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法律第百十四号(平一二・六・七)

  ◎平和条約国籍離脱者等である戦没者遺族等に対する弔慰金等の支給に関する法律

 (趣旨)

第一条 この法律は、人道的精神に基づき、平和条約国籍離脱者等である戦没者遺族等に対する弔慰金等の支給に関し必要な事項を定めるものとする。

 (平和条約国籍離脱者等)

第二条 この法律において「平和条約国籍離脱者等」とは、次に掲げる者をいう。

 一 日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成三年法律第七十一号。以下「出入国管理特例法」という。)第二条第一項に規定する平和条約国籍離脱者

 二 出入国管理特例法第二条第二項に規定する平和条約国籍離脱者の子孫

 三 帰化により日本の国籍を取得し引き続き日本の国籍を有する者であって、当該帰化をした時において前二号に掲げる者(当該帰化をした時が出入国管理特例法の施行前であったときは、当該帰化をしなかったとしたならば出入国管理特例法の施行により前二号に掲げる者となったであろうと認められる者)であったもの

 (旧軍人軍属等)

第三条 この法律において「旧軍人軍属等」とは、次に掲げる者をいう。

 一 恩給法の一部を改正する法律(昭和二十一年法律第三十一号)による改正前の恩給法(大正十二年法律第四十八号。以下「改正前の恩給法」という。)第十九条に規定する軍人、準軍人その他元の陸軍又は海軍部内の公務員又は公務員に準ずべき者(戦時又は事変に際し臨時特設の部局又は陸海軍の部隊に配属せしめたる文官補闕の件(明治三十八年勅令第四十三号)に規定する文官を含む。以下「旧軍人」という。)

 二 元の陸軍又は海軍部内の有給の嘱託員、雇員、 _ 傭人、工員又は鉱員(死亡した後において、死亡の際にさかのぼってこれらの身分を取得した者及び第十号に掲げる者を除く。)

 三 旧国家総動員法(昭和十三年法律第五十五号。旧関東州国家総動員令(昭和十四年勅令第六百九号)を含む。)に基づいて設立された船舶運営会の運航する船舶の乗組船員

 四 次に掲げる者

  イ 南満洲鉄道株式会社(南満洲鉄道株式会社に関する件(明治三十九年勅令第百四十二号)に基づいて設立された会社をいう。)及び次に掲げる法人の職員で、元の陸軍又は海軍の指揮監督の下に前三号に掲げる者の業務と同様の業務に専ら従事中のもの

   (1) 華北交通株式会社

   (2) 華中鉄道株式会社

   (3) 満洲航空株式会社

   (4) 中華航空株式会社

   (5) 満洲海運株式会社

   (6) 満洲電信電話株式会社

   (7) 華北電信電話株式会社

   (8) 華中電気通信株式会社

   (9) 蒙彊電気通信設備株式会社

  ロ 昭和十八年六月二十六日以後北方緊急軍土建事業に従事中の勤労 _ 挺身隊の隊員

  ハ 元の海軍の指揮監督の下に防空、洋上監視等の軍事任務に従事中の漁船の船員

  ニ イからハまでに掲げる者と同視すべき者として総務大臣が指定する者

 五 旧国家総動員法第四条若しくは第五条(旧南洋群島における国家総動員に関する件(昭和十三年勅令第三百十七号)及び旧関東州国家総動員令においてよる場合を含む。)の規定に基づく被徴用者若しくは総動員業務の協力者(第二号に該当する者であって次条第一項第二号に掲げる期間内にあるもの及び第三号に該当する者であって同項第三号に掲げる期間内にあるものを除く。)又は総動員業務の協力者と同様の事情の下に昭和十六年十二月八日以後中国(元の関東州及び台湾を除く。)において総動員業務と同様の業務につき協力中の者

 六 元の陸軍又は海軍の要請に基づく戦闘参加者

 七 昭和二十年三月二十三日の閣議決定国民義勇隊組織に関する件に基づいて組織された国民義勇隊の隊員

 八 昭和十四年十二月二十二日の閣議決定満洲開拓民に関する根本方策に関する件に基づいて組織された満洲開拓青年義勇隊の隊員(昭和十二年十一月三十日の閣議決定満洲に対する青年移民送出に関する件に基づいて実施された満洲青年移民を含む。)又は当該満洲開拓青年義勇隊の隊員としての訓練を修了して集団開拓農民となった者により構成された義勇隊開拓団の団員(当該満洲開拓青年義勇隊の隊員でなかった者を除く。)

