第4号 令和8年2月25日(水曜日)
令和八年二月二十五日(水曜日)―――――――――――――
議事日程 第四号
令和八年二月二十五日
午後一時開議
一 国務大臣の演説に対する質疑(前会の続)
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○本日の会議に付した案件
国務大臣の演説に対する質疑 (前会の続)
午後一時二分開議
○議長(森英介君) これより会議を開きます。
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国務大臣の演説に対する質疑(前会の続)
○議長(森英介君) 国務大臣の演説に対する質疑を継続いたします。玉木雄一郎君。
〔玉木雄一郎君登壇〕
○玉木雄一郎君 国民民主党代表の玉木雄一郎です。
まず、高市総理に対して祝意を申し上げます。おめでとうございます。国民から与えられた大きな政治的パワーを使って、これまで長年できなかった政策の転換を実現されることを期待申し上げます。
私たち国民民主党も、対決より解決、政策本位の姿勢で、日本経済の成長と国民生活の向上、日本の独立自尊を守る政策には協力をいたします。そして、大勝した今こそ、野党の意見や野党に託された多数の国民の意見にも耳を傾け、丁寧な政権運営を行うことを求めて質問に入ります。(拍手)
最初に、高市総理が政策転換の本丸と呼ぶ責任ある積極財政について伺います。
まず、積極財政の意味について伺います。
総理は施政方針演説で、これまでの財政運営を行き過ぎた緊縮志向だったと批判されました。しかし、高市政権で編成した来年度予算案を見ると、一・三兆円のプライマリーバランスの黒字を実現、国債発行額を三十兆以下に抑制、医療費を高齢化率以下に抑制、補正予算を前提としない予算編成など、私にはむしろ、来年度予算案の方が従来以上に引き締まった予算に見えます。
また、施政方針演説に、昨年の臨時国会で講じた物価高騰対策についての言及はあったものの、新たな物価高騰対策についての言及がありませんでした。
来年度予算案は、どういった点で行き過ぎた緊縮志向を脱却し、これまでの政策の在り方を根本的に転換しているのか、御説明ください。
次に、責任ある積極財政のうち、責任あるの意味について伺います。
高市総理が、単年度のプライマリーバランス目標を見直し、複数年度で管理する財政運営に転換したことは評価をしています。一方、金利の急騰や過度な円安を招かないためには、マーケットの信認を得ることが不可欠であることは言うまでもありません。
まず、高市内閣が提唱する責任ある積極財政の責任あるとは具体的に何を意味するのか、その責任を具体的にどのような指標で達成しようとしているのか、内外のマーケット関係者、とりわけ債券市場の関係者に向けて具体的に説明してください。
そして、マーケットとのコミュニケーションを具体的にどう取っていくのか、伺います。政府が責任ある、責任あると連呼するだけでは駄目です。市場関係者がどう受け取るかが重要であり、発行年限構成など国債管理政策を透明化する必要があります。
そこで、国民民主党は、アメリカの財務省に設けられている国債発行諮問委員会、TBAC、トレジャリー・ボローイング・アドバイザリー・コミッティーのような、市場参加者を入れた専門的な助言機関を創設することを提案いたします。内外の市場関係者から見たときの高市政権の経済政策の解像度をもっと上げる必要があると考えます。
次に、金利と成長率の関係について質問します。
高市政権では、債務残高の対GDP比率を安定的に低下させることを財政の持続可能性の指標としていますが、そのためには、名目GDPの成長率が国債の利子率を上回っている状態、すなわちドーマー条件が満たされていることが必要です。
しかし、先月二十二日に政府が発表した中長期の経済財政に関する試算の過去投影ケースでは、二〇二七年度にも金利が成長率を上回ることになっています。そうすれば、責任ある積極財政を続けられなくなります。政府債務が発散しないためにも、金利を上回る成長率をどのように維持していくのか、その戦略をお示しください。
次に、もっと手取りを増やす政策について伺います。
手取りを増やす方法は三つです。減税、社会保険料の軽減、電気代など生活コストの引下げです。今日はこの順に政府の具体策を伺います。
昨年十二月に所得税の百三万円の壁を百七十八万円まで引き上げる合意ができたことは、現役世代の手取りを増やすための大きな第一歩となりました。年末調整や確定申告で戻ってきたと喜びの声も届いています。ただ、宿題も残っています。
その一つは、政府・与党の強い要請で残ってしまった基礎控除の所得制限、六百六十五万円の壁と八百五十万円の壁です。二〇一九年以前は、基礎控除には所得制限は全くありませんでした。中高所得者の労働意欲をそぐ基礎控除の所得制限については、撤廃すべきではないでしょうか。昨年末に厳しい交渉をさせていただきましたが、来年度予算案でプライマリーバランスの黒字が一・三兆円もあるなら、所得制限の壁を撤廃しても、財源的には十分対応可能だったのではないでしょうか。総理の見解を伺います。
宿題のもう一つは、住民税の百十万円の壁です。所得税のみならず、住民税の控除額もインフレ等に連動させて引き上げなければ、国民の手取りは増えません。働き控えも十分には解消されません。
国民民主党は、地方財政に十分配慮することを前提に、住民税の控除額についてもインフレ等に連動させて百七十八万円目指して引き上げるべきと考えていますが、高市総理の考えを伺います。
なお、低所得者支援の基準として住民税非課税世帯を採用している各種の福祉制度があり、心配する声もありますが、所得に加え資産も反映した新たな基準に見直していくべきです。
今回、国民民主党の提案によって、三十年ぶりに所得税、住民税の控除額の見直しを行うことができましたが、今後とも、インフレ率や最低賃金上昇率に自動的に連動させるインフレ調整の仕組みが必要だと考えますが、政府の方針を伺います。
参議院選挙の前から全国を回って一番多かった政策要望が、十六歳未満の子供がいる親の年少扶養控除の復活でした。十五年前までは、十六歳未満の子供一人当たりにつき、所得税三十八万円、住民税三十三万円の控除がなされており、所得税率一〇%の世帯で子供一人当たり年間七万円以上の減税となっていました。
年少扶養控除を復活させることにより、子育て世帯の手取りを増やすべきと考えますが、高市政権の考えを伺います。
また、年少扶養控除と同様、要望が多いのが、障害児福祉の所得制限の撤廃です。補装具の補助については所得制限の撤廃が実現できましたが、特別児童扶養手当など障害児福祉の所得制限は全廃すべきと考えます。総理の見解を伺います。
また、十八歳を超えた障害者の居場所づくり、いわゆる十八歳の壁対策についても併せて伺います。
次に、高市総理の選挙公約の目玉である二年間限定の食料品消費税ゼロについて伺います。
もし、それが民意であり、総理がやりたいというのであれば、実現に協力をいたします。ただ、心配な点が多々あるので、そうした課題の解決が大前提です。今から懸念を十個申し上げます。国民会議で検討しましょうと逃げずに、是非この場で誠実な答弁をお願いしたいと思います。
まず、実施時期です。
食料品の消費税ゼロは具体的にいつから可能となるのか、お示しください。スマートレジの整備が経産大臣への指示書の中に入っていましたが、スマートレジが入ったとして、最短でいつ食料品の消費税はゼロにできるんでしょうか。選挙期間中に総理がおっしゃった来年度中の実施を目指す意向に変わりがないのか、確認をいたします。
次に、税法上の位置づけです。
食料品については二年間に限り消費税の対象としないとの公約の記述がありますが、これは、非課税取引にするという意味か、それとも、課税取引だけれども免税あるいはゼロ税率という意味なのか。仕入れ税額控除や還付が認められるかどうかなど、事業者への影響も大きく変わってくるので、消費税の対象としないということの税法上の位置づけを明確にお答えください。
三つ目として、飲食料品の範囲です。
酒、外食、ケータリングなど、現在は軽減税率八%の対象となっていない品目も含めて飲食料品の消費税をゼロにするのかどうか、これも伺います。
四つ目として、影響を受ける飲食店や農家への対策です。
週末、地元に帰って農家や飲食店の経営者と話をしましたが、食料品の消費税ゼロだけは絶対にやめてくれと強い反発の声をいただきました。議場の皆さんの中にも、同じ声を地元で聞いている方は多いんじゃないでしょうか。
免税あるいはゼロ税率にするなら、事業者や農家には仕入れ税額の還付制度が必要不可欠になります。その際、還付申告書や明細書の作成など、増える事務負担に対してどのような支援を行うのか、さらに、還付を受けるまでの資金繰り対策としてどのようなことを考えているのか、併せて伺います。
五つ目として、外食離れへの対策です。
飲食店は外食とテイクアウトの価格差が今の二%差から一〇%差に大きく開くことになり、外食離れが進むと懸念されています。食料品消費税ゼロによる外食離れが外食産業に与える影響と、その対策についてどう考えているか、伺います。
六つ目として、簡易課税を選択している事業者への影響です。これは結構大事です。
農家全体の九割を占める売上高五千万円以下の方で簡易課税を選択している農家は、売上税額がゼロになるので控除自体もゼロになって、負担した仕入れ税額分の控除ができなくなります。インボイスを導入して課税事業者に切り替えるか、あるいは販売価格にコストを上乗せして値上げするか、自腹を切るしか選択肢がなくなります。いずれにせよ、農家の経営を著しく圧迫することになります。簡易課税を選択している事業者への影響と、どのような対策を考えているのか、総理の見解を伺います。
七つ目として、税制の複雑化です。
そもそも、消費税率が一〇パー、八パー、〇パーの三つになれば、ややこしいし、インボイスが不可欠となって、事業者の事務は更に複雑化します。消費税率一〇パー、八パー、〇パーの三つの税率が混在する税制は、税の三原則である公平、中立、簡素に反するのではありませんか。総理の考えを伺います。
八つ目として、減税期間です。
二年間限定の減税といっても、本当に二年後に戻せるんでしょうか。仮に二年後に景気が悪くなっていたら、食料品の消費税をゼロから八%に上げることは、大幅な増税になるため、景気に悪影響を与えることになります。景気が悪くても必ず二年で食料品の消費税を八%に戻すのか、それとも、減税が二年以上続く可能性があるのか、伺います。もし二年で戻せない場合は、本則税率を一〇%以上に、例えば一二%に引き上げることも考えているのか、併せて伺います。
九つ目として、地方税収への影響です。
消費税を減税すれば、地方消費税分の税収が減ります。地方自治体が行っている子育てや介護サービスなどの停滞を招かないよう、国による減収補填を行うつもりがあるのか、これも伺います。
これで最後になりますが、十番目として、財源確保の問題です。
高市総理は、赤字国債を発行せずに、租税特別措置や補助金の見直し、税外収入で対応するとの方針を示しています。私も、消費税の二年間の減税の財源だけなら何とかなると思います。
ただ、問題は、今後、防衛力の強化や社会保障関係費の増大などへの財源確保措置も必要になってきます。トータルとして赤字国債の発行を増やさずに消費税減税を実施できると考えているのか、それとも、他の歳出項目は赤字国債で賄わざるを得ないと考えているのか、歳出歳入の全体像を語ることが責任ある積極財政だと考えますが、総理の見解を伺います。
財源確保について、国民民主党の案を幾つか提案しておきます。
昨年の予算委員会でも提案しましたが、現在、日銀は、大規模金融緩和の一環で大量に買い入れた現在時価約百兆円の上場投資信託、ETFを百十年以上かけて売却しようとしています。このETFの売却期間を買入れにかけた時間と同程度の十五年から二十年に短縮すれば、年間四兆円から五兆円の売却収入を税外収入で得ることができます。高市総理、株高によるメリットを国民に還元するために、真剣に検討してもらえないでしょうか。
そのほかにも、外国人の消費税免税制度をやめることによる増収も提案しておりますので、新たな財源確保措置として検討をお願いしたいと思います。
国民会議が税と社会保障の問題について党派を超えて議論する建設的な場になることを期待しておりますが、仮に国民会議で意見がまとまらなかった場合は、野党の反対を理由に食料品消費税ゼロをやめるんでしょうか。それとも、意見がまとまらなくても食料品消費税ゼロを実施するのでしょうか。総理の本音をお答えください。
国民民主党としては、国民会議の参加を否定するものではありません。ただ、建設的かつ迅速な議論をするためにも、まずは、衆議院で三分の二以上の議席を占めておられる自民党に、今私が指摘をした十の懸念への回答を含む具体的な消費税減税案をお示しいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
なお、国民民主党として、もし消費税の減税をするなら、そのときは、食料品だけゼロにするのではなく、全ての品目を単一税率で引き下げた方がいいと考えます。仮に五兆円の減税財源があるなら、例えば一律八%に減税することも一案です。単一税率であれば、インボイスがなくても帳簿保存方式で対応可能であり、より簡素な税制となりますが、総理の考えもお示しください。
次に、給付つき税額控除について伺います。
高市総理が、消費税減税はあくまで給付つき税額控除までのつなぎの措置であり、本丸は給付つき税額控除だと考えているなら、給付つき税額控除を優先的に議論してはいかがでしょうか。
そして、給付つき税額控除へのつなぎとして減税を考えるなら、それは、消費税の減税ではなく、所得税か住民税の減税でやるのが筋です。なぜなら、給付つき税額控除の税額控除は、結局、所得税か住民税の税額控除でやることになるからです。消費税減税から所得税、住民税の減税への移行は、税目が異なるので、つなぎにはなりません。
