衆議院

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第20号 令和2年7月8日(水曜日)

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令和二年七月八日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 松本 文明君

   理事 井上 信治君 理事 関  芳弘君

   理事 長坂 康正君 理事 牧島かれん君

   理事 宮内 秀樹君 理事 今井 雅人君

   理事 大島  敦君 理事 太田 昌孝君

      安藤 高夫君    安藤  裕君

      池田 佳隆君    大西 宏幸君

      岡下 昌平君    神田 憲次君

      小寺 裕雄君    高村 正大君

      佐藤 明男君    杉田 水脈君

      高木  啓君    長尾  敬君

      丹羽 秀樹君    西田 昭二君

      藤原  崇君    本田 太郎君

      三谷 英弘君    村井 英樹君

      和田 義明君    泉  健太君

      大河原雅子君    源馬謙太郎君

      高木錬太郎君    中島 克仁君

      中谷 一馬君    森田 俊和君

      柚木 道義君    早稲田夕季君

      江田 康幸君    佐藤 茂樹君

      塩川 鉄也君    足立 康史君

      浦野 靖人君

    …………………………………

   国務大臣

   (経済再生担当)

   (経済財政政策担当)   西村 康稔君

   内閣府副大臣       平  将明君

   国土交通副大臣      御法川信英君

   内閣府大臣政務官     神田 憲次君

   内閣府大臣政務官     藤原  崇君

   総務大臣政務官      進藤金日子君

   厚生労働大臣政務官    小島 敏文君

   経済産業大臣政務官    宮本 周司君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  藤井 敏彦君

   政府参考人

   (内閣官房日本経済再生総合事務局次長)      風木  淳君

   政府参考人

   (内閣官房国土強靱化推進室審議官)        宮崎 祥一君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 村手  聡君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 森  源二君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 佐藤啓太郎君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 谷  史郎君

   政府参考人

   (総務省自治行政局公務員部長)          大村 慎一君

   政府参考人

   (総務省総合通信基盤局電気通信事業部長)     竹村 晃一君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 長岡 寛介君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           迫井 正深君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           山本  史君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           吉永 和生君

   政府参考人

   (中小企業庁長官官房中小企業政策統括調整官)   木村  聡君

   政府参考人

   (中小企業庁事業環境部長)            奈須野 太君

   政府参考人

   (中小企業庁経営支援部長)            渡邉 政嘉君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           福田 守雄君

   政府参考人

   (国土交通省道路局次長) 長橋 和久君

   政府参考人

   (観光庁審議官)     加藤  進君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 松澤  裕君

   参考人

   (独立行政法人地域医療機能推進機構理事長)    尾身  茂君

   内閣委員会専門員     笠井 真一君

    ―――――――――――――

委員の異動

七月八日

 辞任         補欠選任

  金子 俊平君     佐藤 明男君

  平井 卓也君     和田 義明君

  吉田 統彦君     高木錬太郎君

  浦野 靖人君     足立 康史君

同日

 辞任         補欠選任

  佐藤 明男君     安藤 高夫君

  和田 義明君     平井 卓也君

  高木錬太郎君     吉田 統彦君

  足立 康史君     浦野 靖人君

同日

 辞任         補欠選任

  安藤 高夫君     金子 俊平君

    ―――――――――――――

六月十七日

 一、公文書等の管理に関する法律の一部を改正する法律案(篠原豪君外十五名提出、第百九十五回国会衆法第四号)

 二、公文書等の管理に関する法律の一部を改正する法律案(後藤祐一君外十三名提出、第百九十六回国会衆法第二一号)

 三、国家公務員法等の一部を改正する法律案(後藤祐一君外七名提出、第百九十六回国会衆法第三〇号)

 四、国家公務員の労働関係に関する法律案(後藤祐一君外七名提出、第百九十六回国会衆法第三一号)

 五、公務員庁設置法案(後藤祐一君外七名提出、第百九十六回国会衆法第三二号)

 六、性暴力被害者の支援に関する法律案(阿部知子君外九名提出、第百九十六回国会衆法第三五号)

 七、公文書等の管理の適正化の推進に関する法律案(逢坂誠二君外十二名提出、第百九十七回国会衆法第一一号)

 八、性的指向又は性自認を理由とする差別の解消等の推進に関する法律案(西村智奈美君外十名提出、第百九十七回国会衆法第一二号)

 九、天皇の退位等に関する皇室典範特例法の施行の日の翌日以後における平成の元号を用いた法律の表記の取扱い等に関する法律案(大島敦君外六名提出、第百九十八回国会衆法第六号)

 一〇、国民経済及び国民生活に重大な影響を及ぼすおそれのある通商に係る交渉に関する情報の提供の促進に関する法律案(近藤和也君外六名提出、第百九十八回国会衆法第二五号)

 一一、手話言語法案(初鹿明博君外七名提出、第百九十八回国会衆法第二六号)

 一二、視聴覚障害者等の意思疎通等のための手段の確保の促進に関する法律案(初鹿明博君外七名提出、第百九十八回国会衆法第二七号)

 一三、多文化共生社会基本法案(中川正春君外五名提出、第百九十八回国会衆法第二八号)

 一四、特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律及び特定複合観光施設区域整備法を廃止する法律案(安住淳君外十九名提出、衆法第一号)

 一五、新型コロナウイルス感染症検査の円滑かつ迅速な実施の促進に関する法律案(小川淳也君外八名提出、衆法第三号)

 一六、特定給付金等の迅速かつ確実な給付のための給付名簿等の作成等に関する法律案(新藤義孝君外五名提出、衆法第一九号)

 一七、内閣の重要政策に関する件

 一八、公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件

 一九、栄典及び公式制度に関する件

 二〇、男女共同参画社会の形成の促進に関する件

 二一、国民生活の安定及び向上に関する件

 二二、警察に関する件

の閉会中審査を本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 内閣の重要政策に関する件

 公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件

 栄典及び公式制度に関する件

 男女共同参画社会の形成の促進に関する件

 国民生活の安定及び向上に関する件

 警察に関する件


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     ――――◇―――――

松本委員長 これより会議を開きます。

 議事に入るに先立ちまして、委員会を代表して一言申し上げます。

 このたびの令和二年七月三日からの大雨による被害でお亡くなりになられました方々とその御遺族に対しまして、深く哀悼の意を表します。

 また、被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。

 これより、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。

 全員の御起立をお願いいたします。――黙祷。

    〔総員起立、黙祷〕

松本委員長 黙祷を終わります。御着席願います。

     ――――◇―――――

松本委員長 内閣の重要政策に関する件、公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房内閣審議官藤井敏彦君外十九名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

松本委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。本田太郎君。

本田委員 おはようございます。自民党の本田太郎でございます。本日、質問の機会をいただき、ありがとうございます。

 まず、コロナ感染で亡くなられた方に哀悼の意を表しますとともに、現在感染されている方にお見舞いを申し上げます。

 また、豪雨で亡くなられた方にも心から哀悼の意を表する次第であります。

 新型コロナウイルスと豪雨災害という二重の苦しみに対し、政府としても最大限のサポートを引き続きしていただきますようお願いを申し上げたいと思います。

 時間も限られておりますので、早速質問に入らせていただきます。

 まず、九州のように、現在のコロナ禍の中、災害が起こりました場合、宿泊施設がある地域では、部屋の提供など御協力をいただいて、ある程度密を避けることができるかもしれませんが、中山間地域で宿泊施設がないような地域では特に密を避ける対策が困難だと思われます。

 そうした状況を前提に、このたびの豪雨において避難所のコロナ感染防止策はどのようになされているのか、そして、対策における今後の課題は何か、こちらについてお尋ねをいたします。

平副大臣 初めに、今回の豪雨災害によりお亡くなりになられた方々にお悔やみを申し上げ、被災された全ての皆様に心よりお見舞いを申し上げます。

 現下の新型コロナウイルス感染症の状況においては、避難所における三つの密の回避など、感染防止に十分留意する必要があると考えております。

 これまで、避難者については、避難所へ到着時や開設後も健康チェックをすることや、パーティション等により避難所のスペースを十分に確保すること、発熱等のある場合は専用スペースに滞在することなどについて、自治体に対して取組を促してきたところでございます。九州における避難所の感染症対策については、こうした取組がおおむね行われていると承知をしております。

 また、政府においては、非接触型体温計やパーティション等をプッシュ型支援により被災地に向け順次発送しておりまして、今後も被災地のニーズを踏まえながら、感染症の防止のために必要な支援を行うこととしております。

 また、今後の課題でありますが、避難生活が長期化することが予想される場合は、三密を避けた生活環境を確保する観点から、県や宿泊団体等と連携をし、ホテル、旅館等の活用について調査を行うなど、感染症防止対策に努めてまいりたいと考えております。

本田委員 ありがとうございました。

 このたびの豪雨災害は、おっしゃるように、中期、長期にわたる可能性がございますので、その点、目くばせをいただきながら、対策を綿密に練っていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。

 次に、今回のような災害時には、救助に当たっていただいている方も多数に上っております。こうした救助する側の方々の感染の有無の確認方法や、また、救助者の方々の間での感染防止策はどのようになされているかもあわせてお尋ねをしたいと思います。よろしくお願いします。

平副大臣 済みません、先ほどまとめて答えてしまいましたが、感染防止、感染者のところの検査は各省庁の主体が責任を持って対応するということになろうかと思います。

 今後の対応としては、PCR検査の体制も踏まえながらでありますが、例えば、私が事務局長、西村大臣がヘッドを務めるコロナ対策のテックチームで接触確認アプリをリリースをさせていただいておりますので、そういったものを活用しながら、しっかりリスク管理をしていただきたい。

 さらに、今後、ボランティアなどの募集なども始まると思いますが、これは、自治体のニーズをよく把握しながら、また、対応する団体からガイドラインも示されておりますので、しっかり情報交換しながら対応してまいりたいと考えております。

本田委員 ありがとうございます。

 救助に当たっている方々も同じようにコロナ感染の危険にさらされながら頑張っておられるわけでありますので、そちらの方々への目くばせもよろしくお願いしたいと思います。

 次に、東京を中心に新型コロナウイルスの感染者数が増加をしてきております。私は京都北部が地元でございますが、私も地元を回っておりますと、特に中山間地域が多いわけでございまして、そのような中でも、特に事業を営んでおられる方は、今後、緊急事態宣言や自粛要請がどのようになるかということを非常に気にしておられます。そうした状況の中、ぜひ、その点の見通しについても見解をお聞かせいただきたいと思います。

