第21号 平成30年5月25日(金曜日)
平成三十年五月二十五日(金曜日)午前九時一分開議
出席委員
委員長 山際大志郎君
理事 石原 宏高君 理事 谷川 弥一君
理事 中山 展宏君 理事 永岡 桂子君
理事 松野 博一君 理事 阿部 知子君
理事 稲富 修二君 理事 佐藤 茂樹君
理事 遠山 清彦君
池田 佳隆君 泉田 裕彦君
大隈 和英君 大西 宏幸君
岡下 昌平君 加藤 鮎子君
金子 俊平君 神谷 昇君
亀岡 偉民君 小寺 裕雄君
古賀 篤君 杉田 水脈君
高木 啓君 武井 俊輔君
長坂 康正君 西田 昭二君
三谷 英弘君 村井 英樹君
大河原雅子君 篠原 豪君
福田 昭夫君 森山 浩行君
山崎 誠君 源馬謙太郎君
森田 俊和君 太田 昌孝君
浜地 雅一君 濱村 進君
中川 正春君 塩川 鉄也君
串田 誠一君 森 夏枝君
玉城デニー君
…………………………………
議員 岩屋 毅君
議員 中谷 元君
議員 佐藤 茂樹君
国務大臣 石井 啓一君
国務大臣
(内閣官房長官) 菅 義偉君
国務大臣
(国家公安委員会委員長) 小此木八郎君
国務大臣
(規制改革担当) 梶山 弘志君
内閣府副大臣 あきもと司君
内閣府大臣政務官 村井 英樹君
内閣府大臣政務官 長坂 康正君
農林水産大臣政務官 野中 厚君
経済産業大臣政務官 平木 大作君
国土交通大臣政務官
兼内閣府大臣政務官 簗 和生君
会計検査院事務総局次長 腰山 謙介君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 原 邦彰君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 平川 薫君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官)
(特定複合観光施設区域整備推進本部事務局次長) 中川 真君
政府参考人
(人事院事務総局職員福祉局長) 合田 秀樹君
政府参考人
(内閣府大臣官房総括審議官) 井野 靖久君
政府参考人
(内閣府大臣官房審議官) 田中愛智朗君
政府参考人
(内閣府大臣官房審議官) 林 幸宏君
政府参考人
(内閣府政策統括官) 小野田 壮君
政府参考人
(内閣府地方創生推進事務局審議官) 村上 敬亮君
政府参考人
(宮内庁次長) 西村 泰彦君
政府参考人
(警察庁生活安全局長) 山下 史雄君
政府参考人
(警察庁刑事局組織犯罪対策部長) 露木 康浩君
政府参考人
(警察庁交通局長) 桝田 好一君
政府参考人
(総務省大臣官房審議官) 堀江 宏之君
政府参考人
(法務省大臣官房審議官) 加藤 俊治君
政府参考人
(財務省理財局長) 太田 充君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 瀧本 寛君
政府参考人
(スポーツ庁スポーツ総括官) 齋藤 福栄君
政府参考人
(文化庁長官官房審議官) 永山 裕二君
政府参考人
(農林水産省大臣官房審議官) 小川 良介君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 上田 洋二君
政府参考人
(国土交通省総合政策局公共交通政策部長) 松本 年弘君
政府参考人
(国土交通省海事局次長) 大坪新一郎君
政府参考人
(防衛省大臣官房審議官) 槌道 明宏君
内閣委員会専門員 長谷田晃二君
―――――――――――――
委員の異動
五月二十五日
辞任 補欠選任
佐藤 茂樹君 遠山 清彦君
浜地 雅一君 太田 昌孝君
浦野 靖人君 森 夏枝君
同日
辞任 補欠選任
太田 昌孝君 浜地 雅一君
森 夏枝君 串田 誠一君
同日
辞任 補欠選任
串田 誠一君 森 夏枝君
同日
辞任 補欠選任
森 夏枝君 浦野 靖人君
同日
理事佐藤茂樹君同日委員辞任につき、その補欠として遠山清彦君が理事に当選した。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
理事の補欠選任
会計検査院当局者出頭要求に関する件
政府参考人出頭要求に関する件
ギャンブル等依存症対策基本法案(中谷元君外七名提出、衆法第二〇号)
特定複合観光施設区域整備法案(内閣提出第六四号)
内閣の重要政策に関する件
公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件
栄典及び公式制度に関する件
男女共同参画社会の形成の促進に関する件
国民生活の安定及び向上に関する件
警察に関する件
――――◇―――――
○山際委員長 これより会議を開きます。
中谷元君外七名提出、ギャンブル等依存症対策基本法案を議題といたします。
本案に対する質疑は、昨二十四日に終局いたしております。
これより討論に入ります。
討論の申出がありますので、順次これを許します。阿部知子君。
○阿部委員 立憲民主党の阿部知子です。
立憲民主党を代表して、自民党、公明党、維新の会提出のギャンブル等依存症対策基本法案に反対の討論を行います。
国民に大きな不幸と、社会に混乱、未来の子供たちにも逃れられない災いをもたらすギャンブル依存症の対策が長い間放置され、日本が依存症大国になってしまっていることは政治の怠慢です。
その上、さらに、ギャンブル依存症の原因となるカジノつき国際観光施設を許容しようとする政府の姿勢のある以上、このギャンブル等依存症対策基本法がその露払いとしてしか位置づけられていない疑念は今も消えません。
短時間審議で、しかも参考人質疑で得た多くの知見が反映されることなく、とにかく基本法を通すというやり方は、アリバイづくりにほかならず、本格的な依存症対策の実現を阻みかねません。
以下、反対の理由を法案の内容に沿って明らかにいたします。
第一に、四野党案は、ギャンブル関連事業者に対し、第三条の基本理念で、違反の取締りの強化を強く求めております。
第二に、四野党案は、第十九条により、民間による支援を受けるギャンブル依存症の患者等及びその家族の経済的な負担を軽減するための施策を求め、また、第二十条により、国及び地方公共団体が、ギャンブル対策に関する活動を行う民間団体と、医療、保健、福祉、教育、法務、矯正その他ギャンブル依存症の発生等の防止に関連する業務を行う機関等と、広く連携するよう規定しております。
参考人質疑でも、依存症の回復には、医療機関だけでなく、自助グループ等の民間団体による支援が不可欠であり、大きな役割を果たしていることが明らかになりました。しかし、そうした民間団体による支援を受けるための費用は基本的に自己負担となるため、それによって患者や家族の生活を圧迫し、支援を受けることをちゅうちょするおそれがあります。自公維案では、こうした視点が欠けています。
第三に、四野党案では、附則第二項で、ギャンブル関連事業者のギャンブル依存症対策に係る費用負担の検討を求めました。依存症の発生原因となり得る事業を行っている主体に収益の中から資金を拠出させることは、公害の汚染者負担原則と同様に当然であり、十分な対策費用は施策の実施上不可欠だと考えます。
当初の自公案にはなかった、依存症当事者も参加するギャンブル等依存症対策推進関係者会議の設置を自公維案に盛り込んだことは、評価したいと思いますが、なお大きな違いが残っています。四野党案では、この関係者会議に事業者は含めません。ギャンブルの有害性を遠ざける対策の一環として、事業者には別途、厳しい規制と施策への協力をしっかり求めるべきです。
以上、反対討論といたします。(拍手)
○山際委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 私は、日本共産党を代表して、自民、公明、維新提出のギャンブル等依存症対策基本法案に反対の討論を行います。
公営ギャンブルやパチンコが身近にある日本には、約三百二十万人とも推計されるギャンブル依存症を疑われる人がいるとされ、諸外国と比較してその割合が非常に高く、深刻です。ギャンブル依存症問題に対し、国が社会的課題として対策を行う必要があることは言うまでもありません。
ギャンブル依存症対策で重要なことは、依存症の進行の防止や回復とともに、新たな依存症者を生み出さないことです。
提出者は、この法案が依存症者を減らすことを目的にしていると述べるとともに、カジノ解禁が新たなギャンブル依存症者をふやすことを認めました。ギャンブル依存症者を減らす策を掲げることと、新たなギャンブルであるカジノの解禁を認めることは矛盾しています。
にもかかわらず、本案の提出会派は、新たなギャンブルであるカジノ解禁を推進しています。二〇一六年にカジノ推進法を強行し、さらに、今国会に提出されているカジノ実施法案に対しても、政府と一体となって推進を図ってきたことは極めて重大です。
カジノ解禁とギャンブル依存症対策は全く相入れないものであり、自公維の案には同意できません。
ギャンブル依存症対策として必要なのは、ギャンブル事業者へ、射幸性の抑制や入場、購入制限、広告の規制など、依存症発生等の防止への取組を義務づけることであり、大半の依存症者の原因であるパチンコの賭博性を規制することです。
ましてや、カジノを解禁し、新たにギャンブルができる場所をふやすなど、もってのほかであります。
以上申し述べ、討論を終わります。
○山際委員長 これにて討論は終局いたしました。
―――――――――――――
○山際委員長 これより採決に入ります。
中谷元君外七名提出、ギャンブル等依存症対策基本法案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○山際委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
お諮りいたします。
ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山際委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
〔報告書は附録に掲載〕
――――◇―――――
○山際委員長 次に、内閣の重要政策に関する件、公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
各件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官原邦彰君、内閣官房内閣審議官平川薫君、内閣官房内閣審議官中川真君、人事院事務総局職員福祉局長合田秀樹君、内閣府大臣官房総括審議官井野靖久君、内閣府大臣官房審議官田中愛智朗君、内閣府大臣官房審議官林幸宏君、内閣府政策統括官小野田壮君、内閣府地方創生推進事務局審議官村上敬亮君、宮内庁次長西村泰彦君、警察庁生活安全局長山下史雄君、警察庁交通局長桝田好一君、総務省大臣官房審議官堀江宏之君、法務省大臣官房審議官加藤俊治君、財務省理財局長太田充君、文部科学省大臣官房審議官瀧本寛君、文化庁長官官房審議官永山裕二君、農林水産省大臣官房審議官小川良介君、経済産業省大臣官房審議官上田洋二君、国土交通省総合政策局公共交通政策部長松本年弘君、国土交通省海事局次長大坪新一郎君、防衛省大臣官房審議官槌道明宏君の出席を求め、説明を聴取し、また、会計検査院事務総局次長腰山謙介君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山際委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○山際委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。おはようございます。
それでは、きょう、官房長官にお越しいただきまして、加計学園関連の愛媛県新文書にかかわり、お尋ねをいたします。
今週の月曜日、参議院予算委員会の国政調査権に基づき、愛媛県が提出をしました新文書についてであります。
この中では、やりとりにつきまして、関連する個人メモというのが添えられておりますけれども、その一枚の中に、「加計学園からの報告等は、次のとおり。」、二〇一五年ですが、「二月二十五日に理事長が首相と面談(十五分程度)。理事長から、獣医師養成系大学空白地帯の四国の今治市に設置予定の獣医学部では、国際水準の獣医学教育を目指すことなどを説明。首相からは「そういう新しい獣医大学の考えはいいね。」とのコメントあり。また、柳瀬首相秘書官から、改めて資料を提出するよう指示があったので、早急に資料を調整し、提出する予定。」このように記述がされております。
官房長官、お尋ねをいたします。
安倍総理は、今週の国会におきましても、その日、加計理事長と面会していないと答弁をされておられます。愛媛県のこの新文書と総理の認識に違いがあるということであります。その点でも、政府として、愛媛県側に事実関係の確認を行うことが必要ではないかと思いますが、官房長官、お答えください。
○菅国務大臣 まず、御指摘の総理面会についてですけれども、総理御自身がさきの委員会で、平成二十七年二月二十五日に加計理事長とお会いしておらず、念のため入邸記録も調査しましたが、加計理事長が官邸を訪問した記録は確認できませんでしたと説明をされて、また、加計理事長とは、これまで繰り返し答弁してきたとおり、医学部の新設について話をしたことはない、このように総理が説明をしています。これが全てであります。
その上で、愛媛県の作成した文書についてでありますけれども、政府の立場でそれはコメントすることは控えたいと思います。
○塩川委員 入邸記録については確認できなかったという話ですけれども、ちょっと聞きますけれども、この入邸記録というのは、そもそも、この二〇一五年二月二十五日というのは、何か残っているものがあるんですか。残っているものがある上で、確認したけれどもできなかったのか、そもそもないのか、その点、はっきりさせてください。
○原政府参考人 お答え申し上げます。
今御指摘のありました入邸記録でございます。この入邸記録とは、外部からの官邸への入邸に際しての訪問予定者に、訪問先への事前届出を必ず求めている訪問予約届というものでございます。これは、従来から国会で御答弁させていただいておりますが、使用目的終了後、遅滞なく廃棄という扱いになってございます。
総理の御答弁は、そういう遅滞なく廃棄する取扱いとなっているが、念のため確認したが、やはり確認ができなかった、こういうことでございます。
○塩川委員 ですから、この訪問予約届について、二〇一五年二月二十五日のは残っているんですか。
○原政府参考人 お答え申し上げます。
遅滞なく廃棄してございまして、確認できなかったということでございます。
○塩川委員 廃棄しているから、ないから確認できないと言っているだけで、その日についての記録があったらどうかという問題も出てきますし、当然、この訪問予約届だけではなく、官邸においてさまざまな来訪者があった際に、関係者がきちっと記録をする、面談の記録などをとるということも当然あるわけで、これについては、中川委員を始めとして、今委員会でも繰り返し要求をしているところであります。
そういう点について、愛媛県側は文書においてきちっとした記録を明らかにしているのに、官邸の方というのは、この問題についての記録というのは何ら、文書で示すものも一つもない。こういう点で、総理が言っているからというだけの話であって、これは説得力がない。政府としてコメントする立場にないという言葉でかわすような話じゃないと思うんですよ。
官房長官、改めてお尋ねしますけれども、政府の信頼性が揺らいでいるという問題なんですから、コメントする立場にないとかというので愛媛県の新文書について脇に置くような態度というのは、一層政府への疑念を拡大するだけであって、これはしっかりと愛媛県側に確認をする、こういうことこそ必要なのではありませんか。
○菅国務大臣 今日までも、官邸の入邸記録については何回となく質問があり、そのたびにそのシステムについてお答えをし、しかし、念のために調べるべきだということも何回かありました。そういう中で、今回調べさせていただいて、なかったということであります。
また、これは愛媛県の文書でありますから、政府としてここはコメントするものではないと思います。
○塩川委員 いや、それぞれ、認識、事実関係について違いが出ているわけですから、まさに参議院の予算委員会が国政調査権で、提出された、責任ある、いわば公文書であるのがこの愛媛県の新文書であるわけで、そういう重みを持って政府が受けとめているかどうかというのが問われているんじゃないですか。
国政調査権に基づいて出されたこういう新文書で、総理の言っていることと違うことが書かれている。その記録として出されている問題についての、事実として認められる、このことをやはり問われているわけですから、疑いがかけられているのはやはり総理の側であって、これはしっかりと反証を示す必要がある。一言、会っていないと言うだけではこれは納得し得ないわけで、何らかの物証を含めて反証を示してもらいたいんですけれども。そういうことを示すということこそ政府に求められているんじゃないですか。