そこで、国民民主党が実現可能な対案として提案しているのが、社会保険料還付つきの住民税控除です。
国民民主党が提案する社会保険料還付つき住民税控除は、まず、住民税の控除額を百七十八万円目指して引き上げ、年間一人最大六万円の住民税の減税を行うことで、事実上の税額控除を実現します。そして、減税分を引き切れない所得階層の人には、負担しておられる社会保険料負担相当分を上限として還付を行うものです。この社会保険料還付つき住民税控除の財源は五兆円かかりませんし、物価高騰対策としても即効性があります。そして、何より、マイナンバーを使って新たに所得や資産の把握を行う必要がありません。
高市総理、いつ実現するか分からない政策を時間をかけて議論するより、我が党の提案する現実的かつ即効性のある社会保険料還付つき住民税控除を採用しませんか。これはまさに、総理が施政方針演説で述べられた、物価高や税、社会保険料負担で苦しむ中低所得者の負担を軽減できるどんぴしゃの政策です。
次に、社会保険料の百三十万円の壁についても伺います。
政府は、年収の壁・支援強化パッケージとして、収入が一時的に百三十万円を超えても、事業主がその旨を証明することで扶養に入り続けることができることを可能としていましたが、政策効果には疑問があります。高市総理は、これまで行ってきた百三十万円の壁支援強化パッケージの効果をどう評価、検証しているのか、また、来年度予算に百三十万円の壁対策の関連予算が幾ら計上され、どの程度の働き控え解消につながると想定しているのか、併せて伺います。
なお、国民民主党の提案する社会保険料還付制度をうまく活用すれば、百三十万円を超えても、年収が減ることなく、なだらかに収入が増える設計にもできます。是非、百三十万円の壁対策としても、社会保険料還付制度の導入を前向きに検討していただければと思います。
次に、現役世代の社会保険料負担の軽減について伺います。
国民民主党は、現役世代から豊かになろうというスローガンの下、現役世代の社会保険料負担の引下げを訴え続けてきました。その基本となる考え方の一つが、年齢ではなく能力に応じた負担です。
現在、現役世代から高齢者への仕送りとも言える、協会けんぽや健康保険組合、市町村国保から後期高齢者医療制度への拠出金は年間七兆円にも及んでいます。食料品消費税ゼロに使えるお金が年間五兆円あるなら、これを拠出金の代わりに充てることで、現役世代の社会保険料負担を引き下げた方がいいのではないでしょうか。
また、現役世代の社会保険料負担を抑えるためには、後期高齢者医療制度の窓口負担を、前期高齢者と同様、原則二割にしてはいかがでしょうか。高市総理の見解を伺います。
高額療養費制度の上限の引上げについて伺います。
現役世代の社会保険料負担を軽減するためには、高額療養費制度の上限額を安易に引き上げるのではなく、高額療養費制度における年齢区分をなくすのが先ではないでしょうか。特に、七十歳以上の高齢者を対象とした外来特例は、現役世代との公平性の観点から、将来的な廃止も含めて見直すべきではないでしょうか。総理の見解を伺います。
連立与党の日本維新の会は、医療費四兆円の削減と年間六万円の社会保険料の引下げを訴えておられます。野心的な目標だと思いますが、本当に実現可能な目標と言えるのでしょうか。実際、来年度予算を見ると、医療費の国庫負担分だけでも三千六百五十億円増えており、社会保険料の負担はもっと増えるはずです。子ども・子育て支援金も含めて、来年度の保険料負担は年間平均で幾ら増える見通しなのか、お示しください。また、現役世代の社会保険料をいつまでに年間六万円引き下げるのか、具体的な工程表もお示しください。
健康保険料も高いけれども、年金保険料も高いと感じている現役世代が多いのではないでしょうか。国民民主党は、年金保険料の引下げにつながる政策も検討しています。
今、GPIFによる年金積立金の運用益は、近年の国内外の株高や円安によって、二〇一九年の財政検証時の想定に比べて約七十兆円ほど上振れています。この上振れ分を使って、将来受け取れる年金額を減らすことなく、厚生年金の保険料を五年間の時限措置として一八・三%から一七・三%に引き下げることは可能だと考えます。これができれば、平均的な所得の給与所得者で年間数万円、事業主の負担も年間数百万円軽くなり、従業員の手取りが増えます。それと同時に、事業主は賃上げの原資を確保できるので、中小企業の賃上げの促進にもつながります。
法改正が必要ですが、現役世代の手取りを増やすために、年金保険料の引下げを是非一緒に実現していただきたいと思いますが、総理の見解を伺います。
薬価改定について伺います。
物価上昇の中での薬価の引下げは、製薬メーカーや卸などから悲鳴が上がっています。賃上げもできず、医薬品の安定供給にも支障が生じています。高市総理、薬価の引下げによる医薬品関連産業の悲鳴をどう受け止め、是正する考えがあるのか、総理の考えをお答えください。
国民民主党は、薬価を毎年引き下げる中間年改定を廃止し、企業の研究開発投資を促すことでドラッグラグやロスを解消すべきと考えます。高市総理、二〇一六年の四大臣会合で始まった中間年改定こそ、長年続いてきた過度な緊縮志向の象徴ではありませんか。ここでこの流れを断ち切りましょう。
介護従事者の確保について伺います。
国民民主党が主張してきたケアマネジャーの資格の更新の仕組みについて、廃止を含めて検討が進んでいることは評価をします。しかし、他産業に比べて依然として低い介護従事者の賃上げを進めるためには、介護報酬の抜本的引上げが必要だと考えますが、高市総理の方針を伺います。
就職氷河期世代対策、孤独・孤立対策、ヤングケアラー対策が施政方針演説で言及されたことは評価をいたしますが、それぞれ具体的に、何をいつまでに行うのか、お示しください。
未来への投資として、教育、子育て、科学技術分野に使い道を限った教育国債を発行し、教育、科学技術予算を倍増させ、科学技術立国へ大胆にかじを切るべきです。特に、博士課程の学生への支援は、その社会的リターンを考えても、教育国債の発行になじむと考えます。この教育国債の発行こそが、高市総理の進める責任ある積極財政を推し進める象徴的な政策になると考えますが、総理の見解を伺います。
経済的理由で学びや研究を諦める若者をゼロにするため、奨学金債務の免除や軽減に大胆に踏み込むべきです。特に、公立学校の教員や自衛官など、人材不足が指摘されている公的部門の職業に就職した学生については、奨学金債務を全額免除してはいかがでしょうか。総理の見解を伺います。
この間、教育の無償化など、経済的負担の低減に重点が置かれてきましたが、AIやロボットの活用が広がる中で、どのような人材を育てるべきかという教育の質の議論が手薄だったと思います。AI時代において、日本の将来を支える子供たちにどういった教育を施すべきか、教育の質について高市総理の考えを伺います。
人口減少で人手不足が深刻化し、外国人労働者の受入れは不可避とも言われますが、本当にそうでしょうか。
先月、経済産業省が公表した二〇四〇年の就業構造推計によれば、人口減少でも大きな人手不足は生じないとされている一方、生成AIやロボットの普及によって、事務職や文系人材は人余りになると予測されています。また、海外では、専門スキルを持つ現業職であるブルーカラーの仕事に対する需要と評価が高まり、高収入を得るブルーカラービリオネアも出てきています。
これからの日本には、AI、ロボット時代に対応した教育、人材育成と同時に、現場人材の育成が必要になると考えますが、AI時代における高市総理の人材育成戦略について伺います。
次に、外交、安全保障戦略について伺います。
先日、アメリカの連邦最高裁判所が、相互関税については大統領に権限がないとして違憲判決を下しました。すぐさま、トランプ大統領は代わりの関税を課すことを発表しました。高市総理は、自民党総裁選挙の最中に日米関税交渉の再交渉の可能性について言及されましたが、今回の判決を受けて、約八十五兆円の対米投資も含めて再交渉する可能性はあるのか、総理の見解を伺います。また、日本企業の中にも支払った関税の返還を求める動きが出ていますが、政府として返還をサポートするつもりがあるのか、併せて伺います。
国民民主党は、経済安全保障の実効性を高めるため、スパイ防止を含むインテリジェンス態勢強化法を昨年の国会に提出しました。政府は、スパイ防止法制の創設に向け、夏から有識者会議で議論を始めるとのことですが、遅過ぎませんか。もっとスピードを上げるべきです。また、年内にも策定と報道されている国家情報戦略を速やかに策定、公表し、国民的な理解を促すべきと考えますが、総理の見解を伺います。
当面、急ぐべき安全保障上の対応の一つが、地下シェルターの整備だと考えます。台湾は十万五千か所、人口の三倍以上を収容できるシェルターが整備されています。総理大臣として、国民の命と暮らしを守るシェルターの整備をどのように加速させていく方針か、お答えください。
また、台湾有事の際、在台湾の邦人をどのように救出するのか。現行法制下で自衛隊機を飛ばして在台湾の邦人を救出することは可能なのか、併せてお答えください。
レアアースの確保について伺います。
高市総理は、本年一月に行われた南鳥島沖におけるレアアース泥の試掘の成果をどのように評価していますか。国民民主党は、早期の事業化による資源自給国家への道筋をつけるために、海洋開発基本法を制定して海洋資源開発庁を創設し、国家プロジェクトとして強力に推進すべきと考えています。高市総理にも、是非御協力いただけないでしょうか。
安価で安定的な電力供給がなければ、経済成長は実現しません。その意味で、十七分野の重点投資対象のうち、資源・エネルギー安全保障こそ最重点で取り組むべきです。
具体的には、原発の新増設、次世代革新炉の開発、設置や、早期の社会実装を目指したフュージョンエネルギーの開発に対して、数兆円規模の投資枠を複数年で確保すべきだと考えますが、総理の考えを伺います。
暗号資産の税制改正について伺います。
昨年十二月の税制改正大綱に、これまで雑所得扱いで最大五五%の税率だった暗号通貨の売却益に対する課税を申告分離課税二〇%とすることが明記されました。しかし、実施時期が二〇二八年一月というのは余りにも遅過ぎませんか。
今国会に提出予定の金融商品取引法改正案の施行時期を前倒しし、暗号資産の税制改正の実施時期も二〇二七年一月に前倒しすべきです。必要なら国民民主党から修正案を出すので、是非協力していただけないでしょうか。
二〇二四年、二五年の米不足の教訓を踏まえ、政府備蓄米を速やかに元の百万トン水準に戻すべきではないでしょうか。三十二万トンまで減った政府備蓄米をいつまでに元の百万トンに戻すのか、方針と計画を伺います。
米政策について伺います。
補助金による転作奨励や生産数量目標の目安の提示など、国が供給量を管理する政策を見直さない限り、米の値段は下がらないと思います。増産にかじを切ることで、消費者には手頃な価格で米が届き、他方、農家には営農継続可能な所得を直接支払いによって政策で補償する、新たな米政策に転換すべきです。
国民民主党は、新たな直接支払い制度として、十アール当たり二万円程度の食料安保基礎支払いを提案していますが、高市総理の米政策見直しに向けた基本方針を伺います。
憲法改正について伺います。
憲法改正といっても様々なテーマがありますが、二〇二四年の衆議院憲法審査会では、大規模災害時等における国会機能維持に関する改憲条文案について、自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党、当時の有志の会の五つの会派で合意に至った実績があります。まずは、こうした議論の積み上げのある項目について幅広い合意を得ていくことが、憲法改正に向けた現実的なアプローチだと考えます。
また、九条改正については、同じ与党でも、自民党案と日本維新の会の案は異なっていると認識しています。高市総理としては、いわゆる自衛隊明記論を維持するのか、それとも、日本維新の会が主張しているような九条二項削除論を取るのか、伺います。
また、そもそも、高市総理は、自衛隊が九条二項に規定する戦力に当たると考えているのか、自民党総裁としての意見を聞かせてください。
皇位継承について伺います。
安定的な継承を確保するため、女性皇族が結婚後も身分を保持できる制度や、旧宮家の男系男子との養子縁組を可能とする制度の創設などについて、今国会中に結論を出すべきです。自民党総裁として、意見集約に向けどのようなリーダーシップを発揮するつもりか、伺います。
選挙制度改革案について伺います。
衆議院議長の下に設けられた協議会において、三月末をめどに改革案を取りまとめることになっていたはずですが、与党である自民党や日本維新の会からは、党としての案すら出てきていません。いつ提出する予定なのか、伺います。本気で議員定数削減を伴う選挙制度改革を進める気があるのかどうか、高市総理の意気込みを伺います。
政治への信頼を取り戻すためには、企業・団体献金を受け取ることのできる政党の支部を限定するいわゆる受け手規制を導入し、企業・団体献金の透明性を高めるべきと考えます。今のまま何もしないのでは、国民は納得をしません。多数の議席を得た今こそ、自民党が率先して政治と金の問題を前に進めるべきだと考えますが、総理の見解を伺います。
第三十四次地方制度調査会の審議が始まりました。国民民主党が提案する特別市制度は、一元的な大都市行政と圏域全体の活性化を両立させるものですが、地方制度調査会の検討対象に特別市は含まれますか。また、いわゆる副首都の要件として、特別区が設置される都に限定せず、特別市も対象とすべきと考えますが、総理の見解を伺います。
国会のデジタル化について伺います。
