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第4号 平成31年3月8日(金曜日)

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平成三十一年三月八日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 牧原 秀樹君

   理事 平  将明君 理事 谷川 弥一君

   理事 長坂 康正君 理事 牧島かれん君

   理事 松本 剛明君 理事 山内 康一君

   理事 大島  敦君 理事 岡本 三成君

      安藤  裕君    泉田 裕彦君

      大西 宏幸君    岡下 昌平君

      加藤 鮎子君    金子 俊平君

      神谷  昇君    木村 次郎君

      小寺 裕雄君    佐々木 紀君

      杉田 水脈君    高木  啓君

      中山 展宏君    長尾  敬君

      西田 昭二君    松野 博一君

      松本 洋平君    三谷 英弘君

      村井 英樹君    今井 雅人君

      大河原雅子君    岡本あき子君

      近藤 昭一君    篠原  豪君

      初鹿 明博君    堀越 啓仁君

      山尾志桜里君    森田 俊和君

      山岡 達丸君    太田 昌孝君

      佐藤 茂樹君    塩川 鉄也君

      浦野 靖人君

    …………………………………

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長) 山本 順三君

   内閣府大臣政務官     長尾  敬君

   内閣府大臣政務官     安藤  裕君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    横畠 裕介君

   政府参考人

   (内閣官房ギャンブル等依存症対策推進本部事務局内閣審議官)        中川  真君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  山内 智生君

   政府参考人

   (内閣府子ども・子育て本部統括官)        小野田 壮君

   政府参考人

   (警察庁長官官房長)   中村  格君

   政府参考人

   (警察庁長官官房サイバーセキュリティ・情報化審議官)           高木紳一郎君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 下田 隆文君

   政府参考人

   (警察庁生活安全局長)  白川 靖浩君

   政府参考人

   (警察庁刑事局長)    露木 康浩君

   政府参考人

   (警察庁警備局長)    大石 吉彦君

   政府参考人

   (国土交通省自動車局次長)            島  雅之君

   内閣委員会専門員     長谷田晃二君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月八日

 辞任         補欠選任

  池田 佳隆君     木村 次郎君

  山尾志桜里君     堀越 啓仁君

同日

 辞任         補欠選任

  木村 次郎君     佐々木 紀君

  堀越 啓仁君     山尾志桜里君

同日

 辞任         補欠選任

  佐々木 紀君     池田 佳隆君

    ―――――――――――――

三月八日

 特定秘密保護法を即時廃止することに関する請願(田村貴昭君紹介)(第一六二号)

 同(白石洋一君紹介)(第一八三号)

 マイナンバー制度の中止・廃止に関する請願(白石洋一君紹介)(第一八二号)

 学童保育(放課後児童健全育成事業)の「従うべき基準」を堅持することが実現できる財政措置に関する請願(泉健太君紹介)(第二六九号)

 幼児教育・保育の無償化に関する請願(奥野総一郎君紹介)(第三〇八号)

 同(中川正春君紹介)(第三〇九号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 警察法の一部を改正する法律案(内閣提出第二号)


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     ――――◇―――――

牧原委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、警察法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房ギャンブル等依存症対策推進本部事務局内閣審議官中川真君、内閣官房内閣審議官山内智生君、内閣府子ども・子育て本部統括官小野田壮君、警察庁長官官房長中村格君、警察庁長官官房サイバーセキュリティ・情報化審議官高木紳一郎君、警察庁長官官房審議官下田隆文君、警察庁生活安全局長白川靖浩君、警察庁刑事局長露木康浩君、警察庁警備局長大石吉彦君、国土交通省自動車局次長島雅之君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

牧原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

牧原委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。中山展宏君。

中山(展)委員 おはようございます。自由民主党の中山展宏でございます。

 きょうは、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 早速ですが、警察法の一部を改正する法律案について御質問させていただきたいと思いますが、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会における大規模警備等が必要となる中で、テロや災害等の緊急事態への対処体制の強化を図るため、警察庁の内部部局である警備局警備運用部を新設するとのことでございます。

 警備体制の機能はどのように強化されるのか、そして、警備第一課と第二課の構成、役割分担についてまずお伺いしたいと思います。

山本国務大臣 お答えを申し上げます。

 警察におきましては、東京オリンピック・パラリンピック競技大会を含め、本年以降に予定されております大規模行事における警備が重要な課題である一方、近年の大規模災害の続発を踏まえ、大規模災害発生時の指導、調整機能の強化が必要となっているところでございます。

 警察庁警備局に警備運用部を新設する今回の改正は、大規模警備実施中に大規模災害が発生するような場合であっても、都道府県警察に対する指導や関係機関との調整において、その機能を的確に発揮するものと認識をいたしております。

 それから、第一課と第二課の話でありますけれども、警備運用部には警備第一課及び警備第二課の二課を置くことを予定いたしております。

 警備第一課は、護衛、警護、大規模行事における警備実施等を担当し、警備二課は、災害を始めとする緊急事態への対処等を担当する予定でございまして、これによりまして、警備運用部には、部長一人、課長二人が置かれることとなります。

中山(展)委員 この機能強化によって、しっかりこれは対応ができるものだと考えますが、今回、大規模警備実施中の大規模災害等、複合的な過酷な事態における指導、調整機能が強化されるとのことでありますが、特にテロへの対応についてお伺いをしたいと思います。

 テロ事件の発生は、不特定多数の方々が予期せぬ被害に遭い、我が国の社会にも大きな混乱を招き、経済的な損失、特に今インバウンドが伸びておりますけれども、そういったこともちゅうちょされる、減少していく等々、その影響は甚大でございます。

 テロを未然に防止することが極めて重要であると思いますが、情報収集、分析、水際対策の観点から、防犯カメラ、監視カメラは有効だと考えます。防犯カメラの現在の活用状況についてお教えをいただきたいと思います。

下田政府参考人 お答え申し上げます。

 テロを未然に防止するためには、幅広い情報をして的確に分析し、活用していくことが不可欠であると認識をしているところでございます。そのため、警察におきましては、各国治安情報機関と連携を一層緊密化するなど、テロ関連情報の収集、分析を強化するとともに、その総合的な分析結果を重要施設の警戒警備等の諸対策に活用しているところでございます。

 また、テロリスト等の入国を防ぐためには、入国管理局であるとか税関等の関係機関と連携も極めて重要でございます。事前旅客情報システム等、各システム等を活用した水際対策を推進しているところでございます。

 御指摘の防犯カメラについてでございますけれども、警察としてもテロ対策上有効であると考えているところでございます。テロ事件等が発生した場合に防犯カメラの映像を迅速に活用できるよう、管理者との連携強化を図っているところでございます。

 今後とも各種テロ対策を推進してまいりたいと考えてございます。

中山(展)委員 中国は監視社会と言われておりますが、今、監視カメラというか防犯カメラが約二億台と言われております。あと数年で四億台になるということであります。その監視カメラには、AIによって顔認証や歩行認証、歩く姿の認証もされて、人物情報と照らし合わせ、照会をされた上で、特定の人物を追跡もできるというふうにも伺っています。中国の都市部を今一〇〇%カバーをしているこのAI監視システム、天網のシステムは、ターゲットとする人物を七分間で特定ができるということでもございます。

 また、市民一人当たりの防犯・監視カメラの数が先進国で最も多いと言われるイギリスでは、市民四人にカメラ一台という状況であります。

 翻って、日本は、民間が設置される防犯カメラ、これは非常に多くあると思います。ドライブレコーダーも含めて普及が進んでいると思いますが、未然防止の観点からして、未然防止のための一元的に情報収集が可能なビデオカメラの設置はまだまだ進捗していないと推察をいたします。

 警察機関は、警察法第一条及び第五条の一項で、個人の権利と自由を保護し、公共の安全と秩序を維持することを目的とされていますが、個人のプライバシーと公共の安全とのバランスの中で、プライバシーの保護の比重が、我が国においてはその比重が非常に大きいと思います。警察機関が設置する防犯カメラへの国民の理解、社会的受容性を深めなければいけないと私は考えております。

 前述の監視カメラ、天網は、今、国際社会で情報漏えいが問題視をされております中国の通信機器最大手のファーウェイの技術が基幹技術となっています。ファーウェイは、御案内のとおり、この監視管理社会システムを既に世界約八十の国、これはイギリスも含めて、スペイン、イタリア、それからアジアの国々、アフリカ、そして南米でも採用されて、約二百の都市で、公共安全のためのプロジェクトということで、他国においても公共の安全を制御する、そういったシステムを中国は展開をしています。

 他方、我が国には、世界ナンバーワンの技術、顔認証の技術であります、NECさん、一秒当たり約三千万件の顔認証ができる。しかも、その認証の精度は九九・二%。これは米国の国際標準の中でも非常に高い、世界ナンバーワンの技術だと言われています。一秒間に三千万件の顔認証ができますから、日本人は大体、総人口の、四秒から五秒で全ての皆さんが把握ができる、これぐらい高い技術がありますし、同様に、パナソニックさんも世界最高水準の技術を持っています。

 私たちも未然防止のための防犯カメラに対して社会受容が深まるよう努めますが、これは政府においてもなお一層の普及に向けてお願いをしたいと思います。これは答弁は結構ですが、ぜひお願いをいたします。

 それでは、サイバーテロについてお伺いをいたします。

 サイバー攻撃の影響は、サイバー空間にとどまらず、重要インフラなどのフィジカルな空間にも影響をもちろん及ぼします。世界が注目をするオリパラは、ハッカーにとってもショーケースであります、サイバー攻撃の標的になりやすいと思いますが、二〇一六年のリオデジャネイロ大会、二〇一八年の平昌オリンピック冬季大会でのサイバー攻撃、それからセキュリティーの対策についてどのように分析をしておられるか、お聞かせをいただきたいと思います。

山内政府参考人 お答え申し上げます。

 二〇一六年のリオの大会、それから二〇一八年の平昌の大会、それぞれ内閣サイバーセキュリティセンターより職員を派遣をいたしまして、リオの大会の場合は、技術運用センターというところに職員を派遣をしております。平昌の大会についても、期間中それから終了後に職員を派遣をいたしました。

 リオの大会の場合、大会公式サイトに対する執拗なサイバー攻撃、それから大会の関係組織、例えば関係する自治体のようなところ、こういうところに一部のウエブサイトを改ざんをするような被害はございましたが、大会の運営に支障を来すような事案は発生をしなかったと認識をしております。

 平昌の大会につきましては、準備期間中に約六億件、大会期間中に約五百五十万件のサイバー攻撃があったという報道はございました。ただ、こちらも、大会の運営に重大な影響を与えるサイバー攻撃はなかったと認識をしてございます。

 あと一年半弱の東京大会でございます。想定している攻撃について詳細に述べることは、事柄の性質上、お答えを控えさせていただきますが、過去の大会に見られた攻撃、それから政府機関、重要インフラ事業者等において観測をされている攻撃は、恐らく、大会のとき、準備期間中それから大会の期間中にも当然のように起こり得るものと想定をしております。

 こういう状況を踏まえまして、平成三十年七月に閣議決定をされましたサイバーセキュリティ戦略の中で決まりましたことに基づきまして、関係機関、関係する組織間の的確な情報の共有、インシデントが発生をした場合の対処調整を担いますサイバーセキュリティ対処調整センターを構築をすること、それから、大会の円滑な運営に不可欠なサービスを提供している事業者、この方々のリスクの評価、これによって明らかになりましたリスクの対策を進めること、こういう取組を進めることによりまして、関係府省庁それから関係機関と連携をして東京大会に備えることとしております。

中山(展)委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 ここで、車へのサイバー攻撃についてお伺いをいたしますが、二〇二〇年にレベル3以上の高度な自動運転を社会実装するシナリオで、今次、道交法の改正をする運びでございます。自動運転システムにはさまざまな仕組みがございますが、コネクテッドカー、いわゆるつながる車についていえば、次世代通信規格の5Gの同時接続性や超低遅延性は必須だと考えます。

 自動運転中のハンドル、アクセル、ブレーキを委ねた車へのサイバー攻撃は、即人身事故につながると考えますが、コネクテッドカーにおけるサイバー攻撃について、その対策についてお聞かせをいただきたいと思います。

島政府参考人 お答え申し上げます。

 自動運転車を始めとする、通信機能を備えました自動車が第三者による不正アクセスを受けた場合、事故の発生など社会的に重大な影響を与えるおそれがありますことから、自動車のサイバーセキュリティー対策の確保は非常に重要な課題だと考えてございます。

 このため、現在、日本も加盟します国連の場におきまして、自動車のサイバーセキュリティーの確保のために必要な具体的要件を規定します国際基準案の策定に向けた議論が行われてございまして、本年前半までの策定を目指しまして、国際的議論を主導しているところでございます。

 本基準案におきましては、自動車メーカーが最新のサイバー攻撃を念頭に置きまして、成り済ましによるメッセージの不正などの脅威に対するリスク評価の実施、当該評価に基づく受信メッセージの認証などのリスク軽減策の導入などによりまして、走る、曲がる、とまるための自動車の重要機能に対します安全上のリスクを低減するために必要なサイバーセキュリティー対策を講じることなどの要件が規定される予定でございます。

 本基準案が成立、発効した際におきましては、これを国内に導入しまして、販売前に国が適合性を確認することとしてございます。

中山(展)委員 これはWP29で今お話をしていただいているかと思いますが、先般の自動ブレーキの義務化では、日本がリードして合意をつくったということであります。サイバーセキュリティーに関しても、ぜひ日本がリードしていただいて、お願いをしたいと思います。

 最後、ちょっと時間がありませんけれども、政府のサイバーセキュリティー対策への中国の関与についてちょっとお伺いをいたします。

 本委員会でも、5G技術について、経済的影響の観点と、それから安全保障上の視点から議論がありました。端的に言えば、ファーウェイの排除によって五千億円から七千億円の影響がある、二〇一九年では、報道によると、九千億円ぐらいの日本メーカーに影響があるとの報道が出ておりますが、中国勢につくか、米国に応じるか、国民の安全、公共の安全や個人情報の保護という観点が私は最も大事だと思うのです。

 他方、中国は、二〇一七年に国家情報法が施行されました。ここで、内閣官房のサイバーセキュリティー対策において、中国の国家情報法の対象となるコンサルティングファーム、具体的に言うとデロイト・アジア・パシフィックですが、の関与があるということが一部報道でございました。

 このような、国家情報法にかかわるようなコンサルファームが我が国のサイバーセキュリティーに関与していることに対しての対応をお聞かせをいただきたいと思います。

山内政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の特定のコンサルティング会社に限りませんが、内閣官房のサイバーセキュリティー対策にかかわる事業者につきましては、政府機関等の情報セキュリティ対策のための統一基準群、こういうものなどによりまして、情報の取扱いには細心の注意を払って進めているところでございます。

 具体的に申し上げますと、契約書、調達の仕様書などにおきまして守秘義務を課すこと、業務で得た情報を業務の終了後に消去をすることなどを定めております。このような取組を進めることで、情報の取扱いを適切に対応しているところでございます。

 引き続き、平素から取組の重要性を鑑みまして、御指摘のようなことも含めて、サイバーセキュリティー対策に取り組んでいくところでございます。

中山(展)委員 ぜひ御留意をしてください。

 ありがとうございました。

牧原委員長 次に、太田昌孝君。

太田(昌)委員 公明党の太田昌孝でございます。

 ただいま議題となりました警察法の一部を改正する法律案につきまして、何点か御質問をさせていただきます。

 今回の改正、東京オリンピック・パラリンピックを視野に入れての改正というふうにも伺っております。

 私、一九九八年に開催されました長野オリンピック・パラリンピックで、実は組織委員会におりまして、そのときに、警察の方、派遣いただいて、そのときはやはり警備部の方でございました。テロ対策から始めて大会の円滑な運営に大変に御尽力をいただきまして、その後も、さまざま、県内で発生をしました、後ほど申し上げますが、大規模災害におきましても大変に御尽力をいただいたものでございます。

 そのような中で、私自身も地方議会から出てまいりましたので、中央の、警察庁等々の動き等々、基本的なちょっと質問をさせていただきたいというふうに思います。

 今回、警備局に警備運用部を設置する、その下に警備課を二課にふやす体制となっておりますけれども、まず、この部の設置の趣旨について、大臣から伺いたいと思います。

山本国務大臣 お答えをいたします。

 昨年、中国、四国地方に大きな被害をもたらした七月豪雨など、近年、複雑困難かつ長期の対応を要する災害が続発をいたしておりますほか、今後、東京オリンピック・パラリンピック競技大会などの大規模行事における警備も予定をされているところでございます。

