衆議院

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第27号 令和4年5月17日(火曜日)

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令和四年五月十七日(火曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第二十二号

  令和四年五月十七日

    午後一時開議

 第一 子ども育成基本法案(三木圭恵君外二名提出)

 第二 子どもの最善の利益が図られるための子ども施策の総合的かつ計画的な推進に関する法律案(城井崇君外十一名提出)

 第三 こども家庭庁設置法案(内閣提出)

 第四 こども家庭庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案(内閣提出)

 第五 こども基本法案(加藤勝信君外十名提出)

 第六 児童福祉法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 第七 石綿による健康被害の救済に関する法律の一部を改正する法律案(環境委員長提出)

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 日程第一 子ども育成基本法案(三木圭恵君外二名提出)

 日程第二 子どもの最善の利益が図られるための子ども施策の総合的かつ計画的な推進に関する法律案(城井崇君外十一名提出)

 日程第三 こども家庭庁設置法案(内閣提出)

 日程第四 こども家庭庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案(内閣提出)

 日程第五 こども基本法案(加藤勝信君外十名提出)

 日程第六 児童福祉法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 日程第七 石綿による健康被害の救済に関する法律の一部を改正する法律案(環境委員長提出)

 国立国会図書館法等の一部を改正する法律案(議院運営委員長提出)


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    午後一時二分開議

議長(細田博之君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

 日程第一 子ども育成基本法案(三木圭恵君外二名提出)

 日程第二 子どもの最善の利益が図られるための子ども施策の総合的かつ計画的な推進に関する法律案(城井崇君外十一名提出)

 日程第三 こども家庭庁設置法案(内閣提出)

 日程第四 こども家庭庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案(内閣提出)

 日程第五 こども基本法案(加藤勝信君外十名提出)

議長(細田博之君) 日程第一、三木圭恵君外二名提出、子ども育成基本法案、日程第二、城井崇君外十一名提出、子どもの最善の利益が図られるための子ども施策の総合的かつ計画的な推進に関する法律案、日程第三、内閣提出、こども家庭庁設置法案、日程第四、こども家庭庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案、日程第五、加藤勝信君外十名提出、こども基本法案、右五案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。内閣委員長上野賢一郎君。

    ―――――――――――――

 子ども育成基本法案及び同報告書

 子どもの最善の利益が図られるための子ども施策の総合的かつ計画的な推進に関する法律案及び同報告書

 こども家庭庁設置法案及び同報告書

 こども家庭庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案及び同報告書

 こども基本法案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔上野賢一郎君登壇〕

上野賢一郎君 ただいま議題となりました各法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 初めに、内閣提出の二法律案の概要について申し上げます。

 こども家庭庁設置法案は、子供の健やかな成長を社会全体で後押ししていくため、こども家庭庁を設置する等の措置を講ずるものであります。

 こども家庭庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案は、こども家庭庁設置法の施行に伴い、関係法律について所要の整備を行うものであります。

 次に、加藤勝信君外十名提出のこども基本法案は、子供に関する様々な取組を講ずるに当たっての共通の基盤となるものとして、子供施策の基本理念等を定めるものであります。

 次に、城井崇君外十一名提出の子どもの最善の利益が図られるための子ども施策の総合的かつ計画的な推進に関する法律案は、子供の最善の利益が図られ、その人権が保障され、及び社会全体で子供の成長を支援する社会を実現するため、子供施策の基本理念等を定めるものであります。

 次に、三木圭恵君外二名提出の子ども育成基本法案は、各省庁の取組を一体化し、全ての子供たちの幸福な未来を保障するため、子供の育成に関する施策の基本理念等を定めるものであります。

 各法律案は、去る四月十九日、本会議において趣旨説明及び質疑が行われた後、同日本委員会に付託されました。

 本委員会においては、翌二十日野田国務大臣並びに提出者加藤勝信君、岡本あき子君及び三木圭恵君からそれぞれ趣旨の説明を聴取した後、二十二日から質疑に入りました。二十八日には参考人から意見を聴取するとともに、五月十日に厚生労働委員会との連合審査会を開会しました。

 さらに、十三日には、こども家庭庁設置法案に対し、立憲民主党・無所属から修正案が提出され、趣旨の説明を聴取した後、各法律案及び修正案を一括して質疑を行いました。同日、岸田内閣総理大臣の出席を求めて質疑を行うなど慎重に審査を重ね、質疑を終局いたしました。

