第8号 平成30年11月30日(金曜日)
平成三十年十一月三十日(金曜日)午前九時一分開議
出席委員
委員長 牧原 秀樹君
理事 平 将明君 理事 谷川 弥一君
理事 長坂 康正君 理事 牧島かれん君
理事 松本 剛明君 理事 山内 康一君
理事 大島 敦君 理事 佐藤 茂樹君
安藤 裕君 池田 佳隆君
泉田 裕彦君 大西 宏幸君
岡下 昌平君 加藤 鮎子君
金子 俊平君 神谷 昇君
杉田 水脈君 高木 啓君
中曽根康隆君 中山 展宏君
長尾 敬君 西田 昭二君
百武 公親君 松野 博一君
松本 洋平君 三谷 英弘君
務台 俊介君 村井 英樹君
今井 雅人君 大河原雅子君
岡本あき子君 近藤 昭一君
篠原 豪君 山尾志桜里君
森田 俊和君 山岡 達丸君
太田 昌孝君 高木美智代君
塩川 鉄也君 浦野 靖人君
日吉 雄太君
…………………………………
国務大臣
(内閣官房長官) 菅 義偉君
内閣府大臣政務官 長尾 敬君
内閣府大臣政務官 安藤 裕君
政府特別補佐人
(内閣法制局長官) 横畠 裕介君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 藤原 通孝君
政府参考人
(内閣官房皇位継承式典事務局次長兼内閣府皇位継承式典事務局次長) 三上 明輝君
政府参考人
(内閣法制局第一部長) 岩尾 信行君
政府参考人
(内閣府大臣官房総括審議官) 嶋田 裕光君
政府参考人
(宮内庁次長) 西村 泰彦君
政府参考人
(警察庁警備局長) 村田 隆君
政府参考人
(金融庁総合政策局審議官) 井藤 英樹君
政府参考人
(金融庁総合政策局参事官) 中村 修君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 本多 則惠君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 山本 麻里君
政府参考人
(観光庁審議官) 高科 淳君
内閣委員会専門員 長谷田晃二君
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委員の異動
十一月三十日
辞任 補欠選任
池田 佳隆君 務台 俊介君
小寺 裕雄君 中曽根康隆君
同日
辞任 補欠選任
中曽根康隆君 百武 公親君
務台 俊介君 池田 佳隆君
同日
辞任 補欠選任
百武 公親君 小寺 裕雄君
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十一月三十日
マイナンバー制度の中止・廃止に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第二六〇号)
街のスナックを守ることに関する請願(宮本岳志君紹介)(第二六一号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律案(内閣提出第一三号)
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○牧原委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官藤原通孝君、内閣官房皇位継承式典事務局次長兼内閣府皇位継承式典事務局次長三上明輝君、内閣法制局第一部長岩尾信行君、内閣府大臣官房総括審議官嶋田裕光君、宮内庁次長西村泰彦君、警察庁警備局長村田隆君、金融庁総合政策局審議官井藤英樹君、金融庁総合政策局参事官中村修君、厚生労働省大臣官房審議官本多則惠君、厚生労働省大臣官房審議官山本麻里君、観光庁審議官高科淳君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○牧原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○牧原委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。西田昭二君。
○西田委員 おはようございます。自由民主党、石川三区の西田昭二でございます。
今回も質問の機会を賜りまして、心から感謝を申し上げるところでございます。
それでは、早速でありますが、天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律案について質問をさせていただきます。
来年の皇位の継承に際してさまざまな儀式が行われると承知をしておりますが、具体的にどのような儀式が行われるのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
○三上政府参考人 お答えいたします。
お尋ねの各式典につきましては、本年四月三日に閣議決定されました天皇陛下の御退位及び皇太子殿下の御即位に伴う国の儀式等の挙行に係る基本方針に基づいて実施することとしてございます。
具体的には、まず、天皇陛下の御退位に伴う式典として退位礼正殿の儀、次に、皇太子殿下の御即位に伴う式典として剣璽等承継の儀、即位後朝見の儀、即位礼正殿の儀、祝賀御列の儀、饗宴の儀、内閣総理大臣夫妻主催晩さん会、立皇嗣の礼を行うこととしているところでございます。
以上です。
○西田委員 今回、御即位の日である五月一日と即位礼正殿の儀の行われる日である十月二十二日を休日にするとのことでございますが、その趣旨はどのようなものなのか、また、今上陛下の御即位の際にも同様の休日を設けたのか、菅官房長官にお伺いをさせていただきたいと思います。
○菅国務大臣 本法律案は、皇室典範特例法を踏まえ、天皇の即位に際し、国民こぞって祝意を表するため、これまでの立法例に倣い、御即位の日である五月一日及び即位礼正殿の儀の行われる日である十月二十二日を祝日扱いとするものであります。
また、今上陛下の御即位に当たっても、即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律を制定し、儀式の行われる日を休日としたところであります。
他方、皇室典範第四条の規定による即位は、天皇陛下の崩御に伴うものであり、御即位の祝意を表する措置をとることは難しかったのであります。このため、今上陛下の即位の日は休日とはしておりませんでした。
○西田委員 今上陛下は、御即位以来三十年を超える長期にわたり、国事行為のほか、全国各地への御訪問、被災地へのお見舞いを始めとする象徴としての公的な御活動に精励してこられたわけでございます。天皇陛下の御退位は、光格天皇以来約二百年ぶりであり、憲政史上初めての事柄でございます。
これらのことを鑑みますと、今上陛下の御退位される日であり、かつ、退位礼正殿の儀の行われる日である平成三十一年四月三十日は国民こぞって祝意を表する日であるということからも、祝日法では、国民の祝日に関する法律の第一条に、「自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞつて祝い、感謝し、又は記念する日を定め、これを「国民の祝日」と名づける。」とございます、来年の四月三十日も祝日法の条文からも祝日にすべきだと考えるところでございますが、なぜそのようにしなかったのか、改めてお伺いをさせていただきたいと思います。
○嶋田政府参考人 お答えいたします。
御即位の日であります来年五月一日をもって皇位の継承という儀式全体が完了するという考えに立ちまして、それを祝うということで来年五月一日を祝日としているものでございますが、それに先立ちます御退位の日につきましては、これを静かにお見送りをし粛々と儀式を行うとの考えのもと、特別法に基づく休日としなかったというのが基本的な考え方でございます。
○西田委員 今上陛下が御即位された際にも国会で議論されたことでございますが、平成二年の衆議院内閣委員会において議論されておりますが、即位礼正殿の儀や大嘗祭について、憲法第二十条三項、「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。」という規定がありますが、これらに関して憲法との関係がどのようになっているのか、改めてお伺いをさせていただきたいと思います。
○岩尾政府参考人 お答えいたします。
平成の御代替わりに伴い行われた式典は、そのあり方等につきまして慎重な検討がなされたところ、お尋ねの、まず、即位礼正殿の儀につきましては、天皇陛下が御即位を公に宣明されるとともに、その御即位を内外の代表がことほぐ儀式であり、この儀式の内容には宗教上の儀式としての性格を有するものは見られないことから、御指摘の憲法第二十条第三項が禁止する宗教的活動には当たらないと整理され、国事行為として行われたものでございます。
他方、大嘗祭につきましては、その中核が、天皇が皇祖及び天神地祇に対し安寧と五穀豊穣などを感謝されるとともに、国家国民のために安寧と五穀豊穣などを祈念される儀式であり、その趣旨、形式等からして宗教上の儀式としての性格を有すると見られることは否定できず、また、その態様においても国がその内容に立ち入ることにはなじまない性格の儀式であることから、国事行為として行うということは困難であるものの、一世に一度の極めて重要な伝統的皇位継承儀式でありまして、皇位の世襲制をとる我が国の憲法のもとにおきましては、その儀式について国としても深い関心を持ち、その挙行を可能にする手だてを講ずることは当然と考えられますことから、大嘗祭は公的性格があると言え、大嘗祭の費用を宮廷費から支出することは憲法第八十九条及び第二十条第三項のいずれにも反するものではないと整理されたところでございます。
○西田委員 また、同じく当時の内閣委員会で、大嘗祭の費用について、今ほどもお話もありましたけれども、議論がございました。
大嘗祭は、剣璽等承継の儀、即位後朝見の儀、即位礼正殿の儀、祝賀御列の儀、饗宴の儀、立皇嗣の礼のように、大嘗祭というのも皇室の長い伝統的な儀式であり、即位儀礼の一つであり、皇位継承に伴う重要な儀式であることからも宮廷費で行うということでしたが、改めて、このたびも同様の考えでいいのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
○西村政府参考人 お答えいたします。
大嘗祭の費用の支出につきましては、平成度の代替わりの際に、現行憲法下の整理としまして、これは先ほど内閣法制局の方から答弁がございましたけれども、大嘗祭を皇室の行事として行う場合、大嘗祭は、皇位が世襲であることに伴う、一世に一度の極めて重要な伝統的皇位継承儀式であるから、皇位の世襲制をとる我が国の憲法のもとにおいては、その儀式について国としても深い関心を持ち、その挙行を可能にする手だてを講ずることは当然と考えられる、その意味において、大嘗祭は、公的性格があり、大嘗祭の費用を宮廷費から支出することが相当であると考えるとされているところでございます。
このたびの大嘗祭におきましても、本年四月三日の閣議口頭了解におきまして、平成度の整理を踏襲することとされているところでありまして、宮廷費を支出することとなるものでございます。
○西田委員 来年は、東京オリンピック・パラリンピックを翌年に控えたプレ大会の開催、また、ラグビーワールドカップも開催されます。
国としてさまざまな行事が行われる中で御退位と御即位の儀式や式典が行われますが、警備体制は万全なのか、特に祝賀御列の儀についての警備はどうなのか、その辺についてもお伺いをさせていただきたいと思います。
○村田政府参考人 お答えをいたします。
御指摘のとおり、来年は、東京オリンピック・パラリンピックのプレ大会やラグビーワールドカップのほか、皇室関連の各種行事が開催されるところでありますが、天皇陛下の御退位及び皇太子殿下の御即位に伴う式典につきましては、警察におきまして、情報収集、分析の強化、警戒警備の徹底などの各種対策を推進しているところであります。
御指摘の祝賀御列の儀も含め、各式典の安全かつ円滑な運営のため、その警備に万全を期していく所存でございます。
○西田委員 しっかりと対策を講じていただきたいと思います。
今回のことについては、来年限りの措置ということでございますが、十連休ということで、超大型連休など、新聞やテレビなどでも報じられております。休日を設ける趣旨や、具体的に休日となる日がいつなのか、国民によく周知をする必要があると考えております。
また、十連休になることで期待される点として、旅行やレジャー関連の需要の伸びや経済効果、システムの新元号に対するための一定時間の確保などが言われておりますが、不安が残る点として、行政サービス、保育園や銀行、医療や介護、病院などの利用できないおそれ、そしてまた、運輸業や小売業を中心に人手不足が生じるおそれ、連休による取引減や連休前後の取引集中による為替変動のおそれ、時給や日給で働く労働者にとっての収入減のおそれ、新年度が始まり、十連休を迎えることで不登校になるおそれなど、さまざまな不安点が報じられております。
政府として、このような不安点についてどのような対策を考えているのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
○嶋田政府参考人 お答えさせていただきます。
委員の御指摘の点につきましては、いろいろな指摘がなされていることは承知しているところでございますが、まずは、この御指摘の点につきましては、国民への十分な周知に努めることがまず先決ではないかというふうに考えておるところでございます。
その上で、国民生活、いろいろな分野で支障が生じることがないように、過去の大型連休での経験もございますので、その経験も踏まえながら、関係省庁がよく連携して、政府としても万全を尽くしてまいりたいと思っております。
○西田委員 本当に、大型連休になることによって、私ども過疎地域やそしてまた観光地を抱える地域にとって大変期待をされるところでもありますし、日本全体が祝賀によって、景気、そしてまた、大変盛り上がることを本当に考えていきたいと思いますし、その辺についての対策や対応をしっかりと講じていただきたいと思います。
そしてまた、来年の天皇陛下の御退位や御即位は、本当に、国としても大変大切な、そしてまた歴史的に見ても重要な儀式や式典であると思っております。本当に万全な対策で、そしてまた政府としても抜かりのない対応をしっかりとしていただくことを心からお願いし、最後にその点について、お考えがあるならば、ちょっと質問をさせていただきたいと思います。官房長官の考え方をお願いしたいと思います。
