第二項において同じ。)の施行に関し必要があると認めるときは、無料船員職業紹介事業者、船員の募集を行う者、無料船員労務供給事業者並びに船員派遣をする事業主及び船員派遣の役務の提供を受ける者に対し、その業務の適正な運営又は適正な派遣就業を確保するために必要な指導及び助言をすることができる。

  (改善命令)

 第九十八条 国土交通大臣は、無料船員職業紹介事業者、船員の募集を行う者又は無料船員労務供給事業者が、その業務に関しこの法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反した場合において、当該業務の適正な運営を確保するために必要があると認めるときは、これらの者に対し、当該業務の運営を改善するために必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。

 2 国土交通大臣は、船員派遣元事業主が、その業務に関しこの法律その他労働に関する法律(これらの法律に基づく命令を含む。)の規定に違反した場合において、適正な派遣就業を確保するために必要があると認めるときは、当該船員派遣元事業主に対し、派遣船員に係る雇用管理の方法の改善その他当該船員派遣事業の運営を改善するために必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。

  (公表等)

 第九十九条 国土交通大臣は、第五十四条第二項、第八十一条第一項、第八十三条又は第八十四条の規定に違反している者に対し、第九十七条の規定による指導又は助言をした場合において、その者がなお第五十四条第二項、第八十一条第一項、第八十三条又は第八十四条の規定に違反し、又は違反するおそれがあると認めるときは、当該者に対し、第五十四条第二項若しくは第八十一条第一項の規定に違反する派遣就業を是正するために必要な措置若しくは当該派遣就業が行われることを防止するために必要な措置をとるべきこと又は第八十三条若しくは第八十四条の規定による雇入契約の申込みをすべきことを勧告することができる。

 2 国土交通大臣は、派遣先が第八十一条第一項の規定に違反して船員派遣の役務の提供を受けており、かつ、当該船員派遣の役務の提供に係る派遣船員が当該派遣先に雇い入れられることを希望している場合において、当該派遣先に対し、第九十七条の規定により当該派遣船員を雇い入れるように指導又は助言をしたにもかかわらず、当該派遣先がこれに従わなかつたときは、当該派遣先に対し、当該派遣船員を雇い入れるように勧告することができる。

 3 国土交通大臣は、前二項の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた者がこれに従わなかつたときは、その旨を公表することができる。

  (国土交通大臣に対する申告)

 第百条 無料船員職業紹介事業者、船員の募集を行う者、無料船員労務供給事業者又は船員派遣をする事業主若しくは船員派遣の役務の提供を受ける者がこの法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反する事実がある場合においては、当該無料船員職業紹介事業者に求職の申込みをした求職者、当該募集に応じた船員、当該無料船員労務供給事業者から供給される船員又は当該派遣就業に係る派遣船員は、国土交通大臣に対し、その事実を申告し、適当な措置をとるべきことを求めることができる。

 2 国土交通大臣は、前項の規定による申告があつたときは、必要な調査を行い、その申告の内容が事実であると認めるときは、この法律に基づく措置その他適当な措置をとらなければならない。

  第五十七条第一項中「この法律」を「第五十五条第五項に規定するもののほか、この法律」に改め、「すべての」を削り、「きかなければ」を「聴かなければ」に改め、同条第三項及び第四項中「行なう」を「行う」に改め、同条第五項中「行なわせる」を「行わせる」に改め、第四章中同条を第九十五条とする。

  第三章に次の一節を加える。

     第四節 船員派遣事業

      第一款 船員派遣事業の適正な運営の確保に関する措置

       第一目 事業の許可等

  (船員派遣事業の禁止)

 第五十四条 何人も、次条に規定する場合を除いては、船員派遣事業を行つてはならない。

 2 船員派遣の役務の提供を受ける者は、船員派遣元事業主以外の船員派遣事業を行う事業主から、船員派遣の役務の提供を受けてはならない。

  (船員派遣事業の許可)

 第五十五条 国土交通大臣の許可を受けた者は、船員派遣事業を行うことができる。

 2 前項の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出しなければならない。

  一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名

  二 法人にあつては、その役員の氏名及び住所

  三 船員派遣事業を行う事業所の名称及び所在地

  四 第七十六条の規定により選任する派遣元責任者の氏名及び住所

  五 前各号に掲げるもののほか、国土交通省令で定める事項

 3 前項の申請書には、船員派遣事業を行う事業所ごとの当該船員派遣事業に係る事業計画書その他国土交通省令で定める書類を添付しなければならない。

 4 前項の事業計画書には、国土交通省令で定めるところにより、船員派遣事業を行う事業所ごとの当該船員派遣事業に係る派遣船員の数、船員派遣に関する料金の額その他船員派遣に関する事項を記載しなければならない。

 5 国土交通大臣は、第一項の許可をしようとするときは、あらかじめ、船員中央労働委員会の意見を聴かなければならない。

  (許可の欠格事由)

 第五十六条 次の各号のいずれかに該当する者は、前条第一項の許可を受けることができない。

  一 禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律その他労働に関する法律の規定(次号に規定する規定を除く。)であつて政令で定めるもの若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)の規定(同法第四十八条の規定を除く。)により、若しくは刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百四条、第二百六条、第二百八条、第二百八条の三、第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪、暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)の罪若しくは出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第七十三条の二第一項の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して五年を経過しない者

  二 健康保険法(大正十一年法律第七十号)第二百八条、第二百十三条の二若しくは第二百十四条第一項、船員保険法第六十八条、第六十九条ノ三若しくは第七十条第一項、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)第五十一条前段若しくは第五十四条第一項(同法第五十一条前段の規定に係る部分に限る。)、厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第百二条第一項、第百三条の二、第百四条第一項(同法第百二条第一項又は第百三条の二の規定に係る部分に限る。)、第百八十二条第一項若しくは第二項若しくは第百八十四条(同法第百八十二条第一項又は第二項の規定に係る部分に限る。)、労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和四十四年法律第八十四号)第四十六条前段若しくは第四十八条第一項(同法第四十六条前段の規定に係る部分に限る。)又は雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第八十三条若しくは第八十六条(同法第八十三条の規定に係る部分に限る。)の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して五年を経過しない者

  三 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの

  四 第百三条第一項の規定により船員派遣事業の許可を取り消され、当該取消しの日から起算して五年を経過しない者

  五 営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者であつて、その法定代理人が前各号のいずれかに該当するもの

  六 法人であつて、その役員のうちに前各号のいずれかに該当する者があるもの

  (許可の基準等)

 第五十七条 国土交通大臣は、第五十五条第一項の許可の申請が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。

  一 申請者が、船員派遣事業の派遣船員に係る雇用管理を適正に行うに足りる能力を有するものであること。

  二 個人情報を適正に管理し、及び派遣船員等の秘密を守るために必要な措置が講じられていること。

  三 前二号に掲げるもののほか、申請者が、船員派遣事業を的確に遂行するに足りる能力を有するものであること。

 2 国土交通大臣は、第五十五条第一項の許可をしないときは、遅滞なく、理由を示してその旨を当該申請者に通知しなければならない。

  (許可証)

 第五十八条 国土交通大臣は、第五十五条第一項の許可をしたときは、国土交通省令で定めるところにより、船員派遣事業を行う事業所の数に応じ、許可証を交付しなければならない。

 2 許可証の交付を受けた者は、当該許可証を、船員派遣事業を行う事業所ごとに備え付けるとともに、関係者から請求があつたときは提示しなければならない。

 3 許可証の交付を受けた者は、当該許可証を亡失し、又は当該許可証が滅失したときは、速やかにその旨を国土交通大臣に届け出て、許可証の再交付を受けなければならない。

  (許可の条件)

 第五十九条 第五十五条第一項の許可には、条件を付し、及びこれを変更することができる。

 2 前項の条件は、当該許可の趣旨に照らして、又は当該許可に係る事項の確実な実施を図るために必要な最小限度のものに限り、かつ、当該許可を受ける者に不当な義務を課することとなるものであつてはならない。

  (許可の有効期間等)

 第六十条 第五十五条第一項の許可の有効期間は、当該許可の日から起算して三年とする。

 2 前項に規定する許可の有効期間(当該許可の有効期間についてこの項の規定により更新を受けたときにあつては、当該更新を受けた許可の有効期間)の満了後引き続き当該許可に係る船員派遣事業を行おうとする者は、国土交通省令で定めるところにより、許可の有効期間の更新を受けなければならない。

 3 国土交通大臣は、前項に規定する許可の有効期間の更新の申請があつた場合において、当該申請が第五十七条第一項各号に掲げる基準に適合していないと認めるときは、当該許可の有効期間の更新をしてはならない。

 4 第二項の規定によりその更新を受けた場合における第五十五条第一項の許可の有効期間は、当該更新前の許可の有効期間が満了する日の翌日から起算して五年とする。

 5 第五十五条第二項から第四項まで、第五十六条(第四号を除く。)及び第五十七条第二項の規定は、第二項に規定する許可の有効期間の更新について準用する。

  (変更の届出)

 第六十一条 船員派遣元事業主は、第五十五条第二項各号に掲げる事項に変更があつたときは、遅滞なく、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。この場合において、当該変更に係る事項が船員派遣事業を行う事業所の新設に係るものであるときは、当該事業所に係る事業計画書その他国土交通省令で定める書類を添付しなければならない。

 2 第五十五条第四項の規定は、前項の事業計画書について準用する。

 3 国土交通大臣は、第一項の規定により船員派遣事業を行う事業所の新設に係る変更の届出があつたときは、国土交通省令で定めるところにより、当該新設に係る事業所の数に応じ、許可証を交付しなければならない。

