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法律第九十号(平三〇・一二・一二)

  ◎原子力損害の賠償に関する法律の一部を改正する法律

 原子力損害の賠償に関する法律(昭和三十六年法律第百四十七号)の一部を次のように改正する。

 目次中「第四章 国の措置(第十六条・第十七条)」を

第四章 国の措置(第十六条・第十七条)

 

 

第四章の二 損害賠償の円滑な実施のための措置

 

 

 第一節 損害賠償実施方針(第十七条の二)

 

 

 第二節 特定原子力損害賠償仮払金の支払のための資金の貸付け(第十七条の三−第十七条の九)

に改め、「第十八条」の下に「・第十八条の二」を加え、「第二十六条」を「第二十七条」に改める。

 第四章の次に次の一章を加える。

   第四章の二 損害賠償の円滑な実施のための措置

    第一節 損害賠償実施方針

第十七条の二 原子炉の運転等を行う原子力事業者は、原子力損害の賠償の迅速かつ適切な実施を図るための方針(以下この条において「損害賠償実施方針」という。)を作成しなければならない。

2 損害賠償実施方針には、損害賠償措置の概要、原子力損害の賠償に係る事務の実施方法、原子力損害の賠償に関する紛争の解決を図るための方策その他の原子力損害の賠償の迅速かつ適切な実施に関し必要な事項として文部科学省令で定める事項を定めなければならない。

3 原子力事業者は、損害賠償実施方針を作成し、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

4 前三項に定めるもののほか、損害賠償実施方針の作成、変更及び公表に関し必要な事項は、文部科学省令で定める。

    第二節 特定原子力損害賠償仮払金の支払のための資金の貸付け

 (特定原子力損害賠償仮払金の支払のための資金の貸付け)

第十七条の三 原子力事業者は、特定原子力損害(原子炉の運転等により生じた原子力損害のうち、原子力災害対策特別措置法(平成十一年法律第百五十六号)第十五条第三項又は第二十条第二項の規定により内閣総理大臣又は原子力災害対策本部長(同法第十七条第一項に規定する原子力災害対策本部長をいう。)が市町村長(特別区の区長を含む。以下この項において同じ。)又は都道府県知事に対して行つた指示に基づき当該市町村長又は都道府県知事が行つた勧告又は指示に基づく避難のための立退き又は事業活動の制限によつて生じた損害その他これに準ずるものとして政令で定めるものをいう。以下この節において同じ。)を受けた被害者に対して、政令で定める基準に従い、特定原子力損害賠償仮払金(特定原子力損害を?補するために支払われる金銭であつて、当該特定原子力損害の賠償額の確定前に支払われるものをいう。以下この節において同じ。)の支払を行おうとするときは、政府に対し、賠償措置額を超えない範囲内において政令で定める金額を限度として、政府が当該特定原子力損害賠償仮払金の支払のために必要な資金の貸付けを行うことを申し込むことができる。

2 前項の規定による申込みを行う原子力事業者は、文部科学大臣に対し、次に掲げる事項を記載した書類を提出しなければならない。

 一 特定原子力損害賠償仮払金の支払の内容

 二 政府が行う前項の貸付け(以下この節において単に「貸付け」という。)を必要とする理由及び貸付希望金額

 三 貸付けに係る貸付金(以下この節において単に「貸付金」という。)の償還に関する事項

3 文部科学大臣は、第一項の規定による申込みがあつた場合において、特定原子力損害賠償仮払金の迅速な支払のために必要があると認めるときは、遅滞なく、当該申込みに係る貸付けを決定し、その旨を当該申込みを行つた原子力事業者に通知するものとする。

 (分別管理)

第十七条の四 貸付けを受けた原子力事業者は、文部科学省令で定めるところにより、貸付金をその他の資産と分別して管理しなければならない。

 (特定原子力損害賠償仮払金の支払の報告)

第十七条の五 貸付けを受けた原子力事業者は、文部科学省令で定めるところにより、貸付金を充てて行う特定原子力損害賠償仮払金の支払状況について文部科学大臣に報告しなければならない。

 (保険金請求権等の取得等)

