衆議院

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第19号 平成28年12月15日(木曜日)

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平成二十八年十二月十五日(木曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第十七号

  平成二十八年十二月十五日

    午前零時十分開議

 第一 安倍内閣不信任決議案(枝野幸男君外三名提出)(前会の続)

 第二 特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案(本院提出、参議院回付)

    …………………………………

    〔請願日程は本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 日程第一 安倍内閣不信任決議案(枝野幸男君外三名提出)(前会の続)

 日程第二 特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案(本院提出、参議院回付)

 請願日程 ウイルス性肝硬変・肝がん患者の療養支援、B型肝炎ウイルス排除治療薬等の研究・開発促進、肝炎ウイルス検診の推進に関する請願外七十四請願

 国家基本政策委員会及び懲罰委員会を除く内閣委員会外十四常任委員会並びに環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会を除く災害対策特別委員会外八特別委員会において、各委員会から申出のあった案件について閉会中審査するの件(議長発議)


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    午前零時十二分開議

議長(大島理森君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

 日程第一 安倍内閣不信任決議案(枝野幸男君外三名提出)(前会の続)

議長(大島理森君) 日程第一、安倍内閣不信任決議案を議題とし、前会の議事を継続いたします。

 討論を継続いたします。穀田恵二君。

    〔穀田恵二君登壇〕

穀田恵二君 私は、日本共産党を代表して、安倍内閣不信任決議案に賛成の討論を行います。(拍手)

 第一に、今国会における安倍政権の強権的な国会運営は断じて容認できません。

 今国会冒頭から政府・与党による強行採決発言が相次ぎ、その言葉どおりに、TPP協定と関連法案、年金カット法案、カジノ解禁推進法案などの強行採決が次々に行われました。いずれも国民生活にかかわる重要法案であり、世論調査では反対が多数であります。多くの国民が不安や疑問を抱き、慎重な審議を求めていたにもかかわらず、何時間審議しても同じだと採決を強行し、国会と国民をないがしろにした安倍政権の責任は極めて重大であります。

 そもそも国会審議とは何か。法案の内容、何をどう変えるのか、国民の生活や権利がどうなるのか、法案の全容を国民に明らかにするのが国会審議の責務であります。そのためには、審議内容を国民に明らかにし、資料を公開し、関係者や専門家、学識経験者などの意見を公聴会や参考人質疑を通じて審議に反映し、内容を深めていく努力が不可欠です。幾ら国会で多数議席を占めていても、それは個々の法案について国民から白紙委任を得たものでは決してありません。国民が納得できる徹底審議によって政治を進めるのが議会制民主主義ではありませんか。

 ところが、今国会、安倍総理が最優先課題と位置づけたTPPの審議はどうですか。

 TPPは関税撤廃を原則としており、農産物重要五項目を守るという国会決議に反し、日本の農林水産業に壊滅的打撃を与え、地域経済、地域社会を壊すものです。また、非関税障壁の撤廃と称して、食の安全や医療、医薬品分野、保険、共済事業など、あらゆる分野で仕組みが変えられ、国民の命と健康、暮らし、雇用が脅かされます。さらに、ISDS条項によって国の主権が侵害されるのであります。

 こうした多国籍企業の利益を優先し国民生活を壊すTPPに対する国民の疑問や不安に、政府はまともに応えなかったではありませんか。

 米国のトランプ次期大統領がTPP離脱を正式に表明し、TPPの発効が事実上不可能となりました。国民世論が慎重な対応を求めたのは当然です。

 にもかかわらず、安倍総理は、会期延長によってTPP承認を押し通し、TPP並みのレベルの高いルールをいつでも締結する用意があるという日本の国家意思を示すと強弁しました。これは、今後の日米二国間協議などの場でアメリカから一層の譲歩を迫られ、国民生活と日本経済に深刻な打撃をもたらすものであり、売国の政治と言わなければなりません。

 年金法案は、物価・賃金スライドとマクロ経済スライドの見直しによって際限なく年金が削減される、まさに年金カット法案であります。政府は将来世代の給付確保のためだと言いましたが、現役世代も将来の年金水準は低下し、若い世代ほど削減されるのであります。

 ところが、高齢者の生活を圧迫し、若者の将来不安を拡大する年金カット法案は、衆院厚労委員会でわずか十九時間の審議で強行採決しました。参考人質疑を行ったその日に強行採決したことは、国民の声に耳をかさない安倍政権の強権姿勢を示すものにほかなりません。

 カジノ解禁推進法案に至っては、延長国会になって審議入りを強行し、衆院内閣委員会で六時間にも満たない審議で採決を強行しました。

 カジノ、賭博場を解禁するという刑法原則にかかわるこの法案は、自民、維新による議員立法の形をとりながら、実際には安倍政権の成長戦略に位置づけられていました。つまり、官邸の肝いりで進めながら、政府が責任ある答弁はしないという無責任きわまりないものであります。

 国会法や規則、先例に基づく運営ルールさえ踏み破る強行採決は、国会の歴史に重大な汚点を残すものであり、必ずや国民の厳しい審判を受けざるを得ないことを厳しく指摘するものであります。

 第二に、立憲主義を破壊し、憲法を無視する暴走政治を進める安倍政権の政治姿勢であります。

 安倍政権は、昨年九月十九日、多くの国民の反対の声を押し切って、安保法制、戦争法を強行成立させました。

 我が国が攻撃を受けてもいないのに日本が武力行使できるなどという法律は、戦争放棄、戦力不保持、交戦権否認を明記した憲法九条に違反することは明白ではありませんか。にもかかわらず、存立危機事態などと称して、集団的自衛権を容認し海外派兵を可能とすることは到底認められません。

