第4号 平成29年12月6日(水曜日)
平成二十九年十二月六日(水曜日)午後一時開議
出席委員
委員長 山際大志郎君
理事 石原 宏高君 理事 谷川 弥一君
理事 中山 展宏君 理事 永岡 桂子君
理事 松野 博一君 理事 阿部 知子君
理事 後藤 祐一君 理事 佐藤 茂樹君
池田 佳隆君 泉田 裕彦君
大隈 和英君 大西 宏幸君
岡下 昌平君 加藤 鮎子君
門 博文君 金子 俊平君
亀岡 偉民君 木村 哲也君
小寺 裕雄君 古賀 篤君
杉田 水脈君 高木 啓君
武井 俊輔君 長坂 康正君
西田 昭二君 鳩山 二郎君
古川 康君 古田 圭一君
宗清 皇一君 村井 英樹君
大河原雅子君 篠原 豪君
森山 浩行君 山崎 誠君
稲富 修二君 柿沢 未途君
佐藤 公治君 浜地 雅一君
濱村 進君 中川 正春君
塩川 鉄也君 浦野 靖人君
玉城デニー君
…………………………………
国務大臣
(内閣官房長官) 菅 義偉君
国務大臣
(国家公安委員会委員長) 小此木八郎君
国務大臣
(少子化対策担当) 松山 政司君
国務大臣
(規制改革担当)
(国家公務員制度担当) 梶山 弘志君
内閣府副大臣 あかま二郎君
内閣府大臣政務官 村井 英樹君
内閣府大臣政務官 長坂 康正君
会計検査院事務総局事務総長官房審議官 原田 祐平君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 鎌田 光明君
政府参考人
(内閣官房内閣人事局人事政策統括官) 植田 浩君
政府参考人
(人事院事務総局人材局長) 福田 紀夫君
政府参考人
(内閣府大臣官房審議官) 米澤 健君
政府参考人
(内閣府子ども・子育て本部統括官) 小野田 壮君
政府参考人
(警察庁警備局長) 松本 光弘君
政府参考人
(財務省大臣官房審議官) 古谷 雅彦君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 成田 裕紀君
政府参考人
(気象庁地震火山部長) 上垣内 修君
内閣委員会専門員 長谷田晃二君
―――――――――――――
委員の異動
十二月六日
辞任 補欠選任
大隈 和英君 古川 康君
岡下 昌平君 宗清 皇一君
神谷 昇君 門 博文君
三谷 英弘君 木村 哲也君
同日
辞任 補欠選任
門 博文君 古田 圭一君
木村 哲也君 三谷 英弘君
古川 康君 大隈 和英君
宗清 皇一君 鳩山 二郎君
同日
辞任 補欠選任
鳩山 二郎君 岡下 昌平君
古田 圭一君 神谷 昇君
―――――――――――――
十二月六日
ギャンブル依存症対策基本法案(初鹿明博君外十名提出、衆法第六号)
同月四日
国の出先機関と独立行政法人の体制・機能の充実に関する請願(畑野君枝君紹介)(第三七四号)
特定秘密保護法の撤廃に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第三七五号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
会計検査院当局者出頭要求に関する件
政府参考人出頭要求に関する件
内閣の重要政策に関する件
公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件
栄典及び公式制度に関する件
男女共同参画社会の形成の促進に関する件
国民生活の安定及び向上に関する件
警察に関する件
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○山際委員長 これより会議を開きます。
内閣の重要政策に関する件、公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
各件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官鎌田光明君、内閣官房内閣人事局人事政策統括官植田浩君、人事院事務総局人材局長福田紀夫君、内閣府大臣官房審議官米澤健君、内閣府子ども・子育て本部統括官小野田壮君、警察庁警備局長松本光弘君、厚生労働省大臣官房審議官成田裕紀君、気象庁地震火山部長上垣内修君の出席を求め、説明を聴取し、また、会計検査院事務総局事務総長官房審議官原田祐平君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山際委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○山際委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。古賀篤君。
○古賀委員 自由民主党の古賀篤でございます。
きょうは質問の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。きょうは、少子化担当大臣である松山政司大臣、そして内閣府、厚生労働省にも御出席いただきまして、保育について御質問したいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
保育につきましては、昨今、国会で大変大きく取り上げられている分野の一つだというふうに思います。現在、政府も、そういった中で、待機児童解消に向けて、保育の受け皿拡大に精力的に取り組まれているということだと思います。
具体的には、平成二十五年度から今年度の平成二十九年度末まで、待機児童解消加速化プランという、この五年間で、企業主導型保育も含めての約五十九・三万人分の受け皿拡大を見込んでいるということ。
そして、それを受ける園の数、これは保育園あるいは認定こども園等の総数でありますけれども、平成二十七年度に子ども・子育て支援新制度がスタートして、園が大変急増しているということでありまして、ことし、平成二十九年で約三万二千園と、三年間で八千園もの園がふえているという数字になっております。
そして、これらの園で働く保育士の方の数、平成二十五年時点での三十七・八万人という保育士の方の数は、今年度、二十九年度末までに約九万人の増の確保を目指すということが目標になっているわけであります。
そして、今年度以降の三十年度以降も、子育て世代の女性の就業率が低いといういわゆるM字カーブ解消のために、平成三十四年度末までの五年間で、女性就業率八〇%に対応できる約三十二万人分もの受け皿整備も掲げている。これは子育て安心プランということでありますが。
このように、園の整備、保育士の確保のために急ピッチで取り組みをされているということであります。
しかし、この取り組み、大変重要だ、特に今、待機児童解消ということが問題になっておりますので、そういう意味では大変大事な政策だと思います。
同時に、まず一点指摘させていただきたいのは、子供の数というのは将来的にどんどん減っていく、これが予想されている中で、今のこの足元の待機児童解消という問題と同時に、長期的な視点に立って保育の政策をとる必要があるんじゃないかということであります。
具体的には、人口の長期推計だったり、先ほどの女性の就業率、こうした数字に基づいて園を整備する。また、労働人口も減ってくるという人口減少の中において、どうやって必要な保育士の方を確保していくのか、養成していくのか。こういうことも長期的なプランとして検討すべきではないかというふうに考えているところであります。
今のこの状況を放置しておくと、園が過剰になって、いずれ園の経営が圧迫されてしまう。そして、園は整備されたけれども、肝心の保育士さんが慢性的に不足する。そういった事態が起こるんじゃないかというふうに危惧するところでありますが、担当省の見解を伺いたいと思います。
○成田政府参考人 お答え申し上げます。
保育の受け皿拡大と、これを支える保育人材の確保は、将来にわたってその時々の地域のニーズに合った形で進めていくことが重要であると考えております。
保育の受け皿整備に当たりましては、各市区町村が女性就業率等から潜在的ニーズも含めた保育ニーズを的確に把握し、それを整備計画に反映して必要な受け皿整備を進めることが重要でございます。
このため、本年六月に策定いたしました子育て安心プランのもと、市区町村の保育ニーズの把握や受け皿整備の取り組み状況の見える化を通じて、こうした市区町村の取り組みを支援、促進することとしております。
また、保育人材につきましては、都道府県が都道府県子ども・子育て支援事業支援計画の策定を通じて計画的に取り組むこととされているところ、この取り組みの実効性を高めるため、都道府県が関係市区町村などと協議しながら、必要な保育士数やその確保に向けた方策を策定するスキームの構築を検討しております。
こうした取り組みを通じまして、地域ニーズに応じた保育の受け皿や保育人材の確保を支援してまいりたいと考えております。
○古賀委員 今の御答弁の中で、市区町村と連携という話でありました。
やはり、国の方で、いろいろな長期的な視点、これは保育に限った話ではなくて、いろいろな政策が、短期的な部分と中長期の部分、人口が減るというこの国において必要なんだと思いますが、保育の分野においても、ぜひ厚労省、内閣府もそういった視点に立って、これからの政策をしっかり検討していただきたいというふうに思います。
次に、二つ目に移らせていただきます。
園の整備という点でありますが、私、先日、地元の方からこういうようなお話をいただきました。
障害児を持つお母さんがおられて、付き添いで障害児の通園施設を利用しているという現状がある。そして、二人目のお子さんを考える際に、まだ生まれていないわけですけれども、その通われている通園の施設に保育園があるということが本当に二人目を考える際に大変心強い、ただ、現状はそういう施設がなかなかないというような声がありました。
これは障害児通園施設ということでありますけれども、これに対して、実際、今どういうことがあるかということを私もちょっといろいろ調べてみたんですが、例えば横浜市では、保育園や放課後の児童クラブ、障害児の通園施設、こういうものを複合的に施設として運営されているというような実態もあるように把握しているところであります。
やはり、さまざまなニーズをしっかりと把握して、そしてきめ細やかな整備を行っていくということが、少子化対策という上でも大変大事な点じゃないかというふうに考えますが、ぜひ、その辺の取り組み、認識につきましてもお答えいただきたいと思います。
○成田政府参考人 お答え申し上げます。
各自治体において保育園等を整備する際には、保護者の方のニーズをきめ細かく把握し、多様な保育の提供体制を整えることが重要であると考えております。
このため、議員御指摘の障害児通所支援事業所、いわゆる障害児通園施設と保育園の複合施設を含め、子育て安心プランでは、小規模保育事業の推進、幼児保育事業の推進、医療的ケア児の受け入れなど、さまざまな保育ニーズに応じた保育の受け皿を確保することとしており、引き続きこうした取り組みを進めていきたいと考えております。
○古賀委員 引き続き進めていくという御答弁がありました。本当に、これからいろいろなニーズが出てくると思うんです。だから、そういったニーズをしっかり受けとめていただいて、自治体でどういう施設の整備を推進できるのかということを厚労省も一緒になって考えていただきたいなというふうに思います。
そして、今、複合施設ということを一例に申し上げましたが、やはり各園の、保育園の質の充実も大事だというふうに思っております。
これまで、子ども・子育て支援に係る費用として一兆円超という数字があって、そのうちの七千億円は消費税財源を充てるということでした。既にこの七千億円というのは、一〇%に消費税がまだ上がっておりませんが、いろいろなメニューがもう実施されているということですよね。
一方で、一兆円超のうちの残りの三千億円、この三千億円のメニューの実施というのは、まだなかなか、処遇の改善以外を考えると、できていない。例えば職員配置です。一歳児あるいは四、五歳児、こういうことの職員配置をどうするのか。
