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法律第十五号(平二〇・四・一八)

  ◎犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律の一部を改正する法律

 犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律(昭和五十五年法律第三十六号)の一部を次のように改正する。

 題名を次のように改める。

   犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律

 第一条中「人の生命又は身体を害する」を削り、「、不慮」を「不慮」に改め、「残つた者」の下に「の犯罪被害等を早期に軽減するとともに、これらの者が再び平穏な生活を営むことができるよう支援するため、犯罪被害等を受けた者」を加え、「これらの」を「、かつ、継続的に犯罪被害等を受けた」に、「講ずることにより、犯罪被害等の早期の軽減に資する」を「講じ、もつて犯罪被害等を受けた者の権利利益の保護が図られる社会の実現に寄与する」に改める。

 第二条中第五項を第七項とし、第二項から第四項までを二項ずつ繰り下げ、同条第一項中「日本国内又は日本国外にある日本船舶若しくは日本航空機内において行われた人の生命又は身体を害する罪に当たる行為(刑法(明治四十年法律第四十五号)第三十七条第一項本文、第三十九条第一項又は第四十一条の規定により罰せられない行為を含むものとし、同法第三十五条又は第三十六条第一項の規定により罰せられない行為及び過失による行為を除く。以下「犯罪行為」という。)」を「犯罪行為」に改め、同項を同条第二項とし、同項の次に次の一項を加える。

3 この法律において「犯罪被害者」とは、犯罪被害を受けた者をいう。

 第二条に第一項として次の一項を加える。

  この法律において「犯罪行為」とは、日本国内又は日本国外にある日本船舶若しくは日本航空機内において行われた人の生命又は身体を害する罪に当たる行為(刑法(明治四十年法律第四十五号)第三十七条第一項本文、第三十九条第一項又は第四十一条の規定により罰せられない行為を含むものとし、同法第三十五条又は第三十六条第一項の規定により罰せられない行為及び過失による行為を除く。)をいう。

 第三条中「犯罪被害を受けた者(以下「被害者」という。)」を「犯罪被害者」に、「被害者又は」を「犯罪被害者又はその」に改める。

 第五条第一項、第二項及び第四項中「被害者」を「犯罪被害者」に改める。

 第六条第一号及び第二号中「被害者」を「犯罪被害者」に改め、同条第三号中「、被害者」を「、犯罪被害者」に改める。

 第七条第一項中「第九条第二項に規定する被害者負担額」を「第九条第五項の規定により加算する額」に、「被害者又は」を「犯罪被害者又はその」に改め、同条第二項中「第九条第二項に規定する被害者負担額」を「第九条第五項の規定により加算する額」に、「被害者に」を「犯罪被害者に」に、「同項」を「同条第二項」に改め、「含む」の下に「。以下この項において同じ」を加え、「期間」を「給付期間」に、「には、その」を「又はその療養のため従前その勤労に基づいて通常得ていた収入の全部若しくは一部を得ることができなかつたことを原因として労働者災害補償保険法その他の法令の規定による給付(同条第三項に規定する休業日に係るものに限る。)が行われるべき場合には、それらの」に改める。

 第八条第一項中「被害者又は」を「犯罪被害者又はその」に改める。

 第九条第一項中「給付基礎額」を「遺族給付基礎額」に改め、同条第二項中「被害者負担額」を「犯罪被害者負担額」に改め、「の間」の下に「(以下この項及び次項において「給付期間」という。)」を加え、「被害者が」を「犯罪被害者が」に、「当該期間」を「給付期間」に改め、「次項」の下に「及び第五項」を加え、同条第三項を次のように改める。

3 犯罪被害者が犯罪行為により生じた負傷又は疾病の療養のため従前その勤労に基づいて通常得ていた収入の全部又は一部を得ることができなかつた日(給付期間内の日(当該収入の全部又は一部を得ることができなかつた日の第三日目までの日を除く。)に限り、当該犯罪被害者が刑事収容施設、少年院その他これらに準ずる施設に収容をされた場合(国家公安委員会規則で定める場合に限る。)にあつては、当該収容をされていた日を除く。以下この項及び第五項第二号において「休業日」という。)がある場合における重傷病給付金の額は、前項の規定にかかわらず、犯罪被害者負担額に、政令で定めるところにより算定する休業加算基礎額に当該休業日の数を乗じて得た額(当該休業日に当該犯罪被害者が従前その勤労に基づいて通常得ていた収入の一部を得た日(以下この項において「部分休業日」という。)が含まれるときは、当該休業加算基礎額に当該休業日の数を乗じて得た額から、当該部分休業日について得た収入の額を合算した額を控除して得た額。第五項第二号において「休業加算額」という。)を加えた額とする。

 第九条第五項中「第一項に規定する給付基礎額」を「政令で定めるところにより算定する障害給付基礎額」に改め、同項を同条第七項とし、同条第四項を同条第六項とし、同条第三項の次に次の二項を加える。

4 前二項の規定により算定した額が第七条第二項に規定する法令の規定による給付との均衡を考慮して政令で定める額を超える場合における重傷病給付金の額は、前二項の規定にかかわらず、当該政令で定める額とする。

5 犯罪被害者が犯罪行為により生じた負傷又は疾病について死亡前に療養を受けた場合における遺族給付金の額は、第一項の規定にかかわらず、同項の規定により算定した額に、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める額(その額が前項の政令で定める額を超えるときは、当該政令で定める額)を加えた額とする。