 地域によって主たる事業をなさっている、メーンの事業は違うと思いますが、私どもは、天橋立を抱える、観光業が非常に多い地域でございまして、緊急事態宣言が出されてから非常に苦しんでおられます。大変な苦しみの中、自分たちの地域にお客さんは来てほしい、だけれども、感染の多い地域から来られるお客様に対しては心配があるという相矛盾した心情の中で、それでも生活を維持していくために事業に邁進をされているという状況でございます。

 どうかその点も踏まえながらの見通し又は政府の考え方をお示しいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

西村国務大臣 お答え申し上げます。

 確かに、足元東京を中心に感染者の、陽性者の数がふえておりまして、御懸念もあるというふうに思います。

 先日、六日の日に、新型コロナウイルス感染症対策の分科会を開催いたしまして、目下の感染の状況について専門家の皆さんにも分析いただき、確認をいただきました。

 確かに、東京はふえているんですけれども、その陽性者の中では、三十代以下が約七割から八割、四月のピーク時には三、四割でありました。比較的若い方が陽性になっている、感染しているということであります。

 したがって、中には重症化される人もおられますけれども、非常に重症になる方が少なくて、東京で今重症者の方は八人であります。ピークのときは九十三名ということで、かなり改善されています。医療の提供体制も、したがって逼迫をしていないという状況であります。

 そして、感染者を検知をするPCR検査の体制も、三月、四月は非常に逼迫をして、すぐに検査すべき人が一週間、十日かかったような事例もございました。現在はスムーズに検査を受けられる体制が整ってきているということでありまして、したがって、緊急事態宣言を発出した四月上旬の状況とはかなり違うということで御認識を共有をしたところであります。

 この数がふえているのも、二次感染を防止するという観点から、積極的に、症状がなくとも、まさにバー、クラブなど接待を伴う飲食業の方々に検査を受けてもらっていますので、連日、二、三十名が検査を受けているような状況で、その中で当然陽性者がわかってきていますので、その分もふえているという、そういった状況もあります。

 したがって、四月上旬のような、緊急事態宣言を行うような状況ではないということを確認をしたところであります。

 ただ、他方、やはり感染経路が不明な割合も一定程度ありますし、それから、まだ少ないとはいえ、中高年の感染者の方もじわじわとふえている部分もありますので、ここは危機感を持って対応しなきゃいけないというふうに思っております。

 そして、そうした状況のもとで、いわゆる休業要請など施設の使用制限につきましては各都道府県知事が判断をしていくことになりますけれども、例えば鹿児島で、一店舗、まさにこういうお店で八十人を超える感染者が出たがゆえに、鹿児島県知事は全県に、バー、クラブなど接待を伴う飲食業について休業要請、いわゆる休業要請を出されたところであります。

 こういったそれぞれの都道府県知事の判断を私の立場でサポートし、調整をしていきたいというふうに考えておりますが、現時点では、とにかく国民の皆様には、手洗い、マスク、消毒、こういったことを徹底していただくこと、三密の回避、とにかく感染防止策を徹底をしていただきながら経済活動と両立を図っていくということが大事だと思いますので、ぜひ、そういった取組をもう一度国民の皆様にもお願いしながら徹底をしていければというふうに考えているところであります。

本田委員 ありがとうございました。

 先ほどの答弁で、緊急事態宣言をすぐに出すという状況ではないということをおっしゃられました。理解をいたしたところであります。そして、各都道府県知事のそれぞれの判断によりまして、今後も適切な対応をされるということでございます。

 都道府県という単位ではもちろんでありますけれども、私も本当に、地元、七市町を抱えておるんですけれども、選挙区にございますが、回っておりますと、その市、町によって全く受けとめ方が異なっているという現状を感じました。

 町によっては、非常に怖いので、もうみんな、なかなか集まってお酒を飲むこともないというような地域もあれば、市長さんが率先して、うちの町は感染者もいないのだから、経済を回すために地域の飲食店をしっかり使っていこうということで、飲食を市長さんもみずから外でされるというような姿勢をとっておられる自治体もございます。こういったように、さまざま、地域によって受け取り方、感じ方も違えば、対応の仕方も違うということを肌で実感しておるところであります。

 こうした地域の実情を市町村が知事にしっかりお伝えをし、そして、その受け取った各都道府県がまた政府と調整をされながら、その地域の皆さんが経済活動をしっかりできて生活に困難を来すことのないように、他方で、新型コロナウイルス対策も万全にとっていけるように、そういった施策に向けて、引き続き私もできる限りのことを尽くしてまいりたいと思いますので、どうぞ、政府におかれましても、その点のサポートをよろしくお願い申し上げます。

 以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

松本委員長 次に、江田康幸君。

江田(康)委員 皆様、おはようございます。公明党の江田康幸でございます。

 本日は、熊本を始め福岡や大分など九州各地で甚大な被害をもたらしている豪雨災害に関して緊急の質問をさせていただきます。新型コロナ感染症における災害対策でもありますので、よろしくお願いをいたします。

 球磨川の氾濫や土砂崩れが相次いだ私の地元の熊本県では、昨日までに死者五十三人、行方不明者九人、甚大な被害が出ているところであります。

 私は、公明党の県議団や市議団とともに、高速道が開通した五日、土砂崩れで多くの死者が出た芦北町や、球磨川の氾濫で市内全域が冠水した人吉市に調査に入りました。

 まず、初動、緊急対応について質問をさせていただきたいと思います。

 人吉市内に向かう国道二百十九号が寸断されており、必要物資の運搬や人の移動等には高速道を使うしかありません。しかし、高速道が降雨で通行どめになると陸の孤島になってしまう地域であります。緊急車両や必要物資の運搬車両はとまることのないように、引き続き支援をしていただきたい。

 また、高速道の開通時のインターチェンジを中心に大渋滞が起こっておりまして、緊急車両が巻き込まれているので、警察による交通整理を迅速に行うことも要望しておきます。

 さらに、国道が復旧されるまでは、地域住民も高速道路を代替道路として使うことになります。その際には地域住民に費用負担が生じないように支援をしていただきたい。

 これらについて、国土交通省の見解をお伺いします。

長橋政府参考人 お答えを申し上げます。

 先生今御指摘のとおり、八代市と人吉市を結ぶ国道二百十九号の被害が深刻でありまして、九州自動車道、八代から人吉間は地域にとって非常に重要な区間になっていると認識しております。

 今回の大雨による被災後においても、そういう観点から、その日、七月の四日のうちに復旧したというところでございまして、今後も重点的に管理をしまして、特に緊急車両については常時通行が可能となるように努めてまいりたいと考えてございます。

 また、今先生からも御指摘ありました、二百十九号が通行どめになっている関係上、その代替路としてこの九州自動車道の八代―人吉間を利用する車両に対しましては、昨日七月七日から無料措置として実施し、広域交通の確保を図っているところでございます。

 引き続き、渋滞の問題とかも御指摘ございましたので、警察等、関係省庁や地元の自治体と緊密に連携して、早期復旧に向けて全力で取り組んでまいりたいと思います。

江田(康)委員 ありがとうございます。万全の対応をよろしくお願いをいたします。

 次に、人吉市におきましては、十施設の避難所に約千百名が避難されております。七百十六名が避難されている人吉スポーツパレスでは、新型コロナの感染防止対策として、検温のための非接触型体温計、そして消毒薬やマスクが配備され、パーティション、段ボールベッド、そしてマット、洋式の簡易トイレなどが整備されつつありますが、絶対量が足りません。

 被災地の意向を踏まえたプッシュ型支援を強力に進めていただくとともに、新型コロナの感染防止対策等についても総合的な支援をお願いしたいと思いますが、平防災担当副大臣の御意見をお伺いいたします。

平副大臣 今先生御指摘のとおり、現在、プッシュ型支援を熊本県に実施をしております。段ボールベッド千五百台、非接触型体温計百個、パーティション約九百四十個、飲料水等は三万本、食料、パック御飯、缶詰等でございますが、六万点、スポットクーラー約百五十台、組立てトイレ五十台、衣類、主にズボン、下着等でありますが、八千着などを手配し、順次到着をしているところでありまして、到着した物資は県から被災市町村に向けて順次配送されていると承知をしております。また、段ボールベッドはそもそも千個でしたが、要望に応じて五百個追加をしたところでございます。

 また、避難所における新型コロナウイルス感染症対策として、これまで、避難所の換気や十分なスペースの確保、保健所、医療機関等と連携した発熱者、感染者への対応、避難所における健康な者や発熱、せき等の症状が出た者等の動線や滞在スペースのレイアウトの例など、留意事項について自治体宛てに周知をし、取組を促してきたところであります。

 内閣府としましては、引き続き、被災地のニーズや避難所における取組状況を踏まえながら、迅速なプッシュ型支援や適時適切な助言を行ってまいりたいと考えております。

江田(康)委員 まさに、今回の災害は、新型コロナ禍後に初めて起こっている災害でございます。どうか新型コロナの感染防止対策等についてもしっかりと支援をしていただきたいと思います。

 次に、ボランティアの要請についてでございます。

 球磨川の氾濫で、二メーターの床上浸水や二階までの浸水など、多くの家屋が甚大な被害を受けています。山積した泥のかき出しから、浸水して使えなくなった家財道具の廃棄処理など、大変な状況に今置かれているところであります。高齢者の夫婦や高齢者単独の世帯も多くて、一人で災害の後片づけは無理であります。ボランティアの皆さんの力が大いに期待されるところでありますが、コロナ後の災害でありまして、この感染防止対策など課題が多い今回の災害です。

 人吉市社会福祉協議会は、六日に、ボランティアセンターを設置して、県内に限定して募集するとしております。政府として、ガイドラインの発出など、この自治体の取組をしっかりと支援して、ボランティアの皆さんが安心して活動していただける環境を整えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

平副大臣 被災地では、ボランティアの受入れについては、全国社会福祉協議会が、地域の社協に対し、新型コロナウイルス感染症も踏まえ、被災地の住民等の意向を考慮し、感染症対策を含め、自治体と十分に協議をして具体化していくように通知をしていると承知をしています。

 政府としてガイドライン発出ということでございますが、申し上げたとおり、全国社会福祉協議会が、災害ボランティアセンターの設置、運営等について、考え方のガイドラインを出されております。

 人吉市の被災者を支援するボランティアの募集については、この通知の考え方に基づきまして、人吉市社協において現在検討されていると承知をしており、募集の範囲やボランティアの数等について、地元の意向を尊重しながら柔軟に対応していくと聞いております。

 また、災害救助法が適用されないボランティアの方々向けの新型コロナウイルス感染症に対応するために要するマスク、フェースシールド、消毒液等の物資の購入、整備を自治体が行う場合は、新型コロナウイルス感染症対策地方創生臨時交付金の活用が可能となっております。

