衆議院

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第3号 令和元年10月30日(水曜日)

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令和元年十月三十日(水曜日)

    午前九時三十分開議

 出席委員

   委員長 松本 文明君

   理事 井上 信治君 理事 関  芳弘君

   理事 長坂 康正君 理事 牧島かれん君

   理事 宮内 秀樹君 理事 今井 雅人君

   理事 大島  敦君 理事 太田 昌孝君

      穴見 陽一君    安藤  裕君

      石崎  徹君    泉田 裕彦君

      上杉謙太郎君    大西 宏幸君

      岡下 昌平君    金子 俊平君

      小寺 裕雄君    杉田 水脈君

      高木  啓君    長尾  敬君

      丹羽 秀樹君    西田 昭二君

      平井 卓也君    藤原  崇君

      本田 太郎君    三谷 英弘君

      青山 大人君    泉  健太君

      大河原雅子君    中島 克仁君

      中谷 一馬君    森田 俊和君

      柚木 道義君    吉田 統彦君

      早稲田夕季君    江田 康幸君

      佐藤 茂樹君    塩川 鉄也君

      浦野 靖人君

    …………………………………

   国務大臣

   (内閣官房長官)     菅  義偉君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長)

   (国家公務員制度担当)  武田 良太君

   国務大臣         北村 誠吾君

   国務大臣

   (男女共同参画担当)   橋本 聖子君

   内閣官房副長官      西村 明宏君

   内閣府副大臣       平  将明君

   内閣府大臣政務官     藤原  崇君

   衆議院庶務部長      花島 克臣君

   政府特別補佐人

   (人事院総裁)      一宮なほみ君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  大西 証史君

   政府参考人

   (内閣官房内閣人事局人事政策統括官)       堀江 宏之君

   政府参考人

   (人事院事務総局職員福祉局長)          合田 秀樹君

   政府参考人

   (人事院事務総局人材局長)            鈴木 英司君

   政府参考人

   (人事院事務総局給与局長)            松尾恵美子君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 小平  卓君

   政府参考人

   (内閣府男女共同参画局長)            池永 肇恵君

   政府参考人

   (内閣府地方創生推進事務局審議官)        村上 敬亮君

   政府参考人

   (内閣府子ども・子育て本部統括官)        嶋田 裕光君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房総括審議官)         田中 誠二君

   政府参考人

   (厚生労働省子ども家庭局児童虐待防止等総合対策室長)           依田  泰君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房危機管理・政策立案総括審議官)            岩濱 洋海君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房参事官)           上田  弘君

   政府参考人

   (農林水産省生産局農産部長)           平形 雄策君

   政府参考人

   (中小企業庁経営支援部長)            渡邉 政嘉君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房審議官) 青木 健至君

   内閣委員会専門員     長谷田晃二君

    ―――――――――――――

委員の異動

十月三十日

 辞任         補欠選任

  池田 佳隆君     穴見 陽一君

  本田 太郎君     上杉謙太郎君

同日

 辞任         補欠選任

  穴見 陽一君     石崎  徹君

  上杉謙太郎君     本田 太郎君

同日

 辞任         補欠選任

  石崎  徹君     池田 佳隆君

    ―――――――――――――

十月二十九日

 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第一号)

 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第一号)

 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二号)

 内閣の重要政策に関する件

 公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件

 栄典及び公式制度に関する件

 男女共同参画社会の形成の促進に関する件

 国民生活の安定及び向上に関する件

 警察に関する件

 公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件(人事院勧告)

 国家公務員の再就職状況に関する予備的調査についての報告


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     ――――◇―――――

松本委員長 これより会議を開きます。

 この際、御報告いたします。

 去る五月十四日、調査局長に命じました国家公務員の再就職状況に関する予備的調査につきまして、昨二十九日、報告書が提出されましたので、御報告いたします。

 なお、報告書につきましては、同日、私から議長に対し、その写しを提出いたしました。

     ――――◇―――――

松本委員長 内閣の重要政策に関する件、公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房内閣審議官大西証史君外十二名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

松本委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 内閣委員会での大臣所信質疑、関係大臣にお尋ねをいたします。

 最初に、国家戦略特区に係る質問通告の漏えい問題にかかわって何点かお尋ねをいたします。

 森ゆうこ参議院議員の予算委員会質問通告の漏えい問題は、先週の当委員会で今井委員、柚木委員からも質疑がありました。私の方からは、いわゆる質問通告一覧表の流出問題についてお尋ねをいたします。

 政府は、森議員の予算委員会質問に関する通告一覧表の流出について事実関係をどのように認識しておられるのか、まず菅官房長官にお尋ねをいたします。

菅国務大臣 御指摘については、去る十月十五日の参議院予算委員会の通告状況を整理をした政府部内の一覧表と思われるものがツイッターにおいて画像として掲載されておるものというふうに認識をしております。承知しています。

 まずは経緯を確認することが必要でありますけれども、政府部内限りの情報が外部に流出したのであれば、あってはならないことである、このように考えています。

塩川委員 政府部内のこういった文書が外部に流出をしたということはあってはならないということですけれども、経緯の確認が必要だと言いましたけれども、何でこういうことになったのかについてのその経緯はどのように認識しておられますか。

菅国務大臣 繰り返しになりますけれども、本件は、まずは経緯を確認すること、そこが大事だというふうに思います。

 政府部内の情報が外部に流出したのであれば、先ほど申し上げましたけれども、あってはならないことであって、今後情報管理の徹底を図っていかなきゃならないというふうに思います。

塩川委員 これは政府内の文書だという認識はお持ちということでよろしいですか。

菅国務大臣 政府部内限りというふうに思っています。

塩川委員 政府内の文書が流出をしたということですけれども、北村大臣にお尋ねをいたします。

 先週の委員会の審議の中で、内閣府から質問通告が漏えいした事実はないと答弁をしていますが、この質問通告の一覧表の件というのは、その答弁に反するような事態になっているんじゃありませんか。

北村国務大臣 お答えいたします。

 私が内閣府から流出した事実はないと申し上げたのは、森ゆうこ議員からの質問通告について、内閣府から流出した事実はないことを確認したということでございます。

 なお、全ての質疑者の質問状況の一覧表がネット上に掲載された事案につきましては、経緯の確認も含め、政府全体で対応しているところと承知しております。

 以上です。

塩川委員 ですから、経緯全体を今確認中だといった際に、内閣府がかかわっていないと言えるんですか。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 今大臣からお答えさせていただいたとおり、森ゆうこ議員からの質問通告については確認をいたしております。

 松井議員の件につきましても調べてございますが、いずれにせよ、本件は改めて政府全体で確認をしている最中でございますので、現段階で、この件についての事実認識については、政府全体の対応が確認をされてからというふうに認識をしております。

塩川委員 ですから、大臣に聞きますけれども、政府全体で確認中だというときに、内閣府が関係ないと言えるんですか。

大西政府参考人 国会業務の関係者を対象とした確認作業を始めております。国会業務関係者を対象とした確認作業は、内閣官房から各府省庁に対して確認を依頼したところでございます。それは、内閣府を含むものでございます。

 具体的には、参議院の予算委員会の理事会におきまして問題とされました、十月十五日の通告状況に係る一覧表を外部の一般人に提供した者がいるかどうかにつきまして、各府省庁職員に確認してもらっているところでございます。

塩川委員 いや、答えてもらっていないんですけれども。

 大臣、いかがですか。内閣官房から流出した事実はないという話を先週されていましたけれども、しかし、この質問通告一覧表については政府全体で確認中だということですから、そういった事実がないと言えないんじゃないですか。

北村国務大臣 お答えします。

 繰り返しになりますけれども、私が内閣府から流出した事実はないと申し上げたのは、森ゆうこ議員からの質問通告について、内閣府から流出した事実はないことを確認したということでございます。重ねて恐縮でございますが、そのような認識をしております。

塩川委員 質問通告一覧表について流出した事実はないということについても確認しているということなんですか。

村上政府参考人 事実関係で申し上げます。

 森先生の質疑に先立ちまして、松井孝治先生と内閣府職員の間に直接コンタクトがあったかどうかという点については既に確認済みでございまして、これについてはないことは確認してございます。

 ただ、一覧表全体ということにつきましては、政府全体としての確認が必要ということでございますので、現状についての評価は差し控えさせていただきます。

塩川委員 政府全体で確認中ということですから、内閣府から流出した事実はないということについて断言できるのかということについては、確認中だからというだけの話ですけれども、大臣としていかがですか。もう一回。

北村国務大臣 お答えします。

 繰り返しになり恐縮でありますけれども、私が内閣府から流出した事実はないと申し上げたのは、森ゆうこ議員からの質問通告について、内閣府から流出した事実はないことを確認したということでございます。

塩川委員 質問通告一覧表の話を聞いているんですけれども、その点についてはどうですか。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 大臣から答弁させていただいているとおり、流出した事実がないというのは、森ゆうこ議員からの質問通告について申し上げたものでございます。

 全質疑者の質問状況の一覧表につきましては、森ゆうこ先生の当日までに松井孝治先生御本人と接触があったかどうかという問題は別にして、政府全体として対応している最中でございますので、その件につきましては、政府全体としての対応が出た上で政府としての対応を検討するということかと思います。

 以上でございます。

塩川委員 ですから、改めて、北村大臣が内閣府から流出した事実はないと言った点と、でもこの質問通告一覧表の話は別だということでは、それはわかっていますよ。わかっていますけれども、その点について、責任がないとは言えない、責任が問われる場面というのも出てくるんじゃないのかと。そういったことについてしかるべき責任をとるというお考えはありませんか。

北村国務大臣 お答えします。

 繰り返しになりますけれども、政府全体として対応しているところでありますから、私の立場からコメントすることは差し控えさせていただきたい、そのように思います。

塩川委員 質問通告漏えい問題というのは、国会の行政監視機能を妨害するものであり、議員の質問権を侵害する重大問題であります。

 改めて、こういった、政府として、北村大臣としての責任を明らかにするということが求められる、このことをまず最初に申し上げて、国家戦略特区にかかわって報道されている問題について、北村大臣にお尋ねをいたします。

 毎日新聞の六月の報道にも出てくる株式会社特区ビジネスコンサルティングについてお尋ねをいたします。

 二〇一五年の一月の十六日、国家戦略特区ワーキンググループは、地域限定美容師の創設、外国人美容師の解禁という特区提案について、特区ビジネスコンサルティングからヒアリングを行っております。この特区ビジネスコンサルティングというのはどういう会社でしょうか。

村上政府参考人 事実関係ですので、私からお答えさせていただきます。

 同社は、政策の企画、調査やコンサルティング等を行う会社であり、過去にワーキンググループ、我々のところにも三回お越しをいただいてございます。現在は別の商号に変更されており、平成二十八年度以降は私どもとも一切コンタクトがないというふうに承知をしている会社でございます。

塩川委員 コンサル会社ということですけれども、そのコンサル会社としての目的はどういうものかは御承知ですか。

村上政府参考人 わかっている範囲でお答え申し上げます。

 当時、同社が公表しておりました資料によりますれば、地方自治体向けに政策の企画、調査、コンサルティングを、地方創生戦略の企画支援でありますとか、特区の活用方策でありますとか、その他等々のコンサルティング、それから、民間企業向けにも政策ツールを最大限に活用したビジネスコンサルティングを行う、このように同社がみずから説明をされていたというふうに承知をしてございます。

塩川委員 じゃ、国家戦略特区の登記で、この特区ビジネスコンサルティングについて登記を見ますと、その目的のところには、「国家戦略特別区域を活用した事業戦略立案及び行政・政治対応に関するコンサルティング・ロビイング」と書いてあるんですよ。つまり、国家戦略特区についてのコンサル、ロビーイングを行うということを目的にしている会社なんですよね。ですから、特区というのは、もちろん、構造改革特区や総合特区や地方創生特区、いろいろあるわけですけれども、その中でも国家戦略特区に特化した、そういうコンサル会社なんです。

 こういった特区ビズコンサルティングによる、外国人美容師の解禁という特区提案の提案主体というのは誰なんでしょうか。

村上政府参考人 引き続き、事実関係をお答え申し上げます。

 地域限定美容師の創設に関しましては、御指摘もありました平成二十七年一月十六日にワーキンググループを開催して議論しておりますのは、ホームページで公表しているとおりでございます。

 ただ、今件につきましては非公開を前提に行われたものでございまして、一提案者の個別具体的な提案状況などについては、ほかの事案でもそういうものがあれば同じでございますけれども、提案者保護の観点から、お答えすることは差し控えさせていただきたい、このように思います。

塩川委員 提案者保護と。でも、特区ビズが、関係省庁からのヒアリングというこの説明の中で出てきていること自身も、非常に不思議なわけですけれども。

 一月十六日にヒアリングを行った、その一週間後の一月二十三日のワーキンググループでもヒアリングがありました。法務省、厚労省からのヒアリングでしたけれども、この地域限定美容師の創設についての議論がありますが、その議事録には、「先週、事業者のほうから御提案のありました美容師の関係」という発言があるので、この特区ビジネスコンサルティングが提案者ということが確認をできるわけです。

 しかし、国家戦略特区の基本方針や提案募集要項を見ると、提案主体というのは、そもそも、事業の実施主体となる民間事業者又は地方公共団体等となっております。特区で、事業の実施主体となるわけではないコンサル会社がみずから特区提案をするというのもおかしいんじゃないですか。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 細かいことを言えば、等がついているということでございますが、実態といたしましても、自治体、事業者以外にも、学識、有識者の先生その他から、いずれにせよ、ワーキンググループは、規制改革の特例措置の実現に向けた討議をする場で、いろいろなアイデアや提案を広く募集してございます。