○菅国務大臣 いずれにしろ、十連休という、ある意味で初めてのことであります。そういう中で、いろいろな方面からさまざまな対策を講じて、国民の皆さんにことほいでいただけるような、そうした連休にしたい、対応にしたい、こういうふうに思っています。
○西田委員 では、よろしくお願いしたいと思います。
それでは、私の質問を終わりといたします。ありがとうございます。
○牧原委員長 次に、山尾志桜里君。
○山尾委員 おはようございます。立憲民主党の山尾志桜里です。
私は、皇室制度の問題、これは三権分立とあわせて権力と権威の分立をもたらすものであり、日本社会の安定と安寧のために手放しがたい重要性を持つものだと思っています。しかも、歴史が育むものですから、一度途絶えたらつくり直すことのできない繊細さを持つ制度で、だからこそ、みんなで丁寧に守っていく必要があると日ごろから思っています。
そんな思いを持っていることもあり、本日、皇室典範特例法第二条の規定による天皇の御退位、そして新しい天皇の御即位に関して、即位の日となる来年の五月一日、そして即位礼正殿の儀が行われる十月二十二日を休日とする本法案に質問の機会をいただいたことに感謝をしておりますし、微力ですけれども、よい意見交換を議事録にとどめたいと思いますので、官房長官、事務方の皆様、どうぞよろしくお願いをいたします。
それでは、この特例法施行前に、大きく二つのテーマに分けて、きょうは質問したいと思います。一つは、大切な来年の皇位継承に向けて、もう一つは、安定的な皇位継承を保つために、この二つのテーマでございます。
まず、来年の皇位継承に向けて、菅官房長官にお伺いをいたします。
皇室典範特例法はこのたびの皇位継承を根拠づけるものとして成立をいたしましたが、改めてそのときの議論を確認いたします。
衆議院、参議院正副議長の議論の取りまとめにおいて、皇室典範の附則に特例法と皇室典範の関係を示す規定を置くことによって、「退位は例外的措置であること、」「将来の天皇の退位の際の先例となり得ることが、明らかになるものと考えられる。」このように取りまとめられました。
この件について、菅官房長官には平成二十九年六月一日の特例法の議論においても答弁をいただいておりますけれども、改めて、この立法府の議論の取りまとめを受けとめた政府の認識をお伺いいたします。
○菅国務大臣 政府としては、衆参正副議長の議論の取りまとめを厳粛に受けとめて、その内容を忠実に反映をさせて、天皇の退位等に関する皇室典範特例法、これを立案したところであります。
この法律は天皇陛下の退位を実現するものではありますが、この法律の作成に至るプロセスやその中で整理された基本的な考え方については、将来の先例となり得るものである、このように考えています。
○山尾委員 将来の先例となり得るものと改めて政府の認識を確認いただきました。
あわせて、これは指摘にとどめます。この皇室典範附則三条の法解釈ですけれども、この三条は、「法律の特例として天皇の退位について定める天皇の退位等に関する皇室典範特例法は、この法律と一体を成すものである。」との規定になっています。
「天皇の退位」という言葉が二度使われているわけですけれども、この最初の方、すなわち特例法の名称の一部ではない方の「天皇の退位」をどう解釈するかという指摘です。
この点、この法律の本則一条を見ますと、今上陛下をあらわす言葉としては「天皇陛下」という言葉が用いられておりますので、他方で、附則三条の「天皇の退位」とは、今上陛下の退位のみを示すものではなく、一般的な退位を示すものとして制定されていると考えるのが法解釈上自然だと思いますし、今御答弁をいただいた将来の先例となり得るものとの認識と整合的だというふうに指摘をしておきたいと思います。
また、あわせて、私、この立法府で退位の制度化ということの議論を続けていくべきだと思います、これも意見の表明にとどめますが。
なぜなら、象徴天皇制度を末永く続けるためには、天皇が存在するだけというだけではなくて、国民や社会の期待に応える象徴にふさわしい御活動を可能にすることが必要だというふうに考えるからです。もちろん、何がその時代において象徴として期待に沿うためにふさわしい御活動と考えるかは、時々の天皇のお考えによるものと思います。その上で、その時々の天皇がお考えになる象徴のあり方に対応できるようにするために、皇位継承の原因の一つとしての退位を制度として確立していくためのこれからの議論は、私たち立法府の責務ではないかと考えます。
美智子皇后陛下がことしのお誕生日に際してこのようにお述べになっています、大変、御発言を引くのも恐縮なんですけれども。
約三十年にわたる、陛下の天皇としてのお仕事への献身も、あと半年ほどで一つの区切りを迎えます。これまで全身と全霊双方をもって務めに当たっていらっしゃいましたが、加齢とともに徐々に全身をもってという部分が果たせなくなることをお感じになり、政府と国民にそのお気持ちをお伝えになりました。五月からは皇太子が、陛下のこれまでと変わらず、心を込めてお役を果たしていくことを確信しています。
このようにお述べになられました。
全身全霊をもってお務めに献身いただく中で、加齢とともに全身をもってという部分が果たせなくなり得るということは、今上陛下のみならず、将来のこれからの天皇においてもあり得ることだと思います。だからこそ、私たちは退位そして即位という皇位継承のあり方の制度化の議論を立法府で続けていくべきだと考えますし、政府としてもこの議論を除外しないでいただきたいということを意見として述べておきます。
では、このたびの皇位継承について、この法案について、少し、ここからは事務方に聞いてまいります。
このたびの皇位継承は、憲政史上初めて、慶事としてあらかじめ即位の日を祝日とするものです。この慶事、喜び事としての皇位継承の儀式が円滑に、そして国民に印象深いお祝い事として受けとめていただくことは、それ自体とても大切なことでありますし、今述べたような退位の制度化の妥当性とか必要性とかを考えていくためにも、大変重要なこのたびの皇位継承になると思います。
まず、今回の休日法の法律としての制度設計を幾つか説明をいただきます。恐らく、必ずしもコンメンタールとかですぐに政府としての法解釈が明らかになるとは限らないと思いますので、基本的なところを議事録に残しておきたいと思います。
まず一点目、今回の法案の本則は、とてもシンプルです。天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とするものとする。つまり、本則だけでは、このたびの即位に限った規定というよりは、一般的な即位についての規定と読める規定ぶりになっています、本則は。
そこで、この休日法がこのたびの皇位継承に伴う即位についての規定であることは、附則との関係においてどのように読むべきなのか、法律としてどのように設計をされたのか、御説明ください。
○嶋田政府参考人 お答えいたします。
今回の法律案の本則につきましては、過去の立法例を踏まえながら、必要最小限の規定ぶりとさせていただきました。
その上で、本則に規定する休日と皇室典範特例法との関係につきましては、附則第一条において、「皇室典範特例法第二条の規定による天皇の即位に関して適用する。」というふうに規定することによりまして、その適用範囲を特定する構造をとったものでございます。
以上でございます。
○山尾委員 ありがとうございました。
次に、この本則なんですけれども、私たち、この法案のことを祝日法、祝日法というふうに縮めて呼ぶことがあるんですけれども、本則は、祝日とするではなく、「休日とする。」というふうに書かれているのはなぜなのでしょうか。
つまり、立法趣旨を見ると、この立法の趣旨というのが、「皇室典範特例法を踏まえ、天皇の即位に際し、国民こぞって祝意を表するため、」というふうにありますので、素直に考えると、祝日とするというふうに規定してもよいように思うんですけれども、この点、御説明をお願いいたします。
○嶋田政府参考人 お答えいたします。
祝日法上の国民の祝日として、今後も一般的な祝日、休日として制度化することを目的とする場合におきましては、祝日法を改正しまして、その日を祝日として位置づけた上で休日とすることとなります。
他方、今回の法律案につきましては、来年一度限りの休日であり、このような場合は、過去の立法例におきまして、本則で休日とすることを規定し、附則で祝日法上の祝日扱いというふうにしておりますので、これらの例に倣ったというふうに理解しております。
○山尾委員 毎年その日が祝日となる国民の祝日に関する法律に規定されている祝日とは異なる、今回の一度限りの休日であり、祝日であるという違いをお話しいただきました。
そこで、この附則を見ますと、祝日法の三条三項だけではなくて、三条二項も適用があるものとするというふうになっているんですね。
事前に御説明をいただいたところによると、今回は、即位が五月一日でありますから、祝日法三条三項の規定は直接適用を受けるわけですね。つまり、前日と翌日が祝日である日に挟まれているので休日とするというこの三項の適用が、今回はそのままある。
でも、一方で、三条二項は、「「国民の祝日」が日曜日に当たるときは、その日後においてその日に最も近い「国民の祝日」でない日を休日とする。」要するに、祝日と日曜日が重なったときは月曜日も休みにするよという一般的な祝日法の規定ですけれども、これは、今回は直接は該当しないわけですね。
にもかかわらず、今回、三項と並べて二項をも適用があるものとするというふうに規定した趣旨を教えてください。
○嶋田政府参考人 お答えいたします。
今回の法律案では、本則で定める休日は、国民の祝日として、一般論として、祝日法第三条二項及び第三項の適用があることを規定するものでございます。
なお、即位の日は政令で、即位礼正殿の儀の行われる日は閣議決定でそれぞれ特定されておりまして、今後別の日に変更されることは通常は想定されないところでございますけれども、万が一、別の日に変更されることがあったとしましても、本法律の改正を要することなく適用できる可能性も残したということで考慮しているところでございます。
以上でございます。
○山尾委員 万が一、日にちが変わっても、慌てずに、成立するであろうこの法律の中できちっと対応できるようにしてあるということでした。
とすると、もし今後、今回の退位に基づく皇位継承が先例となっていき、次回以降、退位に基づく皇位継承が再びなされたとして、今回同様に、即位の日と即位礼正殿の儀の日を休日にしましょうという法律をつくりましょうとなることは、これは前例踏襲ということからすると考えられるわけですけれども、こういう場合に、今回の休日法は、この時点でほとんど一般的制度としての法設計がなされている部分が随分多いように感じますので、かなりそのまま使える部分が多くなってくるのではないでしょうか。
そういった形で、このまま使い得るよという部分と、あわせて、その場合、この部分は変えなければならないでしょうねと、ちょっとその区別を教えていただきたいと思います。
○嶋田政府参考人 お答えいたします。
まず、今回の法律案は過去の立法例に倣いまして立案したものでございますので、特に、即位の日と即位礼正殿の儀の行われる日を休日とすることを規定した本則とか、あるいは祝日法上の休日を引用している他の法令との適用関係を規定いたしました附則第二条につきましては、過去の立法例でも類似の規定があるところでございます。
他方で、今回の法律案は皇室典範特例法を踏まえたものでございますので、皇室典範特例法との関係を規定しております附則第一条とかあるいは第三条につきましては、過去の立法例に同様の規定はございませんので、この法律案特有のものというふうに理解しているところでございます。
○山尾委員 そうだと思います。
変えなきゃいけなくなる部分というのは、もちろん今回はこのたびの皇位継承を基礎づける個別の特例法を書き込んでいますので、仮に、さきに申し上げたような、先例となっていって次回はということになったときは、そのときも典範改正ではなく仮に特例法での措置になるとしたら、あるいはなってしまうとしたら、特例法自体をそのときの特例法に記載を変える、その点が変わるところというふうになるんだろうというふうに思います。
次に、これは菅官房長官にお伺いをしたいんですけれども、今回の皇位継承の日にちについて、退位の日を四月三十日、即位の日を五月一日とした、その政府の決定の理由をお伺いしたいと思います。
○菅国務大臣 皇室典範特例法第二条は、法律の施行の日限りで天皇陛下が御退位をされ、直ちに皇嗣が御即位される旨を規定しており、法律の施行日は、あらかじめ皇室会議の意見を聞いた上で政令で定める、このようにされております。
これを受けて、皇室会議の意見を聞いたところ、天皇陛下の御退位や皇太子殿下の御即位がつつがなく行われることや、国民生活への影響等を考慮し、特例法の施行日というのは平成三十一年四月三十日とすべきであるとの意見でありました。
政府においては、この意見を踏まえて、天皇陛下の御退位日となる特例法の施行日を平成三十一年四月三十日と定める政令を制定したところであります。
これによって、来年四月三十日限りで天皇陛下が御退位をされ、五月一日に皇太子殿下が御即位されることになるということであります。
○山尾委員 もちろん、このように重要な日取りが一旦決まって、社会にそれなりに受けとめられている以上は、その日程に向けて滞りなくさまざまなことが進むように、私たちも喜びとともに協力をしたいと思っています。
ただ、ちょっと二つ、これからに向けての指摘というか懸念をとどめたいというふうに思うんですけれども、まず一点目は、大嘗祭との関係なんです。
これは事務方にお伺いをいたします。
来年の大嘗祭は十一月十四日そして十五日と決まっているというふうに聞いておりますが、大嘗祭に供える稲を出す田んぼ、これを選定する斎田点定の儀というのは、来年いつを予定されているんでしょうか。
○西村政府参考人 お答えいたします。
本年十一月二十日に宮内庁で行われました第二回大礼委員会を経て、斎田点定の儀は即位の年の五月十三日に皇居神殿において行われる予定でございます。