 政府といたしましては、引き続き、住民の意向を踏まえながら、地域の自治体、社協等とも連携しつつ、コロナ禍における、ボランティアの方々が安心して活動できるよう環境整備を努めてまいりたいと思います。

 また、あわせて、接触確認アプリなどの活用もお願いしたいと思っております。

江田(康)委員 ありがとうございました。

 今回の豪雨災害について、政府が激甚災害指定に向けた調査を開始していると承知をしております。被災自治体から、激甚災害の指定を早急にお願いしたいとの声をいただいてまいりました。被災自治体が財政面で不安を持つことなく早急に復旧事業に取り組めるように、ぜひとも激甚災害に指定していただきたい。

 激甚災害指定への検討状況はどうか、また、指定の見通し、スケジュールについてお伺いをいたします。

平副大臣 被災地の早期の復旧復興のためには、被災自治体が財政面で不安を持つことなく、早期に事業を実施することが重要であると認識をしております。

 今般の令和二年梅雨前線豪雨等による災害については、調査の結果、激甚災害に指定する見通しとなっております。

 具体の適用措置や地域を速やかにお示しできるよう、関係省庁と総力を挙げて取り組んでいるところでありまして、まずは調査開始から一週間後をめどにということでありますので、お地元は今週末ぐらいかと思いますが、基準を満たすものがあれば指定見込みを公表する予定になっております。

江田(康)委員 副大臣の明確な御答弁、ありがとうございます。速やかにその見込みを公表していただきますように、よろしくお願いを申し上げます。

 それから、今回の豪雨災害で、地元事業者が大きな打撃を受けております。

 人吉地域は、九州の小京都と言われ、観光地として有名なところでありますが、四年前の熊本地震で大きな打撃を受けました。その復興途上で今回の新型コロナウイルスの影響を受けて、これから観光客を呼び戻そうとしたやさきに今回の豪雨災害となったわけであります。まさに、熊本地震、コロナ禍、そして豪雨災害と、三重苦の厳しい状況にあるということをお訴えさせていただきたい。これまでの苦難に耐えてきた旅館、ホテルなどの観光業や中小企業の皆様が事業を諦めざるを得なくなり、地域産業の衰退にもつながる可能性があります。

 そのような事態を防ぐためにも、熊本地震のときに創設されたグループ補助金を適用して、被災施設の復旧を公費で支援することが何より重要と考えるわけでありますが、政府の見解をお伺いいたします。

宮本大臣政務官 委員にお答えをいたします。

 まず、今般の大雨災害によりましてお亡くなりになられました方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被災をされた全ての方々にお見舞いを申し上げます。

 今ほど言及いただきましたグループ補助金に関しましては、熊本地震からの経済復興のために大きな貢献をしてきたと認識をしております。

 今般、まだ発災から日が浅いということもございますので、経済産業省の方では、災害救助法が適用されました形で地域を指定をいたしまして、今、緊急の相談窓口であったり、セーフティーネット保証四号の適用、また災害時における緊急貸付け等々、適用を進めているところでございます。

 七月四日以降、現地の方にも経済産業省から職員を派遣しております。きのうまでに十九名が入っております。今、被害状況というものの確認を進めているところでございますが、当然、これまでの地域の富を生み出すために御尽力をいただいた中小事業者の不安に寄り添う形で、必要な政策をきっちりと実現し、推進できるように努めていく所存でございます。

江田(康)委員 ぜひともこのグループ補助金を適用していただきたいと重ねて訴えをさせていただきます。

 熊本地震のときもそうでありますが、グループ補助金で約六千社の企業が助かりました。このグループ補助金は、直接の、四分の三の公費で支援するものでありまして、融資では限界があるわけです。先ほども言ったように、三重苦で事業をもうやめなければならないという状況に来る、そういう状況にある中でグループ補助金が必要不可欠ということを言っているわけでありますので、しっかりとそこは検討してもらって、適用できるようによろしくお願いを申し上げます。

 最後ではございますが、熊本県によりますと、球磨川にかかる道路橋の崩落は十四カ所にも及ぶわけでありまして、このほか、県道橋が七、人吉市道が一、村道橋が六となっております。いずれも地方自治体管理となっておりまして、これらの橋の復旧については、被災自治体から、国直轄でお願いしたいとの強い要望があります。

 さきの国会で、近年の災害の激甚化、頻発化を踏まえて、指定区間外国道それから都道府県道や市町村道の災害復旧等にも直轄権限代行を適用できるように道路法が改正されました。この点も踏まえて、ぜひとも検討、対応いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

長橋政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生御指摘のように、さきの国会におきまして御審議いただきまして道路法を改正し、道路種別を問わず、緊急時には、地方公共団体の要請があれば国が災害復旧事業又は道路啓開を速やかに代行できるということといたしました。

 崩落している橋梁は、御指摘のとおり、今聞いている状況だと、全て地方公共団体が管理しておりますけれども、それぞれが地域の重要な橋梁でございますから、復旧に当たりましては、迅速性あるいは再度災害の防止という観点が求められると認識しております。

 このため、早速、七月五日から現地に技術的な支援を行うために国土技術総合研究所の職員を派遣するなど、被災状況の把握に努めておりますけれども、今後、復旧に当たりましては、地元自治体の意向を踏まえまして、国として適切に対応してまいりたいと考えてございます。

江田(康)委員 どうぞ国直轄でよろしくお願いをいたします。

 ちょうど時間でございますが、この災害は九州各地で続いております。国として万全の対応をとっていただきますようによろしくお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございます。

松本委員長 次に、大島敦君。

大島(敦)委員 質問を何点かさせてください。

 昨年の十月、台風十九号のときを思い出しております。埼玉県ですから、荒川の本川が決壊するのではないかと物すごく危機感を持って、荒川沿川あるいは地元を一日ずっと見回っていました。

 我が国は、毎年水害の被害、そして首都直下地震、東海・東南海・南海のプレートの地震も七〇%を超えてのリスクがあります。ですから、常に災害のことを念頭に置きながら政治は運ばなければいけないと思っておりまして、西村大臣にもぜひ災害復興に向けて御尽力いただければと思います。

 御法川国土交通副大臣、御担当だと思います。ぜひ地元の意見をよく聞いてください。地元の意見、地元の議員の意見をよく聞いていただいて、漏れがないように対策に取り組んでいただけると、そのことが地元の皆さんに安心感を与え、そして復興への勇気に結びついていくものですから、その点をよろしくお願いいたします。

 それでは、閉会中審査、そして新型コロナウイルス感染症対策についてということで、まず西村大臣に質問させてください。

 リスクコミュニケーションという言葉が今回の資料を見ていると結構出てきます、リスクコミュニケーション。新型コロナウイルス感染症対策の専門家会議の皆さんが、六月の二十四日ですか、「次なる波に備えた専門家助言組織のあり方について」という記者会見をしたときの資料を読んでいても、リスクコミュニケーションという言葉が出てまいります。その点について、西村大臣の御所見をまず冒頭聞かせてください、リスクコミュニケーション。

西村国務大臣 まず、まさにこういう感染症という、しかも我々が経験したことのない事態において、国民の皆様に、今どういうことが起こってどういう状況なのかということを正確に伝え、それを認識していただく、そして、そうしたリスクに対してどういうふうに対応していけばいいのか、そうしたことを私の立場でもしっかりと発信をし、それを理解していただく、そして、国民のお一人お一人の立場でさまざまな努力、協力をしていただく中で、この感染症に対して、封じ込めるべく取り組んでいく、感染者の数を減らすべく取り組んでいく、そうしたことについてしっかりと発信をし、理解をしていただくこと、これが何より大事だ、こういった御指摘を専門家会議の皆さんの中からもいただいているものというふうに思いますし、私自身も、そうしたことに注意をしながら、できる限り丁寧に、できる限りわかりやすく、これまでも発信をし、会見などを行ってきた、そういう対応をしてきたところであります。

大島(敦)委員 リスクマネジメントで、専門家会議の皆さんのレポートを読んでいて思い出したのは、ことしの三月十日のメルケル首相の発言です。ドイツのビルト・ツァイトゥング、大衆紙なんですけれども、一番発行部数の多い新聞で、目を通してみると、三月十日の時点で、ワクチンが開発されなければ国民の六割から七割が感染するでしょう、感染をおくらせるためには更に催しは中止しなければならない。また、同国の保健大臣ですかね、三十代後半の方です、感染者の中で八割はほとんど症状なく流行を経験するだろうと指摘しているわけです。

 要は、一つのシナリオを国として持つことが必要だなと当時思ったんです。このとおりじゃないかもしれない、ただ、一つのシナリオを持って、そのシナリオに対して、さまざま、その後の事態を経ながら、専門家の知見を得ながら、そのシナリオを変えることもやぶさかでなくて、そのことによって、より多い国民の命を救えるかなと思っていたものですから、そういうリスクのコミュニケーションのとり方。

 今回、西村大臣、よくやっていただいているのはわかるんですけれども、若干リスクコミュニケーションのやり方が下手くそだなと思いました。今回、やはり、同じタイミングで記者会見して専門家会議をやめるというのは、このリスクコミュニケーションのあり方として私は余り芳しくないなと思うんです。ですから、そういうところを丁寧にやることによって、西村大臣の御発言が、あるいは官房長官、首相の御発言がやはり国民の信頼を得ることによって安心感につながるものですから、もう一回、その点についての御答弁をください。

西村国務大臣 今の御指摘につきまして二点、私から申し上げたいと思いますが、一点目は、割と早い段階、二月の段階だと思います。これは、私は三月六日からこの立場になりましたので、それ以前でありましたけれども、厚労大臣なり、加藤大臣からだったと思いますけれども、御指摘のように、メルケル首相がお話しされたように、ほっておくと大きな山になって医療の提供体制を超えてしまう、多くの重症者、それから命を失う人が出てくる、したがって、対策をとることによってそれを抑えておくらせて、小さな山に、より小さな山、そして医療提供体制でカバーできる範囲にとどめるんだ、こういうシナリオを政府としても発信をしてきたところだというふうに思います。そうした考え方、これも専門家会議からお示しをいただいて、そしてそのことに沿って対応してきた。

 あるいは、緊急事態宣言を発出するときにも、西浦教授のSIRモデルに基づいて、ほっておくと爆発的な感染になる、しかし、八割削減、接触削減ができれば一定の期間内に新規感染者の数を抑えることができる、これが七割ならそれが少しおくれる、こういったシナリオもお示しをしながら、これは専門家の皆さんのお立場で分析をし、発信もしていただきながら、そして、それを受けとめた政府の方でも発信をしながら対応させてきていただいております。

