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法律第百六十五号(平一六・一二・一〇)

  ◎日本郵政公社による証券投資信託の受益証券の募集の取扱い等のための日本郵政公社の業務の特例等に関する法律

 (趣旨)

第一条 この法律は、日本郵政公社がその業務の特例として証券投資信託の受益証券の募集の取扱い等を行うことができるようにするための措置等を定めるとともに、日本郵政公社による証券投資信託の受益証券の募集の取扱い等が投資信託委託業者等の経営に及ぼす影響にかんがみ、日本郵政公社による証券投資信託の受益証券の募集の取扱い等に係る証券投資信託の選定等に関し必要な事項を定めるものとする。

 (定義)

第二条 この法律において「証券投資信託」とは、投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第二条第四項に規定する証券投資信託をいい、「投資信託委託業者」とは、同条第十八項に規定する投資信託委託業者をいう。

2 この法律において「証券投資信託の受益証券」とは、証券取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第一項第七号に掲げる有価証券(同号に掲げる有価証券が発行されていない場合にあっては、当該有価証券が発行されていたとすれば当該有価証券に表示されるべき権利を含む。)のうち証券投資信託に係るものをいう。

3 この法律において「募集」とは、証券取引法第二条第三項に規定する有価証券の募集をいう。

4 この法律において「証券投資信託の受益証券の募集の取扱い等」とは、次に掲げる業務をいう。

 一 証券投資信託の受益証券の募集の取扱い

 二 証券投資信託の受益証券の保護預り

 三 社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第四項の口座管理機関として行う振替業(証券投資信託の受益証券に係るものに限る。)

 四 証券投資信託の受益証券の収益金、償還金又は解約金の支払に係る業務の代理

 五 証券投資信託の受益証券の買取り

 (日本郵政公社の業務の特例)

第三条 日本郵政公社は、日本郵政公社法(平成十四年法律第九十七号)第十九条第一項及び第二項に規定する業務のほか、同法第一条の目的を達成するため、次の業務を行うことができる。

 一 証券投資信託の受益証券の募集の取扱い等を行うこと。

 二 前号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。

 (日本郵政公社法の適用)

第四条 前条の規定により日本郵政公社の業務が行われる場合には、次の表の上欄に掲げる日本郵政公社法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。

第十九条第三項

前二項に規定する業務のほか、前二項に規定する業務

前二項及び日本郵政公社による証券投資信託の受益証券の募集の取扱い等のための日本郵政公社の業務の特例等に関する法律(平成十六年法律第百六十五号。以下「証券投資信託業務特例法」という。)第三条に規定する業務のほか、これらの規定に規定する業務

第二十三条第一項

総務大臣

総務大臣(証券投資信託業務特例法第三条に規定する業務(以下「特例業務」という。)に係るものについては、内閣総理大臣及び総務大臣)

第二十三条第二項

総務省令

総務省令(特例業務に係るものについては、内閣府令・総務省令)

第二十四条第五項及び第六項

第十六号までに掲げる業務

第十六号まで並びに証券投資信託業務特例法第三条第一号に掲げる業務

第五十八条第一項

総務大臣

総務大臣(特例業務については、内閣総理大臣又は総務大臣)

 

郵便振替の預り金の民間災害救援事業に対する寄附の委託に関する法律

郵便振替の預り金の民間災害救援事業に対する寄附の委託に関する法律、証券投資信託業務特例法

第六十一条

総務大臣

総務大臣(特例業務については、内閣総理大臣及び総務大臣)

第七十二条第一号

総務大臣の認可又は承認

総務大臣若しくは内閣総理大臣及び総務大臣の認可又は総務大臣の承認

第七十二条第四号

第十九条第一項から第三項までに規定する業務

第十九条第一項から第三項まで及び証券投資信託業務特例法第三条に規定する業務

 (権限の委任に関する証券取引法の準用)

第五条 第三条の規定により日本郵政公社の業務が行われる場合には、証券取引法第百九十四条の六第一項及び第三項の規定を準用する。この場合において、同条第一項中「この法律」とあるのは「日本郵政公社による証券投資信託の受益証券の募集の取扱い等のための日本郵政公社の業務の特例等に関する法律第四条の規定により読み替えて適用する日本郵政公社法(平成十四年法律第九十七号)」と、同条第三項中「権限(前項の規定により委員会に委任されたものを除く。)」とあるのは「権限」と読み替えるものとする。

