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第9号 令和3年2月19日(金曜日)

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令和三年二月十九日(金曜日)

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  令和三年二月十九日

    午後一時 本会議

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本日の会議に付した案件

 財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑


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    午後一時二分開議

議長(大島理森君) これより会議を開きます。

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 財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明

議長(大島理森君) この際、内閣提出、財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。財務大臣麻生太郎君。

    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕

国務大臣(麻生太郎君) ただいま議題となりました財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。

 日本経済につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあります。政府といたしましては、令和三年度予算等により、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている国民の命と生活を守るため、感染拡大防止に万全を期すとともに、将来を切りひらくため、中長期的な課題を見据えて着実に対応を進めてまいります。少子高齢化に伴う構造的な課題に直面している日本の財政は、新型コロナウイルス感染症に対応する中で、より厳しい状況にあります。引き続き、二〇二五年度のプライマリーバランスの黒字化等の達成に向けて、これまでの歳出改革の取組を継続し、経済再生と財政健全化の両立を図ってまいります。

 こうした中、最近における国の財政収支が著しく不均衡な状況にあることに鑑み、令和三年度から令和七年度までの間の財政運営に必要な財源の確保を図るため、これらの年度における公債発行の特例措置を定めることとし、本法律案を提出した次第であります。

 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。

 令和三年度から令和七年度までの間の各年度の一般会計の歳出の財源に充てるため、財政法第四条第一項ただし書の規定による公債のほか、当該各年度の予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行することができることとする等の規定を整備することといたしております。

 以上、財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)

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 財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(大島理森君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。階猛君。

    〔階猛君登壇〕

階猛君 立憲民主党の階猛です。

 私は、立憲民主党・無所属を代表して、ただいま議題となりました公債発行特例法改正案について質問いたします。(拍手)

 質問に先立ち、新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになった方々に、心よりお悔やみ申し上げます。また、現在、治療ないし療養中の皆様に、お見舞いを申し上げます。

 そして、東日本大震災から十年の節目を目前にして、私の地元岩手県を含め、東日本を大きな余震が襲いました。被災された皆様に対しましても、お見舞いを申し上げます。

 今回の地震被害の早期復旧はもちろんのこと、大震災当初から継続して復興に携わってきた国会議員の一人として、復興の完遂に全力を尽くすことを改めてお誓い申し上げます。

 さて、大変残念ながら、武田総務大臣に一言申し上げます。

 武田大臣は、三日前のこの本会議場で、総務省接待疑惑に関し、本事案により放送行政をゆがめられたということは全くありませんと断言しました。

 しかし、ネット報道において総務省局長の接待時の音声が公開されたことを受け、昨日、これまで把握している事実関係を覆す可能性があることを認めるに至りました。

 総務省と菅政権にとって、極めて深刻な問題です。ずさん極まりない調査をうのみにし、本会議においていいかげんな答弁をした責任をどうお考えになるのでしょうか。国民に対し、真摯に申し開きをしていただきたいと思います。

 それでは、本題に入ります。

 疫病、災害を含め、私たちは日々様々なリスクに囲まれて生きています。リスクにさらされ、あるいは既にリスクが顕在化した中で、明日はどうなるか分からないという不安を抱えつつ、誰もが懸命に生きています。政治の本来の仕事は、このようなリスクを減らし、国民の将来不安をできるだけなくすことです。

 しかしながら、本法案は、第二次大戦直後以来の膨大な借金を抱える政府が、今後五年間の長きにわたり、無尽蔵に赤字国債を発行し、借金を重ねることを可能とするものです。一歩間違えば、戦争直後と同じく、ハイパーインフレが起こり、国民生活を窮乏させかねません。

 財務大臣に伺います。

 本法案が国民に新たなリスクと将来への不安を背負わせるものだという認識はありますか。そして、今後起こり得る疫病や災害など、本来政府が立ち向かうべきリスクに対して、財政面での備えはありますか。国民に対し、真摯かつ丁寧にお答えください。

