衆議院

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第1号 平成29年2月17日(金曜日)

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本国会召集日(平成二十九年一月二十日)(金曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。

   委員長 秋元  司君

   理事 谷川 弥一君 理事 平井たくや君

   理事 ふくだ峰之君 理事 牧島かれん君

   理事 松本 文明君 理事 緒方林太郎君

   理事 神山 洋介君 理事 佐藤 茂樹君

      青山 周平君    池田 佳隆君

      石崎  徹君    岩田 和親君

      大岡 敏孝君    大隈 和英君

      大西 宏幸君    岡下 昌平君

      神谷  昇君    木内  均君

      國場幸之助君    今野 智博君

      田畑  毅君    武部  新君

      武村 展英君    中山 展宏君

      鳩山 二郎君    務台 俊介君

      和田 義明君    井出 庸生君

      泉  健太君    大串 博志君

      岡田 克也君    金子 恵美君

      高井 崇志君    辻元 清美君

      角田 秀穂君    濱村  進君

      池内さおり君    島津 幸広君

      浦野 靖人君

平成二十九年二月十七日(金曜日)

    午後零時十五分開議

 出席委員

   委員長 秋元  司君

   理事 谷川 弥一君 理事 平井たくや君

   理事 ふくだ峰之君 理事 牧島かれん君

   理事 松本 文明君 理事 緒方林太郎君

   理事 神山 洋介君 理事 佐藤 茂樹君

      池田 佳隆君    石崎  徹君

      岩田 和親君    大岡 敏孝君

      大隈 和英君    大西 宏幸君

      岡下 昌平君    神谷  昇君

      木内  均君    國場幸之助君

      今野 智博君    田畑  毅君

      武部  新君    武村 展英君

      中山 展宏君    鳩山 二郎君

      古田 圭一君    務台 俊介君

      和田 義明君    井出 庸生君

      泉  健太君    大串 博志君

      逢坂 誠二君    岡田 克也君

      金子 恵美君    高井 崇志君

      本村賢太郎君    角田 秀穂君

      濱村  進君    池内さおり君

      島津 幸広君    浦野 靖人君

    …………………………………

   国務大臣

   (マイナンバー制度担当) 高市 早苗君

   国務大臣         金田 勝年君

   国務大臣         石井 啓一君

   国務大臣

   (内閣官房長官)

   (沖縄基地負担軽減担当) 菅  義偉君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長)

   (海洋政策・領土問題担当)

   (消費者及び食品安全担当)            松本  純君

   国務大臣

   (クールジャパン戦略担当)            鶴保 庸介君

   国務大臣

   (経済再生担当)

   (社会保障・税一体改革担当)

   (経済財政政策担当)   石原 伸晃君

   国務大臣

   (一億総活躍担当)

   (働き方改革担当)

   (女性活躍担当)

   (再チャレンジ担当)

   (少子化対策担当)

   (男女共同参画担当)   加藤 勝信君

   国務大臣

   (規制改革担当)

   (行政改革担当)

   (国家公務員制度担当)  山本 幸三君

   国務大臣         丸川 珠代君

   内閣官房副長官      萩生田光一君

   内閣官房副長官      野上浩太郎君

   内閣府副大臣       石原 宏高君

   内閣府副大臣       越智 隆雄君

   内閣府副大臣       松本 洋平君

   内閣府副大臣       あかま二郎君

   内閣府副大臣       盛山 正仁君

   内閣府副大臣       末松 信介君

   内閣府大臣政務官     武村 展英君

   内閣府大臣政務官     豊田 俊郎君

   内閣府大臣政務官     務台 俊介君

   内閣府大臣政務官     島田 三郎君

   内閣府大臣政務官     井野 俊郎君

   内閣府大臣政務官     根本 幸典君

   内閣委員会専門員     室井 純子君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月十七日

 辞任         補欠選任

  青山 周平君     古田 圭一君

  大串 博志君     本村賢太郎君

  辻元 清美君     逢坂 誠二君

同日

 辞任         補欠選任

  古田 圭一君     青山 周平君

  逢坂 誠二君     辻元 清美君

  本村賢太郎君     大串 博志君

    ―――――――――――――

一月二十日

 国民経済及び国民生活に重大な影響を及ぼすおそれのある通商に係る交渉に関する情報の提供の促進に関する法律案(岸本周平君外三名提出、第百八十九回国会衆法第一九号)