 そもそも、歴代政府が国会における論戦で積み重ねてきた、海外派兵はできない、集団的自衛権の行使はできないという政府見解は、一内閣で覆せるものではありません。いかに選挙で多数を得た政府であっても、その権力行使は憲法の範囲内に限られるという立憲主義を破壊する暴挙に広範な国民が声を上げ、憲法の平和主義を踏みにじった違憲立法に反対する運動が大きく発展したのは当然であります。

 ところが、この声に耳を傾けるどころか、安倍政権は、安保法制、戦争法の本格的な実施への暴走を開始しました。

 南スーダンPKOに派兵されている自衛隊に駆けつけ警護などの新任務を付与し、この任務遂行のための武器使用の権限を与えました。内戦が深刻化する南スーダンで自衛隊の任務を拡大するなら、最初の殺し、殺されるケースになりかねない危険があります。さらに重大なことは、南スーダン政府軍によって国連への攻撃が続発していることです。駆けつけ警護を行うなら、自衛隊が政府軍と交戦するという、憲法が禁止した武力行使に陥る危険があります。

 自衛隊の新任務付与を直ちにやめ、南スーダンから速やかに撤退し、日本の貢献は非軍事の人道民生支援に切りかえるべきであります。

 安倍総理が自民党の憲法改正草案を改憲のベースと位置づけ、改憲への動きを強めていることも重大です。

 自民党の改憲草案は、国民に国防義務を課し、九条を変えて国防軍を明記して集団的自衛権の全面行使に踏み切り、九十七条を全文削除するなど、基本的人権の尊重や国民主権という基本的価値を否定するものであり、断固として許されるものではありません。

 昨日、沖縄で米軍普天間基地所属のオスプレイが墜落事故を起こしました。多くの県民の反対の声を無視して配備を強行した日米政府の責任は極めて重大です。しかも、住民に被害を与えなかったことは感謝されるべきだという米軍司令官の発言は言語道断ではありませんか。

 全てのオスプレイの全面撤去と、新たな配備計画の撤回、米軍北部訓練場におけるオスプレイパッド建設を即刻中止、撤去することを強く求めるものであります。

 沖縄に負担軽減の名で新たな基地強化を押しつけることがそもそも間違いなのであります。辺野古新基地建設をやめ、危険な普天間基地は直ちに閉鎖し、無条件撤去することを強く要求するものであります。

 第三に、この三年半の安倍政権の経済政策、アベノミクスの行き詰まりと破綻であります。

 安倍総理は、世界で一番企業が活躍しやすい国を目指すと宣言し、まず大企業を応援し、大企業がもうけを上げれば、いずれは家計に回ってくると言い続けてきました。しかし、現実は、大企業は三年連続で史上最高の利益を上げましたが、労働者の実質賃金は三年のうちに年額で十七万五千円も減り、家計消費は実質十四カ月連続でマイナスとなっているではありませんか。

 このもとで、格差と貧困が一層拡大し、社会と経済の危機を深刻にしています。

 労働者の平均賃金は、一九九七年をピークに、年収で何と五十五万六千円も減少し、所得階層で見ても、増加しているのは年収二千万円以上のごく一部の高額所得者などであります。非正規雇用労働者の増大によって、低賃金労働者がふえているのであります。

 貧困が広がり、子供の貧困率は一六・三%となり、貧困の連鎖が深刻な社会問題となっています。働きながら生活保護水準以下の収入しかないワーキングプア世帯は、就業世帯の九・七%にも上っているのであります。

 ところが、安倍内閣は、格差と貧困に一層の拍車をかけようとしています。今国会で強行した年金削減にとどまらず、社会保障費の自然増削減路線のもと、医療費負担増、介護サービス取り上げ、生活保護切り下げなど、国民生活破壊に次々と手をつけようとしています。

 もはや、安倍総理に日本経済のかじ取りを任せるわけにはいかないのであります。

 今、求められているのは、格差と貧困を正すための改革です。そのためには、消費税一〇%増税をきっぱり断念し、富裕層と大企業への優遇税制を正し、応分の負担を求める、消費税に頼らない別の道へ転換することであります。経済政策を財界、大企業応援から国民の暮らし優先へと切りかえるべきです。

 軍拡や大型開発中心の予算にメスを入れ、社会保障、教育、子育て支援など、格差と貧困の是正につながる予算をふやすことが必要です。

 また、残業代ゼロ法案を撤回し、残業時間の法的規制、インターバル規制によって、過労死を生み出す長時間過密労働を解消する、真の働き方改革が必要です。

 さらに重大なことは、安倍政権が原発を重要なベースロード電源と位置づけ、将来にわたって推進することを決め、原発再稼働を進めていることです。

 東京電力福島第一原発事故から六年近くが経過しても、なお八万六千人もの人々が避難生活を強いられ、政府が進める避難指示解除と賠償の打ち切りが被害者に新たな苦しみを押しつけており、原発再稼働のために福島を切り捨てる政治に対する深い怒りが広がっています。破綻した原発再稼働路線を中止し、原発ゼロの日本に踏み出すことこそ求められています。