 4 船員派遣元事業主は、第一項の規定による届出をする場合において、当該届出に係る事項が許可証の記載事項に該当するときは、国土交通省令で定めるところにより、その書換えを受けなければならない。

  (事業の廃止)

 第六十二条 船員派遣元事業主は、当該船員派遣事業を廃止したときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

 2 前項の規定による届出があつたときは、第五十五条第一項の許可は、その効力を失う。

  (名義貸しの禁止)

 第六十三条 船員派遣元事業主は、自己の名義をもつて、他人に船員派遣事業を行わせてはならない。

       第二目 補則

  (事業報告等)

 第六十四条 船員派遣元事業主は、国土交通省令で定めるところにより、船員派遣事業を行う事業所ごとの当該船員派遣事業に係る事業報告書及び収支決算書を作成し、国土交通大臣に提出しなければならない。

 2 前項の事業報告書には、国土交通省令で定めるところにより、船員派遣事業を行う事業所ごとの当該船員派遣事業に係る派遣船員の数、船員派遣の役務の提供を受けた者の数、船員派遣に関する料金の額その他船員派遣に関する事項を記載しなければならない。

 3 船員派遣元事業主は、派遣船員を船員法第一条第一項に規定する船舶以外の船舶において就業させるための船員派遣(以下「外国船舶派遣」という。)をしようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

  (準用規定)

 第六十五条 第十九条及び第二十一条の規定は、船員派遣元事業主が船員派遣事業を行う場合について準用する。この場合において、第十九条及び第二十一条第一項中「地方運輸局長」とあるのは「船員派遣元事業主」と、第十九条中「求職者」とあるのは「船員」と、第二十一条第一項中「求職者を紹介してはならない」とあるのは「船員派遣(当該同盟罷業、閉出又はけい船の行われる際現に当該船舶につき船員派遣をしている場合にあつては、当該船員派遣及びこれに相当するものを除く。)をしてはならない」と、同条第二項中「求職者を無制限に紹介する」とあるのは「無制限に船員派遣がされる」と、「地方運輸局長は、当該船舶につき、求職者を紹介してはならない」とあるのは「地方運輸局長は、その旨を船員派遣元事業主に通報するものとし、当該通報を受けた船員派遣元事業主は、当該船舶につき、船員派遣(当該通報の際現に当該船舶につき船員派遣をしている場合にあつては、当該船員派遣及びこれに相当するものを除く。)をしてはならない」と、同項ただし書中「使用されていた船員」とあるのは「使用されていた船員(船員派遣に係る労働に従事していた船員を含む。)」と、「求職者を紹介する」とあるのは「船員派遣をする」と読み替えるものとする。

      第二款 派遣船員の就業条件の整備等に関する措置

       第一目 船員派遣契約

  (契約の内容等)

 第六十六条 船員派遣契約(当事者の一方が相手方に対し船員派遣をすることを約する契約をいう。以下同じ。)の当事者は、国土交通省令で定めるところにより、当該船員派遣契約の締結に際し、次に掲げる事項を定めるとともに、その内容の差異に応じて派遣船員の人数を定めなければならない。

  一 派遣船員が従事する業務の内容

  二 派遣船員が乗り組む船舶(以下「派遣船舶」という。)の名称、総トン数、用途(漁船にあつては、従事する漁業の種類を含む。)及び就航航路又は操業海域

  三 船員派遣の役務の提供を受ける者のために、就業中の派遣船員を指揮命令する者に関する事項

  四 船員派遣の期間

  五 基準労働期間(船員法第六十条第三項に規定する基準労働期間をいう。以下同じ。)、労働時間及び休息時間に関する事項

  六 安全及び衛生に関する事項

  七 派遣船員から苦情の申出を受けた場合における当該申出を受けた苦情の処理に関する事項

  八 船員派遣契約の解除に当たつて講ずる派遣船員の雇用の安定を図るために必要な措置に関する事項

  九 前各号に掲げるもののほか、国土交通省令で定める事項

 2 前項に定めるもののほか、船員派遣元事業主は、船員派遣契約であつて外国船舶派遣に係るものの締結に際しては、国土交通省令で定めるところにより、当該外国船舶派遣に係る派遣先が次に掲げる措置を講ずべき旨を定めなければならない。

  一 第八十五条の派遣先責任者の選任

  二 第八十六条第一項の派遣先管理台帳の作成、同項各号に掲げる事項の当該台帳への記載及び同条第三項の国土交通省令で定める条件に従つた通知

  三 前二号に掲げるもののほか、国土交通省令で定める当該船員派遣に係る派遣船員の就業(以下「派遣就業」という。)が適正に行われるために必要な措置

 3 船員派遣元事業主は、第一項の規定により船員派遣契約を締結するに当たつては、あらかじめ、当該契約の相手方に対し、第五十五条第一項の許可を受けている旨を明示しなければならない。

 4 第八十一条第一項各号に掲げる業務以外の業務について船員派遣元事業主から新たな船員派遣契約に基づく船員派遣の役務の提供を受けようとする者は、第一項の規定により当該船員派遣契約を締結するに当たり、あらかじめ、当該船員派遣元事業主に対し、当該船員派遣の役務の提供が開始される日以後当該業務について同条第一項の規定に抵触することとなる最初の日を通知しなければならない。

 5 船員派遣元事業主は、第八十一条第一項各号に掲げる業務以外の業務について新たな船員派遣契約に基づく船員派遣の役務の提供を受けようとする者から前項の規定による通知がないときは、当該者との間で、当該業務に係る船員派遣契約を締結してはならない。

 6 船員派遣の役務の提供を受けようとする者は、船員派遣契約の締結に際し、当該船員派遣契約に基づく船員派遣に係る派遣船員を特定することを目的とする行為をしないように努めなければならない。

  (契約の解除等)

 第六十七条 船員派遣をする事業主は、当該船員派遣の役務の提供を受ける者が、当該派遣就業に関し、この法律又は第四目の規定により適用される法律(これらの法律に基づく命令を含む。第七十条において同じ。)の規定に違反した場合においては、当該船員派遣を停止し、又は当該船員派遣契約を解除することができる。

 第六十八条 船員派遣契約の解除は、将来に向かつてのみその効力を生ずる。

       第二目 船員派遣元事業主の講ずべき措置等

  (派遣船員等の福祉の増進)

 第六十九条 船員派遣元事業主は、その雇用する派遣船員又は派遣船員として雇用しようとする船員について、各人の希望及び能力に応じた就業の機会及び教育訓練の機会の確保、労働条件の向上その他雇用の安定を図るために必要な措置を講ずることにより、これらの者の福祉の増進を図るように努めなければならない。

  (適正な派遣就業の確保)

 第七十条 船員派遣元事業主は、その雇用する派遣船員に係る派遣先がその指揮命令の下に当該派遣船員に労働させるに当たつて当該派遣就業に関しこの法律又は第四目の規定により適用される法律の規定に違反することがないようにその他当該派遣就業が適正に行われるように、必要な措置を講ずる等適切な配慮をしなければならない。

  (派遣船員であることの明示等)

 第七十一条 船員派遣元事業主は、船員を派遣船員として雇用しようとするときは、あらかじめ、当該船員にその旨を明示しなければならない。

 2 船員派遣元事業主は、その雇用する船員であつて、派遣船員として雇用した船員以外のものを新たに船員派遣の対象としようとするときは、あらかじめ、当該船員にその旨を明示し、その同意を得なければならない。

  (派遣船員に係る雇用制限の禁止)

 第七十二条 船員派遣元事業主は、その雇用する派遣船員又は派遣船員として雇用しようとする船員との間で、正当な理由がなく、その者に係る派遣先である者(派遣先であつた者を含む。次項において同じ。)又は派遣先となることとなる者に当該船員派遣元事業主との雇用関係の終了後雇用されることを禁ずる旨の契約を締結してはならない。

 2 船員派遣元事業主は、その雇用する派遣船員に係る派遣先である者又は派遣先となろうとする者との間で、正当な理由がなく、その者が当該派遣船員を当該船員派遣元事業主との雇用関係の終了後雇用することを禁ずる旨の契約を締結してはならない。

  (就業条件等の明示)

 第七十三条 船員派遣元事業主は、船員派遣をしようとするときは、あらかじめ、当該船員派遣に係る派遣船員に対し、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項を明示しなければならない。

  一 当該船員派遣をしようとする旨

  二 第六十六条第一項各号に掲げる事項その他国土交通省令で定める事項であつて当該派遣船員に係るもの

  三 第八十一条第一項各号に掲げる業務以外の業務について船員派遣をする場合にあつては、当該派遣船員が従事する業務について派遣先が同項の規定に抵触することとなる最初の日

 2 船員派遣元事業主は、派遣先から第八十一条第五項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、当該通知に係る業務に従事する派遣船員に対し、国土交通省令で定めるところにより、当該業務について派遣先が同条第一項の規定に抵触することとなる最初の日を明示しなければならない。

  (派遣先への通知)

 第七十四条 船員派遣元事業主は、船員派遣をするときは、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項を派遣先に通知しなければならない。

  一 当該船員派遣に係る派遣船員の氏名

  二 当該船員派遣に係る派遣船員に関する健康保険法第三十九条第一項の規定による被保険者の資格の取得の確認、厚生年金保険法第十八条第一項の規定による被保険者の資格の取得の確認及び船員保険法第十九条ノ二第一項の規定による被保険者となつたことの確認の有無に関する事項であつて国土交通省令で定めるもの

