衆議院

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第3号 令和元年10月8日(火曜日)

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令和元年十月八日(火曜日)

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 議事日程 第三号

  令和元年十月八日

    午後二時開議

 一 国務大臣の演説に対する質疑(前会の続)

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本日の会議に付した案件

 国務大臣の演説に対する質疑 (前会の続)


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    午後二時二分開議

議長(大島理森君) これより会議を開きます。

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 国務大臣の演説に対する質疑(前会の続)

議長(大島理森君) 国務大臣の演説に対する質疑を継続いたします。泉健太君。

    〔泉健太君登壇〕

泉健太君 戦後民主主義を体現する国会は、第二百回を迎えました。歴史を紡いでこられた歴代の議員、職員、そして全国民の皆様に深く感謝を申し上げ、国権の最高機関、唯一の立法機関として国会が今後も民主的に機能するよう、皆様とともに全力を尽くしてまいります。

 ただいまより、共同会派、立憲民主・国民・社保・無所属フォーラムを代表し、国民民主党、泉健太が、総理の所信表明演説に対し質問をさせていただきます。(拍手)

 まず冒頭、地元、京都伏見で起きた京都アニメーション放火事件で亡くなられた方々に心から哀悼の誠をささげ、被害に遭われた皆様にお見舞いを申し上げます。全国、全世界から寄せられたメッセージ、また御支援に深く感謝をし、党派を超えて取り組んだ京都アニメーションへの公的寄附窓口の設置も、関係省庁の迅速な御調整に心から感謝を申し上げます。

 それでは、質問に入ります。

 まず、台風十五号です。被災された全ての皆様に改めてお見舞いを申し上げます。

 昨日、枝野代表も触れましたが、やはり政府の初動には問題がありました。

 八月の台風十号では、首相は上陸前に関係閣僚会議を開催しています。しかし、今回の十五号では、上陸前夜の九月八日夜に非常に強い台風に発達していたにもかかわらず、関係閣僚会議も非常災害対策本部も開催されませんでした。

 総理、それでも官邸や各省の想定と初動に問題がなかったということでしょうか。

 しかも、長期の停電については、政府で検証が行われているはずです。初動に問題があったからこそ検証されているのではないでしょうか。

 そこで、提案をいたします。

 検証を踏まえ、被害想定地域の代替電源・通信の事前確保マニュアルをぜひ策定していただきたい、そう考えますが、総理の御見解をお願いいたします。

 続いて、豚コレラ対策です。これも政府の対応は問題です。

 豚コレラ発生は昨年九月。しかし、政府はワクチン使用の判断をためらい、その間に野生イノシシが感染を拡大させ、今や感染は十一府県に上りました。

 初動で有効な手を打たず、感染を拡大させた政府の対応は、極めて問題ではないでしょうか。発生のたびに接種推奨地域を追加する対策では不十分です。

 総理、感染拡大を防ぐために、希望する養豚業者には予防的なワクチン使用を認める考えがあるか、お答えください。

 今、さらに、有効なワクチンも治療法もないアフリカ豚コレラも、中国、韓国など隣国にまで迫っています。

 国民民主党の対策本部は、ことし三月、羽田空港の検疫所を視察し、その結果をもとに、検疫官や探知犬の体制強化、持込禁止肉製品を所持する人物の入国拒否を可能とする議員立法を提出いたしました。

 総理、野党のこの案にこそ耳を傾けていただきたいと思います。政府の指針を見直す今こそ、法改正で水際対策を強化すべきです。御所見を伺います。

 農業も重要課題です。

 まず、農家の担い手、後継者不足ですが、安倍政権が再スタートをした二〇一二年から五年間で、農業就業人口は約七十万人減少しております。耕地面積は約十万ヘクタール減少しています。そして、食料自給率もカロリーベースで三九%から三七%へと減少しています。

 総理、日本を取り戻すというのなら、食料自給率を上げるべきではないですか。改めて、二〇二五年、四五%の目標にどう取り組むのか、お答えください。

 枝野代表も述べましたが、私たちは、農業者戸別所得補償制度を提出し、農業を守るために成立を訴えています。

 次に、軽減税率とポイント還元です。

 総理、そして財務大臣、軽減税率とポイント還元は、ややこし過ぎます。

 私も、先日、スーパーで買物をし、キャッシュレス決済をいたしました。でも、還元はゼロでした。その店で私のカードは対象外だったようです。

 もうもはや、どのカードやどのアプリが使えるのか、どの店が還元対象なのか、どのように還元されるのか、還元率は何%なのか、どの店がお得なのか、ほとんどわからない。皆さん、おわかりでしょうか。これが多くの国民の実感ですよ。

 総理、ぜひ御自身でお店を回っていただいて、この複雑なポイント還元制をぜひ体験してください。そして、このややこしい制度の改善をぜひとも経産省にも指示をしていただきたいと思います。いかがでしょうか。

 さらに、全国の事業者からは困惑の声が出ています。

 還元対象店になるには、九月六日までに申請すれば大丈夫と言われていた。申請をしたのに十月一日時点で利用できない事業者が、何と八万軒もあります。これは問題です。顧客の減少にかかわる深刻な問題だと私は考えます。

 総理、政府はこの責任をどうとるのか、御答弁ください。

 そして、経産省のホームページで公開されている還元対象店舗検索情報も大混乱です。場所を間違える、還元率を間違える。私も、地元京都の業者からは幾つも相談を受けています。

 全国の事業主の皆さん、公開されているそのお店の店舗情報に間違いがないか、ぜひ一度御確認ください。知らぬ間に顧客が逃げていってしまっているかもしれません。

 経産省、現時点で把握しているこの誤掲載の件数は何件なのか、そして、被害を受けた事業者への対応はどうされるのか、菅原大臣に答弁を求めます。

 そもそも、アベノミクス開始からもう七年目。総理、物価上昇率二%の達成はどうなったんでしょうか。

 日銀は、ことし七月、二〇二一年度時点でも物価上昇率二%は達成できない見通しとの展望レポートを発表しています。二年で達成するはずのこの目標が、九年後にも達成できないことになります。総理、この二%目標や金融緩和の方針を変えるつもりはありますか。また、今年度は補正予算を組むつもりでしょうか。お答えください。

 総理、私たち野党は、国民生活の立場から、冷静に経済を分析し、今の経済情勢では消費税率一〇%引上げを凍結すべきと訴えてまいりました。

 昨年度の名目経済成長率はたった〇・五%です。名目の家計最終消費支出の前年比は、ことし一―三月期でマイナス〇・二%、四―六月期で〇・七%にすぎません。大きな駆け込み需要も起こらず、消費マインドは弱いままです。

 緊縮ではなく財政出動を、その声もある中で、今回のタイミングを誤った消費税率引上げは、景気を腰折れさせ、経済活動を停滞させ、逆に税収を減らす可能性すらあるのではないでしょうか。それこそ本末転倒です。私たち野党の言うように、まずは家計を温め、そして国民の消費をふやすべきです。

 社会保障の充実を図り、税制も大きく見直して所得再配分を強化し、貧困や格差を解消に向かわせる。特に、介護や保育に代表される、老後や子育てなどの暮らしの安心にかかわる人件費を厚くして人手不足を解消し、将来不安を小さくする。希望する非正規労働者をできるだけ早く正規雇用に転換しつつ、実質賃金を引き上げる。これこそが、これからの時代の最も効果的な消費拡大策であり、経済対策です。

 私たちは、介護、保育従事者の処遇改善、また、中小企業における正社員雇用の際の社会保険料軽減などを提案してまいりました。

 まずは可処分所得をふやし、消費を回復させる家計第一の経済政策を優先させませんか。総理の見解を伺います。

 また、総理、消費税については今後十年くらいは上げる必要はないと発言されましたが、これは財政的にでしょうか、それとも政治的にでしょうか。根拠を教えてください。また、法人税や高所得者の所得税、金融所得課税などの引上げには賛成でしょうか、反対でしょうか。お答えください。

 続いて、年金です。

 国民年金だけでは生活できない、この基本的な事実に国会が向き合うべきです。

 総理、財政検証において、実質賃金上昇率が全ケースにおいて過去三十年の平均値を上回る設定になっています。これは正直、甘い前提だとは思いませんか。

 私たちは、やはり、政権の意向や経済目標の影響を受けずに、客観的な数字から年金の財政検証を行うべきだと考えます。総理、国民民主党は、国会に年金の財政検証も行える新たな組織を設置すべきだと提案しています。ぜひ御所見をお願いいたします。

 今月からの老齢年金生活者支援給付金について、今のままでは、低年金者対策なのに、保険料の納付期間に連動して給付額が少なくなります。これでは不十分です。総理、対象者全てに月五千円以上の給付を行うべきと提案しますが、いかがでしょうか。

 先日、政府には全世代型社会保障検討会議が発足をいたしました。ただ、全世代型といいながら、会議のメンバーに若い世代と労働者の代表が入っていません。総理、これ、多分問題だと思います。若い世代と労働者の代表もメンバーに入れるべきではないでしょうか。お答えください。

 待機児童ゼロは二〇二〇年度末、介護離職ゼロは二〇二〇年代初頭が政府の目標です。しかし、待機児童は、ことし四月時点で一万六千七百七十二人。民間団体の調査では、潜在的待機児童はその八倍もいると言われています。介護離職件数も、ほぼ横ばいのままです。

 総理、それぞれの目標というのは、見込みがあって責任の伴う目標であるべきだと思います。本当に達成できるのでしょうか。そして、達成できなかったときの責任のとり方も含め、お答えをいただきたいと思います。

 さて、男性育休です。

 政治家は、自身の育休は自身で判断できます。しかし、一般の国民には、会社の許可、職場の理解、所得の減少という厳しいハードルが残っています。

 そこで、総理、育児休業給付金を、今受けている賃金と比べて実質一〇〇%給付に引き上げる、こういった、意識改革だけではない、国民の育休制度の改善に取り組むのが優先ではないでしょうか。その決意をお答えいただきたいと思います。

 先日、厚生労働省は、再編統合の議論が必要と、全国四百二十四の公立・公的病院の名前を公表いたしました。突然の発表に地方は驚き、不安が広がっています。

 地域医療が単に効率化されて、医療機関の遠方化、空洞化が進めば、かつての救急車のたらい回し問題が再発しかねません。住民の意向や地域の実情を十分に踏まえて、各病院がみずから検討する手法をとるべきではないでしょうか。総理の御所見をお願いいたします。

 また、今回共同会派に合流した社会保障を立て直す国民会議は、医療を治療中心から予防中心に転換する、医療の民主化改革を訴えています。全ての国民がかかりつけ医を持ち、相談や予防医療を受けられる日本版家庭医制度の導入についての総理の見解をお聞かせください。

 許されない暴力について、数点伺います。

 まず、児童虐待。

 しつけと称した虐待を防ぐ一つの方策に、民法八百二十二条の懲戒権の見直しがあります。通常国会で成立した児童虐待防止対策強化法では、懲戒権見直しの期限が法律の施行後二年をめどとされていますが、対応の前倒しが必要だと考えます。総理、懲戒権の見直しは一刻も早く必要ではないでしょうか。お答えください。

 続いて、性犯罪についてです。

 現在、同意なき性交にもかかわらず、暴行、脅迫、そして抗拒不能という要件を満たしていないという理由で、理不尽さを感じるような無罪判決が出されることがあります。イギリスやドイツ、カナダ、米国の一部の州では、同意なき性交を全てレイプとして刑事罰の対象としています。

 訴えたくても、処罰が期待できないため、泣き寝入りさせられている被害者がいます。国会がその声に向き合うときが来ているのではないでしょうか。総理、来年の刑法改正の見直しで、この要件のあり方を抜本的に見直すことを提案いたします。

 あおり運転について。

 現行の道交法では、あおり運転自体を取り締まる規定がありません。あおり運転は、生命に危険を及ぼす悪質な行為であり、道交法の改正と罰則強化を検討すべきと提案しますが、総理の御見解をお願いいたします。

 過労死防止についても伺います。

 働き方への意識や医学的知見も進歩する中、労災請求件数は増加しています。脳・心臓疾患の認定基準がもう十八年間も改定されていません。総理、ぜひ実態に即した新基準に変更しませんか。お答えをいただきたいと思います。

 続いて、外交、安全保障です。まず、日米関係。

 米国からの兵器取得額は、今年度、何と七千億円。民主党政権時の五倍以上です。

 総理、これが、日本を取り戻すなのでしょうか。国内の防衛産業からは疲弊と失望の声が上がっています。防衛装備品は国内調達率をふやすべきではないでしょうか。お答えください。

 また、七月にボルトン元大統領補佐官が来日した際、在日米軍駐留経費の大幅な負担増を求めたと言われています。増額を要求されたんでしょうか。また、総理はさらなる増額が必要だと考えますでしょうか。お答えください。

 北朝鮮のミサイル問題ですが、最近発射がふえている理由の一つは、トランプ大統領の、アメリカの領土に脅威が届かなければ問題ないとの態度にあるのではないでしょうか。総理、トランプ大統領に態度を変えるよう要求するべきではないでしょうか。お答えください。

 また、北朝鮮の大和堆での違法操業については、きのうの衝突事案だけではなく、八月に海保の巡視船が北朝鮮の船から小銃を向けられる事案もあったはずです。政府は北朝鮮政府に対し、今後、これまで以上に厳格に対応すると通告するべきです。

 続いて、譲歩続きの日米貿易協定についてです。

 今回、日本は、自動車分野で一ミリも獲得できず、逆に、農業で米国にTPP同様の市場アクセス権を与えました。これが、日本を取り戻すとは思えません。まるで、日本を売り渡すではないでしょうか。

 ガットにおけるFTAとは、実質上の全ての貿易で自由化することであり、九割の関税撤廃率が必要とされています。政府はアメリカの関税撤廃率を九二%としていますが、今回据え置かれた、輸出の三割を占める自動車と自動車部品を撤廃対象としてカウントするのはルール違反ではないでしょうか。総理、自動車・自動車部品を除いた実際の関税撤廃率の数値をお答えください。