やはり園の質の充実、園を、量の話だけではなくて、質の改善をどうやって図っていくかという観点もぜひ引き続きしっかり考えていただきたいと思いますし、この七千億円、三千億円という話ももう一度再検討して、このメニューをどうやって実行するのか、そして、その先にどうやって質の改善をさらに図っていくのかということもぜひ検討することが必要だと思います。これは質問じゃありませんので、指摘にとどめさせていただきたいと思います。
そして、きょうは、もう一つ大きく伺いたい点があります。保育士さんの処遇の改善の点です。
我々自民党、公明党が政権復帰をさせていただきまして、平成二十五年、ここから保育士さんの処遇改善を毎年図っていっているところであります。具体的には、この処遇の改善というのは、人事院勧告に基づく改善に加えまして、処遇改善加算、いわゆる処遇改善加算一と呼ばれるものですが、これが二十四年度との比較で、二十五年には約三%、毎年、五%、七%、二十八年度には八%となり、二十九年度には一〇%と上がっていったわけです。
そして、今年度、この一〇%にはさらに、技能、経験に応じたさらなる処遇改善というものが加わりました。従来の人事院勧告に加えての処遇改善加算を一とすると、これは処遇改善加算の二と呼ばれているものですね。そういうものでありますが、この処遇改善、園での評価、大変ありがたいというプラスの評価を伺うわけであります。
少し、この処遇改善加算二と呼ばれる内容をここで御紹介させていただきたいんですが、これは、保育園等におけるキャリアアップの仕組みを構築する、構築を支援するというような位置づけであります。
そして、より具体的に申し上げると、支給額が月額四万円と五千円、二つありまして、四万円の加算の対象は、園が、園長先生、主任の保育士さん、その下に、副主任の保育士さん、あるいは中核リーダー、専門リーダーと呼ばれる、主任の保育士さんの下に中堅の保育士さんをつくるという前提で、経験年数でいうとおおむね七年以上というような位置づけになっていまして、これが全体の職員数のおおむね三分の一というふうに整理されているところであります。
この四万円というのは大変大きな額でありまして、運用に当たっては多少柔軟性を設けていただいているということであります。具体的には、三分の一の半分の方には必ず四万円、そして残りの方には四万円と五千円の間で金額を設けるということですよね。こういった形での柔軟性があるということであります。
そして、もう一つの月額五千円という方の加算でありますが、これは今申し上げた副主任や専門、中核リーダーの方の下の方々として、具体的には、職務分野別のリーダー、若手リーダーということで、経験年数でいうとおおむね三年以上ということで、数にするとおおむね五分の一というような位置づけになっているわけであります。
四万円、五千円、そして三分の一、五分の一というような数字が置かれていて、大変この処遇改善はありがたいという話の一方で、では、どなたに、どの保育士さんにこの四万円、五千円を対象として支給するかということについては、園の先生、悩まれているということであります。
この制度というのは、今申し上げたように、キャリアアップをつくるというような話でありますけれども、恐らく想定されているのは、園長先生がおられて、主任の保育士さんがいて、先ほど申し上げたように、中核、そして職務分野別とあって、さらに残りの保育士さんということですね。
こういうピラミッド形になっている、あるいはこれからそういったピラミッド形で役割分担してやっていただくということなんだと思いますけれども、実際、園の先生に伺うと、必ずしもそうなっていないし、そういうことを期待していないというか、そういうことをするのが本当にいいということについては、なかなか、いろいろな声があるということなんです。
つまり、大部分の保育士の方は、経験年数が違っても限りなくフラットで子供たちに接しているという現状があって、その中でこうやって処遇の差を設けて、キャリアアップとはいいながら、役割分担をするということがなかなか今の現状にマッチしていないような声も聞くわけなんですね。ですから、そういう点をどう考えるのか。
そして、まだほかにもいろいろな声があるんです。
例えば、一つの社会福祉法人で複数の園を運営している、あるいは小規模の園をやっている、そうした場合に、今のこの制度だと、各園ごとに階級というかピラミッド形をつくって支給してくださいということになっています。でも、実際は、社会福祉法人全体で人事をしていて、園の人事交流というか人の動きもあって、さらに、小規模だとそんなに完全にピラミッド形になっていないです、数も少ないですし。このときにどうやってこの処遇をしていくべきかというのは、大変難しいと。確かにそうですよね。
想像すると、園の先生で、私は四万円いただいています、私は五千円です、こういう差があって、でも、余り仕事の違いがなければ、かなりぎすぎすして、あの人はすごくもらっているというようなことになりかねないわけですね。
ですから、こういうことを考えても、やはり、この金額、あるいは対象となる三分の一、五分の一という数字、また、今申し上げたような、法人としての一つのくくり、あるいは園ごとの縦割りではなくて、一つでの人事を考えての支給といった柔軟な運用をぜひ考えるべきじゃないかと私は思いますが、ぜひ御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○小野田政府参考人 お答え申し上げます。
今年度から実施しております技能、経験に応じた四万円等の加算につきましては、先ほど委員御指摘のとおり、各施設におきまして中堅の役職を創設していただき、その職務、職責に応じた処遇改善を行うことで、各施設でのキャリアアップの仕組みの構築を支援するものでございます。
実施に当たりましては、これも委員先ほど御指摘いただきましたけれども、一定の柔軟な運用に努めているところでございます。
その上で、例えば、先ほど委員が御指摘されました、法人単位での配分を可能とする、こういうことにつきましては、確かに、法人が経営する施設間での加算対象者の決定、あるいは人事異動が容易であるといったような利点が考えられると思ってございます。
ただ一方で、法人全体での配分ということになりますと、本来、今回の制度の趣旨でございますけれども、各施設ごとに中堅の役職を創設し、キャリアアップの仕組みを構築する、これによって各施設において安定した保育の提供に資していただくというような制度の目的でございますので、この目的に照らしまして判断していく必要もあろうかと思っております。
また、法人単位で加算対象者を決めるという場合には、例えば施設が複数の自治体にまたがる、こういったようなことも起こってこようかと思いますけれども、そうした場合などに、実際、加算認定を行います都道府県等において事務が滞りなく行えるかどうか、こういった実務上の問題につきましても配慮が必要だというふうに思っております。
いずれにしましても、この制度は今年度から発足しているものでございますので、引き続き柔軟な運用に努めていきたいというふうに思ってございます。
○古賀委員 今、統括官から目的に照らしてということもありましたし、一方で、例えば自治体が異なるときにという、手続上の問題も確かにあるなというふうに思ったところであります。
今おっしゃったように、やはり目的に照らした場合に、今置いている制度、実態が少し異なっていて、その結果、この運用に当たって支障を来すというようなことがあれば、ぜひ、そこは柔軟に考えていただきたいと思います。
そして、今伺っているところでは、この加算の二は、今、どういう実施状況にあるかということを調査をかけられているというふうに伺っております。そして、その回答が年内にあるようですけれども、もう少し、どういう調査をかけているかを伺っているんですけれども、具体的に把握していただきたいなと思うんですね。
つまり、実施していないところについては、その理由というふうな形になっているようなんですけれども、実施するというところであっても、やはりいろいろな、今申し上げているような課題を感じていらっしゃる方、たくさんおられるので、そういった面では、今の調査はそれでいいですけれども、いろいろな声をぜひ拾っていただいて、先ほどの自治体をまたぐときにという問題は確かにありますし、柔軟にする面でのいろいろな課題もあると思いますけれども、そのあたりはぜひ、お声を受けていただいての、より先生方に喜んでいただけるような、励みになるような処遇改善にしていただきたいというふうに思います。
そして、処遇改善加算の二についてもう一点指摘させていただきたいのですが、四万円、五千円の処遇改善の加算の二については、研修要件というのがかかっているんですね。つまり、キャリアアップしなきゃいけないということなので、研修によって技能を習得し、そしてキャリアアップを図るという仕組みになっているので、キャリアアップの研修を受けることということが支給要件になっています。
ただ、この研修の要件というのは、今年度から加算開始していますが、二十九年度では課されていない。そして、平成三十年度以降は職員の研修の受講状況等を踏まえて決定するというふうになっていますよね。これによって、大変不安の声を伺うんです。
つまり、今、加算の対象にした先生が、来年になって、研修を受けていないということで、処遇をまた戻さなきゃいけない。あるいは何年かやっても、研修要件がかかってきて、その結果また見直さなきゃいけないとなると、一回処遇された先生が変わってしまう。あるいは、この研修を考えて、なかなか加算できないというような話もあるわけです。
そして、そういった話以外にも、研修の時間、六十時間以上研修時間が必要だというような話だったり。あるいは、研修の実施主体が都道府県になっていますよね。都道府県になっておりますけれども、それ以外にも既に研修をたくさん受けてこられた保育士の先生方がおられ、そして、協会や組織でも研修を定期的にやっている。さらに、各園でも個別に、園の中でやる方が多くの先生と一緒に専門家を呼んで研修ができるわけですから、そういう研修も実施している。これだって立派な研修なんですよね。
ですから、こういうことも含めて、キャリアアップにつながるような研修制度にしてほしい。でないと、なかなか研修なんて受けられないですよね、保育士の先生。さらに、今、認定こども園を進めていっている中で、幼稚園教諭の免許を取得する、あるいは、これは十年更新ですので、免許の更新のための講習を受けなきゃいけない。
先日、宮崎の県の先生にお話を伺う機会があったんですけれども、宮崎県も研修が、急に認定こども園がふえていっている中で、講習を簡単に受けられない、日にちが確保できない。予約を入れても認定校での講習を受けられない。そういう中で、講習も受ける、研修も受けなきゃいけない、子供たちに接する以上にそういうところに時間が割かれてしまっては、とてもキャリアアップじゃない。そこにたどり着かないということがあるんです。
ですから、こういった声をしっかりと受けとめていただいて、時間をどうするのか、先ほど申し上げた研修も広く認めていいんじゃないか。さらには、そういった要件だけではなくて、そもそも、研修要件をいつからスタートするのか。本当に研修の体制が整って、それからしっかりスタートする。事前にしっかり周知をするということにしないと、なかなか安心してこの処遇を受けられないという声を聞くわけですが、ぜひ御見解をお伺いしたいと思います。
○小野田政府参考人 お答えいたします。
技能、経験に応じた処遇改善は、研修による技能の習得を通じたキャリアアップの仕組みとなっておるところでございますが、制度創設初年度である平成二十九年度は研修の受講要件は課しておらず、平成三十年度以降も、職員の研修の受講状況等を踏まえ検討することとしてございます。
今後、研修を要件化することにつきましては、都道府県における研修の実施状況等を勘案し、各施設の運営や研修受講者に負担が生じないよう考慮、配慮しながら進めてまいりたいと考えております。
○古賀委員 今御答弁いただきましたけれども、ぜひ、研修状況についても、都道府県に今調査をかけているというふうに把握しております、この点についても、より研修に対するいろいろな声を、都道府県の担当者だけではなくて、実際の現場の声として拾っていただきたいというふうに思います。