○菅国務大臣 ですから、総理御自身が答弁されたことがこれは全てだと思います。
○塩川委員 ですから、それが疑念を更に深めているということになっているわけですから、そういう点での政府の姿勢そのものが問われているわけであります。
何らか記録なり文書なり証言なりで改めて事実関係をはっきりさせる、反証するというのは、政府がまさに求められている責任ですから、そういうものをしっかりと示すということこそ必要じゃないですか。
○菅国務大臣 御本人は、会っていないということ、そして、念のために入邸記録も調査をした、そういうことを答弁しているわけですから、それが全てじゃないでしょうか。
○塩川委員 いや、全然全てじゃないですよ。入邸の記録だけで何らかの物証になるわけではありませんし、そもそも何もないわけですから。
そういう点でも、具体的に文書等で、記録等で出せないというのであれば、これはやはり関係者にしっかりと証言をしてもらうということこそ必要であるわけです。
そういう点でも、柳瀬さん自身のあの参考人での答弁というのが、まさに会っている日付そのものについても、二〇一五年の三月の二十四日に加計関係者と柳瀬さんが会っていたなんという記載もあるわけですからね。そういうのが実際に参考人で答えたのと食い違うわけで、こういった問題についてしっかり明らかにしてもらう上でも、柳瀬さんの証人喚問も必要ですし、一番の当事者である加計孝太郎さん、しっかりと国会に来てもらって証人喚問に応じてもらう。また、この愛媛県の新文書を提出した中村時広愛媛県知事の参考人招致、こういうことは当然のことであるわけです。
そういう点でも、これは官房長官として、柳瀬さんにもう一回国会に出てもらって証人喚問に応じてもらう、こういうことについて、しっかりと働きかけるということは、やはり政府として行う必要があるんじゃないですか。
○菅国務大臣 従来までも国会のことは国会でお決めいただいておりますので、そのように国会でお決めいただくことだと思います。
○塩川委員 委員長、この柳瀬唯夫元総理秘書官と加計孝太郎理事長の証人喚問、中村時広愛媛県知事の参考人招致をぜひ求めたいと思います。
○山際委員長 後ほど理事会で協議いたします。
○塩川委員 この愛媛県の新文書では、柳瀬氏が二〇一五年三月二十四日に加計関係者と面会していることが記載をされています。また、加計理事長と安倍総理が面談したと記載されている二月二十五日にも、先ほど冒頭で紹介をしたように、柳瀬氏が同席していたと思われる記述があります。
この二つの日付について、これは内閣官房の総理秘書官を務めていたときの話ですから、内閣官房として、柳瀬氏にしっかり確認してもらう必要があるんですが、この二つの日付について、実際どうだったのか、それについて答えてもらえますか。
○村上政府参考人 特区制度の運用に関する話ということで、内閣府の方で確認をとらせていただきましたけれども、まず、さきの参考人質疑において、柳瀬元秘書官は、後藤先生の御質問に対して、平成二十七年二月から三月ごろだったと思いますけれども、加計学園の事務局の方から、上京する際にお伺いしたいという申入れがあって、官邸でお会いをしましたと。
蓮舫議員からの、加計学園関係者と会ったと言いますが、これ三月二十四日ではないですかとのお尋ねに対しては、日付がどの辺だったかはちょっと私わかりませんというふうに答弁をしております。
また、五月二十二日に、記者からのお尋ねに対して柳瀬元秘書官は、御指摘の安倍総理と加計理事長の面会についてでありますけれども、私はもちろん同席をした覚えもございませんし、その話を伺った覚えもございません、また、総理から本件について指示を受けた覚えもありません、したがいまして、その文書に記載のありました、私が安倍総理と加計理事長の面談を踏まえて資料の提示をお願いした覚えもございませんと述べたと承知をしてございます。
今回、委員のお求めもありましたので、改めて柳瀬元秘書官に確認もいたしましたけれども、やはり、さきの参考人質疑や記者からのお尋ねに対してお答えしたとおりであるということでございまして、そのように内閣府としても本人に確認をしてございます。
○塩川委員 済みません、もう一回確認しますけれども、二月の二十五日については、記者の問合せとの関係で、そういう、記憶がないという言い方なんですかね。三月の二十四日についてはどういうふうに答えているんですか。その点、内閣府としてどういうふうに確認をしているんですか。
○村上政府参考人 それぞれについてお答えを申し上げます。
三月二十四日の関連ということでありますが、そもそもの発端となりました四月二日の面会に先立ち、二月から三月ごろにかけて加計学園の事務局の方とお会いをした記憶があるが、日付ははっきりしないと。これに対して蓮舫議員から、三月二十四日ではないですかと問われて、その日付については、どの辺だったか、ちょっと私わかりません、このようにお答えをされているというふうに認識をしてございます。
他方で、二月の二十五日の方につきましては、これは御指摘いただいたとおり、記者からのお尋ねに対してお答えをしているというのが柳瀬元秘書官の認識でございまして、こちらにつきましては、そもそも、総理が二月二十五日にお会いされている事実自体を否定されるコメントを出しておられるというふうに認識しておりますけれども、当然でございますが、そういった総理との面会については、もとより日付のいかんにかかわらず同席をしておりませんし、したがいまして、その内容についても指示を受けた覚えもないというふうに本人が説明をしているというふうに内閣府として認識してございます。
○塩川委員 いや、本人がそういうふうに説明していると内閣府が承知していると言うんだけれども、もう一回確認したのかという話なんですよ。
二月の二十五日に会いましたか、三月の二十四日に会いましたか、単純な話なんです。内閣府として、これを柳瀬さんに聞いたんですか。
○村上政府参考人 お答え申し上げます。
御通告を頂戴しておりますので、改めて、記者に対してそうしゃべったというだけではなく、その後、本人に確認をしてございますが、二月二十五日の総理面会の絡みに関しては、そもそもそういった会議自体も承知をしていないし、自分はそうした場にも同席していないし、それに伴う指示も受けていないということを、内閣府として直接本人に確認をしてございます。
三月二十四日につきましても確認をしてございますけれども、これにつきましては、後藤茂之先生や蓮舫先生からのお尋ねに対してお答えしたとおりでございまして、四月二日の前に、二月から三月ごろだったか、加計学園の方と柳瀬秘書官本人がお会いをしたことはあるだろう、ただし、その日付については正確にはわからないということで、それが三月二十四日であるかどうかについては自分自身は確認する手段を持ち合わせていないという趣旨で、日付がわからない、このように認識をしているというふうに内閣府としても理解しております。
○塩川委員 ですから、もともと柳瀬さんの参考人での答えがあやふやだったんですよ。官邸で三回会いました、四月二日もありますけれども、二月か三月ごろという話と、六月という話でね。
二月か三月ごろというのは、そもそも幅がある言い方でおかしいなと思っていたんですが、今回の場合に当てはめてどうなのかということになってくるんですよ。じゃ、三月の二十四日というのがそれなのか、いや、そうではなくてまた別途あるのか、二月の二十五となるのか。
そもそも、官邸外で総理と加計さんが会っている可能性も当然あるわけですけれども、そういうことを含めて、伝言ゲームみたいなやりとりでは全く納得がいかないわけで、内閣官房として、首相秘書官を務めているようなときに内閣官房が責任を持って調べる、内閣府に頼んで、内閣府が経産省の柳瀬さんに聞く、こんな伝言ゲームみたいなやり方じゃなくて、直接、事実関係を明らかにするということがやはり必要だ。
そういったことを政府が責任を持って行うということが必要なわけで、改めて柳瀬氏の証人喚問が求められているということを申し上げて、質問を終わります。
○山際委員長 次に、源馬謙太郎君。
○源馬委員 国民民主党の源馬謙太郎と申します。
きょうは、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
また、内閣委員会ですけれども、文科省からも参考人の方においでをいただきまして、ありがとうございます。また、村井政務官、長坂政務官にもお越しをいただきまして、ありがとうございます。
本日は、一般質疑ということですので、いろいろな、広範囲にわたった質問をさせていただきたいというふうに思っております。
まず最初に、漫画やアニメなどの海賊版サイトについてお伺いをしたいと思います。
私は、文科委員会に所属をしていたときも、この海賊版サイトに対する対抗策について質問をさせていただいてまいりました。
サイトブロッキングということが先日発表されまして、三つのサイトについてサイトブロッキングをする、こういった方針が示されました。私は、日本のコンテンツ産業を守っていく、そういった視点でいうと、やはり、違法な海賊版サイトですとかそういったサイトは非常に日本の文化を害するものだと思っておりまして、対抗措置をとらなきゃいけないということについては異論は全くございません。
サイトブロッキングも、本当は私はやるべきではないと思いますが、これは著作権を持つ作者の皆さんにとって大事な死活問題ですから、仕方ないという側面はあるのかもしれないなというふうに思っておりましたが、それでもやはり、できれば立法化をして、サイトブロッキングに頼らない何か方法を見つけなくてはいけないのではないかなという視点で質問をさせていただいてまいりました。
この海賊版サイトの問題については、知的財産戦略本部あるいは犯罪対策閣僚会議が担当することとなりまして、文科省から一義的には内閣府が担当することというふうに承知をしております。この知的財産戦略本部、犯罪対策閣僚会議におきまして、海賊版サイトへの対抗措置としてサイトブロッキングを行うことが決定をした。
繰り返しになりますけれども、このサイトブロッキングというのは、あくまでも臨時的なものであるべきでありまして、国民の通信の秘密、これを侵害する可能性が多分にあって、一つのサイトをブロックするということにとどまらずに、やはり、国民がどういう経緯でどんなサイトを見ているかという全通信の秘密が知られることになりますので、ここは非常に気をつけなきゃいけないということ。
あるいは、それと同時に、というよりもそれ以上に、誰がこの三つのサイトがだめなんだと決めるのか。政府が恣意的に、政府の判断で、このサイトはいいけれどもこのサイトはだめだ、こういうふうに決めることが私は非常に危険なことではないかなというふうに思っております。中国でツイッターが見られないのと同様に、日本でも、このサイトはいい、このサイトはだめというのを政府が決める、時の政府が決めるということは非常に大きな危機感を持っております。
衆議院では四月十七日に可決をされ、参議院では五月十八日に可決をされて成立した著作権法の改正では、こうした海賊版サイトへの対抗策というのは残念ながら盛り込まれておりませんでした。
しかし、先日、本委員会において可決をされましたTPP関連法案の中にも、著作権の改正が含まれておりまして、この中に著作権侵害罪の一部非親告罪化というのが盛り込まれておりますが、これは、この海賊版サイトに対してどのような効果、海賊版サイトを撲滅していくためのどのような効果があるのかをまずお伺いしたいというふうに思います。
○永山政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘の著作権等侵害罪の一部非親告罪化についてでございますが、法律上、三つの要件を課しております。
一つ目が、侵害者が、侵害行為の対価として財産上の利益を得る目的又は有償著作物等の販売等により権利者の得ることが見込まれる利益を害する、そういう目的を有していること、これが一つ目です。二つ目が、有償著作物を原作のまま譲渡したり送信したりする行為、また、そのための複製行為、そういう侵害行為であること。また、三つ目として、そういう有償著作物の提供又は提示により権利者の得ることが見込まれる利益が不当に害されることとなる場合であること。この三つの要件全てに該当する場合にいわゆる非親告罪とすることとしたものでございます。
これによる海賊版サイトに対する効果ということでございますが、この非親告罪化に伴いまして、国民の規範意識の観点から容認されるべきでない悪質な侵害行為が、権利者が告訴をしないために放置されたり、また、刑事訴訟法上、告訴期間というのがございまして、犯人を知った日から六カ月間ということになっておりますので、そういう告訴期間の経過により告訴ができなくなるという事態が避けられることによって、海賊版対策の実効性が上がることにつながるというふうに考えております。
○源馬委員 ありがとうございます。
その三つの要件を満たせば非親告罪化できるということだと思いますが、先日、五月十五日の新聞報道で、大手出版社が著作権法違反の疑いで漫画村を刑事告訴したというふうに報じられましたが、これがこの三つの要件を満たしていれば、今後はこうした告訴がなくても捜査機関は捜査に踏み切れる、そういった理解でよろしいんでしょうか。もう一回教えていただきたいと思います。
○永山政府参考人 いわゆる非親告罪は、起訴の要件として権利者の告訴を不要とするものでございまして、捜査開始の要件自体を定めるものではございません。
捜査につきましては、著作権法上、特段の定めはございません。したがって、原則どおり、刑事訴訟法の定めによることとなりますので、文化庁として具体的にお答えする立場にはないんですけれども、刑事訴訟法においては、非親告罪に係る捜査の着手について、権利者の告訴が必要、そういう旨の規定は見当たらないというふうに承知しております。
○源馬委員 ありがとうございます。
非親告罪化されるということで、私も、この海賊版サイトのような悪徳サイトに対する一定の抑止力も働くのではないかなというふうに思っておりますが、ただ、心配な点もありまして、パロディーとか二次創作等の二次的著作物に対しては、非親告罪の対象外となるとされております。
この二次的著作物ですけれども、何か、ある著作物をもとにして制作をされた、例えば好きなキャラクターの絵を描いたり、そういったことも一つの二次創作に当たるわけでありますけれども、例えば、漫画のファンサイトで、原作漫画をもとにして独自のストーリーをつくったりして小説にしたり、それでみんなで楽しむというケースもあると承知をしています。
私も好きな漫画で「スラムダンク」という漫画がありますが、この漫画の、「スラムダンク」の続編というのも、いろいろな形で独創的なストーリーがつくられていたりとかして、それを楽しんでいるというところもあるというふうに思います。
一方で著作権はしっかり守っていかなきゃいけませんが、同時に、やはりこうしたコンテンツ産業で、国民がより、漫画だけではありませんけれども、そうした創作物に深い愛情を示していくということがこの二次創作に当たると思いますけれども、例えば、この非親告罪化されるということにおいて、例えばコミケのような、漫画やアニメ、ゲーム、その他周辺ジャンルの自費出版の展示販売会において萎縮効果が生じないのか、それが一つ心配がございます。
つまり、原作に対して何らかの手が加えられている二次的著作物に対して、非親告罪は適用されずに親告罪のままになっている、こうした観点から考えて、海賊版サイトを運営するような業者について言えば、例えば、原作に対して何らかの創作を加えて、それを、二次創作である、これは二次創作なんだということを主張して海賊版サイトに載せるというようなことも想定されますけれども、このようなケースにおいてはどのように対応されるのか。
また、二次的著作物に対してはこの非親告罪が適用外とされていますけれども、今私が例示したようなもののほかに、二次的著作物、どういったものがこれは非親告罪が適用外になるということなのか、その定義というか範囲を教えていただきたいと思います。
○永山政府参考人 まず、御質問の中の二次的著作物の定義でございますが、著作権法に規定がございまして、著作物をまず翻訳したり、編曲したり、変形したり、脚色したり、映画化したり、そういう翻案することによって創作した著作物について二次的著作物というふうに定義してございます。