第十七条の六 政府は、貸付けを受けた原子力事業者が貸付金を充てて行つた特定原子力損害賠償仮払金の支払の対象となつた特定原子力損害の賠償額が確定したときは、第九条第三項本文(第十一条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、当該特定原子力損害賠償仮払金の額に応じて、当該原子力事業者が有する当該特定原子力損害の賠償に係る責任保険契約の保険金請求権又は補償契約の補償金請求権を取得する。

2 貸付けを受けた原子力事業者は、前項に規定する賠償額が確定したときは、遅滞なく、文部科学省令で定めるところにより、その旨を文部科学大臣に届け出なければならない。

3 貸付けを受けた原子力事業者は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額の限度で、貸付金の償還の義務を免れる。

 一 第一項の規定により政府が保険金請求権を取得した場合 当該保険金請求権に係る保険金の額

 二 第一項の規定により政府が補償金請求権を取得した場合 当該補償金請求権に係る補償金の額

 (業務の管掌)

第十七条の七 この節に規定する政府の業務は、文部科学大臣が管掌する。

 (原子力損害賠償・廃炉等支援機構への文部科学大臣の権限に係る事務の委任)

第十七条の八 文部科学大臣は、原子力損害賠償・廃炉等支援機構に、この節に規定する文部科学大臣の権限に係る事務(第十七条の三第三項の規定による貸付けの決定を除く。)を行わせることができる。この場合におけるこの節の規定の適用については、同条第一項及び第二項第二号中「政府が」とあるのは「原子力損害賠償・廃炉等支援機構が」と、第十七条の六第一項及び第三項各号中「政府」とあるのは「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」とするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

2 文部科学大臣は、前項の規定により原子力損害賠償・廃炉等支援機構に貸付けに係る事務を行わせるときは、その旨を公示しなければならない。

 (政令への委任)

第十七条の九 この節に定めるもののほか、貸付金の償還期間及び償還方法並びに前条第二項の公示その他貸付けに関し必要な事項は、政令で定める。

 第十八条に見出しとして「(原子力損害賠償紛争審査会)」を付し、同条第一項中「この条」を「この章」に改める。

 第五章中第十八条の次に次の一条を加える。

 (時効の中断)

第十八条の二 審査会が和解の仲介を打ち切つた場合(当該打切りが政令で定める理由により行われた場合に限る。)において、当該和解の仲介の申立てをした者がその旨の通知を受けた日から一月以内に当該和解の仲介の目的となつた請求について訴えを提起したときは、時効の中断に関しては、当該和解の仲介の申立ての時に、訴えの提起があつたものとみなす。

 第二十条中「平成三十一年十二月三十一日」を「平成四十一年十二月三十一日」に改める。

 第二十二条の次に次の一条を加える。

 (関係行政機関の協力)

第二十二条の二 文部科学大臣は、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、資料又は情報の提供、意見の開陳その他の必要な協力を求めることができる。

 第二十三条を次のように改める。

 (国等に対する適用除外)

第二十三条 国については第三章、第十六条、第四章の二第二節及び次章の規定、独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人、国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)第二条第一項に規定する国立大学法人及び同条第三項に規定する大学共同利用機関法人については同節の規定は、適用しない。

 本則に次の一条を加える。

第二十七条 第十七条の二第三項の規定による公表をせず、又は虚偽の公表をした者は、二十万円以下の過料に処する。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、平成三十二年一月一日から施行する。ただし、目次の改正規定(「第十八条」の下に「・第十八条の二」を加える部分に限る。)、第十八条の改正規定、第五章中同条の次に一条を加える改正規定及び第二十二条の次に一条を加える改正規定並びに附則第三条、第四条、第七条及び第八条の規定は、公布の日から施行する。

 (経過措置)

第二条 この法律の施行の際現に原子炉の運転等(原子力損害の賠償に関する法律第二条第一項に規定する原子炉の運転等をいう。)を行っている原子力事業者(同条第三項に規定する原子力事業者をいう。)については、この法律の施行の日から起算して三月を経過する日までの間は、この法律による改正後の原子力損害の賠償に関する法律第十七条の二の規定は、適用しない。