 このような状況の中で、大規模警備実施中に大規模災害が発生するなど、複合的な事態をも想定し、警察庁におきましては、大規模災害発生時や大規模警備実施時に的確に指導、調整機能を発揮できるよう、警備運用部を設置するものでございます。

太田(昌)委員 大規模災害という、発災したときの的確な運用ということでございますが、近年発生いたしました、例えば熊本地震、あるいは、今、例でおっしゃいました西日本豪雨災害、北海道胆振東部地震など、全国各地で今災害が頻発をしているわけでございますが、このような大規模災害に対しまして、現状、警察の活動状況など、状況について御説明いただければと思います。

下田政府参考人 お答えいたします。

 警察では、議員御指摘の平成二十八年熊本地震、そして昨年の平成三十年七月豪雨や北海道胆振東部地震等の大規模災害に際して、災害警備本部等を設置して必要な体制を構築するとともに、警察災害派遣隊や警察ヘリ、これを迅速に派遣し、被害情報の収集、被災者の救出救助、行方不明者の捜索、交通対策等を実施したところでございます。

 また、自動車警ら隊による被災地のパトロールや避難所での女性警察官による相談対応など、被災地における安全、安心を確保するための諸活動についても、他の都府県警察から派遣を行いつつ、実施をしたところでございます。

太田(昌)委員 現状、現場で働いていただいている、今、広域でさまざま協力をしていただいたということになっているということでございます。

 あわせて、そうしたさまざまな具体的なときに、今回の警備運用部長はどのような役割を担うのか。あわせて、災害発生のない平時の警備運用部の役割もちょっと確認をさせていただきたいというふうに思います。

中村政府参考人 お答えをいたします。

 新たに設置したいと考えております警備運用部では、皇室の方々の御身辺の安全確保等を図るための警衛、警備、要人の安全を確保するための警護、警備、原子力発電所等の重要施設の警備、それから大規模行事等において機動隊等の部隊を運用して行う警備、災害等の緊急事態の対処等に関する事務を扱うことといたしております。

 現行の警備局におきましては、平素からそのような業務を行う中で、災害が発生した場合には災害警備本部等の所要の体制を構築し、迅速に情報収集を行った上で、被害の規模に応じて、被災地への警察災害派遣隊の派遣に向けた調整あるいは関係省庁との情報共有、連携等を行っているところでございます。

 とりわけ、警備局の幹部職員は、発災直後から継続的に政府の会議に出席をいたしまして各種情報を政府に集約することとなっておりますし、また、関係省庁とのハイレベルの調整を行う役割を担っておりますほか、警察庁において、被災地警察の本部長等の幹部職員に対して直接指揮調整をする役割も担っておりまして、警備運用部長が置かれることとなれば、局長と分担してこれらの業務に当たることが見込まれるということでございます。

太田(昌)委員 あわせて、今回は管区の警察局の統合をされるということになっております。

 中国、四国管区警察局の統合ということになるわけでございますけれども、こうした広域にわたる大規模災害等の事態において指導、調整機能強化を行うことということでの今回の統合という理由になっておるわけでございますけれども、災害時の役割、あるいは今回の統合によって具体的な効果、そもそも管区警察局の役割などについてもあわせてお示しをいただきたいというふうに思います。

中村政府参考人 お答えいたします。

 管区警察局は、警察業務の執行を担う都道府県警察の存在を前提に、まとまりのある地方を管轄する、国の地方機関として設置をされておりまして、大規模な災害への対処、複数の府県にまたがる犯罪捜査に関する府県警察への指導、調整、警察通信施設の整備等の業務を行う役割を担っておるところでございます。

 中国、四国両管区警察局が統合されることによりまして、例えば中国、四国地方で大規模災害が発生した場合に、一人の管区局長の判断で両地方を合わせた大きな部隊の動員が可能となるということとなりますほか、両地方に全国から派遣された部隊につきまして、被災状況に応じて迅速かつ的確にその部隊の配置を行うことが可能となるということで、災害時の指導、調整機能が一層強化されるというふうに考えているところでございます。

太田(昌)委員 二〇一四年の九月ですが、戦後最悪の火山災害、御嶽山の噴火災害というのが、私の地元長野県で発災をいたしました。長野県、岐阜県にまたがって、複数の県にまたがり、さらに、市町村、地方行政がかかわり、さらに警察も来ていただき、あるいは消防、自衛隊が共同して対応に当たっていただきました。

 そのときに、その発災直後、長野県議会での質疑の中で、警察からこんな話もあったんですね。

 人命の保護、被害の最小化等に向けた警察の取組として、警察災害派遣隊の体制強化、航空機等装備資機材の整備高度化、警察活動の拠点施設の耐災害性の強化などが必要だ。御嶽山噴火災害では、本県の各種部隊のみでは対応が困難であったことから、発生後に他県警から警察災害派遣隊として捜索救助のため警備部隊及び現場の状況をヘリテレで撮影するための航空部隊の災害派遣も受けている。また、この噴火災害では、現場で使用する装備資機材として金属探知機や有害ガス検知器等を関係機関から借りて対応した。そういう中で、国土強靱化を進める観点の中でも、警察災害派遣隊等、人的体制の強化、あるいは装備の整備等は必要不可欠であるというような、そんな話もございました。

 また、もう一つ、先ほど申し上げましたとおり、さまざまな機関が共同をして当たっていただく中で、災害発生直後の情報の収集が、やはりそれぞれで収集をして、なかなか統一されることが難しかった。あるいは、共有という部分でも、会議は開くのですが、そのとき持ってくる情報がそれぞれ違って、すり合わせが大変であった、何が正しいのかわからないというような部分も間々あったというふうに伺っております。

 そういう中で、相互の連携がそういう意味では課題であったというふうに思うわけでございますが、こうした広域連携、あるいはまた各組織間の連携と対応について御見解をお伺いをいたします。

下田政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の御嶽山の噴火に際しましては、長野、岐阜両県警察において直ちに災害警備本部を設置いたしまして、警察ヘリ等による被害情報の収集のほか、登山者の避難誘導、救出救助、捜索活動を行いました。

 また、警察庁におきましては、関係管区警察局、また都県警察と調整の上、機動隊であるとか警察ヘリを被災地に派遣をしたところでございます。

 また、御指摘いただきました収集した情報でございますけれども、政府レベルでは内閣官房や関係省庁、県レベルでは知事部局等と共有し、相互の連携に取り組んだところでございます。

 災害の発生に際しましては、迅速かつ効果的な救助活動が実施されるためには、やはり関係機関間の緊密な連携がこれは何よりも重要であるというふうに考えているところでございます。

 引き続き、さまざまなレベルにおいて、自治体、消防、自衛隊等とも連携しつつ、災害時の対応の万全を図ってまいりたいと考えてございます。

太田(昌)委員 なかなか、事前の情報のすり合わせというのは多分難しいんだろうなというふうには思います。

 ただ、そういう中で、やはり被災者が一体具体的に何人いるのかとか、あるいは、火山災害でしたから、そういう意味では、山に一体何人いたのかということ自体も、なかなか基本的な情報が収集しづらかった。それが、消防は消防、警察は警察という形で出てまいりますと、やはり、そこで残された被災家族といいますかが大変に心配をするというようなことがございました。

 そういう意味でも、その際も、警察の情報の正確性みたいなことも大変に我々とすれば認識もしていたところでもございますので、なかなか事前のすり合わせは難しいかもしれませんが、そういう中で、消防、自衛隊あるいは各行政機関との連携などは、ぜひともこれから意を払っていただきたいということをお願いをしておきたいというふうに思います。

 さて、いよいよ十一日には東日本大震災発生から八年ということになります。改めて、犠牲になられました方々に追悼の誠をささげますとともに、被災された多くの皆様方にお見舞いを申し上げる次第でございます。

 東日本大震災の対応を踏まえて、警察においては、それ以降、災害対応に関しどのような取組をしてきたものか、お尋ねをしたいと思います。

下田政府参考人 お答えいたします。

 警察では、東日本大震災での対応を通じて得られた教訓を踏まえまして、まず、大規模災害発生時に全国から被災地へ派遣される警察災害派遣隊を設置いたしました。また、災害警備訓練や各種装備資機材の整備等を通じてその対処能力の向上も図ってございます。

 また、あわせまして、我が国における災害の特性を踏まえて、災害に即した環境で体系的な救出救助訓練を実施するための災害警備訓練施設の整備等の対策を推進してきたところでございます。

 今後とも、これらの施策を継続的に推進して、あらゆる災害に迅速かつ的確に対応できる体制の確立に努めてまいりたいと思います。

太田(昌)委員 ありがとうございました。

 本当に、三・一一を前にして、もう一度、防災、減災、そして人の命を守るということについて思いをいたしたいというふうに思います。

 最後に、今回の組織改正を踏まえまして、災害から国民の生命と暮らしを守るための警察活動に対しまして国家公安委員長の御決意を伺って、私の質問を終わりたいと思います。

山本国務大臣 一たび災害が発生いたしますと、警察は、被災者の救出救助を始め、国民の生命、身体及び財産を保護し、安全、安心を確保するためのさまざまな活動に従事することになります。

 私も、国家公安委員会委員長、防災担当大臣として、北海道や中国、四国の被災地を視察してまいりましたけれども、消防やあるいは自衛隊等とともに被災者の救出救助に従事した警察の活躍ぶりを聞いて、大変頼もしく感じたところでもございます。

 警察庁では、政府全体の災害対策の一翼を担い、被災地への部隊の派遣を始めとした全国警察による災害対策について指導、調整する役割を担っておりますけれども、今回の警察法改正案は、こうした警察庁の機能をより強化するものでございます。

 引き続き、国民の安全、安心を確保するため、今回の改正による効果が十分に発揮され、災害への対処に万全を期されるよう警察を指導してまいりたいと思っております。

太田(昌)委員 ありがとうございます。終わります。

牧原委員長 次に、篠原豪君。

篠原(豪)委員 おはようございます。立憲民主党の篠原豪でございます。きょうはよろしくお願いをいたします。

 警備局の人員体制から伺ってまいります。

 先ほどからありますように、警察庁警備局に新たに警備運用部を設置して、現在の警備課を警備第一課、警備二課としてこの警備運用部のもとに置く一つの理由に、先ほどからありますように、東京オリンピック・パラリンピック競技大会などの大規模警備実施中に大規模災害が複合的に起きる事態に備えた指導、調整機能の強化を図るということでありました。

 警備第一課に大規模な国際イベント等の警備を、二課に大規模自然災害への対応を任せる体制整備を行うということなんですけれども、他方で、これは県警のレベルにおいてどのようになっていくのかということをちょっと伺いたいと思います。

 というのは、同様の警備体制が、これは指揮命令系統も含めてちゃんとできていかないと混乱を招くのじゃないのかどうかということがありますので、まずその点を確認させていただきます。

山本国務大臣 お答えを申し上げます。

 今回の改正は、大規模災害発生時や大規模警備実施時における国の行政機関である警察庁の指導、調整機能を強化するために行われるものでありまして、都道府県警察の組織について同様の改正を行うことは想定はいたしていませんが、現状でも、警察庁の組織と都道府県警察の組織は、これまた必ずしも一致しているものでもございません。

 今回の改正により指揮系統の混乱が生じるとは考えておりませんけれども、もとより、改正内容につきましては都道府県警察にしっかり周知をし、円滑な施行に向けた準備を引き続きしっかり行うよう警察庁を指導してまいる所存でございます。

篠原(豪)委員 指揮系統の混乱を招かないということが実際に動くときにはとても大事でありますので、やはりそこのところはしっかりと接続をして、ちゃんとうまく機能するように御指導いただければと思います。

 この複合的な事態において、今、担当の警備一課と二課以外にも、警備企画課、公安課といったようなところがあると思うんですけれども、これはそれぞれどのような役割を果たすのか。また、現在の警備課の人員の九十八名は、ふえることなく一課と二課に振り分けられるのかどうか。そのあたりのことについて確認をさせていただきます。

中村政府参考人 お答えをいたします。

 御質問のございました複合的な事態の発生時におきましては、警備企画課や公安課も、それぞれの通常業務を継続しつつ必要な人員を災害警備本部の業務に従事させ、警備局全体で災害対応に当たるということとなっております。

 また、警備運用部の定員につきまして、現在の警備課の九十八人と比べると二十八人増員することとなりますけれども、これは、警備第一課についてはG20大阪サミット等の警備のための体制強化、あるいは警備二課については火山災害対策のための体制強化のためのそれぞれの増員でございまして、警備運用部設置そのものにまつわる増員ではございません。

 その結果、警備一課は六十四人、警備二課は六十二人となるところでございます。

篠原(豪)委員 ふえるということなんですね。

 いずれにせよ、前記の複合事態において決め手となるのは、各都道府県の動員がどのように整備をされているかということであるかということであります。

 特に、災害発生地の都道府県警察が総力体制で臨むのは、それは当たり前だと思うんですけれども、発生地以外の都道府県警察がどれだけの応援部隊を派遣することができるかが決め手となってくるんだろうというふうに思います。そうした応援体制は、第一義的にはこれは管区警察局が采配することになるんでしょうか。

中村政府参考人 お答えをいたします。

 御質問のございました大規模災害が発生した場合には、災害発生直後に派遣され活動を行う即応部隊等から成る警察災害派遣隊を他の都道府県警察から被災地に派遣をするということといたしております。

 管区警察局は、被災した地域を管轄する府県警察を通じるなどいたしまして状況の把握に努め、管轄区域の他の府県警察からの派遣部隊の動員の調整を行うほか、被災地が管轄区域内の複数の府県にまたがるような場合、そういった場合には、それらの府県への派遣部隊の配置について判断を担うということとなります。

 なお、大規模災害の中でも、複数の管区警察局の管轄区域にまたがるような、特に被害が広範囲にわたるようなもの、被害が極めて甚大なもの等につきましては、警察庁が全国的又は広域的な見地から、管区警察局の意見を聞きながら都道府県警察に対する指導、調整を直接行うということもございます。

篠原(豪)委員 西日本豪雨のときも、私もまさに、応援に行っている部隊の皆さんの姿を、スコップを持たれて車の前で一列に並んで、これからやっていくというようなところを見ていて、本当に御苦労がある中で、肉体的にも精神的にも非常に大変だというふうに思っていますし、こういう方々には本当に深い敬意を表したいと思います。また、感謝もしたいと思います。

 そういった中で、やはり大変なのは即応部隊ですけれども、これは、大規模災害が発生した場合に、今ありましたように、発災直後からおおむね二週間の期間中、広域緊急援助隊を整備して対応しているということなんですけれども、もう少しこの辺のことについて詳しく教えていただければ助かります。

下田政府参考人 お答えいたします。

 警察におきましては、大規模災害発生時に広域的な運用を行う部隊として、御指摘の警察災害派遣隊が設置されております。その中で、お尋ねの広域緊急援助隊は、当該派遣隊における即応部隊の中核として位置づけられているところでございます。

 この広域緊急援助隊でございますけれども、全国で約五千六百人体制でございます。自活能力を有するとともに、発災直後から、被害情報の収集、被災者の救出救助、また、緊急交通路の確保、また、御遺体の検視と身元確認などを実施する部隊でございます。

篠原(豪)委員 先ほどからありますように、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の場合は、このようなことも踏まえてどのような動員体制でやられるおつもりなのかということも確認させていただきます。

下田政府参考人 お答えいたします。

 東京大会でございますけれども、世界じゅうから多数の要人、選手団、観客を集める、国際的な注目度の極めて高い行事でございます。その安全かつ円滑な開催に万全を期すためには、全国警察を挙げて警備体制を確立することが必要であるというふうに考えてございます。

 具体的な警備体制については、今後、開催計画が具体化されるのに合わせて、警戒警備や交通対策に要する体制の検討を進めていくこととしてございます。

 いずれにいたしましても、大会の円滑かつ安全な開催に万全を期するため、組織委員会等の関係機関と連携して、警備計画等の作成を進める中で、必要となる体制についてしっかりと検討を進めてまいりたいと考えてございます。

篠原(豪)委員 いろいろと調整して大変でしょうけれども、頑張っていただければと思います。応援をさせていただきたいと思います。

 ちなみになんですけれども、各都道府県警の警察の人員、つまり警察官の定員はどのように決められているのか。例えば、人口に比例しているのかとか、あるいは刑法犯数や交通事故とかそういったものに比例して、きちっと調整しながら決めているのかというところを確認させてください。

