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法律第六十二号(平二三・六・八)

  ◎不正競争防止法の一部を改正する法律

 不正競争防止法(平成五年法律第四十七号)の一部を次のように改正する。

 第一条の前に次の目次及び章名を付する。

目次

 第一章 総則(第一条・第二条)

 第二章 差止請求、損害賠償等(第三条−第十五条)

 第三章 国際約束に基づく禁止行為(第十六条−第十八条)

 第四章 雑則(第十九条・第二十条)

 第五章 罰則(第二十一条・第二十二条)

 第六章 刑事訴訟手続の特例(第二十三条−第三十一条)

 附則

   第一章 総則

 第二条第一項第十号及び第十一号中「いる影像若しくは音の視聴若しくはプログラムの実行又は影像、音若しくはプログラムの記録」の下に「(以下この号において「影像の視聴等」という。)」を加え、「機能のみ」を「機能」に改め、「組み込んだ機器」の下に「及び当該装置の部品一式であって容易に組み立てることができるもの」を、「行為」の下に「(当該装置又は当該プログラムが当該機能以外の機能を併せて有する場合にあっては、影像の視聴等を当該技術的制限手段の効果を妨げることにより可能とする用途に供するために行うものに限る。)」を加え、同条の次に次の章名を付する。

   第二章 差止請求、損害賠償等

 第十五条の次に次の章名を付する。

   第三章 国際約束に基づく禁止行為

 第十八条の次に次の章名を付する。

   第四章 雑則

 第十九条第一項中「第二項第六号」を「第二項第七号」に改める。

 第二十条の次に次の章名を付する。

   第五章 罰則

 第二十一条第二項中第六号を第七号とし、第五号を第六号とし、第四号を第五号とし、第三号の次に次の一号を加える。

 四 不正の利益を得る目的で、又は営業上技術的制限手段を用いている者に損害を加える目的で、第二条第一項第十号又は第十一号に掲げる不正競争を行った者

 第二十一条第三項中「前項第五号」を「前項第六号」に改め、同条第五項中「第二項第五号」を「第二項第六号」に改め、同条第六項中「第二項第六号」を「第二項第七号」に改める。

 第二十二条第二項中「第二項第五号」を「第二項第六号」に改める。

 本則に次の一章を加える。

   第六章 刑事訴訟手続の特例

 (営業秘密の秘匿決定等)

第二十三条 裁判所は、第二十一条第一項の罪又は前条第一項(第二十一条第一項第一号、第二号及び第七号に係る部分に限る。)の罪に係る事件を取り扱う場合において、当該事件の被害者若しくは当該被害者の法定代理人又はこれらの者から委託を受けた弁護士から、当該事件に係る営業秘密を構成する情報の全部又は一部を特定させることとなる事項を公開の法廷で明らかにされたくない旨の申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、相当と認めるときは、その範囲を定めて、当該事項を公開の法廷で明らかにしない旨の決定をすることができる。

2 前項の申出は、あらかじめ、検察官にしなければならない。この場合において、検察官は、意見を付して、これを裁判所に通知するものとする。

3 裁判所は、第一項に規定する事件を取り扱う場合において、検察官又は被告人若しくは弁護人から、被告人その他の者の保有する営業秘密を構成する情報の全部又は一部を特定させることとなる事項を公開の法廷で明らかにされたくない旨の申出があるときは、相手方の意見を聴き、当該事項が犯罪の証明又は被告人の防御のために不可欠であり、かつ、当該事項が公開の法廷で明らかにされることにより当該営業秘密に基づく被告人その他の者の事業活動に著しい支障を生ずるおそれがあると認める場合であって、相当と認めるときは、その範囲を定めて、当該事項を公開の法廷で明らかにしない旨の決定をすることができる。

4 裁判所は、第一項又は前項の決定(以下「秘匿決定」という。)をした場合において、必要があると認めるときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、決定で、営業秘密構成情報特定事項(秘匿決定により公開の法廷で明らかにしないこととされた営業秘密を構成する情報の全部又は一部を特定させることとなる事項をいう。以下同じ。)に係る名称その他の表現に代わる呼称その他の表現を定めることができる。

5 裁判所は、秘匿決定をした事件について、営業秘密構成情報特定事項を公開の法廷で明らかにしないことが相当でないと認めるに至ったとき、又は刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第三百十二条の規定により罰条が撤回若しくは変更されたため第一項に規定する事件に該当しなくなったときは、決定で、秘匿決定の全部又は一部及び当該秘匿決定に係る前項の決定(以下「呼称等の決定」という。)の全部又は一部を取り消さなければならない。

 (起訴状の朗読方法の特例)

第二十四条 秘匿決定があったときは、刑事訴訟法第二百九十一条第一項の起訴状の朗読は、営業秘密構成情報特定事項を明らかにしない方法でこれを行うものとする。この場合においては、検察官は、被告人に起訴状を示さなければならない。

 (尋問等の制限)

第二十五条 裁判長は、秘匿決定があった場合において、訴訟関係人のする尋問又は陳述が営業秘密構成情報特定事項にわたるときは、これを制限することにより、犯罪の証明に重大な支障を生ずるおそれがある場合又は被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがある場合を除き、当該尋問又は陳述を制限することができる。訴訟関係人の被告人に対する供述を求める行為についても、同様とする。

2 刑事訴訟法第二百九十五条第四項及び第五項の規定は、前項の規定による命令を受けた検察官又は弁護士である弁護人がこれに従わなかった場合について準用する。

 (公判期日外の証人尋問等)