 そもそも、財政法四条は、時の政権が人気取りのために放漫財政に走らぬよう、政府に赤字国債の発行を禁じています。本法案を成立させれば、その大きな例外を認めることになります。現政権は果たして特別扱いを認めるに値するものなのか、国民の代表である私たち国会議員は、国民の立場で真剣に考える必要があります。

 私は、現政権には、特別扱いを認める前提たる三つのシンが欠けていると考えます。

 一つ目は、信なくば立たずの信です。

 五年前の二〇一六年にも、本法案と同じく、以後五年間の赤字国債発行を政府に認める法案が成立しました。時の財務大臣は、今も変わらぬ麻生太郎氏であります。麻生大臣は、当時、不退転の決意で二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字化に取り組むと国会で堂々と答弁していました。

 しかし、二〇二〇年度の今、結果はどうでしょうか。黒字どころか、約七十兆円の赤字見込みです。コロナ禍とは無関係に、既に三年前から今年度の黒字化を諦めていました。不退転とは、何事にも屈せず、固く信じて心を曲げないという意味です。言行不一致の財務大臣を信じることは、到底できません。

 この責任をどのように取るおつもりなのか、財務大臣に伺います。

 前回の法案では、五年後のプライマリーバランスの黒字化は、条文で定義規定が置かれ、それに向けて赤字国債の発行額を抑制する努力義務が政府に課せられていました。しかしながら、失敗に懲りたためか、本法案では、プライマリーバランスの黒字化という文言は消えています。財政の健全化という曖昧な文言に置き換わっています。これでは、前回の失敗で失った信用を取り戻すどころか、ますます信用を失ってしまいます。

 そこで、財務大臣に伺います。

 ここで言う財政の健全化とは、具体的にいかなる意味なのか。政府の現在の財政健全化目標たる二〇二五年度のプライマリーバランスの黒字化及びこれと同時に債務残高対GDP比の安定的な引下げを行うことと同一か否か。そして、仮に同一だとするならば、なぜ、そのとおり条文に書き込まずに曖昧な表現にしたのか。以上三点につき、明確にお答えください。

 また、前回の法案の提出は、二〇一〇年度に比べて二〇一五年度のプライマリーバランスの赤字を対GDP比で半減させるという目標達成のめどが立った時点で行われました。次期目標の達成を信ぜしめる実績が一応あったわけです。しかしながら、今回はそうした実績もなく、直近の内閣府の経済財政試算では、楽観的なケースですら、二〇二五年度のプライマリーバランスは七兆円以上の赤字です。政府内ですら達成不可能だと考える財政健全化目標を掲げられても、全く信用できません。

 改めて、財務大臣に伺います。

 二〇二五年度のプライマリーバランス黒字化を本気で達成するつもりはありますか。もし、本気で達成するつもりがあるのなら、内閣府の見通しとのギャップをどのように埋めるのか、お答えください。

 次に、二つ目のシンは、中心の心です。

 政府であれ民間企業であれ、その実力に見合う支払い金利と借入規模でしか借金をすべきではないし、借金をさせてはならないのが金融の常識です。民間金融機関がこれに反して企業に融資を行えば、担当者は背任罪で罰せられます。

 ところが、我が国の中央銀行は、いまだに達成のめどが立たない二%の物価目標の手段であることを口実に、超低金利と上限なき国債買入れを漫然と続けています。結果、政府が異例な金利、規模で借金を積み重ねることを助けているのです。風船のように中心が空洞のまま膨らみ続けているのが、政府の借金です。いつかは限界に達し、破裂するのではないかと強い危惧を抱いております。

 この、金融秩序に反するかのような、借り手である政府と貸し手である日銀の異常な関係は、持続可能なものなのでしょうか。金融担当大臣でもある財務大臣に見解を伺います。

 一方、日銀の経営も綱渡り状態であり、金融システムの確たる中心になっているとは言えません。

 日銀は、国債を買い入れる際、その代金を民間金融機関に支払います。買入れが増えれば増えるほど、民間金融機関が受け取った代金を預ける日銀の当座預金も増えます。直近では、日銀の資産たる国債が五百三十八兆円、日銀の負債たる当座預金が四百八十六兆円にも上ります。

