衆議院

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第20号 令和7年4月15日(火曜日)

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令和七年四月十五日(火曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第十八号

  令和七年四月十五日

    午後一時開議

 第一 株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案(内閣提出)

    …………………………………

  一 公益通報者保護法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 日程第一 株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 公益通報者保護法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑


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    午後一時二分開議

議長(額賀福志郎君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

 日程第一 株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(額賀福志郎君) 日程第一、株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。財務金融委員長井林辰憲君。

    ―――――――――――――

 株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔井林辰憲君登壇〕

井林辰憲君 ただいま議題となりました法律案につきまして、財務金融委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、地域活性化や我が国の企業の競争力強化等に資する成長資金の供給を一層促進するため、株式会社日本政策投資銀行の特定投資業務について、投資決定期限等を延長するものであります。

 本案は、去る四月八日当委員会に付託され、翌九日加藤財務大臣から趣旨の説明を聴取し、十一日から質疑に入り、同日質疑を終局いたしました。次いで、討論を行い、採決いたしましたところ、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 なお、本案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(額賀福志郎君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(額賀福志郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 公益通報者保護法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明

議長(額賀福志郎君) この際、内閣提出、公益通報者保護法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。国務大臣伊東良孝君。

    〔国務大臣伊東良孝君登壇〕

国務大臣(伊東良孝君) 公益通報者保護法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 公益通報者保護法の令和二年改正後においても、国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる法令に違反する事実等が発生しており、公益通報に適切に対応するための事業者の体制整備の不徹底と実効性の課題が認められます。また、国際的な潮流として、公益通報者の保護の強化が進んでいます。

 こうした状況を踏まえ、事業者における法令の規定の遵守を図る観点から、事業者の体制整備の徹底と実効性の向上、公益通報者の範囲拡大、公益通報を阻害する要因への対処、及び公益通報を理由とする不利益な取扱いの抑止、救済の強化を図る必要があるため、この法律案を提出した次第です。

 次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。

 第一に、従事者指定義務に違反する事業者に対して、勧告に従わない場合の命令権及び命令違反時の罰則を定めるとともに、事業者に対する立入検査権限等を定めることとしています。また、労働者等に対する事業者の公益通報対応体制の周知義務を明示することとしています。

 第二に、働き方の多様化を踏まえ、公益通報者の範囲に、事業者と業務委託関係にある特定受託事業者に係る特定受託業務従事者を追加し、公益通報をしたことを理由とする業務委託契約の解除その他不利益な取扱いを禁止することとしています。

 第三に、事業者が、労働者等に対して、公益通報をしない旨の合意をすることを求めること等によって公益通報を妨げる行為をすることを禁止するとともに、これに違反してされた合意等の法律行為を無効とすることとしています。また、事業者が、公益通報者を特定することを目的とする行為をすることを禁止することとしています。

 第四に、公益通報後一年以内にされた解雇又は懲戒について、公益通報を理由としてされたことに係る立証責任を事業者に転換するとともに、公益通報をしたことを理由として解雇又は懲戒をした者に対し、罰則を定めることとしています。

 なお、一部の附則規定を除き、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしています。

 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)

     ――――◇―――――

 公益通報者保護法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(額賀福志郎君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。尾辻かな子君。

    〔尾辻かな子君登壇〕

尾辻かな子君 立憲民主党の尾辻かな子です。

 私は、会派を代表し、公益通報者保護法改正案について、全て伊東良孝内閣府特命担当大臣にお聞きをいたします。(拍手)

 公益通報者保護法は、不正を正すために勇気を出して声を上げた人を守るための法律です。二〇〇六年に施行され、十九年が経過しました。今回、二度目の改正となります。この間、内部通報者によって明らかになる事象も増え、企業の体制整備も行われてきましたが、一方で、内部通報を契機とした探索行為や報復行為により通報者が甚大な不利益を被り、時には、因果関係の立証はできませんが、お亡くなりになるような事件も起こっています。今回の法改正により、進む部分もありますが、不十分な点が幾つもあるため、順次質問をしてまいります。

 公益通報者保護法の根本的な課題として、その仕組みの複雑さがあり、公益通報を行おうとする者にとっても仕組みの理解が難しいことが挙げられます。さらに、公益通報者保護法は、公益通報者が通報により会社から報復として不利益な取扱いを受けた場合、通報者保護を求めるためには、自ら民事訴訟を提起する仕組みとなっており、通報者の大きな負担となっている現状があります。