 最後に、私が訴えたいのは、安倍政権の暴走政治をどうしてストップするかであります。

 昨年、安保法制反対に立ち上がった市民の運動は、主権者は私だ、野党は共闘と声を上げ、憲法違反、立憲主義破壊の安倍暴走政治を打倒し、立憲野党の連合政権をつくる動きに発展してきました。

 これに応え、野党四党は、五月十九日の党首会談で、戦争法、安保法制の廃止、立憲主義の回復、アベノミクスによる格差と貧困の拡大を是正する、TPP、沖縄問題などで国民の声に耳を傾けない強権政治を変える、憲法改悪を許さないという四点で一致して、参議院選挙において一人区の野党統一候補を実現し、続いて総選挙での野党共闘を加速化させる協議を進めています。

 今こそ、立憲主義、民主主義、平和主義を貫く新しい政治、全ての国民の個人の尊厳を擁護する新しい政治を切り開くべきであります。そのために、野党と市民の共闘をさらに大きく発展させ、安倍政権を打倒し、自民党政治を終わらせ、野党連合政権をつくることを強く訴えるものであります。

 以上、安倍内閣不信任決議に賛成の討論を終わります。(拍手)

議長(大島理森君) 河野正美君。

    〔河野正美君登壇〕

河野正美君 日本維新の会の河野正美です。

 ただいま議題となりました内閣不信任決議案に反対の趣旨で討論をさせていただきます。(拍手)

 昨日、参議院議院運営委員会理事会において、年金制度改革関連法案とIR法案について、本日の参議院本会議で採決することを与野党が合意いたしました。両法案とも、民進党は共産党とともに廃案に持ち込むと言っていたはずですが、急転直下の合意となりました。

 両法案に賛成した我が党といたしましては歓迎すべきことですが、終盤国会での最重要課題について、採決で合意しながら、なぜ今、民進党や共産党が内閣不信任案を提出するのか、全く理解できません。

 本不信任案は、振り上げた拳をおろせなくなったために、苦し紛れで出されたものではないでしょうか。国民無視の、永田町の中での言いわけにしかならないパフォーマンスには断固反対であります。

 そもそも、年金改革法案もIR法案も、民進党が反対すること自体、理解に苦しみます。

 年金改革法案は、民主党政権当時、スライド制が一度も実施されなかったことで世代間格差が大きく広がってしまったために、必要な改正を行うものであります。自分たちが政権をとっていた時代の無為無策のために必要となった法案について、対案もなしに反対を言い募る姿勢に国民の理解は得られないでしょう。

 また、厚生労働委員会における審議では、前日夕刻を過ぎてから開会が決まることもたび重なり、多くの国家公務員に残業を強いてきました。このような国会審議のあり方も看過できるものではありません。

 重ねて問題なのは、民進党のIR法案への姿勢であります。

 民進党はこの法案について、今国会での議論が拙速だと批判をしてこられました。しかし、IRに関する議論は、もう何年も続いてきました。

 超党派のIR議連が結成されたのは二〇一〇年四月であり、同年五月には、国土交通省成長戦略会議の報告書に、新しい観光アイテムとしてIRを検討することが示されました。そして、二〇一一年一月には、行政刷新会議において、民間事業者によるカジノ運営について、関係府省の連携のもと、できるだけ早く具体的な検討を開始する必要があるとの案が出されました。

 しかも、以上の動きは、いずれも民主党政権当時のことでありました。

 行政刷新会議でカジノ運営をできるだけ早く検討するよう打ち出した当時の行政刷新担当大臣は、現在の民進党代表、蓮舫議員であります。審議の拙速云々という議論以前に、民進党にも、蓮舫民進党代表にも、そもそもIR法案に反対する資格などあるのでしょうか。

 ちなみに、日本維新の会の設立は二〇一二年九月であり、当時はまだ存在しておりません。我が党は、当時の経緯がどうであれ、我が国の将来のために、この法案に賛成をいたしております。

 ギャンブル依存症対策については、参議院における修正によってIR法案に盛り込まれました。附帯決議では、カジノ以外のギャンブルが原因となる依存症についても、包括的な取り組みを構築、強化すべきこととされております。

 今、既に、遊技とされるパチンコなどによって、依存症に苦しむ人や家族が数多くいらっしゃいます。依存症対策に向けた立法と予算措置を行うための大きな契機となる本法案について、民進党や共産党がギャンブル依存症への懸念を理由に反対し、内閣不信任案まで提出するのは、やはり理解に苦しみます。加えて言えば、議員立法であるIR法案の扱いについて内閣不信任案提出ということも筋が通りません。

 なお、我が党の足立康史議員に対し、民進党は今国会において四回目の懲罰動議を衆議院に提出されました。

 足立議員が質問に立った総務委員会でも外務委員会でも、民進党の筆頭理事を含め、理事会が問題なしと判断しているにもかかわらず、議員にとって極めて重大な意味を持つ懲罰動議を提出したことは誣告に当たり、暴挙であります。

 民進党のたび重なるレッテル張り、揚げ足取りに厳重に抗議するとともに、同党提出の無意味な内閣不信任案に断固反対することを申し上げ、討論といたします。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

議長(大島理森君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 採決いたします。

 この採決は記名投票をもって行います。

 本決議案に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。――議場閉鎖。

 氏名点呼を命じます。

    〔参事氏名を点呼〕

    〔各員投票〕

議長(大島理森君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖。

 投票を計算させます。

    〔参事投票を計算〕

議長(大島理森君) 投票の結果を事務総長から報告させます。

    〔事務総長報告〕

 投票総数 四百六十一

  可とする者(白票)        百十九

  否とする者(青票)      三百四十二

議長(大島理森君) 右の結果、安倍内閣不信任決議案は否決されました。(拍手)

