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法律第七十四号(平一一・六・一六)

  ◎鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の一部を改正する法律

 鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律(大正七年法律第三十二号)の一部を次のように改正する。

 第一条ノ二第二項中第七号を第八号とし、第六号を第七号とし、第五号の次に次の一号を加える。

 六 特定鳥獣保護管理計画ヲ樹ツル場合ニ於テハ其ノ樹立ニ関スル事項

 第一条ノ四第三項中「又ハ都道府県知事」を削り、同条第五項中「第三項」を「前項」に改め、同条第四項の次に次の一項を加える。

 都道府県知事ハ当該都道府県ノ区域内ニ於ケル狩猟鳥獣ノ保護蕃殖ノ為必要ト認ムルトキハ環境庁長官ガ第三項ノ規定ニ依リ為ス狩猟鳥獣ノ捕獲ノ禁止又ハ制限ニ加ヘ狩猟鳥獣ノ種類、区域、期間又ハ猟法ヲ定メ其ノ捕獲ヲ禁止又ハ制限スルコトヲ得

 第一条ノ四を第一条ノ五とし、同条の次に次の一条を加える。

第一条ノ六 都道府県知事ハ特定鳥獣ニ付前条第五項ノ規定ニ依リ捕獲ノ禁止又ハ制限ヲ為サザル場合ニ於テ特定鳥獣保護管理計画ノ達成ヲ図ル為必要アリト認ムルトキハ其ノ必要ノ限度ニ於テ環境庁長官ガ同条第三項ノ規定ニ依リ当該特定鳥獣ニ付為ス捕獲ノ禁止又ハ制限ニ代ヘテ当該特定鳥獣ニ付捕獲ノ禁止又ハ制限ヲ為スコトヲ得

 前条第六項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス

 第一条ノ三を第一条ノ四とし、第一条ノ二の次に次の一条を加える。

第一条ノ三 都道府県知事ハ当該都道府県ノ区域内ニ於テ著シク増加又ハ減少シタル鳥獣ガアル場合ニ於テ当該鳥獣ノ棲息状況其ノ他ノ事情ヲ勘案シ長期的ナル観点ヨリ当該鳥獣ノ保護蕃殖ヲ図ル為特ニ必要アリト認ムルトキハ当該鳥獣ノ保護管理ニ関スル計画(以下特定鳥獣保護管理計画ト称ス)ヲ樹ツルコトヲ得

 特定鳥獣保護管理計画ニ於テハ左ニ掲グル事項ヲ定ムルモノトス

 一 保護管理スベキ鳥獣ノ種類(以下特定鳥獣ト称ス)

 二 計画ノ期間

 三 特定鳥獣ノ保護管理ガ行ハルベキ区域

 四 特定鳥獣ノ保護管理ノ目標

 五 特定鳥獣ノ数ノ調整ニ関スル事項

 六 特定鳥獣ノ棲息地ノ保護及整備ニ関スル事項

 七 其ノ他特定鳥獣ノ保護管理ノ為必要ナル事項

 特定鳥獣保護管理計画ハ鳥獣保護事業計画ニ適合スルコトヲ要ス

 都道府県知事特定鳥獣保護管理計画ヲ樹テ又ハ之ヲ変更セントスル場合ニ於テハ、関係地方公共団体ト協議スルト共ニ、第二項第三号ノ区域内ニ第八条ノ八第一項ノ規定ニ依リ環境庁長官ノ設定スル鳥獣保護区アルトキ又ハ特定鳥獣ガ其ノ保護蕃殖ヲ特ニ図ル必要アリトシテ環境庁長官ノ定ムル鳥獣ナルトキハ環境庁長官ニ協議スルコトヲ要ス

 都道府県知事特定鳥獣保護管理計画ヲ樹テ又ハ之ヲ変更セントスルトキハ、公聴会ヲ開キ利害関係人ノ意見ヲ聞キ、且都道府県自然環境保全審議会ニ諮問スルコトヲ要ス

 前条第四項ノ規定ハ特定鳥獣保護管理計画ニ之ヲ準用ス

 第四条に次の一項を加える。

 乙種狩猟免状ヲ交付サレタル者ハ丙種狩猟免状ヲ交付サレタル者ト看故ス

 第八条ノ三第七項中「前二項ノ期間」を「第五項及第六項ノ期間(前項ノ特定鳥獣ニ在リテハ同項ノ期間)」に改め、同条第六項の次に次の一項を加える。

 都道府県知事ハ特定鳥獣保護管理計画ニ定ムル特定鳥獣ガ狩猟鳥獣ナル場合ニ於テ当該特定鳥獣保護管理計画ノ達成ヲ図ル為特ニ必要アリト認ムルトキハ第五項ノ期間内ニシテ其ノ必要ノ限度ニ於テ当該特定鳥獣ニ限リ前項ノ期間ヲ拡大スルコトヲ得