今回、著作権等侵害罪の一部非親告罪化に当たりましては、委員御指摘のように、コミックマーケット等の同人誌の即売会、また、パロディーなどの二次創作活動への萎縮効果が生じないように、非親告罪とする範囲を、さきに三つの要件を申し上げましたが、そのように限定したという経緯がございます。
御指摘のように、ある著作物について、権利者に無断で今申し上げた二次的著作物を創作することによって権利を侵害した場合には、さきに御説明した三つの要件のうち、原作のままという要件を充足しないため、非親告罪にはならないということになります。
ただ、もっとも、こうした場合でございましても、権利者からの告訴があれば、当該侵害行為につきまして公訴を提起することは可能でございますので、これによって適切な対応はとられるというふうに考えております。
○源馬委員 ありがとうございます。
引き続き、日本のコンテンツ産業を守っていくために、作者の権利をしっかり守っていくことと同時に、時の政府の恣意的な介入で、これはよし、これは悪いというような判断がされないような立法措置をしていただくように、これからも取り上げてまいりたいというふうに思います。
続きまして、国家戦略特区について質問をさせていただきたいというふうに思います。
国家戦略特区が施行される前には、例えば、小泉政権時の、構造改革の目玉として創設をされた、規制緩和のみで財政措置の伴わない構造改革特区と、菅内閣時代の、規制緩和に加えて、金融、税制、財政上の支援措置を総合的に講じて、国際競争力の強化と地域活性化の二つを目標とした総合特区制度、この二つの制度があったと承知をしております。
国家戦略特区は、今のこの第二次安倍政権、安倍内閣の成長戦略である日本再興戦略において、大胆な規制改革等を実施するための突破口として、成長戦略の柱の一つと位置づけられていると承知をしております。
この構想は、産業競争力会議において、民間議員から、アジアで最も起業がしやすい国を目指した特区の創設を要望したことがきっかけとなったというふうに理解をしております。
この日本再興戦略における国家戦略特区の位置づけと関連するKPIにおいて、二〇二〇年までに世界銀行のビジネス環境ランキングにおいて先進国で三位以内に入ることを目標としてきたと承知をしております。しかし、現在、日本は、OECD加盟国三十五カ国の中で、二〇一三年と二〇一四年は十五位、二〇一五年は十九位、二〇一六年は二十四位、二〇一七年は二十六位とだんだん後退しているというふうに理解をしております。
このKPI設定に対する今の日本の現状について、政府の見解を教えていただきたいというふうに思います。また、二〇二〇年までに三位以内を目標としたこの目標について変化はないのか、改めてお伺いをしたいと思います。
○長坂大臣政務官 お答え申し上げます。
国家戦略特区は、居住環境を含め、世界で戦える国際都市の形成、医療等の国際的イノベーション拠点整備といった取組を通じまして、世界で一番ビジネスのしやすい環境をつくり上げるべく、大胆な規制・制度改革に取り組んでいるところでございます。
その進捗を図るための一つの指標といたしまして、委員御指摘の世界銀行のランキングを活用しておりますけれども、二〇一八年版では、前年の二十六位から、若干ではありますが二十四位に上昇し、個別項目で見ますと、建築許可取得や資金調達などの項目が改善したところでございます。
他方、行政手続の数や所要時間などの面では、他国と大きな差がございまして、残念ながら順位の押し下げ要因となっております。
本ランキングは、規制改革全般や行政手続の簡素化のKPIとしても位置づけられているほか、昨年策定されました未来投資戦略二〇一七においても、引き続き、先進国で三位以内に入ることが目標とされているところでございます。
今後とも、その目標に向けまして、ビジネス環境のさらなる改善に、国家戦略特区の手法を活用しつつ取り組んでまいりたいと考えております。
○源馬委員 ありがとうございます。
そもそも、私は、国家戦略特区じゃなくても、日本がアジアで最もビジネスがしやすい国、アジアだけではなくて世界じゅうでビジネスがしやすい国になるべきであって、特区の中だけということではなくてもいいんじゃないかなというふうに思っています。つまり、特定の地域に国家戦略特区ということではなくて、本当の意味で言えば、日本全国津々浦々、規制緩和をしていって、そして、起業しやすい、またビジネスがしやすい地域をふやしていくというのが、本来あるべき目標なのではないかなというふうに思っております。
そういった環境の中ですが、周辺の東南アジア諸国もどんどん日本に迫ってきておりますし、また世界の企業が、日本でビジネスがやりにくいなと思われないような環境づくり、これをぜひしていただかなくてはいけないなというふうに思っております。
最近、国家戦略特区というと、何となく、愛媛県の加計学園のことが取り上げられることが多くなりまして、そのものに対するイメージというのが少し変わってきてしまっているのかなというふうに思います。
特区に関する重要なことを審議する国家戦略諮問会議におきまして、最終的な決定権は内閣総理大臣にあるという枠組みの中で、先ほどサイトブロッキングでも言いましたけれども、時の政府がよしあしを決めるということが、物すごく大きな、今、国民に対する、疑念を持たれている一つの要素になっているのかなというふうに思っております。
繰り返しますが、私は、こうした、規制緩和をしていくこと、ビジネスがしやすい環境をつくっていくことというのは本当に大事なことだと思いまして、本来は全国全てがこうした地域になるべきでありまして、それぞれの地域ができることをふやしていって、規制をどんどん緩和していく、それが必要であるというふうに思っております。
ただ、現実問題、それをいきなり全国でやっていくというのは難しいので、国家戦略特区で、その成果を見ながら、どこに課題があったのか、こういったことを検討していくのが本来の筋だと思いますが、一方で、この国家戦略特区の進捗ですとか成果、あるいは課題というのが検証されにくいところがあるのではないかなというふうに思っております。
具体的にどれぐらいの経済効果が数字的に出てくるか、これは難しいところがあると思いますけれども、もう少し国民にとってわかりやすく、この国家戦略特区ではこういうような効果が出たんだというような、何か成果の見える指標なり目標設定なりがあると非常に国民にとってわかりやすいと思いますが、この点について、何か指標があるか、政府の見解を伺いたいと思います。
○長坂大臣政務官 ありがとうございます。お答え申し上げます。
国家戦略特区におきましては、各特例措置ベースで見ますと、具体的な改善効果が上がり始めております。
例えば、都市公園の中への保育所の設置を認めました都市公園法の特例によりまして、特区で十八の施設が公園内に設置されまして、約千八百人の保育定員を確保する実績を上げた結果、さらに、その効果が認められまして全国展開されております。
また、都市再生プロジェクトにおける都市開発事業では、昨年度までに認定をいたしました二十四プロジェクトの経済波及効果が約八兆五千億と見込まれております。
また、国家戦略特区では、政策評価の測定指標といたしまして、国家戦略特区で認定された事業数の累計を用いておりますけれども、昨年度は、目標値の二百六十五件を上回る二百八十三件を達成いたしました。
このように、国家戦略特区の取組は着実に成果を上げておりますが、その成果の発信につきましては、必ずしも委員御指摘のとおり十分ではないと考えております。
このため、引き続き岩盤規制改革に積極的に取り組むとともに、国民の皆様にとってわかりやすく、その必要性をしっかりとアピールできるような目標設定や管理をどのように行っていくか、今後検討してまいりたいと考えております。
○源馬委員 ぜひ、その意義とそれから成果、こういったものが国民にもしっかりわかるように、それがあるならわかるようにしていただきたいというふうに思っております。
また、国家戦略特区にはたくさんのメニューがあって、それぞれそのメニューが本当に必要であって、どう効果的なのか、またあるいは、このメニューが活用されているのかどうかということも、やはり国民にとって少しわかりにくいのが現状ではないかなと思います。
この追加のメニューについては、民間事業者や地方公共団体から広く募集されて、そして、国家戦略特区ワーキンググループによって選定をされて、ヒアリング、諮問会議による調査審議、こういった流れであるというふうに伺いましたけれども、つまり、メニューに取り上げられたということは、市場のニーズがあると判断したということだと思いますけれども、これまで、この設定されたメニューの中で、いまだに採用されていないメニューというのがたくさんあるというふうに聞いております。
六十四のメニューのうち十六個がまだ採用されていないということですけれども、この背景は一体どういったことがあるんでしょうか、伺いたいと思います。
○長坂大臣政務官 お答え申し上げます。
国家戦略特区制度は、全国措置されたものを含めますと、これまで八十九の規制改革事項を措置し、それらを活用した二百八十三の事業を実現してまいりました。また、そのうちの二十五のメニューについては、既に全国措置化されております。
個別事案に即して見ますと、企業による農地取得の特例や農地区域内における農家レストランの設置といいました農業関係の特例措置は、耕作放棄地の解消や農業の六次化の推進に着実な成果を上げているほか、特区制度によって最初に切り開かれた民泊サービスや古民家を活用した宿泊サービスといった地域資源を活用した新たな観光市場の開拓、家事支援人材、農業支援人材などニーズに着目した外国人の積極的な活用の促進、先ほども例に挙げました公園内における保育園設置の解禁や地域限定保育士の創設などによる待機児童問題の解消への貢献など、さまざまな角度から新たにビジネスを起こしやすい環境の整備に大きく貢献しているものと考えております。
ただし、昨年、法改正で措置されましたクールジャパン、インバウンド分野の外国人材の受入れや、昨年十一月の施行通知で事業の要件が定められたテレビ電話を活用した薬剤師による服薬指導などは、現在、初活用の実現を目指して具体的な調整に入っているところでございまして、中には、その調整が大詰めを迎えているものもございます。
いずれにいたしましても、これまで国家戦略特区が実現してまいりました岩盤規制改革の成果については、更に広く活用が進むよう、各自治体や関係省庁とともに取り組んでまいりたいと考えております。
○源馬委員 済みません、一つちょっと個別にお伺いしたいんですが、これは多くの議員の皆様も関心を持っておられると思いますが、障害者雇用に係る雇用率算定の特例拡充といったものについて、二〇一六年五月に国家戦略特区のメニューに追加されたとお伺いしましたけれども、中身と、それから、このメニューに対して今手を挙げているところがあるのかどうか、こういったことも少し教えていただけますでしょうか。
○村上政府参考人 個別ケースですので、私の方からお答え申し上げます。
先ほどの御質問にもつながる問題意識ということで御質問いただいていると認識してございます。
措置そのものの内容は、個々の企業、障害者雇用促進法により、一定割合以上、大体二%内外だと思いますが、規模に応じて障害者の雇用が義務づけられております。
他方で、中小企業につきましては、なかなか一社単独ではそれを達成することが難しいということで、既に事業協同組合等につきましては、組合員全体での障害者雇用率を通算できる特例制度が一般的にもあるというふうに承知をしてございますが、協同組合系でございますと、同業者でありますとか、それから同業で事業を営んでいるケースでないと、なかなかそういう通算できる組合がつくれないということで、今回の国家戦略特区の特例は、有限責任事業組合、LLPがほぼメーンとして、この通算を目的としても事業会社を設立できる、異業種でも設立できるということで、しかも事業協同組合等に比べれば設立手続も簡単だ、このようにすれば中小企業の方にもより柔軟に障害者雇用の促進を進めていくことができるだろうという狙いを持って導入をされた措置でございます。
正直に申し上げます。実は一社、既に検討していただいている事業者は、特定は差し控えさせていただきますが、あるんですけれども、なかなかLLPの設立、有限責任事業組合の設立のところのアレンジに、これはどうしても、参加される方全員の同意がないと法人設立できないものですから、ここのところに最終的な調整で御苦労されておる、その結果、まだ申請がないということでございます。
なかなか、個別の事業者のアレンジまで首を突っ込むということは、我々、立場上、難しいところがあるものですから、残念ながらまだ申請ができていないということではございますけれども、そういったことを促す、ないしは、お助けできるところがあれば、積極的にアドバイスも含めて対応させていただきたい、このように考えてございます。
○源馬委員 ありがとうございます。
ちょっと時間がなくなってきましたので、続いて、経済財政政策についてお伺いをしたいと思います。
少し前まで、国の財政を考えたときに、いわゆる国の借金がこれぐらいあって、それを一人頭にすると何百万円の借金があるんだ、こういったことをよく言われることがありました。
私も、これが必ずしも正確であって、例えば、国民一人当たりの借金が幾ら幾らだから大変なんだということにはもろ手を挙げて賛成するわけではありませんが、一つ、ただ、財政均衡、借金をふやし過ぎないということはやはり日本にとって重要なことであることは間違いがないなというふうに思っております。国債をどんどんどんどん発行していって、それをまるで日本銀行がファイナンスしていくこと、これは健全な状況ではないのではないかなというふうに思っております。
ただ、二〇二〇年度までの基礎的財政収支黒字化を目標にしておりましたが、大分これが後退しているように感じるわけですけれども、骨太二〇一五以降における基礎的財政収支の変遷について、政府の御所見をまずお伺いしたいと思います。
○林政府参考人 お答えいたします。
本年一月の中長期の経済財政に関する試算では、二〇一五年度の基礎的財政収支は、十五・三兆円、GDP比にして二・九%の赤字となっております。二〇一八年度につきましては、最新の予算などを反映したところ、十六・四兆円程度、GDP比にして二・九%の赤字となる見込みでございます。
二〇一九年度以降は、歳出改革を織り込まない、いわゆる歳出自然体のもとで試算をしておりますが、実質二%、名目三%以上の成長を実現するいわゆる成長実現ケースでは、二〇二七年度において、〇・八兆円程度、対GDP比で〇・一%程度の黒字となる見込みとなってございます。
○源馬委員 基礎的財政収支の黒字化のめどを二〇二〇年度から先送りにすることを決められて、そして、二〇一九年十月に消費税率の引上げの際に、借金返済に充てる予定だった財源を子育て支援ですとか教育の無償化に振り向けるということになりました。
私は、繰り返しますけれども、基礎的財政収支が黒字になれば全ていいというふうに思っているわけではありませんが、ただ、やはり、ここもしっかり大事な指標の一つとして堅持をしていく、そういった当初の政府の目的もあったわけですし、ここは見失ってはいけないなというふうに思っております。
最後に、政府が考えられている財政健全化への道筋についてお伺いをしたいというふうに思います。
○村井大臣政務官 源馬議員から、PB黒字化について御質問をいただきました。
今般、少子高齢化という壁に立ち向かい、人づくり革命を力強く進めていくため、国民の信を問い、理解を得た上で、消費税率引上げ分の使い道を見直すことといたしました。
具体的には、子育て世帯への投資として一・七兆円、また社会保障の充実として一・一兆円の合計二・八兆円と、社会保障の安定化、財政の健全化二・八兆円とに、おおむね半分ずつ、バランスよく充当することとしたところでございます。
この結果、委員御指摘のとおりでございますけれども、PBの黒字化の達成時期に影響が出ることから、二〇二〇年度のPB黒字化は困難となるものでございます。
ただし、財政健全化の旗は決しておろさず、PBの黒字化を目指すという目標自体はしっかりと堅持をしてまいります。
お尋ねの今後の取組といたしましては、骨太方針において、PB黒字化の達成時期及びその裏づけとなる具体的な計画をお示ししていきたいと考えております。
いずれにいたしましても、今後も財政健全化にしっかりと取り組んでまいる所存でございます。
○源馬委員 ありがとうございました。
終わります。
○山際委員長 次に、串田誠一君。
○串田委員 日本維新の会の串田誠一です。
きょうは、高齢運転者の交通事故についてお伺いしたいと思います。