 大臣も以前答弁させてございますが、使いたい事業者の方を提案して募集し、その選定について議論している場ではございませんので、提案の対象は、例示としては自治体と事業者をメーンに挙げているのは御指摘のとおりでございますが、等という形で、その他の方からお話を伺うこともございます。

塩川委員 もともとは、でも、国家戦略特区というのは、規制改革要望について、今言ったように、事業の主体となるような事業者とか自治体から出すわけですよ。つまり、特定の規制緩和を求める、地域や分野とか。こういうことについての規制改革要望について提案を行うわけですから、そういう提案者の側というのは、当然のことながら、そこで利益を受けるという可能性を持って提案をするわけですよね。

 ですから、そこにこのコンサルの会社だけが出るというのは不思議な話であって、当然、その意を受けている事業者の話が出てくるわけですけれども、そういうことについて、この場合について何ら見えてこないわけですよ。

 それだから、規制改革を具体的にあける場合には、利益、一方で不利益もあるわけですから、そういったことについて、一方の当事者がどういうことを要求しているのかというのが見えなければわからない話で、この場合でも、単なるコンサル会社がどういうつもりでやっているのかということがよくわからないわけです。

 そういったときに、このコンサルというのは、実際には、事業の実施主体となる他の事業者の代理人となっているということなんじゃないですか。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 第一段階としての規制の特例措置の提案を審議する場に提案をお持ち込みになられる方は、モチベーションとしてはさまざまな方がいらっしゃいまして、みずからが使いたいということで御提案される方もいますし、事業者はまだだけれども地域としてやりたいからという思いで来られる自治体の方もいらっしゃいますし、こういった制度があったらいいなということで御検討をお考えの有識者の方からお話を伺うこともございます。

 どういう方からお話をいただいた制度改革提案であるにせよ、二つ目の段階である事業者の選定の段階におきましては、るる御説明させていただいているとおり、また次のプロセスで公募を前提とした手続を踏んでやっておりますので、いずれにせよ、規制の特例措置の提案者がイコール選定される事業者になるというところは、手続的には切れているものということでございます。

 そういう意味では、私どもとしては、広く提案を集める観点から、いろいろなモチベーションを持った方々の話を広く伺うよう努めているというところでございます。

塩川委員 穴をあけなければ事業の参入もそもそもないわけですから、穴をあけるというところが一番のポイントであるわけで、それが、誰が事業主体となるのか、誰の提案かというのが一番重い話になるのは当然のことではないでしょうか。

 その点で、今回の特区ビジネスコンサルティングの提案については、事業の実施主体となる民間事業者又は地方公共団体等とか限定されていた提案主体の範囲が拡大をされているという点で、扱いとしての特別なものがあるわけです。

 もう一つお聞きしたいのが、この特区提案というのはどういうルートで、どのような提案ルートで出されてきたものなんですか。

村上政府参考人 引き続き、経緯に関するお尋ねでございますので、お答え申し上げます。

 内閣府では、規制の実現に向けた必要なアイデアについて広く情報を集めるため、日常的に地方公共団体、事業者の方々から、規制改革の提案を含め、さまざまなお話を伺っております。

 お尋ねの本件、特区ビズ社のことであろうかと思いますが、につきましても、こうした日常的に提案者の御相談を伺う中で、ほかの事業者さんや自治体と同様、お話を伺い、その中で提案として認識したもの、このように考えてございます。

塩川委員 日常的に相談を伺っている、そういう中で提案として受けたという話なんですけれども、そんな話じゃないんですよね、これは。

 そもそも、規制改革要望の提案を受けるわけですから、しっかりとした、どういうタイミング、要望を受けたということについて、受ける側も透明性を持ってやるわけですよね。

 そういったときに、国家戦略特区基本方針では、提案募集の時期は、適切な時期に実施をする、少なくとも年に二回は提案募集を実施すると書いています。これはずっとそのままですけれども、これはよく、構造改革特区のときにもアジサイの時期ともみじの時期に受けます、こういうのを踏襲している、そういう経緯の中でなっているわけですけれども、期間を限って、その期間に募集するという形になっているわけです。

 だから、特区ビズコンサルティング社の、その時期に当たる二〇一四年度の提案募集要項では、募集期間が平成二十六年七月十八日から八月二十九日まで、募集期間の期限におくれて到着した提案は、配達事故や通信事故などの理由のいかんを問わず受け付けません、御注意くださいと、募集期間以外の提案は受け付けないとくぎを刺しています。ですから、日常的に受け入れるということなんかはどこにも出てこないんですけれども。

村上政府参考人 制度に関するお尋ねで、お答え申し上げます。

 国家戦略特区制度の提案募集につきましては、現在では随時募集しているということも、ネット上、はっきり書いてございますが、御指摘の時期にはそういうネット上の掲載は確かにございませんけれども、実はこの時期は、ちょうどまち・ひと・しごと創生本部を立ち上げて、地方創生の政策に関して説明会を随時、各地域ブロックを回って繰り返しやらせていただいた時期でございまして、こうした各地域ごとに開催された説明会、それから、ちょっと今手元に、日時、正確な記録はございませんけれども、経済団体等に説明会をさせていただいて、ぜひ提案を出してくださいということは当時も御説明をさせていただいております。

 こういった場で説明をした機会を通じて、当時も短期の集中提案以外にもいろいろな提案を頂戴してございますので、特区ビズに関する御指摘の提案についても、そうしたものの中の一つとして出てきたものというふうに理解しております。

塩川委員 おかしいじゃないですか。表で出ている、ホームページ上で見た限りは、こういった募集要項の中では、今述べたように、配達事故や通信事故などの理由のいかんを問わず、おくれた場合には受け付けません、この期間しか受け付けないと書いてあるんですよ。それなのに、実際には日常的に受け付けていますと。

 そういうことを知っていた業者は有利かもしれないけれども、一般の人には、もうこの期間は終わっているから受け付けできないなとなるわけですよ。そういう不透明な扱いというのはおかしいんじゃないですか。

村上政府参考人 この点につきまして、詳細には御通告をいただいていないし、御指摘に関しては調べる必要があると思いますので、その点につきまして、ちょっとどういう背景でそういう記述になっているのか、事務的にまず確認をさせていただいて、御報告をさせていただきたいと思います。

塩川委員 だから、説明できないんですよ。不透明なんですよ。日常的に受け付けているなんということは、二〇一四年度当時、二〇一五年にはどこにも出てこないんです。特定の期間しか受け付けません、それを外れたら認めませんというときに、日常的に受け付けていますということを知っていた事業者がこの特区ビズコンサルティングということになるじゃないですか。こういった不透明なやり方で特別扱いをされているということになっているわけであります。

 提案ルートについても、この特区ビズコンサルティング社は特別扱いをされています。この特区ビズコンサルティング社の提案というのは、いつ提出をされたものなんですか。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 一部繰り返しとなりまして恐縮でございますが、お尋ねの点につきましては、日々提案者の御相談を伺う中で内閣府として認識したものと考えてございますけれども、こうした日常的なやりとりについては一つ一つ記録はとっておらず、具体的に、最初に当該提案をいつ、誰が、どういう形で受け付けたか特定するのは困難な状況にございます。

 なお、その後、この提案が本特区ワーキンググループのヒアリングの対象として取り上げられたことにつきましては、ウエブサイトに掲載をされているとおりということでございます。

塩川委員 記録はとっていないというのはおかしいじゃないですか。

 さっきの話でも、日常的に受け付けているということでしょう。それ自身も当時は何ら公表されていない話だけれども、受け付けているんだったら、受け付けている日ぐらい、どういう内容というのは記録があってしかるべきじゃないですか。何で記録がないんですか。おかしいじゃないですか。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 特区の規制改革の提案につきましては、広くさまざまな形でのアイデアをいただいて、それをもとに各省庁等と制度改革について議論するためのものという性格のものでございますので、いわゆるその提案のアイデアということと、いわゆる事業の認可の申請を受けるために申請受け付けを管理するものということとは性格が違うというふうに思います。

 実際問題も、紙で、様式を通じていただいている場合もあれば、直接御相談を伺う中で事案化していく場合もあれば、特区として認定されている自治体であれば、当該自治体と日常的に連絡会を開く等の中で御提案をいただく場合、さまざまなケースがございますので、実質的にいただいている件数を御提案を頂戴した最初の段階でカウントするということは、恐縮でございますが、事務処理上行っておりません。

塩川委員 だから、不透明だと言っているわけですよ。

 だって、この特区ビズコンサルティング、ワーキンググループのヒアリングへかかっているんですよ。一般論としては、ヒアリングにかかっている案件というのは、どのぐらい前から準備があるんですか。どうなんですか。

村上政府参考人 実務的なところの御案内ということでございますので、お答えさせていただきます。

 これはケースによってさまざまございまして、例えば、最近でありますと、外国人留学生のビザの切りかえの問題というようなことを、この六月の段階で、まち・ひと・しごと創生会議でAPUの出口先生から御提案をいただいて、これは早速対応すべきだということですぐ取りかかった、こういうケースもございますし、長らくいろいろな方に調査をしヒアリングを重ねた上で、ワーキングをやらせていただくといったようなケースもございますので、最初にお話を聞いてから、ワーキングとして正式に制度化に向けた議論のプロセスが始まる段階までにつきましては、さまざまなケースがあるものと承知をしてございます。

塩川委員 この特区ビズコンサルティングの会社の設立の日というのはいつだか御存じですか。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 当時の登記情報によれば、平成二十七年一月十五日と承知をしております。

塩川委員 ワーキンググループでヒアリングを行ったのが、平成二十七年の一月十六日なんですよ。今聞いたら、登記で、設立した日というのは、その前日の一月の十五日なんですよ。

 一月の十五日に設立された会社のこういう規制改革要望について、翌日にワーキンググループでヒアリングが行われるというのは、どう考えてもおかしいんじゃないですか。説明してください。

村上政府参考人 二点に分けてお答え申し上げさせていただきます。

 恐縮でございますが、一月十六日の、お尋ねのワーキングについては、提案者の要望に基づき非公開としておりますので、一月十六日の提案者が誰であったかについてはコメントを差し控えさせていただきます。

 その上で、一般論として申し上げますが、繰り返し申し上げているとおり、規制改革の提案に向けたアイデアを募集をし、議論させていただいております。必ずしも何かの事業の認可のための手続の入り口ではございませんので、設立前の、事業を何か設立準備中の方からお話を伺うこともございますし、つくった直後の方から伺うこともございますし、長らく経験のある方から伺うこともございますし、そのあたりについては、制度としてお話を受け付けるときに特段区別はしていないということでございます。

塩川委員 説明になっていないんですよ。

 一月十五日に設立した会社のこういう提案を何で翌日にヒアリングできるんですか。それは、非公開というので拒否するような話じゃないですよ。こういった国家戦略特区に伴うような一連の規制緩和、規制改革について透明性の確保が必要だというのは、皆さんがずっと言っていたんじゃないですか。全く不透明だ。説明してください。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 一部趣旨が重なりますが、あくまでも、提案に向けたアイデア、考え方を広く募集するものでございますので、御提案をいただく方の事業ステータスについては制度的に問う必要がないもの、それは、民間のいわゆる有識者である方である場合もあれば、事業準備中の方もあれば、事業を既に始めて長い方であっても、規制改革の提案の募集ということにつきましては特段差別をする必要はないというふうに考えてございます。

 その上で、先ほどもお尋ねいただいたとおり、ワーキンググループとして正式に事案としてスタートするまでの間には、いろいろな経緯をたどるものがございます。いずれにつきましても、重要な事案として規制改革の実現を図るものについては、ある段階ではワーキンググループについて取り扱い、それ以降どういう形で政策的に議論されたかにつきましては、公開、非公開の別はございましても、議事録に近い議事要旨をつくりまして、しっかりと記録をとらせていただいているところでございます。

塩川委員 実際の規制の中身についての評価は、これはこれとして当然議論が必要なわけですけれども、私は手続の話をずっと聞いているわけですけれども、手続が極めて不透明だという問題なんです。

 北村大臣にお尋ねしますけれども、今やりとりしましたように、この特区ビジネスコンサルティングの提案については、提案主体の範囲が広げられたという特別扱いの問題や、提案ルートの特別扱いや、会社設立の翌日にヒアリングという信じられない特別扱いが行われているわけです。大臣として、これは余りにも異常だとお考えになりませんか。

北村国務大臣 お答えします。

 特区ワーキンググループの民間有識者は、規制改革事項の実現に向け、有識者として知見を活用することが求められております。その知見を活用して提案者に必要な助言、支援を行うことは、通常の業務の一環であると考えております。

 いずれにいたしましても、規制改革が実現すれば、地方公共団体、事業者を問わず、社会全体がその利益を受けるものであり、民間有識者がその立場を利用していずれかの提案者に便宜を図ったというような事実は承知いたしておりません。

塩川委員 答えていないんですよ。手続が不透明じゃないのか、異常じゃないのかということについてお聞きしているわけですけれども、その点については、率直にそう思いませんか。