 次いで、城井崇君外十一名提出の法律案について内閣の意見を聴取した後、各法律案及び修正案を一括して討論を行い、採決いたしましたところ、城井崇君外十一名提出の法律案及び三木圭恵君外二名提出の法律案はいずれも賛成少数をもって否決すべきものと決しました。次に、立憲民主党・無所属の提案による修正案は賛成少数をもって否決され、内閣提出の二法律案及び加藤勝信君外十名提出の法律案はいずれも賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 なお、内閣提出の二法律案及び加藤勝信君外十名提出の法律案に対しそれぞれ附帯決議が付されました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(細田博之君) 討論の通告があります。順次これを許します。堤かなめ君。

    〔堤かなめ君登壇〕

堤かなめ君 立憲民主党・無所属の堤かなめです。

 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました、内閣提出のこども家庭庁設置法案及びこども家庭庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案に反対、自民及び公明提出のこども基本法案に賛成、我が党提出の子どもの最善の利益が図られるための子ども施策の総合的かつ計画的な推進に関する法律案に賛成、維新提出の子ども育成基本法案に反対の立場から討論を行います。(拍手)

 私たち立憲民主党は、かねてから、チルドレンファーストの理念を掲げ、子供、子育て政策を一元的に立案、遂行する子ども省の創設を訴えてきました。ようやく私たちの考えが浸透してきたことと思いますが、政府案には、理念や実効性において大きな懸念があります。

 まず、新組織の名称についてです。

 検討当初はこども庁という名称とされていたにもかかわらず、最終的にはこども家庭庁とされました。子育てにおいて家庭が大切であることに異論はありませんが、貧困、虐待等に苦しむ子供たちにとって家庭が安心できる場にはならず、家庭という言葉に否定的な感情を持つ方々もいます。

 昨年、我が党が子ども総合基本法案について検討した際も、同様の議論を行いました。以前は、子供は家庭を基盤に成長するものであり、家庭を支援することによって子供の育ちを支えるべきであるという考え方がありました。しかし、最近は、一人親家庭や家庭のない子供たち、また親による虐待を受けて苦しんでいる子供たちも増えていることから、あえて家庭という言葉は使わず、子供の最善の利益を図ることを正面に据えた方がいいのではないかと思います。

 立憲民主党は、社会全体で子供を支援すべきと考えており、こども家庭庁という名称には疑問があります。

 また、政府案においては、文部科学省所管の教育はこども家庭庁の所掌事務に含まれていませんが、子供施策を総合的かつ効果的に実施するためには、教育も含め、子供施策を一元的につかさどる新たな省の創設が必要です。

 岸田総理は、令和版所得倍増、子供政策予算の倍増、資産所得倍増と三つの倍増を次々と打ち出されました。倍増の元祖、池田勇人元首相は、一九六〇年に実質GDPを十年以内に倍増するという計画を策定し、僅か四年余りで見事達成されました。

 一方、五月十三日、衆議院内閣委員会での泉健太立憲民主党代表の質問に対し、岸田総理は、三つの倍増について、いつまでに倍増するとか、そうした期限は区切っていないと答弁され、具体的な計画がないことが明らかとなりました。

 しかし、総理が倍増と言うのですから、池田元首相のように、任期中に倍増を実現してくれると期待するのが当然です。岸田総理は、百年後の実現でも約束を守ったことになるとお考えでしょうか。総理の責任として、すぐにでも期限を明らかにし、計画を立てるべきです。

 立憲民主党が予算倍増にこだわるのは、この三十数年、日本の子供政策予算がずうっと先進国最低レベルだったからです。虐待、いじめ、引きこもりなど、我が国の子供たちの状況はどんどん悪化しています。その帰結が、とどまることを知らない少子化です。超少子化という国難、有事ともいうべき事態を招いたのは、自民党政権の悪夢の三十年ではないでしょうか。

 この三十年の遅れを取り戻す、子供たちを、子育てを社会全体でしっかり支える、そのためには予算の倍増が不可欠です。岸田総理は、予算委員会において、子供政策に関する予算は将来的には倍増、これはしっかり目指していきたいと発言をされています。しかし、野田大臣からは、その点についての明言はありませんでした。

 立憲民主党は、児童手当については、所得制限をなくし、高校卒業年次まで延長することや、児童扶養手当の拡充を目指しています。子供政策に係る十分な予算の確保に関する規定がなくては、具体的な施策の拡充は実現しないのではないでしょうか。

 また、学校においていじめなどの重大な権利侵害事案が起きた際に、子供の権利擁護の状況を政府から独立した立場から監視し、原因を究明するために必要な調査及び再発防止のための勧告を行うことができる子供コミッショナーを設置する必要があります。しかし、政府案においては、子供コミッショナーの設置に関する規定はなく、また、委員会の審議においても、政府から前向きな答弁はありませんでした。