    ―――――――――――――

枝野幸男君外三名提出安倍内閣不信任決議案を可とする議員の氏名

安住   淳君   阿部  知子君   青柳 陽一郎君   赤松  広隆君

荒井   聰君   井坂  信彦君   井出  庸生君   石関  貴史君

泉   健太君   今井  雅人君   江田  憲司君   枝野  幸男君

小川  淳也君   小熊  慎司君   緒方 林太郎君   大串  博志君

大島   敦君   大西  健介君   大畠  章宏君   太田  和美君

逢坂  誠二君   岡田  克也君   岡本  充功君   奥野 総一郎君

落合  貴之君   柿沢  未途君   金子  恵美君   神山  洋介君

菅   直人君   木内  孝胤君   吉良  州司君   黄川田  徹君

岸本  周平君   北神  圭朗君   黒岩  宇洋君   玄葉 光一郎君

小宮山 泰子君   小山  展弘君   後藤  祐一君   郡   和子君

近藤  昭一君   近藤  洋介君   佐々木 隆博君   坂本 祐之輔君

重徳  和彦君   階    猛君   篠原   豪君   篠原   孝君

鈴木  克昌君   鈴木  義弘君   田島  一成君   田嶋   要君

高井  崇志君   高木  義明君   武正  公一君   玉木 雄一郎君

津村  啓介君   辻元  清美君   寺田   学君   中川  正春君

中島  克仁君   中根  康浩君   長島  昭久君   長妻   昭君

野田  佳彦君   初鹿  明博君   伴野   豊君   平野  博文君

福島  伸享君   福田  昭夫君   古川  元久君   古本 伸一郎君

細野  豪志君   馬淵  澄夫君   前原  誠司君   牧   義夫君

升田 世喜男君   松木けんこう君   松田  直久君   松野  頼久君

松原   仁君   水戸  将史君   宮崎  岳志君   村岡  敏英君

本村 賢太郎君   山尾 志桜里君   山井  和則君   柚木  道義君

横路  孝弘君   横山  博幸君   笠   浩史君   鷲尾 英一郎君

渡辺   周君   赤嶺  政賢君   池内 さおり君   梅村 さえこ君

大平  喜信君   笠井   亮君   穀田  恵二君   斉藤  和子君

志位  和夫君   清水  忠史君   塩川  鉄也君   島津  幸広君

田村  貴昭君   高橋 千鶴子君   畑野  君枝君   畠山  和也君

藤野  保史君   堀内  照文君   真島  省三君   宮本  岳志君

宮本   徹君   本村  伸子君   玉城 デニー君   照屋  寛徳君

吉川   元君   上西 小百合君   川端  達夫君

否とする議員の氏名

あかま 二郎君   あべ  俊子君   安倍  晋三君   逢沢  一郎君

青山  周平君   赤枝  恒雄君   赤澤  亮正君   秋葉  賢也君

秋元   司君   秋本  真利君   浅尾 慶一郎君   麻生  太郎君

穴見  陽一君   甘利   明君   安藤   裕君   井野  俊郎君

井上  信治君   井上  貴博君   井林  辰憲君   伊東  良孝君

伊藤 信太郎君   伊藤  忠彦君   伊藤  達也君   伊吹  文明君

池田  道孝君   池田  佳隆君   石川  昭政君   石崎   徹君

石田  真敏君   石破   茂君   石原  伸晃君   石原  宏高君

稲田  朋美君   今枝 宗一郎君   今津   寛君   今村  雅弘君

岩田  和親君   岩屋   毅君   うえの賢一郎君   江崎  鐵磨君

江渡  聡徳君   江藤   拓君   衛藤 征士郎君   遠藤  利明君

小倉  將信君   小此木 八郎君   小里  泰弘君   小田原  潔君

小野寺 五典君   小渕  優子君   尾身  朝子君   越智  隆雄君

大岡  敏孝君   大串  正樹君   大隈  和英君   大塚  高司君

大塚   拓君   大西  英男君   大西  宏幸君   大野 敬太郎君

大見   正君   岡下  昌平君   奥野  信亮君   鬼木   誠君

加藤  鮎子君   加藤  勝信君   加藤  寛治君   梶山  弘志君

勝沼  栄明君   勝俣  孝明君   門   博文君   門山  宏哲君

金子  一義君   金子 万寿夫君   金子 めぐみ君   金子  恭之君

金田  勝年君   上川  陽子君   神谷   昇君   神山  佐市君

亀岡  偉民君   鴨下  一郎君   川崎  二郎君   河井  克行君

河村  建夫君   神田  憲次君   菅家  一郎君   木内   均君

木原  誠二君   木原   稔君   木村  太郎君   木村  弥生君

城内   実君   黄川田 仁志君   岸   信夫君   岸田  文雄君

北川  知克君   北村  茂男君   北村  誠吾君   工藤  彰三君

熊田  裕通君   小泉 進次郎君   小島  敏文君   小林  鷹之君

小林  史明君   小松   裕君   古賀   篤君   後藤  茂之君

後藤田 正純君   河野  太郎君   高村  正彦君   國場 幸之助君

今野  智博君   左藤   章君   佐々木  紀君   佐田 玄一郎君

佐藤   勉君   佐藤 ゆかり君   齋藤   健君   斎藤  洋明君

坂井   学君   坂本  哲志君   櫻田  義孝君   笹川  博義君

塩崎  恭久君   塩谷   立君   柴山  昌彦君   島田  佳和君

下村  博文君   白須賀 貴樹君   新谷  正義君   菅   義偉君

菅原  一秀君   助田  重義君   鈴木  俊一君   鈴木  淳司君

鈴木  貴子君   鈴木  憲和君   鈴木  隼人君   瀬戸  隆一君