○山尾委員 それでは、前回、つまり平成における斎田点定の儀、あるいは昭和、大正、明治、もしわかるところがあったら教えていただけますか。斎田点定の儀の日取りですね。
○西村政府参考人 お答えいたします。
前回の斎田点定の儀は、平成二年二月八日に行われております。
なお、それ以前につきましては、ちょっと手元に資料がございませんので。
○山尾委員 事務方の方に手持ちの資料がないものを、ちょっと私の認識で話していいか、少しちゅうちょはありますけれども、恐らく、昭和のときには二月五日、大正のときは二月五日、そして明治のときは五月五日というふうに、私自身が調べたところでは聞いております。
この点、明治は、京都から東京への事実上の遷都があったりとか廃藩置県があったりとか、とても異例な事情を持つ過渡期であったと思いますので、余りここは先例性を持ちにくいのかなと私自身は思っているんです。
そう考えていくと、つまり、平成、昭和、大正と、二月の八日あるいは二月の五日。つまり、これまで、通常は、田植の行われる前に斎田を決める儀式というのが行われることがうかがわれるわけですね。でも、今回は五月十三日に点定の儀を行うということで、地域によっては田植が終わっている時期にこれが行われるということが、やはり気にはなるんですよね。
今回、これも事務方で結構です。その斎田の候補として、田植が終わっている都道府県、地域も含めて選定をされるのか、あるいは含めないということがあり得るのか、この点いかがですか。
○西村政府参考人 お答え申し上げます。
先ほどの委員御指摘の、昭和天皇時は二月五日でございます。大正天皇御即位時は二月五日でございます。明治天皇御即位時は、旧暦でございますが、五月二十二日でございます。
その上で、今の御質問でございますが、斎田点定の儀は、大嘗祭に用いられる新穀を生産する斎田を設ける地方を定めるための儀式でございます。過去には斎田点定の儀が五月以降に行われている例もございまして、田植の時期とは直接関係があるものではございません。
○山尾委員 ちょっと、質問をもう一度言います。
まずは、日にちを正確なものに訂正いただいて、ありがとうございました。
ただ、いずれにしても、平成、昭和、大正と二月に行われているということでありましたが、御質問は、今回、斎田の候補として、ある田植が終わっているというような地域も含めて、当然選定の候補に入っているのか、それとも、何かそういう事情で除くということがあるのかないのか、それをそのままお答えいただければと思います。
○西村政府参考人 お答えいたします。
現在、まだ手続を進めている段階ではございませんが、先ほど申し上げましたように、斎田点定の儀は田植の前後に関係ございませんので、そういう趣旨から申し上げますと、田植が行われていない県も含まれるということはあり得ると思います。(山尾委員「行われている」と呼ぶ)終わっている県もあり得るとは思います。
○山尾委員 一部の地域を選定から外すというようなことは、国民統合象徴、そういう観点からしても望ましくないと私も思いますので、今の答弁のようになるというふうに私も思います。
ただ、今、田植の時期とは関係ないんだというふうにおっしゃいましたけれども、他方で、やはり田植が終わっている地域が後から斎田として選ばれる可能性もあるということで、祭儀としての厳粛さに影を落としかねないのではないか、ひいては、わざわざこのような時期に皇位継承の日にちを定めることはなかったのではないか、ほかの選択もあったのではないかという懸念の声もあることは事実であります。
私はこの話をなぜしているかというと、今のようなことも含めて、もう少し儀式としての万全をより期すことができるような日程を選ぶことも可能だったのではないか。にもかかわらず、十連休という結果をもたらす日程を選んだことが、よいこともあると思います、歓迎する声もあるでしょう。ただ一方で、十連休になるということ自体の不安、教育現場とか保育、医療体制、銀行等々、こういうものも無視できませんし、あるいは、連休の中にこの大事な休日、祝日が置かれるということで、趣旨が埋没しかねないのではないかという懸念もありますし、ある種のPRと思いませんけれども、そういうふうに勘ぐられかねない弊害とか、それなりに課題が私はあるのではないかなというふうに思うんですね。
そこで、これは菅官房長官に一言いただきたいですけれども、退位という形式での皇位継承は、今回も先例として、次回もあり得るわけですから、ぜひまたこれから、退位そして即位という重要な日にちを選定していただく際に、今述べたような指摘もこの立法府であったということも含んで政府として承知おきいただきたいと思いますけれども、いかがでしょう。
○菅国務大臣 政府としても、さまざまな角度から考えて、正副議長との会議の中で決めさせていただいたわけでありますけれども、今委員から御指摘ございました。そうしたことも今後につながる大切なことでありますので、真摯に受けとめさせていただきたいと思います。
○山尾委員 ありがとうございます。
少しこれに関連して、例えばこの即位の祝日の話が、むしろ十連休大丈夫だろうかというような話にちょっと置きかえられるのが、余り私は好ましくないなというふうに思ってはいるんですけれども、ただ一方で、例えば、お伺いをします。担当の事務方で結構ですけれども、十連休で医療体制、病院大丈夫だろうか、こんな懸念の声もあるんですけれども、どんな対応を考えていらっしゃいますか。
○山本政府参考人 お答えを申し上げます。
年末年始等の長期間の休日におきましては、地域の医療提供体制に重大な影響が生じることのないよう、地域の医療関係が連携をし、輪番で休日診療等を行う等の対応がなされているところでございます。
今回の十連休につきましても同様の対応が行われると考えておりますが、政府としても、地域の医療提供体制に重大な影響が生じることのないように、医療関係団体等と十分に相談をしながら、必要に応じて対応を検討してまいりたいと考えております。
○山尾委員 それでは、銀行なんかの金融体制はどうですか。
○中村政府参考人 お答えいたします。
十連休となった場合でも、金融機関について顧客が利用できるサービスというのは、通常の土日祝日と基本的には変わらない。したがって、ATMを利用した現金の引き出しなどは可能ということです。
ただし、金融機関においては、例えば、店舗の窓口での営業は基本的には十日間行われないということ、それから、連休中に行われた振り込みの一部というのは連休明けの入金になることなどを、これは顧客に周知するということが必要だと思います。また、連休明けの入金となる取引を、連休明け、まとめて円滑に実行する、そういったシステムを整備するということも必要になりますし、連休前後の平日に集中する窓口業務を営業店でしっかり円滑に処理するということが必要になってくるということと考えております。
金融庁としても、各金融機関に対しまして、十連休に向け対応が必要な事項を洗い出して準備に万全を期するよう要請しておるところでございまして、各金融機関においては、これに基づいて、必要な顧客周知、体制整備等の対応を検討、実施していると承知しておりまして、引き続き、国民生活に影響が生じないよう、準備状況などを適切に確認して対応してまいりたいと思っております。
○山尾委員 それでは、三点目として、保育など、ちょっと懸念の声が上がっていますね。いかがですか。
○本多政府参考人 お答え申し上げます。
休日や祝日における保育につきましては、保育所などでの休日保育の利用や一時預かり事業などの利用によって対応されているところでございます。十連休となりました場合でも、自治体や園の実情に応じて同様の対応をしていただくことになると考えております。
また、学童、放課後児童クラブにつきましても、休日、祝日はこれまでも地域の実情に応じて運営されておりますことから、十連休となりました場合でも同様に対応されるものと考えております。
来年の十連休に万全の備えをするために、必要な保育、放課後児童クラブがしっかりと確保されるように自治体に要請してまいりたいと考えております。
○山尾委員 今、医療、保育、そして金融と聞きましたけれども、やはり、この日に決まったというときの市井の人々の声の中には、お祝い事そのものとあわせて、でも、ちょっと十連休って結構いろいろ生活のやりくりが大変だよねと。割とそういう暮らしに密着した声というのは、やはりどうしても出てきてしまうわけですよね、先んじて。
そうやってそれぞれの現場で対応を頑張る、しっかりやりますということなんですけれども、ここは指摘にとどめますが、やはりもうちょっと落ちついて、きちっとその日をみんなでお祝いするという集中できる日を選べば、政府の対応もそこに集中できるという面もありますでしょうし、国民の意識もその内容の方にもう少し集中できるということもやはりあるんだと思うんですね、今伺っても。
なので、先ほどのように、次回以降、またこんなことも含めて、国民みんなで考えていくことだと思いますけれども、御指摘をしておきたいと思います。
次に、剣璽等承継の儀について伺います。
この儀式は、御即位に伴って剣璽などを承継される大事な儀式ですけれども、前回のこの承継の儀で供奉された皇族方と人数についてお答えいただけますか。
○西村政府参考人 お答えいたします。
昭和六十四年一月七日に行われました剣璽等承継の儀に供奉された皇族殿下は、皇太子殿下、文仁親王殿下、常陸宮殿下、三笠宮殿下、寛仁親王殿下、高円宮殿下の六方でございます。
○山尾委員 ありがとうございます。
六方ということで、この儀式に供奉する皇族は皇位継承資格を持つ男性皇族で成年に達した方とする運用がなされているわけで、前回でいえば、皇位継承資格を持つ男性で成年に達した方が六方、当時はいらしたということになります。
今回なんですけれども、今回供奉される皇族、どなたがされるかということについてもこの運用を踏襲されるということに決まったんでしょうか。
○西村政府参考人 お答え申し上げます。
天皇陛下の御退位及び皇太子殿下の御即位に伴う式典の挙行に係る基本方針を受けまして、四月三日の閣議決定、天皇陛下の御退位及び皇太子殿下の御即位に伴う国の儀式等の挙行に係る基本方針において、皇太子殿下の御即位の日に剣璽等承継の儀を行うこととされたところでございます。
式典準備委員会では、皇族の参列者について、事務局からの説明で、皇族の参列者も含めて、平成の時の例を踏襲する旨の説明があり、委員会として了承されたものであります。
したがいまして、参列される皇族は男性成年皇族のみになります。
○山尾委員 とすると、今回供奉される皇族方と人数はどのようになるんでしょうか。
○西村政府参考人 成年男性皇族としてはお二方でございます。文仁親王殿下と常陸宮殿下でございます。
○山尾委員 そうなんです。お二方ということになります。
ここで私が御指摘申し上げたいのは、まず一点は、皇位継承資格を持つ男性皇族で成年に達した方が供奉されるという運用の中で、前回は六方いらしたものが今回はお二方になっているということなんです。もう先送りにできないほど、やはり皇位継承が不安定になっているということを象徴的にあらわすこの人数の減り方ということを御指摘しておきたいと思います。
もう一点、これはちょっと運用のことなんですけれども、今回、その準備委員会の議事録を拝見すると、前回の例を踏襲しますよということとあわせて、「女性皇族が供奉されないことも踏襲する。」こういうふうになっております。
国民の一般的な受けとめ、私自身もそうなんですけれども、新天皇の即位を確認する最初の儀式に新しい皇后さえ立ち会えないのはちょっと不自然かな、今後、そういう女性の皇族が供奉されることを検討してもよいのではないかなというふうに思うんですけれども、なぜ今回は女性は供奉されないということまで踏襲するというふうに決まったんでしょうか。
○三上政府参考人 お答え申し上げます。
平成度のときの参列される方を男子の皇族に限るという考え方は、これは皇位継承に関する儀式であるということで、皇族方は皇位継承資格のある皇族男子各殿下に限られたということでございますので、これについて今回も踏襲するということが準備委員会の議論を経て決まったということでございます。
○山尾委員 皇位継承に関する儀式であって、今の制度のもと、皇位継承は男子に限るということが一つの理由にあるということをおっしゃっていただいたのかもわかりませんが、この扱いは、もう一つ、旧皇室典範における旧登極令も一つの指標になっているというふうに思います。
旧皇室典範では、皇族会議のメンバー自体も男性皇族に限定されていたわけで、でも、今の皇室典範は違いますよね。今の皇室典範では、皇室会議にもちろん女性皇族は排除されていないという中で、旧典範、そして新しい典範では、男女の扱いをできるだけ同じくしていくというような流れもやはり変化の中であるので、これから先、こういった儀式についても、必ずしも前例踏襲というだけではない考え方を時代に沿って入れていくということも検討課題の一つと思いますけれども、官房長官、一言、受けとめをいただけますか。
○菅国務大臣 まず、皇太子殿下の御即位に伴う儀式の挙行に係る基本的な考え方、これについては、本年四月三日に閣議決定した基本方針で定めております。憲法の趣旨に従い、かつ、皇室の伝統等を尊重したものとすること、平成のお代替わりに伴い行われた式典は、現行の憲法下において十分な検討が行われた上で挙行されたものであることから、今回の式典についても、基本的な考え方や内容は踏襲されるべきものであるとしたところであります。
○山尾委員 今回の考え方をお述べいただきましたので、これからの考え方に今申し上げたようなこともとどめていただければというふうに思います。
それでは、ここから先は官房長官に答弁をいただきたいんですけれども、安定的な皇位継承について、今申し上げたように、かなり皇位継承の先細りが顕著になっている中で、どうしたら制度としてこれを安定させることができるのかということを議論したいと思います。
特例法施行日というのは、もちろん、今回の皇位継承を円滑にとり行うべき大切な日でありますが、一方で、特例法附帯決議に基づけば、政府が女性宮家の創設などについて速やかに本格的検討を行うべき責務を具体的に負うスタートの日ということにもなります。