私は今、こうして紙の原稿を読んでいます。いまだに本会議場では、この原稿を書いたタブレットを持ち込んで読み上げることができません。品位に欠けるとの理由で、議院運営委員会で認められていないからです。しかし、原稿を書いたタブレットを持ち込んで読み上げても品位を欠くことにはならないと思いますが、今日議場にいらっしゃる新人議員の皆さん、どうお感じになりますでしょうか。こんなことも認められないようでは、国会のデジタル化はいつまでたっても進まないと思います。
自民党総裁として、議院運営委員長に指示を出していただき、本会議場でタブレットを使って読み上げることを認めていただけないでしょうか。やじはやめてください。お静かにお願いします。与党からやじを飛ばすのはやめてください。こういうことも含めて国会改革をしていきましょうという建設的な呼びかけをしているので、是非真摯に耳を傾けていただければと思います。おかしなことは言っていないと思います。(発言する者あり)
○議長(森英介君) 御静粛に願います。
○玉木雄一郎君(続) 御静粛にお願いします。
日本は、治安もいいし、世界が認める安定した国、いわばカントリー・オブ・スタビリティーです。しかし、日本をカントリー・オブ・ノーチェンジ、つまり、変化のない国にしてはなりません。そのために必要なのは、頑張る現役世代の手取りを増やし、未来への投資を厚くする政治です。
高市総理の登場で、日本は変わるかもしれない、そんな期待が生まれているのは確かです。その期待を現実に変えるために、私たち国民民主党も、対決より解決、政策本位の姿勢で、手取りを増やす政策と日本経済の成長を実現する政策を同時に進めていきたいと考えています。特に、不安と負担にさいなまれている現役世代の皆さんの頑張りが正当に報われる社会にしていきたいと考えています。
議場にいらっしゃる各党各会派の皆さん、負担の世代を希望の世代に変えていこうではありませんか。不安の世代を安心の世代に変えていこうではありませんか。子供たちが夢をかなえることができる日本に共に変えていこうではありませんか。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣高市早苗君登壇〕
○内閣総理大臣(高市早苗君) 玉木雄一郎議員の御質問にお答えいたします。
冒頭、内閣総理大臣就任に対し御祝意を賜り、ありがとうございます。早口で四十問御質問をいただきました。
来年度予算と、これまでの政策の在り方からの転換についてお尋ねがございました。
高市内閣における重要な政策転換の本丸は、責任ある積極財政です。
令和八年度予算については、責任ある積極財政の考え方の下、経済、物価動向等を適切に反映したほか、危機管理投資、成長投資といった投資すべき分野に予算を増額するなど、強い経済の実現に取り組んだ結果、一般会計歳出総額は百二十二・三兆円と過去最大となっています。
こうした中でも、令和八年度予算では、予算全体の中でのめり張りをつけました。
御指摘のように、国の一般会計において、新規国債発行額を二年連続で三十兆円未満に抑え、公債依存度も低下させたほか、二十八年ぶりにプライマリーバランス黒字化を達成するなど、財政の持続可能性にも十分配慮をしております。
今後とも、責任ある積極財政の考えの下、投資すべき分野に大胆に投資するなど、強い経済の実現に取り組むとともに、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保してまいります。
責任ある積極財政及び国債管理政策についてお尋ねがございました。
高市内閣では、責任ある積極財政の考え方の下、強い経済の構築と財政の持続可能性の実現を両立させ、それを次の世代に引き継いでいくこととしており、それが今を生きている国民と未来を生きる国民に対する責任でもあると考えています。
今後も、市場動向や経済指標を常に十分に注視しながら、責任ある積極財政の考え方に基づく経済財政運営を行い、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を抑え、政府債務残高の対GDP比を安定的に引き下げていくことで、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保していきます。
今後、そのための具体的な指標も明確化してまいります。
国債管理政策については、市場のニーズを踏まえた安定的な国債発行を行うため、証券会社等との意見交換の場である国債市場特別参加者会合や、銀行や生命保険会社等の機関投資家との意見交換の場である国債投資家懇談会の開催などを通じて、市場関係者との緊密な対話に努めております。
このような既存の枠組みも有効に活用しながら、引き続き、安定的な国債発行に万全を期してまいります。
利子率を上回る成長率を維持するための戦略についてお尋ねがございました。
我が国の潜在成長率は主要先進国と比べて低迷していますが、圧倒的に足りないのは資本投入量、すなわち国内投資です。
その促進に徹底的なてこ入れをします。そのための責任ある積極財政です。
高市内閣は、長年続いてきた過度な緊縮志向、未来への投資不足の流れを断ち切ることで成長率を高め、併せて金利上昇に目配りすることで、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を抑え、政府債務残高の対GDP比を安定的に引き下げていくことで、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保してまいります。
所得税の基礎控除についてお尋ねがありました。
令和八年度税制改正における所得税の基礎控除の引上げのうち物価上昇を超える特例的な引上げは、働き控えへの対応と、中所得、低所得の方々の手取りの増加を図る観点から、一定の所得制限を設けた上で、給与所得者の全納税者のうち約八割が対象となるよう、中間層まで負担軽減を行うこととしたものでございます。
こうした中、令和八年度予算においては、予算全体の中でめり張りづけを行い、国の一般会計において、御指摘の二十八年ぶりのプライマリーバランスの黒字化を達成するに伴って、新規国債発行額を二年連続で三十兆円未満に抑え、公債依存度も低下させるなど、財政の持続可能性に十分配慮をし、マーケットからの信認の確保を図っているところでございます。
住民税の控除額の引上げについてお尋ねがありました。
個人住民税の基礎控除等については、令和八年度与党税制改正大綱において、地域社会の会費的な性格や、地方税財源への影響等を総合的に勘案し、自治体の皆様の意見を踏まえつつ、必要な対応を検討することとされております。
政府としても、このことを踏まえて検討してまいります。
控除額のインフレ調整についてお尋ねがありました。
所得税の基礎控除等については、令和八年度税制改正においても物価に連動して引き上げることとしており、今後も同様に、二年ごとに、消費者物価の総合指数の上昇率に基づき調整した額を基準として見直すことを基本とすることとしております。
また、個人住民税については、地域社会の会費的な性格を踏まえ、所得税の諸控除の見直しのほか、地方税財源への影響や税務手続の簡素化を総合的に勘案し、地方公共団体の意見も踏まえつつ、必要な対応を検討してまいります。
なお、基礎控除が原則全ての納税者に適用されるものであるのに対し、最低賃金は給与所得者の一部にのみ適用されるものであることに鑑みれば、基礎控除を最低賃金に連動して調整するということは適切ではないと考えております。
扶養控除についてお尋ねがありました。
いわゆる年少扶養控除については、平成二十二年度税制改正において、所得控除から手当へという考え方の下、子ども手当の創設に伴い、所得控除が廃止された経緯等もよく踏まえる必要があると考えております。
年少扶養控除を含めた個人所得課税の各種控除の在り方については、所得再分配機能の適切な発揮、子育て世帯の負担への配慮などの観点から、児童手当制度等の歳出面を含めた政策全体での対応も勘案しつつ、包括的に検討を行う必要があると考えております。
障害児福祉についてお尋ねがありました。
全額公費による現金給付である特別児童扶養手当などの所得制限は、障害児の生活の安定に寄与するよう必要な範囲で支給するという制度趣旨や、他の所得制限を有する制度との均衡を踏まえたものであり、適正に運用してまいります。
また、障害のある子供が十八歳を迎えた後も、地域で安心した暮らしができるよう、障害者総合支援法に基づく生活介護サービスなどで支援しています。
この点、令和六年度報酬改定では、御指摘の成年後の夕方の預かりや居場所のニーズに対応するため、時間を延長して支援を行った場合の加算を拡充しており、必要な支援に努めてまいります。
食料品の消費税率ゼロの実施時期についてお尋ねがありました。
食料品の消費税率ゼロについては、超党派で行う国民会議で議論を行い、具体的な実施時期を含めて結論を得て行おうとしている段階であり、現時点で結論を先取りするということはいたしません。
野党の皆様の協力が得られましたら、夏前には国民会議で中間取りまとめを行い、必要な法案の早期提出を目指します。
なお、システム対応等の事業者の準備が課題の一つであるということを踏まえて、私から経済産業大臣に対しては、消費税率の変更に柔軟なスマレジシステムの普及に早急に着手するよう指示をしたところでございます。
食料品の消費税率ゼロの税法上の位置づけについてお尋ねがありました。
お尋ねの点について、政府・与党としては、飲食料品に係る消費税について、仕入れ税額控除を維持し、課税が累積することを防ぐため、非課税取引ではなく、引き続き課税取引とした上で、二年間に限り、消費税率をゼロにすることを想定しております。
食料品の消費税ゼロの対象品目についてお尋ねがありました。
食料品の消費税率ゼロについて、政府・与党としては、施政方針演説でも申し上げたとおり、現在、軽減税率が適用されている飲食料品を対象として実施することを想定しています。
その上で、外食など他の取引への影響など、実施に向けて検討すべき諸課題については、超党派で行う国民会議で結論を得てまいります。是非ともお待ち申し上げております。
食料品の消費税率ゼロを二年間限定とすることについてお尋ねがありました。
食料品の消費税率ゼロについては、改革の本丸である給付つき税額控除の実施までの二年間に限ったつなぎと位置づけ、給付つき税額控除への移行を見据えて検討を進める方針でございます。
このため、今後、超党派で行う国民会議において、二年に限り、特例公債に頼らないことを前提に、検討すべき諸課題を含め、給付つき税額控除の制度設計と同時並行で議論をしてまいります。
なお、一〇%の標準税率について、政府として、更に引き上げるということを検討している事実はございません。
食料品の消費税減税について、還付申告が新たに必要となる事業者への影響、外食産業や農家への影響、税の三原則との関係、地方財政への影響、財源確保の見通しといった様々な論点についてお尋ねがございました。
御指摘いただいた諸課題については、十分認識をしております。今後、国民会議に御参加いただける野党の皆様とも真摯に協議を行い、一つ一つ結論を得てまいります。お待ちいたしております。
日銀の保有するETFと外国人の消費税免税措置についてお尋ねがありました。
日銀の保有するETFは、金融政策の一環として日銀が買い入れ、保有しているものであり、その扱いについては、日銀の金融政策決定会合において決定する事項とされていると認識をしております。
その上で、日銀において、昨年九月に、市場への影響にも配慮して、売却ペースを含め処分の指針が決定され、本年一月より売却が開始されたところであります。
なお、外国人旅行者向けの免税制度は、実質的に輸出取引と変わらない点に着目して消費税が免除される仕組みであり、本年十一月からのリファンド方式への移行に向け、事業者の準備も進められている中でございますので、免税措置を取りやめることについては、慎重な検討が必要でございます。
国民会議での議論と食料品の消費税減税の関係及び単一税率への消費税減税についてお尋ねがありました。
食料品の消費税率ゼロについては、党派によりその主張が様々であり、実施に向け検討すべき諸課題があるとの指摘も数多くいただいております。
また、消費税の在り方は、金利や為替などの金融市場への影響、社会保障や地方財政への影響を含め、国民生活に深く関わるものであり、国民会議でしっかり議論を進めていく必要がございます。
今後、まさに、こうした諸課題について、超党派で行う国民会議で議論を行おうとしている段階でございます。御参加いただける野党の皆様とも真摯に議論を行った上で、結論を得てまいります。
なお、食料品消費税率ゼロは、食料品等の物価高の中で、中所得、低所得の方々の負担を減らすためのものであり、それに代えて、一〇%の標準税率を八%まで引き下げることで単一税率とすることについては考えておりません。
インボイスにつきましては、諸外国の状況を見ますと、消費税に相当する税制を有する国、地域が百七十以上ある中で、それらにおいては、仕入れ先において課税されていることの証明が必要という理由から、単一税率の場合であってもインボイス制度が導入されていると承知をいたしております。
このように、インボイス制度は、消費税の仕組みを適正、公平に運用するために本来必要な仕組みであることを踏まえて検討する必要があると思います。
社会保険料還付つき住民税控除の御提案に関するお尋ねがありました。
御提案については、現時点では、制度の詳細が分からないため明確なことはお答えしかねますが、恐らく、住民税の控除額を見直した上で、それによる税負担の軽減幅が小さい方については、社会保険料負担を上限として還付することで、中所得、低所得の方の負担軽減を図るための御提案と受け止めました。
中所得、低所得の方の税、社会保険料をトータルで見て負担軽減を図るという方向性については共有しております。一方、地域社会の会費としての性格を有する住民税や地方財政への影響をどう考えるか、社会保険制度における給付と負担のバランスとの関係をどう考えるのか、対象とする所得の範囲をどうするのか、執行体制や安定財源をどのように確保するのかといった課題の整理も必要と考えられます。