 こうした問題点を改善するため、立憲民主党は、今年三月に子ども総合基本法案を提出し、委員会でも並行審議されました。さらに、委員会において修正案を提出いたしました。しかしながら、与党は、子ども総合基本法案を否決し、さらに、私たちの提出した政府案に対する修正案も否決したため、政府案には反対せざるを得ないという結論に至りました。

 自民及び公明提出のこども基本法案については、賛成いたします。

 本法案については、当初、与野党協議の場が置かれ、共同で立案作業に当たってきました。協議の結果、立憲民主党の子ども総合基本法案に明記した子どもの権利条約の理念、子供から若者までの切れ目のない支援、子供に関する個人情報に対する取扱い、さらには、子供コミッショナー設置の今後の検討が本法案に盛り込まれました。

 特に、子どもの権利条約の理念については、いわゆる四原則である、差別の禁止、子供の最善の利益、生命、生存及び発達に対する権利及び子供の意見の尊重に相当する内容を規定することができました。これにより、各府省にまたがっていた子供施策に横串を刺す理念法が制定されることになります。

 一方で、基本理念に、子供の養育について、家庭を基本とし、保護者が第一義的責任を有することや、子育てに伴う喜びなど主観的な内容が盛り込まれている点は懸念される事項であり、引き続き、見直しを求めていきます。

 なお、維新提出の子ども育成基本法案については、組織の在り方、基本理念において認識が異なる部分があることから、反対いたします。

 私たち立憲民主党は、これまでの社会や大人の都合を優先した少子化対策ではなく、子供自身を優先するチルドレンファーストの子供政策を進めます。具体的には、生まれ育った環境や経済的理由に左右されず、誰もが同じスタートラインに立てる社会の実現を目指しています。過度に家庭に責任を負わせるのではなく、社会全体で子供の育ちを支えるという理念の下、チルドレンファーストの政策を進めていきます。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

議長(細田博之君) 藤井比早之君。

    〔藤井比早之君登壇〕

藤井比早之君 自由民主党の藤井比早之です。

 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりましたこども家庭庁設置法案、こども家庭庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案、自由民主党、公明党提出のこども基本法案については賛成、立憲民主党提出の子どもの最善の利益が図られるための子ども施策の総合的かつ計画的な推進に関する法律案、日本維新の会提出の子ども育成基本法案については反対の立場から討論いたします。(拍手)

 我が国の少子化、人口減少は歯止めがかからない状況であり、子供を取り巻く状況は深刻になっています。このような中、子供を産み育てやすい社会を実現する、子供を誰一人取り残さず、健やかな成長を社会全体で後押しすることが必要不可欠であり、まさに待ったなしの状況と言えます。

 これを踏まえ、こども家庭庁設置法案、こども家庭庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案及びこども基本法案に賛成する理由を申し述べます。

 第一に、子供をめぐる深刻な課題が山積する状況においては、課題に迅速かつ適切に対処していくため、子供政策について強い司令塔機能を持つ行政組織が必要です。子供政策の司令塔機能をこども家庭庁に一本化し、各省よりも一段高い立場から、子供政策を一元的に、かつ横串で推進し、子育て支援、就学前の全ての子供の育ちの保障や全ての子供の居場所づくりなどを主導していくことが必要です。

 第二に、子供や子育て当事者の視点に立った政策立案を基本理念として施策を推進していく体制の構築が必要です。子供の意見を尊重した政策の実施を任務に掲げる行政組織を創設し、子供と子育て当事者の意見を積極的に聞き、政策に反映させていく仕組みづくりを進めていくべきです。

 第三に、子供政策に関して、子供の貧困対策、虐待防止、いじめ防止、ヤングケアラー対策、障害児支援、事故の防止、CDR、日本版DBSの創設、産前産後うつ対策など、各省庁の所掌事務の隙間で抜け落ちかねなかった事務について、子供政策の課題解決のプラットフォームとなる行政組織を設けて、しっかりと対処することが必要です。

 第四に、子供のことを第一に考える観点から、子供施策の基本理念や基本となる事項を明らかにする、こども基本法の制定が必要です。日本国憲法及び児童の権利に関する条約の精神にのっとり、全ての子供が個人として尊重され、人権が保障される、また、同条約のいわゆる四原則に相当する内容を基本理念に盛り込む、こうした基本理念の下、子供に関する既存の基本法に基づく大綱等について一体的に推進することを規定するこども基本法に基づき、子供施策を社会全体で総合的かつ強力に実施していくべきです。

 以上、三法案に賛成する主な理由を申し述べました。

 全ての子供が幸せに健やかに成長できる社会を実現する、子育てしやすい社会、子供を産み育てやすい社会を実現する歴史的な大転換となるこども家庭庁設置法案、こども家庭庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案及びこども基本法案を速やかに成立させることを議員各位にお願い申し上げ、私の賛成討論といたします。