 他方、今御指摘、二点目の点でありますけれども、御指摘のありました私の会見のタイミング、これも実は、専門家会議の提言を受けてその後にやるべきだというふうに私も思っておりまして、翌日以降にやるべきだということで予定をしておったんですけれども、たまたま次の日が全世代型社会保障の検討会議があって、そのことの会見がかなり時間をとるのかな、焦点がぼけるなということで前の日にして、それが時間がちょっとぶつかってしまったということ、そしてまた、その内容については、専門家の会議の皆さん方とすり合わせをしながら、また、御意見をいただきながら対応してきたわけでありますけれども、その発表のタイミング、こうした点も配慮が足らなかった、また、十分に連絡もできていなかったというようなミスも重なりまして、多くの皆さんに誤解や御批判をいただくことになったわけでありまして、この点、本当に反省をしているところでございます。

 更に言えば、廃止ということをちょっと私が強く言い過ぎたがゆえに、専門家の皆さんの意見を聞かないのかということで、これも大変なお叱りをいただいたところでありまして、実際には、感染症の専門家の皆さんの主なメンバーには引き続き残っていただいて、さらに、経済の関係あるいは労働界、いろいろな方々も入って、そして、御指摘のリスクコミュニケーションの専門家にも入っていただいて、そして今後の対策などを検討いただくということで、発展的に移行する形で分科会というものをつくったわけでありますけれども、そのあたりの説明が足らなかったということで、十分でなかったということで、反省をしているところでございます。

 いずれにしましても、まさに御指摘のように、リスクコミュニケーション、今後、更に丁寧に、そしていろいろなことを配慮しながら、また、専門家も入っていただきましたので、そうした御助言もいただきながら対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。

大島(敦)委員 これはニクソンの言葉だと思うんですけれども、時の政権は、リスクを乗り越える、危機を乗り越えるたびごとに強くなるという発言があります。ですから、今のリスク、自然災害も含めて、しっかりとリスクを、危機を乗り越えることというのが政治の安定性に与野党ともにつながると思うので、その点をぜひお願い申し上げます。

 きょうは、厚労省から吉永審議官に来ていただいているので、吉永審議官に答弁願いたいのは、もう二万人の方が罹患されていて、その二万人の分析ができているのか。私は、もう四カ月、五カ月、六カ月たっていますから、今、日本で罹患された方たちの、どういうふうになっているのかという、リスクについての評価ができていてもいいかなと思うんですけれども、その点について御答弁ください。

吉永政府参考人 お答え申し上げます。

 政府といたしまして、新型コロナウイルス感染症の対応につきましては、最新のデータや国内外の研究などを通じまして、科学的知見に基づきまして現状分析や見解をお示ししながら、国内の感染状況の推移を見きわめながら、医学的、科学的な評価に基づきまして感染症対策を講じてきたところでございます。そういう中で、これまでも、利用可能なデータにつきましては、分析しながら評価をしてきたところでございます。

 またさらに、厚生労働省におきましては、ICTを活用しながら感染症等のフォローアップを効率的に実施するために、新型コロナウイルス感染症等把握・管理支援システム、いわゆるHER―SYSという新しいシステムを開発導入することといたしておりまして、五月二十九日から全国で、準備が整った自治体等から順次利用を開始しているところでございます。

 このシステムでは、医師による発生届や患者本人による毎日の健康状態の報告、保健所による感染経路の情報入力等が可能となるものでございまして、これによりまして、保健所、都道府県、医療機関等の関係者で迅速に情報共有が行われ、より効率的、効果的な対応が可能となることが期待されるほか、都道府県や国における統計情報の集計や評価、分析に生かすことが可能となるものでございます。

 厚生労働省といたしましては、まず、HER―SYSの積極的な利用を自治体、医療機関に促すとともに、収集された情報の分析のあり方につきまして検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。

大島(敦)委員 吉永審議官の答弁を聞くと、今のところ、システムはつくったんだけれども、今罹患されている方たち二万人がどういうような状況で、例えば、各年齢階層ごとにどのくらいの方が重篤になって、どのくらいの方がお亡くなりになって、そしてどのくらいの期間入院されたのかということとか、あるいは持病を持っていらっしゃる方の統計データとか、僕は必要だと思うの。

 尾身先生も、新聞でのインタビューに答えて、国内の研究者が一丸となって感染者の分析を進めてほしい、共通のフォーマットをつくり、分析して新たな知見を出す、どの人が重症化しやすいか、重症化マーカーの研究も急いでほしいと考えている、ウイルスとどうつき合うかのキーワードはバランスだと述べています。

 ですから、西村大臣にこれから伺いたいと思うんですけれども、今回、医学的な知見、医学的な客観的なデータを出す分科会がどれなのかということを伺いたいんですよ。この新型コロナウイルス感染症対策分科会なのか、あるいはほかにもあるのかというところを御答弁いただけるとありがたいんです。医学的な知見です。

西村国務大臣 まさに新型インフルエンザの対策としてこの有識者会議がもともと想定をされて設置をされ、そして、分科会が新型インフルエンザ対策として置かれてきております。

 今般、新型コロナウイルス感染症の対策分科会ということで設置をいたしまして、この中に、これまでの専門家の皆さんの中で重立ったメンバーといいますか、感染症、公衆衛生、疫学の専門家の先生方に入っていただいて、この分科会においてさまざま御議論いただき、いろいろな御助言、提案をいただければというふうに考えているところであります。

大島(敦)委員 分科会のメンバーを見ると、諸団体の代表者の方もいらっしゃいます。医学的な知見は、専門家としての知見です、これは。我が国の医学界として、一月から感染が始まった、六カ月たった新型コロナウイルス感染症についての現時点での知見に基づいての対策が必要だと思います。

 分科会で団体の方が入っていると、政府の審議会の発言でもそうですけれども、必ず団体に聞いて、団体の意向を背負っての発言になるわけ。ここのところは、この分科会のあり方として、切り離した方が私はスマートだったと思うんだけれども、その点についての御答弁をお願いします。

西村国務大臣 この分科会の中には、先ほど来の、感染症、疫学、公衆衛生、医学界ですね、この専門家の皆さんに入っていただいておりまして、まさに尾身先生はその代表でもありますし、舘田先生は感染症学会の理事長でもありますし、医師会からそして病院会、こういった方々に入っていただいて、医療、医学、疫学、公衆衛生の観点からの御議論をいただくということでありますし、当然、今後の議論の中では、ワクチン接種の話であるとか、さまざまな対策についても御議論いただきますので、経済界であったり労働界、こうした方々に、あるいはマスコミ、都道府県知事の代表、いわゆる、おっしゃっている団体の代表でありますけれども、入っていただいて、国民全体、社会全体でこの感染症と取り組む、そういう観点からさまざまな視点をいただくという意味で、そうした方々の代表の方に入っていただいているところであります。

 当然、医学、疫学、公衆衛生、感染症の観点から、専門家の皆さんがさまざまな御提案、御発言、御意見を出されてくる。当然でありますし、それを社会全体で共有をしていくという面もありますので、団体の皆さんにも入っていただいているということであります。

大島(敦)委員 見解の相違だと思うんですけれども、私は、今の団体の方たちが入る会議体もあってもいいと思うんです。今言っていた、自粛とか行動制限をどうするかとかワクチンのあり方とか、その具体を社会でどういうふうにお願いしていくかという場面では、各団体の方が入っていただいた方が、私は議論は説得力があると思う。

 ただ、医学的知見は医学的知見として分けて考えた方がいいかなと私は今回の西村大臣の提案を見たときに考えまして、ですから、新型コロナウイルス感染症対策分科会は、これまでの専門家会議のメンバー、医学的な知見に基づいてのメンバーに限定をして、そして、基本的対処方針等諮問委員会で、社会的に具体をどうしていくかというのはこちらで議論してもよかったのかなと思います。ですから、その点について指摘させていただきますので、手短で、何かあったら御意見をいただきたいと思います。

西村国務大臣 きょう大島委員からお示しをされているこの資料は配られていると思いますけれども、まさに御指摘のとおり、右側の分科会に移行したわけでありますけれども、他方、一つには、左下に書いてありますけれども、厚労省におきましては、専門家の皆様を引き続きアドバイザリーボードとして、特に、厚労省が担当しております医学、疫学的な見地からさまざまな技術的な助言をいただくという枠組みを厚労省の方で設けられるというふうに承知をしておりますし、また、御指摘のように、この分科会のもとで、今般、まさにデータをどう共有していくのかという、これも厚労省中心の話ではありますけれども、ワーキンググループをつくって議論していこうということも提案なされておりますので、そういう意味で、御指摘のように、場合によっては、医学、感染症、こうした観点から、何か少人数のワーキンググループをつくって、そこで御議論いただくということはあり得るというふうには考えているところでございます。

大島(敦)委員 西村大臣に、分科会は設置されましたので、それは多分動かせないことだと思います。ただ、大臣おっしゃった、分科会の下に、あるいは独立した組織をつくるというよりも、やはりこうやって正式な組織体において議論して、知見を示された方が私はいいと思っております。

 八年前、二〇一二年のロベルト・コッホ研究所が出したレポート、これは熊谷さんという私の知っているジャーナリストがレポーティングしているんですけれども、もう当時の時点で彼らはシナリオを持っていて、ある年の二月に、東南アジアの国で市場で売られていた野生動物に潜んでいたウイルス、これはコロナウイルスなんですけれども、人に伝播して、ヒト・ヒト感染でドイツに来たと。それで、ウイルスの潜伏期間は大体三日から五日だけれども、十四日になることもある。症状は、せき、発熱で始まり、大半の患者が息苦しさや筋肉痛とか頭痛とか食欲不振を訴える。レントゲン撮影を行うと、肺に異常が見られる。子供や若者は軽症若しくは中程度の症状で済み、一週間で治癒するが、六十五歳以上の患者はしばしば重篤な状態に陥って、三週間の入院が必要になるということを最悪ケースで書いて、これに基づいて彼らは準備したわけですよ、八年。ですから、ヨーロッパの中で、ドイツにおいては死亡者数は少ないはずです、死亡率。

 だから、こういうことが大切なんです。専門家の知見というのはこういうことなんです。

 私たちは、政治ですから、専門家じゃないので、ぜひこういう知見を国としてこれから示してほしいんです。その点、ぜひよろしくお願いします。

 話はかわりまして、国土交通省さん、御法川さん、ありがとうございます。一点、ちょっとお願いしたいことがありまして、ゴー・トゥー・トラベル。

 私は元営業マンなものですから、これを見たときに、申しわけないけれども、役人、政府の、営業したことのない人のシナリオかなと思ったんです。営業マンから見ると、なかなか、これは売れそうだけれども、もっと売れる商品があるなと思ったんです。

