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法律第二十三号(平二七・五・二〇)

  ◎株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律

 株式会社日本政策投資銀行法(平成十九年法律第八十五号)の一部を次のように改正する。

 附則第二条第一項中「ついて、」の下に「会社の目的の達成に与える影響及び」を加え、「平成二十七年四月一日から起算しておおむね五年後から七年後を目途として、」を「できる限り早期に」に改める。

 附則第二条の六の次に次の二十五条を加える。

 (会社が危機対応業務を行う責務)

第二条の七 会社は、その目的を達成するため、当分の間、株式会社日本政策金融公庫法第二条第四号に規定する被害に対処するための資金を必要とする者に対し円滑に資金が供給されるよう、附則第二条の十、第二条の十一、第二条の二十二及び第二条の二十四から第二条の三十までに定めるところにより、危機対応業務を行う責務を有する。

 (危機対応業務に係る株式の政府保有)

第二条の八 政府は、当分の間、会社による危機対応業務の適確な実施を確保する観点から、会社の発行済株式(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式を除く。附則第二条の十三において同じ。)の総数の三分の一を超える株式を保有していなければならない。

 (危機対応業務に係る政府の出資)

第二条の九 政府は、当分の間、会社による危機対応業務の適確な実施のために必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、会社に出資することができる。

 (危機対応業務の実施)

第二条の十 会社は、本店その他の財務大臣が指定する営業所(次項及び附則第二条の三十一第一項第一号において「指定営業所」という。)において危機対応業務を行うものとする。

2 会社は、財務省令で定めるところにより、天災その他のやむを得ない理由により指定営業所において臨時に危機対応業務の全部又は一部を休止する場合を除き、指定営業所において危機対応業務を休止し、又は廃止してはならない。

 (危機対応業務に係る事業計画の特則等)

第二条の十一 会社は、財務省令で定めるところにより、第十七条の事業計画に危機対応業務の実施方針を記載しなければならない。

2 会社は、財務省令で定めるところにより、第二十一条の事業報告書に前項の実施方針に基づく危機対応業務の実施状況を記載しなければならない。

3 会社の定款には、会社法第二十七条各号に掲げる事項のほか、危機対応業務の適確な実施に関する事項を記載し、又は記録しなければならない。

 (特定投資業務)

第二条の十二 会社は、その目的を達成するため、この条並びに附則第二条の十五から第二条の二十まで及び第二条の二十三から第二条の三十までに定めるところにより、特定投資業務を行うものとする。

2 この条から附則第二条の二十まで並びに附則第二条の二十三、第二条の二十五、第二条の二十七及び第二条の三十一において「特定投資業務」とは、特定事業活動に対する投資業務のうち、地域経済の自立的発展に資する地域の特性を生かした事業活動の活性化又は我が国の経済社会の活力の向上及び持続的発展に資する我が国の企業の競争力の強化並びに特定事業活動に対する金融機関その他の者による資金供給の促進に特に寄与すると認められるものであって、附則第二条の十七第一項の認可を受けた日から平成三十三年三月三十一日までに当該投資業務による資金供給の対象となる事業者及び当該資金供給の内容を決定するもの並びにこれに附帯する業務(同年四月一日以後に行うものを含む。)をいう。

3 前項の「特定事業活動」とは、次に掲げる事業活動をいう。

 一 我が国の事業者が、その有する十分に活用されていない経営資源を有効に活用し、新たな事業の開拓を行うこと又はその行う事業の分野と事業の分野を異にする事業者と有機的に連携し、経営資源を有効に組み合わせることを主とする経営の革新を行うことにより、その生産性又は収益性を向上させることを目指して行う事業活動

 二 前号に掲げる事業活動に対し資金供給を行う事業活動

4 第二項の「投資業務」とは、次に掲げる資金供給の業務をいう。

 一 劣後特約付金銭消費貸借(元利金の支払について劣後的内容を有する特約が付された金銭の消費貸借であって、財務省令で定めるものをいう。)による資金の貸付けを行うこと。

 二 資金の出資を行うこと。

 三 劣後特約付社債(元利金の支払について劣後的内容を有する特約が付された社債であって、財務省令で定めるものをいう。)の取得を行うこと。

 四 前三号に掲げるもののほか、あらかじめ財務大臣の承認を受けた手法を用いて資金供給を行うこと。

 (特定投資業務に係る株式の政府保有)