制度自身は非常に、キャリアアップして、園として充実した園の運営をするんだというその趣旨、目的というのは賛同いたしますけれども、せっかくの制度が現場の先生の声を受けていない、その結果、いろいろな逆の問題が生じる、別の問題が生じるということになっては、せっかくの処遇改善がもったいないというふうに思いますので、そういう意味では、研修要件についてもじっくりと考えていただき、そして実施していただきたいというふうに思います。
先ほど、ちょっと宮崎県ということを申し上げましたが、私、福岡県の選出の議員でありまして、福岡の先生方からもいろいろな声を伺います。九州の先生方からも声を伺い、そして、全国的な保育士の先生方の声として、同じような声がたくさんあるんですね。処遇の改善をしっかり進めていく、そういう意味において、この処遇改善加算の二というのは大変大事な加算だと思っております。
でも、一方のそういった全国的な声を拾って、受けて、繰り返しですけれども、研修要件、あるいは、さまざまなこの実施に当たっての制度設計をしっかりと見直しながら実施していくことが大事だと思いますけれども、今役所の方から御答弁いただきましたことも受けまして、ぜひ少子化対策の担当大臣である松山大臣の御所見を伺いたいと思います。
○松山国務大臣 古賀委員にお答えいたします。
技能、経験に応じた四万円等の加算でございますが、古賀委員もよく御承知のように、保育人材の賃金水準を引き上げるとともに、保育人材のキャリアアップの仕組みを構築する、そのために導入をされたものであります。
具体的には、保育や幼児教育に従事する職員が、各施設において、技能が向上する、また職責が大きくなるにつれて賃金が上がるという仕組みにしております。これは、職員が、その努力を評価され、将来の希望を持って長く職場で働けるようにする、これを意図としてつくっている仕組みであります。
また、近年、子供や子育てを取り巻く環境が変化をし、幼児教育、保育に求められる役割が多様化、複雑化する中で、職員が専門性を向上させていくことが大変重要だと考えております。
この四万円等の加算でございますが、対象となる職員を施設ごとではなく法人全体で選ぶことができないか、また、平成三十年以降の研修要件を緩和することができないかといった声は、私も、郷里が一緒でございますので、同じような声をお聞きいたしておりますし、承知をしております。
これらについて、いろいろと実務的な課題はございますけれども、いずれにせよ、制度創設の目的を踏まえながら、現場において負担なく使いやすいような制度になるように、引き続き、関係団体そして現場の声にしっかり耳を傾けて取り組んでまいりたいと思います。
○古賀委員 大臣、ありがとうございました。
今御答弁いただきましたように、いろいろなお声、いろいろな観点をしっかりと押さえていただいて、ぜひ、よりよい制度づくりをお願いしたいと思います。
先ほど、研修の件で、ちょっと補足というか追加で申し上げたいんですけれども、研修を受けること自体が非常に大変な中で、やはり今、ICTとかネットでの研修、こういうこともぜひ活用する中で、先生方が子供たちに接することができる時間をつくることも大事ですし、処遇改善だけで保育士の方が確保できる、潜在保育士という問題もありますけれども、こういった点において、処遇さえ上げればいいということじゃないということもぜひ指摘させていただきたいと思います。
当然、処遇を改善すると同時に、いろいろな事務負担があって、書類を書いたり、いろいろな親御さんの対応があったり、こういうことを、どうやって負担を軽減して子供たちに向き合えるのかということをやはりきちんと考える中での処遇改善であってほしいと思います。
処遇改善につきましては、報道ベースですけれども、再来年の四月にはさらに改善が図られるということで、大変ありがたいというふうに思います。保育士の方々の給与水準とほかの職種はまだまだ差があるということでありますので、一歩ずつ処遇改善を図っていって、より多くの保育士さんが子供たちに向き合える、接することができる、働いていただけるというような状況をつくっていくことが大事だと思います。
そして、今、待機児童解消と同時に、幼児教育、保育の無償化という話もございます。本当にこの国を、将来をしょって立つ子供たちの育っていく場をどうやってつくっていくのか、そして子育てをしているお父さん、お母さんを支援していくのかということも大変大事でありますので、園の量の拡大、そして質の確保と向上ということの中で幼児教育、保育の無償化ということがうまく組み合わさっていくということが大変大事だというふうに思いますので、そういった総合的な観点と長期的な視点に立って、これからも内閣府、厚労省と連携して、子育て支援、しっかりと後押ししていただきたい、推進していただきたいと心からお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
―――――――――――――
○山際委員長 この際、お諮りいたします。
各件調査のため、本日、政府参考人として財務省大臣官房審議官古谷雅彦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山際委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○山際委員長 次に、篠原豪君。
○篠原(豪)委員 立憲民主党の篠原豪でございます。前回に引き続き御質問させていただきますので、どうぞ先輩方、よろしくお願いいたします。
解散・総選挙後に初めて開かれた特別国会ですけれども、会期末の十二月九日まで、残すところ、実質もう三日ということになりました。
振り返ってみれば、今国会は、森友学園をめぐる会計検査院の報告書が提出をされたことにより、残念ながら、この問題の謎はさらに深まったんだろうと思っています。
具体的には、森友学園への国有地売却の八億円の値引き額の適正性、森友学園との金額交渉の有無、そして、適正性の証明、証拠となるはずの行政文書の適切な管理、関係省庁によるそんたくが行われていなかったのかということについても、会計検査報告書を見れば、誰がどう見ても明らかに不適切に破棄されている文書がいっぱいあって、そして、それがもうわからなくなっているということでありました。
そして、これらの問題に、幾ら我々が政府の皆様に問いただしても、根拠を示す十分な答弁は結局なかったのではないのかなというふうに考えております。こういった政府の説明姿勢には、もはや多くの国民は本当にあきれており、怒りもどんどん頂点に向かって本当に大きくなっているというふうに感じます。
きょうも、うちの地元の支援者の皆様方とお話しさせていただいたんですけれども、やはり、この問題は本当におかしいんじゃないのかなという声がほとんどでした。あとは、興味が余りないというのは政治そのものにかわかりませんけれども、それじゃいけないと思うんですが、政治を見られる方々にとってみればそういう感覚だというのが、私が聞いてきた率直な声です。
そして、本当に残念なのは、国民の皆さんが、今、八割以上が納得できないんだという最新の世論調査の結果になっておりまして、これは私自身も、今回のこの国会を通じて、政府の皆さんの対応には大変な違和感を感じているところでございます。
この問題を議論すべく行われました予算委員会の運営も、これは残念なものだったと言わざるを得ません。今回は衆参二日ずつ審議が行われましたけれども、野党の議員が本来質疑をできるはずだった持ち時間を、与党の皆さんが数の力に頼ってそれを削って、そしてその結果、野党第一党の質問開始が初日の夕方四時からという、これはテレビ入りの審議でありますけれども、そういった、ここのところで見れば前代未聞の委員会運営だったのかなというふうにも思います。
そして、その短い審議時間の中でも新しい事実がわかってきました。具体的には、音声データやメモの存在など新しい証拠が出てきたにもかかわらず、金額については話をしたが価格は交渉していないでありますとか、口裏合わせではなくてごみの量を見積もる資料の提出のお願いをしたとして、新聞の社説でも、これは無責任過ぎる政府答弁だなどというふうに取り上げられている始末です。そして、もはやそんたくが行われたのではないかというどころの話ではなくて、答弁そのものがそんたくで行われているんじゃないかと思わざるを得ないような、不思議な感覚でこの姿勢を見てきたところであります。
このそんたくがあったかどうかとか、いろいろこの説明については、私はやはり、今の問題、いろいろ出てきましたので、これは佐川前理財局長、国税庁長官でありますけれども、財務省が認めた二つの音声データの存在、新しく見つかったメモ等の問題があります。
事前の価格交渉を否定してきた御自身の声で、国会答弁が根幹から揺らいでいるわけですから、これをしっかりと、なぜ売却額を当初非公開にしたのか、不適切な八億円の値引きの経緯も、関連する行政文書が破棄をされているのでわからないという会計検査の結果を受けて、これまで適切と説明してきたことを御自身がどう受けとめているのかということを伺いたく、昨日、佐川さんにきょうのこの委員会に来ていただきますようお願いいたしましたけれども、残念ながら理事会でこれは認められなかったということでございます。
きょうは、そのかわりに古谷大臣審議官が来ていただいているということなんですが、この質問の内容について、御本人に、もしいらっしゃるんであれば確認をしていただいて、そしてお答えいただきたいというふうにお伝えをしました。そのことについてお答えがあるのかどうか、まず最初に教えていただければと思います。
○古谷政府参考人 お答えいたします。
国有地の売却といった理財局の件に関する質問につきましては、現在の担当者が責任を持って引き続き対応するということで、きょうこちらにおります。
○篠原(豪)委員 その現在の担当者の方々がお話をして、どういうふうに取り上げられたかというと、これは論点をそらして、そして会計検査も尊重しないで本当にやっている。つじつま合わせも甚だしいし、理財局長がおっしゃったことを、答弁を守るがために、そういったことでどんどんどんどん議論がおかしくなっているんじゃないかという指摘が今メディアではいっぱいされているわけですよ。
そういった状態において、これだけ、いいですか、これだけ二月からこの問題が国会でこの一年間取り上げられて、そして、もう最後の、特別国会もいよいよ会期末に近くなる中で、八割の方々がおかしいんじゃないか、五割以上の方々が通常国会、来年もやった方がいいんじゃないかというときに、まだそんな態度でいるのかということだと思います。
これは、何をそんたくしているのかわかりませんが、非常におかしな話だというふうに感じている国民の皆さんが多いということを、もう一度、真摯に丁寧に説明をするというふうに総理大臣が言っていらっしゃるんであれば、やっていただければいいじゃないですか。何もやらない、おかしな話だと思いますよ。
そして首相も、私の言ったのは、理財局も近畿財務局も国有地を適切な価格で売買しているという、そしてその皆さんのコメントを信頼してきたんだといって、皆さんのせいにしているんですよ、今。それを私が調べて適切だと言ったわけじゃないから、皆さんに聞いてくださいということじゃないですか。会計検査院の報告を見たってわからないから教えてくださいと今お願いをしているんです。では、誰が一体教えてくださるんですか。という問題があるんだと思いますね。
これは、お手元の資料に、ちょっと配らせていただいているんですが、三枚目の資料でございます。
理財局さんが、六月一日になって財務省のパソコンであるとかサーバーを消してしまう、そして廃棄をするので、これはもうだめなんだということをずっとおっしゃっていましたが、先日の二十四日の私の質疑の中で、パソコンはまだとっているという話でした。
私は、実は、六月五日の時点で安倍総理に対して、こういうことが起きるんじゃないかということを、NHKのテレビ入りの審議の中で、まだ六月五日ですから、一日からパソコンをかえているんですよ。
