衆議院

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第35号 平成30年6月8日(金曜日)

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平成三十年六月八日(金曜日)

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  平成三十年六月八日

    午後一時 本会議

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本日の会議に付した案件

 健康増進法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑


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    午後一時二分開議

議長(大島理森君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

 健康増進法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明

議長(大島理森君) この際、内閣提出、健康増進法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。厚生労働大臣加藤勝信君。

    〔国務大臣加藤勝信君登壇〕

国務大臣(加藤勝信君) ただいま議題となりました健康増進法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。

 我が国では、平成十五年以来、健康増進法により、多数の者が利用する施設を管理する者に受動喫煙の防止措置を講じる努力義務が設けられ、これまで一定の成果を上げてきました。しかし、依然として多くの国民がこうした施設において受動喫煙を経験している状況にあり、二年後の東京オリンピック・パラリンピックを一つの契機として国民の健康増進を一層図るためには、受動喫煙対策を更に強化していくことが必要です。

 このため、望まない受動喫煙の防止を図る観点から、多数の者が利用する施設等について、その区分に応じ、当該施設等の一定の場所を除き喫煙を禁止するとともに、当該施設等の管理権原者が講ずべき措置等について定めることとし、この法律案を提出いたしました。

 以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。

 第一に、国及び地方公共団体は、望まない受動喫煙が生じないよう、受動喫煙を防止するための措置を総合的かつ効果的に推進するよう努めなければならないこととします。

 第二に、多数の者が利用する施設等を第一種施設、第二種施設、喫煙目的施設及び旅客運送事業自動車等に区分して喫煙可能な場所を定め、何人も、その場所以外の場所で喫煙をしてはならないこととします。

 また、これらの施設等の一部の場所において、厚生労働省令で定める基準に適合した室等を専ら喫煙をすることができる場所として定めることができることとし、当該場所を定めるときは、必要な事項を記載した標識を掲示しなければならないこととします。

 第三に、多数の者が利用する施設等の管理権原者等は、喫煙禁止場所に喫煙器具及び設備を設置してはならないこととし、喫煙可能な場所に二十歳未満の者を立ち入らせてはならないこととします。

 第四に、現に存する飲食営業が行われている施設のうち、一定の要件を満たす施設については、受動喫煙の防止に関する国民の意識や当該施設における受動喫煙を防止するための取組の状況を勘案して別に法律で定める日までの間、当該施設の管理権原者は、当該施設の屋内の全部又は一部の場所を喫煙をすることができる場所として定めることができることとし、当該場所を定めるときは、必要な事項を記載した標識を掲示しなければならないこととします。

 第五に、第二種施設等の管理権原者は、加熱式たばこによる受動喫煙が人の健康に及ぼす影響に関する科学的知見に鑑み、当分の間、当該施設等の屋内の一部の場所のうち、厚生労働省令で定める基準に適合した室を加熱式たばこのみの喫煙をすることができる場所として定めることができることとし、当該場所を定めるときは、必要な事項を記載した標識を掲示しなければならないこととします。

 最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、平成三十二年四月一日としています。

 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)

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 健康増進法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(大島理森君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。吉田統彦君。

    〔吉田統彦君登壇〕

吉田統彦君 立憲民主党の吉田統彦です。

 私は、ただいま議題となりました健康増進法の一部を改正する法律案につきまして、立憲民主党・市民クラブを代表して質問いたします。(拍手)

 冒頭、一言申し上げます。

 一体、あの財務省の調査報告は何ですか。肝心なところはすっぽりと抜け落ち、大臣も官邸も全く知らなかったなどと、こんなことを誰が信じるのですか。あれこれ言うまでもなく、財務省の信用はもはや地に落ちた感があります。そんな中でもいまだに放言を繰り返す麻生財務大臣、その麻生大臣に寄りかかる安倍総理。もはや二人そろっておやめいただく以外に道はありません。

 こんなていたらくの政権が、この期に及んでカジノ導入を強行とは、あきれて物も言えません。日本を改ざん天国、ギャンブル天国にしたいのですか。

 右向け右を繰り返し、官邸の御意向を伺うだけの政治家は、立法府には不要です。こういうときだからこそ、立法府としての矜持を見せようではありませんか。このことを与党の皆さんに強くお訴えし、質問に入ります。

 加藤大臣は、大臣所信で、望まない受動喫煙のない社会の実現に向けて、子供や患者等に特に配慮しつつ、施設の類型や場所ごとに禁煙措置や喫煙場所の特定を行うとともに、喫煙場所にはその旨の掲示を義務づけることなどを内容とする法律案を今国会に提出するとおっしゃいましたが、本法案に関する受動喫煙防止は、屋内の受動喫煙の防止を基本としたものになっています。

 また、屋外の受動喫煙の防止は自治体ごとの条例の方が進んでおり、約一割程度の自治体で、屋外の受動喫煙防止等のために路上喫煙を禁止する条例などが制定され、また、東京都では子供を受動喫煙から守る条例が制定されています。

 子供に対して、歩きたばこによるけがなどを防止する観点から、受動喫煙等は、屋内ルールのみならず、屋外ルールも考えるべきと考えます。

 もちろん、愛煙家の立場を鑑みれば、屋内もだめ、屋外もだめということになりかねませんので、各自治体の条例との兼ね合いも含めた屋外における分煙と、望まない受動喫煙や子供のたばこによるけがを防止するような屋外ルールの確立についての政府の見解をお伺いいたします。

 あわせて、二〇二〇年にオリンピックは日本で開催されます。車の窓を開放して喫煙して、車外に灰を捨てたり、吸い殻をポイ捨てするドライバーを散見しますが、車からの灰や吸い殻のポイ捨てはマナー違反ですし、オリンピックに向けてやめさせるべきです。公道をごみ箱とすることはあり得ず、こういったマナー違反は優良な喫煙者の肩身も狭くします。道路交通法も含めて厳罰にすべきと考えますが、いかがでしょうか。

 あわせて、たばこを吸いながら運転することに関して、しばしば片手運転になることや、心身への影響を含めて、その是非に関しても政府のお考えをお伺いいたします。

 この二点に関して、見解をお聞かせください。

 次に、本法案では、病院や行政機関の庁舎などの第一種施設は敷地内禁煙とされていますが、国会は第一種施設となっていません。第一種施設に受動喫煙防止対策を推進していく立場の国会を含めなかった理由をお伺いします。

 また、第一種施設については、厚生労働省令で定める受動喫煙を防止するために必要な措置がとられた場所と定義されている特定屋外喫煙場所で喫煙が可能となっています。特定屋外喫煙場所とは、具体的にどのような場所を想定しているのでしょうか。

 さらに、昨年三月公表の「基本的な考え方の案」では敷地内禁煙の例外は認められていませんでしたが、今回、特定屋外喫煙場所での喫煙を認めた理由をお伺いします。

 次に、緩和ケア病棟や精神科病棟において、現在病院の施設内で喫煙が行われているケースはあるのでしょうか。緩和ケアの関連団体からは、緩和ケアを受けている患者の喫煙習慣に配慮し、病院を喫煙専用室設置可の原則屋内禁煙としてほしいとの要望が出されたと仄聞しておりますが、本法案により、病棟内での喫煙は例外なく認められなくなるという理解でよろしいでしょうか。