実は、私の義父もかなり高齢なんですが、まだ運転をしております。ちょっと田舎なものですから、バスだとか電車だとかで移動することもできませんし、また、タクシーを拾うというようなこともできないような地域でございますので、運転をしてもらっているわけですけれども、大変そういう意味では心配をしているところでして、どうしたらいいかなというふうにも思っているところなんですが、その運転の交通事故に関してどのような分析をされているのか、まずお聞きをしたいと思います。
○桝田政府参考人 お答えいたします。
平成二十九年における七十五歳以上の高齢運転者による交通死亡事故は、四百十八件でございます。第一当事者が原付又は自動車である死亡事故全体の一二・九%を占めており、前年と比較いたしますと、死亡事故件数、構成比とも若干の減少が見られたところでございます。
しかしながら、近年の傾向を見ますと、七十五歳以上の運転者によります死亡事故の件数はほぼ横ばいであるものの、全体の死亡事故の件数が年々減少しているため、全体の死亡事故に占める七十五歳以上の運転者によるものの割合は増加傾向にあるところでございます。
また、免許人口当たりの死亡事故件数を見てみますと、七十五歳以上の高齢運転者についても減少傾向にはございますが、引き続き、七十五歳未満の運転者と比べますと二倍以上となっているところでございます。
次に、死亡事故を類型別に見ますと、七十五歳以上の高齢運転者は、七十五歳未満の運転者と比べますと、車両単独の事故による死亡事故が多く、特に、工作物に衝突する、あるいは路外逸脱事故が多く発生しているところでございます。
また、人的要因を見ますと、七十五歳以上の高齢運転者は操作不適が最も多く、特に、ブレーキとアクセルの踏み間違いにつきましては、七十五歳未満の運転者と比べて高い水準にございます。
さらに、死亡事故を起こしました七十五歳以上の高齢運転者は、認知機能検査の全受検者と比較いたしますと、直近の認知機能の結果が認知症のおそれありの第一分類や認知機能低下のおそれありの第二分類であった者の割合が高いことから、死亡事故に認知機能の低下が影響を及ぼしているということがうかがわれるところでございます。
○串田委員 今、いろいろと事故がふえてきた。高齢化社会になったということで、これからどうしたらいいのかなというのもありますし、よく、コンビニに突っ込むという事例を見るのは、慌ててブレーキを押したところ、実はそれがアクセルだったというような、逆なこともあるみたいなんですけれども。
それで、対策というのはどのように考えているでしょうか。
○桝田政府参考人 お答えいたします。
高齢運転者による交通事故情勢等に鑑み、これまで累次にわたり道路交通法の改正が行われ、高齢運転者の交通事故防止対策が強化されてきたところでございます。
特に、運転免許制度について言いますと、平成九年の道路交通法改正で、七十五歳以上の運転者に対します高齢者講習や免許証の自主返納制度が導入され、平成十三年の改正では、高齢者講習の対象年齢が七十歳に引き下げられたところでございます。さらに、平成十九年改正では、七十五歳以上の運転者に対する認知機能検査が導入されました。
最近では、平成二十七年改正で、認知症対策の強化のため、認知機能検査の結果、認知症のおそれがあると判定された者につきましては、医師の診断を受けることが義務づけられるなどされ、平成二十九年三月から施行されているところでございます。
今後とも、高齢運転者の事故情勢等を踏まえまして、適切な対策を講じてまいりたいと考えております。
○串田委員 今、いろいろ対策を説明していただきましたが、私も含めて、いろいろと考える人が多いと思うんです。家族の声はどんなようなことが寄せられているんでしょうか。
○桝田政府参考人 お答えいたします。
警察におきましては、高齢運転者及びその家族等からの相談を受け付けるため、運転免許センター等に運転適性相談窓口を設置しておりまして、家族からは、例えば、運転するのは危ないと説得しても納得してくれない、どうしたらよいかといったような相談があるところでございます。
運転適性相談では、高齢運転者御本人と面接いたしまして、加齢に伴う身体機能の低下が運転に及ぼす危険性を説明するなどして、御本人が納得した上で、運転免許証の自主返納を促すなどしているところでございます。
また、最近では、認知症等にきめ細かに対応するため、相談窓口に保健師や看護師といった医療系専門職員の配置を進めておりまして、その専門知識を生かした対応を行っているところでございます。
今後とも、相談体制の充実に努めまして、高齢運転者及びその家族からの相談に適切に対応してまいりたいと考えております。
○串田委員 そういう相談窓口があるということをお聞きしまして、家族の中で話をしたら、年寄りですから、うるさいとか、俺の自由にさせてくれとか、そういう声もあるかと思うので、そういう第三者が説得をしてくれるということは大変心強いのかなと思うので、大いに活用をしていただきたいと思います。
ところで、今、テレビでCMを見ますと、自動的に車がとまるとか、いろいろなそういう安全装備というのが非常に完備されてきたんですが、高齢者に対しては、車自体が安全装備を備えているものに限るというような、免許を奪うというのではなくて、いろいろと発明されているわけですから、そういう制限というようなものを加えるという検討はないんでしょうか。
○桝田政府参考人 お答えいたします。
高齢運転者による交通死亡事故の発生状況等を踏まえまして、昨年七月、政府の交通対策本部におきまして、高齢運転者による交通事故防止対策についてが決定されたところでございます。
この決定では、安全運転サポート車限定免許の導入といった、高齢者の特性等に応じたきめ細やかな対策の強化に向けた、運転免許制度のさらなる見直しについて検討することとされております。
警察におきましては、政府の決定を踏まえ、現在、調査研究会を開催し、高齢者の運転能力に応じた限定条件付免許制度の導入の可否について、さまざまな観点から検討しているところでございます。
○串田委員 ぜひそういうことを取り入れていただきたいと思うんですが、そういうことも踏まえて、自分が運転するのが怖い、そういう高齢者が返納したとき、非常に移動手段というのが困ると思うんです。その点についてもやはり用意をしていかなければいけないのかなと思うんですが、その点についての対策というのはあるんでしょうか。
○松本政府参考人 お答えいたします。
高齢化が進行する中、免許を返納した方を含む高齢者の移動手段の確保は重要な課題であると認識しております。
このため、国土交通省では、コミュニティーバスや乗り合いタクシーの運行に対する支援を行っているほか、公共交通機関の高齢者向けの優遇措置の導入促進や自家用有償旅客運送の導入円滑化、地域の互助による輸送の実施に必要な枠組みの整備等を行っております。
さらに、地域の実情に応じたさまざまな創意工夫が円滑に進むよう、地方公共団体に対する人材育成やノウハウ面での支援に取り組んでおります。
こうした施策を通じて、引き続き、高齢者の移動手段の確保に努めてまいりたいと考えております。
○串田委員 最後に、今、非常に難しい事案だと思うんですけれども、大臣としてのこの防止対策等についての所感というか認識をお願いしたいと思います。
○小此木国務大臣 おはようございます。
委員の御懸念の高齢運転者の事故等、増加をしておりますし、これからもその増加が見込まれるところで、今、事務当局からさまざまな対策について説明をさせていただきました。
警察においては、これまでも累次、高齢運転者対策を強化しています。
話がありましたように、運動機能の低下、アクセルとブレーキを間違えてしまう、あるいは認知機能の低下という結果も出てまいりました。
昨年三月には、認知症対策の強化等を内容とする改正道路交通法が施行されたところであります。加えて、昨年七月には、政府の交通対策本部において、高齢運転者による交通事故防止対策について決定されました。
政府の決定を踏まえ、警察において、改正道路交通法を的確に運用するとともに、高齢者の特性に応じたきめ細かな対策についてさまざまな観点から検討を進めるなど、高齢運転者の交通事故防止に向け、総合的に取り組むように指導してまいりますし、話にもありました、家族での、声をかけること、社会でそういったところを、しっかりと声をかけながら、防止に努めてまいりたい、指導してまいりたいと思います。
○串田委員 ありがとうございました。高齢化社会に向けて、安全な対策をよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
○山際委員長 午前十時十五分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
午前十時七分休憩
――――◇―――――
午前十時十五分開議
○山際委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。玉城デニー君。
○玉城委員 自由党の玉城デニーです。
国の施策に関する件、きょうは、公文書管理について、これまでもたびたびお伺いしておりますが、重ねてお伺いしたいと思います。
といいますのは、財務省は二十三日、学校法人森友学園との国有地取引が国会で問題になっていた昨年二月以降、交渉記録を意図的に廃棄していたと衆議院予算委員会の理事懇談会で明らかにしています。記録が残っていないとした佐川宣寿当時の理財局長の答弁に合わせるためだったということです。
決裁文書の改ざんと同時期に並行して文書を破棄していたということが行われておりまして、取引の経緯を隠蔽しようとしていた財務省の悪質性が浮き彫りになったというふうに言われております。
官房長官、財務省だけではなく、今度は愛媛県からは、総理と加計学園理事長が面会をしたという文書も明らかになっています。愛媛県の中村知事は、我々は何も改ざんする必要がない、ありのままの報告書類ですと述べ、信頼性の高い記録だと説明をしています。
さらには、防衛省がないとしてきたイラク日報が見つかった問題です。これは、日報探索の当時の稲田防衛大臣の指示の曖昧さが指摘されたということですが、しかし、問題は、政治家が実力組織を統制する、民主主義の根幹であります文民統制、シビリアンコントロールの根幹が揺らいでいるということです。
公文書をきちんと管理をするということは、これはもう言うまでもありません。これまでにもたびたび確認をしてきたことですが、改めて菅官房長官に伺います。国会答弁と、公文書が、現物が存在しているということの整合性について、どのようにお考えでしょうか。
○菅国務大臣 まず、森友学園の交渉記録について、麻生財務大臣の指揮のもとに財務省において調査を進め、見つかったものは全て国会に提出されたものと承知しています。
交渉記録は残っていないとした答弁と事実が異なっていたこと、また、国会答弁との関係で文書が廃棄されていた点について、不適切であると考えております。麻生大臣の指揮のもとで、引き続き徹底した調査を行い、再発防止に努めていただきたいと思います。
また、防衛省においては、先日、大野防衛大臣政務官を長として、調査チームの調査結果に加え、関係者の処分及び再発防止策について公表されたものと承知しています。小野寺大臣の強力なリーダーシップのもと、再発防止策を確実に実行に移し、防衛省・自衛隊に対する国民の皆さんの信頼回復に全力を注いでもらいたいと思います。
また、愛媛県の文書について政府の立場でコメントするのは控えたいと思います。
いずれにしろ、一連の公文書をめぐる問題については、現在行われております捜査や事実関係の調査、解明を踏まえ、更に問題点を洗い出した上で、公文書管理のあり方について、政府を挙げて見直しを行ってまいりたい、こういうふうに思います。
○玉城委員 この場合、私が問題として捉えているのは、片方には公文書が残っている、しかし片方にはそれを証明する公文書が残っていない。残っていないということが正しいのか、公文書を残しているのが正しいのか、これについて明確な御答弁がないんですよ。
どっちも正しいのであれば、では、どちらがより整理として正しい、論理として成り立つのかということを、その整合性を問わないといけないわけですね。これがずっとこの国会の答弁で曖昧になっている、それは非常に問題だと思います。
担当大臣にお伺いいたします。
たびたびお伺いしていますが、省庁内における公文書管理の責任、今回は、財務省、防衛省、そして都道府県のそれぞれの文書管理のあり方は、それぞれに捉え方は違うのかもしれないんですが、しかし、文書にして残す、このことが今回、残してある文書が後から出てきて、実は答弁したことが全くの間違いだったということも明らかになっているわけですね。
そうすると、公文書を管理する責任性がしっかりと明確にされなければいけないと思います。公文書管理の責任性が明確になれば、答弁が意図的に隠蔽を目的としていたものであったか、あるいは、公文書を破棄して、あったはずのものをなかったものにしようとしていた、そういう罪に問われる行為だったのではないかということもより明確になっていくわけですね。
公文書の管理の責任性、梶山大臣にお伺いいたします。
○梶山国務大臣 先ほどお話のありました財務省の件についても、不適切であった、私は、まずそういう思いを持っております。
その上で、昨年末に改正をしました行政文書に関するガイドライン、そして、文書管理の責任体制を明確化する観点から、文書の作成、保存等の各段階における課長級の文書管理者による確認を義務づけたところであります。
本年四月から各行政機関において改正ガイドラインを踏まえた新たなルールが施行されているところであり、確実な運用に取り組んでまいりたいと思っております。
その上で、またいろいろな新たな事案も出てきておりますので、それらも踏まえて、今何もしていないわけではなくて、いろいろな検討もしておりますけれども、各省の調査が出てきたところで、しっかりとした防止策も含めて対応してまいりたい。政府を挙げて対応してまいりたいと考えております。
○玉城委員 私は、今の大臣の答弁にあったように、きちんと全ての調査を行い、事の経緯を明らかにして、やはり公文書に残しておいたことは正しかったということをしっかりお示しいただかないと、役所で仕事をする職員の皆さんが、自分がやっている仕事が、本当にこれが道理が通っているのか、倫理に沿っているのか、そういうこと、個人が行っている仕事そのものに対する捉え方が全く違ってくると思うんですね。ですから、そこはしっかりしていただきたいです。
公文書の管理を明確にし、ここに残してあることは間違いがないことだということをしっかりと示した上で、では、国会で答弁されたことはどういうことだったのかということを問わなければいけない。それは政治家の責任です。
ですから、政治家の責任は、当然、その御本人が職を辞すること、あるいは議員であることを辞することも含めて、出処進退は、政治の責任のとり方を明確にしないと、役所の責任だけにしてはいけないと思うんですね。
日大アメフト部の選手が相手の関西学院の選手にけがをさせた件で、本人は名前も顔も出して謝罪をしています。そして、指示があったと明確に言っています。これは、御本人が、間違ったことをした、しかし、それは命令を受けてしまって自分がやったことではあるけれども、やった自分は責任をとらざるを得ないということで出てきたんですね。ところが、指示をした人、その一番トップの人は、私はそんなつもりはなかったと言い、その指示を伝えた人は、私は指示を伝えましたと言う。おかしい話ですよね。
やった本人は、さまざまなプレッシャーを受けて私がやりましたということを言っているにもかかわらず、その上が責任をとらない、こんなことがあってはいけないんです。何らかの、彼が本来やるべきではなかった行為をやってしまったことを悔いているのであれば、間違いなくそれは指導者である私の責任ですということを明確にしないと、その指導者を信じるのか信じないのかということの、教育の問題にもかかわります。倫理の問題にもかかわります。
安倍総理大臣は、なかったことがあったことを証明しなさいというのは悪魔の証明だと言いました。しかし、あったことをなかったことと言うのは悪魔の所業です。
悪魔の所業が何を意味するか。あったことがなかったことにすることは、あの人は悪い人よと。
我々は、普通に大人として、自分の子供、周りの子供たちに、あったことをなかったことにするのはうそつきだという教え方をします。だから、あったことは正直に言いなさい、思っていることを正直に伝えなさいと。この正直こそが、物事をしっかり人間として捉えていく一番の真の倫理観だと思います。
それが、今、国会でないがしろにされている。だから私は、繰り返し、公文書の管理と責任、それをきっちり明確にした上で、では、今行われていることはどう責任をとるのかということをしっかりするべきなんですね。
