第9号 平成30年12月5日(水曜日)
平成三十年十二月五日(水曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 牧原 秀樹君
理事 平 将明君 理事 谷川 弥一君
理事 長坂 康正君 理事 牧島かれん君
理事 松本 剛明君 理事 山内 康一君
理事 大島 敦君 理事 佐藤 茂樹君
安藤 裕君 池田 佳隆君
泉田 裕彦君 大西 宏幸君
岡下 昌平君 金子 俊平君
神谷 昇君 木村 弥生君
小寺 裕雄君 繁本 護君
高木 啓君 中山 展宏君
西田 昭二君 松野 博一君
松本 洋平君 三谷 英弘君
宮路 拓馬君 村井 英樹君
今井 雅人君 大河原雅子君
岡本あき子君 近藤 昭一君
篠原 豪君 山尾志桜里君
森田 俊和君 山岡 達丸君
太田 昌孝君 高木美智代君
塩川 鉄也君 浦野 靖人君
日吉 雄太君
…………………………………
国務大臣
(内閣官房長官) 菅 義偉君
国務大臣
(国家公安委員会委員長) 山本 順三君
国務大臣
(国家公務員制度担当)
(少子化対策担当) 宮腰 光寛君
国務大臣
(クールジャパン戦略担当) 平井 卓也君
国務大臣
(経済再生担当) 茂木 敏充君
国務大臣 片山さつき君
国務大臣 櫻田 義孝君
内閣府副大臣 中根 一幸君
内閣府大臣政務官 安藤 裕君
国土交通大臣政務官 田中 英之君
防衛大臣政務官 鈴木 貴子君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 清水 茂夫君
政府参考人
(内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長) 川又 竹男君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 山内 智生君
政府参考人
(内閣官房内閣人事局人事政策統括官) 植田 浩君
政府参考人
(内閣府大臣官房審議官) 佐藤 文一君
政府参考人
(内閣府地方創生推進事務局審議官) 村上 敬亮君
政府参考人
(内閣府知的財産戦略推進事務局次長) 川嶋 貴樹君
政府参考人
(内閣府宇宙開発戦略推進事務局長) 高田 修三君
政府参考人
(内閣府子ども・子育て本部統括官) 小野田 壮君
政府参考人
(警察庁警備局長) 村田 隆君
政府参考人
(総務省大臣官房審議官) 吉開正治郎君
政府参考人
(総務省大臣官房審議官) 泉 宏哉君
政府参考人
(法務省大臣官房審議官) 加藤 俊治君
政府参考人
(法務省大臣官房審議官) 佐々木聖子君
政府参考人
(外務省大臣官房審議官) 石川 浩司君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 玉上 晃君
政府参考人
(文部科学省科学技術・学術政策局科学技術・学術総括官) 勝野 頼彦君
政府参考人
(農林水産技術会議事務局研究総務官) 青山 豊久君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 大内 聡君
政府参考人
(国土交通省大臣官房技術総括審議官) 増田 博行君
政府参考人
(国土交通省自動車局次長) 島 雅之君
政府参考人
(国土交通省航空局安全部長) 高野 滋君
政府参考人
(海上保安庁次長) 一見 勝之君
政府参考人
(環境省大臣官房審議官) 上田 康治君
政府参考人
(防衛省大臣官房衛生監) 田原 克志君
政府参考人
(防衛省大臣官房施設監) 平井 啓友君
政府参考人
(防衛省大臣官房審議官) 辰己 昌良君
政府参考人
(防衛省大臣官房審議官) 森田 治男君
内閣委員会専門員 長谷田晃二君
―――――――――――――
委員の異動
十二月五日
辞任 補欠選任
加藤 鮎子君 宮路 拓馬君
杉田 水脈君 木村 弥生君
同日
辞任 補欠選任
木村 弥生君 繁本 護君
宮路 拓馬君 加藤 鮎子君
同日
辞任 補欠選任
繁本 護君 杉田 水脈君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
内閣の重要政策に関する件
公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件
栄典及び公式制度に関する件
男女共同参画社会の形成の促進に関する件
国民生活の安定及び向上に関する件
警察に関する件
――――◇―――――
○牧原委員長 これより会議を開きます。
内閣の重要政策に関する件、公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
各件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官清水茂夫君、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長川又竹男君、内閣官房内閣審議官山内智生君、内閣官房内閣人事局人事政策統括官植田浩君、内閣府大臣官房審議官佐藤文一君、内閣府地方創生推進事務局審議官村上敬亮君、内閣府知的財産戦略推進事務局次長川嶋貴樹君、内閣府宇宙開発戦略推進事務局長高田修三君、内閣府子ども・子育て本部統括官小野田壮君、警察庁警備局長村田隆君、総務省大臣官房審議官吉開正治郎君、総務省大臣官房審議官泉宏哉君、法務省大臣官房審議官加藤俊治君、法務省大臣官房審議官佐々木聖子君、外務省大臣官房審議官石川浩司君、文部科学省大臣官房審議官玉上晃君、文部科学省科学技術・学術政策局科学技術・学術総括官勝野頼彦君、農林水産技術会議事務局研究総務官青山豊久君、経済産業省大臣官房審議官大内聡君、国土交通省大臣官房技術総括審議官増田博行君、国土交通省自動車局次長島雅之君、国土交通省航空局安全部長高野滋君、海上保安庁次長一見勝之君、環境省大臣官房審議官上田康治君、防衛省大臣官房衛生監田原克志君、防衛省大臣官房施設監平井啓友君、防衛省大臣官房審議官辰己昌良君、防衛省大臣官房審議官森田治男君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○牧原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○牧原委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。大島敦君。
○大島(敦)委員 国民民主党の大島です。
菅官房長官には、一度、二〇一四年、積雪災害のときに、当委員会で四十分ほど質問をさせていただきまして、十分の三の補助率が十分の九に皆さんの御尽力でなって、多くの農家が救われたことにまず感謝を申し上げます。
きょうは、当委員会で先般行われたサイバーセキュリティーの関連法案の質疑を聞きながら若干思い浮かんだ点があるものですから、その点について議論を深めていきたいなと考えております。
インターネット、私、使い始めたのが、一九九五年から使っていまして、九四年、九五年から使っています。一番最初はモザイクのベータバージョンから使っていまして、その前は、製鉄所で、一九九四年の当時は係長でしたから、自分の班には一人一台マッキントッシュを皆さんに配りまして、アップルトークでつなげてチャットで会話していたチームを率いていまして、エクセルのマクロを使いながら、エンドユーザーコンピューティング、業務改善提案をしておりました。やり過ぎたのでちょっと左遷をされて、本社の情報システム部に行ってインターネットと出会うことになるんですけれども、そのときからインターネットはずっと使っております。
今回のさまざまな議論を見ながら思い浮かんだのは、二〇一二年かな、総務の副大臣のときに、当時、情報通信の研究者の方、大学の先生とお話をしたときに、つまらないと言ったんです。自分の人生はこの一九六〇年代の技術のまま終わっていくのかと聞いたところ、終わっていくと言われまして、つまらないなと思っていました。
ただ、昨今の、ちょうど今からほぼ三年前に、NTTの研究所に行って、当時、光方式の、これは量子コンピューターですね、まだ成功はしていなかったんですけれども、その後、一年後、二〇一七年の夏ぐらいには結構うまくいっていて、量子コンピューターができることによって、ムーアの法則の延長上ではなくて、新しい時代に入ってくるなという実感を持っています。
ですから、今のサイバーセキュリティーのサイバー空間は、あくまでインターネットのプロトコル、TCP/IPを前提とした話ですので、これが量子コンピューターができることによって全ての暗号は瞬時に解読されることになって、それは各国ごとに相当力を入れて今研究をしているわけです。
ただ、日本の会社、企業がちょっと残念なのは、一番最初に成功したのがカナダのD―Wave社だったと思います。東工大学の西森先生の論文を読んで、一九九九年に企業を立ち上げて、十年間かかってプロトタイプをつくっているわけですよ。その間、十年間、投資する人も立派だと思う。
私も、企業で、一九九五年の当時、鉄鋼業が一千億円を超えたベンチャー投資をして、その撤退案件とか成功案件を見ていたものですから、クオーターごとに投資してくれということを、要は、彼らが日本まで来て、そして投資しているわけです。そのことを十年間ずっと説明をし、出資を仰ぎ、そして実用化までこぎつけたというところは、後づけでできるというよりも物すごく企業スピリットを感じるところでして、ですから、今の置かれている日本の現状は相当危ういと思っています。
その点について、何点か質問をさせてください。平井大臣には一個質問しなくちゃいけないのがありまして、クールジャパンについて、まずは質問させてください。
クールジャパン、非常に広い領域だと思います。ことしの一月に香港からシンセンに入ったとき、帰りに香港のジェトロ、大使館の皆さんと会話したときに、香港の人口は七百三十五万人、年間二百万人が日本に来ていただいているわけです。これは、結構、日本が香港の皆さんにとって非常に心地よいから。その心地よいというのは、日本の文化背景もありますし、あるいは日本の持っている産業基盤もあるかと思っています。
これから質問しますけれども、さまざまな産業基盤、平井大臣のもとで準天頂衛星を打ち上げることによって測位をしっかりと見るということも、わかるものですから、それとスマホを結びつけながら、観光についても結構深掘りできるかなと思っております。その点について、大臣の御所見を伺わせていただければ幸いと存じます。
○平井国務大臣 御質問ありがとうございます。
私の場合は、今回、IT、科学技術、クールジャパンということなんですが、これは全部つながっていますよね。先ほどお話しになった量子コンピューターの話とか量子暗号の話とか、そのほか日本のテクノロジーなんかも、これはクールジャパンなんですね。ですから、クールジャパンというのも、これからイノベーションを起こしていけるかどうかでその中身も変わってくると思います。
ただ、イノベーションが起きやすい環境を更につくればもっとクールになると思うんですが、明らかにインバウンドがふえています。それはもう、世界が日本の魅力をいろいろな形で発見してくれているんだと思うんですね。その中に、委員が常々お話しになっているような日本の自由な空気とか、言論の自由ですね、あとはタブーなきいろいろな社会とか。
昨日も私、日本でスタートアップをやっている海外のベンチャー四社からピッチングを受けていろいろ意見交換したんですが、日本でまず成功させて世界に打っていこうと。日本は非常に働きやすいとも言っていただきました。特に食べ物がおいしいというのもありました。それはもう明らかにクールジャパンだと思うんですね。
我々、これから次のフェーズに入っていくと思っています。というのは、情報の伝わるスピードが今までと、もうはるかに速い。それも単にテキストじゃなくて、動画であったり、ありとあらゆる形でいろいろな情報が世界に瞬時に伝わるような時代におけるクールジャパンというのは、やはり戦略ももう一つ考えていかなきゃ、戦術になるのかもわかりませんが、考えていかなきゃいけないということと、最近よく感じているのは、単に日本のポップカルチャーとかサブカルチャーというものを何となく評価しているのではなくて、日本という国のこの歴史の中でそういうものが育まれて生まれてきたという、そのトータルのやはり価値みたいなものに目をつけてくれている方々がふえてきた。
そういう意味では、クールジャパンも更に深化させていかなければならないと考えています。
○大島(敦)委員 大臣、ありがとうございました。
これから本題、今のも本題なんですけれども、それを前提としながら、何点か質問をさせてください。
特にサイバー空間のお話なんですけれども、先日、十一月の二十九日、NTTのR&Dフォーラムが三鷹でありまして、櫻田大臣も来ていらっしゃっていて、御挨拶をさせていただいたんですけれども、今後の情報セキュリティーのその次を考えれば、やはり量子暗号だと思っている。
量子暗号システムは、物理学の法則では、絶対に見破られない暗号方式だと言われていて、この点について、絶対に見破られないということを答弁できる方がこの中にいたら、手を挙げて答弁してくれるとありがたいんだけれども、よろしくお願いします。これは総務省だと思います。
○泉政府参考人 お答え申し上げます。
量子暗号通信が絶対に破られないということにつきましては、そういうふうに言われているというふうに申し上げることしかできないのでございますけれども、量子暗号通信は、理論上、どのような技術を使っても盗聴できない究極の暗号通信と言われているところでございます。