 次に、飲食店のテラス席、屋根のない球場など、当該場所を屋内と判断するか、屋外と判断するか、難しいケースがありますが、そうした場所の具体的な扱いについての政府の対応をお伺いいたします。

 次に、東京オリンピック・パラリンピック競技大会やラグビーワールドカップの開催に当たり、多くの外国人の方が来日することが見込まれますが、喫煙専用室等の標識については、そうした外国人の方にもわかるようなものとすることを省令に書き込むのか、政府の見解をお伺いします。

 また、法案では、二〇二〇年のオリンピックに間に合わせることとしておりますが、法律の施行を、来年、二〇一九年開催のラグビーワールドカップに合わせた方が、我が国に来る外国人の方にも日本の受動喫煙対策が進んでいることをアピールできると考えます。本法案では、国際的に対応が遅過ぎると考えますが、いかがでしょうか。

 更に申しますと、一九九〇年代以降、アメリカのカリフォルニア州やニューヨーク州などでは、一般の職場はもちろん、レストランやバーも全面禁煙とする動きが始まりました。そして、アイルランドでは、二〇〇四年に世界で初めて国全体を全面禁煙とする法律が施行され、同年のニュージーランド、その後も、ウルグアイ、イギリス、香港、トルコ、そしてアメリカでも半数以上の州で屋内を全面禁煙とする法律が成立しています。喫煙する利用者の利便性よりも、他の利用者や飲食店等の従業員を受動喫煙から保護する方が重要と考えたからです。

 二〇一六年時点で、五十五カ国が全面禁煙になっています。国、州によっては、子供が乗っている自家用車内までもが規制の対象になっています。こうした海外の規制が進んだ国では、段階的に規制を厳しくしていった経緯もあります。これらの国、州では、法律で公共空間での喫煙を規制しており、違反者への罰金はもちろん、違反を容認した施設にも罰金と営業停止処分などの罰則が定められているため、誰も違反をいたしません。

 こうした流れの背景の一つには、やはり国際条約、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約の存在があります。受動喫煙については、二〇〇七年の第二回締約国会議で、喫煙室や空気清浄機による対策は不適切であり、受動喫煙を防止するためには一〇〇%全面禁煙とする必要があるとの方針が示されたからです。

 我が国でも、本法案の成立後、更に段階的に規制を厳しくしていくつもりはありますか。お伺いします。

 次に、加熱式たばこの受動喫煙による健康影響が明らかになるのはおよそ何年後と政府は考えているのでしょうか。コホート研究等でエビデンスが出るには数十年を要する可能性もあります。それまで評価をしないのですか。見解を求めます。

 現時点で健康に悪影響を与える可能性があるなら、紙巻きたばこと全く同じ規制をかけるべきとの考え方もあるのではないでしょうか。施設屋内で喫煙可能な場所について、本法案では、加熱式たばこについては、加熱式たばこ専用喫煙室を設ける場合には、喫煙とともに飲食をすることも可能になります。加熱式たばこを吸い、呼気として排出される中には有害物質も含まれます。受動喫煙防止の観点からも、大臣の所信表明の趣旨に照らしても、本法案では不十分と考えますが、政府の見解をお伺いします。

 次に、本法案では、施設面積から厨房等を除いた客席面積が百平米以下かつ資本金五千万円以下等の要件を満たした既存の飲食店について、喫煙が引き続き可能となります。多数の者が利用する施設を一律に屋内全面禁煙としなかった理由について、百平米と五千万円という要件の妥当性も含めてお伺いします。

 加えて、既存の中小規模の飲食店では喫煙を認めることにより、喫煙できる店とそうでない店とが競争条件に差が生まれて、フェアとは言いがたい状況が発生すると考えますが、政府の見解をお伺いします。

 また、既存特定飲食提供施設で受動喫煙防止対策を実施していない飲食店は全体の五五%と政府は推計していますが、どのように算出したのか、お伺いいたします。

 次に、一つの施設等に異なる類型の施設等が入っている場合、例えば複合施設に診療所や客席面積が百平米以上のレストラン等が入っている場合、その施設における受動喫煙防止措置についてはどのように判断するのか、政府の見解をお伺いします。

 あわせて、いまだ多くの国民の理解が得られたとは言いがたいIR法案、いわゆるカジノ法案ですが、欧米のカジノは、ギャンブルを楽しみながら飲食が可能であったり、また同じフロア内にレストランや飲食スペースがありますが、当然カジノ内は原則屋内禁煙となると考えますが、政府に確認いたします。

 次に、本法案では、施設の管理権原者が喫煙専用室等の標識の掲示義務に違反した場合などには、実際には保健所が指導することになりますが、これまで以上に保健所の業務の負担が増加すると見込まれます。今後、予算措置により保健所の体制の充実強化を図ることを検討されるのでしょうか。また、喫煙専用室を設置している施設における従業員の受動喫煙の被害を生じさせないため、施設の管理権原者に対しどのような対応を求めていくのか、政府の見解をお伺いします。

 最後に、諸外国の中には、屋内禁煙とされていても屋外であれば喫煙が可能である国もありますが、我が国においては路上喫煙が禁止されている地域もあります。本法案の内容に加えて、各自治体の条例を含めて、喫煙可能な場所について外国人の方にもわかるように示すべきであると考えますが、政府の見解をお伺いいたします。

 オリンピック・パラリンピックの開催国として、世界に恥じないトップレベルの受動喫煙防止対策を講ずるべきであることを申し上げまして、私の質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣加藤勝信君登壇〕

国務大臣(加藤勝信君) 吉田統彦議員より、まず、屋外における禁煙の規制についてのお尋ねがありました。

 屋外については、通常、煙が拡散することや、その場に長時間とどまることが想定されないことから、今回の法案では、多数の方が利用する施設の屋内を原則屋内禁煙とする等の規制を設けることとしています。

 一方で、御指摘のとおり、屋外であっても、多数の方が通行する場所など、近くを通る非喫煙者が容易に煙にさらされるような環境を喫煙場所とすることは望ましいとは言えません。

 このため、屋外等で喫煙をする際に、周囲の状況に配慮すべき旨の規定を法案の中に設けているほか、屋外における望まない受動喫煙を防止するための環境を迅速に整備するため、地方自治体への財政支援を行うこととしております。

 たばこのポイ捨て及び運転中の喫煙についてのお尋ねがありました。

 灰や吸い殻の廃棄については、環境美化等の観点から、地方自治体のポイ捨て防止条例などにおいて規制されている例があることは承知していますが、今般の法案は望まない受動喫煙を防ぐことを目的とするものであり、たばこのポイ捨てという行為は規制の対象とはしておりません。

 また、今回の法案では、喫煙可能な場所で喫煙をする場合にあっても周囲の状況に配慮すべき旨の規定を設けており、こうした規定の趣旨も含め、受動喫煙の心身への影響等について国民への周知啓発を行ってまいります。なお、運転中の喫煙については、道路交通法では禁止されていないと承知をしております。