中村政府参考人 お答えをいたします。

 都道府県警察の警察官の定員につきましては、各都道府県警察間の治安体制の均衡と、我が国全体としての必要な警察力の確保を図るという観点から、政令で定める基準に従いまして条例で定めているものでございます。

 都道府県警察における警察官の定員につきましては、各都道府県の人口のほか、事件、事故の発生状況、面積、その他の特殊事情等を総合的に勘案して定めているところでございます。

篠原(豪)委員 ありがとうございます。

 大体法案の概要について少しお伺いをいたしましたけれども、具体的にここからテロ対策についてお伺いをしていきたいと思います。

 元日の未明に原宿の竹下通りで暴走車が通行人八名をはねた事件を受けて、歩行者天国などの、人通りが多い、ソフトターゲットを狙ったテロが今大きな問題になっています。これは京都でもありましたし、秋葉原でもありました。松山市などでも行われました。

 車両突入は、銃規制が厳格な日本では、テロの手法として、手法と言っていいのかわかりませんけれども、大きな脅威であるというふうに思います。このことから、秋葉原や松山などでは、過去に暴走事件が起きた商店街では、車両突入防止用の柵とか、あとは手動の昇降式の金属製ポールが設置をされましたけれども、これは費用が高額だと聞いています。ですので、導入が日本全体ではなかなか進みづらいという実情があるんだと思います。

 このため、警視庁は、機動隊や警察車両を使った人海戦術というか、先ほど聞いたところはこのところなんですけれども、にどうしても頼らざるを得ないというところがあって、警察の皆さんの、人間の力だけに頼った措置というのを長期的に維持していくというのはなかなか難しいんじゃないかと思います。

 特に、今伺いましたオリパラの現状、これからどういうふうに体制を整えていかれるかということをちゃんと調整していかれるということで、ぜひ頑張っていただきたいと思うんですけれども、ここに対して、早急なこういった面での対応も必要になってくるんじゃないかというふうに思います。自治体や商店街自身が自警警備や配置や車どめの措置といった対策を考えて、一緒にやってもらうというようなことも、次の手段として考えられるんじゃないかというふうに思っています。

 このあたりのことをどういうふうに考えていらっしゃるのか、政府の考えを伺います。

山本国務大臣 警察では、国内外におきまして、車両を凶器として使用する車両突入事案、これが発生している現状等を踏まえて、関係省庁と連携して車両突入対策を推進をしているところでございます。

 今後、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会等も控えておりますので、警察による車両阻止用資機材の活用等に加えまして、道路管理者による防護柵やボラードの設置、それからイベント主催者や施設管理者による自主警備を働きかけるなど、関係機関と十分連携をしながら、引き続いて取組を進めていくように警察を指導してまいりたいというふうに思っております。

篠原(豪)委員 ぜひ、足りないところはお互いに補って、いい警備体制ができたらいいなと思います。

 それと、先ほどカメラの話をされた委員の方もいらっしゃいましたけれども、監視カメラは、オックスフォードストリートで、イギリスでつき始めて、私も、まだあれが、二〇〇〇年に入るぐらい前ですかね、テレビの特集で、ああ、すごい監視型社会になるんだなというのをやっていて、よく覚えていますけれども、今や、もうこれは必需品ということでありまして、どこまで進んでいるかというと、二月に、皆さん、行かれた方々も多いと思いますけれども、開催された政府主催の天皇陛下御在位三十周年記念式典で、出席者の本人確認に顔認証システムを活用したというふうに聞いています。

 これは、警察庁としても、来年度から、テロ警備等で、AI、人工知能の実証実験を始めるとのことであります。特に、テロ警備では、大規模なスポーツ大会やイベント、国際会議の際に防犯カメラを設置をし、そして不審者、不審物を自動検知することができれば、これは極めて有効な手段になるんだろうと思います。

 警視庁は、去年の七月の隅田川花火大会ですか、交差点に駐車した警察車両から見物客の様子を撮りながら、一定エリアの人数を計測したり、人の移動方向を予測する実験を行ったというようなことも聞いています。

 もちろん、こうした成果を、どこまで二〇二〇年の東京オリパラにこれを活用できるかというのはまだ未知数なところもありますけれども、現時点でどのようにこれを警備に役立てていこうとしているのかしていないのか、準備状況等もあれば教えてください。

山本国務大臣 警察におきましては、御指摘の実証実験を始め、先端技術の警察活動への活用について不断に検討を行っているところでございます。

 実証実験の結果につきましては今後検証していくこととなりますけれども、いずれにせよ、東京大会等においては、先端技術の活用の観点も踏まえて、警備に万全を期するよう警察を指導してまいりたい、このように思っておるところでございます。

篠原(豪)委員 ぜひ頑張ってください。済みません。失礼しました。大先輩に申しわけありません。応援したいという意味でございまして。

 二〇二〇年のオリパラですけれども、これは開催がもう間際です、来年ですからね。

 今度は、鉄道に対するテロの強化策。これは、航空機の場合と同様に、乗客を対象とした手荷物検査が必要かどうかということ、やはりこれは議論しなければいけないんだと思っています。

 確かに、鉄道の手荷物検査は、やり始めれば、乗客の出入りにこれは時間がかかる、設備の設置スペースの確保が現実的に難しいとか、かなり高いハードルがあるのじゃないかというふうに思います、私も。鉄道会社の協力もなかなか得られないというところが御苦労があるんじゃないかというところも仄聞しています。

 ですので、ただ、大変痛ましいお話でしたけれども、新幹線で火を放ってみたいなことが、ちょっと本当に大変なことが、ちょっとしたことが起きると非常に難しいことになってきますので、特に二週間しかない大会になりますので、その辺のことがありますので、少し、実現に向けての進捗状況というのがもしあるのであれば、これも教えていただければと思います。

下田政府参考人 お答えいたします。

 鉄道におけるテロ対策につきましては、昨年六月に発生いたしました東海道新幹線車内殺傷事件を踏まえまして、同年七月、内閣官房を中心に、新幹線において緊急に講ずべき対策が取りまとめられるなど、鉄道事業者と連携した取組が進められているところでございます。

 警察におきましては、列車警乗、また、駅での巡回、立哨を行うとともに、専門的な観点から鉄道事業者に対する指導助言を行っているところでございます。

 乗客を対象といたしました手荷物検査につきましては、鉄道事業者において御判断いただくべきことと承知しているところでございますけれども、警察としては、引き続き、鉄道テロ対策を進める観点から、鉄道事業者、関係省庁と連携を強化してまいる所存でございます。

篠原(豪)委員 ぜひよろしくお願いします。

 そういった中で、ちょっと報道に接しまして、西武鉄道では、昨年の十一月に、AIを搭載した警備ロボットを使った実証実験を西武新宿駅で実施したということでありました。AIを搭載したカメラで人の動きを把握をし、不自然、不審と判断した場合には駅員さんに通報するシステムということでありました。もちろん、これは手荷物検査には遠く及びませんけれども、でも、これはこれでブレークスルーになるだろうようなシステムであると思いますし、実際そういった実証実験をやっている会社さんもあるということで、この技術開発をやはりしっかりと支えていくということが大事だと思っています。

 こうした方面についての努力を今なさっているところがあれば、こちらについてもお伺いをいたします。

山本国務大臣 鉄道に対してのテロというのは本当に悩ましいことだと思っておりまして、それに対しての強化を必ずや図っていかなければならないと思っております。

 今お話しのことでございますけれども、警察活動におきましても先端技術の活用というものは大変重要な課題であるというふうに認識をいたしておりまして、例えば、警察庁においては、来年度にAIを活用したカメラ映像の分析等に係る実証実験を予定するなど、具体的な取組を進めているというふうに承知をいたしております。

 今後、実証実験の結果も検証しつつ、その活用に向けた検討を更に進めるとともに、それ以外の先端技術の動向にも関心を持って、警察活動の高度化を図っていくよう警察庁を指導してまいりたいと思っております。

篠原(豪)委員 また、技術という意味では、ドローンですね。最近のドローンの飛行技術、これは格段に進歩しています。本当に、十年前から考えれば、全く考えられなかったものが飛んでいるというふうに思っています。

 それで、GPSによる長距離自律飛行とか、ドローン搭載カメラのライブ映像による精密な遠隔操作ももう可能になっている時代でありまして、こうした最新型のドローンは、重要施設への物理的な、首相官邸の上にドローンが載っかっていたことがありましたけれども、重要施設への物理的なテロの手段としても悪用されかねない状況にあると思うので、二〇二〇年のオリパラに対して、警備上のこれは結構脅威になるんじゃないかなというふうに思っています。

 私でもすぐに買えますからね。ちっちゃいのだったらトイザらスで売っていますからね。そこに重いものを載せられるかどうかわかりませんけれども、そういったレベルの、手に入りそうなので、これを阻止するには、ドローンの飛来を早期に探知して重要施設への突入を阻止する仕組みや、一定の地域に飛行そのものを禁止する措置が必要と考えていますけれども、このあたりについてはどのように今対策が進んでいるのかを教えていただければと思います。

下田政府参考人 お答えいたします。

 警察におきましては、ドローンの所在地を特定する検知器、また、発見したドローンに対処するジャミング装置、迎撃ドローン、ネットランチャー等の資機材を活用するなどして、違法に飛行するドローンによる危害を排除することとしているところでございます。

 一般に、ドローン対策資機材につきましては、委員御指摘のとおり、海外製のものを含め、さまざまなものが研究開発されているところ、引き続き、ラグビーワールドカップ、オリパラ東京大会等を見据えながら、その確保に努めてまいりたいと考えているところでございます。

 また、御指摘の、一定地域に飛行そのものを禁止措置を講ずるということでございますけれども、政府におきまして、本年三月五日、小型無人機等飛行禁止法等の一部を改正する法律案を閣議決定して国会に提出してございます。

 本案でございますけれども、ラグビーワールドカップ二〇一九、あと二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の安全実施等に向けて、小型無人機等飛行禁止法等の関係規定を改正するということでございます。早期の成立に向けて、関係省庁と連携してまいりたいと考えてございます。

篠原(豪)委員 できる限り、一年半ですから、本当にしっかりと、できるところまで備えていただきたいと思いますし、備えあれば憂いなしということでありますので、どうぞよろしくお願いします。

 それから、もう一つ、テロということで考えると、欧州諸国で今、アルカイダとかISがインターネット上で発出をする幹部の声明等を通じてテロを呼びかけて、これはもう何年かありますけれども、それに、過激派組織に属さない、いわゆるローンウルフと言われているテロリストたちが影響を受けて、多くの場合、自力でテロを実行するといった事件が多発しています。

 こうした事件の背景には、もちろん欧州諸国と日本というのは、植民地にしていた国の住民が独立後も宗主国に移住して住みついているとか、故郷と密接に行き来しているとかいう事情とかというのが欧州にはあるかもしれませんので、したがって、こういう、活動をする中東周辺から影響を同様に受けるというのは、日本では比較的そのリスクは、もちろん欧州諸国に比べれば低いというふうに思いますけれども、一方で、今日ではそうした地域にも多くの日本企業が進出して利害関係を築いている事情もありますので、全く影響を受けないということも言えないんだと思います。

 そういった中で、このローンウルフ型のテロの事件の可能性について、また、このことに対して今どのような評価をしているのかということをあわせて教えていただければと思います。

下田政府参考人 お答えいたします。

 現下の国際テロ情勢でございますけれども、昨年五月にインドネシア・スラバヤにおきまして連続自爆テロ事件が発生したり、また十二月にはフランス・ストラスブールのクリスマス市における銃撃テロ事件が発生するなど、厳しい状況にございます。また、ISILやアルカーイダ関連組織を始めとするテロ組織や過激主義者らは、インターネット上の各種メディアやSNSを利用したプロパガンダを通じて過激思想を広め、世界各地でテロを実行するよう支持者に呼びかけている、そういう現状にございます。

 そうした中、平成二十八年七月に発生したバングラデシュ・ダッカにおける襲撃テロ事件を始め、これまでも国外において邦人がテロの犠牲となる事案が発生していることや、ISIL等が我が国や邦人をテロの標的として繰り返し名指ししていることなどから、議員御指摘のようなテロの脅威も含め、我が国に対するテロの脅威は継続しているものと認識してございます。

篠原(豪)委員 ここに対してどのような備えをしていくのかというのは、これはなかなか難しいことだと思いますけれども、そのあたりについて何かコメントが補足であれば、いただければと思います。

下田政府参考人 お答えいたします。

 このような情勢を踏まえまして、警察では、二十七年六月でございますけれども、警察庁の国際テロ対策強化要綱というものを作成してございます。この中で、外国治安情報機関等の緊密な連携による情報収集の分析の強化、また、入管、税関等と連携をいたしました水際対策、また、官民一体となったテロ対策の強化、また、各種部隊の充実強化等による国内におけるテロ等発生時の事態対処能力の強化といったものを政策を推進しているところでございます。

 今後とも、テロ対策に万全を期してまいりたいと考えてございます。

篠原(豪)委員 テロ組織がプロパガンダを使って、わからない方を、なかなか捕捉しづらい、把握しづらい方が突然脅威になるといったようなことが、インターネットの時代というのは、すごい時代が来たんだなというふうに思います。遠隔操作ですから、世界じゅうどこでも、やろうと思えばできるということでありまして、先ほどもサイバーセキュリティーの話もありましたけれども、オリパラが迫る中で、日本政府がサイバー攻撃に備える体制を急ピッチで備えていただくというのは非常に大事なことであります。

 私が、サイバーセキュリティー担当の大臣に質疑で、去年なられたばかりのときに伺ったときには、防衛大綱というのを知っていますかという話をしたら、知っていますと。その中身のサイバーについてはどういう話をしているんですかと言ったら、年に何回か、外務大臣と防衛大臣と話をしていますと。それは大綱が変わる前なんですよ。なので、何もしていないんだなというのが、何もしていないに近いんじゃないのかなというような感想を、ショックを受けたということがありますので、やはりこれはちょっと、そういうことを外国に発表していくと、この国はもしかしたら簡単なんじゃないかと。私はそう思わないですよ。これは非常に戦略的にもよくないことですし、その辺はきちっとやっているんだということをやはりこれは皆さんに伝えていくことが抑止効果を高めるということにも私はつながるんだと思います。

 そういった中で、日本政府がサイバー攻撃に備える体制を急ピッチで進めているということを報じられていまして、去年の十二月ですか、二カ月か三カ月前、さまざまなサイバー攻撃を想定した世界最大規模の演習を実施したとされています。私はその前のときに質疑をさせていただいて、海外に出ている作戦には日本は参加しないのかと言ったことを覚えていますけれども、そういったことがありました。

 先ほどの質疑の中でも、CS対処調整センターを設置をし、そして大会運営にかかわるCS戦略を統括するということになっています。

 こうしたサイバーテロ対策は、今、どういう規模の演習を実施をして、これから日本というのが、どのような対策を打って、どの程度進んでいるかということを少し教えていただければと思います。

山内政府参考人 お答え申し上げます。

 委員の御質問にありました演習でございます。

 サイバー攻撃等があった場合に障害が発生をいたします。この障害が発生した場合の対応体制の強化を図る目的で、昨年の十二月十三日、重要インフラ事業者等、これは政府機関も含みます、合計三千七十七名が参加をいたしました分野横断的演習を開催してございます。この演習は、内閣サイバーセキュリティセンターが主催をいたしました。

 来年、恐らく、このオリンピック・パラリンピックの直前になりますが、同じような時期に、またこの横断的演習を開催をしたいというふうに思っているところでございます。

 それから、東京大会に向けてでございます。

 これは、閣議決定、昨年の七月にされましたサイバーセキュリティ戦略に基づきまして、関係する組織の的確な情報共有、例えば脅威の情報、それから何かインシデントが発生をした場合にすぐさまに情報の共有をすること、それから、困っている方がいる場合の対処調整、それから、そういう方々を支援をするといった役割を担うサイバーセキュリティ対処調整センターを今年度末を目途に構築をいたします。

 それから、大会運営に不可欠なサービスを提供する方々に対してどのようなリスクがあるかということを評価をいたしまして、これによって明確になりますリスク、残りますリスクをどう進めるかということを支援をする、こういう取組を今進めているところでございます。

 残り一年半弱ということでございますので、関係府省、関係機関と連携をして備えております。

篠原(豪)委員 時間が来ましたので終わらせていただきますけれども、生活安全局長、ちょっとそこまで行かなくて申しわけありませんでした。

 災害もしっかりと対応していただきたいと思いますし、テロに対しても、我々もしっかりと応援をさせていただきたい。頑張っていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