 まず、公益通報に当たる対象法律の狭さについてお聞きします。

 政府は、国民の生命、身体、財産の保護に関する法令、刑事罰、過料がある約五百本が公益通報に当たると説明しています。したがって、セクシュアルハラスメント、パワーハラスメントの多くは、公益通報に該当しません。対象法律について、対象を絞るポジティブリスト方式からネガティブリスト方式へ変更する方が、より公益通報に当たる事象が広がると思いますが、大臣の見解を伺います。

 森友学園問題に関して、財務省から公文書改ざんを命じられた赤木俊夫さんが命を絶たれてから七年が過ぎ、今年一月に、財務省の森友学園をめぐる公文書の不開示決定を取り消す判決が大阪高裁で出され、やっと公文書が開示されることになりました。闘ってこられた赤木雅子さん、関係者の皆様に心から敬意を表します。

 赤木さんが理不尽な公文書改ざんを命じられたとき、公益通報として財務省の窓口に通報した場合、公益通報に当たるのでしょうか。公文書管理法は公益通報の対象に入るのか、伺います。

 次に、兵庫県庁文書問題について、関連してお聞きします。

 兵庫県代表監査委員に提出された文書問題に関する第三者調査委員会の調査報告書では、元西播磨県民局長による文書の作成、配布行為は、公益通報者保護法における報道機関や消費者団体など外部への通報、三号通報に該当するとしました。兵庫県知事が通報者の探索を行った行為についても、公益通報者保護法違反としました。文書の作成、配布行為を懲戒処分の理由の一つとしたことも、違法、無効としました。これは、兵庫県において公益通報者保護法が機能しなかったと言えるのではないでしょうか。

 一連の兵庫県文書問題をめぐって公益通報者保護法違反との指摘がなされていることについて、公益通報者保護法の実効性が問われる重大な事態であると考えます。担当大臣としてどのようにお考えか、お聞かせください。さらに、体制整備義務違反について、第二十条により自治体は除外されています。兵庫県の事象を踏まえると、消費者庁が指導助言できるように、二十条の除外を見直すべきではないでしょうか。

 今回の法改正では、一般職の国家公務員等について、公益通報をしたことを理由とする不利益な取扱いを禁止し、違反して分限免職又は懲戒処分をした者に対し、六か月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金を科しました。違反して分限免職又は懲戒処分した者とは、処分権者になるわけですが、国家公務員においては大臣等、地方自治体においては知事、市町村長なども含むということでよいのか、大臣に確認いたします。

 さらに、今回の法改正の最大の課題である通報者への不利益取扱いについて、二点質問いたします。

 法改正により、公益通報をしたことを理由として解雇又は懲戒をした者に対し、拘禁刑、罰金など刑事罰を科すことになりました。一歩前進かもしれませんが、なぜ対象を解雇又は懲戒に限定したのでしょうか。日本弁護士連合会の調査では、通報者が受ける不利益取扱いは、最多が嫌がらせ、次に配置転換です。声を上げた勇気ある通報者を守るためには、不当な配置転換等も刑事罰の対象に含めるべきではないでしょうか。大臣の答弁を求めます。

 また、刑事罰へのプロセスも不透明です。通報者は民事裁判によって公益通報者として保護されるという事実認定を得なければいけないのか、消費者庁としてどのようなプロセスを想定しているのか、お答えください。

 消費者庁における有識者検討委員会では、報復配転への罰則には、企業側の委員が反対を唱えました。一方で、内部通報訴訟の内部通報者等はヒアリングされていません。有識者検討委員会で通報当事者のヒアリングをしなかったのはなぜですか。

 もう一点は、立証責任の転換です。

 今回の法改正で、通報後一年以内の解雇又は懲戒は、公益通報を理由としてされたものと推定するとしました。立証責任の転換については前進ですが、これも、解雇と懲戒だけに限定され、配置転換等が除外されています。韓国やEUなどは、既に不利益取扱いの立証責任は企業側に転換する制度をつくっています。配置転換等も立証責任の転換の範囲に入れるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 保護すべき通報者の範囲についてお聞きします。

 今回、保護すべき通報者にフリーランスを含めることは評価しますが、フリーランスに該当しない取引先事業者、通報者の支援者などは、通報者保護の対象外となりました。取引先事業者は、不正を知り得る立場にありますが、通報したことを知られると取引を打ち切られる弱い立場にあります。通報者の同僚など、通報者を支援する立場の者なども保護すべき場合があります。これらの方々を保護すべき通報者の対象にすべきではないでしょうか。

 通報の際の証拠収集、持ち出しについてお聞きします。

 内部通報をしてももみ消されてしまうのではないかと感じ、報道機関や消費者団体など外部への三号通報を行った場合は、真実相当性が問われます。そのためにも、証拠を収集し、持ち出す必要がありますが、鹿児島県警の内部文書漏えい事件のように、持ち出しと外部通報が守秘義務違反に問われる場合があります。こうした証拠収集、持ち出し行為については、守秘義務違反の免責規定を作るべきではありませんか。