 歳入庁の設置による内国税並びに労働保険料及び年金保険料等の徴収に関する業務の効率化等の推進に関する法律案(今井雅人君外五名提出、第百八十九回国会衆法第三一号)

 国家公務員法等の一部を改正する法律案(大島敦君外十六名提出、第百九十回国会衆法第一三号)

 国家公務員の労働関係に関する法律案(大島敦君外十六名提出、第百九十回国会衆法第一四号)

 公務員庁設置法案(大島敦君外十六名提出、第百九十回国会衆法第一五号)

 政官接触記録の作成等に関する法律案(大島敦君外七名提出、第百九十回国会衆法第二三号)

 性暴力被害者の支援に関する法律案(阿部知子君外六名提出、第百九十回国会衆法第三八号)

 公文書等の管理に関する法律の一部を改正する法律案(階猛君外五名提出、第百九十回国会衆法第五五号)

 政治分野における男女共同参画の推進に関する法律案(中川正春君外十一名提出、第百九十回国会衆法第六〇号)

 政治分野における男女共同参画の推進に関する法律案(野田聖子君外五名提出、第百九十二回国会衆法第一二号)

二月十四日

 マイナンバー制度の中止・廃止に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第四一号)

 同(池内さおり君紹介)(第四二号)

 同(梅村さえこ君紹介)(第四三号)

 同(大平喜信君紹介)(第四四号)

 同(笠井亮君紹介)(第四五号)

 同(穀田恵二君紹介)(第四六号)

 同(斉藤和子君紹介)(第四七号)

 同(志位和夫君紹介)(第四八号)

 同(清水忠史君紹介)(第四九号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第五〇号)

 同(島津幸広君紹介)(第五一号)

 同(田村貴昭君紹介)(第五二号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第五三号)

 同(畑野君枝君紹介)(第五四号)

 同(畠山和也君紹介)(第五五号)

 同(藤野保史君紹介)(第五六号)

 同(堀内照文君紹介)(第五七号)

 同(真島省三君紹介)(第五八号)

 同(宮本岳志君紹介)(第五九号)

 同(宮本徹君紹介)(第六〇号)

 同(本村伸子君紹介)(第六一号)

 同(真島省三君紹介)(第八七号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 国政調査承認要求に関する件

 内閣の重要政策に関する件

 公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件

 栄典及び公式制度に関する件

 男女共同参画社会の形成の促進に関する件

 国民生活の安定及び向上に関する件

 警察に関する件


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     ――――◇―――――

秋元委員長 これより会議を開きます。

 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 国政に関する調査を行うため、本会期中

 内閣の重要政策に関する事項

 公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する事項

 栄典及び公式制度に関する事項

 男女共同参画社会の形成の促進に関する事項

 国民生活の安定及び向上に関する事項

 警察に関する事項

以上の各事項について、衆議院規則第九十四条の規定により、議長に対して承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

秋元委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

秋元委員長 内閣の重要政策に関する件、公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。

 菅内閣官房長官・沖縄基地負担軽減担当大臣から、所信及び平成二十九年度における皇室費、内閣及び内閣府関係予算について説明を聴取いたします。菅国務大臣。

菅国務大臣 まず冒頭、天皇陛下の御公務の負担軽減等について申し上げます。

 天皇陛下の御公務の負担軽減等については、国会における御議論をしっかりと受けとめ、国民的な理解のもとに成案を得る考えであります。

 続きまして、内閣官房及び内閣府の事務を担当する国務大臣として、所信の一端を申し述べます。

 安倍内閣は、発足以来、経済の再生、東日本大震災からの復興、地方創生、一億総活躍社会など、まさに各般の重要課題に全力で取り組んでまいりました。

 今国会におきましても、少子高齢化、デフレからの脱却と新しい成長、厳しさを増す安全保障環境など、困難な課題に真正面から立ち向かう所存です。

 内閣官房及び内閣府は、内閣の重要政策に関する企画立案及び総合調整を図る役割を担っており、私は、各大臣と緊密な連携を図りつつ、内閣のかなめとして、これらの課題に全力で取り組んでまいる決意であります。