○大島(敦)委員 先ほど申し上げましたとおり、今、量子コンピューター、アニーリングじゃなくてゲート方式に各国ごとに相当大きな金額を投資しています。ですから、二〇二〇年代には恐らく完成すると私は思っている、これは一回始めると結構早いですから。そうすると、今のインターネットの暗号方式は全て解読されるので、意味がなくなるのが二〇二〇年代。そのときに通信の秘密を守る根幹というのが量子暗号なわけですよ。
量子暗号で、私も、二年ぐらい前かな、これはJAXAの宇宙科学研究所の所長とお会いしたときに、中国が量子暗号の衛星を打ち上げて、衛星と地上で成功したというお話を聞いた。この間も防衛省で技術のフォーラムがあって、冒頭が、NICT、情報通信研究機構の武岡先生のお話をちょっと聞きに行きまして、やはり中国は成功しているわけですよ。やはり、多分、アメリカはもうほとんど論文を出していないので、量子暗号については、もう実用化のレベルまでいっているかなとは思う。
日本のNICT、情報通信研究機構も、これはいつから始めたかと聞いたら、二〇〇一年から始めているわけですよ、細々と。二〇〇一年から始めて、ようやく去年、おととしぐらいに実用化をして、今、実用化の段階になっていると思う。ですから、やはり、この二十年かけて実用化してきた情報通信研究機構のチームについて、物すごく敬意を表するわけ。できるかできないかわからないところを。
そして、今となっては、これは、その技術を持っているのはアメリカと中国と欧州と日本、それも、日本の少数の、限られた小さなチームでずっと研究開発をしてきたんです。
その点について、今後、量子暗号についてどういう取組をされるのか、総務省からの御答弁をお願いいたします。
○泉政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘のとおり、総務省所管の国立研究開発法人情報通信研究機構におきましては、その前身でございます通信総合研究所時代の二〇〇一年より、この量子暗号通信の研究開発に取り組んでまいりましたところでございます。
二〇一〇年には、最大九十キロメートルの距離におきまして量子暗号通信ができます東京QKDネットワークというのも構築いたしまして、その中で、二〇一六年には、量子暗号通信としては世界最高速でございます毎秒二百キロbpsを達成したところでございます。
今後、これまで取り組んでまいりました基礎研究を更に発展させるとともに、その成果を実用化するということに努めてまいりたいと考えているところでございます。
○大島(敦)委員 一点、今の答弁の中で漏れがありまして、地上においての光ファイバーにおける量子暗号はよくわかるんですけれども、もう一つ、衛星から地上に送る量子暗号の実験というのかな、これも成功しているかと思うので、その点についてちょっと御答弁ください。
○泉政府参考人 お答え申し上げます。
大陸間などの長距離の区間における通信につきましては、光の減衰により、現状、光ファイバーを用いた量子暗号通信が困難な状況にございます。
それにつきまして、総務省では、情報通信研究機構におきます研究開発の成果も踏まえまして、量子暗号を用いた衛星通信というものの実現に向けた研究開発を本年度より開始したところでございます。これは五カ年間の計画でございます。
引き続き、関係府省と連携をしながら、この量子暗号通信の研究開発に取り組んでまいりたいと存じます。
○大島(敦)委員 ひょっとしたら私の方が詳しいかもしれないので、その点について若干補足をさせてください。
衛星からは成功しています。中国は、六百キロもの衛星を打ち上げて、その六百キロの衛星から、量子暗号、光子で暗号を打つわけ。それを千二百キロ離れた二カ所に対して打って、これを成功しているわけです。これができる国は、絶対に見破られない暗号システムで、大使館なりあるいはそれぞれの機関に対して暗号を打てるということになるわけですよ。
中国は、オーストリアから暗号を一回宇宙に上げて、衛星が中国の上空でまた下に対して光子で暗号を打って、これを成功させているわけですよ。
これはビジネスにも物すごく大きな変化があって、要は、例えば穀物の先物取引について、今までですと、誰でもアンテナを置けばそれぞれの画像が見られたのが、私だけというデータを送れるようになるから、ビジネスとしても結構大きな領域を持っているのがこの量子暗号なの。もちろん、それは安全保障の面もあるし、ビジネスの面もあるわけ。
ですから、今は日本もようやく、中国は六百キロの衛星ですけれども、日本の場合だと、五十センチ掛ける五十センチの衛星に五・九キロの小さな機材をつけて、地上まで打ってきて成功しているので、この点について、これはこれから根幹の技術なので、ぜひやっていただくべくお願いしたいんですけれども、よろしく。手短に答弁していただけますか。
○泉政府参考人 ありがとうございます。
量子暗号通信、特に衛星における量子暗号通信の重要性に鑑みまして、総務省ではこの問題の研究開発に積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
○大島(敦)委員 官房長官、結構これは大切な領域なものですから。
「スノーデン」という映画、非常によくできた映画でして、これは多分史実に基づいてつくられている映画です。これを見ると、ほとんど世界の情報は、結構秘匿できていないという実態がわかりまして、その中でも本当に秘匿するためには、今言ったこのシステムが各国ごとに今力を入れていますので、ぜひその点について御留意いただいて、官房長官の方からも役所の方によろしくと言っていただけると多分進みが速いものですから、よろしくお願いいたします。
今のが量子暗号、これは量子力学、量子物理学を使うものですから、全く暗号と量子コンピューターは違うんですけれども、量子コンピューターについても、アメリカだと多分百億ドルを超えた投資をこれから行っていくと思いますので、その点について、日本の開発状況についての御答弁をいただければと思います。これは平井大臣に、量子コンピューターの研究開発における政府の取組をお願いいたします。
○平井国務大臣 御質問ありがとうございます。
先生の御見識に心から敬意を表したいと思いますし、私も量子暗号を勉強させていただきたいなと思います。
量子コンピューターは、情報処理分野などにおける飛躍的なイノベーション創出をもたらす技術で、世界と戦うべく、日本の高い基礎技術力や人材を生かしていかなきゃいけないと思っています。今先生御指摘のD―Waveなんかは、本来、日本でやらなきゃいけなかったなと思っています。
六月に閣議決定した統合イノベーション戦略において、特に取組を強化すべき主要分野として、量子等の革新的コンピューティング技術の推進を挙げています。
また、具体的な研究開発の取組として、内閣府において、革新的研究開発推進プログラム、ImPACTですね、光の量子効果を活用した高速コンピューターを開発、クラウドシステムとして公開したところです。加えて、戦略的イノベーション創造プログラム、SIP第二期で、光・量子を活用したソサエティー五・〇実現化技術に取り組んでおり、次年度からは量子コンピューターのソフトウエア開発を戦略的に進めるべく検討しています。
他方、文部科学省においては、Q―LEAPプログラムで、量子ゲート型のコンピューティング技術の研究開発に係る基礎研究に取り組み、経済産業省においては、AIチップ・次世代コンピューティング技術開発事業で、ハードウエア、ソフトウエア双方に関する量子アニーリング技術の研究開発を実施しています。
いずれにしても、組合せ最適化に特化したアプリケーションの開発については、産業界の主導で行われつつあると有識者から聞いているところであります。
今後とも、関係省庁と連携し、量子コンピューターの研究開発を戦略的に推進するとともに、我が国の産業競争力を努めてまいりたいと思っていますが、組合せ最適化の方、アニーリングの方と汎用型というと、タイムスパンが少し違うんですが、どっちかだけというわけにはいかないなというふうに考えているところでございます。
○大島(敦)委員 アニーリング方式については、これも非常に活用の余地はあります。ただ、先ほどの暗号解読になるとゲート方式ですので、こちらの方の技術を持つことがこれからの我が国としては結構中心になるかなと思うので、その点御留意していただければと思います。
櫻田大臣、この間、NTTのR&Dフォーラムでお会いしたときに、私も各ブースを回っていて、ここで話題となったイランの遠心分離機のサイバー攻撃、そういうサイバー攻撃に対してのブースがあって、聞いてみたんです。このNTTの技術でイランにあったようなサイバー攻撃が防げるのかと言ったら、何か防げそうな感じの答弁をいただいたものですから、結構その点は進んできているのかなと思っています。
櫻田大臣に伺いたいのは、今のサイバー空間というのは脆弱性があります、先ほど述べたとおり。次世代のシステムに移れば、今のサイバーセキュリティーの取組は私は陳腐化すると思っていまして、意味がなくなるということ、先ほど述べたとおりです。
二〇二〇年代を見据えて、サイバーセキュリティーに関する日本独自の研究開発を推進すべきかと思うんですけれども、その点についての大臣の御所見をお願いいたします。
○櫻田国務大臣 サイバー空間における技術、サービスが急速に発展する中、それを支えるサイバーセキュリティーについて、我が国独自の技術の育成を進めることは重要な課題であると認識をしているところでございます。
このため、政府におきましては、サイバーセキュリティ戦略に基づきまして、AIやIoTなどの発展とサイバー攻撃の脅威を踏まえた研究開発を推進し、我が国の経済の成長、国際競争力の向上を図ることとしております。その一環として、次世代のシステムの基盤技術と期待される量子暗号や量子コンピューターなどの量子科学技術の研究開発に取り組むこととしております。
今後とも、政府一体となってサイバーセキュリティーの研究開発をしっかりと進めていきます。
○大島(敦)委員 ありがとうございました。
あと、平井大臣の所管で、多分、準天頂衛星があるかと思います。これは結構必要なシステムだと思っていまして、日本のGPS衛星、今使っているGPS衛星はアメリカの空軍の軍事システムです、あるいはインターネットは一九六〇年代の、御承知のとおり、アメリカの軍事技術ですので、日本独自のシステムを持つことが私は必要だと思っていて、この準天頂衛星を持つことは我が国の独立を確保するためには物すごく必要だと思っています。ですから、アメリカとか中国とか、あるいはロシアあるいはEUを除けば、インドと日本だけですよね、独自の測位システムを持っているのは。
それで、その点について何点か、まず、時間がないので、国交省から聞かせてください。これから質問を読み上げるので、三人連続、端的に答弁をお願いいたします。
道路の補修作業に必要な路面情報の把握や船舶の自動離着桟、ICT施工を進める建設機械の自動運転、鉄道の運行管理や測量分野での活用など、国土交通省所管のさまざまな分野において積極的に準天頂システムを活用すべきと考える。十一月のサービスインを踏まえ、今後どのように利用促進を図っていくのかが一点。
もう一点が、準天頂システムを含むさまざまな技術を活用して、自動運転システムの実証実験を進めることなどを通じ、自動運転の実用化を目指すべきと考えるが、国交省の見解を問う。
三番目として、ドローン、荷物配送を実現する要件の一つである航行測位について、安全保障の観点から我が国の準天頂衛星システムを使用することが望ましいと考えるが、どういうふうに考えるのか。
手短に三人から答弁いただければと思います。お願いします。
○増田政府参考人 お答えいたします。
国土交通省では、高精度な測位情報提供が可能である準天頂衛星システムの利活用に向けた取組を積極的に進めているところでございますけれども、今、さまざま御例示いただきました、道路、船舶、建設機械、鉄道、測量等において、おのおののフェーズに応じて、研究開発であったり、試行導入、それらの検証等を行っているところでございます。
それに加えまして、ことし十月に交通運輸技術フォーラムを開催いたしまして、準天頂衛星システムの利活用について、関係事業者、研究機関等に対する最新情報の周知、共有を行ったところでございます。
引き続き、さらなる利活用に向けて取り組んでまいります。
○島政府参考人 お答え申し上げます。
自動運転につきましては、委員御指摘の実証実験につきまして、昨年度より、ラストマイル自動運転の実証実験でございますとか、道の駅を拠点としました自動運転サービスの実証実験に取り組んでおります。
これらの実証実験におきましては、車載のカメラ、レーダー、レーザースキャナーといったセンサーや、地図情報等の技術を組み合わせ、活用することにより、自分の位置や周囲の状況を把握し、その実用化を目指しております。
また、一部の自動車メーカー等におきましては、準天頂衛星システムからの高精度の測位情報を活用した自動運転システムの開発を進めているというふうに承知しております。
このような状況を踏まえまして、国土交通省としましては、準天頂衛星システムを含めた幅広い技術を組み合わせ、活用しながら、自動運転の実用化に向けた取組を進めてまいりたいと考えてございます。
○高野政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘の無人航空機、いわゆるドローンにおける航法測位についてでございますが、現在は米国のGPSを使用しているものが一般的であるというふうに承知をしております。
国土交通省は、ドローンの飛行の安全であるとか地上、水上の安全の確保のために、技術的な観点から安全規制を行っております。その立場からは、特定の航法測位システムの使用を義務づけるということはなかなか困難であると考えておりますが、一方で、我が国の無人航空機メーカーにおきましても、持続測位が可能となる準天頂衛星の本格運用を見据えた研究開発を行っていると聞いております。
