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第6号 令和2年11月19日(木曜日)

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令和二年十一月十九日(木曜日)

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 議事日程 第四号

令和二年十一月十九日(木曜日)

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 議事日程 第四号

  令和二年十一月十九日

    午後一時開議

 第一 種苗法の一部を改正する法律案(第二百一回国会、内閣提出)

 第二 平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法等の一部を改正する法律案(第二百一回国会、内閣提出)

 第三 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第四 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第五 予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案(内閣提出)

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 永年在職の議員中山成彬君及び塩谷立君に対し、院議をもって功労を表彰することとし、表彰文は議長に一任するの件(議長発議)

 気候非常事態宣言決議案(鴨下一郎君外八名提出)

 日程第一 種苗法の一部を改正する法律案(第二百一回国会、内閣提出)

 日程第二 平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法等の一部を改正する法律案(第二百一回国会、内閣提出)

 日程第三 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第四 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第五 予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案(内閣提出)


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    午後一時二分開議

議長(大島理森君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

 永年在職議員の表彰の件

議長(大島理森君) お諮りいたします。

 本院議員として在職二十五年に達せられました中山成彬君及び塩谷立君に対し、先例により、院議をもってその功労を表彰いたしたいと存じます。

 表彰文は議長に一任されたいと存じます。これに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決まりました。

 これより表彰文を順次朗読いたします。

 議員中山成彬君は衆議院議員に当選すること八回在職二十五年に及び常に憲政のために尽くし民意の伸張に努められた

 よって衆議院は君が永年の功労を多とし特に院議をもってこれを表彰する

    〔拍手〕

    …………………………………

 議員塩谷立君は衆議院議員に当選すること九回在職二十五年に及び常に憲政のために尽くし民意の伸張に努められた

 よって衆議院は君が永年の功労を多とし特に院議をもってこれを表彰する

    〔拍手〕

 この贈呈方は議長において取り計らいます。

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) この際、塩谷立君から発言を求められております。これを許します。塩谷立君。

    〔塩谷立君登壇〕

塩谷立君 このたび、院議をもって永年在職議員表彰を賜り、身に余る光栄であり、感激にたえません。

 ふるさと静岡県、浜松市の皆様、活動をともにしていただいた後援会の皆さん、そして、先輩、同僚議員の皆様、さらに、常に労苦をともにしてきた家族や事務所スタッフの支えにより、本日ここに立たせていただきました。これまで応援いただいた全ての皆さん方に心より感謝申し上げます。本当に長い間ありがとうございます。(拍手)

 私は、父が現職で他界した後を継ぎ、平成二年に初当選しました。当時は、天安門事件、ベルリンの壁の崩壊、湾岸戦争と世界は激動し、国内では政治改革の嵐が吹き始め、大きな時代の転換期を迎える中、選挙でもその時代背景を映し、多くの新人議員が誕生いたしました。

 その後、三期目を目指した平成八年の選挙は初めての小選挙区比例代表並立制で実施されましたが、私はみずからの未熟さと慢心により新しい選挙区を攻略できず、苦杯をなめる結果となりました。

 現職が市長に転じ、補欠選挙で短期間復帰したものの、次の総選挙で再び落選の憂き目に遭うことになりました。

 三年を二回、計六年間の浪人生活は、人々が静かに去り、つらい日々が続き、心が折れそうになるときも多々ありました。しかし、見放すことなく力強く支えてくれた同志と、私も最後まで諦めず歩き続けました。

 苦難を乗り越えて、平成十五年に返り咲きを果たし、以後今日まで合計九回の当選を重ねることができました。改めて、苦しいときを支えていただいた同志の皆様に感謝申し上げます。(拍手)

 その間、国土交通委員長、内閣官房副長官、文部科学大臣、党総務会長、選挙対策委員長など多くの重責をいただき、全力で働いてまいりました。

 私が政治家として取り組む課題の一つが教育です。

 義務教育費国庫負担制度の堅持、教育基本法の改正とそれに伴う教育三法の改正など、一連の教育改革に取り組んでまいりました。

 文部科学大臣の際には、リーマン・ショックが襲い、経済政策を最優先する状況下において、学校耐震、そしてICT教育の環境整備を推進するスクール・ニューディール構想を打ち出し、一人一台パソコンの整備もこのときから始まりました。