この附帯決議には、こういうふうに書いてあります。政府は、安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等について、皇族方の御年齢からしても先延ばしすることはできない重要な課題であることに鑑み、本法施行後速やかに、皇族方の御事情を踏まえ、全体として整合性がとれるよう検討を行い、その結果を、速やかに国会に報告することと書き込まれました。
これに対し、ことし十一月六日に、例えば時事通信などで、女性宮家創設について政府は結論を急がない方針を固めた、保守層に配慮、安倍首相慎重と、記事が勝手に題していると言いたいと思います、題されているわけですね。
こういうのがあると心配になるわけです。附帯決議は、みんなでつくって、それを政府がきちっと尊重するということを積み上げてきたので。
そこで、改めて、官房長官の方から、本法施行後速やかに検討を行うという附帯決議を、現在、どのようにお受けとめになっているのか。こういった記事にあるように、結論を急がないというような方針を固めたという事実が、ないと思いますけれども、あるのか、お答えください。
○菅国務大臣 女性皇族の婚姻等による皇族数の減少等に関する問題については、さまざまな考え方、意見があり、国民のコンセンサスを得るためには、十分な分析、検討と慎重な手続、これが必要だと思います。
ただ、政府としては、そういう中にあって、「皇族方の御年齢からしても先延ばしすることはできない重要な課題である」、ここはしっかり認識しております。
そしてまた、衆参両院の委員会で、今御指摘いただきましたけれども、可決された附帯決議の趣旨、ここは尊重し、しっかりと対応していくという考え方に全く変わりありません。
○山尾委員 確認ができました。ありがとうございます。
そこで、今なされている検討と、施行後速やかになされる本格的検討というのは、どういうふうにフェーズが変わるのかということを率直に官房長官にお伺いをしたいと思います。
ことしの二月六日、予算委員会の官房長官の答弁を見ると、こういうふうにありました。「女性宮家の創設等については、皇室典範特例法の施行後における本格的な検討に備えて、」「検討を、政府内で静かに進めている」という答弁がございました。
改めて、今そうやって静かに進めている検討が、施行後、本格的な検討へとどのように、検討項目とか検討のスピードとか検討内容とか、どういうふうに変わっていくことをイメージされているんでしょうか。
○菅国務大臣 女性皇族の婚姻等による皇族数の減少に係る問題については、内閣官房皇室典範改正準備室において、これまでのさまざまな議論の経緯、こうしたものを十分に検証するとともに、最近の議論の動向等を踏まえ、政府部内で検討を行っているということは事実であります。
現時点においては、法の施行後どのように検討を行うのか、具体的な方針を決定しているわけではありませんが、いずれにせよ、先ほど申し上げましたけれども、衆参両院の委員会で可決された附帯決議の趣旨、これを尊重し、しっかりと対応してまいりたい、こういうふうに思います。
○山尾委員 私は、こうやって繰り返し重ねて、速やかな検討を確認を続けているのは、やはり描いていただきたいのが十年後、二十年後の皇室の姿なんですね。
これは事務方にお伺いをいたします。
現在の皇室の構成を前提に、十年後、二〇二八年末の皇室の姿なんですけれども、前提として、現在の内親王あるいは女王、つまり、愛子内親王殿下、眞子内親王殿下、佳子内親王殿下、彬子女王殿下、瑶子女王殿下、承子女王殿下、それぞれ、そう遠くない将来の御結婚が十分あり得る中で、御結婚が皇室離脱を意味する現制度のまま御結婚された場合、将来の皇室の御活動を担われるのは、現在における皇太子御夫妻、秋篠宮御夫妻、そして悠仁親王殿下になると思われます。
それぞれのお方、十年後、お幾つになられるんでしょうか。
○藤原政府参考人 お答えを申し上げます。
御指摘のありました方々の十年後の御年齢につきましては、二〇二八年末、皇太子殿下は六十八歳、皇太子妃殿下は六十五歳、秋篠宮殿下は六十三歳、秋篠宮妃殿下は六十二歳、悠仁親王殿下は二十二歳となられておるということでございます。
○山尾委員 つまり、十年後には、悠仁親王殿下二十二歳、そのほかの四方が全員六十代になられるわけです。
この時点で、皇位継承はもとより、今と比べると、やはり皇室の御活動の幅をどれだけ本当に維持できるのかということが、今と比してかなりもう厳しい状況になっているという姿が見えるわけですね。御努力なされると思いますけれども。
同様の前提で、更に十年後、つまり二〇三八年の皇室の構成において、七十歳以下の方の構成はどうなりますか。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
ただいまの二十年後の御年齢でございますけれども、皇太子殿下は七十八歳、皇太子妃殿下は七十五歳、秋篠宮殿下は七十三歳、秋篠宮妃殿下は七十二歳、悠仁親王殿下は三十二歳ということになられるということでございます。
○山尾委員 そうなんですよね。七十歳以下の方は、悠仁親王殿下三十二歳、お一人になるわけです、二〇三八年。こうやって皇室全体の高齢化は進むわけです。
そういう客観的な状況と、内親王、女王方の御結婚、今の制度のままでは女性皇族の結婚は皇室離脱を意味すること、これらのことを具体的に考えていくと、皇位継承だけではなく、皇室の御活動の維持という観点からして、やはり、今回の皇位継承から数年のうちにも解決しなければならない問題なんだということを、立法府、私たちも、そして政府にも、認識をこの機会に共有をしていくべきだというふうに思います。
あわせて、指摘にとどめますけれども、やはり、十年後、二十年後の皇室が、悠仁親王殿下お一人の御結婚やあるいはお子様の誕生いかんに依拠していくということになるという今の客観的な状況が既に見えてきていること自体が、場合によっては御結婚などを難しくする要因ともなりかねないという中で、大変重い問題だということを申し上げたいというふうに思います。
それでは、官房長官にお伺いをいたします。
先ほど、最初の答弁で、特例法のことですけれども、この法案の作成に至るプロセスやその中で整理された基本的な考え方については、将来の先例となり得るとお話をいただきました。
この特例法作成のときは、まず、正副議長のもとで立法府としての意思の取りまとめが先行し、内閣でその取りまとめを厳粛に受けとめていただいて、それを反映した法案を作成していただき、その法案が国会での審議を通じて立法化されました。
国会が中心となったこのプロセスというのは、国民統合の象徴たる天皇の皇位継承という課題に私は極めてふさわしいプロセスであったと思います。このプロセスを政府はいかに認識し、どのように評価をされているか、お答えください。
○菅国務大臣 天皇陛下の御退位について、各党各会派が、国民の代表機関たる立法府の主体的な取組が必要であるとの認識で一致をされて、衆参正副議長による議論の取りまとめが行われたことは、憲法第一条において、「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」こうされております。こうしたことを踏まえた御判断であり、その御尽力に、改めて敬意と感謝を申し上げたいというふうに思います。
政府としては、この議論の取りまとめを厳粛に受けとめて、その内容を忠実に反映させて法案を立案したものであります。
この法案は天皇陛下の退位を実現するものでありますが、この法案の作成に至るプロセスやその中で整理された基本的な考え方、このことについては、将来の先例になり得るものという答弁をさせていただいています。今もって全くその思いには変わりはありませんし、そのことは今回までも国会の場で申し上げておりますので、大事にしなきゃならないことだと思っています。
○山尾委員 その上で、私は、安定的な皇位継承を制度として確保するという課題もまた、やはり、内閣で単独に検討を先行するよりも、全国民の代表たる国会における検討が先行あるいは並行して行われることがふさわしいのではないかと考えています。その考えを持ちながら、我が党でも、立憲民主でも、今、論点整理をしております。
特例法施行後における政府の女性宮家等の本格的な検討過程において、前回の取りまとめのようにその過程において立法府の意思が一定程度示されたような場合があったときには、政府としてもその意思を尊重し検討していただくことを求めたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○菅国務大臣 今申し上げましたけれども、今回、政府においては、衆参正副議長による議論の取りまとめを厳粛に受けとめて、その内容を忠実に反映をさせて、天皇陛下の退位を実現するための皇室典範特例法、これを立案しましたが、このプロセスは将来の先例になり得るものであるという考え方を私は再三申し上げております。
いずれにしろ、国権の最高機関たる国会の意思が示された場合、政府としてはこれを厳粛に受けとめる考えというのは当然のことであると思います。
○山尾委員 ありがとうございます。重要な答弁をいただいたと思います。
最後に、この検討、幾つかの案というふうに言われるわけですけれども、私自身は、当事者の意思、そして天皇、皇室の方々の御意向、そして国民統合の象徴として国民が自然に受けとめることができる選択肢、さまざまな提案を検討していくと、やはり私は、この問題の解決策としては、なかなか旧宮家の皇籍復帰というのはとりがたく、おのずから女性宮家の創設というような選択肢が残らざるを得ないんだろうというふうに思っております。
附帯決議を重く受けとめ、現在の検討を粛々と進めていただくとともに、施行後には、速やかな本格的検討を求めます。
ここまでは制度の話です。でも、皇室制度というのは、制度を人に担っていただくものです。しかも、担っていただく方々は政治との距離が厳しくはかられており、御意向の表明にもさまざま重たい制約があっておられます。制度の保障はもとより、最後に、やはりこの制度を人に担っていただく以上、そのお一人お一人に重責を担い続けていただくことができるように、私たちもそれぞれの立場で温かい想像力と配慮が求められるのではないか、こういうことを申し上げて、私の質問を終わりにしたいと思います。
ありがとうございました。
○牧原委員長 次に、森田俊和君。
○森田委員 国民民主党の森田俊和でございます。
二十分、質問時間をいただいております。よろしくお願いいたします。
まず、官房長官にお尋ねをさせていただきますが、新しい元号の発表はいつになりますでしょうか。
○菅国務大臣 新たな元号についてでありますけれども、元号法に基づいて、内閣の責任において定めること、このようになりますけれども、改元に当たっては、新たな元号が広く国民に受け入れられ、日本人の生活の中に深く根差していくもの、そういうものになるように、慎重な検討が必要だと思っています。
また、皇室典範特例法の附帯決議においては、改元に伴って国民生活に支障が生ずることがないように配慮する、このように求められております。
新たな元号の公表時期については、こうした観点を踏まえて、国民生活への影響等も考慮しつつ、適切に検討してまいりたい、このように思います。
○森田委員 ありがとうございました。また後で影響のことについてもお伺いさせていただきますが、どうぞよろしくお願いいたします。
それから、今、昭和天皇もそうですし、現在の天皇陛下も大分長命で、お元気でいらっしゃいます。これから人生百年時代という中で、陛下の御公務と、いわゆる我々でいうと第二の人生といいますか、そういった公務とのバランスについて、政府としてはどのようにお考えか、御所見をお聞かせいただければと思います。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
天皇陛下が御高齢となられた場合等における対応というのは、その時々、政治社会情勢あるいは国民意識等によって変化し得るものというふうに考えております。
現段階において、予断を持ってお答えすることは差し控えたいということでございます。
御公務につきましても、その点でも、あるいは皇族方の御年齢等を踏まえつつ、各公務の趣旨、内容のほか、その意義や国民の期待など、さまざまな事情を勘案して検討していくべきものと考えております。
以上でございます。
○森田委員 私たちの生活であれば、やはり一定の年齢で線を引いて、そこから先は、仕事を退いて、御自身の、我々であれば、自分の家族であったり、趣味の時間であったり、あるいは地域のことであったりということに時間を費やすというような場面が出てきます。もちろん、一国民の私たちとは違うお立場でいらっしゃいますけれども、ぜひ、八十年とか百年とかという、お一人の人間としての生き方の中で、これは、陛下の方から何かを言われるということは制度上できないでしょうから、私たちが早目に準備をしておく、私も含めて、立法府も含めてということだと思いますけれども、準備をしていければなというふうに考えておりますので、政府にもぜひ御検討をお願いできればなと思っております。
また、近年、陛下が激戦地を訪ねていらっしゃいます。ペリリュー島、フィリピンあるいは沖縄ということで、戦争でお亡くなりになった皆様方を慰霊するということを続けておられますけれども、この点について、政府のお考え、それから、今後どうするかというようなこともあれば、御所見をお聞かせいただければと思います。
○菅国務大臣 天皇皇后両陛下は、かねてから、さきの大戦により亡くなられた全ての人々の冥福をお祈りをし、遺族の悲しみを忘れることなく、世界の平和を願い続けていきたいとのお気持ちを明らかにされておるところであります。
こうした両陛下のお気持ちは、まことにありがたいことであると考えております。皇太子同妃両殿下におかれても、そのお心を次の世代がしっかり受け継いでいかなければならないとのお気持ちをかつて明らかにされていたことがある、このように承知をいたしております。
○森田委員 私も、大おじが、いわゆるシベリア抑留でロシアの内陸奥深くに、正確に言えば、戦後になってから亡くなっております。私も、その死亡通知が来たのが平成二十六年だったものですから、この九月に初めてその地を訪ねてきたんですけれども、まだまだ大戦が終わっていないな、戦後が終わっていないなという思いを新たにいたしております。