村上政府参考人 手前のところで、事実関係でございますけれども、アイデアの提案募集を行うというところの入り口は、提案される方の事情によっていろいろなインプットの仕方がございますが、事案化するものにつきましては、ワーキンググループで取り上げて以降、しっかりと透明なプロセスで、法にのっとり、全ての事案がさばかれているというふうに承知をしてございます。

北村国務大臣 お答えします。

 プロセスにつきましては一点の曇りもないと、私は認識しております。

塩川委員 極めて重大であります。こういった事態について全く認識を持たないということ自身には、大臣の資質が問われると思いますよ、率直に言って。何で、こんな異常な手続についておかしいと思わないのかと。率直にそのことを問わなければなりません。

 先ほどの政府参考人、村上氏のにもありましたけれども、こういう経緯について調べてみるということですから、これはしっかり調べて説明してもらえますか、改めて。

北村国務大臣 重ねてのお答えになって恐縮でありますが、先ほど申し上げたとおり、プロセスについては一点の曇りもない、そのようにお答えをさせていただきます。

塩川委員 政府の信頼がまさに問われる大問題だと言わざるを得ません。

 私は、こういった問題について、きちっと手続の不透明さは明らかにするということ自身が、政府としても国民の信頼との関係でも重要じゃないかという提起も当然考えるわけですけれども、そういったときに、当委員会でもしっかりこの問題を明らかにする。調べてみるという話もありましたから、きちっと後から資料も出してもらって、明らかにする上で、必要な方の参考人の御出席を求めたいと思います。

 今回の特区ビズコンサルティング社との関係でも、ワーキンググループの原座長代理は、当時からワーキンググループの委員でもありました。本人のフェイスブックによりますと、同社の社長は私の以前からの知人であり、また、私がかつて代表を務めていた政治団体から同社に一時期、事務作業などの業務を委託をし、その一環で登記上の住所も置いていたことがあると述べております。

 ですから、本人も認めておられますように、原座長代理と特区ビジネスコンサルティング社の社長は御縁が深いということですから、ぜひ原氏の参考人としての御出席を求めたいと思います。委員長、いかがでしょうか。

松本委員長 理事会で協議いたします。

塩川委員 原さんは、過去六回も国会に参考人としておいでいただいているんですよね。そういう意味では、大いに語っていただける方だと思っておりますので、声をかければ来てくれるはずだと思っておりますので、期待をしたいと思っております。

 加計学園の問題を始めとして、国家戦略特区は構造的に利権が生じる仕組みとなっているんじゃないのか、このことが問われる大きな問題ですから、徹底解明を、改めて、必要だということを求めていきたいと思います。

 それでは、残りの時間で台風十九号等の災害対策についてお尋ねをいたします。

 最初に、武田大臣にお尋ねをいたします。

 ぜひ、この台風十九号を始めとしたこの間の被災状況についての大臣の認識をお伺いいたします。

武田国務大臣 十九号の被害状況について御説明を申し上げますが、三十日七時現在、人的被害、死者七十九名、災害との関連死ゼロ、心肺停止者ゼロ、行方不明者七名となっております。住家被害につきましては、全壊七百四十七、床上浸水三万四千五十八棟となっております。国管理河川七河川十二カ所で堤防決壊などが報告されているのが現状であります。

 また、十月二十五日からの大雨につきましては、人的被害、死者十一名、災害との関連死一名、心肺停止ゼロ名、行方不明者二名。住家被害につきましては、全壊八棟、床上浸水一千二十二棟などが報告をされております。

 私も、発災直後より被災地を訪問させていただいておりますけれども、改めて今回の台風、大雨による被害の大きさというものを実感しているところであります。

 政府としましても、台風第十九号が通過後の十三日には非常災害対策本部を設置しました。関係省庁が緊密に連携して、被災者の救出、救助、電気や水道等のライフラインの早期回復、被災者の支援等に当たるべく、本部会議を開催し、各省の取組状況や情報収集した被害状況、必要となる対策について確認、共有しながら、災害応急対策を強力に推進してまいっております。

 また、被災者への生活支援も重要であり、御党からも数々のアドバイスをいただきましたが、各省横断の被災者生活支援チームを設置し、水、食料、段ボールベッド、暖房器具等のプッシュ型支援、避難所の生活環境整備、被災自治体への職員派遣、災害廃棄物の処理、住まいの確保など、必要が生じる事柄を先取りし、政府一丸となって迅速に進めてきたところであります。

 加えて、総理からも、被災者の生活となりわいの再建に向けた対策パッケージを早急に取りまとめ、予備費等を活用してしっかりと被災自治体を支援するよう指示をいただいたところであります。

 引き続き、国としてできることは全てやるとの方針のもと、現場主義を徹底し、被災者の皆様が一日も早く安心して暮らせる生活を取り戻せるよう、早期の復旧に向け、全力を尽くしてまいりたいと存じます。

塩川委員 亡くなられた方々に哀悼の意を表します。被災された方々のお見舞いを申し上げ、被災者支援のためにも全力で取り組んでいきたいと思っています。

 菅官房長官にお尋ねいたします。

 官房長官は二十六日、台風十九号の被害や復旧状況を確認をするため、埼玉県の坂戸、東松山、川越にも足を運んだとお聞きしております。現場の状況や被災者の方との意見交換の話、されたと承知しておりますので、被害状況等についての御認識を伺いたいと思います。

菅国務大臣 今御指摘いただきましたように、埼玉県の被災地の視察を先週末にしてまいりました。被害の実態を目の当たりにして、そしてまた、直接被害に遭った国民の皆さんとお話をさせていただく中で、地域の皆様のそうした切実な思い、それに何としても政府としては応えなきゃならない、できることは全てやる。武田防災担当大臣が先ほど申し上げましたけれども、その姿勢で取り組まなきゃならない、そういう思いになったことも事実であります。

塩川委員 できることは全てやるという点でのお話がありました。

 その上で、具体的な対策の問題、幾つか事務方の方にもお聞きしたいんですけれども、武田大臣や菅官房長官も現場に行かれて、避難所の改善ということでもいろいろ指示等を出されていると承知をしておりますけれども、この避難所のパーティションの問題があります。

 私は、ある埼玉県内の避難所の話として、パーティションが設置されていないところがあるというふうにお聞きしました。プライバシー確保のためにも、こういうパーティションの設置というのは不可欠ではないのかと率直に思いますが、この点について、内閣府防災としてはどのように考えておられるか、お聞きします。

小平政府参考人 今、避難所におきますパーティションの御質問をいただきました。

 避難生活における避難所の生活環境の改善は、政府としても、被災者を支援する上で極めて重要なことであると認識してございます。

 内閣府といたしましても、平時から、避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針などにおきまして、プライバシーの確保等、生活環境の改善対策を講じることについて、自治体に周知し、適切な対応を求めているところでございます。

 今回の台風十九号に伴う災害におきましては、内閣府といたしましても、災害救助法が適用される自治体に対して、間仕切り用パーティションを整備した場合の費用について国庫負担になる旨を通知し、避難所の生活環境の整備を促してございます。

 加えて、被災自治体に職員を派遣いたしまして、自治体や避難所の個々のニーズや課題を把握するとともに、間仕切り用パーティションを含め、生活に必要な物資について、状況に応じて、自治体の要請を待たないプッシュ型の支援もしているところでございます。

 内閣府といたしましては、引き続き、関係自治体と連携して、避難所におけるプライバシーの確保が図られるよう適切に対応してまいりたいと思います。

塩川委員 ぜひ、関係自治体に改めて趣旨の周知を行っていただきたいと思います。

 次に、住宅応急修理の活用についてお尋ねします。

 内閣府は、告示を改正をし、一部損壊に対しての支援を拡大をしました。制度の詳細はどうなっておりますか。

小平政府参考人 応急修理の拡充の件でございます。

 災害救助法によります住宅の応急修理は、応急的な修理により、もとの住家に引き続き住むことを目的として、その破損箇所を修理する制度でございます。台風十五号による被害を契機といたしまして、今般、一部損壊の住宅のうち、日常生活に支障を来す程度の被害が生じた住宅につきましても、災害救助法の応急修理の制度を拡充し、恒久的制度として支援の対象とすることとしたところでございます。

 十月十四日には、台風十九号に関する被災認定調査に係る通知を発出いたしまして、運用指針の記載にかかわらず、暫定的に、損害割合が一〇%以上二〇%未満の住宅につきましては、一部損壊、今、準半壊と呼んでございますけれども、の区分を設けて、記載するよう依頼するということと、十月二十三日には、内閣府の告示を出させていただきまして、住家の損害割合が一〇%以上二〇%未満の場合は、三十万円を限度として応急修理を行うこととしたところでございます。

 今般の十九号による被災地を含む各自治体に対しましては、改正後の制度の周知を図るため、被災地におきまして、さまざまな説明会であるとかテレビ会議システムを活用した説明会等を開催いたしまして、改正後の制度が適切に運用されるよう、自治体に周知を図っているところでございます。

塩川委員 十九号等々、十五号以降についても適用するという話でした。

 この住宅応急修理の一部損壊の拡充については、床下浸水にも活用することができるということでよろしいですか。

小平政府参考人 お答えいたします。

 今、一部損壊の被災の程度に応じ、一〇%以上二〇%未満というお話をさせていただいておりますけれども、今までの我々の検討の中では、床下浸水のみにとどまる場合におきましては、そこに至らないのではないかと考えてございます。

塩川委員 その実態を見て考える必要があると思うんですよ。床下といってもいろいろなレベルがありますし、床下部分にさまざまな、生活にとって不可避な、そういう設備が設置をされているような場合もあるわけですよね。それはやはり個々の判断ということになるわけですけれども、当然そういうことも考慮するという中身ということでお考えになっているかどうか。

小平政府参考人 お答えいたします。

 住宅の被災度の調査につきましては、一次調査で外観の調査をする場合が多うございますけれども、必要に応じて、内部に入りまして、二次調査という形で個別に調査をすることもございます。

 被災者の要望に応じまして、その可能性は、調査をすることはあろうかと思います。

塩川委員 ぜひ、弾力的な運用ということですけれども、そういう弾力的な運用という趣旨で当たっていただきたいと思いますが、その点。

小平政府参考人 いずれにいたしましても、住家内に入っての調査が必要であるという申出がございました場合には、適切に対応してまいりたいと思ってございます。

塩川委員 住宅応急修理制度について、ある県のホームページには、当初、公営住宅に入ると住宅応急修理が使えないとしていましたが、これはおかしいんではないかと思ったんですが、その点、どうでしょうか。

小平政府参考人 お答え申し上げます。

 災害救助法の中で、応急修理と応急仮設住宅がございますけれども、災害救助法におきます住宅の応急修理は、住宅が半壊等の被害を受けて日常生活が困難ではあるけれども、応急修理を行うことで住宅における日常生活が可能となる場合を対象としてございます。

 一方、応急仮設住宅につきましては、住宅が滅失し、みずから住宅を確保できない方に対しまして、仮の住まいとして提供するものでございまして、応急修理とはその対象が異なるもので、両者を併用することは認めていないところでございます。

 このような考え方を踏まえまして、今おっしゃっているのは栃木県のケースだと思いますけれども、この県におきましては、応急仮設住宅の提供と同等の性格を持つ公営住宅の無償提供を受けた場合には、応急修理を併用できないというふうにしていると承知しております。

 ただ、一方で、公営住宅を避難先として使用する場合は、もとの住宅で日常生活を営むことができるようになるまでの一時的な使用ということですので、災害救助法に基づき応急修理を利用することを認めているものと理解をしてございます。

塩川委員 避難先として一時的に利用する場合であれば、公営住宅を使った場合でも住宅応急修理が使える、そういう趣旨が十分伝わっていない自治体もあったということでもありますので、そこのところも改まっているというふうには聞いているわけですけれども、いずれにせよ、そういったことについてしっかりと理解が届くように対応してもらいたいと思います。

 こういった件について、告示で二十三日、一部損壊を出しましたけれども、全体の趣旨について、改めて、内閣府として、通知の発出で関係自治体に周知をする、そういうことについてもぜひやってもらいたいと思うんですが、いかがですか。

小平政府参考人 お答えいたします。

 先ほども申し上げましたように、被災直後に、新しい住宅の被災度調査のやり方であるとか災害救助法等に関しまして、自治体職員向けに説明会をしているところでございますけれども、御質問等がありましたらいつでも随時受け付けることとしております。

 中身につきましては、適宜お問い合わせいただくなり、こちらからもリエゾンが行っているところもございますので、そういう点についてまた周知の徹底を図ってまいりたいと思います。

塩川委員 最後に、官房長官に一言。

 先ほど、できることは全てやるというお話をいただきました。現行制度は全て活用していくということと同時に、できないものがあれば新たな制度をつくる、こういう立場でぜひ臨んでいただきたい。その点についての官房長官の発言をいただきたい。

菅国務大臣 徹底して柔軟に弾力的にやる、このことは政府として一貫をいたしております。

 そして、新しい制度として、例えば千葉県、風によって多くの民家が一部破損がありました。一部破損というのは今まで支援の対象になっていなかったんですけれども、新たな措置として、国として、三十万、一部破損についても新たな仕組みで今対応させていただいています。