 また、WTO違反を回避しようと、附属文書には期限を設けず、さらなる交渉で撤廃と書き込むのはこそくです。今後のあしき前例となるでしょう。自由貿易に水を差す今回の協定は、少なくとも国会での連合審査が不可欠です。

 その審議に向けて、私たちは、政府の通商交渉の情報提供を促進する法案を提出いたしました。他の野党とともに、いつまでも黒塗りだらけの交渉文書の公開を強く求めてまいります。

 ホルムズ海峡について。

 米国、中東の双方と友好関係を続けていることに日本外交の価値があります。有志連合への参加には慎重であるべきです。

 二〇一五年の安保法案の審議では、ホルムズ海峡が機雷で封鎖される事態があれば存立危機事態に当たることもあり得るとの政府答弁がありました。

 総理、米軍がイランと交戦状態になり、ホルムズ海峡が紛争で長期間通航不能になった場合、それは存立危機事態に該当し、自衛隊が防衛出動する可能性は法理上あり得るのか、お答えください。

 総理、北方領土の旧島民は泣いています。官邸の意向で、北方領土返せも言えなくなった、外交青書から、北方四島は日本に帰属するの文字も削除された、返還運動が消滅すると嘆いていますよ。

 なのに、プーチン大統領からは厳しい言葉が相次ぎ、ロシアの北方四島開発もどんどん進んでいます。

 野党も、総理の対ロ外交を見守ってきたつもりです。しかし、このままでは、北方領土交渉でも、日本を取り戻すどころか、日本を売り渡すになりかねません。総理、改めて二島返還に確信があるのですか。お答えください。

 続いて、辺野古問題です。

 地下四十メートルに軟弱地盤が見つかり、当初予定の基地建設費三千五百億円はどれほど膨らむとお考えでしょうか。私たち野党は、日米の再協議、そして移転計画の見直しを強く要求いたします。

 そして、日米地位協定は、いまだ米軍の治外法権の状態です。

 総理、国民を第一に考えるなら、米軍に航空法などの国内法を原則遵守させる、訓練の事前通告制は義務づけるなど、他国で実現しているような地位協定の見直しを与野党一致して進めようではありませんか。これは提案です。ぜひお答えください。

 国民投票法についてです。

 国民民主党は既に法案を提出していますが、放送広告、ネット広告の規制、国民投票運動の資金の透明化の確保などを盛り込む必要があると考えます。総理、CM規制や資金の透明性確保の必要性について御見解をお願いいたします。

 国民の知る権利の確保は重要です。

 私たちは、決裁文書の改ざん禁止と改ざんなどの違反行為への罰則規定を設けた公文書改ざん防止法案や、開示情報規定を拡大した情報公開法改正案なども立法し、既に国会に提出いたしましたが、これも審議をされておりません。

 国民の皆様、野党が何でも反対というのは事実ではありません。そして、批判ばかりでもありません。

 私たち野党は、今御紹介をさせていただいたとおり、かなり多くの議員立法を提出しています。ですが、議論されないことが多い。それが今の国会であります。

 この数年間、国民の皆様は、与野党はけんかばかりと感じていたかもしれません。しかし、実は野党は、毎年、政府提案の法案であっても七、八割の法案には賛成をし、二、三割の法案にのみ反対をしております。野党は、その法案が国民のためになるかどうかをしっかり審査し、賛成すべきは賛成する姿勢で活動しております。これからもその姿勢で活動をしてまいります。

 新会派に集う私たちは、誰よりも、国民の目線で行政監視をしっかり行い、政府の誤りを正し、時には代替案を提示して、国民の皆様に建設的な役割を果たしていきたいとお約束をしたいと思います。

 そして、野党の私たちこそが、真に国民の多様性と自由を尊重し、助け合いと支え合いの中で、国民一人一人が生活に希望の持てる、令和新時代の社会像を国民の皆様にお届けしてまいります。ぜひともこの新会派に、国民の皆様の御期待とお声をお寄せください。

 このことを皆様にお訴え申し上げ、そして、お聞きいただいた全ての皆様に心から感謝を申し上げ、新会派を代表して、私、泉健太の質問とさせていただきます。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

内閣総理大臣(安倍晋三君) 泉議員にお答えいたします。

 台風十五号への災害対応についてお尋ねがありました。

 政府においては、台風の接近前から防災担当大臣が出席をして、関係省庁災害警戒会議を開催したほか、停電の解消に時間を要している状況等を踏まえ、関係省庁災害対策会議を合計十四回開催し、閣僚懇談会でも議論するなど、関係省庁が緊密に連携して切れ目のない対応に当たってきたところです。

 そうした中で、内閣府や経済産業省等の連絡員や専門的な知識を有する者を順次千葉県庁や各市町村に派遣したほか、食料品等のプッシュ型支援、自衛隊員延べ五万四千人を動員しての倒木除去作業やブルーシートの展張作業、被災地への自治体職員の広域応援派遣を行うなど、被災地のニーズを踏まえたさまざまな支援策を講じてまいりました。

 このように、今回の台風への初動対応については、迅速、適切に行われてきたものと認識しておりますが、今回の台風においては、長期間にわたる停電及びその復旧プロセスなどのさまざまな課題が認められました。それらの課題を検証、検討するため、先般、官房副長官をトップとする検証チームを立ち上げました。

 今後、このチームのもとに設置した実務者検討会において、メンバーである防災分野等の有識者五名の御意見も伺いながら、徹底的かつ客観的に検証してまいります。

 被害想定地域の代替電源・通信の事前確保についてお尋ねがありました。

 現在、政府による検証を行っているところでありますが、その中では、当然、今回の被害発生後の代替電源・通信の確保状況についても検証を行う考えです。

 その上で、この検証結果を踏まえ、御指摘のマニュアルを策定することも含め、必要な対応をしっかりと検討してまいります。

 豚コレラ及びアフリカ豚コレラに対する対策についてお尋ねがありました。

 豚コレラに対する予防的なワクチン接種については、御提案のような、希望する養豚業者を対象とした接種を行った場合、感染豚の発見を困難にし、近隣の非接種農家への発生拡大の防止に支障を来すこととなります。

 このため、政府においては、感染リスクの高い地域をワクチン接種推奨地域に設定し、当該地域内の全ての豚にワクチンを予防接種することを検討しているところです。

 また、アフリカ豚コレラについては、我が国への侵入を防止すべく、関係省庁一体となって水際対策を講じているところです。

 その一環として、家畜防疫検査官の大幅増員や検疫探知犬を三年間で倍増するなど、継続的に検査体制の強化を図っているところです。

 また、違法な持込みに対しては、違反者のデータベース管理や、家畜伝染病予防法又は関税法に基づき告発や検挙を行うなど、持込禁止肉製品を所持する者が入国しないよう、対応を厳格化しているところであります。

 こうした体制整備や制度の厳格的運用により、水際での抑止力が確保できているものと考えていますが、今後も、アフリカ豚コレラに対しては、最高レベルの警戒体制をしき、万全の体制を、対応をとってまいります。

 食料自給率についてお尋ねがございました。

 食料の安全供給を将来にわたって確保していくことは、国家の国民に対する最も基本的な責務の一つです。

 このため、安倍内閣では、農地バンクによる農地集積や輸出促進など、生産面において前向きな政策を強化してまいりました。これにより、生産農業所得は三年連続で増加して九千億円も拡大し、農林水産品の輸出は六年連続で過去最高を更新し、九千億円を超えました。

 また、消費面でも、民間企業との連携による米の消費拡大など、国産食材の消費拡大に取り組んでいます。

 引き続き、こうした生産面、消費面での取組を更に力強く進めることにより、食料自給率と食料自給力をともに向上させ、農業の持つ食料の安全供給の機能をしっかり発揮できるようにしてまいります。

 ポイント還元制度についてお尋ねがありました。

 ポイント還元の対象店舗については、消費者の皆さんが一目でわかるよう、還元率や対象となる決済手段を明記したポスターを店頭に張っていただくなどの取組を進めています。

 私としては、本年二月、戸越銀座商店街に伺い、キャッシュレス決済を体験した際に、こうした取組についても説明を受けたところです。

 他方、実際の運用開始から一週間がたち、利用した方々などからの声がたくさん寄せられており、経済産業省においては、現在、一覧性の高い地図アプリについて、誤表示の修正作業に加え、消費者の使いやすさや機能の向上にも取り組んでいると承知しています。

 今後も、引き続き、さまざまな御指摘や御意見にしっかりと耳を傾けながら、経済産業省において、消費者の皆さんにとって更にわかりやすい広報、運用面での改善に取り組ませたいと考えております。

 ポイント還元への参加店舗についてお尋ねがありました。

 九月六日までに申請のあった中小店舗のうち、十月一日から開始できなかった、これは約九万店でありますが、九万店については、当時、一日一万店ものペースで申請が増加する中、決済事業者による審査対応が十分に追いつかず、その結果、登録に遅延が生じたものであります。

 今後、責任を持って、決済事業者による審査体制の強化を進め、できるだけ早く事業に参加いただけるよう、取り組んでまいります。

 金融政策と補正予算についてお尋ねがありました。

 政権交代後、デフレ脱却に向けて、アベノミクスの三本の矢で取り組み、名目GDPは一割以上成長し、もはやデフレではないという状況をつくり出しました。

 現時点では、企業や家計のデフレマインドが根強く残るもとで、二%の物価安定目標の達成に時間がかかっているものの、黒田総裁は、できるだけ早期に実現することを目指すと説明しており、私は黒田総裁の手腕を信頼しています。

 金融政策の具体的な手法は日本銀行に委ねられるべきと考えておりますが、政府としては、日本銀行が二%の物価安定目標の実現に向けて努力されることを期待しています。

 なお、世界経済の先行きにもしっかりと注視をし、下振れリスクが顕在化する場合には、機動的かつ万全の対策を講じることとしていますが、補正予算の編成について、現段階において具体的に想定しているものではありません。

 経済政策についてお尋ねがありました。

 これまでのアベノミクスの取組の結果、名目GDPが一割以上成長し過去最高となる中で、昨年度の税収も過去最高となりました。国民生活に直接かかわる雇用・所得環境も大きく改善し、成長と分配の好循環が着実に進んでいます。

 具体的には、二〇一八年までの六年間で就業者数は三百八十万人増加し、正規雇用者数も百三十万人増加をしました。賃上げは、連合の調査によれば、今世紀に入って最も高い水準の賃上げが六年連続で実現し、最低賃金も、安倍政権が誕生する前の十年間では八十六円の引上げにとどまっていましたが、この七年間で百五十二円引き上げるなど、雇用・所得環境が大きく改善し、名目の家計可処分所得も五年連続で増加しています。

 この中で、個人消費は、二〇一六年後半以降、持ち直しを続けています。

 さらに、今回の消費税率引上げに当たっては、教育の無償化による家計負担の軽減や、低年金者への最大年六万円の給付、軽減税率に加え、思い切ったポイント還元、プレミアムつき商品券、自動車や住宅に対する大胆な減税など、十分な対策を講じているところです。

 こうした施策を円滑に実行することで、経済の大宗を占める家計消費をしっかりと下支えし、経済の好循環を確保してまいります。

 今後の消費税率等についてお尋ねがありました。

 人口減少、少子高齢化が進む中で、全世代型社会保障制度の構築に向けてしっかりと議論してまいります。将来の給付と負担のあり方については、国民の安心を支える社会保障制度を次世代に引き渡す観点から、そのバランスを見据え、判断していくべき課題だと考えています。

 その上で申し上げれば、私の任期以降について責任を持つことはできませんが、昨年度の税収がバブル期を超え過去最高水準となる中で、安定的な経済再生と財政健全化に一体的に取り組むことにより、例えば、今後十年程度は消費税率を引き上げる必要はないのではないかというのが私の考えであります。

 企業に対する税制については、国際競争力への影響を踏まえ、慎重に検討する必要があります。安倍政権では、課税ベースを拡大しつつ法人税率を引き下げるなど、成長志向の法人税改革に取り組んできました。

 また、これまで、所得再分配機能の回復を図るため、所得税の最高税率の引上げや、金融所得課税の見直しにより税率を一〇%から二〇%に倍増するなどの施策を既に講じてきたところです。

 今後の税制のあり方については、これまでの改正の効果を見きわめるとともに、経済社会の情勢の変化等も踏まえつつ、検討する必要があると考えています。

 年金の財政検証についてお尋ねがありました。

 財政検証における経済の前提に関しては、経済、金融の専門家で構成される専門委員会における検討を経て設定した前提を用いており、客観的で公正なものです。

 その上で、財政検証が今後百年を見通すものであることを勘案すると、過去三十年間の実績を単純に将来投影するような論法は、平成の時代のデフレ状態がこの先百年にわたって継続するという議論であり、率直に申し上げて、余りにも悲観が過ぎるのではないかと思います。(発言する者あり)

議長(大島理森君) 御静粛に。

内閣総理大臣(安倍晋三君)(続) また、国会における調査審議のあり方については国会でお決めになる事柄ですが、政府としては、年金の財政検証は、年金制度の運営に最終的な責任を有する厚生労働大臣が責任を持って担当すべきものと考えています。

 年金生活者支援給付金についてお尋ねがありました。

 年金生活者支援給付金は、平成二十四年の社会保障と税の一体改革における三党合意において、定額給付は保険料納付のインセンティブを損なうため社会保険方式になじまないとの観点から、月額五千円を基準としつつ、保険料納付済み期間に比例した給付とし、これは当時の民主党政権が法案化した経緯があるわけでございまして、皆様方も覚えておられるのではないか、こう期待をしておりますが、こうした経緯は重いものと考えております。

 また、どのような給付を行う場合も、それを支える安定財源がなければ持続可能な制度とならないものと考えます。

 全世代型社会保障検討会議の構成員についてお尋ねがありました。

 先月新たに設置された全世代型社会保障検討会議は、全世代型社会保障改革に関係する政府内の各会議から代表者を集める形で構成されています。

 今後、検討会議において、さまざまな立場の方々から幅広く御意見を伺う機会を設ける方向で検討してまいりたいと思います。

 待機児童及び介護離職についてお尋ねがありました。

 待機児童数は、この四月には、調査開始以来最少となる一万六千七百七十二人まで減少しています。今後とも、市町村をきめ細かく支援し、二〇二〇年度末までに待機児童の解消を目指します。