  三 前二号に掲げるもののほか、国土交通省令で定める事項

  (船員派遣の期間)

 第七十五条 船員派遣元事業主は、派遣先が当該船員派遣元事業主から船員派遣の役務の提供を受けたならば第八十一条第一項の規定に抵触することとなる場合には、当該抵触することとなる最初の日以降継続して船員派遣を行つてはならない。

 2 船員派遣元事業主は、前項の当該抵触することとなる最初の日の一月前の日から当該抵触することとなる最初の日の前日までの間に、国土交通省令で定める方法により、当該抵触することとなる最初の日以降継続して船員派遣を行わない旨を当該派遣先及び当該船員派遣に係る派遣船員に通知しなければならない。

  (派遣元責任者)

 第七十六条 船員派遣元事業主は、派遣就業に関し次に掲げる事項を行わせるため、国土交通省令で定めるところにより、第五十六条第一号から第四号までに該当しない者(未成年者を除く。)のうちから派遣元責任者を選任しなければならない。

  一 第七十一条、第七十三条、第七十四条、前条第二項及び次条に定める事項に関すること。

  二 当該派遣船員に対し、必要な助言及び指導を行うこと。

  三 当該派遣船員から申出を受けた苦情の処理に当たること。

  四 当該派遣船員等の個人情報の管理に関すること。

  五 当該派遣船員の安全及び衛生に関し、当該事業所の船員の安全及び衛生に関する業務を統括管理する者並びに当該派遣先との連絡調整を行うこと。

  六 前号に掲げるもののほか、当該派遣先との連絡調整に関すること。

  (派遣元管理台帳)

 第七十七条 船員派遣元事業主は、国土交通省令で定めるところにより、派遣就業に関し、派遣元管理台帳を作成し、当該台帳に派遣船員ごとに次に掲げる事項を記載しなければならない。

  一 派遣先の氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名

  二 事業所の所在地及び派遣船舶の名称

  三 船員派遣の期間及び派遣就業をした日

  四 基準労働期間及び労働時間

  五 従事する業務の種類

  六 派遣船員から申出を受けた苦情の処理に関する事項

  七 前各号に掲げるもののほか、国土交通省令で定める事項

 2 船員派遣元事業主は、前項の派遣元管理台帳を三年間保存しなければならない。

  (準用規定)

 第七十八条 第七十二条及び第七十三条第一項(第三号を除く。)の規定は、船員派遣元事業主以外の船員派遣をする事業主について準用する。この場合において、第七十二条中「派遣先」とあるのは、「船員派遣の役務の提供を受ける者」と読み替えるものとする。

       第三目 派遣先の講ずべき措置等

  (船員派遣契約に関する措置)

 第七十九条 派遣先は、第六十六条第一項各号に掲げる事項に関する船員派遣契約の定めに反することのないように適切な措置を講じなければならない。

  (適正な派遣就業の確保等)

 第八十条 派遣先は、その指揮命令の下に労働させる派遣船員から当該派遣就業に関し苦情の申出を受けたときは、当該苦情の内容を当該船員派遣元事業主に通知するとともに、当該船員派遣元事業主との密接な連携の下に、誠意をもつて、遅滞なく、当該苦情の適切かつ迅速な処理を図らなければならない。

 2 前項に定めるもののほか、派遣先は、その指揮命令の下に労働させる派遣船員について、当該派遣就業が適正かつ円滑に行われるようにするため、適切な就業環境の維持、陸上における宿泊、休養、医療及び慰安の施設等の施設であつて現に当該派遣先に雇用される船員が通常利用しているものの利用に関する便宜の供与等必要な措置を講ずるように努めなければならない。

  (船員派遣の役務の提供を受ける期間)

 第八十一条 派遣先は、派遣船舶ごとの同一の業務(次に掲げる業務を除く。第三項において同じ。)について、船員派遣元事業主から派遣可能期間を超える期間継続して船員派遣の役務の提供を受けてはならない。

  一 次のイ又はロに該当する業務

   イ 事業の開始、転換、拡大、縮小又は廃止のための業務であつて一定の期間内に完了することが予定されているもの

   ロ その業務が一月間に行われる日数が、当該派遣就業に係る派遣先に雇用される通常の船員の一月間の所定労働日数に比し相当程度少なく、かつ、国土交通大臣の定める日数以下である業務

  二 当該派遣先に雇用される船員が船員法第八十七条第一項及び第二項の規定により休業し、並びに育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成三年法律第七十六号)第二条第一号に規定する育児休業をする場合における当該船員の業務その他これに準ずる場合として国土交通省令で定める場合における当該船員の業務

  三 当該派遣先に雇用される船員が育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第二条第二号に規定する介護休業をし、及びこれに準ずる休業として国土交通省令で定める休業をする場合における当該船員の業務

 2 前項の派遣可能期間は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める期間とする。

  一 次項の規定により船員派遣の役務の提供を受けようとする期間が定められている場合 その定められている期間

  二 前号に掲げる場合以外の場合 一年

 3 派遣先は、派遣船舶ごとの同一の業務について、船員派遣元事業主から一年を超え三年以内の期間継続して船員派遣の役務の提供を受けようとするときは、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより、当該船員派遣の役務の提供を受けようとする期間を定めなければならない。

 4 派遣先は、前項の期間を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、当該派遣先の事業所に、船員の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合に対し、船員の過半数で組織する労働組合がない場合においては船員の過半数を代表する者に対し、当該期間を通知し、その意見を聴くものとする。

 5 派遣先は、船員派遣契約の締結後に当該船員派遣契約に基づく船員派遣に係る業務について第三項の期間を定め、又はこれを変更したときは、速やかに、当該船員派遣をする船員派遣元事業主に対し、当該業務について第一項の規定に抵触することとなる最初の日を通知しなければならない。

  (派遣船員の雇入れ)

 第八十二条 派遣先は、派遣船舶ごとの同一の業務(前条第一項各号に掲げる業務を除く。)について船員派遣元事業主から継続して一年以上同条第二項の派遣可能期間以内の期間船員派遣の役務の提供を受けた場合において、引き続き当該同一の業務に船員を従事させるため、当該船員派遣の役務の提供を受けた期間(以下この条において「派遣実施期間」という。)が経過した日以後船員を雇い入れようとするときは、当該同一の業務に派遣実施期間継続して従事した派遣船員であつて次の各号に適合するものを、遅滞なく、雇い入れるように努めなければならない。

  一 派遣実施期間が経過した日までに、当該派遣先に雇い入れられて当該同一の業務に従事することを希望する旨を当該派遣先に申し出たこと。

  二 派遣実施期間が経過した日から起算して七日以内に当該船員派遣元事業主との雇用関係が終了したこと。

 第八十三条 派遣先は、第七十五条第二項の規定による通知を受けた場合において、当該船員派遣の役務の提供を受けたならば第八十一条第一項の規定に抵触することとなる最初の日以降継続して第七十五条第二項の規定による通知を受けた派遣船員を使用しようとするときは、当該抵触することとなる最初の日の前日までに、当該派遣船員であつて当該派遣先に雇い入れられることを希望するものに対し、雇入契約の申込みをしなければならない。

 第八十四条 派遣先は、派遣船舶ごとの同一の業務(第八十一条第一項各号に掲げる業務に限る。)について、船員派遣元事業主から三年を超える期間継続して同一の派遣船員に係る船員派遣の役務の提供を受けている場合において、当該同一の業務に船員を従事させるため、当該三年が経過した日以後船員を雇い入れようとするときは、当該同一の派遣船員に対し、雇入契約の申込みをしなければならない。

  (派遣先責任者)

 第八十五条 派遣先は、派遣就業に関し次に掲げる事項を行わせるため、国土交通省令で定めるところにより、派遣先責任者を選任しなければならない。

  一 次に掲げる事項の内容を、当該派遣船員の業務の遂行を指揮命令する職務上の地位にある者その他の関係者に周知すること。

   イ この法律及び次目の規定により適用される法律(これらの法律に基づく命令を含む。)の規定

   ロ 当該派遣船員に係る第七十九条に規定する船員派遣契約の定め

   ハ 当該派遣船員に係る第七十四条の規定による通知

  二 第八十一条第五項及び次条に定める事項に関すること。

  三 当該派遣船員から申出を受けた苦情の処理に当たること。

  四 当該派遣船員の安全及び衛生に関し、当該船舶の船員の安全及び衛生に関する業務を統括管理する者並びに当該船員派遣元事業主との連絡調整を行うこと。

  五 前号に掲げるもののほか、当該船員派遣元事業主との連絡調整に関すること。

  (派遣先管理台帳)

 第八十六条 派遣先は、国土交通省令で定めるところにより、派遣就業に関し、派遣先管理台帳を作成し、当該台帳に派遣船員ごとに次に掲げる事項を記載しなければならない。

  一 船員派遣元事業主の氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名

  二 派遣就業をした日

  三 派遣就業をした日ごとの労働時間

  四 従事した業務の種類

  五 派遣船員から申出を受けた苦情の処理に関する事項

  六 前各号に掲げるもののほか、国土交通省令で定める事項

 2 派遣先は、前項の派遣先管理台帳を三年間保存しなければならない。

 3 派遣先は、国土交通省令で定めるところにより、第一項各号(第一号を除く。)に掲げる事項を船員派遣元事業主に通知しなければならない。

  (準用規定)