 内閣官房におきましては、北朝鮮による核実験、弾道ミサイルの発射を初め、テロ、大規模自然災害、重大事故やサイバー攻撃等への危機管理対応、外交・安全保障政策の機動的、戦略的な遂行、複雑化、多様化する国際情勢や一段と厳しさを増す国際テロ情勢に対応するための情報収集・集約・分析機能の強化、情報保全のさらなる徹底、普天間飛行場の名護市辺野古沖への移設を初めとする沖縄の基地負担軽減、新型インフルエンザを初めとする国際的に脅威となる感染症の対策、アイヌ政策及び明治百五十年に向けた関連施策の推進等に取り組んでまいります。

 あわせて、安倍内閣が取り組む重要課題について、国民の皆様や国際社会に向けてしっかりと情報発信してまいります。

 内閣府におきましては、広範な重要政策に関し、経済財政諮問会議などを活用して英知を集め、総合的、戦略的な企画立案を行い、各般の施策を的確に推進するとともに、私の直接の担当分野である国際平和協力業務、政府広報、栄典行政などについても適切に推進してまいります。

 なお、今後御審議をお願いすることを予定しております法案は、いずれも現下の重要政策課題を実現、推進するために必要なものであります。その内容につきましては逐次御説明をしてまいりますが、よろしく御審議のほどお願いを申し上げます。

 秋元委員長を初め理事、委員各位の御理解と御協力をお願いいたします。

 引き続きまして、平成二十九年度における皇室費、内閣及び内閣府関係予算について、その概要を御説明申し上げます。

 皇室費の平成二十九年度における歳出予算要求額は、内廷費、宮廷費及び皇族費を合わせて六十二億一千八百万円を計上しております。

 次に、内閣所管の平成二十九年度における歳出予算要求額のうち、内閣官房に係るものとして、内閣の重要政策に関する総合調整等のための経費九百六十五億五千百万円、内閣法制局に係るものとして、法令審査等のための経費十一億八千七百万円、人事院に係るものとして、人事行政等のための経費百十四億六千五百万円を計上しております。

 次に、内閣府所管の平成二十九年度における歳出予算要求額のうち、内閣府本府に係るものとして、各般の施策における総合的、戦略的な企画立案及び施策の的確な推進のための経費三兆五百九十三億八百万円、宮内庁に係るものとして、その人件費、事務処理のための経費百十二億一千八百万円、個人情報保護委員会に係るものとして、個人情報の保護及び利活用の推進等を図るための経費三十一億五千九百万円、消費者庁に係るものとして、消費者の安全、安心の確保、地方消費者行政の推進等を図るための経費百二十一億六千九百万円を計上しております。

 以上をもって、平成二十九年度の皇室費、内閣及び内閣府関係予算の概要の説明を終わります。(拍手)

秋元委員長 次に、松本国家公安委員会委員長、海洋政策・領土問題担当大臣、内閣府特命担当大臣から、所信及び平成二十九年度警察庁予算について説明を聴取いたします。松本国務大臣。

松本国務大臣 国家公安委員会委員長、海洋政策・領土問題担当大臣、食品安全を担当する内閣府特命担当大臣として、所信の一端を申し述べます。

 もとより、良好な治安を確保することは、政府の重要な責務です。日本を世界一安全な国にするため、以下の諸施策を強力に推進します。

 第一に、厳しさを増す国際テロ情勢等を踏まえ、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催も見据えて、情報収集・分析、テロ対処能力の強化等に努め、テロ対策に万全を期します。また、北朝鮮による拉致容疑事案等の捜査、調査に全力で取り組みます。

 第二に、サイバー空間の脅威に的確に対処すべく、産学官の連携等を推進し、警察の対処能力の強化等に努めます。特殊詐欺、ストーカー、配偶者からの暴力、児童虐待等の事案に対して、被害の未然防止に向けた取り組みなどを推進するほか、凶悪事件から市民を守ります。

 第三に、刑事訴訟法等改正法が目指す新たな刑事司法制度に対応するため、捜査手法、取り調べの高度化に必要な取り組みを進めるほか、捜査管理の徹底など、客観証拠に基づく適正な捜査を一層推進するための基盤整備に努めます。