会計検査院の報告を今回読んでみると、二週間たったら戻らないと書いてあるんです。その二週間たったら戻らないということは、なくならないようにといって、既に公文書管理法で、内閣総理大臣は、行政文書ファイル等について特に保存の必要があると認める場合には、当該行政ファイル等を保有する行政機関の長に対し、当該行政文書のファイル等について、廃棄の措置をとらないように求めることができるというふうにお願いしているんです。あの時点でパソコンをとっておけば、会計検査院がおっしゃるような、二週間後がどうだとかというところで今言いわけされていますが、そんなロジックは成り立たないんですよ、既に。
こういったことをどんどんどんどんと続けているということは、私は前回も申し上げましたけれども、やはり官僚の皆さんも、つらそうな顔をしている方は多いですよ、今回聞いていて。こういったことは本当にあってはいけないんだというふうに思います。
佐川さんが適切な処理だったとして言ってきた、その答弁を、つじつま合わせをしている。これは詭弁だというふうに言われているので、今出てきていただけない。
そして、安倍さんにはこうやってお願いしました。謙虚に受けとめて、委員会を通じ、真摯な説明を丁寧に行っていくと言っている御本人が、皆さんのところでやった言葉を信じてやっているんだから、これは私が適切と言ったわけじゃない、こういうことになっているんです。これは総理にお願いしたので、総理がその時点でやっていれば、こういうふうにならなかった。
将来から我が国の今の歴史を見たときに、一体この国の全体、どういうふうに安倍政権はなっているんだろうというふうに、これはなるんだろうと思います。売却予定価格の決定に必要な評価調書も存在しない、これは後藤さんが前回の委員会でも強くおっしゃっていました。そして、今国会で検査報告、もう問題だらけなんですよね。
ですので、これは、今までの、今国会での政府側の皆さんの答弁を聞いていましたりすると、要は、ありませんでしたので済みませんでした、今後の売買については見直します、これを過去の教訓にやっていきますという話です。そうじゃなくて、これだけ特例だらけなのだから再調査すべきじゃないかと思っています。でないと、会計検査院の検査報告そのものが何だったんだというふうに思っている方々も多いと思いますし、これは本当に会計検査院に任せてあるといって、この会計検査院がわからない部分があるといって、パソコンがあったりするわけですから、検査報告を本当に活用する気があるのかということであれば、これはやはり、今、四日間の審議で十分ではないですよ。国民の皆さんの八割がおかしいと言っています。こういったことが次から次に起きています。
そこで、官房長官、もう一度お伺いをいたしますが、こういう状態になっておりますので、これは改めて、会計検査の報告、四日間の予算委員会の指摘について、改めて徹底的な再調査を各省に命じていただくことはできないでしょうか。お答えいただければと思います。
○菅国務大臣 まず、今国会に提出されました会計検査院の報告について、政府としては真摯に受けとめる必要がある。そういう中で、重く受けとめて、財務省、国土交通省からは、そういう中でしっかり検証した上で、国有財産の管理、処分の手続等について必要な見直しを行っていくに尽きるという答弁がなされております。
政府としても、国有財産の売却について、業務のあり方を見直すことが必要と考えており、関係省庁において今後の対応を検討する、このようにさせていただいております。
委員、御承知の上の質問だろうというふうに思います。
いずれにしろ、この文書管理の指摘をされております。そうしたことについて、この関係省庁、財務、国土交通省においては、現在、適切に対応をする必要があるというふうに考えておりますし、また、政府全体におきましては、公文書管理の趣旨を徹底する観点から、この行政文書の管理に関するガイドラインの見直しを行っているところであります。
○篠原(豪)委員 ぜひ、再調査という意味で、何があったのかというところを本当にお願いしたいと思っています。
政府は、公文書管理法の目的である、国民の皆さんに説明する責務が全うされるようにするということの視点がやはり欠けているんじゃないか。今、官房長官からは、ガイドラインの見直しを行っていくという話がありました。このガイドラインの見直しも、私も見てみたんですが、七つの項目があって、そこで、保存する、しないということを選別していくんだということになっています。
それが、今回の森友学園をめぐる問題とか加計学園の問題は、そもそもとっておくべきものを、とっておかないというふうに無理やりこじつけたらそれでいいんじゃないかみたいな解釈をして、そして、なかったことにしているんだということはもう明らかなわけですよ。これはやはり公文書の精神にのっとっていない。ガイドラインだって、これは法には関係ないですから。
ですので、これは、そこをやはり接続させて、この公文書管理法そのものを変えていく必要があると思って、きのう私たちは、野党六党でありますけれども、公文書管理法、提出をいたしました。
この公文書管理法、主なポイントは、PKOの日報等で明らかになった電磁的記録がなくなったとか、森友学園の八億円の値引きの交渉でわからなくなった対外的な交渉記録の問題がどうなるかとか、そういったものを全て解決させるものであります。
そして加計学園の、これでは個人メモだ、個人メモだと言っています。なぜか知らないけれども共有サーバーに個人メモが入っていたみたいな、そういうことはもうちょっとやめにして、それは共有サーバーに入っていれば個人メモじゃありませんから。そういったことで個人メモと言うんだったら、これはもう全部外してやめていこうということで、行政文書の定義を見直しました。
そしてさらに、この加計学園の問題でいうと、これは後藤さんも御指摘されていましたけれども、大学設置審の議論が議事の要旨ということになっていて、だから、国会で話したような、内容が全部議事録のようにわかっているようになっていないのが、それが全て大丈夫ですというみたいな開き直った答弁、開き直ったというか、そういう答弁を十二月四日の参議院の本会議でも安倍さんはされているんじゃないかと思います。そういったことがなくなるように、そういったものに対しても、これは、関連の閣議とか審議会等の議事録の作成、そういったことも明記しているものであります。
こういったものがやはりあれば、これは会計検査院の皆さんにお伺いしたいんですけれども、こういった法律がしっかりこういうふうになっていれば、今回の結果というのは違ったんじゃないかと思います。その点について、短くて結構ですから、どう思われているのか教えていただければと思います。
○原田会計検査院当局者 お答えいたします。
今回の報告書では、公文書の管理に関する問題として、会計経理の妥当性を判断する会計検査院の立場として、残されている行政文書では、売却に至る具体的なやりとりの内容等が確認できず、会計経理の妥当性について検証を十分に行えない状況が見受けられたということを記述しております。
今後、公文書管理委員会における議論の内容等を踏まえて、国有地の売却等に関する会計経理の妥当性の検証が十分に行えるよう、必要な措置を講ずることが必要であるというふうに考えております。
○篠原(豪)委員 なかなか言いにくいのかもしれませんが、今おっしゃったことが全て、この法案を出せば、これはしっかりと担保されていくということになるんだと思います。
この問題は、公文書管理委員の方にもお話を聞いて、そして、そういう発言もなさっています。そういったことも含めてやっているんだと思います。
こういったものをしっかりと出させていただくということでありますので、これは、公文書管理法の精神として、やはりガイドラインでやるんじゃなくて、今申し上げたような点、細かいところはありましたけれども、これは質問の通告では四つぐらい出しているところでありますけれども、そういったものをガイドラインで、今申し上げたようなところプラス、言ってみれば、内閣総理大臣が、こういうことを我々がお願いしても、公文書管理法の八条の四で文書をとっておかなきゃいけないんじゃないか、総理大臣、悩んで、わからないんだったら、判断できないんであれば、これは公文書管理委員に、今、会計検査院も公文書管理委員に聞けばいいと言っていましたから、これをしっかりと諮問するということがあった方がいいとか、あるいは、特定の公文書の管理について、特別の定めのある法案というのもありますから、その辺もしっかりと議論していくということを法律で書いて、公文書の精神としてやっていかなきゃいけないと思っているんですけれども、短くで結構でございますので、梶山大臣に教えていただければと思います。
○梶山国務大臣 お答えいたします。
さまざまな御指摘があったことを真摯に受けとめる必要があると思っております。これらも含めて、今ガイドラインの見直しをしているところでありまして、二十三年の四月一日に公文書管理法が施行されて、五年がたって見直しを検討した、その検討事項も踏まえて今ガイドラインをつくっているところですが、さらにまた御指摘の件も踏まえて、今やっているところであります。
ガイドラインにつきましては、例示をして、各行政機関でどういう文書を残すか残さないかということをこの一月から三月の作業でやるわけでありますけれども、それについても、公文書管理委員会のメンバーの方に見ていただいて、より徹底を図っていくということで、四月一日から、各行政機関において、それらを忠実に守ってもらうために、しっかりとした研修なども行っていくということであります。
○篠原(豪)委員 各省庁に任せると、財務省と国交省では、なかったという話になるんですよ。なので、それはやはり決めるときにはしっかりと規定をつくらなきゃいけないです。文書管理規則を、各省庁でガイドラインでつくって、その下に細則をつくって、細則の中身を見てみたら、全然違うことが書いてある。それで、各省庁がばらばらなことを言っている。細則なんか全然違いますよね、見ていただいたことがあると思いますけれども。
そういった中で、やはり、それはそうじゃなくて、今回これだけのことがあったので、公文書管理法をしっかりと最初からやるということを考えなきゃいけないし、今その具体的な作業をやっているのであれば、それこそ生かされることだと思いますので、それはしっかりと、後藤委員の先日の質問でも、法律の改正も含めてと、私のときにも、たしか六月五日のときにもそういうことを総理が発言されていると思いますので、やはりそこも検討していただきたいと思います。
この問題は、もう時間ですので最後ですけれども、やはり、メディアを見てみても、幕引きなどとんでもない、疑問はますます膨らむばかりだ、これは、安倍総理の御意向や官僚によるそんたくで、公平公正性がゆがめられることがなかったのか。そして、異例ずくめ、不適切、もうこれは、会計検査院の調査報告や予算委で指摘された疑問を解明すべく、関係省庁に徹底的に指示をしましょう、そういったこととかが指摘されております。
また、当事者、きょうは佐川さん、いらしていただけませんでしたけれども、安倍昭恵さんも、さんざん国会で、御本人に話を聞かせてくださいということを、各党各会派の野党の委員が皆さんにお願いしていますが、実現していません。ですので、これはやはり、まだその解決というところではなくて、しっかりと話をしなければいけないし、そのときに、今、八割の方々が、最後、質問させていただきますけれども、今、八割の方々がやはり納得をされていないということなんです。
そして我々も、公文書管理法の改正案を情報公開法の改正案とともに、野党六党で公文書管理法の改正案につきましては出しましたし、野党はみんなで、これじゃおかしいんじゃないかということで、力を合わせてやっていこうという話もしていますので、ぜひ、総理が、真摯で丁寧な説明を委員会等を通じてやっていく、議会を通じて、国会を通じてやっていくとおっしゃるのであれば、これは国会を延長して、そして引き続き、やろうと思えばやれるはずなので、ぜひ、そういうふうにしていただきたいと思います。