 また、今回の改正案で、新たに通報妨害の禁止及び通報者探索の禁止が規定されましたが、いずれも正当な理由がないことを要件としています。正当な理由とは、どういった内容を想定しているのでしょうか。

 公益通報者対応業務従事者の指定及び体制整備の義務の事業者の規模は、三百人超の事業者に限られており、全事業者に占める割合は低いのが現状です。百人超の事業者まで拡大することで、公益通報の対象になるような違法行為があった場合には、公益通報することにちゅうちょしないような職場をつくるべきではないでしょうか。大臣の見解をお伺いします。

 今回の法改正により、事業者に対しての立入検査権限が新設されました。これは前進であると評価しますが、増加する業務量に対応できるのか懸念が残ります。現在、消費者庁で公益通報を担当している職員は何人でしょうか。非常に限られた人数で実務を担われている現状を見ると、予算、人員体制の整備がセットで必要ではないでしょうか。

 圧倒的な情報量と力を持つ雇用主である会社と裁判を闘うことの困難さ、本人の経済的負担、時間的負担、心理的負担は非常に重いものがあります。通報者の保護策、救済策が充実しなければ、リスクを負って通報するハードルは依然高いものになります。

 日本の精密機器メーカーでは、内部通報をした浜田正晴さんの例ですと、会社に籍を置きながら、その会社を相手に、配置転換は内部通報によるものであり無効であるとして、民事裁判を八年闘われました。奇跡的な勝訴をかち取りましたが、元の部署に戻ることはできませんでした。内部通報者に対して現実的な救済が難しい場合が多いのも現状です。費用手当てのある専門ADRの創設や、米国にあるような報奨金などの新制度の検討が必要と思いますが、大臣の見解をお伺いします。

 今回、法改正から次の改正まで、検討期間が五年となりました。改正内容以外にも検討をすべき課題は多く残っています。今回も、前回と同様に三年で見直すべきと考えますが、見解を伺います。

 兵庫県では、西播磨県民局長が、通報者の探索、懲戒処分などを受け、死をもって抗議するとのメッセージを残し、お亡くなりになりました。後に県が設置した第三者委員会で、公益通報に当たり、県側の行為は公益通報者保護法違反であると認定されましたが、残念ながら、亡くなられた命は戻ってはきません。このようなことを二度と起こしてはなりません。

 そして、実効性ある公益通報者保護法にするためには、私たちが提案する、配置転換を刑事罰に加えるとともに、立証責任の転換に加える等の法案修正に応じていただく、そのことを強くお願いしたいと思います。

 不正を許してはならないと、勇気を持ち声を上げた公益通報者を真に保護できる公益通報者保護法となることを願いまして、私の質問を終わりたいと思います。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣伊東良孝君登壇〕

国務大臣(伊東良孝君) 尾辻かな子議員からたくさんの御質問をいただきました。合計十五問ありますので、順次御答弁させていただきます。

 まず、公益通報者保護法の対象法律の規定方式についてお尋ねがありました。

 公益通報者保護法では、国民の生命、身体、財産その他の利益の保護を直接の目的とする法律を対象法律として列挙しております。

 ネガティブリスト方式を採用した場合には、労働者、事業者の双方にとって、通報が保護対象に含まれるかが不明確となり、規定方式の変更は困難と考えております。

 次に、森友学園をめぐる事案に関連して、通報の公益通報該当性や公文書管理法が対象法律に含まれるのかについてのお尋ねがありました。

 消費者担当大臣として個別事案にコメントすることは差し控えますが、公文書管理法は公益通報者保護法の対象法律ではなく、公文書管理法の違反に関する通報は、公益通報には該当をいたしません。

 次に、兵庫県事案についての見解と、地方公共団体に対する行政措置権限の適用除外規定の見直しについてお尋ねがありました。

 消費者担当大臣として、これも個別事案についての見解をコメントすることは差し控えさせていただきます。また、兵庫県におきましては、県議会の百条委員会や県の第三者委員会の報告書の内容を踏まえ、適切に対応されるものと考えております。

 国や地方公共団体といった行政機関は、自ら法令遵守を図り、義務を履行することが期待されており、消費者庁の行政措置は適用しないこととされております。

 一方、消費者庁では、地方自治法の規定に基づく技術的助言として、ガイドラインの策定や実態調査の実施等を通じて、地方公共団体の体制の整備を促してきたところであります。