このような動きの中で、無人航空機への準天頂衛星の利用が拡大するものと期待をしております。
○大島(敦)委員 最後に、官房長官に御質問をさせていただきたいんですけれども、今、国交省の方は、GPS衛星を中心に電波を使うという話なんです。結構、各国の衛星電波というのはそれぞれの国の独自性がありまして、一応、アメリカは民生用にもとめないよというふうには発表はしているんですけれども、有事の際には、各国ごとに電波状況はわからないわけです。
ですから、特に物流とか自動運転で使う場合には、日本のGPS衛星をやはりしっかりと使うということにしないと、我が国の安全性とか安全保障にかかわることだと思っております。
ですから、今後の科学技術に対する予算の配分、補正でつける部分もあります。でも、やはりこれは一般予算でつけていきたい、一般予算ですることによって非常に安定性が出てくるものですから、官房長官としても、答えられる範囲内で結構なんですけれども、今後の科学技術の、今ぎりぎりのところに日本は置かれているものですから、今後政府がどのようにバックアップしていくかについて御答弁いただければと思いますので、よろしくお願いします。
○菅国務大臣 我が国の将来に向けての科学技術全体について、大変貴重な御指摘をいただきましたことに感謝申し上げます。
そこはしっかり受けとめさせていただいて、我が国としては、統合イノベーション戦略に基づいて、各司令塔本部、関係省庁と連携しながら、予算をしっかり行っていきたいというふうに思います。
その中で、先ほどNICTについて量子暗号を評価していただきましたけれども、あそこは非常に地味ですけれども、将来に向けてさまざまな研究をやっておりまして、現在、ディープラーニング、これも日本にとって非常に必要だというふうに思っています、こうしたことも行っておりまして、そこは私の方でもしっかり対応させていただきたい、こういうふうに思います。
○大島(敦)委員 ありがとうございました。
終わります。
○牧原委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
きょうは、航空自衛隊入間基地における基地機能強化拡張計画について質問いたします。
内閣官房には、国家安全保障戦略を取りまとめた国家安全保障会議の事務局である国家安全保障局があります。国家安全保障戦略では、「幅広い分野における日米間の安全保障・防衛協力の更なる強化」を掲げております。
それに基づく防衛計画の大綱では、自衛隊病院の拠点化、高機能化を進めることと、第一線の救護能力の向上や統合機能の充実の観点を踏まえた迅速な後送体制の整備を図るとありますが、入間基地に係るこの間の施設整備や訓練内容は、この国家安全保障戦略、防衛計画の大綱の具体化であります。
そこで、防衛省にお尋ねをいたします。
航空自衛隊入間基地の施設整備費についてですけれども、二〇一四年度から二〇一八年度までの各年度の予算額及び来年度の概算要求額は幾らか、この六年間の総額は幾らになるのか、お答えください。
○平井政府参考人 お答えします。
航空自衛隊入間基地における二〇一四年度から二〇一八年度までの施設整備の予算額でございますが、二〇一四年度は約十八億円、二〇一五年度は約十四億円、二〇一六年度は約五十七億円、二〇一七年度が約二十三億円、二〇一八年度は約八十九億円となっております。また、来年度予算の概算要求額は約百六億円となっております。
なお、来年度予算についてはあくまで概算要求額であり、確定したものでありませんが、あえて二〇一四年度の予算額から来年度予算の概算要求額までを合計すれば、合計で約三百七億円となります。
○塩川委員 六年間で三百七億円ということで、単一の既存の自衛隊基地、駐屯地における施設整備費としては他に例がないほど大きな額になっております。
続けて防衛省にお尋ねしますが、この六年間における実際の施設整備費の中身としてお聞きしたいのは、C2の受入れ関連、次期電波情報収集機の受入れ関連、留保地関連のうち、自衛隊病院が幾らか、航空医学実験隊移転関連の施設整備費はそれぞれ幾らになりますか。
○平井政府参考人 お答えします。
二〇一四年度の予算額から来年度予算の概算要求額までのそれぞれの施設整備費の合計額について、来年度予算の概算要求額が含まれるという前提で申し上げれば、C2受入れ関連は約五十二億円、次期電波情報収集機受入れ関連が約五十六億円、留保地関連は約百四十二億円で、そのうちの自衛隊病院関連は約九十四億円、航空医学実験隊移転関連は約十八億円となっております。
○塩川委員 自衛隊の医療や医学関連が大きな柱の一つになっています。
続けてお尋ねしますが、二〇〇九年に、防衛省では、自衛隊病院等在り方検討委員会の報告書を取りまとめております。この自衛隊病院等在り方検討委員会の報告書において、自衛隊衛生の意義については何と書いてありますか。
○田原政府参考人 お答えいたします。
自衛隊病院等在り方検討委員会の報告書、平成二十一年にまとまっておりますけれども、これにおきましては、自衛隊衛生の意義については、自衛隊の任務の遂行のため、戦闘、特殊武器等により発生した傷病者を治療、後送するとともに、平素における隊員の健康を良好に維持して、人的戦闘力を維持、増進することにあるというふうに記載されております。
○塩川委員 自衛隊衛生というのは、戦闘、特殊武器等により発生した傷病者の治療、後送とともに、人的戦闘力を維持、増進することにあるということで、この位置づけに基づき自衛隊入間病院は設置をされます。医療法では、医療は、生命の尊重と個人の尊厳の保持を旨とするとあります。ですから、通常の医療機関と自衛隊衛生、自衛隊病院の違いは明らかであります。
新ガイドラインには、平時から戦争に至るあらゆる段階で、補給、整備、輸送、施設及び衛生などの後方支援を相互に行うとあります。後方支援、兵たん活動は武力行使と一体不可分のものであり、その一環として衛生も位置づけられているわけです。
この間、入間基地がかかわった訓練において、この衛生、いわゆる軍事医療関連の訓練が行われておりますが、二〇一七年度の自衛隊統合演習での入間基地における衛生に係る訓練内容及び二〇一八年度の日米共同統合演習での入間基地における衛生に係る後方統合補給訓練の訓練内容について示してください。
○森田政府参考人 お答え申し上げます。
二〇一七年度、平成二十九年度の自衛隊統合演習、実動演習でございますが、これと二〇一八年度、平成三十年度の日米共同統合実動演習におきましては、航空自衛隊入間基地を使用した統合後方補給訓練の衛生関連の訓練項目がございました。
具体的には、平成二十九年度の自衛隊統合演習におきましては、航空自衛隊C130によりまして那覇基地から入間基地へ自衛隊の患者を搬送する訓練、また、航空自衛隊CH47及び陸上自衛隊の救急車により入間基地から自衛隊中央病院へ患者を搬送する訓練を行いました。
また、平成三十年の日米共同統合実動演習におきましては、航空自衛隊C130によりまして、海上自衛隊岩国基地から入間基地へ米軍の患者を搬送する訓練を実施しております。
○塩川委員 補足すれば、昨年の訓練では、航空機動衛生隊が、機動衛生ユニット、空飛ぶ集中治療室と言われるそういうユニットを運用し、患者を後送する要員の中には、第一線救護衛生員という形で、いわば戦場下における救命措置を行える、そういう隊員を配置しているということです。
こういう訓練の実態を見れば、この訓練先の沖縄や岩国を海外の戦場に置きかえれば、その意図するところが明確になります。海外での活動を想定したC2輸送機が入間基地に配備をされ、隣接をして自衛隊病院が建設されることを見ても、米軍と一体になって自衛隊が海外の戦場で戦い、戦闘力を維持、増進するために国内の自衛隊病院に負傷者を搬送するための訓練となっている。これが実態ではありませんか。
○鈴木(貴)大臣政務官 防衛省といたしましては、国民の生命及び財産を守るために、防衛計画の大綱に基づき、衛生に関する施策を含め、引き続き防衛力の整備に取り組んでまいります。
○塩川委員 ですから、この自衛隊の衛生というのが、まさに米軍と一体となって進められている。今回の訓練においても、米軍患者を搬送する訓練というのも含まれて行われているわけですよね。そういう中に、今の、まさに日米ガイドラインに基づくロジスティクス、後方支援において、衛生も含めて行われるわけですから、兵たんの一環としての衛生として日米軍事一体化が行われているというのが今の入間基地における訓練の中身にもなっているんじゃないのか、そういう問いについてはどういうふうにお考えですか。
○森田政府参考人 お答え申し上げます。
先ほどお答えいたしましたとおり、二〇一八年度の日米共同統合演習につきましては、米軍の患者を岩国基地から入間基地に搬送する訓練を実施したところでございます。
日米共同訓練におきましては、このような訓練も含めて、これまでも実施してきているところでございます。
○塩川委員 最後に、官房長官に伺います。
国家安全保障局を始めとして内閣官房の事務を統括するのが官房長官でありますが、今お話ししましたように、この自衛隊衛生というのは、まさに、米軍と一体に海外で戦争する自衛隊づくりの一環となっている。入間基地の拡張強化計画の撤回、安保法制の廃止を求めますが、こういった自衛隊衛生について、官房長官としての認識を伺います。
○菅国務大臣 御指摘をいただいています入間基地における病院等の施設整備や自衛隊統合演習などにおける衛生についての訓練は、国家安全保障戦略、これを踏まえて作成された防衛大綱による衛生に関する指針を踏まえたものである、このように認識をいたしております。
先ほど政務官が答弁されましたように、政府としては、国民の生命及び財産を守るために、防衛大綱に基づいて防衛力の整備に取り組んでいく、このことが大事だと思っています。
○塩川委員 国家安全保障戦略、防衛計画の大綱というのは、日米ガイドラインとまさに、その具体化でもあるわけで、そういう意味でも、日米軍事一体化が進むという意味での入間基地の拡張強化計画は反対だと申し上げて、質問を終わります。
○牧原委員長 次に、日吉雄太君。
○日吉委員 自由党の日吉雄太でございます。
本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
限られた時間ですので、早速始めさせていただきます。
辺野古の基地建設について、政府と沖縄県とで十分な協議を続けるということで、謝花副知事と杉田官房副長官との間で一カ月間の集中協議が続けられてまいりました。そして、先月、十一月二十八日には、安倍総理と玉城デニー沖縄県知事との二回目のトップ会談が行われたところでございます。しかしながら、物別れに終わったというふうに伺っております。
集中協議の終了後も形を変えて意見交換を続けていくということになっているようですが、官房長官にお伺いいたします。政府として協議をまとめるという思いはおありでしょうか、お伺いいたします。
○菅国務大臣 今お話しいただきましたように、安倍総理と玉城沖縄県知事とが二十八日に面会をして、普天間飛行場の辺野古移設に関する双方の考え方について改めて意見交換を行いました。
そういう中で、御指摘いただきましたように、双方で、普天間飛行場の危険性除去、これが必要である、ここでは確認をしましたが、辺野古移設についての考え方の隔たりは大きく、一致には至らなかったわけであります。その上で、沖縄県と政府が今後もさまざまな形で意見交換をやっていく、このことで一致をいたしました。こうした意見交換を行っていくことについては大切であるという認識で一致したと思います。
ただ、その上で申し上げれば、普天間飛行場の辺野古移設をめぐる問題点の原点というのは、市街地に位置し、住宅、学校に囲まれ、世界で一番危険と言われている普天間飛行場の危険性除去、これと返還であり、現職の知事として普天間飛行場の危険性除去をどう進めるか、ここは私は、玉城知事にとっても重要な問題であり、知事としても固定化は絶対に避けなければならないはずだというふうに思っております。
我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中にあって、日米同盟の抑止力の維持と普天間飛行場の危険性除去を考え合わせたときに、辺野古移設が唯一の解決策であるというふうな考えには変わりがありません。
現に、辺野古への移設が実現をすれば、飛行経路が海上となることで安全性は格段に向上し、騒音も大幅に軽減をされて、現在、住宅防音対策、一万数千戸ですけれども、これがゼロになる予定であります。また、辺野古移設とあわせて、沖縄に所在すると言われています米軍二万八千人のうち約三分の一、九千人をグアムを始め海外に移転をする、このことも推進できるわけであります。
政府としては、そうした中で、早期に辺野古への移設と普天間飛行場の返還を実現したい、その考え方には変わりはなく、今後とも、普天間飛行場の危険除去、辺野古移設に向けた政府の考え方や沖縄の負担軽減を目に見える形で実現できるように、政府の取組を沖縄県に丁寧に説明をさせていただきながら、粘り強く取り組んでまいりたいというふうに思います。
○日吉委員 今後も協議していく、粘り強くお話をしていくというお話もございましたけれども、一方で、沖縄県との十一月中の協議が終わったのを待っているかのように、岩屋防衛大臣は三日、辺野古沿岸部への土砂投入を十四日から開始する方針を表明いたしました。名護市安和にある民間会社の桟橋では、土砂を搬出用の船に積み込む作業が始められております。