これは官房長官、ぜひそのことについて、我々、公文書を出しましたし、もう少し議論が必要じゃないか、そのために国会延長も必要じゃないかと思っておりますので、そのことについて、最後にお答えいただければと思います。
○菅国務大臣 私たち内閣には、召集日を決めるという、提案をすることはできますけれども、会期の延長は、これは議会で決めることになっておりますので、議会で御議論いただければと思います。
○篠原(豪)委員 安倍総理に御意見を言っていただけるのは官房長官だと思っておりますし、安倍総理は、与党の自民党さんの総裁でもあります。ですので、これだけの問題があって、そして、行政府と立法府とがその扱いをそこで切り分けているんじゃなくて、やはりこれはしっかりと直接お話しをいただければと思いますので、お願いさせていただきまして、私の質問とさせていただきます。
どうもありがとうございました。
○山際委員長 次に、佐藤公治君。
○佐藤(公)委員 希望の党、佐藤公治でございます。
きょうの質疑は、先般行われました大臣の所信、発言に対しての一般質疑ということで立たせていただいております。
私がお聞きしたいこと、時間のない中でお二人に来ていただきました。本質論、そもそも論の話を少ししたいと。そして、それは非常に抽象論になるかもしれませんけれども、どうかお答えを願えればありがたいと思います。
まずは、その入り口として、日本の人口のあり方というもの、所信表明、御発言では、まだまだお二人の大臣、実は、全大臣に聞きたいぐらいなんですけれども、皆様方の将来の日本のあるべき姿ということ、そういったことをお話をし合いたい。
私の考えもありますが、時間がない中なので、お二人の将来の日本の像というか、どうあるべきかということを少し、所信、発言の中で足りないもの、聞き取れなかったことをお答え願いたい。
まず、松山大臣にお聞きしたいと思います。
この人口のあり方というもの、このままでいけば人口が減少していくということは数字上わかること、そして、今、政府なり内閣の方でやっていることは、一つの、一億人という基準を設けて、そこに向けてという考え方で動いている。でも、これは何かあくまでも数字的な問題の解決でしかないような気がいたします。
私たちがいろいろな政策を考えていく上で、年金や医療や、または介護、少子化、教育、この人口のあり方というものが、実際、国会の中で政治家同士が本当に議論していくような場面も余りなく、そして、議事録もいろいろと調べていくと、そういった与野党の議論も、そもそも論でない。何か皆さん、私たちも、もう決められた、経済財政諮問会議、もしくは閣議決定、もしくは研究所等のデータ的なことだけをうのみにし過ぎて、それが正しいと思い込んでいる。
でも、我々政治家として考えるべきことは、国民の幸せがどうなっていくのか、少しでも後押しをしてあげたい、すべきだ、その力になる環境整備をしていく、それが我々の仕事だとも思っております。
その意味では、どうか松山大臣、自分の、どうあるべき、日本の像も含めて、人口というものがどうあってほしい、どうあるべきかということを、御所見をお伺いしたいと思います。お願いいたします。
○松山国務大臣 お答えいたします。
二年前に、我々は、一億総活躍社会の実現を目指すということで、与党の中で合意形成を図り、また閣議決定までした、これから目指す社会像というのは一応掲げました。
それで、委員おっしゃるように、今後、五十年後も人口一億人の維持というものを目指そうという中で、お年寄りも若者も、あるいは女性も男性も、難病や障害を抱える方であっても、誰もがどんな立場であっても一歩を踏み出すことができる、そんな社会を目指していこうということで掲げ、その上で三つの大きな柱を掲げました。
その一つが、やはり何といっても経済、強い経済なくしてあすの希望は生み出すことができないということで、戦後最大のGDP六百兆円を目指していこうということを一つ掲げました。二つ目に、子供たちの夢を紡ぐ社会ということで、子育て支援というものを掲げ、三つ目に、介護離職ゼロを目指しながら、今後介護と仕事の両立ができるような社会ということで、大きく三つに分けてスタートして、その一億総活躍プランを閣議決定し、我々もそれに賛同し、私も今現在、少子化担当大臣も兼務しながら頑張らせていただいているところでございます。
間違いなく、やはり人口が減るということは、地域や企業やあるいは国家にとって担い手が減っていくということでありますし、国家全体の構造が今から変わっていくということですので、もちろん経済成長にも大きな影響があるということでありますので、やはり少子化対策は極めて重要だというふうに考えております。
人口も、二〇一五年の厚労省関係の国立社会保障・人口問題研究所の数値を見ると、二〇一五年が一億二千七百万、二十五年後の二〇四〇年には一億一千万、五十年後の二〇六五年には八千八百万。今の全国平均の一・四四を基本に計算すると、このような状況になっております。
また、昨年は、この数値をとり出してから初めて百万人を切る、出生数が九十七万六千九百七十八人と過去最低にもなりましたので、この急速に進む少子高齢化の状況について、まさに国難と位置づけて、少子化を克服するために大胆な政策転換に踏み出す必要があるというふうに考えておるところでございます。
○佐藤(公)委員 大臣の今のお話を聞いていると、政府もしくは内閣のやっていることは自分の思いと一緒だということでよろしいんでしょうか。
○松山国務大臣 はい。それは一緒というふうに御理解いただいて結構でございます。
○佐藤(公)委員 ということは、人口は一億人を一応目指して、それを何とか安定的にさせていくことが、松山大臣の目指すべき日本をつくり上げるその基礎、ベースになるというふうにお考えでしょうか。
○松山国務大臣 人口は少なくとも一億人は維持をしよう、五十年後であっても一億人は維持をしようというのが基本的な考えで、それはまさに、フランスやスウェーデンのように出生率をもっと高めていって人口がふえていくということが極めていいことで、目指さなければならないというふうに思います。
○佐藤(公)委員 梶山大臣、同じ質問をさせていただきますけれども、実は、お二人のホームページやなんかを見て、非常にいいことをおっしゃられている。
大臣は、規制改革担当大臣として今この席に座られているとはいうものの、やはり一政治家として、地元を背負い、そして国会に出ている。
まさに、人口のあり方、実は、数だけではなくて、どういう内容というか、どういう方々の一億人かということもあるし、地政学的に、一極集中、地方といったバランスのこともあると思います。
梶山大臣には、どうか、今後の日本の像がどうあるべきかということを含めて御所見をお聞きしたいと思います。
○梶山国務大臣 お答えいたします。
人口については、二〇〇八年の一億二千八百八万人をピークに、人口減少局面に入りました。この人口減少だけでなくて、それぞれの地域も同じなんですけれども、人口の中の世代構成のバランスがしっかりとれていないと活力が失われていくということでもあります。
高齢化率という数字であらわされたりしておりますけれども、長寿社会になったことはすばらしいことですけれども、若い人たちが少ない。若い人たちが少なければ、やはり活力が失われていく。若い人たちは、借金してでも、例えば結婚をする、子供が生まれる、幼稚園に入る、小学校に入る、そのことによって、ランドセルを買ったり、子供さんの机を買ったり、成長に合わせて家をリフォームしたり、車を買いかえたりということで、お金がかかる世代。それらがずっとバランスがとれて世の中の消費が成り立ってきたと思っております。
そういうことをしっかりと国全体で考えるとともに、それぞれの市町村、千七百十八ありますけれども、それぞれにやはりどうあるべきか考えていただきたい。そして、人口減少に歯どめをかけるとともに、その地域であるべき姿を考えていただきたい。もとには戻らないまでも、ここまでやればこの地域の活力が維持できる、そして、こういう町の運営、市の運営をすればこの地域でもずっと存続できる、持続可能なものを考えていくという中で、地方創生の取り組みが出てきたものだと思っております。
東京や大阪や名古屋、これは個別の都市名を挙げて恐縮なんですけれども、ここだけで日本は成り立っていないということなんですね。ほかの市町村があって支えてこそ全体が浮上するということでありますから、やる気のある市町村に対して地方創生版三本の矢でしっかりと応援をしていくという政策も、私はそのとおりだと思っております。
そして、二〇六〇年に一億人を切るという推計、予測がありますけれども、これは次の世代か次の次の世代の危機なんですけれども、今危機感を感じなくても、その将来の世代の危機感を共有してやっていくことがこの政策を成功させるものだと思っております。そういった中で今の仕事に取り組んでおりますし、地方創生、非常に大事なものだと思っておりますし、私自身も地方の生まれ育ちですので、地方がなければ日本の活力は戻らないものだと思っております。
○佐藤(公)委員 今、お二人のお話というのは、まさにホームページでも書いてあるような、私の持論は、地方、地域、郷里よくならずして日本の発展なしという自分の思いでございます。その間での説明というものは、長くなってしまうので、ここではいたしませんが。
私は、今、この人口のあり方というのと、そして地方のあり方ということが直結した状況になった考え方を持つべき、しかし、全体の一億人ということだけにどうもこだわり過ぎて、今のままでいくと一極集中型がより加速していくような状況も含めて考えたときに、果たしてこのままでいいのかと思う部分がございます。
極端なことを言います。ふえるのがいいのか、減っていくのがいいのか、もしくはそこそこの規模でいるのがいいのか、いろいろな議論があるとは思いますけれども、今の議論がいろいろと、地方創生ということで地方を大事にしているようで、実は切り捨てられていくような状況が見受けられる、私の実感でございます。
その意味で、お二人が今ホームページ等々で書いてございます、地方をより元気に、活力にすべきこと、そういうことを含めて、人口というものの基本的な考え方というのを、政治家同士がもう少し、より深く話をしていく。今までの国会での委員会での議事録において、この人口のことを取り上げて政治家同士が議論したということが余りない。こういったことを私はお二人にお話をしたいという思いでおります。
松山大臣の、ここにも書いてございます、「「日本は動く」一人ひとりのその小さな勇気から」。私は、今、大臣になられて内閣に入られて、自分の思いと、まさに今やろうとしていることが逆行しているようなこともある。まさに、松山大臣の、一人一人の政治家のその小さな勇気がやはり変えていく、私はそう信じたいと思っております。
もう時間もだんだん少なくなってきているんですけれども、私が言いたいことは、今こうやってお話をしている内容、きょう政府参考人も来ていらっしゃいますが、より政治家同士が具体的に議論を闘わせる国会であってもらいたい。しかし、今の国会のこの委員会のあり方というのは非常に健全に機能しているとは私は思いません。最後になりますけれども、私が言いたいことは、今の国会のこの委員会のあり方、議論のあり方が、本当にこのままでいいのかどうかというのを非常に疑問視しております。
私は、参議院にもおりました。外交、防衛関係をやらせていただきました。与党、野党、そういった細かいことはお話をいたしませんが、質問者から防衛大臣に、新型戦闘機における、例えばミサイル、そういったことが、どういう攻撃機能を持って何本つくのか、こんなことの質問があり、大臣がお答えできなかった。そうしたらば、大臣に対して、そんなことがわからずして、大臣、あなたはやっているのかと。こんなことのやりとりというのは私はほかのところですべきことであって、もう少し政治家と政治家が議論を闘わせるべく、国会のあり方、これは国会改革にもなるかと思いますが、そういうシステム、制度にしたいという思いをずっと持っております。
この国会のあり方、話がちょっとそれて恐縮でございますけれども、松山大臣、こういうやり方の国会の質疑で本当にいいんでしょうか。
