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法律第三十七号(令五・五・三一)

  ◎気象業務法及び水防法の一部を改正する法律

 (気象業務法の一部改正)

第一条 気象業務法(昭和二十七年法律第百六十五号)の一部を次のように改正する。

  第二条第三項中「又は地震」を「、地震又は火山現象」に改め、同条第六項中「基く」を「基づく」に改め、同条第七項中「起る」を「起こる」に改める。

  第九条中「規定により許可」を「許可」に改め、同条に次の一項を加える。

 2 第十七条第一項の許可を受けた者は、気象庁が行つた観測又は前項の検定に合格した気象測器を用いた観測(以下この項において「本観測」という。)の成果に基づいて同条第一項の予報業務を行うに当たり、本観測の成果を補完するために行う観測(以下この項において「補完観測」という。)に用いる気象測器については、前項の検定に合格していないものであつても、国土交通省令で定めるところにより、本観測の正確な実施に支障を及ぼすおそれがなく、かつ、補完観測が当該予報業務の適確な遂行に資するものであることについての気象庁長官の確認を受けたときは、同項の規定にかかわらず、当該補完観測に使用することができる。

  第十四条の二第二項中「はん濫した」を「氾濫した」に、「はん濫に」を「氾濫に」に改め、同条第三項に後段として次のように加える。

   この場合において、同法第十一条の二第二項の規定による情報の提供を受けたときは、これを踏まえるものとする。

  第十四条の二第五項を同条第六項とし、同条第四項中「前三項」を「第一項から第三項まで」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項の次に次の一項を加える。

 4 気象庁は、水防法第十一条の二第二項の規定により提供を受けた情報を活用するに当たつて、特に専門的な知識を必要とする場合には、水防に関する事務を行う国土交通大臣の技術的助言を求めなければならない。

  第十七条第二項中「許可」の下に「(以下この章において「許可」という。)」を、「範囲」の下に「(土砂崩れ(崖崩れ、土石流及び地滑りをいう。以下同じ。)、高潮、波浪又は洪水の予報の業務(以下「気象関連現象予報業務」という。)をその範囲に含む予報業務の許可にあつては、当該気象関連現象予報業務のための気象の予想を行うか否かの別を含む。第十九条第一項及び第四十六条第三号において同じ。)」を加え、同条に次の一項を加える。

 3 噴火、火山ガスの放出、土砂崩れ、津波、高潮又は洪水の予報の業務(以下「特定予報業務」という。)をその範囲に含む予報業務の許可については、当該特定予報業務に係る予報業務の目的は、第十九条の三の規定による説明を受けた者にのみ利用させるものに限られるものとする。

  第十八条第一項中「前条第一項の規定による」を削り、同項第四号中「予報業務のうち現象」を「業務に係る地震動、火山現象又は津波」に改め、「方法が」の下に「それぞれ」を加え、同号を同項第五号とし、同項第三号中「地震動、火山現象及び津波の予報以外」を「気象又は地象(地震動、火山現象及び土砂崩れを除く。以下この号及び第十九条の二において同じ。)」に、「予報業務」を「業務に係る気象又は地象の予想」に、「第十九条の二」を「同条前段」に改め、同号を同項第四号とし、同項第二号の次に次の一号を加える。

  三 特定予報業務を行おうとする場合にあつては、第十九条の三の規定による説明を適確に行うことができる施設及び要員を有するものであること並びに当該説明を受けた者以外の者に予報事項が伝達されることを防止するために必要な措置が講じられていること。

  第十八条第一項に次の一号を加える。

  六 気象関連現象予報業務を行おうとする場合にあつては、次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、それぞれイ又はロに定める基準に適合するものであること。

   イ 当該気象関連現象予報業務のための気象の予想を行わない場合 当該気象関連現象予報業務に係る土砂崩れ、高潮、波浪又は洪水の予想の方法がそれぞれ国土交通省令で定める技術上の基準に適合するものであること。

   ロ 当該気象関連現象予報業務のための気象の予想を行う場合 当該気象関連現象予報業務のための気象の予想を行う事業所につき第十九条の二前段の要件を備えることとなつていること及び当該気象関連現象予報業務に係る土砂崩れ、高潮、波浪又は洪水の予想の方法がそれぞれイの技術上の基準に適合するものであること。