そして、愛媛県には文書があった、しかし、面会記録はない。総理は、会った記憶はないと。記憶で答弁されても困るんです、片方はちゃんと残してあるわけですから。ということは、私は、省庁間の文書管理に関する責任に関連性を持たせるべきだと思います。
例えば土地の売買取引をしたのであれば、国交省であれ航空局であれ財務省であれ、あるいはその中間に立った大阪府なり大阪市なり、森友学園でいえばそうですね、加計学園でいえば、愛媛県、今治市、財務省、それぞれの省庁間できちんと、お互いにこの文書がありますね、確認しておきましょうねという責任も関連性を持たせるべきだと思いますし、同一案件に関連して、内容が同じであれば、公文書等の共同管理の責任と必要性も私は問われるべきだと思います。
片方にはちゃんと残っている、しかし、片方に確認がされていない、だから確認されていないこともよしとしようとするのであれば、残してある文書の責任性が毀損される、ないがしろになるということになるんです。
大臣、その件についてお伺いしたいと思います。
○梶山国務大臣 公文書管理法において、各行政機関の業務プロセスを最もよく理解をする当該行政機関において、みずから定める行政文書管理規則にのっとって、責任を持って文書管理を行う仕組みとなっております。
仮に、今委員が御指摘になった、複数の省庁が同一案件にかかわる場合であっても、例えば当該案件に係る業務の性質、内容や立場等が各行政機関によって異なる場合もあるため、各行政機関において管理することが基本となっていると思っております。
その上で、国民に対して説明する責任を全うするために、公文書管理法の趣旨に鑑みて、作成する行政文書には正確性が求められるということでありますので、昨年末に改正しましたガイドラインにおいて、各行政機関の外部の者との、省庁間もそうですね、打合せの記録の作成に当たっては、相手方の確認等により正確性の確保を期することとしたところであります。
また、意見が違う場合においても、合意ができない場合でも、それぞれの省庁において、複数の方の確認の上にそういった文書を残すようにというガイドラインをつくったところでありまして、それらを徹底してまいりたいと思っております。
○玉城委員 真摯な御答弁、ありがとうございました。
私は、安倍総理と麻生財務大臣の辞任を要求して、質問を終わります。ありがとうございました。ニフェーデービタン。
○山際委員長 午前十一時三十五分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
午前十時二十六分休憩
――――◇―――――
午前十一時三十五分開議
○山際委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。中川正春君。
○中川委員 中川正春です。
それでは、質疑を始めていきたいというふうに思います。
ちょっと事前の通告にはない形なので恐縮なんですが、一つは、米朝の会談の延期ということが急に入ったということ、これについて一つお尋ねをしたいのと、それからもう一つは、公文書管理について、前からの課題なんですけれども、お尋ねをしたいと思います。
韓国は、トランプ大統領の発言を受けて、緊急に、大臣会合を緊急会合として開いて、そして対応を議論するという態勢をつくっています。
恐らく日本にも事前に通告があって、こういう形でやっていくからという説明はあった上でのあの発表だと私は信じたいんですが、事前に通告があったのかどうか、そして日本としての受けとめとその対応、これについてまず回答ください。
○菅国務大臣 まず、私、記者会見でも申し上げたんですけれども、重要なことというのは会談が行われることということでなくて、まさに核、ミサイル、そして我が国にとっては最も大事な拉致問題、こうしたことが前進をすることが大事だというふうに思っています。
そういう中で、常日ごろから、米国そしてまた韓国と緊密に連携をしながら、北朝鮮問題については対応をいたしております。
今の、事前にという話については、外交上、控えさせていただいております。
○中川委員 恐らく、事前に通告がなかったから、外交上、控えさせてもらいますということなんだろうというふうに解釈をしますけれども、非常に残念ですし、日ごろから、安倍総理とトランプ大統領の個人的な関係、これだけ緊密なんだという、その割には、この話もそうですし、自動車関税をまた上げようじゃないかという揺さぶりみたいなものがもう一方で出てくるという形、これは、やはりアメリカという国に対して私たちがどう対応していくかということを基本的に今考え直す時期が来ているんだというふうに思います。そのことも指摘をしておきたいというふうに思うんです。
それからもう一つ、公文書の関係です。
四月二日の柳瀬さんとの加計それから愛媛、そして担当市の、それぞれの担当者がしっかりメモをとって、そこのところが発表されて、今、一つ一つが、何が起こっていたかということが明らかになってきているんですが、客観情勢から見て、やはり内閣官房あるいは官邸のサイドでも、ちゃんとメモがあって、そのとき何が話し合われていたかということ、こんなものは当然あるんだろうということだと思うんです。
それで、総理に申し上げた、総理も反証すべきじゃないかというところはここのところでありまして、自分がコミットしていないということに対して、これだけ客観情勢が出てきた中で、コミットしていないということであるとすれば、それの根拠というのをやはり総理自身も示す責任があるということを申し上げたんですが、具体的にはこういうことなんですよね。
だから、内閣あるいは官邸の方がとったメモを表に出しなさい、こういうことを委員長を通じて何回も何回もお願いをし、そして、官房長官にもそのことを以前にこの席で話をしたというふうに思うんですが、返ってきた答えは、メモをとっていないというような答えが返ってきたので、そんなばかな話はないというふうに思うんです。これは、やはり担当者がそんたくしているんですよ。だから、またうそを言っているんだというふうにしかとれない、これは客観的に見て。
だから、官房長官の方から直接、しっかり調査をして、そして、メモはその二日だけの話じゃなくて、これまでさまざまに、総理自身も会った会わないという話があるわけですから、それも含めて表に出すということ、これを官房長官の方から直接指示をしてもらいたいというふうに思います。
○菅国務大臣 お会いをしていないことについて、メモを出すことはできないと思いますよ。
○中川委員 だから、私が言っているのは、委員長から言って、メモを出さない、あるいはメモがないと言っているので。これまで同じようなことを繰り返してきたんですよ。国会の方から、あるいはマスコミの方から、それぞれに、メモを出せと言って、ないんだ、あるいは、メモをとらなかった、公文書として残っていない、そんなことがずっと繰り返されてきて、最終的には、いろいろなものが今出てきている。やはりあったんだ、捜したらあったんだ。
その捜すルートというのがやはりそんたくするからこういう形になるのであって、官房長官の方から直接、捜しなさいという指示を出すということ、それがそんたくを切るということだと思うので、もう一回官房長官の方から出してください、こういうことを言っているんです。
○菅国務大臣 委員の言われている、愛媛県ですよね、愛媛県は、公文書じゃないと言っています。備忘録、愛媛県でとっていた文書だということであります。
総理は、お会いはしていないということを申し上げておりますし、首相動静にも載っていなかった、そしてまた入邸記録からも確認できなかった、このように申し上げているところです。
○中川委員 こんな押し問答をすればするほど疑惑は深まるということを指摘しておきたいというふうに思います。
じゃ、通告に従って議論していきたいと思うんですが、大分時間を使ってしまったので簡単にいきます。
今回、ギャンブル依存症の議論がありまして、ギャンブルの定義そのものが、IRのカジノも含めてそれぞれ変わってまいりました。民間でやっているパチンコや、あるいは宝くじや、またさまざまな行為そのものを、恐らく、賭博行為として一つの法案の中で共通項としてくくって、その定義の中で、それぞれ対応と、いわば業界自体の管理をしていくというようなことがそろそろなければならないことになってきたんじゃないかというのが私の問題意識です。
その上で、これまで、競馬であるとかあるいは競艇、またモータースポーツ、またそれぞれの分野、これは省庁がそれぞれかかわっていまして、その省庁の中の一つの法体系の中で、事業法みたいな形で管理をしてきた、こういうことであります。
それだけに、指摘をしておきたいのは、分配金のあり方とかそれの使途とか、あるいは、どこがそれを受けてどう使うかというのが、それぞれの形態で違うんですよね。こういう形になっているから、依存症のときの議論で出てきたんですけれども、トータルで依存症というのをどのようにコントロールしていくかということ、これがやはり一つの法律として必要ですねということで問題意識が出てきたんだというふうに思うんです。
しかし、あの依存症は対症療法であって、事業者に対してどのようにそれぞれ制御していくかということであるとか、あるいは収益金をどういうふうに還元をしていくかということであるとか、それからその予防に収益金をどう使うかというふうなこと、これは改めてギャンブルというものを共通項として見ないと、なかなかトータルでその対策、対応というのを考えることができないということ、これが一つです。
それからもう一つは、公営ギャンブルということでこれまでそれぞれの体系があったんですが、今回、IR法の中にはカジノという、これは公営ではなくて私企業がやるんだということが前提になっているんですね。これが、IR法の体系の中でこれをどう制御していくか、こういう法律体系の縦割りになったんですが、では、パチンコはどうなんだということです。
これは、風営法でこれまでやってきて、しかし、これは賭博じゃないんだ、いわゆる時間の消費を中心にした遊技としてこの定義があるんだということなんですが、現実問題としては、これはIR法の中でカジノ事業者の定義があるんですけれども、カジノ事業者と顧客との間又は顧客相互間で、同一の施設において、その場所に設置された機器又は用具を用いて、偶然の事情により金銭の得喪を争う行為、これはまさにパチンコじゃないかというふうに思うんですね。
そういう形で、いろいろなものが錯綜してきたということ、それを前提にすると、そろそろトータルとしてどこかがこれを担当して、いわゆるカジノ行為というのか賭博行為というのか、これを全体として見ていく省庁が必要であるし、それをトータルで管理をする法律が必要になってきたのではないかということ、これが私のきょうのポイントなんです。
各省庁、それでお呼びをしたんですが、簡単に、それぞれの事業法の成り立ちというか、根本にある考え方というのをちょっと順番に説明してもらえますか。
○野中大臣政務官 では、農水省からは競馬についてお答えをいたしますが、競馬も、中央競馬、地方競馬、それぞれありまして、中央競馬が日本中央競馬会、そして地方競馬が地方公共団体が実施しております。
分配でございますが、中央競馬については、勝馬投票券の売得金の百分の十を国庫に納付し、約七五%を払戻金として交付し、約一五%を競馬開催経費等に充てた後、剰余金が出ている場合は、その二分の一を国庫に納付をしております。
地方競馬については、こちらは、勝馬投票券の売得金の約七四%を払戻金として交付し、約一・三%を交付金として地方競馬全国協会に納付し、約二四%を競馬開催経費に充てるとともに、地方財政法の規定に基づき約〇・一%を地方公共団体金融機構に納付した後、剰余金が出ている場合は、構成団体の財源に充てております。
我々は、こうすることによって、馬の改良増殖、その他畜産の振興に寄与し、また地方財政の改善を図ってまいっております。
○山際委員長 平木経済産業大臣政務官、簡潔に御答弁ください。
○平木大臣政務官 経産省が所管しております競輪、オートレースのそれぞれの法目的でありますが、機械工業の振興、公益の増進及び地方財政の健全化でございます。地方自治体の主催するレースの投票券の発売額が売上金となっております。
売上金の分配でございますが、それぞれの根拠法令におきまして、的中者への払戻金、競輪、オートレースの振興法人への交付金が定められておりまして、払戻金については、売上げの七〇%以上八〇%以下の範囲内で施行自治体が定めることとされております。実際には、競輪はおよそ七五%、オートレースはおよそ七〇%となっております。
また、交付金についてでございますが、こちらはレース開催ごとの売上金額から法定の計算方法に基づいて算出をしておりまして、その結果、競輪は売上げのおよそ一・九%、オートレースでは約二・一%となっているところでございます。
また、残りの金額につきましては、開催経費や地方財政法に基づく地方公共団体金融機構への納付金等に充てられるとともに、更に残余がある場合には、施行自治体の収益となっているところでございます。
○簗大臣政務官 モーターボート競走は、国土交通省が所管をいたしておりますが、モーターボート競走法に基づきまして、海事関係事業の振興及びその他公益事業の振興に資するとともに、地方財政の改善を図るために実施されております。
モーターボート競走の売上げの分配につきましてですが、まず、同法に基づき、その約七五%は舟券の的中者に対し払い戻されます。施行者は、残りの約二五%から開催に必要な経費を除いたもののうち、同法に基づき、海事関係事業の振興等に充てるため、売上額に応じて船舶等振興機関に交付することとされており、平成二十八年度は売上額の約二・八%を交付しております。
このほか、地方財政法に基づきまして、地方公共団体金融機構へ売上額の約〇・二%を納付しております。
○小此木国務大臣 風営法について、もう委員から説明をいただいたというふうに思っております。
風営適正化法は、善良な風俗と清浄な風俗環境を保持し、及び少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止することを目的に、風俗営業の健全化の観点からパチンコ営業を規制しているものであり、風営適正化法にパチンコ営業の収益を公益目的に用いることを定める規定はない。
委員は、いろいろな、ばくちと思われるようなスポーツが法律で認められていて、その収益をいろいろなところに還元するべく、また、パチンコもそういうふうなことになる方がいいんじゃないか、整理をした方がいいんじゃないかという思いだとちょっと受けとめましたけれども、まだまだそれには多くの意味から検討が必要だと今考えているところであります。
○中川委員 時間が来たので残念ですが、IR法では公益に使いなさいということになっておりますし、国に、一般会計へも行って、中央競馬が持っていっている。あるいは、モーターボートの場合は……
○山際委員長 時間を過ぎているから、やめてください。
○中川委員 日本財団が持っていっている。これはさまざま、本当にさまざまなんです。
トータルでどういう形が一番いいかということ、これを一つの法として、包括的な法律としてやる必要があるということ、これを指摘させていただいて、きょうの質疑は終わります。
以上です。
○山際委員長 次に、篠原豪君。
○篠原(豪)委員 篠原豪でございます。
きょうは、質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いします。
先日、毎日新聞の主筆を務められて、そして、十年にわたるがんの闘病生活をされた、ニュース番組のアンカーを務めた岸井成格さんが亡くなられました。
保守本流の政治記者でありながら、権力に臆することなく、建設的な権力批判の原理を保持し続けたその生きざまに、大変勉強になるものがあったと思います。そして、その姿はジャーナリストの矜持であり、そして私も、野党政治家の末席を暖める者として、政治は国民のためのものであるという思いをしっかりと継いでいきたいと考えています。
晩年危惧されていたのは、自民党から保守らしい保守が消えて、教育であるとか行政であるとかメディアの統制に動くことにためらいを感じず、むしろこれを積極的に肯定しているのではないか、そういったものが、今日の森友、加計問題の背景にはこの政権や与党の体質が関係しているようにも思えます。
一昨日、財務省は、森友問題に関する膨大な記録を提出いたしました。同時に、森友学園との国有地取引が国会で問題になっていた去年二月以降、交渉記録を意図的に破棄したことも明らかになりました。これは、記録が残っていないとした当時の佐川理財局長の答弁に合わせるためということで、公文書の改ざんと全く同じ理屈の問題です。