 また、介護離職については、二〇二〇年代初頭までに五十万人分の介護の受皿の整備をしっかりと進めていくこと等により、介護離職ゼロを目指します。

 政府としては、こうした施策に全力で取り組み、責任を果たしてまいります。

 男性の育児休業についてお尋ねがありました。

 男性が積極的に育児を行うことは、子育て環境の充実や女性の活躍推進の観点からも重要です。

 育児休業給付金については、既に諸外国と比較しても相当程度高い水準にあり、さらなる引上げは、その効果や財源の確保とあわせて、慎重な検討が必要であると考えています。

 いずれにせよ、育児休業を希望していても申請できない男性が多くいることを踏まえ、職場環境の改善や制度的な対応等を含めて検討し、男性の育児休業取得を一層強力に促進します。

 公立・公的病院の再編統合についてお尋ねがありました。

 高齢化が急速に進む中、地域の医療ニーズの変化に合わせ、これまで急性期中心であった病院の医療機能を、より必要とされる回復期へと転換を進め、安心できる地域医療体制を確保していくことが重要です。

 今般、病院が地域において急性期機能をどの程度果たしているかとの観点から、診療実績の分析結果を公表しましたが、これは、それぞれの医療機関が今後の医療機能のあり方を考える際の材料としてお示ししたものであり、病院が将来担うべき役割等を機械的に決めるものではありません。

 政府としては、地方団体の御意見も十分伺いながら、こうした点について関係者に丁寧に御説明し、地域において、将来あるべき医療提供体制の議論を深めていただきたいと考えています。

 日本版家庭医制度についてお尋ねがありました。

 高齢化の進展や疾病構造の変化を踏まえると、今後は予防にも重点を置いた医療を充実していく必要があります。

 このため、政府としては、地域医療の担い手として、身近な地域において日常行う診療に加え、予防や地域の保健事業において重要な役割を担うかかりつけ医の普及に取り組んでおり、必要な研修や普及啓発に対する支援策などを実施しているところです。

 懲戒権の規定の見直しについてお尋ねがありました。

 御指摘の懲戒権の規定の見直しについては、現在、法制審議会において鋭意検討を行っております。

 懲戒権については、家族のあり方にかかわり、国民の間でもさまざまな議論があると承知しています。このため、その検討に当たっては、国会における議論等も踏まえながら、徹底した議論を行う必要があると考えており、改正法の施行後二年を目途とする検討期間が必要であると考えています。

 何よりも子供の命を守ることを最優先に、あらゆる手段を尽くし、児童虐待の根絶に向けて総力を挙げてまいります。

 性犯罪の要件の見直しについてお尋ねがありました。

 性犯罪は、被害者の人格や尊厳を著しく侵害する悪質、重大な犯罪であると認識しております。

 さきに成立した刑法の一部を改正する法律の附則においては、施行後三年を目途として施策のあり方の検討が求められており、御指摘の点を含めて、性犯罪の実態を把握した上で適切に対処してまいりたいと考えています。

 あおり運転についてお尋ねがありました。

 いわゆるあおり運転は、意図的に危険を生じさせる極めて悪質な行為であり、その抑止を図るため、引き続き、あらゆる刑罰法令を適用して、厳正な取締り等に努めてまいります。

 その上で、御指摘の罰則の強化等についても、引き続き検討を進めてまいります。

 労災認定基準についてお尋ねがありました。

 現行の脳・心臓疾患の労災認定基準は、平成十三年に、有識者による医学的検討を踏まえて策定されたものです。

 当該基準については、現在、最新の医学的知見の収集を行っているところであり、その結果を踏まえ、基準の改定も視野に入れた検討を行ってまいりたいと考えています。

 防衛装備品の国内調達についてお尋ねがありました。

 防衛装備品の調達に当たっては、米国製であれ国内製であれ、今後の我が国の防衛に必要な装備品を個別に評価、検討し、我が国の主体的な判断のもとに決定しているものです。

 厳しい安全保障環境を受け、高性能な装備品について早期導入が求められる傾向にあり、結果としてFMS調達が増加していますが、一方で、国産装備品についても、我が国の防衛に必要な能力を満たした装備品を調達しており、新中期防においても、国産装備品の整備を計画しています。

 引き続き、必要な国産装備品について着実に調達を進めていくとともに、我が国の防衛産業が、安全保障環境に適応した、今後必要となるすぐれた装備品をしっかりと開発、生産することができるよう、企業間の競争環境を創出しつつ、強靱な防衛産業の構築を図ってまいります。

 在日米軍駐留経費についてお尋ねがありました。

 ボルトン元大統領補佐官が来日した際、在日米軍駐留経費について大幅な負担増を要求された事実はありません。

 政府としては、現在、在日米軍駐留経費は、日米両政府の合意に基づき適切に分担されていると考えています。

 なお、現行の在日米軍駐留経費負担特別協定は、御存じだとは思いますが、二〇二一年三月まで有効であり、新たな特別協定に関する日米間の交渉は始まっておらず、我が方の方針を予断することは差し控えます。

 北朝鮮のミサイル発射についてお尋ねがありました。

 弾道ミサイル発射が安保理決議違反であることは明白であり、こうした立場について、例えば、先般のG7の際に行った日米首脳会談で、冒頭、私から、北朝鮮の短距離弾道ミサイルの発射は安保理決議違反であり極めて遺憾である旨述べ、トランプ大統領からは完全に理解する旨の発言があるなど、累次の機会に確認してきたところです。

 引き続き米国と緊密に連携して、安保理決議の完全な履行に努めてまいります。

 日米貿易協定の関税撤廃率についてお尋ねがありました。

 今回の協定では、自動車及び同部品について、単なる交渉の継続ではなく、さらなる交渉による関税撤廃を明記いたしました。関税撤廃がなされることが前提となっている以上、関税撤廃率の換算に加えることに問題があるとは考えません。

 そして、このように新たに譲許される品目にWTO協定の枠組みのもとで無税とされているものを含めれば、二〇一八年の貿易ベースで、関税撤廃率は、日本が八四%、米国が九二%となります。

 その上で、自動車及び同部品を除いた数字を発表することは、あくまで関税撤廃がなされることが前提となっている今回の交渉結果に反するものであり、具体的な撤廃時期などに係る今後の交渉にも悪影響を与えかねないことから、差し控えます。

 なお、今回の交渉結果については、泉議員は大変御不満かとは思いますが、我が国の自動車工業会からは、自動車分野における日米間の自由で公正な貿易環境が維持強化されるものであるとの評価が既に発表されており、また、JA全中からも、中家会長の談話として、合意内容は昨年九月の日米共同声明の内容を踏まえた結論と受けとめ、特に、米については、米国への関税割当て枠の設置が見送られることとなり、生産現場は安心できるものと考えているとの評価が発表されたものと承知をしております。まさに国益にかなう結果を得ることができたと考えております。

 ホルムズ海峡をめぐる情勢に関し、自衛隊が防衛出動する可能性についてお尋ねがありました。

 我が国の原油輸入の約八割が通過するホルムズ海峡における航行の安全を確保することは、我が国のエネルギー安全保障上、死活的に重要であり、我が国を含む国際社会の平和と繁栄にとって極めて重要です。かかる観点から、ホルムズ海峡を含む中東地域における緊張の高まりを懸念しております。

 我が国としては、中東における緊張の緩和と情勢の安定化に向けて、本年六月の私のイラン訪問、九月の国連総会時のトランプ大統領やローハニ大統領との会談を含め、外交努力を継続することを基本としているところであり、今後、具体的に中東でどのような事態が生じるか、予断を持ってお答えすることは差し控えさせていただきます。

 御質問の、具体的にいかなる事態が存立危機事態に該当し、自衛隊に防衛出動を命ずるかについては、実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して、政府が全ての情報を総合して客観的、合理的に判断することとなるため、一概にお答えすることは困難であります。

 なお、政府としては、現時点で、ホルムズ海峡の情勢に対応し、平和安全法制に基づいて、自衛隊に防衛出動を命ずることは考えていません。

 日ロ平和条約交渉に関してお尋ねがありました。

 私は、北方領土返還要求全国大会のたびに元島民の代表の方々とお会いをし、元島民の皆様のお気持ちに寄り添いながら、ロシアとの交渉を進めています。

 長門会談で、私とプーチン大統領が、みずからの手で平和条約を締結するとの真摯な決意を表明して以降、新しいアプローチで問題を解決するとの方針のもと、御高齢になられた元島民の皆様が強く望んでおられた、航空機による元島民の方々のお墓参りが三年連続で実現し、本年は、これまで何年も訪問できなかった場所にも訪れることができました。

 北方四島における共同経済活動についても、パイロットプロジェクトが始まっています。

 このように、北方四島において、日ロのこれまでにない協力が実現しています。

 ロシアとの交渉がうまくいくかは、静かに交渉できるかにかかっています。交渉に悪影響を与えないためにも、交渉内容にかかわることや我が国の交渉方針について述べることは差し控えます。

 いずれにせよ、北方領土は、我が国が主権を有する島々です。政府としてこの立場に変わりはなく、平和条約交渉の対象は四島の帰属の問題であるというのが日本側の一貫した立場です。日本を売り渡すとの指摘は全く当たりませんし、この強い言葉が皆さんにとってブーメランとならないことをお祈りしております。

 普天間飛行場の辺野古移設に要する経費についてお尋ねがありました。

 米国キャンプ・シュワブの北側海域については、地盤改良工事が必要であるものの、一般的で施工実績が豊富な工法により、護岸や埋立て等の工事を所要の安定性を確保して行うことが可能であることが確認されたと承知しています。

 現在、沖縄防衛局において、有識者の助言等を得ながら、具体的な設計、経費等について詳細な検討を行っているところであり、移設に要する経費については、しかるべき時期にしっかりと説明させたいと考えています。

 日米地位協定についてお尋ねがありました。

 日米地位協定は大きな法的枠組みであり、政府として、事案に応じて、最も適切な取組を通じ、具体的な問題に対応してきています。

 安倍政権のもとで、環境及び軍属に関する二つの補足協定の策定が実現しました。国際約束の形式で得たこの成果は、日米地位協定の締結から半世紀を経て初めてのものであります。

 日本側に第一次裁判権がある犯罪の被疑者たる米軍人軍属の拘禁についても、日米合意に基づき、実際に、起訴前に日本側への移転が行われてきています。

 さらに、本年七月には、施設・区域外における米軍機事故ガイドラインを改正し、日米の関係者による制限区域内への立入りが迅速かつ早期に行われることが明記されました。

 日米地位協定については、御指摘の提案も含め、さまざまな意見があることは承知していますが、政府としては、今後とも、このような目に見える取組を一つ一つ積み上げていくことにより、日米地位協定のあるべき姿を不断に追求してまいります。

 国民投票法の改正についてお尋ねがありました。

 国民投票法は、平成十九年に議員立法で制定されたものですが、その際、各党各会派でさまざまな議論がなされた結果として、広告放送を含めた国民投票運動について、基本的に自由とし、投票の公正さを確保するための必要最小限の規制のみを設けることとするなど、現在の制度となったものと承知しています。

 いずれにせよ、御指摘の国民投票運動のあり方などについて、国民投票制度の根幹にかかわる事柄であり、国会において御議論いただくべき事柄であると考えております。

 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)

    〔国務大臣菅原一秀君登壇〕

国務大臣(菅原一秀君) ポイント還元事業の店舗情報についてのお尋ねをいただきました。

 ポイント還元事業に関して、現在までに、延べ二万件の店舗情報に誤りがあったことが確認されており、これは、主として、決済事業者の入力ミスが原因であります。即座にこうしたミスを正すよう決済事業者を指導し、来週中には正しい情報へと修正を完了させる予定でございます。

 これに鑑み、先週から、決済事業者に対する個別ヒアリングを実施し、原因の分析及び再発防止策の検討を行っております。

 なお、誤った情報が掲載されてしまった店舗につきましては、決済事業者を通じていち早く正しい情報を掲載し、改めて本事業をしっかりと活用をしていただけますよう努めてまいります。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 斉藤鉄夫君。

    〔斉藤鉄夫君登壇〕

斉藤鉄夫君 公明党の斉藤鉄夫です。

 私は、公明党を代表して、安倍総理の所信表明演説に対し、総理並びに関係大臣に質問します。(拍手)

 先般の参議院選挙においては、自民党、公明党の与党は、改選議席の過半数を超える議席を獲得することができました。安定した政治運営により、我が国が直面する多くの課題を前に進めてほしいとの国民の期待と受けとめ、公約の実現に全力を挙げる所存であります。

 その公約の大きな柱が全世代型社会保障です。

 安倍総理は、所信表明演説で、全世代型社会保障について、多様な学び、多様な働き方、そして多様なライフスタイルに応じて安心できる社会保障制度、この三つの改革に果敢に挑戦する決意を述べられました。

 我が党も、先般、人生百年時代に対応し、全世代型社会保障推進本部を設置し、議論を始めたところでございます。

 政府と与党が一体となって、子育て、年金、医療、介護など、誰もが安心して暮らせる社会保障制度の構築に向けて、全力を挙げていきたいと決意しています。

 一方、総理は、全閣僚に対し、閣僚全員が復興大臣であると指示しました。被災者の生活再建、なりわい再生に、政府・与党、総力を挙げて取り組んでまいります。

 また、九月には、千葉を中心に首都圏を襲った台風十五号は各地に甚大な被害の爪跡を残しました。何としても、一日も早い復旧に取り組まなくてはなりません。

 さらに、集中豪雨、異常気象、地震等自然災害に対応するため、二〇二〇年度までに行う防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急対策も着実に進めていただきたい。