 九 旧特別未帰還者給与法(昭和二十三年法律第二百七十九号)第一条に規定する特別未帰還者

 十 事変地又は戦地に準ずる地域における勤務(元の陸軍又は海軍部内の官 _ 衙又は特務機関における勤務を除く。)に従事中の元の陸軍又は海軍部内の有給の嘱託員、雇員、傭人、工員又は鉱員

 十一 旧防空法(昭和十二年法律第四十七号)第六条第一項若しくは第二項(旧関東州防空令(昭和十二年勅令第七百二十八号)及び旧南洋群島防空令(昭和十九年勅令第六十六号)においてよる場合を含む。)の規定により防空の実施に従事中の者又は同法第六条ノ二第一項(旧関東州防空令及び旧南洋群島防空令においてよる場合を含む。)の指定を受けた者(第三号に掲げる者を除く。)

2 前項第一号又は第二号に掲げる者は、陸軍及び海軍の廃止後も、未復員の状態にある限り、同項第一号又は第二号に該当するものとみなし、同項第四号に掲げる者で、同号に規定する勤務に就いていたことにより昭和二十年九月二日以後引き続き海外において抑留されていたものは、その抑留されていた間に限り、同号に該当するものとみなす。

3 第一項第八号に掲げる者で、昭和二十年九月二日において海外にあったものは、同日以後引き続き海外にある限り、同号に該当するものとみなす。

4 第一項第十号に規定する事変地又は戦地に準ずる地域の区域及びその区域が事変地又は戦地に準ずる地域であった期間は、政令で定める。

 (在職期間)

第四条 この法律において「在職期間」とは、次に掲げる期間をいう。

 一 旧軍人については、改正前の恩給法の規定による就職から退職(復員を含む。)までの期間(元の陸軍の見習士官又は元の海軍の候補生若しくは見習尉官の身分を有していた期間を含む。)

 二 前条第一項第二号に掲げる者については、昭和十二年七月七日以後、事変地又は戦地における勤務を命ぜられた日から当該勤務を解かれた日までの期間及び昭和二十年九月二日以後引き続き海外にあって復員するまでの期間

 三 前条第一項第三号に掲げる者については、昭和十七年四月一日以後船舶運営会の運航する船舶に乗り組み戦地における勤務を命ぜられた日から当該勤務を解かれた日までの期間及び昭和二十年九月二日以後引き続き海外にあって帰還するまでの期間

 四 前条第一項第四号に掲げる者については、昭和十二年七月七日以後期間を定めないで、又は一箇月以上の期間を定めて事変地又は戦地における同号に規定する勤務を命ぜられた日から当該勤務を解かれた日までの期間及び当該勤務に就いていたことにより昭和二十年九月二日以後引き続き海外において抑留されていた期間(以下「抑留期間」という。)

2 前項第二号から第四号までに規定する事変地又は戦地の区域及びその区域が事変地又は戦地であった期間は、政令で定める。

 (公務傷病の範囲)

第五条 旧軍人が負傷し、又は疾病にかかった場合において、恩給法の規定により当該負傷又は疾病を公務によるものとみなすとき、及び旧軍人たる特別の事情に関連して不慮の災難により負傷し、又は疾病にかかり、総務大臣が公務による負傷又は疾病と同視すべきものと認めたときは、公務上負傷し、又は疾病にかかったものとみなす。

2 第三条第一項第一号から第四号までに掲げる者(以下「旧軍人軍属」という。)が、昭和十二年七月七日以後事変地又は戦地における在職期間内に負傷し、又は疾病にかかった場合において、故意又は重大な過失によって負傷し、又は疾病にかかったことが明らかでないときは、公務上負傷し、又は疾病にかかったものとみなす。

3 旧軍人軍属(第三条第一項第四号に掲げる者を除く。)が、昭和二十年九月二日以後引き続き海外にあって復員(帰還を含む。以下同じ。)するまでの間に、自己の責めに帰することができない事由により負傷し、又は疾病にかかった場合において、総務大臣が公務上負傷し、又は疾病にかかったものと同視することを相当と認めたときは、公務上負傷し、又は疾病にかかったものとみなす。