公文書の改ざんや破棄を行ったのは、財務省の理財局、近畿財務局の職員さんです。当の本人には何の得にもならない行為でありました。むしろ、刑事責任を問われかねない行為と知りながら、やらざるを得ない状態に追い込まれたという事件だと思います。つまり、官邸による行政の統制がここまで来てしまったのかということをいろいろと言われているわけであります。
したがって、財務省提出の国有地取引に関する記録文書に安倍昭恵さん、首相夫人の名前が出てくるのは財務官僚のそんたくの政治的背景を雄弁に物語るものであり、安倍昭恵首相夫人の責任は極めて大きいんだろうというふうに思います。
そこで、伺ってまいります。
まず、一連の森友文書が提出をされたことで、昨年の二月二十四日の衆議院予算委員会で、当時の佐川理財局長から、交渉記録は保存期間一年未満とされており、そして、略しますけれども、中略をした後、本件につきましては、平成二十八年六月の売買契約締結をもちまして既に事案が終了してございますので、記録が残っていないとした答弁は虚偽だったということになりますが、政府はそれをお認めになるか、まず菅官房長官にお伺いします。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。
今委員から御指摘をいただきましたとおり、一昨日、二十三日に、森友学園との交渉記録というものを提出させていただきました。
これは基本的には、調査をいたしました結果、職員の手控えとして紙媒体であったりあるいは個人のパソコンの中ということで残っておったものを、押収されておった文書の写しを入手するなど、捜査当局の御協力も頂戴をして提出させていただいたものです。
これまで、昨年の通常国会以来、国会で御答弁申し上げたことと事実が異なる答弁をしていたということでございます。大変申しわけありません。深くおわびを申し上げます。
○篠原(豪)委員 答弁は虚偽でありますので、こういった虚偽の答弁をもとにずっと議論が続いているということであります。本当に、今の政府そして財務省の対応はこれでいいのかということであります。
委員会質疑に係る政府答弁原稿は、これは公文書として十年間保存されるということになっています。そして、二月の十五日から二十四日当時の答弁原稿について、我が党の議員が資料請求をしても、いまだに出てきません。なぜ出てこないのか、理由を教えてください。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。
今、委員御指摘の想定問答の話がございました。
昨年のこの時期、その時期もそうでございますし、森友学園について相当厳しく御指摘をいただいた時期においてたくさん御質問も頂戴をしておるという状況で、当時の理財局長、政府参考人が答弁するに際して、部下職員が想定問答はつくってくれます。
ただ、現実には、当時であれば、一番スタートした最初のころで、十分これまでの蓄積もない中でということですと、想定問答は用意するんですが、ぎりぎりになってからしかできないものですから、そうすると、実際にはその想定問答で、答弁する局長として、それでは不十分だ、こうしないといけないということは当然あります、それは最終決裁者ですから。ただ、物理的にその紙自体を直すような時間もないということが基本的に多うございますので、その一年後の私もそうでございましたが、その紙自体、想定問答自体を直してやるということは、実際上、部下職員の負担も含めて、物理的にも時間が間に合わないので、そうすれば、答弁する局長自身が自分の頭の中できちんとそれを訂正した上で答弁する。答弁したこと自体は、その答弁の内容は議事録に残っておりますので、それが政府として、あるいは財務省理財局としての最終的なものでございまして、想定問答はあくまでその手前の参考資料にしかすぎない、最終責任はその答弁そのものだということでございます。
○篠原(豪)委員 梶山大臣にお伺いします。公文書です。公文書を出さないという今の理由は認められるものですか。
○梶山国務大臣 公文書管理法におきましては、各行政機関の業務プロセスを最もよく理解する当該行政機関が責任を持って文書管理を行う仕組みとなっており、参考資料という言葉の趣旨も含め、財務省が作成した文書の取扱いについては、財務省の判断ということで、財務省にお尋ねをいただきたいと思います。
○篠原(豪)委員 公文書を担当される大臣ですから、だから、これは全体にかかわることなので、あっちに聞いてくださいという話では、役割として本当に、今までいろいろと議論させていただく中で、大変に真摯にここまで議論させていただいていると思っております。
ですので、もう一度お伺いしますが、ぜひ、今回の答弁がこの国のことを決める可能性があるんですよ。なので、しっかり慎重におっしゃっていただければと思います。
○梶山国務大臣 公文書管理法があって、その下にガイドラインがあります。その中で決めているのは、法律の制定又は改廃及びその経緯に係る文書、想定問答は三十年の保存期間がある。そのほかに、今、一般の問答については十年の保存期間ということで定められているのは、委員の御指摘のとおりであります。その扱いについては、情報公開法も含め、財務省、また情報公開法を所管する総務省の所管であり、そこの判断であると思っております。
○篠原(豪)委員 これを見ないと、当時のことがよくわからないんですよ。たった十日間なんですよ。たった十日間のものを、別にそれは、直してどうか、最終の答弁がどうかじゃなくて、これは文書として存在しているので、そこにはしっかりと書かれていると思うんですよ。書いていることが事実であって、それがこれまで国会で議論をされてきて、正直言って、本当のことを言ってこなかったわけです。
なので、もはや、文書を見ないと、その当時のことはわからないんです。これは公文書であり行政文書であるから出してくださいと言えばそれで済む話だと思うんですけれども、もう一度お願いします。
○梶山国務大臣 私どもは公文書管理法の所管の官庁でありますけれども、その体系において保存期限を、しっかり年限を規定しているということであります。
その文書の取扱いについては、またその体系であります行政文書管理規則というものがあり、それぞれの役所が判断ということになっております。
○篠原(豪)委員 官房長官、もしよろしければ、官房長官から命じていただければこれは解決すると思うんですが、いかがでしょうか。
○菅国務大臣 いずれにしろ、所管大臣が申し上げたこと、それを尊重します。
○篠原(豪)委員 これは、ぜひ、もう一度考え直していただいて、出していただければと思います。
じゃ、聞き方を変えたいと思います。
私たちが三月十二日に十四の決裁文書をお示しいただいて、十四日にもいろいろとヒアリングをし、そして三百カ所近い訂正があって、これが最終のものであるということを財務省さんは私たちに説明をいたしました。これは与党の皆さんにもそれでしっかりと説明して、与党の皆さんが、説明をしっかりしなきゃだめだ、こうやって言っていただいたことによって前に進んだと思っています。
その中身がどこから見つかったのかという話をしているんですけれども、これは、その後、捜して出すというふうになっていたんですが、どのような形で報告がなされているのかどうか、一度確認します。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。
三月十二日に、書換え前のものと書換え後のものを比較するような形で資料を提出させていただきました。
委員の御質問は、書換え前のものがどこから出てきたのかということだと思っております。
書換え前のものは、基本的に、個人の手控えとして紙媒体あるいは個人のパソコンの中ということですが、基本的には地検の方に押収をされておりましたので、捜査当局の御協力も頂戴をして、そこでコピーをして、そのものを、資料で申し上げますと左側の書換え前というところに張らせていただいて提出させていただいたというのが事実でございます。
その上で、あとは、この文書に係るところのさまざまな指揮命令系統なり経緯なりというものは調査して報告をするということをお約束しております。まだ時間がかかっておって大変申しわけありませんが、できるだけ速やかに報告をさせていただきたい、速やかに報告するということで作業をしておるというところでございます。
○篠原(豪)委員 済みません、できるだけ速やかにというのは、財務省さんの中では、三月十二日なんですよ。十二日なんです。きょうは何月何日ですか。きょうは五月二十五日です。それは速やかでございましょうかね。会期末まで近づいてきているんですが、いつお出しいただけますか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。
私ども財務省の大臣官房の方において責任を持ってやっておりますが、できるだけ速やかに速やかにと申し上げております。これだけ国会でも御指摘をいただいていますので、速やかに提出したい、提出しなければいけないというのは、それはもう痛切に感じております。
ただ、現実の問題として、現実、まだ地検での捜査が行われておりまして、地検の捜査より前に提出するということも論理的には可能かもしれませんけれども、地検の捜査が続いている段階において、私どもとして、最終的には、その事実関係確認ということは、誰がどういう責任で、それは、捜査であればそれが最終的には刑罰ということだと思いますし、我々の世界では行政処分ということにつながる話でございますので、そこのところは、現実の問題としてはなかなかそこに至っておらないということでございますが、我々として、何らかの理由をもって遅くしたいなどとはかけらも思っておりませんので、そういう意味で、速やかに提出したいということを申し上げております。
○篠原(豪)委員 速やかに出す、だけれども、捜査当局が捜査中だから出せない。どこが速やかですか。そういうのを速やかというんですか、日本語で。そういうのを速やかでいいんですか。速やかという日本語自体が変わってしまう。そういうことです。
では、もう一度伺いますが、NHKで放送されて、本省の理財局からメールなどで近畿財務局にいろいろ指示をした、ごみを割増しして、それを近畿財務局、やってくれというメールがあったと。
前回のお話のときには、そのメールは今確認中であると御自身がおっしゃっているんですよ。確認は終わりましたか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。
委員、NHKの報道云々というお話をされました。NHKの報道でありましたのは、基本的に、ごみ、地下埋設物の処理について、残っておる地下埋設物をきちんと処理したということについて口裏合わせをしようとした、それで、トラック何千台分も行ったような気がするというようなことを言ったということを本人にも確認して、そういうことを申し上げたということでございます。
メール云々というお話は、報道の中でメールという話があったことは承知をしておりますが、今申し上げたことは、近畿財務局に言うんじゃなくて、本省の職員が先方の弁護士さんにそういう話をしたということで、本省の中で一定のやりとりをしてということでございまして、それもまた、本省の中においてどういう指揮命令系統なり、どういう責任を持ってということでございますので、ある意味で、大変申しわけないことですが、書換えなり、あるいは今回提出をさせていただいた交渉記録を破棄しようとしたということも含めて、同じ二月下旬から四月にかけてということで、本省の理財局を中心として行われたことでございますので、そういう意味での責任関係ということを含めて調査して報告をするということを申し上げている次第だということで御理解を頂戴したいと思います。
○篠原(豪)委員 いや、それはそうじゃなくて、メールを見ましたか。メールを確認していると言っていたんですが、その確認は終わりましたかということです。メールを確認するのに何年かかるんですか、たった一つのメールを。それを出していただいたら、わかるじゃないですか、いろいろ、何が書いてあるか。あるんですよ。だって、御自身で確認中だと言っていたじゃないですか。たったそれすらもできないんですか。おかしいですよ。
そのメールは、じゃ、そう言われているメールは見たことがあるんですか、自分の目で。お答えください。
○太田政府参考人 先ほど来御質問をいただいているところの確認云々でございますが、私は、少なくとも、御答弁を申し上げているつもりは、同じ人間で答えていますので同じでございますけれども、基本的に、そのときにどういうふうに指揮が、あるいは話合いがなされたかということをきちんと調べて御報告を申し上げるということを申し上げているつもりでございます。
基本的に、話は、特に、例えば本省の中であれば、対面をして話をする、あるいはぎりぎり電話をして話をするということが中心でございますから、仮にメール云々ということがあったとしても、そのメールが、メールというのは何らかの形で字で残るのでそういうことだと思いますが、メールというのは片一方の人間が片一方に物を送るだけというものでございますが、送られた相手方の反応というのは基本的にそれはまた別の問題でございますので、基本的に、どういうことが行われたかは調べて、調査をして御報告申し上げますということを申し上げているということでございます。
○篠原(豪)委員 委員長、聞いたことに答えるように言ってください。メールを自分で確認したかどうかだけ聞いているんですよ。お願いします。
○山際委員長 もう一度答弁してください。
○太田政府参考人 経緯あるいはその間の状況を確認して、事実関係を確認して御報告を申し上げるというふうに申し上げております。
メール、メールと。NHKのおっしゃったメールがどのメールを指しているかということはわからないわけですから、それも含めていろいろな情報伝達の手段があるわけで、それも含めて調査をして、最終的に報告をすると申し上げているということでございます。
メールを見たかとおっしゃっておられるのはよくわかっておりますが、そのメールは何を指しておるかもよくわからないわけでございますから、そういうものも含めて、メールあるいは電話、対面での会話ということはあるわけです、それも含めて、誰がどういう責任でということをきちんと調査して報告をするというふうに御答弁を申し上げている次第でございます。
○篠原(豪)委員 いや、ごみの増量を依頼した、本省から近畿財務局にそれを書いているメールがあるかということを聞いているんです。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。
今の委員の質問はこれまでとちょっと違っておりまして、ごみの増量を近畿財務局に依頼した。そういう話は、ごみの増量を近畿財務局に依頼したということの話は、今まで出ておりませんし、私どもも承知をしておりません。
今の話は本省が近畿財務局にごみの増量を依頼したという話でございますが、そういう話は私は聞いたことがございません。
○篠原(豪)委員 いや、それはそのままの書き方じゃないですが、そういう趣旨の依頼をしたメールはあるのかという話です。じゃ、なければ、ないと言ってくださいよ。そういう趣旨のものがないのかどうかですよ。
一言一句、インカメラ審査みたいに、ここのところを指定していないから、全部ずばりそのものを指定しないから答えられませんし、そんなことは答えるつもりはないなんというのはおかしいですよ。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。
趣旨のと言われれば、それは、その趣旨をどこまで捉えるかということも含めて、いずれにせよ……(発言する者あり)きちんとお答えを申し上げています。
ずうっとお答えを申し上げているのは、そこのところも事実関係をきちんと調べてそれは御報告を申し上げなければいけないので、御報告を申し上げるということを申し上げております。
○篠原(豪)委員 じゃ、いつまでに出していただけるのかと話せば速やかになって、いつ出すかもわからないし、捜査中だということ、これは出さないということじゃないですか。
委員長、これをすぐ出させるように、ちょっと要求していただいてよろしいですか。
約束している文書がどこから、この十四文書がどういう経緯で見つかったのか、そして、報道にあったようなメールがあるかどうか確認をしますと言って、速やかにやると言って、全然やらないんです、二カ月以上。
ですので、この委員会にしっかりと報告を速やかにしていただけるよう命じていただけませんでしょうか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。