 できることは全てやるという観点の中で、まさに、被災地の皆さんの思いに、声にしっかり耳を傾けながら、こうしたことを進めていきたい、こう思います。

塩川委員 不十分であれば新たな制度をつくる、こういう立場で全力を挙げてもらいたい、そのことを求めて、質問を終わります。

松本委員長 次に、浦野靖人君。

浦野委員 日本維新の会の浦野靖人です。よろしくお願いいたします。

 きょうは、通告では一問目にしていたものをいろいろ委員会の都合で後ろに一つずらして、先に二つ目から質問をさせていただきたいと思います。

 DVについて、いろいろと国の方も施策を進めていただいておりますけれども、この中で、DVに遭われた親子の方々、例えば保護施設に逃げたりとか、保護をするとか、そういった措置をとるわけですけれども、その場合に、一緒についていって保護されているお子さんについて、どういうふうな生活環境に置かれているのかというのが余り見えてこない。そういう子供の生活環境についてわかるような、具体的なそういう数字というか資料というものはあるのかというのを、まず一点、お伺いしたいと思います。

依田政府参考人 お答え申し上げます。

 婦人相談所の一時保護所や婦人保護施設にDV被害により保護された場合には、保護された女性はもとより、同伴の児童についても、DVの目撃による影響等も十分に考慮し、児童の状態に応じた個別ケアが重要であるというふうに認識しております。

 こうした方々に対するケア、生活支援でございますとか、さまざまなケアがございますけれども、例えば同伴児童ということでございますと、学習支援が非常に重要になってまいるわけでございまして、こうした学習支援につきましては、私ども平成二十九年度に調査研究を実施しておりまして、これは婦人保護事業等における支援の実態等に関する調査研究というものでございますけれども、一時保護所では全体の八三・三%で学齢期の児童に対して学習支援を実施しているというふうな回答が得られております。

 また、婦人保護施設におきましては、回答のございました二十七施設の集計ではございますけれども、八一・五%で学習また遊びの支援を実施しているというような調査結果になっておりまして、このような調査結果を得ているところでございます。

浦野委員 こういった子供たちに対するケアを支援されている民間の方々からお話を聞かせていただくことがございまして、やはり中には、今、高い数字ではありますけれども一〇〇%受け入れていないということはこれはちょっと問題だと思うんですけれども、一カ月半ぐらい学校の勉強ができなくて、子供にとってはやはり一カ月半のおくれというのは大きなおくれで、それがつまずきの原因になって、学習能力の低下とか、取り残されていくことにもなりかねませんので、そういったところをしっかりと対応できるように、国も気をつけていただきたいと思っています。

 この学習支援というのは非常に重要だと思いますけれども、それ以外にも、やはり心のケアですね、あと、若年層であれば保育という形もあると思いますけれども、そういった、しっかりとした、我々が客観的に見てわかる、そういうところにいる子供たちがどういう状況に陥っているかということがわかるデータというものは、しっかりと集めて研究をしていただきたいと思うんですけれども、その点について御答弁をいただきたいと思います。

依田政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のように、保護した女性はもとより、同伴の児童に対しましてもさまざまなケアを行っていくことは重要でございます。私どもも、一時保護所におきましても、また婦人保護施設におきましても、カウンセリング等の心理回復を行える心理療法の担当職員でございますとか、また同伴児童の保育等を行う指導員、また、障害等の特に配慮が必要な方にはそういう対応をする個別対応職員の配置をできるようにして、同伴児童に対する適切な援助を行う体制の確保に努めているところでございます。

 委員御指摘のように、実態もしっかり把握しながらということでございますけれども、例えば本年三月、これは児童虐待対策に係る関係閣僚会議決定でございますけれども、一時保護所及び婦人保護施設に保護されたDV被害者の同伴児童につきまして、適切に教育を受けられる体制の強化ということが対策の一つとして盛り込まれているところでございまして、これを踏まえまして、同伴児童の学習支援を含め、しっかり対応してまいりたいと存じます。

浦野委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 それでは、最初の予定どおり、一問目をいきたいと思います。

 今回の台風被害、その後の先週の大雨でも更にまた被害を受けられた方々がたくさんいらっしゃいます。我々も復旧復興に関してぜひしっかりと協力をしていきたいと思っておりますけれども、その中で、神奈川県の山北町の自衛隊の派遣が、県からの派遣の要請の前に山北町から依頼があって、水を、飲料水を持っていったけれども、それは結局使われずに、自衛隊が引き揚げてしまうという事案がありました。

 この件について質問したいと思うんですけれども、そもそも、やはり、今回のように特に広範囲にわたる被災をした場合、都道府県の総合調整機能というのは当然ふだんより低下するというのは想定されることなんですけれども、その場合のいろいろなルール、都道府県がいろいろな調整をする前に市町村とかで本当に重要な災害の派遣を決められるとか、そういうルールをつくっておくべきだというふうな意見がネットでも散見されていましたけれども、この点について御答弁お願いします。

青木政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、発災時には都道府県の機能が低下するということも想定されるところでございますけれども、都道府県知事の要請がなくても自衛隊が災害派遣活動を行える仕組み、こういったものがどうなっているのかという御質問だと思いますけれども、まず自衛隊法におきまして、自衛隊の災害派遣を要請する者を都道府県知事等としておりますのは、都道府県知事等が被害状況等を全般的に掌握し得る立場にあるということから、これらの者が消防、警察等の災害救援能力を考慮した上で、自衛隊の部隊等の派遣の要否、活動内容等を判断することが救援活動を効果的かつ効率的に実施する上で最適という考えによるものでございます。

 仮に市町村長から要請ができるというふうにした場合、例えば複数の市町村にまたがった災害が発生したときに、市町村長が他の市町村の状況を含めた全般的な被害状況を掌握し得る立場にないという状況にもなり得ますので、都道府県知事及び複数の市町村長からの災害派遣要請が錯綜して、部隊等を救援活動のために派遣する際に的確な判断が困難になるという事態が想定をされます。

 なお、特に緊急を要し、都道府県知事等からの要請を待ついとまがない場合、こちらにつきましては自衛隊法第八十三条第二項ただし書きに規定がございまして、都道府県知事等からの要請を待つことなく、部隊等の自主派遣が可能というような状態になっております。

 いずれにいたしましても、平時から、都道府県を中心として市町村、自衛隊と調整をして、あらかじめ連絡窓口を定めるなど地域防災計画等に位置づけていただきまして、連絡体制の整備に努めるということが必要であるというふうに認識をしております。

浦野委員 自主派遣をすることができるということなんですけれども、今回の山北町は本当に、結果だけを見れば非常にばからしい話になりますし、自衛隊の皆さんは来たけれども、結局は何もせずに引き返さざるを得なかったということなんです。

 実は、大阪の箕面市の倉田市長がツイッターでこの件を取り上げて、都道府県の総合調整機能が低下するのは間違いないから、そういったときに、緊急を要する場合は、やはり一番地元の状況がわかっている市町村からそういう自衛隊の派遣依頼もできるようにしておくべきだと。要は、その方が実情に合った救援ができるんじゃないかということをツイッターでも取り上げられています。それで、実際に過去にそういった要望を国に上げているということも書かれております。

 都道府県を無視して勝手にできるようにすべきやと言っているんじゃなくて、都道府県はちゃんと通すけれども、後で追認できるように制度というかその仕組みを工夫すればいいんじゃないか、今の制度のままで工夫すればいいんじゃないかということをおっしゃっていました。

 ここで派遣された自衛隊が引き揚げるときに、水が重いので燃料の無駄になるのでそれを捨てて帰ったということがネットで書かれているんですけれども、その点について確認をしたいと思います。

青木政府参考人 お答えいたします。

 十月十三日午前二時ごろ、山北町から土砂崩れに伴う断水の可能性があるということで部隊に連絡がありまして、その後、調整をして、現場に、山北町の町役場に到達をいたしました。その後、山北町から、給水については神奈川県において対応するということで、自衛隊に要請することはなくなりましたというお話がありましたので、駐屯地に戻りました。

 なお、今、先生の御質問でございますけれども、部隊が現場に持ち込んだ水につきましては、その後、部隊においてみずからの炊事等で使用したというふうに承知をしております。

 いずれにいたしましても、防衛省・自衛隊としては、関係自治体と緊密に連携をとりながら対応していきたいというふうに思っております。

浦野委員 ネットでは水を捨てて帰ったというデマが流れていましたので、本当にネットの世界というのは怖いなと思いますけれども。

 お互いが、都道府県も自衛隊も自分たちのルールにのっとって忠実に事を進めた結果、こういうことが起きたんだろうと私は思うんですね。ただやはり、とはいうものの、緊急の場合、そういった、もうちょっと柔軟な対応をできるような仕組みづくりをした方がいいんじゃないかと思うんですけれども、その点について答弁を求めます。

平副大臣 自衛隊の活動については今答弁あったとおりだと思いますが、自衛隊のほかの活動につきましては、浦野議員の問題意識は、自治体から情報が都道府県に上がってきて、政府から来るけれども、政府の方との情報共有と、あと、政府がみずからしっかりと初動をやれという御指摘だと思いますので。

 今回、台風十五号、十九号においても、被災直後に例えば自衛隊・防衛省の派遣員を各自治体に送り込んでおりますし、国交省、また厚労省、また、内閣府の防災においては内閣府の調査チームを派遣をしております。どこに誰を入れるかは政府の側で判断をして、独自に情報を政府全体で吸い上げているという仕組みがございます。さらには、各被災地に入った各省庁の連絡会議も開催をしておりまして、そこで都道府県と市町村で情報の共有というのもさせていただいております。

 加えて、内閣府防災にISUT、インフォメーションサポートチームというのがありまして、いわゆる、各情報をマップに落として、それを重層的に重ねて、どこを判断すべきか、そういう地図の情報の支援をしております。今回、台風十五号においても倒木による停電がありましたので、その際もISUTがそういった情報支援を行い、その情報を千葉県とまた東京電力、自衛隊が共有をして対応したということもございます。

 更にこういう取組をしっかり進めてまいりたいと考えております。

浦野委員 プッシュ型支援を進めているということですので、ぜひしっかりと仕組みをつくっていっていただけたらと思います。

 この件については以上です。ありがとうございました。

 続きまして、厚生労働省の若手職員が提言をまとめまして、それが非常に大きな話題になりました。これについて、省庁として、要は働き方改革、具体的なアクションというのはあるんでしょうか。

田中政府参考人 お答え申し上げます。

 先般、八月二十六日、厚生労働省改革若手チームから厚生労働省の業務・組織改革のための緊急提言が出されました。その内容は既に公表されておりますが、業務の生産性の向上、人事制度の改革、さらにはオフィス環境の改善を含む幅広い提言がなされており、そのいずれもが、大規模な省内アンケートや中途退職者を含めたヒアリングなどを通して得られた多くの職員の切実な思いや国民に対する責任感、使命感を反映したものとなっていると考えております。

 この提言につきましては、省として真剣に受けとめ、できることはすぐに取り組むという姿勢で、既に冷房運転の柔軟化や廊下照明の改善を図り、国会業務の効率化にも取り組んでおります。

 また、若手チームの提言内容も踏まえ、従来の組織や方法にとらわれない思い切った改革に継続的に取り組むための体制整備も行いました。

 具体的には、事務次官を長とする厚生労働省改革実行チームにおいて、若手チームのメンバーや民間からの出向者も加えた改革具体化タスクフォースを新たに立ち上げたところでございまして、そこで改革の具体化を検討してまいります。

 若い方々を含め職員が熱意を持って働ける環境をつくっていくことが、国民の皆様からの御期待や信頼に応える厚生労働行政であり続けるために不可欠であると考えておりまして、今般の若手チームの提言を正面から受けとめて、省内外の皆様の御理解、御協力もいただきながら、着実に改革を進めてまいりたいと考えております。

浦野委員 ありがとうございます。

 実際は、国会の改革がもっと進めば、皆さんの働き方ももうちょっと変わる、というか、むしろそっちの方がウエートが大きいかなと思っています。我々、なかなか国会はそういった改革は思い切ってできませんので大変申しわけないとも思いますし、これからも我々は努力をしていきたいと思っています。

 答弁の中にもありましたけれども、各省についてもそういう提言をまとめたりとかしているということですけれども、ちょっと答弁をいただこうと思ったんですけれども、時間がないので、各省庁も頑張っていただいているということで終わりたいと思います。

 次に、小泉進次郎さん、今、環境大臣になられましたけれども、そのなられる前に、育児休暇をとる、育休をとることをおっしゃっていました。過去に、同じように育休をとると言って自爆した自民党の先生がいらっしゃいましたけれども、これはまず、国会議員についてそういう育休についての規定というものがあるのかを確認したいと思います。

花島参事 お答えいたします。

 国会議員の育児休業につきましては、法規上、定めたものはございません。

浦野委員 ないんですね。育児休暇もそうですけれども、多分、産休もないですよね。

 今、恐らく鈴木貴子代議士、きのうから出産のために休んでいるということなんですけれども、男性だけじゃなくて女性に対しても、国会議員はそういう規定というのがまずない。

 産休はあるんですか。

花島参事 お答えいたします。

 衆議院規則の第百八十五条に、「議員が出産のため議院に出席できないときは、日数を定めて、あらかじめ議長に欠席届を提出することができる。」という規定がございます。

浦野委員 欠席届ということですので、産休制度というわけではないですよね、欠席届を出すというだけだからね。だから、国会議員にはそういう、いわゆる民間の産休、育休制度みたいなものはないわけですね。

 ない中で、国会議員が率先してとることによって民間のそういう育休、産休をとる人がふえるんだとおっしゃられる方もたくさんいらっしゃるのは理解はするんですけれども、私は、この何の制度もない国会議員と、民間の制度でしっかりやっている人たちと、リンクしないと思うんですね。