 第四に、暴力団による対立抗争等、現下の厳しい組織犯罪情勢に対して、取り締まりの徹底、暴力団排除活動の推進等、暴力団の壊滅に向けた取り組みを進めます。また、犯罪組織等の資金源の封圧や犯罪収益の剥奪、薬物の乱用防止に向けた取り組みを推進します。

 第五に、世界一安全な道路交通の実現に向け、高齢運転者等に関する交通安全対策の強化を内容とする改正道路交通法の円滑な実施を初め、地域の交通実態に即した総合的な交通事故防止対策を各界各層と連携して推進するほか、自動走行システムの実現に向けた環境の整備にも努めます。

 このほか、東日本大震災やその後のさまざまな災害の教訓を踏まえ、警察の災害対応能力の向上に取り組みます。

 これらの諸施策を推進するに当たり、積極的かつ合理的な警察運営及び業務改革を推進し、厳正な規律と高い士気を持つ組織を構築することで、国民の期待と信頼に応える強い警察の確立に努めます。

 平成二十九年度警察庁予算では、一般会計予算の歳出予算要求額として、三千百八十五億二千二百万円を計上し、警察庁職員百二十六人及び地方警察官八百八十六人の増員を盛り込んでおります。

 領土・主権対策については、北方領土問題を担当する北方対策本部と連携するとともに、竹島の領土問題及び尖閣諸島をめぐる情勢に関して、外交政策などとの整合性を確保しつつ、国内外で我が国の立場についての正確な理解が浸透するよう、内外発信の強化に努めます。

 海洋政策については、海洋は我が国の国土と経済社会の存立基盤との認識のもと、海洋権益の確保などの施策を着実に進め、海洋資源の開発及び海洋の持続可能な利用などの取り組みを強化していくことが重要であり、海洋基本計画に基づき、総合的な海洋政策を推進します。

 また、本年は、有人国境離島元年として、政府、地方が一体となって、その保全と地域社会の維持に関する施策を強力に推進します。

 食品の安全性の確保のため、科学的知見に基づき、客観的かつ中立公正に食品健康影響評価を行うとともに、その評価結果についてリスクコミュニケーションを実施します。

 死因究明等の推進については、死因究明等推進計画に掲げられた各施策について、関係府省庁と連携して、我が国の死因究明等の推進を図ります。

 以上、所管行政について申し上げましたが、秋元委員長を初め理事、委員各位の御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。(拍手)

秋元委員長 次に、高市内閣府特命担当大臣から所信を聴取いたします。高市国務大臣。

高市国務大臣 マイナンバー制度を一元的に担当する内閣府特命担当大臣として、所信の一端を申し述べます。

 マイナンバー制度については、制度の一層の普及と定着に努めるとともに、マイナンバーカード等の利活用を推進してまいります。また、本年夏ごろに予定される情報提供ネットワークシステム、マイナポータルの本格運用に向けて、必要な準備を行います。

 秋元委員長を初め理事、委員の先生方の御指導と御協力を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)

秋元委員長 次に、金田国務大臣から所信を聴取いたします。金田国務大臣。

金田国務大臣 特定秘密の保護に関する制度に関する事務を担当する国務大臣として、所信の一端を申し述べます。

 特定秘密保護法は、平成二十六年十二月十日に施行され、平成二十七年十二月一日に完全施行となりましたが、今後も国民の皆様の御理解をいただくよう努めますとともに、法律の適正かつ円滑な施行に万全を期してまいります。

 秋元委員長を初め理事、委員各位の御理解と御協力をよろしくお願いを申し上げます。(拍手)

秋元委員長 次に、鶴保内閣府特命担当大臣から所信を聴取いたします。鶴保国務大臣。

鶴保国務大臣 クールジャパン戦略を担当する内閣府特命担当大臣として、所信の一端を申し述べます。

 クールジャパン戦略については、アニメやゲームを初めとするコンテンツや、伝統文化、日本食、日本産酒類など、幅広い日本の魅力を効果的に発信し、輸出増大や訪日外国人誘致などを通じ海外の成長を取り込むため、コンテンツとそれ以外の分野の連携による相乗効果の最大化を図るとともに、地方の魅力の発掘、展開や、全国各地のクールジャパン拠点のネットワーク化等を進めてまいります。