 多分、レクを受けていると思うんだけれども、ゴー・トゥー・トラベル、これは一泊二日で一万円で宿泊すると、個人負担というのは六千五百円なんです。もちろん、クーポン券が来るから半分ぐらいで済むよというのがゴー・トゥー・トラベルなんだけれども。私も衆議院議員になるまで五年ほど、生命保険のセールスをしていた時代、売れない時代に、先輩から薦められて一冊本を読んだんです。営業心理学という本を読みまして、その中には、営業マンは何を売るかと書いてある。営業マンは、じゅうじゅうしたおいしい感じを売れと書いてある。

 だから、このゴー・トゥー・トラベルを考えたときに、一泊目、一万円以内であれば、僕は無料にしてほしいんです。要は、一泊して六千五百円を払おうと思うと、二十代、三十代は行かないですよ。一泊一万円で宿泊するんだけれども、六千五百円実費負担がある、払わなくちゃいけないということになったときに、二十代、三十代はそんなに豊かじゃないですから。子育てで費用がかかりますから。

 多くの方に旅行していただきたい。一泊、一日目が、一万円以内であればただ、無料ということになったら、みんな、この暗い時代の中に、若い人たちは、夏休みにどこへ行こうとか冬休みにどこへ行こうとか、足代がかかるから車でちょっと近所の旅館に行こうじゃないか、そういう発想に変わって、お母さん方の集まりでも家族の集まりでも、そういう会話が出てくる。惜しいなと思うのは、そこのところなのよ。

 ゴー・トゥー・トラベルで、ぜひ初日、一日目は、僕は、委員長、だから官房長官に頼みたかったのよ、この話を。これは、地元をよく歩いていればわかる話なの。ぜひ、御法川副大臣には、ここの、せっかくだから、多くの日本の二十代、三十代、四十代、子育ての世代に何か楽しい話題を提供していただくために、ちょっと御答弁をお願いします。

御法川副大臣 元営業の大島先生からの御指摘でございますけれども、今回のゴー・トゥー・トラベルは、宿泊旅行の場合は一人一泊二万円を上限、そして日帰りの場合は一人一万円を上限として、その宿泊、旅行代金の二分の一相当額を支援するというのが基本的な仕組みでございます。

 先生御指摘のように、若い方々はもちろんですけれども、若い方々のみならず、高齢者の方もいらっしゃいます、御家族で旅行される方もいらっしゃいます、あるいは、小さい形じゃなく、団体で御利用される方もいらっしゃいます。そういう皆様、全ての皆様に使っていただきたいということで、今回のこの仕組みをつくっているということでございます。

 なお、連泊についても、このゴー・トゥー・トラベルはもちろん利用できます。三泊、四泊、五泊と利用される方でもこれは全て適用になりますし、一回のみならず何回も使えるということでこの制度をつくっているということでございますので、ぜひ御理解をいただきたいというふうに思います。

大島(敦)委員 役所からは、なかなか、これは、大島の意見を入れるとゴー・トゥー・トラベルを始めるのがおくれてしまうと多分レクを受けていると思うんですよ。大島の意見を聞いて一泊目を無料にすると、なかなかゴー・トゥー・トラベルを始める、もう一回企画練り直しなわけだから、結構時間がかかるなという話は伺っていると思うの。

 ただ、これは、始まった後でもいいんですよ。始まった後でもいいんだけれども、一日目を、一万円、無料にしていただけるということは、やはり社会には物すごくインパクトがありますから。やはり半額出してくれというのは、なかなか旅行に行かないですよ。半額出してくれというのでは旅行に行かない。ですから、ぜひその点を検討してほしいんです。

 これは、ゴー・トゥー・トラベルが、要は、ある程度裕福な方、あるいは厚生年金の受給者の皆さんは結構行けるかもしれない。二十泊、三十泊、二カ月ぐらい泊まっても半額補助というのは聞いています。ただ、若い人たちに対して、何かちょっと息抜きの時間とか、そういうのをつくってほしいと思って質問しているので、もう少し前向きな答弁をしてみてもいいと思うんだけれども、お願いします。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 このゴー・トゥー・トラベル事業ですけれども、宿泊、旅行代金の割引とともに、旅行先のお土産物店ですとか飲食店ですとか、そういったところで利用可能な地域共通クーポン、こういったものもあわせて付与することとしております。

 さらに、今おっしゃられた若い人たちの旅行を促すという点についてですけれども、先ほど副大臣からも御答弁がありましたように、さまざまな旅行、若い方々の個人旅行も含めて、さまざまな旅行を対象としているところでございます。

 また一方、最近、宿泊事業者の方々も、若い人たちにやはり旅をしてもらうということで、さまざまな割引のプランなども用意しているというふうに伺っております。

 このゴー・トゥー・トラベル事業を活用して、しっかりと旅行需要の喚起につなげていきたいというふうに考えております。

大島(敦)委員 十分間の時間をとってよかったと思います、やりとりができて。

 やはり世の中、出身が役所でしょう、僕は営業マンなので、例えば、前は、スキー事業者の方が、一日無料でスキー体験してくれというツアーをやったり、旅行したことのない方が多いですから、意外と今は。やはりその気持ちを考えないと。どの人たちがどれだけたくさんお土産を買っていくのか知っている、七十歳を超えた団塊の世代ですよ、お土産をたくさん買っていくのは。クーポン券を配らなくてもたくさんお土産を買っていきますよ、七十歳以上の厚生年金の受給者の皆さんは。若い人たちはクーポン券が必要かも。でも、一番最初の初日を無料にしてくれるということが物すごく大切なの。そのことをぜひお願い申し上げまして、今後も時々は、御法川先生にはぜひ検討していただけないかしら。検討することによって皆さん喜ぶから、これは。見えるから、そういうことが。やはり政策としてじゅうじゅうしている感じをぜひ、観光事業をやっている皆さんには発想の転換等をしてほしいなということを最後に申し上げまして、大島からの質問を終わらせてください。

 ありがとうございました。

松本委員長 次に、今井雅人君。

今井委員 立国社の今井雅人でございます。

 まず、新型コロナウイルスでお亡くなりになられた皆様に改めましてお悔やみを申し上げるとともに、罹患された皆様にお見舞いを申し上げます。

 あわせまして、今回の豪雨災害でお亡くなりになられた皆様にお悔やみを申し上げるとともに、被害に遭われた皆様、それから、今も避難所で苦しんでいる皆様にお見舞いを申し上げたいと思います。

 先ほど江田委員の方から九州の惨状をいろいろお伺いいたしましたけれども、本当に例年行事のようになって大変な状況でありますが、ちょうど今、東海地方の方に今度は移ってまいっておりまして、私の生まれ故郷の下呂市が、飛騨川が氾濫して、父の実家のあたりが今孤立しているということで、実は一刻も早く戻りたいなという気もあるんですけれども。

 こうした対策には、もう本当に与野党関係ありませんので、全力で支援をしていきたいというふうに思いますが、現状の全国的な今の被害状況について、まずは教えていただきたいと思います。

村手政府参考人 お答えいたします。

 七月三日から大雨でございまして、これまで把握しております被害状況といたしましては、八日の六時時点で死者五十四名などの人的被害、また五時時点で停電が七千七百五十戸、また五時半時点で断水が二千三百十九戸以上などのライフラインに対する被害等が生じております。

 以上でございます。

今井委員 今もちょっと秘書の方からいろいろ写真が来ていますが、かなりの被害状況であります。

 先ほども話もありましたけれども、全国的に激甚災害指定も含めて早急な財政支援というのが必要になってくると思うんですが、国の財政支援としては、資金としては十分に確保されているか、どういうところから拠出されるか、その辺について教えていただきたいと思います。

村手政府参考人 お答え申し上げます。

 今般の災害については、今、激甚のお話もございました、調査の結果、激甚災害に指定する見通しということになったところでございます。今後、調査を進め、調査開始から一週間後をめどに基準を満たすものがあれば指定を、見込みを公表する予定でございます。

 その財源でございますけれども、これについては、災害についてはきっちりした財政措置というのをとって、財政があるから支援しないじゃなく、支援するものについてきっちりと予備費も使いながら支援していくというのが従来からのスタンスでございますので、しっかりと財源確保して、遺漏のないようにしていきたいと考えてございます。

 以上でございます。

今井委員 国が一番できることは財政の支援ですので、しっかり確保してやっていただきたいと思います。

 あわせまして、先ほど理事懇でちょっと雑談していましたけれども、こういう支援態勢を組んだときに、自治体と都道府県、国の連携がうまくいかなくて、国はお金を十分準備しているのに、自治体がなかなか踏み切れないというような話が過去にも何度もございますので、そういうことがないように、一番現場のところが安心して早目早目に政策を打てる、そういうことを国からもしっかり指導していただきたいということをお願いを申し上げておきたいと思います。

 こうした災害対策、それからコロナ対策で、政府、政治の信頼感というのは本当に必要、大切なことなんですけれども、ちょっと一点、大臣に申し上げたいんですが、きょう、実は河井元法務大臣の勾留期限がありまして、起訴されるかどうかというのが決まる日だと思いますが、もちろん、逮捕されたイコール有罪じゃありませんので、ここで逮捕者をそのまま有罪扱いするのはよくないと思うんですが、ただ、今回、このことによって、広島県で四人の政治家の方がやめているわけです。中には首長さんもいらっしゃる。

 そうすると、今、これだけコロナ対策を一生懸命やらなきゃいけないときに、一時的に司令塔を失っている自治体もあるわけです。しかも、やらなくてもいい選挙をこのコロナの中でやらざるを得ない、こういう事態に陥ってしまっているわけですね。受け取った側が、今、私は受け取ったのでと四人もやめているわけです。

 本当に、これは私はゆゆしき問題だと思っておりまして、西村大臣も一時期同じ閣内におられた立場だと思いますので、そういう立場におられた方として、こういう事態が起きていることについての御感想というか、お考えをちょっとお伺いしたいと思います。

西村国務大臣 政治家は、国会議員であれ、また地方の首長であれ、あるいは地方議員であれ、それぞれ国民から、住民から選んでいただいて代表として活動しているわけでありますので、その住民の皆さん、国民の皆さんに疑念を持たれたときは、それぞれの立場でしっかりと説明をし、そして理解を求める、この責任はあるというふうに思いますし、その上で、それぞれの政治家がそのことに対して、どういう形で身を処していくのか、責任をとっていくのか、説明責任の上にどういう形で責任をとるのか、これも、それぞれの政治家がみずから判断し、決断をしていくものというふうに思っております。

 更に言えば、閣僚は、その中でも一定の役割をいただいて、政府の中で国民の皆さんのために働いていく、そうした任務を与えられているわけでありますから、更にその責任も重いものというふうに思います。その上で、それぞれの政治家において、説明責任も含めて責任を果たしていく、これが大事だというふうに思っております。