○松山国務大臣 今は政府の立場におりますので、いろいろ国会のあり方については差し控えたいと思いますけれども、委員のおっしゃるような議論を深めていくということはよく理解できますので、きょうのところは、私の個人的な国会でのあり方は控えさせてもらいたいと思います。
○佐藤(公)委員 当然、梶山大臣にも同じようなことを聞かせていただきますが、いかが思われますか。
○梶山国務大臣 あくまでも一般論としてお聞きいただきたいと思いますが、お互い、質問者もそうですし、答弁者も、議論がかみ合うように、しっかりと国の将来を考えながら、大きな、それぞれの政策の根底になっているものをしっかり議論してまいりたいと思っております。
○佐藤(公)委員 なかなかお答えにくいのかもしれませんけれども、このままでいくと本当に議会が健全に機能しているとは思えないような状況、私はそう思っております。
どうかお二人におきましては、そういったことも含めて、先ほど、松山大臣がホームページでおっしゃられている「「日本は動く」一人ひとりのその小さな勇気から」、こういうお気持ちで、ぜひともこれから、国のためにともに議論をして前に進んでいただく、そして、内閣において、役所において、よろしくない点があればどんどん改革をしていただくことをお願い申し上げたいと思います。
梶山大臣におきましては、ここにも、梶山大臣が考えていることということで出ておりますけれども、「これまでの常識にとらわれることなく、すべての仕組みを、その根本に立ち返って点検することによって、」、こういうふうにお書きになられております。その思いを忘れずに、これから国のために、ともに与野党、頑張ってまいりたいと思いますので、どうかよろしくお願いをいたします。
以上で質問を終わらせていただきます。
○山際委員長 次に、中川正春君。
○中川委員 中川正春です。引き続き質疑をさせていただきたいと思います。
まず冒頭、きょうは、防災関係の課題と、それから北朝鮮からの漁船が今漂着してきていますけれども、そこの対応についてお聞きをしていきたいと思うんです。
この防災というのは小此木大臣が担当しておられるということですよね。ところが、きょうの理事会で私が小此木大臣にその答弁を求めたら、特別委員会の方で所管をしているので大臣はここでは答えられないんだというようなことがあったんですけれども、いや、向こうでもやって、こっちでもやったらええやないかと。大臣も恐らく答えたいだろう、議論をしたいだろう、自然に考えたらそういう思いなんですけれども、大臣、どうこれを受けとめられますか。
○小此木国務大臣 国会でお決めになるべき話だと承知をしております。
○中川委員 こういう矛盾があるということを指摘しておきたいと思うんです。
我々、議論をもっともっとオープンにしながら、恐らく大臣の立場であっても、それはあっちでもこっちでもいいじゃないかということだと思うので、その辺をしんしゃくして我々も一つの規律というかルールをつくっていかなきゃいけないなということを、委員長、私の方から改めて指摘をしておきたいというふうに思います。
その上で、まず防災ですが、一つは、防災計画の見直しは、あの東日本の発災直後、一年、二年でさまざまに見直しをいたしました。
平成二十四年に災害対策基本法の第一弾の改正があって、第二弾というのがその後続いているわけですけれども、次の年に。そこで、私も一つの課題として一番ここが大事だなと思ったのは、行政サイドでいくと、やはり、首長、市長だとか知事の隣にトリアージができるような専門性を持った行政官というのがいて、全国のネットワークの中でそのときそのときの判断をするためのサポートをする、そういうシステムが必要だなということを思いまして、それを内閣府でつくったらどうだということで、各地方自治体からそうした人材を引っ張って、それで、研修と実地をやっていく制度というのができて、今それなりに機能している。しかし、規模はまだ本当に小さいので、それなりに機能しているというふうに聞いています。これが一つなんです。
もう一つは、コミュニティーですね。市や県レベルでは、地域の防災計画というのはこれまでも立ててきた、今もあるんですが、もう一つそれを砕いて、コミュニティーレベルでひとつやっていく必要があるんじゃないか。防災計画を立てた上で、訓練を重ねながら、身近なときに、発災したときに対応ができるような、そういうことをしてあった地域というのは助かっているんです、東日本で。
そういうこともあったので、この基本法の中で改正をやったときに、コミュニティーレベルの計画として地区防災計画を位置づけて、各市町村はその取り組みをやっていくというふうな項目が入りました。
それがずっと続いているはずなんですが、実態として、どこまで今広がって、それが有効に使われているかということですね。まず、その報告からいただきたいというふうに思います。
○米澤政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、平成二十五年度災害対策基本法の改正に伴いまして、地区防災計画制度が創設されたところでございます。それ以降、内閣府におきまして、二十六年度から昨年度まで、モデル事業を全国四十四地区において展開をして、地区防災計画の策定が進むよう取り組んできたところでございます。
今、現状についてでございますが、全国を対象に策定数等については、内閣府としては把握をしていないところでございます。
○中川委員 私のところに報告に来たときには、あるいはこの質問取りをしに来たときには、全国でモデル事業で入れたのが四十四カ所で、それよりも、モデル事業を入れなくても、そういう計画が進んでいるところがあるだろう、それが二百ぐらい。だから、隠していないで、ちゃんと、そうやって言ったらいいんですよ。
○米澤政府参考人 私ども、防災行政を進める中で、さまざま都道府県から状況はお伺いしているところでございますが、今、全国で正確にどの程度という数は承知をしておりません。
○中川委員 大体それが間違っている。こうやって法律で規定して、進めていこうという話になっているにもかかわらず、把握していませんとは何てことですか。そのことをまず指摘をしておきたいというふうに思います。
同時に、モデル事業は入れているんですが、さっきの話で、やったふりをしているモデル事業であって、全国に波及していない。
これは、実は、小学校区単位で例えばコミュニティーというのを考えたときに、小学校というのは二万以上あるんです、今、全国に。それに対してさっきの数なんです。全くそうした体制になっていないということだと思うし、これは、基本的には非常に大事な部分なので、大臣には改めてここに目を通していただいて、具体的にどう展開するのか、なぜ展開できていないのかということを分析しながら対応してもらいたいと思います。
一つだけ、改めて聞きたいんですが、なぜ展開できていないのか、なぜこれだけこの問題を無視してきたのか、どこに原因があるのかということをみずから答えてください。
○米澤政府参考人 私ども、地区防災計画の策定が地域の防災力を高める上で非常に重要であると認識してございます。
先ほど御答弁申し上げましたように、全国を対象に悉皆で地区防災計画の策定状況は現在のところ把握をしてございませんけれども、さまざま防災行政を進める中で、各都道府県におかれましては、地区防災計画が進むような取り組みをしていただいているところでございまして、各市町村におかれても、地域の自治会等と協力しながら、地域の防災力を高める取り組みをしていただいているところでございます。
私どもといたしましては、引き続き、地区防災計画の重要性に鑑みまして、この取り組みが進んでまいりますように、なお一層、地方公共団体と連携協力しながら進めてまいりたいと考えてございます。
○中川委員 実際やっていないということなんですよ。
そこのところについて、本当は大臣がこれは答えなきゃいけないんだけれども、副大臣としての、大臣の気持ちをはかって答弁をいただきたいと思います。
○あかま副大臣 大変僣越でございます。大臣のお気持ちを推しはかりつつ、答弁をさせていただきます。
委員おっしゃるとおり、まず、公助としての災害対応というものもあるでしょうし、ただ、より重要なのは自助、共助の部分、いわゆる地域コミュニティーにおける防災力、この向上だという中で、この地区防災計画制度、これは、委員が防災担当大臣の折に災害対策基本法を改正して、大変思い入れがあり、地域防災力向上に資するという理解の中で図られたものというふうに理解をしております。
今し方委員が御指摘ございました、三年間で四十四地区のモデル事業というものが展開が十分に図られていないということ、このことに……(中川委員「簡単に言ってください」と呼ぶ)はい、済みません。
各市町村としっかり連携をして、各地区にあって防災計画が成立できるように、一生懸命これから折に触れて話し合い、また、しかけてまいりたいと思っています。
○中川委員 済みません、失礼をしました。十五分しかないものですから、あと五分とここに来たもので、これで終わりそうなので、済みませんでした。
せっかく小此木大臣に来ていただいたので、北朝鮮からの漂流、これが続いているわけですけれども、これからもまだあるだろうという可能性が指摘されていますが、大臣、これをどのように把握されて、警察の対応としては今どういう形でなされていますか。
○小此木国務大臣 恐縮です。
北朝鮮の漂着案件が、十一月に入りましてから、それも下旬、三件、四件とありました。
この北朝鮮にかかわる話というのは、所管ではありませんけれども、拉致の話からミサイル、核実験、多くの国民に不安を与えていると思っております。
漂着案件も、その船あるいは遺体が見つかったりというものがございまして、特に、委員の御懸念は不法上陸ということもあろうかと、不法上陸についての御心配もあろうかと思うんですけれども、そういうものの対処について、警察においては、平素から関係機関と連携をして、日本海沿岸地域のパトロール等、所要の警戒警備、あるいは地域住民や防犯団体に対する不審者や不審物等を発見した際の通報の呼びかけ等、我が国への不法上陸の水際阻止に向けたさまざまな措置をしているところであると報告は受けております。
なお、国民への不安を解消するためにも、さらにそういった思いを詰めて警察を指導してまいりたいと思っております。
○中川委員 不法上陸ということ、これは、パスポートを持たずに漂流してくるんですから、みんなそういう意味では不法上陸ですけれども、上陸してくる人たちのさまざまな原因、あるいは、彼らがよって立つ体制に対する思い、これはさまざまなんだろうというふうに思うんです。
ある意味では、遭難者なのかあるいは難民なのか、あるいは犯罪ということを前提にして入ってくるのか。これはひとつ、私たちは真っ白な気持ちでこれを捉えないと、頭から犯罪者だという形ではないんだろうというふうに思うんです。
ある意味、金正恩体制に対しての最大の被害者というのは北朝鮮の国民なんだと思うんですね。そういう意味では、これまでも、難民あるいは脱北者という名でもって、これが中国へ逃げ、韓国へ逃げ、日本にも二百人以上そういう人たちが入ってきているということ、こんなこともあわせて幅広にスクリーニングしていくというスタイル、体制というのが大事なんだろうということです。
それを忘れて、最初から犯罪扱いしてやるということ、これは私は間違っているというふうに思うんです。そこのところが気になったものですから答弁していただいたんですが、案の定、警察としてのスタンスはそこから始まっているなという印象を得たので、一遍十分に考えてみてください。
というのは、もう一つ、根拠法がありまして、実は、これも平成十八年の法律なんですけれども、拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律、いわゆる人権法と言われるものですが、北朝鮮に対する制裁もこれでやっているんです。同時に、この法律の中では、難民ということを前提にすれば、これからいろいろな過程の中で出てくると思うんですが、この難民を受け入れていく、脱北者を日本で受け入れていくということについても体制をつくりなさいよということがこの法律の中にもうたわれています。という意味で指摘をしておきたいというふうに思います。