関   芳弘君   園田  博之君   薗浦 健太郎君   田所  嘉徳君

田中  和徳君   田中  英之君   田中  良生君   田野瀬 太道君

田畑   毅君   田畑  裕明君   田村  憲久君   平   将明君

高市  早苗君   高木   毅君   高木  宏壽君   高鳥  修一君

高橋 ひなこ君   竹下   亘君   竹本  直一君   武井  俊輔君

武田  良太君   武部   新君   武村  展英君   橘  慶一郎君

棚橋  泰文君   谷   公一君   谷川  とむ君   谷川  弥一君

津島   淳君   辻   清人君   土屋  品子君   土屋  正忠君

寺田   稔君   とかしきなおみ君   土井   亨君   冨樫  博之君

渡海 紀三朗君   冨岡   勉君   豊田 真由子君   中川  俊直君

中川  郁子君   中谷   元君   中谷  真一君   中根  一幸君

中村  裕之君   中山  展宏君   中山  泰秀君   永岡  桂子君

長尾   敬君   長坂  康正君   長島  忠美君   二階  俊博君

丹羽  秀樹君   丹羽  雄哉君   西川  公也君   西村  明宏君

西村  康稔君   西銘 恒三郎君   額賀 福志郎君   根本   匠君

根本  幸典君   野田  聖子君   野田   毅君   野中   厚君

葉梨  康弘君   萩生田 光一君   橋本   岳君   橋本  英教君

馳    浩君   鳩山  二郎君   浜田  靖一君   林   幹雄君

原田  憲治君   原田  義昭君   比嘉 奈津美君   平井 たくや君

平口   洋君   平沢  勝栄君   ふくだ 峰之君   福田  達夫君

福山   守君   藤井 比早之君   藤丸   敏君   藤原   崇君

船田   元君   古川   康君   古川  禎久君   古田  圭一君

古屋  圭司君   星野  剛士君   細田  健一君   細田  博之君

堀井   学君   堀内  詔子君   前川   恵君   前田  一男君

牧島 かれん君   牧原  秀樹君   松島 みどり君   松野  博一君

松本   純君   松本  剛明君   松本  文明君   松本  洋平君

三ッ林 裕巳君   三ッ矢 憲生君   三原  朝彦君   御法川 信英君

宮内  秀樹君   宮川  典子君   宮腰  光寛君   宮崎  政久君

宮澤  博行君   宮路  拓馬君   宮下  一郎君   武藤  容治君

務台  俊介君   宗清  皇一君   村井  英樹君   村上 誠一郎君

望月  義夫君   茂木  敏充君   盛山  正仁君   森   英介君

森山   裕君   八木  哲也君   保岡  興治君   簗   和生君

山際 大志郎君   山口  俊一君   山口  泰明君   山口   壯君

山下  貴司君   山田  賢司君   山田  美樹君   山本  公一君

山本  幸三君   山本   拓君   山本ともひろ君   山本  有二君

吉川  貴盛君   吉野  正芳君   義家  弘介君   和田  義明君

若狭   勝君   若宮  健嗣君   渡辺  孝一君   渡辺  博道君

赤羽  一嘉君   井上  義久君   伊佐  進一君   伊藤   渉君

石井  啓一君   石田  祝稔君   稲津   久君   上田   勇君

浮島  智子君   漆原  良夫君   江田  康幸君   大口  善徳君

太田  昭宏君   岡本  三成君   北側  一雄君   國重   徹君

輿水  恵一君   佐藤  茂樹君   佐藤  英道君   斉藤  鉄夫君

高木 美智代君   高木  陽介君   竹内   譲君   角田  秀穂君

遠山  清彦君   富田  茂之君   中川  康洋君   中野  洋昌君

浜地  雅一君   濱村   進君   樋口  尚也君   古屋  範子君

真山  祐一君   桝屋  敬悟君   吉田  宣弘君   足立  康史君

井上  英孝君   伊東  信久君   浦野  靖人君   遠藤   敬君

小沢  鋭仁君   河野  正美君   木下  智彦君   椎木   保君

下地  幹郎君   谷畑   孝君   馬場  伸幸君   松浪  健太君

丸山  穂高君   吉田  豊史君   小泉  龍司君   仲里  利信君

長崎 幸太郎君   武藤  貴也君

     ――――◇―――――

 日程第二 特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案(本院提出、参議院回付)

議長(大島理森君) 日程第二、特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案の参議院回付案を議題といたします。

    ―――――――――――――

 特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案の参議院回付案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 討論の通告があります。順次これを許します。金子恵美君。

    〔金子恵美君登壇〕

金子恵美君 民進党の金子恵美です。

 私は、民進党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案の参議院回付案について、反対の立場から討論を行います。(拍手)

 特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案、いわゆるカジノ法案には、国会議員のみならず、国民の皆様、有識者、マスコミ等からさまざまな意見が出されています。