そういった中で、四日の岩屋防衛大臣の午前の記者会見では、民間企業の桟橋で行っている土砂を船に積み込む作業を一時中断したことを明らかにいたしました。これは、沖縄県に対して十分な事前説明や届出もないまま桟橋が使用されたことに対して、その違法性が指摘されているからでございます。
こういった違法性が判断されたという状況の中で、本当に、沖縄県民に寄り添って、歩み寄り、基地問題に対応するという政府の姿勢が、全く感じられないところでございます。この点についてどのように考えられているのか、そして、十四日の土砂投入、これは実際にやめるべきではないかと思いますが、そこについてお伺いいたします。
○菅国務大臣 委員にぜひ御理解をいただきたいのは、この話合いですけれども、十一月までの一カ月間で話合いをしたいということで、合意の上であります。国と沖縄県とは、国は辺野古への移設、沖縄県は国地方係争処理委員会への審査の申出、ここを進めながら話合いをということで協議を行ってきたところであります。
そういう中で、先ほど申し上げましたように、総理と知事との面会の結果、普天間飛行場の危険性除去では一致したけれども、辺野古移設についての隔たりが大きく一致をしなかった、そういう中で、当初の、この話合いの前の状況に基づいてそれぞれが対応をしているところであるというふうに思います。
いずれにしろ、沖縄防衛局において、作業の安全に十分留意した上で、関係法令に基づいて対応していくんだろうというふうに思います。
○日吉委員 時間が参りましたので終わりますが、最後に、行政不服審査法の適用についての違法性も指摘されており、手続の違法性、こういったものに疑義がございます。そういった中で工事を強引に推し進めるのではなく、一旦立ちどまり、話合いによって抜本的な解決をしていただくようお願いいたしまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○牧原委員長 次に、今井雅人君。
○今井委員 立憲民主党・市民クラブの今井雅人でございます。
去る十一月二十八日に、片山大臣、四回目の収支報告の訂正をなさっておられます。前回、十一月の十四日に、もう三回目で、これで終わりですねということを申し上げましたが、四回目が起きました。
きのう午前中、片山大臣は会見をなさっているんですけれども、私はこの会見を聞いてびっくりしたんですよ。この間、国会で述べたことは二〇一四年、一五年、一六年分であって、一七年分は入っていませんと。
ちょっと私、あのときのやりとりをもう一回読みますね。
もうこれ以上、収支報告の間違い、もうないですよねと私は質問をいたしました。
お答えさせていただきますと。今回御指摘をいただき、主に政治連盟を持つ団体からの寄附が多いのですが、それにつきましては、私が正式に二年半前の選挙で御推薦をいただいた団体及びその支部を含めて全てチェックをしておりましたので、それ以上ないというふうに我々は考えておりますし、今後もこういうことがないようにしっかりマネジメントをやってまいりたいと考えておりますと。
今後もですから、当然、二〇一七年も入っているわけです。
しかも、この政治連盟を持つ団体からの寄附が多い。二〇一七年の訂正を見ても、そういう部分がたくさんあるじゃないですか、ありますよね。ですから、当然このときは、その部分が、今後もないようにするというふうにおっしゃっているんですから、当然入っているのに、どうしてこういう詭弁ばかりおっしゃるんですか。
○片山国務大臣 お答えをいたします。
二〇一七年分の政治資金収支報告書につきましては、政治資金規正法の規定によりまして、ことしの五月三十一日までに提出ということで、私が関係する三つの政治団体につきましても、既に五月の九日に提出をしておりましたところでございます。
しかし、これらの数値の中で、これに先立つ二〇一四年から二〇一六年分の政治資金収支報告書を先般修正いたしました。十一月十三日につきましてはこの間の議論があったところでございますが、繰越金の額が当然変動をいたします。ですから、十一月二十八日付で、繰越金を含め、合計の訂正を総務省に報告したものでございます。
収支報告を訂正するということ自体、大変申しわけなく思っておりますが、先日、十三日の火曜日の訂正の際には、その際、既に公表されていた二〇一四年から二〇一六年、平成二十六年から二十八年分の政治資金収支報告書につき、慎重の上にも慎重を期し、相手方に一つ一つ確認を行って、訂正をさせていただきました。
その上で、十一月二十八日付の訂正につきましては、これらの修正に伴い、十一月末に公表が予定されていた二〇一七年、つまり平成二十九年分の繰越金の額に反射的に変動が生じたことなどによって必要な修正を行いましたものでございます。
合計五百九十三万円分のうち約四百万円が繰越金の変動ということでございますが、いずれにいたしましても、その当時、政治資金規正法の規定に基づいて公表され、きちっと説明を対外的にも、まあ、全員に公表されているということですから、この過去三年分の二〇一四年―二〇一六年について、集中的、徹底的に調べて訂正をしておりまして、その時点で未公表であった二〇一七年、平成二十九年分に訂正が控えているということは申し上げるべきではないという判断をしたものでございます。
これは、政治資金規正法の規定が、第二十条の三というのがございまして、収支報告書等に係る情報につきましては、情報公開請求があった場合でも当該報告書の要旨公表日前は開示の決定を行わないとの取扱いであるということもありましたので、私どもの方でいろいろなところに、コンプライアンス等にも御相談した上に、今までそういうふうにまだ完全公表していないものを、完全公表していないものはこれです、完全公表していないところに更に修正をしたものがこれですというふうに出した例が見当たらなかったものですから、そのようにした次第でございます。
以上でございます。
○今井委員 そういうへ理屈ばかり言っていると、本当に信頼を失いますよ。
私は、もうこれ以上、収支報告の訂正はないでしょうねとおっしゃったのが十四日です。二十八日に訂正をなさっているんですよ。それは間違いないじゃないですか。そのときはそのことを言わなかったと言いますけれども。
しかも、繰越金がと言いまして、この三団体、僕、中身を見ましたけれども、物すごい訂正の数ですよ。繰越金だけでも全然、違いますよ、そういうごまかした言い方はやめていただきたい。もちろん、繰越金が変わるのはわかりますよ。しかし、それ以外の部分、たくさん訂正になっているじゃないですか。
そもそも、私は、これはもうこれ以上、大臣が三回訂正しておられる。別に期限なんか切っていませんよ。なのに、もうほかはないですねと言ったら、三年間の分だけ言って、それ以外の部分には、いなかったという、そういう詭弁を今おっしゃっているわけですよね。
○片山国務大臣 お答えをいたします。
十一月十三日の訂正につきましては、その当時公表されておりました二〇一四年から一六年につきまして、主に、いわゆる二〇一六年の参議院選挙の際の陣中見舞いの部分でございました。これが三百万円以上でございますから、大勢がそこでございますが、その部分が、領収書を全ての政治連盟について出していたにもかかわらず、その領収書の控えがなかったことによって、会計の帳簿、手控えからも落ちておりましたから、そこのところが載せられなかったということの反射的な訂正がありまして、そこが中心でございました。
そこの点につきましては、先般も委員からの御質問とやりとりの中で御説明させていただいたように、その際、担当していた者が失念をしていた、その最大の担当者だった方がことしの春に残念なことにお亡くなりになっているので、そのあたりについての細かい経緯をきちっと一件一件洗うのに時間がかかったので、十一月の十三日ということになってしまったわけでございます。
当然、合計額が動くということはそのときに想定をされておりますが、そのときに正式に公表されていないということは、私も七百二十二人の国会議員の方も同じですから、それで公表されていない状況のものについて、今これがこうですと言って、それを更に直すということは、ほかの方につきましても、十一月の三十日の公表の直前まではそういうふうになるわけですよ。それはどなたも同じですから。
それを事前に公表された例がもしあって、そのようになさっているんだったら、ぜひそのように御教示をいただきたいと思います。
以上でございます。(発言する者あり)
○牧原委員長 御静粛にお願いします。
○今井委員 公表という問題ではなくて、もうこれ以上訂正はないですねということを伺ったのを答えなかったと言っているんですよ。公表しろと言ったわけじゃないじゃないですか。そんなことを私言っていませんよ。訂正がもうありませんねと言ったのに、訂正があったんです。私は期間なんか限定していません。そういう議論のすりかえをしないでください。
では、もう一個お伺いしますね。
先日、私との最後のやりとりのところで、収支報告書の社名が間違っているのが発覚しましたね。有限会社ネオストがオネストになっているというのが発覚しましたね。どっちが正しいんですか。オネストが正しかったんですか。
○片山国務大臣 お答えをいたします。
私が手元の書類を見ておりまして、オとネがひっくり返ったように読んでしまっただけで、ずっとこれはオネストでございます。それは間違いがございません。
以上でございます。
○今井委員 では、その点は、やりとりのところで大臣が間違えていたということでよろしいですね。訂正なさってください。
○片山国務大臣 お答えいたします。
最後になりましたので、その場で手を挙げて、手控えの方が確かにオネストでございまして、私の読み間違いですと委員に申し上げようと思いましたのですが、そこは最後切れてしまったので、指していただけなかったので。
そういうことでございます。オネストでございます。
以上でございます。
○今井委員 それでは、もう一回先ほどの話に戻りますけれども、どれだけこのやりとりを読んでも、二〇一四年から一六年の分を全てチェックしたというふうに大臣はおっしゃっていません。
後で、今、会見でそうやって説明しておられるだけで、全くそういうことはおっしゃっておられません。私も、もう収支報告の間違い、もうないですね、訂正はないですねと伺っておりまして、それから二週間後に訂正を届けておられますね、総務省に。訂正を届けておられます。
だから、今後もそういうことがないようにしっかりとマネジメントしてやりたいと思いますということでしたが、残念ながら、そういうことがあったということですね。今後もそういうことがないようにとおっしゃいましたけれども、その後、あったということですね。
○片山国務大臣 お答えいたします。
私がそのときに、今井委員にできるだけ正確に誠実にお答えをいたしたいと思いまして申し上げたことは、今井委員の質問の後に申し上げたことをそのまま申し上げますと、「今回御指摘をいただいた、主に政治連盟を持つ団体からの寄附が多いのですが、それにつきましては、私が正式に二年半前の選挙で御推薦をいただいた団体及びその支部等を含めて全てチェックをしておりましたので、それ以上ないというふうに我々は考えております」というふうに申し上げておりまして……(今井委員「その後を読んでください」と呼ぶ)ですしと文章を切らないで、「今後もこういうことがないようにしっかりとマネジメントをやってまいりたいと考えております。」ということを申し上げまして、今回、繰越しがありました。
繰越しは、まさにこの二年半前の選挙で御推薦をいただいた団体及びその支部等も含めたいわゆる陣中見舞いを中心とする寄附ですね、これにつきまして一件一件全部チェックをして、どういう流れだったかもチェックをして、このことでございますので、これにつきましては、これ以上、これ以上ないというふうに考えており、今後もそのようなことがないようにやってまいりたいというふうに答えているし、そのとおりの文章でございます。
以上でございます。
○今井委員 では、今回、繰越し以外には訂正していないんですか。
○片山国務大臣 お答えを申し上げます。
今回、繰越しが最大の、先ほど申し上げましたように四百万円でございますが、後援会の方で業務委託費があったものが一件、それから、支部ですね、地域の支部、県連の支部ではなくて、県連の支部ではないものにつきまして、出し先というんですか、そこの訂正があったということでございます。それだけでございます。それ以上、ほかには一切ないです。
ありがとうございます。(今井委員「繰越しがあったから訂正した」と呼ぶ)
○牧原委員長 今井雅人君、当ててから答えてください。
今井雅人君。
○今井委員 済みません、失礼しました。
繰越しがあったので訂正しましたと言っていましたが、今、違うじゃないですか。繰越し以外にも訂正はあるじゃないですか。
○片山国務大臣 お答えをいたします。
正確を期して申しておりまして、先ほど金額も申し上げた上に、大宗が繰越しであるというふうにしっかり申し上げて、その金額も、先生に対して、全体がどのぐらいで、そのうち約四百万円が繰越しだったということも申し上げておる次第でございます。
以上です。
○今井委員 では、もう一度確認しますが、今まで公表された二〇一七年度も含めて、もう今後、収支報告書の訂正はありませんね。今回発表された二〇一七年も含めて、もう収支報告の訂正はありませんね。
○片山国務大臣 お答えいたします。
収支報告、訂正しなければならないこと、以上を本当に大変申しわけなく思っておりますが、私どもも、最初に五月に出した時点で、そういったことがあると思って出していたわけではもちろんないんですよ。