 だから、国会議員が幾らそうやって、発言をしてとった、とるとらないは別にして、やったとしても、だからといって民間の育休が、じゃ、ふえるかといえば、私は全くふえないと思うんですね。だって、制度が全然違いますから。

 そこをやはり、やるのであれば、リンクできるように国会議員の育休制度もしっかりと議論をして、民間のそういう制度とリンクして、じゃ、私たちもとりましょう、とろうかとなるような制度にしないといけないと思います。

 この辺は、こういう制度をどこで決めるのかという議論も実は何かよくわからない部分らしいので、どこかでまた機会があれば議論をしたいと思っています。

 一方で、育休制度、ありますけれども、特に、やはり男性の育児休業をとるというのは、なかなか取得率が、以前に比べたらかなり取得率はふえましたけれども、それでもまだまだ海外の方と比べれば少ない。

 やはり、男性の育児休業をとることで男女共同参画は進むと思うんですけれども、大臣、いかがですか。

橋本国務大臣 男性の家事、育児の参画の促進というのは、男女共同参画社会の実現に向けた重要な課題だというふうに思っております。強力に進めていく必要があるというふうに認識をしております。

 このために、政府として、育児休業を取得しやすい環境の整備に取り組む事業主への助成であったり、あるいは男性の育児と仕事の両立を積極的に推進する企業や管理職に対して表彰などを、積極的に取組を行ってきているところであります。

 育児休業の取得を希望する方が気兼ねなく取得できるよう、女性活躍、男女共同参画の観点からも、政府挙げて、関係府省庁と連携をしながら、男性の育児休業取得を一層促進していくように取り組んでいきたいというふうに思っております。

浦野委員 今大臣が御答弁された方向性はいいんですけれども、これは、でも、もうずっと言い続けながら、なかなか進まないんですね。

 とらない理由のナンバーワンというのは何かというのはわかりますか。

池永政府参考人 お答えいたします。

 これは民間のシンクタンクの調査でございますけれども、育児を目的とした休暇、休業を利用しなかった理由ということで、順位を申しますと、会社で育児休業制度が整備されていない、これは、法律で育児休業をとる権利はございますけれども、それが会社としてしっかり浸透していない、また、使いやすい形で紹介されていないということだと思われます。また、引き続いて多いのは、職場が育児休業制度を取得しづらい雰囲気だったからという、職場の環境、風土が影響しているというところでございます。あとは、収入を減らしたくなかったからというところがございます。

 以上でございます。

浦野委員 育児休業法を、つくっていない企業が多いというのが、ちょっとびっくりですね。普通、これはつくらないとだめと決まっていますよね。だから、それ自体がちょっとどうかと思うんですけれども。

 企業の自主的な取組、育児休業とかそういうことを、働き方改革を一生懸命やっている企業に、名前は忘れましたけれども、何か認証のマークをやったりしていますよね、ごめんなさい、ちょっと忘れましたけれども。でも、あれをやることによってどれぐらい、まあそれは確かに少しは効果はありますよ、ありますけれども、どれぐらい効果があるかと言われると、私はちょっと、なかなか難しいなと。だって、育児休業の規定すらつくっていない会社があるということなんですから。これは、企業の自主的な取組だけじゃもう限界があると思うんですね。

 育児休業とかをとった場合に、キャリアがおくれたりとか、給料が下がるというのはもちろんですけれども、そういうのもあってなかなかとれないと先ほどおっしゃいましたけれども、海外に目を向ければ、必ず同じ、例えば課長だったら課長で戻さないといけないとか、そういう身分の保障をしっかりと法律で定めている育児休業をしている国もありますよね。

 やはり、そこまでしっかりとやってあげないと、なかなか育児休業は進まないんじゃないかと思っていますので、国の方ももう少し、言い方は悪いですけれども、強制的に育児休業がとれるようなものを、枠組みをつくらないとだめだと思いますけれども、その点についてはいかがでしょうか。

池永政府参考人 お答え申し上げます。

 強制的にというところはなかなか、企業に対して難しい面がございますけれども、やはり、そういう職場の風土を改革していく、とりやすい雰囲気をつくっていく、そういったことを奨励してまいりたいと思います。

 以上です。

浦野委員 よろしくお願いいたします。

 橋本大臣、もう大丈夫ですので。

松本委員長 橋本大臣、どうぞ退席なさってください。

浦野委員 次に、保育士処遇改善等加算について、特に改善加算二についてきょうは主に言いますけれども、非常にわかりにくい。計算方法が非常に難しくて、難しいじゃなくて面倒くさくて、非常に使い勝手が悪いんですね。保育士の給与を上げるためにわざわざ予算をつけてやっているわけですけれども、今、予算の取得率、どれぐらいなのかというのをちょっとお答えいただきたいと思います。

嶋田政府参考人 お答えいたします。

 保育士等の処遇改善は重要な課題であるというふうに従来から認識しておりまして、平成二十九年度から、技能、経験に応じて、月額最大四万円を職員に配分する処遇改善等加算二を実施しているところでございますけれども、処遇改善等加算二の平成二十九年度における取得率でございますが、保育所で八〇・一%になっておりまして、一定程度の施設が取得していると考えているところでございます。

 なお、一方で、本加算についても、各保育所等における保育士等のキャリアパスの仕組みを構築し、その処遇改善に取り組むことを促すという趣旨で設けられておりますことから、加算額を職員に配分する際に一定のルールがあるということでございますが、委員の御指摘のとおり、現場からは使いにくいという声も聞かれるところでございます。

 このため、平成三十年度から、実態に合った仕組みとなるように、中堅の保育士等に関する加算額の一部を比較的若い保育士等へ配分可能とするなど、柔軟な運用を可能とするような見直しを行ったところでございますけれども、引き続き、多くの施設で処遇改善の仕組みが活用されるように、取得の実態も踏まえて、検討してまいりたいと思っております。

浦野委員 実は余り大きい声では言えませんけれども、面倒くさいからといってやっていない保育園があるんですよ。だから、これはゆゆしき問題だと思うんですよ。八〇・一%ということなので、二〇%が予算、とっていないわけだからね。

 どういうところでも、保育園というのはやはり事務負担がすごいふえているんですよね。事務の人がもう悲鳴を上げています、正直。一番給料を上げたらなあかんのは事務の人と違うかなと思うぐらい、大変な思いをしたりとかするところもありますので、ぜひ、これはせっかくいい制度ですから、しっかりと使えるように、これからも改良をしていただけたらと思います。

 武田大臣、済みません。私が時間がないから飛ばした質問に答弁をしていただくことになっていたんですよね。最後まで座っていていただいてありがとうございます。

 働き方改革について、先ほど一つ、ちょっと飛ばしましたけれども、各省がこれについてどういう対応をしているのかというのを、各省に答弁していただいたら時間がかかりますので、まとめて大臣からお答えをいただけたらと思います。

武田国務大臣 先ほど厚労省の話を伺いましたけれども、我々内閣府、そして総務省、経済産業省等、さまざまな省庁が、若手の有志によってチームを立ち上げまして、さまざまな課題について検討し、そして、それの、課題の解決策に対しましても議論がなされておるものと承知しております。

 また、人事局におきましては、各府省等の中堅、若手職員で構成されます霞が関働き方改革推進チームを開催しまして、霞が関における働き方改革の課題について、具体的な改善策の検討を行っておるところであります。

浦野委員 ありがとうございます。

 先ほども言いましたけれども、省庁の働き方改革の大半は、やはり我々国会側がもうちょっと何とかしてあげないと変わらない部分もありますので、国会改革も含めて、しっかりとやっていきたいと思います。

 質問をこれで終わります。ありがとうございました。

     ――――◇―――――

松本委員長 次に、公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件、特に人事院勧告について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房内閣人事局人事政策統括官堀江宏之君外四名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

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松本委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。中谷一馬君。

中谷(一)委員 立憲民主党の中谷一馬でございます。本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。

 私からは、まず冒頭に、このたび、台風が続いており、東日本を中心に甚大な被害が生じております。犠牲となられた方々及び御遺族に対し哀悼の意を表しますとともに、被災者の皆様に心からのお見舞いを申し上げます。

 立憲民主党におきましても、台風に関する災害対策本部を設置し、情報収集やボランティア派遣、支援物資の調達など、連日対応に当たっているところでございます。引き続き、関係者などを通じながら現場の情報を集め、被災者に寄り添う対応をより一層進めてまいることをお約束をさせていただき、質問に入らせていただきます。

 私からは、まず、国家公務員の秘密に対する考え方について質問をさせていただきます。

 人事院が発行している「義務違反防止ハンドブック」には、服務規律の保持を目的に、国家公務員法第百条、秘密を守る義務が記載されており、職員は職務上知り得ることのできた秘密を漏らしてはならないという規定があります。

 さらに、人事院が発行されている「二〇一九年度 人事院の進める人事行政について」という資料にも、冊子に規律の保持という項目があります。この中には標準的な処分量定の例という項目があり、故意に行った秘密漏えいや決裁文書の改ざんについては、免職又は停職という項目にマークが示されており、秘密を守る義務に違反をした場合などは刑事罰の対象になりますと記載されております。

 そこでまず伺いますが、職務上知ることのできた秘密とは、職員が職務に関連して知り得た全ての秘密のことをいうと思いますが、ここに示されている秘密とはどういったことを指すと考えているのか、人事院総裁の御見解を伺います。

一宮政府特別補佐人 国家公務員法第百条の秘密とは、非公知の事項であって、実質的にもそれを秘密として保護するに値すると認められるものをいうこととされていると承知しております。

中谷(一)委員 今、人事院の総裁から、秘密とは、非公知の事項であって、実質的にもそれを秘密として保護するに値すると認められたものという趣旨の御答弁をいただきましたが、大臣も同様の見解でよろしいでしょうか。

武田国務大臣 同様の見解でありまして、百条の秘密、非公知の事項であって、実質的にもそれを秘密として保護に値すると認められるものということとされている、これに間違いありません。

中谷(一)委員 そうした中で、一般論として伺いたいんですが、国会議員から政府が通告を受けた質問要旨は秘密に当たらないと考えているのか、秘密に当たると考えているのか、大臣の御見解を伺います。

武田国務大臣 先ほど申し上げましたとおり、百条で言う秘密というものは、実質的にもそれを秘密として保護に値するかどうかという問題、そしてまた、何が秘密に当たるか否かにつきましては、具体的な事実に基づき個別に判断されるもの、このように考えております。

 そのため、質問通告の内容が秘密に当たるか否かについて、我々、当方が一般的に判断することということはできないと考えております。

中谷(一)委員 個別な具体的な事象によってという趣旨の御答弁でしたが、守秘義務違反は刑事罰の対象にもなる大変重要な事柄でありますから確認をさせていただきたいと思いますが、私は、議員から通告を受けた質問要旨が秘密に値するということは当然であると思っています。論調として、当たらないという意見がありますが、国権の最高機関である国会を形成する国民代表である議員の質問権を、私は、それはばかにしているんじゃないかなということを思います。

 そして、自民党の森山裕国対委員長も、事前に質問通告が漏れ、質問の前に批判にさらされるようなことがあっては、国会議員の質問権という問題を考えるときに遺憾だということを述べられておりますが、大臣は、質問権の考え方については同様の見解をお持ちですか、それとも違う見解をお持ちですか。御所見を伺います。

武田国務大臣 行政監督をするという重要な立場でありまして、質問権というのは絶対に守らなければならないものだと考えております。

中谷(一)委員 御答弁いただきました。

 そうした中で、現在、内閣府が、国家戦略特区ワーキンググループの座長代理にメールで森ゆうこ議員の質問通告書を送り、座長代理が更に質問通告内容を外部に流出させたこと、これが問題となっているわけなんですけれども、過去に、議員が省庁に通告した質問要旨が、議員の許可なく質問前に公に広く流出した事例は、本件以外にございますか。政府の見解を教えてください。

武田国務大臣 私個人としては承知をいたしておりません。

中谷(一)委員 武田大臣個人としては承知をしていないということなんですが、政府の方、誰かお答えできる方、政府の公式見解としてお持ちの方はいらっしゃいますか。

村上政府参考人 今、お尋ねをいただくときに触れていただいた十月十五日参議院予算委員会における森ゆうこ議員の質問要旨につきましては、私どもは、問合せ不可との御状況をいただく中で、参考人招致の調整を行うために必要があってその対象者御本人に通告内容を知らせたものであり、守秘義務違反に当たるとは考えておりません。

 申しわけございませんが、ほかの事例につきましては、私、責任を持って調べる立場にございませんので、答弁を差し控えさせていただきます。

中谷(一)委員 通告をしておりますので、しかもこれはかなり丁寧に通告をさせていただいているので、その答弁だと困るんですけれども、基本的には大臣のおっしゃったとおり、ないんだと思います。ないということは、これはやはり前代未聞の事件であるということを一応認識していただいた方がよいということを思っています。

 現政権になってから、残念ながら、改ざんや隠蔽、捏造、漏えい、こうした事件が常態化をしてしまって、当たり前のようになってしまっているんですが、普通に考えれば、前代未聞の本当に大事件だなということを思っています。