今後、こうした点につきましても、具体的に御提案いただけますなら、考えられる有力な手法の一つとして、是非とも国民会議で一緒に議論してまいりましょう。
年収の壁・支援強化パッケージについてお尋ねがありました。
御指摘の被扶養者認定の円滑化について、健康保険組合の調査によると、年収百三十万円を超えた被扶養者のうち約三割の方が利用されているなど、働く方々が壁を意識せず働いていただける環境づくりにつながっています。
このような環境づくりを一層支援するため、昨年七月にはキャリアアップ助成金の拡充を行ったほか、本年四月からは被扶養者の認定方法の見直しを行うこととしています。
令和八年度予算案では、年収の壁への対応を含むキャリアアップ助成金全体で一千二十二億円を計上しており、できる限り多くの方に利用いただけるよう、取り組んでまいります。
また、いわゆる百三十万円の壁については、できる限り被用者保険への移行を促していくことが重要であり、被用者保険の適用拡大を着実に実施していきます。
後期高齢者医療制度の拠出金と窓口負担割合についてお尋ねがありました。
後期高齢者医療制度は、国民皆保険の下で、高齢者と現役世代の負担の明確化、公平化を図りつつ、疾病リスクの高い高齢者の医療給付費について、公費約五割、現役世代からの支援金約四割、高齢者の保険料約一割と負担し合う、支え合いの仕組みでございます。
後期高齢者医療制度の拠出金に対し新たな財源を投入することについては、公費、支援金、保険料の役割分担を含め、丁寧な検討が必要と考えています。
また、後期高齢者の窓口負担割合の在り方についても、自由民主党と日本維新の会の連立政権合意書なども踏まえつつ、丁寧に検討を進めてまいります。
高額療養費制度における外来特例の在り方についてお尋ねがありました。
外来特例については、患者団体の方も参画した専門委員会の議論も踏まえ、本年八月以降、自己負担限度額を見直すこととしています。
また、その対象年齢の在り方についても、今後、高齢者の窓口負担の見直しと併せて具体案を検討し、一定の結論を得ることとしています。
社会保険料負担についてお尋ねがありました。
現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくことは重要だと認識しています。
個々の保険料負担の増減について一概に申し上げることは困難ですが、令和八年度予算においては、診療報酬改定などによる経済、物価動向などへの的確な対応や現役世代の保険料負担の軽減のための社会保障の制度改革に取り組むこととしています。
御指摘の子ども・子育て支援金につきましては、歳出改革等による実質的な社会保険負担軽減効果の範囲内で構築されることが法定されております。これまでの歳出改革努力の効果と併せて見れば、実質的な負担増とはならないものと考えています。
また、その他の保険料率抑制として、雇用保険料率の〇・一%の引下げや協会けんぽの医療保険料率を全国平均で〇・一%引き下げることなどを予定しています。
日本維新の会の公約の現役世代の社会保険料を六万円引き下げることのお考えについて、政府として述べることは控えますが、現役世代の保険料負担をできる限り抑制できるよう議論を進めてまいります。
年金積立金を活用した年金保険料の引下げについてお尋ねがありました。
二〇二四年の財政検証における公的年金制度の財政の見通しでは、人口や経済、積立金の運用の現状や今後の見通し等を総合的に勘案し、マクロ経済スライドによる給付水準の調整により、長期の財政均衡を図ることとしています。
こうした中で、年金積立金を活用して時限的に年金保険料を引き下げることについては、将来世代の給付水準の低下につながり得るため、適当ではないと考えております。
薬価改定についてお尋ねがありました。
薬価改定については、市場実勢価格を適時適切に反映して国民負担を抑制することが重要であると同時に、近年指摘されている、革新的な新薬の開発力の強化や、暮らしに不可欠な薬の安定供給の確保につながるものとする必要がございます。
このため、診療報酬改定のない年も含め、創薬イノベーションの推進、医薬品の安定供給の確保、国民負担の軽減といった要請にバランスよく応えることのできる薬価改定の実施に努めてまいります。
なお、革新的新薬を生み出す創薬基盤、インフラを強化するため、令和七年度に革新的医薬品等実用化支援基金を設置するなど、企業の研究開発を支援してまいります。
介護従事者の処遇改善についてお尋ねがありました。
介護人材の確保に向けて、処遇改善は重要であると考えています。令和七年度補正予算による緊急的な対応に加え、令和九年度の定例改定を待たずに、令和八年度介護報酬改定を実施することとしております。
今般の措置を通じて、介護分野の職員の他の職種と遜色のない処遇改善に向けて取り組んでまいります。
就職氷河期世代対策などについてお尋ねがありました。
就職氷河期世代への支援については、就労、処遇改善に向けた支援、社会参加に向けた段階的支援、高齢期を見据えた支援の三本柱に沿って、今年度内を目途に新たな支援プログラムを取りまとめます。
また、孤独・孤立対策については、政府として、重点計画などに基づき、孤独、孤立の予防を目指した取組を推進しております。
孤独、孤立に陥りやすい若者について、十万人を対象とした大規模な実態調査を令和八年中に実施し、的確かつ効果的な施策の展開につなげます。
ヤングケアラーにつきましては、関係省庁によるプロジェクトチームを本年一月に立ち上げ、来年度のできるだけ早期にヤングケアラーへの支援の充実など更なる支援策を取りまとめ、一層の支援に取り組んでまいります。
教育国債についてお尋ねがありました。
強い経済の基盤となるのは優れた科学技術力であり、そのためには、イノベーションを興すことのできる人材が不可欠です。
このため、大学改革を進めるとともに、科学技術研究の基盤を強化し、イノベーションを通じた経済成長や国際的地位の確保を達成する新技術立国の実現を目指して、博士課程の学生への支援を含め、必要な予算を確保してまいります。
なお、教育国債とするか否かは未定ですが、リスクを最小化し、未来を創造するための投資に係る新しい財源調達の在り方については、引き続き前向きに検討してまいります。
奨学金の債務負担軽減についてお尋ねがありました。
奨学金の返還については、令和二年度から給付型奨学金等による支援を拡充するとともに、返還の猶予や毎月の返還額を減額する制度などにより、負担軽減を図っています。
御指摘の奨学金債務の免除や軽減については、例えば、教師について、教職の高度化に対応し、大学院レベルの優れた人材を確保することを目的として、令和七年度より教職大学院修了者等を対象に全額免除を開始しています。
その他の職業分野の免除や、返還者一般を対象とした債務の免除や軽減については、返還を完了した方や職業間の公平性、返還金を次の世代の学生への奨学金の原資としていることなど、検討するべき課題があることを踏まえる必要があると考えております。
AI時代における人材育成戦略についてお尋ねがありました。
国力、特に経済力の基盤となるのは人材力であり、DX、AI化の進展といった産業構造転換に対応した人材育成が必要です。
このため、高校、大学を通じた文理分断からの脱却、そして、専門高校の機能強化、高度化、高専、大学における理工、デジタル系人材の育成の重視など、産業界、地域の高校、高専、大学、地方自治体が協働し、産業イノベーション人材を育成する取組を進めてまいります。
米国最高裁による判決を受けた対応についてお尋ねがありました。
我が国としては、今般の判決の内容及び措置の影響等を十分に精査しつつ、米国政府の対応などや、日米間の合意に与え得る影響について、高い関心を持って注視していきます。
その上で、戦略的投資イニシアティブを含めた日米間の合意は、日米相互の利益の促進、経済安全保障の確保、経済成長の促進につながるものです。
我が国として、合意を着実に実施していく考えでありまして、同時に、米国に対しても、合意を着実に実施するよう求めていきます。
その上で、関税の還付に関しては、今後、米国の下級裁判所において改めて審理されることとなると承知をしております。
政府として、米国と意思疎通を継続してまいります。
いわゆるスパイ防止関連法制や国家情報戦略についてお尋ねがありました。
政府全体のインテリジェンスに関する国家機能の強化が急務であるとの認識の下、政府として、まずは、インテリジェンスの司令塔機能を強化するため、今国会に国家情報会議や国家情報局を設置する法案を提出する予定です。
その上で、昨今の複雑で厳しい国際環境の下、外国勢力が我が国の意思決定に不当に干渉するリスクが生じております。そうした活動を阻止するための仕組みも求められます。
現在、与党と緊密に連携しながら課題や論点を整理しているところですが、短期間に結論を得られるものばかりではないため、様々な御意見も賜りながら、検討を進めてまいります。
また、国家情報戦略という名称とするかは未定でございますけれども、国家情報会議におきましては、政府の情報活動に関する基本方針を定めることを検討しております。
政府の情報活動が国民の皆様にとっても理解しやすくなるよう、努めてまいります。
シェルター整備の方針と台湾有事の際の邦人保護についてお尋ねがありました。
シェルターの確保に関し、政府は、全国的に、堅牢な建築物や地下施設を緊急一時避難施設として令和七年四月一日現在で約六万一千か所を指定し、人口カバー率は約一五〇%超となっております。
沖縄県の先島諸島の五市町村では、一定期間滞在可能な特定臨時避難施設の整備も進めております。
政府としては、今年度末までにシェルター方針を策定し、より一層、国民保護の実効性向上に取り組んでまいります。
海外において緊急事態が発生した場合の我が国の個々の対応について、個別具体的な国、地域名を挙げて明らかにすることは、事柄の性質上、差し控えます。
その上で、邦人退避の一般的な考え方について申し上げれば、まずは、極力、商用定期便が利用可能なうちに、邦人の出国、出境又は安全な場所への移動の確保に努めます。
商用定期便での出国、出境が困難又はそれだけでは不十分となった場合には、チャーター機を含めて、あらゆる可能性を追求しながら、最も迅速かつ安全な手段を活用し、邦人の退避支援に最大限努めます。
その手段の一つとして、自衛隊法の要件に該当する場合には、自衛隊機による在外邦人等の保護措置又は輸送を実施することが可能でございます。
南鳥島沖のレアアース泥及び今後の海洋資源開発の推進についてお尋ねがありました。
南鳥島周辺海域における採鉱システム接続試験において、初めて水深約六千メートルもの海底から船上にレアアース泥を引き揚げることに成功したことは、経済安全保障や海洋開発の観点からも意義のある成果であると考えます。
レアアース泥の開発を含む海洋資源開発については、海洋基本法に基づき、内閣総理大臣を本部長とする総合海洋政策本部において第四期海洋基本計画を作成して具体的な取組を進めており、国家プロジェクトとして、府省庁横断で強力に推進してまいります。
原子力及びフュージョンエネルギーへの投資強化についてお尋ねがありました。
政府としては、原子力など、エネルギー安全保障に寄与し、脱炭素効果の高い電源を最大限活用する考えです。
このため、昨年十二月に改定したGX実現に向けた投資促進策を具体化する分野別投資戦略に基づき、次世代革新炉及びフュージョンエネルギーについては、早期の社会実装に向け、官民で一兆円以上の投資を進めてまいります。
分野別投資戦略で示した官民投資を実現する具体的な投資促進策については、夏の成長戦略の取りまとめに向けて、官民投資ロードマップの中でお示ししていきます。
暗号資産の税制改正の施行時期についてお尋ねがありました。
暗号資産取引に係る分離課税の適用時期については、本特別国会に提出されている所得税法等の一部を改正する法律案において、今国会に提出予定の改正金融商品取引法の施行日の翌年一月一日からの開始としているところです。
今回の課税見直しの適用時期については、改正金融商品取引法の施行に当たり、関連する政令等の準備や関係事業者に対する周知等に一定の期間を要することに加え、改正金融商品取引法を踏まえ、暗号資産取引業者や自主規制機関にて利用者保護等の体制整備に一定の期間が必要であるということを考慮したものでございます。
政府備蓄米の水準回復と米政策の在り方についてお尋ねがありました。
不作時に備えた政府備蓄米は、食料安全保障の観点から不可欠であり、米の安定供給を図りつつ、備蓄水準を回復させることが重要です。
このため、昨年中止した政府備蓄米の買入れを再開することとし、これから作付を行う令和八年産の米、約二十一万トンの買入れを適切な時期に行えるよう準備を進めるとともに、今後の需給状況等を見定めた上で、これまでに放出した備蓄米の買戻しを行うことにより、百万トンまでの備蓄水準の回復を進めてまいります。
また、米政策については、食料・農業・農村基本計画に即して、輸出促進や米粉の消費拡大など国内外の需要を創出し、その拡大を図りつつ、国内主食用、輸出用、米粉用など多様な米の増産を進めてまいります。
その上で、直接支払いを含む農業者への支援の在り方については、基本計画を踏まえ、令和九年度に向けた水田政策の在り方を検討していく中で、現場の実態を調査、検証し、議論を深めてまいります。
憲法改正についてお尋ねがありました。
恐縮ですが、内閣総理大臣としては、憲法審査会における党派を超えた建設的な議論が加速するとともに、国民の皆様の間で積極的な議論が深まっていくことを期待しており、政府として、具体的な条文の在り方について見解を述べるということは控えたいと思います。
また、現行憲法について、自衛隊が憲法九条二項に規定する戦力に当たるかとのお尋ねについてですが、憲法九条二項は、陸海空軍その他の戦力の保持を禁止しています。