 第八十七条 第七十九条の規定は、船員派遣の役務の提供を受ける者であつて派遣先以外のものについて準用する。

  (外国船舶派遣に関する特例)

 第八十八条 船員派遣をする事業主が外国船舶派遣をする場合においては、第七十九条から前条までの規定は、適用しない。

       第四目 船員法等の適用に関する特例等

  (船員法の適用に関する特例等)

 第八十九条 派遣就業のために船員法第一条第一項に規定する船舶(以下この条及び次条において単に「船舶」という。)に乗り組む派遣船員であつて、船員派遣の役務の提供を受ける者に雇用されていないもの(以下この条及び次条において「乗組み派遣船員」という。)の派遣就業に関しては、当該船員派遣の役務の提供を受ける者もまた乗組み派遣船員を使用する船舶所有者とみなして、同法第六条の規定により適用される労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第三条及び第五条の規定(これらの規定に係る罰則の規定を含む。)を適用する。

 2 乗組み派遣船員が乗り組む船舶に関しては、当該船舶において船員派遣の役務の提供を受ける者もまた当該乗組み派遣船員を使用する船舶所有者と、当該乗組み派遣船員を当該船舶において船員派遣の役務の提供を受ける者にもまた使用される船員とみなして、船員法第八十一条第一項の規定(同項に係る罰則の規定を含む。次項において同じ。)を適用する。この場合において、同条第一項中「その他の船内作業による危害の防止及び船内衛生の保持に関し国土交通省令の定める事項」とあるのは、「その他の船内作業による危害の防止及び船内衛生の保持に関し国土交通省令の定める事項(船員職業安定法第八十九条第一項に規定する乗組み派遣船員に関しては、当該事項のうち国土交通省令で定めるものを除く。)」とする。

 3 前項の場合におけるその使用する船員を派遣就業のために船舶に派遣している船舶所有者(以下この条及び次条において「派遣元の船舶所有者」という。)に関する船員法第八十一条第一項の規定の適用については、同項中「その他の船内作業による危害の防止及び船内衛生の保持に関し国土交通省令の定める事項」とあるのは、「その他の船内作業による危害の防止及び船内衛生の保持に関し国土交通省令の定める事項(船員職業安定法第八十九条第一項に規定する乗組み派遣船員に関しては、当該事項のうち国土交通省令で定めるものに限る。)」とする。

 4 乗組み派遣船員の派遣就業に関しては、乗組み派遣船員が乗り組む船舶において船員派遣の役務の提供を受ける者のみを乗組み派遣船員を使用する船舶所有者とみなして、船員法第六条の規定により適用される労働基準法第七条並びに船員法第六十二条(同法第八十八条の三第二項の規定により読み替えて適用される場合を含む。)、第六十四条の二、第六十五条、第六十五条の二第二項(同法第八十八条の二の二第三項において読み替えて準用する場合を含む。)、第六十七条第二項(同法第八十八条の三第四項において準用する場合を含む。)、第八十五条第二項、第八十六条第一項及び第二項、同条第三項(漁船に係る部分に限る。)、第八十七条第一項及び第三項、第八十八条、第八十八条の二の二第二項、第八十八条の三第一項及び第三項、第八十八条の四、第八十八条の六並びに第八十八条の七の規定並びにこれらの規定に基づいて発する命令の規定(これらの規定に係る罰則の規定を含む。)を適用する。この場合において、同法第六十四条の二中「その使用する」とあるのは「船員職業安定法第八十九条第三項に規定する派遣元の船舶所有者(以下単に「派遣元の船舶所有者」という。)がその使用する」と、同条及び同法第六十五条中「これを国土交通大臣に」とあるのは「及びこれを国土交通大臣に」と、同条中「その使用する」とあるのは「派遣元の船舶所有者がその使用する」と、同法第八十七条第一項第一号中「船内で作業に従事することを申し出た場合」とあるのは「、あらかじめ、船内で作業に従事することを派遣元の船舶所有者に申し出た場合」と、同法第八十八条の二の二第二項中「その労働時間を超えて作業に従事することを申し出た場合」とあるのは「、あらかじめ、その労働時間を超えて作業に従事することを派遣元の船舶所有者に申し出た場合」と、同法第八十八条の三第三項中「休日において作業に従事することを申し出た場合」とあるのは「、あらかじめ、休日において作業に従事することを派遣元の船舶所有者に申し出た場合」と、同法第八十八条の四第二項中「同項本文の時刻の間において」とあるのは「、あらかじめ、同項本文の時刻の間において」と、「申し出た場合」とあるのは「派遣元の船舶所有者に申し出た場合」とする。

 5 乗組み派遣船員が乗り組む船舶に関しては、当該船舶において船員派遣の役務の提供を受ける者のみを乗組み派遣船員を使用する船舶所有者とみなして、船員法第六十九条、第七十条(同法第七十一条第二項の規定により読み替えて適用される場合を含む。)、第八十条、第八十一条第二項及び第三項、第八十二条、第八十二条の二並びに第百十七条の二から第百十八条の三までの規定(これらの規定に係る罰則の規定を含む。)を適用する。

 6 派遣元の船舶所有者は、船員派遣をする場合であつて、第二項、第四項又は前項の規定により船舶所有者とみなされることとなる船員派遣の役務の提供を受ける者が当該船員派遣に係る船員派遣契約に定める派遣就業の条件に従つて当該船員派遣に係る派遣船員を作業に従事させたならば、第二項の規定により適用される船員法第八十一条第一項の規定、第四項の規定により適用される同法第六十二条(同法第八十八条の三第二項の規定により読み替えて適用される場合を含む。)、第六十五条の二第二項(同法第八十八条の二の二第三項において読み替えて準用する場合を含む。)、第八十六条第一項及び第二項、同条第三項(漁船に係る部分に限る。)、第八十七条第一項及び第三項、第八十八条、第八十八条の三第一項及び第三項、第八十八条の四並びに第八十八条の六の規定若しくは第五項の規定により適用される同法第六十九条、第七十条(同法第七十一条第二項の規定により読み替えて適用される場合を含む。)、第八十条、第八十一条第二項及び第三項、第八十二条、第八十二条の二並びに第百十七条の二から第百十八条の三までの規定又はこれらの規定に基づいて発する命令の規定(次項において「船員法令の規定」という。)に抵触することとなるときにおいては、当該船員派遣を行つてはならない。

 7 派遣元の船舶所有者が前項の規定に違反したとき(当該船員派遣に係る乗組み派遣船員に関し第二項、第四項又は第五項の規定により船員を使用する船舶所有者とみなされる船員派遣の役務の提供を受ける者において当該船員法令の規定に抵触することとなつたときに限る。)は、当該派遣元の船舶所有者は当該船員法令の規定に違反したものとみなして、船員法第百二十九条から第百三十一条までの規定を適用する。

 8 前各項の規定による船員法の特例については、同法第六十八条中「第六十条から前条までの規定及び第七十二条の二の国土交通省令の規定」とあるのは「第六十条から前条までの規定及び第七十二条の二の国土交通省令の規定(船員職業安定法第八十九条の規定によりこれらの規定が適用される場合を含む。)」と、同法第七十一条第一項及び第七十二条中「第六十条から第六十九条までの規定」とあるのは「第六十条から第六十九条までの規定(船員職業安定法第八十九条の規定によりこれらの規定が適用される場合を含む。)」と、同法第七十六条中「与えているとき」とあるのは「与えているとき(派遣先の船舶所有者(船員職業安定法第八十九条第二項、第四項又は第五項の規定により乗組み派遣船員を使用する船舶所有者とみなされる者をいう。以下同じ。)が与えているときを含む。)」と、同法第八十八条の二中「第六章(第六十条第二項及び第三項、第六十二条並びに第六十三条の規定を除く。)の規定」とあるのは「第六章(第六十条第二項及び第三項、第六十二条並びに第六十三条の規定を除く。)の規定(船員職業安定法第八十九条の規定によりこれらの規定が適用される場合を含む。)」と、同法第八十八条の五中「前三条の規定」とあるのは「前三条の規定(船員職業安定法第八十九条の規定によりこれらの規定が適用される場合を含む。)」と、同法第百一条第一項及び第百十二条第一項中「この法律に基づいて発する命令」とあるのは「この法律に基づいて発する命令(船員職業安定法第八十九条の規定によりこれらの規定が適用される場合を含む。)」と、同法第百一条第一項及び第二項、第百二条、第百六条、第百七条第一項、第百十一条、第百十二条第二項並びに第百十三条中「船舶所有者」とあるのは「船舶所有者(派遣先の船舶所有者を含む。)」と、同法第百一条第二項中「前項の規定」とあるのは「前項の規定(船員職業安定法第八十九条の規定により適用される場合を含む。)」と、同法第百三条第一項、第百四条第一項及び第百二十一条の四第一項中「この法律」とあるのは「この法律(船員職業安定法第八十九条の規定により適用される場合を含む。)」と、同法第百四条第三項中「第一項」とあるのは「第一項(船員職業安定法第八十九条の規定により適用される場合を含む。)」と、同法第百五条中「この法律及び労働基準法」とあるのは「この法律及び労働基準法(船員職業安定法第八十九条の規定によりこれらの法律が適用される場合を含む。)」と、同法第百六条中「この法律に基いて発する命令」とあるのは「この法律に基いて発する命令(船員職業安定法第八十九条の規定によりこれらの規定が適用される場合を含む。)」と、同法第百八条中「この法律に基づいて発する命令の違反の罪」とあるのは「この法律に基づいて発する命令(船員職業安定法第八十九条の規定によりこれらの規定が適用される場合を含む。)の違反の罪(同条第七項の規定により適用される第百二十九条から第百三十一条までの規定の罪を含む。)」と、同法第百八条の二中「第百一条第二項に規定する場合」とあるのは「第百一条第二項に規定する場合(船員職業安定法第八十九条の規定により適用される場合を含む。)」と、同法第百十三条中「労働基準法、この法律に基づいて発する命令、」とあるのは「労働基準法及びこの法律に基づいて発する命令(船員職業安定法第八十九条の規定によりこれらの規定が適用される場合におけるこれらの規定を含む。)並びに」と、「第六十五条の協定を記載した書類」とあるのは「第六十五条の協定を記載した書類(派遣先の船舶所有者にあつては、乗組み派遣船員に係る労働協約、就業規則並びに第三十四条第二項、第六十四条の二及び第六十五条の協定を記載した書類を含む。)」と、同法第百二十条中「この法律に基いて発する命令」とあるのは「この法律に基いて発する命令(船員職業安定法第八十九条の規定によりこれらの規定が適用される場合を含む。)並びに同条第七項の規定」として、これらの規定(これらの規定に係る罰則の規定を含む。)を適用する。