先ほど来御答弁申し上げておりますとおり、昨年の二月下旬から四月にかけて、決裁文書を書き換えたという基本的に同じタイミングにおいて、今委員がおっしゃられるようなというかNHKの報道にあったようなこと、あるいは今回の森友学園との交渉記録を破棄しようとしたこと、いずれも、同じタイミングにおいて、同じような人物のことによってやっておりますので、それを全て、あることが、別の話ではなくて同じ流れの中でやっておりますので、そこをきちんと調べて御報告申し上げる、本日の委員会のしばらく前の御質問のところに、速やかにじゃあれだと、それは捜査との関係を申し上げましたが、そこできちんと御報告を申し上げると申し上げております。
○篠原(豪)委員 三月十二日に私どもから、それも野党から、六党で、出してくださいと言って、出しますと約束しているんですよ。で、出さない。メールも確認中でよくわからないし、出さない。
これはけさの新聞ですけれども、昭恵氏写真、これは東京新聞ですが、提示記録なし、財務省、再調査をする、森友交渉文書。
問題となっているのは、二〇一四年四月二十八日の学園側と財務局側との打合せ。学園側は、三日前に学園が運営する塚本幼稚園を訪れた昭恵氏の名前を挙げ、購入を前提とした国有地の借受けなどを要請した。
財務局はその後、本省と相談をし、学園の要望に応じることを決めている。財務局が一四年六月三十日付で作成した改ざん前の決裁文書にも、平成二十六年四月二十八日から平成二十六年五月二十三日、本省相談メモ、法律相談結果等参照と記載されていた。しかし、二十三日に公表された本省相談メモは、一四年五月八日から二十三日の間の四日間分だけで、四月二十八日分は交渉記録も本省相談メモもなかった。
重要な記録が抜け落ちているのではないかということで、財務省さんは、今回の調査では見つからなかった、これは再調査をするということでよろしいんですか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。
委員御指摘のものは、平成二十六年の四月二十八日という日付で書換え前の決裁文書を御提出させていただいたところに、そこに今委員がお話しになったような記述がございましたので、そのことを指して以降の話だと思っております。
今回、交渉記録を提出させていただく、あるいは本省相談メモを提出させていただくに際して、あるものは全て提出をしないといけないという観点から当然のように作業いたしましたし、あるいは、今委員が御指摘になられたところは、それまでの国会審議あるいはメディアの報道等々からしても、そういう関心を持たれる部分であるということは我々も重々承知をしておりますので、何としても捜し出そうと思って捜して作業した上で、現時点のような状況になっております。
なお捜さないといけないということは先日の野党のPTでも御指摘をいただいておりますので、捜す努力はいたしますが、それはある意味では、こういう状態になるとそういう御指摘をいただくことは我々も当然重々承知をして、だから、やった上でということでございます。その上で、物そのものを捜すことと、それから、物そのものを本当につくったのかどうかということを調査せよということを野党のPTでも御指摘いただいていますので、そういうことも含めて調査をするということを申し上げているという次第でございます。
○篠原(豪)委員 財務省さんは、保存期間が必要というものは改ざん、期限切れは廃棄。財務省、隠蔽手段使い分け。
こういうふうに、財務省による学校法人森友学園への国有地の取引に関する文書の隠蔽は、野党からの追及が激しさを増していた去年の二月以降の国会審議中に行われた。公文書は中身の重要度で保存義務の期間が異なっており、財務省は、まだ保存が必要な文書は改ざん、保存期限が切れたものは意図的に廃棄という形で隠蔽工作を使い分けてきた。
別に、印象操作じゃないですよ。これはこのまま新聞の見出しを読んでいるだけです。
こんなことを言っていて、今の態度で、何も出さないです。何も出さないんですよ。大臣、出さないんですよ、財務省さん。先へ進まないんです、議論が。
ですので、これは公文書、行政文書ですから、速やかに出せるものはあるわけなんです。あるんですよ、メールだって行政文書ですから。このことについてどう思われますか、今の話を聞いていて。
○梶山国務大臣 私どもの役割は、公文書を適切に作成する、そして、その行政文書については適切に保存等の管理を行うこと、それらについてしっかりと全体を管理していくことだと思っております。
また、私の所管外ではありますけれども、先ほど申しました情報公開法について言えば、情報公開法に適切に対応する上で行政文書の適切な保存等の管理は非常に重要であると思っております。
○篠原(豪)委員 何とかしていただかないと困りますね。このままでは審議ができないんです。中身がわからないので、できないんですよ。
民主主義、何で公文書があるかといえば、健全な民主主義を支える根幹であり、国民主権にのっとり、後世の国民に説明する責務を全うする、まあ、一条に書いてあることですけれども。
そういったことを、これで出さないで、何にも説明できなくて、これは本当に堂々めぐりさせて許されるような話じゃなくて、やはりここまで問題が大きくなっているので、本当に、これはもう一回、官房長官からも言っていただきたいと思うんです。速やかにと言っていますが、一度、ここでぜひちょっと一言、速やかに出すということについて指示していただければと思うんですが、いかがでしょうか。
○菅国務大臣 先ほど来言われていることだというふうに思っています。
いずれにしろ、出せるものは出すということが基本だと思います。
○篠原(豪)委員 すぐ出せますから、出してください。あるかないかじゃなくて、出せるんですから。
森友問題のおとといの文書、ここには、安倍昭恵首相夫人付の職員だった谷氏の、「知り合いの方から、社会福祉法人同様、優遇を受けられないかと総理夫人に照会があり、当方からお問い合わせさせていただいたもの。」と財務省に説明した記録が残っています。これは、定期借地の賃借料について社会福祉法人並みの優遇措置を昭恵夫人を介して要求したことを証明しているんだと思いますね。これは指摘されているとおり。
安倍首相は、単なる制度上の問合せで、交渉ではない、このように答弁していますけれども、この問合せの時期は、昭恵氏が学園の幼稚園で講演をし、新設予定の小学校の名誉校長就任を引き受けた後で、財務省側のそんたくを引き出すには十分な動機となると思っています。
このときに財務省は現行ルールの中で最大限の配慮をしていると述べていますが、最終的には、翌年、財務省側が、言葉どおり、ごみ問題を口実として土地の売買価格を劇的に引き下げることで森友学園の要望に応えたことを考えると、この一連の財務省の対応はやはり昭恵夫人の影響力下に行われたと考えるのが常識ではないかと思うんですが、官房長官、これはどういうふうに御認識されていますでしょうか。
○菅国務大臣 私は、たしか、一年ほど、大分前に何回か国会で答弁をしたことがあります。そのときは、制度の問合せであった、ゼロ回答である、そういう答弁をさせていただいています。
○篠原(豪)委員 制度上の問合せで、交渉ではないと答弁しているんですけれども、この時期は、今言ったように、幼稚園で講演をして、新設の名誉校長を引き受けた後で、そして今回の書いてあるものを見れば、それこそ、社会福祉法人同様、優遇措置を受けられないかといったことを言っているわけで、それは全く、制度上の話かといえば、制度上の話じゃなくて、結果としてお金が安くなっちゃっているんですよ。違いますか。
○太田政府参考人 お答えを申し上げます。
総理夫人付からお問合せがあったのは、介護施設等々についてそういう優遇措置があるので、学校法人についてはそういうことがないかという問合せで、介護離職ゼロという政策のためにそういうことをやっているのであって、学校法人についてはそういう適用はないということをお答えしているというのがその交渉記録でございます。
それは平成二十七年の秋の段階の話でございまして、委員のおっしゃる売却のときの価格の話は、二十八年の三月になって、それまで私どもが承知をしていたものとは質、量ともに異なる地下埋設が発見されて、その扱いということで処理をさせていただいた結果として、最終的に一億三千四百万という売却価格で売却をさせていただいているということでございます。
○篠原(豪)委員 それもこれも、どういう文書が残っているのかということがわかればわかることだと思いますので、出していただいて、そのことをしっかりと証明できるのであれば別に何も隠すことはなくて、出して、実際にこれはないんです、そうじゃないんですということを言えばいいんですけれども、出さないからわからないじゃないですか。
なので、口で言っているのは、もう今まで何度も、言ったことがころころころころ変わっているわけですよ。変わっていって変わっていって一年間、つき合っている方も、国民の皆さんも、我々国会の立法府としても議論が成り立たない。ですので、それを出していただきたいと思いますし、これはすごい大事だと思っています。
更に言えば、公文書を破棄している、これは許されるものじゃありません。大阪地検特捜部は、破棄したとされていた森友学園との交渉記録について、公文書等毀棄罪などの容疑で告発を受理して捜査をしていますけれども、この公文書の改ざんとか隠蔽のために公文書廃棄、こういうことが本当に許されていいのかという話なんですよ。
これはどういうふうに梶山大臣は思っていらっしゃいますか。
○梶山国務大臣 それぞれに保存期間が定められておりまして、保存期間内の廃棄であれば非常に不適切であると思っております。
○篠原(豪)委員 本当に不適切も不適切で、不適切だらけなんです、解釈を勝手に新解釈にしちゃったりして。もともとこの国は公文書管理法というのがちゃんとありますから、ころころころころと解釈を変えて、どんどんどんどんその趣旨から離れていくというのじゃ困っちゃうわけですね。ですので、それは大事だと思っています。
それで、この交渉記録の破棄を指示したのは誰か、そしてこの決裁文書の改ざんに当時の佐川局長がどのようにかかわったのか、関係職員から聞き取り調査を行い、その結果を大阪地検の捜査の結論を見て発表して、同時に関係職員の処分も行うとされていますけれども、その懲戒処分の内容については、それこそ妥当かどうかというのはどういうふうに判断をするのかということであります。
これはちょっと人事院さんに聞きたいんですけれども、財務省さんが何らかの処分をすると言っていますが、過去の事例と比較してそれが公平であるかどうかというのはどういうふうに考えていくのか、そして、そこに対して違うことがあればどのように独自に懲戒処分を言っていくのかということを今回の件でどう考えているか、教えてください。
○合田政府参考人 お答えいたします。
国家公務員につきまして服務義務違反があった場合の懲戒処分につきましては、その所属の職員の服務を統督するとともに事実関係を十分に承知し得る立場にある任命権者におかれまして、事実関係を確認の上、適切に御判断されるべきものでございます。
お尋ねの事案につきましては、現在、御指摘のように財務省において事実関係の調査を行っているということでございまして、それに基づいて財務省におかれまして適切に判断されることになるということでございます。
○篠原(豪)委員 ということは、これは人事院としては何もしないということですか。
○合田政府参考人 お答えいたします。
先ほどお答えしましたように、職員の懲戒処分につきましては、まずは任命権者におかれまして事実関係を十分把握して適切に御判断いただくということでございまして、現在、財務省におかれまして事実関係を調査されているということでございますので、私どもはそれを注視しているということでございます。
○篠原(豪)委員 じゃ、その処分を見てからということですね。
ちょっと加計学園の話を、今時間がないので、一つしたいと思うんですけれども、獣医学部新設をめぐっては、二月二十五日に首相に面会して、学部新設についての説明が記されていたことについては、きょう、もうここまででも議論がありました。
これはなぜ問題かといえば、一七年一月まで計画を知らなかったとするこれまでの首相答弁と明らかに食い違っているから問題だというのは、もう皆さん御存じのとおりです。
先ほど、加計学園のこの問題に対する愛媛県の文書ということについては、これは公文書じゃない、向こうのメモだという話が、長官、ありましたけれども、私は前にこのお話を聞いていまして、公文書管理法の二条の四では、取得したもので、省内で回覧すればこれは行政文書、国の行政文書になるんです。つくったものだけじゃなくて、取得を書いています。これはそうなんです。
それで、私、これが証明するかできないかということのちょっと提案なんですが、愛媛県が言っていますので、ぜひ、政府として、今治市はどういうふうな記録になっているのかというのを参照したらいいと思うんですけれども、もしよろしければ、政府の方から今治市に対して確認してみてはいかがでしょうか。これは、済みません、長官に聞きます。別にいいです。これは大事な話なので、お願いします。いや、これは本当に大事な話ですので……(菅国務大臣「ちょっと事前に」と呼ぶ)わかりました。
○村上政府参考人 事実関係及びこれまでの公式な立場について、私の方から御説明申し上げます。
愛媛県の作成した文書につきましては、その評価については政府としてコメントする立場にないというのは、るるこれまでコメントさせていただいているとおりでございます。
その上で申し上げれば、御指摘の今治市の記録でございますけれども、これは、衆議院及び参議院の予算委員会からの求めに応じまして、今治市の方が責任を持ちまして、五月十一日に参議院に対して、五月二十四日に衆議院に対して、既にその資料の提出があったというふうに理解をしてございます。
○篠原(豪)委員 提出をされたんですか。
○村上政府参考人 委員会からの求めに応じまして、市として責任を持って提出できる資料を提出したと。その資料の提出の中身をごらんいただきますと、あるものもある、ないものはない、こういうことで、出せるものをきちっと出しておりますということで、今治市の方から責任を持って文書の提出があったというふうに理解しております。
○篠原(豪)委員 もう一度、政府の側から今治市に、そういうことはあったのかどうかというのは聞いていただければと思うんですよ。ですので、そこのところを聞いていただければと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○菅国務大臣 今、事務方から答弁がありましたけれども、御指摘の今治市の記録については、既に衆議院及び参議院の予算委員会からの求めに応じて資料が提出されている、このように承知しています。
○山際委員長 篠原君、時間が過ぎておりますから。
○篠原(豪)委員 はい、わかりました。
ぜひ、やはり真実を明らかにするというのが大事で、例えば藤原豊さん、経済産業審議官も、出張記録には官用車を利用したと虚偽の記載をしています。虚偽の記載はいけないと思いますけれども、こういった状態があるので、しっかりとやはり事実解明に向けて取り組んでいただきたいのと、あと、やはり財務省さん、次から次に出てくるんですが、求めたものを出さないので、しっかり、公文書、行政文書という観点から、これは大事ですので、指導していただきたいことをお願い申し上げまして、時間ですから、きょうの質疑を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
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○山際委員長 次に、内閣提出、特定複合観光施設区域整備法案を議題といたします。
趣旨の説明を聴取いたします。石井国務大臣。
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特定複合観光施設区域整備法案
〔本号末尾に掲載〕
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○石井国務大臣 ただいま議題となりました特定複合観光施設区域整備法案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。
一昨年末に成立いたしました特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律においては、政府は同法の施行後一年以内をめどとして必要となる法制上の措置を講じなければならないこととされております。
このため、同法並びに衆議院及び参議院内閣委員会の特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案に対する附帯決議に基づき、特定複合観光施設区域整備推進会議において検討を行いました。さらに、全国で国民の御意見を直接伺う機会を設けた上で、日本型の特定複合観光施設に関する制度設計を進めてきたところであります。