 引き続き、地方自治法の技術的な助言の範囲内で、対応すべき事項があれば、適切に対応してまいります。

 次に、一般職の国家公務員等が公益通報をしたことを理由とする分限免職又は懲戒処分について、罰則の対象についてのお尋ねがありました。

 組織によって、分限免職又は懲戒処分の意思決定の方法やプロセスは様々であります。罰則の対象者については、懲戒権者など形式的に解雇又は懲戒の意思表示をした者が直ちに該当するわけではなく、実質的な意思決定をした者やそれに関与した者が対象となると考えております。

 次に、不当な配置転換を罰則の対象にすることについてのお尋ねでありますが、一般論として、犯罪の構成要件は明確で、対象となる行為は罰則に値するものでなければなりません。

 我が国では、メンバーシップ型雇用が一般的で、配置転換については、適材適所の配置や人材育成の観点から、事業者の広い裁量の下、頻繁に行われており、必ずしも不利益な取扱いとは言えません。また、その様態は様々であり、不利益性は個人の主観や事情に依存する部分が大きく、罰則の対象とすることは困難と考えております。

 次に、刑事罰に至るまでのプロセスについてのお尋ねがありました。

 労働者に対して公益通報を理由とする解雇及び懲戒が行われた場合には、当該労働者が捜査機関に対して被害申告や刑事告訴をしたり、又は周囲の方々等が刑事告発をしたりした上で、起訴されれば、刑事裁判において判断されることとなります。

 次に、通報者からのヒアリングについてのお尋ねがありました。

 制度の見直しを議論した公益通報者保護制度検討会には、日本労働組合連合会の代表者や通報者を支援する弁護士が委員として参加をいたしております。

 また、この検討会におきましては、通報者を支援している日弁連の消費者問題対策委員会の委員からもヒアリングを行い、通報者の状況について十分意見聴取をしております。

 次に、配置転換等を立証責任の転換の対象とすることについてのお尋ねがありました。

 立証責任を転換する範囲については、各国の労働法制や労働慣行の違いを考慮する必要があります。

 EUや韓国ではジョブ型雇用が一般的ですが、我が国ではメンバーシップ型雇用が一般的で、配置転換について事業者に広い裁量が認められており、労働法制において、権利濫用であることの立証責任は労働者が負っています。

 このような労働法制との平仄を踏まえると、配置転換等について、公益通報を理由とすることの立証責任を事業者に転換することは現状困難と考えております。

 次に、取引先事業者や通報者の支援者を保護する公益通報者に含めることについてのお尋ねがありました。

 公益通報者保護法は、労働者等、事業者に対して弱い立場にある個人を公益通報者として、公益通報を理由とする不利益な取扱いから保護する法律です。取引先事業者は個人ではないことから、公益通報者として保護することは困難と考えております。

 また、公益通報者の支援者を保護対象とすることにつきましては、これらの者に対する不利益な取扱いの実態が現状明らかではないことから、その状況を注視してまいります。

 次に、資料の収集、持ち出し行為についてでありますが、守秘義務違反の免責規定を設けることについてのお尋ねであります。

 公益通報の証拠となる資料は、事実関係を調査するために重要な位置づけを占める一方、通報者による内部資料の収集や持ち出しは、事業者の情報管理や組織秩序に悪影響を及ぼす場合があります。

 裁判所においては、通報との関連性や通報者の動機、行為の様態、影響等を総合的に勘案し、判断していると承知しております。

 このため、公益通報のための資料収集、持ち出し行為について、一定の要件の下、免責する規定を設けることは現状困難であり、事案ごとに事情を総合勘案の上、判断することが妥当と考えております。

 次に、通報妨害の禁止及び通報者探索の禁止が許容される正当な理由についてお尋ねがありました。

 通報妨害におきましては、例えば、労働者に対し、不正行為について、特段の根拠なく報道機関や取引先などに通報しないよう文書又は口頭で求めることは、正当な理由に該当し得ると考えております。

 また、通報者探索においては、例えば、通報者が具体的にどのような局面で不正を認識したのかなどを特定した上でなければ必要な調査や是正ができないという場合に、従事者が通報者の特定につながる事項を問うことは、正当な理由に該当し得ると考えております。

 次に、体制整備義務事業者の範囲の拡大についてお尋ねがありました。

 消費者庁の実態調査等の結果、従業員三百人を超える義務対象事業者でありましても、体制整備の不徹底と実効性の課題が明らかとなっております。

 こうした中、まずは、義務対象事業者が公益通報に適切に対応するための体制整備の徹底と実効性向上を図ることが重要と考えております。

 従業員数三百人以下の努力義務対象の事業者は、内部通報制度の重要性について一層の周知啓発を行い、その認識を高めてまいります。

 次に、公益通報を担当する職員数あるいは予算、人員体制整備についてのお尋ねがありました。

 現在、消費者庁では、公益通報者保護法を担当している職員の定員は十四名であります。

 今回の法改正により、事業者の従事者指定義務違反は、公益通報者保護法上の通報対象事実となり、消費者庁への公益通報が見込まれるほか、それ以外の体制整備義務違反につきましても情報提供が増えることが見込まれております。