 国会を第一種施設に含めなかった理由についてお尋ねがありました。

 今回の法案においては、多数の方が利用する施設を原則屋内禁煙としつつ、喫煙専用室でのみ喫煙できることを原則とした上で、国や地方公共団体の行政機関については、国民や住民の健康を守る観点から、受動喫煙対策を総合的かつ効果的に推進する責務が課せられていることから、対策をより一層高めた敷地内禁煙となる第一種施設としております。

 この法案において、立法及び司法の機関についてはそうした責務が課せられておらず、行政機関とは異なることから、原則屋内禁煙とし、喫煙専用室でのみ喫煙できるという原則的な取扱い、すなわち第二種施設としているところであります。それ以上の取組については、それぞれの機関において御判断いただくべきものと考えております。

 特定屋外喫煙場所や緩和ケア病棟等における規制内容についてお尋ねがありました。

 本法案において、病院や学校等の第一種施設は敷地内禁煙としていますが、敷地内を全面禁煙とした場合、施設外での喫煙に伴う近隣施設等との摩擦などの問題も生じ得ること等から、特定屋外喫煙場所において限定的に喫煙を認めることとしたものであります。

 特定屋外喫煙場所は、望まない受動喫煙を生じさせないよう、施設の利用者が通常立ち入らない場所などを想定しております。

 また、緩和ケア病棟や精神科病棟も含め、病院の屋内は全面禁煙となります。なお、入院中の患者等が喫煙を希望される場合には、この特定屋外喫煙場所で御対応いただきたいと考えております。

 屋外と屋内の判断についてお尋ねがありました。

 本法案においては、屋内については、たばこの煙が滞留し、望まない受動喫煙による健康影響が生じることから、原則禁煙とする一方、屋外については、たばこの煙が上空に拡散していくことから、二十歳未満の者や患者が主たる利用者となる学校、病院などを除き、禁煙等の措置は講じておりません。

 屋内については、たばこの煙が滞留する場所、すなわち、たばこの煙の流出や外気の流入が妨げられる場所を想定しており、基本的には、屋根及び側壁などによって区画されている建物内であるかどうかで判断することとなります。また、屋外については、屋内でない場所となり、こうした考え方に照らして具体的に判断してまいります。

 喫煙専用室等の標識についてのお尋ねがありました。

 本法案では、喫煙場所の特定を行うとともに、喫煙が可能となる場所に標識の掲示を義務づけることとしております。

 この標識については、外国人も含め、誰にでもわかりやすいものとする必要があると考えており、今後、モデル的な様式を省令等でお示しすることも含めて検討してまいります。

 本法案の施行日及び成立後の規制のあり方についてお尋ねがありました。

 本法案は、本法案が社会全体に影響を与えるものであること、また、喫煙専用室等を設置する場合には、施設の改修等に一定の時間を要することに鑑み、事業者の方に過剰な負担が生じないよう、二〇二〇年四月一日を最終的な施行日として、段階的に対応していくこととしております。

 また、本法案には、法律の施行から五年経過後の見直し規定を盛り込んでおります。このため、法施行後に各施設での受動喫煙対策の実施状況を調査、把握し、必要に応じて法律の見直しをすることとしております。

 加熱式たばこの健康影響評価及び規制のあり方についてお尋ねがありました。

 加熱式たばこの受動喫煙による健康影響については、比較的短期間で症状があらわれるものと、相当な期間後にあらわれるものがあり、中長期的な研究が必要な課題であると認識しており、今後とも評価を続けてまいります。

 加熱式たばこの主流煙内に健康影響を与える化学物質が含まれていることは明らかでありますが、現時点の科学的知見では、その受動喫煙による将来的な健康影響を予測することは困難です。このため、加熱式たばこの規制については、喫煙室内でのみ喫煙を認めるものの、紙巻きたばこのように喫煙室内では喫煙しかできないとはしておりません。

 既存飲食提供施設における経過措置対象の要件についてのお尋ねがありました。

 本法案では、既存の飲食店のうち経営規模が小さい事業者が運営するものについては、直ちに喫煙専用室等の設置を求めることが事業継続に影響を与えると考えられることから、一定の経過措置を講じたものであり、不公平とは考えておりません。

 また、経過措置の対象となる事業者の要件については、今申し上げた考えに沿って、資本金及び客席面積で判断することとしております。具体的には、資本金要件については、中小企業基本法における中小企業の定義などを踏まえ、五千万円以下とし、面積要件については、既に受動喫煙防止条例が施行されている神奈川県や兵庫県の例も踏まえ、客室面積百平米以下としております。

 既存特定飲食提供施設に関する経過措置の対象範囲についてお尋ねがありました。

 経済センサス等の調査結果をもとに、さまざまな仮定を置いた一つの推計として、個人又は中小企業が運営する店舗が飲食店全体の約九割強、客室面積百平米以下の店舗が飲食店全体の約八割強、喫煙等の受動喫煙対策を実施していない店舗が飲食店全体の約七割強であることから、これらの数字をもとに、本法案の経過措置の対象となり得る飲食店を全体の約五・五割程度と見込んだものであります。

 複合施設における受動喫煙防止についてのお尋ねがありました。

 例えば、複合ビルに診療所や客席百平米以上のレストランがそれぞれ独立して入っている場合については、それぞれの施設ごとに判断することが基本となりますが、病院の中に飲食店がある場合など、それぞれが独立せずに、第一種施設の中に第二種施設がある場合は、第二種施設の部分も第一種施設と同様の規制となり、喫煙専用室の設置は認められません。

 カジノ内の喫煙の取扱いについてお尋ねがありました。

 お尋ねのカジノは、第二種施設に分類されることとなると考えられますので、原則屋内禁煙となり、喫煙専用室内でのみ喫煙できることとなります。

 保健所の体制と従業員の受動喫煙対策についてのお尋ねがありました。

 本法案における新たなルールについては、まずは広く周知徹底を図り、しっかりと遵守していただける環境を整備することが重要と考えております。

 その上で、違反が生じている事例などについては、保健所が指導監督を担うこととなりますが、保健所の体制を整備するための支援について、今後、自治体の意見も伺いながら、関係省庁と調整をしてまいります。

 また、従業員の受動喫煙対策については、施設の管理権原者に対し、喫煙可能な場所への二十歳未満の立入りを禁止する義務を課すことに加え、事業者等に対し、従業員の受動喫煙を防止するための措置を講ずる努力義務規定を設けるとともに、対応の具体例をガイドラインで示すこと、また、事業主が求人を行う際の明示事項に、職場における受動喫煙対策の状況を追加することとともに、助成金等によりその取組を支援することにより、望まない受動喫煙が生じないよう対応してまいります。

 路上喫煙のルールについてのお尋ねがありました。

 屋外については、通常、煙が拡散することや、その場に長時間とどまることが想定されないことから、今回の法案における規制の対象とはしていませんが、屋外で喫煙する際の配慮義務を設けるとともに、分煙環境の整備を進めることとしております。

