第4号 平成29年3月15日(水曜日)
平成二十九年三月十五日(水曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 秋元 司君
理事 谷川 弥一君 理事 平井たくや君
理事 ふくだ峰之君 理事 牧島かれん君
理事 松本 文明君 理事 緒方林太郎君
理事 神山 洋介君 理事 佐藤 茂樹君
青山 周平君 池田 佳隆君
石崎 徹君 岩田 和親君
大岡 敏孝君 大隈 和英君
大西 宏幸君 岡下 昌平君
鬼木 誠君 勝沼 栄明君
神谷 昇君 木内 均君
國場幸之助君 今野 智博君
田畑 毅君 武部 新君
武村 展英君 津島 淳君
中山 展宏君 長坂 康正君
鳩山 二郎君 和田 義明君
井出 庸生君 泉 健太君
大串 博志君 岡田 克也君
金子 恵美君 辻元 清美君
福島 伸享君 角田 秀穂君
濱村 進君 池内さおり君
島津 幸広君 浦野 靖人君
…………………………………
国務大臣
(内閣官房長官)
(沖縄基地負担軽減担当) 菅 義偉君
国務大臣
(経済再生担当)
(社会保障・税一体改革担当)
(経済財政政策担当) 石原 伸晃君
国務大臣
(一億総活躍担当)
(働き方改革担当)
(女性活躍担当)
(再チャレンジ担当)
(少子化対策担当)
(男女共同参画担当) 加藤 勝信君
国務大臣
(規制改革担当)
(行政改革担当)
(国家公務員制度担当) 山本 幸三君
内閣府副大臣 松本 洋平君
文部科学副大臣 義家 弘介君
内閣府大臣政務官 武村 展英君
内閣府大臣政務官 長坂 康正君
財務大臣政務官 三木 亨君
農林水産大臣政務官 細田 健一君
防衛大臣政務官 小林 鷹之君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 土生 栄二君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 藤本 康二君
政府参考人
(内閣官房内閣人事局人事政策統括官) 三輪 和夫君
政府参考人
(内閣府大臣官房長) 河内 隆君
政府参考人
(内閣府大臣官房審議官) 田中愛智朗君
政府参考人
(内閣府子ども・子育て本部統括官) 西崎 文平君
政府参考人
(総務省大臣官房審議官) 吉岡てつを君
政府参考人
(総務省自治行政局選挙部長) 大泉 淳一君
政府参考人
(財務省理財局次長) 中尾 睦君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 瀧本 寛君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官) 大橋 秀行君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 宮嵜 雅則君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 椎葉 茂樹君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 橋本 泰宏君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 森 和彦君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 吉本 明子君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 浜谷 浩樹君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 小瀬 達之君
内閣委員会専門員 室井 純子君
―――――――――――――
委員の異動
三月十五日
辞任 補欠選任
大岡 敏孝君 鬼木 誠君
武部 新君 勝沼 栄明君
高井 崇志君 福島 伸享君
同日
辞任 補欠選任
鬼木 誠君 大岡 敏孝君
勝沼 栄明君 津島 淳君
福島 伸享君 高井 崇志君
同日
辞任 補欠選任
津島 淳君 武部 新君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
内閣の重要政策に関する件
公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件
栄典及び公式制度に関する件
男女共同参画社会の形成の促進に関する件
国民生活の安定及び向上に関する件
警察に関する件
――――◇―――――
○秋元委員長 これより会議を開きます。
この際、長坂内閣府大臣政務官から発言を求められておりますので、これを許します。長坂内閣府大臣政務官。
○長坂大臣政務官 このたび内閣府大臣政務官に就任いたしました長坂康正でございます。
重責を担うこととなり、身が引き締まる思いでございます。
内閣委員会の所管では、海洋政策・領土問題、行政改革、食品安全、規制改革等を担当いたしております。
このほかにも、防災、東日本大震災からの復興等を担当しており、緊張感を持って職務に取り組んでまいります。
松本純大臣、山本幸三大臣、今村雅弘大臣を支え、力を尽くしてまいりたいと考えておりますので、秋元委員長を初め理事、委員各位の御指導と御協力をよろしくお願い申し上げます。(拍手)
――――◇―――――
○秋元委員長 内閣の重要政策に関する件、公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
各件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官土生栄二君、内閣官房内閣審議官藤本康二君、内閣官房内閣人事局人事政策統括官三輪和夫君、内閣府大臣官房長河内隆君、内閣府大臣官房審議官田中愛智朗君、内閣府子ども・子育て本部統括官西崎文平君、総務省大臣官房審議官吉岡てつを君、総務省自治行政局選挙部長大泉淳一君、財務省理財局次長中尾睦君、文部科学省大臣官房審議官瀧本寛君、厚生労働省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官大橋秀行君、厚生労働省大臣官房審議官宮嵜雅則君、厚生労働省大臣官房審議官椎葉茂樹君、厚生労働省大臣官房審議官橋本泰宏君、厚生労働省大臣官房審議官森和彦君、厚生労働省大臣官房審議官吉本明子君、厚生労働省大臣官房審議官浜谷浩樹君、経済産業省大臣官房審議官小瀬達之君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○秋元委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○秋元委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。泉健太君。
○泉委員 民進党の泉健太でございます。
いきなり本題から入らせていただきます。官房長官、しっかり議論をして、いい結果を出したいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
前回の議論では、総理夫人については私人である、これは閣議決定もされた答弁書でも明らかですが、活動は私的活動のみということがわかりました。ですから、政府からの要請で公務に随行していただくことはあるけれども、夫人については私的活動のみだということであるということがわかりました。
であればこそ、私は、やはり問いただしたいのは、私的活動への政府職員の随行、同行はおかしいということであります。やはりここは安倍総理夫人側がスタッフを用意すべきことであり、それが基本的にやはり政府の公と私の区別ではないかというふうに考えているところであります。
改めて確認をしますけれども、森友学園での講演、これを、出張費を安倍氏側が払っていたということのようでありますけれども、しかも、このときには同行の政府職員の旅費までを総理夫人側が払っていたということであった、結局は公務だったというような扱いだったようですけれども、この例えば森友学園での講演での同行については、そのチケットの購入あるいは身の回りの世話ということについては、政府の職員は関与しているんでしょうか。事務方、お願いいたします。
○土生政府参考人 御説明させていただきます。
委員からも御紹介ございましたとおり、内閣総理大臣夫人、これは……(泉委員「答えだけ言ってください」と呼ぶ)公人ではないということでございます。公務遂行の補助に関する活動を、配偶者であることに鑑みまして、政府からお願いされることがあるということでございます。
お尋ねの森友学園塚本幼稚園への同行でございますけれども、これは当面の公務遂行補助活動に関する連絡調整等を行うため、職員といたしましては公務として同行をしていたということでございます。
なお、お尋ねの旅費につきましては、夫人の私的経費により負担をされていたということでございまして、国としては支給をしていない、そのような扱いでございます。
○泉委員 もう一回お伺いしますね。森友も含めてで結構です。政府は調べているはずですよ。
例えば、安倍総理夫人が森友に行く際のチケットの購入、そういったものは全て本人が行っている、私的活動だから、政府職員は、そのチケットの購入やあるいは行き先との連絡調整、こういったものは政府の職員は行っておらず、安倍総理夫人本人のみが行っているということでよろしいですか。
○土生政府参考人 御説明させていただきます。
職員からの聞き取りによりますと、チケットといいますか切符ということでございますけれども、これは夫人側で用意されたものを職員としては受け取ったということでございます。
なお、同行に際しましては、夫人の私的行為の支援ということは行っていない、このように承知をしております。
○泉委員 もう一度聞きますが、では、この森友を初めとして、政府の職員は、例えば総理夫人の同行をした際には一切身の回りのお世話はしていないということでよろしいですね。
○土生政府参考人 御説明いたします。
私的な活動の支援は行っていないということでございます。
先生御指摘の身の回りの世話というのがどこら辺を指すのかというのは明快ではございませんけれども、これは聞いたわけではございませんが、社会的儀礼の範囲内で、例えば荷物を一時見ておくとか、同行する者として常識の範囲内でお手伝いをするということはあろうかと思いますが、講演そのものの活動については支援をしていない、このように承知をしております。
○泉委員 今、私、問題だと思っていますのは、私的活動への同行について、今までは旅費の請求をしていなかったということで安倍氏側が負担をしていたということだったのが、この一連の問題が出て、政府の対応、私、同行をやめるのかなと、安倍夫人側にちゃんとスタッフを用意していただいて、自費でそこはやってくださいね、みんな政治家はそれでやっていますから、自費でやってくださいねと政府が言うと思ったら、何とびっくり、ちゃんと出張扱いして、ちゃんと同行させて、旅費も全部政府が持ちますというわけですよ。これはおかしくないですか、官房長官。
前回の官房長官の答弁で、総理夫人も忙しいから御理解くださいという御発言があった。忙しいから云々じゃないんですよ、基準をちゃんとつくるべきだという話なんです。
私は、調べましたよ。例えば、昨年四月からことしの現在三月まで、全省庁をやるのはちょっと心苦しかったので、内閣府の政務三役の政務の出張への秘書官の同行実績を調べさせていただいた。そうしたら、少なくとも副大臣や政務官に関しては、この一年間で、恐らく政務官も副大臣もいっぱいいますよ、たった一回だけですよ。政府職員が、秘書官が同行したケースは一回だけ。一回だけですよ。
私、きのう事前のレクで役人さんに確認をしたら、総理夫人に同行した回数は数え切れませんというお答えでしたよ。これはおかしいですよ。ダブルスタンダードだと思いませんか。
○菅国務大臣 私自身が、忙しいからということの答弁はしていなかったのかなと……(泉委員「している、書いてある、議事録を見た」と呼ぶ)議事録を精査して、そこはまた、そう思いますけれども、私は当時、公人ではないですけれどもその役割を明快にすることはなかなか難しい、御理解をいただきたいという趣旨の話をしたというふうに思っております。
そういう意味で、総理夫人については、先ほど事務方から答弁がありましたけれども、政府としては私人の取り扱いをしておりますけれども、総理のさまざまな活動を補助する場合、ここは政府からお願いをする場合もありますし、そうでなくても、総理夫人としてさまざまな会に呼ばれて出席をする中で、整理の仕方としては、公務を補助する、その活動に同行し、その活動に関しての連絡調整などを行って対応する。
いずれにしろ、総理夫人の私的な活動そのものをサポートするのではなくて、そうした公務遂行の補助活動に係る連絡調整というものを行っていく意味で、そのような整理をさせていただきました。
○泉委員 では、もう一回、政府に聞きますよ。
先ほど、内閣府の政務三役の話をしましたけれども、では、政務三役が同行を求めたら、いやいや、俺の政務の補助じゃない、例えば長坂防災政務官が、災害はいつ何どきあるかわからない、政府の秘書官がついてもらわなきゃ困るというふうに要請したら、ずっと秘書官をつけて政務の活動に同行させるんですか。もちろん、政務のその会場に入らないかもしれない。だけれども、行き先、行き先に政府は同行させるということを認めるということですか。
○菅国務大臣 総理夫人と政務官、大臣というのは、そこは違うというふうに思っています。
少なくとも、政務官、あるいは私自身も政務で出るときがあります。しかし、その場合にも、常に連絡体制はしっかりとできるような体制で、それぞれのいろいろな突発の事情に対応するような形で今行っているわけでありますけれども、総理夫人については、先ほど申し上げましたけれども、総理の活動を補助する場合、あるいはまた、海外から数多くの要人が来られて、総理が出席することができない場合、夫人に対応してもらうとか、そういう機会が非常に多くなってきているということも事実であります。
そういう中で、連絡体制というのはやはりしっかりつくっておく必要があるんだろうというふうに思います。
○泉委員 官房長官が今おっしゃられたように、官房長官や政務官も連絡体制をつくって、何かあっても大丈夫なように対応して、だから、政府の職員の同行が要らないようになっているんですよ。違いますか。同じことを総理夫人もやったらいいだけの話ですよ。何でそこだけ政府の職員で、全部公金で、丸抱えにするんですか。そこをまさにちゃんと基準をつくって、何には同行するけれども、私的活動に勘違いをされるような行動には同行させないでおきましょうというのが政府の基準じゃないですか。それを言っているんですよ、私は。
何もわざわざ政務三役や官房長官と違う扱いをする必要はないでしょう。そこは、安倍総理夫人側がスタッフを雇う、あるいは、当然ながら私だって、恐らくほかの政治家さんもそうじゃないですかね、奥様の活動があったら、普通は、そこの自分の事務所がスタッフを増強するなりして対応する。それは自費でやることなんですよ。違いますか。
○菅国務大臣 例えば、総理夫人による総理の公務の遂行の補助に係る活動全体が、国内外でも飛躍的に増大している。これらの活動は、公人ではない総理夫人に対し、政府として公務への協力を実はお願いをしているものでありまして、こうした行為については、各種の有識者会議への公人ではない方の出席など、実際に多数の例も実はあるところであります。
総理の公務が全体として円滑に進むよう、協力を依頼した政府が必要なサポートをするということは、ある意味で自然のことだろうというふうに思っております。
私、その中で、十日の委員会でも申し上げたんですけれども、公人ではないですけれども、その役割を明快に分けることがなかなか難しい、御理解をいただきたいという話を実はさせていただきました。
政府から協力を依頼しておらず、総理の公務の遂行の補助には当たらないが、目的が女性活躍などの例えば内閣の重要政策、そうしたものに出席してほしいとか、そうしたものについては、やはり、ぜひ、総理の公務全体として円滑に進むことができるようにサポートをするということは自然のことではないかなというふうに思います。
○泉委員 確かにファーストレディーというのは特別な立場だということは、私、理解をするんです。
政府の側にいっぱい、いっぱいと言うとおかしいですが、ある程度の職員を置いて、総理夫人側とやりとりするためのスタッフ体制があるというのは、私、構わないと思うんです。ただ、同行というのは、やはり勘違いもされるし、そこでどんな、身の回りの世話をしているだとか、その線引きというのは、やはり私的活動との領域の関係でいえば難しいわけです。だから、ほかの政治家も、公私の区別をつけるために、政務活動には基本的には秘書官や政府職員は同行させないというスタイルをとってきているわけですよ。そこが総理夫人の場合だけないというのが現状なんです。
だから私は問題提起をしていて、政府の側でいろいろと事務調整をする人間が三人なり五人なりふえていく、それはわかります。しかし、同行させる必要があるのか。日程調整のために同行させることが必要だと言われちゃったら、それはほかの政務三役だってみんなそうなっちゃうじゃないですか。何でそこだけ違うんですかという、そのダブルスタンダードでこの総理夫人のことを、どんどん事務を膨らませていったらいけないんじゃないですかというふうに私は言っています。
もっと言えば、前回の質問でも私言ったように、SPはつけたらいいと思うんですよ。SPは、やはり総理夫人の身を守らなければいけないから、私はそういうスタッフはつけたらいい。だけれども、総理夫人だって、場合には選挙の応援に行くかもしれない、でも、そのときにもしかしたら公務の重要なやりとりが入って、会場にまでは入らなくても行き先まで同行しなきゃいけないかもしれないとなったときに、やはりそれはおかしいじゃないですかという声がまた上がってくるかもしれない。そういうことを政府の職員たちに味わわせないためにも、ぜひ、同行ということについては、これはやはり総理夫人側がスタッフをちゃんと用意して、政府側とやりとりをして、円滑に物事がいくようにすべきじゃないかという、私は前向きな提案をさせていただいているんです。
ぜひそういう形で、基準をやはりつくっていただけませんか。
○菅国務大臣 今の委員からの提案は提案として受けとめさせていただきますけれども、総理夫人については、先ほど申し上げましたけれども、総理に対しての公務での仕事というのは、総理の仕事というのが非常に多くなってきている中で、政府として、そうした総理の仕事が円滑に進むように、協力を政府側から依頼して、しっかりサポートをさせていただきたい、そのことはある意味で自然のことだというふうに思っております。
ただ、いずれにしろ、例えば、そういうことの中で、総理夫人は、従来、旅費等は総理夫人の方で支払いをさせていただいている、あるいは車も事務所の車を使用させていただいている、そうしたことはできる限りけじめをつける中で行ってきているということも、これはぜひ御理解をいただきたいというふうに思います。
いずれにしろ、今回、どのような整理が必要かということについては、私どもも研究はさせていただきたいというふうに思います。
○泉委員 官房長官おっしゃられているように、役割を明確に分けることがなかなか難しいとおっしゃいますが、そんなことないですよ。分かれますよ、しっかりと。政府がこれを公務補助とみなすか、いやいや、これは私的活動とみなすか。それはしっかりみなすことができるはずですよ。区別することはできるはずですよ。難しいなんてことはないし、しかも、突発的な用事はないはずですよ。防災担当大臣や政務官じゃあるまいし、全て事前にスケジュールがわかっている中で動いているはずじゃないですか。区別できますよ、これは。区別しなければおかしいですよ。
そこの区別なしに政府職員を同行させるというのは、ある意味、国会で選ばれていない人物に、場合によっては、その人物が忙しくしたいから、いろいろなところに出かけていきたいからといって、どんどんどんどん部局が膨らむ可能性だってあるわけです。そこには全て公金が使われるんですよ。そういう形の公金が使われるというやり方は、私はやはりおかしいと思います。ちゃんと基準を持って、ちゃんと区別をして、どこには政府の職員は同行するけれどもどこには同行しないという形をとらなければ、これは公金を流用して私的活動を応援しているということになりかねないというふうに私は思います。
この問題は、ぜひそういった意味では、私はまず、研究をしていただくというふうにお話がありましたけれども、総理夫人の業務が多忙なのであれば、総理夫人側が、もっと言えば安倍事務所側がスタッフを充実させる必要があるんだと思いますよ。その中で自己資金をしっかり使って政府側とちゃんとやりとりをするということが正しいやり方だと思いますし、それがないまま、今の話だと、むしろ全て出張扱いにして、政府から職員の交通費を出しますという方向になってしまえば、これは一層、安倍総理夫人の私的活動につながる、そこに対しての政府の公金支出がふえてしまうということになるわけですので、これが公金の流用になってしまわないように、私はしっかりと基準を設けるべきだというふうに思います。
ぜひ、政府として、そういったことの研究と、また場合によっては総理夫人側に、しっかりとスタッフ体制、連絡調整ができる体制をつくってください、あなたも忙しいでしょう、だからといって政府の職員をつけるわけにはいきません、ぜひ総理夫人側で体制をつくってくださいということを言っていただきたいと思いますが、いかがですか。