この規定は、自衛のための必要最小限度を超える実力を保持することを禁止する趣旨のものであると解されていますが、自衛隊は我が国を防衛するための必要最小限度の実力組織であることから、陸海空軍その他の戦力には当たらないと考えています。
安定的な皇位継承についてお尋ねがありました。
安定的な皇位継承等の確保は、先送りすることのできない喫緊の課題であり、是非とも皇室典範の改正を実現していかなければなりません。
国会において皇室典範の改正に向け議論が進展し、速やかにまとまっていくことを期待しています。
政府としましては、国会における議論を経て、速やかに法改正に取り組んでまいります。
選挙制度改革についてお尋ねがありました。
選挙制度の在り方については、国会において御議論いただくべき事柄であり、内閣総理大臣として意見を申し上げることは差し控えたいと思います。
企業・団体献金についてお尋ねがありました。
政治資金の在り方については、各党各会派において丁寧に議論されるべきものであると考えております。
いわゆる特別市と副首都構想についてお尋ねがありました。
第三十四次地方制度調査会に対しては、私から、大都市地域における行政体制の在り方についても諮問を行いました。
今後、調査会において、特別市に関する事項も含め、具体的な審議事項を決定した上で議論が行われるものと考えています。
また、副首都構想については、お尋ねの副首都の要件を含めて、与党による協議体において精力的に御議論をいただいていると承知しておりますので、しっかり議論を深めた上で、早急に結論を得ていただきたいと考えております。
国会のデジタル化についてお尋ねがありました。
国会での議論の在り方については、国会においてお決めいただくべきものであり、各党各会派での御議論を期待しております。
御指摘のあった国会のデジタル化など、今の時代にふさわしい姿への改革は、政府にとっても業務の効率化に資するものであります。お求めがありましたら、必要な協力を行ってまいりたいと考えております。(拍手)
―――――――――――――
○議長(森英介君) 和田政宗君。
〔和田政宗君登壇〕
○和田政宗君 参政党の和田政宗です。
参政党の衆議院で初めての代表質問となります。会派を代表し、高市総理の施政方針演説に対し質問します。(拍手)
参政党の日本人ファーストは、行き過ぎたグローバリズムに歯止めをかけ、反グローバリズムの政策を進め、真に国家国民のための政治を実現することです。
グローバリズムとは、情報や交通の発達により多国籍企業が台頭し、富と権力が一部の大企業や富裕層、ロビイストといったグローバルエリートに集中し、彼らが国の主権を超えて市場やルールを作って世界を動かしていく行為や思想のことを指します。
彼らは、国境をなくし、人、物、金の移動を自由にし、世界を一つにすることが正義であり、そうして生まれてくる混在化社会を多様性だと評価します。しかし、その結果を見れば、経済格差の拡大、民主主義の機能不全、中産階級の貧困化が進み、各国の主権や文化が損なわれてきたという現実があります。
こうした流れへの民衆の反発こそが反グローバリズムであり、日本人ファーストの政治運動です。このうねりは、グローバルエリートが既存メディアを活用し世論をコントロールしようとする動きを超え、SNSや民衆の結束を通じ、欧米など世界中に広がっています。参政党の理念や活動は、こうした世界の潮流の中から生まれたものです。
まず国家国民を守り、豊かにし、発展させていく。こうしたことを前提に、高市政権の政策の方向性について伺います。
安定的な皇位継承について伺います。
政府の有識者会議の報告書が出てから四年以上が経過しています。各党参加の協議が続いており、しっかりとした結論を速やかに得るべきと考えます。
参政党は、旧宮家の男系男子の方々の皇籍復帰を最優先で行うべきと考えています。百二十六代にも及ぶ長い歴史を通して、血のにじむような努力で紡いできた皇統を、私たちがその歴史を十分に学び、考えることなく、ひとときの時代の流れや価値観によって変えることをしてはなりません。旧宮家の男系男子の方々の皇籍復帰を実現することが、未来永劫の男系男子による安定的な皇統維持につながると考えます。
総理大臣としての安定的な皇位継承実現への決意、自民党総裁として議論をどのように深めていくのか、高市総理にお聞きします。
次に、憲法改正について聞きます。
参政党は、創憲、すなわち、憲法を一から国民の手で作り直すことを掲げています。国民が積極的に政治に参画する参加型民主主義を提唱している参政党は、広く国民が憲法論議に参加する創憲という考えを取っています。
現在、自民党が示すたたき台案では、憲法への自衛隊明記が盛り込まれていますが、現状維持のまま自衛隊の存在を記すだけでは、我が国の国防に関する課題が克服できるのか、疑問を持っています。
もちろん、自衛隊の違憲論争に終止符を打つべきと考えますが、参政党は、根本的な憲法改正を行い、自衛のための軍隊、自衛軍を保持することを憲法草案で掲げています。国家、領土、国民を守るのに、ごく当たり前のことを当たり前にできるようにしなくてはなりません。制約でがんじがらめになってしまえば、国家国民をいざというときに守れません。
なお、参政党は、憲法改正において、パンデミックが含まれる緊急事態条項創設に反対しています。昨年、米国ホワイトハウスは、新型コロナウイルスの起源について、武漢の研究所からの漏えいが最も可能性が高いとの見解を公表しました。今後、もし人工でウイルスが作られ、PCR検査で陽性者を増やすということでパンデミックによる緊急事態が演出できるとなれば、人為的に国民の権利を制限することが可能になってしまいます。
こうしたことを含め、現行憲法の一部手直しではなく、私たち日本国民が自らの手で、外国語の翻訳ではない、正しい日本語で憲法を書き、国防などの諸課題を解決することが、真の独立国として問われていると考えます。
総理は、施政方針演説で憲法改正について、国会における発議が早期に実現されることを期待すると述べました。
今こそ憲法の根本的改正を行うべきと考えますが、総理の考えをお聞きします。また、どのように国会における発議を早期に実現していくのか、お伺いします。
次に、旧氏の通称使用について伺います。
参政党は、選択的夫婦別姓に反対しています。それは、子供を守る観点からです。選択的夫婦別姓は、子供の意思に関係なく、強制的に親子、兄弟姉妹が別姓となるもので、子供への影響は大きいと考えます。
NHK放送文化研究所が二〇二二年に行った中学生・高校生の生活と意識調査では、自分も相手も名字を変えずにそのままでいたいとの回答は七%にすぎません。また、おととしの産経新聞の小中学生二千人調査でも、選択的夫婦別姓反対が四九・四%を占めました。
参政党は、選択的夫婦別姓に反対する一方で、不便の解消のため、旧氏の通称使用を希望する方についての法案を準備しています。参政党の考えは、戸籍は触らず、住民基本台帳に旧氏の使用の根拠を持たせる新法を制定する、若しくは住民基本台帳法を改正する案を考えています。
既に立憲民主党や国民民主党から国会に提出された選択的夫婦別姓法案や、維新の婚姻前の氏の通称使用に関する法律案では、戸籍に婚姻前の氏を記載することとなっていますが、参政党は、戸籍の記載は触らず、変更なしとします。戸籍の記載を変更すれば、選択的夫婦別姓への道を開くこととなるとともに、戸籍制度の崩壊につながりかねないと考えているからです。
また、高市総理は担当大臣に、旧氏の単記も可能とする基盤整備の検討を進めることを指示しましたが、この旧氏の単記とは何を指すのでしょうか。住民票、パスポート、マイナンバーカードなど、旧氏の単記が進めば、実質的な選択的夫婦別姓推進になります。
政府が準備する旧氏の使用法案に当たっては、戸籍の記載を触ることがないようにすべきと考えますが、総理の考えをお聞きします。また、総理指示の旧氏の単記も可能とする基盤整備の検討を進めるとは何を指すのか、お伺いします。
LGBT理解増進法について質問します。
この法律を基に、現在、学校現場ではLGBTに関する教育が行われています。一方、諸外国では、LGBTに関する教育が成長期にある若者の性に関する理解に混乱を招いているとして、教育政策の見直しが進んでいます。
特に米国では、LGBT教育が子供のアイデンティティー形成に混乱をもたらすことを懸念した多くの州で、小中高校でのLGBTに関する教育を禁止や制限する州法が制定されてきました。例えば、フロリダ州では、高校卒業まで公立学校でLGBTについての教育や議論を禁止する法律が制定されました。テネシー州、モンタナ州では、保護者がLGBTに関する議論から子供を外すことを選択できる法律が制定され、少なくとも十五の州で、学校でのLGBTに関する議論を抑制する法案が検討されています。
参政党は、LGBT理解増進法に反対しました。米国の状況などを見ても、学校教育現場でLGBT教育を進めるのか疑問を持つとともに、全く整理がついていないと考えています。
高市総理は、学校教育現場でLGBT教育を推進するのでしょうか。LGBT理解増進法に賛成した立場は今も変わらないのか、お伺いします。
国旗損壊罪の制定について聞きます。
参政党は、日本国国章損壊罪を新設する刑法一部改正案を昨年の臨時国会で提出しました。自民、維新の連立合意書には今国会で制定をするとあるのに、なぜ今国会提出予定法案に入っていないのでしょうか。将来にわたっても提出しないのでしょうか。総理にお聞きします。提出しないのであれば、我々は再び国会に法案を提出します。
次に、参政党が昨年の臨時国会で提出したスパイ防止関連二法案について聞きます。
この法案は、スパイを防ぐ施策を総合的に推進するとともに、外国への情報漏えいの加重処罰等を定め、我が国及び国民の安全を確保するものです。
スパイ防止法創設は急務であり、創設についての総理のお考えをお聞きするとともに、我が党の法案に対する賛否もお聞きします。
外国人及び外国法人による土地取得規制について伺います。
我が国では、日本国民が土地を購入することができない国の国民が土地を購入することができます。外国が我が国に影響を及ぼそうとする戦略的な土地取得が可能となっており、重要土地利用規制法においても、調査や届出、勧告、命令を行える範囲は対象施設の周囲千メートルに限られています。
一方、大正十四年に制定された外国人土地法では、日本人、日本法人による土地の取得を制限している国に属する外国人、外国法人に対しては同様の制限をできることができると定め、国防上必要な地区においては、外国人、外国法人の土地取得を禁止や制限できます。
しかし、平成六年のGATS、サービスの貿易に関する一般協定署名に際して政府が土地取引に留保を付さなかったことにより、外国人土地法は土地規制に活用できないとされています。
政府において、GATS第二十一条に基づく特定約束の修正を加盟国に求めるとともに、外国人等の土地取得に関する審査を行いその可否を判断する機関を設けるなど、国土を守るための実効性ある法規制が必要であると考えます。総理の考えについてお聞きします。
失われた三十年について聞きます。
参政党は、失われた三十年に終止符をと訴えてきました。サラリーマンの平均年収を見れば、我が国は三十年前とほぼ同水準、世帯当たりの所得の中央値では三十年前に比べ下がっています。一方、株主配当金は三十年前に比べ九倍となっています。
国民が経済活動によって稼いだ富が国民の所得や賃金に反映されず、株主配当金だけ積み上がっています。最新の株主配当金総額は約二十一兆円で、外国人株主が三分の一を占め、そのまま三分の一の配当金を得ているとするならば、七兆円もの株主配当金が外国人株主に流れていることになります。配当金を増額せよとの圧力も強くあります。参政党は、このような行き過ぎた株主資本主義を転換すべきと考えています。
バブル崩壊以降、政府は株主重視型のコーポレートガバナンス改革を進めてきました。バブル崩壊直後は企業経営の安定のため必要だったのかもしれませんが、これを三十年進めてきた結果、働く方々の所得は伸びないのに、株主配当金だけが積み上がるという社会構造になりました。
我々参政党は、失われた三十年以前の一億総中流時代のように、中間層が分厚く、毎年所得や賃金が持続的に伸び、多くの国民が豊かさを感じられる社会に戻し、発展させていかなくてはならないと考えています。
手取りを増やすことも重要、積極財政も重要です。参政党は、これらはごく当たり前に行うことであると考えており、我々は根本部分、失われた三十年の社会構造の改革を行う必要があると考えています。
あの一億総中流時代、松下幸之助の家族主義経営を始め、社員は家族であり、社員が豊かになることが会社の発展につながるという経営が多くの企業でなされました。
参政党は、現在のような株主資本主義ではなく、日本企業や社会が本来行っていた公益資本主義への転換を図るべきと考えます。社員もよくなり、会社もよくなり、社会もよくなるという近江商人の三方よしのような企業経営や日本社会への回帰を図り、国民が経済活動によって稼ぎ出した富が、まず働く方々の所得や賃金に反映されるべきと考えます。そして、持続的な所得向上を図るべきです。
コーポレートガバナンス改革は、現在も政府が積極的に進めています。
高市総理に、家族主義経営への社会構造の回帰と転換、公益資本主義の必要性、コーポレートガバナンス改革の見直しについてどのように考えるのか、お聞きします。
消費と経済について聞きます。
述べてきましたように、働く方々の所得が上がっていないので、消費も伸びず、経済の伸びが弱いわけです。GDPの六割を占める個人消費が伸びなければ、経済成長もままなりません。
このような状況の下、消費の足かせになっている消費税は、一律で減税を行い、段階的に廃止すべきと参政党は考えています。