 9 前各項の規定による船員法の特例(第五項の規定による同法第百十七条の二から第百十八条の三までの規定の適用に係る部分を除く。)については、乗組み派遣船員が同居の親族のみを使用する船舶所有者(第一項、第二項、第四項及び第五項の規定により乗組み派遣船員を使用する船舶所有者とみなされる者を除く。)に使用される者又は家事使用人である場合には、適用しない。

 10 同一の家庭に属する者のみを使用する船舶所有者(第四項の規定により乗組み派遣船員を使用する船舶所有者とみなされる者を除く。)に使用される乗組み派遣船員の派遣就業に関しては、船員法第七章、第八十五条第一項及び第八十六条第一項本文並びに第九章の二の規定(第四項の規定によりこれらの規定が適用される場合を含む。)は、適用しない。

 11 船員派遣契約が船員派遣契約の解除その他の事由により終了したときは、当該船員派遣契約に係る乗組み派遣船員の雇入契約は、終了する。

 12 第二項から第四項まで及び第八項に規定するもののほか、この条の規定により船員法及び同法に基づく命令の規定を適用する場合における技術的読替えその他必要な事項は、命令で定める。

  (船員災害防止活動の促進に関する法律の適用に関する特例)

 第九十条 乗組み派遣船員が乗り組む船舶において船員派遣の役務の提供を受ける者に関しては、当該船員派遣の役務の提供を受ける者もまた当該乗組み派遣船員を使用する船舶所有者(船員災害防止活動の促進に関する法律(昭和四十二年法律第六十一号)第二条第三項に規定する船舶所有者をいう。以下この条において同じ。)と、当該乗組み派遣船員を当該船員派遣の役務の提供を受ける者にもまた使用される船員とみなして、同法第三条、第四条及び第十条から第十四条までの規定(これらの規定に係る罰則の規定を含む。)を適用する。この場合において、同法第十条第一項中「次の業務」とあるのは「次の業務(船員職業安定法第八十九条第一項に規定する乗組み派遣船員(以下単に「乗組み派遣船員」という。)に関しては、当該業務のうち国土交通省令で定めるものを除く。)」と、同法第十一条第一項中「次の事項」とあるのは「次の事項(乗組み派遣船員に関しては、当該事項のうち国土交通省令で定めるものを除く。)」とする。

 2 前項の場合における派遣元の船舶所有者に関する船員災害防止活動の促進に関する法律第十条及び第十一条の規定(これらの規定に係る罰則の規定を含む。)の適用については、同法第十条第一項中「次の業務」とあるのは「次の業務(船員職業安定法第八十九条第一項に規定する乗組み派遣船員(以下単に「乗組み派遣船員」という。)に関しては、当該業務のうち国土交通省令で定めるものに限る。)」と、同法第十一条第一項中「次の事項」とあるのは「次の事項(乗組み派遣船員に関しては、当該事項のうち国土交通省令で定めるものに限る。)」とする。

 3 乗組み派遣船員が乗り組む船舶において船員派遣の役務の提供を受ける者に関しては、当該船員派遣の役務の提供を受ける者のみを乗組み派遣船員を使用する船舶所有者とみなして、船員災害防止活動の促進に関する法律第十六条から第十八条までの規定(これらの規定に係る罰則の規定を含む。)を適用する。

 4 前三項の規定による船員災害防止活動の促進に関する法律の特例については、同法第五条第一項中「船舶所有者」とあるのは「船舶所有者(派遣先の船舶所有者(船員職業安定法第九十条第一項又は第三項の規定により乗組み派遣船員を使用する船舶所有者とみなされる者をいう。以下同じ。)を含む。)」と、同法第九条、第十五条、第三十一条、第六十一条第二項及び第三項並びに第六十四条第二項中「船舶所有者」とあるのは「船舶所有者(派遣先の船舶所有者を含む。)」と、同法第六十一条第一項中「この法律(第一章、第二章及び前章を除く。以下この条、次条、第六十四条及び第六十五条において同じ。)」とあるのは「この法律(第一章、第二章及び前章を除き、船員職業安定法第九十条の規定によりこの法律(第一章、第二章及び前章を除く。)が適用される場合を含む。以下この条、次条、第六十四条及び第六十五条において同じ。)」と、同条第二項及び同法第六十四条第一項中「この法律に基づく命令」とあるのは「この法律に基づく命令(船員職業安定法第九十条の規定によりこれらの規定が適用される場合を含む。)」と、同法第六十一条第五項中「前二項の場合」とあるのは「前二項の場合(船員職業安定法第九十条の規定によりこれらの規定が適用される場合を含む。)」として、これらの規定(これらの規定に係る罰則の規定を含む。)を適用する。

 5 前各項の規定による船員災害防止活動の促進に関する法律の特例については、乗組み派遣船員が同居の親族のみを使用する船舶所有者(第一項及び第三項の規定により乗組み派遣船員を使用する船舶所有者とみなされる者を除く。)に使用される者又は家事使用人である場合には、適用しない。

 6 第一項、第二項及び第四項に規定するもののほか、この条の規定により船員災害防止活動の促進に関する法律及び同法に基づく命令の規定を適用する場合における技術的読替えその他必要な事項は、命令で定める。

  (雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律の適用に関する特例)

 第九十一条 船員派遣の役務の提供を受ける者がその指揮命令の下に労働させる派遣船員の当該船員派遣に係る就業に関しては、当該船員派遣の役務の提供を受ける者もまた当該派遣船員を雇用する事業主とみなして、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和四十七年法律第百十三号)第三章の規定を適用する。この場合において、同法第二十一条第一項中「雇用管理上」とあるのは、「雇用管理上及び指揮命令上」とする。

  (外国船舶派遣に係る船員法等の適用に関する特例)

 第九十二条 船員派遣元事業主とその雇用する派遣船員であつて船員法第一条第一項に規定する船舶以外の船舶に派遣するもの(同居の親族のみを使用する船員派遣元事業主に使用される者及び家事使用人を除く。)との労働関係については、派遣船員を同法第二条第二項に規定する予備船員と、船員派遣元事業主を同法第五条の規定により船舶所有者に関する規定の適用を受ける者とみなして、同法第一条第一項、第四条、第三十一条から第三十五条まで、第四十四条の二、第四十四条の三、第五十条第一項及び第三項、第五十二条から第五十四条まで、第五十六条、第五十八条、第五十八条の二、第七章、第八十一条第一項、第八十三条、第八十四条、第八十五条第一項、第八十七条第一項本文及び第二項本文、第八十八条の八、第十章、第十一章(第九十七条第一項(第四号に係る部分に限る。)を除く。)、第百一条第一項、第百二条から第百六条まで、第百七条(第五項を除く。)、第百八条、第百九条から第百十七条まで、第百十九条から第百二十条まで、第百二十一条の二から第百二十一条の四までの規定並びにこれらの規定に基づく命令の規定(これらの規定に係る罰則の規定を含む。)を適用する。この場合において、同法第四十四条の二第一項中「第八十七条第一項又は第二項の規定によつて作業に従事しない期間」とあるのは「第八十七条第一項本文又は第二項本文の規定によつて船員派遣(船員職業安定法第六条第十一項に規定する船員派遣をいう。以下同じ。)の役務に従事しない期間」と、同法第七十四条第一項、第二項及び第四項中「同一の事業に属する船舶」とあるのは「船員職業安定法第六十六条第一項に規定する船員派遣契約に係る船舶」と、同項中「第八十七条第一項又は第二項の規定によつて勤務に従事しない期間」とあるのは「第八十七条第一項本文又は第二項本文の規定によつて船員派遣に係る勤務に従事しない期間」と、同法第七十八条第一項中「並びに国土交通省令の定める手当及び食費」とあるのは「及び国土交通省令の定める手当」と、同法第八十一条第一項中「作業用具の整備、医薬品の備付け、安全及び衛生に関する教育その他の船内作業による危害の防止及び船内衛生の保持に関し国土交通省令の定める事項」とあるのは「安全及び衛生に関する教育その他の派遣船員の安全及び健康の確保に関し国土交通省令の定める事項」と、同法第八十三条第一項中「船舶に乗り組ませてはならない」とあり、同条第二項中「使用してはならない」とあるのは「船員派遣の役務に従事させてはならない」と、同法第八十七条第一項本文及び第二項本文中「船内で使用してはならない」とあるのは「、国土交通省令の定める場合を除き、船員派遣の役務に従事させてはならない」と、同法第八十九条第二項中「雇入契約存続中」とあるのは「船員派遣の役務に従事するために乗組み中」と、同法第九十五条中「船員保険法」とあるのは「船員保険法(船員職業安定法第九十三条第一項の規定により適用される場合を含む。)」と、同法第百一条第一項中「、この法律」とあるのは「、この法律(船員職業安定法第九十二条第一項の規定により適用される場合を含む。以下同じ。)」と、「船員の労働関係」とあるのは「船員の労働関係(船員職業安定法第九十二条第一項に規定する労働関係を含む。)」と、同法第百四条第三項中「第一項」とあるのは「第一項(船員職業安定法第九十二条第一項の規定により適用される場合を含む。)」と、同法第百十三条中「船内及びその他の事業場内」とあるのは「事業場内」とする。