○菅国務大臣 いずれにしろ、総理夫人のサポートを行う体制を強化し、常時、夫人との連絡調整や出張等に向けてのスケジュールの確認等で、今まで二人が交代で行ってきました。
ただ、総理の公務遂行を補助する活動に同行するということの必要性というのを私も今感じておりまして、今そのお願いをしているところでありますけれども、いずれにしろ、研究はさせていただきたいというふうに思います。
○泉委員 もう終わりますが、森友学園にしても、総理自身も、私も行きたかったというような発言もあったと聞いていますけれども、そうなってくると、やはり森友に行ったのも、では、いずれ政府の見解が変わって、これは私的活動ではなく総理の活動の補助ですということになりかねないわけですよ。
そこにしっかりやはり基準がなければ、総理が何のために、あるいは総理夫人が何のために行っているかということが曖昧な中で公務扱いになって政府の支出がふえていくというのは規律としておかしいというふうに思いますので、ぜひ、私が言っているのは、活動を充実させるのはやぶさかではないけれども、しっかりと基準を持って、しかも、節度というのは裁量に任せるのではなく、あくまでしっかりと明文化するなり、基準を持っていただきたいということをお願いして、私の質問を終わります。
○秋元委員長 次に、緒方林太郎君。
○緒方委員 民進党、緒方林太郎でございます。
本日、大臣所信に対します質疑ということで、五十分間、よろしくお願いを申し上げます。官房長官、そして我が町の大臣、山本大臣、よろしくお願いを申し上げます。
まず、先ほど御挨拶ありました長坂政務官に、御就任おめでとうございます、質問をさせていただきたいと思います。
政務官の平成二十六年度の収支報告書を見ておりました。そうすると、温泉スパに行かれたのではないかとか、ちょっとこれは違うかもしれません、しかし、施術院に行かれたとか、歯医者、さらには歯科用品ではないかと思われる会社の名前が出てきます。
これは御自身のものですか、大臣政務官。
○長坂大臣政務官 今委員から御指摘がございましたことは、今にわかにお答えできないんですけれども。(緒方委員「ちゃんと通告しましたよ」と呼ぶ)はい。よく調べさせていただきたいと思います。
○緒方委員 少なくとも確実なのは、施術院とか歯医者については、これは確実に二十六年度の収支報告書で入っていて、なぜ歯医者、誰かが行かれた歯医者だと思うんですね。
政治資金規正法とか公職選挙法の中で、何が政治活動に入るかということについては、これは必ずしも定義がないわけでありますけれども、御自身のものでないとすると、誰かが行かれているんですね。歯医者、結構回数あります。五、六回あります。施術院というのも、何かをもんでもらったのか何なのかわかりませんけれども、そういうものがございます。御自身のものかどうかということについては、後で報告をいただきたいと思います。
そして、同じく二十六年度の報告書を見ておりますと、町内会の神事に一万二千円の支払いが計上をされております。ちょっと町名を出しますとその町内に迷惑がかかるので出しませんけれども、支出の目的のところに明確に町内会神事と書いてあります。一万二千円であります。
通常、では、総務省の選挙部にお伺いをいたしたいと思いますが、公職選挙法上、選挙区内で寄附をすることは、これは禁じられていると思います。神事で、皆が一律に、何か決められて、そこの神事に出席する方が全員一万二千円を持ってきてくださいというのであれば、これは会費として認められるわけでありますが、恐らくそういうことは想定をされないと思います。ということであれば、これは違法な寄附ではないかと思われますが、総務省選挙部、いかがですか。(発言する者あり)
○大泉政府参考人 お答えいたします。
総務省としては、個別の事案につきましては実質的な調査権がございませんので、具体的な事実関係を承知する立場ではございません。そういう意味では、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
その上で、条文の御紹介ということで、一般論として申し上げますと、公選法の百七十九条二項で寄附の定義がございまして、「金銭、物品その他の財産上の利益の供与又は交付、その供与又は交付の約束で党費、会費その他債務の履行としてなされるもの以外のもの」というふうに定義がございます。
それから、主体として、後援団体がする場合、あるいは政党、政党支部がする場合、あとは個人としてする場合で、それぞれ公選法上の規定が違ってまいりますので、具体的にないと、ちょっとお答えしかねるというところでございます。
○緒方委員 私が今質問しておりましたら、後ろから会費だろうという話がありましたが、名目のところに会費と書けば会費になるわけではございません。
通常、この会費の定義について、それでは選挙部にお伺いをいたしたいと思いますが、別に、会費と書けば、必ずそれが会費として認められるというものではないですね、選挙部。
○大泉政府参考人 先ほど申しましたとおり、公職選挙法上の定義は、党費、会費その他債務の履行としてなされるものかどうかということが区分になるものでございますので、そこで判断をされるということになります。
ただ、いずれも、個別の事案につきましては実質的調査権を有しておりませんので、具体的なことは……。
○緒方委員 長坂政務官にお伺いいたします。
この町内会神事は、債務の履行ですか。
○長坂大臣政務官 済みません。それもよく調べて御報告させていただきたいと思います。
○緒方委員 いや、私はちゃんとこれは、まあ答弁を書くのは恐らく役所ではないと思いますけれども、役所からレクに来た方々にちゃんと、収支報告書の中での寄附についてということでお話をさせていただいています。
神事への寄附、これが、寄附というか、町内会神事と、支出のところにそう書いてあります。町内会の名前も御丁寧に書いてあります。平成二十六年一月三十一日支出ということになっております。調べられるということでありましたので、後日報告をいただければと思います。
それでは、質疑を移していきたいと思います。
きょうは、平成二十五年に通りました特区の中で認められました獣医学部の新設についてお伺いをいたしたいと思います。
平成二十五年の特区法におきまして定められました国際戦略特区におきまして、その中のメニューとして、獣医学部の新設ということ、そして、それに対して応募をしたのが愛媛県今治市、そして、その事業者としては加計学園ということでございました。
まず、文部科学省にお伺いをいたしたいと思います。
これまで獣医学部の定員については抑制をしており、昭和五十九年の「高等教育の計画的整備について」の基本方針でも、獣医師の拡充は予定していないとなっています。かつ、それを受けた平成十五年の告示におきましても、獣医師の大学設置については審査から外れています。
まずお伺いします。現在でもこの立場は維持されておりますか、副大臣。
○義家副大臣 獣医学部の新設については、獣医師の需給等の観点から、昭和五十九年以降、医師等とともに抑制しております。
○緒方委員 そういうことですね。
そして、この獣医学部の必要性につきまして、日本獣医師会会長が新年の挨拶で結構厳しいことを言っておられます。この日本獣医師会の会長、山本大臣もよく御存じのとおりでありますが、自由民主党福岡県連会長であります。
何が言われているかというと、別に県連会長として言っているわけではないので、そこは切り離して考えますけれども、獣医師の需要動向を見ましても、地域偏在や職域偏在はあるものの、全国的観点から獣医師数は不足しておりませんし、平成十九年に農林水産省で行われた獣医師の需給調査においても、今後、獣医師が過剰となる場合や不足する場合のシミュレーションを行いましたが、不足するという結論になっていません、過去五十年間、獣医学部が設置されてこなかったのはその必要がなかったからでありますというふうに、これは名前を出してもいいと思いますが、蔵内会長が言っておられます。
そして、さらに、その挨拶の中で、一昨年六月三十日に閣議決定された日本再興戦略改訂二〇一五の獣医師養成系大学、学部の新設に関する検討の中で、既存の獣医師養成とは異なる構想が具体化し、さらにライフサイエンス等の新たな分野での獣医師の需要が明らかになり、それらの需要に既存の大学、学部では対応が困難であり、近年の獣医師の需要動向を考慮することが明記されています、現在の提案者による獣医学部新設構想はこれらの条件に合致していませんし、全国的見地から獣医師が不足していないので、なぜ新たに獣医師養成大学を設置するのかが理解できませんということを言っておられます。
まず、文部科学省と農林水産省にお伺いをいたしたいと思います。
それぞれの所掌範囲の中で、この獣医師会会長の見解を共有しておられますか。
○細田大臣政務官 ありがとうございます。
近年の傾向といたしまして、動物病院で小動物を中心に診る臨床獣医師が増加する一方で、養鶏、養豚、酪農などの現場で働く産業動物獣医師が一部地域では不足しているという状況でございます。これが私どもの基本的な認識でございます。(緒方委員「いやいや、別に認識を聞いているんじゃない。全然答弁が違いますよ。今、私はちゃんと読み上げている」と呼ぶ)
○秋元委員長 質問の内容を理解されていますか。
もう一度、簡単に言ってあげてください、緒方君。
○緒方委員 今、私、日本獣医師会会長が、さまざまなシミュレーションを行った結果、不足するという結論になっていない、これは、農林水産省が行ったシミュレーションでそういう結論が出てきている、そして、過去五十年間、獣医学部が設置されてこなかったのはその必要がなかったからだというのが、獣医師会会長の見解であります。そして、日本再興戦略改訂二〇一五の中でもいろいろ書かれていますが、現在の提案主体者による獣医学部新設構想はこれらの条件に合致していないし、全国的見地から獣医師が不足していないので、なぜ獣医師養成大学を設置するのか理解できませんと。
これは、それぞれ文部科学省と農林水産省の所掌にかかわるところがありますので、私、質問で明確に言わせていただきました。それぞれの所掌事務の範囲内で、今の獣医師会会長の見解を共有しておられますかというふうに聞いています。農林水産省。
○細田大臣政務官 共有というお言葉の意味がちょっとよくわからないんですが、そういう御認識でいらっしゃるということは理解をしております。
ただし、私どもとしては、先ほど申し上げたとおり、いわゆる現場で働く産業動物獣医師については、一部地域では不足が見られるという認識を有しております。
以上です。
○義家副大臣 この獣医師会からの意見については、文部科学省としては確認しております。(緒方委員「いや、確認しているだけじゃなくて、確認して何なんだということです」と呼ぶ)共有しております。
○緒方委員 文部科学省の方からは、これを共有しているという話がありました。
農林水産省、もう一度、聞きます。
共有という意味がわかりませんということでありましたが、義家副大臣は共有していると言われました。いかがですか。
○細田大臣政務官 先ほど申し上げたように、産業獣医師については一部地域で不足しているというのが全体を俯瞰した私どもの認識でございます。
以上です。
○緒方委員 質疑を進めていきたいと思います。
参議院での質疑の中で本件について質問をしたところ、既存の獣医学部では基本科目の対応が優先されておって創薬関連科目等のアドバンス科目の充実が困難であると。つまり、まあ何をもってアドバンス科目というかというのは、考え方はいろいろあると思いますが、既存の、今全国にある獣医学部の中で対応できない話があるんだという話を、これは内閣府だったと思いますけれども、答弁をしておられます。
義家副大臣にお伺いいたします。
現在の獣医学部、既存の獣医学部では基本科目の対応が優先されておって創薬関連科目等のアドバンス科目の充実が困難であると。現在の大学の獣医学部の体制というのはそういうものなんですか、副大臣。
○義家副大臣 この新設の必要性については、諮問会議において、先端ライフサイエンス研究、感染症にかかわる水際対策等の獣医師が新たに取り組むべき具体的な需要に対応する必要がある旨の今治市からの提案を踏まえて、その必要性が二十八年の十一月に認められたところであります。
また、農林水産省において、獣医師全体としての明確な需給不足は示されてはいないものの、獣医師の地域偏在及び職域偏在があり、産業動物獣医師の確保が困難な地域もあるとの見解が二十八年十一月の諮問会議で示された。
これを踏まえて、広域的に獣医師系養成大学が存在しない地域に限り、医学部の新設を可能とすることが内閣府において認められたところであります。
その手続にのっとって、申請が上がってきたら厳正に審査してまいりたいというふうに思っております。
○緒方委員 ちょっとよくわからなかったんですが。
そういうアドバンス科目の充実が困難であると、それが文部科学省として、今、提案が上がってきた、それについて、それを認めたと言いましたが、もともとの文部科学省の認識として、そういう獣医学部の基本科目の対応が優先するが余り創薬関連科目等のアドバンス科目の充実が困難である、これは内閣府が言っているんです。今の大学の体制というのはそうなっていますかということを聞いているんです、副大臣。
○義家副大臣 教育というのは時代や課題によって変化していくものでありまして、基本的にそれぞれの大学がしっかりと進めていくものでありますが、我々の今までの認識としてはそういう認識は持っていませんでしたが、そういった具体的な指摘を受けた中で、それを、申請が上がってきたときに設置認可をしていくということであります。
○緒方委員 そういう認識は持っていなかったということであります。
文部科学省等々は、そもそもこの件の必要性について、先ほどから義家副大臣にあるとおりですが、相当に、必要性はないんだということを強く示唆する答弁が続いております。
それでは、質疑を移していきたいと思います。
これまでの累次答弁の中で、先ほど細田政務官の方からもありましたが、獣医師が全体として不足していることはない、ただし、地域偏在がある、そして、業態として、産業動物獣医師そして公務員獣医師が減り、ペット等の小動物を専門とする獣医師がふえていて、業態間のアンバランスがあるといったような、そういう答弁だったと思います。
義家副大臣にお伺いいたします。
これは、既存の獣医師教育の枠組みの中ではカバーできないんですか。
○義家副大臣 これまでもさまざまな取り組みが行われているところでありますが、繰り返しになりますけれども、カバーできないという指摘の中で、農水省、内閣府、文部科学省と話し合った中で進められて、決定されたことでございます。
○緒方委員 いやいや、私はちゃんと質問、明確に聞いています。
今、内閣府が言っている答弁であったり、農林水産省も先ほどそういう答弁をされましたが、それは、既存の獣医師教育の枠組みの中で対応できないんだというふうに考えておられますかというふうに聞いているんです、義家副大臣。
○義家副大臣 そのような判断があったので、このたびの合意に至っているところであります。
○緒方委員 どういう判断ですか、山本大臣。
○山本(幸)国務大臣 まず、蔵内会長、獣医師会の会長さんのお話がございましたけれども、私どもは、それは既得権益を持っている方はそういう反応をされるんだと思います。つまり、獣医師会という、そういう業界で、もう十分だというようにするのは、当然、あらゆる業界でも、業界はそういう判断をするんだと思います。
しかし、私どもは、その既得権益を守っていっていてはこの人口減少社会の中で日本の経済や社会の発展はないと。したがって、規制を改革して新しい分野、新しい産業というものをつくっていかなければ活力が出ない、それが基本的な私どもの考えであります。それが、規制改革の担当であり、岩盤規制を突破するという国家戦略特区を担当している私の任務だと思って、こうした問題に取り組んでおります。
その中で、ただいまお話がありましたように、私どもは、いろいろ提案があった中で、鳥インフルエンザあるいはエボラ感染熱あるいは口蹄疫といったような人獣共通感染症が最近非常にふえておりまして、そうしたことが家畜等を通じて国際的に拡大している、そういう中できちっとした水際対策をやらなきゃいかぬ。
あるいはまた、新薬の世界で、特に製薬業界から言われるんですけれども、そういう新薬をつくるときに、豚などの中大動物、そういうのを使ってやるという実験が必要なんだけれども、旧来の獣医学部の教育ではそうしたものがなされていない、こういうことをこれからやってもらわなければ、つまり、かつての医学と獣医学の中間に入るような分野、そういう分野をやるような獣医師をぜひつくってもらいたい、そういう要請も製薬業界から聞くわけでありまして、そういう意味での、新薬の開発などの先端ライフサイエンス研究が必要だと。
そういうことをやろうという意味で、これは大変新しい取り組みであるということで、ぜひそういうことをやろうではないかということで、この特区の諮問会議で決まり、そして、その中で、当然、文科省、農水省とも協議をして合意に至ったということであります。
○緒方委員 農林水産省にお伺いいたします。
日本獣医師会というのは既得権益団体ですか。
○細田大臣政務官 さまざまな公益的な活動をされている団体であろうというふうに認識をしております。
○緒方委員 いや、済みません、私がお伺いいたしておりますのは、既得権益に固執する団体だというふうに山本大臣は言われましたが、同じ認識を共有しておられますか。
○細田大臣政務官 さまざまな公益的な活動その他、あるいは食に関係するいわゆる活動を行っておられる団体であろうというふうに認識をしております。
○緒方委員 私は、特定の業界団体のディフェンドをするとかそういうつもりはないですが、日本獣医師会会長の言われていることというのは、もっともなことを結構言われているような気がします。それもデータに基づいていろいろと発言をしている中で、それを既得権益団体だと言うのは少し言い過ぎではないかな、少しどころではなくてかなり言い過ぎではないかなと思いますが、質疑を移したいと思います。
獣医師が全体としては不足をしていることはないというふうにこれまでも何度も答弁がございます。これはデータに裏づけられていますか、農林水産省。
○細田大臣政務官 先ほど申し上げましたとおり、最近の状況といたしまして、いわゆる地域的……(緒方委員「繰り返しはいいです」と呼ぶ)済みません、繰り返しになりますが……(緒方委員「いや、だめ」と呼ぶ)失礼しました。
近年の傾向としましては、動物病院で小動物を中心に診る臨床獣医師が増加する一方で、畜産等の現場で働く産業動物獣医師が一部地域では不足しているというのが全体を見た私どもの基本的な認識でございます。
○緒方委員 済みません、参議院での予算委員会の中でも政府参考人が、獣医師の数自体が全体的に不足している状況にはないというふうに考えておりますと。その後にいろいろ今言われた話をされましたけれども、まず、一番最初のそこだけを聞いているんです。
全体的に不足をしていることはないというふうに考えておりますと政府委員が答弁いたしております。これはデータに裏づけられていますか、政務官。
○細田大臣政務官 私どもとして、政府委員がそういう答弁をさせていただいております。
○緒方委員 それはデータに裏づけられていますかと聞いています、政務官。
○細田大臣政務官 全体として、獣医師の受験者数及び合格者数というのが安定的に推移しているというのは事実でございます。(緒方委員「全然答えていないですよ、全然答えていない。裏づけがあるかと聞いているんです」と呼ぶ)
○秋元委員長 では、細田政務官、データに基づいたかどうかについての答弁、裏づけがあるかないかの答弁を。
○細田大臣政務官 一定の医師の数等々に基づいて答弁をさせていただいているというふうに理解をしております。
○緒方委員 それはデータに基づいてやっているということで、一発でそれぐらい答えてください、お願いします。
これは、山本農林水産大臣が何と答えてきたかというと、四国は、山本農林水産大臣は高知でありますので、四国では産業動物獣医師が足らないという発言をしていました。そういう地域なんですか、政務官。
○細田大臣政務官 大臣がおっしゃったとおりでございます。
○緒方委員 ただ、それはデータに基づいてそういう、産業動物獣医師が足らないという、その判断をしておられるんでしょうか、政務官。
○細田大臣政務官 例えば、私どもの方で、いわゆる公務員として、産業動物獣医師等々の試験あるいは応募者の数がございますが、そういうデータに基づいてそういう認識をしているというところでございます。
○緒方委員 今、公務員の話をされましたけれども、そうではなくて、全体として産業動物獣医師が足らないということがデータとして、四国がとりわけほかの地域に比べて高いとか、そういうことがあるんですかというふうに聞いているんです、政務官。
○細田大臣政務官 今すぐちょっとデータで確認はできません。
ただ、一般的に、地域的な偏在というのがございまして、四国地域が偏在によりまして産業労働獣医師の数が不足しているというのが私どもの認識でございます。
四国地域が特に深刻であるとか、あるいは全体から見て、不足している地域の中でどういう状況にあるかというデータは、現在手元には持っておりません。
○緒方委員 全体として四国がどうであるかということについてのデータはお持ちでないという発言がございました。