自民党案では、食料品の消費税がゼロ%になっても、飲食店、外食産業の税率は一〇%のままです。コロナ禍の瀕死の状況をようやく脱した飲食店、外食産業では、お客さんが減り、経営が苦しくなるのではと大いに危惧されています。メリットを得る方々がいる一方で、苦しむ方がいるというような消費税減税はあってはならないと考えます。参政党案のように一律の消費税減税であれば、我々消費者も、飲食店や外食産業も、ひとしくメリットを受けることができます。
また、国民負担率は現在四六・二%ですが、参政党は三五%まで下げる提案をしており、その観点からも消費税の段階的廃止が必要です。
高市総理に、消費税減税、廃止についての考えを伺うとともに、飲食店や外食産業の消費税の税率についてどのように考えるのか、伺います。
また、政府・与党がつくろうとしている国民会議ですが、給付つき税額控除に反対する参政党は入れないとのことです。政府・与党の意見に賛成する政党だけ入れるというのであれば、国民会議と言えるのでしょうか。国会という開かれた議論の場があるのに、なぜ国民会議を設置するのでしょうか。話がまとまらないので消費税減税はできませんでしたと、アリバイづくりの場になるのではないかという危惧の声も聞かれます。
国民会議から参政党を排除する理由を聞くとともに、国民会議でなく、開かれた国会で議論すべきではないか、総理にお聞きします。
防衛費の増額と増税について聞きます。
参政党は、防衛費の増額について賛成しておりますが、財源のうち一兆円を所得税増税で行うことに大いに疑問を持っています。そして、東日本大震災復興特別所得税をいじるわけですが、本来、復興財源のための増税は二〇三七年で終える予定でしたが、十年間延長するわけです。
本当に所得税増税を行うのか、総理にお聞きします。
所得の格差解消の観点から、介護福祉現場の給与について聞きます。
これら現場の給与は、介護報酬や障害福祉サービス等報酬が基になっていますが、全職種平均よりかなり低く、介護分野が月収で約九万円、障害福祉分野で約八万円低くなっています。来年度、政府はこれら報酬について、三年の報酬改定期限を待たずに二年で期中改定を行う方針で、このことは評価できますが、改定が行われても、依然、月収で数万円、全職種平均より低い状態が続きます。
介護、障害福祉サービスの継続、現場で懸命に働く方々のことを考えても、この差を埋めることが必要であると考えますが、総理はどのように考えるか、お聞きします。
出産、育児政策について聞きます。
少子化対策では、日本の少子化は止まらないと考えます。子を望む方が安心して出産、育児に取り組める社会へ転換を図るべきで、参政党は、一子当たり月十万円の給付を行うことを政策として掲げています。
私は、これまで、国会議員として不妊治療の保険適用を提唱し議員連盟を立ち上げ、先輩方の御指導、同僚議員の支援により、菅義偉政権で実現することができました。この三年間で二万五千人、体外受精で生まれた赤ちゃんが増え、不妊治療の保険適用は効果を上げています。
しかし、少子化の流れは止まりません。子育て世代の方々からは、現在の経済状況では、子供を授かることを待ったり、二子目、三子目を授かることを迷っているとの声が多く聞かれます。参政党の月十万円給付は、一子当たり総額二千万円近くの給付を行うもので、子を望まれる方が経済状況に左右されることなく出産、育児に取り組める社会をつくろうというものです。
政府において、このように思い切った出産、育児支援策を打ち出すべきと考えますが、我が党の出産、育児支援策を含め、総理のお考えを伺います。
そして、出産の保険適用について聞きます。
制度設計いかんによっては、産婦人科の経営が悪化し、産婦人科の閉院につながりかねません。また、保険適用となると、これまで産婦人科においてできていたことができなくなる可能性について、現場で危惧の声が上がっています。保険適用によって、逆に出産に臨む方が不便になるのではないかという懸念です。
こうした状況を避けるための制度設計となるのか、総理にお聞きします。
外国人政策について聞きます。
不法滞在や不法就労を防ぐための日本版ESTAの導入について、私はいち早く国会質疑で取り上げるなど、政府に働きかけ、推進してきましたが、日本版ESTA、JESTAを創設する法案提出を評価します。
一方で、政府は、二〇二八年末までに外国人労働力を上限百二十三万人まで受け入れることを一月に閣議決定しました。特に、在留期間の制限がなく、家族の同行が可能で、将来的に永住許可申請が可能となる特定技能二号を含む特定技能の受入れ上限数は八十万五千七百人と、現在の二・三倍になります。
AIやデジタル技術の進化を考えれば、将来的に人手不足は解消されると予測されます。経産省が一月に公表した二〇四〇年の就業構造推計でも、大きな人手不足は生じないと結論づけ、事務職などで雇用がだぶつくと予測しています。
政府による外国人材の上限百二十三万人の受入れは、こうした予測は考慮されていないのか、なぜこれほどの人数の外国人労働力の受入れを行うのか、総理にお聞きします。
東日本大震災から三月十一日で十五年を迎えます。
施政方針演説では、特に困難な状況に置かれている福島県について述べられましたが、宮城県などの被災地への言及はありませんでした。十五年がたち、被災者の高齢化が進むなど、ソフト面の支援が重要になっています。
宮城県やその他被災地を含めた東日本大震災の被災地の現状と課題をどう捉え、どのような施策が必要と考えるか、総理にお聞きします。
最後に、航空機産業について聞きます。
政府はおととし、新たな航空機産業戦略を策定し、二〇三五年までに官民で五兆円を投資して国産中型ジェット旅客機を完成させ、量産体制に入ることを発表しました。中型ジェット旅客機は、将来需要に対し、既存メーカーや各国の生産見込みが追いついておらず、いわば勝ち筋の分野です。一機当たり、価格は二百億円、使用する部品は一機当たり三百万個。日本の物づくり産業の裾野を広げ、強化することにつながります。
高市総理に、我が国の航空機産業育成への決意をお伺いします。
以上、これら質問で政府に問いかけているように、参政党は、反グローバリズムを貫き、真に国家国民のための政治の実現のために行動していくことをお約束をし、質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣高市早苗君登壇〕
○内閣総理大臣(高市早苗君) 和田政宗議員の御質問にお答えします。
安定的な皇位継承についてお尋ねがございました。
安定的な皇位継承等の確保は先送りすることのできない喫緊の課題であり、是非とも皇室典範の改正を実現していかなければなりません。
国会において皇室典範の改正に向け議論が進展し、速やかにまとまっていくことを期待しています。
政府としては、国会における議論を経て、速やかに法改正に取り組んでまいります。
憲法改正についてお尋ねがありました。
憲法は、どのような国をつくり上げたいのか、その理想の姿を物語るものです。
内閣総理大臣といたしましては、憲法審査会における党派を超えた建設的な議論が加速するとともに、国民の皆様の間で積極的な議論が深まっていくことを期待しております。
旧氏使用の法制化についてお尋ねがございました。
旧氏使用の運用は拡充されつつありますが、旧氏使用を法制化することにより、政府、地方公共団体、公私の団体、事業者において旧氏の単記も可能とすることを含めた取組が一層進めば、婚姻等による氏の変更によって社会生活で不便や不利益を感じている方を更に減らすことができると考えています。
なお、旧氏使用の拡大は、一組の夫婦及びこれと氏を同じくする子を編製単位とする現行の戸籍制度を維持しつつ、婚姻等による氏の変更によって社会生活で不便や不利益を感じる方を減らすものであります。御指摘の選択的夫婦別氏制度とは異なるものと考えております。
政府としては、与党と緊密に連携しつつ、法制化を含めた制度面やシステム面の基盤整備の検討など、旧氏使用の拡大の取組を進めてまいります。
いわゆるLGBT理解増進法についてお尋ねがありました。
いわゆるLGBT理解増進法では、その第一条において、「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に寛容な社会の実現に資することを目的とする。」とされております。
全ての人がお互いを尊重し、誰もが生き生きとした人生を享受することのできる共生社会を目指した取組を進めることは重要です。
政府としては、この法律に基づき、家庭や地域との連携を図りつつ、児童生徒の発達段階に応じて、多様性に対する理解を育む取組などを進めております。
日本国旗損壊罪の制定についてお尋ねがありました。
今国会の政府提出予定法案には入っておりませんが、自民党、日本維新の会の連立政権合意書の内容を踏まえ、今後、その実現に向けて、両党間で具体的な検討を進めていくとともに、議員立法を含めて必要な取組を進めているところと承知をいたしております。
いわゆるスパイ防止法の創設についてお尋ねがありました。
昨今の複雑で厳しい国際環境の下、外国勢力が我が国の意思決定に不当に干渉するリスクが生じており、まずは、そうした活動を阻止するための仕組みが求められます。
現在、与党と緊密に連携しながら課題や論点を整理しているところですが、短期間に結論を得られるものばかりではないため、様々な御意見も賜りながら検討を進めています。
各党から国会に提出された個別の法案について、内閣総理大臣としてコメントすることは差し控えますが、いずれにしても、外国によるいわゆるスパイ行為を防止するため、我が国においてどのような方策を取ることが有効かつ適当であるか、丁寧に検討してまいります。
外国人及び外国系法人による土地取得規制についてお尋ねがありました。
外国人による土地取得については、国民の皆様の間に、安全保障、不動産価格等の様々な観点からの不安の声があります。
まずは、外国人による不動産取得の実態を把握することが重要であります。不動産移転登記の申請時に国籍を把握できるようにするなど、速やかに実施できることから作業を開始しました。
また、外国人による土地取得などに関する規制の在り方については、GATSを含む国際約束との関係の具体的な精査を含めて検討を進め、この夏までに骨格を取りまとめる考えです。
コーポレートガバナンス改革等についてお尋ねがありました。
議員が言及された家族主義経営や公益資本主義といった考え方には様々な定義があり得ると認識しておりますが、例えば、企業は単に株主の利益のみを追求するのではなく、社員や取引先の利益にも配慮し、社会全体をよりよいものにしていくという使命を持つべきといった考え方はその一つだろうと思います。
我が国のコーポレートガバナンス改革の取組は、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図る観点から組み立てられているものであり、そうした考え方と完全に一致するものではありませんが、企業には、従業員を始めとする様々なステークホルダーとも適切に協働することも求めているところです。
現在、コーポレートガバナンス・コードの改定に向けた検討を進めているところですけれども、企業の長期的な成長に資する人的投資や新事業投資がより積極的に行われるよう、株主への還元を含めた企業の資源配分戦略を成長志向型に変容させてまいりたいと考えております。
消費税の段階的廃止などについてお尋ねがありました。
消費税については、社会保障の財源として活用され、社会保障給付という形で家計に還元されております。一律に減税した上で、段階的に廃止した場合、年金、医療、介護、少子化対策という国民の皆様の暮らしに深く関わる行政サービスにも影響が出かねません。
このため、政府・与党としては、超党派の国民会議を設置した上で、改革の本丸である給付つき税額控除の実施を見据えた二年間に限ったつなぎとして、食料品の消費税率ゼロを検討することとしております。
その際、御指摘の外食産業等への影響も含め、各党派により指摘された諸課題についても国民会議で議論を行い、結論を得てまいります。
国民会議についてお尋ねがありました。
政府・与党としては、食料品の消費税率ゼロについては、給付つき税額控除の実施までの二年間に限ったつなぎと位置づけ、給付つき税額控除への移行を見据えて検討を進める方針です。
このため、今回、これら二つの課題を国民会議で同時並行で議論をすることとして、消費税が社会保障の重要な財源であることを認識しつつ、かつ、給付つき税額控除の実現に賛同いただいている野党の皆様に、政策責任者を通じてお声がけすることとしています。
国会で議論すべきとの御指摘については、野党の皆様の御協力が得られれば、夏前には中間取りまとめを行い、必要な法案を国会に提出することを考えておりますので、その段階で、国会での十分な御審議をお願いすることとなるものと考えています。
防衛特別所得税の創設についてお尋ねがありました。
我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、防衛力の強化は必須です。
その実現のためには、安定的な財政基盤の確保が必要であることから、令和五年度与党税制改正大綱等で示されてきた既定の方針に沿って、防衛特別所得税を創設することとしております。
ただし、その際、現下の家計を取り巻く状況に配慮し、足下で家計負担が増加しないよう、復興特別所得税の税率を引き下げることとしております。
同時に、復興財源の総額を確実に確保する観点から、復興特別所得税の課税期間を十年間延長することとしております。
介護、障害福祉分野における処遇改善についてお尋ねがありました。
介護、障害福祉分野における処遇改善は重要であります。令和七年度補正予算による緊急的な対応に加え、令和九年度の定例改定を待たずに、令和八年度に介護、障害福祉サービス等報酬改定を実施することとしております。
今般の措置を通じて、介護、障害福祉分野の職員の他職種と遜色のない処遇改善に向けて取り組んでまいります。
出産、育児支援策についてお尋ねがありました。
政府としても、御党同様、出産、育児支援が重要であると認識をしております。