 そうした中で、内閣府が、座長代理が参考人として呼ばれるため情報提供をしたと先ほどの答弁でもおっしゃられておりましたが、関係のない部分まで質問通告を送ることが必要であるのか、私はやはり疑問が残りますし、現に座長代理から大学教授に情報が伝わり、他にも通告書、添付の詳細なファイル、こうした内容をメールでもらったということが事前の質問批判につながりました。参考人とはいえ、法律上守秘義務のない座長代理に詳細な通告内容まで提供をしたのは私は軽率であると考えるんですけれども、そもそも論として、参考人招致を求めている人に、議員の許可なく質問要旨を事前に通告してもよいとされているエビデンスは何でしょうか。根拠があれば教えてください。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のありました森ゆうこ先生の質疑に関連してでございますけれども、問合せ不可との状況の中で議員から参考人招致の要請を受け、その調整を行うために対象者として渡したものでございまして、これは通常の国会業務の一環として考えてございます。

 これについての特定の規定はないというのは御指摘のとおりでございますが、いずれにせよ、状況に適切に判断すべきものであり、極力、質問者の意向に即して丁寧に取り扱うべきものというふうに承知をしてございます。

中谷(一)委員 おっしゃられたとおり、根拠もエビデンスもないことを勝手に判断されて流出をさせているということでございまして、やはり、こうしたことは公務員制度の中でしっかりと考えていかなければならない問題だと思います。

 そうした中で、本件、流出した質問について、そもそも、大臣は、この個別具体的な事象に関しては秘密に値すると考えているのか、秘密に値しないと考えているのか、御見解を教えてください。

武田国務大臣 個別の事案については、ちょっとコメントを差し控えさせていただきたいと思います。

中谷(一)委員 聞いている理由は、大臣が国家公務員制度を所管する担当大臣で、しかも、公務はもちろん公平中立に行うということが定められておりまして、その中で、人事管理であったり人事評価、懲罰や服務、こうしたものを定める担当のトップであられるから聞いているわけでありまして、ぜひ見解をどこかで持ってきていただけたらうれしいなということを思っているんですけれども。

 その中で、そもそも、政府では、議員の質問要旨について何をどこまで公開してよいと定めているのか、内部規定などは今存在しないということがあったんですけれども、全て個々の裁量に任されているのか、その取扱いについて教えてください。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねのあった事案に関連して当部局での判断ということでございますが、申し上げているとおり、特定の規定を内部では持っておりませんが、それは質問の状況によりまして、積極的に知らせてほしいとか、みずから公開されている先生もいらっしゃいますし、そのようにお考えでない先生方もいらっしゃいますし、基本的には、御通告をいただくときには、委員部の方の御指示ともよく連携をとりながら個別、適切に判断していくべきものというふうに承知をしてございます。

中谷(一)委員 そういった判断をしていくに当たって、そもそもどのような情報を秘密として取り扱うのか、内部で定めている例示などはありますか。具体例があれば教えてください。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 現在、当部局で認識している範囲につきましては、質問通告の内容について、何を秘密、何を秘密とすべきでないことについて特段の基準はないというふうに承知をしてございます。

中谷(一)委員 国家公務員の仕事は機密や個人情報を扱う機会も多く、そこから得た情報が外部に漏れれば国家の利益を大きく損なう危険性があります。だからこそ、国家公務員法百条に、秘密を守る義務は必ず守らなければならないということが記載をされているわけであります。

 別件ですが、松井孝治氏のツイッターで公開した資料、この画像についても、省庁内から事前に漏えいしている可能性が高いという指摘がございます。

 そこで伺いますが、今回の質問通告漏えい事件を受けて、政府として教育や研修、再発防止対策などを講じる予定がありますか。具体策があれば、その点についても大臣からお答えをいただきたいと思います。

武田国務大臣 守秘義務に関しましては、先ほど申し上げました最高裁判例等について、人事院また各府省において、服務にかかわる研修等により徹底が行われているものと承知しております。

 このほか、内閣人事局では、従来から、服務の徹底を図る観点から、服務義務違反に関する懲戒処分事例の各省への紹介、共有を図っておりまして、こうした中で、守秘義務違反として懲戒処分を受けた個別事例についても、紹介することを通じ、徹底を図っているところであります。

中谷(一)委員 それが本当に徹底をされていれば、今回のことが問題にならなかったんじゃないかなということを思っています。やはり、こういったことを未然に防いでいくというのは、制度の中でしっかりと考えていくということが私は非常に重要であると思っておりまして、大臣にはそのあたりをしっかりと考えていただきたいということを思います。

 そして、関連をして、北村大臣が先日、私人が質問通告内容を第三者に伝えることについて定めがないという答弁をされていたんですけれども、国家戦略特区ワーキンググループの座長代理など、今回のようにさまざまな機微に触れる情報を取り扱うことになる人物が無制限に第三者へ情報を流すような状況を、私は未然に制度の中で防いでいくことというのも重要じゃないかなということを思っています。

 そうした観点から、今後、政府や大臣から委嘱する民間有識者にも、例えば秘密保持の覚書であったりとか、守秘義務契約をお願いすること、こうしたことは本来検討すべきじゃないかなと思うんですが、いかがでしょうか。大臣の御所見を伺います。

武田国務大臣 民間の有識者であっても国家公務員として委員に任命されている場合には、国家公務員法第百条に定める守秘義務が課せられるということになっております。

 一方、国家公務員としての身分を有しない有識者につきましては、国家公務員法上の守秘義務は課されないが、検討内容などに応じて、当該有識者が知り得た情報を外部に漏らさない旨をあらかじめ文書にして提出させるなどの必要な措置を講じることは可能となっております。

 具体の会議等にかかわる対応につきましては、当該会議等を運営する府省において、会議の性格や委員の役割等を踏まえ、どのような形が適切か判断し、対応されるべきものと考えております。

中谷(一)委員 少なくとも、国家戦略特区ワーキンググループというのは非常に重要な会議じゃないかなと思います。こういったところは当然検討されてよかったんじゃないかなということを思いますので、さらに、こういった事件があったわけですから、しっかりと、覚書であったりとか守秘義務のあり方の考え方、質問がどうやったら漏えいしないのかということを大臣のリーダーシップを持って私は進めていただきたいなということを思いますので、要望させていただきたいと思います。

 そして、国家公務員は、憲法第十五条により、全体の奉仕者として公正中立な職務遂行が常に求められていると思います。公務員制度改革は、行政ニーズに即応した人材を確保、育成し、公務員が国民全体の奉仕者として志を持って行政に専念できる環境を整備することにより政府のパフォーマンスを高めることを目指すものでありますから、その中で、秘密事項の内部規定すらなく、秘密保持を組織的に怠っている状況を改善することなく今回のような事件を起こしたこと、これが要するに問題だと思いますので、国家公務員制度を担当する武田大臣に伺いますが、現在のように、第三者機関を交えた調査もしない、具体的な改善案もない、対案を示しても馬耳東風のこの状況を大臣はどのように立て直していかれますか。具体的なビジョンがあれば教えてください。

堀江政府参考人 国家公務員法百条の秘密は、最高裁の判例におきまして、形式的に判断することはできず、実質的にもそれを秘密として保護するに値すると認められるものであるか、すなわち実質的な判断を要する、いわゆる実質秘とされているところでございます。

 実質秘であるかどうかについては、その内容について個別具体に判断する必要がありますものですから、これを一般化、類型化することはなかなか困難な面がございますが、一つには、最高裁判例、あるいは具体の裁判例、処分例などを周知徹底する。もう一つには、公文書管理の観点から適切な文書管理を徹底する。そういったことによって守秘義務違反ということを防止していく、そういった取組が重要であると考えております。

中谷(一)委員 大臣に聞いておりますので、お答えいただけますか。

武田国務大臣 いずれにしましても、公正公平を旨としている職業の方に対して疑いというか疑念が生じるということは、これは本当に残念なことであると思いますので、こうしたいろいろな事案を通じながら、さまざまな角度から検討を進めていきたい、このように考えております。

中谷(一)委員 具体的な検討を、もう個別具体的に直すところは明確であると思いますので、私は、しっかりリーダーシップを持って、大臣の任期中に何とか改善をしていただきたいなと思いますので、要望させていただきたいと思います。

 そして、先ほどちょっと触れさせていただいたんですけれども、北村大臣が、直接漏えいが判明したときには責任をとるということをおっしゃいました。しかしながら、内閣府は自分たちがしでかしたことを自分たちで調査をして大丈夫ですと言っていても、それは説得力がないと思うんですね。

 なので、国民からの疑念を晴らすためにも、公平中立な第三者機関に調査を依頼して事の真相を明らかにしていただいた方が、政府にとっても、いや、こんなに大丈夫でしたよということを示すことになるのかもしれませんし、国民にとっても、ちゃんと説明責任が果たされている、すごくいい案じゃないかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。大臣の御見解を伺います。

武田国務大臣 これは私の担当ではありませんので、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。(中谷(一)委員「では、政府の見解を伺いたいと思います」と呼ぶ)

松本委員長 中谷一馬君、指名してからお願いをしたいと思います。

 村上審議官。

村上政府参考人 本件の対応につきましては、それぞれの委員会の理事の先生方に求めに応じて御報告はさせていただいているところでございまして、本件の参議院の質問通告の件につきましても、現在、参議院の理事会、筆頭間での場で御協議いただいているところというふうに承知をしてございます。

 引き続き、国会の先生方、関係者の御指示をよく仰ぎながら、必要に応じ、適切な対応をとってまいりたい、このように考えてございます。

中谷(一)委員 多くの国民がこの件について疑念を持っています。やはり、政府のあり方そのものが求められている、そうした事案だと思いますので、ぜひ、客観的に公正な形で、このことが本当に政府として問題なかったのかとみんなが腹落ちをするような説明責任をしっかりと果たしていただくこと、これが非常に重要であると思いますので、大臣におかれましてもしっかりと検討をしていただくことをお願い申し上げて、私の質問を終了させていただきます。

 ありがとうございました。

松本委員長 次に、森田俊和君。

森田委員 立国社の会派の森田俊和でございます。よろしくお願いいたします。

 二十分のお時間でございますので、早速質問に入らせていただきます。

 まず、先日の台風に対する対応の関連なんですけれども、私の地元の埼玉県の熊谷市なんですけれども、市役所の職員さんで、夫も妻も両方とも役所の職員で、両方とも避難所の対応だとかで出勤をしたと。御主人の方は十時ぐらいから出て、奥さんの方はお昼ぐらいから出て、あの日は土曜日だったと思うんですけれども、要するに臨時の対応で出て行ったということで、御自宅には、結局お二人ともずっと夜中まで、旦那さんが帰ったのが十時とか、奥さんが帰ったのが夜中の十二時とかという感じになってしまったんですが、結局そこのうちの中に小学校五年生のお子さんと中学校一年生のお子さんが二人で要するに留守番をするような形になってしまったというようなことがあったそうです。

 これは市役所の例なんですけれども、国家公務員の方の例でこういうことがあったかどうかというのは、何か把握していらっしゃることはあるでしょうか。

武田国務大臣 恐縮でありますけれども、お尋ねの事例については把握をしておりません。

森田委員 この先ほどの例のお宅については、裏に和田吉野川という川がございまして、過去にはこの増水によって周辺の宅地が被害を受けたようなこともあったということで、幸い今回は何もなく済んだんですが、そのお子さんたちが、心配になって、下の小学校のお子さんが旦那さんの方に、パパどうしようかと。ピーピーピーピー、エリアメールとかいうんでしょうかね、全部の携帯が鳴るようなメールが流れてきて、避難の指示、勧告みたいなあれが出ていたということなので非常に心配になって、職場にいるお父さんに小学校のお子さんが電話をかけてきたなんということもあったそうです。

 結局は、避難もせずにそこにい続けたということになったんですけれども、これから災害対応等が多くなってくると、恐らく、両親共働きで、両方国家公務員であるか、あるいはいろいろほかの職種も含めてですけれども、家庭環境、お子さんがいらっしゃるかどうかということも含めて、あるいは介護が必要なお宅かもしれないしということもあるかなと思いますけれども、急にそのときになってからそういうのを調べるというと難しいと思いますので、事前にこういった各御家庭の状況なんかも把握をしておいていただけると、いざといったときにお子さんだとか御高齢の方が被害に遭うというリスクが少なくなるかなと思いますので、ぜひ御配慮いただければありがたいなというふうに思っております。

 続きまして、今回の人事院の関係ですけれども、主に超過勤務の縮減、いわゆる残業を減らしていくというような取組についてお尋ねをしていきたいなというふうに考えております。

 これは調査をずっとしていて、この十年ぐらい、本省の勤務ですと三百五十時間から三百八十時間というような年間の残業時間が積み上がっている、あるいは、出先も含めた全体でいうと二百二十から二百四十ぐらいも、ざっとした計算でいうとそのぐらいの超過勤務が発生をしているということなんです。

 非常に、ワーク・ライフ・バランスということで、私、うちはたまたま三人の娘が年子で、平成十五、十六、十七年と生まれて、ちょうど私が最初、県議選に、政治にかかわり始めてから、浪人したので、結局、地域での活動をしたりとか、あと、介護の事業所を立ち上げたりしたので、割かし自分で時間のやりくりがしやすい立場にあったものですから、ちょうど子供たちが小さい、ゼロ、一、二歳ぐらいのときには、真ん中の子をおんぶして活動に出ていったり会議に出ていったりして、たまには怒られたりしながら、何でそんな子供なんか連れてくるんだなんということを言われたりしながらそういう活動、仕事なんかもしていたような経験があるんですけれども、なかなか、やはり、自分で時間を組み立てられるという立場の方と、公務員の方のように拘束をされた時間の中でやらざるを得ないということがあるんだろうなと思っていまして、ずっとここのところ時間が変わっていないものですから、この取組についてはかなり熱を入れてやっていかないと恐らく変わっていかないのではないかなというふうに思っています。