 2 前項に規定するもののほか、同項の規定により船員法及び同法に基づく命令の規定を適用する場合における技術的読替えその他必要な事項は、命令で定める。

 3 第一項の規定により船員法の適用を受ける労働関係については、労働基準法(第一条から第十一条まで、第百十七条から第百十九条まで及び第百二十一条を除く。)、労働災害防止団体法(昭和三十九年法律第百十八号)、労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)及び労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法(平成四年法律第九十号)の規定は、適用しない。ただし、労働基準法第七条の規定の適用については、当該労働関係に係る派遣船員が船員派遣契約に基づく船員派遣の役務に従事していない場合に限る。

 4 第一項の規定により船員法の適用を受ける労働関係に係る派遣船員は、労働関係調整法(昭和二十一年法律第二十五号)、労働組合法、最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)、中小企業退職金共済法(昭和三十四年法律第百六十号)、勤労者財産形成促進法(昭和四十六年法律第九十二号)、賃金の支払の確保等に関する法律(昭和五十一年法律第三十四号)及び育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律並びにこれらの法律に基づく命令の規定の適用については、船員法の適用を受ける船員とみなす。この場合において、必要な技術的読替えは、命令で定める。

 5 第一項の規定により船員法の適用を受ける労働関係についての雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律の規定の適用に関しては、同法第二十七条第一項中「船員法(昭和二十二年法律第百号)第八十七条第一項若しくは第二項の規定によつて作業に従事しなかつたこと」とあるのは、「船員職業安定法第九十二条第一項の規定により読み替えて適用される船員法(昭和二十二年法律第百号)第八十七条第一項本文若しくは第二項本文の規定によつて船員派遣の役務に従事しなかつたこと」とする。

  (船員保険法等の適用に関する特例)

 第九十三条 前条第一項の規定により船員法の適用を受ける労働関係に係る派遣船員は、船員保険法第十七条の規定による船員保険の被保険者に含まれるものとして、同法及び同法に基づく命令の規定を適用する。この場合において、同法第四条ノ三第一項第四号中「船員」とあるのは「船員(派遣船員(船員職業安定法第六条第十二項ニ規定スル派遣船員ヲ謂フ以下之ニ同ジ)ヲ含ム)」と、同法第十条中「船員」とあるのは「船員(派遣船員ヲ含ム)」と、同法第十七条中「船員(以下船員ト称ス)」とあるのは「船員(派遣船員ヲ含ム以下船員ト称ス)」と、同法第二十五条ノ二第一項中「船員法」とあるのは「船員法(船員職業安定法第九十二条第一項ノ規定ニ依リ適用セラルル場合ヲ含ム以下之ニ同ジ)」と、同法第二十八条第三項第二号ロ及び第七項第二号、第三十一条第一項並びに第五十三条第二項第二号中「雇入契約存続中」とあるのは「船員職業安定法第六条第十一項ニ規定スル船員派遣ノ役務ニ従事スル為乗組ミ中」とする。

 2 前項に規定するもののほか、同項の規定により船員保険法及び同法に基づく命令の規定を適用する場合における技術的読替えその他必要な事項は、命令で定める。

 3 第一項の規定により船員保険法第十七条の規定による船員保険の被保険者に含まれるものとされた派遣船員(次項及び第五項において「船員保険の被保険者に含まれるものとされた派遣船員」という。)については、労働者災害補償保険法及び雇用保険法の規定は、適用しない。

 4 船員保険の被保険者に含まれるものとされた派遣船員及びその被扶養者(船員保険法第一条第三項に規定する被扶養者をいう。次項において同じ。)は、国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第五条の規定にかかわらず、同条に規定する国民健康保険の被保険者としない。

 5 船員保険の被保険者に含まれるものとされた派遣船員及びその被扶養者は、老人保健法(昭和五十七年法律第八十号)及び介護保険法(平成九年法律第百二十三号)並びにこれらの法律に基づく命令の規定の適用については、それぞれ、船員保険法の規定による被保険者及び同法の規定による被扶養者とみなす。この場合において、必要な技術的読替えは、命令で定める。

  (厚生年金保険法等の適用に関する特例)

 第九十四条 第九十二条第一項の規定により船員法の適用を受ける労働関係に係る派遣船員及び船員派遣元事業主は、厚生年金保険法及び同法に基づく命令の規定の適用については、それぞれ、同法第六条第一項第三号に規定する船員及び船舶所有者とみなす。この場合において、同号中「使用される者」とあるのは「使用される者(船員職業安定法第六条第十二項に規定する派遣船員(以下「派遣船員」という。)を除く。)」と、「以下単に「船舶」という。)」とあるのは「以下単に「船舶」という。)又は派遣船員を使用する船舶所有者の事業所若しくは事務所」と、同法第二十四条の二中「船員保険法」とあるのは「船員保険法(船員職業安定法第九十三条第一項の規定により適用される場合を含む。以下同じ。)」と、同法附則第七条の三第一項第三号中「船舶」とあるのは「船舶(派遣船員にあつては、当該派遣船員を使用する船舶所有者の事業所又は事務所)」とする。

 2 前項に規定するもののほか、同項の規定により厚生年金保険法及び同法に基づく命令の規定を適用する場合における技術的読替えその他必要な事項は、命令で定める。

 3 第一項の規定により厚生年金保険法第六条第一項第三号に規定する船員とみなされる派遣船員は、国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第三十四号。以下この項において「昭和六十年改正法」という。)附則第十二条第一項(第五号に係る部分に限る。)及び第四十六条並びに国民年金法等の一部を改正する法律(平成十六年法律第百四号)附則第三十三条の規定の適用については昭和六十年改正法附則第五条第十二号に規定する第三種被保険者と、昭和六十年改正法附則第八十一条第三項の規定の適用については同項に規定する厚生年金保険の被保険者とみなす。

 (内航海運業法の一部改正)

第三条 内航海運業法(昭和二十七年法律第百五十一号)の一部を次のように改正する。

  第一条を次のように改める。

  (目的)

 第一条 この法律は、内航運送の円滑かつ適確な運営を確保することにより、内航海運業の健全な発達を図り、もつて公共の福祉を増進することを目的とする。

  第二条第二項を次のように改める。

 2 この法律において「内航海運業」とは、内航運送をする事業(次に掲げる事業を除く。以下同じ。)又は内航運送の用に供される船舶の貸渡し(期間傭船を含み、主として港湾運送事業法(昭和二十六年法律第百六十一号)に規定する港湾運送事業(同法第三十三条の二第一項の運送をする事業を含む。)の用に供される船舶の貸渡しを除く。以下単に「船舶の貸渡し」という。)をする事業をいう。

  一 海上運送法(昭和二十四年法律第百八十七号)に規定する旅客定期航路事業及び旅客不定期航路事業

  二 港湾運送事業法に規定する港湾運送事業

  三 港湾運送事業法第二条第四項の規定により指定する港湾以外の港湾において同法第三条各号に掲げる事業に相当する事業を営む事業

  第二条第三項及び第四項を削る。

  第二条の二の前の見出し並びに同条及び第二条の三を削る。

  第三条の見出しを「(登録及び届出)」に改め、同条第一項中「内航運送業又は内航船舶貸渡業」を「内航海運業」に、「許可」を「行う登録」に改め、同条第二項中「内航運送業又は内航船舶貸渡業」を「内航海運業」に改める。

  第四条から第二十条までを次のように改める。

  (登録の申請)

 第四条 前条第一項の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出しなければならない。

  一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名

  二 営業所の名称及び位置

  三 使用する船舶の名称、船種、総トン数その他国土交通省令で定める事項

  四 船舶の貸渡しをする事業を営もうとするときは、その貸渡しを受ける者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名

  五 前各号に掲げるもののほか、国土交通省令で定める事項

 2 前項の申請書には、資金計画(内航海運業の円滑な運営を確保するために必要な資金に関する計画をいう。以下同じ。)、船員配乗計画(内航海運業の適確な運営を確保するために必要な船員の配乗に関する計画をいう。以下同じ。)その他の国土交通省令で定める事項を記載した事業計画を添付しなければならない。

  (登録の実施)

 第五条 国土交通大臣は、前条の規定による登録の申請があつた場合においては、次条第一項の規定により登録を拒否する場合を除くほか、次に掲げる事項を内航海運業者登録簿(以下「登録簿」という。)に登録しなければならない。

  一 前条第一項各号に掲げる事項

  二 登録年月日及び登録番号

 2 国土交通大臣は、前項の規定による登録をした場合においては、遅滞なく、その旨を申請者に通知しなければならない。

 3 国土交通大臣は、登録簿を公衆の縦覧に供しなければならない。

  (登録の拒否)