 しかし、昨年までの実績は五人に一台にとどまっていたため、新たにGIGAスクール構想が策定されました。そこに、新型コロナウイルスの影響でオンライン教育の必要性が一気に高まり、今年度中に整備されることになりました。十年来の課題がコロナ禍という未曽有の困難により急速に進み、日本の教育も大きく変わります。

 教育は国家百年の計との信念で、教育政策と向き合ってきましたが、これまでの教育改革の方向性は間違っていなかったと確信するとともに、今こそポストコロナの新しい時代にふさわしい教育政策を構築する重大なときと使命感を持って、引き続き尽力してまいる決意でございます。

 さまざまな役職を経験させていただく中、現在は、科学技術政策やAI戦略、また農業政策にも積極的に取り組んでいます。

 そして、コロナ以前と以後で、社会、国民の生活、経済構造が大きく変わる中、新たな成長戦略、地方創生のキーはイノベーションと農業政策だと確信しています。変容する世界を見据え、このコロナ禍を乗り越え、未来社会への道筋を示すことが、政治の最大の責務であります。

 このような時期に二十五周年を迎えるに当たり、より一層の決意を胸に刻み、国家国民のために今後とも努力してまいる所存でございます。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

議長(大島理森君) なお、中山成彬君の挨拶につきましては、これを会議録に掲載することといたします。

    ―――――――――――――

    中山 成彬君の挨拶

  衆議院議員在職二十五年の表彰を賜りましたことに、心から感謝申し上げます。これもひとえに長きに亘り、私がどんな状況にあっても温かく見守り支援していただいた故郷宮崎の支援者のお陰であり、言葉に言い尽くせない感謝の気持ちでいっぱいです。そして、議員としてご指導いただいた先輩議員の方々、特に森喜朗元総理、一緒に切磋琢磨した同志の議員の皆様方には衷心より深く感謝申し上げます。

  振り返れば、昭和五十七年に政治家を志して帰郷して、来年で四十年になります。議員在職二十五年ということは、十五年は浪人していたことになります。初出馬で五百五十一票差で落選して以来、十四回の国政選挙で八勝六敗と当落を繰り返した厳しい政治家人生でした。しかし、幼い頃、西郷隆盛の崇拝者であった祖父の膝に抱かれながら、「自分の為だけに生きる人生はつまらん。世の為、人の為に命を投げ出せる人間になれ」と諭された言葉がいつも心の片隅から消えることなく、政治家人生を貫いてまいりました。

  文部科学大臣、国土交通大臣と二度の大臣を拝命致しました。文部科学大臣の時には「教育は国の基なり」との信念の下、全国の学校を視察し、ゆとり教育の見直しと自虐教育の是正に取り組みました。ゆとり教育は日教組やマスコミの反対の中でも見直すことができましたが、自虐教育の是正がかなわなかったことは今でも残念に思います。

  国土交通大臣の就任時の「日教組は日本の教育の癌だ」という発言が問題視され、五日しか務まりませんでしたが、その思いは今も変わりません。

  最近、信じられない事件が多発する世相、自分だけ良ければいいという風潮、憲法改正の議論にさえ入れない政治状況は、全てこの長年に亘る戦後の教育に起因していると思います。

  ポストコロナの世界は様変わりするでしょう。経済のみならず自国の安全さえ脅かされる時代がやってきます。ただただ時の政権を批判するだけの野党やマスコミでは他国を利することに気付かなければなりません。

  私たちは長い日本の歴史の中の一走者であり、次の世代により良き日本を引き継ぐ責任があることを自覚し、努力しなければならないと考えます。私たちがそうであったように、次代の走者たちが国難を乗り越え、更により良き日本へと引っ張っていってくれることを願っています。