 そこで、個人的な御経験とか思いも含めた中で、残業を少なくしていく、超過勤務を縮減していくという必要性についてどのようにお感じになっていらっしゃるか、ぜひ、総裁の方と大臣の方から御所見を伺えればなと思っております。

一宮政府特別補佐人 私は、人事院に任命される前は長い間裁判官をしておりましたけれども、裁判官の仕事の進め方や勤務時間管理は一般の国家公務員とは異なるために、私の経験は必ずしも参考にはならないのではないかなと考えております。

 国家公務員の超過勤務につきましては、公務のため臨時又は緊急の必要がある場合に、各省各庁の長が命じることができることとされておりまして、いわゆる三六協定に基づいて行う民間の時間外労働とは枠組みが異なっておりますが、公務においても、職員の健康保持や人材確保の観点等から、長時間労働を是正すべき必要性は異なるものではありません。

 長時間労働の是正は極めて重要な課題であり、本年四月から、超過勤務命令を行うことができる上限の時間を人事院規則で定めるなどの措置を講ずるところとしたところです。

 今後も、制度の運用状況を把握し、必要に応じて各府省を指導していくなど、引き続き適切に役割を果たしてまいりたいと考えております。

武田国務大臣 委員も含め我々国会議員は、議員活動をしている中で、特に国会中、国家公務員の皆さん方が本当に深夜まで、また朝まで働いておられる姿というのはもう皆様方は認識しておられると思います。

 特に、今我々は防災担当を兼務いたしておりまして、就任から、十五号、そして大雨、十九号、大雨と本当に甚大な災害が続いてまいりました。我々のチーム、部下も、全く休みをとっていない方々がほとんどであり、現場に行ったり役所に泊まり込んだりと、本当に今疲労がたまっている状況であります。

 しかし、我々は災害から国民を守る責任がありますので、これはこれで当たり前のことなんですけれども、であるからこそ、平時はいち早く家庭に帰っていただいて、そして英気を養って、次なるそうした緊急を要する災害に備えるということが、私は、重要でありますし、立派な仕事ができる要因にもなるというふうに考えております。

 しかしながら、常日ごろからそうした働く方々の超過勤務というものにしっかりと向き合いながらこれを縮減することに努めてまいりたい、このように考えておるところであります。

森田委員 ありがとうございました。

 仕事優先という社会的な環境の中で今まで私たちはやってきたんですけれども、やはり今は仕事を余りやり過ぎている職場からどんどん人が離れていっているような状況も生まれております。ちょっと後でまたお話ししたいと思うんですけれども、ぜひ、クリエーティブないい仕事をするためには適切に休みをとっていくということが必要なんだという認識の中で仕事を組み立てていければなというふうに考えております。

 今回、長時間勤務を抑制する指針から規則に格上げになったというふうに思いますが、超過勤務の上限等に関する措置についてということなんですけれども、民間との違いというのはどういうところにあるんでしょうか。ポイントで結構なので、簡潔にお願いします。

合田政府参考人 お答えいたします。

 民間労働法制におきましては、昨年、労働基準法が改正されまして、いわゆる三六協定による時間外労働につきまして、原則月四十五時間、年間で三百六十時間という上限の限度時間が定められ、臨時的な特別の事情がある場合であっても、月百時間未満、年七百二十時間以下等と定められたというふうに承知しております。

 国家公務員の超過勤務につきましては、先ほど総裁から答弁申しましたように、公務のため臨時又は緊急の必要がある場合に各省各庁の長が命じることができるとされておりまして、三六協定に基づいて行う民間の時間外労働とは枠組みが異なっているところでございます。

 今般、先ほど先生御指摘のように、従前は局長通達という指針で定めていた上限時間につきまして、人事院規則におきまして超過勤務命令を行うことができる上限の時間を定めるなどの措置を講じました。

 具体的には、原則一カ月について四十五時間かつ一年について三百六十時間、それから、他律的業務の比重が高い部署に勤務する職員に対しては、一カ月について百時間未満かつ一年について七百二十時間等と設定しておるところでございます。

 ただし、大規模災害への対処、重要な政策に関する法律の立案、他国又は国際機関との重要な交渉その他の重要な業務であって特に緊急に処理することを要する業務に従事する職員に対しては、上限の時間を超えて超過勤務を命ずることができることとしております。この場合には、超過勤務を命じた各省各庁の長に対し、その超過勤務に係る要因の整理、分析及び検証を行う義務を課しているところでございます。

 なお、民間法制におきましても、災害その他避けることができない事由によって臨時の必要がある場合におきましては、労働者に上限を超えて時間外労働等を行わせることができることとされていると承知しておるところでございます。

森田委員 ありがとうございます。

 いろいろ御説明いただいたんですけれども、罰則がない中でのこういった規則になるんだと思います。罰則がない中で、どのようにこの勤務時間を守るということを徹底していけるのか、その実効性について総裁からお考えを聞ければと思います。

一宮政府特別補佐人 今般、超過勤務命令の上限を定めたということは、先ほど局長の方からも説明したとおりでございます。

 各省各庁の長が超過勤務を命ずるに当たっては、人事院規則等の規定内容のもとで、職員の健康及び福祉を害しないように配慮して、それぞれの業務の状況を考慮して適切に対応していただく必要があると考えます。

 長時間労働の是正のためには、超過勤務予定の事前確認等を徹底するなど、各職場においてマネジメントの強化を図るとともに、府省のトップが先頭に立って組織全体として業務の削減、合理化に取り組むなどの対策を講ずることが必要です。

 先ほど申しましたように、今後も、制度の運用状況を把握し、必要に応じて各府省を指導していくなど、引き続き適切に役割を果たしてまいりたいと考えております。

森田委員 ちょっと時間の関係で少し、通告しておいた質問を飛ばさせていただきますけれども、今お話のあった、他律的な業務であったりだとか、あるいは、先ほど大臣からもお話のあった、災害が起きたときなんかの対応ということで特例ということもありますけれども、要するに、その辺の例外的なというか、原則というものがあって、そこにまた他律的な部署というのがあって、更にその上は特例の業務ということがあってということで、結構その辺の判断が各省庁に委ねられているということになりますと、結局、これはみんな大事な職務でした、業務でしたと言っちゃえば、全部それで済んじゃうようなこともあるんではないかなという懸念もあると思います。

 この辺のそういう判断を各省庁に委ねているということなんですけれども、有名無実化してしまうことがないのかどうなのか、人事院からお答えいただければと思います。

合田政府参考人 お答えいたします。

 他律的業務の比重の高い部署の範囲や、どのような業務が上限を超えて超過勤務を命ずることができる特例業務に該当するかの判断につきましては、人事院規則等の規定内容や趣旨に沿って、各省において厳格に行っていただく必要がございます。

 また、各省各庁の長が、先ほど御説明しました、上限を超えて超過勤務を命じる場合でありましても、人事院規則上、各省各庁の長が、その超過勤務を必要最小限にとどめるとともに、健康確保に最大限配慮しなければならないということを規定しているところでございます。

森田委員 ありがとうございます。

 とりあえず今年度からこれを始めてみて、また、一年のその上限の時間数とかというのもあるということですので、一年間やってみて、今回は特に大きな災害等もありまして、いろいろと特殊な状況も含めてのこの判断というもの、そのまず実績があって、それに対する検証、判断ということになってくるんだと思いますが、この辺のところを、これからいろんな災害も多分続くと思いますし、全部特例だからと言っちゃうと全部出続けるということになっちゃうという可能性もありますので、ぜひ、この辺も注意しながら、人事院の方でも見ていただきたいなと思っています。

 また、勤務の管理のことで、ここは武田大臣に御質問したいんですけれども、民間ですと、客観的に勤務の状況がわかるものを出勤した判断にする、タイムカードを押したり、あるいはパソコンを操作していたそのログインのアクセス記録を見るとか、ICカードを使って出退勤管理をするとか、いろいろ客観的なということがありますけれども、聞くところによりますと、国家公務員の場合にはそのような管理はされていないということで、いわば本当のところがわからないというような状況にもなりかねないというふうに思っています。

 こういった、ICT等を活用した勤務管理というのも必要じゃないかなと思うんですけれども、これはいかがでしょうか。

武田国務大臣 超過勤務の縮減のためには、その実態というものを正確に把握することが重要であり、適切な勤務時間管理を行うこともこれまた重要であります。

 昨年二月に出された人事院の通知によりますと、超過勤務時間の確認は、上司による確認のほか、先ほど先生がおっしゃられました、パソコンのログイン、ログアウトなどの「客観的な記録を基礎として存庁の状況を把握している場合は、これを参照することもできる」とされております。

 現在、内閣人事局では、超過勤務について部下の事前事後の申告を上司が確認する勤務時間管理システムを開発し試行しておりますが、今後、客観的なデータを取り込んで活用していくことも検討しております。

 いずれにしましても、適切な勤務時間管理が行われるよう、人事院や各府省と連携しつつ、取組を進めてまいりたいと思います。

森田委員 大臣、よろしくお願いいたします。

 最後に……(武田国務大臣「済みません、昨年じゃなくて、ことしです」と呼ぶ)ことしですね。はい、ありがとうございます。

 最後に、国家公務員の人材の確保という観点から、この問題に対しての大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思うんです。

 今、いろいろと、ほかの民間企業もその努力をしていて、勤務時間あるいは休日のとり方については、非常に適切にとる企業もふえてきているということでございまして、能力があっても、私生活を犠牲にして天下国家のためにと思える人は来る、ただ、思えない人は要りませんというふうになってしまう国家公務員の勤務のあり方では、ちょっとこれからの人材確保、本当にクリエーティブな人材をどんどん集めていきたいなというふうに考えると、大事な仕事をどんどんやっていきたいというような、そういう人材を集めたいということを考えると、やはり、しかるべききちんとした適切な枠をはめた中での勤務管理というのがどうしても避けられないというふうに考えています。

 いわば人手不足の中で、人材の奪い合いという側面もあるのではないかなと思っておりますので、ぜひ、こういった観点からも、勤務時間というものをしっかりと管理をしていただきたいと思うんですが、最後に大臣の御所見を伺いたいと思います。

武田国務大臣 優秀な人材を確保するという観点からも、今までのように長時間労働を前提とした、こうした働き方を改めなければなりません。しっかり休んで、集中して働き、めり張りをつけていくということなんですけれども、限られた時間で成果を上げる生産性の高い働き方へと変えていくことが必要と考えております。

 そのため、これまで長時間労働を前提とした働き方を改める意識改革、業務の見直し、効率化や、部下職員の超過勤務時間見込みの事前把握等、管理職のマネジメント改革などにより、超過勤務の縮減に取り組んできたところであります。

 今後とも、超過勤務の縮減を含む働き方改革に積極的に取り組み、全ての職員が存分に能力を発揮できる環境づくりに努めていきたいと考えております。

森田委員 日本の未来をつくっていく中核を担っていただく皆さんでございますので、ぜひ、大臣始め皆さんの取組をお願いできればと思います。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

松本委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 人事院勧告にかかわって質問をいたします。

 最初に、人事院総裁にお尋ねをいたします。

 官民人事交流についてでありますが、この官民人事交流制度で、交流採用の雇用継続型というのがあります。民間企業から官の方にいらっしゃる、そういった場合について、民間企業の身分をそのまま持ったまま仕事につかれるという形ですけれども、この雇用継続型における服務や給与に関する規制はどうなっているのか、そのような規制を行っている理由は何なのか、この点についてお答えをいただきたい。

一宮政府特別補佐人 官民人事交流法に基づく交流採用は、人材の育成と組織の活性化を目的として行われているものであり、公正性や透明性の確保を図りつつ、円滑な交流に資するような仕組みとしております。

 具体的には、外部有識者で構成される交流審査会の意見を聞いて、許認可関係のある企業との交流制限などを定めた交流基準を設け、人事交流の実施に当たっては、参加企業の公募などによる公正な手続、交流元企業と密接な関係にある官職への配置制限、給与補填の禁止などの制限を課しております。

 さらに、交流状況の、国会及び内閣に対する年次報告などを行っているところでございます。

塩川委員 公務の公正性、透明性の確保という観点で、許認可業務についての官職につくことの禁止や給与の補填の禁止、それが行われているということです。年次報告も行うということです。そういう点で、出身企業からの給与補填は認めない。それは、公務の公正性、透明性を確保するためだということであります。

 そこで、重ねてお尋ねしますけれども、私、この間、国家公務員が霞が関、特に官邸、内閣官房、内閣府に多数、非常勤職員として出向しておられるということを取り上げてきたわけですけれども、資料にもありますように、民間企業出身者が国家公務員の非常勤職員として政権中枢の内閣官房や内閣府で勤務する事例が増加をしております。

 人事院総裁にお尋ねしますが、こういった民間企業からの出向者の方ですけれども、例えばこの前取り上げたIT室の場合でも、非常勤職員で、給与は係長クラスで日額九千七百五十円、課長補佐クラスで一万一千百五十円。年間二百四十日勤務だったら、それぞれ、二百三十四万とか二百六十七万円とか、年収二百万円台という話になるわけです。