第二条の十三 政府は、会社が特定投資業務を完了するまでの間、会社による特定投資業務の適確な実施を確保する観点から、会社の発行済株式の総数の二分の一以上に当たる株式を保有していなければならない。

 (特定投資業務に係る政府の出資等)

第二条の十四 政府は、平成三十三年三月三十一日までの間、会社による特定投資業務の適確な実施のために必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、会社に出資することができる。

2 会社は、前項の規定による出資により払い込まれた金銭を特定投資業務のための資金以外の資金に充ててはならない。

 (特定投資業務における一般の金融機関が行う金融等の補完又は奨励)

第二条の十五 会社は、特定投資業務を行うに当たっては、一般の金融機関が行う金融及び民間の投資を補完し、又は奨励することを旨とするものとする。

 (特定投資指針)

第二条の十六 財務大臣は、会社が特定投資業務を行うに当たって従うべき指針(次項及び次条第一項において「特定投資指針」という。)を定め、これを公表するものとする。

2 特定投資指針は、次に掲げる事項について定めるものとする。

 一 特定投資業務による資金供給の対象となる事業者及び当該資金供給の内容を決定するに当たって従うべき基準

 二 特定投資業務に関する財務の適正な管理に関する事項

 三 会社と他の事業者との間の適正な競争関係の確保に関する事項

 四 特定投資業務の実施状況について評価及び監視を行うための体制に関する事項

 五 財務大臣に対する特定投資業務の実施状況の報告に関する事項

 六 その他特定投資業務の適確な実施を確保するために必要な事項

 (特定投資業務規程)

第二条の十七 会社は、財務省令で定める特定投資業務の実施に関する事項について、特定投資指針に即して、特定投資業務に関する規程(次項において「特定投資業務規程」という。)を定め、財務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 財務大臣は、前項の規定により認可をした特定投資業務規程が会社による特定投資業務の適確な実施上不適当となったと認めるときは、会社に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。

 (特定投資業務に係る事業計画の特則等)

第二条の十八 会社は、財務省令で定めるところにより、特定投資業務を完了するまでの間、第十七条の事業計画に特定投資業務の実施方針を記載しなければならない。

2 会社は、財務省令で定めるところにより、特定投資業務を完了した日を含む事業年度までの各事業年度に係る第二十一条の事業報告書に前項の実施方針に基づく特定投資業務の実施状況を記載しなければならない。

3 会社の定款には、特定投資業務を完了するまでの間、会社法第二十七条各号に掲げる事項のほか、特定投資業務の適確な実施に関する事項を記載し、又は記録しなければならない。

 (特定投資業務等に係る収支の状況)

第二条の十九 会社は、事業年度ごとに、財務省令で定めるところにより、特定投資業務を完了した日を含む事業年度までの各事業年度に係る次に掲げる業務の区分ごとの収支の状況を記載した書類を財務大臣に提出するとともに、これを公表しなければならない。

 一 特定投資業務

 二 前号に掲げる業務以外の業務

 (特定投資業務の完了)

第二条の二十 会社は、経済情勢、特定投資業務による資金供給の対象となった事業者の事業の状況その他の事情を考慮しつつ、平成三十八年三月三十一日までに、特定投資業務において保有する全ての有価証券(金融商品取引法第二条第一項に規定する有価証券及び同条第二項の規定により有価証券とみなされる権利をいう。)及び債権の譲渡その他の処分を行い、特定投資業務を完了するように努めなければならない。

2 会社は、特定投資業務を完了したときは、速やかに、その旨を財務大臣に届け出なければならない。

3 財務大臣は、前項の規定による届出があったときは、その旨を公表するものとする。

 (適正な競争関係の確保)

第二条の二十一 会社は、当分の間、その業務を行うに当たっては、他の事業者との間の適正な競争関係を阻害することのないよう特に配慮しなければならない。

2 会社は、財務省令で定めるところにより、当分の間、第十七条の事業計画に他の事業者との間の適正な競争関係の確保に係る方針を記載しなければならない。

3 会社は、財務省令で定めるところにより、当分の間、第二十一条の事業報告書に前項の方針に基づく業務の実施状況を記載しなければならない。

 (危機対応準備金)