改めて答弁をいただきたいと思います。
○小此木国務大臣 不法上陸というものも、まず私たちが考えなければいけないというものと、今先生御指摘のこともあろうと思います。
十一月二十三日の秋田県由利本荘市への件につきましては、調査をいたしましたところ、漁に来た、ところが船が故障してこちらまで漂着してしまった、早く国に帰りたいという調査もされているという話を伺いました。
なお、委員の御懸念と今指摘を受けたこと、全体的な把握をするのも重要であるということは私も承知しているところでありますので、大きな立場から考えてみたいと思います。
○中川委員 以上、終わります。ありがとうございました。
○山際委員長 次に、浦野靖人君。
○浦野委員 日本維新の会の浦野です。よろしくお願いをいたします。
きょうは十五分ですので、すぐに質問に入りたいと思います。
平成二十九年度の幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査というのを、今回、認定こども園制度が始まって以来、初めて内閣府が調査を行いました。この調査についていろいろ質問をしていきたいと思います。
まず、この調査の目的をお聞かせいただきたいと思います。
○小野田政府参考人 お答えいたします。
幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査につきましては、今年度は、子ども・子育て支援新制度が平成二十七年度に施行されて三年目であり、五年後の見直しの中間年を迎えたこと、また、平成二十八年六月に閣議決定されましたニッポン一億総活躍プランにおきまして、適切な公定価格の設定等に資するよう、保育所等に対する経営実態調査を行うこととされたことを受け、実施したものでございます。
○浦野委員 この調査のことを何で知ったかというとニュースで知ったんですけれども、そのニュースの内容が社会福祉法人を運営している方々にとっても非常に疑問の残る内容だったので、ここで指摘をしようと思っているんです。
まず、どれぐらいのお金が運営費の中で年間通して残っているかというのも出ていました。その残ったお金、これは社会福祉法人の内部留保の話だとかのときにも議論になりましたけれども、これは利益でも何でもないというのが社会福祉法人の会計上の考え方ですけれども、報道によると、利益率がこれだけあるというような報道をされたということがありましたけれども、その報道自体は御承知ですか。
○小野田政府参考人 お答えいたします。
報道の中で利益率という用語が使われたことにつきましては承知してございます。
○浦野委員 百歩譲って、学校法人の運営されている幼稚園というのは、これも教育にやはりしっかりと信念を持って行っている方が多い中で、利益率ということを言われるのは、それは確かに学校法人の場合は利益と言ってもおかしくないかもしれません。でも、これは考え方には個人差があると思います。
ただ、社会福祉法人は、これは利益でも何でもないというのが今までの我々の考え方ですし、これからもそれは変わらないと思うんですね。
私がもう一つ気になっているのは、この集計結果を見せていただきましたけれども、この中でも、我々、社会福祉法人を運営されている方々からもこれは言われるんですけれども、社会福祉法人の収入、これは収入、支出というのがありますけれども、これは会計報告とかでも毎年今はホームページとかで決算書を公開しています。我々は、入ってくるお金は収入という形で記載を社会福祉法人はしています。
ところが、この調査結果を見ると、既に、収入という言葉を使わずに、収益という言葉を使っているんですね。この収益という言葉も間違っていると思うんですけれども、いかがですか。
○小野田政府参考人 お答えいたします。
今般、十一月十四日に公表いたしました経営実態調査につきましては、収支の状況を確認するということで、収益と支出というそれぞれの用語を使わせていただきまして、それぞれの科目の金額を計上し、その合計の差を収支差額ということで算出させていただいてございます。
○浦野委員 質問に答えていないんですけれども。収益という言葉が適当かどうかということを聞いたんですけれども、私は、これは適当じゃないと思っています。特に保育所の部分は。
収益という言い方をすると、それはやはり利益になるという形に、わざとこういう言葉を使って、言葉遊びでしかないと言われたらそれまでですけれども、言葉というのはやはり大事なので、ここを収益というふうに書かれると、やはり、ああ、社会福祉法人の入ってくるお金は、残ったお金は全部利益なのかと。
利益と言われたら、じゃあほかに何でも使ってもいいんですかとなりますけれども、社会福祉法人の場合はほかに使えませんよね。社会福祉事業、社会福祉の目的に合ったものにしか使えない、そういうふうにちゃんと縛りのあるものですから、それが利益だと言われると、我々は甚だ遺憾やと思いますね。
もう一つ問題点があるのは、公立も調べてもらっていますけれども、結果の概要を見ると、公立の保育所、百六十三施設というふうに書いてあるんですね。これは全国に何個公立の保育所がある中の百六十三施設なのかというのをちょっと教えていただけますか。
○小野田政府参考人 お答えいたします。
厚生労働省社会福祉施設等調査、平成二十八年十月一日現在でございますが、この調査によりますと、公立保育所は八千七百三十七カ所というふうに承知してございます。
○浦野委員 要は、これは二%ぐらいになるんですか、約二%の公立しか調べられていないんですね。
今までも我々、私、厚生労働委員会も長かったものですから、厚生労働委員会でも質問をさせていただいていましたけれども、公立の保育所こそ、これは一〇〇%調べてくださいと言っているんですね。
ここにも書いています。公立の場合は人件費とかが一般会計から出ている部分もあって、実態を把握しづらいというふうに書いているんですけれども、いやいや、それ、実態は把握できるでしょうという話です。公立にいてる職員の方々を抜き出して、給与がどれぐらい出ているのか、全部集計すればええだけの話なんですよ。それができないなんということはあり得ないですから、多分やりたくない。八千七百三十七カ所の公立の保育所を調べたら非常にまずい数字が出てくると思っているのかどうかわからないですけれども、やってくれないんですよね、全然。やってください、これ。
というのは、やはりちゃんとした数字を見ないと、僕らも判断できないんですよ。公立の保育所の方が給料が高いと言われている、実際、高いですけれども。そういったところをしっかりとデータに基づいて私たちは判断したいんです。だからこそ、公立の保育所は皆さん公務員、所管している人たちなんだから、それぐらいのことはきっちりやっていただきたいと思います。
私、本当に実態調査をしていただくのは結構だと思うんですけれども、報道のように、利益率というふうに報道されると、いかにも保育園、幼稚園、認定こども園がもうけているというふうにとられかねない。
確かに、先ほどの自民党の方の質問でも、今、キャリアアップとかそういうお金を政府がつけていただいて、人件費をふやせふやせと言っている中で、何や、保育所、これだけもうかってんのやったら人件費に回せよという批判が出てくるのは、目に見えて明らかですよね。
私たち、これは法人を運営する人間からしたら、いや、そうじゃないでしょうという話なので、これはぜひ、国はミスリードをしないように、しっかりと言葉遣いに気をつけていただきたい。報道に対しても、いや、利益じゃないよということをちゃんとコミットしていただきたいと思うんですけれども、いかがですか。
○小野田政府参考人 お答え申し上げます。
今後とも、用語の使用につきましては十分配慮してまいりたいと思います。
それから、公立施設でございます。委員指摘のとおり、今回、保育所の状況を見ますと、私立の有効回答率、施設は一千七百六十二施設、公立は百六十三施設と公立施設の回答率が低く、この割合は、保育所全体の公私の割合と比較して非常に低いと承知してございます。公立施設につきましても、より高い有効回答率となるよう、本調査の意義を認識していただく必要があると考えております。
調査票や記入例などの工夫とともに、市区町村により一層の御協力をいただくなど、改善に努めてまいりたいと思います。
○浦野委員 よろしくお願いいたします。
続いて、保育士給与、処遇改善。これも、先ほど自民党の方が質問をされておりました。これは非常に使いにくいというか、大変でした。大変でしたというか、大変です。各施設の方から、もう何とかなれへんのか、使い勝手が悪過ぎるというか、ありがたいんやけれども、いろいろな縛りがあって、それをやりくりするのが大変だということは、皆さん、恐らくもう耳に入ってはると思いますので。
これをどういうふうに工夫していったらいいのかというのはこれからちょっと考えないといけませんけれども、ぜひ使い勝手のいいように変えていただきたいと思うんですね。というのは、こういうのをいただけるのはありがたいけれども、事務の方の負担が非常にふえます、こういうことをすると。
やはり、処遇改善をするのはベースアップをしないといけないと思うんですね。というのは、まず最初に、保育士になりたいと思う人を入り口で獲得していこうと思えば、初任給が重要なんですよ。やはり初任給が高くないと、まずこっちに向いてくれませんから、そういったところを変えていくだとか、あとは、これは自治体によっては出しているところも、東京近郊でも最近はふえましたけれども、家賃補助というのを独自に市町村がやっています。こういったことも、それを政府でやってくれというのはちょっと違うかもしれませんけれども。
そういった、給与を上げるという処遇改善以外にもさまざまな改善点があると思うんですね。そういったのをやりくりしながら、ぜひ保育士をふやしていっていただきたいと思います。処遇改善をするのはやはりなかなか時間がかかりますので、少しずつしか給与が上がりませんから、ぜひほかのことも検討していただきたいというふうに、これは質問じゃなくて、もう要望というか、言っておくことにしておきます。
最後にもう一つ、同じ保育士不足を解消するために、やはり配置基準ですね。今、大阪、地元では、保育士じゃなくてもできる仕事を、保育士の補助という形で、保育士資格を持っていない人でもできるようにしていただきたいと。そうじゃないと、もう保育士不足の解消はなかなかできません。
この配置基準の見直しをぜひ、国全体でできへんというんだったら、待機児童のある地域とか特区でしっかりと限定して、まずやっていただけたらと思うんですけれども、いかがですか。
○成田政府参考人 お答え申し上げます。
保育園等における保育は、生涯にわたる人間形成の基礎を培うものであり、専門的知識と技術を持つ保育士が中心となって担うものでございます。保育士資格を持たない方を活用するに当たっては、保育の質を十分確保できるような工夫を行う必要があると考えております。
例えば、待機児童の解消に当たっては、保育所の配置基準の遵守など、国として最低限遵守すべき基準を設けつつ、朝夕の時間帯における保育士配置要件の弾力化など、地域の実情を踏まえながら、柔軟な取り扱いを認めているところでございます。
○浦野委員 本当にごく一部認めているだけで、全然保育士の不足解消にはなっていないわけですよね。
質の維持といいますけれども、保育士の質はどんどん下がっています。売り手市場ですから、どんな人でも保育士にはなれてしまいます。運営側は保育士を雇わないといけないから、採用試験して、全員通す、選べない、そういったことになっているんです。今、もう既に質が落ちていっているんですよ。だからこそ、保育士の質を高めるためにも、そういった保育士の資格を持っていない人でもできる仕事を保育園で任すということをしないとだめなんですよ。
ぜひこれは真剣に検討していただけたらと思っていますので、よろしくお願いを申し上げまして、終わります。
○山際委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