 現時点では、保有国債の平均運用利回りが〇・二%であり、当座預金に支払う利息は最高でも〇・一%です。日銀は、辛うじて利ざやを確保できています。しかしながら、将来短期金利が僅かでも上昇すれば逆ざやとなり、日銀の経営は一気に悪化します。そうした事態に備えるための損失引当金の積立率につき、二〇一九年度は前年度の九五%から五〇%へと大幅に低下させました。運用金利の低下と調達金利の上昇で徐々に利ざやが縮小する中、全く理解に苦しむ日銀の経営です。

 日銀法の下、政府はこの積立率の低下を承認しています。積立率の低下を許容した理由を財務大臣から説明してください。あわせて、仮に、逆ざやによる損失額が大きくなり、日銀が債務超過に陥った場合、政府は日銀の損失を補填することになるのか、お答えください。

 三つ目のシンは、真実の真です。

 私たちは、森友学園に係る公文書改ざん事件の真相を解明すべく、国会の国政調査権を補完する重要な権限たる予備的調査権を行使しました。その中で、いわゆる赤木ファイルの提出を財務省に求めました。財務省は、訴訟に関わることであるため回答を控えたいとして、提出を拒否しています。

 しかしながら、内閣法制局の見解は、訴訟に関わることを理由に提出を拒み得るのは、裁判に不当な影響を及ぼす場合だとしています。他方で、赤木ファイルを作成した亡き赤木俊夫氏の夫人が提起をした国家賠償請求訴訟において、財務省は、裁判の結論に影響はないからという理由で、やはり赤木ファイルの提出を拒み続けています。

 国会では、裁判に不当な影響を及ぼすとの理由で提出を拒み、裁判所では、裁判の結論に影響はないとの理由で提出を拒むのは、大いなる矛盾であり、二枚舌です。財務省のあくまでも真実を隠そうとする態度からは、国有財産売却に係る決裁文書を改ざんした前代未聞の不祥事への反省が全くうかがえません。

 そもそも、財政健全化を進めていく上で、国民の納税への協力は必要不可欠です。折しも、確定申告が始まっています。財務省自ら不都合な情報を隠しておきながら、国民に所得に関するセンシティブ情報を正直に申告させようとするのは、虫がよ過ぎるのではないでしょうか。まずは、財務省自身が真実を語らなくてはなりません。

 財務大臣に伺います。

 議長が三年前に異例の談話を発表して活用を促した予備的調査に対し、財務省は誠実に回答する義務があると考えていますか。もし、そう考えるのであれば、亡き赤木氏の上司が存在すると認めた赤木ファイルにつき、存否すら明らかにしないのはなぜなのですか。その上で、財務省として予備的調査の求めに応じることが裁判に不当な影響を及ぼすと考えるなら、具体的にいかなる影響を及ぼすのか。そして、その影響は軽微でなく不当とまで言えるのはなぜなのか。以上四点につき、明確にお答えください。

 加えて、もし裁判に不当な影響が及ぶと考えているのであれば、裁判の結論に影響はない旨の民事訴訟での主張を撤回し、原告の切実な求めに応じるべきです。速やかに赤木ファイルの存否を明らかにし、提出に応じるよう強く求めます。

 以上のとおり、現政権は三つのシンを欠いており、本法案を審議する前提条件を欠くということを申し上げました。その上で、財政健全化は与野党が協力して取り組む課題であるということも申し上げます。もちろん、コロナ禍で、当面、国民に負担増をお願いする状況でないことも十分認識しています。

 そこで、コロナ禍に乗じてコロナ対策とは無関係な予算が野方図に計上されたり、コロナ禍によって膨張した予算が既成事実化したり、一般会計が焼け太りしたりすることがないよう、コロナ対策の予算は特別会計とすべきではないでしょうか。その財源は、当面、つなぎ国債とし、三年以内に与野党で合意した上で格差是正に資する方法で国民に負担をお願いする、このことも併せて考えるべきかと思います。この点につき、財務大臣の見解を求めます。