これは、実際に見てみると、全国的に、例えば御地元の北信越の方も、実は獣医学部はないんですね。
そもそも論なんですけれども、大学の立地場所によって獣医師の需給対策になるというふうに、そういう御認識なんでしょうか。では、これは文部科学省に聞きたいと思います、義家副大臣。
○義家副大臣 御質問の趣旨がちょっとわからないので、もう一度お願いします。
○緒方委員 大学の獣医学部を立地する、それがいろいろ、地域の偏在がある、業態によって偏在がある、いろいろな話がありましたが、それはそもそも立地場所によって解決をすることができるというふうに文部科学省としてはお考えですか、副大臣。
○義家副大臣 必ずしも立地場所によってできるものではない、立地場所にとらわれるものではないというふうに考えておりますが、一方で、今回の提案のものでありました教育面においては、国際的な獣医学教育拠点の形成、これは既存のものではございませんし、さらには、ライフサイエンスと公共獣医事に重点を置く獣医学科教育の拠点形成、このために、アドバンスト学科の設置、就業を促すための工夫、国際的な環境づくりなどが具体的に提示されております。
このような趣旨のところは現在ではないということであります。
○緒方委員 そもそも、今回の特区をやるに際して、どの地域にどういう獣医師が足らないのかというリサーチそのものはやられているんですか、山本大臣。
○山本(幸)国務大臣 それは担当の農水大臣の所管でありますから、直接私が答えることはできないと思います。
ただ、御指摘のように、地域的に偏在がある。そしてまた、その獣医学部の立地状況を見ても、獣医学部のないところが日本の中で幾つかあります。その中の一つが四国であって、そして、そういう中で、そこでしっかり獣医学部をつくりたいということの提案がございました。
これは新潟からもありましたし、京都からもありました。しかし、その中で、本当に具体的に提案が実現できるかというような意味での熟度の高さを見ますと、それは四国が一番高かったし、しかも四国には獣医学部がなかったということで、一つの大きな要素になったと考えております。
○緒方委員 今、一生懸命、四国、四国と言われましたが、先ほど副大臣が言われたとおり、別に、立地によって今言った問題を解決する、そういう考えを文部科学省はとっておりません。なので、その答弁自体はそもそも、もう通用しなくなっていると思います。
では、農林水産省、振られましたので、質問をしたいと思います。
どの獣医師がどの地域にどういう感じで足らないのかということについて、今回の特区を考えるときにリサーチをされましたか、農林水産省。
○細田大臣政務官 私どもといたしましては、一般的に、先ほど申したような公務員の募集採用実績、あるいは、例えば農業団体が獣医師を雇用するということで、募集採用実績等々データがございますが、このようなデータを分析して、どの地域に獣医師が足りているか、そして先ほど来申し上げているようにどの地域に足らないかという分析を行っております。
○緒方委員 いや、ちょっと不分明だったんですけれども。
どの地域にどういう獣医師が足らないのか、どういう業態が足らないのかについて、別に農林水産省だけじゃなくていいです。
特区でやるということにして、本来、農林水産省は、別に獣医師が足らないと全体としては思っていない、単に偏在があるだけだと言っている。そして、文部科学省も、新しい学科の必要性についてはこれまでずっと否定をしてきた。先ほど自分の担当じゃないけれどもと言われましたけれども、これを推し進めたのは特区の部局であります。なので、私は聞いているんです。
内閣府として、今回、どの獣医師がどういう地域に足らないから、この特区をやることが意義があるのかということについて、リサーチをされましたか、大臣。
○山本(幸)国務大臣 それは、我々は農水省に聞いて、そして、産業動物医に関しては地域的な偏在があって、四国はその一つでもある、そういう話は聞いていますが、内閣府としてリサーチ云々の話は、これは直接やる立場ではないというふうに思っております。担当の部局でやるお話だと思っています。
ただ、私は、これは個人的な意見ですけれども、もともと国というものが、ある財に対して需要曲線や供給曲線を正確に知ることなんかできないというのが私の個人的な考えであります。これは、かつてソ連の国家計画経済がだめになったように、それはやはり、国が需要曲線や供給曲線を見ることなんかできないんですよ。結局それは、何が決めるかというと、いわゆる神の見えざる手である市場メカニズムが決めるしかない、そういうことで、私はずっと経済学を勉強し、そういう考えで来ておりました。
ただ、それでは行政はできませんから、それぞれの所掌の分野においてはいろいろな分析もやると思いますけれども、いずれにしても、私どもは、何らかの規制があって、それが経済社会の発展を妨げる障害になっているとすれば、これをできるだけ突破して、そして活力を得るようにやっていくのが職務であると思って、やっているわけであります。
○緒方委員 既得権益団体と言われましたが、少なくとも当事者の人たちはその必要がないと言っている。そして、先ほどからお伺いしているとおりでありますが、どの程度の獣医師がどのように足らないのか。地域偏在がある、そして業態間の偏在があるというふうに言っていて、農林水産省は、何かこう、直接リサーチしたわけじゃないけれども傍証から見てそういうふうな推察ができるんじゃないかというような答弁に、私には聞こえました。
もし直接リサーチをしているのであれば、どういうリサーチをした結果、今回の結果になっているのか等、詳細に御答弁いただければと思います、政務官。
○細田大臣政務官 先ほど申し上げましたとおり、直接的に獣医師を雇用する公的団体あるいはJAのような団体が募集をし、その募集に対して応募される数字というのが出てまいりますけれども、地域によっては、その募集に対して十分な確保が行われないという地域がございます。四国地域というのはそういう代表的な地域であるという分析を私どもはしております。
以上でございます。
○緒方委員 四国以外に、どこがございますか。
○細田大臣政務官 例えば、北陸等々の地域がございます。北陸、あるいは九州であれば宮崎といった地域が該当するというふうに考えております。
○緒方委員 先ほど山本大臣、何かかなり話が大きくなりましたが、需要曲線、供給曲線を国が判断することはできない、そういうのについてはマーケットメカニズムでという話がございました。
何で一校なんですか。
○山本(幸)国務大臣 これは、おっしゃったように、市場メカニズムが決めるという意味では、全部自由にすればいいんですけれども、しかし、それはなかなか簡単にいかない。やはりそれぞれの懸念というのが当然出てくるわけでありまして、そこについては、まず一校から始めて、そしてその結果を見て、状況を判断して将来を考えていくという段階を踏んでいるということで、とりあえず一校ということであります。
○緒方委員 実際に、京都とか新潟からもこういう要望が上がっているというふうに聞いています。実際の今の告示を見てみますと、一校に限ると、「一校に限り」「申請されるものに限る。」というふうになっております。そもそも、これ自体がおかしいんじゃないかというふうに言っているんです。なぜ一校なんですか。
本当に山本大臣の言っていることが正しいのであれば、別に、少し幅を設けて、熟度が高まったところだけやればいいわけですよ。まさに、こういう一校になっているというのは、その一校に対して特別の便益を図ろうとしているのではないかというふうに聞いているんです。おかしいじゃないですか。
なぜ今回こういった、今治市から出てきたことは、それをよしとするかどうかはともかくとして、理解をいたします。しかし、ほかにも希望がある。確かに今治市は長くやってきた、十五回やって十五回はねられたけれども、今回ようやく指定された。それはそうなんでしょう。しかし、最近、平成二十五年、六年、そういったところで、京都、新潟、そういったところからも希望がある。であれば、山本大臣の理屈が全て正しいのであれば、そこは門戸を開くべきですよ。
しかし、告示に御丁寧に「一校に限り」というふうに書いてあるんです。これは、特定の団体に対して便宜を図る、もうまさにそのものじゃないですか。おかしいじゃないですか。
この「一校に限り」というのは、どういう意図をお持ちですか、大臣。
○山本(幸)国務大臣 特に便宜を図るなんという気持ちは、全く、毛頭ありません。
これは、先般の、医学部の新設を成田で認めましたけれども、そのときも、やはり慎重な意見もあるということを考慮して一校ということでやりました。その前例に従ったわけであります。
やはり、先ほどのお話にもありましたように、私の考えがそのまま全部通ればいいんですけれども、そう簡単にはもちろんいかないわけでありまして、そこは、農水省や文科省とのそういう調整の中で、全体の獣医師についての需要ということについて慎重な議論もございまして、成田の医学部の新設と同様、とりあえず一校でやってみようということになりました。
ただ、この点については、当然、将来のこともあり得るわけでありまして、需要状況を見ながら将来は考えていくことにしておりますが、いわゆる国家戦略特区というのは岩盤規制の突破口でありますから、今回、一校ということで始めておりますが、当然、状況によっては二校目、三校目ということもあり得る、これは総理も先般答弁されたとおりであります。
○緒方委員 農林水産省と文部科学省と調整した上で一校にしたと言いました。どういう調整でどういう認識だったんですか、文部科学省、農林水産省。
○義家副大臣 経緯については、先ほどからの繰り返しになりますが、まず諮問会議において、先端ライフサイエンス研究、感染症に係る水際対策等の獣医師が新たに取り組むべき具体的な需要に対応する必要がある旨の今治市からの提案を踏まえ、その必要性が二十八年十一月に認められたこと。また、農林水産省において、獣医師全体としての明確な供給不足は示されていないものの、獣医師の地域偏在及び職域偏在があり、産業動物獣医師の確保が困難な地域があるとの見解が示されたこと。この二点を踏まえて、広域的に獣医系養成大学が存在しない地域に限り、獣医学部の新設を可能とすることが認められた流れでございます。
我々としましては、これを受けて、内閣府及び農林水産省と検討を重ね、全体の獣医師の需給も踏まえ、一校限り新設を可能とするということで合意いたしまして、内閣府と文部科学省との共同告示に該当規定を盛り込んだところであります。
また、さらに言えば、先ほどの繰り返しになりますが、国際的な獣医学教育拠点形成、ライフサイエンスと公共獣医事に重点を置く獣医学教育拠点形成というのは、現在ある既存のものとは異なる、さらに踏み込んだものでございますので、こういったものについて、我々としましては、また、地域の獣医師の就職枠も設定するという応募の際の構想も伺っておりますので、これについては、これから上がってきたら厳正に審査して判断してまいりたいというふうに思っております。
○細田大臣政務官 今、義家副大臣から御答弁差し上げたとおりでございます。
○緒方委員 これから新設する獣医学部は既存のものとは違うんだという話がありました。そういう需要があるんだということでありました。
それであれば、別に、特区じゃなくて通常のルートでやればいいじゃないですか。特区でやる必要はないんですよ。そんなに需要があって、新しい需要がある、アドバンスだ、ライフサイエンスだ何だというのであれば、何も特区でやる必要はない、一校に限る必要はない、通常のルートで、文部科学省の告示を見直せばいいんですよ。文部科学省が新たな審査をしないと言っているのを見直せば、それで足りる話じゃないですか。
なぜ、今回、これを特区でやっているんですか、義家副大臣。
○義家副大臣 国家戦略特区法に基づく国家戦略特区会議の中で出されたものについて、上がってまいったものを内閣府それから農林水産省、文部科学省と議論をして進めているものでありまして、それを全て取っ払って自由にやってもいいですよという考え方は、我々にはございません。
○緒方委員 いやいや、新しい需要が生じていて、それに対応するために既存のものと違う獣医学部を整備することの重要性について認識をしたのであれば、当然、こんな特区に頼る必要はないわけですよ。通常のルートでやればいいじゃないですか。なぜこれを特区にして一校だけと。
まさに、特区というのは、特定の団体に対してツールとして便宜を図ることも可能なわけで、これは典型的なケースですよ。本当に今言っていることが正しいのであれば、特区なんかでやる必要は全くないはずであります。全くないです。
そして、山本大臣が言われたとおりです。自分の思うようになかなかいかないところがあると言われましたけれども、本当にその需要があるのであれば、マーケットメカニズムでやればいいじゃないですか。答弁が前段と後段で全然かみ合っていないんですよ。
新しい需要が生じている。それだったら、やればいい。けれども、それがなぜか、具体的な政策に落ちてくるときは一校に絞り込んでやる。おかしいじゃないですか。
では、これは義家副大臣にお伺いしたいと思います。
○義家副大臣 時代の変化に伴って、高等教育の研究というのはさまざま新しい課題があり、新しい分野にチャレンジしていくということの必要性を鑑みた上で、今回の提案について合意され、現在、提案が上がってくれば審議会において検討するという段になっている次第であります。
果たして、その需要がこれからどれだけ伸びていくのかということは現時点では予測できませんので、まずは一校をしっかりとつくった上で、仮に審議会が通ればですよ、条件が満たされて審議会が通って、一校が仮に新設された、その先でさらなる需要がふえた、これは足りなくて大変なことになったというならば、当然それは変化していってしかるべきものであるというふうに思っております。
○緒方委員 それでは、少し質問を進めたいと思います。
平成二十五年、構造改革特区の提案で、文部科学省は何と回答しているかというと、こういう獣医学部の設置については特区を用いて実現することは困難であるという回答をしています。
この認識は今でも共有しておられますか、副大臣。
○義家副大臣 委員も御存じの上でお話しされていることだと思っておりますが、構造改革特区法と国家戦略特区法では法律の趣旨が違ってございまして、構造改革特区は、当該の特性に応じて規制の特例措置を講ずることにより地域の活性化を図ることを目的とした仕組みであり、今治市からは、第十二次から第二十六次にかけて大学医学部の新設を求める提案がなされました。
これに対しまして、文部科学省としては、入学定員は、特区ではなく、獣医師全体の課題として対応すべきであるという理由で、特区ではない形で提案の実現に向けて対応を検討する旨を回答し、協議者会議を設けるなどして検討を行ってきたところであります。
一方、こうした中、平成二十七年六月、今治市から、産業の国際競争力を強化するとともに、国際的な経済活動の拠点を形成し、国民生活に寄与すること等を目的とする国家戦略特区として、新設を含む提案が行われたところであります。
国家戦略特区として研究が行われた会議においてこれが進められてきたということで、該当する法律が違っておりましたので、そういう理由となっております。
○緒方委員 構造改革特区のときも、最初から想定していたのは加計学園であります。そして、現在の提案主体も加計学園であります。
そして、広島と今治市でやっている、国際戦略総合特区といっていますが、総合特区の指定をされるや否や、すぐに今治市分科会をつくって、すぐに今治市の加計学園の話にフォーカスが当たっています。国際戦略総合特区といいながらも、リアルにその地域に物すごくフォーカスしているわけですよ。
いつ何どきであっても、構造改革特区であろうとも、国際戦略総合特区であろうとも、いつもその主体は加計学園であって、地域の思いをできるだけ育てていくという構造改革特区と国際戦略総合特区、単に看板のかけかえにすぎないわけですよ。看板のかけかえだけじゃないですか。それが突然、看板をかけかえたら全然問題ないですというのは、これは通用しないですよ。単なる看板のかけかえなんですよ。
特区でやれない、しかも、この特区の中には、構造改革特区とか何とか特区とか書いてないです。特区でこういうものをやることについては、これは適当でないと考えていると文部科学省は答えているじゃないですか。いかがですか、文部科学省。
○義家副大臣 今治市は、平成十九年から十五回にわたって獣医学部新設にかかわる構造改革特区提案を行っており、かねてより獣医学部新設の特例措置を希望してきたところでありまして、その提案内容に関するやりとりについても公開されてまいりました。
その後、平成二十七年六月には今治市から国家戦略特区の提案がありまして、区域指定がなされたことに伴い、現在のものが出てきたところであります。
平成二十八年十一月に国家戦略特区諮問会議において追加規制改革事項がまとめられたことから、内閣府と文部科学省で共同で告示を改正してきたところであります。
看板のかけかえではなくて、構造改革特区は地域の活性化、国家戦略特区というのは世界に通用する産業、規制を改革して世界に通用する、そういうものを育てていくという趣旨のものでありまして、別の法律で所管されているものでありますので、国家戦略諮問会議で出されたことをベースにして議論を進めてきたということであります。
○緒方委員 いや、まさにそれを看板のかけかえというんです。
構造改革特区で出していた主体が加計学園であって、それが、地域の特性としてはだめだ、けれども全国的な見地からというお題目さえつければ、それが今度はオーケーになる。別に何も変わっていないですよ。メニューだってそんなに変わらないですよ。やっていること、主体、全て同じであるにもかかわらず、看板をかけかえればオーケーになるという理屈は何ですか。単に法律が違うとか、そんなのは通用しないですよ。山本大臣、いかがですか。
○山本(幸)国務大臣 それは、構造改革特区と国家戦略特区の違いがあります。
構造改革特区というのは地域に注目して行われる特区でありまして、地域の課題を解決する、そういう意味合いが強かったわけであります。一方で、国家戦略特区は、むしろ、そのことによって全国的、国家的な意味合いを持つ、あるいは国際的な意味合いを持つ、そういう意味での規制改革を進めるという考え方ででき上がった国家戦略特区制度であります。
その中で、そういう意味では、今治市の提案というのは、構造改革特区でやっておりましたけれども、そこは文科省の方で、やはり全国的な見地から考える話なのでそれはなかなか難しい、そういう対応だったと思います。
一方で、国家戦略特区として今治市が指定されて、この獣医学部の新設ということを国家戦略特区の意味合いを持って上げてきたわけでありまして、それは、先ほど申し上げたように、先端ライフサイエンス研究とか、あるいは人獣共通の感染症対策とか、そういうことの意味合いが大きい、あるいは国際的な獣医学としての意味合いを持つということから認められるようになったということでありまして、構造改革特区と国家戦略特区の違いがそこにあるんだと思っております。
○緒方委員 最後に官房長官にお伺いをいたします。
本件、どう考えても仕組みがよくでき過ぎているように思います。この加計学園に対する特区につきまして、通常の行政プロセスとは違う政治家の関与というのはないということを確約できますでしょうか、官房長官。
○菅国務大臣 特区の指定、規制改革項目の追加、事業者の選定、いずれのプロセスも関係法令に基づいて適切に実施をされた、このように考えておりますので、そうしたものはないと断言いたします。
○緒方委員 質疑を終えさせていただきます。松本副大臣そして小林政務官その他、質疑できなかった皆様方には、おわびを申し上げたいと思います。
終えさせていただきます。ありがとうございました。
○秋元委員長 次に、辻元清美君。
○辻元委員 民進党の辻元清美です。
私は、泉健太議員が取り上げた総理夫人の問題、ちょっと一、二点確認をさせていただきます。
総理夫人が名誉会長を務める「私をスキーに連れてかなくても行くわよ」という、これは、この企画の顧問は安倍総理の大学の同級生ということですけれども、これまで過去三回、ことしは森友学園の問題が起こった後に夫人がスキーに何か行っているということで、ちょっと一部報道でも批判めいたことも出ておりましたが、去年、おととしと開かれております。
このイベントへの職員の同行はされたのか。そして、日当や超過勤務手当は支払われたのか。これは総理夫人の私的な行為か。いかがでしょうか。
○土生政府参考人 御説明をさせていただきます。
まず、事実関係でございますけれども、御指摘のスキーイベントでございますが、総理夫人の参加は政府が依頼したものではございませんので、私的な活動ということで承知をしているわけでございます。
平成二十七年二月、平成二十八年三月、さらに平成二十九年三月と、同様の私的な活動としてイベントが行われたということでございますけれども、内閣官房の職員につきましては、先ほど来御答弁申し上げておりますとおり、総理の公務遂行の補助に関する当面の活動に関する必要な連絡調整を行う、そうした公務の立場で同行をしたものというふうに承知を……(辻元委員「日当と超過勤務」と呼ぶ)同行したということでございます。