何が判明したかというと、何回も申し上げておりますように、帳簿にも上げられなかった、領収書の控えがなかったという事態なんですよ。ですから、それは全部一まとまりで、全部同じ人物が処理をしておりまして、そういうことがないようにするにはその体制を変えるしかないわけですが、その体制はもう変えて二年以上になるわけで、そういった意味で、今後さらに、そのチェックの仕方もきちっとダブルチェックにするなどとして、今後このようなことがないように、細心の、きちっとした引継ぎも含めて、政治資金収支報告を適切に行えるような万全の注意を払ってまいりたいと思っている次第です。
○今井委員 ちょっと会派の時間内で少し延びるかもしれませんけれども、もう一度確認します、お答えになっていないので。
もう既に公表されている分に関しては、収支報告の訂正はありませんね。
○片山国務大臣 お答えをいたします。
いずれにいたしましても、今後こうしたことがないように、報告前に複数のスタッフによる経理チェックを行うなど、担当者の云々にかかわらず必要な情報が確実に引き継がれるように体制は変更したところでございますが、責任を持って政治資金収支報告を適切に行えるよう、万全の注意を払ってまいりたいと存じます。
以上でございます。
○今井委員 ちょっと私、こだわります。
この間の答弁をこんなふうに曲解されるんでしたら、ここははっきり言ってください。もう公表されている分で収支報告の訂正はありませんね。イエスかノーか、答えてください。
○片山国務大臣 お答えをいたします。
先ほども申し上げましたけれども、もともとそういうことがあると思ってお出ししているわけではないわけでございまして、今回も、私どもも非常にショックを受けて、体制を変えるなど、逐次いろいろな体制をとってまいったわけでございますので、今後も、きちっと情報が確実に保持され、確実に反映されるような体制にして、責任を持って政治資金収支報告を適切に行えるよう万全の注意を払ってまいりたいということでございます。(今井委員「委員長、ちょっと答えていないですよ」と呼ぶ)
○牧原委員長 収支報告書の訂正が、今後あるか、ないかということについての御見解をお答えいただければと思いますけれども。答えられるところでいいので。
○片山国務大臣 お答えいたします。
責任を持って最善を尽くすということを申し上げるということがお答えだと思います。
以上でございます。
○今井委員 ということは、まだ最善を尽くしていないということですね。チェックし切れていないということですか。
○片山国務大臣 お答えをいたします。
最善を尽くしております。
以上でございます。
○今井委員 お答えいただけないようで、つまり自信がないということですね。
大臣がマネジメントにまだ自信がないということを確認させていただきまして、私の質疑を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○牧原委員長 次に、岡本あき子君。
○岡本(あ)委員 きょうは、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。立憲民主党の岡本あき子でございます。
私からは、幼児教育の無償化、それから企業主導型保育事業について伺わせていただきたいと思います。
十二月三日に地方三団体と協議が行われたと報道を目にしました。全額国費負担という自治体の求めに対して、協議した中身、それから実際に知事会、市長会等の代表の方々と協議をなされていかがだったのか、大臣にお答えいただきたいと思います。
○宮腰国務大臣 十二月三日の協議の場におきまして、前回、十一月二十一日の協議において地方自治体の皆様からいただいた御意見を真摯に受けとめまして、認可保育所等だけではなく、子ども・子育て支援新制度に移行していない幼稚園や認可外保育施設につきましても、負担割合を国二分の一、都道府県四分の一、市町村四分の一と、国が半額を負担することや、事務費につきまして、初年度だけでなく二年目も国が全額負担をし、また、認可外保育施設等に係る事務費については、五年間の経過措置期間における費用相当額を全額国費とするべく手当てをするといった提案をいたしました。
地方団体からはおおむね前向きな評価をいただいたものと認識しておりまして、全国市長会からは、市長の皆様にお諮りをしたいというお返事をいただき、私の方からは、御提案した内容でぜひとも団体内の御調整をお願いしたいと申し上げたところです。
また、認可外保育施設の質の確保などにつきまして、PDCAサイクルを行うハイレベルによる協議を年内に開催する方向となっております。
来年十月からの円滑な実施に向け、引き続き、国と地方でよく連携しながら進めてまいりたいというふうに考えております。
○岡本(あ)委員 三分の一から二分の一になったということで譲歩をされたという部分もあるのかもしれないですけれども、正直、ここまで来てしまうとなかなか逆らえないというのも、地方自治体の思いがあるのではないかと思います。
経済政策パッケージ、昨年発表して、一年間過ぎています。本来であれば、地方と協議をして制度を一緒につくっていく、そういうことをもっと早くやるべきだったんじゃないかと私は思うんですが、大臣はいかがでしょうか。
○宮腰国務大臣 昨年の政府からの提案、それを受けて、ことしになって、政策パッケージ、いろいろな協議はしてきていたとは思うんですけれども、やはり最後の詰めの部分のところが不足していたのではないかということについては反省もし、そして今、鋭意協議を進めさせていただいているところであります。
○岡本(あ)委員 ぜひ大臣には地方自治体とも真摯に向き合っていただきたいと思いますし、誠意ある大臣だと思っておりますので、これからもよろしくお願いしたいと思います。
地方自治体にとってという立場で少し意見を言わせていただきたいと思います。
まず、質の問題については、市町村が保育の質を確認できない認可外保育施設とかベビーシッター等も対象にするということに対して、大きな懸念を持っています。
そして、税金を来年からは一部といえども投入をするという意味で、その事務を担うとすると、市町村の責任も出てくるんじゃないか、そういう懸念を持っています。
それから、地方分権といいますと、もともと、七年くらい前、消費税の増税について、国と地方で何回も何回も協議をしております。その時点では、幼児教育の無償化という条件は当時入っておりませんでした。なので、地方とすると、地方配分の分は自分たちで自由に、社会保障の充実、特に、子育て、虐待防止ですとか貧困対策、不妊治療、健康寿命の増進など、地域に合った独自色を出そうと検討している。その動きを知りながら、無償化の方針で、その際に、地方負担の説明はこの間残念ながら行われてこなかった。ことしの六月の閣議決定の際にも地方の役割分担という話はなく、地方自治体は、逆に全額国でやってほしい、やってほしいという声が出ておりました。
自由に使えるお金がなくなるということは、地方の独自性が制約されるという懸念があります。
それから、この一年間、先ほども申し上げましたけれども、自治体の負担という部分については、ことしの十月までですか、具体的な説明がないままに、今大臣から反省という言葉がありましたけれども、そういう説明がないままに、途中、菅官房長官が一瞬、地方自治体の立場に立ってくださったと期待をしたんですけれども、結果、自治体の期待とはちょっと異なる提案となってしまっております。
菅官房長官にはもう少し頑張ってほしかったという個人的な思いを持っていますけれども、こういう、自治体に対して自由度を制約していくということであれば、なおさら丁寧に、あらかじめ一緒に協議をして進めてくるべきものではなかったかと言わざるを得ません。
地方創生という立場で、副大臣からもお考えを聞かせていただきたいと思います。
○中根副大臣 お答え申し上げます。
幼児教育の無償化に関する財源負担のあり方については、国と地方で適切な役割分担をすることが基本とされておりまして、国と地方へ配分される消費税の増収分を活用することによりまして、必要な地方財源をしっかりと確保した上で、国と地方がよく連携して進められているものと承知しております。
いずれにいたしましても、地方創生の観点からは、地方の関係者の御意見もよく伺いながら、その地方の強み、魅力を生かした地方創生を実現するための取組が進められるよう、全力で支援してまいりたいと考えております。
○岡本(あ)委員 ごめんなさい、今の御答弁でちょっと、もう一度お聞きしたいと思います。
副大臣としては、もとから承知をしていたということになるんですか、今の御答弁ですと。
私は、地方自治体は、消費税の増税分、地方配分のときに、これは、社会保障四分野で地方自治体が自分たちで使える、既存の社会保障が膨れ上がる部分、それから、子供、医療費助成とか単独事業も一部認められるということで、地方自治体が自分たちなりに一生懸命この間考えてきたんだと思います。
既に副大臣は承知していたという御答弁をなされるのであれば、逆に、地方創生の担当、所管から、今まで全額国費で国費でとお願いがさんざんされていたのに対して、いやいや、こちらとしては承知しているので地方自治体は御理解くださいというのは早目にするべきだったんじゃないですか。今の御答弁、ちょっと異論を言わせていただきたいと思います。
○中根副大臣 お答え申し上げます。
先ほど大臣もお話ありましたように、十二月の三日、国と地方の協議の際も、全国知事会から、幼児教育の無償化については、少子化対策の観点からも賛成という意見もありましたり、また、全国市長会からは、財源について、市長会の要望の多くの部分が国から提示があり、個人的にも高く感謝をしている、全国の町村会からも、幼児教育の無償化について、少子化対策の観点からも賛成しているというような意見が聞かれたということを伺っておりますので、今の時点で、国と地方がよく連携して進められているものというようなことで、答弁させていただいた次第です。
○岡本(あ)委員 地方創生の担当とすると、今の副大臣の任期ではないですけれども、本来、この一年間という部分の丁寧さに欠けていたのではないかということを言わせていただきたいと思いますし、先ほど宮腰大臣から御答弁いただきましたけれども、本来、地方分権一括法では、国と地方の関係は対等、協力関係なんだということになっている中では、やはり今回、この方針の決定もちょっと唐突だった、選挙公約に掲げられたという部分もありますが、唐突だった、しかし、この一年間を残念ながら丁寧にやってきたとは思えないということを指摘させていただきたいと思います。
今後、協議の場をつくって更に詰めていくと伺っております。地方自治体がかかわる大きな方針について、また制度設計について、本来、今までの段階でもお互いに協議の場を、更に制度設計でも協議の場を重ねていただければよかったかなとは思いますが、これからも協議の場を設けていくという会議の中での御発言があったと思います。ぜひ、その中で丁寧に積み上げていただきたいと思います。
大臣、もう一度御答弁をお願いします。
○宮腰国務大臣 済みませんが、先ほどの答弁でちょっと食い違いがありまして、政策パッケージについて、ことしに入ってからと申し上げたんですが、昨年十二月の間違いでありました。訂正させていただきたいと思います。(岡本(あ)委員「閣議決定ですね」と呼ぶ)はい。
地方との協議の場ということにつきましては、先ほどの御答弁でも申し上げましたけれども、認可外保育施設の質の確保ということについて、地方団体の方から大変強い懸念が示されているわけでありまして、特に市長会の方からは、PDCAサイクルを行う協議の場を設けていただきたいという強い御要請があったわけでありますので、それにお応えをして、PDCAサイクルを行うハイレベルによる協議を年内に開催をする、一度だけということではなくて、引き続き、折に触れて開催をさせていただきたいというふうに思っております。
スタートした後の検証もこの場で行っていくということになろうかと思っております。
○岡本(あ)委員 ぜひ、地方自治体の立場をしっかり尊重して、行政サービスを行うのはやはり地方自治体ですので、そこの協力なしには進まない事業ですので、そのことを忘れずに取り組んでいただきたいと思いますが、個人的には、この経済政策パッケージの中の幼児教育の無償化、必ずしも少子化に直接直結するというより、だったら、待機児童の解消。幼児教育の無償化によって、私は待機児童が更にふえると見ております。このことを考えると、ちょっと優先順位としては、私とすれば、必ずしも幼児教育を最優先でということではないのではないかと指摘をさせていただきます。
ここは御答弁、結構です。ちょっと時間がないので、またの機会に、この中身についてはまた質問させていただく機会をいただければと思います。
中根副大臣、あとは結構です。
○牧原委員長 中根副大臣、御退室をお願いします。
○岡本(あ)委員 ありがとうございました。
それでは、続きまして、企業主導型保育事業について伺いたいと思います。
幼児教育無償化でも、この企業主導型保育事業も中に入っております。そうなると、地方自治体の責任というのも、税金を投入する以上、責任が出てくる、まあ認可外という位置づけですけれども、出てくることになります。
先週、私たちの同僚の早稲田夕季議員から質問があった点、私からも確認をさせていただきたいと思います。
当時、答弁で、企業主導型保育事業、問題点もさまざまある、なので、検討委員会を立ち上げるという御答弁があったと思います。
どういう内容で、いつまでに立ち上げるのか、そしていつ結果を出すつもりなのか、お答えください。
○宮腰国務大臣 企業主導型保育事業につきましては、制度創設から三年目を迎え、さまざまな課題が生じており、実施体制の強化が急務になっております。