4 旧軍人軍属が、昭和二十年九月二日以後海外から復員し、その後遅滞なく帰郷する場合に、その帰郷のための旅行中において、自己の責めに帰することができない事由により負傷し、又は疾病にかかったときは、旧軍人軍属が在職期間内に公務上負傷し、又は疾病にかかったものとみなす。

5 次の各号に規定する者が当該各号に該当した場合には、公務上負傷し、又は疾病にかかったものとみなす。

 一 第三条第一項第三号又は第四号に掲げる者が業務上負傷し、又は疾病にかかった場合

 二 第三条第二項の規定により同条第一項第四号に該当するものとみなされる者が抑留期間内に自己の責めに帰することができない事由により負傷し、又は疾病にかかった場合において、総務大臣が業務上負傷し、又は疾病にかかったものと同視することを相当と認めたとき。

 三 第三条第一項第五号、第七号若しくは第十一号に掲げる者が業務上負傷し、若しくは疾病にかかり、又は同項第八号に掲げる者が昭和二十年八月九日前に軍事に関し業務上負傷し、若しくは疾病にかかり、若しくは同日以後に業務上負傷し、若しくは疾病にかかった場合

 四 第三条第一項第六号に掲げる者が当該戦闘に基づき負傷し、又は疾病にかかった場合

 五 第三条第三項の規定により同条第一項第八号に該当するものとみなされる者又は同項第九号に掲げる者が自己の責めに帰することができない事由により負傷し、又は疾病にかかった場合において、総務大臣が前各号に規定する場合と同視することを相当と認めたとき。

6 旧軍人軍属等の次に掲げる負傷又は疾病で、公務上の負傷又は疾病でないものは、公務上の負傷又は疾病とみなす。

 一 旧軍人軍属の在職期間(旧恩給法施行令(大正十二年勅令第三百六十七号)第七条に規定する元の陸軍又は海軍の学生生徒については、それらの身分を有していた期間を含む。)内の次に掲げる負傷又は疾病

  イ 昭和十二年七月七日以後の本邦その他の政令で定める地域(第二項に規定する事変地及び戦地を除く。)における事変に関する勤務又は戦争に関する勤務に関連する負傷又は疾病(元の陸軍又は海軍部内の官衙又は特務機関における勤務で兵及び営内に居住すべき下士官の当該勤務以外のものに関連する負傷又は疾病を除く。)

  ロ 昭和二十年九月二日以後引き続き勤務していた期間又は引き続き海外にあって復員するまでの間における負傷又は疾病で総務大臣が戦争に関する勤務に関連する負傷又は疾病と同視することを相当と認めるもの

 二 第三条第一項第五号から第十一号までに掲げる者のそれぞれの勤務(同項第五号に掲げる者の非現業の官公署における勤務及び同項第八号に掲げる者の昭和二十年八月九日前における軍事に関する業務以外の業務に関する勤務を除く。)に関連する負傷又は疾病

7 第二項に規定する事変地又は戦地の区域及びその区域が事変地又は戦地であった期間は、政令で定める。

 (戦没者等の遺族)

第六条 この法律において「戦没者等の遺族」とは、次に掲げる者をいう。

 一 昭和十二年七月七日以後(旧軍人軍属にあっては、同日以後の在職期間内)に公務上負傷し、又は疾病にかかり、これにより、昭和十六年十二月八日からこの法律の施行の日(以下「施行日」という。)の前日までの間に死亡した旧軍人軍属等又は旧軍人軍属等であった者(昭和十六年十二月八日前に死亡したことが、昭和二十年九月二日以後において認定された者を含む。)の遺族

 二 日本国との平和条約第十一条に掲げる裁判により拘禁され、当該拘禁中に死亡した者(前号に規定する旧軍人軍属等を除き、総務大臣が当該死亡を公務上の負傷又は疾病による死亡と同視することを相当と認める者に限る。)の遺族

 三 旧軍人軍属又は旧軍人軍属であった者で、今次の終戦に関連する非常事態に当たり、旧軍人軍属たる特別の事情に関連して死亡したもの(総務大臣が当該死亡を公務上の負傷又は疾病による死亡と同視することを相当と認めるものに限る。)の遺族