 我が党も、政権与党の一翼として安倍内閣を支え、内政、外交の諸課題に対し果敢に挑戦する所存でございます。

 以下、諸課題について質問します。

 二〇一二年の社会保障と税の一体改革、三党合意から七年、節目となる消費税一〇%が十月一日からスタートしました。

 今回の消費増税の特徴は、軽減税率の導入です。先日、地元広島で、持ち帰りや配達も行う飲食店を中心に現場の声を聞いてまいりました。レジの導入を申し込んでいるけれども間に合わなかった、その場合でも補助の対象としてほしい等の要望を承りましたが、おおむね混乱なく、円滑な滑り出しをしていると感じました。

 軽減税率は、せめて食べるものだけでも低い税率をという庶民の願いから実現をした制度であり、世界標準のものでございます。軽減税率が恒久的な制度として定着するまで、引き続き、必要な取組をお願いしたいと思います。

 さて、今回の引上げに当たっては、経済への影響を十二分に乗り越えるため、二・三兆円規模の需要平準化策が講じられています。

 特に、住宅や自動車については、前回のような大きな駆け込み需要を回避することができました。

 今後は、これらの対策が消費を下支えし、消費マインドが更に活発になるような消費喚起策として効果を発揮できるよう、国民の皆様へのさらなる周知、広報に努めていただきたい。特に、プレミアムつき商品券や年金生活者支援給付金など手続が必要な支援策については、対象者がきちんと支援を受けられるよう、申請手続の周知など丁寧な取組をお願いしたい。

 政府においては、今回の消費税率の引上げによる影響をつぶさに分析するとともに、引き続き、米中摩擦や中東情勢といった海外経済の動向に十分留意し、リスクが顕在化するような場合には迅速に対応できるよう、万全の構えをお願いしたいと思います。

 以上、今回の消費税率引上げと景気の下振れリスクを乗り越える取組の決意を安倍総理に伺います。

 次に、中小企業対策です。

 改定された最低賃金が今月から全国で適用されています。一方で、近年の最低賃金の引上げ率は、大企業の賃上げ率や名目GDP成長率を大きく上回る水準で推移しております。人件費増加に苦しむ中小企業への配慮を念頭に、雇用保険料率の軽減措置の延長や生産性向上などの支援を講じるべきです。

 また、消費税率の引上げによる影響や働き方改革関連法の適用など、さらなる負担が中小企業に波及することも予想されます。下請取引における適正な価格転嫁などの対策にも万全を期して、中小企業が自発的に賃上げに取り組むことができる環境整備を進めるべきです。

 他方、中小企業の最大の課題となっているのは、事業承継です。

 最近では、後継者が不在であることなどが原因で、黒字企業を含めた企業の休廃業、解散件数が増加傾向にあります。この状況が続くと、地域の雇用や伝統ある技術、ノウハウ等が失われてしまうことから、後継者不在の中小企業の事業承継に取り組むことは極めて重要です。

 これまでも、親族内承継を支援する法人版事業承継税制を大幅に拡充するとともに、個人版事業承継税制の創設などに取り組んでまいりましたが、現在では、従業員や社外への承継も増加していることから、親族外承継についても、予算や税制面での支援を講ずる必要があります。あわせて、事業承継をする際の障壁となっている経営者保証を不要にするなどの新たな信用保証制度を創設するべきです。

 中小企業の賃上げに向けた環境整備や事業承継等の支援策について、安倍総理の答弁を求めます。

 農林水産業の活性化について質問します。

 かつて世界一を誇った我が国の漁業生産量は、今やピークの半分以下にまで減少し、また、漁業者の減少、高齢化も急速に進んでいます。さらに、気候変動等による海洋環境の変化が魚類の回遊などに影響を与えているとの指摘もあります。

 そのため、水産物の安定供給と漁業の成長産業化の発展を目指し、昨年、約七十年ぶりに漁業法が改正されました。

 この法律を踏まえた新たな資源管理システムの導入によって、収入減となる漁業者が出るのではないかとの声もあります。政府は、経営安定を図るためのセーフティーネットとして、漁業収入安定対策の機能強化を図るべきです。また、水産加工品についても万全の支援策を講ずる必要があります。

 現在、豚コレラが日本各地で猛威を振るっています。生産者の不安を払拭するため、政府は、豚コレラを早期に終息させる対策を検討し、農場防護柵の迅速な設置支援や早期の経営再開に向けた対策などを進めるべきです。また、ワクチン接種に向けた検討を進める際には、風評被害が生じないよう、あらゆる手段を活用して、食肉の安全性について正しい情報を発信することが重要です。

 農林水産業の活性化と豚コレラ対策の強化について、安倍総理の見解を求めます。

 全ての世代が人生百年時代を安心して過ごすことのできる全世代型社会保障をどのように構築するのか、国民の関心は高まっています。

 政府は新たに全世代型社会保障検討会議を設置し、安倍総理は、令和時代の新しい社会保障制度のあり方を大胆に構想すると力強い決意を述べられました。我が党も本格的な議論を開始しました。

 人口構造の変化、単身高齢者の増加、地域におけるつながりの希薄化など、社会の変容や国民の生活実態を踏まえつつ、取り組むべき課題を明確にした上で、将来像を展望した大胆な構想を示すことが重要と考えます。

 政府の会議体では、国民の幅広い意見を拾い上げ、国民が抱く不安に真正面から立ち向かっていただきたい。

 全世代型社会保障の構築に向けた安倍総理の決意を伺います。

 年金制度について伺います。

 公的年金の給付水準について、将来の見通しを示す財政検証の結果が先般公表されました。現役世代の手取り収入と比べた年金額の割合、すなわち所得代替率は、経済成長と労働参加が進むケースにおいて、法律で定めた五〇%を上回ることが確認されました。公的年金制度は揺るぎなく運営されているものと考えます。

 一方で、年金制度については不断の改善も重要です。

 これまでも、受給資格期間の二十五年から十年への短縮や、所得の少ない年金生活者への給付金など、無年金、低年金対策を着実に実現してまいりました。

 今回の財政検証では、特に国民年金のみに加入する方について、将来受け取れる年金額を手厚くしていくことが重要な課題であると改めて浮き彫りになりました。

 今回の財政検証の結果を踏まえ、年金制度の不断の改善について、安倍総理の見解を伺います。

 地域共生社会の構築について伺います。

 公明党は、地域共生社会の実現への確かな一歩として、認知症施策の推進を訴えてきました。

 これまで、認知症サポーターの養成を進め、認知症サポーターは延べ一千万人を突破しましたが、十分に活用されていないのが実態です。

 そのため、認知症の方の悩みやその家族の身近な生活支援ニーズに認知症サポーターをつなぐ仕組みとしてチームオレンジが認知症施策推進大綱に位置づけられ、二〇二五年を目指し、全市町村に整備するという目標が掲げられました。例えば、サポーターに対するポイント付与などを検討し、認知症の人をコミュニティーで支える地域づくりを一層進めてもらいたい。

 公明党としても、この臨時国会において、多様な施策を総合的に進めるための原動力となる認知症基本法案を、幅広い合意を得ながら成立できるよう、全力で取り組んでまいる決意です。

 地域共生社会の構築、特に認知症対策についてどのように取り組んでいくのか、安倍総理に伺います。

 人生百年時代を見据えると、がん対策の強化も欠かせません。

 医療技術の進歩により、働きながら治療をする人や、治療後に社会復帰を果たす人がふえています。その一方で、がんと診断された労働者の三割以上が離職しています。

 内閣府が行ったがん対策に関する世論調査では、政府に対してどういったことに力を入れてほしいかとの質問に対し、半数近くの人が、仕事を続けられるための相談支援体制の整備と回答しました。

 がんになっても働き続けることを望む人に寄り添い、継続的な相談支援を担う両立支援コーディネーターの養成が求められています。

 あわせて、抗がん剤の副作用などによる外見の変化に対するケアであるアピアランスケアなどの課題に適切に対応できる相談支援体制の充実にも力を入れていただきたい。

 一方で、傷病手当金については、がん治療のために入退院を繰り返す場合や、がんが再発した場合に、患者が柔軟に利用できないとの指摘もあることから、支給要件の改善などを図るべきです。

 がん対策の強化について、安倍総理の答弁を求めます。

 続いて、防災、減災、復興について質問します。

 改めて、このたびの台風十五号を始め一連の災害によりお亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災者の方々に心よりお見舞い申し上げます。

 千葉県を中心に甚大な被害の爪跡を残した台風十五号の襲来より約一カ月が経過しました。長期停電や断水被害、通信障害による情報不足など、被災者の方々は、先の見えない不安とともに過酷な生活を強いられてきました。また、農業、漁業、畜産業、観光業などの被害も深刻です。

 政府においては、被災者の方々にしっかり寄り添って、早期の生活再建、損壊した住宅等の修理、災害廃棄物の処理、産業、なりわいの再生に向けた支援に全力を挙げて取り組むとともに、激甚災害の早期指定、被災地の復旧復興に向けた必要十分な財源の確保を強く望みます。

 公明党は、発災直後から国会議員と地方議員が連携し、被災現場を徹底して回り、さまざまな要望の声を行政や国に繰り返し求めてきました。

 特に、今回、家屋の屋根が吹き飛ぶなどの一部損壊の住宅が膨大な数に上っているにもかかわらず、現行制度では、その修理費について国の支援対象とはなりません。

 そこで、公明党は、千葉の被災自治体の首長の方々とともに、政府に対して、一部損壊も含めて、住宅被害の実態に見合った支援を行うよう強く要請。

 これに対して、政府は、住宅の一部損壊の修理についても特例的に国の支援対象とするとともに、住宅の被害認定調査の弾力的運用も行う方針を決定しました。

 大事なことは実行力です。支援制度によって被災者の方々が十分に恩恵を受けられるよう、自治体と連携し制度の周知に努め、修理を行う業者など人手不足解消に向けた対応も含めて、徹して被災地に寄り添った支援が極めて重要です。

 また、近年、自然災害が激甚化、多発化しています。住宅の一部損壊に対する支援制度のあり方について、恒久化も含めて検討すべきではないでしょうか。安倍総理の答弁を求めます。

 今回の台風災害では、さまざまな課題や教訓が浮き彫りとなりました。

 その大きな一つが、倒木被害などによる停電復旧の大幅なおくれです。情報発信や初期対応のあり方も課題となりました。

 医療機関や福祉施設では、長引く停電による熱中症の疑いで体調を崩す方が相次ぎ、人工透析が必要な患者の方は透析が受けられなくなるなど、命にかかわる事態も発生しました。通信会社の基地局、浄水施設、酪農施設なども含めて、これらの施設等に対する長期停電に備えた非常用電源や燃料等の増強も喫緊の課題です。

 また、最大瞬間風速五十七・五メートルを観測した、かつてない暴風に伴い、送電線をつなぐ鉄塔の倒壊、約二千本の電柱被害などが発生しました。暴風に対する鉄塔や電柱の強度や安全性の検証及び老朽化対策とともに、倒木対策なども含めた今後の再発防止対策を強力に進めなければなりません。無電柱化の推進についても、低コスト化等の技術開発を進めつつ、海外の先進事例も踏まえながら、全国規模での取組を加速すべきです。

 加えて、鉄道や交通、空港などの公共交通機関も大混乱となりました。今回の経験を生かすため、鉄道の計画運休や運転再開後の情報提供のあり方、企業の対応などにも検証が必要です。

 台風十五号の教訓等を踏まえた再発防止対策について、安倍総理の見解を求めます。

 防災・減災対策のためのハード整備の効果が改めて注目されています。例えば、昨年の西日本豪雨による土砂災害において、整備された砂防堰堤によって土石流や流木がせきとめられ、下流地域に住む住民の命を救ったという事例が確認されています。もし砂防堰堤がなかったならば、整備費用をはるかに上回る額の被害が発生していたと分析されています。

 こうした事例や有効性を国民にわかりやすく可視化し、広く社会に周知することも重要です。他方、高度経済成長期に整備されたさまざまな社会インフラが、今後次々と老朽化を迎えます。対策は待ったなしです。

 二〇二〇年度までの防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急対策を進めていますが、インフラ老朽化対策を強力に推進するとともに、三カ年緊急対策の終了後も必要十分な対策が講じられるよう、政府を挙げて取り組んでいくべきです。赤羽国土交通大臣の見解を求めます。

 東北復興について質問します。

 来年は、復興・創生期間の最終年度を迎えます。

 復興は着実に進んでいる一方で、被災者の抱える悩みや課題は更に個別化、多様化しています。特に、高齢者の孤立防止のためのコミュニティー形成や見守りなど、実態に応じたかかわり方や支援のあり方がますます重要な局面を迎えています。また、地域間における復興格差の広がりも懸念されており、特に福島では中長期の課題も数多く山積しています。

 政府においては、復興・創生期間終了後も、国が前面に立って必要な支援事業を継続し、十分な財源を確保する仕組みも明らかにするとともに、復興庁の継続を含む法整備をしっかり行うなど、被災地の方々が将来不安を感ずることなく、未来に希望を持って復興に取り組んでいけるよう、早期に明確な復興・創生期間後の政府方針を定めるべきです。安倍総理の見解を求めます。

 次に、外交について質問します。

 安倍総理は、これまで、地球儀を俯瞰する外交を展開し、自由で開かれたインド太平洋を提唱するなど、積極的な外交を進めてこられました。それにより日米同盟が強化され、アジアや世界における日本の存在感は高まったと評価しています。同時に、日本を取り巻く安全保障環境は厳しさを増し、また、ポピュリズムや保護主義の台頭など、国際社会がさまざまな課題に直面する中、世界の課題解決に果たすべき日本の役割はますます重要になっています。

 そこで、これまでの安倍外交の成果と今後の方針について、総理の見解を伺います。

 先月の国連総会に出席された安倍総理は、二〇一五年のSDGs採択後初めて開催されたSDGsサミットにも出席されました。

 サミットでは今後の方向性について議論されたと聞いております。本年十二月のSDGs実施指針改定や来年の東京オリパラなど、今後、SDGs達成に向けた重要な局面を迎えます。SDGs先進国を目指す我が国として、革新的資金調達など、主導的に果たす絶好のチャンスです。国民的関心を高めながら、世界のモデルとなるような取組が必要ではないでしょうか。