 第八条ノ三に次の一項を加える。

 第一条ノ五第六項ノ規定ハ第七項ノ場合ニ之ヲ準用ス

 第八条ノ八第四項中「第一条ノ四第四項及第五項」を「第一条ノ五第四項及第六項」に、「同条第五項」を「同条第六項」に改める。

 第十二条第一項中「ノ為」の下に「、特定鳥獣保護管理計画ニ定ムル所ニ依リ特定鳥獣ノ数ヲ調整スル為」を加え、同条第二項中「前項」を「第一項」に改め、同条第一項の次に次の一項を加える。

 環境庁長官又ハ都道府県知事特定鳥獣保護管理計画ガ定メラレタル場合ニ於テ当該特定鳥獣保護管理計画ニ定ムル特定鳥獣ニ付前項ノ許可ヲ求メラレタルトキハ当該特定鳥獣保護管理計画ノ達成ニ資スルコトトナル様適切ナル配慮ヲ為スモノトス

 第十九条中「同条第二項」を「同条第三項」に改める。

 第十九条ノ三第一項中「第一条ノ四第三項」を「第一条ノ五第三項」に改め、同項ただし書中「同条第二項」を「同条第三項」に改める。

 第二十条ノ六第二号中「第一条ノ四第二項」を「第一条ノ五第二項」に改め、同条第三号中「第一条ノ四第三項」を「第一条ノ五第三項」に改め、同条第七号中「第一条ノ四第五項」を「第一条ノ五第六項」に改め、同条の次に次の一条を加える。

第二十条ノ七 環境庁長官ハ鳥獣ノ保護蕃殖ヲ図ル為緊急ノ必要アリト認ムルトキハ都道府県知事ニ対シ左ニ掲グル事務ニ関シ必要ナル指示ヲ為スコトヲ得

 一 第一条ノ六第一項ノ規定ニ依ル捕獲ノ禁止又ハ制限ニ関スル事務

 二 第八条ノ三第七項ノ規定ニ依ル期間ノ拡大ニ関スル事務

 第二十一条第一項第一号中「第一条ノ四第一項」を「第一条ノ五第一項」に改める。

 第二十二条第一号中「第八条ノ三第七項」を「第八条ノ三第八項」に改め、同条第二号中「第一条ノ四第三項」を「第一条ノ五第三項若ハ第五項又ハ第一条ノ六第一項」に改め、同条第三号及び第四号中「第十二条第二項」を「第十二条第三項」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第四条に一項を加える改正規定は、平成十二年四月十六日から施行する。

 (検討)

第二条 政府は、この法律の施行後三年を目途として、特定鳥獣保護管理計画に定める特定鳥獣の生息状況及びその個体群の安定的な維持に関する見通し、当該鳥獣による生態系及び農林業に対する被害の状況、特定鳥獣の保護管理に伴い他の野生生物及び自然環境に生ずる影響その他の事情を総合的に勘案して、改正後の鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律(以下「新法」という。)の施行の状況について検討を加え、国土全体の健全な生態系を維持回復し、自然と人間との共生を確保する観点から必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

 (経過措置)

第三条 新法第四条第三項の規定は、平成十二年四月十六日以後乙種狩猟免許試験に合格した者及び同日以後乙種狩猟免許の更新を受けた者について適用する。

第四条 平成十二年四月十五日に改正前の鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の規定により乙種狩猟免許を受けている者が新法第七条ノ四の規定により更新を受けようとする場合における同条第二項及び第三項の適用については、平成十四年九月十四日までの間は、同条第二項の規定中「合格シタル」とあるのは「合格シ且次項ノ講習ヲ受ケタル」と、同条第三項の規定中「受クルコトヲ努ムベシ」とあるのは「受クベシ」とする。

 (火薬類取締法の一部改正)

第五条 火薬類取締法(昭和二十五年法律第百四十九号)の一部を次のように改正する。

  第十七条第一項第三号中「同条第二項」を「同条第三項」に改める。

(内閣総理・農林水産・通商産業大臣署名) 

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