 御指摘のとおり、屋外も含め、望まない受動喫煙をなくしていくためには、外国人、日本人を問わず、喫煙可能な場所をわかりやすくすることも重要であり、今後、既に路上喫煙に対する規制を行っている自治体とも、法案の施行に向けてよく相談をしてまいります。

 以上であります。(拍手)

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議長(大島理森君) 白石洋一君。

    〔白石洋一君登壇〕

白石洋一君 国民民主党の白石洋一です。

 私は、国民民主党・無所属クラブを代表しまして、ただいま議題となりました政府提出、健康増進法の一部を改正する法律案について、厚生労働大臣に質問します。(拍手)

 まず、受動喫煙対策に対する基本的スタンスについてお伺いします。

 国立がん研究センターの発表によれば、受動喫煙を受けなければ亡くならずに済んだ方は、国内で少なくとも年間約一万五千人とされています。これは、交通事故で亡くなる方よりもはるかに多い人数です。

 受動喫煙対策は喫緊の課題であり、それを早期に実行すべきであるということは、与野党一致していると考えます。ただし、受動喫煙対策は、働く者の命、国民の命をいかに守るかという観点が先で、飲食店などを受動喫煙対策の規制からいかに利益を守るかはその次という順番で策定すべきであると考えます。この点について、厚労大臣の所見を伺います。

 昨年六月に当時の塩崎厚労大臣が出した談話には、国民の健康を第一に、世界に恥じない受動喫煙対策の法案をできるだけ早期に提出とありますが、政府案は、国民の健康第一で、世界に恥じない法案となっていると胸を張って言えるのでしょうか。明快な答弁を求めます。

 次に、法案の審議日程についてお伺いします。

 国民の健康を守るため、また、二〇一九年のラグビーワールドカップや二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに間に合わせるために、迅速に法改正を行わなければならないという事情は十分理解します。

 しかし、政府・与党の中のすったもんだの議論によって法案提出が大幅におくれたにもかかわらず、野党に会期末の短期間で審議しろというのは、国会軽視も甚だしいと言わざるを得ません。国会提出が大幅におくれたことについて、まず野党への謝罪があってしかるべきではないでしょうか。答弁を求めます。

 また、国民の健康と命にかかわる法案を拙速に審議したのでは、将来に禍根を残すおそれがあります。受動喫煙対策の法案については、慎重な審議を行うことを強く求めます。厚労大臣の見解を伺います。

 次に、飲食店の規制の特例について伺います。

 昨年三月、厚労省から、「受動喫煙防止対策の強化について(基本的な考え方の案)」が示されました。その案では、規制の対象から外すのは小規模なバーやスナック等に限定されていました。昨年六月の塩崎厚労大臣談話でも、例外措置は小規模飲食店を対象とされていました。

 ところが、今国会に提出された政府案では、対象外となる施設が大幅に拡大し、個人又は中小企業かつ客室面積百平米以下の既存の飲食店とされています。

 昨年三月の厚労省案からなぜ変わったのか、国民に対してその議論の経緯や考え方を明確に説明することが必要です。答弁を求めます。

 政府案では、特例措置で規制の対象外となる店舗が全飲食店の約五・五割にも上ります。これで、法案の目的である、望まない受動喫煙の防止という目的を達成することができるのでしょうか。明快な答弁を求めます。

 厚労省は、昨年三月に厳しい案を示した際には、受動喫煙対策の規制を導入した諸外国の状況として、飲食店への影響に関する百六十五調査のうち、信頼性の高い四十九の調査では、ほとんどのものがレストラン、バー等の経営に影響なしという結論だったと強調しています。

 厚労省は、現時点でも、受動喫煙対策の規制を導入しても飲食店経営への影響はないという考えに変わりはないのでしょうか。もし考えに変わりがないのであれば、なぜ、今国会に提出した法案では、客室面積百平米以下というように、規制を当初の案から大幅に緩めてしまったのでしょうか。答弁を求めます。

 政府案の規制の特例は、別に法律で定めるまでの間の措置とされていますが、別に法律で定めるまでの間とは、いつまでを想定しているのですか。塩崎厚労大臣談話で、時限を明確にした激変緩和措置としての位置づけとすべきとされていることを踏まえれば、時期を明確に示すべきではないでしょうか。明確な答弁を求めます。

 次に、国会や地方議会の位置づけについて伺います。

 昨年三月の厚労省案では、国会や地方議会は喫煙専用室を設置できないこととされていましたが、政府案では、国会、地方議会を喫煙専用室の設置可能な第二種施設に位置づけています。

 なぜ規制を緩めたのですか。隗より始めよで、国会や地方議会の建物は喫煙専用室を設置できない第一種施設にすべきであると考えますが、大臣御自身はどうお考えか、答弁を求めます。

 次に、医療施設等の位置づけについて伺います。

 昨年三月の厚労省案では、健康上の配慮を要する者が利用する施設である医療施設、小中高校等は敷地内全面禁煙とされていましたが、政府案では、屋外に喫煙場所を設置することができる第一種施設に位置づけています。

 また、昨年三月の厚労省案では、老人福祉施設や運動施設について、喫煙専用室を設置できないとされていましたが、その後の政府案では、老人福祉施設や運動施設を喫煙専用室の設置可能な第二種施設に位置づけています。

 なぜ、このように規制を緩めたのでしょうか。答弁を求めます。

 次に、飲食店で働く立場から見た受動喫煙対策について伺います。

 政府案は、従業員のうち、二十歳未満の者については喫煙可能場所に立ち入らせてはいけないこととしていますが、二十歳以上の者についてはそのような制限を課しておらず、使用者に対して適切な措置をとることを努力義務のみとしたり、省令により、従業員の募集の際にどのような受動喫煙対策を講じているかについて明示することとしている程度です。

 受動喫煙対策が不十分な飲食店等には就職しなければよいということになりますが、もともと働いている人は、自分が働いている飲食店等の受動喫煙対策が不十分だと思った場合にどのように対応したらよいのでしょうか。答弁を求めます。

 東京都は、従業員を使用している飲食店を原則屋内禁煙とする条例案を議会に提出する予定です。東京都は、従業員という、人に着目した対策とPRしていますが、政府としては東京都の条例案をどのように評価されているのでしょうか。答弁を求めます。

 次に、加熱式たばこの取扱いについて伺います。

 政府案では、加熱式たばこの煙が他人の健康にどのような影響を及ぼすのかが明らかではないという理由から、紙巻きたばこと異なる扱いとし、飲食等もできる喫煙室内での喫煙を認めることとしています。また、報道によれば、東京都が提出予定の条例案も、専用の喫煙室を設ければ飲食もできるように内容を変更したとのことです。

 たばこメーカーは加熱式たばこに力を入れていますが、現時点では厚労省は加熱式たばこの健康への影響をどのように認識しているのか、健康への影響があるのかないのか、いつまでにどのように確認していくのでしょうか。答弁を求めます。

 次に、屋外での受動喫煙対策について伺います。

 屋内での受動喫煙対策のための規制を厳しくすると、屋外で吸う人がふえることが想定されます。そのため、屋外喫煙所の整備を進めていく必要があると考えますが、政府はどのような対策、支援を講じていくのでしょうか。答弁を求めます。