 SDGs達成に向けた安倍総理の決意を伺います。

 国連総会に合わせて開催された日米首脳会談では、日米貿易協定及び日米デジタル貿易協定が最終合意に達しました。特に、農産品については、昨年の日米共同声明に基づき、過去の経済連携協定の内容が最大限とする日本政府の姿勢が堅持され、日米双方の経済発展につながる内容になったことを高く評価すべきと考えます。

 こうした経済連携や自由貿易は、物や人などの円滑な移動を通じた経済成長や地域活性化に寄与する重要な役割を果たしています。近年、保護主義や市場歪曲的な措置が世界で広まる中、我が国が国際社会における多国間協調などの主導的な役割を果たし、経済連携や自由貿易を通じた世界の安定と繁栄に貢献すべきです。

 日米協定及び自由貿易などの拡大に向けた取組について、安倍総理の答弁を求めます。

 日韓関係は、依然として非常に厳しい状況が続いております。韓国の国際法違反に対しては毅然とした態度をとりつつも、政府には、解決に向けた対話の機会をつくり出す努力を重ねてもらいたいと考えます。

 日韓関係について、安倍総理の見解を求めます。

 北朝鮮問題について伺います。

 ことし二月と六月に米朝首脳会談が行われたものの、北朝鮮の非核化は前進の兆しが見えるどころか、ことし五月以降、短距離弾道ミサイル等の発射を繰り返し、今月二日には、弾道ミサイルが日本の排他的経済水域内に落下したと見られます。累次の国連安保理決議で求められてきた、全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの、完全な、検証可能な、かつ不可逆的な方法での廃棄は、いまだその実現の見通しが立たないのが現状です。

 政府は、二〇〇二年九月の日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化を目指すとしています。安倍総理は、繰り返し、条件をつけずに金委員長と向き合う決意を述べておられますが、拉致された御家族の皆さんが御高齢となる中、米韓など国際社会とも連携しつつ金委員長との会談を実現して、一日も早い解決に取り組んでいただきたい。

 北朝鮮の核、ミサイル、そして何よりも重要な拉致問題の解決に向けた取組について、安倍総理の答弁を求めます。

 高齢ドライバーの運転支援、安全対策について伺います。

 高齢ドライバーによる悲惨な交通事故が相次いでおります。二度とこうした事故を起こさせないため、一層強力な安全対策を進めなくてはなりません。

 自動ブレーキなどの安全機能が搭載された安全運転サポート車や、既販車への後づけの安全運転支援装置などの普及を大きく進めるとともに、さらなる技術開発も求められています。また、購入支援など、高齢者の経済的負担を考慮した方策も検討すべきです。

 さらに、安全運転サポート車を前提とした、高齢者の能力や特性に応じた新たな運転免許制度の創設も急がれていると思います。

 車が走る道路自体の環境整備も重要です。子供や高齢者などの歩行者を守る視点に立った道路空間の確保や交通安全対策も一層進めなければなりません。

 高齢ドライバーの運転支援、安全対策について、安倍総理の見解を求めます。

 地域公共交通ネットワークの確保、新たなモビリティー社会の実現について伺います。

 近年、運転免許を返納された高齢者の方々に対して、バスやタクシー、鉄道の運賃割引や特典を付与するなどの取組が各地で広がっています。

 他方で、少子高齢化が進む過疎地域などでは、鉄道やバス路線など地域公共交通自体の維持が大変難しくなっており、人手不足も深刻化しています。

 直面するこれら課題の中で、高齢者の方々が日々の生活に困らないように、新たな移動手段確保のための支援や環境整備など、免許がなくても移動に困らないまちづくりが求められています。

 今後の持続可能な地域公共交通ネットワークの確保とともに、さまざまな交通手段を一つのサービスとして提供する日本版MaaSの導入や将来的な自動運転の実用化など、我が国の新たなモビリティーサービスの実現に向けて、関係省庁等が連携して国家プロジェクトとして進め、各地の実情に応じた一層の対策を進めていかなければなりません。赤羽国土交通大臣の見解を求めます。

 昨今、あおり運転による被害が後を絶ちません。

 あおり運転は、重大事故を引き起こす可能性の高い、極めて悪質、危険な行為であり、早急な防止対策が求められています。

 警察は、危険運転致死傷罪や暴行罪等のあらゆる法令を駆使して、厳正な取締りに取り組んでいますが、いわゆるあおり運転に対する規定がなく、防止策の決め手となっていません。

 公明党は、あおり運転は絶対に許さないとのかたい決意のもとで、あおり運転防止対策プロジェクトチームを設置し、議論を重ねています。あおり運転根絶に向け、厳罰化を図るなど、国民の皆様が安心して運転できるような実効性ある対策をとるべきです。安倍総理の見解を求めます。

 最後に一言申し上げます。

 安倍総理は、所信表明演説の中で、最大の挑戦は急速に進む少子高齢化ですと述べられました。

 日本の後ろには、同じ課題を抱えた国が続いております。日本がこの挑戦に成功すれば、それはある意味で人類の新しい希望となります。日本が課題克服のモデルとなるよう、公明党も全力を挙げて取り組んでいくことをお誓い申し上げ、私の代表質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

内閣総理大臣(安倍晋三君) 斉藤鉄夫議員にお答えをいたします。

 消費税率引上げと景気の下振れリスクを乗り越える取組についてお尋ねがありました。

 今回の消費税率引上げに当たっては、教育の無償化や軽減税率に加え、思い切ったポイント還元、プレミアムつき商品券、自動車や住宅に対する大胆な減税など、十二分な対策を講じています。

 今後とも、引上げによる影響に十分目配りをするとともに、これらの制度が円滑に実施されるよう、その周知や利用促進に政府一丸となって対応することで、経済の大宗を占める国内消費をしっかりと下支えし、経済の好循環を確保してまいります。

 また、米中間の貿易摩擦、英国のEUからの離脱など、不透明さを増す世界経済の先行きをしっかりと注視し、下振れリスクが顕在化する場合には、ちゅうちょすることなく機動的かつ万全の対策を講じ、経済の成長軌道を確かなものとします。

 中小企業の賃上げや事業承継などの支援についてのお尋ねがありました。

 経済の好循環を実現し、多様で柔軟な働き方を実現するためには、中小企業の賃上げや働き方改革に向けた環境整備を行うことが重要であります。

 そのため、生産性向上に向けた設備投資やITツールの導入支援、六百名体制へと強化した下請や転嫁のGメンによる取引慣行の監視、取締り、納期負担の是正などを盛り込んだ新たな振興基準の遵守を大企業に徹底するなど、政府一丸となって取り組んでまいります。

 また、雇用保険料率については、骨太の方針も踏まえ、時限的な引下げの継続等について検討してまいります。

 後継者不足の問題に対しては、全国四十七都道府県に設置した事業引継ぎ支援センターによるマッチング支援を行うなど、第三者承継も含めて、引き続き、きめ細かな支援を行ってまいります。

 事業承継については、とりわけ、個人保証を求められることが後継者確保の大きな障害になっているとの切実な声があります。

 このため、先般、個人保証脱却・政策パッケージを取りまとめたところであり、先代経営者と後継者からの保証の二重取りの原則禁止、事業承継時に個人保証を不要とする新たな信用保証制度の創設などの施策に、個人保証の慣行は今の世代で必ずや断ち切るとの強い決意を持って取り組んでまいります。

 農林水産業の活性化と豚コレラ対策の強化についてお尋ねがありました。

 水産業については、昨年成立した改正漁業法に基づき、収益性をしっかりと向上させながら、水産資源の持続的な利用を確保することで、漁業者の所得向上の実現を目指します。

 加えて、三千億円の予算措置で、新しい漁船や漁具の導入、水産加工業の生産性向上など、浜の皆さんの取組をしっかりと支援していきます。

 また、漁業収入安定対策については、新たな資源管理制度の導入に合わせ、その機能強化を検討してまいります。

 こうした水産政策改革を始め、新しい農林水産業を切り開くための政策を更に力強く展開し、農林水産業の活性化と農林漁業者の所得向上を実現してまいります。

 豚コレラについては、その一刻も早い終結に向け、あらゆる対策を総動員します。衛生管理の徹底や、防護柵の設置支援など野生イノシシ対策の強化を図るとともに、ワクチン接種に向けた準備を早急に進めてまいります。

 また、発生農家の皆様に対しては、殺処分した豚への補償、技術指導、経営再開する場合の支援金の交付などの支援策を講じるとともに、消費者への情報発信など、風評被害対策にもしっかりと取り組んでまいります。

 全世代型社会保障改革についてお尋ねがありました。

 全世代型社会保障への改革は、安倍内閣の最重要課題です。

 少子高齢化と同時にライフスタイルが多様となる中で、子供からお年寄りまで全ての世代が安心できる社会保障制度へ改革を進めていく必要があります。

 その大きな第一歩として、消費税の使い道を見直し、十月一日から、三歳から五歳まで全ての子供たちの幼児教育、保育を無償化しました。来年四月からは、真に必要な子供たちの高等教育を無償化します。

 今後、国民の声にしっかりと向き合いながら、年金、医療、介護、労働など社会保障全般にわたって、人生百年時代を見据えた改革を果断に進め、令和の時代にふさわしい、誰もが安心できる社会保障制度を大胆に構想してまいります。

 年金制度の改善についてお尋ねがありました。

 先般公表した財政検証の結果によれば、マクロ経済スライドによる調整が終了した後の所得代替率は、前回よりも悪化するのではないかとの一部の臆測に反し、代表的なケースでは、前回検証時の五〇・六%に対して、五〇・八%と改善したところです。

 国民年金のみに加入されている方についても、まずは、経済を強くすることで年金の財政基盤を確かなものとし、さらに、年金の適用拡大など老後の安心を支える不断の制度改革を推し進めることで、生活の安定を図ってまいります。

 認知症施策についてお尋ねがありました。

 認知症施策については、本年六月、共生と予防の取組を車の両輪として施策を推進する認知症施策推進大綱を取りまとめたところです。

 地域共生社会を構築するためには、認知症サポーターの養成や地域における活躍の場を広げることが重要であると考えています。このため、大綱では、認知症サポーターの量的な拡大を図ることに加え、認知症の方の支援ニーズと認知症サポーターをつなげていく仕組みであるチームオレンジを地域ごとに構築することとしています。

 今後とも、御党の御提案も踏まえながら、認知症の方を支えるための地域コミュニティーづくりなど、必要な施策を政府一丸となって推進してまいります。

 がん対策についてお尋ねがありました。

 がん患者が安心して治療を受けながら、自分らしく生き生きと働ける環境を整備することは重要です。

 このため、第三期がん対策推進基本計画に基づき、両立支援コーディネーターの育成を順次進めており、当初の計画を上回るペースで養成が進んでいます。また、がん相談支援センターについても、議員御指摘のアピアランスケアなどの課題にも対応できるよう、機能強化を図っているところです。さらに、傷病手当制度についても、支給要件の改善などの見直しの検討を進めているところです。

 今後とも、治療と仕事の両立支援等、がん対策の充実に取り組んでまいります。

 台風十五号の被災者への支援制度等についてお尋ねがありました。

 政府としては、被災自治体が財政上安心して復旧復興に取り組むことができるよう、普通交付税の繰上げ交付を決定したほか、台風十五号による災害を激甚災害に指定することとしました。

 また、御指摘のとおり、今般の台風十五号による災害においては、極めて多くの家屋に被害が生じ、被災者の方々の日常生活に著しい支障が生じたことから、災害救助法の制度を拡充し、恒久的制度とし、一部損壊の住宅のうち、屋根等に日常生活に支障を来す程度の被害が生じた住宅については、支援の対象とすることとしました。

 今後は、地方自治体や建設業団体とも連携して、制度の周知や業者情報の提供等に努め、一日も早い被災者の生活再建に向けて、引き続き全力で取り組んでまいります。

 台風第十五号の教訓等を踏まえた再発防止策についてお尋ねがありました。

 御指摘のとおり、今回の台風においては、長期間にわたる停電及びその復旧プロセスなどのさまざまな課題が認められました。それらの課題を検証、検討するため、先般、官房副長官をトップとする検証チームを立ち上げました。

 今後、このチームのもとに設置した実務者検討会において、メンバーである防災分野等の有識者五名の御意見も伺いながら、長期停電の原因、その復旧プロセス及び鉄塔等送電網のハード対策、通信障害に関する関係者間の情報共有プロセス、国、地方自治体の初動対応、災害対応にふなれな自治体への支援等について、徹底的かつ客観的に検証してまいります。

 また、鉄道の計画運休については、運転再開についての情報提供のあり方や企業の対応等について、現在、国土交通省において、鉄道事業者の参加を得て、検証を行っております。

 今回の災害から得られた教訓を踏まえ、防災・減災対策を不断に見直し、国民の生命、暮らしを守るための対策に万全を期してまいります。

 復興・創生期間後の方針についてお尋ねがありました。

 本年三月の閣議決定において、復興庁の後継組織を置くこととし、復興・創生期間後も対応が必要な事業や復興を支える仕組みについて検討することとしています。

 政治の責任とリーダーシップのもとで復興をなし遂げるため、被災地の実績も踏まえ、年内にその基本方針を定めることとし、先日の復興推進会議において、各大臣に対して対応を指示したところです。

 これまでの安倍政権の外交の成果及び今後の方針についてお尋ねがありました。

 日本の外交、安全保障の基軸である日米同盟は、平和安全法制により、お互いに守り合うことができる同盟となり、そのきずなは格段と強くなりました。私とトランプ大統領との強固な信頼関係のもと、日米同盟はかつてないほど盤石です。今後とも、日米同盟を一層強化し、アジア太平洋の平和と繁栄をリードしていく決意です。

 我が国が提唱した自由で開かれたインド太平洋というビジョンに対する理解と支持は、米国、ASEAN、インド、豪州、太平洋島嶼国のみならず、ヨーロッパ、アフリカ諸国まで広がっており、議員御指摘のとおり、アジアや世界における日本の存在感は高まったと考えています。

