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法律第三十五号(令元・六・一四)

  ◎公共工事の品質確保の促進に関する法律の一部を改正する法律

 公共工事の品質確保の促進に関する法律(平成十七年法律第十八号)の一部を次のように改正する。

 第二条に次の一項を加える。

2 この法律において「公共工事に関する調査等」とは、公共工事に関し、国、特殊法人等(公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律第二条第一項に規定する特殊法人等をいう。以下同じ。)又は地方公共団体が発注する測量、地質調査その他の調査(点検及び診断を含む。)及び設計(以下「調査等」という。)をいう。

 第三条第一項中「並びに公共工事」を「並びに公共工事等(公共工事及び公共工事に関する調査等をいう。以下同じ。)」に改め、同条第二項中「その品質が」の下に「工事等(工事及び調査等をいう。以下同じ。)の」を加え、同条第三項中「施工技術」の下に「及び調査等に関する技術」を加え、「それ」を「それら」に改め、同条第四項中「公共工事の発注者(第二十四条を除き、以下」を「公共工事等の発注者(以下単に」に、「、工事」を「、工事等」に改め、同条第五項中「で工事」を「で工事等」に改め、「鑑み」の下に「、地盤の状況に関する情報その他の工事等に必要な情報が的確に把握され」を、「工夫」の下に「が活用されること」を加え、同条第七項中「の育成及び確保について配慮がなされる」を「が育成され、及び確保されるとともに、災害応急対策又は災害復旧に関する工事等が迅速かつ円滑に実施される体制が整備される」に改め、同条第十項を削り、同条第九項中「並びに」の下に「公共工事等の」を加え、「公共工事に」を「公共工事等に」に改め、同項を同条第十項とし、同条第八項中「当たっては、」の下に「公共工事等の」を加え、「公共工事の適正な施工」を「公共工事等の適正な実施」に、「受注者」を「公共工事等の受注者(以下単に「受注者」という。)」に、「建設業者」を「建設業者等」に改め、同項を同条第九項とし、同条第七項の次に次の一項を加える。

8 公共工事の品質は、これを確保する上で公共工事等の受注者のみならず下請負人及びこれらの者に使用される技術者、技能労働者等がそれぞれ重要な役割を果たすことに鑑み、公共工事等における請負契約(下請契約を含む。)の当事者が、各々の対等な立場における合意に基づいて、市場における労務の取引価格、健康保険法(大正十一年法律第七十号)等の定めるところにより事業主が納付義務を負う保険料(第八条第二項において単に「保険料」という。)等を的確に反映した適正な額の請負代金及び適正な工期又は調査等の履行期(以下「工期等」という。)を定める公正な契約を締結し、その請負代金をできる限り速やかに支払う等信義に従って誠実にこれを履行するとともに、公共工事等に従事する者の賃金、労働時間その他の労働条件、安全衛生その他の労働環境の適正な整備について配慮がなされることにより、確保されなければならない。

 第三条第十一項中「調査(点検及び診断を含む。以下同じ。)及び設計の品質が公共工事の品質確保を図る上で重要な役割を果たすものであることに鑑み、前各項の趣旨を踏まえ、公共工事に準じ、その」を「調査等の」に、「活用されること等により、公共工事に関する調査及び設計の品質が確保されるようにしなければ」を「活用されなければ」に改め、同項を同条第十二項とし、同項の前に次の一項を加える。

11 公共工事の品質確保に当たっては、調査等、施工及び維持管理の各段階における情報通信技術の活用等を通じて、その生産性の向上が図られるように配慮されなければならない。

 第七条の見出し中「発注者」を「発注者等」に改め、同条第一項中「配慮しつつ、」の下に「公共工事等の」を加え、「、工事」を「、工事等」に、「工事中及び完成時の施工状況」を「工事等の実施中及び完了時の施工状況又は調査等の状況(以下「施工状況等」という。)」に改め、同項第一号中「公共工事を施工する」を「公共工事等を実施する」に、「、施工」を「、健康保険法等の定めるところにより事業主が納付義務を負う保険料、公共工事等に従事する者の業務上の負傷等に対する補償に必要な金額を担保するための保険契約の保険料、工期等、公共工事等の実施」に改め、同項第二号中「付するとき」の下に「、災害により通常の積算の方法によっては適正な予定価格の算定が困難と認めるとき」を加え、「、当該入札」を「、入札」に、「工事」を「工事等」に改め、同項第六号を同項第九号とし、同項第五号中「施工条件を」を「施工条件又は調査等の実施の条件を」に、「施工条件に」を「施工条件又は調査等の実施の条件に」に、「工期」を「工期等」に改め、同号に後段として次のように加える。

   この場合において、工期等が翌年度にわたることとなったときは、繰越明許費の活用その他の必要な措置を適切に講ずること。

 第七条第一項第五号を同項第七号とし、同号の次に次の一号を加える。

 八 公共工事等の監督及び検査並びに施工状況等の確認及び評価に当たっては、情報通信技術の活用を図るとともに、必要に応じて、発注者及び受注者以外の者であって専門的な知識又は技術を有するものによる、工事等が適正に実施されているかどうかの確認の結果の活用を図るよう努めること。

 第七条第一項第四号の次に次の二号を加える。

 五 地域における公共工事等の実施の時期の平準化を図るため、計画的に発注を行うとともに、工期等が一年に満たない公共工事等についての繰越明許費(財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第十四条の三第二項に規定する繰越明許費又は地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百十三条第二項に規定する繰越明許費をいう。第七号において同じ。)又は財政法第十五条に規定する国庫債務負担行為若しくは地方自治法第二百十四条に規定する債務負担行為の活用による翌年度にわたる工期等の設定、他の発注者との連携による中長期的な公共工事等の発注の見通しの作成及び公表その他の必要な措置を講ずること。