それから、御指摘の旅費につきましては、これは旅費法の対象になるものではございますけれども、こうした場合につきまして、一般的な職務命令ということは出ていたわけでございますけれども個別の旅行命令の手続はとられていなかったということでございますけれども、いずれにいたしましても、この三件に係る旅費につきましては、総理夫人の私的経費により負担をされたということでございます。
それから、委員御指摘の超過勤務手当についてでございます。土日の出張につきましては、一般論として申し上げますと対象となるわけでございますが、当然これは、用務に要した時間がどの程度であったのかということを十分に証明できる分について支払うということになるわけでございます。この三月の分につきましては、次の機会にそうした精査を経て支払う予定となっております。
それから、過去につきましては、委員の御指摘により改めて確認しましたところ、事務的な手違いによりまして支給をされていないということが確認をされたところでございます。同様に、用務に要した時間を十分に確認いたしまして、支給手続を進めてまいりたいと考えております。
○辻元委員 支給手続を進めると。
次に、同行した職員はスキーをしましたか。
○土生政府参考人 お答えいたします。
基本的には、執務に要した時間以外につきましては、別室において待機をしていたということでございます。
他方で、全くしていないかということになりますと、そういうこともあったというふうに聞いてございますけれども、用務に要した時間以外の時間で、土日でございますので、一定のそうした活動を行うということは必ずしも服務上の問題はないわけでございますが、他方で、超過勤務手当の支給という観点から見ますと、本当に業務に要した時間についてのみ支払うという考え方でございますので、その点につきましては精査して対応してまいりたいということでございます。
○辻元委員 いや、一緒に行って、菅官房長官、スキーもしているわけですよ。
このイベントは、安倍総理の友人の方が企画されています。安倍昭恵さんと行こうということで、数万円かかる企画なんですよね。私は、先ほどから公私混同の問題が出ていますね、職員も行って、この時間は安倍総理の夫人の用務、この時間はスキー、そんなことは通用しないと思いますよ。
ですから、先ほど研究するとおっしゃいましたけれども、私はここで、しっかりけじめをつけて、見直すということを、きょう官房長官、言われた方がいいですよ。もっと出てきますよ。いかがですか。
○菅国務大臣 まず、この実態でありますけれども、今辻元議員が言われた以外に、東北の観光を応援しよう、そういう思いもあったというふうに私は承知をしています。そして、同行した職員の旅費、宿泊費、これについては昭恵夫人の私費で支払われているということも承知をいたしております。
ただ、さまざまな問題が指摘されています。そして、総理夫人の取り扱いですけれども、これについては、公務の発令をしていませんので私人という形になっていますので、そこについてさまざまな問題がありますので、私に研究をさせていただきたいということを先ほど実は申し上げたところであります。
○辻元委員 次に、事実関係だけ、文科省、お願いします。
総理大臣夫人から特定の団体の企画への、特定の団体と申しますのは、全国高校未来会議への後援や大臣賞の付与のような働きかけが総理大臣夫人からあったかどうか、これはどうでしょう。
○義家副大臣 その事実はないと報告を受けております。
○辻元委員 次に、この企画は初めての企画ですけれども、総理大臣公邸を会場に使ったことはありますか。
○秋元委員長 誰に質問ですかね、総理大臣公邸。
○辻元委員 これは通告してあると思いますけれども、内閣官房ですかね。総理大臣公邸を使ってこのイベントをしたという事実はありますか。
○土生政府参考人 恐縮ですが、通告を受けておりません。私の認識としては受けておりません。その事実は確認しておりません。
○辻元委員 後で確認して報告をしてください。
これは、安倍総理の後援者の親戚の方が企画している団体で、そして、総理公邸でこのイベントを、珍しいことですよ、公邸で一つの団体がイベントをするということ。これも公私混同と言われかねません。確認して、きょうじゅうに私の方に知らせていただきたいと思います。公表したいと思います。
次に、財務省にお聞きします。
森友学園の問題で、昨日から報道されておりますが、大阪の松井知事が、当時、国からは、国有地の売り渡しを審議会に諮るため、府として小学校の認可の見込みを発表してくれと言われたとか、国の担当者が大阪府教育庁の私学課に何度も足を運んだと、あたかも財務省から言われて大阪府はやったととられかねない発言をしていますが、こういう事実、ありますか。
○中尾政府参考人 お答えいたします。
公的な用途で国有地を処分する場合には、まずは事業の許認可主体の判断が示されることが前提でございます。
このため、本件土地の処分に当たりましても、国有地の処分の前提として、大阪府の私学審議会の判断が必要でございました。
このため、私学審議会に向けた事務的な手続等を把握するために、近畿財務局は、事前に、私立小学校の許認可権者である大阪府に対して、学校設立の認可申請についての制度概要でございますとか、土地の公的取得等要望の制度や、本件土地について取得等要望が出ているとの事実、それぞれの審議会の手続等の内容の確認などは事務的に行っております。
しかしながら、あくまで事務的な情報交換でございまして、用地の事情を先行させて学校設立を要請するといったようなことはございません。
大阪府知事の御発言につきまして、詳細は承知をしておりませんけれども、近畿財務局から、国有財産近畿地方審議会で国有地の処分を確実に行えるということを伝えたり、国有地の売却を早く進めるために私学審議会の答申を出してほしいといった要請をすることはございません。
○辻元委員 きのうの松井知事の発言を確認していないんですか。これは、確認していないとすれば、ちょっと財務省として無責任じゃないですか。確認したかどうか、いかがですか。
○中尾政府参考人 私自身はニュースは見ておりませんでしたけれども、けさ、ニュースの記録を拝読はしております。
○辻元委員 ということは、財務省は、松井知事が事実と違うことを言っているという見解ですね。
○中尾政府参考人 前後の脈絡とか、必ずしも、不分明なところがございますので、詳細なコメントは差し控えたいと存じますけれども、いずれにいたしましても、この国有地の事務的な準備行為と、それから地方審議会を経て行う政策判断とは別物だということでございまして、あくまで私学審議会の判断が前提であったということでございます。
○辻元委員 前後の脈絡も含めて、私は今、全部持っております、ここに。お読みになりますか。はっきり言っていますよ。実際に、国からそういう形で府の私学課の方に何度も足を運ばれてすれば、じゃ、本当に国が売るんなら私学としてあり得ますよとか、国は親切やなと思ったとか、いろいろなことを言っているわけですよ。
否定するんだったら否定するで、はっきり否定された方がいいんじゃないですか。いかがですか。
○中尾政府参考人 お答えいたします。
昨日の報道で委員今御指摘のようなコメントがあったことは私も見ておりますけれども、いずれにしても、この真意について私はコメントを差し控えさせていただきたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、私学審議会の答申が出ることが前提でございましたので、事務的なやりとりを行った、ただ、それ以上のことではないということでございます。
○辻元委員 まるで、これは財務省、国交省、それから大阪府、登場人物というかパーツがあるわけですね、籠池氏の森友学園法人、みんな言うことが、それぞれ責任の押しつけ合いが始まっているんじゃないかと言われているわけですよ。ですから聞いているわけです。
もう一点伺います。
きのう、森友学園の塚本幼稚園の修了式がありました。お昼です。籠池理事長が修了式でこういうことをおっしゃっています。事件が勃発して身を隠していた。隠してくれと言われて、財務省の方から、姿を隠しといてくださいと言うから、おお、そうなんかと。俺は何にも悪いことしてへんけど、それだったら隠すかと、十日間雲隠れしていたと。
財務省から言われて身を隠していたという発言をしていますが、財務省、こういう事実はありますか。
○中尾政府参考人 お答えいたします。
御指摘の籠池理事長の発言につきましても、詳細な状況は明らかではございませんけれども、いずれにいたしましても、財務省から籠池理事長に対してそのようなことを述べたことはございません。
○辻元委員 きのうですよ。こんなんは慌てて確認せなあかんのちゃいますか。何してるんですか。何か思い当たることがあるから確認できないんじゃないですか。
きょうも、籠池理事長はもうすぐ記者会見しますよ。いろいろ確認されると思いますよ。だから、参考人招致をして、しっかりお互いの言い分を言い合ったらどうかと言っているわけですよ。
菅官房長官にお聞きします。
今、教育勅語の問題が出ていますね。実は、森友学園の小学院でも教育勅語を教育の基本に据えると言っているわけですよ。(発言する者あり)外野うるさい。
この教育勅語については何回も、官房長官、こっちを見てくださいね、衆議院や参議院で決議もあり、戦後教育体制を変えるということですから、排除の措置、それから効力を失効しているということを確認されていると思いますが、安倍内閣もこれを引き継いでいますね。確認だけですよ。
○菅国務大臣 教育勅語については、文部次官通牒の発出など戦後の諸改革の中で、これを教育の唯一の根本として神格化して取り扱うことなどが禁止されました。その後、憲法や教育基本法制定などによりその法制上の効力は喪失しており、現在においても同じように理解をしています。
○辻元委員 実は、稲田大臣は、虚偽答弁の問題も言われているんですが、この教育勅語を評価するような発言をしているわけですよ、官房長官。稲田大臣については私も、質問したら急に涙ぐんだり、答弁不能になって総理が割り込んだり、ごらんになっていましたでしょう、もう限界ですよ。南スーダンの問題でもそうですよ。
この教育勅語、安倍政権の方針と違う大臣が出たら、それは更迭ですね、もちろん。いかがですか。
○菅国務大臣 内閣の一員として、当然、内閣と同じ考え方で取り組まれる、こういうふうに思います。
○辻元委員 この教育勅語の核の部分はとても大事とかおっしゃっているわけですよ。これは、籠池さんが言っていることと同じようなことをおっしゃっていますよ。
そして、きのうの塚本幼稚園の修了式で、籠池さんの奥様、副園長さんですけれども、こうおっしゃっていますね。稲田朋美さんが国会で籠池さんを知らぬと言ったのにはちょっと頭にきた、だって、国会議員が国会でうそをついて、どうやって防衛大臣が国を守れるんですか。私、籠池さんの奥さんとこの部分、同じ意見なんですよ。
もう辞任させたらどうですか。もつと思いますか。いかがですか。
○菅国務大臣 いずれにしろ、稲田大臣につきましては、きのうの衆議院本会議で総理が答弁をしましたように、今後とも誠実に職務に当たっていただける、このように考えています。
○辻元委員 甘いと思いますよ。
これは、安倍昭恵さんの公私混同と稲田大臣が安倍政権のアキレス腱になるんじゃないですか。心配して、私は当選同期の菅さんにアドバイスしているんですよ。日本のために心配しているんです。日本のために心配しているんですよ。これから2プラス2にも行くんでしょう。いいんですかね。
最後に、菅官房長官にお聞きしたいと思います。
この森友事件をめぐる本件、豊中の国有地売却、小学校を建てようとしていた。菅さんはいつこの問題を知りましたか。
○菅国務大臣 明確な時期というのはよくわかりませんけれども、国会で問題になってからです。
○辻元委員 誰から説明を受けましたか。
○菅国務大臣 その経緯について、財務省と航空局だったと思います。
○辻元委員 この塚本幼稚園というものの存在は御存じでしたか。
○菅国務大臣 私は知りませんでした。
○辻元委員 登場人物とさっき申し上げましたけれども、菅官房長官は、大阪府の松井知事や橋下氏とよく会っていらっしゃいますね。これらの人たちと会っているときに、この森友学園のことについて話題に出たことはありますか。
○菅国務大臣 私は今、国会で問題になってから知りましたという話をしました。そうしたときに話題になったことはありません。
○辻元委員 いや、稲田大臣も最初は知らぬと言っていて、後から出てきて大問題になっていますので、あらかじめ聞いておきました。
最後にお聞きしたいと思いますが、安倍総理は、本件に関与していたら、総理大臣もそれから議員も辞職すると言っています。官房長官も、あらかじめ、関与していたとすれば、また虚偽の答弁などをしていたら、官房長官も議員も辞職するという、安倍総理と同じ立場ですね。最後に確認。
○菅国務大臣 私はそんなことは全くありませんので、発言はしません、どうするかということについては。私は全く、先ほど言ったとおりであります。
○辻元委員 全ての方々に確認していこうと思いますので、菅さんのことを心配して確認いたしました。
終わります。
○秋元委員長 次に、石崎徹君。
○石崎委員 自由民主党の石崎徹でございます。
本日は、貴重な質問の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。
本日は、結婚対策を含む少子化対策、そして働き方改革、子供の貧困、子供食堂を含む問題につきまして御質問させていただきたいと思います。
加藤大臣の大臣所信の御発言の中で、日本社会を根幹から揺るがしかねない少子化の危機を脱することは、待ったなしの課題であると指摘をされました。
そうした少子化の危機を打開するため、今、全国各地で結婚フォーラムなどの取り組みが行われております。加藤大臣もこちらに熱心に訪問されておられると聞いておりまして、先日も、東京都主催、小池百合子知事主催でございましたけれども、TOKYO縁結日二〇一七というイベントが開催されました。さまざまなこうした取り組みを行っておられますNPOですとか企業さん、そして、こうした有識者の講演会やパネルディスカッションが行われ、約三千人の方が訪れたということで、大盛況であったというふうに聞いております。
こうしたところに加藤大臣みずから出られて、その御感想なりをお伺いしたいと思います。
○加藤国務大臣 昨年の四月に、内閣府と東京都で結婚応援のための全国フォーラムというのをやりまして、有識者からいろいろお話を聞いたり、この問題に対する共有の認識をし、さらにこういったものを全国で展開していただきたいということで、現在二十七都道府県で開催をしていただき、その中の一つが、今御指摘があった三月四日のTOKYO縁結日二〇一七ということであります。
当日、三千人近い来場者があったということで、私もオープニングに出させていただきましたけれども、大変、座った席の倍ぐらいの方がその場におられました。
それからまた、いろいろと基調講演、トークショー、パネルディスカッション、さらにさまざまなブースが展開されていて、非常にいろいろな方々の関心が高まる、そういった形になっていたというふうに思っております。
このプログラムを通じて、結婚を希望する方々が一歩踏み出すきっかけに、またこうした結婚等に関する機運が高まっていくことにつながることを期待するとともに、特に東京の場合には、若い方、二十代、三十代の方が大変多いわけでありますので、この東京でこうしたイベントが開かれたというのは大変意義深いものがあったというふうに感じております。
○石崎委員 私も実際その現場に訪れましたけれども、若い方が本当に幸せそうな雰囲気で参加をされていて、本当にすばらしい取り組みだというふうに思います。内閣委員会の諸先生方の御地元でも、こうした婚活イベントというのは本当に数多く行われておりまして、これは自治体主催のものもございますし、また民間主催のものもございます。
きょうは資料を配らせていただきましたけれども、こちらの厚生労働白書の資料でございます。
少子化の原因はいろいろあるかというふうに思いますけれども、未婚化というのが、今、三人に一人が一生涯未婚ということに近づいているというふうに聞いております。この資料を見ていただいてもおわかりなんですけれども、独身である一番の理由が、適当な相手にめぐり会わないというのが一番の理由でございます。また、経済的な理由等もあるかというふうに思っておりまして、この経済的な理由につきましては、これは働き方改革にもかかわってくる重要な問題でありますので、後半の方に御質問させていただきたいと思います。
こうした厚労省の調査もそうでございますし、リクルートさんのブライダル総研の調査等でも、独身の理由は、出会いがないということがトップの理由で常に挙がっているところでございまして、こうしたところに国としてどういう処方箋、後押しをすることができるかというのは考えていく必要があるかというふうに思っております。
その点で、小池百合子都知事が議員でいらっしゃいましたときに、婚活・街コン推進議員連盟というものを立ち上げまして、私も今その事務局長を務めさせていただいております。新会長には三原じゅん子先生がついていただきまして、先日も三原先生の結婚式が盛大に行われたということでございます。今現在、五十名の議員でいろいろな取り組みを考えているわけでございます。
この議連の大きな成果の一つとして、きょうも資料につけさせていただきました、地域少子化対策強化交付金という交付金が誕生いたしたわけでございます。何年間か今やっているわけでございますけれども、資料にございますとおり、今年度も、これは加藤大臣の力強い後押しのおかげもございまして、本予算の中に五・七億円の予算が盛り込まれました。
当初、この交付金は、地域の活性化と少子化両方にとって効果がある、あとは、結婚だけではなくて、結婚、妊娠、出産、子育てまでの切れ目のないものを広範的に応援する基金として補正予算でずっと認められてきたわけでございます。
資料にございますとおりに、平成二十八年度の補正予算でも四十億円の予算がついておりまして、この足し上げた四十五億円、そして一番最後の資料にございます結婚新生活支援事業補助金ということで約十億円、これは、新婚世帯に対しまして、結婚に伴う新生活のスタートアップに係るコスト、すなわち新居の家賃、引っ越し費用等を支援する自治体を対象に国が支援をするということで、大体五十五億円の予算が、国全体の子育て関連の予算の中では少し小規模であるというふうな印象でございますけれども、ついているということでございます。
私の地元でも、この交付金一千八百三十万円を活用いたしまして、初めての子育て支援事業という事業が行われているところでございます。これは、結婚を希望する男女の出会いの創出、安心して妊娠、出産ができる支援体制の強化、子育て支援のより一層の充実、結婚、出産、子育てのライフデザインを考える機会の推進ということで地元でも行っておりまして、非常に助かっているところでございます。
また、去年度は、一千万円を活用いたしまして、中学生向け副読本の作成、配付事業を行いまして、妊娠、出産についての医学的に正しい知識などについて普及に努めたところでございます。こちらの価値観の強制というわけにはいきませんので、医学的にどういう知識をつけておけば、結婚に当たり、出産に当たり、正しい知識で臨めるのかという意味でも、これは、自治体がやる、国がやるということでは私は非常に重要なことであるというふうに思っております。
新潟県におきましても、これは泉田知事の時代でございましたけれども、「あなたの婚活」応援プロジェクトということで、こちらの資料にございます厚生労働白書のコラムにも取り上げられた自治体版の婚活支援ということでございます。先ほど申し上げましたけれども、全国のほとんどの自治体でこうした事業が行われているわけでございます。
その中でも、この地域少子化対策重点推進交付金の中で、ことしは横展開ということで、特に優良事例に対して国として予算をつけて応援をしていくということになっておりますが、先ほど申し上げましたとおり、加藤大臣の御地元の岡山県でもやっておりますし、全国でやっているわけでございます。
これは、繰り返しますが、結婚だけではなくて、出産、子育てと切れ目のない支援を応援するというものでございますが、この、補正予算と合わせて四十五億円という予算規模では、少々桁が一つ足りないのかなというような印象も持つわけでございますけれども、この予算の規模感につきまして大臣の所感をお伺いできればと思います。
○加藤国務大臣 地域少子化対策重点推進交付金では、地域の実情に応じて少子化対策の取り組みを行っている地方自治体を支援するということで、当初は少し幅広かったんですけれども、いろいろ、行政レビュー等、議論いただきまして、結婚支援の取り組み、結婚、妊娠、出産、乳児期を中心とする子育てに温かい社会づくりや機運の醸成に向けた取り組み、これを集約して支援するということにしておりまして、今委員御指摘のように、二十八年度補正で四十億円、そして二十九年度予算でも五・七億円、それ以外にも結婚新生活支援事業等も別途やらせていただいているところでございます。
全体として、これは全てを推進するというよりも、すぐれた取り組みをまずやっていただく、それを横展開していく、そういう趣旨でございますので、それにとっては必要な予算を確保しているというふうに思います。
実際、まだちょっと執行率が必ずしも一〇〇行っているわけではございません。したがって、新潟の取り組み、また岡山でも取り組んでいただいておりますけれども、こうした中身をよく理解いただいて、まずこれをうまく活用していただく、また、それがふえていくことになれば、またその段階で財政当局ともいろいろ御相談していきたいと思います。