第二条の二十二 会社は、危機対応準備金を設け、附則第二条の九の規定により政府が出資した金額をもってこれに充てるものとする。

2 会社は、附則第二条の九の規定による政府の出資があったときは、会社法第四百四十五条第二項の規定にかかわらず、附則第二条の九の規定により出資された額の全額を危機対応準備金の額として計上するものとする。この場合において、同法第四百四十五条第一項中「この法律」とあるのは、「この法律又は株式会社日本政策投資銀行法(平成十九年法律第八十五号)」とする。

 (特定投資準備金及び特定投資剰余金)

第二条の二十三 会社は、特定投資準備金を設け、附則第二条の十四第一項の規定により政府が出資した金額、第三項の規定により資本金又は準備金の額を減少した金額及び第四項の規定により剰余金の額を減少した金額の合計額に相当する金額をもってこれに充てるものとする。

2 会社は、附則第二条の十四第一項の規定による政府の出資があったときは、会社法第四百四十五条第二項の規定にかかわらず、附則第二条の十四第一項の規定により出資された額の全額を特定投資準備金の額として計上するものとする。この場合において、同法第四百四十五条第一項中「この法律」とあるのは、「この法律又は株式会社日本政策投資銀行法(平成十九年法律第八十五号)」とする。

3 会社は、特定投資業務を適確に実施するために必要があると認める場合には、資本金又は準備金の額を減少して、特定投資準備金の額を増加することができる。この場合における会社法第四百四十七条から第四百四十九条までの規定の適用については、同法第四百四十七条第一項第二号中「準備金とするとき」とあるのは「準備金又は株式会社日本政策投資銀行法(平成十九年法律第八十五号)附則第二条の二十三第一項の特定投資準備金(以下この号、次条第一項第二号及び第四百四十九条第一項において「特定投資準備金」という。)とするとき」と、「準備金とする額」とあるのは「準備金又は特定投資準備金とする額」と、同法第四百四十八条第一項第二号中「資本金」とあるのは「資本金又は特定投資準備金」と、同法第四百四十九条第一項中「資本金とする」とあるのは「資本金又は特定投資準備金とする」とする。

4 会社は、特定投資業務を適確に実施するために必要があると認める場合には、剰余金の額を減少して、特定投資準備金の額を増加することができる。この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。

 一 減少する剰余金の額

 二 特定投資準備金の額の増加がその効力を生ずる日

5 前項各号に掲げる事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。

6 第四項第一号の額は、同項第二号の日における剰余金の額を超えてはならない。

7 会社は、特定投資剰余金を設け、財務省令で定めるところにより、毎事業年度の特定投資業務に係る損益計算上生じた利益又は損失の金額を計上するものとする。

 (受信限度額及び与信限度額の特則)

第二条の二十四 危機対応準備金の額、特定投資準備金の額又は特定投資剰余金の額が計上されている場合における第十四条の規定の適用については、当該計上されている額の合計額を資本金及び準備金の額に算入するものとする。

 (剰余金の額等)

第二条の二十五 会社は、剰余金の額の計算上、最終事業年度(会社法第二条第二十四号に規定する最終事業年度をいう。次項において同じ。)の末日における危機対応準備金、特定投資準備金及び特定投資剰余金の額の合計額を、資本金及び準備金の額の合計額に算入するものとする。

2 会社は、剰余金の額の計算上、第一号から第三号までに掲げる額の合計額を会社法第四百四十六条第一号から第四号までに掲げる額の合計額に、第四号から第六号までに掲げる額の合計額を同条第五号から第七号までに掲げる額の合計額に、それぞれ算入するものとする。

 一 最終事業年度の末日後に危機対応準備金の額の減少をした場合における当該減少額(附則第二条の二十七第四項第一号の危機対応準備金の額を除く。)

 二 最終事業年度の末日後に特定投資準備金の額の減少をした場合における当該減少額(附則第二条の二十七第四項第一号の特定投資準備金の額のうち国庫に納付した金額を除く。)

 三 最終事業年度の末日後に特定投資剰余金の額の減少をした場合における当該減少額(附則第二条の二十七第四項第一号の特定投資剰余金の額のうち国庫に納付した金額を除く。)