 そうなると、実際、そういう方々が民間企業から官の方に出向に来るという場合に、では、二百万円台の年収でやれるかというと、そうはならないわけで、そこには当然、出向元企業に身を置いているわけですから、給与の補填が行われているんじゃないのかという話が出てくるわけです。実際にやりとりをしてみても、出向元企業、出身企業から給与の補填を受けているということを政府の方も否定していないわけです。

 人事院総裁にお尋ねしたいのは、こういうように出身企業から給与の補填を受けている場合というのは、非常勤職員の場合であれ、公務の公正性に疑念が生じるんじゃありませんか。

一宮政府特別補佐人 非常勤職員に民間企業出身者を採用する場合でも、公務の公正性を確保し、官民癒着等の疑念を抱かれることのないようにする必要はございます。

 非常勤職員につきましても、国家公務員としての各種の服務規律が課されておりますので、各府省において、服務規律を遵守させるとともに、職員の配置や従事する業務等に十分配慮するなど適切な運用を図るよう、人事院としても引き続き制度を周知徹底してまいりたいと思います。

塩川委員 官民人事交流法、官民人事交流制度に基づいて、雇用継続型、民間企業の人が出向という格好で官の方に来るときには、官の方で給料を払います、民間からの給料はもらいませんという整理になっているわけです。それは公務の公正性、透明性を確保するためだという答弁ですから、非常勤職員の場合だって、当然、そこでは同様の考え方ではないでしょうか。

 非常勤職員という格好で民間企業の人が官に出向してくるといった場合に、給与補填をしていたら、公務の公正性に疑念が生じるんじゃないですか。違いますか。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 非常勤職員につきましては、兼業規制など一部を除きまして、常勤と同様の厳格な服務義務が課されている。今、総裁が答弁申し上げたとおりでございます。

 ただ、兼業が規制されていないということでございますので、兼業として民間企業の業務に従事しますと、その対価としての給与を受け取るということは、これは制度上はあり得るものというふうに承知しております。

塩川委員 ということは、出向で来ている民間企業の方が非常勤職員で官で働く。内閣官房や内閣府にもたくさんいらっしゃるわけですけれども、五時間四十五分ぐらいの勤務時間ですから、それ以外のところを民間企業に戻って仕事することも構わない、そういう部分については民間企業から給与の補填を受けても構わないということなんですね。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 兼業につきましては、人事院の所管ではないということもあるわけでございますが、本務に支障がない範囲内で兼業が認められるということがありますれば、それは支障がない範囲内で働いておるわけでございますので、勤務の対価としての給与というのは、これは受け取ることはあり得るということだろうというふうに承知しております。

塩川委員 官民人事交流制度の雇用継続型の場合には、出身元企業で働くことも認めませんという整理ですよね。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 雇用継続型の官民人事交流で採用した職員につきましては、いかなる場合においても、交流元企業の事務事業に従事してはならないということになっておりますし、賃金を受け取ってはならないということになってございます。

塩川委員 ですから、制度的には同じ話なんですよ。それが官民人事交流制度の雇用継続型なのか非常勤職員なのか、違いはあるけれども、形上は民間企業の人が出向で官の仕事をしているわけです。

 そういった際に、やはり、給料をもらっているとか出向元の企業で働いていたら、それは公務の公正性に疑念が生じる、公務の公正性が確保できないよという考え方で、同じじゃないですか。

 そういうことについて、要は、非常勤職員については兼業規制を課されていないからいいんですというのでは、ちょっと人事院の考え方としても納得いかないんですけれども。もう一回。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 官民人事交流制度でございますけれども、人材の育成とそれから組織の活性化ということを目的に、民間企業の方も常勤職員に採用するということを可能とする制度をつくったものですから、常勤職員としてのそれなりの地位を得るということで、公務の公正性、透明性をしっかり確保する必要があるということで、厳しい規制を設けているということでございます。

 非常勤としての採用ということになりますと、おのずと常勤と非常勤ということで性格が違いますので、扱いの違いになってあらわれたというふうに承知してございます。

塩川委員 いや、答弁になっていないということですが。

 武田大臣にお尋ねします。

 要するに、この間、内閣官房、内閣府にたくさんの人が非常勤職員で民間企業から出向してきておられます。その仕事というのは、内閣官房副長官補の分室にあるような専門的な仕事、まさに内閣の企画立案、総合調整を行うようなところに皆さんいらっしゃっているんですよ。補助事務とかじゃないんですよね。まさに政権中枢の企画立案を担うようなところに民間企業の人が出向者で来ているんです。ですから、そこで透明性、公正性の確保が求められるのは当然のことです。

 この点について、是正すべきじゃないかということをかつて梶山担当大臣のときにお尋ねをして、二〇一七年の十一月、十二月の質疑について、梶山大臣は検討課題とおっしゃいましたが、その後、どのような検討、対応をされたのかをお聞きします。

武田国務大臣 委員が御指摘なのは、官民癒着防止、規制にかかわる問題だというふうに承知しております。

 平成三十年一月ですが、各府省の人事担当課長に対し、民間から採用する非常勤職員につきまして、まず、国家公務員の服務に関する規律を遵守させること、また、過去の職歴や所属機関等を勘案の上、当該職員の配置や従事する業務に配慮することなどにより、適切な人事運用に努めるよう注意喚起を行ってまいりました。

 その上で、同年三月、政府全体を通じた統一的な人事管理を推進するために、内閣総理大臣が決定する人事管理運営方針においてもその趣旨を明示し、各府省に通知したところであり、今後とも、機会を捉え、注意喚起を行うことなどにより、適切な人事運用の徹底に努めてまいりたいと思っております。

塩川委員 そういった人事管理運営方針の話は、まあ、今まで言っていることを文字にしたという話であって、私が聞きたいのは、民間企業の方が非常勤職員として出向で官の方に行きます、政権中枢に行きます、そういったときに、民間企業から給与をもらっています、民間企業で働くことというのも妨げませんというのは、公務の公正性に疑念が生じるんじゃないですか、そこを何らかする必要があるんじゃないのか。

 給与補填の問題で何か言うというのはないんですか。

武田国務大臣 とにかく、透明性を確保しながら信頼を得る仕事をしていかなくてはならないというのが大前提であります。

 非常勤職員は、民間の専門的な知見を活用するため採用しておるものでありますが、その従事する職務並びに各人の勤務形態もさまざまであります。このため、一律な規制を設けるというのではなくて、先ほど申し上げましたとおり、各府省に対し、それぞれの事情に応じて配置や業務への配慮などを行うよう求めてきたところであります。

塩川委員 それぞれ各府省で対応というところなんですけれども、内閣官房、内閣府でこれだけ非常勤職員がふえているというのが非常に不思議でなりません。

 二〇〇一年の官邸機能強化の省庁再編後、内閣官房は定員が二倍になりましたけれども、その間、民間企業出身者が大幅にふえているわけです。何で、政権中枢の内閣官房や内閣府で非常勤職員として民間企業の方が働く例がふえているんでしょうか。

 私が提起したいのは、これは日本経団連の要望があるんですよ。二〇〇五年の四月に、「さらなる行政改革の推進に向けて 国家公務員制度改革を中心に」という提言を発表しました。「さらなる官民の交流促進」として、「民間から人材を受け入れる際には、その者が官の単なる補助的な存在として扱われるのではなく、政策の企画・立案の中枢に積極的に関与できるように、一定の任用枠を設けるなど、中途採用者の増加を促していく必要がある。特に内閣機能の強化の観点から、内閣官房や内閣府への民間人登用を増やすべきである。」と記述している。

 まさに、政策の企画立案の中枢である内閣官房や内閣府への民間人登用をふやすために、非常勤職員という形で民間企業出身者を官邸に送り込める、そういう仕組みをつくったんじゃないんですか。大臣、いかがですか。

武田国務大臣 先ほどから言いますように、さまざまな形態、態様がありまして、一律に規制を設けるというのはちょっと難しい面がある、このように承知しております。

塩川委員 いや、給与の補填はおかしいでしょうというところは何ら解決しないというのでは、まさにそこが肝ですから、それぞれの態様があるという問題じゃない。そこは共通している話なので。

 この非常勤職員の増加というのが、経団連の要求を具体化して、政権中枢に民間企業出身者を直接送り込むための仕組みであって、これは公務の公正性を疑うものですし、財界、大企業中心の政治のゆがみをつくる、こういう人事制度は抜本的に見直すべきだと申し上げて、質問を終わります。

松本委員長 次に、浦野靖人君。

浦野委員 日本維新の会の浦野です。よろしくお願いいたします。

 まず、確認をしたいと思います。

 今回の人事院勧告について議論がありますけれども、国家公務員と民間給与の較差についての民間企業のサンプルの数字に非正規雇用の方が含まれているのかどうかを確認をしたいと思います。

松尾政府参考人 お答えいたします。

 国家公務員の給与と民間企業従業員の給与との比較は、役職段階などの主な給与決定要素を同じくする者同士を比較するとの考え方に基づきまして、雇用形態等の条件をそろえて行う必要があるというふうに考えております。

 このため、任期の定めのない常勤の国家公務員の給与水準を決定するための官民比較の対象となる民間企業の従業員は、常時勤務する従業員のうち、期間を定めずに雇用されている者としてきておりまして、いわゆる非正規雇用の方は比較対象には含まれておりません。

浦野委員 今の答弁でもわかるように、給料の低い人とは比較をしないというふうに決めてあるわけですね。だからこそ、我々日本維新の会は、一貫して、この人事院勧告の給与の比較の仕方がおかしいということで反対をしているわけですけれども、更にもう一つ、今回比較した給与較差についてのそれぞれの平均年齢は何歳なのか、お答えをいただきたいと思います。

松尾政府参考人 お答え申し上げます。

 民間給与との比較を行っている行政職俸給表(一)適用職員の本年の平均年齢は、四十三・四歳となっております。

 また、人事院の職種別民間給与実態調査は、国家公務員と民間企業従業員につきまして、主な給与決定要素である役職段階、勤務地域、学歴、年齢を同じくする者同士の給与を対比させるラスパイレス比較に用いるための調査ということでございますので、民間全体の平均年齢の数値は算出しておらないところでございます。

浦野委員 ここでも、はたから見ればよくわからない数字なわけですね、民間は算出していないということなんですけれども。

 これが、例えば民間給与の平均年齢が五十歳だったら、当然、民間の方が給与が高くなったりするのは明らかですよね、やはり。平均年齢が高いところはそれだけ勤続年数が高いわけですから、給料も上がっています。そういう比べ方をごまかしてやっているからこそ、我々はこの比べ方、人事院のやり方について反対をしてきました。

 きょうは五分しかありませんのでこれ以上はもう言いませんけれども、比較の仕方をやはりもう少し、誰が見ても納得できるようなやり方にしないと、私はもう、人事院勧告は本当にお手盛りの、給料の高い人たちとばかり比べて、いつまでたっても給料が低いんだ低いんだ、公務員の給料は低いんだと言っているにすぎないというふうに考えていますので、人事院の方々、毎回この質問のときに顔を合わせますけれども、懲りずに、一宮さんも毎回懲りずに答弁いただいていますけれども、よろしくお願いをしたいと思います。

 きょうも、さっきの質問で、とはいうものの、我々、別に公務員をいじめたいわけじゃありませんので、働き方改革、いろいろ協力できるところは国会もしていかないといけないというふうに言っています。

 質問通告は、平成十一年の九月十七日、自民党、民主党、公明党、自由党、共産党、社民党の国対委員長会談で、前々日の正午までにやると決めているんですよね。これは今も変えていないんだったら、このルールがそのまま当てはまるはずなので、きょうの午前中までに次の委員会を決めないと質問通告できませんので、ぜひ決めていただきたいなと。

 何が理由で決められないのか、私にはよくわかりませんけれども、自分たちで決めたルールですから、しっかりと守っていただけたらと思います。それが省庁の皆さんの働き方改革に資する、そのためにこのルールを決めたわけですから、しっかりと過去を振り返って、思い出していただけたらと思います。

 質問を終わります。

     ――――◇―――――

松本委員長 次に、内閣提出、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。

 順次趣旨の説明を聴取いたします。武田国務大臣。

    ―――――――――――――

 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案

 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

武田国務大臣 ただいま議題となりました一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 まず、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。

 本年八月七日、一般職の職員の給与の改定に関する人事院勧告が提出されました。政府としては、その内容を検討した結果、勧告どおり実施することが適当であると認め、一般職の職員の給与に関する法律等について改正を行うものであります。

 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。

 第一に、指定職俸給表等を除く俸給表について、初任給及び若年層の俸給月額を引き上げることとしております。

 第二に、勤勉手当の支給割合について、年間〇・〇五月分を引き上げること等としております。

 第三に、住居手当について、支給対象となる家賃額の下限を一万六千円に引き上げるとともに、支給月額の上限を二万八千円に引き上げること等としております。

 このほか、施行期日、この法律の施行に関し必要な措置等について規定しております。

 引き続きまして、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。

 この法律案は、特別職の職員の給与について、一般職の職員の給与改定にあわせて、必要な改正を行うものであります。

 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。

 秘書官の俸給月額及び内閣総理大臣等の特別職の職員の期末手当について、一般職の職員の給与改定に準じた措置を行うこととしております。

 以上が、これらの法律案の提案理由及び内容の概要であります。

 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。

松本委員長 これにて両案の趣旨の説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時一分散会


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