 なお、立憲民主党提出の子どもの最善の利益が図られるための子ども施策の総合的かつ計画的な推進に関する法律案、日本維新の会提出の子ども育成基本法案については、こども家庭庁の組織のたてつけや所掌事務の範囲等の考え方を異にするものであります。よって、二法案には反対であることを申し上げます。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

議長(細田博之君) 掘井健智君。

    〔掘井健智君登壇〕

掘井健智君 日本維新の会の掘井健智です。

 私は、会派を代表しまして、内閣提出のこども家庭庁設置法、同整備法に反対し、日本維新の会提出の子ども育成基本法には賛成の立場から、また、自民党、公明党提出のこども基本法には賛成、立憲民主党提出の子ども施策総合推進法には反対の立場から討論を行います。(拍手)

 岸田政権は、こどもまんなか社会をつくる、子供施策に関する縦割りの弊害をなくすという触れ込みの下、こども家庭庁を新設しようとしております。

 しかし、その法案の中身は、子供の生活にとっての基盤とも言える学校、教育を所掌する文部科学省の組織、権限にはほとんど手を触れることがなく、内閣府の子供関連担当部局に厚生労働省の子ども家庭局を移管させ、内閣府の外局としてこども家庭庁を設置するというだけの組織改編であり、単なる子ども家庭局の引っ越し法案にすぎません。

 これでは、文科省とこども家庭庁との間の壁、すなわち教育と福祉の間の壁は残るということになり、総理が言う省庁の縦割りの弊害など取り除くことはできません。屋上屋を重ねます。無駄な役所をつくるだけになってしまいます。子供のSOSの声を学校で分かっているのに何もしない、できないのであれば、これまでどおりの、福祉につながらない、子供置き去りの日本のままになるのではないでしょうか。

 また、これまでも、就学前の子供施策は、幼稚園は文部科学省、保育園は厚生労働省とばらばらになっていることが国民の強い批判の的になってきました。政府は、この幼保一元化の要求に応えるかのように装って、内閣府所管の施設として新たに認定こども園をつくりました。一元化を求めたら逆に三元化になってしまったという、本当に笑うに笑えないことになっております。

 このように真の課題解決から目を背けようとする愚がこども家庭庁設置法案でも繰り返されようとしております。

 真の課題解決とは何か。それは、子供の最善の利益を実現するこどもまんなか社会を実現すべく、子供たちの学びと育ちを支えることのできる体制をつくるということです。教育と福祉を一体化することで、いじめや児童虐待など様々な課題を抱える全ての子供に対しまして、家庭環境の違いなどを超えた、切れ目のない適切な見守りと支援の実施が可能になってきます。

 残念なことに、学校において、重大ないじめや暴力行為が見逃され、あるいは隠蔽とも言えるような不適切な対応が取られる問題が後を絶ちません。また、児童虐待の疑いがある事案が認知されながら、学校や関係行政機関の間での連携の不手際により、本来守れるはずの命が守れなかったという深刻な事件も続いております。

 いじめや暴力行為、児童虐待といった様々な問題は、子供たちが一日のうち多くの時間を過ごす学校の中に福祉の目線を取り入れて子供たちを見守ることによって、未然防止や早期発見、早期解決につながっていくことが可能になります。学校にスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーといった人材をより多く配置するとともに、行政組織レベルの一体化を通じて、学校内に福祉の視点を取り入れていくべきです。連携ミスから生じるこういった問題は、組織と組織の間の垣根や壁を取っ払って一体的な組織として取組を進めていかなければ、根本的な解決には至りません。

 我が党が提案する子ども育成基本法では、そのために、教育と福祉の行政分野を一体化した教育子ども福祉省の創設を掲げております。これは、子供たちが抱える問題に対して、ワンチームで一体的かつ効果的に取り組んでいくことのできる組織づくりを目指すということなんです。

 一方で、政府提案のこども家庭庁は、勧告権と調査権を含む司令塔機能を持つとされておりますが、省庁間の壁を残したまま上意下達の命令を下しても、現場の創意や責任感を生かした取組はなかなか期待できません。やはり、教育と福祉の分野においては、一つの行政機関がワンチームで取り組み、最大限にチームワークが発揮できるようにすべきだと思います。

 本来、子供施策を見直すに当たっては、しっかりとした理念と、それに基づく具体策とが一体として示されるべきものです。

 我が党提出の法案は、理念と具体的政策を一体のものとして示しております。省庁改編という具体策を提示していないこの政府案では、岸田政権の主張する理念を実現できるとは到底思えないです。