 このため、消費者庁では、今年度に新たに法執行のための定員を確保しており、今回の法改正後も、引き続き法執行体制の強化に取り組むことといたしております。

 次に、費用手当てのある専門ADRの創設と奨学金制度の検討の必要性についてのお尋ねがありました。

 訴訟以外で、第三者が介在して個別労働紛争の解決を図る制度として、労働審判のほか、厚生労働省や各都道府県等の関係機関による個別労働紛争解決制度、いわゆるADRがあります。ここでは、公益通報が関係する事案を含め取扱いがなされているものと承知をいたしております。

 御指摘の奨学金制度につきましては、財源の確保のほか、事業者内部の不正を通報した労働者に奨学金を支払うことについて国民の理解を……(発言する者あり)課題があると考えております。

 次に、見直し期間についてのお尋ねがありました。

 令和二年の法改正時は、公益通報を理由とする不利益な取扱いへの対応が必要とされましたが、対応の具体的方向性について結論が出ず、引き続き検討することとなりました。このため、施行後早期に対応を検討し、必要な措置を講ずる必要がありました。

 今回の法改正では、不利益な取扱いについて、刑事罰を導入することや立証責任の転換といった一定の措置を講ずることとしており、今後の見直しの検討に当たりましては、施行後の裁判事例の蓄積を踏まえる必要があります。

 我が国では、訴訟の準備を始めましてから一審判決までに二年程度かかることも珍しくなく、当事者の一方が控訴、上告した場合、判決が確定するまで更に長い時間を要します。このため、法の見直しの検討には、施行後五年程度が必要となっているところであります。

 以上であります。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(額賀福志郎君) 阿部弘樹君。

    〔阿部弘樹君登壇〕

阿部弘樹君 日本維新の会の阿部弘樹でございます。

 会派を代表して、公益通報者保護法の一部を改正する法律案について、全て伊東良孝内閣府特命大臣に質問いたします。(拍手)

 本法案は、令和二年の改正法の施行から一定の期間を経過したことから、公益通報者保護制度検討会の検証を経て、公益通報者保護制度の実効性を向上させるための改正とされています。今回の改正の前に、前回の令和二年六月の法改正の総括についてお伺いします。

 公益通報者保護制度検討会は、令和二年改正による効果として、実態調査の結果を平成二十八年度の調査結果と比較して、民間事業者における内部通報制度の導入率が上昇したと報告しています。しかし、その後も、勇気を奮って通報した人が結果的に望まぬ境遇に陥ってしまう事例は後を絶ちません。令和二年改正の効果や課題について、率直な評価をお聞かせください。

 昨今、大きく社会問題となった事例を参考に、憂慮すべき点をお聞きします。

 中古自動車販売大手のビッグモーター社による自動車保険不正請求などの不祥事が相次いで発覚した際には、当該企業の内部通報体制の不十分さが露呈しました。ビッグモーター事件では、ワンマン経営者が会社幹部や社員を服従させ、少しでも意に沿わないと懲罰的な扱いをするなど、恐怖支配があったとされています。

 このような、いわゆるブラック企業においては、法律で内部通報窓口の設置を義務づけたとしても、会社に何をされるか分からないという恐怖から、行われるべき通報が滞る可能性があります。公益通報窓口の設置の義務化は、こうした通報者の不安を解消できるのでしょうか。具体的な対策をお示しください。

 フジテレビの事案を取り上げます。株式会社フジテレビジョンが出した文書「フジテレビの再生・改革に向けて」には、相談窓口に相談しても情報が外に漏れてしまうのではないかという懸念から、相談窓口の信頼性を確保し、相談者が安心して利用できる体制を整備する必要性について記載があります。

 しかし、今回の事案では、被害者は上司を信頼して事件を通報しており、相談の窓口は確保されていました。それにもかかわらず、相談を受けた上司や会社の上層部が、加害者である人気タレントを守るために、社内のコンプライアンス委員会に報告せず、事件のもみ消しを図り、その結果、被害者は自主退社の選択を余儀なくされました。

 どのような企業でも、大事な顧客や重要な取引先との力関係では弱い立場に置かれることがあります。取引上の力関係が上位にある社外の者が通報すべき不正を行った場合、社内の通報窓口の確保だけでは体制は不十分だと考えますが、どういった対応をすべきか、見解を求めます。