○石崎委員 ありがとうございます。
ちょっと皆様のところにはお配りできなかったんですけれども、子育て支援パスポート事業というのもこうした内閣府の御支援で展開をされているところでございまして、これは、子育て世帯の方が協賛店舗にこのパスポートを提示いたしますと、割引がきいたり、いろいろなサービスが提供される、そういうようなすばらしいパスポートもこうしたところの中での応援であるというふうに思います。
まだこうした交付金ができてから間もない、本予算化してはことし初めてということでございますので、このあたり、優良事例に対しては引き続き国としてバックアップをしていく。だからこそ、加藤大臣が全国のところに、いろいろなところに御後援をしていただいているというその意義があるというふうに思っておりますので、どうか引き続き力強い御支援をよろしくお願い申し上げたいと思うわけでございます。
今のは自治体の取り組みのお話でございますけれども、民間の結婚相手紹介サービス業のいろいろな団体もございます。これは、仲人の会の方もいらっしゃいますし、また、ネットを使った婚活事業等、本当にいろいろな企業さんが全国にはあるわけでございまして、ある団体では、独自の認証制度みたいなものを設けて、認証を受けた企業は非常に効果の上がるような優良な取り組みを行っているというようなケースも、私もじかに聞いているところでございます。
地域の結婚支援、こういったものを推進していくためにも、質の担保された、そして継続的にしっかりと適正に取り組んでいる企業さんなどと連携して自治体も取り組んでいけば、非常に効果が上がるのではないかというふうに思っております。
この点で、地域の商工会議所等の団体、商工会、あるいは結婚支援に取り組む企業、NPO法人等の連携を含めた取り組みに対しまして、こうした内閣府のせっかくの、先ほど執行率がまだ一〇〇%ではないというお話がございました、こうしたところへの直接的な交付、支援、大臣としていかがお考えでしょうか。
○加藤国務大臣 今お話がありました結婚相手紹介サービス業等、さまざまな民間でも適用していただいております。また、商工会議所やさまざまな団体においても、独自にこうした出会いの機会を創出する等、結婚に対する機運の醸成に取り組んでいただいているところでございますが、大事なことは、それぞれの地域においてもいろいろ事情が違っているわけでありますので、地方自治体等において、やはり地域の企業、団体、大学、まさにさまざまな方々と連携してそうした取り組みをしていただくということが大事なんだろうというふうに思います。
また、全国知事会からも、企業、団体が地方自治体と連携して行う結婚支援の取り組みへの支援の必要性等が指摘をされているところでございます。
そういう意味では、私どもとしては、ちょっとくどいようになりますけれども、地方自治体が地域の実情に応じて企業、団体、大学等と連携して進めていく、それを応援していく、そういうことで、今、地方自治体を通じた形での取り組みへ支援をしているところでございます。
ただ、例えば、そうした支援の具体的な手法や実績を豊富に持つ民間企業が地方自治体と連携しながらやることは、当然、今回の支援スキームの中に取り組まれているというのは委員御承知のとおりであります。
○石崎委員 大臣、ありがとうございます。
御指摘いただきましたように、知事会からも要請等もございますし、それこそ、商工会、商工会議所では既に独自でこうした取り組みを行っているところも多々ございますので、どうか引き続き、加藤大臣、本当に情熱的に取り組まれていただいておりますこのテーマにつきまして、ぜひ後押しをしていただきたいと思うわけでございます。
そして、もう一つの未婚化の原因の一つでございます経済的な理由の面につきまして、働き方改革等含めて少し御質問させていただきたいと思うわけでございます。
若者の結婚、妊娠、出産、育児の経済的負担の軽減を図るための税制、予算だけではなくて税制も重要ではないかというように思っておりますが、今、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置というものが行われているところでございます。こうした税制の今の現状の活用状況につきまして確認をさせてください。内閣府。
○西崎政府参考人 信託協会が取りまとめている範囲での数字になりますけれども、この制度が創設された平成二十七年の四月から平成二十九年一月末までの一年十カ月間の実績を見ますと、信託契約件数で五千四十件、信託財産の設定額で百二十六億円となっております。
○石崎委員 ありがとうございます。
それなりに活用されているということでございます。
こちらは私の感想になるんですけれども、昨年末、夫婦控除等の議論が行われたわけでございます。こうした、結婚をすると、夫婦になるといろいろな控除等を受けられるんじゃないかというような期待感も、一部この議論の中で高まったのは事実でございます。このあたり、これからまた税、制度、社会保障制度全体として、これはいろいろな控除のあり方等も、大きな制度変更の中で、国として、いろいろな形で、夫婦でいる、家族を持つということへのインセンティブになるような制度というのをもっともっと考えていく必要があるのかなというふうに私は思っておりますし、個人的に、また引き続き取り組みを行ってまいりたいと思うところでございます。
少子化是正ということで、ワーク・ライフ・バランスの話に移りたいと思うんですけれども、二月二十四日、初めてプレミアムフライデーというものが行われたわけでございます。もともと、米国のブラックフライデー、黒字の金曜日ということで、消費を喚起する、ブラックで黒字というところ、そこから出てきたモデルであるというふうに聞いております。
ということで、消費の喚起という観点でありましたものですから、これは所管が経済産業省であるというふうに聞いておりますけれども、実際、大臣も働き方大臣ということで、プレミアムフライデー、百貨店に行かれたということでございますが、このあたり、御感想を少しお伺いできればと思います。
○加藤国務大臣 プレミアムフライデー、月末の金曜日に、日常よりも少し豊かな時間を過ごす取り組みということで、官民連携で実施をされ、産業界では経団連が、政府においては内閣人事局が旗振り役になったところでありますし、また、働き方改革実現会議においても、榊原会長からこの話の言及があり、安倍総理から、国民の理解をいただいて我々もできれば実施したいということで、たしか総理もそうした対応をされていたというふうに記憶をしております。
私も、二月二十四日の当日、新宿のデパートに行かせていただいて、いろいろとそこでやっておられるイベントに参加する形で時間を過ごさせていただきましたけれども、やはり、プレミアムフライデーなりこうした取り組みがある中で、ややもすると、ずっと仕事、仕事、仕事、しかも長くそうした人生を送っていると、何かそれがもう当然になるわけですが、そこに一つの時間が生まれる。では、その時間をどう使うのか、その辺から、自分の中に内在していたいろいろな思いが湧き出してくるというところもあったと思います。若い方々は、そこまで言わなくてもやりたいことがたくさんある。
まさに、そうしたきっかけの中で、今回のプレミアムフライデーは、消費の活性化と同時に、そうした自分のやりたいこと、仕事もあるかもしれません、仕事以外にやりたいこと、そういったことをもう一回自覚する、それを通じて、では、日ごろのワークとライフといいますか、例えば仕事とそれ以外の部分をどううまく振り分けていくのか、そういう意識が高まっていく、そのこと自体が働き方改革につながっていくというふうに思っております。
そういった流れが、この単にプレミアムフライデーという日だけではなくて、日々におけるそれぞれの方の働くことに対する取り組みにつながっていくことを期待しているところであります。
○石崎委員 加藤大臣、ありがとうございます。
今おっしゃっていただきましたように、消費の喚起以外にも、まさに意識を、いろいろな形、いい形で、働く以外の時間を認識していただくという意味でも非常に重要な取り組みであると思うんですけれども、ただ、残念ながら、私の田舎、地元では、ちょっとさすがに月末の金曜日の夕方はなかなかやはり早く帰るのは難しいんだよね、これは東京だけの取り組みなんじゃないかというような少し厳しい意見もいただいたところでございます。
一方で、ブラックマンデーという問題がございます。御存じだというふうに思うんですけれども、月曜日の午前中の自殺される方の発生率というのは、これはアメリカのデータ等も含めて考えても、非常に死亡データが出ているということでございまして、月曜日の朝も、午前中休むというのを選択制にしてほしいというような意見もいただきまして、調べましたら、公明党さんも、去年の参院選の公約でシャイニングマンデーというのを提唱されておられました。
そういった点でも、プレミアムフライデーと同様にこのシャイニングマンデーというのも非常に重要ではないかというふうに思っておりますので、地方の方では選択制にできないかというふうに思いますので、このあたり、経産省が旗振り役ということでございますので、簡潔にちょっとお伺いしたいと思います。
○小瀬政府参考人 お答え申し上げます。
このプレミアムフライデーの実施日程につきましては、それぞれの企業や地域で柔軟に設定できるようにしているところでございます。このため、月末金曜日を基本としつつも、御指摘のシャイニングマンデーにつながるような取り組みが今後出てくることも十分考えられるところでございます。
プレミアムフライデーをきっかけとして、企業や地域の創意工夫あふれる取り組みが展開されるところを期待しているところでございます。
○石崎委員 この点、もう少ししっかり検討していただいて、取り組んでいただきたいと思うわけでございます。
先ほど、大臣のお話の中で、若者のいろいろな意識改革にもつながっていくということでございまして、私は、これまでの議論を踏まえて考えまして、今、各地方で、Uターン、Iターンと絡めて、地方の観光需要を創出しながらも地方への定住、移住につながるような婚活支援、これをやっているところは結構多いんですね。
地元でも、農業コンということで、週末を利用して、一緒に田植えをして、稲刈りまで共同作業をして、東京の女性が新潟の田舎に嫁ぐ、農家の方に嫁ぐというような取り組みを行うわけでございます。
このあたり、プレミアムフライデーとかシャイニングマンデーを活用して、地方でこうした農業体験を行ったり、そこで付随的に出会いが出てくるとか、こういった取り組みも出てくるのも非常に重要な取り組みだというふうに思うんですけれども、大臣の簡単な御所見をいただきたいと思います。
○加藤国務大臣 さまざまな機会、プレミアムフライデー、シャイニングマンデー、あるいは、地域によっては、その地域の独特のお祭りの日とかイベントの日に有休を、みんなその日に集中して休みましょう、そんなことをされている自治体もあると承知をしておりますが、いずれにしても、そういった試みと今議員御指摘の出会いの場をつなげていく取り組み、そこに農業体験とかその地域ならではのそういった取り組みをしていく。さまざまな取り組みが進んでいけるように、我々としても、先ほどのさまざまな交付金の利用を促したり、あるいはそうした事例を横展開したり、しっかり取り組んでいきたいと思います。
○石崎委員 ありがとうございます。まさにその横展開の中で、そうしたところの観点で、ぜひいろいろと取り組みを行っていただきたいと思います。
私は、もう一つ、地方居住推進議員連盟というものも、今、事務局長を務めさせていただいておりまして、子育てしやすい環境、また都市と田舎の二地域居住というものも進んでいるところでございまして、田舎の方でテレワークができるということをこれからもっともっと進めていくべきではないかと思うわけでございます。
おじいちゃん、おばあちゃんがいる田舎で過ごすということでは、親の負担の面でも教育環境の面でも非常によいのではないかと思うわけでございまして、このあたり、今総務省の方でふるさとテレワーク事業というものを行っているということでございますので、意見でございますので、しっかり、地方で暮らせるそういう環境づくりに、引き続き、もっと本腰を入れて取り組んでいただきたいと思うわけでございます。
地方の方では、専業主婦世帯というのは非常に少ないわけでございまして、ほとんどが共働き世帯であります。お母さんが育児休暇に入りますと、お父さんが稼ぎ頭となるわけでございます。その点で、最近議論に上がってまいりました副業、兼業、これをもっともっと認めていったらいいんじゃないかという議論があるんですけれども、これは本当に、私は、共働き世帯が多い地方にとっては非常に進めていくべき課題、政策であるというふうに思っております。
このあたり、副業、兼業を初めといたしました柔軟な働き方が長時間労働にならないように気をつけながら推進をしていくべきであるというふうに思うんですけれども、副業、兼業についての大臣の所感をよろしくお願いいたします。
○加藤国務大臣 まず、我々が目指す社会の一つとして、一人一人の方がみずからのライフステージに合った仕事の仕方を選択できる、そういう社会をつくり上げていきたいと考えておりまして、そういった意味においては、今議員が御議論されたテレワークもそうでありますし、また兼業、副業もそういうふうに位置づけられるのではないかと思います。
兼業、副業を通して起業、業を起こす手段にしたり、あるいはオープンイノベーションであり、あるいは自分自身の働く力を磨いていく、いろいろな経験を通じることによって視野を広げていくということにも通じるというふうに思います。
現在の日本の場合、副業、兼業を認めている企業は決して多くない、むしろ少ないと言っていいんだろうと思っておりまして、その普及を図っていくことは重要だというふうに思います。
ただ、テレワークにしろ、兼業、副業にしろ、それが長時間労働となってしまったのではこれは本末転倒ということでございますから、労働時間管理をどうやっていくのかなども整理をしながら、三月末にまとめる予定の実行計画において、政策手段、ガイドラインの制定も含めて検討していきたいというふうに考えています。
○石崎委員 ありがとうございます。
三月末の提言に対してしっかり、こちらも盛り込まれていけることを心からお願い申し上げたいと思います。
また、育休後に復帰された女性の多くが非正規雇用で働いているという現実もございます。私の地元新潟を初めといたします北陸では、他の地域よりも共働き世帯の割合が多くて、そして非正規雇用で働く女性の方が多いというわけでございますので、このあたり、引き続き、大臣のもとで取り組まれておられます非正規雇用の待遇改善につきまして、女性の活躍という観点からもしっかりと進めていただければというふうに思います。
最後になるんですけれども、私の地元では子供食堂というものが非常に盛り上がっているというか、どの地域でもカバーするような形で今できております。
こうした子供食堂に通う御家庭ではシングルマザーのお母さんたちが多いんですけれども、シングルマザーのお母さんたちの声を聞くと、先ほどの話にちょっと関連しますが、国あるいは自治体の結婚支援というのは自分たちにとってもありがたい話なんだと。シングルマザーというところから改めてまた家庭をつくっていただくような、そのような後押しをしてもらえるということは、本当にそういった意味で家庭として自立していくことにつながるんだということで、こうした期待の声は、意外に埋もれている声かもしれませんけれども、ございます。
残念ながらまだ、一人親家庭の中で暮らしているお子さんたちは、コンビニで買ったお弁当、家にいてもひとりぼっちというような話の中で、こうした子供食堂がふえているというところなんだというふうに思うんですけれども、関係省庁に確認をいたしましたところ、この子供食堂にしっかり財政面で支援をするという体制がまだ整っていないと私は感じました。
その点で、政府として、働き方改革、女性活躍等、また一億総活躍というその観点からも、こうした子供食堂に対して今後ともしっかり支援をしていくべきだと思うんですけれども、加藤大臣の御所見、よろしくお願いいたします。
○加藤国務大臣 委員の地元、私の地元でも、子供食堂をやっていこうということで、取り組みが広がってきているというふうに思っております。
この子供食堂、三食においてしっかりとした食事がなかなかとれない、あるいは、一人親ということもあって夜一人で食事をせざるを得ない、そういった子供さん方に対する対応、さらには、大人等が交流ができる、こういったことを通じて居場所を提供したり、あるいは地域において困っている人のアンテナづくりと、さまざまな機能が期待をされているところであります。
内閣府としても、こうした子供食堂のノウハウの共有や先進事例の紹介等、関係者が行うこども食堂サミットとか、「広がれ、こども食堂の輪!」全国ツアー、こういった開催に当たって後援をする、あるいは担当者を派遣してさまざまな悩み、行政に対する要請を頂戴しているところでありますし、また、予算面等においては、子供の貧困対策マッチング・フォーラムとか、あるいは地域子供の未来応援交付金、こういったものの活用、さらに、厚生労働省においても一人親に対する支援をされているということであります。
こういった支援をうまく活用していただきながら、子供食堂のような、こうした草の根の支援活動が発展し、地域に根づいていけるように政府としても取り組んでいきたいと考えています。
○石崎委員 加藤大臣、ありがとうございます。
今御指摘いただきましたように、お年寄りとか地域でひとりぼっちになっている方々の居場所の場にもなっている、こうした子供食堂の支援を含めて、きょうは質問させていただきました。
結婚対策を含む少子化対策、働き方改革、そして、この子供食堂を含む子供の貧困対策等、しっかり進めていただいて、それが実現できてこその一億総活躍社会の実現だというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
本日は、まことにありがとうございました。
○秋元委員長 次に、神谷昇君。
○神谷委員 自民党の神谷昇でございます。
きょうは、こうして質問の機会をいただきまして、心から厚く御礼を申し上げます。
大臣、ニッポン一億総活躍プランを読ませていただいております。これは、あらゆる人々があらゆる場面において活躍する、いわば全員参加型の社会をつくろうというプランであります。
私は、それに加えまして、やはり、これからあらゆる差別をなくすことなど精神文化が花開いて、そして高度文明社会をつくろう、そしてまた、ユニバーサルデザインを基軸として超スマート社会をつくる、これらが合わさって理想の日本ができるのではないか。それに向かって、加藤大臣は日々、獅子奮迅の活躍をしていただきまして、心から敬意を表するところであります。
その中でも、GDP六百兆円、そしてまた希望出生率が一・八、これがメーンになってきておりますけれども、一・八を達成するために目標が一・八でいいのかという疑問を私は抱いております。
私も、過去いろいろな方と会いまして、リオ・オリンピックでシンクロで銅メダルをとりましたI氏でございますけれども、あの方といろいろとお話をさせていただきました。あの方は、常に金メダルを目指して目指して頑張る、しかしながら、銅メダルになったり銀メダルになったりする、ですから、銅を目指して銅がとれることはない、常に最高を目指して頑張るんだということをお聞きしたことを思い出しまして、今、二・〇七が日本の国民の数を維持できるというならば、私は、一・八というよりも二・〇七を目標にして頑張るべきではないかと言うんですけれども、その点のお考えをお示しください。
○加藤国務大臣 私の所信のときに申し上げたように、我が国の少子高齢化、人口減少というのは大変大きな課題だというふうに認識をしております。
そういう中で、ニッポン一億総活躍プランにおいて希望出生率一・八というのを挙げさせていただいたのは、一・八ということよりは、むしろその背景にある、結婚をしたいという若い方々の希望、結婚したときに何人子供を産みたいかという希望、まさにそうした希望が実現していける社会をつくっていきたいということで、希望出生率一・八というのを挙げさせていただいたところであります。
これを実現するためには、経済的な問題とか働き方の問題、あるいは仕事と子育てとの両立の問題、さまざまな問題を克服していく必要がありまして、ニッポン一億総活躍プランでも、働き方改革、あるいは保育の受け皿整備や保育士の処遇改善などなど具体的な政策を明示し、まさに今、それに取り組んでいるところでございます。
そういった努力の中で、まさに希望がかなう社会が実現をしていく、また、そうしたことを通じて、家族を持つことのすばらしさというものが実感として広がっていくということになれば、結婚をより希望していく人、あるいは希望する子供さんの数がふえていくということにもつながっていくんだろうと思います。
そういった中で、委員御指摘の、人口が維持できる水準、日本の場合は言われている合計特殊出生率二・〇七といったことも視野に入ってくるのではないかな、こういうふうに考えております。
○神谷委員 ありがとうございます。
合計特殊出生率の戦後の推移を見ておりますと、戦後、第一次ベビーブームが昭和二十二年から四年でございまして、これは四を超えておりました。それがずっと下がってきまして、どんどん下がる中で、戦後の第二次ベビーブーム、昭和四十六年から四十九年、これでぐっと上がりました。しかし、またずっと下がってきまして、何と平成十七年には一・二六と過去最低を記録しました。