この法律案は、国際会議場、展示場や日本の伝統、文化、芸術等を生かした観光の魅力増進施設等を一体的に設置、運営することにより、国際競争力の高い魅力ある滞在型観光を推進するという政策目的を実現するものであり、同時に、世界最高水準のカジノ規制等によって、さまざまな懸念に万全の対策を講じるものであります。
以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。
第一に、特定複合観光施設区域の整備について、国土交通大臣による基本方針の作成、都道府県等による民間事業者との区域整備計画の共同作成、認定申請、その際の地域の合意形成等について規定をしております。また、国土交通大臣は、認定区域整備計画の数が三を超えることとならないよう区域整備計画を認定することとしているほか、特定複合観光施設の設置運営事業者の監督等の制度を規定しております。
第二に、特定複合観光施設の設置運営事業者は、カジノ管理委員会の免許を受けたときは、カジノ事業を行うことができることとし、主要株主等その他の関係者についても、免許制等のもとで所要の規制を設けております。また、カジノ行為の種類及び方法、カジノ関連機器等についても、所要の規制を設けております。さらに、日本人等のカジノ施設への入場回数について、連続する七日間で三回、連続する二十八日間で十回に制限するとともに、二十歳未満の者、暴力団員等に対し、カジノ施設への入場等を禁止しております。
第三に、安易な入場を抑止する等の観点から、日本人等の入場者に対し、国と認定都道府県等がそれぞれ三千円の入場料を賦課することとしております。また、カジノ事業者に対し、国と認定都道府県等に納付金の納付を義務づけております。国庫納付金として、カジノ行為粗収益の一五%に相当する額及びカジノ管理委員会の経費のうちカジノ事業者に負担させることが相当なものの額の合計額を、認定都道府県等納付金として、カジノ行為粗収益の一五%に相当する額をそれぞれ納付させることとしております。
第四に、内閣府の外局としてカジノ管理委員会を設置し、委員長及び四名の委員については、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命することとしております。また、カジノ管理委員会のカジノ事業者等に対する監査、報告の徴収及び立入検査、公務所等への照会等に関する規定を設けております。
その他、所要の規定の整備を行うこととしております。
最後に、この法律案は、公布の日から起算して三年を超えない範囲内において、順次、施行することとしております。
以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
速やかな御審議をよろしくお願い申し上げます。
○山際委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
この際、暫時休憩いたします。
午後零時三十九分休憩
――――◇―――――
午後四時四十五分開議
○山際委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
理事の補欠選任についてお諮りいたします。
委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任を行いたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山際委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
それでは、理事に遠山清彦君を指名いたします。
――――◇―――――
○山際委員長 次に、内閣提出、特定複合観光施設区域整備法案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として特定複合観光施設区域整備推進本部事務局次長中川真君、警察庁刑事局組織犯罪対策部長露木康浩君、スポーツ庁スポーツ総括官齋藤福栄君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山際委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○山際委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。神谷昇君。
○神谷(昇)委員 自由民主党の神谷昇でございます。
お時間をいただきまして、私は、特定複合観光施設区域整備法案、いわゆるIR法につきまして質問をさせていただきたいと思っております。
このIRを整備するためには、まずそのスタートといたしまして、例えば都道府県でしたら議会の合意、そして、立地市町村そして政令都市では議会の同意が要る、これがスタートでございまして、これから厳しい審査が幾つかあって、そういうふうに免許が付与されるわけでございますが、そのプロセスを簡単に御説明いただきたいと思います。
○石井国務大臣 IR整備法案では、IR推進法の附帯決議を踏まえまして、区域整備計画の構想段階から地域において十分な合意形成が図られるよう手続を定めております。
具体的には、都道府県等は、実施方針を定めるときは、実施方針に即して、IR事業者の公募選定を行うときは、協議会における協議や、協議会が組織されていない場合には立地市町村に協議をすることとしております。
また、区域整備計画の作成に当たり、都道府県等は、協議会における協議や、協議会が組織されていない場合には立地市町村等に協議をすること、公聴会の開催等、住民の意見を反映する措置を講ずることとしております。さらに、区域整備計画の認定申請に当たりまして、都道府県等は、都道府県等の議会の議決を経ること、都道府県については立地市町村の同意を得ることとしております。
これらの手続に基づきまして、地域の合意形成が十分図られる仕組みとしております。
○神谷(昇)委員 こういう巨大施設ができるということは、とにもかくにも、やはり地元の支持、合意、そしてまた地元と共存共栄することが極めて重要であるというふうに思っておるところであります。
この法案はカジノ、カジノが大変目立っておりますけれども、考えてまいりますと、国際会議場、そしてまた見本市会場、そしてエンターテインメント施設、ショッピングセンターなど、いろいろな施設が複合してできるわけであります。
特に、この日本では世界基準の国際会議場が極めて少ないわけであります。東京に五千人規模が二つ、日本にこの二つしかありません。そして、見本市会場は、またさらに、日本ではビッグサイトは九万六千平米ございますけれども、これは世界の六十八番目。せめて、二十万平米が世界の基準でございますから、そういう施設を民間の資金によってつくられ、そしてそのランニングコストはカジノの収益を充てるということになってまいります。
非常にこれは喜ばしいことでございますけれども、ただ、やはり、地域に大変な迷惑がかからないか、そしてまた、こういう巨大施設でございますから、反社会勢力があらゆる手段を使って触手を伸ばしてくる、こういうことが非常に危惧されているところであります。
それと、きょうはギャンブル等依存症対策基本法が衆議院の本会議場で成立しましたけれども、このギャンブル依存症は、日本では他国に比べて極めて高いパーセントをしております。それが更に伸びていくのかというようなことが大変心配でございまして、暴力団対策というんですか、それと、ギャンブル依存症対策についてお示しを願いたいと思っております。
○中川政府参考人 お答え申し上げます。
依存症対策を強化しなければならないということは、IR推進法の附帯決議の中でも厳しく御決議をいただいているところでございます。
これを受けまして、今御提案をさせていただいておりますIR整備法案の中では、依存防止対策として、そもそも、IR区域数を限定することですとか、カジノ施設の規模の制限、それから、一つのIR区域にはカジノの施設を一つに限るといった制限を置いているほか、日本人などを対象とした一律の入場回数制限ですとか入場料の賦課、さらには、事業者には依存防止規程をつくらせることを義務づけておりますし、また、それに基づきまして、利用者の個別の事情に応じた対応を充実させるという観点から、本人、家族の申出などによる利用制限措置などを事業者に義務づけているところでございます。
一方、反社会勢力の排除につきましては、そもそも、カジノ事業に参入できる事業者を厳しく、新しく設立されることになりますカジノ管理委員会が背面調査をする規定を置いておりまして、事業の参入時から、免許制度などを使いまして、事業者のみならず、その株主あるいは関連の事業者等々、そして従業員に至るまで、全てこの背面調査をして、反社会勢力を排除するという措置を盛り込んでございます。
また、利用者として反社会勢力、暴力団員等が入ってくることを防ぐためにも、この国で初めての法案といたしまして、暴力団員等本人に入場することを禁止する規制をかけておりますし、また、カジノ事業者にも、こういう暴力団員等を入場させてはならないという義務づけをつけているところでございます。
いずれの規制も、罰則をもって担保しているということも、日本では初めての法案になるところでございます。
以上でございます。
○神谷(昇)委員 今、答弁をいただきました。
反社会勢力、最近は、厳しい法律がどんどんできてきまして、総体的に暴力団員数が少なくなってきております。ところが、少なくなってきている反面、例えば、うまく会社に入り込んで、それをうまく使って、そしていろいろなところに事業拡大している、そういうところが見られるわけでございます。
私は、日本の警察は世界一というふうに思っておりますので、その警察のいろいろな、あらゆる情報を駆使してそういうことのないように、そして、警察のそういう頑張りによって、世界一安心で安全で、そしてまた、来ていただいた方にも、その安心を担保して、日本の伝統文化等々を十分に楽しんでいただける、世界一を誇るIRをつくっていただきたいと思っております。
今、日本も、この二十年間、非常に低迷をしておりまして、GDPが低迷しております。二十年間、ほぼ横ばいであります。そのためには、観光立国を目指すために観光産業をいかに栄えさせていくか、いわば観光立国日本の推進力になるようなすばらしいIRをつくっていただくことをお願いして、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○山際委員長 次に、濱村進君。
○濱村委員 公明党の濱村進でございます。
きょうは、IR整備法案について質問をさせていただきます。
まず、ギャンブル等依存症対策基本法が通りましたが、私、その質疑を聞いていて違和感を感じていた点がございます。
カジノ自体に対しての評価なんですが、カジノとは何をしに行くところなのかということなんですけれども、これはそもそも、余裕資金のある方がその資金を費消しに行くところであると思っております。そういうところがなかなか認識がないということは、非常に残念だなと。これは、元ラスベガス市長の方も言われているわけでございまして、既に普通にカジノがある国では、そのようにちゃんとカジノを正しく、適正に捉えているという認識、このことをしっかりと日本も認識するべきだということをまず冒頭に申し上げておきたいと思っております。
その上で、今回のIR整備法でございますが、IR、これは必置であるのがカジノでございますが、カジノがなくてもいいんじゃないかというような話がございます。
そこで、石井大臣にお伺いしたいと思いますが、我が国における成長産業として、観光は伸び代のある成長領域であると考えております。その成長を更に加速化させるために、展示場、国際会議場、ホテル、レストラン、あるいはスタジアムなど、投資するべき分野はあるわけでございますが、投資できる主体がなかなかいなかったというのが現状であろうと思っております。そうした観点から、カジノで収益を上げて、その収益を投資に回すことができるのは大きなメリットであると考えております。
一方で、特定複合観光施設区域にカジノ施設がなくてもよいではないかという議論がございますが、その議論について石井大臣の御所見をお伺いいたします。
○石井国務大臣 政府といたしましては、議員立法で成立をいたしましたIR推進法において、カジノを含むIRの整備推進が国の責務とされていることから、同法に基づいて具体的な制度設計の検討を進め、今般、IR整備法案を提出したところであります。
カジノ収益も活用しまして、MICE施設等のさまざまな誘客施設が一体となった、国際競争力を有するIRを整備することによりまして、これまでにないような国際的な展示、会議ビジネスを展開し、新たなビジネスの起爆剤とすること、日本の伝統、文化、芸術を生かしたコンテンツの導入により世界に向けた日本の魅力を発信すること、これらにより世界じゅうから観光客を集める滞在型観光モデルを確立することを実現いたしまして、我が国を観光先進国へと引き上げる原動力となることが期待をされております。
一方で、例えば東京ビッグサイトやパシフィコ横浜のように、我が国を代表する大規模なMICE施設については、投資額が多額であることの理由等によりまして、純粋に民間事業として整備、運営されている例は見られず、さらに、日本型IRのように、MICE施設に加え、さまざまな誘客施設を一体的に整備、運営しているものは存在していないと承知をしております。
これらのことから、魅力的な日本型IRを実現するために、国際会議場や家族で楽しめるエンターテインメント施設と、収益面での原動力となるカジノ施設が一体的に運営されることが必要と考えております。
○濱村委員 純粋に民間資金で収益が成り立つかどうかというのは非常に大事な論点だと思っております。
その上で、重ねてお伺いしますが、きょう、スポーツ庁からお越しいただいておりますので、一点聞きますが、私、かねてより、スポーツIRということを進めるべきであるという考え方を持っておりまして、これは、カジノがある場合、ない場合、それぞれ海外でもあるわけでございますけれども、カジノ収益にかわるような収益をスポーツ単体で、スポーツの試合で得ることができるのであれば、その収益を還元することができれば、現在議論しているような複合観光施設区域の整備ができるのではないかと思っていたんです。
ただ、残念ながら、そのような事例というのは世界じゅうを見渡してみても存在するかどうか、これは、私、独力ではなかなか見つけられませんでした。
そこで、スポーツ庁にお伺いしたいんですが、そのような事例があるかどうか、確認をしたいと思います。
○齋藤政府参考人 議員御指摘の海外事例としましては、スポーツの試合を行うスタジアム、アリーナが地域開発の一つの要素として活用されている事例がございます。
例えば、アメリカのロサンゼルスにありますアリーナのステイプルズセンターでは、バスケットやアイスホッケー等のスポーツをメーンコンテンツとして集客を図り、年間約四百万人以上が訪れることで、周辺のホテルやレストラン等の収益向上に貢献しています。
また、カンザスシティーでも、アリーナのスプリントセンターを地域開発の核として建設し、スポーツ等のさまざまなコンテンツを提供することで収益化を図り、毎年カンザスシティーに一千万ドル以上を納めている事例もございます。
しかしながら、これらの事例も、スポーツ以外のさまざまな施設と複合的に整備することで成り立っており、そうした複合化を目指すことが重要と考えております。
○濱村委員 スポーツ以外に収益源がしっかりしているという意味でいうと、まず、そこが成り立たなきゃいけませんね。
一方で、もう一つあるのは、今、日本でやろうとしているIRというのは、かなり大規模な展示場、国際会議場等々が必要であろう、その整備のためには随分大きな投資額が必要であるということでございますので、なかなかスポーツでの収益では賄い切れないぞというのも現実問題であろうというふうに思っております。
こうしたスポーツ施設、要素として入っているような区域はあり得るということでございますし、日本でも、今回のIR整備法案では第二条一項の六号で読めるという認識でございます。
そういうことも含めて、日本が、これからの成長に資するような、皆さんがわくわく期待を持てるような、そういう施設を整備できることを祈念申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございました。
○山際委員長 次回は、来る三十日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後五時散会