今井委員 事実関係はわかりませんが、報道に出ている限りのことが事実だとすれば、時代錯誤も甚だしい、今どきこんなことをやっているのかというふうにちょっと驚かざるを得なかったわけでありますけれども、もうこういうことが二度と起きないように、それぞれ政治家一人一人が身を正してやっていくということがとても大事だということを申し上げておきたいと思います。

 それでは、次に、緊急事態宣言の話をちょっとお伺いしたいと思うんですけれども、先ほどの質疑の中で、今は東京都を含めて緊急事態宣言をする状況にはないということを、幾つかの観点を挙げていただきまして御説明をいただきました。

 そこで、今後、緊急事態宣言を発令するかどうかということに関して、もちろん総合的に判断するということなんでしょうけれども、総合的といっても、やはりそれぞれ、ある程度基準が必要だと思うんですね。どういうものを見ていって、その上で総合的に判断するのか、そういう基準となるものを教えていただきたいと思います。

西村国務大臣 これも、四月七日の時点で緊急事態宣言を発出したときに申し上げたことでありますけれども、当時は、新規感染者がどのぐらいあって累積でどのぐらいになっているかということ、それから、その新規感染者のふえ方が倍加をしていくスピードはどのぐらいであるかということ、それから、感染経路不明な方の割合、こういったものを基準に、地域の指定も、都道府県の指定もさせていただいて基準を申し上げたところであります。そして、解除の際にも、この三つの指標に加えて、医療の提供体制なども含めて申し上げたところであります。

 こうした経験を踏まえて、今後、感染者の数がふえて緊急事態宣言を発出するかどうかの判断を求められる場面が来れば、今申し上げたような感染状況、これは、感染者の割合がどのぐらいのスピードでふえているのか、それから、感染経路不明の割合、こういったことを感染状況についてはしっかりと見ていかなきゃいけない。

 加えて、御指摘のあった病床体制、病床がどの程度埋まっているのか、特に重症者の方の施設がどのぐらい余裕があるのか、こういったことを見ていかなきゃいけないというふうに思っております。ちなみに、今、東京で重症者の数は八人ということで、百床の重症者用の病床を用意しておりますので、かなり余裕もございます。一般の病床も余裕があります。

 もう一点つけ加えるとすれば、感染者の数がふえている中には、無症状だけれども、特にバー、クラブなど接待を伴う飲食業において、積極的に呼びかけて受けてもらっていますので、日々、二十人、三十人という方がその呼びかけに応じて検査に応じていただいていますので、それによって数がふえているという面もございます。その部分は、ある意味、クラスター的にわかっている部分でありますので、むしろ、感染経路不明の方々がどのぐらいふえてくるのかというところをしっかり見て判断をしていかなきゃいけないというふうに考えているところであります。

今井委員 では、ちょっと今の発言を確認しますけれども、今後、緊急事態宣言を発令するかどうかは、基本的には三つだと。一つは感染状況、二つ目は感染経路、三つ目は医療の状況。ほかにもあるんでしょうけれども、大もとはこの三つということでよろしいですか。

西村国務大臣 済みません、私が言葉足らずだったかもしれません。大きく言いますと三点で、一つは感染状況。この中に、新規感染者の数とかそのスピードとか、それから、感染経路不明の方の割合が入ります。あるいは、クラスターの状況みたいなものも入ってきます。

 そして、二つ目が医療の提供体制、これにどのぐらい余裕があるのか、ないのか。余裕がなければ、感染状況の人数が少なくともやらなきゃいけない場面があるかもしれません。

 それから、三つ目が、ちょっと今、言葉足らずで申しわけなかったんですけれども、PCR検査など、抗原検査も今ありますので、検査体制。要は、検査体制が全然できていなければ、これはもうふえているかどうかもわからないわけですから、直ちに影響が出てきますので、この三つを大きく総合的に判断しながら考えていくということになります。

今井委員 わかりました。この三つですね。では、今後、これをちょっと見させていただきたいと思います。

 その上で、東京の現状をどう考えるかということなんですが、六日間連続で百人を超えるという新規感染者が出ているという状況ですが、小池知事は、私の承知しているところでは、検査がふえたこともあって人数がふえているというような御発言をされていると思うんですけれども、果たしてそうかということなんですが、資料をちょっとお渡ししています。

 これは東京都のホームページから引っ張ってきているんですけれども、左側が東京都のPCR検査の実施件数です。右側が新規感染者の報告件数ということでありまして、大体時間軸は同じになっていますので、ごらんになっていただけるとわかると思うんですが、六月に入ってからは既に検査は相当数ふえておりまして、そこからは微増です。ところが、新規感染者数がふえたのは、本当にここ一、二週間のことでありまして、これだけを見ますと、検査の件数がふえたから新規の感染者数がふえたというふうにはとても見えないんですけれども、ここについては大臣はどういう御認識でいらっしゃいますか。

西村国務大臣 何点か申し上げたいと思います。

 まず、知事がどの点とどの時点を比較して言われたのか、ちょっと詳細は把握していないんですけれども、私どもも認識しているのは、検査の件数がふえているということは認識しております。

 これは、例えば四月の上旬ごろは、東京で数百件、ちょっとこれは日々によって違う、でこぼこがありますし、それから、報告日が後で修正されたりもしておりますので、ちょっと正確でない、当時、四月の上旬は非常に混乱をしていたときでもありましたので正確でない面もありますが、押しなべて数百件程度、日々行われていたものと思います。

 それが最近では、この五百五十七件というのは、五日で、これは日曜日ですかね、ちょっと少ないのかもしれませんが、二千件程度、日々検査が行われているものというふうに思います。千五百件から二千件程度行われていますので、そういう意味で、検査の件数はこの緊急事態宣言のころから比べると大きくふえております。

 更に言いますと、先ほど少し申し上げましたけれども、新宿におきまして、あるいは、きのう、おとといでは、きのうかおとといだと思いますが、秋葉原におきましても感染者が出たところで、症状がなくとも幅広く呼びかけて、いわゆるバー、クラブなど接待を伴う飲食店、あるいは、秋葉原の方はメードカフェと言われるような形態でありますけれども、こういった従業員の方々に幅広く声をかけて検査を行っておりますので、秋葉原でも二百数十件じゃないかと思いますが、二百数十件から三百件ぐらい行っていると思いますし、新宿でも日々数十件近く検査に応じていただいていますので、そういう意味で、この二、三週間と言ってもいいと思いますが、その分がどうしても上乗せして、陽性者の数もふえているという面はあるというふうに思います。

今井委員 これは指摘だけにしておきますが、やはり正確に分析をしないといけない。少なくとも、この二カ月間を見ている限り、検査数がふえたから新規感染者もふえたという関連には必ずしもなっていないですね、この表を見る限りは。ですから、どうしてふえているのかという、ここ十日間ぐらいどうして急にふえているのかということはやはり正確に分析をしていただきたい、これは指摘だけにとどめておきます。

 その上で、これに関しましてもう一点お伺いします。

 小池都知事が四日の日に、不要不急の他県への移動は御遠慮いただきたいというふうにお話をされていたわけでありますが、これに対して西村大臣も菅官房長官も、いや、政府としてはそういう立場ではないということをおっしゃっておられるんですけれども、四日の日に小池都知事とお話をされたということでありますが、ここのこのずれというのはどうしてこういうことが起きているんでしょうか。

西村国務大臣 私、小池知事と、日々いろいろな議論を行っておりますので、ちょっと正確に、いつ、どういう議論をしたかはあれなんですけれども、日曜日の選挙後に、選挙が終わって、投開票が終わって、そして再選が確定した後、小池知事とも電話でやりとりをさせていただきまして、その時点で、私ども政府の考えはお伝えをいたしました。

 その内容は、確かに東京で感染者の数がふえておりますので、多くの方が心配もあると思います。しかしながら、先ほどから申し上げていますとおり、その多くが、例えば新宿とか池袋のエリアであったり、あるいは、バー、クラブなど接待を伴う飲食業の関係であったり、ある程度、クラスターであったり発生源がわかっておりますので、専門家の皆さんと意見交換をしても、市中感染がわあっと広がっている状況ではないという判断を専門家の皆さんからもいただいております。もちろん、警戒しなきゃいけませんので、それがあるのかどうか分析を進めなきゃいけないんですが、今の時点でそういう判断をいただいております。

 その上で、政府の方針としては、これまでの基本的対処方針や、あるいは都道府県に対する通知でもお示しをしておりますとおり、県をまたぐ移動も自由だということであります。

 ただし、一つには、そもそも症状がある、熱があったり喉に違和感があったりする人はそもそも自宅から出ることを控えていただくように、外出を控えていただくようにお願いをしておりますし、当然、県をまたぐ移動もこれは控えていただくようにお願いをしているところであります。

 更に言えば、仮に症状がない方が県をまたぐ移動をする場合であっても、当然感染防止策をしっかり講じていただくのは、これはもう基本でありますので、どんな場合でも、マスクをしたり、消毒をしたり、換気をよくしたり、手洗いをする、あるいは距離をとる、これは基本でありますし、事業者もガイドラインをしっかり守って感染防止策をとっていただくことが基本である。

 こうしたことを踏まえて、私どもの考えは、県をまたぐ移動を何か今の時点で自粛を求めたりすることはありませんということを申し上げて、知事の方も私は理解を示されたというふうに思っております。

今井委員 端的にお願いしたいんですけれども、出ているメッセージだけを見れば、都知事のおっしゃっていることと政府の言っていることは同じではありません。片方はできるだけ行くなと言っている、片方はどうぞ自由に行ってくださいと。今、そういう、発熱とかおっしゃいましたけれども、これではどっちにしていいかわからないですよ。

 ですから、やはり、自治体としっかりとコミュニケーションをとって同じメッセージを出していただきたい。ちょっとそういう調整をしていただけないですか。

西村国務大臣 小池知事も理解を示されていると思いますので。知事の最初に言われたのは、遠慮いただきたいというふうな言い方だったんじゃないかと思いますが、私なりに解釈をすれば、特に症状がある人は当然外出も控えるわけですし、県をまたぐ移動も控える、それから、当然感染防止策をしっかり講じるということが大事ですので、仮にまたぐ移動をする場合も、ということだと思います。

 それから、知事も、当然、通勤通学などそういうのもあるしということもおっしゃっておられましたので、言っていることにそんなに差はないと思うんですけれども、改めて、政府とそれぞれの自治体との、発信が曖昧である、あるいはわかりにくい面があるとこれはいけませんので、しっかりと今後調整も図りたいと思います。