 四 最終事業年度の末日後に資本金又は準備金の額を減少して特定投資準備金の額を増加した場合における当該減少額

 五 最終事業年度の末日後に剰余金の額を減少して特定投資準備金の額を増加した場合における当該減少額

 六 前二号に掲げるもののほか、財務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額

3 会社は、会社法第四百六十一条第二項に規定する分配可能額(附則第二条の二十七第六項において「分配可能額」という。)の計算に当たっては、同法第四百四十一条第一項に規定する臨時計算書類につき同条第四項の承認(同項ただし書に規定する場合にあっては、同条第三項の承認)を受けた場合における同条第一項第二号の期間の特定投資業務に係る利益の額として各勘定科目に計上した額その他の財務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額を同法第四百六十一条第二項第一号及び第二号に掲げる額の合計額から減ずるものとする。

 (欠損の填補を行う場合の危機対応準備金等の額の減少)

第二条の二十六 会社は、資本準備金の額及び利益準備金の額が零となったときは、危機対応準備金の額、特定投資準備金の額又は特定投資剰余金の額(特定投資剰余金の額にあっては、当該額が零を超えている場合に限る。)を減少することができる。この場合においては、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。

 一 減少する危機対応準備金の額、特定投資準備金の額又は特定投資剰余金の額

 二 危機対応準備金の額、特定投資準備金の額又は特定投資剰余金の額の減少がその効力を生ずる日

2 前項の決議は、財務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

3 第一項第一号の危機対応準備金の額、特定投資準備金の額又は特定投資剰余金の額は、それぞれ同項第二号の日における危機対応準備金の額、特定投資準備金の額又は特定投資剰余金の額を超えてはならない。

4 第一項第一号の危機対応準備金の額、特定投資準備金の額及び特定投資剰余金の額の合計額は、同項の株主総会の日における欠損の額として財務省令で定める方法により算定される額を超えてはならない。

5 特定投資剰余金の額が零以下である場合には、第一項第一号の特定投資準備金の額は、特定投資準備金の額を減少することができる額として財務省令で定める方法により算定される額を超えてはならない。

6 会社は、第一項の規定により危機対応準備金の額、特定投資準備金の額又は特定投資剰余金の額を減少した後において会社の剰余金の額が零を超えることとなったときは、その超える部分の額に相当する金額により、この項の規定による危機対応準備金の額、特定投資準備金の額又は特定投資剰余金の額の増加額の累計額がそれぞれ当該減少した額の累計額に達するまで、財務省令で定めるところにより、危機対応準備金の額、特定投資準備金の額又は特定投資剰余金の額を増加しなければならない。

 (国庫納付金)

第二条の二十七 会社は、危機対応業務の適確な実施のために必要な財政基盤が十分に確保されるに至ったと認める場合には、危機対応準備金の額の全部又は一部に相当する金額を国庫に納付するものとする。この場合において、会社は、当該国庫に納付する金額に相当する額により危機対応準備金を減少するものとする。

2 会社は、特定投資業務の実施状況及び財務状況を勘案し、特定投資業務を適確に実施するために必要がないと認める場合には、特定投資準備金の額の全部又は一部を減少することができる。この場合においては、当該減少額のうち国庫に帰属すべき額に相当する金額として特定投資準備金の額に占める附則第二条の十四第一項の規定により政府が出資した金額の割合を基礎として財務省令で定めるところにより算定した額を国庫に納付するものとする。

3 会社は、特定投資剰余金の額が零を超えている場合において、特定投資業務の実施状況及び財務状況を勘案し、特定投資業務を適確に実施するために必要がないと認めるときは、特定投資剰余金の額の全部又は一部を減少することができる。この場合においては、当該減少額のうち国庫に帰属すべき額に相当する金額として特定投資準備金の額に占める附則第二条の十四第一項の規定により政府が出資した金額の割合を基礎として財務省令で定めるところにより算定した額を国庫に納付するものとする。