 一方で、理念は、自民党、公明党が、別途、議員立法として提出されました。

 この自公案のこども基本法案では、全ての子供について、適切に養育されること、生活を保障されること、愛され保護されること等の福祉に係る権利がひとしく保障されるとともに、教育基本法の精神にのっとり教育を受ける機会がひとしく与えられるとされております。

 我が党の案では、子供はそれぞれが異なる個性を持つ多様な存在であるとの認識の下、個人として尊重されるとともに、その最善の利益が優先して考慮される、ひとしく質の高い教育を受ける機会が確保され、福祉をひとしく保障されるとなっておりまして、文言は違っておっても、その内容は大きく変わるものではありません。

 理念だけを取り出せば、共通する認識も多く、自公案に反対するものではありません。大事なことは、子供の最善の利益という国民共通の願いを実現するという具体策なんです。

 我が党は、教育及び子供の福祉に係る施策のより一層の連携確保、一体的な取組を図るために、近い将来に、教育を所掌する文部科学省の既存の組織、権限の抜本的な見直しを含めた、真にこどもまんなか社会を実現できる省庁改編を要求するものです。

 なお、立憲民主党の法案につきましては、コミッショナー制度の創設など耳当たりのいい文言がちりばめられておりますが、その定義や実効性が不明瞭な点が多く、反対と言わざるを得ません。

 私たち日本維新の会は、結党以来、高校無償化、幼児教育無償化、そして給食無償化を始めとする未来への投資に力を尽くし、教育の全過程について完全無償化を憲法上の原則として定める憲法改正案を掲げる党として、これからも、全ての子供たちの健やかな成長と豊かな未来を保障する社会をつくる決意であることを表明し、私の討論といたします。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

議長(細田博之君) 平林晃君。

    〔平林晃君登壇〕

平林晃君 公明党の平林晃です。

 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました、政府提出のこども家庭庁設置法案及びこども家庭庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案、与党提出のこども基本法案について賛成の立場から、立憲民主党提出の子どもの最善の利益が図られるための子ども施策の総合的かつ計画的な推進に関する法律案及び日本維新の会提出の子ども育成基本法案については反対の立場から討論をいたします。(拍手)

 日本の少子化は、二〇二〇年の出生数が約八十四万人と過去最少を記録するなど、危機的状態にあります。また、貧困や虐待、長引くコロナ禍など、子供を取り巻く状況は厳しさを一層増しています。とりわけ、一人親家庭の半数以上が貧困状態にあり、虐待などにつながるケースもあります。こうした子供や家庭を社会全体で支える取組が必要です。

 公明党は、二〇〇六年に策定した少子社会トータルプランに基づき、教育負担の軽減や、妊娠、出産から子育てまで、幅広い支援を実現してきました。また、子育て、教育を国家戦略にと訴え、こども家庭庁の創設及びこども基本法の制定を主張してまいりました。今こそ、これらを実現すべきときであると考えます。

 この認識の下、以下、賛成理由を述べます。

 第一に、こども家庭庁が、子供に関する多様かつ喫緊の課題解決に迅速かつ効果的に取り組むための司令塔機能を有する組織であるという点です。

 子供に関する課題は極めて深刻であり、行政の縦割りを排した迅速かつ効果的な取組が必要です。このためには、勧告権を有する司令塔となる組織が必要と考えます。この度のこども家庭庁は、子供のことだけを専一に考える組織であり、体制や専門性の強化にも継続して取り組んでいくことが、内閣委員会における政府答弁でも明らかにされています。まさに、子供に関する課題に迅速かつ効果的に取り組むための司令塔組織であると考えます。

 第二に、政策課題が抜け落ちることを防ぎ、新たな取組が期待される点であります。

 こども家庭庁は、子供の成長に関わる基本的な政策全般について総合調整権限を有するとともに、子供の権利利益の擁護に関すること全てに取り組むとされています。また、本法案では、子供を「心身の発達の過程にある者」と定義しており、必要な支援が年齢による制限で受けられなくなることも防いでいます。これらにより、子供政策において、今まで省庁間の隙間で抜け落ちてきた課題についても、こども家庭庁が強力に推進することが期待されます。

 第三に、子どもの権利条約の精神にのっとり、子供の権利の擁護が図られ、子供施策が総合的に推進される点です。

 子供に関連した我が国の基本法は、少子化社会対策基本法、子ども・若者育成支援推進法、子どもの貧困対策の推進に関する法律の三本ですが、子供の権利を包括的に規定した基本法は制定されていませんでした。この度のこども基本法案には、子どもの権利条約におけるいわゆる四原則が明記されており、これにより、今後の子供政策は、この四原則を基本理念として実施されることになります。