そのため、今般、これまでの事業実施の状況を検証し、より円滑な業務実施のための改善策を検討するため、有識者から成る検討委員会を設置し、年内に第一回検討委員会を開催することにいたしました。
この検討委員会におきましては、質の確保、事業の継続性、自治体との連携、指導監査のあり方などについて検証することとしております。
委員御指摘の調査につきまして、調査手法や調査内容を早急に整理をした上で、早期に調査に着手したいというふうに考えております。
○岡本(あ)委員 いつまでに結論を出す予定なのか、その点もお答えいただきたいと思います。
○宮腰国務大臣 調査手法あるいは調査内容について整理を行う必要がありますことから、結果を出す時期については現時点で申し上げることは困難だと考えておりますけれども、できる限り早期に調査に着手をした上で、できる限り早く結論を得たいというふうに考えております。
○岡本(あ)委員 多分御答弁いただけないかもしれませんが、もう来年の四月には新たな子供たちが多く入ってきます。年度の切りかえのときに大量にお子さんが入ってきます。先週、細かい点、幾つか指摘をさせていただいております。少なくともそれは改善されなければ、安心して預けることなんかできないと思うんです。
四月には改善された状態になるためには、一月にはもう、既に問題になっている点、問題になっているところについては少なくとも一月ぐらいまでには結論を出さないと間に合わないと思うんですね。全体の制度の改善点はもうちょっと時間をかけてもいいと思いますが、ぜひこのことを一月には、先週、早稲田議員が質問された点については、一月中には結論を出していただきたいと思います。
早稲田議員の質問された点について、再度確認をさせていただきたいと思います。
ANELAという会社、法人が設立していないのに申請を受け付けていたということが指摘されています。事実はどうだったんでしょうか。
もう一つ。立ち上げにもかかわらず、本来、決算報告書というのを出さなきゃいけないものになっていたんですが、出せない、設立していない法人だったらこの決算報告書も出ることもあり得ないと思うんですが、どういうチェックがなされていたのか、お答えください。
○小野田政府参考人 お答えいたします。
企業主導型保育事業、平成二十八年度及び平成二十九年度の事業につきましては、個人事業主が申請を行い、助成決定までに法人格を取得する場合、あるいは、親会社が申請を行い、助成決定までに子会社を設立する場合、こうした場合などにつきましても、児童育成協会が必要な確認を行った上で助成決定を行うことが可能となっていたところでございまして、今委員御指摘のANELAにつきましても、この方向の中で助成決定を行ったということでございます。
なお、新たに設立される法人につきましては、定款、登記、それから収支予算書の見込み、これらについて確認を行ったところでございます。
○岡本(あ)委員 ANELAという事業者、民事再生法申請を八月にされたというのも見受けました。ここに預けられているお子さんは、その後どうなっているか、わかりますでしょうか。
○小野田政府参考人 お答えいたします。
前回、委員御指摘されましたANELA関係の二つの運営施設につきましては、手元にあるのは八月段階でございますけれども、運営がなされておるというふうに承知してございます。
○岡本(あ)委員 それから、交付決定の取消しがされたというところで、秋田の事業者がいらっしゃいました。それは、交付決定を取消しをしているので直接的な責任はないとは思うんですが、ここももう既にお子さんが保育園にいらっしゃっておりました。
それから、世田谷区の保育園も突然休園をして、世田谷区さんが一生懸命子供さんのケアをされました。
結果とすると、例えばこの世田谷区の問題についても、お子さんの安全それからお子さんの行き先については、どこが責任をとって、どういう形でフォローされたのか、わかる範囲でお聞かせください。
○小野田政府参考人 お答えいたします。
休園等におきまして、まずは第一に考えなければならないのは、そこにまさに在園されているお子様だと思っておりますので、そういう事態が生じたときには、協会、それと地元の自治体の方で協力しながら、まずはお子様をどのかわりの施設に入園していただくかということを優先第一に対応させていただいているところでございます。
○岡本(あ)委員 この児童育成協会さん、この世田谷区の問題については動かれたんですか。そこはわかりますでしょうか。
一応、要領では、事業が継続できなくなったときは、児童育成協会に申し出て児童育成協会の指示に従うとなっているんですね。
実際、児童育成協会、本当は児童育成協会さんにきょう来ていただきたかったんですが、残念ながら出席がかないませんでしたので、内閣府の方でわかるところ、お答えいただきたいと思います。
○小野田政府参考人 お答えします。
事業主の方から何回もヒアリングをするとともに、現場にも足を運んで、今回の事例でいえば世田谷区さんと緊密に打合せをしながら、一緒になって代替の施設への入園についてしっかりと対応してきているというふうに承知してございます。
○岡本(あ)委員 では、こういう問題が起きたときというのの責任は児童育成協会にあると考えてよろしいですか。
○小野田政府参考人 お答えします。
まず、一義的には企業主導型保育事業の設置主体あるいは運営主体になろうかと思いますけれども、当然その施設につきまして協会が指導監督を行うことになっておりますので、その観点から、協会もしっかりその施設に対して対応する必要があると思ってございます。
○岡本(あ)委員 では、企業主導型保育、一義的に企業が、一つの会社がきちんと自分の従業員のお子さんを預ける施設として運営するということであれば、企業が責任を持つというのはわかるんですけれども、保育所設置型の、保育所が事業者となって預かるお子さんの親御さんの企業と契約をするという形になると、非常に責任が曖昧になっています。
私は、企業主導型保育で企業が設置をするのであれば、企業の責任をしっかり位置づけるということ、それから、保育事業者が設置をするのであれば、児童育成協会がちゃんと責任をとるというのを明確にする、あるいは、私からすると、やはり保育の質も含めて認可に移行していただく、その努力の中で自治体と連携をしていくということが必要なのではないかと思います。
責任のありかも、残念ながら、この間の中身を見ていますと、結果とすると、お子さんがいる自治体の窓口が一生懸命にならざるを得ないという事態が起きているということについて、もう一度、責任を明確にする、あるいは責任を負えるような環境を整えるということが必要なんだと思いますが、そのことについてもお答えいただきたいと思いますが、これは大臣でよろしいでしょうか。お願いします。
○牧原委員長 申合せの時間が経過しておりますので、答弁は簡潔にお願いします。
○宮腰国務大臣 企業主導型保育事業は、従業員の仕事と子育ての両立支援の推進を図る観点から、企業が主体となって実施しているものでありまして、企業が責任を負うことは当然であるというふうに考えております。しかしながら、委員の御指摘の趣旨も踏まえまして、責任の所在の明確化などについてしっかりと検討してまいりたいというふうに考えております。
認可の事業所内保育への移行という点につきましては、企業主導型保育事業は、企業から拠出いただいている事業主拠出金を財源として実施しておりまして、市町村が認可し、公費による給付をする認可の事業内保育所とは事業の性格が異なっているというふうに認識しております。
一方で、事業の円滑な実施のためには、自治体と連携しつつ取り組まれることが必要と考えておりまして、検討委員会におきまして、自治体との連携の強化についてもしっかりと検討してまいりたいというふうに考えております。
○岡本(あ)委員 ぜひ、子供たちの命を預かっている施設なんだということをもって、強く大臣には力を発揮していただきたいと思います。
そして、残念ながら、急ぎ過ぎて制度の中身が追いついていないという部分もあると思いますので、その点に関しても、あくまでも質をしっかり担保する、それから、結果の責任も明確にするということを強く求めて、質問を終わりたいと思います。中身については、また機会がありましたら質疑をさせていただければと思います。
ありがとうございました。
○牧原委員長 次に、高木啓君。
○高木(啓)委員 自由民主党、東京比例代表の高木啓でございます。
きょうは、内閣委員会での質問の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。
きょうは、まず、北朝鮮のものと見られる木造船の漂流、漂着事案についてお伺いをさせていただきたいと思います。
この事案は、統計をとり始めた平成二十五年以来、昨年、ことしとこの漂着事案が急増いたしておりまして、昨年は、統計をとり始めて以来最も多い百四件ということで確認をされているんですが、ことしはその二倍になると思われます。まだ十二月の初旬、上旬でございますので、この時期はふえてくるので全体像がまだわからないんですが、しかし、もう既に、十二月三日時点で百八十二件ということになっておりまして、多分、去年の百四件の倍、二百件前後になることはもう間違いないというふうに思っております。
我が国の治安とこれは安全保障にもかかわる問題だと思っておりますので、そういう認識で、きょうは質疑をさせていただきたいと思っております。
最初に、北朝鮮のものと見られる木造船の漂流、漂着事案でありますが、平成二十五年以来、これは計算をすればわかるんですけれども、何件発生して、何人上陸をしているのか、ここ数年このような事案が急増している背景というのは何なのかという、この基本的な認識をまずお伺いをさせていただきたいと思います。
○田中大臣政務官 お答えいたします。
海上保安庁が確認した北朝鮮からのものと思われる漂流、漂着木造船等の確認件数は、二〇一三年から二〇一六年にかけては四十五件から八十件の間で推移しております。昨年は、今おっしゃっていただきましたとおり、百四件。本年は、十二月の三日正午までに百八十二件となっております。
このうち、二〇一三年から現在までの間に上陸を確認した件数は三件、うち上陸者は十九名となっております。また、御遺体を確認した件数は二十七件となっており、八十九遺体となっております。
近年、朝鮮半島からのものと思われる漂流、漂着木造船等が相次いで確認されている理由について、一概には申し上げられませんが、北朝鮮の木造船が操業海域を拡大するため、より遠くの海域まで出航しているということが考えられます。
また、低気圧の発生や台風が我が国に上陸又は接近するなどにより、日本海が大荒れになる日が多かったことがその一因であると考えられます。
以上でございます。
○高木(啓)委員 これは、統計をとり始めた平成二十五年以来、トータルで五百四十二件ということに今のところなっているんですが、もう一つパネルを出しますけれども、こちらを見ていただくと、大体、この急増ぶりというのがよくわかっていただけると思います。
ことしの十一月は、まさに百件を超える、このグラフを見ると非常によくわかるんですが、こういうことになっておりまして、今御説明のあったように、どういう背景があるのか、これはなかなか読み取るのは難しいと思うんですけれども、ぜひ研究をしていただいて、この事案、非常に我が国の治安と安全保障に対して重要なことだという認識をぜひお持ちをいただきたいと思っているわけであります。
この北朝鮮のものと見られる木造船が我が国の沿岸に漂着をした場合、これは、国及び自治体の対応マニュアルというのはあるんでしょうか。どういうことになっているのか、教えていただきたいと思います。
○村田政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘の朝鮮半島からのものと見られる木造船が漂着した事案等につきまして、日本海沿岸を管轄する道府県警察では、それぞれ事案認知時の初動対応、関係機関との連携等についての対応要領等を定めているものと承知しております。
対応要領の詳細につきましては、今後の警察活動に支障を及ぼすおそれがあることから、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
○高木(啓)委員 私たちが心配するのは対応のマニュアルがあるかないかということでありますが、内容はいいんですけれども、対応のマニュアルはあるということで確認をさせていただきたいと思います。
これは、警察庁だけではなくて、いわゆる地方自治体もその対応マニュアルがなければいけないと思いますので、そこのあたりの連携を含めて、しっかりとしたマニュアルをぜひ確立していただいた上で、いろいろなパターンに対応ができるようにぜひしていただきたいと思っております。
次に、これは昨年の事例でありますが、昨年十一月二十三日に発生をいたしました秋田県の由利本荘市での木造不審船の漂着事案、これは、八人が上陸をして、その八人、身柄を確保されたとされていますけれども、確認ですが、これは八人で間違いないですね。これはぜひお答えいただきたいと思います。
また、同じく昨年の十一月二十八日に、これは大きなニュースにもなりましたが、北海道の松前小島に漂着をした木造不審船、この事例は、北朝鮮籍の十人が乗船をしていたとされています。
この二つの事案について、それぞれ乗組員は一体どういう人だったのか、そして、その後、現在までの経過と乗組員に対する取調べを通じてどのようなことがわかってきたのか、そうした情報や調査の結果というものをそれぞれの事案について教えていただきたいと思います。
○村田政府参考人 お答えをいたします。