第二十六条 裁判所は、秘匿決定をした場合において、証人、鑑定人、通訳人若しくは翻訳人を尋問するとき、又は被告人が任意に供述をするときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、証人、鑑定人、通訳人若しくは翻訳人の尋問若しくは供述又は被告人に対する供述を求める行為若しくは被告人の供述が営業秘密構成情報特定事項にわたり、かつ、これが公開の法廷で明らかにされることにより当該営業秘密に基づく被害者、被告人その他の者の事業活動に著しい支障を生ずるおそれがあり、これを防止するためやむを得ないと認めるときは、公判期日外において当該尋問又は刑事訴訟法第三百十一条第二項及び第三項に規定する被告人の供述を求める手続をすることができる。

2 刑事訴訟法第百五十七条第一項及び第二項、第百五十八条第二項及び第三項、第百五十九条第一項、第二百七十三条第二項、第二百七十四条並びに第三百三条の規定は、前項の規定による被告人の供述を求める手続について準用する。この場合において、同法第百五十七条第一項、第百五十八条第三項及び第百五十九条第一項中「被告人又は弁護人」とあるのは「弁護人、共同被告人又はその弁護人」と、同法第百五十八条第二項中「被告人及び弁護人」とあるのは「弁護人、共同被告人及びその弁護人」と、同法第二百七十三条第二項中「公判期日」とあるのは「不正競争防止法第二十六条第一項の規定による被告人の供述を求める手続の期日」と、同法第二百七十四条中「公判期日」とあるのは「不正競争防止法第二十六条第一項の規定による被告人の供述を求める手続の日時及び場所」と、同法第三百三条中「証人その他の者の尋問、検証、押収及び捜索の結果を記載した書面並びに押収した物」とあるのは「不正競争防止法第二十六条第一項の規定による被告人の供述を求める手続の結果を記載した書面」と、「証拠書類又は証拠物」とあるのは「証拠書類」と読み替えるものとする。

 (尋問等に係る事項の要領を記載した書面の提示命令)

第二十七条 裁判所は、呼称等の決定をし、又は前条第一項の規定により尋問若しくは被告人の供述を求める手続を公判期日外においてする旨を定めるに当たり、必要があると認めるときは、検察官及び被告人又は弁護人に対し、訴訟関係人のすべき尋問若しくは陳述又は被告人に対する供述を求める行為に係る事項の要領を記載した書面の提示を命ずることができる。

 (証拠書類の朗読方法の特例)

第二十八条 秘匿決定があったときは、刑事訴訟法第三百五条第一項又は第二項の規定による証拠書類の朗読は、営業秘密構成情報特定事項を明らかにしない方法でこれを行うものとする。

 (公判前整理手続等における決定)

第二十九条 次に掲げる事項は、公判前整理手続及び期日間整理手続において行うことができる。

 一 秘匿決定若しくは呼称等の決定又はこれらの決定を取り消す決定をすること。

 二 第二十六条第一項の規定により尋問又は被告人の供述を求める手続を公判期日外においてする旨を定めること。

 (証拠開示の際の営業秘密の秘匿要請)

第三十条 検察官又は弁護人は、第二十三条第一項に規定する事件について、刑事訴訟法第二百九十九条第一項の規定により証拠書類又は証拠物を閲覧する機会を与えるに当たり、第二十三条第一項又は第三項に規定する営業秘密を構成する情報の全部又は一部を特定させることとなる事項が明らかにされることにより当該営業秘密に基づく被害者、被告人その他の者の事業活動に著しい支障を生ずるおそれがあると認めるときは、相手方に対し、その旨を告げ、当該事項が、犯罪の証明若しくは犯罪の捜査又は被告人の防御に関し必要がある場合を除き、関係者(被告人を含む。)に知られないようにすることを求めることができる。ただし、被告人に知られないようにすることを求めることについては、当該事項のうち起訴状に記載された事項以外のものに限る。

2 前項の規定は、検察官又は弁護人が刑事訴訟法第二編第三章第二節第一款第二目(同法第三百十六条の二十八第二項において準用する場合を含む。)の規定による証拠の開示をする場合について準用する。

 (最高裁判所規則への委任)

第三十一条 この法律に定めるもののほか、第二十三条から前条までの規定の実施に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部改正)

第二条 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号)の一部を次のように改正する。

  第二条第二項第三号中「第十一条第一項」を「第十八条第一項」に、「第十四条第一項第七号」を「第二十一条第二項第七号」に改める。

 (弁理士法の一部改正)

第三条 弁理士法(平成十二年法律第四十九号)の一部を次のように改正する。

  第八条第三号中「から第四号まで若しくは第六号」を「から第五号まで若しくは第七号」に改める。

 (不正競争防止法等の一部を改正する法律の一部改正)

第四条 不正競争防止法等の一部を改正する法律(平成十七年法律第七十五号)の一部を次のように改正する。

  附則第一条ただし書中「、第十三条」を削る。

  附則第四条を次のように改める。

 第四条 削除

  附則第十三条を次のように改める。

 第十三条 削除

 (意匠法等の一部を改正する法律の一部改正)

第五条 意匠法等の一部を改正する法律(平成十八年法律第五十五号)の一部を次のように改正する。

  附則第一条第三号中「及び第十五条」を削る。

  附則第九条を次のように改める。

  (組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の適用に関する経過措置)

 第九条 犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律の施行の日が一部施行日後となる場合において、同法の施行の日の前日までの間における組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号。以下「組織的犯罪処罰法」という。)別表の規定の適用については、同表第三十六号中「第百九十六条」とあるのは「第百九十六条又は第百九十六条の二」と、同表第三十七号中「第七十八条」とあるのは「第七十八条又は第七十八条の二」とする。

  附則第十五条を次のように改める。

 第十五条 削除

(法務・経済産業・内閣総理大臣署名) 

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