 (証券取引法の適用)

第六条 第三条の規定により日本郵政公社の業務が行われる場合には、次の表の上欄に掲げる証券取引法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。

第二条第八項

「協同組織金融機関」という。)

「協同組織金融機関」という。)、日本郵政公社

第六十五条第一項

銀行、協同組織金融機関

銀行、協同組織金融機関、日本郵政公社

 

銀行若しくは協同組織金融機関

銀行、協同組織金融機関若しくは日本郵政公社

第六十五条第二項、第六十五条の二第一項、第三項及び第九項、第六十六条の二並びに第二百一条第二項

協同組織金融機関

協同組織金融機関、日本郵政公社

第六十五条の二第五項及び第十一項、第六十六条の二、第百九十八条の三、第百九十八条の四、第二百条の三並びに第二百七条第一項

使用人

使用人(日本郵政公社にあつては、職員)

第百九十八条の三、第百九十八条の四及び第二百条の三

金融機関

金融機関、日本郵政公社

 (金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律の適用)

第七条 第三条の規定により日本郵政公社の業務が行われる場合には、金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律(平成十四年法律第三十二号)第十三条第二項中「第六十五条の二第一項」とあるのは「第六十五条の二第一項(日本郵政公社による証券投資信託の受益証券の募集の取扱い等のための日本郵政公社の業務の特例等に関する法律(平成十六年法律第百六十五号)第六条の規定により読み替えて適用する場合を含む。)」と、「同法」とあるのは「証券取引法」とする。

 (証券投資信託の選定)

第八条 第六条の規定により読み替えて適用する証券取引法第六十五条の二第一項の登録を受けた日本郵政公社(以下「登録郵政公社」という。)は、証券投資信託の受益証券の募集の取扱い等に係る証券投資信託を選定しようとするときは、公募の方法によらなければならない。この場合において、登録郵政公社は、内閣府令・総務省令で定めるところにより、公募の方法による選定の手続を定め、これを公表しなければならない。

2 登録郵政公社は、前項の規定により証券投資信託を選定したときは、内閣府令・総務省令で定めるところにより、その結果を公表しなければならない。

 (手数料等)

第九条 登録郵政公社は、証券投資信託の受益証券の募集の取扱い等に関し、利用者から徴収する手数料その他の料金を定め、又は変更しようとするときは、証券投資信託の受益証券の募集の取扱い等に要する費用のうち登録郵政公社が負担するものを償うに足るようにし、かつ、投資信託委託業者、証券会社(証券取引法第二条第九項に規定する証券会社をいう。)及び登録金融機関(同法第六十五条の二第三項に規定する登録金融機関をいう。)の同種の手数料その他の料金を勘案しなければならない。

 (差別的取扱いの禁止)

第十条 登録郵政公社は、第八条第一項の規定により選定した証券投資信託について、証券投資信託の受益証券の募集の取扱いを行うに当たっては、特定の証券投資信託に対して、不当に差別的な取扱いをしてはならない。

 (証券投資信託の受益証券の保護預り等の制限)

第十一条 登録郵政公社は、第二条第四項第二号、第四号及び第五号に掲げる業務については、次の各号に掲げる業務の区分に応じ当該各号に定める者から請求がある場合に限り、行うことができる。

 一 第二条第四項第二号に掲げる業務 登録郵政公社が行う同項第一号に掲げる業務により証券投資信託の受益証券を取得した者又はその相続人その他の一般承継人

 二 第二条第四項第四号及び第五号に掲げる業務 次に掲げる者

  イ 前号に定める者

  ロ 社債等の振替に関する法律第四十四条第一項の規定に基づき、登録郵政公社に証券投資信託の受益証券の振替を行うための口座の開設を受けている者

2 登録郵政公社は、証券投資信託の受益証券の買取りを行ったときは、速やかに、当該証券投資信託の受益証券を処分しなければならない。

 (内閣府令・総務省令への委任)

第十二条 この法律に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、内閣府令・総務省令で定める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第四条及び第五条の規定は、公布の日から施行する。

 (罰則に関する経過措置)

第二条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (政令への委任)

第三条 前条に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

 (株式等の取引に係る決済の合理化を図るための社債等の振替に関する法律等の一部を改正する法律の一部改正)