 全国の市町村のうち、路上喫煙を何らかの形で規制する条例があるのは二百六十自治体で、全体の約一五%にとどまっています。子供が歩きたばこをしている人と遭遇することは少なくないと考えられますが、路上での喫煙に対して、規制を自治体の対応だけに任せていていいのでしょうか。答弁を求めます。

 次に、施行期日について伺います。

 政府案では、第一種施設に係る施設はラグビーワールドカップまでに実施するとされているものの、その他の重要な飲食店等に対する規制は二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックまでに全面実施とされています。国民の健康を守る観点からは、施行日はもっと早くすべきではありませんか。答弁を求めます。

 次に、受動喫煙対策の政府案を所管する厚労省の健康局長が、同じ省の女性職員にセクハラが疑われるメールを繰り返し送り、戒告処分を受けた事案について伺います。

 東京労働局長が公権力を振りかざして報道機関に圧力をかける発言を行ったことで懲戒処分を受けたばかりであり、厚労省の緩みは目に余るものがあります。また、受動喫煙対策とは、社会のマナーをルール化するという倫理的な意味合いも持ちます。その先頭に立つべき事務方のリーダーである健康局長の当該事案について、厚労省の責任者である加藤厚労大臣はどのように考えているのか、厚労省内で再発防止のためにどのような対策を講じたのか、伺います。

 あわせて、既に国民民主党は、パワハラを伴うセクハラも対象となるパワハラ規制法案を参議院に提出し、審議されています。この法案に御賛同いただけると考えますが、答弁を求めます。

 最後に、誰もが受動喫煙の被害を受けることなく健康で長生きできる社会となるよう、実効性のある受動喫煙対策を早期に導入することを強く求めまして、私の質問とさせていただきます。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣加藤勝信君登壇〕

国務大臣(加藤勝信君) 白石洋一議員より、まず、受動喫煙対策の考え方及び本法案の趣旨についてのお尋ねがありました。

 我が国では、依然として多くの国民がさまざまな施設において受動喫煙を経験している状況にあり、二年後の東京オリンピック・パラリンピックを一つの契機として国民の健康増進を一層図るためには、受動喫煙対策を更に強化していくことが必要であります。

 このため、今回の法案では、望まない受動喫煙をなくすという基本に立ち、多数の方が利用する施設等について、法律上、原則屋内禁煙とするものであります。

 この際、既存の小規模飲食店については経過措置を設けているものの、新たに開設する店舗については原則屋内禁煙となること、喫煙可能場所について、二十歳未満の方の立入りを禁止することといった内容を盛り込んでおり、今後、受動喫煙対策が段階的に進む実効性のある案になっております。

 また、我が国では、各自治体における屋外、路上での喫煙の規制が先に進んでいる経緯があるなど、他国と異なる事情もあると考えており、本法案により、我が国としての総合的な受動喫煙対策を着実に進めてまいります。

 法案の提出時期及び審議についてのお尋ねがありました。

 今回の法案は、国民の健康増進を一層図るために、受動喫煙対策を更に強化するものであり、東京オリンピック・パラリンピックの前の二〇二〇年四月に全面的に施行することとしていることから、政府・与党内での議論を経て、今国会の法案の提出期限内に提出をしたものであります。

 また、本法案は、これまで努力義務による自主的な対応によっていた受動喫煙対策について、法律上新たに設ける義務のもとで段階的かつ着実に前に進めるものであり、その意義は大変に大きいと考えております。

 委員より、受動喫煙対策ができるだけ早く講ぜられることが重要であるとの御指摘をいただいたところであり、精力的に御審議いただきたいと考えております。

 昨年三月に厚労省が公表した「基本的な考え方の案」からの変更理由、経過措置及び法案の実効性についてのお尋ねがありました。

 昨年三月に、面積が一定規模以下のバー、スナック等を経過措置の対象とすることなどを内容とする基本的考え方の案を公表しましたが、経過措置の範囲などをめぐり、政府・与党内でなお調整を要する状況が続いておりました。

 このような経緯も踏まえた上で検討した結果、喫煙専用室の設置等を直ちに義務づけることが事業継続に大きな影響を与えると考えられる、一定規模以下の飲食店への配慮が必要と考えられることから、バーやスナックに限らず、経過措置を設けた上で、本法案を提出したものであります。

 その上で、本法案には、新たに開設する店舗を原則屋内禁煙とし、また、喫煙可能な場所に二十歳未満の方の立入りを禁止するといった内容を盛り込んでおり、受動喫煙対策が段階的に進む実効性のある案になっていると考えております。

 受動喫煙対策の規制の経営への影響についてのお尋ねがありました。

 お尋ねの経営への影響については、例えば、WHOのIARC、国際がん研究機関による報告において、レストラン、バー等を全面禁煙にしても、総じてマイナスの経済影響は認められなかったとの記載があることは承知をしております。

 しかしながら、この調査については、屋外についての規制がない海外におけるデータであることや、個別の飲食店ごとに見た場合には、禁煙化に伴ってプラス、マイナスの両面の影響が出ることは否定されていないことも踏まえると、今回の受動喫煙対策が個別の店舗の経営に影響を与えないと言い切ることは難しいと考えております。

 このため、既存の飲食店のうち経営規模の小さい店舗に対する経過措置を設けるとともに、喫煙専用室等の整備費用への助成などの支援も行っていくことにより、受動喫煙対策が着実に進むような環境整備を進めてまいります。

 飲食店の規制の特例措置の終期についてのお尋ねがありました。

 既存の特定飲食提供施設に係る経過措置の終期である「別に法律で定める日」については、現時点において具体的に想定しているものではありません。

 本法案の施行後、受動喫煙防止に関する国民の意識や、既存の特定飲食提供施設における受動喫煙防止のための取組の状況を勘案し、適切に判断してまいります。

 国会を第一種施設に含めなかった理由についてお尋ねがありました。

 今回の法案においては、多数の方が利用する施設を原則屋内禁煙としつつ、喫煙専用室でのみ喫煙できることを原則とした上で、国や地方公共団体の行政機関については、国民や住民の健康を守る観点から、受動喫煙対策を総合的かつ効果的に推進する責務が課せられていることから、対策をより一層高めた敷地内禁煙となる第一種施設としております。

 この法案においては、立法及び司法の機関についてはそうした責務が課せられておらず、行政機関とは性格が異なるものであることから、原則屋内禁煙とし、喫煙専用室でのみ喫煙ができるという原則的な取扱い、すなわち第二種施設としているところであります。それ以上の取組については、それぞれの機関において御判断いただくべきものと考えております。

 医療施設や老人福祉施設等に関する規制の内容についてお尋ねがありました。

 本法案では、受動喫煙による健康被害、健康影響が大きい子供、患者等が主たる利用者となる学校や病院などの施設を第一種施設に分類し、敷地内禁煙としております。

 一方、第一種施設の敷地内を全面禁煙とした場合、施設外での喫煙に伴う近隣施設等との摩擦などの問題も生じ得ることなどから、特定屋外喫煙場所において限定的に喫煙を認めることとしております。