 第六条 国土交通大臣は、第四条の規定による登録の申請が次の各号のいずれかに該当する場合には、その登録を拒否しなければならない。

  一 申請者がこの法律の規定に違反して刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から一年を経過しない者であるとき。

  二 申請者が第二十三条第一項の規定により内航海運業の登録を取り消され、その取消しの日から一年を経過しない者(当該登録を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しに係る聴聞の通知が到達した日(行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十五条第一項の通知が到達した日(同条第三項により通知が到達したものとみなされた日を含む。)をいう。)前六十日以内にその法人の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。第四号において同じ。)であつた者で当該取消しの日から一年を経過しないものを含む。)であるとき。

  三 申請者が申請前一年以内に内航海運業に関し不正な行為をした者であるとき。

  四 申請者が法人である場合において、その役員が前三号のいずれかに該当する者であるとき。

  五 申請者が国土交通省令で定める総トン数又は長さの船舶を有していないとき。

  六 申請者が資金計画、船員配乗計画その他の事項について国土交通省令で定める基準に適合する事業計画を有していないとき。

 2 国土交通大臣は、前項の規定による登録の拒否をした場合においては、遅滞なく、その理由を示して、その旨を申請者に通知しなければならない。

  (変更登録等)

 第七条 第三条第一項の登録を受けた者(以下「内航海運業者」という。)は、第四条第一項各号に掲げる事項を変更しようとするときは、国土交通大臣の行う変更登録を受けなければならない。ただし、営業所の名称の変更その他の国土交通省令で定める軽微な変更については、この限りでない。

 2 前二条の規定は、前項の変更登録について準用する。この場合において、第五条第一項中「次に掲げる事項」とあるのは「変更に係る事項」と、前条第一項中「次の各号のいずれか」とあるのは「第五号又は第六号」と読み替えるものとする。

 3 内航海運業者は、第一項ただし書の軽微な変更をしたときは、その日から三十日以内に、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

 4 国土交通大臣は、前項の規定による届出を受理したときは、届出があつた事項を登録簿に登録しなければならない。

 5 第三条第二項の届出をした者は、その届出をした事項を変更したときは、その日から三十日以内に、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

  (内航運送約款)

 第八条 内航海運業者(船舶の貸渡しをする事業のみを行う者を除く。以下この条及び次条において同じ。)は、不特定多数の荷主に係る物品の運送に従事するものとして国土交通省令で定める船舶により内航運送をする事業を行おうとするときは、当該内航運送をする事業に関し、内航運送約款を定め、その実施前に、国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

 2 国土交通大臣は、前項の内航運送約款が荷主の正当な利益を害するおそれがあると認めるときは、当該内航海運業者に対し、期限を定めてその内航運送約款を変更すべきことを命ずることができる。

 3 国土交通大臣が標準内航運送約款を定めて公示した場合(これを変更して公示した場合を含む。)において、内航海運業者が、標準内航運送約款と同一の内航運送約款を定め、又は現に定めている内航運送約款を標準内航運送約款と同一のものに変更したときは、その内航運送約款については、第一項の規定による届出をしたものとみなす。

 4 内航海運業者は、第一項の内航運送約款を営業所その他の事業所において公衆に見やすいように掲示しなければならない。

  (運航管理規程等)

 第九条 内航海運業者は、運航管理規程を作成し、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

 2 運航管理規程は、国土交通省令で定める基準に従い、船舶の運航の管理に関する責任者(以下「運航管理者」という。)の選任等船舶の運航の管理の組織並びに実施の基準及び手続に関する事項その他輸送の安全を確保するため内航海運業者及びその従業員が遵守すべき事項を定めたものでなければならない。

 3 国土交通大臣は、運航管理規程が前項の国土交通省令で定める基準に適合しないと認めるときは、当該内航海運業者に対し、期限を定めてその運航管理規程を変更すべきことを命ずることができる。

 4 内航海運業者は、運航管理規程に基づき運航管理者を選任し、又は解任したときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

 5 国土交通大臣は、運航管理者が運航管理規程に違反する等によりその職務を引き続き行うことが輸送の安全の確保に支障を及ぼすおそれがあると認めるときは、内航海運業者に対し、期限を定めて当該運航管理者を解任すべきことを命ずることができる。

  (承継)

 第十条 内航海運業者がその事業を譲渡し、又は内航海運業者について相続、合併若しくは分割があつたときは、当該事業を譲り受けた者又は相続人(相続人が二人以上ある場合においてその協議により当該内航海運業者を承継すべき相続人を定めたときは、その者。以下この項において同じ。)、合併後存続する法人(内航海運業者である法人と内航海運業を経営しない法人の合併後存続する内航海運業者である法人を除く。以下この項において同じ。)若しくは合併により設立された法人若しくは分割により当該事業を承継した法人は、当該内航海運業者の地位を承継する。ただし、当該事業を譲り受けた者又は相続人、合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人若しくは分割により当該事業を承継した法人が第六条第一項各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。

 2 前項の規定により内航海運業者の地位を承継した者は、その承継の日から三十日以内に、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

 3 第七条第四項の規定は、前項の規定による届出について準用する。

  (名義利用の禁止)

 第十一条 内航海運業者は、その名義を他人に内航海運業のため利用させてはならない。

 第十二条から第二十条まで 削除

  第二十三条の見出し中「許可」を「登録」に改め、同条中「一に」を「いずれかに」に、「三箇月」を「三月」に、「許可を」を「登録を」に改め、同条第一号中「許可若しくは認可に附した」を「登録若しくは変更登録に付した」に改め、同条第二号中「第五条第一号又は第三号」を「第六条第一項第一号又は第四号から第六号まで」に改め、同条第三号を次のように改める。

  三 事業に関し不正な行為をしたとき。

  第二十三条に次の一項を加える。

 2 第六条第二項の規定は、前項の場合について準用する。

  第二十四条を次のように改める。

  (登録の抹消)

 第二十四条 国土交通大臣は、内航海運業者から第二十二条の規定による届出があつたとき、又は前条第一項の規定による登録の取消しをしたときは、当該内航海運業者の登録を抹消しなければならない。

  第二十五条の見出しを「(輸送の安全の確保に関する命令等)」に改め、同条を同条第二項とし、同条に第一項として次の一項を加える。

   国土交通大臣は、内航海運業者又は第三条第二項の届出をした者がその事業について輸送の安全を阻害している事実があると認めるときは、当該内航海運業者又は同項の届出をした者に対し、期限を定めて輸送施設の改善、運航管理規程の遵守その他の輸送の安全を確保するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

  第二十五条の三を削る。

  第二十五条の四の見出しを「(登録等の条件)」に改め、同条第一項中「許可又は認可」を「登録又は変更登録」に、「附し」を「付し」に改め、同条第二項中「許可又は認可」を「登録又は変更登録」に改め、同条を第二十五条の三とする。

  第二十六条第一項中「関し」の下に「国土交通省令で定めるところにより」を加える。

  第二十九条の二から第二十九条の四までを削る。

  第二十九条の五第一項中「(平成五年法律第八十八号)」を削り、同条第二項中「許可の」を「登録の」に改め、同条を第二十九条の二とする。

  第三十条中「一に」を「いずれかに」に、「十万円以下の罰金に処する」を「一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」に改め、同条第二号中「第十五条」を「第十一条」に改め、同条第三号を削る。

  第三十一条を次のように改める。

 第三十一条 第二十三条第一項(第二十七条において準用する場合を含む。)の規定による事業の停止の命令に違反した者は、六月以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

  第三十三条中「一に」を「いずれかに」に、「三万円」を「五十万円」に改め、同条第一号中「第八条第三項若しくは第四項」を「第七条第三項若しくは第五項、第十条第二項」に改め、同条第二号を同条第三号とし、同条第一号の次に次の一号を加える。

  二 第八条第四項(第二十七条において準用する場合を含む。)の規定による掲示をせず、又は虚偽の掲示をした者

  第三十三条を第三十四条とする。

  第三十二条中「前二条」を「前三条」に、「罰する外」を「罰するほか」に、「刑」を「罰金刑」に改め、ただし書を削り、同条を第三十三条とする。

  第三十一条の次に次の一条を加える。

 第三十二条 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。

  一 第七条第一項本文(第二十七条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、第四条第一項各号に掲げる事項を変更した者

  二 第八条第一項(第二十七条において準用する場合を含む。)の規定による届出をしないで同項の内航運送をする事業を行つた者

  三 第八条第二項、第九条第三項若しくは第五項又は第二十五条第一項(これらの規定を第二十七条において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反した者

  四 第九条第一項(第二十七条において準用する場合を含む。)の規定による届出をしないで、又は届出をした運航管理規程によらないで、船舶を運航した者

  五 第九条第四項(第二十七条において準用する場合を含む。)の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

  六 第二十六条第一項(第二十七条において準用する場合を含む。次号において同じ。)の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

  七 第二十六条第一項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。ただし、附則第五条及び第十一条の規定は、公布の日から施行する。

 (経過措置)

第二条 この法律の施行の際現に船長又は船舶所有者が第一条の規定による改正前の船員法(以下「旧船員法」という。)第三十七条の規定により終了の公認を受けている雇入契約は、施行日に、これらの者が第一条の規定による改正後の船員法(以下「新船員法」という。)第三十七条の規定により終了の届出をしたものとみなす。