 ところで、本日のニュースを見て私は驚きました。新たに東京オリンピック・パラリンピックの組織委員会の会長に就任された橋本聖子参議院議員は、自民党を離党しないばかりか、北海道の自民党道連会長も続けるというのです。これは、オリンピックが理念とする政治的中立性に明らかに反します。しかも、今年は衆院総選挙も控えています。本来、国民の国民による国民のためのオリパラであるべきものが、自民党の自民党による自民党のためのオリパラになってしまいかねません。

 橋本氏においては、自らの身の処し方を十分にわきまえていただきたいと思います。そして、この件については、関係委員会等で今後厳しくただしていきたいと思います。

 最後になりますが、コロナ禍による財政膨張が国民のリスクと将来への不安をこれ以上高めることのないよう、私たち国会議員一人一人が自らを厳しく律し、次世代のことを常に考えた政治活動を行うべきだということを強く申し上げまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕

国務大臣(麻生太郎君) 階議員から、将来のリスク、二〇二〇年度のプライマリーバランス、財政健全化の意味、二〇二五年度のプライマリーバランスの黒字化目標、政府と日銀の関係、日銀の経営、予備的調査、新型コロナ対策の予算に関する特別会計の設置等々について、計八問お尋ねがあっております。

 まず、将来のリスクについてのお尋ねがありました。

 本法案では、特例公債の発行限度額につきましては、毎年度の予算により国会の議決をいただくことにいたしており、無尽蔵に赤字国債を発行できるようにするものではありません。

 足下の財政状況は、新型コロナの対応によりまして悪化をいたしております。国債市場の信認を維持する、また、社会保障等の持続可能性を確保し将来への不安を和らげる、また、様々なリスクに備えて政府の対応余力を確保するという観点から、経済再生と財政健全化を両立していくことが重要と考えております。

 したがいまして、こうした考え方の下、引き続き、二〇二五年度のプライマリーバランスの黒字化等の財政健全化目標に向けて、歳出歳入両面の取組を続けてまいります。

 次に、二〇二〇年度のプライマリーバランスについてのお尋ねがありました。

 二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字化につきましては、国民の信を得て、消費税率引上げ分の使い道を見直し、子育て世代への投資と社会保障の安定化にバランスよく充当したことにより、困難となったものであります。

 いずれにいたしましても、二〇二〇年度のプライマリーバランスが大きな赤字となるのは、新型コロナの一日も早い収束に向け、国民の命と暮らしを守るために全力を傾けた結果であり、今後も、厳しい財政状況も踏まえつつ、適切な財政運営に努めてまいらねばならぬと思っております。

 次に、財政健全化の意味などについてのお尋ねがありました。

 政府は、財政健全化の当面の具体的目標として、二〇二五年度のプライマリーバランス黒字化及び債務残高対GDP比の安定的な引下げを掲げておりまして、本法案の財政健全化は、これらの目標を含んでいる持続可能な財政の構築などを図ろうとするものであります。

 他方、特例公債第四条は、特例公債の発行抑制の努力義務について規定するものであります。その取組の方向として、国及び地方のプライマリーバランスの黒字化といった具体的な目標まで法律に書き込む必要はないことから、今回の改正において、財政健全化という一般的な表現としたところであります。

 次に、二〇二五年度のプライマリーバランス黒字化目標についてのお尋ねもあっております。

 プライマリーバランスにつきましては、先月の内閣府の試算におきましても、二〇二五年度においても七兆円余りの赤字が残るとされております。しかし、これは歳出改革というものを織り込んでいない場合の数字であります。

 今後の財政運営についてですが、足下では、感染拡大防止や雇用、生活の支援など、新型コロナへの対応に万全を期してまいります。

 その上で、ポストコロナを見据えた規制改革や経済構造の転換により潜在的な成長力を高めていくとともに、少子高齢化という構造的な課題の中で社会保障の持続可能性を高める改革など、歳出歳入両面の取組を続けてまいります。