第四条 株式等の取引に係る決済の合理化を図るための社債等の振替に関する法律等の一部を改正する法律(平成十六年法律第八十八号)の一部を次のように改正する。

  附則第百三十六条を附則第百三十七条とし、附則第百三十五条を附則第百三十六条とし、附則第百三十四条を附則第百三十五条とし、附則第百三十三条の次に次の一条を加える。

  (日本郵政公社による証券投資信託の受益証券の募集の取扱い等のための日本郵政公社の業務の特例等に関する法律の一部改正)

 第百三十四条 日本郵政公社による証券投資信託の受益証券の募集の取扱い等のための日本郵政公社の業務の特例等に関する法律(平成十六年法律第百六十五号)の一部を次のように改正する。

   第二条第四項第三号及び第十二条第一項第二号ロ中「社債等の振替に関する法律」を「社債、株式等の振替に関する法律」に改める。

 (証券取引法等の一部を改正する法律の一部改正)

第五条 証券取引法等の一部を改正する法律(平成十六年法律第九十七号)の一部を次のように改正する。

  附則第一条第四号中「附則第二十条」を「附則第二十条及び第二十一条」に改める。

  附則第二十三条を附則第二十四条とし、附則第二十条から第二十二条までを一条ずつ繰り下げ、附則第十九条の次に次の一条を加える。

  (日本郵政公社による証券投資信託の受益証券の募集の取扱い等のための日本郵政公社の業務の特例等に関する法律の一部改正)

 第二十条 日本郵政公社による証券投資信託の受益証券の募集の取扱い等のための日本郵政公社の業務の特例等に関する法律(平成十六年法律第百六十五号)の一部を次のように改正する。

   第五条を次のように改める。

   (権限の委任等に関する証券取引法の準用)

  第五条 第三条の規定により日本郵政公社の業務が行われる場合には、証券取引法第百九十四条の六(第二項を除く。)及び第百九十四条の七の規定を準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句と読み替えるものとする。

第百九十四条の六第一項

この法律

日本郵政公社による証券投資信託の受益証券の募集の取扱い等のための日本郵政公社の業務の特例等に関する法律第四条の規定により読み替えて適用する日本郵政公社法(平成十四年法律第九十七号)

第百九十四条の六第三項

権限(前項の規定により委員会に委任されたものを除く。)

権限

 

第二十六条(第二十七条において準用する場合を含む。)、第二十七条の二十二第一項(第二十七条の二十二の二第二項において準用する場合を含む。)及び第二項、第二十七条の三十、第五十九条第一項(第六十四条の十第三項において準用する場合を含む。)から第三項まで、第六十五条の二第十項、第六十六条の二十、第七十九条の十四、第七十九条の七十七、第百三条の三、第百六条の六、第百六条の十六、第百六条の二十、第百六条の二十七、第百五十一条、第百五十五条の九、第百五十六条の十五並びに第百五十六条の三十四

日本郵政公社による証券投資信託の受益証券の募集の取扱い等のための日本郵政公社の業務の特例等に関する法律第四条の規定により読み替えて適用する日本郵政公社法第五十八条第一項

 

を委員会

を証券取引等監視委員会(以下この条及び次条において「委員会」という。)

第百九十四条の六第五項及び第六項

第二項及び第三項

第三項

第百九十四条の七

前条第二項又は第三項

前条第三項

   第十二条を第十三条とし、第十一条を第十二条とする。

   第十条中「第八条第一項」を「第九条第一項」に改め、同条を第十一条とする。

   第九条を第十条とする。

   第八条第一項中「第六条」を「第七条」に改め、同条を第九条とする。

   第七条中「第六条」を「第七条」に改め、同条を第八条とする。

   第六条を第七条とし、第五条の次に次の一条を加える。

   (金融庁設置法の適用)

  第六条 第三条の規定により日本郵政公社の業務が行われる場合には、金融庁設置法(平成十年法律第百三十号)第八条中「証券取引法」とあるのは、「証券取引法(日本郵政公社による証券投資信託の受益証券の募集の取扱い等のための日本郵政公社の業務の特例等に関する法律(平成十六年法律第百六十五号)において準用する場合を含む。第二十条第一項において同じ。)」とする。

(内閣総理・総務大臣署名) 

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