 第四に、今後の子供政策において、子供の意見の尊重が図られる点であります。

 例えば、こども基本法案第十一条では、国、地方公共団体は、子供施策を策定、実施、評価するに当たっては、子供の意見を反映させるために必要な措置を講ずると規定されております。また、第十七条第三項でも、子供の大綱を作成するに当たり、子供の意見を反映させるために必要な措置を講ずると規定されています。いずれも、子供の意見を聞き、尊重することが義務として定められています。これらにより、政策のPDCAサイクルの中で、子供の意見を聞き、その声が適切に反映されることが期待されます。

 その他、子供政策に関わる閣僚会議、大綱、白書などが一本化され、統一的かつ体系的な施策の策定が可能となる点及び子供施策の推進に必要な財政上の措置の努力義務が示されている点についても指摘をさせていただきます。

 一方で、立憲民主党提出の子どもの最善の利益が図られるための子ども施策の総合的かつ計画的な推進に関する法律案及び日本維新の会提出の子ども育成基本法案については、組織のたてつけや事務所掌範囲の考え方などを異にしており、反対であることを申し上げます。

 冒頭にも述べましたとおり、公明党は、これまでも、子供政策に一貫して取り組んでまいりました。古くは義務教育における教科書無償給与、最近では不妊治療の保険適用やヤングケアラー問題への取組など、枚挙にいとまがありません。現在は、子育て、教育を国家戦略に位置づけ、結婚、妊娠、出産、幼児教育から高等教育まで、切れ目なく施策を充実させる子育て応援トータルプランの策定に取り組んでいます。

 公明党は、これからも、子供の声をしっかりと聞きながら、子供の幸せを最優先する社会の実現を目指し、子供政策の一層の充実を図っていくことをお誓い申し上げまして、私の賛成討論といたします。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

議長(細田博之君) 塩川鉄也君。

    〔塩川鉄也君登壇〕

塩川鉄也君 私は、日本共産党を代表して、政府提出のこども家庭庁二法案及び自公提出のこども基本法案に反対の討論を行います。(拍手)

 貧困、虐待、いじめ、不登校、自殺など、子供の権利侵害は極めて深刻です。この事態を放置してきた政府の責任は重大です。

 権利条約批准から約三十年、自民党政権は、条約が掲げた、子供の最善の利益、生命、生存及び発達に対する権利、意見表明権、差別の禁止の四原則を軽視し、現行法体制を変える必要はないとの立場を一貫して取り続けてきました。これに対して、国連子どもの権利委員会は度重なる勧告を行っています。

 今必要なのは、子供を権利の主体として明確に位置づけ、憲法の基本的人権と権利条約の四原則を保障する政治への転換です。そのために、子供が自由に意見を表明し、反映される権利を保障する仕組みが必要不可欠です。独立した立場で政府を監視、評価するとともに、子供の意見表明を代弁し、個別の事案の相談、救済に対応する子供コミッショナーは欠かせません。参考人からは、条約締約国の中核的義務であるとの指摘がありました。ところが、閣法には、子どもの権利条約の文言すらなく、子供コミッショナーの設置もありません。これでは、深刻な子供の権利侵害を克服できません。

 同時に、OECD諸国と比べても余りに少な過ぎる子供予算を抜本的に増額し、子供に関わりケアをする専門職員を大幅に増やすことが必要です。しかし、法案には、予算と人を増やす担保がありません。

 閣法は、国の政策によって子供の権利を侵害してきたことへの反省もなく、根本問題に手をつけず、理念も目的もなく組織いじりをするだけです。これでは、子供の権利侵害を解決することはできません。

 次に、閣法と一体で提出された自公案の問題です。

 提出者が、閣法と相まって、子供に関する取組の共通基盤だとする基本理念に、子供の養育は家庭が基本と明記したことは重大です。このような規定は現行法制のどこにもありません。養育は家庭が基本のフレーズは、歴代自民党政権が、児童扶養手当や生活保護の改悪など、子育て支援の後退を合理化する理由として強調してきたものです。子供と保護者に更なる自助努力を強いることは明らかです。虐待や貧困、ヤングケアラーなど、家庭の中で苦しむ子供たちや保護者を更に追い詰め、一層孤立させることになり、到底看過できません。

 もう一つは、教育の問題です。国連からも繰り返し勧告されている過度な競争、管理教育、いじめ、不登校、理不尽な校則など、学校教育における権利侵害は重大な問題です。子供の意見表明権を始め、権利条約の四原則の実現が急務です。にもかかわらず、こども基本法案と教育基本法はすみ分けるとして、学校教育に踏み込まないたてつけにしています。過度な競争、管理教育、教育への国家介入、愛国心などを押しつける改悪教育基本法への反省もなく、学校教育における深刻な子供の権利侵害を放置することは容認できません。