 主な論点を列挙すると、この法案の賭博性の違法性阻却のための確認が不十分であること、入場料と納付金の規定が、徴収することができると、できる規定になっていること、カジノによる経済効果が公正な論点からされていないこと、マネーロンダリング対策が十分でないこと、カジノ施設周辺の治安対策をどうするかということ、ギャンブル依存症対策をどう実施するか等々であり、それ以外にも数多くの問題点が指摘されています。

 国のあり方、社会のあり方さえ変えてしまう可能性のある、このような多くの問題のあるカジノ法を成立させるためだけに会期が延長されたことに怒りを感じております。

 この問題点を徹底的に議論することが国会に与えられた使命です。

 ところが、衆議院内閣委員会でのカジノ法案の審議時間は、わずか五時間三十三分にすぎませんでした。これだけ重要な法案の審議が、わずか五時間三十三分で議論できるわけはありません。賛成票を投じた方々は、このことをどのように考えているのでしょうか。見識を疑います。

 参議院内閣委員会では、批判の高まりを受け、ようやく参考人質疑を含めた十六時間程度の審議を行い、法案の中にギャンブル依存症対策などの文言を加えるなどの修正が行われました。

 しかし、問題点が解明されたとは到底思えません。なぜ問題点を無視したまま採決を急ぐのでしょうか。全く理解できません。

 以下、問題点を述べたいと思います。

 まずは、賭博性の違法性が阻却されるのかとの問題です。

 この問題が明確にならない限り、カジノ法案はそもそも違法な法案となってしまいます。しかし、衆議院、参議院の委員会や本会議での質疑等を聞いても、その問題が解決されたとは到底思えません。

 賭博性の違法性が阻却されるためには、目的の公益性、運営主体等の性格、収益の扱い、射幸性の程度、運営主体の廉潔性、運営主体の公的管理監督、運営主体の財政的健全性、副次的弊害の防止、以上八つの要件がクリアにならなければなりません。過去の委員会等の議論でそれは明確になっております。

 なぜ、これら八つの要件をクリアさせることをこの法案に書き込まなかったのでしょうか。違法性阻却のために十分に対応するべきとの旨を明確に法案に書き込むべきでした。違法であるという可能性のある法案を成立させることは、絶対に許せません。

 次に、ギャンブル依存症の問題です。

 多種多様な公営賭博が存在する日本において、ギャンブル依存症が疑われている人は五百三十万人余りもいると推定され、二〇一三年の調査では、成人男性の八・八%、成人女性の一・八%が病的賭博であると言われています。これは、日本が既にギャンブル大国であることを示しています。賭博を理由とした多重債務、失業、自殺、犯罪の誘発など、これら社会的コストは多大なる額に上ります。

 カジノ法案に賛成の方々の中には、本法案等が成立することにより、カジノの収益によってギャンブル依存症対策を推進することができると言われますが、ギャンブル依存症対策をカジノ収益で行うのは、余りにも本末転倒です。また、カジノの収益から充てるのでは遅過ぎます。

 そもそも、ギャンブル依存症対策を言うのであれば、わずか年間五億円程度しかない依存症対策予算を充実させることこそが必要ではないでしょうか。また、効果的なギャンブル依存症対策を早急に策定し、実施するべきです。

 次に、経済効果についてです。

 カジノ法案の立法目的には、経済の活性化が挙げられています。また、賛成派の方々は、シンガポールのカジノ施設を例に出し、カジノ施設を建設し、運営を行うことによる経済効果は多大なものがあると主張しています。

 また、安倍総理も、過去、シンガポールのカジノを視察したことに触れ、観光振興や地域振興、産業振興に資することが大いに私は期待されると思ったと述べ、日本の成長戦略の大きな目玉の一つになり得ると表明していました。

 しかし、アメリカのアトランティックシティー、マカオ、韓国などのカジノでは、減収や撤退が見られ、自治体の人口が減少したり、多額の損失をこうむったという調査結果も存在しています。

 本来であれば、経済効果については、プラス面のみの試算だけではなく、経済的なマイナス要因の可能性についても客観的に検証するべきです。これらの検証なくして、経済効果があると主張することはいかがなものでしょうか。

 カジノ建設による建設業への直接的な経済効果はあるのではという声もあります。しかし、安倍総理が進めている国土強靱化計画による公共事業の大規模な実施、二〇二〇年オリンピックを見据えたホテル建設のラッシュ等により、建設業界は恒常的な人手不足に陥っており、資材や人件費も高騰しています。

 ここで、私が声を大にして言いたいことは、東日本大震災、原発事故や熊本地震等からの復興を忘れないでいただきたいということです。大規模なカジノを建設することにより、一層の人手不足、資材不足が起こることは容易に想像されます。被災地の復興に全く影響がないとは言い切れません。

 TPPでもない、年金カット法でもない、カジノ法でもない、強行採決している場合ではない、復興に向けてしっかりと取り組みをしてほしい。それが被災地からの声です。その声が与党の皆様には聞こえていますか。

 治安対策も重要な問題です。

 諸外国の例を見ても、カジノあるところには、反社会的な団体の影が見られます。今後、カジノ営業を行う事業主体については、反社会的な団体を排除するための制度が整備されると言われておりますが、直接的に事業主体として参入し得なくても、事業主体に対する出資や、事業主体からの委託先や下請への参入等は十分可能と思われます。