 保護主義の広がり等、国際社会がさまざまな課題に直面する中、G20大阪サミットやTICAD7では、主催国として、世界の課題解決に向けたリーダーシップを示すことができました。引き続き、地球儀を俯瞰する外交を活発に展開し、世界の平和と繁栄に貢献してまいります。

 SDGsについてお尋ねがありました。

 SDGsが目指す、誰一人取り残さない社会の実現は、重要な課題です。

 SDGサミットでは、私より、G20大阪サミットやTICAD7での具体的な成果を紹介するとともに、日本として、民間企業、NGO、地方公共団体などの取組を後押ししてきたことを強調しました。

 環境と成長の好循環をつくっていくことが重要との認識のもと、十二月までにSDGs実施指針を改定し、進化した日本のSDGsモデルを示していきます。

 SDGs先進国を目指す我が国として、来年の東京オリンピック・パラリンピック開催も踏まえ、議員御指摘の点も参考にしつつ、引き続き、SDGsの実現に主導的役割を果たしていくとの日本の姿を国際社会に示してまいります。

 日米協定及び自由貿易などの拡大に向けた取組についてお尋ねがありました。

 世界的に保護主義への懸念が高まっている今こそ、日本が自由貿易の旗手として、自由で公正なルールに基づく経済圏を世界へと広げていくことが重要です。

 既に発効しているTPP11、欧州とのEPAに加え、今回の日米貿易協定によって、世界経済の六割を占める自由貿易圏が日本を中心として誕生することとなります。

 さらに、ASEANに中国、インド、豪州などを加えたRCEP交渉や、TPP参加国の拡大など、今後とも我が国は自由貿易の推進に主導的な役割を果たしてまいります。

 日韓関係についてお尋ねがありました。

 韓国は重要な隣国であり、北朝鮮問題を始め、日韓、日米韓の連携が重要です。

 日韓関係の根本をなす日韓請求権協定の違反状態を放置するなど、信頼関係を損なう行為を続ける韓国に対し、まずは、国際法に基づき、国と国との約束を遵守することにより、日韓関係を健全な関係に戻していくきっかけをつくることを求めます。

 北朝鮮問題についてお尋ねがありました。

 弾道ミサイル発射が安保理決議違反であることは明白であり、こうした立場について、例えば、先般のG7の際に行った日米首脳会談で、冒頭、私から、北朝鮮の短距離弾道ミサイルの発射は安保理決議違反であり極めて遺憾である旨述べ、トランプ大統領から、完全に理解する旨の発言があるなど、累次の機会に確認してきたところです。

 引き続き米国と緊密に連携し、安保理決議の完全な履行に努めてまいります。

 拉致問題について、昨年六月及び本年二月の米朝首脳会談において、トランプ大統領が私の考えを直接金正恩国務委員長に伝えてくれたことは大きな成果でした。

 五月にトランプ大統領が国賓で訪日した際には、拉致被害者の御家族と再び時間をとって会ってもらい、御家族の皆様の話にじっくりと耳を傾けていただきました。その際、拉致被害者の御家族から手紙をお渡しし、それに対し、後日、トランプ大統領から、御家族を勇気づける直筆の返事が送られてきました。これを御家族は大変温かい気持ちで受けとめておられます。

 九月の国連総会の際の日米首脳会談では、私から、このことに言及しつつ、大統領の拉致問題への一貫した支持に謝意を表し、今後とも日米間で緊密に連携していくことを確認しました。

 また、G20の際に行われた日中首脳会談においては、習近平主席から、六月の中朝首脳会談において、日朝関係に関する私の考えを金正恩委員長に伝えたとの発言があり、その上で、習主席から、拉致問題を含め、日朝関係改善への強い支持を得ました。

 韓国も、昨年四月の南北首脳会談を始めとする累次の機会において、北朝鮮に対して拉致問題を提起しています。

 拉致問題の解決に向けて、我が国自身が主体的に取り組むことが重要です。私自身、条件をつけずに金正恩委員長と直接向き合う決意です。御家族も御高齢となる中、一日も早い解決に向けて、引き続き米国等と緊密に連携しながら、冷静な分析の上に、あらゆるチャンスを逃すことなく、果断に行動してまいります。

 今後とも、我が国として、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、国交正常化を目指してまいります。

 高齢ドライバーの運転支援や安全対策等についてお尋ねがありました。

 政府においては、昨今の相次ぐ痛ましい交通事故を受けて、本年六月の関係閣僚会議において決定した交通安全緊急対策に基づき、現在、高齢運転者の交通安全対策を強力に推進しているところです。

 具体的には、安全運転サポート車の普及や、既販車への安全運転支援装置の設置を更に促進させるため、支援装置の性能認定制度を創設するほか、安全運転支援機能を有する自動車を前提とした運転免許制度等の検討を加速させてまいります。

 また、歩道の設置、拡充、防護柵の設置等、子供や高齢者などの歩行者の安心、安全な歩行空間の整備を行うほか、交差点改良を始めとした幹線道路対策などを着実に実施してまいります。

 高齢化の進展への適切な対処が強く要請される中、時代のニーズに応える交通安全対策に政府一丸となって迅速に取り組んでまいります。

 あおり運転についてお尋ねがありました。

 いわゆるあおり運転は、意図的に危険を生じさせる極めて悪質な行為であり、その抑止を図るため、引き続き、あらゆる刑罰法令を適用して、厳正な取締り等に努めてまいります。

 その上で、御指摘の罰則の強化等についても、引き続き検討を進めてまいります。

 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)

    〔国務大臣赤羽一嘉君登壇〕

国務大臣(赤羽一嘉君) 斉藤鉄夫議員にお答えをさせていただきます。

 まず、インフラ老朽化対策及び防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急対策後の取組についてお尋ねがございました。

 私は、先月十一日に国土交通大臣を拝命した直後から、台風十五号、十七号の被災地を始め、近年全国で発生した激甚災害の被災地十カ所を視察いたしました。

 災害規模の大きさと深刻さを目の当たりにし、改めて、ハード、ソフト両面での国、県、市の連携による事前防災の重要性と、最新技術を駆使した計画的なインフラ老朽化対策の必要性を強く認識したところでございます。

 具体例を申し上げますと、平成二十六年八月、広島・安佐南区を襲った土砂災害後に整備された砂防堰堤が、昨年の西日本豪雨災害で有用性を発揮したことは、斉藤議員の御指摘のとおりでございます。

 また、昨年七月の岡山県倉敷市真備町の大水害は、大雨により、国及び県が管理する河川の堤防が決壊し、ハザードマップに示した洪水浸水想定区域がおおむね浸水し、大惨事となってしまいました。

 この事案から、今後の治水対策は、国、県、市がそれぞれ別々に取り組むのではなく、国、県、市が連携して、河川の流域全体で対策を講じる必要があることが教訓となりました。

 さらに、本年八月の大雨に伴い斜面崩落が発生した佐賀県大町町のボタ山わんぱく公園では、ドローンの活用により新たな崩落箇所を発見することができ、被害の拡大を食いとめるなど、新技術の有効性も発揮されたわけでございます。

 被災自治体の首長の皆様からは、異口同音に、国交省派遣のTEC―FORCEの貢献、ドローン等の新技術を使った復旧復興について高く評価をいただくとともに、三カ年緊急対策後の取組のさらなる充実を強く求められたところでございます。

 政治の最大の使命は、国民の皆様の命と暮らしを守ることでございます。

 激甚災害が頻発する昨今の状況を鑑み、この三カ年緊急対策を講じた後の二〇二一年度以降も、全国の地方自治体の要望に応え、引き続き、必要な予算の確保に努め、防災、減災が主流となる安全、安心な社会づくりに全力を傾けてまいる所存でございます。

 次に、少子高齢化が進む中での地域公共交通ネットワークの確保と新たなモビリティーサービスの実現についてお尋ねがございました。

 高齢者の運転免許の返納が顕在する中、移動手段の受皿となるべき公共交通は、地方部を中心に、人口減少の本格化、運転者不足の深刻化等に伴って、その経営環境はますます厳しくなっています。

 このため、国土交通省は、地域公共交通活性化再生法の見直しも視野に入れつつ、地方公共団体が中心となって地域の鉄道、バス等の維持、充実に積極的に取り組んでいけるよう、効果的な対策の検討を進めてまいります。

 あわせて、近年のIoTやAI等の技術革新の成果を積極的に活用し、高齢者等の皆様が、外出機会を減らすことなく、公共交通を利用してストレスなく快適に移動できる環境を整備する必要があります。

 このため、国土交通省は、いわゆるMaaSについて、将来の全国への普及やネットワーク化を視野に入れながら、今年度から全国十九地域で実証実験に取り組んでおるところでございます。先日、私も、その一カ所を視察、体験し、MaaSの利便性を実感したところでもあります。

 また、自動運転の実用化についても、最寄り駅と目的地を結ぶラストマイル自動運転等の実証実験や、関係する技術基準や制度の見直し等により、早期実現に取り組んでいます。

 以上申し上げました取組を通じ、高齢者等の皆様がみずからの運転だけに頼らずに暮らせる社会の実現に努めてまいります。

 以上でございます。(拍手)

    〔議長退席、副議長着席〕

    ―――――――――――――

副議長(赤松広隆君) 志位和夫君。

    〔志位和夫君登壇〕

志位和夫君 私は、日本共産党を代表して、安倍総理に質問します。(拍手)

 冒頭、この間の台風、豪雨災害で被災された方々に心からのお見舞いを申し上げます。

 私は、先日、台風十五号で大きな被害を受けた千葉県南部の自治体に伺い、市長さんたちから要望をお聞きしてきました。共通して出された要望は、館山市の金丸市長の言葉をかりますと、住み続けられる町への復興支援をということでした。

 住宅被害は大きなものがあります。南房総市の石井市長は、一部損壊への補助はありがたいが、六割から八割もの自己負担がある、負担できず住宅難民になってしまうことが心配だと言われていました。

 農林水産業にも大きな被害が出ています。一定の支援制度が発動されますが、自己負担が重くのしかかります。過疎、離農、廃業が進むのではないか、これが一番の不安として語られました。

 住み続けられる町への復興支援を、これは全国で災害に遭った地域の共通の声だと思います。この声に応えて、現行の支援の枠組みにとらわれず、公的支援の抜本的強化を図るべきだと考えます。総理の見解を求めます。

 消費税問題について質問します。

 十月一日、安倍政権が消費税一〇%への大増税を強行したことに対し、とても暮らしていけないという怨嗟の声が全国で広がっています。私は、暮らしも景気も経済も壊すこの暴挙に対し、強い憤りを持って抗議するものです。

 そもそも、消費税は、所得の少ない人に重くのしかかる、逆進性を宿命とする弱い者いじめの税金です。こんな税金を日本の税金の中心に据えて、どんどん引き上げる道を進んでいいのか。

 ことしは、消費税が導入されて三十一年目になります。この税金が日本に何をもたらしたか。私は、まずこの根本問題について総理の基本認識をただしたいと思います。

 第一は、消費税は一体何のための税金かという問題です。

 政府は、社会保障のためと繰り返してきました。しかし、この三十一年間、年金は減らされ、サラリーマンの医療費窓口負担は三倍になり、介護保険は負担あって介護なし、社会保障は切下げの連続ではないですか。

 政府は、財政再建のためと繰り返してきました。しかし、この三十一年間、国と地方の借金は二百四十六兆円から一千六十九兆円へと四倍以上に膨れ上がっています。

 どう説明されますか。総理、政府の言い分はどちらもうそだったではありませんか。

 この三十一年間の消費税収は三百九十七兆円ですが、同時期に法人三税の税収は二百九十八兆円減り、所得税、住民税の税収も二百七十五兆円減りました。大企業と富裕層への減税が繰り返されたのに加えて、消費税増税がもたらした経済の低迷が税収を減らした結果です。

 結局、弱者から吸い上げ、大企業と富裕層を潤す、これこそが消費税の正体であることは、三十一年間の現実ですっかり明らかではありませんか。答弁を求めます。

 第二は、消費税が日本経済に何をもたらしたかという問題です。

 OECDのデータで、一九九七年から二〇一七年の二十年間の世界の先進国のGDPの推移を見ますと、驚くべき結果が浮き彫りになります。

 この二十年間で、アメリカはGDPが二・三倍、イギリスは一・七倍、フランスは一・八倍、ドイツは一・七倍。欧米の多くの国々はGDPが二倍前後に伸びています。

 ところが、日本は二十年間でGDPは一・〇二倍、わずか二%しか伸びていません。OECDの三十六カ国で断トツ最下位が日本なのであります。二十年という単位で見た場合、日本は世界でも異常な、経済成長できない国になってしまっているのであります。

 総理は、この原因がどこにあると認識されていますか。私は、たび重なる消費税増税が原因の一つであることは明らかだと考えます。

 一九九七年の五%への増税は、バブル崩壊から立ち直りつつあった景気回復の芽を摘み、日本経済の長期にわたる消費不況の引き金を引きました。二〇一四年の八%への増税は、今日に及ぶ消費不況の原因となりました。

 総理には、たび重なる消費税増税が、日本経済を世界でも異常な長期低迷に落ち込ませた原因の一つだという認識がありますか。お答えいただきたい。

 日本共産党は、消費税導入が強行されたその日から、一貫して消費税の廃止を求めてきましたが、三十一年間の消費税の現実に立って、この悪税の廃止を目標とすることを改めて強く求めるものであります。

 税金は負担能力に応じて。応能負担の原則に基づいて、税制の民主的立て直しを行うことこそ急務であります。総理の答弁を求めます。

 その上で、日本共産党は、緊急の課題として、消費税を五%に減税することを強く求めます。

 なぜ五%への減税か。理由は簡単明瞭です。二〇一四年に五%から八%に引き上げたこと自体が間違いだったからです。

 当時、総理は我が党の追及に対して、増税の影響は一時的と繰り返しました。しかし、現実はどうだったか。一世帯当たりの実質消費支出は、増税を契機に大きく落ち込み、五年半たっても回復せず、年二十万円も落ち込んだままです。働く人の実質賃金も、年十五万円も落ち込んだままです。一時的どころか、長期にわたる消費不況が今に至るも続いているではありませんか。