お尋ねの事案につきましては、昨年十一月二十三日深夜に、秋田県由利本荘市において一一〇番通報を受け、秋田県警の警察官が男性八名を発見し、十二月一日に入国管理局に引き渡したものであります。
また、十一月二十八日には、北海道警察のヘリが上空をパトロール中、松前小島にて木造船が漂着していることを発見し、十二月九日に船長ら三名を窃盗罪で逮捕したほか、ほかの七名は入国管理局に引き渡すなどしたものであります。
警察におきましては、当該乗組員に対し、関係当局とともに、予断を持たず慎重に事情聴取を行った結果、全員が一貫して、北朝鮮から漁のために来たが、船が故障して漂着した旨述べたところであります。また、乗組員の着衣や所持品等も供述と矛盾するものではなかったところであります。
さらに、いずれの事案におきましても、発生直後、関係機関とともに周辺地域の捜索を行いましたが、当該乗組員以外に不審者等は発見されなかったところでございます。
○加藤政府参考人 ただいま御答弁がありましたもののうち、刑事事件となっております松前小島の事件について、公判経過等についてお答えを申し上げます。
この件につきましては、平成二十九年十二月二十八日に、函館地方検察庁において、二件の窃盗の事実で、船長一人について公判請求をしているものと承知をしております。
その公訴事実の要旨は、第一に、平成二十九年十一月十日ころから同月二十九日ころまでの間、北海道松前郡松前町内の共同宿舎ほか四カ所において、個人所有又は管理に係る発電機等三十点、時価合計約七十七万一千三百円相当を窃取した。第二に、そのころ、同町内の松前小島灯台総合管制舎及びその敷地内において、海上保安官管理に係る太陽電池モジュール四組等九点、時価合計約四百八十六万八千九百円相当を窃取したというものであります。
その後、平成三十年三月二十七日、函館地方裁判所におきまして、同船長に対し、懲役二年六月、四年間執行猶予の有罪判決が宣告され、同年四月十一日、この判決が確定したものと承知をしております。
○佐々木政府参考人 引き続きまして、入管部分でございます。
まず、秋田県事案でございますけれども、昨年十一月二十三日、秋田県警察由利本荘署が保護した男性八名につきまして、同年十二月一日、同署から仙台入国管理局に対し遭難者であるとして引き渡されたことから、入管法第十八条第二項の規定に基づき、直ちに遭難による上陸の許可を行いました。入国管理局におきましては、出国までの間、当該八名を大村入国管理センターで事実上保護し、同月二十六日、中国・大連に向け出国したことを確認しております。
続きまして、北海道事案でございますけれども、昨年十一月二十八日、海上保安庁が発見した男性十名につきまして、十二月九日に窃盗罪で逮捕された船長以下三名と体調不良で入院中の一名を除く計六名につきまして、不法入国容疑により海上保安庁から身柄を引き取り札幌入国管理局に収容しましたところ、入所後の健康診断において、うち一名が排菌を伴う結核に罹患していることが判明をいたしましたため、保健所の指導を受け札幌市内の病院に入院させ、その間、入国警備官によります二十四時間体制の監視下に置きつつ、さらなる感染拡大の防止に努めました。
次に、逮捕、勾留中でありました船長を除く二名が不起訴処分により釈放され、さらに、体調不良で入院中であった一名が退院したことに伴い、計三名を不法入国容疑で同入国管理局に収容し、所要の退去強制手続を実施の上、計九名に対して退去強制令書を発付いたしました。本年二月九日、船長及び結核により入院中の二名を除く八名について、関係機関と連携の上、中国・北京経由で送還をいたしました。
その後、船長の刑事手続が終了いたしましたことから、船長に対して、不法入国容疑で所要の退去強制手続を実施し、退去強制令書を発付した上で、結核治療を終えて退院が認められた者とともに、本年四月二十六日、関係機関と連携の上、中国・北京経由で送還したものでございます。
○高木(啓)委員 経過はわかりました。
今話に出ませんでしたが、この松前小島の事例における北朝鮮籍と見られる乗組員の病気の治療というのがあったと思うんですけれども、結核の話はありましたけれども、胃潰瘍で病気の治療をして総額六百三十万円が支払われたというふうに聞いております。
これが事実であるのかどうか、まず確認をしますが、このような場合、治療費は誰が負担をすることになるのか、また、漂着した船が使用不能の場合、当然処分をするということになりますが、これは誰がどのように対処して、場合によって処分する場合には、費用は誰が負担をするんでしょうか。
○一見政府参考人 お答え申し上げます。
治療費につきましては、六百三十一万八千七百五十三円でございますけれども、私どもが保護しておりました者に関しまして治療を受けさせたものでございます。
本人が既にこの時点で、私どもが支払いをした時点では出国をしていましたことや、あるいは、病院側も、支払いをしてほしい、こういうことを言っておられまして、本年三月三十日に当庁が病院へ立てかえを実施したものでございます。これにつきましては、外務省さんに請求を依頼しているところでございます。
○石川政府参考人 お答え申し上げます。
ただいま海上保安庁さんからございましたような事情で、今、外務省におきましては、北京の大使館ルートを通じまして先方に対して請求を求めているというところでございます。
○高木(啓)委員 請求を求めて、ぜひ返してもらっていただきたいと思いますけれども、これは国民の税金ですから、しかも、その六百三十万円余を海上保安庁が立てかえているということで、海上保安庁の要は予算の中から出しているわけですね。私たちも、海上保安庁がしっかり仕事してもらうように、一生懸命、予算獲得を含めて応援をしている立場にあるんですが、こういうことに六百三十万円が使われるということに対して、私も含めて国民は多分釈然としていないと思います。
しかも、六百三十万円といえば、ことしの国家公務員の平均年収は六百七十八万円ですから、一人分ぐらい使っているわけですよ。こんなことに使っていいんでしょうかというふうに私は率直に思います。ですから、これは、外務省と連携をして、しっかり北朝鮮に返還を求めるということをお願いしたいと思います。
外務省から資料をいただきましたが、今までも返還を求めて返還をされている例がありますので、国交がないとか交渉の窓口がないとかということではなくて、これはできる話ですから、ぜひやっていただきたい。
ですから、こういうことができるんだったら、もう少し話を進めていえば、拉致事件だってもっとできるんじゃないかという気がしますので、ぜひこれは強力に進めていただきたい、このように思います。
松前小島の事例で強制送還しましたと。これは航空機で帰していると思うんですが、まさか、ビジネスクラスで帰しているとかという話も何か聞いたことがあるんですけれども、そんなこと、ありませんよね。ちょっと確認をさせてください。
○石川政府参考人 お答え申し上げます。
そのようなことはないかと思いますが、ちょっと念のため確認させて、後で御返事します。
○高木(啓)委員 そのほかにも、松前小島の事例は、被害総額として五百五十万円強というふうに言われているんですね。漁協の物品が盗まれたり、あるいは灯台の太陽光パネルが壊されたりとかということがあるんですが、これは、いまだ弁償されていないと思います。もちろん、返ってきたものもあるというふうに聞いております。ですから、これも北朝鮮に対して、しっかりと外務省を通じて返還を要求しなければいけないと思います。
漂着船の場合は地方自治体が処分をしなきゃいけないということになるんですが、これは、努力をしていただいて補助制度をつくっていただいて、実質的には自治体の負担なしでできるというふうにつくっていただいたんだろうと思いますから、こういうことはしっかり進めていただいて、漂着船がいつまでもそこに置いてあるのではなくて、早くきれいにされるようにぜひしていただきたいと思うわけであります。
北朝鮮のものと見られるこの事例が、木造漂着船が急増している、このことについては先ほど冒頭に申し上げましたけれども、治安と安全保障の両面から私はより厳しい対処が必要と考えているんですが、これは政府の見解をぜひお伺いをしたいと思います。
○山本国務大臣 お答えを申し上げます。
長大な海岸線を有する我が国においては、沿岸警備を的確に行うことは大変重要な課題でございます。
委員御指摘のとおり、北朝鮮のものと見られる木造船が急増いたしておりまして、このことが地元住民に大変な不安を与えているということも、我々十分に認識をしているところでございます。
警察といたしましては、平素から海上保安庁等の関係機関と連携しつつ、必要な措置として、日本海沿岸地域のパトロール等の警戒警備、不審者、不審物件等の早期発見に向けた関係機関や地元自治体等との迅速な連絡体制の確保等に当たっているところでございます。
まずは国民の安心、安全を確保するということでございますので、こうした水際対策に万全を期すと同時に、さまざまな情報収集活動を行い、違法行為に対しては法と証拠に基づき厳正に対処するよう、引き続き警察を指導してまいりたいと思っております。
○高木(啓)委員 漂着事案は、地図に落としてもらったものがあるんですが、これは海上保安庁の資料であります。日本海側に集中をしてこれだけ漂着しているという、見るとわかると思うんですが、これは平成二十九年の資料であります。これが平成三十年の資料でありまして、平成三十年は北海道に非常に多く漂着をしているということであります。
先ほど国家公安委員長が御答弁をされたように、やはり国民の安全と安心を守るためということですので、しっかりとこれは対処していただきたいんですが、由利本荘の秋田県の事例は、由利本荘の港に、マリーナに漂着船が着いて、そして八人の北朝鮮籍の、まあ漁民と言われておりますけれども、この人たちが上陸をして、そして民家にピンポンといって助けを求めたという事例です。だから、そこまでわからないわけですよね。漂着をするまでわからないし、ましてや、これは民家に訪ねていったという事例ですから。これで本当に我が国の国民の安全と安心を守れるのかという気持ちがしてならないわけでありまして、より厳しい対処というのはやはりどうしても必要になってくるんだろうと思います。
そもそも、漂着をしなければわからないとか、あるいは、乗っている人が、まあ北朝鮮籍の方が上陸しなければわからないということがまずいと思うんですよ。そもそも、水際でとよく言いますが、そこでとめられるようにしなければいけないということですので、この危機をやはり察知をする仕組みというものを、いかに海岸線が長いとはいっても、いろいろな技術もあるんでしょうから、もっとこれは考えていただくべきだと私は思います。
こうした、漂着しなければわからない、あるいは人が上陸しなければわからないということが、実は、もっと進んでいくと拉致事件との関係が多分出てくるんだよというふうに私は思っていますので、このことはぜひ、これからも我が国の総力を挙げて、海岸線の安全、安心を守っていただくと同時に、その地域にお住まいになっていらっしゃる国民の安心、安全を守っていただくべく仕組みをつくっていただきたい、このように思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
公安委員長はもう終わりになりますので、どうぞ。ありがとうございました。済みません、あと田中政務官も。
○牧原委員長 山本公安委員長は御退席ください。田中政務官も御退室ください。
○高木(啓)委員 ありがとうございました。
続きまして、経済連携協定についてお伺いをさせていただきたいと思います。
きょうは、茂木大臣、どうぞよろしくお願い申し上げます。
先般、衆議院を通過いたしました日・EU・EPAの経済連携協定、これは、年内に我が国とそしてEU側の手続が終了すれば、来年二月一日にも発効ができるのではないか、このようにも言われているわけでありまして、我が国にとってこれは非常に重要な、そして明るい話題だというふうに私は思っております。
そこで、まずお伺いしますが、この日・EU・EPAの我が国の経済への影響について、プラス面、マイナス面というのは両方あるんでしょうけれども、これがどうなのか。また、GDPをどのぐらい押し上げるのか。あるいは、先般手続を終えましたTPP、そして、今月の三十日に発効をするということが決まりましたが、このTPPが先に発効することによって両協定が整うということに多分なるんだろうと思いますが、そのことによっての経済の相乗効果というのはどのように見込まれるのかということについて、お伺いをさせていただきたいと思います。
○清水政府参考人 お答えいたします。
日・EU・EPAの経済効果につきましては、内閣官房のモデル分析では、GDP押し上げ効果が約五・二兆円、雇用増が約二十九万人との効果が見込まれているところでございます。
十二月三十日に発効するTPP11につきましては、GDP押し上げ効果が約七・八兆円、雇用増が約四十六万人と見込まれておりまして、この両者を合算いたしますと、約十三兆円のGDP押し上げ効果、約七十五万人の雇用増となります。
このような分析で示された結果は、まさに諸外国との経済連携の推進が我が国経済にプラスの効果をもたらすことを示すものでございます。TPPとともに、日・EU・EPAが日本経済を力強く牽引することが期待されるところでございます。
このため、本年十二月三十日に発効することが確定したTPP11に続き、日・EU・EPAの早期発効を実現するとともに、経済効果分析で示した経済効果を最大限発揮させていくために、中小企業の海外展開支援、農林水産業の体質強化策など、TPP等関連政策大綱で取りまとめた施策の着実な実施が重要であると考えているところでございます。