 六 公共工事等に従事する者の労働時間その他の労働条件が適正に確保されるよう、公共工事等に従事する者の休日、工事等の実施に必要な準備期間、天候その他のやむを得ない事由により工事等の実施が困難であると見込まれる日数等を考慮し、適正な工期等を設定すること。

 第七条第一項第四号を削り、同項第三号中「公共工事の適正な施工」を「公共工事等の適正な実施」に改め、同号を同項第四号とし、同項第二号の次に次の一号を加える。

 三 災害時においては、手続の透明性及び公正性の確保に留意しつつ、災害応急対策又は緊急性が高い災害復旧に関する工事等にあっては随意契約を、その他の災害復旧に関する工事等にあっては指名競争入札を活用する等緊急性に応じた適切な入札及び契約の方法を選択するよう努めること。

 第七条第二項中「公共工事の施工状況の」を「公共工事等の施工状況等及びその」に改め、同条第三項中「ため」の下に「、その実施に必要な知識又は技術を有する職員の育成及び確保」を加え、「図るように」を「図るよう」に改め、同条に次の二項を加える。

4 発注者は、災害応急対策又は災害復旧に関する工事等が迅速かつ円滑に実施されるよう、あらかじめ、建設業法(昭和二十四年法律第百号)第二十七条の三十七に規定する建設業者団体その他の者との災害応急対策又は災害復旧に関する工事等の実施に関する協定の締結その他必要な措置を講ずるよう努めるとともに、他の発注者と連携を図るよう努めなければならない。

5 国、特殊法人等及び地方公共団体は、公共工事の目的物の維持管理を行う場合は、その品質が将来にわたり確保されるよう、維持管理の担い手の中長期的な育成及び確保に配慮しつつ、当該目的物について、適切に点検、診断、維持、修繕等を実施するよう努めなければならない。

 第八条の見出し中「受注者」を「受注者等」に改め、同条第一項中「公共工事の」を削り、「公共工事を適正に実施し、下請契約を締結するときは、適正な額の請負代金での下請契約の締結に努めなければ」を「公共工事等を適正に実施しなければ」に改め、同条第二項中「公共工事の受注者」を「受注者」に、「施工する」を「実施する」に、「公共工事の適正な」を「公共工事等の適正な」に改め、「向上」の下に「、情報通信技術を活用した公共工事等の実施の効率化等による生産性の向上」を、「賃金」の下に「、労働時間」を加え、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

2 公共工事等を実施する者は、下請契約を締結するときは、下請負人に使用される技術者、技能労働者等の賃金、労働時間その他の労働条件、安全衛生その他の労働環境が適正に整備されるよう、市場における労務の取引価格、保険料等を的確に反映した適正な額の請負代金及び適正な工期等を定める下請契約を締結しなければならない。

 第九条第三項中「(公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律第二条第一項に規定する特殊法人等をいう。以下同じ。)」を削る。

 第十条中「(昭和二十二年法律第三十四号)」を削る。

 第十二条中「公共工事」を「公共工事等」に、「工事の経験、施工状況」を「工事等の経験、施工状況等」に改め、「技術者の経験」の下に「又は有する資格」を加える。

 第十三条中「公共工事」を「公共工事等」に、「おける工事」を「おける工事等」に改める。

 第十四条中「公共工事」を「公共工事等」に改める。

 第十五条の見出し中「競争参加者」を「競争参加者等」に改め、同条第一項ただし書中「公共工事」を「公共工事等」に、「限りでは」を「限りで」に改め、同条第三項及び第四項中「公共工事」を「公共工事等」に改め、同条第五項ただし書中「限りでは」を「限りで」に改め、同条に次の二項を加える。

6 発注者は、その発注に係る公共工事に関する調査等の契約につき競争に付さないときは、受注者となろうとする者に対し、技術提案を求めるよう努めなければならない。ただし、発注者が、当該公共工事に関する調査等の内容に照らし、その必要がないと認めるときは、この限りでない。

7 第二項から第五項まで(同項ただし書を除く。)の規定は、前項に規定する場合において、技術提案がされたときについて準用する。この場合において、第二項中「前項」とあるのは「第六項」と、第三項及び第四項中「競争に付された公共工事等」とあるのは「競争に付されなかった公共工事に関する調査等」と、第五項中「落札者」とあるのは「受注者」と読み替えるものとする。

 第十六条中「施工技術」の下に「又は調査等の技術」を加え、「公共工事」を「公共工事等」に改める。

 第十八条第一項中「公共工事」を「公共工事等」に、「当該工事」を「当該工事等」に改める。

 第二十条各号列記以外の部分中「公共工事」を「公共工事等」に改め、同条第一号中「工期」を「工期等」に、「公共工事」を「公共工事等」に改め、同条第二号中「公共工事」を「公共工事等」に改め、同条第三号中「建設業者」を「建設業者等」に改める。

 第二十一条の見出し中「活用」を「活用等」に改め、同条第一項中「公共工事」を「公共工事等」に改め、同条第四項中「協力」の下に「、発注関係事務に関し助言その他の援助を適切に行う能力を有する者の活用の促進」を加える。

 第二十二条中「公共工事」を「公共工事等」に改める。

 第二十四条の見出し中「調査及び設計の品質確保」を「調査等に係る資格等に関する検討」に改め、同条第一項及び第二項を削り、同条第三項中「調査及び設計」を「調査等」に改め、同項を同条とする。

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から施行する。

 (検討)

2 政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律による改正後の公共工事の品質確保の促進に関する法律の施行の状況等について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

(内閣総理・総務・法務・外務・財務・文部科学・厚生労働・農林水産・経済産業・国土交通・環境・防衛大臣署名)

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