これはもちろん、体調、いろいろな御公務等の都合で無理のない範囲だとは思いますが、亡くなられた方のお気持ち、あるいは御遺族、御親族の方のお気持ちを察すると、そのようなことを、ぜひ、また少しでもお続けになっていただければありがたいなというふうに思っております。ぜひ、政府の方としても御配慮をいただければなというふうに思っております。
それから、今回、十連休というお話がございます。そのほかにも、これは立法の方からのことだと思いますけれども、祝日を月曜日に移動させて三連休というような形で、いわゆる公的に定められる休日が大分ふえてまいりました。このことについての政府の御所見をお伺いできればなと思っております。
○菅国務大臣 祝日法においては、どの日を国民の祝日にするのか、あるいは全体の祝日の数をどれぐらいにするか、こうしたことは国民の総意で決すべき性格のものであると考えており、国会でお決めいただく事柄であるというふうに思います。
その上で、よりよき社会、より豊かな生活を築き上げるために、国民こぞって祝う日を定めるという祝日法の趣旨を踏まえつつ、特に、来年には十日連続の休日となることから、休日を設けることにより国民生活に支障が生じることがないように、関係府省がしっかり連携をして、政府全体として万全を期してまいりたいというふうに思います。
○森田委員 月曜日の休みが大分ふえているということですね。これは議員立法でやっていることなので、政府に言うことではないとは思うんですけれども、大分、学校の月曜のカリキュラムの組み方が難しくなっているというような点もあったり、先ほど山尾議員の方からも御指摘ありましたけれども、やはり保育園だとか、そういうところにも支障が、保育園が休みになって預けられない親御さんが出てくるとか、そういうふうに日常生活の日程のやりくりが難しくなってきているという面も伺っております。
働き方改革というような趣旨も踏まえると、やはり、皆さんがそれぞれの勤務の状況の中で公的に定められた休みをとるということも、ある程度は必要かもしれませんけれども、カレンダーにかかわらず、ちゃんと休みがとれるという状態を確保していくということが必要かなと思いますので、ぜひ政府の方にも、そのあたりの配慮をお願いさせていただきたいなというふうに考えております。
それから、原宿駅に皇室の専用ホームがございます。これについて、今後どのようにされるお考えか、御所見をお伺いできればなと思っております。
○西村政府参考人 お答え申し上げます。
お尋ねの施設は宮内庁の施設ではございませんので、その存続につきましてはお答えすべき立場にはございませんが、御乗用列車等の御利用につきましては、利用可能な交通手段の中から行幸啓の御日程などを考慮しながら検討しているところでございますし、今後ともそのようにしてまいります。
○森田委員 伺うところによりますと、底地は財務省の方で地権者として持っていらっしゃる、そこにJRが大正時代につくられたホームだというふうに伺っておりますけれども、その当時からの建物なので、例えばホームの鉄骨には線路の古いのが使ってあったりしてつくられているようなホームでございまして、おっしゃるとおり、宮内庁の方でも管理はしていない。これは、JRで賃料を国に払って管理をしているということだと思います。
先ほどの御答弁を伺うと、例えば、じゃ、JRが、もうこれで使わなくなれば廃止するよと言えば、もうそれでいいのかというふうにもとれるような御答弁でありました。
二〇二〇年、オリンピック、パラリンピックに向けて原宿駅を大規模に改修するというような話も出ておりまして、存続をするということであれば、例えばVIP用のホームだとかイベント用のホームだとかということで、きちんと設備なんかも整えた中で活用するというのも一つだとは思いますし、御乗用の列車が、二〇〇一年以降、平成十三年以降はもう使われていないということであれば、現実的には、そういうふうにほかの用途も含めて活用していくということも一つかな。ただ、利用するときには、利用もできるような状況に維持管理をしていくことが必要であれば、そういう状況も必要だろうと。
ただ、もう要らないよ、東京駅、新幹線なんかも乗られることが多いですから、もう専用ホームを原宿駅に置いておく必要はないということであれば、JRの方としても、原宿駅のところに賃料を国に払って維持しておく必要がないというような考えにもなるのかなと思っております。
いずれにしても、この辺のところは、いろいろと交通の手段が変わってきている中で検討していかなくちゃいけない課題だなと思っておりますので、JRとよく御相談されて考えていただけるといいのかなというふうに考えております。
続いて、元号の切りかえに関してのことなんですけれども、まず、国の文書において、元号、西暦、どんなような割合で使用されておられるでしょうか。
○嶋田政府参考人 お答えいたします。
公的機関において作成される文書につきましては、従来から慣行により元号が使用されてきたところでございます。ただ、西暦の使用を認めないものではございませんけれども、文書全体の分量が大変膨大でございますことから、元号使用と西暦使用の割合を具体的にちょっとお示しするのは困難と承知しております。
○森田委員 慣行によりということでございます。
いずれにしても、いろいろな省庁、いろいろな関係機関等々含めて、かなり膨大な文書の中に元号が使用されておられるのではないかなというふうに推察をいたしますけれども、いろいろな国の関連のシステムにおいて、今、想定でということでございますけれども、一カ月間での新元号の改修というのは、これは適切に対応できるかどうか、今のところの御所見をお伺いできればと思います。
○嶋田政府参考人 お答えいたします。
政府では、改元に伴う情報システムの改修などで国民の生活に支障が生じることがないように、先般、関係省庁連絡会議を開催いたしまして、作業上の便宜といたしまして、新元号の公表日を改元の一カ月前と想定した上で、システム改修の準備を進めることとしたところでございます。
現在、連絡会議で確認した対応方針に基づきまして、各府省庁が連携をいたしまして、鋭意準備を進めているところでございまして、引き続き、対応に万全を尽くしてまいりたいと思います。
○森田委員 ありがとうございます。
聞くところによりますと、新元号の円滑な移行に向けた関係省庁連絡会議といったものを持たれて、この中で各省庁のシステム等々いろいろな問題点を洗い出しをされていらっしゃるというようなことを伺っておりますけれども、前回に元号が改まったのが三十年前ということで、いろいろと、コンピューターだとかいろいろなシステムの使われ方というのが三十年前とは大きく状況が異なっているんだろうなというふうに思います。
膨大な文書あるいはシステムがあると思いますので、まずは一カ月間でどうのというよりも、その準備の準備みたいなところが整うかどうかというのがまず大きな課題かなと思っておりますので、ぜひそのあたりも抜かりがないように御準備をいただければなというふうに思っております。
十連休というようなお話がございまして、おととい、私がかつて所属をしておりました熊谷の青年会議所というところで、中小企業にかかわるメンバーが多く所属をしている組織でございますけれども、十連休どうだろうねというお話をさせていただきました。
そうしたところはいろいろと事業にかかわるメンバーが多いものですから、そこで出てきた話というのは、例えば、今、消費税が上がるというような話が出ておりまして、その前の住宅の駆け込みの契約なんかが出てくるということがあると、例えば窓口に行くといっても、いわゆる市民課というようなところの単なる住民票だとかをとるというようなことではなくて、開発にかかわるような事前の相談をしたり、あるいは何かを届け出たりするような、そういった動きがかなりこの時期に出てくるということが、今でもやっているし、そのときも多分予想されるだろうというようなことが出ております。
四月が終わって新年度に切りかわった直後ということの中で、タイミングというのもありますし、自治体の業務が長期間停止をしてしまうということに対してはいろいろ懸念をされているところでございますけれども、このあたりについてどのようにお考えか、政府のお考えをお聞かせいただければと思っております。
○嶋田政府参考人 お答えいたします。
委員の御指摘の点、いろいろなさまざまな指摘があるということは承知しておりますところでありますが、まず、国民に十分にどういうことになるのかということについて周知に努めるということが先決ではないかというふうに考えているところでございます。
その上で、やはり国民生活に支障が生じることがないように、過去、大型連休の経験がございますので、その経験も踏まえながら、関係省庁と連携しまして政府として万全を尽くしてまいりたい。先ほどほかの役所からも対応の例がございましたけれども、例えば要請するとかあるいは情報発信をするとか、そういうような形で万全を尽くしてまいりたいというふうに考えております。
○森田委員 ありがとうございます。
十連休といっても必ずしも全部が全部休むということではもちろんないわけでございまして、例えば、病院、診療所なんかでは土曜診療をされていらっしゃるところも多いということになりますと、土曜と土曜で区切ってみればそこが六連休になるとかということは、一つの想定としてはあり得るかなというふうに思っております。
また、行政でも、先ほど申し上げたように、いわゆる市民課的な業務といいますか、本当に住民票を取り寄せたりなんだりという簡易な業務については、恐らく土曜に開庁していらっしゃるとか、自治体によってはそういうケースもあるので、必ずしも十連休全部ばちっと休みますよということではないんだろうなというふうに思っております。
今回の法律では、業務を行わない日ということで、行えない日ということではないということ、そういう規定でございますけれども、ということは、例えば、四月で新年度が切りかわった時期にどういう業務が多そうなのかということで想定されるような業務内容であれば、先ほどの土曜開庁じゃないですけれども、その業務については、例えば、祝日そのものではない日に少し配慮していただいて土曜に少し配慮いただいたりとか、あるいは一日の前後のところの日で配慮していただくとか、そういう工夫を、これはもちろん強制はできないことですけれども、一つの事例だとかいろいろな工夫の例として地方自治体にも協力を求めたりということも一つの考え方ではないかなというふうに思っております。
とにかく、十連休というと、幾ら周知をしても一〇〇%ということはなかなか難しいというふうに思っておりますので、休みになるのはわかっていたけれども、まさか十連休だとは思わなかったという話が必ず私は出てくると思っておりますので、ぜひ、そのような周知をするというようなお話が先ほど来出ておりますけれども、かなり丁寧なやり方をしていただいて、かつ、どうしてもの業務のときにはそういった配慮もしていただけるような、そういうことも含めて政府の方に対応をお願いさせていただきたいなというふうに考えております。
そろそろ時間でございますので、私の質問を閉じさせていただきます。ありがとうございました。
○牧原委員長 次に、山岡達丸君。
○山岡委員 山岡達丸でございます。
本日もまた質疑の時間をいただきまして、委員長始め委員の皆様に心から感謝を申し上げつつ、また、菅官房長官におかれましては、公務さまざまあられる中、こうした議会対応をしっかりしてくださっていることに敬意を表しつつ、本日は、閣法としていただきました、法文をそのまま読みますと、天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律案についてということの審議でありますので、このことを中心に、関連して幾つか、政府と、そして、後ほどまた菅官房長官に個別の状況も含めて御見解を伺いたいということで質疑を進めさせていただければと思います。
この閣法については、党としての結論もこれからほどなく得られるものと思いますけれども、個人的にはその趣旨を含めて賛同させていただくという思いは持たせていただいているところでありますが、今回まず政府の方々に見解を伺いたいと思っておりますが、趣旨説明において、国民こぞって祝意をあらわすためということが、政府側の説明として、この閣法の提出の理由とされています。
陛下の地位は、皆様御存じのとおりでありますけれども、憲法一条に定められているとおり、主権の存する日本国民の総意に基づいて定められている。そのことに鑑みたときに、今回は閣法で、政府側が国民の祝意をあらわすということの趣旨を説明されているわけでありますけれども、本来は、今お話にも、委員の方からも後ろでありましたけれども、いわゆる国民の代表たる国会議員が主導する議員立法という手法においてこの立法議論の是非が検討されるということが、その趣旨に照らし合わせると望ましかったのではないかなということも思うところではあります。
過去の事例でいえば、議員立法のときもあれば閣法でなされたときもあるという経過もあるようでありますけれども、いわゆる国民の祝意をあらわすということを、この趣旨の中で政府の閣法としてこのことを提出される、そのことをきちんと今回の手続として表現できるのか、そのことも含めて、政府提出の見解を伺わせていただければと思います。
○嶋田政府参考人 今回の法律案を政府提案とした理由でございますけれども、その年限りの休日を定めた過去の立法例といたしましては、委員御指摘のとおりでございますけれども、平成元年の昭和天皇の大喪の礼の行われる日を休日とする法律、あと、平成二年の即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律、それから、平成五年の皇太子徳仁親王の結婚の儀の行われる日を休日とする法律、この三本それぞれが政府提案として提出されているところでございます。
近年の皇室にかかわりますそういった休日にかかわります法律については、いわゆる閣法で提出させていただいているという経緯がございます。
今回の皇位継承につきましては、即位礼正殿の儀等の行事を閣議決定により国事行為である国の儀式として行うこととしておりまして、政府はこの一連の行事を滞りなく執行する責任を有するということからも、過去の立法例を踏まえつつ、政府の提案とさせていただいたところでございます。