 兵庫県知事によるパワハラ疑惑をめぐっては、県側が内部告発した元県幹部を特定し、停職三か月の懲戒処分をしたため、告発者の不利益な取扱いを禁じた公益通報者保護法に違反するとの指摘があります。法令遵守の徹底が当然に求められる行政において発生した事案ですので、多くの人がこの問題を注視しています。

 公益通報者保護制度では、自治体に対して、地方分権の関係で消費者庁が介入することはできないとされており、本改正においても、解雇以外の不利益な取扱いを無効とする規定は公務員には適用しないものとしております。しかし、現実的には、自治体を始め官公庁における不正も後を絶ちません。民間には罰則があるが官公庁にはないというのでは、不公平と考える国民は多いのではないでしょうか。官公庁の不正事案について、政府見解を求めます。

 次に、事業者に対する変更点についてお聞きします。

 今回、従事者指定義務に違反する事業者に対し、現行法の指導、助言、勧告を行う権限に加え、勧告に従わない場合の命令権及び命令違反時の刑事罰が新設されました。一定の効果があると思われますが、事業者規模が常時使用する労働者の数が三百人超の事業者に限られている点について、検討が必要です。

 従事者指定義務がかかる常時使用する従業者数が三百人超の事業者というのは、全事業者の一%以下です。大企業の定義は、常時使用する従業員数が、卸売業、サービス業は百人超、小売業は五十人超であることを踏まえれば、百人若しくは五十人を超える事業者に拡大することも一案と考えられますが、見解をお伺いします。

 また、中小企業にとっては体制整備の対応が困難であり、小さな企業ほど通報者の保護が難しい状況です。中小企業への対応方針や、政府の支援策についてお示しください。

 法案では、現行の報告の徴収、助言、指導、勧告権限に加え、立入検査権、勧告に従わない場合の命令権を新設し、さらに、命令違反に対する刑事罰、及び報告を怠った場合、虚偽の報告をした場合、検査を拒否した場合に対する刑事罰を科すこととされています。

 これらの検査等に関する様々な権限を消費者庁に付与するとしていますが、現状の組織体制や予算では権限を十分に行使することが困難ではないかという意見もございます。消費者庁は、今の体制をどうやって運用していくのか、答弁を求めます。

 通報者保護の範囲についてお聞きします。

 今回、保護される公益通報者の範囲に、フリーランスや、業務委託関係が終了して一年以内のフリーランスが追加されました。しかし、EU公益通報者保護指令では、これらに加え、求職者やボランティアも公益通報者に含めています。G20ハイレベル原則では、保護対象となる通報の範囲は広範に定義されていますが、求職者やボランティアによる公益通報についても見解を伺います。

 また、EU公益通報者保護指令では、同僚や家族など、報告者の支援者や取引先に対しても保護が及ぶことになっています。実際に被害を受けた本人だけでなく、これらの周囲の方々にも配慮がないと、同調圧力が強い日本社会においては特に、調査の公平性さえ担保できない可能性があります。被害者の周辺に対してどのような配慮をしていくのか、政府の見解をお聞きします。

 公益通報者を阻害する要因についてお聞きします。

 まず、通報者探索の禁止についてです。

 事業者が正当な理由なく公益通報者を特定する行為を禁止していますが、罰則の対象にはなっていません。罰則の有無で通報者が公益通報を行うことをためらうなどの影響が考えられます。通報者の探索に罰則を設け、抑止に努めることも考えられますが、罰則を設けない理由を御説明ください。

 一方、通報者の保護が行き過ぎることによって、自己の利益を図る目的で、悪意を持って誰かをおとしめようと、虚偽通報を発生するリスクも考えられます。通報者は、報告した事項が真実であることを信じるに足る合理的な根拠を有していなければなりません。EUの公益通報者保護指令では、通報者が故意に虚偽の通報を行った場合の罰則規定もありますが、政府として、虚偽通報に対して具体的にどのような対策を取るのか、その考えをお聞かせください。

 続いて、通報妨害の禁止についてです。

 事業者が労働者に対して、正当な理由なく、公益通報をしないなどの合意を求めたりすることなどによって公益通報を妨げる行為を禁止し、この規定に違反してなされた合意等の法律行為を無効とすることになっています。この無効とならない場合の正当な理由はどのようなものを示しているか、そこは重要なポイントです。

 政府は、公益通報の妨害行為とならない正当な理由について、どのような場合を想定しているのか、具体的にお示しください。また、正当な理由について、事業者と労働者の双方が十分に理解できるように説明が必要ですが、その方法についても具体的な回答を求めます。