  第十八条に次の一項を加える。

 3 気象庁長官は、土砂崩れ又は洪水の予報の業務をその範囲に含む予報業務の許可をしようとするときは、当該予報業務のうち土砂崩れ又は洪水の予想の方法が第一項第六号イの技術上の基準に適合するものであることについて、砂防又は水防に関する事務を行う国土交通大臣に協議しなければならない。

  第十九条第一項中「第十七条第一項の規定により」を削り、「同条第二項」を「第十七条第二項」に改める。

  第十九条の二及び第十九条の三を次のように改める。

  (気象予報士の設置及び業務)

 第十九条の二 次の各号のいずれかに該当する者は、当該予報業務のうち気象又は地象の予想を行う事業所ごとに、国土交通省令で定めるところにより、気象予報士(第二十四条の二十の登録を受けている者をいう。以下同じ。)を置かなければならない。この場合において、当該気象又は地象の予想については、気象予報士に行わせなければならない。

  一 気象又は地象の予報の業務をその範囲に含む予報業務の許可を受けた者

  二 気象関連現象予報業務をその範囲に含む予報業務の許可を受けた者(前号に掲げる者を除く。)であつて、当該気象関連現象予報業務のための気象の予想を行うもの

  (特定予報業務をその範囲に含む予報業務の許可を受けた者の説明義務)

 第十九条の三 特定予報業務をその範囲に含む予報業務の許可を受けた者は、国土交通省令で定めるところにより、当該特定予報業務を利用しようとする者に対し、その利用に当たつて留意すべき事項その他の国土交通省令で定める事項を説明しなければならない。

  第二十条及び第二十条の二中「第十七条の規定により」を削る。

  第二十一条中「第十七条の規定により」を削り、「一に」を「いずれかに」に改める。

  第二十二条中「第十七条の規定により」を削る。

  第二十三条中「地震動、火山現象」を「地象」に改める。

  第二十六条第一項ただし書中「但し」を「ただし」に改め、同条第二項中「第十八条(第一項第二号から第四号までを除く。)及び」を「第十八条第一項(第一号に係る部分に限る。)及び第二項並びに」に改める。

  第二十八条第一項中「第九条」を「第九条第一項」に、「各号に」を「各号のいずれにも」に改める。

  第三十二条の三中「第九条」を「第九条第一項」に改める。

  第三十二条の四第一項第三号中「第九条」を「第九条第一項本文」に改める。

  第三十二条の五第一項及び第三十二条の六第一項中「第九条」を「第九条第一項」に改める。

  第三十二条の十三第一項中「のいずれか」を削り、同条第二項第五号中「第九条」を「第九条第一項」に改め、同条第三項中「第九条」を「第九条第一項」に、「同項」を「前項」に改める。

  第三十二条の十四第一項中「第九条」を「第九条第一項」に、「同項」を「前条第二項」に改める。

  第四十四条中「者」を「ときは、その違反行為をした者」に改める。

  第四十六条中「一に該当する」を「いずれかに該当する場合には、その違反行為をした」に改め、同条第一号から第三号までの規定中「者」を「とき。」に改め、同条第四号中「第十九条の三」を「第十九条の二後段」に、「行わせた者」を「行わせたとき。」に改め、同条第五号から第七号までの規定中「者」を「とき。」に改める。

  第四十七条中「者は」を「場合には、その違反行為をした者は」に改め、同条各号中「者」を「とき。」に改める。

 (水防法の一部改正)

第二条 水防法(昭和二十四年法律第百九十三号)の一部を次のように改正する。

  第十一条の次に次の一条を加える。

  (情報の提供の求め等)

 第十一条の二 都道府県知事は、前条第一項の規定による通知及び周知を行うため必要があると認めるときは、国土交通大臣に対し、当該通知及び周知に係る河川の水位又は流量に関する情報であつて、第十条第二項の規定により国土交通大臣が指定した河川について国土交通大臣が洪水のおそれを予測する過程で取得したものの提供を求めることができる。