 きょうはありがとうございました。

牧原委員長 次に、初鹿明博君。

初鹿委員 おはようございます。

 立憲民主党の初鹿明博です。引き続き質問をさせていただきます。

 きょうは警察法の一部改正する法律案の審議ですけれども、その前に一点、先に、三月六日の参議院の予算委員会で、立憲民主党会派の小西議員に対して横畠内閣法制局長官が、声を荒げて発言するようなことまで含むとは考えていないという答弁をしたことについて質問をさせていただきたいと思います。

 きょうは長官にもお越しいただいております。

 この発言、すぐに長官は、委員会が中断をして、評価的なことを申し上げたことは越権で、おわびをして撤回させていただくという、謝罪をして撤回をしているわけでありますが、この発言に対して、野党各党、辞職を求める強い批判をしております。また、いろいろな識者の意見でも、かなり批判的な意見も多く出ているわけですね。特に、自民党の中からも、伊吹元議長も、少し思い上がっているんじゃないかという発言をしております。派閥の会合で、安倍総理大臣の配下にいる人間が国会議員に対して間違っても言ってはいけない、あり得ないことで、少し思い上がっているのではないか、こういう、与党からも批判が出ているわけであります。

 内閣法制局の長官というのは、これはまさに法の番人と呼ばれておりまして、政府の活動を行う上で法的な妥当性を担保するという非常に重要な役割を担っているわけであります。

 先ほど山内先生から、「崩れる政治を立て直す」という、牧原出さんの、委員長と同じ名字の牧原出さんの本を今お借りをいたしたんですが、その中でも、内閣法制局について、内閣に属しながらもこれに対して独立性を保ちつつ、法令、条約案を形式面で徹底調査をする組織が内閣法制局である、また政府の憲法解釈について、国会で長官が答弁することで政府の憲法解釈を確定する組織でもある、こういう位置づけをしておりまして、憲法解釈は、政権と与野党が国会審議の中で合意を蓄積しつつ確立するのであり、内閣と国会との実質的な共同作業であった、その際に法律解釈と答弁の能力に関しては、長官は、首相、内閣はもちろんのこと、野党からの信頼を得ることが不可欠である、こういう記述があるんですね。

 さらに、このような内閣法制局は、その高度な専門技術によって、行政部内の法令を審査し管理するのみならず、与野党の間に立つ調停者でもある、首相のもとに法令分野でこれを補佐する強力な官僚集団であり、野党との間でも調停者として機能することが、これは自民党長期政権の安定を生み出す一つの基盤であった、こういう評価をされているわけです。

 つまり、内閣法制局そしてそのトップである長官というのは、政権の中の一部ではありますけれども、一員でありますけれども、あくまでも野党と政権との間の真ん中にきちんと立って、中立的な立場に立たないといけないというふうに思うわけですね。

 その上で、横畠長官について一言申し上げさせていただければ、戦後一貫して歴代内閣が引き継いできた集団的自衛権の憲法解釈について、安倍総理が行いたい政策の意図に沿うような形で憲法解釈の変更を行った、そういう張本人なわけです。

 先ほども紹介したこの本にあるとおり、憲法解釈というのは国会の審議の中で与野党が質問をやりとりする中で積み上げられていくものであるべきなのに、それを、一内閣、一総理の一存に見合うとおりに解釈の変更をしたというのは非常に問題であるというふうに思います。

 そういう背景を持った長官が、これは憲法学者などからも非常に強い批判を受けたわけですよね、立憲主義をないがしろにしているんじゃないか。そういう長官が野党の議員をやゆをするような発言をした、それは非常に私は問題ではないか。

 あの前段の質問で、小西議員は法の支配について質問をして、法の支配の反対の言葉は何ですかというのを総理に質問をしておりました。残念ながら、安倍総理、知らなかったみたいなんですが、反対の言葉は人の支配です。つまり、法の支配というのは、法律にのっとって政治が行われる、これが法の支配でありますけれども、人の考えに基づいて政治が行われる、それが人の支配であって、そうなってはならないようにするために内閣法制局というものがあり、そのトップに長官がいるわけです。ところが、人の支配になっているんじゃないかという疑義が持たれるような憲法解釈の変更をした、その横畠長官があのような発言をしたというのは私は非常に問題だ、そういうふうに思うわけですね。

 まず最初にお伺いしますけれども、何でこんな発言をしたんですか。わざわざこのようなことを言う必要もなかったと思います、答弁を見る限り。まず、なぜこの発言をしたのか、その真意を教えてください。

横畠政府特別補佐人 一昨日の参議院予算委員会における私の発言は、国会での審議の場における国会議員の発言に関して、声を荒げて発言するようなことと評価的なことを申し上げたものであり、行政府にある者の発言としてまことに不適切なものでありましたので、おわびをして撤回させていただいたところでございます。

初鹿委員 私が聞いたのは、何でこの発言をしたのかですよ。安倍総理に批判的な発言をしていた小西議員が気に入らなかったからなのか、それとも、そもそも小西議員が気に入らなかったからなのか、それとも、野党の議員に対しては何を言ってもいいという、そういう意識があったのか、こういう発言をすれば安倍総理が気に入ってもらえるんじゃないか、そういう意図があったのか、一体どういう意図で言ったのかを説明してください。

横畠政府特別補佐人 御指摘のような意図は全くございません。

 この答弁は、国会における調査権といいますか質問権に関するお尋ねでございました。そして、それに対して、もちろん政府の側はお答えする立場にあるわけでございますけれども、私が申し上げてしまったことは、あたかも国会における質問のあり方、態様につきまして、声を荒げるようなというふうなことを申し上げてしまったわけでございまして、その点につきましては、質問を受ける政府の側で何か申し上げる、評価するべき事柄ではなく、国会、委員会において評価されるのが適当な事柄でありまして、そこについてまで質問権の行使の仕方、質問のあり方について申し上げてしまったということは誤りであったので、越権であるということで、撤回しておわびをさせていただいたところでございます。

初鹿委員 与党の議員の皆さんも、これは余り軽く考えちゃいけないと思いますよ。今の答弁の仕方、見ましたか。ちょっとにやにやしながら答弁をしていて、本当にこの自分の発言が、民主主義の国にとって、議会制民主主義の国にとって非常に問題のある発言だという認識を持っているとは全く思えない、そういう発言だと思うんですよね、今の答弁の仕方を見ていても。

 もう少し、自分が発言してしまって、与党、野党を問わず、国会議員に対して、選挙で選ばれていない、中立を守らなければいけない立場の官僚、しかも、その中でも、法制局の長官というように、国の政策が法律にきちんと適合しているか、それを担保する役割の人間が言うべき発言じゃないということをきちんと心していただきたいと思います。

 改めて申し上げますけれども、一体、自分の発言がどれだけ日本の議会制民主主義をないがしろにするようなことになったのかという、そういう認識をきちんと持っておられますか。

横畠政府特別補佐人 先ほどお答えしたとおり、国会における質問のあり方についてまで政府にある者として言及してしまったということについては、まさに不適切でございますので、おわびをして撤回させていただいたところでございます。

初鹿委員 本当に反省してもらいたい、本当に心から反省してもらいたいと思いますよ。今の発言を聞いていても、本当に心から反省しているとは思えないんですよね。

 では、この質問者が仮に与党側の議員だったら、ああいう発言をしましたか。しなかったでしょう。やはり野党の議員だからあのような発言をしたのは間違いないと思います。そうであるとしたら、やはり法制局の長官が中立性を明らかに損なっているというのは非常に問題だと思いますので、改めて、横畠長官には、自分の出処進退についてもう一度しっかり考え直していただくようにお願いをさせていただきます。

 では、質問に移らせていただきます。

 では、長官、ここで結構です。

牧原委員長 横畠長官、御退室ください。

初鹿委員 それでは、次は、警察法の一部を改正する法律案について質問させていただきます。

 今回の法改正は、組織を、警備運用部という部を設置をすることと、中国と四国の管区警察局を統合するという、この二つの大きな組織改編でありますので、基本的にそこに異論を挟むつもりはないんですけれども、まず、もともと警備課というものがあったものを二つの二課体制にして部に繰り上げる、この意義や、それによって何が変わるのかということを御説明いただきたいと思います。

山本国務大臣 お答えをいたします。

 大規模災害の発生時や、あるいは大規模行事に伴う警備を実施している期間においては、警備局の局部長級職員のうち一名は、全国警察の部隊指揮等にほぼ専従とならざるを得ないという現状がございます。現体制では、警備局長等が、部隊指揮等に専従する役割と、それから関係省庁との調整を担いつつ通常業務の継続を確保する役割、これを分担し、困難な局面を乗り切っているのが実情でございます。

 近年の災害の発生状況を踏まえると、大規模災害が同時期に発生したり、あるいは大規模行事に伴う警備を実施している期間中に大規模災害が発生したりするような事態の発生は当然想定をしていかなければならないと思っておりまして、そのような事態におきましては、部隊指揮等に専従する局部長級職員が二名以上必要となることから、現体制のままでは関係省庁との連携や他の業務の継続を担う者が確保できなくなる、そういうおそれが高うございます。

 このため、警備運用部を新設して、新たに部長職を設けることにより、大規模災害や、あるいは大規模行事に伴う警備、通常業務の継続等を的確に実施をすることができるようになる、このように認識をしているところでございます。

初鹿委員 今まで局長が全体の指揮もやるし、関係省庁との連絡調整などにも当たっていた。これを二人に、局長と部長とをつくることによって役割分担ができる、そういう説明だったと思います。

 それに加えて、恐らく、関係省庁との連携のときに課長を出すわけにいかないというのがあるんですよね。やはり、部長級を出さないとなかなか調整ができないし、あと、都道府県警察に対して指揮命令をしていくときに、課長級だと、都道府県の県警本部の方は、本部長は部長級、局長級の方で、なかなか後輩が先輩に指示を出すというのは難しい、やりづらいというのが組織としてあったということなんだろうというふうに思います。そういう面では、この部を設置をするというのは私も前向きに捉えているんですね。

 ただ、これによって四国が割を食ったんじゃないかという印象を持つんですよ。皆さん方、説明に来られた方は、もともと四国は犯罪発生件数が少ないとか、そういう理由もあったり、この前の豪雨災害のときの対応などを考えると、中四国一体で取り組めるように一緒にするんだという説明でしたけれども、指定職を一つふやせれば、そうすることもなかったんじゃないか。

 四国の知事さんたちからすると、やはり、自分たちのところが中国に統合されて、広島に管区警察局が行ってしまって、自分たちは支局になるというのは、若干、捨てられたというような、捨てられたとは言い過ぎかもしれませんが、そういう印象にもなりかねないわけで、私は、今の組織の状況からして、管理職をふやすというのはなかなか難しいのかもしれないんですけれども、やはり必要なところは必要だというのを堂々と主張をして、そして、ふやすことをするべきではないかなというふうに思いますが、国家公安委員長、いかがですか。

山本国務大臣 私も四国・愛媛県の出身の議員でございまして、当初、この話を聞いたときには若干の違和感もございましたが、しっかりとした説明を聞きまして、これはやはりこういうふうに統合した方がいいなということを感じるようになってまいりましたけれども。

 組織改正のあり方は、従前から不断に検討しているものでございまして、中国と四国については、近年、社会経済活動が一地域にとどまらずに広域化している現状、橋も三本できました、本当に広域化しているわけでありますけれども、そういう現状や、また、昨年の七月豪雨のように、複雑かつ長期の対応を要する災害が増加していることに加えまして、今後発生が懸念される災害の見通し等も踏まえて、今般、両地方の管区警察局を統合するとの結論に至ったところでございます。

 他方、警備運用部の設置につきましては、東京オリンピック・パラリンピックの開催を前に、近年の災害の発生状況を踏まえて、大規模警備実施中に大規模災害が発生するなどの複合的な事態においても警察庁が的確に指導、調整機能を発揮できるようにするために必要である、このように判断したものであって、結果的に、このタイミングで同時にこれらの組織改正を行うことになったというふうに理解しております。

初鹿委員 四国の方々が不安に思わないように、四国の体制だけは万全に整えていただきたいと思います。

 では、ちょっと法案からは離れて、一般質疑の行われた質疑の内容について、少しフォローをしていきたいと思います。

 資料をお配りをしておりますが、一枚めくっていただいて、東京新聞、三月六日の記事をごらんになっていただきたいと思います。見出しは「ギャンブルは娯楽か」というふうになっておりますが、これは、大阪府と大阪市で高校三年生へ配った啓発のチラシについての記事なんですね。

 現物は、後ろに、めくっていただいて、裏表つけております。大阪府と大阪市が、ギャンブルにのめり込まないために、そういうタイトルでチラシを配布をしたわけなんですけれども、この中身が、本当に、何というんですかね、ギャンブルにのめり込まないようにさせるためなのかどうなのかというのに疑問に思うようなことが書いてあるんですよね。

 この新聞にも書かれているんですけれども、例えば、裏をめくっていただくと、「ギャンブルとの付き合い方」というところがあるんですが、ギャンブルは、生活に問題が生じないよう金額と時間の程度を決めて、その範囲内で楽しむ娯楽ですと書いてあるんですよね。確かに娯楽という面はないとは言えないと思いますけれども、こういう書き方をすると、適当に遊ぶ分には構わないから、まあやってくださいよと。

 それでまた、「Q5」の、ギャンブル依存症が治るかどうかというクエスチョン、「治るのでしょうか?」というところに、風邪やけがのような治り方をするものではありませんが、さまざまな助けや理解によって、ギャンブルなどに頼らない生き方をしていくことができます、回復することは可能ですと言い切っちゃっているんですよ。まあギャンブル依存症になっても大したことないから大丈夫ですよと普通とれちゃいますよ、この書き方だとね。これは私はやはりいささか問題じゃないかなというように思います。

 一昨日、基本方針案が関係者会議で示されたということなんですが、この基本方針案に、ぜひ、やはりこういう、ギャンブルは娯楽だとか、ちょっとやる分には構わないよみたいなことを啓発の中に入れるということは慎むべきだということをちゃんと基本計画の中に徹底してもらいたいと思うんですよ。

 何でこんなチラシになっているのかということなんですが、皆さん、どこが出しているのか見てください。これはIR推進局が出しているんですよ。つまり、カジノをこれからやりましょうという側がつくっているわけですから、カジノをやる側からすれば、どういうことになるかといったら、できるだけお客さんには来てもらいたい、まあ依存症にならない程度にはお金を使ってくださいよと考えているところがつくるからこんなことになるわけで、やはり、IRを推進する部局が絶対にギャンブル依存症対策はやっちゃいけないと思いますよ。ぜひ、ここを基本計画の中ではっきりさせていただきたいと思います。

 特に、この治るかどうかというところですけれども、こんな、回復することは可能ですなんという書き方をするのではなくて、やはり、ギャンブル依存症は、一度かかると完治はしません、ただ、自助グループなどの助けを得てギャンブルをとめ続けることで回復は可能ですというようなぐあいに、簡単には治らない、簡単にはというか、治らないんですよ、ただ、やめ続けることは可能なんですという、そういう書き方にしてもらいたいというふうに思うんですね。

 ぜひ、計画、今、案が示されて、パブリックコメントをとって、最終案にまとめていくことになると思いますが、その中で、IRを推進する部局が依存症対策を同時に行うことは、これはやってはいけないということをきちんと明記をしていただきたいと思いますが、いかがですか。

中川政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま初鹿委員御指摘の、大阪府市のIR推進局がつくっておりますこのリーフレットにつきましては、これは大阪府市のIR推進局が作成されたものでございますので、今、国の行政の立場でコメントすることは差し控えたいと思いますけれども、最後に初鹿委員が御指摘の点につきまして、我々が理解しておりますところは、大阪府におきましても、依存症対策を強化する事業そのものの司令塔となっているのは大阪府の健康医療部、その地域保健課でございまして、そして一方、御指摘のこの大阪のIR推進局は、庁内の関係部局ということで、大阪府の中ではこの整理をされているものだというふうに考えてございます。

 したがいまして、昨年議員立法で成立させていただきましたギャンブル等依存症対策基本法の中におきましても、都道府県等は、都道府県のこの計画を作成する努力義務が課せられておりますし、また、地方公共団体の責務も明定されております。そういうことを踏まえて、地方公共団体においても、都道府県等においても、適切にこれから対応がされるよう、そういう計画をつくっていきたいというふうに考えている次第でございます。