 老人福祉施設等については、主として利用される方が子供や患者等ではないため、第一種施設ではなく第二種施設に分類し、原則屋内禁煙としつつ、喫煙専用室でのみ喫煙できることとしております。

 飲食店等で働く人の立場から見た受動喫煙対策についてのお尋ねがありました。

 本法案では、施行の際現に従業員を使用する者に対して、その実情に応じ、従業員の受動喫煙を防止するため適切な措置をとるよう努力義務を課しております。

 厚生労働省としては、こうした規定に基づき、事業場内の換気などの対策を行うことや、そうした対策状況を従業員に周知することなど、受動喫煙対策の具体例をガイドラインによりお示しするとともに、喫煙専用室の整備等への支援を進めることとしております。

 東京都の条例案についてのお尋ねがありました。

 東京都におかれては、四月二十日に条例の骨子案を公表された後に、検討を進められ、条例案を都議会に送付されたと伺っております。

 一般論として、各自治体の条例において、法律に上乗せの規制を課すことはあり得るものであります。東京都におかれては、オリンピック・パラリンピックの開催都市としてのお立場から、内容を検討されてきたものと承知をしております。

 政府としては、受動喫煙対策を進める観点から、東京都を始めとする関係自治体と、引き続きよく協力連携してまいります。

 加熱式たばこの健康への影響についてお尋ねがありました。

 加熱式たばこについては、その主流煙に健康に影響を与えるニコチンや発がん性物質が含まれていることは明らかですが、現時点の科学的知見では、受動喫煙による将来的な健康影響を予測することは困難であります。

 また、受動喫煙を受けてから健康影響を生じるまでには、比較的短期間で症状があらわれるものと、相当な期間後にあらわれるものがあります。

 そのため、加熱式たばこの健康影響については、諸外国における研究の動向、今後さまざまな種類の加熱式たばこが開発される可能性なども踏まえて、中長期的に研究をしてまいります。

 屋外喫煙所の整備についてのお尋ねがありました。

 屋外における望まない受動喫煙を防止するための環境を迅速に整備する観点から、屋外における分煙環境の整備を行う地方自治体に対し、財政支援を行うこととしております。

 路上喫煙の規制についてのお尋ねがありました。

 屋外については、通常、煙が拡散することや、その場に長時間とどまることが想定されないことから、今回の法案では、多数の方が利用する施設の屋内を原則屋内禁煙とするなどの規制を設けることとしております。

 一方で、御指摘のとおり、屋外であっても、多数の方が通行する場所など、近くを通る非喫煙者が容易に煙にさらされるような環境を喫煙場所とすることは望ましいとは言えません。

 このため、屋外における分煙環境の整備への財政的支援を行うこととしているほか、屋外等で喫煙をする際に、周囲の状況に配慮すべき旨の規定を本法案の中に設けております。

 本法案の施行日についてのお尋ねがありました。

 本法案は、本法案が社会全体に影響を与えるものであること、また、喫煙専用室等を設置する場合には、施設の改修等に一定の時間を要することに鑑み、事業者の方に過剰な負担が生じないよう、二〇二〇年四月一日を最終的な施行日として、段階的に対応していくこととしております。

 こうしたことから、新しいルールについて丁寧に説明、周知を行い、受動喫煙対策を段階的かつ着実に前に進めてまいります。

 セクハラ防止についてのお尋ねがありました。

 幹部職員によるセクハラ行為が発生したことは、まことに遺憾であります。

 厚生労働省においては、幹部職員に対して、セクハラ防止に関して遵守すべき事項について、法令遵守マニュアルを再度確認するよう指示するなど、信用失墜行為の再発防止の徹底を図っているところであります。

 パワハラ規制法案についてお尋ねがありました。

 御指摘の法案については、議員立法であることから、国会において御判断いただくべきものと考えております。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 伊佐進一君。

    〔伊佐進一君登壇〕

伊佐進一君 公明党の伊佐進一です。

 ただいま議題となりました健康増進法改正法案について、公明党を代表し、質問いたします。(拍手)

 国立がん研究センターの研究によりますと、受動喫煙によって、肺がんのリスクは一・三倍、脳卒中も一・三倍、乳幼児の突然死症候群のリスクは四・七倍に高まると言われています。少なくとも年間一万五千人が、受動喫煙をしなければがん等で死亡せずに済んだとの推計も発表されています。

 そもそも喫煙をしない人たちが、望まない受動喫煙によって健康被害をこうむらざるを得ないこの現状を、政治が放置するわけにはまいりません。

 我が党は、受動喫煙対策は喫緊の課題であり、これ以上の先送りは許されないとの思いで、実効性ある法案を政府に求めてまいりました。公明党の申入れ事項として法案に反映された事項を踏まえつつ、以下、質問をいたします。

 受動喫煙対策を推進するためには、屋内原則禁煙を徹底すべきです。一方で、今既にある飲食店のうち、特に経営規模が小さい事業者に対して一定の配慮がなければ、現実に受動喫煙対策を前に進めることはできません。本法案では、そうした配慮として、特定の施設については経過措置をとることとしております。

 我が党としては、国民の健康を守るという本来の目的を考えれば、この屋内原則禁煙の例外措置の範囲は、甘過ぎる対応とならないよう、極力限定すべきだと主張してまいりました。政府あるいは与党内の審議において、この点のバランスが最も大きな争点であったと認識しております。

 国民の健康を厳格に守っていくという法の趣旨と、現場での混乱を最小限に抑えて確実に取組を前に進めていくというバランスについて、本法案でどのように実現されているのか、見解を求めます。

 今回の法案において、経過措置の対象として喫煙可能となった飲食店であっても、自主的に受動喫煙対策を進める事業者には、国は、その取組を後押ししていくべきと考えます。また、本法の規制が適用されて喫煙専用室を設ける事業者についても、とりわけ中小企業の方々に対しては、現場で着実に取組が進むよう、負担軽減の措置も必要です。

 こうした中小の事業者が行う受動喫煙対策に対して、国は具体的にどのような支援を行っていくのかを伺います。

 受動喫煙の影響が大きい二十歳未満の方々、妊婦あるいは患者等の皆様には、受動喫煙が生じないように、屋内、屋外を通じて特段の配慮が必要です。

 あわせて、飲食店で働く従業員に対しても、望まない受動喫煙を防止する措置を我が党は求めてまいりました。ある飲食店で働くアルバイトの学生は、バイトから帰ってくると、たばこのにおいがすごいと家族から言われたとの声もあります。こうした方々に対して、具体的にどのような配慮がなされるのかを伺います。

 法案では、全ての学校や病院、児童福祉施設等において、敷地内禁煙が規定されています。一方、事務所や飲食店については、屋内全面禁煙もあれば、禁煙専用室を設置するところ、加熱式たばこは喫煙可能なところ、全面喫煙可能であるところなど、規模や態様によってさまざまとなります。

 望まない受動喫煙を防止するためには、こうした分類について事業者への周知啓発が必要であるとともに、飲食店のお客さんが入店前にこの分類を一目で確認できるようなわかりやすい標識が必要であると思いますが、御所見を伺います。