このときの東京都の出生率を見ますと、一・〇です。そうしますと、東京といいますのは日本の人口の一割強を持っておりますから、いわば大都市が低くなると日本全体も低くなる、これが上がってくると日本も上がってくる。
そうしますと、東京、大阪とかそういう大都市圏のいわば出生率を上げるということが極めて重要でありまして、これにつきまして、全国の知事会あるいは市町村会とかいろいろな場面で、地方自治体の首長さんにひとつまた大臣の方からお願いをしていただきたいというふうに思っているところであります。
ただ、数合わせだけとは違いまして、今大臣が家族のよさということをおっしゃられました。
この月曜日に福島第一原発を視察してまいりました。多くの方々があの大震災で亡くなられたわけでございまして、亡くなられた方々に心からの御冥福を改めて申し上げるとともに、被災された皆さん方に心からお見舞いを申し上げたいと思っております。
その中で、福島県は、先週のテレビを見ておりますと、いわば道徳教育資料「絆」、これをつくって、きずなを高めようとしております。
きずなといいますと、夫婦のきずな、そして家族のきずな、そして学校、地域、そして日本の国民のきずな、いろいろとあるわけでございます。
私でございますけれども、私の家は男の子と女の子と一人ずつです。一年半しか年が離れていませんから、小さいときによくけんかしまして、男の子が女の子をどつき回すわけです。そうすると、女の子がお父さんと来て、今はそんなことありませんけれども、そうして近寄ってきました。こんなけんかばかりしていて将来不安やなというふうに思っていたんですが、今は三十五と三十七で、仲よくして、兄貴の方がこのごろ妹を頼っておりまして、それはいいのかなと思いまして、非常にきずなができてきたわけであります。
ところが、私も過去に習字を教えていたときがありまして、大体、教えていますと一人っ子というのはわかるんですよ、大臣。あるときも、何々ちゃん、兄弟とか姉妹はいてるんかと聞きましたら、いや、私一人と言って、あんたは、そうしたら誰のために勉強しているのと聞きますと、お母さん、こう言うんですよ。まあ、何とものんびりしているんですね。そうしますと、うちらは兄弟がけんかしながら競争力とか忍耐力を養ったんですが、どうもお一人の場合はそれが涵養されるのかな、ちょっと将来が不安になりました。
そういうふうになりますと、やはり今フランスが多子家庭の社会をつくろうとして頑張っておりますけれども、こういう家族そしてきずな、もう一度これについて大臣から詳しく御答弁をいただきたいと思います。
○加藤国務大臣 我が家も子供四人、今おりまして、なかなか、親子の関係それから子供同士の関係を見ているといろいろ感じるところはございます。ただ、子供の数のみならず、それぞれ御家庭、いろいろな事情があるので、何がよくて何が悪いかというのは一概に私は言えないんだろうなというふうに思います。
ただ、日本において、四三・五%の御夫婦が、理想の子供の数として三人以上ということを言っておられるんですね。そこには、何かそうやって、やはりたくさん家族がいると楽しいんじゃないかとか、そういったこともあるんだろうと思います。ただ、残念ながら、経済的な、例えばなかなか家が狭いとか、部屋が確保できない、そんなことが第三子を持てない最大の理由になっているところであります。
政府としても、児童手当制度における第三子以降の子供に係る手当額を加算するなどなど、いろいろな事業を進めているところでありますけれども、引き続き、全ての子育て世帯を応援していくというのは基本的な姿勢でありますけれども、三人以上の子供を持ちたいという希望が実現できる環境を整備していく、そのためにも、多子世帯の負担軽減、あるいは社会全体で多子世帯に対する配慮ですね、子供はやはり二人、三人いるとなかなか大変でありまして、外に出るときもいろいろな方のサポートも要ります、そういったことも含めて取り組んでいきたいと考えております。
〔委員長退席、松本(文)委員長代理着席〕
○神谷委員 実は、私も三人欲しかったんですが、若いころ選挙に明け暮れておりまして、二人しかなかったんですけれども、今はちょっとそういう後悔の念があります。
日本は、今申し上げたように、合計特殊出生率が低迷しておりまして、そうすると、世界を見ておりますと、その特殊出生率を上げてきたという国はフランスとスウェーデンがあるかというふうに思っております。
フランスは、一九九三年、平成五年には一・六六に低下をし、二〇一〇年、平成二十二年に二・〇に回復をしております。スウェーデンでは、一九九九年、平成十一年に一・五で、二〇一〇年、平成二十二年に一・九八と向上をしております。
両国に共通しておりますのは、まず、経済的給付が行われたこと、二番目に、保育サービスが行われたこと、そして三番目には、出産、育児と就労両立支援策をとって向上させている点であります。
フランスでは、全ての子供の育児を社会全体で支援するという哲学のもとに、職業と家庭のバランスを個人が自由に選択できることを重要視し、女性が仕事を続けながら子を持つという家族強化を掲げておりまして、そして、両性が育児をともに担うという制度改革をしております。その中身は、第三子出産優遇策、保育学校の無償化、父親の出産休暇、多子世帯への減税、年金制度上の優遇、妊娠と出産に関する医療費の給付、育児分担手当などでございます。
言いますと、日本でもかなり最近は充実してきておりますけれども、これでもかと言えるぐらいの政策を展開して、やっとこさ合計特殊出生率を二に持ってきたということでありますが、これについての大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○加藤国務大臣 今、委員から、フランスやスウェーデンの例のお話がありました。
フランスも一・六六まで低下、でも、今の日本よりはるかに高い水準ではありますけれども、それが直近では一・九八ということでございます。
フランスの家族政策を見てまいりますと、最初のころは家族手当等の経済的支援が中心であったわけでありますけれども、一九九〇年代以降、保育の充実へのシフト、また、出産、子育てと就労に関して幅広い選択ができるような環境整備、いわゆる両立支援、こういったことを強化する方向で進められてきたものがこうした回復にもつながったのではないかなというふうに思います。
国民的な負担率も、社会や文化も両国では違いがあるわけで、単純には議論できないとは思いますけれども、ただ、こうした出生率を回復したフランスの経験というものも我々は参考にしながら、どういった分野について、より少子化対策の充実が必要なのか、そういったことを不断に検討していきたいと思います。
○神谷委員 ありがとうございます。
フランスと日本では消費税率が倍以上違いますから、これを認識しながら若干お願いをしているわけであります。
我が国では、現在、出生率が一・四五であります。核家族化が進み、妊娠や出産、育児に悩む女性が大幅に増加をしております。妊娠するまでは一緒に子づくりに頑張るけれども、妊娠すればあなた一人でというような無責任な夫では困るわけであります。夫の思いやりがあって、夫婦一心同体となって妊娠、出産、育児に取り組むべきであります。
フランスでは育児分担がなされておりまして、父親が休暇するときに、有給で十一日間、そして、子を家庭に迎え入れるために有給で三日間、十四日であります。日本の倍ほどあるわけですね。
それと、育児分担手当が、子供が一人の場合は、一歳になるまで親それぞれ六カ月間まで、子が二人以降は、末の子が三歳になるまで親それぞれ二十四カ月間です。三つ子以上の場合は、六歳になるまで親それぞれ四十八カ月間。手厚いな、びっくりするぐらいであります。
我が国に目を向けますと、国家公務員の場合、有給、配偶者出産休暇二日の取得率は七三・一%、育児参加休暇五日の取得率は四三・五%であります。無給の育児休業につきましては五・五%、平成二十七年度。これが、平成三十二年度、目標一三%。日本の夫の皆さん、ちょっとひどいんじゃないですか。
民間ではさらに低く、女性が国家公務員一〇〇%に対して八一・五%しかとられていない。男性は二・六五%です。余りにもこの格差があり過ぎるのではないかと思うんですけれども、大臣の御所見はいかがでしょうか。
○加藤国務大臣 今の数字、また、日本と諸外国を比べて、男性の家事や育児に参加する時間というのも明らかに少なくなっているわけであります。
そういった意味で、さまざまな休暇制度をつくったりとか、そういった施策を展開すると同時に、制度をつくってもそれが取得できなければ絵に描いた餅になるわけでありますから、そういった意味では、企業、特にトップの方々がやはりこういったことに対する取り組みをいろいろとしていただくということが非常に重要だということで、よくイクボス宣言とか、さまざまな形を展開させていただいているところでございます。
また、実際、夫が家事、育児にしっかり取り組んでいると二子以降の出生割合が高いという傾向も指摘をされているわけであります。したがって、そうした制度がしっかり利用できるようにするということ、それから、やはり最大の問題は長時間労働でありますから、この是正に向けてしっかり取り組ませていただきたいというふうに思います。
○神谷委員 ありがとうございます。
私の長男が生まれたときは逆子でございまして、私も実は逆子でございまして、私が生まれたときは家の中で産婆さんに取り出していただきました。その逆子を、最近では、いわばバルーンを膣内に入れたり、三日ほど、すごいことをしておりまして、それを見まして、いや、私、男ではとても我慢できないな、男でよかったなとそのとき思いました。それほど女性は、出産するときに、まさに命をかけて頑張っている。
ところが、日本の男性の実態を見ますと、まあ気楽なものですね。私は、この辺、やはり夫がもう少し妊娠、出産、育児に力を入れて、いわば夫婦で力を合わせていく、この体制ができなければ一・八を実現することは難しいと思っていまして、大臣、またいろいろな場面で、閣議のときでも、省庁全体でこういうことを推進しようということを、もうやっていただいていると思いますけれども、さらに進めていただきたいというふうに思っておるところであります。
それでまた、フランスでは、さらに育児の保育、例えば二歳から六歳未満の公立保育学校は無償であります。とにかく何でもかんでも給付されている。我が国でも、保育所、幼稚園、認定こども園無償化に向けてスタートしておりますけれども、いわば無償化できるまでどのようなテンポで展開していくのか、その辺をお聞きしたいというふうに思います。
○西崎政府参考人 子ども・子育て支援新制度における保育料負担の軽減につきましては、平成二十五年の幼児教育無償化に関する関係閣僚・与党実務者連絡会議において定められた基本方向などに基づきまして、平成二十六年度以降の予算において、幼児教育の無償化に向けた段階的取り組みを進めてきたところでございます。
平成二十九年度の予算案におきましても、市町村民税非課税世帯について第二子を無償化するとともに、年収三百六十万円未満相当世帯の保育料負担軽減として、一人親世帯等の保護者負担の軽減措置をさらに拡充すること等としておりまして、それぞれ所要の経費を計上したところでございます。
引き続き、財源を確保しながら、幼児教育無償化の段階的推進に可能な限り取り組んでまいりたいと考えております。
○神谷委員 ありがとうございます。
先ほども申し上げましたように、フランスとかスウェーデンの消費税率とは全く違うわけですから、同じテンポで同じ額を出せとは私は思いませんけれども、しかし、一・八を標榜する限り、できるだけ努力をしていただきたいというふうに、そしてまた頑張っていただきたいというふうに思っております。
また、次に、フランスでは給付されていることを取り上げていますけれども、妊娠時、そして不妊治療、これらを取り巻く環境について、今、現状はどうなっているでしょうか。
○吉本政府参考人 お答えいたします。
まず、妊娠中の妊婦の方に対する健康管理、健康診査でございますが、その費用につきましては、平成十年度から段階的に地方交付税措置を講じてきておりまして、平成二十五年度からは十四回分の費用全部が地方交付税措置されているところでございます。
毎年、各自治体における実施状況を調査しておりますけれども、一昨年の四月現在の調査結果によりますと、全ての市区町村におきまして、この受診回数十四回程度を超える公費負担が行われているところでございます。
それから、もう一つのお尋ねの不妊治療でございますが、これにつきましては、かねてより経済的な支援をしてきているところでございまして、現行の制度におきましては、医療保険が適用されず高額な治療費がかかってまいります体外受精、顕微授精につきまして、一回の十五万円、最大六回までという補助をしておりまして、特に平成二十七年の補正によりまして、初回につきましては三十万円、また、男性に対しても一回十五万円の助成ができるよう、そういう仕組みに改善をしたところでございます。
○神谷委員 ありがとうございます。
妊娠時における補助につきましては、かなり手厚くなりましたね。ありがとうございます。
ただ、不妊治療の補助は、いろいろ聞いておりますと、要る費用のまだ三分の一程度だったというふうに聞いております。これをできるだけ上げていって、不妊治療がなされて、そしてお子様が生まれる、そういうことを期待しております。
今、全国の都道府県、乳幼児医療の助成がなされております。ところが、例えば、都道府県がばらばらでありながらも、各市町村におきましては、やはり地方になりますと、選挙もありまして、隣近所のを見ますと、財政状況が悪くてもやむなしにこれを引き上げているところがあるわけであります。
例えば、大阪府を見ておりますと、大阪府自身は、乳幼児医療は就学前の補助であります。ところが、市内の市町村では、やはり、府を飛び越えて、十五歳年度末まで、あるいは十二歳、九歳、就学前と分かれてきているんですね。
福島県はどうかと見ますと、何とこれは十八歳年度末、飛び抜けているんですね。
東京はといいますと、東京を初めとする五団体が十五歳年度末、まあまあ立派な成績ですね。ところが、ほかの三十二団体が、就学前あるいは就学前まで、こうなっているんですね。物すごくばらつきがある。
福島県におりますと十八歳年度末まで、あるところに行くとそれ。そうすると、その差を市町村が持たなければいけないという現実になっております。この格差があれば、あらゆる場で誰もが活躍できる全員参加型の社会をつくるということにちょっと外れてきているのではないかというふうに思っています。
その辺の見解と、これがこれだけ離れているわけですから、何か財政力指数によって交付税措置をして、この都道府県のばらつきを縮めるというふうなことはできないのかどうか、ちょっとお尋ねしたいと思います。
○吉本政府参考人 子供の医療費についてでございますけれども、小学校入学前の子供につきましては、医療保険の自己負担を三割から二割に軽減しておりまして、また、未熟児、特定の慢性的な疾病を抱える子供の医療費については、さらに自己負担の一部を公費で助成しておりまして、さらにこれに加えまして、ただいま御指摘のございました自治体独自で助成する制度が行われているというふうに承知をしております。
これらの施策に加えまして、国といたしましてさらなる支援をしていくということにつきましては、現下の財政状況でありますとか、他の子ども・子育て関連施策との均衡等を勘案いたしますと、課題があるものではないかというふうに考えているところでございます。
○神谷委員 ありがとうございます。ひとつ、また一層進めていただきたいと思います。
子供を産むとなりますと、産科医が必要でございます。そしてまた小児科医も必要でございます。今、全国的に見ますと、産科医、小児科医が全国的に偏在しておりまして、産科医のいない医療圏があるとも聞いております。
今から十年ぐらい前でございますけれども、周産期、過疎、救急、この三つの医療について特段に取り組みがなされてきたというふうに思っております。私も当時は市長でございまして、周産期母子医療センター構築に手を挙げさせていただきまして、平成二十一年九月に竣工をさせたわけでございますけれども、そういうことで、全国的にこういう取り組みがなされてきたと思いますが、その成果はどうなっているのか。
そしてまた、以前は、産科医と小児科医はリスクが高いということで、なり手がなかった。それで、いわば無過失補償制度が一部導入された。それが非常に有効であると思いますけれども、その無過失補償制度が、我が国と外国の差はどのぐらいあるのか、あわせてお聞きしたいと思います。
〔松本(文)委員長代理退席、委員長着席〕
○椎葉政府参考人 お答えさせていただきます。
まず、議員御指摘の、諸外国で運営されておる無過失補償制度でございますけれども、例えばフランスでは、過失がなく一定の労働不能それから障害が発生した場合を対象として、職域保険の管理運営機構である疾病保険金庫からの交付金を財源とした補償がございます。また一方、スウェーデンにおきましては、過失の有無を問わず、十分な経験を積みました医師であれば回避することができた障害を対象として、地方公共団体からの拠出金を財源とした補償などがございまして、こうした補償対象の範囲それから財源などについて、さまざまな考え方に基づいて制度化されているということを承知しているところでございます。
一方、我が国でございますけれども、事故原因の分析を通して産科医療の質の向上それから紛争の早期解決を目的として、平成二十一年から、分娩に関連して発症した重度脳性麻痺を対象として、医療保険者から拠出される出産育児一時金等を財源とした産科医療補償制度の運営が、日本医療機能評価機構のもと開始されていると承知しておりまして、その結果、産婦人科医の訴訟件数の減少それから産婦人科医師の増加などに一定程度寄与しているとの評価が得られているところでございます。
また、医師確保対策ということで、産科医や小児科医につきまして、地域枠を設けまして定員の増加など、それから基金を設けまして、分娩の、NICUに対する補助でありますとか施設整備費に対する財政支援を行っているところでございます。
こうした取り組みのもとで、産科医、小児科医の数は増加に転じているというところでございます。
○神谷委員 ありがとうございます。
無過失補償制度、やはりフランスの方がかなり進んでおりますよね。日本では、正常分娩で三十二週、千四百グラム以上の胎児が生まれて脳性麻痺になると補償がきくということで、それ以外きかない。そうしますと、学会からは、もうちょっと脳性麻痺全般に広げてくださいよと。
あるいは、母体も亡くなるときがあるんですよ、原因不明で。そしてまた、私も経験しておるんですが、二日目に、元気であったお子様がころっと亡くなるんですよ。いろいろなケースがあるわけです。それにやはり補償制度を広げていくことが、より産科医がふえ、小児科医がふえ、そしてまた外科医も安心して腕を振るえる。誰もミスしようと思って手術なんかしませんよ。そのための補償制度ではありませんか。その補償制度の拡大を強く要望したいと思っております。
それと、最近はネット社会でございます。ネットの中でいろいろな情報が飛び交っております。性についても興味本位のいろいろな情報が飛び交っている中で、やはり教育の中できっちりと性を教育する、そして妊娠、出産についても教えていく。
特に、女性は小学生高学年で初潮を迎えて、肉体的にも大人同様になる子供さんもおるわけであります。ですから、早い段階で、これらの間違った情報が入るんじゃなくして、学校教育の中で、性について、そして出産について、そしてまた育児についていろいろ教えていく。
そして、最近は、梅毒とか性感染症が非常に増加している。ですから、こういうことについても早い段階で教えていく、こういうことが必要ではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
学校における性に関する指導は、学習指導要領に基づきまして、児童生徒が性に関して正しく理解し適切に行動をとれるようにすることを目的に実施されており、体育科、保健体育科あるいは特別活動を初めとして、学校教育活動全体を通じて指導することとしております。
また、指導に当たりましては、発達段階を踏まえること、学校全体で共通理解を図ること、保護者の理解を得ることに配慮するとともに、個々の児童生徒間で発達の差異が大きいことから、集団で一律に指導する内容と、個々の児童生徒の抱える問題に応じ個別に指導する内容を区別して指導することとしています。
こうしたことを踏まえまして、小中学校において、発達段階を踏まえた適切な性に関する指導を実施するとともに、妊娠、出産に関し、現行の指導要領に基づきまして、高等学校の保健体育科において、生涯にわたって健康を保持増進するには、生涯の各段階の健康課題に応じた健康管理や環境づくりが重要であることを理解できるようにすることとし、その内容として、受精、妊娠、出産とそれに伴う健康課題、家族計画の意義、人工妊娠中絶の心身への影響などについても取り扱うこととしております。
また、御指摘のありました性感染症を含めた感染症につきましては、中学校の保健体育科におきまして、その感染経路や予防方法などにつきましても理解できるようにすることとしております。