このため、政府としては、三・六兆円規模のこども未来戦略の加速化プランに基づき、児童手当の抜本的拡充などにより、経済的負担の軽減など、子供、子育て政策を抜本的に強化してきています。
さらに、若い世代が将来の経済的な見通しを持てるよう、強い経済の実現により、若い世代の所得を増加させるとともに、妊婦健診や出産に係る費用など、妊娠、出産に伴う経済的負担の軽減に取り組んでまいります。
医療保険を通じた出産の支援についてお尋ねがありました。
現行の出産育児一時金には、支給額を引き上げても、出産費用の上昇により、実際の妊婦の方の経済的負担の軽減につながらないという課題がございました。
そのため、妊娠、出産に伴う経済的負担を軽減するための法案を今国会に提出する方向で検討を進めています。
その際には、分娩を取り扱う施設の経営状況なども考慮しつつ、妊婦の方々が地域で安心して安全に出産できる環境を確保してまいります。
特定技能、育成就労制度の受入れ見込み数についてお尋ねがありました。
お尋ねの約百二十三万人は、一号特定技能外国人と育成就労外国人を合わせた令和十年度末までの受入れの上限ですが、この数字は、一号特定技能外国人についてはこれまでの受入れ上限数を、育成就労外国人についてはその前身である技能実習生の在留者数を、それぞれ下回る数となっています。したがって、御指摘の現在の受入れ上限の二・三倍になっているという御批判は当たりません。
また、この上限数は、御指摘のAIやデジタル技術を活用した生産性向上や国内人材確保の取組を考慮したものでございますので、日本人の雇用に影響が生じないよう設定したものとなっております。
東日本大震災の被災地の現状と課題についてお尋ねがありました。
宮城県、岩手県など地震、津波の被災地域においては、ハード整備はおおむね完了した一方で、御高齢の方も含めた被災者の心のケアなど、中長期的な対応が必要な課題があると認識しております。こうした課題に丁寧に取り組んでまいります。
原子力災害の被災地域におきましては、避難指示の解除の時期などによって復興の状況が大きく異なっております。
地域の状況に応じて、生活環境の整備、産業、なりわいの再生などの取組を進めてまいります。
航空機産業の育成についてお尋ねがありました。
世界の旅客需要は、今後二十年間で約二倍となる見通しであります。航空機産業は大きな成長が期待できる産業です。
また、裾野が広くて、多くの中小サプライヤーが関わっており、我が国にとって大変重要な産業です。
航空・宇宙分野は日本成長戦略の戦略分野の一つでありまして、夏の成長戦略の取りまとめに向けて、航空機産業の育成につながる具体的な投資促進策について、官民投資ロードマップの中でお示ししていきます。(拍手)
〔議長退席、副議長着席〕
―――――――――――――
○副議長(石井啓一君) 高山聡史君。
〔高山聡史君登壇〕
○高山聡史君 チームみらいの高山聡史です。
我が会派を代表して、高市総理の施政方針演説に対して質問させていただきます。(拍手)
今回の機会は、チームみらいが衆議院で代表質問をさせていただく初めての機会となります。そのため、まずは、チームみらいの考え方についてお話しいたします。
チームみらいは、右でも左でもなく、未来を向いた政党です。少子高齢化や人口減少といった日本社会が直面する課題を受け止めた上で、未来のために今できることを今すぐ実現していきます。
私たちの政策には三つのテーマがあります。未来に向けて大胆に投資する。今の暮らしはしっかり守る。政治、行政をテクノロジーでアップデートする。この三つです。
一つ目の未来に向けて大胆に投資するについて。チームみらいは、日本経済を再び成長軌道に乗せるための政策に全力で取り組みます。今日の日本は、国土面積や天然資源、人口増加をエンジンとして成長を目指す国ではありません。しかし、日本には、世界に誇る科学技術と、それを支えてきた教育機関の実績があります。テクノロジーと子育て、教育に投資することによって再び日本経済のパイを拡大していく、それがチームみらいのビジョンです。
二つ目の今の暮らしはしっかり守るについて。今の暮らしなくして未来はありません。今既に経済的な負担感や不安感を感じておられる方が多くいる中で、税や社会保障、医療や介護など社会システムを私たちの子供や孫の世代にどう引き継いでいくか。社会保険料の負担を減らすことで、働く人の手取りを上げつつ、もしものときも安心して医療を受けられる社会をつくる。チームみらいは、その場しのぎの施策ではなく、抜本的な改革によって、持続可能な社会システムを再構築していきます。
三つ目、チームみらいは、テクノロジーで政治、行政をアップデートしていきます。私は、国会に国民の声を届け、その声によって実際に政策が実現するということを示すために、チームみらいの結党、そして立ち上げに力を注いでまいりました。いつの時代も、社会を変える最初のきっかけはたった一人の声だと思います。小さな声が埋もれかねない時代にあって、今日のテクノロジーは、多様な民意を、暮らしの中にある悩み、苦しみを、政治への期待や怒りを、単純な賛成、反対だけではない思いを、政治に届けるために使うことができます。
また、政策効果を全ての国民の皆様に届けるためには、行政サービスを受けるためのハードルを、そしてその手間を、なるべく軽減していく必要があります。チームみらいは、必要な人に必要な政策効果が届く日本にしていきます。
以上のような政党としての基本姿勢を前提に、質問をさせていただきます。
まず、消費税について御質問します。
現在、政府では、給付つき税額控除の導入と並行して、二年間、食料品の消費税率をゼロにする方針を掲げています。しかし、消費税減税にはリスクも伴います。消費税減税は、円安や長期金利の上昇を招く可能性があります。仮に円安が更に進行すると、輸入物価の上昇により国内の物価高を助長するおそれがあります。
また、食料品のみ、二年間限定の減税という設計自体、リスクのあるたてつけです。食料品の消費税減税は、内食と外食の価格差を拡大させ、コロナ禍でも大きな影響を受けた外食産業に打撃を与えるおそれがあります。加えて、二年後に増税直前となるタイミングで、買いだめなどによる混乱や非効率を生じさせる原因にもなり得ます。
以上の理由から、チームみらいは、今、消費税減税を行うことに対しては慎重であるべきと考えております。こうした懸念に対する総理のお考えを教えてください。
次に、給付つき税額控除についてお伺いします。
チームみらいは、給付つき税額控除の導入には賛成です。給付と税制を一体として滑らかな仕組みをつくることで、必要な方に給付を届けつつ、年収による壁もなくして、働き控えを抑えることもできるからです。
しかし、給付つき税額控除は、どのような方に対してどの程度の規模の給付を行うか、その設計が肝要です。各国の事例を見ても、所得帯や家族構成に応じて、政策の意図が色濃く反映された金額が設定されています。
我が国の現行の給付、税制では、ある一定の年収を超えると制度の対象外となってしまう壁が存在し、働き控えや手取りの逆転現象が起きています。また、物価や賃金の変動に合わせる仕組みが制度に組み込まれていないと、閾値の議論に時間が費やされてしまいます。
チームみらいは、働き控えを生まないような滑らかさと、物価や賃金の変動などを即座に反映できる素早さを併せ持つ形で、給付つき税額控除を実現することを目指します。
給付つき税額控除の設計について、詳細は今後国民会議で議論されるものと理解しておりますが、年収の壁をなくし、働き控えを起こさないことの重要性について、総理のお考えをお示しください。
次に、給付つき税額控除や消費税減税を議論する場としての国民会議について御質問いたします。
チームみらいとしては、結論ありきではなく、多様な民意を酌み取った上で、闊達な議論が行われることを期待しております。また、議論内容や検討プロセスが国民に開かれた会議となることを期待いたしております。
総理、国民会議において、多様な民意を反映することやプロセスの透明性は重要だとお考えでしょうか。また、重要だとお考えの場合、どのようにこれらの担保を行いますでしょうか。総理の考えを伺います。
次に、高額療養費制度について伺います。
高額療養費制度は、重い病に直面した国民が経済的理由によって治療を断念しないための、我が国の社会保障の最後のとりでに当たるものです。私は、この制度は、誰もが突然重症になり得るという前提の下で国民を守る、日本が誇るべき制度だと考えております。
しかし、現在、自己負担限度額の引上げが検討されており、多くの患者団体や現場から強い不安の声が寄せられています。
現在検討されている見直しの方針では、年間上限の新設や多数回該当の限度額維持など、長期療養者へ一定の配慮が示されている一方で、急性期の患者などの負担上昇は避けられません。急性期における自己負担の増加は、治療開始の遅れや生活不安を招き、結果として、治療を受けられる方の職場復帰を困難にするおそれもあります。
命に直結する制度である以上、現在の自己負担上限引上げ案は見直すべきではないかと考えますが、これに対する総理の見解を伺います。
続いて、社会保険料についてお伺いします。
現在、多くの現役世代が、働いても手元にお金が残らないという閉塞感の中にいます。その背景に、企業負担分も合わせると税引き前所得の三割近くに上る社会保険料があるという声を多くいただいています。
チームみらいは、社会保険料負担の引下げこそが、働く人の手取りを増やすための最優先課題であると考えます。また、社会保険料負担は、人を雇う事業主にとっても課題です。事業主に対する社会保険料負担の重さは、中小企業の賃上げ意欲をそぐ大きな壁になっています。
社会保険料負担を引き下げるためには、財源の議論も必要です。年齢によって医療費の窓口負担率が異なる現状を変え、医療費の支払いが難しい方への配慮は前提としつつ、全世代原則三割負担を前提とした制度の実現が必要だとチームみらいは考えています。これは、先ほどお話しした高額療養費制度の維持のためにも必要なことです。
昨年、総理が自由民主党総裁として日本維新の会と締結された連立政権合意書の中でも、医療費窓口負担に関する年齢によらない真に公平な応能負担の実現が掲げられておりました。
社会保険料負担の引下げはどのような時間軸で実現していくべきなのか、総理のお考えを伺います。
次に、子育て政策についてお伺いをいたします。
総理が施政方針演説でも静かな有事とおっしゃっていたように、少子化に伴う人口減少は国家存亡に関わる課題です。その点で、昨年の補正予算で成立した物価高対応子育て応援手当は、チームみらいとしても評価できるものだと受け止めております。
一方で、これまでの手当中心の政策は、子育てに関する経済的な不安を完全に払拭するには至っていません。もっと大胆かつ恒久的な子育て支援策が必要ではないでしょうか。特に、三人目を考えておられる世帯や多子世帯の方々の経済的な不安を払拭することは、少子化の進行を緩和する上でも重要です。
チームみらいは、子供の数に応じて所得税率を引き下げ、子育てに関する経済的負担を社会全体で支える子育て減税の実現を訴えています。
総理、子育てに関する経済的負担を社会全体で支える仕組みについて、総理のリーダーシップの下、御検討いただけないでしょうか。大胆な子育て政策について、総理の御見解を伺います。
次に、AIの進展による失業とその対策についてお伺いします。
近年のAIの進化のスピードは目覚ましく、AIによる失業、いわゆるAI失業は、世間の予想よりもはるかに早く到来する可能性があります。米国では既に、ソフトウェアエンジニアの仕事がAIにより代替され始め、主要なIT企業でもレイオフが始まっております。日本国内ではまだ顕在化していないものの、今後、大規模な労働市場の変化が発生する可能性があります。
このように、AI失業など、労働市場に大きな変化が起こる可能性について、総理のお考えをお聞かせください。
教育においても、これまでの均質的な教育モデルからの脱却が必要です。チームみらいは、全ての子供が自分に合った学びができる環境を実現していきます。昨今のAIは、教育分野で適切に活用することで、一人一人の習熟度や特性に合わせた、パーソナライズされた教育の実現をサポートすることが可能です。また、テクノロジーは、子供たちの学びをサポートするためだけでなく、教員の方の業務負荷を緩和するためにも活用できます。
学校現場におけるテクノロジーの更なる活用、特にパーソナライズされた教育の実現によって、世界一の公教育を実現するために今取り組むべきことは何か、総理の考えを御教示ください。
次に、大学への投資についてお伺いします。
日本の研究開発力は、世界的に見てその地位が著しく低下しています。これは、競争的資金に代表されるような、短期的な成果ばかりを求める選択と集中が研究の多様性を奪った結果です。研究者の方々は、研究費獲得のための研究に多くの時間が費やされていると嘆く声も伺います。
その点で、昨年末の閣僚折衝において九年ぶりに大学運営費交付金の増額がなされた点は評価します。ただ、まだ十分とは言えません。
チームみらいは、大学の運営費交付金は更に拡充されていくべきだと考えます。研究者が目先の予算獲得に奔走するのではなく、十年後、二十年後に実を結ぶ基礎研究にじっくり取り組める環境を整えることこそが、国家の研究開発力を守ることにつながります。
総理、将来のイノベーションの種を枯らさないために、競争的資金に偏った現在の研究支援の在り方を是正し、大学に安定的に予算供給することを保証していただけないでしょうか。
続いて、新産業の創出、特に自動運転についてお伺いします。
政治の役割の一つは、社会のインフラを整えることです。十九世紀は線路を敷くこと、二十世紀はアスファルトを敷くことが大事な仕事でした。二十一世紀に政府が取り組むべきインフラは、自動運転です。
アメリカのサンフランシスコや中国のシンセンなど、既に自動運転タクシーが日常の足として機能しています。技術的に可能であることは既に実証されています。日本でも、もっともっと自動運転を推し進める必要があります。