 総理、八%への大増税そのものが経済失政であったことは明らかではありませんか。

 十月一日に発表された日銀短観では、大企業製造業で、三期連続で景気判断が悪化になりました。内閣府が昨日七日発表した景気動向指数も下方修正され、悪化となりました。こんなさなかに一〇%に増税など無謀のきわみ、失政に失政を重ねる二重の経済失政と言わなければなりません。

 総理、八%に引き上げたことが間違いならば、その間違いを正す、五%への減税によって二重の経済失政を正すことが必要ではありませんか。

 日本が、世界でも異常な長期にわたる経済成長できない国から抜け出して、経済を成長の軌道に乗せる上でも、今、政治が、五%への減税という家計応援のインパクトある政策を実行することが必要不可欠と考えますが、いかがですか。答弁を求めます。

 消費税を減税し、社会保障や教育をよくする財源をどう考えるか。

 日本共産党は、財源というなら、持てる者からきちんと税金を取ること、無駄遣いを一掃すること、そして、暮らしを応援することで日本経済を成長の軌道に乗せて税収をふやすこと、この三つを組み合わせれば、消費税に頼らなくても立派にやっていけると具体的に提案しております。

 持てる者からきちんと税金を取るという点では、まず何よりも、大企業と富裕層優遇の不公平税制を正し、応分の負担を求める改革を行うべきです。

 大企業は、安倍政権のもと、史上空前のもうけを上げ、内部留保を三百三十三兆円から四百四十九兆円へと積み増しています。ところが、もうけにふさわしい税金を払っていないじゃないですか。中小企業の法人税負担率は一八%に対し、大企業の負担率は一〇%、研究開発減税など優遇税制のおかげです。

 総理、不公平だと考えませんか。優遇税制を是正し、法人税の税率を安倍内閣以前の水準に戻すことを求めます。

 超富裕層のもうけも史上空前です。保有株式時価総額一千億円以上の超大株主は、安倍政権のもとで十二人から五十八人にふえ、保有総額は三・五兆円から十七・六兆円へと急増しました。ところが、株取引にかかる税金が特別に軽いため、所得が一億円を超える富裕層への税負担は逆に軽くなっています。

 総理、不公平だと考えませんか。ここでも優遇税制を是正し、最高税率を引き上げるべきではありませんか。答弁を求めます。

 無駄遣いを一掃するという点では、トランプ米大統領言いなりの、米国製武器の爆買いをやめるべきであります。

 例えば、六千六百億円以上もの巨費がかかるイージス・アショアです。なぜ、秋田と山口に配備するのか。

 米国の戦略国際問題研究所が発表した論文、「太平洋の盾 巨大なイージス駆逐艦としての日本」は、イージス・アショア配備の目的がハワイやグアムの防衛にあると明記しています。北朝鮮からハワイに向かうミサイルは秋田の上空を通過し、グアムに向かうミサイルは山口の上空を通過する。秋田と山口へのイージス・アショアの配備は、米国防衛としか説明がつかないじゃないですか。米国防衛のための武器購入に六千六百億円もの血税を注ぐ。こんなばかげた政策は中止すべきであります。

 名護市辺野古への新基地建設にも膨大な血税が注がれています。二〇一八年、沖縄県は総工費は二兆五千五百億円と試算しましたが、その後、大規模な超軟弱地盤の問題が判明し、費用がどこまで膨らむかは誰もわかりません。沖縄県民の繰り返しのノーの審判を踏みつけにし、サンゴの美しい海を潰す新基地建設に何兆という規模の日本国民の血税を注ぐ。このような屈辱的な政治も終わりにすべきであります。

 取るべきところから税金を取り、無駄遣いを一掃し、消費税を減税するべきです。総理の答弁を求めます。

 最後に、関西電力会長ら幹部二十人が、高浜町元助役から七年間で三・二億円分もの金品を受け取っていた事件について、総理の認識を端的に四点伺います。

 第一に、八木会長は記者会見で、金品の出どころはわからないと繰り返していますが、事件の構図から、三・二億円分の金品が原発マネーの還流であることは明らかではありませんか。総理にその認識はありますか。お答えいただきたい。

 第二に、還流した金品の原資は、国民が支払ってきた電力料金です。関電は、二〇一一年以降、原発再稼働のために家庭向け電気料金を二度にわたって値上げしてきましたが、その一部が還流したのです。再稼働を推進し、電気料金の値上げを認可してきた政府、経済産業省の監督責任が厳しく問われると考えますが、その反省はありますか。

 第三に、関電の会長も社長も、金品をもらっていた当事者じゃないですか。関電のつくる第三者委員会任せでは、肝心な真相が隠されてしまうことは避けられません。政府みずからが徹底的な調査を行うべきではありませんか。

 第四に、関電だけでなく、原発を持つ十一の電力事業者は、原発再稼働のための追加工事費として五兆円を超える事業を発注しています。再稼働利権が問われているのであります。他の電力会社についても、不正がないのかどうか、政府の責任で徹底的な調査が必要だと考えませんか。

 以上四点について答弁を求めます。

 国政調査権を行使し、関係者を国会に招致し、徹底的な真相解明を行う決意を述べて、質問を終わります。(拍手)

    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

内閣総理大臣(安倍晋三君) 志位和夫議員にお答えいたします。

 台風、豪雨災害への公的支援強化についてお尋ねがありました。

 今般の台風第十五号による災害において、極めて多くの家屋に被害が生じ、被災者の方々の日常生活に著しい支障が生じたことから、災害救助法の制度を拡充し、恒久的制度として、一部損壊の住宅のうち、屋根等に日常的に支障を来す程度の被害が生じた住宅については、支援の対象とすることとしました。

 また、農林水産業については、台風第十五号を含めた八月から九月の前線に伴う大雨等による被害への対策として、一日も早い経営再開に向けて、災害復旧事業の早期実施、農業用ハウス再建への支援、停電対策を主とした総合的な農林漁業者への支援策を決定し、周知を図っています。

 これらの支援を通じて、一日も早い被災地の復旧復興に向けて、引き続き全力で取り組んでまいります。

 各税目の税収の動向と消費税収の使途についてお尋ねがありました。

 税収の変化についての御議論ですが、所得税や法人税による税収の減少の背景としては、制度改正要因に加え、バブル期以降の資産価格の下落等、経済情勢の要因もあることに留意が必要です。

 この間、急速な高齢化等を背景として、年金、医療、介護等の社会保障給付費は大きく増加してきました。

 消費税は、税収が景気や人口構成の変化に左右されにくく安定しており、勤労世代など特定の者への負担が集中しないことから、社会保障に係る費用を賄うための財源としてふさわしく、引上げによる増収分は、実際に社会保障の財源として活用されてきました。

 今般の消費税率の引上げに当たっては、低所得者への配慮として軽減税率制度を実施することとしたほか、増収分を活用し、幼児教育、保育の無償化や年間最大六万円の年金生活者支援給付金等の社会保障の充実を行いながら、社会保障の安定化も同時に図ることとしており、消費税が、弱者から吸い上げ、大企業と富裕層を潤すとの御指摘は当たりません。

 我が国の経済成長と税制についてお尋ねがありました。

 我が国は、バブル崩壊以降、低い経済成長と長引くデフレによる停滞の二十年を経験しました。企業は賃金を抑制し、消費者も将来への不安などから消費を減らさざるを得ず、その結果、需要が低迷、デフレを加速するという悪循環から抜け出せずにいました。

 この経験を踏まえ、安倍内閣では、政権交代後、アベノミクス三本の矢の取組により、デフレではないという状況をつくり出す中で、名目GDPは一割以上成長しております。今後も、デフレ脱却、そして力強い成長のための三本の矢の政策を継続してまいります。

 なお、消費税については、国民が広く受益する社会保障の費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合うという観点で、社会保障の財源と位置づけています。

 少子高齢化に正面から取り組むに当たり、全世代型社会保障制度へと転換し、同時に、財政健全化も確実に進めていく必要があります。このため、消費税率を一〇%に引き上げたところであり、御提案のような廃止は全く考えておりません。

 いずれにせよ、公平、中立、簡素の三原則を踏まえつつ、今後の税制のあり方については不断の検討を行ってまいります。

 二〇一四年の消費税率引上げ等についてお尋ねがありました。

 消費税率の八%への引上げは、単なる増税ではなく、これを財源として、基礎年金国庫負担の割合の二分の一への引上げや、所得の低い方々に対する国民健康保険料等の軽減の拡充など、社会保障の充実を実施したところであります。

 これらの施策を全体として見れば、消費税率八%への引上げの判断が誤りであったとは考えていません。

 しかしながら、前回の消費税率引上げの際には、耐久財を中心に大きな駆け込み需要と反動減が生じ、その後の回復にもおくれが見られるなど、結果として見れば、需要変動に対する対策が必ずしも十分ではなかったと考えています。

 このため、今回の消費税率の一〇%への引上げに当たっては、前回の経験を踏まえつつ、教育の無償化や軽減税率に加え、思い切ったポイント還元、プレミアムつき商品券、自動車や住宅に対する大胆な減税など、十二分な対策を実施しているところであり、今後も経済の動向には十分目配りしてまいります。

 今回の引上げは、少子高齢化という国難に正面から取り組むに当たり、お年寄りも若者も安心できる全世代型社会保障制度へと大きく転換していくためのものであり、御提案のような減税は全く考えておりません。

 法人課税や富裕層への個人所得課税の強化、消費税の減税についてお尋ねがありました。

 企業に対する税制については、国際競争力への影響を踏まえ、慎重に検討する必要があります。

 安倍政権では、租税特別措置の縮減、廃止等により課税ベースを拡大しつつ法人税率を引き下げるなど、成長志向の法人税改革に取り組んできました。

 また、これまで、所得再分配機能の回復を図るため、所得税の最高税率の引上げや、金融所得課税の見直しにより税率を一〇%から二〇%に倍増するなどの施策を既に講じてきたところです。

 今後の税制のあり方については、これまでの改正の効果を見きわめるとともに、経済社会の情勢の変化等も踏まえつつ、検討する必要があると考えています。

 その上で、消費税については、国民が広く受益する社会保障の費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合うという観点で、社会保障の財源と位置づけています。

 少子高齢化に正面から取り組むに当たり、全世代型社会保障制度へと転換し、同時に、これまでの歳出改革の取組を強化して、無駄を徹底して排除することにより、財政健全化も確実に進めていく必要があります。

 このため、消費税率を一〇%に引き上げたところであり、御提案のような減税は全く考えておりません。

 イージス・アショアについてお尋ねがありました。

 イージス・アショアは、現下の厳しい安全保障環境の中、弾道ミサイルの脅威から我が国全域を二十四時間三百六十五日、長期にわたり切れ目なく防護することを可能とし、国民の命を守り抜くためどうしても必要な装備品であり、米国を防衛するために導入するものではありません。

 また、イージス・アショアの取得、維持、運用等に要する経費は、現時点で、約四千億円を超えるものと見積もっていますが、今後、施設整備に要する経費なども含めた、いわゆるライフサイクルコストを適切な時期に確定、公表するとともに、引き続き、経費の低減に努めてまいります。

 普天間飛行場の辺野古移設についてお尋ねがありました。

 世界で最も危険と言われる普天間飛行場の一日も早い全面返還の実現に向けて、現在、沖縄防衛局において、環境保全に最大限配慮しながら、辺野古移設に向けた工事が進められているところです。

 米軍キャンプ・シュワブの北側海域については、地盤改良工事が必要であるものの、一般的で施工実績が豊富な工法により、護岸や埋立て等の工事を所要の安定性を確保して行うことが可能であることが確認されたと承知しています。

 現在、沖縄防衛局において、有識者の助言等を得ながら、具体的な設計、費用等について詳細な検討を行っているところであり、移設に要する経費については、しかるべき時期にしっかりと説明させたいと考えております。

 政府としては、地元の皆様と対話を積み重ね、御理解を得る努力を続けながら、普天間飛行場の一日も早い全面返還の実現に向けて全力で取り組んでまいります。

 関西電力の問題、電気料金の認可、他の電力会社への調査などについてお尋ねがありました。

 電気事業者たるものは、原子力にかかわるものか否かにかかわらず、その事業全体について、電気料金を支払う利用者の皆さんから不信を持たれることのないよう、常に適正な事業運営に努めるべきは当然であります。

 電気料金の認可は、所管する経済産業省が、公開の場における専門家による厳正な審査を経て行うものであると承知しておりますが、今回の事案を踏まえ、電気事業法に基づき、関西電力に対して、資金の流れ、工事の実態などの一連の事実関係や他の類似事案の有無などの報告徴収命令を既に出しております。これを受けて、関西電力は、独立した第三者委員会のもとで調査を行うこととしたものと承知しております。

 まずは、第三者の目を入れて、徹底的に全容を解明することが不可欠であり、その上で、経営問題も含め、再発防止等の措置を講ずることで、利用者の皆さんの信頼回復に努めることが必要であると考えています。

 さらに、今般の事案の発生を受けて、経済産業省から関西電力以外の電力会社に対しても、コンプライアンスの遵守を徹底するよう指示したところであり、これを受けて、各電力会社による調査が行われたと承知しています。(拍手)

    ―――――――――――――

副議長(赤松広隆君) 馬場伸幸君。

    〔馬場伸幸君登壇〕

馬場伸幸君 日本維新の会の馬場伸幸です。

 私は、我が党を代表して、総理に質問をさせていただきます。(拍手)

 日本維新の会は、地方から生まれた唯一の国政政党として、特定の組織、団体に依存しない唯一の国政政党として、身を切る改革を言うだけではなく実行する唯一の国政政党として、結党から七周年を迎えました。

 人間でいうと、小学校に入ったばかり。還暦を迎えた自民党に取ってかわる実力はまだありませんが、新しい令和の時代にふさわしい新しい日本をつくり上げていくために、力の限りを尽くして働いてまいる決意であります。

 今国会では、特に、この日本を次の世代へと引き渡していくために、どうしても必要であるにもかかわらず、自公政権だけでは絶対になし遂げられそうにない、原発処理水の海洋放出、社会保障制度の再構築、そして憲法改正の三つに注力してまいります。