さらに、最近の梅毒等の性感染症の増加を踏まえまして、妊娠、出産等を含みます健康問題を総合的に解説しました文部科学省作成の高校用の啓発教材の中で、梅毒等の性感染症の内容を充実させたところであり、引き続き、こうしたものも活用しながら、指導の充実が図られるよう支援してまいりたいと考えております。
○神谷委員 誠意ある御答弁、まことにありがとうございました。
これからも、加藤大臣初め皆さん方の御活躍を心から御祈念申し上げます。
ありがとうございました。
○秋元委員長 次に、濱村進君。
○濱村委員 公明党の濱村進でございます。
きょうは、大臣所信ということで、石原大臣にお越しをいただきました。
大臣とは、私、二〇一五年の四月末から五月頭にかけて日・EU議員会議に御一緒させていただいたところで、横にいらっしゃる平井先生も一緒に行ったわけでございます。これはさまざま、議員間同士でいろいろと話をするというような場でございましたが、当時、日・EU間のEPAについて私もお話をさせていただいたわけでございます。
そのとき以来ずっと、必要だなと。TPPもそうでございますけれども、自由貿易を進めていく環境というのは日本にとって非常に重要であるということは変わらないというふうに思うわけでございますが、これはなぜなのかということを考えますと、日本は非常に、GDPに比較すれば輸出が少ないというふうに思っているところでございます。
これは、理由の一つに、人口が日本国内に一億以上いて、国内に需要があったから。であるがゆえに、輸出しなくてもそれなりにやってこられた、これがこれまでの日本だったのかなというふうに思うわけでございますが、これからは人口減少社会でございますので、しっかりとこのあたり、国外に需要を求めていかなければいけないというふうにも考えるわけでございます。
昨年の臨時会の大臣所信のときも質問させていただいたんですが、そのときは加藤大臣に、生産性向上についてお話を、意見交換をさせていただいた。そこで申し上げたのは、就労人口は減っていく、なんだけれども、GDPを維持できるのであれば生産性は上がりますねというようなお話でございました。違う言い方をしますと、GDPを上げるには就労人口をふやすということも大事ですよね、一方で、生産性を上げることの方がより大事なんじゃないでしょうかというお話をさせていただいたということでございます。
今、日本の生産性を見ますと、これはIMFによればですけれども、世界で二十七位。先進国では最下位なんです。決して生産性がいい国とは言えないわけですね。これをいかに上げていくのか、非常に重要でありますし、一人当たり輸出額も四十四位、非常に低いというわけでございます。
これを、低い低い、残念だじゃなくて、伸び代があるんだというふうに私は思うわけでございますが、成長戦略においても、一人当たりGDPや輸出額の向上、これをぜひ意識して取り組んでいただきたいということを大臣にお願いを申し上げるわけでございます。
その上で、総理を議長といたしまして、石原大臣を副議長とした未来投資会議がございます。この未来投資会議における議論の全体像と、そこで議論をされておられます新たな医療・介護システムの構築について、関係性や位置づけについて、大臣に確認したいと思います。
○石原国務大臣 今、濱村委員が御指摘されましたとおり、未来投資会議で昨年来、イノベーションとその社会実装、社会に実際に、自分たちの利益になるように使えるようにするということで、あらゆる面で快適で豊かに生活できる、超スマート社会というんでしょうか、ソサエティー五・〇という言い方をさせていただいておりますけれども、それを目指す考えを表明させていただいております。
その中で、今、生産性のお話がございましたけれども、やはり建設現場の生産性をどうやって上げていくか、就業人口、建設業に従事する方々が減っていく中でも事業量をしっかりと確保し、工事の期間を長くすることなくやっていく、あるいはさまざまなインフラデータの民間開放、コーポレートガバナンス改革、いろいろな成長戦略の司令塔として、未来投資会議で御議論をいただいてきております。
そんな中で、今御質問いただきました医療・介護分野でございます。
これは当然、医療・介護分野というのは、日本が、生産年齢人口が減って高齢化が進んでいる、世界の各国がまたこの日本の経験を経験していくという上で、そういう意味では我々がトップランナーでありますけれども、そういう問題に伴う介護人材の不足や、あるいは医療・介護費の急増といった課題をどうやって克服していくのか。それをやっていく上には、委員が御指摘なされたようなさまざまな分野での生産性の向上、そのキーとなるのはやはりイノベーションだと思っております。イノベーションを通じて社会を進化させていく。
医療・介護分野についての集中論議でございますけれども、そこでは、これまでレセプトや電子カルテなどに蓄積されました医療・介護データを活用して、医療の分野においては個人の健康状態に応じた予防や健康管理を重視していくこと、あるいは介護分野におきましては、介助中心から自立支援中心へシフトして、要介護度の改善や在宅復帰につなげていくことによりまして、新たな医療・介護システムを構築していくことというような二つの大きな方向性を打ち出させていただいたわけでございます。
その際、厚労委員会で、また予算委員会等々で塩崎大臣がお話しされておりますけれども、ICT、AI等を活用した医療、介護のパラダイムシフトに向けまして、工程表も未来投資会議でお示しをいただいたところでございます。
これから、未来投資会議におきまして、厚生労働省を初めとする関係省庁とさらに徹底的に議論をさせていただきまして、その成果というものを、年央に公表いたします成長戦略において具体的にお示ししたいと思っております。それを見ていただきまして、皆様、また濱村委員とも議論を深めてまいりたい、こんなふうに考えているところでございます。
○濱村委員 年央の成長戦略、非常に期待をしております。
今大臣からも付言いただきましたICT、AI等を活用した医療、介護のパラダイムシフト、工程表ですね、これを皆さんにもきょう資料としてお配りさせていただいております。ちょっと印刷が汚くて申しわけないんですが、実はこれは、もともと、一枚目に出されておりますのが、昨年十一月に塩崎厚生労働大臣から出された第二回未来投資会議における工程表でございます。二枚目につけておりますのが、健康・医療戦略室から出されております新たな工程表でございます。
これは何が違うかというと、真ん中に、認定匿名加工医療情報作成事業者の実現というものが入ってきている。真ん中というのは、一番下の緑のエリアのところの真ん中ですね。ここに新たなものがある。これが次世代医療基盤法でやる話なんだろうというふうに認識をしているわけでございます。
さまざま、先ほど大臣からも、レセプトのデータであるとかカルテのデータであるとかいろいろな医療データがあるわけでございますが、今回のこの次世代医療基盤法で出すようなデータというのは一体、では、どのような性質のデータになるのかとかというものを、少し、きょうは質問の中で整理できればというふうに思っております。
ここでまずお伺いしたいのは、この工程表の中にあります赤い部分、AIを用いた診療支援とありますが、このAI診療について、現時点でどのように実施されているのか、状況を確認いたします。
○宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。
保健医療分野等におけます人工知能の活用につきましては、個々の患者さんのニーズにきめ細かく応えるサービスの提供や生産性の向上を可能にするなど、これまでにない新たな価値の創造を実現することから重要であると考えております。
このため、厚生労働省では、平成二十八年度から、日本医療研究開発機構を通じまして放射線画像などAIの開発に用いるための医療画像を収集する事業を実施いたしますとともに、平成二十九年度からは、医薬基盤・健康・栄養研究所においてAI技術を活用した医薬品開発の研究を開始することとしております。
また、これらの取り組みに加えまして、保健医療分野におけるAIの活用をより一層推進するために、本年一月からでございますが、厚生労働大臣のもとで、保健医療分野におけるAI活用推進懇談会を開催いたしまして、AIの活用が想定される領域や開発推進のための必要な対応、あるいはAIを用いたサービス等の質、安全性の確保策について検討を進めているところでございます。
厚生労働省では、これらの取り組みを通じまして、人工知能の活用によるメリットを国民がしっかり享受できる社会を実現してまいりたいと考えているところでございます。
○濱村委員 AIの活用という意味では、これは恐らく、放射線画像をたくさんためることによって、それが特定の疾病と結びつけば、それが教師データそのものになるということでございますので、アルゴリズムを通して、これは病気ですよ、これは疾病の前の段階ですよというようなことが判定できるというような時代になってきているのであろうと思います。
今、既にそういうことが行われていて、例えば、ちょっと皆さんにわかりやすく言えば、農業の分野でも活用されておりまして、グーグルがテンサーフローという、AIというかアルゴリズムを実は開放しております。オープン化しておりまして、それを自由に使える環境は今もう既にあるわけでございます。
それを使ったある農家の方が、キュウリ農家の方なんですが、キュウリは仕分けが大変だと。大きさごとに2S、S、M、L、2Lとか、そういうのは余り基準がきっちり決まっていなくて、農家の裁量に任されているんですね。うちはLでもこんなLを出していますというのは農家の競争力の源泉なんだろうとは思いますが、そういうのを実は、そのある農家さんでは、お母さんがずっとやっている。仕分けはずっとお母さん。
それを、AIを使ってやろうということで、画像データを七千枚集めて、それをさまざまな大きさに箱ごとに仕分けられるような、そういう仕組みを、その農家の方、もともとこの方はお継ぎになられたんですが、それまではちょっとした技術屋さんをやっておられた。なので、こういうところに明るいということがあるんです。そういうことをしながらやっているんですけれども、実はなかなか精度が上がらなくて、まだ実際のキュウリでやると七〇%ぐらいの精度であるという状況です。
これをしっかり上げていかなければいけないというような状況は、あるはあるんですけれども、これを医療で活用するとなればなおさら厳格な基準が求められるのであろうというふうに思いますので、しっかりと取り組みをお願いしたいなというふうに思うわけでございます。
この厳格な基準といったときにちょっと気になってまいりますのが、実際に、研究段階から実用化されて承認審査を受けるというところまで、このリードタイムについてはどのように想定されているのか、お答え願えればと思います。
○森政府参考人 お答えをいたします。
委員御指摘のAI技術を初めとする、こういう最先端技術に適切に対応していくということは、審査の場においても非常に重要であるというふうに認識しております。
これまで厚生労働省では、この審査を行っておりますPMDAの体制強化や、アカデミア、ベンチャー等によるシーズを実用化につなげるための薬事戦略相談の充実等に取り組んできておりまして、PMDAでの新医療機器の審査期間は、米国FDAと比べても、もう遜色ないレベルになっております。問題は、開発をいかに速やかに行わせるようにするのかというところになると思います。
御指摘のAI技術を用いました医療機器に関しましては、ディープラーニング、深層学習と呼ばれる技術の進歩によりまして、特に画像診断の分野では早期の実用化が期待されてございます。まずは、本年四月より、このAI技術を用いた画像診断機器の性能の評価を行うための指標の検討を行う予定にしてございます。
今後も、こうした最先端の技術による医療機器の性能を適切に評価する、そういう指標、これは次世代医療機器評価指標というふうに呼びますが、これを早期に設定して、開発を速やかに円滑に行い、そして速やかに審査ができるようにということで、その仕組みを整えてまいりたいというふうに考えてございます。
○濱村委員 ありがとうございました。
では、次に、医療等IDについて、現時点の実施状況を確認したいと思います。
○大橋政府参考人 地域の医療情報連携ネットワークにおいて、そのネットワークに参加する医療機関間で患者情報を共有したり、複数の医療機関からのデータを収集し、安全かつ効率的に連結して医学研究に役立てたりするためには、患者を一人一人識別するための全国共通のIDというものが必要になってまいります。
昨年六月に閣議決定された日本再興戦略二〇一六では、こうした医療等分野におけるIDの導入について、再来年度、二〇一八年度からの段階的運用開始、そして、二〇二〇年からの本格運用を目指して、来年度から着実にシステム開発を実行することとされております。このため、その戦略に沿って、医療等IDの生成や発行を担うシステムの設計や開発の検討を始めているところでございます。
○濱村委員 二〇二〇年には全国的にという話なわけでございますけれども、医療情報連携ネットワークで一体全体何のデータが連携されるのか、この点、確認したいと思います。
○椎葉政府参考人 お答えさせていただきます。
地域包括ケアの観点から、地域の医療・介護従事者が必要な情報を共有することは、質の高い医療・介護サービスを提供する上で重要であると考えておるところでございます。
このため、厚生労働省におきましては、患者の医療情報を地域の医療機関の間で共有するための標準的な規格を定めておりまして、各地域で運用されている医療情報連携ネットワークにおきましては、病名それから薬の処方、検査データなどの診療情報を効率的に共有することが可能となっているところでございます。
医療従事者の立場からいえば、こうした患者の診療情報を共有することで、例えば病院と診療所間におきます患者の紹介や逆紹介が円滑になる、それから他の医療機関の検査結果等を踏まえた適切な診療が可能となるなどのメリットがあると考えているところでございます。
また、健康、医療、介護の分野を有機的に連結いたしましたICTインフラの二〇二〇年度からの本格稼働を目指しまして、本年一月、厚生労働大臣のもとにデータヘルス改革推進本部を設置しておりまして、医療・介護従事者がさらにどのような情報を共有することが有効かにつきましても検討してまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
○濱村委員 今の、もともと医療情報連携ネットワークは、地域医療連携ネットワークということで各地域ごとにやっていました。それを全国的につなぎましょう、そのときに横串を刺すのが医療等IDですよという取り組みになっているわけでございますが、各医療機関ごとに持っているものを横横で共有できるということで、非常に患者にとって、国民にとってよいものであろうというふうに期待をしているところでございます。
次に行きます。
緑の部分のところの話になりますが、これは公的データベースの整備ということで言っておられます。
ナショナルデータベースについてちょっとお伺いしたいと思いますが、ナショナルデータベースというのは、特定健診とかレセプトのデータ、こうしたものを蓄積しているというふうに認識しているんですけれども、それだけでは足りないというデータがあるかと思います。どういうデータが不足しているとお考えか、確認したいと思います。
○浜谷政府参考人 お答えいたします。
御指摘のナショナルデータベースは、高齢者の医療の確保に関する法律に基づきまして、厚生労働省におきまして、レセプトデータと特定健診・保健指導データを収集、格納いたしまして、医療費適正化計画の評価、分析に活用するほか、学術研究等に活用しているものでございます。
ナショナルデータベースに格納されているデータは、御指摘のように、保険診療で行われている診療行為の大部分をカバーしておりまして、悉皆性が高い、かつ網羅的なデータとして、価値の高い医療情報であると考えております。
他方、御指摘の、ナショナルデータベースだけでは不足するデータでございますけれども、まず、レセプト情報でございますので、医療機関を受診しなくなった場合、完治したのかどうかなど、その後の詳細な状態がわからないといった指摘、それから、レセプトによって、例えば検査など、行われた診療行為はわかりますけれども、検査の結果はわからない、こういった指摘があるものと承知いたしております。
○濱村委員 おっしゃるとおり、診察へ行っていた、その方が受診しなくなったら、どうなっているのか、お亡くなりになった、あるいは快方になった、そういったデータもありますし、もっと言うと、実は、医療全体でいいますと、健康づくりのデータであるとか、そういったデータ、あるいは、診察の結果としてどうなったかというデータ、アウトカムデータと言っているわけですけれども、そういったデータについて、なかなか得られない。
もっと言いますと、先ほど大臣も触れていただいたわけですが、介護データに対してはもう少し精緻な分析ができるようにということがお話としてありました。そうしたところをしっかりとやっていくというところであろうかと思います。
いよいよこれで、緑の部分の新たなところ、認定匿名加工医療情報について確認したいんですけれども、このデータについてはどのような性質のデータになるのか、確認をしたいと思います。
○藤本政府参考人 お答えいたします。
御指摘の法案は、医療分野の研究開発に資するよう、匿名加工医療情報を作成する事業者を国が認定する制度を創設し、新たな治療法や副作用の把握などを可能とする基盤の構築を目的とするものであります。
こうした目的に向けて、認定を受けた事業者は、現状において医療情報の利活用の中心となっておりますレセプトデータのみならず、診療行為等の結果である検査結果、こういったアウトカムデータを収集することが可能となります。
○濱村委員 今のお話のとおりでございますが、まだまだ実は煮詰まっていないというふうに思います。
研究開発に資するようなデータ、これは何なのかというのは、まだこれから議論をしなければいけない。今想定しているようなメーカーさんであったり、研究する病院であったりとか、そういった医師の方々と話をしながら、いわゆる先ほどのナショナルデータベースにあるような悉皆的なデータではなくて、その研究に資するための特徴のあるデータ、こういったものをしっかりと集めていかなければいけない、ここに非常に大事なノウハウがあるのであろう。
要は、たくさんデータを集めればいいというわけではなくて、たくさんあったとしても、何のデータかわからなかったら、それはただのごみなんですよ。それを、ごみじゃなくて有用なものにするというところがここに含まれているということだと認識しております。
その上で、データとして、使いやすさの話に移りたいと思うんです。
今、例えば電子カルテについても、提供するITベンダーごとに、それこそ病院であったり診療所であったりすれば、そのベンダーもちょっと違ったりもするわけですけれども、仕様が違うわけですね。そうした中で、標準化していく必要があるというふうに考えるわけですけれども、いかがでございましょうか。
○大橋政府参考人 お答えをいたします。
ただいま御指摘がございましたように、電子カルテ等の情報システムといいますのは、開発するシステムベンダーごとにその仕様が異なっていたり、個々の医療機関ごとに使いやすいように機関独自のカスタマイズが行われていたりするというのが現状でございます。
このために、医療機関同士で医療情報のやりとりが円滑にできないというようなことが起きているというふうに、また我々も認識をしているところであります。このために、システムの標準化を進めていくことが非常に重要であるという点、我々もその点、そのとおりだというふうに考えております。
このような課題を解決していくために、医療情報に関する学会やシステムベンダー等の各種規格策定団体が合意した規格、例えば、医療用語、画像フォーマット、データ交換規約などを厚生労働省標準規格と定めて、医療機関同士で医療情報を共有できるように、その普及を図ってきたところではございます。
しかし、その取り組みがまだ十分ではありませんので、一層の標準化を進めるため、先ほども話がありました、大臣のもと、部局横断的に立ち上げられたデータヘルス改革推進本部において、医療、健康、介護分野のデータ利活用に向けた重要課題の一つとして、しっかりと今後取り組んでまいりたいというふうに考えているところであります。
○濱村委員 ありがとうございます。
大臣のもと、しっかりやられるということでございますが、そこにぜひ画像データについても入れていただきたいというふうに思うわけですね。画像データ、ちょっと時間もないのでこっちから言いますけれども、ベンダーニュートラルアーカイブということで、そうした仕組みというものは今進みつつあります。
実は、画像サーバーというのは、例えば病院内でも、それぞれに立てているんですね。それぞれというのは、診療科によって違うんですね。放射線科であったりとか循環器、整形、それぞれに画像サーバーというものを立ててしまいます。PACSというんですけれども、そのPACSが乱立していることによって病院内でも画像データを共有できないという状況があります。当然、病院をまたいではさらに共有がしにくい状況でありますので、画像データについてもあわせて標準化についての取り組みをお願いしたいというふうに思います。
次の、これは時間的に最後の質問になるかと思いますが、アメリカでは、共有型の電子カルテ、EHRですね、活用を再検討するという話が出ております。