 中国における遺棄化学兵器の問題については、化学兵器禁止条約上の我が国の義務を誠実に履行するため、引き続き廃棄事業を着実に進めてまいります。

 秋元委員長を初め理事、委員各位の御理解と御協力をよろしくお願いを申し上げます。(拍手)

秋元委員長 次に、石原経済再生担当、社会保障・税一体改革担当大臣、内閣府特命担当大臣から所信を聴取いたします。石原国務大臣。

石原国務大臣 経済再生担当、社会保障・税一体改革担当及び経済財政政策を担当する内閣府特命担当大臣として、所信の一端を申し述べます。

 景気は、一部に改善のおくれも見られますが、緩やかな回復基調が続いています。経済財政運営に当たっては、引き続き、経済再生なくして財政健全化なしを基本とし、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響等のリスクに的確に対応しつつ、名目GDP六百兆円経済の実現と二〇二〇年度の財政健全化目標の達成の双方の実現を目指します。

 まずは、未来への投資を実現する経済対策を円滑かつ着実に実施し、内需を下支えするとともに、民需主導の持続的な経済成長と一億総活躍社会の着実な実現につなげてまいります。

 名目GDP六百兆円経済の実現に向けては、働き方改革、地方創生、国土強靱化、女性の活躍も含め、あらゆる政策を総動員するとともに、科学技術イノベーション等を通じて潜在成長率を向上させることにより、デフレ脱却を確実なものとしつつ、成長と分配の好循環を強固なものとしていきます。

 日本銀行には、経済・物価情勢を踏まえつつ、二%の物価安定目標を実現することを引き続き期待します。

 成長戦略をさらに加速化させることにより、イノベーションとその社会実装を強力に実行し、ソサエティー五・〇の実現を目指します。このため、未来投資会議において、新たな医療・介護システムの構築、インフラデータの民間開放、形式から実質へのコーポレートガバナンス改革など構造改革のさらなる総ざらいを行い、その成果を年央に公表する成長戦略で具体的にお示しします。

 健康・医療戦略の観点からは、新しい医療・介護システムの基盤となる医療情報の利活用に関する法律案を提出する予定です。また、日本医療研究開発機構による研究支援や健康、医療、介護産業の国際展開についても、官民一体となって取り組んでまいります。

 また、PPP、PFIを着実に推進し、上下水道等の公共施設の整備、運営に係る公的負担の抑制を図りつつ、民間投資やビジネス機会の拡大を図ります。

 さきの国会で御承認いただいたTPP協定については、政府としても、今後もさまざまな機会を通じて、TPP協定の経済的、戦略的意義を踏まえつつ、各国と緊密に意思疎通していくとともに、経済連携を戦略的に推進するなど、世界に自由で公正な経済圏を広げていくための取り組みを進めてまいります。

 経済再生なくして財政健全化なし。引き続き経済再生との両立を図りながら、経済・財政再生計画及び経済・財政再生アクション・プログラム二〇一六にのっとって、歳出全般にわたり聖域なく徹底した見直しを推進していきます。改革の二年目に当たる二〇一七年度においても、見える化を徹底、拡大し、改革の点検、評価、政策効果の分析を強化し、取り組みのPDCAサイクルをしっかりと定着させていきます。

 少子高齢化が進展する中で、社会保障の安定財源確保と財政健全化を同時に達成する観点から、引き続き、社会保障と税の一体改革に取り組みます。

 秋元委員長を初め理事、委員各位の御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。(拍手)

秋元委員長 次に、加藤一億総活躍担当、働き方改革担当、女性活躍担当、再チャレンジ担当大臣、内閣府特命担当大臣から所信を聴取いたします。加藤国務大臣。

加藤国務大臣 一億総活躍、働き方改革、女性活躍、再チャレンジ担当大臣、また、男女共同参画、少子化対策を担当する内閣府特命担当大臣として、所信の一端を申し述べます。