 さらに、子供のデータ連携を推進する規定は、生まれたときから子供の個人情報が集積され、本人の不利益な情報がデジタルタトゥーとして将来にわたって影響を及ぼしかねないものです。政府は個人情報を民間企業のもうけの種として利活用する政策を推進している下で、プライバシー権の侵害やプロファイリング、スコアリングなどによる権利侵害が生じるおそれを高めるものです。

 最後に、立憲提出の子ども総合基本法案は、子供コミッショナーを盛り込むとともに、子供施策の予算の目標を明記し、これまで野党が共同で求めてきた児童手当の拡充や子供に関わる職員の処遇改善を行うとしており、賛成です。なお、維新案は反対であることを申し述べ、討論を終わります。(拍手)

議長(細田博之君) 浅野哲君。

    〔浅野哲君登壇〕

浅野哲君 国民民主党の浅野哲です。

 私は、国民民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました政府提出のこども家庭庁設置法案外一案並びに与党提出のこども基本法案に対し、賛成の立場から討論を行います。(拍手)

 これまでの政府の子供に関する取組は、少子化に対する危機感を背景に、少子化対策に重点が置かれてきました。近年では、保育所の待機児童の解消といった量の確保を最優先課題として取り組み、子供にとって大切な保育、教育の質の確保を後回しとしてきた結果、子供の貧困、虐待、いじめ、不登校、ハラスメントなど、子供を取り巻く環境は悪化し、自殺する児童数の増加につながっています。

 こうした状況を念頭に、子供を増やすことに主眼を置いた大人目線の施策体系から、子供のウェルビーイングという指標を取り込み、子供中心の施策体系へと転換を促す政策に政府がかじを切ったことは、国民民主党の考え方とも整合し、評価できるものです。与党提出のこども基本法案についても、日本国憲法及び児童の権利に関する条約の精神にのっとり、子供に関する施策を中長期にわたって安定かつ着実に推進するための体制整備に資するものと考え、一定の期待の下に、賛成することといたしました。

 しかし、課題もあります。

 子供の権利擁護の取組をより実効的に推進していくためには、会議室の中での議論だけでなく、何よりも、現場に足を運び、子供たちの様子を確認し、子供たちの声をじかに聞く行動が求められます。実際に、スウェーデンでは、子供コミッショナーが、子供の声から児童施設などでの虐待の実態を把握し、政府に改善を求め、職員の犯罪歴チェックの義務化などの実現につなげた実績もあります。

 野田大臣は、こども家庭審議会の活用にまず注力する姿勢を示されましたが、子供コミッショナーの必要性については政府内で検討を重ねることを求めたいと思います。

 また、これらの法令に基づき、今後の子供施策を効果的に実施していくためには、子供に関するデータや統計情報の活用が必要不可欠です。

 政府は、子供のプライバシー保護に十分配慮した上で、収集すべきデータを精査し、各府省庁が連携してデータを収集、分析する環境を構築するとともに、収集したデータに基づいて各種施策の評価及び改善策の検討を行い、その内容を国会に報告することなどを求めます。

 最後に、今後議論すべき課題と考える、子供施策に係る所得制限について申し述べます。

 所得制限は、支援対象を絞り込むことにより捻出した予算を所得格差や公私間格差の是正に活用する趣旨の制度ですが、過去の所得統計データがいまだに用いられている点や、モデル年収が子供の人数に比例していない点、共働き世帯が大半となる中で児童手当など一部の制度では世帯主年収が判断材料とされている点など、制度の不完全性があります。これらについては即座の是正を求めたいと思います。

 子供と親は別人格であり、親の経済力が子供へ継承される保証などどこにもありません。だからこそ、親の経済力で子供の選択肢が制約を受けることなど許容されてはなりません。国は所得制限を設けず全ての子供を平等に支えるべきことを改めて申し述べ、私の討論といたします。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

議長(細田博之君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(細田博之君) これより採決に入ります。

 まず、日程第一、三木圭恵君外二名提出、子ども育成基本法案につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は否決であります。この際、原案について採決いたします。

 本案を原案のとおり可決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(細田博之君) 起立少数。よって、本案は否決されました。

 次に、日程第二、城井崇君外十一名提出、子どもの最善の利益が図られるための子ども施策の総合的かつ計画的な推進に関する法律案につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は否決であります。この際、原案について採決いたします。

 本案を原案のとおり可決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(細田博之君) 起立少数。よって、本案は否決されました。

 次に、日程第三、内閣提出、こども家庭庁設置法案及び日程第四、こども家庭庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案の両案を一括して採決いたします。

 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(細田博之君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。