梶山大臣と、大臣所信質疑の際に、官民癒着の質問をさせていただきました。途中だったものですから、きょうはその続きということで、最初におさらいです。
人事院にお尋ねいたしますが、官民人事交流制度、民間企業から国に来る場合の交流採用で、雇用継続型における服務や給与に関する規制はどうなっているか、また、そのような規制を設けている理由は何か、この二つでお答えください。
○福田政府参考人 お答えいたします。
官民人事交流法におけます交流採用職員の服務等につきましては、交流元企業の業務に従事することや、交流元企業に対する許認可等の業務を行う官職につくことができないことなどとされておるところでございます。
また、給与につきましては、国が給与を支給することとされ、交流元企業から給与補填は禁止されているところでございます。
このような規制を設けている理由でございますけれども、交流採用職員は交流元企業への復帰を前提として採用されるものであることから、公務員が国民全体の奉仕者であり、公務の公正性等が設けられていることを踏まえまして、このような措置が講じられているところでございます。
○塩川委員 お答えいただきましたように、官民人事交流制度は民間企業への復帰を前提にしているということであります。雇用もそもそも継続しているわけです。
その際に、交流元企業の業務に従事をすること、もとの出身企業で働くことは禁止だよと。それから、国が給与を支給して、民間企業からの支給は受けられません、つまり、出身企業からの給与はもらってはいけませんという仕組みになっているということです。そうなっている理由として、やはり公務の公正性、これに疑念が生ずることがないようにということでありました。
内閣官房にお尋ねしますが、先日伺った健康・医療戦略室における民間企業出身の非常勤職員の方、参事官補佐、主査の方、民間企業ですと十一人でしたけれども、この方たちは出身企業との雇用が継続しているということでよろしかったですね。
○植田政府参考人 お答えいたします。
そのように認識してございます。
○塩川委員 ですから、健康・医療戦略室における民間企業出身の非常勤職員の方々は、出身企業との雇用が継続をしている、その身分で仕事をしておられるということです。
そうしますと、一方の官民人事交流制度との対比でいった場合に大きな違いが出るわけですが、同じようなところをお聞きしますけれども、この健康・医療戦略室における民間企業出身の非常勤職員の場合に雇用が継続をしているということですが、出身企業で勤務することに規制はあるんでしょうか。また、出身企業から給与を受けることについての規制はあるんでしょうか。
○植田政府参考人 お答えいたします。
ただいま御指摘のございました職員は非常勤の職員でございますが、一般論で申し上げて、非常勤職員と申しましても従事する職務や期待する役割も多様であることから、民間企業との雇用が継続されている非常勤職員が当該企業の業務に従事すること、あるいは当該企業から給与を受けることについて、国家公務員法上、一律の規制は設けられていないところでございます。
○塩川委員 一方の官民人事交流制度は出身企業から給与をもらうことはできません、また、勤務をすることもできませんとなっていますが、内閣官房にある内閣官房副長官補室の分室である健康・医療戦略室という、まさに政府の政策の企画立案に所属するような、政府内でも重要なポストにいる非常勤職員の方々が、民間の出身の企業から給与を受けることの妨げもないし、働くことも妨げがないという点では、余りにもアンバランスではないかと思うわけです。
大臣にお尋ねしますけれども、このように、民間企業に所属して国の機関で働いている点は同じなのに、一方の官民人事交流制度では企業での勤務や給与を受けることが禁止され、他方の政府の中枢の内閣官房で企画立案に参画する非常勤職員の場合は出身企業で働くことや給与を受け取ることについて制約がない。これはやはり、公務の公正性に疑念が生じる事態ではないのか。
そこでお尋ねしますが、この非常勤職員、たくさんいろいろあります、一律ではできませんというのはもう前回御答弁いただいたんですが、このように、内閣官房などの政府の中枢で企画立案に従事するような非常勤職員について、いわゆる官民癒着防止の観点での規制を設ける、そういう考えはありませんか。
○梶山国務大臣 前回もお尋ねがあって、その続きということでありますが、各府省において、国の重要政策課題に対応するために、民間の専門的な知見を有する者を非常勤職員として採用している場合もあるところであります。今の委員の御指摘のところもそうであります。
一方、民間から来た非常勤職員の活用によって官民癒着等の疑念を抱かれるようなことがあってはならないと認識をしております。
このようなことも踏まえて、非常勤職員においても、公正な職務の遂行の維持、職務専念義務の確保、公務の信用保持の観点から、守秘義務、信用失墜行為の禁止など国家公務員法の服務に関する規定が適用されており、その的確な運用とともに、補助金の交付などについても適正になされることが必要と考えております。
○塩川委員 補助金を受け取っている企業との、いろいろな規制がかかったりとか守秘義務がかかったりとかというのはたくさんあるわけですけれども、しかし、政権の中枢での企画立案という極めて重要な部署に、特定企業の、まさに営利企業の営利を追求するような観点で企画立案されるという疑念が浮かぶということは、やはり官民癒着の観点から防止をする、しっかりとした規制を図る必要があるんじゃないのかと率直に思うんですけれども。
今言ったように、いろいろじゃなくて、企画立案という、まさに自分の企業の利益になるような政策をつくるということについて、終わったら戻ります、給料も出ている可能性だってあるわけですから、それはやはりおかしいでしょうとなると思うんですけれども、それはいかがですか。
○梶山国務大臣 先日、最後にも塩川委員からお話があって、私自身も検討課題として認識しているというお話をさせていただきましたけれども、まだ御指摘から間もないところでありますけれども、そういう検討課題として認識をしているということであります。
○塩川委員 わかりました。極めて重大な問題だと思いますので、しかるべく対処を強く求めるものです。
そこで、内閣官房にちょっと事実関係でお聞きしたいんですが、健康・医療戦略室では、同一企業の出身者の方が継続して勤務をしております。もちろんお一人お一人の方々は数年単位なんですけれども、複数の方がいらっしゃっている例もあるんです。
例えば日立製作所は、これはどんなふうになっているのか、説明いただけますか。
○鎌田政府参考人 お答えいたします。
御指摘の株式会社日立製作所の出身者でございますが、健康・医療戦略室におきましては、まず一人目が平成二十五年九月十三日から平成二十七年九月十二日まで、それから二人目が平成二十七年九月十三日から平成二十九年九月十二日まで、そして三人目が平成二十九年十月二十三日から現在まで働いております。
○塩川委員 三人の方が継続してついておられる。若干、二人目と三人目の方は一カ月ぐらい間があいていますけれども、基本、二〇一三年から継続的にいらっしゃるわけです。
こういった日立製作所出身の方が健康・医療戦略室でどんなお仕事をしているのかというのはわかりますか。
○鎌田政府参考人 健康・医療戦略室におきましては、医療分野の研究開発の推進、あるいは医療等データの利活用基盤の構築ですとか、あるいは医療の国際展開などの業務があるわけでございますが、非常勤職員の方には、先ほどおっしゃった参事官の補佐あるいは主査として、これらの業務に、それぞれの知識経験を生かして取り組んでいただいているところでございます。
○塩川委員 二〇一五年度以降、日立製作所が、健康・医療戦略に基づき、日本医療研究開発機構、AMEDを通じて受けた補助金の支給額は幾らになるのかを示してください。
○鎌田政府参考人 お答えいたします。
二〇一五年度、平成二十七年度から、今年度、平成二十九年度の十二月四日までの期間でございますけれども、正確に申し上げますと、日立製作所に対しましては、AMEDから補助金という形では行ってございませんが、委託費という案件では、複数案件ございます。
この委託費は、いずれも公募によって、外部有識者の評価を経て採択されたものでございますが、合計金額といたしましては、六億六千四百三十万八千七百六十七円でございます。
○塩川委員 六億六千万が三年足らずで交付を受けているということになります。
日立製作所は、その経営戦略として、医療機器分野へのヘルスケア事業を注力する事業の一つとして位置づけています。来年度の売上収益は、二〇一五年度比の一・三倍化、四千四百億円を目標に掲げている、こんな方針を示しておられます。
その日立製作所出身者が、このような健康・医療戦略室で継続的に職務に従事をしている。今言った委託費、公費、国費の支出のあり方として、やはり官民癒着と批判されても仕方がないんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○鎌田政府参考人 健康・医療戦略室におきましては、繰り返しですが、健康・医療戦略などの企画立案をするわけでございまして、一方、御指摘の研究費の支出については、関係省庁からの要求を計上いたしまして、AMEDにおきましては原則として公募により実施されているところでございます。
健康・医療戦略室の非常勤職員は、そうしたAMEDにおける個別事業の採択等の一連のプロセスには関与していないところでございます。
○塩川委員 具体的な事業、研究開発のメニューですとかというのは、当然その室の中での議論があるわけですよ。どういう方向で取り組んでいるのかという全体像が見える中での、こういったさまざまな委託などについての公募となれば、おおよその見当をつけてとか、そういう疑いも含めて疑念が持たれるのは当然だろうと思います。
こういった民間企業と政府の機関の接点というのは、何も参事官補佐、課長補佐クラスだけではないわけですね。
例えば、健康・医療戦略室には、健康・医療戦略推進本部に対して政策的助言を行う健康・医療戦略参与会合というのが置かれています。戦略室の所掌に係る専門的事項について意見を述べることになっています。この健康・医療戦略参与会合に、一般社団法人日本医療機器産業連合会が入っています。現在の医療機器産業連合会の会長企業はどこかというと、日立製作所なんですよ。日立製作所でヘルスケアビジネスユニットCEOを務めている方が、医療機器産業に係る業界団体の要求を政府の政策に反映する仕事をしているわけなんです。
この日本医療機器産業連合会がまとめた産業ビジョン、二〇一三年の三月ですけれども、これを見ると、国への要望項目として、政府による政策の総括のための司令塔の機能強化とオール・ジャパンの支援一元化の整備を求めるとあります。これに呼応するように、翌二〇一四年の通常国会で健康・医療戦略推進法案が提出され、成立をし、健康・医療戦略を閣議決定し、医療分野の研究開発を促す環境整備と助成業務を行う日本医療研究開発機構が設置をされました。健康・医療戦略をトップダウンで行う体制づくりになっています。まさに、医療機器産業連合会が要求したオール・ジャパンの支援一元化の整備そのものという実態があるわけです。
次期経団連会長に名前が挙がっております日立製作所の中西氏は、未来投資戦略をつくる未来会議のメンバーで、ここでも政府の成長戦略の立案の中心に座っています。
ですから、課長クラスでもかかわっているし、常務のクラスでも参与会合にかかわっているし、社長などトップのレベルでもかかわっているという点では、重層的に民間企業及び業界団体の代表が政府の重点政策に直接関与することで、大企業、財界の利益が優先される仕組みをつくっている。
大企業、財界の利潤追求をトップダウンで推進する司令塔として内閣官房の機能強化が行われていることは極めて重大だ。このような財界奉仕の政治の転換こそ求められていることを述べて、質問を終わります。
○山際委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後三時散会