 一億総活躍社会の実現は、安倍内閣の最重要課題です。

 少子高齢化という日本の構造的課題に真正面から挑むため、昨年六月に閣議決定したニッポン一億総活躍プランを具体的に実現してまいります。

 最大のチャレンジは、一人一人の事情に応じた、多様で柔軟な働き方を可能とする労働制度の大胆な改革、働き方改革です。

 昨年九月以来、働き方改革実現会議において、労使のトップや有識者にお集まりいただき、働く人の立場、視点に立った議論を重ねています。同一労働同一賃金の実現、長時間労働の是正、雇用吸収力の高い産業への転職、再就職支援を初めとした幅広い分野について、三月に実行計画を取りまとめます。

 同一労働同一賃金については、不合理な待遇差を是正するため、詳細なガイドライン案を昨年末公表しました。労働者が実際に裁判で争えるよう、その根拠となる法改正について、実行計画を踏まえ、立案作業を進めます。

 長時間労働の是正については、いわゆる三六協定でも超えることができない、罰則つきの時間外労働の限度を定める法改正に向けて、実行計画を踏まえ、立案作業を進めます。

 全ての女性が、みずからの希望に応じ、個性と能力を発揮できる社会の実現は、安倍内閣の最重要課題の一つです。

 昨年完全施行された女性活躍推進法に基づき、中小企業への支援も含めた事業主行動計画の策定や女性活躍状況の見える化などを進めるとともに、第四次男女共同参画基本計画により、女性の積極的な採用、登用や、将来指導的地位に登用される女性の候補者層の拡充、ワーク・ライフ・バランスの実現、女性に対する暴力の根絶などに取り組みます。

 また、男女共同参画に関する男性の理解の促進や意識の改革を図るための取り組みも進めてまいります。

 誰もが、仮に失敗しても、意欲があれば多様な機会が与えられ、何度でもチャレンジできる社会の構築に向け、必要な取り組みを進めてまいります。

 日本社会を根幹から揺るがしかねない少子化の危機を脱することは、待ったなしの課題です。希望出生率一・八の実現に向けて、結婚や出産の希望をかなえる環境を整備するため、結婚、妊娠、出産、子育てへの支援を着実に進めてまいります。特に、保育士等の処遇改善については、さらなる質の向上の一環として、二%相当の処遇改善を行うとともに、技能、経験を積んだ職員について、四万円の追加的な処遇改善などを行います。加えて、待機児童の解消に向けて企業主導型保育事業の活用も推進するなど、幼児期の教育、保育、子育て支援を充実してまいります。

 子供の貧困対策については、全ての子供たちが、家庭の経済事情にかかわらず、夢に向かって頑張ることができる国づくりを目指し、総合的に施策を展開してまいります。特に、支援が必要な子供や家庭に確実に支援を届けることができるよう、地方公共団体の取り組みへの支援や、基金を通じた草の根の活動の支援など子供の未来応援国民運動に取り組みます。あわせて、子供・若者育成支援推進大綱に基づく各種施策を総合的に推進するとともに、青年国際交流、青少年のインターネット利用環境の整備などの事業にも、積極的に取り組みます。

 障害者施策については、昨年七月の痛ましい事件も踏まえて、全ての国民が障害の有無にかかわらず互いの人格と個性を尊重し合いながら共生できる社会を目指し、関連施策を総合的かつ計画的に推進します。また、障害者差別解消法の周知啓発などにも取り組みます。

 さらに、高齢運転者の交通事故防止を初めとする交通安全対策や、高齢社会対策などの施策を推進します。

 成年後見制度の利用の促進については、有識者から構成される成年後見制度利用促進委員会の意見を踏まえ、今年度中を目途に基本計画を定め、総合的かつ計画的に推進してまいります。

 休眠預金等に係る資金の活用については、新たに発足する休眠預金等活用審議会を中心に、関係方面の意見も聴取しつつ、基本方針の策定などに向け取り組んでまいります。

 秋元委員長を初め理事、委員各位の御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。(拍手)

秋元委員長 次に、山本内閣府特命担当大臣、行政改革担当、国家公務員制度担当大臣から所信を聴取いたします。山本国務大臣。

山本(幸)国務大臣 行政改革担当大臣、国家公務員制度担当大臣、規制改革を担当する内閣府特命担当大臣として、所信の一端を申し述べます。

 行政改革は、行政機能や政策効果を向上させ、政府に対する国民の信頼を得るために重要な取り組みであり、不断に進める必要があります。事業の効果や効率を点検、検証する行政事業レビュー等の実施により、国民が納めた税金の使い方について説明責任を果たしつつ、政府一体の統計改革と、根拠に基づく政策立案の取り組みを推進し、実効性の高い行政の実現に取り組みます。