初鹿委員 では、依存症の対策をやる部局じゃない推進局がつくっちゃって学校に配ったということに今聞こえたんですけれども、進める側がこういうチラシをつくること自体やはり慎むべきじゃないかなということを指摘をさせていただきます。

 一枚めくっていただいて、次に、企業主導型保育について質問をさせていただきます。ちょっと時間がなくなってきたので、早口にさせていただきますが。

 前回、山尾議員が質問の中で、この企業主導型保育事業の監査をパソナがやっているのは問題じゃないかという指摘をいたしました。パソナは、パソナ自体では保育の事業をやっていないけれども、パソナフォスターという関連会社が保育の事業をやっている。こういう保育の事業を関連会社がやっているようなところが監査するのは、やはり公平性、中立性ということに問題があるんじゃないか、そういう指摘だったんですね。

 これ、ただ単に運営をパソナフォスターがやっているだけじゃないんですよ。これはホームページをつけさせていただきましたが、見てください。企業主導型保育事業のページがあって、その一番下に「パソナフォスターができること」と書いてあって、下線を引かせていただきました。「開設計画策定」「設計・施工のアドバイス」「助成金申請のアドバイス」、そして八番目は「保育園開設後の運営コンサル」と書いてあるんですよね。

 保育園開設後の運営コンサルということだと、いろいろ運営する中でいろいろコンサルすることはあると思いますが、その中で必ず出てくるのは、監査のときの対応をどうするのかというのが必ず入ってくると思うんですよ。私も福祉施設をやっていますから、やはり監査のときに、どういう書類をきちんと整えておかなければいけないのかとか、監査する人がどういう視点で見ていくのか、これを知っていることが非常に事業者にとっては有効なわけですよ。そういうコンサルを関連会社がやっている。これはやはり公平性に問題があるんじゃないかと思いますよ。

 それで、この前、担当者に、では、コンサルをやっている施設、パソナがコンサルした施設を把握していますかと言ったら、把握していないということなんですよね。つまり、パソナがコンサルをしたかもしれない、した保育所に対してもパソナが監査をしている、そういう可能性は非常に高いんです。皆さん、これは問題だと思いませんか。

 そして、次の、一番最後の紙を見ていただきたいと思いますが、二枚載せていますが、これは東京都しごと財団が主催をしたセミナーなんですね。「企業主導型保育施設「建築士による設計・建築のポイント」セミナーのご案内」、裏は「保育施設設置支援オープニングセミナー」というのが書いてあって、ここは、内閣府も行って、企業主導型保育事業についての説明をしているんですよ。

 これ、それぞれ見てください。一番下、見てくださいね。主催は東京しごと財団ですけれども、「実施:株式会社パソナ」と書いてあるんですよ。監査するところが、こうやって保育園を開設すればちゃんとつくれるんですよ、こういうやり方をすればスムーズにつくれますよ、そういう指南をセミナーでやっている。そこが監査をするというのは、やはり私はあり得ないと思うんですよね。

 皆さん、まず、この事実をどう受けとめているのかをお聞かせください。

小野田政府参考人 お答えいたします。

 まず、委員今御指摘の平成二十九年五月のセミナーでございますけれども、実施としてパソナとなってございますけれども、これは、まず、東京しごと財団が主催者としまして、イベント運営をパソナに委託したということでございまして、いわゆる裏方というふうに我々は認識してございます。

 恐縮でございますが、そもそもこの企業主導型保育事業の枠組みでございますけれども、まず内閣府が企業主導型保育事業の実施団体を公募いたしました、その公募に当たりまして、応募条件の一つとしまして、みずから又は関係企業が企業主導型保育事業を実施しないことという条件をつけさせていただきまして、これに該当するという条件のもとで、現実施団体である協会を選定しているところでございます。

 その上で、児童育成協会が実施する企業主導型保育事業の指導監査業務の委託事業者を協会が公募するに当たりまして、保育事業を行っていない者であることということを参加資格の一つとした上で、幾つか、例えばその指導監査の質を確保するための具体的な取組が計画されているかなどの観点を踏まえて公募をし、応募のあった中から株式会社パソナを選定したという経緯でございます。

 ただ、実際の監査に当たりましては、株式会社パソナのグループ会社であるパソナフォスターが運営している企業主導型保育施設に対しましては、公正性の観点から必ず協会が監査に入る、あるいは、パソナによる監査終了後には、復命会を必ず開催し、監査の実施内容を協会において検証、監査の公正性の確保を図っているところでございます。

 ただ、協会が指導監査業務を委託された事業者の関連会社がコンサルティングを行うなどの点につきましては、指導監査業務に関して利益相反を排除し中立性を確保していく上で課題はあると認識してございます。

初鹿委員 最後に課題があるというふうに言いましたけれども、やはり、そもそも実施主体が自分で監査ができないということに問題があるんだと思いますよ。特に、監査をする団体は、民間企業だとやはりいろいろなところとの取引との関係もあるので、これは公的なところがやはり監査を行う必要があると思います。

 ですから、そもそも実施主体も児童育成協会が本当にふさわしいのかということも含めて見直しを行っていかなければならないということを指摘をさせていただき、またこの問題については取り上げさせていただきます。

 質問を終わります。

牧原委員長 次に、森田俊和君。

森田委員 国民民主党の森田俊和でございます。

 質問、二十分のお時間をいただきまして、ありがとうございます。

 きょうのお時間では、前段で、まず警察官の数、あるいはラグビーワールドカップへの対応ということで伺わせていただき、また、後半では、警察官の働き方のことについてお伺いをさせていただければなというふうに考えております。山本国家公安委員会委員長、よろしくお願いいたします。

 今、埼玉県を扱った映画で「翔んで埼玉」という映画をやっておりまして、これは埼玉県を徹底的に不当に扱っているという、そういうことの映画なわけなんですけれども、私も見てまいりましたが、東京に入るのに通行手形が必要とか、いろいろ埼玉県民としては、笑っていながらもちょっと内心悔しい思いをする、そんな映画でございます。

 ただ、何で「翔んで埼玉」の話をさせていただくかというと、警察官の配置のことで、埼玉県が、不当な扱いを受けているとは言わないまでも、ほかの都道府県に比べるとかなりその水準が違っているんじゃないかな、そういうことがございまして、まず最初にお尋ねをさせていただきたいなと思っております。

 どういうことかというと、例えば、東京との比較でいきますと、これは首都ですからどうしようもないんですけれども、人口でいくと埼玉のおよそ二倍、刑法犯についてもおよそ二倍、警察官の数でいうと四倍、まずこういうことがあります。ですから、埼玉県と比べると人口割にして二倍ぐらいの、首都ですからしようがないですけれども、二倍の開きがまずある。

 では、大体人口規模が同じの愛知県と比べてみるとどうかなというところなんですけれども、そうすると、これが、人口は、愛知県の方が埼玉より若干多い、七百万ちょっとですけれどもね。刑法犯も、大体同じですけれども、埼玉県よりちょっと多い。警察官は、二千名多い。こういうことになっています。

 では、映画の中で言っているところのライバルである千葉県と比べてみるとどうかというところなんですけれども、しようがないです、これも。海があったり、空港があったり、一大レジャー施設があったりしますので、これはしようがないんですけれども、人口でいうと、百万人少ない、千葉県の方が。刑法犯、これは一万件少ない。に対して、警察官が七十六名多い。こういうことになっておりまして……(発言する者あり)まあ、そうですね、いろいろ理由はわかります、理由はわかりますが、この辺のところを、人口の百万人の差に対して七十六人多く配置されている、いろいろな背景があるにしてもこれはどうなのかなというふうにいつも埼玉県民として思っているところでございますが、山本委員長、いかがお考えでございますか。

山本国務大臣 森田委員の郷土愛あふれる御質問にお答えをさせていただきたいと思います。

 警察におきましては、治安情勢の変化等を踏まえつつ、人的基盤の強化を進めてきたところでございます。例えば、ストーカー、DV事案等の人身安全関連事案対策や特殊詐欺対策の強化等を図るため、平成二十七年度から二十九年度までの三年間で合計三千人の地方警察官の増員が措置され、この間、埼玉県警察に係る政令定員については、合計で百八十九人の増員が措置されたと承知をいたしております。

 ただし、今ほどお話しのとおりでございまして、埼玉県警察官の一人当たりの負担状況、これは、全国平均は一人頭五百人が平均でありますけれども、埼玉県の場合には六百四十五人ということで全国一位ということでございますから、その点は我々もしかと頭に入れておかなければならないというふうに思ってもおります。

 引き続き、徹底した業務の合理化を推進するとともに、御指摘のような情勢に応じた体制の強化を含め、すぐれた人材の確保や育成など人的基盤の充実強化を推進し、国民の安全、安心の確保に努めるよう指導してまいりたい、このように思っておるところでございます。

森田委員 ありがとうございました。

 すぐに増員というわけにはいかないと思います。二十七年から二十八年に行くときに六十四名の増員であったり、二十九年に行くときにまた六十四名増員であったり、先ほど、百八十九名増というようなお取り計らいをいただいたというお話がございましたけれども、先ほどの一人当たりの負担する県民の数でいくと、平均五百人に対して六百四十五人、そういうお話もございましたので、ぜひこのあたりのことを御配慮いただければ大変ありがたいなというふうに思っております。

 それで、ことしは九月にラグビーのワールドカップがございまして、私の住んでおります熊谷でも開催をする、開催地の一つになっているということで、三試合が行われるということがございます。先ほどの、ないない尽くしの埼玉県ではないですけれども、空港もないし、大きな国際会議をやるような会場があるわけでもないし、何かサミットがあるわけでもないし、何か国際的な行事があるということについては、非常に関係者は不安に思っているというところでございます。

 まずは国レベルの対応についてお伺いをさせていただければと思いますが、例えばテロだとかといっても、じゃ、誰がそのテロに関係するのかというのも、それは警察の中では情報共有がなされているかもしれませんが、全く、県とか市のレベルでいくと、何の話なんだろうなという状況でございまして、いろいろな関係者の協力が必要だと思っております。

 例えば、国の中でいうと、出入国の管理であれば法務省であったりとか、あるいは、外国のチームあるいはお客様を大変大勢お迎えするということで外務省の関係であったり、あるいは、行き来、交通輸送ということを考えれば、鉄道だとか道路だとか、こういうところは国土交通省との連携であったり、また、場合によっては、いざというときのことで防衛省との連携というのも必要になってくるのかなというふうに思っております。

 まずは、警察庁と関係省庁の連携であったり、あるいは警察庁とそれぞれの都道府県警とのかかわり、こういったところをどのように対応されていらっしゃるか、あるいはいくお考えかをお聞かせいただければと思います。

山本国務大臣 ラグビーワールドカップ二〇一九は、東京大会の前年に開催される国際的に大変に注目をされる競技大会でございまして、警察としても、その安全かつ円滑な開催の確保は非常に重要なことであると認識をいたしております。

 このため、警察庁では、政府に設置をされた関係府省庁連絡会議に参画するなど、関係省庁と連携し、セキュリティー対策や交通対策を含む、大会の安全かつ円滑な開催に向けた取組を推進しておりますほか、関係都道府県警察とも平素から連携しながら、警備諸対策を推進しているところでもございます。

 今後とも、関係省庁、大会組織委員会、会場を管轄する関係都道府県警察と緊密な連携を図りつつ、ラグビーワールドカップ二〇一九の安全かつ円滑な開催に向け、万全を期してまいりたい、このように思っております。

森田委員 ありがとうございます。

 連絡会議を開いていただいて、対応を検討していただいているということでございます。

 もうちょっと下のレベルといいますか、現場に近いお話をさせていただくんですが、今度は、県の中で、県警と、それから県、埼玉県とのこと、あるいは地元開催市の熊谷市との関係でございます。

 熊谷市では、ラグビーのワールドカップ推進室というものを設置しまして、いろいろな準備をしている。例えば来年度予算、市の予算でも、テロへの備えということで、いろいろな資機材を購入する予算として千八百万ぐらい予算をつけていたりということで対応をしておりますが、二万四千人のお客様をいかに円滑に安全に、先ほどございましたが、大会でお迎えし、そしてお送りするかということは、非常に大きな課題だというふうに認識をしております。

 ぜひ、県とか市との、県警との連携についてどのようにお考えか、お聞かせいただければと思います。

下田政府参考人 お答えいたします。

 ラグビーワールドカップ二〇一九大会の安全かつ円滑な開催を図るため、ラグビーワールドカップ組織委員会が中心となって、関係自治体や都道府県警察等と連携し、大会準備を加速化しているところでございます。

 警察におきましては、関係自治体と緊密に連携をいたしまして、一つは、競技場内外のセキュリティー対策、また、競技場周辺における交通対策等の諸対策を推進しているところでございます。

 今後とも、関係自治体や組織委員会等と緊密な連携を図りつつ、ラグビーワールドカップ二〇一九の安全かつ円滑な開催に向けて万全を期してまいりたいと考えてございます。

森田委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 先ほど申し上げたとおり、なかなか、国際的な大きなイベントというのに、地元市あるいは県も含めて、なれていないということがございます。

 今回、この熊谷会場の特徴としましては、駅からちょっと距離があるということがありまして、熊谷駅から会場までおよそ三・五キロ。これをバスでメーンで回していくということで考えておりますけれども、例えば、関係する駅も、メーンは熊谷駅と籠原駅に加えて、東武線の森林公園とか羽生とか太田とか、そういう近隣のところまで含めて、およそ三百台のバスの輸送でこの二万四千人の方をどうさばくかということで、今、計画を立てておるということでございまして、ふだんない量の交通量、あるいはバスですから大型だということもありまして、非常に緊密な連携のもとで安全に輸送ができるかどうかというのは関係者の心配するところでございまして、ぜひ、警察の方でも、このあたりについても特段の御配慮をお願いできればなというふうに考えております。

 また、歩く方も、三・五キロ、いらっしゃるかなと思っておりまして、非常に雑踏警備等も含めて人手も要ることになるかなと思っておりますので、このあたりについても、あわせて御配慮をいただければなと思っております。

 また、この関連事項で、来年開催される東京オリンピックでございますけれども、過去の大会もございました。昭和三十九年の東京オリンピックを始め、冬季でありますけれども札幌とか長野とか、こういった過去の大会もございましたけれども、こういったところからの何か引継ぎとか教訓とか、こういったものが来年に生かせるものがあるのかどうなのか、このあたり、どのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。

下田政府参考人 お答えいたします。

 警察では、まず、最近の大会ということで、ブラジル、韓国等に職員を派遣して、最近のオリンピック大会のセキュリティー上の課題、そしてまた、その課題への対策について聴取をしてございます。

 また、御指摘のございました、昭和三十九年に開催されました東京オリンピック大会につきましても、情勢は現在とは大きく異なりますけれども、さまざまな課題について、どのような対策を講じたのかということについて確認をするなどしているところでございます。

 いずれにいたしましても、警察といたしましては、過去の大会につきましても参考にしながら、東京大会の安全かつ円滑な開催に向けて、必要な諸対策を推進してまいりたいと考えてございます。

森田委員 どうもありがとうございました。

 引き続き、ぜひ、安全、円滑な諸大会の運営にお力をいただければなと思っております。

 続けて、警察官の働き方の件についてお伺いをさせていただきたいなというふうに思っております。

 これは、働き方改革の中で、ほかの省庁のことについてもお伺いをさせていただいたことがありまして、警察官の勤務というのは、非常に過酷な現場を持ち、いろいろな状況に対応しなければいけないという中でございまして、超過勤務等の状況であったり、その対応というのをどのようにやっていらっしゃるのかなというふうに思っているわけでございますが、このあたりについて御所見を伺えればと思います。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 地方警察職員の超過勤務を含めた勤務管理につきましては、各都道府県警察において適切に行われるべきものと認識をいたしております。

 具体的には、職員が働きやすい職場環境を整備するために、各都道府県警察において、例えば、超過勤務縮減に向けた業務の効率化、合理化、あるいは職員のライフスタイルに応じた早出、遅出勤務等の積極的な運用、さらには職員の出産休暇や育児休業等の取得の奨励等、仕事と育児、介護の両立支援、そういったことにつきまして、それぞれの現場の実情も踏まえながらさまざまな取組を行っているというふうに承知しております。