今井委員 ぜひよろしくお願いします。

 時間がありませんので、端的に幾つかお伺いします。

 まず、家賃支援給付金ですけれども、いよいよ七月十四日から申請が始まるというふうに伺っていますが、申請が始まることはいいんですけれども、実際に支給になるのがいつになるかというのは皆さん大変関心があると思いますので、支給は申請からどれぐらいで受けられる予定になっていますか。

木村政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねのございました家賃支援給付金につきましては、御指摘のとおり、昨日申請要領を公表させていただきまして、受け付けを来週十四日から開始させていただく予定でございます。

 今後の給付開始の時期についてでございますが、なるべく迅速に事業者の皆様にお届けできるよう準備を進めさせていただきたいと考えてございますけれども、一方で、賃貸借契約は実にさまざまな形態がございますことなどから、書類の審査などに一定の時間を要することは御理解を賜りたいというふうに思っております。

 いずれにいたしましても、困難な状況に直面しておられる事業者の皆様に迅速かつ適切に給付金をお届けできるよう、全力を尽くしてまいりたいと考えてございます。

今井委員 現在想定している所要期間というのはどれぐらいですか。できるだけ早くではなくて、大体、めどを教えてください。

木村政府参考人 お答え申し上げます。

 大変恐縮でございますけれども、申請が上がってくる内容を見て、さまざまな賃貸借契約に応じた適切な審査を行わせていただくという必要がございますものですから、現時点で特定の期間という見通しは立てておらないところでございます。

今井委員 それですと本当に不安が広がりますので、もう既に家賃が払えなくてずっと困っている方はいっぱいいらっしゃるわけですから、もっと早く、いつまでにやりますということを政府でしっかりとメッセージを出していただきたいと思います。

 それと、ゴー・トゥー・キャンペーンというか、ゴー・トゥー・トラベル・キャンペーンですけれども、これは夏休みに間に合いますか。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 ゴー・トゥー・トラベル事業につきましては、私どもも、八月の可能な限り早い段階での事業開始を目指しまして、現在、事務局の選定を始めとした準備を鋭意進めているところでございます。一刻も早い事業の開始という気持ちで取り組んでいるところでございます。

 また、具体的な開始時期につきましては、今後の感染状況、さらには感染症の専門家の御意見、政府全体の方針などを踏まえながら決定してまいりたいと考えております。

今井委員 学校の夏休みは軒並み短縮になっていますので、早く終わりますよ。うちの、私の娘が行っているところも八月の十六日までです。夏休みが終わってしまってからゴー・トゥー・トラベル・キャンペーンが始まっても、なかなか皆さん旅行に行けないかもしれません。観光庁、本当に困っていますので、ぜひ早くやっていただきたいことと、もう一点。

 果たして旅行に行っていいんだろうかという、皆さん今悩んでいるわけですね。そのときにこのキャンペーンを打たれて、これで行っていいのかどうかというのを個々の人たちは迷うんですよ。だから、国として、いや、もうこういうキャンペーンもやりますし、もちろん気をつけながらではありますが、どんどん旅行に行っていただきたいとか、やはりそういうことをきちっとメッセージを出してもらわないと、行っていいかどうかがわからない。これをぜひメッセージを出していただきたいと思いますが、いかがですか。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 ゴー・トゥー・トラベル事業の実施に当たりましては、当然、旅行需要の喚起という事業の目的とあわせて、感染拡大防止と観光振興の両立を図る必要があると考えております。そのためには、安心して観光や旅行に行っていただけるような環境整備が重要と考えております。

 このため、観光関連事業者におきまして、感染症の専門家のアドバイスなどをもとにみずからが作成した感染拡大予防ガイドライン、この実施を徹底していただくとともに、私ども国土交通省、観光庁といたしましても、六月十九日に公表したものですが、新しい生活様式における安心で楽しい旅行のための新しい旅のエチケット、こういったものを公表いたしました。こういったことを通じて、観光関連事業者とも協力して、旅行者の皆様方に、新しい旅のエチケットの普及啓発に努めてまいります。

 このような取組を通じて、安心、安全な旅行環境の整備を図り、旅行機運の醸成に努めることで、ゴー・トゥー・トラベルの効果的な実施に努めてまいりたいと考えております。

今井委員 私が端的に言っているのは、もう旅行に皆さん行って結構ですよというふうにメッセージを出してやらないと、こういうキャンペーンをやっても効果がなかなか出ないということを申し上げておきたいと思います。

 専門家会議のこともちょっとお伺いしたかったんですけれども、ちょっともう時間がないので、一点だけ。

 持続化給付金なんですが、支給が今始まっていますが、実は対象から漏れている人もいます。ことし事業が始まった人たちは特例が出ましたけれども、一番の問題は、ことし事業を拡大した人たちですね。

 私も地元をいろいろ回っていますが、例えば運送会社で、去年までトラック四台でやっていたけれども、すごい調子がよかったので九台にしましたと。一台二千万円するそうですけれども、それで事業をやったらコロナになってしまって、そうすると、見かけの売上げは去年より五割減っていないんですよ、拡大しているので。それで対象にならない。あるいは、お店もそうです。新規の店舗をつくったところは去年の売上げよりも半分にならないので支給の対象にならない、こういうこともいろいろなところで起きています。現実にそういう相談も受けています。

 あるいは、例えば新聞配達ですね。新聞配達の方は、実は新聞で稼いでいるわけではなくて、チラシを幾ら入れるかで稼いでいるんですけれども、このチラシがぱたっととまったんですね。新聞の売上げはほとんど利益が出ないんです。そうすると、売上げは、実はそこは見かけ上結構立ちますので、売上げは半分にはならないんだけれども、利益が全然出なくなってしまっている。それで新聞配達店はとても困っていますよ。

 全てを助けるといいながら、こういう漏れているゾーンがたくさんあるんですよ。だから、持続化給付金の支給条件とかをもう一回やはり見直す必要があると思うんです。ぜひそれをちょっとやっていただきたいと思うんですが、いかがですか。

奈須野政府参考人 お答え申し上げます。

 持続化給付金でございますけれども、新型コロナウイルスの影響で売上げが大幅に減少した方に対して、事業体としての事業継続の下支えをするという趣旨のものでございます。

 したがって、今御指摘のように、お店をふやしたとかあるいはトラックをふやしたとか、そういったことで事業を拡大された、こういった方は、どうしても形式的に売上げが半減しないということで対象にならないということは認識しております。

 そこで、事業を拡大された方ということについて言うと、まさに販路開拓や売上げ増大を支援するような小規模事業者持続化補助金の対象になっているということで、これを拡充するということで今回対応しているわけでございます。

 具体的には、コロナ特別対応型については補助上限を五十万から百万に引き上げたり、感染防止対策をする場合には別枠で五十万追加したり、売上げが二割前年同月比で減少した方には、事業完了を待たずに、精算しないで即金で一定程度補助金をお支払いします、こういった新たな取組を行っております。

 こういったことで、先日の第一回の公募では約四千社の方の申請をいただいております。この事業は、切れ目なく事業を実施する、公募をしているというものでございますので、現在も申請を受け付けております。

 この持続化補助金の拡充については非常に評判がよくてというか、多くの方が御利用なさっている有利な仕組みでございますので、こうした支援もぜひ活用を検討いただければというふうに考えております。

今井委員 いや、全然不十分ですよ。対応していただいているのを説明いただきましたけれども、それは不十分ですよ。今現状が足らなかったら、いろいろ改善していけばいいじゃないですか。別に批判しているんじゃないんですよ。そういう人たちを助けることが大事なんですから。

 だから、もう決まっているからというふうに、そういうふうに決めつけないで、そういう人がいたら何とか柔軟にやる、そういうことをぜひやっていただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

松本委員長 次に、早稲田夕季君。

早稲田委員 立国社の早稲田夕季でございます。きょうは、質問に立たせていただきまして、ありがとうございます。

 まず冒頭に、九州豪雨災害でお亡くなりになりました方の、心から御冥福をお祈りいたしますとともに、今被災をされていらっしゃる方、皆様にお見舞いを申し上げる次第でございます。

 この九州豪雨、そして、きょうは、さらに、岐阜県、長野県にも大雨特別警戒が朝出ました。こういう全国的な大変な豪雨災害になっていくということでありまして、これが今まででしたら何年かに一度だったかもしれない、でも、それが毎年のように未曽有の災害が起こっている中でありまして、非常に土砂災害の危険も、もちろん河川の浸水被害もですけれども、この土砂災害の危険が増しております。

 そういった中でございますので、質問をさせていただきたいと思いますが、私の地元の逗子市でも、二月五日に、これは雨とは関係なく、土砂災害の大きなものがマンションの管理地でありまして、そしてお一人の方が亡くなるという大変痛ましい事故が二月五日にありました。

 このことについては、逗子市からの要望もあり、また、総務省から御提案もいただきまして、緊急自然災害防止対策債を活用して、国の方も今支援に向けて協議を進めていただいていると承知をしております。

 大変このような大きな土砂災害でありましても、いろいろな要件で、急傾斜の崩壊の防災工事に当たらないものもたくさんございます。また、対象になりましても、県の独自の方の防災工事もありますが、大変時間がかかるということになっておりまして、なかなか進んでいないのが現状であります。その中で、この対策債を活用して、さらに、予防工事の方も進めていただけたらというふうに思いますけれども、その点についてどのようにお考えでしょうか。

 また、この対策債がこの令和二年度で一応終了ということになっておりますけれども、ぜひこれも延長していただきたい。災害が多発している中でありますので、ぜひ御検討をしていただきたいと思いますが、この二点、いかがでしょうか。端的にお答えいただきたいと思います。

谷政府参考人 お答え申し上げます。

 緊急自然災害対策防止事業債につきましては、政府の防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急対策と連携しつつ、地方団体が単独事業として実施する災害の発生予防、拡大防止のための防災インフラの整備事業を推進するものであります。

 地方団体が緊急自然災害防止対策事業計画を策定いたしまして、これに基づいて単独事業を実施するわけでございますけれども、先ほど御指摘ございましたが、土砂崩れの防止対策事業などにつきましても緊急自然災害防止対策事業債を活用することができるわけでございます。

 本事業債につきましては、令和元年度に創設したものでありまして、事業期間は令和二年度までとしております。本事業債につきましては、まずは地方団体が令和二年度に実施予定の事業を安心して実施できますよう、令和二年度までに建設工事に着手した事業につきましては、令和三年度以降も現行と同様の地方財政措置を講じることといたしております。

 その上で、令和三年度以降の本事業債のあり方につきましては、国の三カ年緊急対策の動向や地方団体の取組状況等を踏まえまして判断していきたいと考えております。

早稲田委員 御答弁いただきました。

 自治体の単独事業で対策事業計画をつくり、そして、これに対して対策債をやっていただくのは、充当率が一〇〇%でございますし、元利償還金の七〇%を地方交付税措置ということでありますから、大変、小さな自治体にとっても、これは活用を更に進めさせていただきたいと思うわけなんです。