  最後に日本の弥栄と皆様方のご健闘、ご多幸を心からお祈り申し上げます。

     ――――◇―――――

武部新君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。

 鴨下一郎君外八名提出、気候非常事態宣言決議案は、提出者の要求のとおり、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。

議長(大島理森君) 武部新君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、日程第一に先立ち追加されました。

    ―――――――――――――

 気候非常事態宣言決議案(鴨下一郎君外八名提出)

議長(大島理森君) 気候非常事態宣言決議案を議題といたします。

 提出者の趣旨弁明を許します。古川元久君。

    ―――――――――――――

 気候非常事態宣言決議案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔古川元久君登壇〕

古川元久君 国民民主党の古川元久です。

 私は、自由民主党・無所属の会、立憲民主党・社民・無所属、公明党、日本共産党、日本維新の会・無所属の会、国民民主党・無所属クラブを代表いたしまして、ただいま議題となりました気候非常事態宣言決議案につきまして、提案の趣旨を御説明申し上げます。(拍手)

 案文の朗読をもちまして趣旨の説明にかえさせていただきます。

    気候非常事態宣言決議案

  近年、地球温暖化も要因として、世界各地を記録的な熱波が襲い、大規模な森林火災を引き起こすとともに、ハリケーンや洪水が未曽有の被害をもたらしている。我が国でも、災害級の猛暑や熱中症による搬送者・死亡者数の増加のほか、数十年に一度といわれる台風・豪雨が毎年のように発生し深刻な被害をもたらしている。

  これに対し、世界は、パリ協定の下、温室効果ガスの排出削減目標を定め、取組の強化を進めているが、各国が掲げている目標を達成しても必要な削減量には大きく不足しており、世界はまさに気候危機と呼ぶべき状況に直面している。

  私たちは「もはや地球温暖化問題は気候変動の域を超えて気候危機の状況に立ち至っている」との認識を世界と共有する。そしてこの危機を克服すべく、一日も早い脱炭素社会の実現に向けて、我が国の経済社会の再設計・取組の抜本的強化を行い、国際社会の名誉ある一員として、それに相応しい取組を、国を挙げて実践していくことを決意する。その第一歩として、ここに国民を代表する国会の総意として気候非常事態を宣言する。

  右決議する。

以上であります。

 何とぞ議員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(大島理森君) 起立多数。よって、本案は可決いたしました。(拍手)

 この際、環境大臣から発言を求められております。これを許します。環境大臣小泉進次郎君。

    〔国務大臣小泉進次郎君登壇〕

国務大臣(小泉進次郎君) 近年、気候変動が一因と考えられる異常気象が世界各地で発生し、世界全体で気候変動対策を進めることは喫緊の課題となっており、まさに気候危機とも言われております。

 政府といたしましては、ただいまの御決議の趣旨を十分に尊重いたしまして、二〇五〇年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、いわゆる二〇五〇年カーボンニュートラルに向け、取組を加速させます。これにより、環境先進国日本の復権を果たしてまいる所存です。(拍手)

     ――――◇―――――

 日程第一 種苗法の一部を改正する法律案(第二百一回国会、内閣提出)

議長(大島理森君) 日程第一、種苗法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。農林水産委員長高鳥修一君。

    ―――――――――――――

 種苗法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔高鳥修一君登壇〕

高鳥修一君 ただいま議題となりました法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、育成者権者の意思に応じて登録品種の海外流出の防止等ができるようにするため、輸出先国又は栽培地域を指定して品種登録された登録品種についての育成者権の効力に関する特例の創設や、農業者が登録品種等の収穫物の一部を次期収穫物の生産のために種苗として用いる自家増殖について育成者権者の許諾に基づき行うこととする等の措置を講ずるとともに、育成者権を活用しやすくするための措置を講ずるものであります。

 本案は、第二百一回国会に提出され、継続審査に付されていたものであります。

 今国会では、去る十月二十六日本委員会に付託され、十一月十一日野上農林水産大臣から趣旨の説明を聴取し、翌十二日から質疑に入り、同日参考人から意見を聴取するなど慎重に審査を行い、十七日質疑を終局しました。