森田委員 ありがとうございました。

 私が、もうOBになっている警察官の方にいろいろ伺ったんですけれども、基本的には交番なんかは三交代制ということで、朝から勤務を始めたら翌朝までがまずは勤務だと。その日は非番ということになるんですけれども、場合によると夕方ぐらいに退勤、帰宅するというような状況もあったりする。三日目は休みになるというようなことですけれども、何かあったらもちろん不眠不休の夜通しの勤務になってしまうということもありまして、こういったところ、大変、先ほども申し上げたとおり、勤務形態としては、日常を送るということを考えますと、不規則な勤務でもありますし、それからいろいろな難しい事情、今いろいろな方もいますので、難しい中での御勤務であろうなというふうに考えております。

 そこの関連で、長期休業をされていらっしゃる方というのはどのくらいいるものなんでしょうか。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 平成二十九年度中で、いわゆる心の病気で一カ月以上休んだ警察職員、これは全国で約千六百人ということでございます。

森田委員 ありがとうございます。

 私が、その知り合い、OBになっている方の奥さんなんかにもお話を聞いたりしたんですけれども、やはり、なかなか家族の時間であったり、あるいは子供にかかわる時間であったり、休日ゆっくり休めずに、また土日も返上して勤務をされているなんていうこともあったりということで、その方は夫婦円満で退職をされたわけですけれども、中にはそうじゃない方もいらっしゃるということもあり、今言われているようなワーク・ライフ・バランスということを考えますと、非常に難しい勤務状況であるんだろうなというふうに考えております。

 私も、自分で個人的に介護の仕事に携わっておりまして、いつも職員にどういうふうにいい状態で働いてもらおうかなというふうに考えておるところでございますけれども、いろいろ私が勉強した中で、満足度を上げるということと不満を減らすということは違うんだ、そういうお話がございまして、不満を低くするというのは、いわゆる勤務条件といいますか、例えば、給料がちゃんと出るとか休みがとれるとか、あるいは設備、備品がちゃんと整っているとか、そういうことがあるわけでございますけれども、じゃ、満足度を上げるというのは何をすればいいかといえば、例えば昇進ですね、地位が上がっていくとか、責任ある立場の仕事をするとか、やりがい、生きがいのある仕事をするとか、こういうことで満足度を上げていくんだと。

 ですから、勤務ということを考えますと、不満を減らし、要するに勤務条件をちゃんと整え、そしてやりがいのある職場にしていく、その立場に応じたやりがいのある仕事をしていただくということが必要になるんだろうなというふうに思っております。

 ぜひ、ほかの省庁も含めてでございますけれども、今、少子化の中で、かなり人手という意味では減ってきているのが世間の事情でございまして、これは、公務員といえども、いつまでも今までと同じようにはやっていられないという事情もあるんではないかなというふうに考えております。

 そういったことを踏まえて、よりよい、働きやすい環境づくりということに関してどのようにお考えでいらっしゃるか、山本委員長の御所見を伺えればと思います。

山本国務大臣 第一線の現場におきましては、国民の安全、安心を守るために、警察職員が日々、これは昼夜を問わずということでございますけれども、さまざまな事件や事故への対応に当たっているところでございます。

 警察庁を管理する国家公安委員会の委員長として、こうした警察職員が夢や誇りを抱き、士気高く自信を持って職務執行できるような、働きやすい職場環境を整備することは大変重要であるというふうに認識をいたしております。

 引き続き、一人一人の警察官が生き生きとその能力を遺憾なく発揮できるよう、職務の効率化、高度化に取り組み、ワーク・ライフ・バランスを確保するための施策の充実に努めるようにしっかりと指導してまいりたいと思っております。

森田委員 何かあるときには過酷な中でお世話にならなければいけない職員の皆様でございますので、ぜひそういった国民の皆様の感謝の気持ちなんかも耳に入るような機会も多く持っていただけると、よりその仕事に具体的なやりがいを持っていただきやすいんじゃないかなというように考えております。

 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

牧原委員長 次に、大島敦君。

大島(敦)委員 衆議院議員の大島です。

 今回の警察法の改正案について、何点か質問をさせていただきます。

 まず、地元で警察官の方、交番の職員の方、本当に一生懸命仕事をしていただいておりまして、今の詐欺事件、特殊詐欺事件についても、各町内会あるいは老人会の集会に出ながら、最近こういう詐欺事案があるので気をつけてくださいということを一生懸命にアナウンスしていただいたり、あるいは、国家公安委員長の地元でもそうだと思うんですけれども、夏祭りのときとか、道路を歩行者天国にするときの対応とか、非常によくしていただいているということに感謝を申し上げながら、何点か質問をさせていただきたいと思います。

 まず、警察法については、基本的な考え方は、警察の民主的な管理と政治的な中立性の確保というのが警察法の大きな論点だと思っています。昭和の二十二年、旧警察法ができて、昭和の二十九年に新しい現行警察法ができました。その中でも変わっていないのが、一つは、国家公安委員会のあり方だと思います。

 現行の警察法で初めて国家公安委員長が設置をされて、それで政治が初めて国家公安委員会の中に入るということになって、それまでは完全独立した国家公安委員会が警察行政を、民主的な管理と政治的な中立性を確保するために働いていたと理解をしております。

 そこで、まず、国家公安委員会が私はキーだと思っていまして、国家公安委員長は国家公安委員会には参加はするんですけれども、議決権は基本的に持っていない立場です。国家公安委員会の五人のメンバーが結構大きな権限を持っていて、特に人事権についての、まず冒頭、説明をお願いいたします。

中村政府参考人 お答えをいたします。

 警察庁長官並びに警視総監及び警察本部長を含む都道府県警察の警視正以上の階級にある警察官につきましては、国家公安委員会が任免をすることとされております。

 なお、警察庁長官につきましては、内閣総理大臣の承認を要することとされているほか、都道府県警察の警視正以上の階級にある警察官については、都道府県公安委員会の同意を要します。また、警視総監につきましては、更に内閣総理大臣の承認を要することとされているところでございます。

大島(敦)委員 組織に属する人、職員として一番どこを見て仕事をするかというと、やはり人事権者の意向をしっかり酌みながらということになると思います。

 ですから、国家公安委員会でどういう議論が行われているのか。これは、国家公安委員会だと、大綱をしっかりつくる、あるいは国家公安委員会がその時々のテーマについてしっかりとどういう議論を行っているかということについて公開をし、そしてそのことによって、各警察の組織がしっかりとそれを見ながら運営していくということになるとも思いますので、その点につきまして、国家公安委員長、御所見がございましたら、質問通告はしていないんですけれども、御答弁いただければ幸いと存じます。

山本国務大臣 委員御指摘のとおり、国家公安委員会における議論の状況、これを速やかに公表していくということは非常に大切でございまして、議事の透明化を図ること、そして警察庁を管理する国家公安委員会としての責務を果たす上でもこれは極めて重要なことであるというふうに思っております。

 そのような認識のもとで、国家公安委員会では、会議の日時、出席者、会議における案件名等を記載した暫定版のものを速やかに今公表しておるところでございますが、一方で、議論の詳細な状況については、出席者への発言内容の確認をする作業が必要であることから一定の時間を今要しておるところでございまして、実は私も、その議事録の出方が遅いぞというふうに何度か指摘したこともございまして、委員とも問題意識を共有しております。

 できるだけ丁寧に作成の上、可能な限り速やかに公表してまいり、そのことが国民の皆様方に伝わるように努力をしてまいりたいと思っております。

大島(敦)委員 前向きな答弁ありがとうございます。国家公安委員会での議事の要旨及びその細目についてしっかりと公開することが、警察行政全般についての一つの、先ほど申し上げました民主的な統制と政治的な中立性によるかと思います。

 特に、その政治的な中立性に付言すれば、警察法の中でこういう記載がありまして、国家公安委員会の五人のメンバーのうち三人以上は同じ政党に属してはいけないという規定があって、恐らくそれは、旧警察法で、当時のマッカーサー氏始めGHQの指導によってこの規定が設けられたと思います。

 この五人の国家公安委員会のうち三人以上は同じ政党ではいけないということは、五人の国家公安委員会のメンバーはやはりさまざまな立場の方をしっかりと任命するということが多分前提になっているかと思いますので、その点も、国家公安委員長、今後配慮していただければなと考えております。

 それでは、法律について何点か質問をさせていただきます。

 一点は、今回の改正案で、警察支局に関する改正に関し、警察支局に支局長を置くことを法に規定することを、この理由について政府参考人から、特に、今回のここの書きぶりなんですけれども、一つには、民主的な統制を考えれば法定事項として明記するという考え方もあって、法律の中に今回の支局を位置づけて、その都度改正で行うという考え方が一つある。一方で、政令に委ねるという考え方なものですから、ここの政令に委ねたその理由について御説明していただければと思います。

中村政府参考人 お答えを申し上げます。

 警察支局の名称、位置等につきましては、委員御指摘のとおり、法律に規定することもできないわけではございません。

 ただ、警察庁としては、以下申し上げるとおり整理をいたしておるところでございます。

 すなわち、一般に行政組織につきましては、全て法律で規定するのではなく、段階に応じて政令、府省令等で定めることとされておりまして、警察支局に相当する他省の地方支分部局の支局については、いずれもその名称や位置は政令以下で定められております。

 警察法におきましては、ただ、他省の地方支分部局の本局に相当する管区警察局について、その名称、位置等を法律で規定するという特殊性を有しております。他省庁の規定の仕方とは異なる点でございますけれども、これについては、管区警察局長について、第一線において警察活動を行う府県警察を指揮監督する権限を有しているという点を踏まえまして、法律で規定されているものと承知しております。

 これに対しまして、警察支局は、府県警察を直接指揮監督する権限はございません。管区警察局長の命を受け、その補佐をする組織であるという性格に鑑みまして、他省の設置法の規定の仕方と同様とすることが適当であると考えたところでございます。

大島(敦)委員 先ほど述べたとおり、警察というのは、これは権力行政を行うところで、他省庁の並びとは若干違うところがあります、他省庁は権力行政じゃないので。ですから、権力行政を行うために国家公安委員会が設置をされ、国家公安委員長がいらっしゃるんだけれども議決権は持っていない、こういう仕組みになっています。

 ですから、今回の法律の書きぶりについて、やはり権力行政を行っているという観点で書くべきだったのではないかなと思うものですから、その点について今後の法改正の中でも念頭に置いていただきたいなと思うんですけれども、答弁できれば答弁してください。

中村政府参考人 支局の設置につきましては、ただいま答弁を申し上げたとおりでございますが、ただいま申し上げた考え方、すなわち、第一線において警察活動を行う府県警察を指揮監督する権限を有しているという点を踏まえて法律に上げているという管区警察局長の考え方、そういったものと整合的に、今後、組織改編をする場合においても、そういった観点で検討をしてまいりたいと考えております。

大島(敦)委員 国家公安委員長にお伺いをいたします。

 今、官房長から答弁がございました。国家公安委員長として、国家公安委員会に対してさまざまな論点の提供をされるかと思います。その論点の中で、今回、組織改正について国家公安委員会で十分に議論することが私は重要であるかと思っておりまして、その点について、今後の警察の組織の見直しについて、先ほど述べた民主的統制と政治的中立性、このことについてしっかり議論した上で組織の今後の改正案なり改編をしていただければと思いますので、その点についての御答弁をお願いいたします。

山本国務大臣 お答えを申し上げます。

 今ほどのお話でございますけれども、警察組織がいたずらに肥大化しないようにしていかなければならないという抑制機能が働かなければならないと思いますけれども、組織の新設につきましては、既存の機構の廃止、再編等により行うことが原則とされております。

 そういった状況の中で、警察庁の組織の新設案については、まず、国家公安委員会で議論を経た上で決定されることに加えて、先ほど申し上げましたとおり、原則に基づいて内閣人事局等による審査が厳しく行われるものというふうにも認識をいたしております。

 組織の新設等の状況につきましては、これは一般会計予算案の参照書にも盛り込まれておりますが、予算案の国会審議を通じて国会のチェックを受けることにもなっており、そのような形で進めていきたいと思っています。

 なお、国家公安委員会におきましては、五人の委員それぞれ専門分野がございまして、その委員がさまざまな分野についてかなり積極的な意見を述べていただいておるということでございますので、そういった意見を十分参考にしながら、警察行政を我々も管理していかなければならないというふうに思っております。

大島(敦)委員 ありがとうございます。

 それで、今回、先ほどの質疑の中でもございました、四国管区局を廃止して、四国に警察支局をつくるというお話で、今回の改正で、中国四国管区警察局が広島に置かれます。

 今後予想される南海トラフの地震、今、地震のおそれが多分七〇%を超えているかと思います。高知についてはトラフと海岸の距離が極めて狭くて、東日本大震災のとき、津波が来る時間は多分四十分程度かかっていたかと思うんですけれども、南海トラフの場合には瞬時に来ることになるかと思います。

 そのときに、四国にこれまで置いていた管区警察局、これは四国の各県警に対しての指揮権を持っています。これを中国の広島に移すことによって、その指揮命令が十分に機能しないのではないかというおそれがあるかと思うんですけれども、その点についての御答弁をお願いいたします。

山本国務大臣 実は、私も防災担当大臣という立場でございまして、南海トラフのことについてもさまざまな対策を練っておる最中でございます。

 管区警察局を設置する場所につきましては、委員御指摘の災害を例に申し上げれば、災害が起こる蓋然性が高い場所がどこかということもさることながら、まずは、発生した災害等に関する情報の迅速的確な収集、集約、それから、被災者の救出救助等の業務に当たる各県警察の部隊の派遣や配置に関する判断、それから、関係機関との調整の実施等の業務を行うのに適した場所とすべきものと考えております。そういった観点から、中国四国管区警察局の所在地につきましては、現在の中国管区警察局とすることが適当であると判断をしたところであります。

 その上で申し上げますならば、今回の改正により、四国地方で大規模な地震が発生した場合には、中国四国管区警察局長の一人の判断により、中国、四国両地方合わせた大規模な部隊の動員が可能になるなどの効果が期待できるところでございます。

 御懸念のような問題が生じることがあってはならないというふうに思っておりまして、このような統合のスケールメリットが十分発揮されますように、災害への迅速的確な対応に努めてまいりたいというふうに思っております。

大島(敦)委員 御答弁ありがとうございます。

 もう一点、今回の改正案の中で、警察はEBPMについて取り組むために、統計に関する改正を行っています。まず、このEBPMについて、官房長から簡単に説明していただければと思います。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 EBPM、委員御承知のとおり、エビデンス・ベースド・ポリシー・メーキング、証拠に基づく政策立案ということでございまして、警察庁におきましても、昨年四月に政策立案総括審議官を設置して、その統括のもとに各種EBPMの取組を進めているところでございます。本年度においても、政府全体の取組の一環として、例えば、実際に実施した事業について、専門家の意見を聞きながら、その現状と課題、投入予算、事業内容、実施結果、効果等を整理いたしましたロジックモデルを作成いたしまして検証するなどの取組を進めているところでございます。

 今後とも、政府全体のEBPMの推進に係る方針に沿って、各種取組のさらなる推進を図ってまいりたいと考えております。

大島(敦)委員 国家公安委員長にお伺いしたい点は、今述べたEBPM、なかなか聞きなれない言葉なんですけれども、恐らく、統計資料、エビデンスに基づいて行政を行えということだと思います。これについて今後どのような対応をとっていくのか、その前提として国家公安委員会でどのような議論があったのか、その点について御答弁いただければと思います。

山本国務大臣 長官官房の所掌事務に、統計に関する事務の総括に関することを追加することにいたしましたが、そのことに関連して、国家公安委員会におきましてはいろいろな議論が出てまいりました。

 長官官房が総括することによりどのようなことが改善されるのか、また、その業務に携わる人材についてはどのように考えているのか、そういう質問もございました。それにつきまして、警察庁からは、政策立案を行う過程で浮かび上がってくる統計に関するニーズを把握して、統計をどのように分析していくのかを長官官房においてしっかりと見ていくというような答弁がございました。それから、統計学の知識のある人材を集めたいといった旨の説明もいたしておりまして、委員からは、統計事務を長官官房が総括することにより、新たな取組に期待したいというような意見があったことも申し添えておきたいと思っております。

大島(敦)委員 続きまして、ちょっと話は前後して、前の、支局のことについて、政府参考人に伺わせてください。

 管区警察局と警察支局の役割分担について、もう一度説明していただければと思います。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 中国四国管区警察局本局につきましては、中国、四国両地方内の複数の県にまたがる事件の捜査あるいは災害等への対処に対しまして、統合によるスケールメリットを生かしつつ、より効率的に指導、調整機能を発揮する役割を担うこととなります。