第三条 この法律の施行の際現にされている旧船員法第三十七条の規定による雇入契約の公認の申請は、施行日に、新船員法第三十七条の規定による雇入契約の成立等の届出がされたものとみなす。

第四条 この法律の施行の際現に航海中である船舶に乗り組む船員に関する労働時間、休日及び割増手当並びに当該船員の労働時間に関する記録簿の記載事項については、当該航海が終了する日まで(専ら国外各港間の航海に従事する船舶にあっては、施行日から起算して三月を経過する日又は施行日以後最初にいずれかの港に入港した日のいずれか遅い日まで)は、新船員法第六十四条第一項、第六十五条の二、第六十六条、第六十七条第一項及び第八十八条の二の二第三項の規定にかかわらず、なお従前の例による。

第五条 船舶所有者は、施行日前においても、新船員法第六十四条の二の協定を国土交通大臣に届け出ることができる。

第六条 この法律の施行の際現に第二条の規定による改正後の船員職業安定法(以下「新船員職業安定法」という。)第四十四条第一項に規定する船員の募集に相当するものにつき第二条の規定による改正前の船員職業安定法(以下「旧船員職業安定法」という。)第四十五条第一項の許可を受けている者は、施行日に、新船員職業安定法第四十四条第一項の許可を受けたものとみなす。

第七条 この法律の施行の際現にされている旧船員職業安定法第四十五条第一項の許可の申請であって、新船員職業安定法第四十四条第一項に規定する船員の募集に相当するものに係るものは、施行日に、同項の規定による許可の申請がされたものとみなす。

第八条 この法律の施行の際現に旧船員職業安定法の規定により許可を受けて船員の募集を行っている者に対する業務の停止又は許可の取消しに関しては、この法律の施行前に生じた事由については、なお従前の例による。

第九条 この法律の施行の際現に第三条の規定による改正前の内航海運業法(以下「旧内航海運業法」という。)第三条第一項の許可を受けている者は、施行日に、第三条の規定による改正後の内航海運業法(以下「新内航海運業法」という。)第三条第一項の登録を受けたものとみなす。

第十条 前条に定めるもののほか、施行日前に旧内航海運業法又は旧内航海運業法に基づく命令によりした処分、手続その他の行為は、新内航海運業法の相当する規定によりした処分、手続その他の行為とみなす。

第十一条 国土交通大臣は、この法律の公布の日の属する年度においては、旧内航海運業法第二条の二の規定にかかわらず、当該年度以降の五年間について各年度の適正な船腹量を定めないことができる。

第十二条 犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律(平成十六年法律第▼▼▼号)の施行の日が施行日後となる場合には、同法の施行の日の前日までの間における組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号)別表第十六号の規定の適用については、同号中「第六十四条」とあるのは、「第百十一条」とする。

 (罰則に関する経過措置)

第十三条 この法律の施行前にした行為並びに附則第四条及び第八条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (政令への委任)

第十四条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要となる経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

 (検討)

第十五条 政府は、この法律の施行後適当な時期において、新船員職業安定法の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、新船員職業安定法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

 (船員保険法の一部改正)

第十六条 船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。

  第九条第二項中「第三十四条第一項ノ規定ニ依リ許可ヲ受ケテ船員職業紹介事業ヲ為ス者」を「第六条第四項ニ規定スル無料船員職業紹介事業者」に、「第六条第三項」を「第六条第五項」に改める。

 (地方自治法の一部改正)

第十七条 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。

  別表第一船員職業安定法(昭和二十三年法律第百三十号)の項を次のように改める。

船員職業安定法(昭和二十三年法律第百三十号)

一 第十四条第二項の規定により市町村が処理することとされている事務

二 第八十九条第八項又は第九十二条第一項の規定により読み替えて適用される船員法第百四条第三項の規定により都道府県が処理することとされている事務

 (海事代理士法の一部改正)

第十八条 海事代理士法(昭和二十六年法律第三十二号)の一部を次のように改正する。

  別表第二中第三号の次に次の一号を加える。

  三の二 船員職業安定法(昭和二十三年法律第百三十号)

  別表第二中第五号の二の次に次の一号を加える。

  五の三 内航海運業法(昭和二十七年法律第百五十一号)

 (海事代理士法の一部改正に伴う経過措置)

第十九条 行政書士は、当分の間、前条の規定による改正後の海事代理士法(以下「新海事代理士法」という。)第十七条第一項本文の規定にかかわらず、他人の委託により、業として新海事代理士法第一条に規定する行為(新海事代理士法別表第二第三号の二若しくは第五号の三に掲げる法律又はこれらに基づく命令の規定に基づく手続に係る行為に限る。)を行うことができる。

 (内航海運組合法の一部改正)

第二十条 内航海運組合法(昭和三十二年法律第百六十二号)の一部を次のように改正する。

  第二条第二項第一号中「第二条第三項の内航運送業」を「第二条第二項の内航海運業」に改め、同項第二号を削り、同項第三号を同項第二号とし、同項第四号中「第一号に掲げる」を「内航海運業法第二条第二項の内航運送をする」に改め、同号を同項第三号とする。

 (登録免許税法の一部改正)

第二十一条 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。

  別表第一第四十号の次に次のように加える。

四十の二 内航海運業の登録

   

 内航海運業法(昭和二十七年法律第百五十一号)第三条第一項(登録)の内航海運業の登録

登録件数

一件につき九万円

 (船員の雇用の促進に関する特別措置法の一部改正)

第二十二条 船員の雇用の促進に関する特別措置法(昭和五十二年法律第九十六号)の一部を次のように改正する。

  第八条第二号中「同条第六項」を「同条第八項」に改め、「規定する船員労務供給」の下に「及び同条第十一項に規定する船員派遣」を加える。

  第九条第一項中「第三章第一節及び第五十九条から第六十一条まで」を「第三十三条、第三十四条、第四十一条、第四十三条及び第百二条」に、同条第二項中「第十六条から第十九条まで及び第二十一条」を「第七条、第十五条から第十九条まで、第二十条第二項、第二十一条、第九十六条第一項及び第百条」に改める。

  第十条中「第三章第三節及び第五十九条から第六十一条まで」を「第五十条、第五十一条、第五十三条から第五十七条まで、第六十六条第一項及び第六項、第六十七条、第六十八条、第七十八条、第八十七条から第九十一条まで並びに第百二条」に改める。

  第十一条第五項中「第二十一条」を「第七条、第十九条、第二十一条、第九十六条及び第百条」に、「同条第一項」を「第二十一条第一項」に改める。

  第十四条第一項中「第百八条から第百十条まで」を「第百八条、第百九条、第百十条」に改め、同条第四項中「及び労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)」を「、労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)及び労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法(平成四年法律第九十号)」に改め、同条第五項中「及び賃金の支払の確保等に関する法律(昭和五十一年法律第三十四号)」を「、賃金の支払の確保等に関する法律(昭和五十一年法律第三十四号)及び育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成三年法律第七十六号)」に改める。

  第十五条第一項中「第三十一条第一項」を「第七項第二号、第三十一条第一項並びに第五十三条第二項第二号」に改め、同条第三項中「第三十三条ノ三第二項及び第三十三条ノ十二第三項中「該当スル場合ニ於ケル」とあるのは「該当スル場合(船員の雇用の促進に関する特別措置法第十一条第一項ニ規定スル労務供給船員ガ同法第八条第二号ニ規定スル船員労務供給ノ役務ニ従事スル為使用セラルル場合ヲ除ク)ニ於ケル」と」を「第三十三条ノ三第二項中「該当スル場合ニ於ケル」とあるのは「該当スル場合(労務供給船員(船員の雇用の促進に関する特別措置法第十一条第一項ニ規定スル労務供給船員ヲ謂フ以下之ニ同ジ)ガ船員労務供給(同法第八条第二号ニ規定スル船員労務供給ヲ謂フ以下之ニ同ジ)ノ役務ニ従事スル為使用セラルル場合ヲ除ク)ニ於ケル」と、同法第三十三条ノ十二第三項及び第三十四条第一項中「該当スル場合ニ於ケル」とあるのは「該当スル場合(労務供給船員ガ船員労務供給ノ役務ニ従事スル為使用セラルル場合ヲ除ク)ニ於ケル」と、同法第三十三条ノ十六ノ四第一項第一号中「該当スル船員」とあるのは「該当スル船員(労務供給船員ニシテ船員労務供給ノ役務ニ従事スル為使用セラルルモノヲ除ク)」と」に、「得ルモノ(船員の雇用の促進に関する特別措置法第十一条第一項ニ規定スル」を「得ルモノ(」に、「於テ同法第八条第二号ニ規定スル」を「於テ」に改め、同条第六項中「、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和二十五年法律第百二十三号)、結核予防法(昭和二十六年法律第九十六号)」を削る。

  第十六条第三項中「国民年金法等の一部を改正する法律(平成元年法律第八十六号)附則第十条第三項」を「国民年金法等の一部を改正する法律(平成十六年法律第百四号)附則第三十三条」に改める。

 (独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法の一部改正)

第二十三条 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法(平成十四年法律第百八十号)の一部を次のように改正する。

  第四条第六号ハ中「内航運送業の許可」を「内航海運業の登録」に改め、同号ニを削る。

 (国土交通省設置法の一部改正)

第二十四条 国土交通省設置法(平成十一年法律第百号)の一部を次のように改正する。

  第十四条第一項第三号中「、内航海運業法(昭和二十七年法律第百五十一号)」を削る。

  第十五条第一項中「、内航海運業法」を削る。

(総務・財務・国土交通・内閣総理大臣署名) 

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