 一 次号に掲げる場合以外の場合 当該療養についての犯罪被害者負担額

 二 当該療養についての休業日がある場合 当該療養についての犯罪被害者負担額に休業加算額を加えた額

 第十条第二項中「又は障害」を「若しくは障害」に改め、同条に次の一項を加える。

3 前項の規定にかかわらず、当該犯罪行為の加害者により身体の自由を不当に拘束されていたことその他のやむを得ない理由により同項に規定する期間を経過する前に第一項の申請をすることができなかつたときは、その理由のやんだ日から六月以内に限り、同項の申請をすることができる。

 第十一条第三項中「被害者」を「犯罪被害者」に改める。

 第十二条第一項中「被害者」を「犯罪被害者」に改め、同条第五項中「被害者又は」を「犯罪被害者又はその」に、「被害者の」を「犯罪被害者の」に改める。

 第十五条第一項中「、第十九条及び第二十条」を「及び第十九条」に改める。

 第十九条中「、被害者」を「、犯罪被害者」に改める。

 第二十条中「(昭和二十二年法律第六十七号)」を削る。

 第二十条の二中「犯罪被害者等給付金支給法」を「犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律」に改める。

 第二十二条の見出しを「(犯罪被害者等の支援)」に改め、同条第一項中「の早期の軽減に資する」を「を早期に軽減するとともに、犯罪被害者又はその遺族(以下「犯罪被害者等」という。)が再び平穏な生活を営むことができるよう支援する」に、「被害者又はその遺族(以下「被害者等」という。)」を「犯罪被害者等」に改め、同条第二項を削り、同条第三項中「第一項」を「前項」に改め、同項を同条第二項とし、同条に次の四項を加える。

3 公安委員会は、次条第一項に規定する犯罪被害者等早期援助団体その他の犯罪被害等を早期に軽減するとともに、犯罪被害者等が再び平穏な生活を営むことができるよう支援することを目的とする民間の団体(第五項において「犯罪被害者等早期援助団体等」という。)の自主的な活動の促進を図るため、必要な助言、指導その他の措置を講ずるように努めなければならない。

4 国家公安委員会は、第一項又は前項の規定に基づき警察本部長等又は公安委員会がとるべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るための指針を定めるものとする。

5 国家公安委員会は、犯罪被害者等早期援助団体等が組織する団体に対し、当該犯罪被害者等早期援助団体等による犯罪被害者等の支援の適切かつ有効な実施を図るため、必要な助言、指導その他の措置を講ずるように努めなければならない。

6 前各項に定めるもののほか、国家公安委員会、公安委員会及び警察本部長等は、犯罪被害者等の支援に関する広報活動及び啓発活動を行うように努めなければならない。

 第二十三条第一項中「犯罪行為の発生後速やかに被害者等を援助することにより当該犯罪被害等の早期の軽減に資する」を「犯罪被害等を早期に軽減するとともに、犯罪被害者等が再び平穏な生活を営むことができるよう支援する」に改め、同条第二項中「であつて犯罪被害等の早期の軽減に資するもの」を削り、同項第一号中「被害者等に対する援助の必要性」を「犯罪被害者等の支援」に改め、同項第四号を次のように改める。

 四 犯罪行為の発生後速やかに、かつ、継続的に、犯罪被害者等に対し、物品の供与又は貸与、役務の提供その他の方法により援助を行うこと。

 第二十三条第三項中「被害者等」を「犯罪被害者等」に改め、同条第四項中「規定する」を「掲げる」に、「被害者等の」を「犯罪被害者等の」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、平成二十年七月一日から施行する。

 (遺族給付金及び重傷病給付金に関する経過措置)

第二条 この法律による改正後の犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律(以下「新法」という。)第七条及び第九条第三項から第五項までの規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後に行われた犯罪行為による死亡又は重傷病について適用し、施行日前に終わった犯罪行為による死亡又は重傷病については、なお従前の例による。

 (犯罪被害者等早期援助団体に関する経過措置)

第三条 この法律の施行の際現にこの法律による改正前の犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律(以下「旧法」という。)第二十三条第一項の規定による指定を受けている者(以下「旧犯罪被害者等早期援助団体」という。)は、新法第二十三条第一項の規定による指定を受けた者(以下「新犯罪被害者等早期援助団体」という。)とみなす。

2 施行日前に前項の規定により新犯罪被害者等早期援助団体とみなされる旧犯罪被害者等早期援助団体に対してされた旧法第二十三条第五項の規定による命令は、新法第二十三条第五項の規定による命令とみなす。

3 この法律の施行の際現に第一項の規定により新犯罪被害者等早期援助団体とみなされる旧犯罪被害者等早期援助団体の役員又は職員であり、施行日において引き続き当該新犯罪被害者等早期援助団体の役員又は職員となったもの(次項において「継続役員等」という。)に対する新法第二十三条第七項の規定(これに係る罰則を含む。)の適用については、その者が旧法第二十三条第二項第二号から第四号までに掲げる業務に関して知り得た秘密は、その者が新法第二十三条第二項第二号から第四号までに掲げる業務に関して知り得た秘密とみなす。

4 旧犯罪被害者等早期援助団体の役員又は職員であった者(継続役員等を除く。)が旧法第二十三条第二項第二号から第四号までに掲げる業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は同項各号に掲げる事業の目的以外の目的のために利用してはならない義務については、施行日以後も、なお従前の例による。

 (罰則に関する経過措置)

第四条 施行日前にした行為及び前条第四項の規定によりなお従前の例によることとされる事項に係る施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (地方自治法及び警察法の一部改正)

第五条 次に掲げる法律の規定中「犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律」を「犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律」に改める。

 一 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)別表第一犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律(昭和五十五年法律第三十六号)の項

 二 警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第十二条の三第一項

(内閣総理・総務・財務大臣署名) 

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