 次に、日程第五、加藤勝信君外十名提出、こども基本法案につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(細田博之君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第六 児童福祉法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(細田博之君) 日程第六、児童福祉法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。厚生労働委員長橋本岳君。

    ―――――――――――――

 児童福祉法等の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔橋本岳君登壇〕

橋本岳君 ただいま議題となりました児童福祉法等の一部を改正する法律案について、厚生労働委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、児童等に対する家庭及び養育環境の支援を強化し、児童の権利の擁護が図られた児童福祉施策を推進するため、所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は、

 第一に、市町村は、全ての妊産婦、子育て世帯及び子供の包括的な相談支援等を行うこども家庭センターの設置に努めることとすること、

 第二に、児童自立生活援助の年齢による一律の利用制限を弾力化すること、

 第三に、児童相談所長等は、入所措置等の際に、児童の意見聴取等を行うこととすること、また、一時保護を開始する際に、裁判官に一時保護状を請求する等の仕組みを創設すること、

 第四に、児童虐待等への対応について十分な知識や技術を有する者を児童福祉司の任用要件に追加すること、

 第五に、児童にわいせつ行為を行った保育士の資格管理を厳格化すること

等であります。

 本案は、去る四月十四日の本会議において趣旨説明が行われた後、同日本委員会に付託されました。

 本委員会におきましては、二十二日後藤厚生労働大臣から趣旨の説明を聴取し、二十七日から質疑に入り、五月十一日には参考人から意見を聴取し、十三日質疑を終局いたしました。

 質疑終局後、自由民主党、立憲民主党・無所属、日本維新の会、公明党、国民民主党・無所属クラブ、日本共産党及び有志の会の七会派より、本案に対し、児童福祉施設等の運営について、国が定める基準に従い、条例で基準を定めるべき事項として、児童の安全の確保を追加することを内容とする修正案が提出され、趣旨の説明を聴取いたしました。

 次いで、原案及び修正案について採決を行った結果、修正案及び修正部分を除く原案はいずれも全会一致をもって可決され、本案は修正議決すべきものと議決した次第であります。

 なお、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(細田博之君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(細田博之君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり修正議決いたしました。

     ――――◇―――――

議長(細田博之君) 日程第七は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(細田博之君) 御異議なしと認めます。

    ―――――――――――――

 日程第七 石綿による健康被害の救済に関する法律の一部を改正する法律案(環境委員長提出)

議長(細田博之君) 日程第七、石綿による健康被害の救済に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の趣旨弁明を許します。環境委員長関芳弘君。

    ―――――――――――――

 石綿による健康被害の救済に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔関芳弘君登壇〕

関芳弘君 ただいま議題となりました法律案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。

 本案は、石綿による健康被害を受けた者及びその遺族に対する救済の充実を図るため、所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は、

 第一に、本法施行日から二十年を経過する日の前日までに死亡した労働者等の遺族であって、労働者災害補償保険法上の遺族補償給付を受ける権利が時効によって消滅したものに対し、特別遺族給付金を支給するものとすること、

 第二に、特別遺族弔慰金等及び特別遺族給付金の請求期限を延長するものとすること

などであります。

 本案は、去る十三日の環境委員会において、内閣の意見を聴取した後、全会一致をもって委員会提出の法律案とすることに決したものであります。

 何とぞ速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(細田博之君) 採決いたします。

 本案を可決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(細田博之君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。

     ――――◇―――――

山田賢司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。

 議院運営委員長提出、国立国会図書館法等の一部を改正する法律案は、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。

議長(細田博之君) 山田賢司君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(細田博之君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。

    ―――――――――――――

 国立国会図書館法等の一部を改正する法律案(議院運営委員長提出)

議長(細田博之君) 国立国会図書館法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の趣旨弁明を許します。議院運営委員長山口俊一君。

    ―――――――――――――

 国立国会図書館法等の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔山口俊一君登壇〕

山口俊一君 ただいま議題となりました国立国会図書館法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨を御説明申し上げます。

 本法律案は、地方公共団体情報システム機構及び地方税共同機構の設立に伴い、国立国会図書館への出版物の納入義務に関する規定を整備するとともに、私人がインターネット等を通じて発信する図書又は逐次刊行物に相当するオンライン資料のうち、有償で公衆に利用可能とされ、又は送信されるもの及び技術的制限手段が付されているものについても、国立国会図書館への提供義務を課そうとするものであります。

 本法律案は、本日、議院運営委員会において起草し、提出したものであります。

 何とぞ御賛同くださいますようお願い申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(細田博之君) 採決いたします。

 本案を可決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(細田博之君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。

     ――――◇―――――

議長(細田博之君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後二時二分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       厚生労働大臣 後藤 茂之君

       環境大臣   山口  壯君

       国務大臣   野田 聖子君


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