 四 旧軍人軍属又は旧軍人軍属であった者で、前条第二項に規定する事変地若しくは戦地又は当該戦地であった地域における在職期間内の行為に関連して当該地域において死亡したもの(当該死亡が大赦令(昭和二十年勅令第五百七十九号)第一条各号、大赦令(昭和二十一年勅令第五百十一号)第一条各号及び大赦令(昭和二十七年政令第百十七号)第一条各号に掲げる罪以外の罪に当たる行為に関連するものであることが明らかでないと総務大臣が認めるものに限る。)の遺族

 (重度戦傷病者)

第七条 この法律において「重度戦傷病者」とは、旧軍人軍属等であった者で、昭和十二年七月七日以後(旧軍人軍属であった者にあっては、同日以後の在職期間内)に公務上負傷し、又は疾病にかかり、当該負傷又は疾病により、施行日において恩給法別表第一号表ノ二に規定する程度又は同法別表第一号表ノ三の第一款症に該当する程度の障害の状態にあるものをいう。

 (重度戦傷病者の遺族)

第八条 この法律において「重度戦傷病者の遺族」とは、昭和十二年七月七日以後(旧軍人軍属にあっては、同日以後の在職期間内)に公務上負傷し、又は疾病にかかった旧軍人軍属等又は旧軍人軍属等であった者(当該負傷又は疾病による障害の程度が恩給法別表第一号表ノ二に規定する程度又は同法別表第一号表ノ三の第一款症に該当する程度の障害の状態にあった者に限る。)で、当該負傷又は疾病以外の事由により昭和十六年十二月八日から施行日の前日までの間に死亡したものの遺族をいう。

 (弔慰金等の支給及び裁定)

第九条 次に掲げる者には、弔慰金を支給する。

 一 戦没者等の遺族であって施行日において平和条約国籍離脱者等に該当するもの

 二 重度戦傷病者の遺族であって施行日において平和条約国籍離脱者等に該当するもの

2 重度戦傷病者であって施行日において平和条約国籍離脱者等に該当するものには、見舞金を支給する。

3 前項に掲げる者には、同項に定めるもののほか、重度戦傷病者老後生活設計支援特別給付金を支給する。

4 弔慰金又は見舞金及び重度戦傷病者老後生活設計支援特別給付金(以下「弔慰金等」という。)の支給を受ける権利の裁定は、これらを受けようとする者の請求に基づいて、総務大臣が行う。

 (遺族の範囲)

第十条 弔慰金の支給を受けるべき遺族の範囲は、死亡した者の死亡の当時における配偶者、子(死亡した者の死亡の当時胎児であった子を含む。)、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹並びにこれらの者以外の三親等内の親族(死亡した者の死亡の当時その者によって生計を維持し、又はその者と生計を共にしていた者に限る。)とする。

 (遺族の順位等)

第十一条 弔慰金の支給を受けるべき遺族の順位は、次に掲げる順位による。この場合において、父母及び祖父母については、死亡した者の死亡の当時その者によって生計を維持し、又はその者と生計を共にしていたものを先にし、同順位の父母については、養父母を先にし実父母を後にし、同順位の祖父母については、養父母の父母を先にし実父母の父母を後にし、父母の養父母を先にし実父母を後にする。

 一 配偶者(死亡した者の死亡の日以後施行日の前日以前に、前条に規定する遺族(以下この項において「遺族」という。)以外の者の養子となり、又は遺族以外の者と婚姻した者を除く。)

 二 子(施行日において遺族以外の者の養子となっている者を除く。)

 三 父母

 四 孫(施行日において遺族以外の者の養子となっている者を除く。)

 五 祖父母

 六 兄弟姉妹(施行日において遺族以外の者の養子となっている者を除く。)

 七 第二号において同号の順位から除かれている子

 八 第四号において同号の順位から除かれている孫

 九 第六号において同号の順位から除かれている兄弟姉妹

 十 第一号において同号の順位から除かれている配偶者

 十一 前各号に掲げる者以外の遺族で死亡した者の葬祭を行ったもの

 十二 前各号に掲げる者以外の遺族

2 前項の規定により弔慰金の支給を受けるべき順位にある遺族が、施行日以後引き続き一年以上生死不明の場合において、同順位者がないときは、次順位者の申請により、当該次順位者(当該次順位者と同順位の他の遺族があるときは、そのすべての同順位者)を弔慰金の支給を受けるべき順位の遺族とみなすことができる。