○高木(啓)委員 繰り返しますが、今御説明いただいたのは、数字でいうと、全体で十三兆円、そしてGDPで二・五%のアップ、そして労働力で七十五万人。これは大変大きな効果が見込まれるということだと思いますので、早期にこういう仕組みが整ってほしいなと私は思っております。
さて、これからTPPの問題なんですが、新規加入の意向を示している国が複数あると聞いておりまして、これはマスコミ報道でも、新聞、テレビ等でも言われていることだと思います。この新規加入のことについて、今後のTPP拡大への取組方針というのは、我が国としてどのような方針を持たれているのかということをお伺いしたいと思います。
○茂木国務大臣 まず、今、高木委員の方から、日・EU・EPA、そしてTPPの経済効果について御質問いただきまして、二・五%、七十六万人、大きな経済効果が見込まれる、こういう御答弁を申し上げましたが、それとあわせて、今、世界的に保護主義の流れ、こういったものが強まる中で、自由で公正な二十一世紀型の新しいルールが確立をされ、そしてそれを世界に広げていく、これは今非常に大きなメッセージでありまして、そういったことを日本が主導する、この意義は非常に大きいと思っております。
TPP11、これは六カ国の国内手続が終わりまして六十日後に発効ということでありまして、三月の八日にチリのサンティアゴで署名式が終わりましてから、メキシコ、そして日本、順次国内手続を終えて、十月の三十一日に六カ国目になりますオーストラリアが国内手続を終了したことによって、年内、恐らく大方の予想よりも相当早いと思います、十二月三十日には発効することが確定をしたわけであります。さらに、十一月の十五日にはベトナムも国内手続を終わりまして、残りの国々も、今、国内手続を急いでいるところであります。
そして、このTPPが発効いたしますと、まさに委員御指摘のように、新たな国そして地域の加盟によって、TPPの新しいルール、こういったものを世界に広げていくことが視野に入ってまいります。
新規加盟国の候補としては、例えばタイが挙げられるわけであります。私もこの五月にバンコクに出張いたしまして、タイ政府で経済政策全体を統括しておりますソムキット副首相と直接お会いして意見交換してまいりましたが、ソムキット副首相からは、タイの国内産業の高度化のためにもぜひTPP11に参加をしたい、こういう強い意思が示されたところであります。
御案内のとおり、タイという国は日本企業にとってもグローバルなサプライチェーンの中で重要な拠点となっておりまして、タイがTPPに参加をする、この経済的意義というのは非常に大きいと思っております。
また、インドネシア、コロンビア、そういった国を始めさまざまな国が、今、参加に対して関心を示しているとも聞いております。さらに、EUを離脱する英国までTPP参加に関心を持っていることを我が国としても歓迎をしたいと思っております。
発効後、来年一月にも、第一回のTPP委員会、これを我が国が議長として日本で開催をする予定であります。そこで、発効後のTPPの運営のあり方であったりとか新規加盟に対する方針、こういったことを協議する予定でありますが、TPPへの新たな国、地域の加盟に必要な調整についても我が国は引き続き主導的な役割を果たしてまいりたい、このように考えております。
○高木(啓)委員 ぜひ、我が国がつくったと言っても過言ではない仕組みでありますから、その意気込みで、大臣、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
一説には、加入意向を示している国の中に韓国が入っているという新聞報道などもありまして、韓国の高官も入りたいというような意向を示したという報道も接したことがございます。
韓国がTPP加入の意向を示していることに対して、我が国政府としては何か見解を持たれているんでしょうか。そのことをお伺いします。
○茂木国務大臣 先ほどタイのお話を申し上げましたが、現時点では、韓国が政府として正式にTPP参加の意向を示している、このようには承知をいたしておりません。
いずれにしても、新規加盟国・地域に対する方針等につきましては、我が国が全体の調整役を果たしながら、TPP参加国の合意により決定されるべきもの、このように考えております。
○高木(啓)委員 私は、韓国については法の支配に服さない国である可能性が高いというふうに思います。それは、旧朝鮮半島出身労働者の問題の不当判決のこと、このことは非常に私たちの国にとっては重いことだと思います。
さらに、国別の不法在留外国人の数というのを、法務省から資料をいただいておりますが、五年連続トップは韓国ですよ。ですから、そういう法の支配に服さない国である可能性が高いという韓国については、ぜひ政府としてやはりよく考えていただきたい、このように思います。
河野外務大臣も十一月二十九日に談話を発表しておりますが、韓国に対しては、この不当判決に対して、対抗措置を含めたあらゆる選択肢を視野に入れて毅然とした対応を講ずる考えということを河野外務大臣もおっしゃっていらっしゃるわけですから、やはり、安倍外交が進めている価値観外交、そして自由で開かれたインド太平洋戦略にも私は合致しないというふうに思いますので、この点だけはぜひ記憶にとどめておいていただきたいと思います。
私の質問は以上でございます。
○牧原委員長 次に、浦野靖人君。
○浦野委員 日本維新の会の浦野です。よろしくお願いいたします。
先日、委員会の冒頭で、タブレット型のPC、そういったものを使用できるようにしてもらえないかというお願いをさせていただいたところ、早速理事会で協議をしていただきまして、通信機能は切るという条件のもとで、我々質問をする委員の資料を見るという使い方をすることは認めてもらえるようになりました。どうもありがとうございました。
まあ、そう言いながら、きょうは紙で質問しているわけですけれども。済みません。使えるかどうかちょっとわからなかったものですから、紙できょうは出してきまして。これからいろいろな使い方ができるようになるということで、まずは第一歩を踏み出せたかなと思っています。
世の中では、子供のなりたい職業第一位がユーチューバーになるぐらい、我々よりもっと下の世代は更にタブレットとかそういったものになれ親しんでいる世代ですので、その人らから見たら、この国会のありとあらゆる場面はもう本当に時代おくれの、紙で何でもやっているということになりますので。ぜひ、少しでもペーパーレス化など、これは行政改革、行革にも資するところですので、やっていってほしいと思います。
日本維新の会は、もう既に政調役員会、政調関係はほとんどというか全てペーパーレスで、省庁からの説明資料も全てPDFで送っていただいて、それを壁に映し出して議論をするということで、やろうと思えばできるんですよね。
これは、もともと我々、大阪府議会、私も府議会の人間でしたけれども、府議会でそういった取組をもう八年ぐらい前から、維新の会を結党したときからもう既に行っていまして、そういったことの流れをくんで、我が党ではそういったことを一生懸命やっていたわけですけれども、我が党だけでなく各党、これは遅かれ早かれやらないといけないですし、省庁ももちろんやらなあかんと思います。
別にやっていないわけではないとは思っているんですけれども、各省庁におけるペーパーレスの進捗状況というのを行革担当として把握をされているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○植田政府参考人 お答えいたします。
本年六月に閣議決定された世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画におきまして、各府省は、平成三十年度を目途に、審議会や幹部会議などにおける資料の原則ペーパーレス化を進めるということとされております。
これを踏まえまして、本年夏のワークライフバランス推進強化月間では、二十三府省中十五府省が、審議会や幹部会議などをペーパーレスで開催するよう、省内に対して指示をしたところでございます。
また、本年四月の女性職員活躍・ワークライフバランス推進協議会で公表いたしました調査結果によりますと、平成二十九年度において、二十三府省中十六府省が幹部会議など、また、審議会を開催した十九府省中十府省が審議会をペーパーレスで開催した実績があると回答しているところでございます。
以上でございます。
○浦野委員 審議会、幹部会ということは、まあ、やることは大事なんですけれども、恐らくこれはもう完全にごく一部の世界の話ですので、ふだんの業務からやはりそういったことがどれぐらいできるか、やっていけているかというのが重要だと思っているんです。
何か、聞くところによると、総務省でそういったことを頑張っている部署が一つあるということなんですけれども、お答えいただけますか。
○吉開政府参考人 お答え申し上げます。
総務省は、ICTの所管省といたしまして、これまでもペーパーレス化、テレワークの推進等のデジタルワークスタイルの実現に積極的に取り組んでまいりました。私ども行政管理局におきましては、ペーパーレス化及び電子的な文書管理を進めることによりまして、公務の生産性と質を上げるとともに、多様な働き方を可能にする取組を行っております。
従来の国の役所におきましては、紙の資料を用いまして対面の打合せを行うということを前提とした業務が中心でございまして、このため、資料の印刷、配付を始めとする事務に多大な時間と手間を要しておりました。
行政管理局におきましては、ペーパーレス化及び電子的な文書管理を進めることによりまして、紙などの資源節約を図ることはもとより、資料の検索や資料の印刷などに要しておりました職員の時間と手間を削減いたしまして、業務全体の効率化を図っております。これによりまして、職員が企画立案等の業務により注力できる環境を整えることを目指しております。
さらに、ペーパーレス化及び電子的な文書管理が場所にとらわれない働き方の基盤となりまして、他の庁舎で勤務する職員などとのオンライン会議の実施ですとか、育児、介護中の職員等のテレワークなど、多様な働き方を支えております。
こういった取組を更に進めるとともに、各府省に展開していくことを通じまして、公務の生産性や質の向上に貢献してまいります。
○浦野委員 私が聞いたのとは全然違う、長い答弁でしたけれども。
一つの部署で、かなりペーパーレスを進めている部署が一つあるということで、その一つだけを言うのが言いにくかったのかなとは思いましたけれども、そこはかなり頑張っているということで、きのう質問通告の後来ていただいた方で、私、職員で初めてパソコンを持ってきた人を見た気がするんですね。それが多分その部署だったと思うんですけれども、それぐらいまだまだ、職員の間でもパソコンがなかなか使えていないというのが、それを如実にあらわしているんじゃないかなと思うんです。
これは、私、行革の観点から、ペーパーレスというのは非常にわかりやすいし、取り組みますということだから、きょうはペーパーレスの話をしていますけれども。ぜひ大臣も、各省庁、やはり目標、どれぐらいペーパーレスが進捗しているのかというのを、目標を設定して進捗率を見える化する、そのことによって、各省庁が、あの省庁頑張っているなとか、一般の国民の皆さんから見ても、何や、民間では当たり前のようなことだけれども、省庁、今こうやって頑張ってやってんのやというようなことが見えるような努力をするべきだと思うんですね。
だから、進捗率の見える化とか、そういったことはお考えになっているでしょうか。
○宮腰国務大臣 本年六月に閣議決定されました、「平成三十年度を目途に、審議会や幹部会議等における資料の原則ペーパーレス化を進める。」というこの閣議決定を踏まえまして、今後、各府省の審議会について実際にどの程度ペーパーレスで開催されているのかを調査いたしまして、来年春の女性職員活躍・ワークライフバランス推進協議会において、その進捗について議論をする予定であります。
また、業務の効率化を推進するに当たりましては、ペーパーレス化に加えて、テレワーク環境の整備等の取組も同時に進める必要があります。テレワークにつきましては、平成三十二年度までに必要な者が必要なときにテレワーク勤務を本格的に活用できるよう計画的な環境整備を行うこととしておりまして、各府省においてハード面の整備等を進めております。
ペーパーレスで会議を開催するためには、タブレット端末や無線LAN環境の整備が必要でありますが、その整備の状況は各府省によって異なっております。また、会議の出席人数や資料の性質などによっては、資料を紙で配付する方が適切な場合もあると考えております。
そのため、ペーパーレス化の取組につきましては、まずは、審議会や幹部会議等を原則としてペーパーレスで開催するという政府目標を達成するために、各府省とともにしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○浦野委員 時間も来ていますので、最後に、我々国会側も平成までに何たらという議連を立ち上げて取り組もうとしているんですけれども、ペーパーレスですらなかなか前に進まないというのが国会の現状なんですね。その国会を横目に、各省庁が、いつまで国会の人たちはあんなことを議論だけしているんやろうなと言えるぐらいペーパーレスを進めていただけたらと思いますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
質問を終わります。
○牧原委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午前十一時十五分散会