 刑事罰の対象を解雇、懲戒とすることについてお聞きします。

 不正を告発した内部通報者への不利益な取扱いに対し刑事罰が導入されますが、その対象となるべき処分は解雇と懲戒処分の二つに限定されています。つまり、実際に処遇されることが多い配置転換や退職勧告、ハラスメント等は罰則の対象外です。配置転換等が刑事罰の対象にならないのであれば、罰則の有無を逆手に取って、配置転換や退職勧告、ハラスメントによる報復が増加する可能性も考えられます。

 政府が把握している配置転換や退職勧告、ハラスメントを含む報復の有無について、実態報告を求めます。その上で、配置転換や退職勧告、ハラスメントを刑事罰の対象から外した理由をお示しください。

 公益通報のために必要な資料の収集、持ち出し行為への免責について質問いたします。

 公益通報のためには、不正行為を裏づける資料の収集や持ち出しが必要であることは容易に考えられます。しかし一方で、必要な資料を持ち出した場合には、事業者側が情報漏えいや秘密義務違反を理由に解雇や懲戒の処分を課す可能性があります。公益通報をちゅうちょさせる要因になりますし、通報内容の精度を下げる原因にもなります。

 過去の司法判断では、公益通報を理由として民事免責を認められた場合がありますが、判断を全て裁判に委ねてしまっては、不正の有無の判断に相当の時間を費やすことになります。免責規定の明記や、検討の余地はあると考えますが、本改正において免責規定を組み込まなかった理由について、今後どのように取り組むかという点も踏まえて御説明ください。

 最後に、日本維新の会は、国会における議論を通じて、公益通報者保護制度の実効性を向上させ、国民生活の安心と安全を確保することをお約束し、私の質問を終わらせていただきます。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣伊東良孝君登壇〕

国務大臣(伊東良孝君) 阿部弘樹議員への御答弁の前に、先ほど、尾辻かな子議員への答弁の中で、報奨金制度につきまして、これを間違えて、奨学金と発言いたしました。正しくは報奨金でありますため、訂正させていただきます。よろしくお願いを申し上げます。

 それでは、阿部弘樹議員にお答えいたします。

 まず、令和二年の法改正の効果や課題についてお尋ねがありました。

 消費者庁の実態調査結果によりますと、法改正の施行後、より多くの事業者で窓口の設置等内部通報制度の導入が進み、公益通報者保護制度の認知度が向上するなどの効果が認められております。

 その一方で、従事者指定の義務を履行していない事業者が一定程度存在すること、また、多くの事業者において内部通報窓口の利用は限定的であることなど、事業者の体制整備の不徹底や実効性に課題があり、このような課題に適切に対応していく必要があります。

 次に、公益通報窓口の設置の義務化が通報者の不安や心配を解消できるのか、具体的な対策についてのお尋ねがありました。

 令和二年の法改正で、事業者内の公益通報に対応する、事業者の指定義務や、あるいは従事者の守秘義務が規定をされました。

 このような措置は、通報したことが上司等に共有されてしまうのではないかといった通報者の不安や心配の解消につながるものです。

 さらに、今回の法改正では、従事者指定義務の違反に対する命令権や命令違反時の刑事罰を規定しており、不正を通報することを検討している労働者の不安払拭に努めてまいります。

 次に、社外の者が通報すべき不正を行った場合の対応についてでありますが、公益通報者保護法では、取引先事業者との請負契約等に基づいて事業を行う事業者の労働者が、当該取引先事業者の不正について、当該取引先事業者や行政機関又は報道機関等に通報する場合、一定の要件を満たせば保護をされます。

 こうした点も含めて、制度の普及、浸透に努めてまいりたいと思います。

 次に、消費者庁における民間と官公庁に対する対応の違いと、官公庁の不正事案に対する見解についてお尋ねがありました。

 本改正案では、公益通報をしたことを理由として解雇又は懲戒をした者に対する刑事罰を導入することとしており、これについては、民間の事業者でそのような意思決定をした者のみならず、国及び地方公共団体において同様の意思決定をした者も対象となります。

 また、官公庁の不正事案につきましては、消費者担当大臣としてのコメントは差し控えるところでありますが、消費者庁としては、国や地方公共団体も含め、制度の普及、浸透に努めてまいります。

 次に、体制整備義務の対象となる事業者の範囲の拡大、及び中小企業への政府の対応方針や支援策についてお尋ねがありました。

 消費者庁の実態調査等の結果、従業員数三百人を超える義務対象事業者であっても体制整備の不徹底と実効性の課題が明らかとなっており、まずは、義務対象事業者の体制整備の徹底、そして実効性向上を図ることが重要であると考えております。

 従業員数三百人以下の事業者には、法律上、体制整備の努力義務がありませんが、公益通報の件数が少なく、対応のノウハウを蓄積することは難しいとの指摘があるところであります。