 2 国土交通大臣は、前項の規定による求めがあつたときは、同項に規定する情報を当該都道府県知事及び気象庁長官に提供するものとする。

 3 前項の規定による情報の提供については、気象業務法(昭和二十七年法律第百六十五号)第十七条及び第二十三条の規定は、適用しない。

  第十二条第一項中「前条第一項」を「第十一条第一項」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第一条中気象業務法第十四条の二の改正規定及び第二条の規定並びに附則第六条の規定は、公布の日から施行する。

 (津波の予報の業務に関する経過措置)

第二条 この法律の施行の際現にこの法律による改正前の気象業務法(以下「旧気象業務法」という。)第十七条第一項の許可であって津波の予報の業務に係るものを受けている者の当該津波の予報の業務の範囲については、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後は、同条第二項の規定により地震に密接に関連する海洋の現象である津波の予報の業務に限定されているものとみなす。

2 この法律の施行の際現に火山現象に密接に関連する海洋の現象である津波の予報の業務を行っている者は、施行日から起算して三月を経過する日までの間(その者が当該期間内に当該業務に係るこの法律による改正後の気象業務法(以下「新気象業務法」という。)第十七条第一項の許可又は新気象業務法第十九条第一項の認可の申請をした場合には、当該申請について許可若しくは許可の拒否又は認可若しくは認可の拒否の処分があるまでの間)は、新気象業務法第十七条第一項の規定にかかわらず、引き続き当該業務を行うことができる。

3 前項の規定により引き続き火山現象に密接に関連する海洋の現象である津波の予報の業務を行う者については、当該業務について新気象業務法第十七条第一項の許可を受けた者とみなして、新気象業務法第四十一条第一項及び第四項の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)を適用する。

 (高潮又は波浪の予報の業務に関する経過措置)

第三条 この法律の施行の際現に旧気象業務法第十七条第一項の許可であって高潮又は波浪の予報の業務に係るものを受けている者は、施行日から起算して三年を経過する日までの間に、当該許可に係る予報業務が新気象業務法第十八条第一項第一号(同項第六号に係る部分に限る。)及び第六号の基準に適合することについて、気象庁長官の認可を受けなければならない。

2 前項に規定する者の許可の基準並びに気象予報士の設置及び業務は、同項の認可を受けるまでの間は、なお従前の例による。

 (特定予報業務に関する経過措置)

第四条 この法律の施行の際現に旧気象業務法第十七条第一項の許可であって新気象業務法第十七条第三項に規定する特定予報業務(以下この条において「特定予報業務」という。)に係るものを受けている者については、次項の認可を受けるまでの間は、当該特定予報業務の目的は、新気象業務法第十七条第三項の規定にかかわらず、施行日に当該特定予報業務を利用している者(第四項において「既存利用者」という。)にのみ利用させるものとし、新気象業務法第十九条の三の規定は、適用しない。

2 前項に規定する者は、施行日から起算して六月を経過する日(第四項において「六月経過日」という。)までの間に、当該許可に係る特定予報業務が新気象業務法第十八条第一項第三号の基準に適合することについて、気象庁長官の認可を受けなければならない。

3 第一項に規定する者の許可の基準は、前項の認可を受けるまでの間は、なお従前の例による。

4 第二項の認可を受けた者についての新気象業務法第十七条第三項及び第十九条の三の規定の適用については、当該認可を受けてから六月経過日までの間は、既存利用者を同条の規定による説明を受けた者とみなす。

 (罰則に関する経過措置)

第五条 この法律の施行前にした行為及び附則第三条第二項の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (政令への委任)

第六条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

 (検討)

第七条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、新気象業務法の規定について、その施行の状況等を勘案しつつ検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

 (登録免許税法の一部改正)

第八条 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。

  別表第一第百四十三号(二)中「第十八条第一項第三号」を「第十八条第一項第四号」に、「同項第四号」を「同項第五号」に、「津波」を「津波若しくは同法第十七条第二項の土砂崩れ、高潮、波浪若しくは洪水のうちいずれか」に、「限る」を「限り、既に同法第十八条第一項第四号の予報の業務の許可を受けている者が当該許可の範囲に含まれていない同号の予報の業務を新たに行うために受けるものを除く」に改め、同号(五)中「第九条」を「第九条第一項」に改める。

(財務・国土交通・内閣総理大臣署名)

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