○山岡委員 今御答弁いただいたように、閣議決定、そして国事行為の一環の中でこの祝日に関することも決めるという中で、閣法として提出されたというお話でございました。
今後、こうした状況の中で、私も国会議員の一人でありますから、議員たちの間でもよく議論しなければならないことと思いますが、やはり国民の代表たる議会とさまざまな調整の中でこの進め方というのは検討しているのではないかということも思っておりますので、そのことも含めて、また今後、さまざま対応を検討していただければと思います。
今回、休日と祝日において生まれる連休を含んだ、そうしたことが定められる法案となっております。ちょっと過去のことを伺いたいんですけれども、今回は最大でまさに十連休ということが言われるわけでありますけれども、これまで、いわゆる祝日、休日を挟む連休というのは何日が最大であり、十連休という事例は過去にあったのかどうか、そのことを確認させてください。
○嶋田政府参考人 お答えいたします。
これまで何日が最高だったかということでございますけれども、祝日法に規定いたします休日と日曜日、土曜日が連続した例といたしましては、これまでは五日連続が最長でございます。
このような五日連続の休日というのは一定程度の間隔を置いて生じているところでございまして、例えば、五月ですと過去十一回、五連休がございました。それから、九月では二回ございました。
そういうことで、一定程度の間隔を置いて生じているということがございまして、国民もその中でかなりの経験を積んできてはいるというふうに思料いたしますけれども、委員御指摘のような特段の対応ということは特に行っていないところでございます。
以上でございます。
○山岡委員 ありがとうございます。
昨日も政府の皆様と、質問を通告するに当たって、過去に事例がない、過去にはさまざまな連休に対する対応をしたのかということを通告していた中で、今、そのことも含めてお話をいただいたということだと思いますけれども、お話しいただきました、五月は十一回あった、九月は二回だと。
五月はいわゆるゴールデンウイークという中で、五日においては特段政府として何か、もう国民の皆様も十分そのことは、五日連休というのは国民生活の中でなじんでいるという観点の中で、特段の措置、配慮ということはしていないということも含めてお話もいただいたわけでありますけれども、今回は、お話しいただいたとおり、過去にない十連休。最大は五連休であり、いわゆる民間の企業の皆様とか民間で働いている方の有休とかの話は抜きにしても、十連休という、日本としてこのことをやるというのは初のことであります。
ですので、各委員の皆様からの御質問もあったでしょうし、多少重複するところもあるかもしれませんが、私は私の立場で伺いますと、日常の経済活動に加えて、医療機関とか金融機関、交通機関、教育のお話もありましたけれども、さまざまなところに、よい影響もあるかもしれませんが、懸念される影響もやはりあろうかと思います。
今回、いわゆる連休が定められる法律ということでもありまして、せっかくの機会でありますので、例えば金融機関でいえば、私も北海道の地域でサラリーマンをやっていたころのお話であれば、連休が長いとお金をおろせなくなるということも過去に私自身もありましたけれども、そういう心配をされる方も今やはりお話を伺うとおられますし、医療機関においては、休日体制というのが長く続くことによって、休日当番というのが病院の体制でありますから、やはり医療関係者にも負担がかかる。さまざまそういうことも、当然、体調を悪くされる方は休みにかかわらず出てくるわけでありまして、そういうことも懸念される。
きょうは、せっかくなので、金融庁と厚生労働省の審議官の方々にもお越しいただいている状況でありますので、政府の皆様に、この過去にない十連休において、それぞれの立場からどのように配慮していく、どのように措置していくのか、そのことについてもお伺いしたいと思います。
○井藤政府参考人 金融機関に対します影響及び対応についてお答えさせていただきます。
十連休となった場合につきましても、金融機関につきまして顧客が利用できるサービスというものは、通常の土曜日、祝日と基本的には変わってございません。したがいまして、例えばATMを利用した現金の引き出しといったものは可能となってございます。
しかしながら、金融機関におきましては、例えば、窓口での営業は基本的には十日間行われないことですとか、また、連休中に行われた振り込みの一部は連休明けの入金となることを顧客に周知していくということが非常に重要だと考えております。また、連休前後の平日に集中する窓口事務というのは考えられるわけですけれども、こうしたものを営業店などで円滑に処理するための体制を整備するといったことも必要になるというふうに考えてございます。
金融庁といたしましては、こういうことを踏まえまして、各金融機関に対しまして、十連休に向け、対応に必要な事項を洗い出して、準備に万全を期すように今お願いしているところでございます。
金融庁といたしましては、こうした各金融機関の準備状況というものを随時確認して、国民生活に影響が出ませんよう、しっかりと対応してまいりたいというふうに考えてございます。
○山本政府参考人 医療の確保につきましてお答えさせていただきます。
年末年始等の長期間の休日におきましては、地域の医療提供体制に重大な影響が生じることのないように、地域の医療機関が連携をし、輪番で休日診療等を行う等の対応がなされているところでございます。
このたびの十連休につきましても同様の対応が行われると考えておりますけれども、政府としては、地域の医療提供体制に重大な影響を生じることがないように、医療関係団体等と十分に相談をしながら、必要に応じた対応を検討していきたいと思っております。
○山岡委員 それぞれ、金融庁、厚労省から御答弁いただきました。
まさに、連休という事例は過去にもあるわけでありまして、そこでの対応はしてきたということもお話しいただきましたけれども、十連休という中で、金融庁からは、ちゃんと論点を洗い出してきちんと事前に対応するのだというお話もありました。厚労省からは、関係者ときちんとそこの部分を詰めておくというお話もございました。
ぜひ、過去にない状況でありますので、当然ながら、各機関がそれはしっかり責任を持って対応するにしても、やはり国の機関としても、そこは国民生活に負の影響が出ることが最小限になるような、これはやはりしっかりとした準備も十分していただきたいという思いでありますので、そのことは重ねて私からもお願いをさせていただきたいと思います。
国民生活ということであれば、当然お仕事の方もいらっしゃるというのは今の話にもあるわけでありますけれども、でも、原則的にはこれはお休みになるわけであります。休日の過ごし方というのは非常にどなたも自由であられるし、海外に行かれる方もいらっしゃるでしょうし、友人と楽しく過ごされる方もいらっしゃろうと思います。
ただ、今回の法律は、まさに、政府提案であるとはいえ、国民のこぞって祝意をあらわすということがその趣旨であるというお話もありました。そうしますと、今回、新たに皇太子殿下が即位をされるという段取りの中で、国民の皆様にそのことを何か強制するということでなくても、国民の皆様の中に、そのことを何かお祝いをする、そういうことに参加をしていきたいという、そうした要望も自然と生まれてくる可能性は大いにあろうかと思います。
この中で、いわゆる一般国民が参加できるような形での、いわゆる祝意をきちんとあらわせる、そういうような受皿となるような行事、そうしたことを即位に際しまして政府として御検討されているか、そのこともちょっとお伺いさせていただければと思います。
○嶋田政府参考人 お答えいたします。
天皇陛下の御退位及び皇太子殿下の御即位に伴う国の儀式等の挙行につきましては、ことし四月三日に閣議決定された基本方針に基づきまして、政府を挙げて準備が進められているものというふうに承知をしておるところでございます。
この一連の式典の中において、委員御指摘の連休中ではございませんけれども、政府といたしましては、来年十月二十二日の即位礼正殿の儀式終了後、広く国民に御即位を披露され、祝福を受けられるための御列として、祝賀御列の儀を行うこととされているものと承知しているところでございます。
○山岡委員 いわゆる十月の行事以降のお話ということでお話もございました。今から何か求めても、日程的には非常に厳しいんだろうと思いますが、恐らくこの十連休の間も、連休になった趣旨がそういう経過であることを踏まえれば、国民の皆様の中には、そうした祝意をあらわしたいという思いを持たれる方、それはそれなりの数おられると思いますので、そのことは十分受けとめながら対応を図っていただきたいということをお願いをさせていただきたいと思います。
あわせて、五月一日の皇太子殿下の即位のお話の前日といいますか、これは切れ目なく行われることでありますが、四月三十日は、いわゆる今上天皇の御退位の日であるということであります。まさに、これまでの御労苦等も含めて、長年のさまざまな御活動の中で、皆様、本当に感謝の思いもあられる国民の方も、それは相当数おられると思います。
こうした御退位をめぐっての配慮というのは政府はどのように考えているか、伺います。
○嶋田政府参考人 委員の御指摘につきましては、まず、御即位の日であります来年の五月一日をもってこれは皇位の継承という行事全体が完了したということで、この全体をお祝いするという考え方にのっとって五月一日を祝日扱いというようなこととさせていただいたところでございますけれども、それに先立ちます御退位の日につきましては、これを静かにお見送りをしまして、粛々と儀式を行っていただくという考え方のもとで、特に、特別法に基づく休日とはせず、政府において、広く国民が参加できるような行事を特段は予定しているところではございません。
○山岡委員 今、四月三十日と五月一日、本当にそれが切れ目ない一つの大きな行事として進めていくことを優先される旨もございました。
ぜひ、本当にこれまでの御労苦に当たっての、御退位への感謝の思い、そのことは国民の皆様の声としてあろうかと思いますので、このことも受けとめていただきたいと思います。
残りの時間で官房長官にお話を伺いたいと思うんですが、今回、十連休ということも含めて、もちろん、その後にも連休はあるわけでありますけれども、働いている方もおられますけれども、基本的には、祝意という思いの中でこうした日が定められるわけであります。
私は北海道で活動させていただいている議員であり、さらに、私の住んでいる場所も含めて、今回、九月六日に北海道胆振東部地震の被害で、本当にもう何度も議論はされておりますが、少なくとも四十一人の方がお亡くなりになって、本当にそうした大変厳しい思いをしている地域であります。お亡くなりになった方には本当に御冥福をお祈りする中で、政府としても、私たちとしても、震災復興、これは全力を挙げていくわけでありますけれども、更に言えば、今月の十五日には、陛下御みずから足を運んでくださって激励もいただいたというのが、北海道の厚真町でもありました。
この連休も、恐らくその被災地は、被災復興、道半ばの中で迎えることになろうかと思います。本当に祝意を持ちたいと思っても、厳しい思いをしながら被災地はそのことを迎える。
しかし一方で、十連休という、それは被災地にとっても大きな機会といいますか、多くの方がもしかしたら足を運ばれるかもしれない、もしかしたら思いを持っていただけるかもしれない、そういうような機会にもなるかもしれません。
ほかの省庁の、経産省の方でいえば、例えば、一つの事例として、いろいろな町中のにぎわいを取り戻す事業をつくってくださったりとか、いろいろ今やっていただいているわけで、この連休にターゲットを絞った形ではないかもしれないんですけれども、被災地の方々が、やはり少しでも安寧の思いと、お祝いの気持ちに近い思いの中でこの十連休を迎えられる、そういう環境を整えていただきたいという思いを私は持っているところであります。
ぜひこの機会に官房長官に、この被災地、考え方、そして連休を迎えるに当たっての対応、配慮、考え方、このことについての御見解を伺えればと思います。
○菅国務大臣 政府においては、被災者の皆さんが希望を持って、前に向いて再建に取り組むことができるように、被災地の復旧復興、全力を尽くしているところであります。
これまでも、今、経済産業省のお話がありました、商店街のにぎわいを取り戻すための集客のイベントの実施、そうしたものに対して支援をする、あるいは、官民挙げた観光キャンペーン、迅速に行わせていただきましたが、を展開するなど、さまざまな取組を進めてきているところであります。
引き続き、スピード感を持って必要な措置を実行に移して、今回の御即位に際して、被災地の皆様がともに祝い、そしてゆとりある生活を実現できるように、政府としてもしっかり御支援をさせていただきたい、このように思っています。
○山岡委員 ありがとうございます。
官房長官から大変心温まるお話をいただいたと思っております。
私も、被災地、避難所を歩かせていただく中で、避難所には御家族がお亡くなりになった方もいらっしゃって、お父様、お母様が亡くなって、妹も亡くなって、私だけが生き残ったんですという方もおられて、本当に、そうした方にお会いすると、何を言葉をかけていいかわからないという思いであります。
そうした中で、来年、そうした即位のいわゆるめでたい日ということを迎える中で、どうか十分に被災地へ配慮をいただきながら御対応を願えればということをお願い申し上げさせていただいて、私の質疑を終わらせていただきます。
ありがとうございます。
○牧原委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
法案についてお尋ねします。
官房長官にお尋ねをいたします。
今回の天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律案、これは、天皇退位特例法、皇室典範特例法を踏まえて提出されたものと承知しておりますが、それでよろしいでしょうか。