 こうした取組を通じて、二〇二五年度のプライマリーバランスの黒字化等の財政健全化目標の達成に向けて着実に取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、政府と日銀の関係についてのお尋ねがありました。

 日銀は、金融政策の観点から、政府から独立した立場でありまして、二%の物価安定目標を着実に実現するため各種の金融緩和策を推進しておられるものと承知をいたしております。

 一方、政府におきましては、財政の持続可能性に配慮しつつ、その時々に必要とされる財政需要を賄うため、国債を始めとした財源の調達を行っているところであります。

 したがって、政府と日銀が金融秩序に反するかのような異常な関係にあるとの議員の御指摘は当たらないものと考えております。

 次に、日銀の経営についてのお尋ねがありました。

 日銀の財務の在り方につきましては、まずは日銀において検討されるべきものだと考えております。

 その上で、債券取引損失引当金の積立て等につきまして、日銀において、財務状況やまた収益の動向等を総合的に勘案し、適切に算定が行われたと考えられることから、承認をいたしたところであります。

 また、市場に与える影響力に鑑みれば、政府として、日銀の財務の悪化を前提とするような御質問にお答えするのは差し控えるべきだと考えております。

 次に、予備的調査についてのお尋ねがありました。

 予備的調査につきましては、議院の国政調査権を補完するものでありまして、その調査協力要請は強制にわたるものではないと承知をいたしておりますものの、財務省としては、調査協力要請を真摯に受け止め、可能な限りの協力をさせていただいてきたところであります。

 御指摘のファイルにつきましては、現在も係属中の国家賠償請求訴訟におきまして、存否を含めて求釈明事項の対象となっております。また、先般、原告から裁判所に対して、文書提出命令の申立てがなされたところでもあります。したがって、訴訟に関わることでありますことから、訴訟外でお答えすることは差し控えておるところであります。

 当該訴訟において主要な論点となっていることを踏まえれば、訴訟の一方の当事者である国といたしまして、裁判所の判断を仰ぐべきであって、訴訟外において存否を含めて回答すること自体が裁判所の訴訟指揮や判断に対して予断を与えかねないことから、裁判に不当な影響を及ぼすものになり得ると考えております。

 最後になりましたが、新型コロナ対策の予算に関する特別会計の設置についてのお尋ねがあっております。

 特別会計について、財政法では、特定の歳入をもって特定の歳出に充て一般の歳入歳出と区分して経理する必要がある場合などに限り設置するものとされております。

 新型コロナ対策の予算について、現在、財源確保の措置が特に講じられておらず、その具体的な見通しがない中で、特別会計の設置については慎重に検討する必要があろうと考えております。

 いずれにせよ、財政の持続可能性の確保は重要な課題でありまして、将来世代への責任も念頭に置いて、そして、幅広い視点で十分に検討していく必要があろうかと考えております。(拍手)

    〔国務大臣武田良太君登壇〕

国務大臣(武田良太君) 階議員からの御質問にお答えをいたします。

 総務省職員の国家公務員倫理規程違反の疑いがある事案について御質問をいただきました。

 この度は、度重なる総務省幹部職員の会食に係る報道により国民の疑念を招く事態となっていることにつき、改めて深くおわび申し上げます。

 総務省としては、これまで、国会からの再三の御指示もあり、一刻も早く調査結果を御報告すべく誠心誠意取り組んできたところであり、本会議や各委員会においても、そのときそのときの時点で大臣官房による調査で把握し確認できたことを前提として御答弁申し上げてきたところではありますが、今回、新たに疑念を生じさせる事態となったため、改めて関係者への再聴取を行います。

 国民のこうした疑念を招くことが二度と起こらないよう、コンプライアンスを徹底的に確保し、信頼回復に努めてまいります。(拍手)

議長(大島理森君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

議長(大島理森君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後一時三十一分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       財務大臣  麻生 太郎君

       総務大臣  武田 良太君

 出席副大臣

       財務副大臣 伊藤  渉君


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