 国家公務員制度についてであります。

 今回の文部科学省における再就職規制違反事案は国民の信頼を揺るがすものであり、あってはならないことであります。本事案を受け、全省庁について同様の事案がないか徹底的に調査を行い、調査の結果を踏まえて必要な施策をしっかりと講じ、国民の信頼を確保できるよう全力で取り組んでまいります。

 同時に、すぐれた人材の確保、育成、活用を推進するとともに、国家公務員の働き方改革を進めてまいります。あわせて、業務改革の推進により既存体制の見直しを進めるとともに、CIQや海上保安の体制強化など、急増する内閣の重要課題に確実に対応できる体制の構築を進めます。

 イノベーションを生み出す規制改革は、成長戦略の中核であり、新三本の矢においても重要な役割を担うものです。引き続き、規制改革推進会議のもと、国家戦略特区とも連携させ、農業、人材、医療、介護、保育、投資等の幅広い分野の規制改革を強力に進めてまいります。また、規制改革、行政手続簡素化、IT化を一体的に進めることにより、事業者目線で規制・行政手続コストの削減に取り組みます。

 民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源である公文書の保存、利用の役割を担う国立公文書館については、その新たな施設の国会周辺への建設に向けて取り組んでまいります。

 また、公益法人は、民による公益の増進を担い、活力あふれる共助社会を支える重要な存在です。公益法人の自己規律の確立や適正な法人運営の確保に向けて支援するなど、公益活動の活性化に一層尽力してまいります。

 さらに、独立公文書管理監による特定秘密の指定等の検証、監察を支援してまいります。

 以上、所管行政について申し上げましたが、秋元委員長を初め理事、委員各位の御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。(拍手)

秋元委員長 次に、丸川国務大臣から所信を聴取いたします。丸川国務大臣。

丸川国務大臣 サイバーセキュリティ戦略本部に関する事務を担当する国務大臣として、所信の一端を申し述べます。

 サイバー空間が今や社会に欠くことのできない基盤となる中、サイバーセキュリティーの確保は、国民生活や社会経済活動、さらには我が国の安全保障の観点からも極めて重要な課題となっております。

 このような認識のもと、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催及びその後を見据えながら、サイバーセキュリティ戦略や昨年施行された改正サイバーセキュリティ基本法に基づき、国際的な連携を進めつつ、官民を挙げてサイバーセキュリティーの強化に取り組んでまいります。

 秋元委員長を初め理事、委員各位の御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。(拍手)

秋元委員長 次に、石井国務大臣から所信を聴取いたします。石井国務大臣。

石井国務大臣 特定複合観光施設区域の整備に関する事務を担当する国務大臣として、所信の一端を申し述べます。

 特定複合観光施設につきましては、観光や地域振興、雇用創出といった効果が非常に大きいと期待される一方で、さまざまな懸念事項への対策も必要とされております。特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律に基づき、同法に関する国会での御審議や附帯決議の御趣旨を十分に尊重し、必要な法制上の措置について検討を進めてまいります。

 秋元委員長を初め理事、委員各位の御理解と御協力、よろしくお願いを申し上げます。(拍手)

秋元委員長 以上で各大臣の所信及び予算説明は終わりました。

 この際、末松内閣府副大臣及び根本内閣府大臣政務官から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。末松内閣府副大臣。

末松副大臣 内閣府副大臣の末松信介でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。

 特定複合観光施設区域の整備を担当いたしてまいります。

 石井大臣を支え、力を尽くしてまいりたいと考えておりますので、秋元委員長を初め理事、委員各位の御指導と御協力を心からお願いを申し上げます。

 よろしくお願いします。(拍手)

秋元委員長 次に、根本内閣府大臣政務官。

根本大臣政務官 内閣府大臣政務官の根本幸典でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 特定複合観光施設区域の整備を担当いたしております。

 秋元委員長を初め理事、委員各位の御指導と御協力をよろしくお願いいたします。(拍手)

秋元委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時四十三分散会


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