言うまでもなく、自動車産業は日本の産業の屋台骨です。次の五十年も日本の自動車が世界をリードするためには、自動運転で後れを取るわけにはいきません。また、自動運転の発達は、自動車産業だけでなく、輸送に関わる全ての産業に恩恵を与えられるものです。
企業だけでなく、人々の生活も変わります。現在、地方では、ドライバー不足によりバスが減便されることにより、地元の方々、特に高齢者の方の生活の足が失われつつあります。しかし、そのような地域でも、自動運転バスを運行させれば、人々は安心して外出することができます。地域の経済を守ることにもつながります。幾つになっても、どこに住んでいても、行きたい場所に行けて、会いたい人に会える、そんな社会を実現するために、自動運転は欠かせません。
日本で自動運転を実現するために必要なことは様々ありますが、まずは、国のトップである総理が覚悟を決めて旗を掲げることです。国が適切に支援をすれば、五年以内に全国どこでも自動運転で行ける国を実現することは可能です。
総理として、人々の生活を支えるためにも、日本の産業の要となる自動車産業や輸送に関わる全ての産業を更に発展させるためにも、自動運転で全国どこにでも行ける社会を実現しようではありませんか。総理のお考えをお聞かせください。
続いて、行政改革について伺います。
現在の行政による支援は、支援が必要な人が自ら申請しなければならない申請主義に基づいています。しかし、支援が必要になるときは、往々にして、人生で最も忙しいときであったり、苦しいときであったり、心身共に余裕がないときであったりします。例えば、障害のあるお子さんを育てている御家庭で、特別児童扶養手当の存在を知らず、何年も受給できていなかった。私は、そうした声を実に多く伺います。
チームみらいは、テクノロジーを活用することで申請主義を脱却し、申請しなくても必要な支援が必要な方に届く、プッシュ型の行政サービスの実現を目指しています。
現在、公金受取口座により、受給対象者決定から振り込みまでは一部が自動化されつつあります。今後、受給者を特定するプロセスを自動化するためには、情報の取扱いには十分留意しつつ、医療機関や地方自治体とデータ連携することが必要です。
プッシュ型行政サービスの実現は、全ての国民に利益があるだけでなく、政府の政策効果を迅速かつ確実に発揮することにも寄与します。そして、大切なのは、システムを自治体任せにせず、政府がリードすることです。チームみらいも、システムの検討については全面的に御協力させていただきます。
総理、プッシュ型行政サービスの実装を加速し、総理の在任中に、どの自治体に住んでいても、必要な支援が必要な人に確実に届く社会を実現しようではありませんか。総理の考えをお聞かせください。
次に、選挙制度改革についてお伺いします。
現在、与党では議員定数削減が議論されています。選挙制度改革においては、国会議員を特権化、固定化せず、定期的に新陳代謝が起こるような仕組みにすることや、死に票や一票の格差をなるべく減らすことなどにも目を向ける必要があります。
今回の衆議院選挙では、全体で百六名、自由民主党からも六十六名の新人議員が誕生しました。高市総理におかれましては、自民党総裁としても、政治家を目指す若手のロールモデルとしても、新人が国会に入ってくることの意義はよく御理解されていることと存じます。
高市総理に伺います。国会議員の地位を強固な地盤を有する一部の人だけのものにせず、一定の割合で新しい代議士が新しい声を届けることを担保することの重要性について、総理の思いをお聞かせください。
最後に、政治資金の透明化についてお伺いします。
政治への信頼は、全ての政策遂行の土台です。そして、政治資金が正しく取り扱われていることは、その信頼を守る上で大前提となるものです。
繰り返されるミスや不祥事をなくすには、政治資金に関するルールの議論に加え、政治資金にまつわる情報公開のためのツールを整備し、国民が適切にチェックできるようにすることも不可欠です。
チームみらいは、みらいまる見え政治資金というデジタルツールを開発し、政党の資金の流れ、例えば、いつ、どのような資金を受け取り、それをいつ、何に、どれだけ使ったのかという情報を公開しています。これは、現状の政治資金収支報告書のように年一回の公開ではなく、例えば四半期ごとなど、よりタイムリーに、データを見やすい図表で示しながら公開できるもので、どなたでも検証、確認できるようにするためのものです。
総理、このようにデジタル技術の導入を加速させ、これまで不透明と言われてきた政治資金を透明化することで、政治資金に関する問題に終止符を打ち、本日お話ししたような政策議論に政治家や国民が集中できるようにしようではないですか。是非、今後の建設的な議論を進めていくために、総理の決意をお示しいただければと思います。
私からの質問は以上になります。
未来は明るいと信じられる日本にするために、チームみらいは、その場しのぎではなく、日本の未来にとって必要な政策を訴えてまいります。総理、明るい未来をつくっていくための真摯な御回答を期待し、私の代表質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣高市早苗君登壇〕
○内閣総理大臣(高市早苗君) 高山聡史議員の御質問にお答えします。
食料品の消費税減税についてお尋ねがございました。
食料品の消費税率ゼロについては、改革の本丸である給付つき税額控除の実施までの間、二年間に限ったつなぎと位置づけ、給付つき税額控除への移行を見据えて検討を進める方針でございます。
超党派で行う国民会議では、これら二つの課題を同時並行で議論してまいりますので、その中で、御指摘の物価や外食産業への影響などを含め、御党を含む各党より指摘された諸課題についても、一緒に議論を行い、結論を得てまいりますので、よろしくお願いをいたします。
年収の壁の解消の重要性と国民会議の在り方についてお尋ねがありました。
いわゆる年収の壁を解消し、働き控えを解消していくことは、重要な課題と認識しています。
このため、政府としては、いわゆる百三万円の壁を百七十八万円に引き上げる年収の壁・支援強化パッケージを実施するほか、キャリアアップ助成金を拡充するなどの対応を行っているところです。
このため、給付つき税額控除の制度設計に当たっても、こうした問題意識を持ちながら、超党派で行う国民会議で議論を行い、有識者の英知を集めた国民的議論を進めてまいります。
また、国民会議における多様な民意の反映やプロセスの透明性担保に関する御指摘については、今後、会議の運営方法を含め、その具体的な在り方について、参加いただく各党の皆様と相談をしてまいります。国民の皆様にも見える形で、丁寧かつスピード感を持って議論を進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
高額療養費制度の見直しについてお尋ねがありました。
高額療養費制度については、高齢化や高額薬剤の普及などにより高額療養費が増加する中で、持続可能性の確保と、長期療養者や低所得者へのセーフティーネット機能の強化の両立を目指して見直すこととしています。急性期に関しても、低所得でどうしてもこれを受けられない、そういった方も含まれると私は思います。
具体的には、超党派議員連盟の提言や患者団体の方も参画した専門委員会での議論を踏まえて、制度全体の持続可能性を確保するために、低所得者の負担に配慮しつつ負担上限を見直す一方で、長期療養者の経済的負担に配慮した年間上限の仕組みを新設することとしています。
社会保険料の負担についてお尋ねがありました。
現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくことは重要であると認識しております。持続可能な社会保障制度の構築に向けた改革に取り組んでまいります。
その際、高齢者の窓口負担の割合の在り方は、避けては通れない検討課題と認識しています。
自由民主党と日本維新の会の連立政権合意書において、令和八年度中に具体的な制度設計を行い、順次実行するとされ、その旨閣議決定されていることも踏まえて、政府・与党一丸となって丁寧に検討を進めていきます。
子育ての経済的負担についてお尋ねがありました。
政府としては、三・六兆円規模のこども未来戦略の加速化プランに基づき、児童手当の抜本的拡充などにより、経済的負担の軽減など、子供、子育て政策を抜本的に強化してきています。
さらに、若い世代が将来の経済的な見通しを持てるよう、強い経済の実現により、若い世代の所得を増加させていきます。
なお、政府としては、税、社会保険料負担に苦しむ子育て中の中所得、低所得の方々を集中的に支援する観点からも、給付つき税額控除の制度設計を含めた社会保障と税の一体改革について、何としても、超党派で構成される国民会議において検討を進め、結論を得たいと考えております。
AIにより労働市場に起きる変化についてお尋ねがありました。非常に興味深い御指摘です。
AIは、日本成長戦略における戦略分野と位置づけており、昨年末には、AI法に基づくAI基本計画を策定し、AIの進展が雇用に与える影響分析なども含め、AIの研究開発、活用に関する施策を総合的かつ計画的に推進することとしております。
現時点では、日本の雇用に対し、AIの進展による大きな影響は生じていませんが、今後の労働市場の変化を注視しつつ、継続的に必要な調査や分析を行っていくということとともに、日本成長戦略本部における人材育成や労働市場改革に関する議論も踏まえ、必要な対策を進めてまいります。
学校現場におけるテクノロジーの活用についてお尋ねがありました。
テクノロジーを活用し、全ての子供たちの能力を最大限引き出す個別最適な学びと、教職員の働き方改革の実現を図ることが重要です。
このため、AIの適切な利活用を含め、一人一人のニーズや特性に合った学習の推進、その基盤となる一人一台端末の整備、教職員の業務負担軽減に向けた次世代校務DX環境の整備など、GIGAスクール構想の着実な推進に取り組んでまいります。
我が国の研究支援の在り方についてお尋ねがありました。
強い経済の基盤となるのは、優れた科学技術力です。
その基盤となる研究力向上を図るため、令和八年度予算では、国立大学法人運営費交付金の大幅な増額を行うなど、基礎研究予算の充実を図りました。
今後とも、大学改革を進めるとともに、大学における研究活動を安定的、継続的に支える国立大学法人運営費交付金の大幅な拡充など、基礎研究を含めた科学技術研究の基盤を強化し、イノベーションを通じた経済成長や国際的地位の確保を達成する新技術立国を目指してまいります。
自動運転についてお尋ねがありました。
自動運転は、移動の足の担い手不足の克服や交通事故削減に効果的であり、社会実装を加速することが必要です。特に、中山間部であったり、また御高齢の方々にとっても必要なものであると私は考えております。
昨年六月にデジタル社会推進会議が取りまとめたモビリティ・ロードマップ二〇二五では、単なる実証を支援するだけではなく、先行的事業化地域を選定して、関係府省庁の施策を集中的に投入する取組を開始しました。
この取組によりまして、令和九年度を目標に先行的な自動運転サービスの事業化を実現して、他地域への横展開を通じて全国での社会実装につなげてまいります。
行政手続における申請の在り方についてお尋ねがありました。
申請の手間をデジタル技術の活用によって解決していくというのは重要な課題です。そしてまた、プッシュ型のサービス、これも大変重要な視点です。
政府としては、これまで、マイナポータルの整備、公金受取口座登録制度の創設、マイナンバーによる情報連携など、行政手続に関する利用者の体験向上のための取組を続けてまいりました。
引き続き、簡易迅速な支援を可能とするためのデジタルインフラの整備に取り組んでまいります。多くの方々のお知恵を賜りたいと思っております。
選挙制度改革についてお尋ねがありました。
選挙制度の在り方については、国会において御議論いただくべき事柄でありますので、内閣総理大臣として意見を申し上げることは差し控えたいと思っております。
政治資金の公開におけるデジタル技術の活用についてお尋ねがありました。
政党本部や国会議員関係政治団体等の収支報告については、令和六年の議員立法により改正政治資金規正法が成立しまして、オンライン提出を義務化するとともに、データベースを用いて公表することとなりました。
政府としては、改正法を踏まえ、収支報告書に係るデータベースについて、国民の皆様にとって使いやすいものとなるよう整備を進めてまいります。
収支の公開の在り方の更なる見直しにつきましては、政党、政治団体の政治活動と密接に関連する事柄ですから、各党各会派において御議論いただくべきものと考えています。
以上です。(拍手)
○副議長(石井啓一君) これにて国務大臣の演説に対する質疑は終了いたしました。
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○副議長(石井啓一君) 本日は、これにて散会いたします。
午後三時二十一分散会
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出席国務大臣
内閣総理大臣 高市 早苗君
総務大臣 林 芳正君
法務大臣 平口 洋君
外務大臣 茂木 敏充君
財務大臣 片山さつき君
文部科学大臣 松本 洋平君
厚生労働大臣 上野賢一郎君
農林水産大臣 鈴木 憲和君
経済産業大臣 赤澤 亮正君
国土交通大臣 金子 恭之君
環境大臣 石原 宏高君
防衛大臣 小泉進次郎君
国務大臣 あかま二郎君
国務大臣 小野田紀美君
国務大臣 城内 実君
国務大臣 黄川田仁志君
国務大臣 木原 稔君
国務大臣 牧野たかお君
国務大臣 松本 尚君
出席内閣官房副長官
内閣官房副長官 尾崎 正直君
出席政府特別補佐人
内閣法制局長官 岩尾 信行君