 今回の法案によって、経過措置の対象として引き続き喫煙可能となる既存の飲食店は、最大で飲食店全体の五・五割と推計されています。

 しかし、新規店舗については、その規模にかかわらず、原則屋内禁煙が適用されます。よって、新たに出店する店舗が二年間で約二割、五年間で約三割という現状を考えれば、規制対象は今後大きく拡大していくと考えられます。

 さらには、法律の規制が予定している以上に、受動喫煙対策が広がっていくことも期待されます。

 例えば、国による新たな規制が成立することを受けて、各自治体がそれぞれの地域の実情に合わせて上乗せ規制をすることも考えられます。また、現場レベルでは、二十歳未満の従業員は喫煙場所への立入りが禁止になるため、人手不足の現状において、高校生のアルバイトなどに頼る業者は、働き手確保のために、事業者の判断で全面禁煙にする店も出てくるでしょう。

 このように、本法案をきっかけとして、今後、受動喫煙対策が拡大していくことが期待されます。見解を求めます。

 先日、東京都は、独自の受動喫煙防止条例案を発表いたしました。その内容は、従業員を雇用している飲食店は店舗面積に関係なく原則屋内禁煙とするというもので、都内の飲食店の八〇%以上が対象となる見通しです。これに対して、飲食店などの業界団体は、慎重な議論を求める要望書を提出しております。

 こうした自治体独自の上乗せ規定に対して、政府はどのような見解を有しているのか、伺います。

 加熱式たばこによる受動喫煙について伺います。

 今回の法改正においては、加熱式たばこ専用の喫煙室を設置すれば、飲食をしながら喫煙することが可能となっております。

 加熱式たばこは、二〇一四年十一月に世界で初めて販売されてから、近年、その販売量を急速に伸ばしています。世界二十五カ国以上で販売されている中、その販売量の九割が日本向けであり、国内たばこ市場でのシェアが一〇%を超えるのは日本のみです。他国と比較すると、日本は加熱式たばこが最も広まった国と言えます。

 加熱式たばこは、販売して数年であって、受動喫煙によるリスクについてはさらなる研究が必要です。しかし、ニコチン濃度は紙巻きたばこと比べれば低いものの、加熱式たばこに有害物質が含まれていることには変わりはありません。

 加熱式たばこが急速に広まっている日本の現状を踏まえれば、健康影響に対する調査研究を早急に進めるとともに、現状においても、望まない受動喫煙が生じないよう、しっかりとした対策をとるべきだと考えますが、見解を伺います。

 がん対策推進基本計画における目標設定について伺います。

 昨年度までの第二期がん対策推進基本計画においては、受動喫煙対策について具体的な目標が書き込まれておりました。例えば、行政機関や医療機関では二〇二二年度までに受動喫煙の機会をゼロ%にする、家庭については三%に、飲食店については一五%にすると掲げられております。ところが、今年度から始まった第三期計画においては、具体的な目標となる数字が書き込まれておりません。これをもって、政府の受動喫煙対策が後退したのではないかとの指摘があります。

 改めて、第三期がん対策推進基本計画における目標の趣旨とあわせて、受動喫煙対策にかける姿勢について伺います。

 日本人の死因の一位は依然としてがんとなっています。とりわけ肺がんは、男性では死因の一位、女性では二位であり、さらに近年では、肺がんの罹患率は男女ともますます増加してきております。

 こうした観点からも、今回の健康増進法改正案は、がんやそのほかの疾病を予防し、健康寿命を延ばすことにつながる重要な法案です。国民の命を守るという国会の重大な責任をひしひしと感じつつ、本法案について、与野党を超えた生産的、建設的な議論が進められることを心から願い、私の質問とさせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣加藤勝信君登壇〕

国務大臣(加藤勝信君) 伊佐進一議員より、まず、本法案の趣旨と円滑な施行についてのお尋ねがありました。

 本法案では、望まない受動喫煙の防止を図る観点から、多数の者が利用する施設等について、法律上、原則屋内禁煙としている一方、既存の飲食店については、事業継続に影響を与えることに配慮し、一定の猶予措置を講じています。

 こうした仕組みとすることで、国民の健康増進を一層図るという法の趣旨と、円滑な施行を図るというバランスを実現するもので、これにより受動喫煙対策を着実に進めてまいります。

 飲食店の中小事業者が行う受動喫煙対策に対する支援についてのお尋ねがありました。

 今回の法案では、望まない受動喫煙をなくすという考え方に基づき、全ての施設について原則屋内禁煙を実施することとしています。

 飲食店についても、既存の飲食店のうち、経営規模が小さい事業者が運営するものについて、事業継続への影響に配慮し、一定の猶予措置を講じている以外は、原則屋内禁煙となり、喫煙を認める場合は、喫煙専用室の設置が必要となります。

 このため、中小企業の事業主等による喫煙専用室の設置等に対し、予算措置による費用の助成や、租税特別措置を活用することによる税負担の軽減により、支援を行ってまいります。

 受動喫煙に対する影響が大きい方への配慮と飲食店の従業員の受動喫煙対策についてのお尋ねがありました。

 今回の法案では、受動喫煙による影響が大きい子供、患者等が主として利用する施設については、第一種施設として、受動喫煙対策をより一層高めた敷地内禁煙としています。

 また、既存の小規模飲食店など、喫煙可能場所のある施設で働く従業員については、喫煙可能な場所について二十歳未満の立入りを禁止すること、事業者等に受動喫煙防止のための措置を講ずる努力義務を設けるとともに、対応の具体例をガイドラインで示して助言指導を行うこと、事業主が求人を行う際の明示事項に、職場における受動喫煙対策の状況を追加することにより、望まない受動喫煙が生じないよう対応してまいります。

 飲食店における標識と周知啓発についてお尋ねがありました。

 今般の法案では、禁煙措置や喫煙場所の特定を行い、喫煙が可能となる場所に掲示を義務づけることとしています。

 この掲示については、誰にでもわかりやすいものとする必要があると考えており、今後、モデル的な様式をお示しすることも含めて、しっかりと内容を検討してまいります。

 また、この法案の実効性を高めるためには、受動喫煙対策の必要性も含め、広く国民に御理解をいただくことが重要と考えており、今後、飲食関係団体とも連携しながら、周知徹底を図ってまいります。

 法案をきっかけとした受動喫煙対策の拡大についてのお尋ねがありました。

 本法案は、望まない受動喫煙を防止する観点から、多数の方が利用する施設について、法律上、原則屋内禁煙とするものです。

 この際、既存の小規模飲食店については経過措置を設けているものの、新たに開設する店舗については原則屋内禁煙となること、喫煙可能な場所について二十歳未満の方の立入りを禁止することといった内容を盛り込んでおり、今後、受動喫煙対策が段階的に進む実効性のある案になっていると考えており、これにより、受動喫煙対策を着実に進めてまいります。

 自治体による独自の規制についてのお尋ねがありました。

 今回の法案は、全国統一的な最低限の規制を設定するものであることから、条例において法律よりも緩い規制を設けることは、健康増進法の目的や効果を阻害することになり認められませんが、条例において、法律に上乗せの規制を課すことはあり得るものと考えております。