3 弔慰金の支給を受けるべき同順位の遺族が数人ある場合においては、その一人のした弔慰金の支給の請求は、全員のためにその全額につきしたものとみなし、その一人に対してした弔慰金の支給を受ける権利の裁定は、全員に対してしたものとみなす。

 (請求期限)

第十二条 弔慰金等の支給の請求は、施行日から起算して三年以内に行わなければならない。

2 前項の期間内に弔慰金等の支給の請求をしなかった者には、弔慰金等を支給しない。

 (弔慰金等の額)

第十三条 弔慰金の額は、死亡した者一人につき二百六十万円とする。

2 見舞金の額は、重度戦傷病者一人につき二百万円とする。

3 重度戦傷病者老後生活設計支援特別給付金の額は、重度戦傷病者一人につき二百万円とする。

 (弔慰金等の支給を受けることができない者)

第十四条 次の各号のいずれかに該当する者には、弔慰金等を支給しない。

 一 重大な過失によって負傷し、又は疾病にかかった者の遺族で、これにより第六条又は第八条に該当することとなったもの

 二 重大な過失によって負傷し、又は疾病にかかった者で、これにより第七条に該当することとなったもの

 三 死亡した者の死亡の日から施行日の前日までの間に離縁によって死亡した者との親族関係が終了した遺族

 四 禁 _ 錮以上の刑に処せられ、施行日においてその刑の執行を終わらず、又は執行を受けることがなくなっていない者(刑の執行猶予の言渡しを受けた者で施行日においてその言渡しを取り消されていないものを除く。)

2 弔慰金は、当該死亡した者の死亡又は第八条に規定する死亡した者の障害に関し、次の各号に掲げる給付を受けることができる者又は受けた者がある場合には、支給しない。

 一 恩給法その他の恩給に関する法令の規定による年金たる給付(給与期間が日本国との平和条約の最初の効力発生の日の属する月分以前のものを除く。)

 二 戦傷病者戦没者遺族等援護法(昭和二十七年法律第百二十七号)の規定(他の法律により準用する場合を含む。)による給付

 三 特定弔慰金等の支給の実施に関する法律(昭和六十三年法律第三十一号)の規定による給付

 四 弔慰金等に相当する給付を行うことを目的とする外国の法令による給付

3 見舞金及び重度戦傷病者老後生活設計支援特別給付金は、当該重度戦傷病者が、その者の障害に関し、前項各号に掲げる給付を受けることができ、又は受けたことがある場合には、支給しない。

 (弔慰金等の支給を受ける権利の承継)

第十五条 弔慰金等の支給を受ける権利を有する者が死亡した場合において、死亡した者がその死亡前に弔慰金等の支給の請求をしていなかったときは、死亡した者の相続人は、自己の名で、死亡した者の弔慰金等の支給を請求することができる。

2 前項の場合において、同順位の相続人が数人あるときは、その一人のした弔慰金等の支給の請求は、全員のためにその全額につきしたものとみなし、その一人に対してした弔慰金等の支給を受ける権利の裁定は、全員に対してしたものとみなす。

 (譲渡等の禁止)

第十六条 弔慰金等の支給を受ける権利は、譲渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。

 (非課税)

第十七条 租税その他の公課は、弔慰金等を標準として、課することができない。

 (都道府県が処理する事務)

第十八条 この法律に定める総務大臣の権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事が行うこととすることができる。

 (権限又は事務の委任)

第十九条 前条に規定するもののほか、この法律に定める総務大臣の権限又は権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条に規定する国の行政機関の長に委任することができる。

 (政令及び省令への委任)

第二十条 この法律に特別の規定がある場合を除くほか、弔慰金等に係る請求又は申請の経由及び弔慰金等の支払方法に関して必要な事項は政令で、この法律の実施のための手続その他その執行について必要な細則は総務省令で定める。

   附 則

 (施行期日等)

1 この法律は、平成十三年一月六日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

2 前項の規定にかかわらず、弔慰金等の支給を受ける権利の裁定は、施行日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日までの間は、行わないものとする。

 (総務省設置法の一部改正)

3 総務省設置法(平成十一年法律第九十一号)の一部を次のように改正する。

  第四条第八十九号の次に次の一号を加える。

  八十九の二 平和条約国籍離脱者等である戦没者遺族等に対する弔慰金等の支給に関する法律(平成十二年法律第百十四号)第九条第四項に規定する弔慰金等に関すること。

(内閣総理大臣署名) 

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