 このように、反社会的な団体が関与することで、カジノ施設の周辺地域の治安が悪化し、周辺住民等に被害が及ぶ危険性も否定できません。

 今まで述べたように、この法案の抱えている問題点は山積しています。問題点について徹底的に議論を行うべきです。これらの問題点が解決されないまま、国民の皆様の不安な声を無視し、カジノ法案が成立することは、絶対にあってはならないことだということを申し上げ、そしてまた、強行採決を繰り返す政権与党に抗議を申し上げ、私の反対討論とさせていただきます。(拍手)

議長(大島理森君) 島津幸広君。

    〔島津幸広君登壇〕

島津幸広君 私は、日本共産党を代表して、特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案、いわゆるカジノ解禁推進法案の回付案に断固反対の討論を行います。(拍手)

 この法案は、刑法で禁じられている賭博を合法化するという、国のあり方を大転換する法律です。どの世論調査でも反対が賛成を大きく上回り、マスコミ各紙も拙速な審議に反対、批判している中、会期延長のどさくさに紛れ、衆議院内閣委員会に突如持ち出されてきました。

 議員立法であるにもかかわらず、与野党合意のないまま委員長職権で強引に審議入りをし、衆議院ではわずか五時間三十三分という短時間、十分な審議がなされないまま強行されたのです。

 こうした強引、乱暴な運営の結果、参議院で修正せざるを得なくなったわけで、この事態を生んだ自民、公明、維新各党の責任は極めて重大です。さらに、会期の再延長までして何が何でも押し通そうとする暴挙を重ねるやり方に厳しく抗議をいたします。

 日本の歴史上初めて民営賭博を合法化しようというこの法律案は、修正しても、何らその本質が変わるものではありません。

 カジノ解禁は何をもたらすのか。推進議連がまとめたカジノを含むIRの実現、実施に関する基本的な考え方の中でも、社会的関心事への対応として挙げているのは、暴力団組織の介入や犯罪の温床になること等を断固排除する、あるいは、マネーロンダリングを防止する、地域風俗環境悪化、公序良俗の乱れを防止する、青少年への悪影響を防止する、賭博依存症患者の増大を防止し、その対策のための機関を創設するなどと、カジノによるさまざまな害悪を認めているわけです。

 これらの対策、カジノの規制策について法案提出者は、政府が実施法の段階で適切に決めるという答弁を連発しました。法案施行後一年を目途に政府の責任で決める実施法に、まさに丸投げをしているのです。カジノ解禁だけを先に決め、多くの国民が心配していることに何もまともに答えていません。

 参議院での修正で、ギャンブル依存症等の防止について明示するなどとしていますが、ここでも、具体的にどのような対策をとるのかは何も明らかになっていません。このこと一つとってみても、この法案は廃案にすべきです。

 賭博は、なぜ禁止されてきたのか。それは、人々をギャンブル依存にし、仕事を怠けさせ、かけるお金欲しさに窃盗、横領などの犯罪まで誘発して、公序良俗を害するからです。そして、賭博が横行すれば、まともな経済活動も阻害されるからです。

 既に日本は、世界最悪のギャンブル依存大国です。二〇一四年八月に厚生労働省の研究班が公表した調査報告では、日本のギャンブル依存症患者は五百三十六万人。これは、成人人口の二十人に一人に上る数です。

 WHOによれば、依存症とは、ギャンブル行動を繰り返すことで生ずる脳の機能障害だとされています。行動による刺激が積み重なることによって、症状に見舞われ、悪化していくのです。

 最善の依存症対策は、そうした行動を引き起こさないこと、ギャンブルをさせないことです。

 カジノは、他のギャンブルと比べ依存症に誘導する危険が非常に高い、略奪的ギャンブルと呼ばれる賭博です。IR型カジノは、アメリカのラスベガスをモデルとして、現在、世界各地で導入が進められています。そこで導入される米国型の商業カジノは、収益極大化を目指して、依存状態に誘導するテクニックを凝縮させたものです。

 その手法は、時計も窓もない空間や刺激的な音楽等の演出で、独自の陶酔感をつくり出します。そして、短時間でのかけを繰り返し延々と続けさせ、大金を得る快感と失う喪失感を交互に味わわせることで、脳内に物質的依存症と同じ状態をつくり出す、あり金なくなるまでかけさせるというものです。

 カジノは、パチンコと比べても桁違いに刺激性の高いギャンブルです。カジノを解禁したなら、依存症患者が急増するのは火を見るよりも明らかです。カジノで依存症患者をふやし、莫大な公費、そしてカジノの上がりまでも使ってその対策をすると言います。まさにマッチポンプ。カジノを解禁しないことこそ、一番の依存症対策です。

 さらに心配なのは、青少年への影響です。

 提出者は、IRは国際会議場やホテル、レジャー施設など複合的な施設の一角にカジノがあるだけ、カジノの割合はほんの少し、三%にすぎないなどと言っています。しかし、それこそ大問題ではありませんか。家族連れで行くところにカジノがある。青少年が賭博場に触れ、育ったなら、どんな影響が出るのか。

 今でも、脱法ハーブや脱法ドラッグだけでなく、たばこやゲーム機、スマートフォンへの依存も含め、依存症という問題は、青少年に広範な影響を及ぼしています。こうした問題の解決のないまま、さらにカジノを合法化するようでは、真面目にこつこつと課題に取り組もう、真面目に働こうという教育などは、全くの絵そらごとになってしまいます。

 カジノ解禁が経済成長の起爆剤、成長戦略の目玉といった議論もあります。新たな付加価値を生み出すわけでもない賭博が、なぜ経済対策となり得るのか。

 カジノで雇用や税収が一時的にふえるかもしれません。しかし、そのふえた何倍もの人が、人生を賭博によって崩壊させられるのです。賭博で負けたお金、人の不幸で成り立つ成長戦略など言語道断、退廃のきわみです。

