法律第十五号(平二六・四・二)
◎私立学校法の一部を改正する法律
私立学校法(昭和二十四年法律第二百七十号)の一部を次のように改正する。
第四十条の四を第四十条の五とし、第四十条の三を第四十条の四とし、第四十条の二を第四十条の三とし、第四十条の次に次の一条を加える。
(忠実義務)
第四十条の二 理事は、法令及び寄附行為を遵守し、学校法人のため忠実にその職務を行わなければならない。
第六十条を次のように改める。
(措置命令等)
第六十条 所轄庁は、学校法人が、法令の規定、法令の規定に基づく所轄庁の処分若しくは寄附行為に違反し、又はその運営が著しく適正を欠くと認めるときは、当該学校法人に対し、期限を定めて、違反の停止、運営の改善その他必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
2 所轄庁は、前項の規定による措置命令をしようとする場合には、あらかじめ、私立学校審議会等の意見を聴かなければならない。
3 所轄庁は、第一項の規定による措置命令をしようとする場合には、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第三十条の規定による通知において、所轄庁による弁明の機会の付与に代えて私立学校審議会等による弁明の機会の付与を求めることができる旨並びに当該弁明のために出席すべき私立学校審議会等の日時及び場所並びに第五項の規定による弁明書を提出する場合における当該弁明書の提出先及び提出期限を通知しなければならない。
4 私立学校審議会等は、当該学校法人が私立学校審議会等による弁明の機会の付与を求めたときは、所轄庁に代わつて弁明の機会を付与しなければならない。
5 前項の規定による弁明は、当該学校法人が弁明書を提出してすることを求めたときを除き、私立学校審議会等に出席してするものとする。
6 行政手続法第二十九条第二項及び第三十一条(同法第十六条の準用に係る部分に限る。)の規定は、第四項の規定により私立学校審議会等が行う弁明の機会の付与について準用する。この場合において、同法第三十一条において準用する同法第十六条第四項中「行政庁」とあるのは、「私立学校法第二十六条第二項の私立学校審議会等」と読み替えるものとする。
7 第四項の規定により私立学校審議会等が弁明の機会を付与する場合には、行政手続法第三章(第十二条及び第十四条を除く。)の規定は、適用しない。
8 第一項の規定による措置命令については、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による不服申立てをすることができない。
9 学校法人が第一項の規定による措置命令に従わないときは、所轄庁は、当該学校法人に対し、役員の解任を勧告することができる。
10 所轄庁は、前項の規定による勧告をしようとする場合には、あらかじめ、当該学校法人の理事又は解任しようとする役員に対して弁明の機会を付与するとともに、私立学校審議会等の意見を聴かなければならない。
11 行政手続法第三章第三節の規定及び第三項から第六項までの規定は、前項の規定による弁明について準用する。
第六十一条第二項を次のように改める。
2 前条第二項から第八項までの規定は、前項の規定による停止命令について準用する。
第六十一条第三項から第八項までを削る。
第六十三条を次のように改める。
(報告及び検査)
第六十三条 所轄庁は、この法律の施行に必要な限度において、学校法人に対し、その業務若しくは財産の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、学校法人の事務所その他の施設に立ち入り、その業務若しくは財産の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
第六十五条の三中「第四十条の三」を「第四十条の四」に、「第四十条の四」を「第四十条の五」に、「第六十一条第一項から第三項まで(第六十四条第五項において準用する場合を含む。)並びに」を「第六十条第一項(第六十四条第五項において準用する場合を含む。)、第二項(第六十一条第二項及び第六十四条第五項において準用する場合を含む。)、第三項(第六十条第十一項、第六十一条第二項及び第六十四条第五項において準用する場合を含む。)、第九項(第六十四条第五項において準用する場合を含む。)及び第十項(第六十四条第五項において準用する場合を含む。)、第六十一条第一項(第六十四条第五項において準用する場合を含む。)、」に改め、「第六十二条第一項から第三項まで(第六十四条第五項において準用する場合を含む。)」の下に「並びに第六十三条第一項(第六十四条第五項において準用する場合を含む。)」を加える。
第六十六条に次の一号を加える。
九 第六十三条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。
(地方自治法の一部改正)
2 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。
別表第一私立学校法(昭和二十四年法律第二百七十号)の項中「第四十条の三」を「第四十条の四」に、「第四十条の四」を「第四十条の五」に、「第六十一条第一項から第三項まで(第六十四条第五項において準用する場合を含む。)並びに」を「第六十条第一項(第六十四条第五項において準用する場合を含む。)、第二項(第六十一条第二項及び第六十四条第五項において準用する場合を含む。)、第三項(第六十条第十一項、第六十一条第二項及び第六十四条第五項において準用する場合を含む。)、第九項(第六十四条第五項において準用する場合を含む。)及び第十項(第六十四条第五項において準用する場合を含む。)、第六十一条第一項(第六十四条第五項において準用する場合を含む。)、」に改め、「第六十二条第一項から第三項まで(第六十四条第五項において準用する場合を含む。)」の下に「並びに第六十三条第一項(第六十四条第五項において準用する場合を含む。)」を加える。
(沖縄科学技術大学院大学学園法の一部改正)
3 沖縄科学技術大学院大学学園法(平成二十一年法律第七十六号)の一部を次のように改正する。
第十九条第二項第四号中「私立学校法」の下に「第六十条第一項又は」を加え、同項に次の一号を加える。
五 学園に対して私立学校法第六十条第九項の規定による勧告をしたとき。
(内閣総理・総務・文部科学大臣署名)