4 前三項の場合においては、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。

 一 減少する危機対応準備金の額、特定投資準備金の額又は特定投資剰余金の額

 二 危機対応準備金の額、特定投資準備金の額又は特定投資剰余金の額の減少がその効力を生ずる日

5 前項の決議は、財務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

6 第一項から第三項までの規定により納付する金額の合計額は、第四項第二号の日における分配可能額を超えてはならない。

第二条の二十八 会社は、清算をする場合において、その債務を弁済してなお残余財産があるときは、清算の日における危機対応準備金の額(附則第二条の二十六第一項の規定により危機対応準備金の額を減少した後において、同条第六項の規定による危機対応準備金の額の増加額の累計額が当該減少した額の累計額に満たない場合には、その不足額を加えた額)並びに同日における特定投資準備金及び特定投資剰余金の額の合計額(同条第一項の規定により特定投資準備金の額を減少した後において、同条第六項の規定による特定投資準備金の額の増加額の累計額が当該減少した額の累計額に満たない場合又は同条第一項の規定により特定投資剰余金の額を減少した後において、同条第六項の規定による特定投資剰余金の額の増加額の累計額が当該減少した額の累計額に満たない場合には、それぞれの不足額を加えた額)のうち国庫に帰属すべき額に相当する額として特定投資準備金の額に占める附則第二条の十四第一項の規定により政府が出資した金額の割合を基礎として財務省令で定めるところにより算定した額の合計額(当該残余財産の額が当該危機対応準備金の額及び当該算定した額の合計額を下回っているときは、当該残余財産の額)に相当する金額を国庫に納付するものとする。

2 前項の規定による納付金の納付は、株主に対する残余財産の分配に先立って行われるものとする。

3 前条第一項から第三項まで及び第一項の規定による納付金に関し、納付の手続その他必要な事項は、政令で定める。

 (法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律の特例)

第二条の二十九 会社は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律第一条の規定にかかわらず、附則第二条の九の規定による出資又は附則第二条の十四第一項の規定による出資に対する利益又は剰余金の配当又は分配については、前二条に定めるところによるものとする。

 (会社法の準用)

第二条の三十 会社法第四百四十九条第六項(第一号に係る部分に限る。)及び第七項並びに第八百二十八条(第一項第五号及び第二項第五号に係る部分に限る。)の規定は、附則第二条の二十六第一項の規定により危機対応準備金の額、特定投資準備金の額又は特定投資剰余金の額を減少する場合について準用する。この場合において、同法第四百四十九条第六項第一号中「資本金」とあるのは「株式会社日本政策投資銀行法(平成十九年法律第八十五号)附則第二条の二十六第一項の規定による危機対応準備金(同法附則第二条の二十二第一項の危機対応準備金をいう。第八百二十八条第一項第五号において同じ。)の額、特定投資準備金(同法附則第二条の二十三第一項の特定投資準備金をいう。同号において同じ。)の額又は特定投資剰余金(同法附則第二条の二十三第七項の特定投資剰余金をいう。同号において同じ。)」と、「第四百四十七条第一項第三号」とあるのは「同法附則第二条の二十六第一項第二号」と、同法第八百二十八条第一項第五号中「おける資本金」とあるのは「おける株式会社日本政策投資銀行法附則第二条の二十六第一項の規定による危機対応準備金の額、特定投資準備金の額又は特定投資剰余金」と、「資本金の額の減少の」とあるのは「当該危機対応準備金の額、特定投資準備金の額又は特定投資剰余金の額の減少の」と、同条第二項第五号中「、破産管財人又は資本金の額の減少について承認をしなかった債権者」とあるのは「又は破産管財人」と読み替えるものとする。

2 会社法第四百四十九条(第一項ただし書及び第六項第二号を除く。)及び第八百二十八条(第一項第五号及び第二項第五号に係る部分に限る。)の規定は、附則第二条の二十七第一項の規定により危機対応準備金の額を減少する場合について準用する。この場合において、同法第四百四十九条第一項本文中「資本金又は準備金(以下この条において「資本金等」という。)」とあるのは「株式会社日本政策投資銀行法(平成十九年法律第八十五号)附則第二条の二十七第一項の規定により危機対応準備金(同法附則第二条の二十二第一項の危機対応準備金をいう。以下この条並びに第八百二十八条第一項第五号及び第二項第五号において同じ。)」と、「場合(減少する準備金の額の全部を資本金とする場合を除く。)」とあるのは「場合」と、「資本金等の」とあるのは「危機対応準備金の」と、同条第二項第一号中「資本金等」とあるのは「危機対応準備金」と、同項第二号中「法務省令」とあるのは「財務省令」と、同条第四項及び第五項ただし書中「資本金等」とあるのは「危機対応準備金」と、同条第六項第一号中「資本金」とあるのは「株式会社日本政策投資銀行法附則第二条の二十七第一項の規定による危機対応準備金」と、「第四百四十七条第一項第三号」とあるのは「同条第四項第二号」と、同法第八百二十八条第一項第五号中「おける資本金」とあるのは「おける株式会社日本政策投資銀行法附則第二条の二十七第一項の規定による危機対応準備金」と、「資本金の額の減少の」とあるのは「当該危機対応準備金の額の減少の」と、同条第二項第五号中「資本金」とあるのは「株式会社日本政策投資銀行法附則第二条の二十七第一項の規定による危機対応準備金」と読み替えるものとする。