 このため、消費者庁では、これまで、中小規模事業者などに対し、制度の重要性や導入方法について周知を行ってまいりました。法改正後も、引き続き、制度の普及、浸透に努めてまいります。

 次に、従事者指定義務に関する消費者庁の権限強化や組織体制についてのお尋ねがありました。

 事業者に対する消費者庁の行政措置は、外部からの情報提供のほか、様々な端緒情報を基に実施しております。

 消費者庁では、今年度に法執行のための新たな定員や予算を確保しており、引き続き、法執行体制の強化に取り組んでまいります。

 次に、求職者等による公益通報に対する見解及び公益通報者の周辺の方々に対する配慮についてお尋ねがありました。

 求職者等による公益通報や通報を理由とする不利益な取扱い及び公益通報者の周辺の方々の状況につきましては、その実態が明らかではないことから、その状況を注視してまいりたいと考えております。

 次に、通報者探索への罰則を設けない理由についてのお尋ねでありますが、今回の改正法案では、公益通報者を探索して、公益通報をしたことを理由とする解雇又は懲戒を行った法人及び個人を罰則の対象としております。

 一方、不利益な取扱いには至らない、探索行為自体に罰則を科した場合には、事業者による正当な調査を阻害する要因になり得るなどの懸念もあり、慎重に検討する必要があると考えております。

 次に、虚偽通報に対する対策についてのお尋ねでありますが、公益通報者保護法では、通報が結果として真実でない場合であっても、通報が公益通報に該当し、法の保護要件を満たしている場合には不利益な取扱いが禁止されています。

 一方、虚偽だと知って行う通報など、いわゆる濫用的通報については、まずは、事例を幅広く集め、実態を調査する必要があると考えております。

 その上で、実態調査結果を踏まえ、公益通報者保護制度の健全な運営を確保する観点から、必要な対応を検討してまいりたいと考えております。

 次に、公益通報の妨害行為とならない正当な理由の具体的内容及び労働者と事業者の理解促進を図る方法についてお尋ねがありました。

 公益通報の妨害行為とならない正当な理由の具体例としては、労働者に対し、不正行為について、特段の根拠なく報道機関や取引先などに通報しないよう文書又は口頭で求めることが考えられます。

 また、正当な理由について、労働者と事業者の双方が十分に理解できるよう、例えば、消費者庁の逐条解説やウェブサイト上のQアンドA等により解釈の明確化を図ってまいります。

 次に、政府が把握している配置転換や退職勧奨やハラスメントを含む報復の実態、これを刑事罰の対象から外している理由についてお尋ねがありました。

 裁判例の中には、不利益な取扱いが通報を理由とするものと認定された事案のうち、配置転換や嫌がらせに関するものもあると承知をいたしております。

 刑事罰につきましては、一般論として、犯罪の構成要件は明白で、また、対象となる行為は罰則に値するものでなければなりません。御指摘の配置転換や退職勧奨、ハラスメントの様態は様々であり、不利益の有無や程度は個人の主観や事情に依存する部分が大きく、不利益であることが客観的に明確ではないため、罰則の対象とすることは困難と考えております。

 次に、公益通報のための資料の収集、持ち出し行為の民事免責、導入しなかった理由、今後の取組についてのお尋ねであります。

 労働者等が公益通報のために必要であると自ら判断して事業者の内部資料を収集し持ち出すことは、個人情報や営業機密などに関する事業者の情報管理や組織秩序に悪影響を及ぼす懸念があります。

 裁判所においては、通報に伴う資料持ち出し行為を事由とする懲戒処分を無効としたものが見受けられますが、通報との関連性や通報者の動機、行為の様態、影響等を総合的に勘案したものと承知をしております。

 このため、公益通報を理由とする資料収集、持ち出し行為を、一定の要件の下、免責する規定を設けることは現状困難と考えており、事案ごとに事情を総合勘案の上、判断することが妥当と考えております。

 以上でございます。(拍手)

議長(額賀福志郎君) 伊東国務大臣から、答弁を補足したいとの申出があります。これを許します。国務大臣伊東良孝君。

    〔国務大臣伊東良孝君登壇〕

国務大臣(伊東良孝君) 度々御迷惑をおかけいたします。

 先ほど、従業員数三百人以下の事業者には、法律上、体制整備の努力義務がありますがと申し上げるべきところを、ありませんがというお話をさせていただきました。改めて訂正をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

議長(額賀福志郎君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

議長(額賀福志郎君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後二時八分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       財務大臣   加藤 勝信君

       国務大臣   伊東 良孝君

 出席副大臣

       内閣府副大臣 鳩山 二郎君


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