 他方で、四国の警察支局でございますけれども、中国四国管区警察局長の命を受けまして、四国四県内にとどまる広域調整事務を行うほか、四国地方における、例えば、通信施設の保全管理を始めとした災害時も含めた警察通信の確保、あるいは高度な情報技術解析業務等、四国四県に近接した場所で行うことが望ましい業務を担当するということといたしております。

大島(敦)委員 昨今、先ほど冒頭述べた特殊詐欺とともにサイバー犯罪がふえていると承知をしておりまして、サイバー犯罪に利用される技術が高度化していること、審査等に当たる警察も相当高い専門知識、技術が要求されているかと思います。

 都道府県県警の体制、民間からの人事交流等を含めた専門的人材の確保、その運用方策について、国家公安委員長の御所見を伺わせていただければと思います。

山本国務大臣 高度な技術を利用したサイバー犯罪等に対処するため、全国の都道府県警察においてサイバー犯罪対策担当部門等が設置をされているところでございます。また、専門的人材の確保のために、警察大学校等における捜査員の育成、民間の技術者の積極的な登用等を実施するとともに、人材の特性を踏まえた人事配置を推進しているところでございます。

 今後とも、サイバー犯罪等への対処能力の向上に努めるよう警察を指導してまいりたいと思っております。

大島(敦)委員 サイバー犯罪あるいはサイバーテロを含めて、我が国にとって人材が極めて薄いと承知をしていて、かつ、事務系の仕事と違って、世代的に、二十代、三十代、四十代、若い方の方が対応が極めて速いということもありまして、なかなか人事の採用等については苦慮されているかと思うんですけれども、柔軟に対応しながら、犯罪ができるだけ少なくなるよう、あるいは取締りが強化されるようにしていただければと考えております。

 最後に、たまたま、今回、先ほど述べた民主的統制とあるいは政治的中立性の論文を読んでいると、当委員会で、平成十八年の六月十四日、当時の委員長が発言したのがここにありまして、

  内閣委員会理事会の総意として、先般、国家公安委員会委員に参考人として委員会へ出席し、警察に関する件として治安問題と警察改革等について意見陳述を求めました。

  内閣委員会委員の発言は、原則として要望もしくは意見表明として、質疑にわたる場合においては参考人には答弁を求めず、国家公安委員会委員長が答弁することと提案させていただきました。

  また、内閣委員会委員の発言は、参考人の意見陳述の内容を論評するものとならないよう配慮することも出席要請に当たり伝えております。

  しかしながら、当委員会における国家公安委員会委員を招致しての意見交換が、国家公安委員会より出席できないとの回答があり、実現できなかったことはまことに残念であり遺憾であります。

という委員長の発言がございまして、当時は、さまざまな警察不祥事、内閣委員会で、多分質疑の半分ぐらいがこの不祥事でして、そのときに、国家公安委員会に対して、当委員会としてやはり意見を聞こうじゃないかということが、機運がありまして、ですから、やはり政治的な中立性、そして民主的な統制が極めて大切だと思っていますので、警察の皆さんに対しては物すごく敬意を表しながらも、こういう観点で今後も委員会の運営を進めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 以上、発言を終わります。ありがとうございました。

牧原委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 警察法改正案について質問をいたします。

 最初に、山本国家公安委員長にお尋ねをいたします。

 国の機関におきまして、内部部局を改廃する際にどういう措置を行うのかということですが、一九八三年の国家行政組織法改正の際に、国家行政組織法上の行政機関である府、省、庁及び委員会の内部部局として置かれる官房、局及び部は、組織規制の弾力化の観点から、従来法律で定めていたものを政令で定めることとされました。もちろん、国家行政組織法上に警察庁があるわけではないんですけれども、ほかの役所については、部や局についてはこれは法定事項ではないという対応なんですけれども、警察庁はそうなっておりません。

 警察庁については法律で定めることが維持されておりますが、それはなぜでしょうか。

山本国務大臣 御指摘のとおり、府省の内部部局の設置等については、かつて各省設置法等において定められておりましたけれども、国の行政機関の組織編成の弾力化を図る観点から、昭和五十八年に、政令で規定することとされたものと承知をいたしております。

 そうした中で、警察庁につきましては、第一線において警察活動を行う都道府県警察の指揮監督を行う組織であることに鑑み、内部部局の設置等について国会の判断に委ねることが適当であるというふうに判断されたものと認識をいたしております。

塩川委員 都道府県県警の指揮監督を行う、こういう観点で国会の関与ということなんですが、それはもう少し解説するとどういうことなんでしょうか。

中村政府参考人 お答えをいたします。

 警察庁は、捜査等をみずから行うことはございません。ただ、捜査等の警察活動を行う都道府県警察の指揮監督を行う組織、そういうことに鑑みてということでございます。

塩川委員 いま一つよくわからないんですが、指揮監督を行うから法定事項という、政令事項ではない、その違いがわかるように説明してもらえますか。

中村政府参考人 失礼いたしました。

 お答え申し上げます。

 警察庁が、個人の権利と自由を保護し、公共の安全と秩序を維持することを任務といたします警察組織の中央機関であるということでございまして、先ほど申しましたとおり、捜査等をみずから行うことはないものの、捜査等の警察活動を行う、特別の機関であるということから、警察の内部組織の設置、改廃については、従前どおり国会の判断に委ねることが妥当であると判断したというふうに以前も国会で答弁させていただいていると思います。

塩川委員 いや、過去の答弁はいいんですけれども、要するに、よくわからない。ほかの府省については政令事項にしたのに、法定のままに残しているというのが、特別な機関だからという、そこの理由がもうちょっとわかるように説明してもらえないですか。

中村政府参考人 捜査等の警察活動というのは、個人の権利と自由にかかわるものでございます、それに影響を与えるものでもございます。そういったことから、そういったことを行う都道府県警察の指揮監督を行うということは、いわば国会の御判断で、民主的統制のもとで、組織については法律で規定をするということになっているものと承知をいたしております。

塩川委員 そういうことだと思います。個人の権利と自由に影響を与える、そういった警察の活動について、都道府県県警との関係でも、いわば警察庁の権限を警察庁の判断で変更するようなことというのは戒めるべきだ、それはやはり国会の関与が必要だということと、先ほどの大島さんの議論にもありましたように、民主的統制の問題があるわけです。ですから、そういった観点で、やはり国会の関与が必要だ。

 そういう点でいいますと、例えば自衛隊も、シビリアンコントロールの観点から、防衛省設置法や自衛隊法の改正のように、局、部等に相当するようなところについては国会の関与というのが法定されているという組織としてしっかり我々は受けとめて議論をしなければならない。国会の役割が重要だということを指摘したいと思います。

 ですから、山本大臣、伺いますけれども、今やりとりをしましたように、やはり警察庁の内部部局の改廃について法定化しているというのは、公権力である警察組織に対する民主的統制を確保するためだということだと思うんですが、改めてお願いをします。

山本国務大臣 まさに今、中村官房長からも答弁したとおりでございますし、また、国家公安委員会ということで、警察を監督していく、管理をしていくというような我々の立場でもございますので、今ほどの委員のお話のとおり、民主的な統制がきくような努力をしてまいりたい、このように思っているところでございます。

塩川委員 その上で、今回の法案についてですけれども、今回の法改正の一つが、警備局に警備運用部を設置するということであります。

 警備運用部は、警衛、警護、警備実施、大規模な災害又は騒乱その他の緊急事態の布告に対処するための計画及びその実施に関する事務をつかさどるということになっております。

 現行の体制は、警備局のもとに警備課が置かれており、法案成立後には、警備課を廃止した上で警備運用部を設置し、警備第一課、警備第二課を置くということを聞いております。

 こういった警備課の活動についてですけれども、警察白書を見ますと、大衆運動への警察の対応について、これらの活動を担っているのは警備課と承知をしておりますが、それでよろしいでしょうか。

大石政府参考人 御指摘の警察白書第六章第三節第五項に記載されております「大衆運動への警察の対応」につきましては、記載されている警備措置につきましては、警備局警備課が所掌しているものでございます。

塩川委員 政府は、現行の警備課の業務について、災害時の警備や大規模イベントの警衛、警護、このように取り上げておりますが、もちろん警備課の業務はそれに限定されるものではありません。都道府県警察で集団警備力によって有事即応態勢を保持する常設部隊として設置している機動隊の管理一般の事務をつかさどることも、警備課の業務であります。

 先ほど紹介しました警察白書によれば、大衆運動への警察の対応として、沖縄県辺野古移設工事の抗議行動など反基地運動、毎週金曜日の首相官邸前における抗議行動を始め、大規模な反対集会等の原発再稼働抗議行動、憲法改正等をめぐる抗議行動などを対象に必要な警備措置を講ずるとあります。これらの措置を実施しているのが警備課であります。

 例えば、岐阜県大垣市における風力発電所建設をめぐって、同県警大垣署の警備課長らが事業者の中部電力の子会社シーテックに、反対住民の過去の活動や関係のない市民や法律事務所の実名を挙げて、連携を警戒するよう助言をするとか、学歴や病歴、年齢など計六人の個人情報を漏らしていたといったことも起こっております。

 本改正案は、国民の思想信条の自由や表現の自由、集会の自由などを侵害する、そういったことにかかわってきた警備課を警備運用部へと格上げをし、体制を増員し、警備強化を図るものだということを指摘したい。

 その上で、こういった公権力を行使する警察は、高い規範意識や倫理性が求められるわけであります。

 そこで、質問をします。

 警察庁と十七都道府県警の警察官が、昇任試験の対策問題集を出版する民間企業の依頼を受けて、問題や解答を執筆して現金を受け取っていた問題についてであります。

 警察の昇任試験は、巡査部長、警部補、警部の三段階で毎年実施をされています。試験問題は、各県警、各警察が作成をしています。キャリアの人は昇任試験はないわけですけれども。こういった昇任試験にかかわって、EDU―COMという出版企業は、昇任試験の対策問題集「KOSUZO」というのを毎月発行しております。

 こういう、「KOSUZO」というのはローマ字なんですけれども、何か、ほかの大手を追い越すぞという意味がもともと何かあるらしいんですが、それはちょっと余計な話なんですけれども、目次を見ても、ショートアンサー問題ですとか法学論文とか実務論文とか、こういうことが書かれていて、試験対策の問題集になっています。二〇一八年の七月号の巻頭には、警察庁警備局警備企画課長が論文も書いているわけですけれども、こういった「KOSUZO」という問題集を毎月発行しております。全国版と県版があるということですが。

 この企業が作成をした内部資料によると、過去七年間で四百六十七人に一億円を超える執筆料が支払われていたということです。ほとんどが警部以上の幹部だった。ここに出版企業からの支払いリストがあります。個人別に集計しているリストですけれども、この受け取っている金額を多い人で見ると、四百九十九万円とか、あるいは七百十六万円とか、最も多い者は一千五百十七万円という金額を受け取っている。一千五百万を受け取っているというのは、大阪府警の現職の警視正への支払いということだそうであります。

 これは、一月以降、西日本新聞などが報道してきた問題ですけれども、山本国家公安委員長、この件について大臣はどのように対応してこられたんでしょうか。

山本国務大臣 お尋ねの件につきましては、現在、関係警察において事実関係の確認を行っているというふうに認識をいたしております。

 その上で申し上げますならば、公務員が、出版社から依頼を受けて、執務時間外に原稿の執筆を行い、その原稿料を受領することは、これは間々あることでございまして、必要な税務申告が行われるとともに公務員関係法令に抵触するものでない限りにおいては、特段の問題は生じないものと認識をいたしております。

 事実確認はいまだ全体としては継続中でございますけれども、一部の県警察においては既に事実確認を終了し、何らかの措置を要しないものであるなど、かなりのものはこうした問題のないケースに当たると考えているところである、このように承知をいたしております。

 更に確認を要すると認められる点などもございますので、引き続き、関係警察において事実関係の確認に努めていくものというふうに認識をいたしております。

塩川委員 事実関係の確認を行っているということですけれども、こういった問題については、警察への信頼性の問題にもなってくるわけです。ですから、無許可の副業の問題がどうなのか、内部文書を外に出しているという点での事務取扱との関係、そういった手続の問題もありますし、そういったことについてしっかりと全面的に明らかにすることが必要だ。

 この件については、国家公安委員会で議論になっているんでしょうか。

山本国務大臣 これは、今、先ほど申し上げたとおり、事実関係の確認を今しているところでございまして、その結果が出た段階での議論になろうかというふうに思っております。

塩川委員 まだ国家公安委員会で議論していないということなんです。

 これだけ報道されているんですから、委員の皆さんも関心を持っていると思うんですけれども、そういう話題が委員の皆さんからも出ていないということなんですか。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 この件につきましては、報道がありましたときに、国家公安委員の先生方には個別に、こういう報道がございましたということと、あわせまして、必要な事実確認をこれから関係警察で行ってまいりますという御報告をさせていただいているところでございます。

塩川委員 委員に個別に話はしているけれども、委員会の議題にはしていないということですね。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 事実確認をした上で、問題があるのであれば報告は必要かと存じますけれども、今はまだそういう確定的な状況ではございませんので、何ともお答えしがたいところでございます。

塩川委員 民主的統制の議論をしてきているわけですから、国家公安委員会としてそういうしかるべき役割を果たしてもらいたいということを申し上げます。

 事実確認を行っているということなので、どういった事実確認を行っているのかについて教えてほしいんですが、調査対象範囲ですとか調査内容について紹介してもらえますか。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 現在、関係警察におきまして、取材や報道のございました、先ほど数字を挙げられましたけれども、四百数十名につきまして、事実確認の対象といたしております。

 関係職員からの聞き取り、あるいは関係事業者への協力を求めるなどいたしておるところでございますが、いずれにしても、客観的な事実を確定させた上での判断ということになってまいりますので、どうしても関係業者の方の御協力も必要になるということでございます。そういった形で事実確認は行わせていただいているところでございます。

塩川委員 関係警察において四百数十名への聞き取り、あるいは事業者側への協力も求めているという話ですけれども、これは、関係警察というんですけれども、当事者には警察庁の幹部も含まれているんですよ。

 警察庁の幹部についても調べているんですか。

中村政府参考人 報道されたものには警察庁の職員として記載されている者もおりますので、当然、警察庁としても調べております。

塩川委員 実際に報道などでかかわった方々への取材を行ったのを見ると、実際には、警察庁の中でのやりとりでも、こういった問題集に執筆をするというのが代々引き継がれるような話があって、それが警察庁の慣習だったとか、警察庁に出向していたときに上司から割り振られたとか、理事官からの発注だったとか、組織的に行っていたんじゃないのかと、こういった指摘も上がっているところなんですけれども、そういうことについて、きちんと調べているんですか。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 報道で、疑惑として報道されている点につきましては、当然、私ども事実確認の対象といいますか内容かと存じます。

 ただ、現時点、まだ事実関係の確認中ではございますけれども、現時点で、職場の上司からいわば職務命令という形で、組織的に原稿の執筆の依頼やあっせんが行われたという事実は把握はいたしておりません。どちらかといいますと、職員が個人的な関係で他の職員に執筆を依頼したというようなケースが多々あったというふうに承知しております。

塩川委員 その辺、本当に事実関係はどうなのかということは、しっかり明らかにしていただきたいということと、実際に執筆料を受け取っているわけです。そういう場合に、いわゆる反復継続的であったり、あるいは金額が常識の範囲を超えるような報酬と判断されれば、副業に該当するわけで、これは任命権者の許可が必要なのではないのかと思うんですが、その辺についてはどうしているんですか。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 例えば国家公務員でございますと、国家公務員法第百四条に「事業に従事し、若しくは事務を行う」ということで、副業の規制がかかっておりますけれども、この内容につきましては、職員が職務以外の事業又は事務に継続的又は定期的に従事する場合をいうものとされているものと承知をいたしております。

 兼業に該当するか否かにつきましては、事実関係、今確認中でございますけれども、そこで判明した、確認された事実に基づいて、個別具体的な事実関係に即して判断をされるべきものであろうと考えておりますので、一概にこういうことであれば副業に当たるとかいうことを申し上げることは困難でございます。

塩川委員 いや、千五百万円がこれに当たるのかどうかという、そういう話なんですけれども、それは調べているんですか。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 報道されたものは、表に載っている者たちに対してその金額が支払われているというリストでございますけれども、果たしてその金額がその人物に、そのリストのとおり金額が払われているのかどうかということも含めて、事実関係を確認しないと何とも判断がつかないわけでございまして、そうしたことは客観的な事実に基づいて判断されるべきものだと考えております。