3 会社法第四百四十九条(第一項ただし書及び第六項第二号を除く。)及び第八百二十八条(第一項第五号及び第二項第五号に係る部分に限る。)の規定は、附則第二条の二十七第二項の規定により特定投資準備金の額を減少する場合について準用する。この場合において、同法第四百四十九条第一項本文中「資本金又は準備金(以下この条において「資本金等」という。)」とあるのは「株式会社日本政策投資銀行法(平成十九年法律第八十五号)附則第二条の二十七第二項の規定により特定投資準備金(同法附則第二条の二十三第一項の特定投資準備金をいう。以下この条並びに第八百二十八条第一項第五号及び第二項第五号において同じ。)」と、「場合(減少する準備金の額の全部を資本金とする場合を除く。)」とあるのは「場合」と、「資本金等の」とあるのは「特定投資準備金の」と、同条第二項第一号中「資本金等」とあるのは「特定投資準備金」と、同項第二号中「法務省令」とあるのは「財務省令」と、同条第四項及び第五項ただし書中「資本金等」とあるのは「特定投資準備金」と、同条第六項第一号中「資本金」とあるのは「株式会社日本政策投資銀行法附則第二条の二十七第二項の規定による特定投資準備金」と、「第四百四十七条第一項第三号」とあるのは「同条第四項第二号」と、同法第八百二十八条第一項第五号中「おける資本金」とあるのは「おける株式会社日本政策投資銀行法附則第二条の二十七第二項の規定による特定投資準備金」と、「資本金の額の減少の」とあるのは「当該特定投資準備金の額の減少の」と、同条第二項第五号中「資本金」とあるのは「株式会社日本政策投資銀行法附則第二条の二十七第二項の規定による特定投資準備金」と読み替えるものとする。

4 会社法第四百四十九条(第一項ただし書及び第六項第二号を除く。)及び第八百二十八条(第一項第五号及び第二項第五号に係る部分に限る。)の規定は、附則第二条の二十七第三項の規定により特定投資剰余金の額を減少する場合について準用する。この場合において、同法第四百四十九条第一項本文中「資本金又は準備金(以下この条において「資本金等」という。)」とあるのは「株式会社日本政策投資銀行法(平成十九年法律第八十五号)附則第二条の二十七第三項の規定により特定投資剰余金(同法附則第二条の二十三第七項の特定投資剰余金をいう。以下この条並びに第八百二十八条第一項第五号及び第二項第五号において同じ。)」と、「場合(減少する準備金の額の全部を資本金とする場合を除く。)」とあるのは「場合」と、「資本金等の」とあるのは「特定投資剰余金の」と、同条第二項第一号中「資本金等」とあるのは「特定投資剰余金」と、同項第二号中「法務省令」とあるのは「財務省令」と、同条第四項及び第五項ただし書中「資本金等」とあるのは「特定投資剰余金」と、同条第六項第一号中「資本金」とあるのは「株式会社日本政策投資銀行法附則第二条の二十七第三項の規定による特定投資剰余金」と、「第四百四十七条第一項第三号」とあるのは「同条第四項第二号」と、同法第八百二十八条第一項第五号中「おける資本金」とあるのは「おける株式会社日本政策投資銀行法附則第二条の二十七第三項の規定による特定投資剰余金」と、「資本金の額の減少の」とあるのは「当該特定投資剰余金の額の減少の」と、同条第二項第五号中「資本金」とあるのは「株式会社日本政策投資銀行法附則第二条の二十七第三項の規定による特定投資剰余金」と読み替えるものとする。