 (東日本大震災に係る原子力損害賠償紛争についての原子力損害賠償紛争審査会による和解仲介手続の利用に係る時効の中断の特例に関する法律の廃止)

第三条 東日本大震災に係る原子力損害賠償紛争についての原子力損害賠償紛争審査会による和解仲介手続の利用に係る時効の中断の特例に関する法律(平成二十五年法律第三十二号)は、廃止する。

 (東日本大震災に係る原子力損害賠償紛争についての原子力損害賠償紛争審査会による和解仲介手続の利用に係る時効の中断の特例に関する法律の廃止に伴う経過措置)

第四条 附則第一条ただし書に規定する規定の施行前に和解の仲介(前条の規定による廃止前の東日本大震災に係る原子力損害賠償紛争についての原子力損害賠償紛争審査会による和解仲介手続の利用に係る時効の中断の特例に関する法律第一条に規定する和解の仲介をいう。)の申立てがされた場合におけるその申立てに係る時効の特例については、附則第一条ただし書に規定する改正規定による改正後の原子力損害の賠償に関する法律第十八条の二の規定にかかわらず、なお従前の例による。

 (原子力損害賠償・廃炉等支援機構法の一部改正)

第五条 原子力損害賠償・廃炉等支援機構法(平成二十三年法律第九十四号)の一部を次のように改正する。

  第三十五条に次の一項を加える。

 2 機構は、前項の業務のほか、次の業務を行う。

  一 賠償法第十七条の八第一項の規定により行うこととされた事務

  二 前号に掲げる業務に附帯する業務

  第三十六条の三第一項中「第三十五条第五号」を「第三十五条第一項第五号」に改める。

  第五十八条の二を次のように改める。

  (区分経理)

 第五十八条の二 機構は、次に掲げる経理については、主務省令で定めるところにより、それぞれその他の経理と区分し、特別の勘定を設けて整理しなければならない。

  一 廃炉等積立金に係る経理

  二 第三十五条第二項の業務に係る経理

  第五十九条第三項中「限り、」の下に「前条各号に掲げる経理に係る勘定以外の一般の勘定(次項において「一般勘定」という。)の」を加え、「第三十五条第二号」を「第三十五条第一項第二号」に改め、同条第四項中「毎事業年度、」の下に「一般勘定において」を加え、「ある場合において」を「あるとき(第三項に規定する一般勘定にあっては」に、「」とする」を「)」とする」に改める。

 (原子力損害賠償・廃炉等支援機構法の一部改正に伴う経過措置)

第六条 前条の規定の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の一部改正)

第七条 民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成二十九年法律第四十五号)の一部を次のように改正する。

  第百四十七条中原子力損害の賠償に関する法律附則第四条第一項の改正規定の前に次のように加える。

   第十八条の二(見出しを含む。)中「中断」を「完成猶予」に改める。

  第百四十八条中「前条の規定による改正前の原子力損害の賠償に関する法律」を「旧賠償法」に、「前条の規定による改正後の原子力損害の賠償に関する法律」を「新賠償法」に改め、同条を同条第二項とし、同条に第一項として次の一項を加える。

   施行日前に和解の仲介(前条の規定による改正前の原子力損害の賠償に関する法律(次項において「旧賠償法」という。)第十八条第一項に規定する和解の仲介をいう。)の申立てがされた場合におけるその申立てに係る時効の特例については、前条の規定による改正後の原子力損害の賠償に関する法律(次項において「新賠償法」という。)第十八条の二の規定にかかわらず、なお従前の例による。

  第百五十六条及び第百五十七条を削り、第百五十八条を第百五十六条とし、第百五十九条を第百五十七条とし、第七章中同条の次に次の二条を加える。

  (原子力損害の賠償に関する法律の一部を改正する法律の一部改正)

 第百五十八条 原子力損害の賠償に関する法律の一部を改正する法律(平成三十年法律第▼▼▼号)の一部を次のように改正する。

   附則第四条中「附則第一条ただし書に規定する改正規定による改正後の」を削る。

 第百五十九条 削除

 (政令への委任)

第八条 附則第二条、第四条及び第六条に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

(内閣総理・法務・文部科学・経済産業大臣署名)

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