塩川委員 数十項目にわたってこういう振り込みのリストになっているわけで、一件一件は、ですから金額的には六千円とか二万円とかそういう金額ですけれども、そういうのがずっと積み重なっているわけですよ。(発言する者あり)ですから、それこそ毎日やっているのかという話も出るぐらいのこういう話であるので、こういった点について無許可の副業に当たるのではないのかといったことについても、しっかりと明らかにしていただきたい。

 関連して、北海道新聞の報道では、北海道警において、北海道公務員倫理条例に基づく贈与等報告書の提出義務のある五千円以上の計百十一件のうち、九割近くが未提出だった、条例に基づく報告が未提出だったということが指摘をされているんですけれども、こういった問題についても調べているんでしょうか。

中村政府参考人 お答えを申し上げます。

 御指摘のような報道があったことは当然承知をいたしております。

 ただ、北海道警察、これは事実確認を実際行っている主体でございますけれども、そこによりますと、北海道職員倫理規則におきましては、職員が行うものであることを明らかにして行うものの報酬のみが報告の対象とされているということでございまして、これに照らしますと、大半の職員は贈与等報告書の提出を要しないと考えられるとのことでございました。

 いずれにしましても、そのような点も含めて、更に事実関係の確認を行っているところでございます。

塩川委員 それは、倫理条例、その下部規則との関係であるんでしょうけれども、そもそも、だって、上司に隠れてやっているような話なのか、上司のそもそも指示のもとでやっていることなのか、そういったことについても、恒常的に行われている問題についてしっかりと明らかにするというのはもう大前提だということを言わなければなりません。

 それから、実際に執筆をする際に、出版社の方からは、その出典となるような内部文書を出してほしいという話も出ているということで、取扱注意文書などが出版社に流出をしています。

 こういった件については、守秘義務違反との関係も問われるんじゃないかと思うんですが、その点はどうですか。

中村政府参考人 お答えを申し上げます。

 再三にわたり恐縮でございますけれども、現在、事実関係は確認中でございます。

 ただ、いかなる文書が民間事業者側に提供されていたかということにつきまして、私ども、網羅的に把握しているわけではございません。

 といいますのは、取材を受ける過程で承知した文書を確認するしかすべがないわけでございますけれども、その確認した限りにおきましては、公務員法上の守秘義務違反に当たるような秘密が含まれる文書はなかったというふうに承知をしております。

塩川委員 かなりの内部文書が実際には執筆の際の添付の資料として出版社側に渡っているわけですから、そういった全体像についてしっかりと明らかにしていただきたい。

 この点では、河北新報の報道で、業者への提供文書について情報公開請求をした、つまり、業者に提供した文書を特定されるわけですから、それを情報公開請求を行ったら、墨塗りで出てきたと。ですから、民間の出版の事業者にはそのまま渡されているんだけれども、情報公開請求をすると墨塗りで出てくる。

 こういった文書の扱いということについて、非公開部分のある文書をそのまま業者に提供していたことになるという指摘なんですが、こういったことについてはどうですか。

中村政府参考人 お答えを申し上げます。

 そのような報道がなされていることも承知はいたしております。

 もちろん、御指摘のようなことが事実であると確認され、かつ職員からその文書が出たということの事実の確認ができたとすれば、文書管理規程等に抵触するおそれはございます。

 そのような点も含めて、関係警察において必要な事実確認を行っていると承知しております。

塩川委員 文書管理規程に反するのかどうか、守秘義務違反に当たるのではないのか、こういったことについてしっかりと確認をしてもらいたい。

 あわせて、私が言いたいのは、警察がそもそもまともに文書を出さないというところが問題だと思うんですよ。ですから、本来、ほかの役所であれば出してもいいような内規ですとか取扱文書というのはあるのに、警察はそこも含めてきちっと出してこない。こういうことこそ改めて問われるわけで、警察としての情報公開のあり方をこの際にしっかりと見直す、このことも求めておきたいと思います。

 こういう業者との関係でも、接待などを受けていたという報道もあるんですが、そういったこともちゃんと調べているんでしょうか。

中村政府参考人 お答えを申し上げます。

 御指摘のような報道がなされていることは承知いたしております。

 まだ現時点、先ほどから申し上げていますとおり、必要な事実確認を行っている最中でございますけれども、現時点におきまして、関係警察においてそうした事実は確認されていない。

 いずれにしましても、関係業者、その当時、民間事業者の方の御協力も必要なことでございますので、その点ももちろん事実確認の対象ではございます。

 ただ、しっかりとやっていきたいと思っておりますけれども、今の段階では、それについて、事実としては確認されたものはないということでございます。

塩川委員 多額の執筆料をもらっているといった際に、きちんとした所得の申告がされているのかということも問われるので、そういった、脱税にもかかわるような、そういう話にもなりかねない。そういったこともちゃんと調べているんですよね。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど北海道の規則の話がございましたけれども、国家公務員につきましては、贈与等報告書が義務づけられております、一定金額以上でございますけれども、一定の職員についてですね。あわせて、確定申告も、二十万超の雑所得がある場合には確定申告がなされなければならない。そういった諸手続について、きちっと履践されているものかどうかにつきましても、もちろん事実確認の対象とさせていただいております。

塩川委員 こういったことについて、既に報道で明らかになったのは二カ月前なんですよ。ですから、しっかり調べるのはいいんですけれども、いつまでにこれを明らかにするのか、そこをはっきりさせてもらえないですか。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど大臣から御答弁ありましたとおり、既に事実確認が終了している県もございます。また、間もなく終了する見込みの県もございます。その一方で、対象者が多数に上り、また、民間事業者の御協力を得なければ事実関係の確認ができないものもございまして、現時点で、調査といいますか、事実確認の終了の確たる時期を申し上げることは不可能でございます。

塩川委員 最後に大臣に伺います。

 今、ずっと、るる確認をしてまいりましたけれども、地方公務員法や国家公務員法で禁じられている無許可副業や公文書流出の懸念、また、脱税ですとか業者との癒着も問われている。こういう問題について、しっかりと真相究明を明らかにする、この点を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。

山本国務大臣 先ほど来申し上げておりますとおり、関係警察で事実確認を行っている最中でございます。早期にこの事実確認を行った上で、必要に応じて適切な対処がなされるよう警察を指導してまいりたい、このように思っております。

塩川委員 終わります。

牧原委員長 次に、浦野靖人君。

浦野委員 日本維新の会の浦野靖人です。よろしくお願いいたします。

 今回の法律案、東京オリンピックもそうですけれども、国際会議、さらに、いわゆる万博、いろいろな大きなイベントが日本で行われます。

 特に、きょうは、警備体制の強化ということで、今回の法案にも絡んでおりますG20のことについて少し聞いていきたいと思っております。

 大阪でG20が行われることになりました。これは、当然非常に大きな、各国の要人が集結する国際会議ですから、このことについて聞きたいんですけれども、APECが過去に大阪では行われたことがありました。我々も、当時、非常に大がかりな警備体制をしかれたというふうに記憶をしています。今回のG20に関して、これは大阪府警、もちろん大阪府警だけではないと思いますけれども、日本の警察の実力をしっかりと示す機会と思っていますけれども、警備体制、万全と言えるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

下田政府参考人 お答えいたします。

 G20大阪サミットでございますけれども、まず一つ、主会場が所在する咲洲でございますけれども、多くの住民が居住するとともに、多数の企業のほか、フェリーターミナルが所在するなど、社会経済活動が活発に営まれているということ、また、大阪市内中心部に所在する複数のホテルに各首脳が宿泊することが想定されているところでございまして、警備を実施すべき箇所が多数に及ぶことが予定されているところでございます。

 このような警備環境の中、全国からの警察官の派遣を含め、必要な体制を確保し、G20大阪サミット警備に万全を期してまいりたいと考えてございます。

浦野委員 よろしくお願いいたします。

 全国から応援が来られるということで、地元の私どもの選挙区の警察の皆さんも、非常にもう今既に緊張されておりまして、どれぐらいの人数が応援に入るのかというのはまだ定かではないと思いますけれども、二万人以上は警察だけでも応援体制をとるんじゃないかというふうに仄聞をしています。

 二万人以上となると、かなり受入れ体制も大変だと思うんですけれども、この連携体制、しっかりとちゃんととれていらっしゃいますか。

下田政府参考人 全国から大阪に派遣される警察官でございますけれども、体制については現在検討中でございますが、この警察官は、大阪府警察本部長の指揮を受けて警備に従事するということになります。そして、御指摘の部隊間の連携も含めて、大阪府警察において適切な運用がなされるものと承知をしているところでございます。

 安全の確保は会議の成功の大前提でございますので、全国警察一丸となって、G20大阪サミット警備に万全を期してまいりたいと考えてございます。

浦野委員 最近のいろいろな、国際会議に限らず、どういった脅威があるのかということなんですけれども、今どういったそういうような脅威を想定をされているのか、まずお聞かせいただきたいと思います。

下田政府参考人 お答えいたします。

 G20大阪サミットは、三十七の国と機関の首脳等が参加するなど、国内外の多くの要人が参加するものでございます。

 過去には、サミット等の大規模イベントの開催中や期間前にテロ事件やサイバー攻撃事案が発生していることなどを踏まえると、同会合を標的としたテロやサイバー攻撃、また右翼による違法行為等が発生する可能性は否定できないところでございます。

 これらの情勢を踏まえ、G20大阪サミット警備に万全を期してまいりたいと考えてございます。

浦野委員 最近、日本は島国ですので、銃器とか、そういう銃とかは、余りそういった数もなかなか入ってきにくいですし、そういったものを使ったテロ、爆弾とかそういうものを使ったテロというのは世界的に見てもかなり抑えていけることになるのかなとは思っているんですね。

 ただ、最近そういった、そういう国際会議を狙ったものではないですけれども、ただ単に、本当に、人通りを狙って、例えば車で突っ込むだとか、あとは、今これは軍需産業でも開発が物すごいピッチで行われていますけれども、ドローンですね。ドローンなんかは兵器としての用途というのは非常に今幅広くて、いろいろなものが出てきているというふうにも言われています。

 もちろん、プラスサイバーテロ。サイバーのテロというのは、本当にこれからもどんどんどんどん脅威は増していますし、こういった、サミットの関係機関とかインフラ事業者に対してのサイバーテロというのも想定されると思うんですね。

 私は、こういったものに対して、特にきょうはサイバー攻撃についての備えというのをちょっと聞かせていただけたらなと思います。

下田政府参考人 お答えいたします。

 サイバー攻撃についてでございます。

 各種の国際的な大規模イベントにおけるサイバー攻撃の発生状況や、昨今のサイバー空間をめぐる脅威の高まりに鑑みますと、G20大阪サミット等においても、会議場を始めとするサミット等関係施設や重要インフラ事業者に対するサイバー攻撃の発生は懸念されるところでございます。

 このため、警察といたしましては、個別訪問であるとか、それから、サイバーテロ対策協議会等の開催を通じて、会議場を始めとするG20大阪サミット等関係施設の管理者また重要インフラ事業者の方々とサイバー攻撃の情勢や手口について情報共有を行うなどして、事業者との連携による被害の未然防止を推進してございます。

 また、サイバー攻撃が発生した場合に、各事業者と連携して迅速に対処し、そして被害を最小限に抑えるという観点から、各事業者等の皆さんと共同対処訓練の実施による事態対処能力の向上というものの対策を推進しているところでございます。

 引き続き、関係機関とも連携をいたしまして、サイバー攻撃対策に万全を期してまいりたいと考えてございます。

浦野委員 サイバー攻撃、本当に、これは世界じゅうどこからでもしかけることもできますし、技術が日進月歩で、追いかけごっこですので、本当に大変だと思いますけれども、しっかりとやっていただきたいと思います。

 個人的には、車を使った何かそういうものが、テロというか、妨害行為が行われるのがやはり一番怖いなと。大阪はやはり都市部ですから車はたくさんありますし、簡単に車をとって、海外であったような、人の波に突っ込んでいくとか、そういうことをされると、本当に防ぎようがないと言ってもおかしくないようなものですので、本当に、どこまでそれに対処できるか、対応できるかというのは、大変だと思いますけれども、国際会議、しっかりと成功していただけるように万全を期していただきたいと思います。

 これは、新聞等で、大阪でG20が行われることを知っているかどうかという調査、アンケートをとったら、住民の七割がまだ知らないということが記事になっていました。もちろん、これから、直近になればなるほど、そういった事実は周知はされると思うんですけれども。

 APECのときでもそうでしたけれども、かなりやはり制限された記憶があるんですね。高速道路もやはりとめましたし。大阪は、地域的に、大阪府のど真ん中に大阪市という政令都市がありますので、どこに行くにしても、移動するにしても、大阪市内を通らないと行けなかったりとか、そういうふうな交通網も構築されているので、どうしても大阪市内でそういう警備を強化すると、その周辺の経済活動もかなりの影響を受けてしまうというのが大阪の特徴なんですけれども、これは、事前にやはり大分、今でもやっていただいているとは思うんですけれども、その通行禁止区域と時期、そういうのをちゃんと事前に周知していただきたいと思っているんですけれども、その点はいかがでしょうか。

下田政府参考人 お答えいたします。

 警察では、警備に当たって、住民の皆さんの御理解と御協力を得るべく、ポスターであるとかホームページ、SNS等、各種広報媒体を活用した広報活動を行ってございます。

 また、大阪府警察では、地元事業者やインフラ事業者が参画するG20大阪サミット関連の会議、若しくは講演会に参画をいたしまして、検問であるとか交通規制等の警察の取組について情報発信を行うなど、住民の皆様や地元事業者の御理解と御協力の確保に努めているところでございます。

 警察としても、引き続き、あらゆる機会を通じて警備措置や交通規制について説明を行うなどして、住民の皆さんの御理解と御協力をいただきながら、警備に万全を尽くしてまいりたいというところでございます。

 なかなか、警備措置の詳細につきましては、警備上の観点から説明をお控えすることもありますけれども、住民の皆様の御理解と御協力をいただくため、可能な限り御説明をするよう努めてまいりたいと考えてございます。

浦野委員 大阪はもちろんですけれども、日本にとっても重要な国際会議ですので、警察の皆さん、しっかりと、万全な体制を整えていただいて、成功裏に終わることを期待をしながら質問を終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

牧原委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

牧原委員長 これより討論に入ります。

 討論の申出がありますので、これを許します。塩川鉄也君。

塩川委員 私は、日本共産党を代表して、警察法改正案に対し、反対の討論を行います。

 本案は、警察庁を組織改編し、警備局警備課を警備運用部に格上げするとともに、中国管区と四国管区を統合し中国四国管区警察局を設置する等の措置を行うものです。

 警備課の業務は、災害時の警備や大規模イベントの警衛、警護だけではありません。機動隊の管理一般の事務をつかさどることも含まれております。

 このもとで、沖縄県辺野古の米軍新基地建設をめぐって、工事を強行する政府に対し抗議する住民を排除するため、警視庁機動隊が投入されています。また、風力発電所建設に対する住民運動を、岐阜県警大垣警察署の警備課長らが過激な集団に仕立て上げ、企業側に情報提供していた事件も起きています。

 警察白書では、大衆運動への必要な警備実施の対象として、沖縄県の状況を示した反基地運動、毎週金曜日の首相官邸前における抗議行動を始めとした原発再稼働抗議行動、憲法改正等をめぐる抗議行動などを挙げています。答弁で、これらを実施しているのが警備課であることを認めました。

 警察法は、責務の遂行に当たって、日本国憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたる権限濫用を戒めています。しかし、警備課は、政権の政策に抗議する大衆運動を監視し、必要な警備措置を実施することを事務としており、国民の思想信条の自由や表現の自由、集会の自由を侵害する活動を行ってきました。

 本案は、このような警備課の体制、活動を強化するものであり、反対を申し上げ、討論を終わります。

牧原委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

牧原委員長 これより採決に入ります。

 内閣提出、警察法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

牧原委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

牧原委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、平将明君外三名から、自由民主党、立憲民主党・無所属フォーラム、国民民主党・無所属クラブ、公明党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。大島敦君。

大島(敦)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明いたします。

 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。

    警察法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  本法の施行に当たっては、次の点に留意し、その運用等について遺漏なきを期すべきである。

  国家公安委員会は、今回の組織改正において政令で定めることとされる事項について厳格に審査を行うことにより、警察に対する民主的統制が図られるよう、適切に管理を行うこと。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

牧原委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

牧原委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。山本国家公安委員会委員長。

山本国務大臣 ただいま御決議がありました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。

    ―――――――――――――

牧原委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

牧原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

牧原委員長 次回は、来る十三日水曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時九分散会


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