 (罰則)

第二条の三十一 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした会社の取締役、執行役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員又は監査役は、百万円以下の過料に処する。

 一 附則第二条の十第二項の規定に違反して、指定営業所において危機対応業務を休止し、又は廃止したとき。

 二 附則第二条の十四第二項の規定に違反して、同条第一項の規定による出資により払い込まれた金銭を特定投資業務のための資金以外の資金に充てたとき。

 三 附則第二条の十七第二項の規定による命令に違反したとき。

 四 附則第二条の十九の規定に違反して、同条各号に掲げる業務の区分ごとの収支の状況を記載した書類を提出せず、若しくは公表せず、又は虚偽の記載をしたものを提出し、若しくは公表したとき。

 五 附則第二条の二十第二項の規定に違反して、特定投資業務を完了した旨の届出を行わなかったとき。

2 附則第二条の二十四の規定の適用がある場合における第三十四条第八号の規定の適用については、同号中「限度額」とあるのは、「附則第二条の二十四の規定により危機対応準備金、特定投資準備金及び特定投資剰余金の額の合計額を資本金及び準備金の額に算入して計算した限度額」とする。

3 附則第二条の十一第一項、第二条の十八第一項又は第二条の二十一第二項の規定の適用がある場合における第三十四条第十号の規定の適用については、同号中「第十七条」とあるのは、「第十七条又は附則第二条の十一第一項、第二条の十八第一項若しくは第二条の二十一第二項」とする。

4 附則第二条の十一第二項、第二条の十八第二項又は第二条の二十一第三項の規定の適用がある場合における第三十四条第十三号の規定の適用については、同号中「第二十一条」とあるのは、「第二十一条又は附則第二条の十一第二項、第二条の十八第二項若しくは第二条の二十一第三項」とする。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から施行する。

 (危機対応準備金に関する経過措置)

第二条 株式会社日本政策投資銀行(以下「会社」という。)は、この法律の施行後遅滞なく、次に掲げる額の合計額により資本金の額を減少し、危機対応準備金(この法律による改正後の株式会社日本政策投資銀行法(以下「新法」という。)附則第二条の二十二第一項の危機対応準備金をいう。附則第四条第二項において同じ。)として計上するものとする。この場合における新法附則第二条の二十二第一項の規定の適用については、同項中「金額」とあるのは、「金額及び株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律(平成二十七年法律第二十三号)附則第二条第一項の規定により資本金の額を減少した金額」とする。

 一 この法律による改正前の株式会社日本政策投資銀行法(以下「旧法」という。)附則第二条の二(東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律(平成二十三年法律第四十号)第三十六条において読み替えて適用する場合を含む。)の規定により政府が会社による危機対応業務(株式会社日本政策金融公庫法(平成十九年法律第五十七号)第二条第五号に規定する危機対応業務をいう。附則第四条第一項並びに第九条第一項及び第三項において同じ。)の円滑な実施のために会社に出資した額の累計額

 二 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)の前日までに旧法附則第二条の四第二項の規定により政府が償還をした国債の額の累計額

2 前項の規定による資本金の額の減少についての会社法(平成十七年法律第八十六号)第四百四十七条の規定の適用については、同条第一項第二号中「準備金とするとき」とあるのは「準備金又は株式会社日本政策投資銀行法(平成十九年法律第八十五号)附則第二条の二十二第一項の危機対応準備金(以下この号において「危機対応準備金」という。)とするとき」と、「準備金とする額」とあるのは「準備金又は危機対応準備金とする額」とする。

 (国債の返還に関する経過措置)

第三条 旧法附則第二条の三第二項の規定により交付された国債の返還については、東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律第三十六条の規定により読み替えて適用する新法附則第二条の五第一項の規定にかかわらず、別に法律で定める。

 (国債の償還等に関する経過措置)

第四条 会社は、新法附則第二条の四第一項(東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律第三十六条において読み替えて適用する場合を含む。)の規定にかかわらず、当分の間、危機対応業務(施行日が平成二十七年四月一日後である場合には、同日以後施行日の前日までに会社が行うものを含む。)に係る資産の増加に応じて必要となる資本の額として財務省令で定めるところにより計算した金額を限り、旧法附則第二条の三第二項の規定により交付された国債の償還を請求することができる。