 加熱式たばこによる受動喫煙についてのお尋ねがありました。

 御指摘のとおり、加熱式たばこは、その主流煙に健康に影響を与えるニコチンや発がん性物質であるホルムアルデヒドなどが含まれていることは明らかですが、現時点の科学的知見では、受動喫煙による将来的な健康影響を予測することは困難であります。

 このため、本法案では、紙巻きたばこと同様の規制は行わないものの、仮に将来、受動喫煙による健康影響が明らかになった場合への影響等を考慮し、当分の間、学校や病院等では敷地内禁煙、それ以外の施設では、喫煙専用室又は加熱式たばこ専用の喫煙室内でのみ喫煙を認めることとしております。

 加熱式たばこに関する研究は重要な課題であると認識しており、引き続き、鋭意研究に取り組んでまいります。

 がん対策推進基本計画における目標の趣旨と受動喫煙対策にかける姿勢についてお尋ねがありました。

 がん対策推進基本計画においては、受動喫煙に係る目標として、本基本計画の計画期間中において、望まない受動喫煙のない社会をできるだけ早期に実現することを盛り込んでおります。

 この目標は、望まない受動喫煙をなくすことであり、これは望まない受動喫煙をゼロとすることと同義であるため、後退をしているわけではありません。がん対策推進基本計画に基づく各種施策を進めることで、望まない受動喫煙のない社会の実現に向けて取り組んでまいります。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 森夏枝君。

    〔森夏枝君登壇〕

森夏枝君 日本維新の会の森夏枝です。

 健康増進法の一部を改正する法律案について質問をいたします。(拍手)

 我々日本維新の会は、昨年五月に続き、本年二月二十八日、加藤厚労大臣に対して、受動喫煙防止に関する提言を行いました。

 他の先進国と比較すると、受動喫煙対策が不十分な我が国でも、東京オリンピック・パラリンピックにおいて数多くの観光客を迎えるに当たり、国際社会の動きと調和した受動喫煙対策を講ずることによって、より一層の健康増進施策を推進することが必要と考えます。

 世界保健機関と国際オリンピック委員会は、たばこのないオリンピックを実現することで合意をしています。我が国も、本格的な受動喫煙防止策を実行すべきであると考えております。

 肺がんは、部位別のがん死亡者数が最も多く、喫煙との関連が大きいだけでなく、子供を含む非喫煙者も受動喫煙により発症リスクが高まることもわかっております。

 WHOでは、喫煙で毎年七百万人が死亡、家庭や政府による医療費の支出や生産性の喪失によって毎年一兆四千億ドル以上の経済損失が発生しているとの報告がなされております。

 社会保障や生産性の観点からも、まずは禁煙対策を進めることが何より重要と考えますが、加藤厚労大臣に御所見をお伺いします。

 次に、がん対策推進基本計画との関係についてお伺いします。

 がん対策基本法によって、がん死亡率の減少に向けた取組が進められているにもかかわらず、三月九日に閣議決定された第三期がん対策推進基本計画においては、たばこ対策について、喫煙率の減少と受動喫煙防止を図る施策の一層の推進との記述にとどまっており、数値目標は設定されておりません。

 平成二十八年に実施された国民健康・栄養調査では、職場の受動喫煙の機会を有する者の割合は三〇・九%と、前年度から改善が見られておらず、受動喫煙対策は待ったなしです。

 がん対策基本法の趣旨を踏まえ、受動喫煙を防止するためにも、挑戦的な数値目標を法案に先んじて設定すべきであったと考えますが、今回の法案とがん対策基本計画を連動させた取組の必要性について、加藤厚労大臣の御所見をお伺いします。

 また、先ほどの調査においては、飲食店での受動喫煙が最も多く、利用者が受動喫煙防止対策を飲食店に対して望む割合も高くなっています。にもかかわらず、本法案では、飲食店に対しては原則屋内禁煙としているものの、経過措置等によって事実上骨抜きとなってしまったことはまことに遺憾であります。

 我が党は、店舗面積三十平米以下の飲食店については、未成年者の入店を禁止した上で喫煙可能とする提言を行いましたが、政府の提案内容では、中小企業や個人が運営する店舗面積百平米以下の店舗、これは全飲食店のおよそ五五%に当たりますが、ここでは、表示をすれば喫煙可能としています。

 習慣的喫煙者の割合は全体の一八・三%と、年々減少している傾向にあります。国民の大多数が喫煙者でないのですから、二〇二〇年にたばこのない五輪を実現することも可能なはずです。

 今回の措置については、国民の声ではなく、利害調整の結果であるにすぎないと考えています。加藤厚労大臣は、こうした調査結果を踏まえた上で、また、世界と比べて大きくおくれをとる受動喫煙対策しか行わないことについてのお考えをお答えください。

 我々日本維新の会は、社会の仕組みを変えるために既得権と闘い、国民が求める政策を実現し、新しい日本を開くために今後も努力を続けることをお約束して、私の質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣加藤勝信君登壇〕

国務大臣(加藤勝信君) 森夏枝議員より、まず、喫煙による経済損失の観点からの禁煙対策の推進についてお尋ねがありました。

 喫煙や受動喫煙により健康影響があることは科学的に明らかとなっております。

 このため、厚生労働省では、第二次健康日本21において、成人喫煙率の減少、未成年者及び妊娠者の喫煙をなくすことに関する目標を掲げ、禁煙支援や普及啓発等の取組を進めております。

 さらに、受動喫煙対策を強化するため、多数の者が利用する施設等について原則屋内禁煙とする本法案を提出したところであり、これらの取組を通じて、望まない受動喫煙をなくすこととしております。

 健康増進法改正法案とがん対策推進基本計画を連動させた取組の必要性についてお尋ねがありました。

 本法案において、望まない受動喫煙をなくすための対策を徹底することを踏まえ、がん対策推進基本計画においても、本法案の閣議決定とあわせて、本基本計画の計画期間中において、望まない受動喫煙のない社会をできるだけ早期に実現することを目標として追加しております。

 この目標は、望まない受動喫煙をなくすことであり、これは望まない受動喫煙をゼロとすることと同義であります。本法案とがん対策推進基本計画に基づく各種施策を進めることで、望まない受動喫煙のない社会の実現に向けて取り組んでまいります。

 我が国の受動喫煙対策が世界と比べておくれているのではないかとのお尋ねがありました。

 今回の法案は、多くの方が利用する施設について、法律上、原則屋内禁煙とした上で、必要な経過措置等を設けることとしております。

 これは、我が国の受動喫煙対策を、法律上初めて、新たに設ける義務のもとで段階的かつ着実に前に進めるものであり、その意義は大きいと考えております。

 また、既存の小規模飲食店については経過措置を設けているものの、新規店舗は原則屋内禁煙とすること、二十歳未満の方を喫煙可能場所に立ち入らせないことといった内容を盛り込んでおり、今後、受動喫煙対策が段階的に進む実効性のある案になっていると考えております。(拍手)

議長(大島理森君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

議長(大島理森君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後二時十七分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       厚生労働大臣   加藤 勝信君

 出席副大臣

       厚生労働副大臣  高木美智代君


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