 カジノ産業は、今や、世界でもアジアでも、陰りを見せている斜陽産業となっています。カジノに依存するまちづくりの危険性は、アメリカで今顕著にあらわれています。

 ラスベガスと並んでカジノの町の象徴とされたアトランティックシティーでは、次々とカジノが倒産、三分の一が消滅する状態で、雇用で二五%、税収で一九%も減少しています。

 カジノの設置で、既存の産業や商業が破壊され、地域循環型経済やコミュニティーの崩壊が進んでいるのです。

 観光の振興に期待する議論もあります。しかし、リゾート地や温泉場にカジノができたらどうなるのか。外国の例を見ても、売春組織や闇金融は排除できません。それまで守ってきた観光資源が台なしとなり、風光明媚な町が賭博の町となり、一旦壊れたイメージは取り返せません。

 地域経済活性化のために、本来の地域の資源、観光資源を生かす道こそ、知恵と力を集中すべきです。

 賭博禁止の理由の一つに、国民経済の機能に重大な障害を与えるおそれが挙げられています。賭博は、経済成長どころか、経済成長の重大な妨げとなるものです。

 カジノ解禁推進法案は、まさに国を滅ぼしかねない希代の悪法と言わなければなりません。多くの国民の不安に応えず、圧倒的多数の反対を押し切って民間賭博、カジノを解禁するなら、取り返しのつかない大きな禍根を残すことになります。

 まさに、百害あって一利なし。この法案は、廃案にするしかありません。

 以上、反対討論を終わります。(拍手)

議長(大島理森君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 採決いたします。

 本案の参議院の修正に同意の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(大島理森君) 起立多数。よって、参議院の修正に同意することに決まりました。

     ――――◇―――――

 請願日程 ウイルス性肝硬変・肝がん患者の療養支援、B型肝炎ウイルス排除治療薬等の研究・開発促進、肝炎ウイルス検診の推進に関する請願外七十四請願

議長(大島理森君) 請願日程、ウイルス性肝硬変・肝がん患者の療養支援、B型肝炎ウイルス排除治療薬等の研究・開発促進、肝炎ウイルス検診の推進に関する請願外七十四請願を一括して議題といたします。

    ―――――――――――――

    〔報告書は会議録追録(二)に掲載〕

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 各請願は委員長の報告を省略して採択するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決まりました。

     ――――◇―――――

 委員会の閉会中審査に関する件

議長(大島理森君) お諮りいたします。

 国家基本政策委員会及び懲罰委員会を除く内閣委員会外十四常任委員会並びに環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会を除く災害対策特別委員会外八特別委員会から、閉会中審査をいたしたいとの申し出があります。

    ―――――――――――――

    〔閉会中審査案件は本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 各委員会から申し出のあった案件中、まず、厚生労働委員会から申し出の第百八十九回国会、内閣提出、労働基準法等の一部を改正する法律案は、同委員会において閉会中審査をするに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(大島理森君) 起立多数。よって、そのとおり決まりました。

 次に、外務委員会から申し出の日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における後方支援、物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、国土交通委員会から申し出の官民連携事業の推進に関する法律案は、各委員会において閉会中審査をするに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(大島理森君) 起立多数。よって、そのとおり決まりました。

 次に、内閣委員会から申し出の歳入庁の設置による内国税並びに労働保険料及び年金保険料等の徴収に関する業務の効率化等の推進に関する法律案、安全保障委員会から申し出の領域等の警備に関する法律案、周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律及び周辺事態に際して実施する船舶検査活動に関する法律の一部を改正する法律案、国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律の一部を改正する法律案及び第一線救急救命処置体制の整備に関する法律案、政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会から申し出の公職選挙法の一部を改正する法律案、公職選挙法及び地方自治法の一部を改正する法律案及び平成三十一年六月一日から同月十日までの間に任期が満了することとなる地方公共団体の議会の議員及び長の任期満了による選挙により選出される議会の議員及び長の任期の特例に関する法律案は、各委員会において閉会中審査をするに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(大島理森君) 起立多数。よって、そのとおり決まりました。

 次に、政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会から申し出の政党助成法を廃止する法律案は、同委員会において閉会中審査をするに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(大島理森君) 起立多数。よって、そのとおり決まりました。

 次に、ただいま閉会中審査をすることに決まりました案件を除く他の案件について、各委員会において申し出のとおり閉会中審査をするに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決まりました。

     ――――◇―――――

議長(大島理森君) 本日は、これにて散会いたします。

    午前一時二十三分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       内閣総理大臣  安倍 晋三君

       財務大臣    麻生 太郎君

       総務大臣    高市 早苗君

       法務大臣    金田 勝年君

       外務大臣    岸田 文雄君

       文部科学大臣  松野 博一君

       厚生労働大臣  塩崎 恭久君

       農林水産大臣  山本 有二君

       経済産業大臣  世耕 弘成君

       国土交通大臣  石井 啓一君

       環境大臣    山本 公一君

       防衛大臣    稲田 朋美君

       国務大臣    石原 伸晃君

       国務大臣    今村 雅弘君

       国務大臣    加藤 勝信君

       国務大臣    菅  義偉君

       国務大臣    鶴保 庸介君

       国務大臣    松本  純君

       国務大臣    丸川 珠代君

       国務大臣    山本 幸三君


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