○菅国務大臣 今回の法案につきましては、皇室典範特例法、これを踏まえて、天皇の即位に際し、国民こぞって祝意を表するため、これまでの立法例に倣い、御即位の日であります五月一日及び即位礼正殿の儀の行われる日であります十月二十二日を祝日扱いとさせていただくものであります。
○塩川委員 皇室典範特例法、いわゆる天皇退位特例法を踏まえて提出をされた。
この法律の制定の過程というのを振り返ってみますと、天皇退位特例法は、衆参正副議長が各政党会派からの意見聴取及び各政党各会派による意見交換を受けてまとめた天皇の退位等についての立法府の対応に関する議論の取りまとめを踏まえて、内閣が法案としてまとめたものであります。
この衆参正副議長の取りまとめにおいては、日本国憲法を基本として、国民代表機関たる立法府の主体的な取組が必要であるとの認識で一致したと明記をされております。
ですから、天皇の代替わりの儀式については、日本国憲法を基本として、国民の理解、国民の代表たる国会の理解を得て進めるということは、官房長官も同じ認識でしょうか。
○菅国務大臣 衆参正副議長による議論の取りまとめは、象徴天皇制を定めた日本国憲法を基本として、国民代表機関たる立法府の主体的な取組が必要である、その認識で一致され、取りまとめたものであるということは承知をいたしております。
さらに、政府においては、この議論の取りまとめを厳粛に受けとめて、その内容を忠実に反映をさせて法案を立案したものであります。
○塩川委員 憲法を基本として、立法府、代表する国民の皆さんの理解を得て進めるということであります。
我が党は、天皇退位の議論に当たりまして、現行憲法の象徴たる天皇の退位を初めて立法化するものであり、広く国民的議論を踏まえ、国民主権を原則とする憲法の規定に適合するものとすべきだとの考えを表明してまいりました。
衆参正副議長の取りまとめにおいても、日本国憲法を基本として、国民の理解を得て進めることが明記をされております。天皇退位特例法は、この取りまとめを踏まえ、内閣が法案を作成し、国会に提出、審議を経て成立したものであります。
したがって、代替わりの進め方、儀式等については、内閣が一方的に決定するのではなく、国民の代表である国会の全ての政党会派の意見を反映し、国民的な議論による合意を形成して行うべきだ、この立場で、各正副議長等にもこの間、申入れを行ってきたところであります。
そこで、これを踏まえてお尋ねをいたします。
明治憲法、大日本帝国憲法と日本国憲法、現行憲法では、天皇の権能、地位についてどのような違いがあるのかについて確認をしたいと思います。
○菅国務大臣 明治憲法において、天皇は、国の元首であって、統治権を総攬するものというふうにされています。また、現行憲法において、天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴とされ、国政に関する権能を有しないものとされております。
また、明治憲法における天皇の地位は、万世一系のものとして、いわゆる神勅にさかのぼるというふうにもされております。現行憲法における天皇の地位は、主権の存する日本国民の総意に基づくものとされております。
○塩川委員 今御答弁いただきましたように、明治憲法と現行憲法では、天皇の権能、地位は根本的に変わりました。天皇を主権者とするものから、国民主権の原則が確立をする。天皇の地位は、従来の皇祖皇宗、神勅に基礎を置くものから、主権の存する日本国民の総意に基づくものとなりました。天皇即位の儀式については、このような国民主権を原則とする日本国憲法の規定に適合するものとする必要があると考えます。
そこでお聞きしますが、今回の法案で休日とされる天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日にはどのような儀式が行われますか。
○三上政府参考人 お答えいたします。
本年四月三日に閣議決定されました天皇陛下の御退位及び皇太子殿下の御即位に伴う国の儀式等の挙行に係る基本方針におきまして、皇太子殿下の御即位の日、五月一日でございますけれども、剣璽等承継の儀及び即位後朝見の儀を行うこととされております。それから、即位礼正殿の儀が行われます日、十月二十二日でございますけれども、即位礼正殿の儀に合わせまして、祝賀御列の儀及び饗宴の儀をそれぞれ行うこととしてございます。
○塩川委員 剣璽等承継の儀、即位後朝見の儀、即位礼正殿の儀、祝賀御列の儀、饗宴の儀といった一連の儀式、これらの儀式を一連のものとして行うというのはなぜなんでしょうか。
○三上政府参考人 各儀式の趣旨につきましては、先ほど申し上げました基本方針におきましてそれぞれ定められているわけでございますけれども、御退位それから御即位に関連をして、一連の行事として、剣璽等承継の儀でございましたら、御即位に伴って剣璽等を承継される儀式として行う。即位後朝見の儀につきましては、即位後初めて国民の代表に会われる儀式として行うもの。それから、即位礼正殿の儀につきましては、御即位を公に宣明されるとともに、その御即位を内外の代表がことほぐ儀式として行うもの。祝賀御列の儀でございますと、即位礼正殿の儀終了後、広く国民に御即位を披露され、祝福を受けられるための御列として行うもの。饗宴の儀といたしましては、御即位を披露され、祝福を受けられるための饗宴として行われるもの。こういった一連のものとして行われることを予定しております。
○塩川委員 行事の行う理由ということではなくて、これ自身が平成の代替わりの式典を踏襲しているということでよろしいですね。
○三上政府参考人 そのように四月三日の閣議決定で、基本的な考え方として、前例を踏まえて行うということにされてございます。
○塩川委員 この平成の代替わりの式典というのは、そもそも何をもとにこういう式典を行うとしたわけなんでしょうか。
○三上政府参考人 平成度のときの、この即位に伴ってどういった儀式を行うかといったことにつきましては、政府の中に検討委員会といったようなものなどもつくりまして、その中で、それまでの例、それから、憲法にどういった形で適合させていくかといったことなどを議論いたしましてこのような形が前例としてつくられた、このように認識してございます。
○塩川委員 それまでの例というのがありましたけれども、それは登極令なども参考にということでよろしいですか。
○三上政府参考人 それまで、平成度の前に行われてきた皇室の伝統等にのっとって行われたものというふうなことでございます。
○塩川委員 皇室の伝統とされるそういう儀式について登極令で定められている、それを参考にはしているということでよろしいですね。
○三上政府参考人 皇室の伝統といったものが、今御指摘のありました登極令といったようなものに基づいて行われていたことはあったということでございます。
○塩川委員 ですから、旧皇室典範と登極令を参考にした儀式です。
そもそも、登極令は、戦後の憲法のもとで廃止をされているものであります。明治憲法下の天皇主権、国家神道のもとで、天皇代替わりの儀式を定めたものがこの登極令であります。
ですから、天皇家の家宝である三種の神器の承継をもって天皇の代替わりのあかしとする剣璽等承継の儀は、天皇の地位は主権の存する日本国民の総意に基づくという憲法の国民主権の原則にそぐわないものであります。また、極めて宗教色の濃い儀式を国事行為として行うことは、憲法の政教分離の原則とも相入れないと考えます。
また、即位後朝見の儀は、即位した新天皇が即位後初めて公式に三権の長など国民を代表する人々と会う儀式ですが、朝見というのは、臣下が宮中に参上して天子に拝謁するということを意味するものです。国民主権の原則にそぐわないというものです。
さらに、即位礼正殿の儀は、即位を公に宣明するとともに、内外の代表が即位を祝う儀式であります。神話に基づいてつくられた、神によって天皇の地位が与えられたことを示す高御座と呼ばれる玉座から天皇が言葉を述べ、その下から内閣総理大臣が祝いの言葉を述べて、万歳三唱が行われたものでした。
お尋ねしますが、現行憲法のもとで廃止された登極令を踏まえて、明治憲法下と同じ天皇代替わり儀式を行うことは、国民主権と政教分離という憲法原則とは相入れないのではありませんか。
○三上政府参考人 平成のお代替わりに伴い行われましたそれぞれの式典につきましては、現行憲法下において十分な検討が行われた上で挙行されたものでございます。検討のプロセスにおきまして、法制局の参加なども得てございます。それで、憲法の趣旨に沿い、かつ、皇室の伝統を尊重したものとするという観点で行われたものでございまして、今回の式典につきましても、このときの基本的な考え方や内容を踏襲するということでございますので、憲法の定める国民主権あるいは政教分離の趣旨に反するものではないと考えております。
○塩川委員 それは納得のいくものではありません。
もともと、天皇の地位は主権の存する日本国民の総意に基づく、こういう、いわば戦後の天皇制というのは戦前と違うわけですから、この戦後の日本国憲法に適合する、そういった一連の天皇の即位に係る、代替わりに係る儀式というのを今こそつくり出していくときであって、戦前の明治憲法下のもとで行われている登極令をベースにした一連の儀式を行うというのは、これはやはり今の憲法と適合するものではない、国民主権と政教分離の原則に反すると言わなければなりません。
その上で、今回は二つの日を休日にするわけなんですが、即位礼正殿の儀、十月二十二日に行うとする即位礼正殿の儀を、五月一日の即位の日に行わないのはなぜなんでしょうか。
○三上政府参考人 平成度におきましては、即位礼正殿の儀は秋に行われてございます。十一月でございますけれども、それを踏襲するという考え方に基づくものでございます。
○塩川委員 即位礼正殿の儀を秋に行うというのは、そもそもどういうことなんですか。
○三上政府参考人 平成度の即位礼正殿の儀の実施時期につきましては、皇室の伝統等を考慮した結果、秋に行われたものと承知してございます。
○塩川委員 その考慮した皇室の伝統というのはどういうものなんですか。
○三上政府参考人 平成度のときは昭和天皇の御崩御に伴って即位が行われたということでございますので、即位礼正殿の儀を即位の日に行おうとすると、それはすなわち御崩御された日ということになろうかと思いますけれども、喪に服する期間ですとか、それから、即位礼正殿の儀と申しますのは、平成でございますれば二千数百人を内外からお招きするようなことでもございますので、実際上の問題としては非常に準備の時間もかかるわけでございますので、平成のときに即位礼正殿の儀を即位の日に行わなかったといったことは、そういった事情なども当然あろうかと思います。
○塩川委員 今回の式典準備委員会の議論、簡単な概要部分しか出ていませんけれども、拝見すると、この大嘗祭と即位礼正殿の儀が近接することについて、日程上の配慮が必要という議論になっているわけですよね。
ですから、大嘗祭と即位礼正殿の儀が近接するというのはどういうことなんですか。
○三上政府参考人 一連の儀式をどういった形でどのようなタイミングで配置していくことが適当かということについて、もろもろ、前例などを参考にしながら決めた、こういうことだと思います。
○塩川委員 秋に行うという話がありましたけれども、つまり、大嘗祭と近接して行うということには配慮しているということですね。
○三上政府参考人 そこは、それぞれの、両方の儀式がどういったタイミングで行われるべきか、合わせて行うべきか、離れてもいいものなのかといったあたりを考慮した結果として、現在の日にちで設定しているということです。
○塩川委員 離れてもいいというふうになることもあるということなんですか。
○三上政府参考人 申しわけございません、質問を聞き取れませんでした。もう一度お願いします。
○塩川委員 大嘗祭と即位礼正殿の儀が離れてもいいということを考慮するということもあり得るのか。
○三上政府参考人 そこが必ず一体であるべきかどうかということについて、私はその議論の詳細はちょっと、済みません、ただいま承知してございません。
○塩川委員 何の説明にもなっていないんですけれども。
要するに、戦前の登極令、戦後の憲法のもとで廃止をされた登極令の第四条には、即位の礼及び大嘗祭は秋冬の間において行うとある。これを踏まえているということであります。
新天皇が新穀を天地の神に供え、みずからもこれを食するという宗教行事、神事であります大嘗祭は、収穫後の秋冬に行われるので、これに近接し、一体の儀式としてこの即位礼正殿の儀が行われる。この点でも、政教分離の原則に反すると言わなければなりません。
関連して、宗教行事である大嘗祭の経費について、憲法の政教分離の観点から国費を充てるべきではないという有力な意見がありますが、この点については政府はどのようにお考えですか。
○西村政府参考人 お答え申し上げます。
大嘗祭の費用の支出につきましては、平成度に、現行憲法下の整理といたしまして、大嘗祭を皇室の行事として行う場合、大嘗祭は、皇位が世襲であることに伴う、一世に一度の極めて重要な伝統的皇位継承儀式であるから、皇位の世襲制をとる我が国の憲法のもとにおいては、その儀式について国としても深い関心を持ち、その挙行を可能にする手だてを講ずることは当然と考えられる、その意味において、大嘗祭は、公的性格があり、大嘗祭の費用を宮廷費から支出することが相当であると考えるとされているところであります。
このたびの大嘗祭におきましても、本年四月三日の閣議口頭了解におきまして、平成度の整理を踏襲することとされているところであり、宮廷費を支出することとされたものであります。
○塩川委員 納得のいくものではありません。やはり、宗教的行事に国費を充てると政教分離の原則に反するという問題があります。
最後に、官房長官にお尋ねをいたします。
天皇即位の儀式を五月と十月に二回行うというのは、三種の神器の授受によってアマテラスオオミカミ以来の皇統を継ぐ践祚の儀式と、大嘗祭の神事と結んで日本国の統治権を継ぐ即位の儀式という二つの儀式を行うためであります。儀式全体が天皇主権と国家神道に貫かれているもので、憲法の国民主権と政教分離の原則に反するものだ、天皇の代替わりに伴う儀式は、国民主権と政教分離の原則にかなったやり方で行うべきであります。
そういう点でも、この一連の儀式は、現行憲法の国民主権、政教分離の原則と相入れないのではないのか。官房長官のお考えをお聞かせください。