 質疑終局後、自由民主党・無所属の会、公明党及び日本維新の会・無所属の会の共同提案により、施行期日についての修正案が提出されました。また、立憲民主党・社民・無所属から、有機農業における自家増殖を育成者権の効力が及ぶ範囲の例外とすること等を内容とする修正案が提出され、それぞれ趣旨の説明を聴取いたしました。

 次いで、討論を行い、採決いたしましたところ、立憲民主党・社民・無所属提出に係る修正案は賛成少数で否決され、自由民主党・無所属の会、公明党及び日本維新の会・無所属の会の共同提案に係る修正案並びに修正部分を除く原案は賛成多数をもって可決され、本案は修正議決すべきものと議決した次第であります。

 なお、本案に対し附帯決議が付されました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(大島理森君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり修正議決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第二 平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法等の一部を改正する法律案(第二百一回国会、内閣提出)

議長(大島理森君) 日程第二、平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。文部科学委員長左藤章君。

    ―――――――――――――

 平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法等の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔左藤章君登壇〕

左藤章君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文部科学委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会の開催を令和三年に延期することに伴い、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部の設置期限を延長し、同年における国民の祝日に関する法律の特例を定めるとともに、外国の大会関係者等の非課税措置を延長する等の措置を講ずるものであります。

 本案は、第二百一回国会に提出され、継続審査となっていたものであり、今国会においては、去る十一月十三日橋本国務大臣から趣旨の説明を聴取した後、十八日、質疑を行い、討論、採決の結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 なお、本案に対し附帯決議が付されたことを申し添えます。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(大島理森君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第三 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第四 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(大島理森君) 日程第三、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、日程第四、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。内閣委員長木原誠二君。

    ―――――――――――――

 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び同報告書

 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔木原誠二君登壇〕

木原誠二君 ただいま議題となりました両案につきまして、内閣委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案は、本年の人事院勧告に鑑み、一般職の国家公務員について、期末手当の額の改定を行うものであります。

 次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案は、一般職の国家公務員の給与改定に伴い、特別職の職員の給与の額を改定するものであります。

 両案は、去る十一月十二日本委員会に付託され、翌十三日河野国務大臣から趣旨の説明を聴取いたしました。十八日、質疑を行い、質疑終局後、討論を行い、順次採決いたしましたところ、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案は賛成多数をもって、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案は全会一致をもって、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) これより採決に入ります。

 まず、日程第三につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(大島理森君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

 次に、日程第四につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第五 予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(大島理森君) 日程第五、予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。厚生労働委員長とかしきなおみ君。

    ―――――――――――――

 予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔とかしきなおみ君登壇〕

とかしきなおみ君 ただいま議題となりました予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案について、厚生労働委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、現下の新型コロナウイルス感染症の発生の状況に対処するため、所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は、

 第一に、新型コロナウイルス感染症に係るワクチン接種について、予防接種法の臨時接種に関する特例を設け、厚生労働大臣は、都道府県知事を通じて市町村長に対し、臨時に予防接種を行うよう指示することができるものとすること、

 第二に、政府は、ワクチンの製造販売業者等と、予防接種による健康被害に係る損害を賠償すること等により生ずる損失を政府が補償することを約する契約を締結することができるものとすること、

 第三に、検疫法に基づき政令で感染症の種類を指定できる期間について、一年以内の政令で定める期間に限り延長することができるものとすること

等であります。

 本案は、去る十一月十日の本会議において趣旨説明が行われた後、同日本委員会に付託されました。

 本委員会におきましては、翌十一日田村厚生労働大臣から趣旨の説明を聴取し、十三日から質疑に入り、十七日には参考人から意見を聴取し、昨日質疑を終局いたしました。次いで、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 なお、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 討論の通告があります。順次これを許します。稲富修二君。