実は、どういうことかというと、トム・プライスさんという方が保健福祉長官に就任されたわけでございますけれども、その就任のときに、EHRが医師への負担が非常に高いということを言っておられます。なので、ちょっと見直そうという話が出ているわけですけれども、日本では、電子カルテへの入力が医師の負担になっているというような意見があるのかどうか、確認をしたいと思います。
○椎葉政府参考人 お答えさせていただきます。
医療機関を超えて医療情報を共有する際に、医療従事者の負担がふえることがない仕組みにすることは大変重要であるというふうに考えております。
このため、厚労省におきましては、医療従事者に入力の負担をかけずに患者の医療情報を地域の医療機関の間で共有するための標準的な規格を定めておりまして、電子カルテへの実装が進んでいるところでございます。
今後も、情報技術の進展も踏まえまして、関係する学会等、産官学が協力いたしながら、医療従事者にとって使いやすいICTの普及に努めてまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
○濱村委員 今お答えいただいた中でいうと、医療人材が使いやすい環境を整えていく、それは私もすごく大事だと思っているんです。それは大事なんですが、実はこれは、かかわる方々が一生懸命、自分たちの使いやすい現場の知見を積み上げていけば可能だと思っております。
ただ、そこに大事なところは、患者のため、国民のために必要なデータ環境づくり、これが非常に重要なんだろうというふうに思っております。当然、医師であったり医療従事者、この方々が使いやすいものをつくるというのは、その先にいらっしゃる患者の方々に還元されてこそ、私は価値があるというふうに思っております。
この次世代医療基盤の中で言われるような匿名加工情報も、匿名化されておりますので、患者の、自分に対して返ってくるかというとそうではないんだろう。ただ、全体として返ってくるということであるならば、これは一定価値を認められるものなのであろうというふうに思うわけでございます。
最後の最後に、基盤づくりをしていくという壮大なことをおやりになろうとしておられますので、ぜひ国民のためのものという意識を持って取り組みをお願いしたいということを申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございました。
○秋元委員長 次に、神山洋介君。
○神山(洋)委員 神山洋介でございます。
きょう最後の質問となります。あと二十分間、よろしくお願いを申し上げます。
昨今、報道を見ても、非常に関心が高いのは、大阪の学校といいますか、国有地の払い下げの問題が大分報道されているわけですが、思い起こせば、ことしの国会が開会をして、当初、予算委員会で非常に大きく議論をされたのは天下りの問題でありまして、これもやはり忘れてはならない問題でありますし、今、全容解明であるとか、それを踏まえて、では一体どうするんだという話は、これはまだ全く、ほぼ未着手という状態だと思いますので、中間確認という観点も含めて、この二十分間の中で議論させていただきたいと思います。
主にここで内容としたいのは、調査している状態だと思いますけれども、一体それがどういう状態にあるのかという話が一つと、もう一つは、できること、できないこと、これからの話もいろいろあるかもしれませんが、これを踏まえて、一体どうするんだという対応の話、この二点を議論させていただきたいと思っております。
まずは、この調査の現状のお話です。
今回の問題の具体的な案件として発端となったのは、文科省の事案でありました。中間報告は既に出されておりまして、確認もさせていただいております。一説によれば、月内にもまたこれが出るのではないかというお話もありますが、そのあたりも含めて、今、一体この調査はどういう状況にあるかということを、まずはこれを義家副大臣、よろしくお願いいたします。
○義家副大臣 まず、文部科学省における再就職問題の調査については、一、組織的なあっせん構造に関する調査、二、再就職監視委員会から指摘のあった三十七事案の調査、三、全職員調査、四、退職者調査の四項目について、並行して、現在、調査を行っているところでございます。
二月二十一日の中間まとめにおいては、このうち、一の組織的あっせん構造、そして二の三十七事案について、その時点で把握できた事実を公表させていただきました。現在、二月二十一日に公表した中間まとめで十分に確認できなかった事案を含め、最終報告に向けて、全職員や退職者を含む徹底的な調査を進めているところでございます。
いかんせん、全職員調査の対象は三千人、それから退職者対象も六百人、また、調査班に入っていただいている第三者の皆様もそれぞれ本業もありますので、なかなか時間の確保等も難しい状況の側面もありますけれども、速やかに発表できるように鋭意努力してまいりたいと思っております。
○神山(洋)委員 一点ちょっと確認ですが、では、月内という話ではないという理解でよろしいですか。
○義家副大臣 三月末までに最終報告を取りまとめます。
○神山(洋)委員 それはぜひ、いろいろ大変な部分はあろうかと思いますが、きっちりやっていただきたいと思います。
この案件を含めて、まだこれからもどうなるかわかりませんけれども、決して、もちろん褒められた話ではないわけでありまして、それを根絶しなきゃいけないということであることは前提でありますけれども、ただしかし、それを踏まえて、今回、文科省がここまでたどってきた調査のプロセスというのは、私は、そのことそのものについてはきちっと評価をしていいと思いますので、それはきっちりとこれからもやっていただきたいと思います。
もう一方で、今度は、これは総理からの御指示もあって、山本大臣のもとで、全府省調査というのも一方で行われているという状況かと思います。同じ観点で、今どういう状況にあるでしょうか。
○山本(幸)国務大臣 今般の文部科学省事案で生じました国民の疑念を払拭するため、安倍内閣総理大臣から私に対して、同様の事案がないかどうか、全省庁について徹底的な調査を行うよう指示がありました。
現在、鋭意調査を進めている最中でございますが、大事なのは、しっかりとした調査を厳正に行うことであり、スケジュールありきではなく、徹底的に調査を行うことであると考えております。
当初、三十人強の体制で臨んでいたわけでありますが、余りに膨大だということで、四十人超の体制に拡大いたしまして、今全力を挙げてやっているところであります。
スケジュールありきではありませんけれども、一方で、調査結果が出次第、速やかに結果を明らかにしていくことも重要であり、私の指揮のもと、スピード感を持って進めていきたいと思っております。
○神山(洋)委員 私、予算委員会で、もう一カ月半ぐらい前になりますか、二月三日に大臣と同じような議論をさせていただいた際も、今の人数の話はともかくとしてですが、ほぼ同じお答えを実はいただいております。もうちょっとやりようはあるんじゃないですかねということを申し上げたいんですよ。
私は、今どういう状況にありますかということをお伺いしました。先ほど、文科省に関しては、副大臣からもいろいろ具体的なお話がありました。一カ月半たった中で、既にできたこと、できないこと、いろいろな変化があるはずですよね。それを踏まえて、この一カ月半の中でどういう進展があったのかなかったのか、現在の状況はどうですかということをお伺いしているんですが、今大臣から御答弁いただいた内容には、私が直接お伺いをした、今どういう状況にありますかということに関してのお答えが全くなかったと思うんですが、大臣、いかがですか。
○山本(幸)国務大臣 先ほども申し上げましたように、私どもは、徹底した厳正な調査をしっかりとやるということが大事だと思っておりまして、今、やっております。体制も拡大してやっております。その上で、結果が出次第、御報告をしたいというように思っております。
○神山(洋)委員 余りにも対比が大きいんですよ。もちろん、文科省は具体的な事案としてもう既に発生をしている。一方で、では全府省の方はどうなんだといったら、そうじゃないからという理由は前にもお伺いをしまして、それはわからないとは言いません。
しかし、なぜこの全府省調査をやっているのか、また総理からそれをやれという指示が出ているのかといえば、いみじくも今大臣御自身がおっしゃったように、国民の疑念があって、それは文科省だけではなくて全体にあるのではないかという疑念があって、それを晴らさなければならないから、この全府省調査というものを大変だけれどもやるということにした。それはそれでいいんだと思うんです。だとすれば、その中身は、そこに向かっての姿勢は、文科省ほどであるかどうかはもちろん差はあるかもしれないけれども、基本、同じ方向感の中でやらなきゃいけないんじゃないかと思うわけです。
例えば、企業で同じようなことがあったときには、企業というのは厳しいマーケットに、消費者にさらされているわけですから、何か不祥事があったときには、でき得る限り迅速に事の真相を明らかにして、それを広く公表し、ごめんなさいとやる、これは当たり前のリスク管理だと思うんです。
この件も、なかったらそれはそれでいいわけですが、少なくとも疑念を抱かれているという状況においては、企業でいえばこれは消費者ですが、我々であり、これは政府からすれば、国民からそういう視線にさらされているわけですよ。もっと事が深刻であって、誠実に、どれだけスピーディーに疑念を晴らすことができるか、すぐに晴らし切ることができないのであれば、一定の期間の中でこれだけはできたということ、こういうこともやるんだということ、でき得る範囲では情報をきちっと伝えて理解を得ようとする、そういう姿勢に立つべきじゃないですか、大臣。
もう一度ここは、その姿勢を改めた方が、それは政府のリスク管理という意味でも正しいと私は思っていますが、大臣、いかがですか。
○山本(幸)国務大臣 私どもも、国民の疑念を払拭するためにしっかりとやっていきたいと考えております。その意味で、いいかげんな調査をやったのではないかと将来言われるようなことがあってはならないと考えております。その意味で、今、全力を挙げて、体制も強化して取り組んでおります。
そのことはしっかりとやっていきたい、そして、その結果が出ればきちんと報告をしたい、スピード感を持ってやっていきたいと思っております。
○神山(洋)委員 何でそこまでクローズにするのかわからないんですよね。
二月の三日に大臣と議論をさせていただいた際には、その前後でも同じことをおっしゃっていましたけれども、例えばどんな調査をやるのかということを公表してしまうと、その問題にひっかかるであろう方はそれに対しての防御をしてしまうかもしれないので今は言えないのだということもおっしゃっていましたよね。まあ、そこは百歩譲ればわからなくはないというぐらいは言えるかなと思うんですよ。
でも、それから一カ月半経過しているわけですよ。既に調査の先にはいろいろな話も行っていますよね。どういう調査が来るのかということは、もしそれにひっかかると自分でわかっている人からしたって、もうわかっているじゃないですか。今さらそれをここで隠したところで、調査の効果に何らマイナスの作用はないと思いますよ。
どういう調査をするのか、誰に対してどういう確認をするのか、それを踏まえて、いつぐらいにアウトプットを出すのか。調査に膨大な日数がかかるから、大分かかっちゃうというのであれば、文科省がやったように、では、でも国民は知りたい、疑念を持っているというのであれば、一定の期限の中で、このタイミングで中間なり一定の報告はしますという形にした方が、疑念を晴らすという効果が高まるじゃないですか。そう変えたらどうですか。
○山本(幸)国務大臣 先ほどから申し上げておりますように、いいかげんな調査をやったと言われないようにすることが一番大事だと思っておりまして、その旨に徹底してやりたいと思っております。
○神山(洋)委員 いいかげんな調査と言われないようにということと、中身を開示せず、いつ出すかも言わないということと、全く何の関係もないですよ。大臣、いかがですか。
○山本(幸)国務大臣 それは、私はそういうふうに思いません。しっかりと各省それぞれの調査もし、そしてまた、その中でどういう相違等が出てくるかということもありましょう。そういうものを含めて、全体をしっかりと見ながら、しかも、将来いいかげんな調査だったと言われないようにすることが一番肝要だと思っております。
○神山(洋)委員 そこまでそう言われると、むしろ邪推をしたくなっちゃうわけですよ。何でそこまでクローズにするんだろう、何で後までそんなに引っ張るんだろうと。国民の忘却を待っているんじゃないかというふうにすら思えてしまうわけですよ。
それは、つまるところ、最初大臣もおっしゃっていた国民の疑念を晴らすということと、むしろ逆行するんじゃないですか。逆効果ですよ。早く、きちっと明らかにできることはしたらいいじゃないですか。何をそこまで隠すのかと思うと、何かあるんじゃないかというふうに、これは人間誰しも思っちゃいますよ。余計この疑念を増幅させている効果になるわけですよ。明らかに逆ですよ、やっていることが。
ずっとこの話をしていますけれども、かたくなにその線から出ないですよね。いずれ、これは遅かれ早かれ、そうはいったって公開されると思いますので、国民の皆さんはいろいろな関心事が移り変わるということはあるかもしれませんが、我々はやはりきちっとそこは忘れずにフォローし続けますので、今申し上げたことは、なぜ大臣がそう言えないのかわかりませんけれども、少なくとも大臣の胸には置いておいていただけるんじゃないかなと私は思っていますので、ぜひ記憶にとどめていただければなと思います。
この話だけでまだいっぱい入れたいことはあるんですけれども、もう一つの、では、対応としてどうするんだという話です。
何か問題があった、問題について事実を調べた、事実はこうであった、そこにはこういう課題があった、その課題を踏まえて、では、そういう課題が今後起こらないようにこうしましょう、これが基本的な思考パターンだと思います。今回も、全部ではありませんし、どこまでが全容なのかまだ全くわかりませんけれども、少なくとも、文科省の具体的な事案については、中間も含めて具体的なファクトが出てきている状態です。では、一体どうするのか、ここが問題になろうかと思います。
まず、これは文科省の方に伺いたいわけですが、先ほど三十七、累計のお話はありましたし、今副大臣おっしゃっていただいたように、全職員及び退職者というところまで見れば、もっといろいろな具体的な形があるのかもしれません。今できることと先々やらなきゃいけないこと、いろいろあるかと思いますが、今回の一連の経緯が発生をした以降、文科省内で、この件に対して、再発防止策という意味で、どんな具体的な対応がとられていますでしょうか。
○義家副大臣 先ほど申し上げましたとおり、文部科学省における再就職等に関する調査においては、三月末までに最終報告に向けて、全職員、退職者を含む徹底的な調査を現在実施しているところでございます。
その結果を踏まえて、それぞれの再就職規制違反等の内容や、それから管理監督責任により最終的な決定を行った上で、まずは厳正な処分を行ってまいります。
その上で、これからの再発防止についての具体的な例ですけれども、まずは、職員に対して、何が違法に当たるのかということを、しっかりと改めて実効的な研修を行うこと、それから、営利企業や退職者からの働きかけへの対応方針の策定、どのように対応しなければならないのかという方針の策定、再就職等規制についての関係団体や退職者への、こういうことは明らかに違法になるということも含めた周知等の再発防止策を検討して、着実に実施してまいりたいと思っております。
そして、国民の信頼を一刻も早く取り戻すことができるよう、全力で汗を流してまいりたいと思っております。
○神山(洋)委員 調査の最終結果が出ていない状態ですから、まだできること、できないことはあろうかと思いますし、どこまでが全体なのかという話はまだ確定し得ないと思います。
ただ、現時点でわかっている話の中から、具体的にやらなければならないことという意味で、今大臣がおっしゃっていただいたようなことも、これは最終結果を待たずして、すぐに着手、もしくは既に着手済みのものもあるかもしれませんが、実行できるはずですので、これは即時に着手をすべきだということは申し上げておきます。
もう一方で、大臣、これは同じ質問でありますが、余り期待はできませんが、具体的に今回の問題、最終形にはまだ至っていませんが、少なくとも一定の課題があるということだけは明らかな状態で、こういう問題が、明らかになっている問題が再発しないように、どういう御指示なり具体的な対応を行われていますでしょうか。
○山本(幸)国務大臣 最終的な対策ということについては、先ほどもお話ししましたが、結果が出てから、どういうものが実効があるか、しっかりと検討していきたいと思っております。
その前に、もちろん、今回の調査については、私から各大臣に、しっかり調査に協力するよう要請をいたしました。その後、国会の質疑等で、例えば、各省が、職員が利害関係のあるところに就職することをやっているときには届け出なきゃいけないことになっておりますが、そのことについて、利害関係であったかどうかチェックができていないというような話が、各省でばらばらなところがありました。これについては、すぐに人事局長から、改めて、そういうことはきちっとチェックしなきゃいけない話なのでちゃんとやってほしいという通達も出しました。
それからまた、OBに対して、職員やOB等についての情報を組織的に提供するということは一切やってはならないんだということを改めて確認する注意を喚起いたしました。
また、そういうことについての人事関係者の研修について、文部科学省の事案等を見て、しっかりと遵法の姿勢を改めて確認するようにと、そういうことをやっております。
○神山(洋)委員 再就職の際の届け出のチェックを、各省ばらばらで、やっていないところの方が多かったぐらいで、それは法改正なども必要ないから、今すぐにでも指示してやるべきだと言ったのは、まさに先ほど申し上げた二月三日の予算委員会での私と大臣での話ですよ。それをやっていただいたというお話がありました。それは前向きな一歩だと思いますし、ぜひ、そういう形で、すぐやれることはすぐやるという形でこれからもやっていただきたいと思うんです。
もう一つ、情報提供がだめだということを、これは何ですかね、通達ではなくて、何か別の形でおっしゃったということですよね。
二月の上旬あたりの委員会の質疑の中でも、大臣からも、そういう情報提供というのはもうやらせないという表現もありましたし、それも踏まえて総理からも、OBに対して人事情報というのを提供することは今後させないという表現もありましたので、ここもきょう確認をさせていただこうと思っていました。
それはどういう形で拘束力を持って、だめよというふうに言っているという状態ですか、今。
○山本(幸)国務大臣 これはもう法律、まさにそれがあっせん行為でありまして、そういう情報を出すということは、もともとあっせん禁止の中の重要な要素であります。したがって、それを再確認させてもらうということでありまして、改めて、組織的にそういうことは一切だめだということを再認識してもらうということでありました。
○神山(洋)委員 もう時間がありませんので、また次回の質疑でそこは突っ込んで議論させていただきたいと思いますけれども。
大臣がおっしゃっていただいた、今、法律違反でという話がありました。現行法でも法律違反な、現職からOBに対しての情報提供というのは確かにそれはあるかもしれませんけれども、これは、今回の文科省の嶋貫さんのあの事例だけ考えても、現行法ではひっかからない話があるはずですよ。そこもひっくるめてやるのかどうかということは、これから非常に大事な点になっていくと私は思います。
これは法改正をしなきゃいけないはずなんです、対応を、最終的な累計を見た上で。それをきちっとやらなきゃいけないんですが、全府省庁調査がいつ出てくるのかもわからない、それが出てこなければ対応策も検討できない、その間に、今回監視委員会から指摘をされた法の潜脱行為というのは法的には少なくともそこは塞げない、この状態をいつまで放置するんだということになるわけです。
できるだけ早い段階で、わかったところから何回かに分けてでも手を打っていかなきゃいけないというふうに思いますが、大臣、そこはどう対応されますか。
○山本(幸)国務大臣 まさにそれはその結果を見てみないといけないわけでありまして、ただし、今回の文科省の事案というのは、OBが単独でやっているわけじゃありません。OBに対して文科省が情報を提供するなり、そういう再就職のあっせんを行う枠組みを構築していたというのが最大の問題でありまして、その意味では、その辺をどう考えるかは調査の結果を見てしっかりと判断していきたいと思います。
○神山(洋)委員 調査がいつできるかもわからない、それに対しての対応もそれ以降ですというのは、余りにも危機感が薄過ぎますよ。
我々はこれに対応する具体的な案を出しますから、それも参考にしていただきながら、もっと危機感を持って早くやっていただかなきゃいけないということを最後に申し上げて、本日は以上とさせていただきます。
ありがとうございました。
○秋元委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時二十六分散会