○菅国務大臣 今回の式典につきましては、平成の代替わりに伴い行われた式典は、現行憲法下において十分な検討が行われた上で挙行されたものであり、憲法の趣旨、そして、かつ、皇室の伝統等を尊重したものであるというふうに思います。
そして、今回行われる式典については、これらの基本的な考え方や内容を踏襲することとしており、憲法の定める国民主権や政教分離の趣旨に反するものではない、明確にお答え申し上げます。
○塩川委員 同意できないということを申し上げて、質問を終わります。
○牧原委員長 次に、浦野靖人君。
○浦野委員 日本維新の会の浦野靖人です。よろしくお願いいたします。
本日は法案審議ということですけれども、先ほどの一連の儀式に関しては、きょうの新聞でも、秋篠宮様のお言葉も新聞報道できょうはありました。いろいろな議論が当然あるかなと思うんですけれども、我々国民としては、やはり、明治以降初めて、崩御されて御代がかわるということではないということで、本当に初めてのことだとは思うんですけれども、明治以降では。
実は、今、国内で話題になっている「日本国紀」という百田さんの本を読んでいる途中なんですけれども、ずっと日本の歴史がやはり天皇家とともにあったという事実を非常に興味深く、今まで自分たちが勉強してきた歴史とはまたちょっと違ったいろいろな話を読ませていただいているわけです。
今回のこの法案、五月一日が祝日になって連休になるということですけれども、もう一つ議論がありましたけれども、十月ですか、祝日になる。連休になるというのはこの五月一日の部分だけでよろしいかということをちょっと確認したいと思います。
○嶋田政府参考人 お答えいたします。
来年五月の一日の即位の日は、国民の祝日として、祝日法の規定の第三条三項が適用されることによりまして、祝日と祝日に挟まれた平日が休日になりますので、結果として、来年四月の三十日と五月の二日が国民の休日となります。これによりまして、土曜日、日曜日も含めれば、委員御指摘のとおり、四月二十七日から数えますと十連休というようなことになります。
他方で、即位礼正殿の儀の行われる日であります来年の十月二十二日につきましては、これは火曜日でございますので、日曜日や国民の祝日に該当しないため、連休とはなりません。
また、今回の皇室典範特例法に基づきます御即位に関し、今回の法律案により祝日扱いとさせていただきました即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日以外の日を祝日扱いの休日とすることは考えておりません。
○浦野委員 一部では、連休が長過ぎるという話もあります。
例えば、保育園なんかは、連休とはいえ仕事で出られる保護者の皆さんもいらっしゃいますし、その間、保育園が休みになると、子供たちを、さて、どうしたものかというふうにいつも思案するわけです。保育園なんかは、やはりカレンダーどおりにお休みをして、連休の期間の間の土曜日なんかは実はあけている保育園が結構多いものですから、事実上の十連休とかには、ほぼ保育園はならないと思うんですけれども。なかなか保護者の皆さんも、実は保育園が休みになるので困ったりするので、それをどうこうしてほしいという話ではないんですけれども、そういうことも連休中には起こる。
子供たちは、休みになると聞いただけで無条件に喜んでいますけれども、親の心子知らずといいますけれども、結構大変なんやでということもありますので。
この十連休で、そういった逆の、いい影響ももちろんありますけれども、悪い影響もあるということですけれども、何かしら、そういった悪い部分に対応する何か策を考えていらっしゃったりはしますでしょうか。
○嶋田政府参考人 お答えいたします。
委員の御指摘につきましては、まずは、どういうことになるのかということについて予見可能性を高めるということで、国民に十分な周知に努めるということが重要ではないかというふうに考えております。
その上で、やはりいろいろな御指摘がございますように、国民生活にいろいろな支障が生じることがないように、過去、大型連休が幾つかございました、そういったことの経験も踏まえながら、関係省庁が連携をいたしまして、政府として万全を尽くしてまいりたいと思っております。
例えば、金融機関ですとか、あるいは病院や保育、先ほど他省庁からも、どのような対応をとるかというような御指摘があったように、関係省庁におきまして、所管業界に早目の準備を促すような、必要な対応を行っていくことになろうかと思います。
○浦野委員 ぜひよろしくお願いいたします。
長期間会社が休みになると、それを狙った空き巣とかもたくさん出てくるだろうし、警察の方なんかは、観光地なんかの雑踏とかでも大変やと思いますので、ぜひいろいろと、ありとあらゆる面からそういった対策をとっていただけたらと思っています。
日本が長期の連休に入っている時期に来られる外国人の観光客の皆さんもいると思います。日本がそういう大型連休で、恐らく同じように観光地に日本人がたくさん行かれることも想定していますけれども、外国人の皆さんは、恐らく何も、まさか大型連休とぶつかっているというのも当然知らずに来られる方もいらっしゃるかもしれません。
そういったアナウンスというのは、外国人に向けてされるんでしょうか。
○高科政府参考人 お答え申し上げます。
今委員御指摘ございましたように、訪日外国人旅行者の方々への影響を最小限にして混乱が生じないようにするためには、正確な情報の発信を行うことが重要であると考えております。
このため、観光庁としましては、日本政府観光局、JNTOですけれども、こちらの海外向けのウエブサイトやSNSなど、さまざまなツールを活用した情報の発信について検討してまいりたいと考えてございます。
○浦野委員 恐らく観光地は、私の地元の大阪も非常にたくさんの来日客が来ますので、ぜひそういったアナウンスもしっかりと海外に向けてもしていただけたらと思います。
私、昭和から平成に移ったときは高校一年生でした。これは必ず出てきますけれども、当時の小渕さんが平成と掲げたあの画像は本当に今でもはっきりと覚えていますけれども……(発言する者あり)そうですね、私も高校生の時代があったんですね。そう思うと、何か本当に平成のこの御代がかわるというのはすごく感慨深いことですので、本当にこの祝日もしっかりと、元号が何になるかもすごく気になりますけれども、すごく日本人にとって重要な一日となると思いますので、ぜひみんなでお祝いをしたいと思います。
質問を終わります。
○牧原委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
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○牧原委員長 これより討論に入ります。
討論の申出がありますので、これを許します。塩川鉄也君。
○塩川委員 私は、来年五月一日の即位の日と十月二十二日の即位礼正殿の儀が行われる日を休日とする法案に反対の討論を行います。
本案は、天皇の退位等に関する皇室典範特例法を踏まえ、提出されました。この特例法は、国会を構成する全ての政党会派の代表が参加する会議での議論と意見の取りまとめを踏まえ、成立したものです。
天皇退位の議論に当たって、我が党は、現行憲法の象徴たる天皇の退位を初めて立法化するものであり、広く国民的議論を踏まえ、国民主権を原則とする憲法の規定に適合するものとすべきだとの考えを表明しました。
その見地から、代替わりの進め方、儀式等については、憲法の国民主権と政教分離の原則にのっとり、国民の代表である国会の全ての政党会派の意見を反映し、国民的な議論による合意を形成して行うべきと、ことし三月、衆参両院議長に対し申し入れました。
ところが、政府は、国会や国民の声を聞くこともなく、ことし四月の閣議決定で、一方的に一連の儀式を決めました。
即位日を休日にすることに反対するものではありませんが、即位の礼として、来年五月一日に剣璽等承継の儀と即位後朝見の儀を、十月二十二日に即位礼正殿の儀、祝賀御列の議を行い、饗宴の儀を含め、これらの儀式を国事行為である国の儀式とすることには反対です。
政府は、これらの儀式が前回の平成の代替わりを踏襲した、平成の代替わりの儀式は登極令を参考にしていると認めています。登極令は、明治憲法下の天皇主権、国家神道のもとで代替わりの儀式を定めたもので、現行憲法制定時に廃止されたものです。この登極令を踏襲したということは、現行の日本国憲法に照らして重大な問題があります。
明治憲法下と現行憲法では、天皇の権能、地位は根本的に違います。現行憲法は、天皇主権を否定し、国民主権の原則を確立し、天皇の地位を主権の存する国民の総意に基づくものとしました。登極令を踏襲した儀式が憲法の国民主権と政教分離の原則と相入れないことは明らかです。そのような儀式を行う日を国民こぞって祝意を表するための休日とすることには同意できません。
天皇の代替わりに伴う儀式は、憲法に基づく国民主権と政教分離の原則にかなったものにすることを求め、反対討論を終わります。
○牧原委員長 これにて討論は終局いたしました。
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○牧原委員長 これより採決に入ります。
内閣提出、天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○牧原委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
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○牧原委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、平将明君外五名から、自由民主党、立憲民主党・市民クラブ、国民民主党・無所属クラブ、公明党、日本維新の会、自由党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
提出者から趣旨の説明を聴取いたします。山内康一君。
○山内委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明いたします。
案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。
天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律案に対する附帯決議(案)
本法の施行により、来年の四月二十七日から五月六日まで、土曜日、日曜日を含めて最大十日連続の休日となるため、奉祝の機運が盛り上がる、経済効果が期待される等長期間にわたる休日について歓迎する声がある一方で、国民生活に与える様々な影響への懸念も生じている。
よって政府は、本法の施行による長期間にわたる休日に伴い、国民生活に支障を来すことのないよう、次の事項に万全を期すべきである。
一 国民が天皇の即位をお祝いし、長期間にわたる休日を安全に安心して過ごすことができるよう、電気、ガス、水道等のライフラインの維持はもとより、金融システムの稼働、災害時の対応等に関し、関係機関の緊密な連携協力の下、十全な体制が取られること。
二 長期間にわたる医療機関等の休業により患者の治療等に支障を来すことのないよう、当該期間中における各医療機関等の休業日等の周知徹底、休日における医療機関等相互の連携協力体制の確実な運営の確保等、適切な対応が取られること。
三 当該期間中及びその前後に、各交通機関の大混雑、宿泊施設の不足等の混乱が予想されるため、関係機関・団体等の密接な連携協力の下、これらの混乱をできるだけ避けるよう、適切な対応が取られること。
四 需要の増加により混乱を来すことが懸念される運輸業、小売業等において、予想される状況についての業界による周知徹底等により、取引先、消費者等の理解と協力が得られるようにすること。
五 当該期間中に勤務する労働者が長時間労働をすることなく、また、休日の増加が時給制や日給制によって雇用されている労働者の収入減少を招くことのないよう、各事業主等において適切な対応が取られること。
六 当該期間中、保育施設等を利用する労働者の子どもの保育が確保されるよう、当該労働者の勤務日、勤務時間等についてその事業主ができるだけ配慮するようにすること、複数の保育施設等における連携が確保されるようにすること等、適切な対応が取られること。
七 新年度を迎えた直後の学生、生徒、児童及び園児が長期間にわたる休日により心身に影響を被る可能性に十分留意し、これらの者の心身の健康が保たれるよう、関係機関の連携協力により適切な対応が取られること。
以上であります。
何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○牧原委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
採決いたします。
本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○牧原委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。菅内閣官房長官。
○菅国務大臣 ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重してまいりたいと思います。
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○牧原委員長 お諮りいたします。
ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○牧原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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〔報告書は附録に掲載〕
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○牧原委員長 次回は、来る十二月五日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午前十一時二十四分散会