    〔稲富修二君登壇〕

稲富修二君 私は、立憲民主党・社民・無所属を代表し、予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案について、賛成の立場から討論を行います。(拍手)

 ワクチンの接種は、国民の命と健康を守るベネフィットを有するものである一方、国民の体に深刻な影響を及ぼすリスクも抱えております。

 立憲民主党は、国民の皆様が納得して接種することができるように、新型コロナワクチン五原則を取りまとめ、田村厚生労働大臣から同意する旨の答弁をいただきました。

 すなわち、政府はリスクとベネフィットを包み隠さず、最新情報が更新されるたびに迅速に説明すること。

 政府がリスクとベネフィットをどう比較考量して接種を判断するのか、わかりやすく科学的根拠に基づいて説明すること。

 接種対象者の選定や優先接種者の決定を行う場合は、その科学的根拠を示した上で、国民の意見をよく聞き判断すること。

 接種についてはあくまで個人の判断とする。その判断のために国民が求める情報はタイムリーに迅速、的確に届けること。

 副反応含め疑い事象について相談窓口を周知し、迅速な対応と情報公開を徹底する。救済制度のさらなる充実を図ること。

 以上であります。

 来年前半までに全ての国民に提供できる数量を確保するという目標を急ぐ余り、問題のあるワクチンを購入するようなことがあってはなりません。

 以上、討論を終わります。ありがとうございました。(拍手)

議長(大島理森君) 宮本徹君。

    〔宮本徹君登壇〕

宮本徹君 私は、日本共産党を代表して、予防接種法及び検疫法の一部改正案に対する賛成討論を行います。(拍手)

 新型コロナウイルス感染症の拡大が急速に進んでおります。直ちに、実効ある感染拡大防止策が求められます。医療、保健所、検査体制の強化が必要です。感染拡大のリスクを高めるGoTo事業については、見直しを決断すべきであります。また、営業時間短縮等の要請に当たって、一店舗、一日二万円の支援では全く足りません。予備費も活用し、しっかりと営業と雇用を守る策をとることを強く求めるものであります。

 さて、新型コロナウイルスワクチンについては、感染症も未解明の部分が多い上、新しい技術が用いられており、何よりも有効性、安全性の確認が重要であります。

 政府は、海外で開発の進むワクチンについて、国内での第三相試験なしでの承認を考えております。

 一方、厚生労働委員会の参考人質疑では、コロナ分科会の岡部信彦内閣参与からは、基本線からいえば、ルールどおりの第三相の試験は必要との指摘がありました。また、免疫学の権威である宮坂昌之大阪大学名誉教授からは、第三相試験を飛ばして認可し、多くの方が肺炎で亡くなった抗リウマチ薬アラバの経験が紹介され、第三相試験については、やることをやはり原則とした方がよいとの発言がありました。

 薬害の痛苦の歴史を繰り返さないために、こうした見解をしっかり受けとめることを政府には強く求めます。

 また、接種の努力義務について、岡部内閣参与からは、ノーと言える権利は必ず確保すべきものとの見解、釜萢敏日本医師会常任理事からは、個人の判断ということが更にしっかり担保されなければならないとの見解も示されました。宮坂教授や薬害オンブズパーソンズの水口真寿美弁護士からは、現状では努力義務をつけてスタートするべきではないとの趣旨の指摘がありました。

 法律上、接種の努力義務は、接種開始前に適用を外すことも可能であります。開発中のワクチンは、長期的な安全性は確認されておりません。仮に、海外で有効性、安全性が確認されたワクチンであっても、それが日本人でも同じ有効性、安全性を保証するものではありません。国内での第三相試験を行っていないワクチンの接種に努力義務をつけるべきではないことを指摘し、討論を終わります。

 ありがとうございました。(拍手)

議長(大島理森君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

議長(大島理森君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後一時三十五分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       厚生労働大臣 田村 憲久君

       農林水産大臣 野上浩太郎君

       環境大臣   小泉進次郎君

       国務大臣   河野 太郎君

       国務大臣   橋本 聖子君


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