 まず、福島第一原発に係る処理水の海洋放出については、先週、日本維新の会国会議員団として、福島第一原発及び原発の周辺に整備されつつある中間貯蔵施設の視察に行ってまいりました。

 私たち日本維新の会が原発処理水の速やかな海洋放出にこだわる理由は、国民の健康や漁民の皆様のなりわいを軽く考えているからではありません。過酷な原発事故を引き起こす遠因となった、いわゆる安全神話という強烈な引力に再び日本社会が屈しようとしていることを心から憂いているからであります。

 八年前の福島第一原発事故を通じて私たちが得た最大の教訓は、一〇〇%安全もゼロリスクも神話にすぎないこと、そうした安全神話にとらわれてしまうと、対策がおろそかになり、かえって危険であることでありました。

 ところが、事原発の処理水について、政府は、風評対策を言いわけにして、安全を連呼するなど、再び安全神話にとらわれていると断じざるを得ません。

 そもそも、私たち社会生活を営む人間は、リスクという大海のただ中に生まれ、死んでいきます。そうした大海原の上を進みながら、波浪のまにまにもてあそばれるのが実際の社会的人間であります。

 そうした中で、福島第一原発で問題となっている処理水は、世界各地の、そして日本各地の原子力施設から、より大規模に海洋放出されてきた処理水と何ら変わりなく、いわば大海の表面のさざ波のようなものであり、安全神話にとらわれて過度に問題視することは、かえって国民をリスクにさらすこととなりかねません。

 そこで、安倍総理に質問します。

 福島第一原発に係る処理水については、ALPS、多核種除去設備をフル活用するとともに、必要な希釈を行えば、これまでと全く変わりない処理水として海洋放出できると考えますが、いかがでしょうか。原発事故由来のデブリに触れた水であるという水の出自は特別ですが、処理水の科学的な性質という観点からいえば、これまでの処理水と何ら変わるところはないはずです。風評被害を最小化するためにも、総理にはその旨を明言いただきたいと存じます。

 小泉進次郎環境大臣は、先日、九月十七日、除染廃棄物の三十年後、県外処分を取り上げ、約束を守ると明言されました。

 これまでと科学的に変わりのない処理水の海洋放出もできない、関西電力の経営陣による不適切な事案に切り込むこともできない、そんな政府に県外処分という極めて困難な約束を守ることができるでしょうか。一体、いずれの地域が最終処分を引き受けるというのでしょうか。

 総理も、環境大臣と同じように、約束を守るとおっしゃるのであれば、約束を守れる根拠をお答えください。

 国民が納得できる根拠を示せないのであれば、その約束は単なる先延ばしのための方便にすぎないとの批判を免れることはできないのではないでしょうか。

 次に、経済成長を実現するための改革加速と、持続可能な社会保障制度の構築について質問をいたします。

 米中貿易戦争やイギリスのEU離脱問題などを背景に、世界経済の成長率が二〇〇八年のリーマン・ショック以降で最低となる見通しの中、今必要なことは、消費増税ではなく経済成長への改革加速であります。

 私たち日本維新の会は、日本の経済成長を加速していくために不可欠な三つの改革に取り組んできました。

 第一は、東京一極だけが成長する経済成長ではなく、一極から二極、二極から多極へと、経済成長を生み出すエンジンを全国に拡大していくための地方分権改革であります。大阪では、大都市地域特別区設置法に基づく住民投票を来年中にも実施すべく、議論を加速しているところであります。

 第二は、岩盤規制と呼ばれる強固な規制を取り払っていくことです。私たち日本維新の会は、与党とも協力をしながら、統合型リゾート、IRの実現に力を尽くしてきましたが、今国会では、いわゆるスーパーシティー法案による上書き制度、つまり、国の法規制を条例が上書きできる制度についても政府に論戦を挑んでまいりたいと存じます。

 第三は、労働市場改革です。日本維新の会の結党に先立つ二〇一二年、民主党政権下において一〇%への消費増税を取り決めたいわゆる三党合意は、社会保障と税の一体改革に関する合意でしたが、今の日本に真に必要な改革は、税と社会保障に労働市場を加えた三位一体改革です。日本維新の会として、年内にも、税と社会保障に労働市場を加えた三位一体改革について取りまとめを行うべく、検討を加速しているところです。

 そこで、安倍総理に伺います。

 二〇一三年四月、総理は予算委員会で、解雇紛争の金銭解決の法制化を検討する旨発言されましたが、野党からの印象操作とレッテル張りに屈し、取り下げてしまいました。私たちは、日本の硬直的な雇用システムと労働市場こそ、低生産性の元凶であり、改革が不可欠と考えていますが、解雇紛争の金銭解決に係る政府における検討の経過と今後の予定についてお答えください。

 先週、十月一日から消費税が増税されましたが、痛税感の緩和を旗頭に導入された軽減税率は余りにも煩雑で、誰が見てもわかりづらい愚策であります。案の定、初日から国民の間で混乱が起きており、今からでもすっきりとした制度に改めるべきです。

 我が党は、簡素、公平、活力を重視する立場から、給付つき税額控除やベーシックインカムといった考え方に立つ新しい給付型制度の導入、マイナンバーのフル活用、歳入庁設置の三点を訴えてきましたが、大事なことは、新しい給付制度が単なる軽減税率の対案として有効であることにとどまらず、税と社会保障、労働市場の三位一体改革を実現するための肝となるからであります。

 そこで、総理に伺います。

 我が党は、焦点の年金制度について、現在の賦課方式から積立方式に転換し、過去の年金債務と新たな年金制度とを切り離すとともに、低年金、無年金の方々には生活保護とは異なる新しい給付制度を適用するべきと考えていますが、政府の全世代型社会保障会議でもこうしたテーマを検討課題としてテーブルにのせるお考えはありませんか。

 そもそも、七月に行われた参院選における各種討論会や番組において、社会保障改革に関する特別委員会など、しかるべき場を国会に設けることに全ての政党が賛成を表明していました。政府の検討に並行して国会でも政策論議を深めるべきであり、約束どおり国会に早期に議論を行う場を設置するよう、各党に強く要望いたします。

 今、国民の皆様が年金制度に不安を抱いていらっしゃる裏側で、地方議員年金を復活させようとする動きが活発化しています。

 地方議員年金は制度破綻を来し、平成二十三年に廃止をされましたが、全国の自治体はそのツケを支払わされ続け、その額は一兆一千億円に上ります。

 議員は個人事業主です。一般の個人事業主の方は、全員、国民年金に加入していらっしゃいます。なぜ議員を役所の厚生年金に入れようとするのですか。地方議員のなり手がいないことを理由に挙げるなら、地方の特色に合わせて議会のあり方を見直せばよいのです。

 総理に伺います。

 地方議員が厚生年金に加入すれば、自治体が税金で掛金を半額負担することになり、その額は、年金だけで二百億円、医療保険も含めれば三百億円とも言われていますが、事実でしょうか。

 国民には増税を強いる中で、その税金を投入し、新たな議員特権を創設することに国民の理解が得られるとお考えでしょうか。

 そもそも、地方議員の年金制度復活よりも、人口減少社会における地方議員のあり方自体を見直すことを優先すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 最後に、国民主権の真髄に触れる憲法改正と国民投票法改正について伺います。

 日本維新の会は、憲法審査会を開催し、改正に向けた議論を広く展開することこそが、国民の皆様が憲法にしっかり向き合い、理解を深めていただくためのきっかけになると確信をしています。

 そうした観点から、日本維新の会は、三年以上前の平成二十八年三月、教育の無償化、統治機構改革、憲法裁判所の設置という三項目にわたる条文案を憲法改正原案として公表いたしました。

 ところが、我が党を除く野党の執拗な妨害行為は論外としても、憲法改正を党是とするはずの自民党自身も、憲法改正に向けた覚悟が伝わってきません。

 そこで、自民党総裁でもある安倍総理に率直に伺います。

 本年五月に新しい令和の時代を迎えたにもかかわらず、仮に憲法審査会での議論が進展しない場合には、年内解散に打って出る、それぐらいの思いで憲法改正に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。自民党総裁としての覚悟のほどをお示しいただければと存じます。

 今、熱戦が繰り広げられているラグビーワールドカップ日本大会では、日本代表が優勝候補の難敵アイルランドに続いてサモアを下すなど奮闘し、国民に大きな感動と勇気を与えてくれています。

 日本維新の会も、我が国の改革の道を阻んできた強大な壁にひるまず、がっちりとスクラムを組んで、右でも左でもなく、前へ前へと突き進んでいく責任政党としての覚悟をここに国民の皆様にお示しし、私の質問とさせていただきます。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

内閣総理大臣(安倍晋三君) 馬場伸幸議員にお答えをいたします。

 東京電力福島第一原発における処理水の取扱いについてお尋ねがありました。

 東京電力福島第一原発事故に伴う風評の払拭は、福島復興の大前提です。そのためには、馬場議員の御指摘のとおり、科学的な事実に基づきながら、丁寧な情報発信を尽くすことが何よりも重要であると考えます。

 ALPSの処理水については、現在、経済産業省において、有識者による小委員会を設置し、過去の経験や科学的な知見に十分に基づき、風評被害などの社会的な観点も踏まえ、海洋放出を含めたあらゆる選択肢について検討を行っていると承知しております。今後、政府として、科学的かつ丁寧な議論の上に、結論を出してまいります。

 除去土壌等の最終処分についてお尋ねがありました。

 三十年以内、県外最終処分という方針については、平成二十六年に、当時の民主党や維新の会にも御賛同いただき、当該方針を定めた法律が成立したところであり、今後とも、国として、これにのっとり、しっかりと取り組んでまいります。

 そのため、現在、除去土壌等の減容に関する技術開発や、再生利用の推進、処分場の構造の技術的検討などを進めているところです。その成果を前提として、最終処分地に関する具体的な調整に順次着手する考えです。

 今後とも、三年前に策定した工程表にのっとって、具体的な取組を着実に前進させてまいります。

 解雇紛争の金銭解決制度についてお尋ねがありました。

 解雇紛争時の金銭解決については、金銭を支払えば自由に解雇できるといった制度の導入は考えていないということをまず明確にさせていただきます。

 その上で、労働者の保護等の観点から、現在、厚生労働省においては、まずは、法技術的な論点について専門的な論議を行っているところであり、その結果等も踏まえつつ、引き続き、労使ともよく相談しながら検討を進めてまいります。

 年金制度改革についてお尋ねがありました。

 御指摘の年金制度の積立方式への切りかえについては、若い世代を含む全世代が自分の積立てに加えて現在の高齢者の給付を賄うこととなる、いわゆる二重負担の問題があり、これを克服するという難しい課題があると考えています。

 また、低年金の方々に対しては、今月から、年間最大六万円の年金生活者支援給付金がスタートしたばかりであり、この新たな給付制度の定着に全力を傾注したいと考えています。

 その上で、全世代型社会保障検討会議においては、年金、医療、介護、労働など社会保障全般にわたって、人生百年時代を見据えた改革を検討し、誰もが安心できる社会保障制度を大胆に構想してまいります。

 地方議員のあり方についてお尋ねがありました。

 地方議員が厚生年金等に加入した場合の公費負担については、総務省において一定の前提のもとに行った直近の試算によれば、毎年度、年金で約百六十億円、医療保険で約百億円になると承知をしております。

 地方議員の厚生年金への加入については、国民の幅広い政治参加や地方議会における人材確保の観点から必要との考え方もありますが、他方、こうした保険料の公費負担などの課題もあります。

 この問題は、地方議員の身分の根幹にかかわることであり、国民の皆様の声や議員の声もよく聞きながら、各党各会派において検討がなされる必要があると考えております。

 地方議員のなり手不足については、政府としても、これまで、通年会期制の創設など、より幅広い層が議員として参画しやすい環境の整備に努めてきたところであります。また、各議会においても、夜間、休日を基本とした議会運営など、議員の裾野を広げることに資する自主的な取組を進めていると承知しています。

 引き続き、各地方議会における自主的な取組とあわせ、政府としても、議員のなり手の確保のための環境整備に努めてまいります。

 憲法改正についてお尋ねがありました。

 日本維新の会が憲法改正について具体的な考え方を示し、各論に踏み込んで真摯に議論されていることに、まずもって敬意を表したいと思います。

 憲法審査会の運営については、国会でお決めいただくことであり、内閣総理大臣としてお答えすることは差し控えさせていただきます。

 その上で、お尋ねでございますのであえて申し上げれば、さきの参議院選挙や最近の世論調査を通じて示された国民の皆様の声は、憲法改正について議論を行うべきであるというものであります。

 自民党は、既に憲法改正のたたき台を提示しています。立憲民主党を始め野党各党においても、それぞれの案を持ち寄っていただき、憲法審査会の場で国民の期待に応える活発な議論を行っていただきたいと思います。

 与野党の枠を超えた議論を深める中で、令和の時代にふさわしい憲法改正原案を策定していただくことを期待しております。(拍手)

副議長(赤松広隆君) これにて国務大臣の演説に対する質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

副議長(赤松広隆君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後四時四十三分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       内閣総理大臣  安倍 晋三君

       財務大臣    麻生 太郎君

       総務大臣    高市 早苗君

       法務大臣    河井 克行君

       外務大臣    茂木 敏充君

       文部科学大臣  萩生田光一君

       厚生労働大臣  加藤 勝信君

       農林水産大臣  江藤  拓君

       経済産業大臣  菅原 一秀君

       国土交通大臣  赤羽 一嘉君

       環境大臣    小泉進次郎君

       防衛大臣    河野 太郎君

       国務大臣    菅  義偉君

       国務大臣    田中 和徳君

       国務大臣    武田 良太君

       国務大臣    衛藤 晟一君

       国務大臣    竹本 直一君

       国務大臣    西村 康稔君

       国務大臣    北村 誠吾君

       国務大臣    橋本 聖子君

 出席内閣官房副長官

       内閣官房副長官 西村 明宏君

 出席政府特別補佐人

       内閣法制局長官 近藤 正春君


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