2 会社は、新法附則第二条の四第三項の規定にかかわらず、施行日以後に同条第二項の規定により償還された額を危機対応準備金の額として計上するものとする。この場合における新法附則第二条の二十二第一項及び第二条の二十九の規定の適用については、同項中「附則第二条の九」とあるのは「附則第二条の四第二項の規定により償還を受けた金額及び附則第二条の九」と、同条中「附則第二条の九」とあるのは「附則第二条の四第二項の規定による国債の償還による出資、附則第二条の九」とする。

3 前二項の規定の適用がある場合における新法附則第二条の四第五項の規定の適用については、同項中「前各項」とあるのは、「第二項並びに株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律(平成二十七年法律第二十三号)附則第四条第一項及び第二項」とする。

 (特定投資業務規程等に関する経過措置)

第五条 会社は、この法律の施行後遅滞なく、新法附則第二条の十七第一項に規定する特定投資業務規程を定め、財務大臣の認可を受けるものとする。

2 会社は、この法律の施行後遅滞なく、新法第十七条の事業計画を新法附則第二条の十一第一項、第二条の十八第一項及び第二条の二十一第二項の規定に適合するように変更し、財務大臣の認可を受けるものとする。

3 会社は、この法律の施行後遅滞なく、その定款を新法附則第二条の十一第三項及び第二条の十八第三項の規定に適合するように変更し、財務大臣の認可を受けるものとする。

 (政令への委任)

第六条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

 (簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律の一部改正)

第七条 簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律(平成十八年法律第四十七号)の一部を次のように改正する。

  第六条第二項中「ついては、」の下に「これらの機関の業務を承継する機関の目的の達成に与える影響及び」を加え、「平成二十七年四月一日から起算しておおむね五年後から七年後を目途として、」を「できる限り早期に」に改める。

 (調整規定)

第八条 施行日が株式会社商工組合中央金庫法及び中小企業信用保険法の一部を改正する法律(平成二十七年法律第▼▼▼号。次項において「商中法等改正法」という。)の施行の日前となる場合には、同日の前日までの間における前条の規定による改正後の簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律第六条第二項の規定の適用については、同項中「商工組合中央金庫及び」とあるのは「商工組合中央金庫に対する政府の出資については、市場の動向を踏まえつつその縮減を図り、平成二十七年四月一日から起算しておおむね五年後から七年後を目途として、その全部を処分するものとし、」と、「これらの機関の」とあるのは「その」とする。

2 施行日が商中法等改正法の施行の日後となる場合には、前条の規定は、適用しない。

 (危機対応業務に関する検討)

第九条 政府は、この法律の施行後適当な時期において、指定金融機関(株式会社日本政策金融公庫法第十一条第二項に規定する指定金融機関をいう。)に係る制度の運用の状況、会社による危機対応業務の実施状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、株式会社日本政策金融公庫法第二条第四号に規定する被害に対処するための資金を必要とする者に対し円滑に資金が供給されることを確保する観点から、会社による危機対応業務の在り方及びこれを踏まえた会社に対する国の関与の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

2 政府は、前項の検討を行うに当たっては、一般の金融機関を代表する者その他の関係者の意見を聴かなければならない。

3 政府は、第一項の検討の結果、政府による会社の株式の保有に関する義務に係る措置その他の会社による危機対応業務の適確な実施を確保するための措置を継続する必要がないと認めるときは、速やかに、当該措置を廃止するために必要な法制上の措置を講ずるものとする。

 (特定投資業務に関する検討)

第十条 政府は、この法律の施行後適当な時期において、一般の金融機関が行う金融及び民間の投資の状況、会社による特定投資業務(新法附則第二条の十二第二項に規定する特定投資業務をいう。以下この項において同じ。)の実施状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、我が国経済の持続的な成長に資する長期資金その他の資金の供給の一層の促進を図る観点から、会社による特定投資業務の在り方及びこれを踏まえた会社に対する国の関与の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

2 政府は、前項の検討を行うに当たっては、一般の金融機関を代表する者その他の関係者の意見を聴かなければならない。

(財務・内閣総理大臣署名) 

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