 今お話がございました、これからの進捗状況等を見てということですけれども、この大変な豪雨、それから土砂災害が頻発をしている、こうしたことも踏まえまして、ぜひ次年度以降もこれを延長していただけるように、更に要望をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 それでは、コロナの方に移らせていただきたいと思いますが、まず、専門家会議の廃止と、今度は感染症対策の分科会の設置ということであります。

 これも大臣には端的にお答えをいただきたいのですが、この記者会見の件については先ほど大臣から御答弁がありまして、ミスが重なりましたということもございましたが、それでは、持ち回りの対策本部で決まった、七月三日のですね、ということがわかっているんですけれども、その前の対策本部では、このことについて、この専門家会議を廃止するということが議論されたのでしょうか。もしここでされていないのであれば、どのようなプロセスの中でこれが決まったのか、教えてください、持ち回りの前にですね。教えてください。

西村国務大臣 その前の政府対策本部では、その議論は行っておりません。

 その後に、以前から、専門家会議の尾身先生始め、脇田先生始め、それぞれ専門家のお立場で、自分たちの専門家の立ち位置とか果たしてきた役割などを総括したいということで、六月二十四日にそのペーパーがまとめられたわけでありますけれども、その間、いろいろな意見交換をずっと重ねてまいりました。

 その上で、専門家の皆さんのそうした御意見も踏まえて、すなわち、位置づけを明確にするということ、それから、感染症の専門家だけではなくて、幅広くさまざまな知を結集するそうした組織にすべきだ、こういったお考えを踏まえて、そしてこの分科会という位置づけにしようということで、持ち回りの対策本部で決定をさせていただいたところであります。

早稲田委員 議題にならないのに決定がされたということなんでしょうか。

 大変重大な会議であるにもかかわらず、そしてまた、いろいろタイムラグがあったにせよ、尾身先生は大変驚いておられたということは紛れもない事実なわけで、尾身先生が驚いておられるということは、ほかの専門家の方も同様ではないかと思うわけです。

 それで、議題にならないことがどんどんこうやって進められていくということは、国民の生き死にがかかっているような大変重要な専門家会議でありますので、やはりそこは明確に、透明性を持ってやっていくべきだと私は思います。それは当然、その後の分科会においても同じことではないかと思うんですけれども、では、日ごろから、発展的に分科会に移行するというようなことを、議題じゃないけれども、専門家会議ではお話もされていたということでよろしいんでしょうか。外の何かの場面で、西村大臣と尾身先生が日ごろから話しているんですということでは、なかなか、これは重要な位置づけの専門家会議を廃止するということですから、少し、これでは余りにも軽いプロセスではないかと思いますが、いかがでしょう。

西村国務大臣 まず、尾身先生がそれは知らなかったといって驚かれたのは、私の会見と時間が重なったことを驚かれたわけでありまして、このことをちゃんとお伝えできていなかったミスも含めて私は反省をしているわけでありますけれども、内容については、専門家会議のメンバーの中でさまざまな議論がなされてきておりますし、また、私は、基本的には尾身先生と、それから何人かのほかのメンバーとも、ほぼ毎日、一時間程度、あるいは二時間、場合によってはそんな日もありますけれども、意見交換をしております。

 そうした中で、さまざまな専門家のお立場、お考えをお聞きしながら判断をしてきているわけでありますけれども、最終的に、専門家の皆さんとして、六月二十四日の提言というか最終的なペーパーをまとめ、組織のあり方についての構成員としての提言をまとめられておられます。そして、これを踏まえて、七月三日に持ち回りの対策本部で決定をさせていただいたということでありまして、この間、さまざまなやりとりは日ごろから行っておりますけれども、更に言えば、六月の二十四日に専門家の皆様がこうした会議を開かれ、そして方向性を、意思を示されたということでございます。

早稲田委員 余り理解ができないんですけれども、やはりプロセスは大事にしていただきたい。そして、透明性を持って、これも、では、その持ち回りの前の対策本部できちんと議論されたらよかったのではないでしょうか。このことを、発展的に分科会に移行するということを決められたらよかったのではないかと思います。

 もう時間もございますので、これはここまでにいたしますが、ぜひ、今後の分科会については、そういうことも含めて、わかりやすい、透明性のある会議にしていただきたいと思います。

 その点につきまして更にですけれども、これは議事概要をつくられて、そして、速記録については十年間非公表ということで、もちろん公文書として保存をするということでありますけれども、この十年間非公表にする、しなければならない理由というのは何なんでしょうか。やはり、こんなに、十年もたってから公表するということではなく、この大切な、コロナの感染症、本当に皆がわからない内容でございますから、つまびらかに公表していくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

西村国務大臣 御指摘のように、歴史的緊急事態でもありますので、この新しい分科会におきましても、その議事の記録についてはできるだけ丁寧に残していかなきゃいけないというふうに思っております。

 第一回目の会議で委員の皆様方に御確認をいただいたんですけれども、基本的に、自由に率直にできるだけ御意見をいただきたいと思っております。というのは、感染が出た場所、あるいは特定の個人あるいは業種、こういったことがしばしば議論になって、その感染源がどこまで広がっているか、どういった地域にどういった影響を及ぼしているか、こういったことも議論になるわけでございます。

 したがって、会議は非公開とさせていただきますが、今後、議事概要を作成するに際しては、発言者名も明らかにして、そして、できるだけ丁寧に、できるだけ詳しい議事概要を残していきたいというふうに思っております。これはしっかりと、一定のルールのもとで、近いタイミングで公開をしていくものでございます。

 その上で、速記録、これはきちんとした議事録のような形になると思います、これについても残していきたいというふうに考えておりますが、今申し上げたとおり、個別の地名とか個人の情報、こうした機微な事項に及ぶ部分がありますし、専門家の先生方にとっても、さまざま個人攻撃であったり、訴訟のリスクなど、こういったことにさらされるおそれがございます。

 そういったことも踏まえて、直ちに議事録を公開するのは適切ではないというふうに考えているところでありますが、時がたてばそうしたことが、リスクも減るということで御理解をいただいて、議事録と言っていいと思いますけれども、速記録ですね、いわゆる速記録については、一定のルールに基づいて、国立公文書館に移管をして、原則公開をされるということでございます。

早稲田委員 個人の名前とかそういうものは黒塗りにすればよろしいわけで、議事録を公開するというのは、例えばですけれども、地方の自治体ではもうほぼほぼそういうふうになっていますね、審議会でも何でも。でも、私もこちら国会へ来てびっくりしたのは、ほとんどが、後々公開されるものもあるけれども、議事概要ということで、それも、名前がついていない議事概要もあれば、もう本当に議題だけぽんぽんぽんと書いてあるような議事概要もございます。これも、その省庁の胸三寸でそういうことになっているのかどうかわかりませんが、もっと国民に情報を、国民の情報ですから、それを出していただけるように、強くこのことについても要望させていただきたいと思います。

 次に参ります。

 PCRの検査についてですけれども、先ほどもいろいろ御議論がありました。コロナの対策のヒアリングの方でも、三万件のキャパシティーにふえた、PCRの検査ですけれども、でも、実際にやられているのは一日七千件から八千件ですね、多くても。そういう中で、私は、どうして全自動のPCR装置というものが使われなかったのか、これは報道にもありますけれども、そのような感じを抱いております。

 それから、その前に、全国の感染拡大におきまして、どのように西村大臣は考えておられるかということ、先ほども議論がありましたので、重ならないようにはしますけれども、例えば、緊急事態宣言を出したとき、解除したとき、それから現在、これをやはり同じ数字で出していく、共通の数字を。いつも出される数字が違うわけなんですよね、記者会見や何かでも。実効再生産数でおっしゃるときもあれば、十万人でおっしゃるときもある。

 それは、いろいろなものがあるから、これだけということではないと思いますけれども、共通して数字を出していただいて、それでもやはり経済も回していかなければならない、両輪なんだという説明をしていかれるというのが、やはり国民に対する、これだけ協力をいろいろしていただいている、休業もして、学校にも行かれない、その中でいろいろ皆さんが工夫をしていただいている中での国民に対する私は責任だと思っています。

 先ほどおっしゃいましたけれども、都道府県への再指定に関する指標というのを、ここにきのういただきました五つの指標があるわけですけれども、じゃ、十万人当たりで見てみると、緊急事態宣言を発出したとき、それから解除、そして現在、どのような数字だと認識をされていらっしゃいますでしょうか。数字を申し上げていただかなくていいんですけれども、厚労省、内閣府できちんとわかるように出ておりますでしょうか、こうした数値が。お願いします。

西村国務大臣 私は、記者会見で、ほとんど毎回同じデータを示して説明をするようにしております。もちろん、全てが報道されるわけでもございませんので、その一部分が報道されるケースも多いですから、できる限り丁寧に説明して御理解をいただくようにしなきゃいけないというのは心得ているところでございますけれども。

 まず、感染状況については、新規感染者の数、これがやはり大事であります。一日百人を超えてきたというこの数字、これもしっかりと分析をしていかなきゃいけない。特にその中でも、感染経路がわからない、いわゆるリンクが不明と言われる割合、これが五割近くに上ってきていますので、これは警戒をしなきゃいけない状況であります。

 ただ、きょうの時点で、きょうの発生者のうち五割がわからなくても、その後、追跡をしていけばそれがわかってくるケースもありますので、何日かたつと、それが四割、三割と落ちてくるケースもございますので、引き続き継続して見ていかなきゃいけないということであります。

 感染者の、陽性者の数がふえた、その中身についても、先ほど来申し上げておりますとおり、いわゆるバー、クラブなど接待を伴う飲食業の方々が、症状がないですけれども、幅広く呼びかけて、検査に応じてくれている、それによってふえている部分もありますし、クラスターでふえている部分もあります。鹿児島でいえば、一つのお店から八十人を超える感染者が出ていますが、これはもうクラスターとして追っかけていけていますので、そこから市中に多く広がっている状況ではないというふうにまだ見ておりますが、そういった分析を、これは、厚労省とも一緒に日々進めて、専門家の御意見も聞きながら進めているところでございます。

 そして、実効再生産数も、減っていく局面では、余り、どんどん減って、一を切って減っていきますが、ふえていく局面では見ていかなきゃいけませんので、一を超えているのかどうか、二を超えているのかどうか、こういった点もしっかりと見ながら対応しているところでございます。

 あわせて、緊急事態宣言を発出するに際しては、当然、医療の提供体制がどうなっているのか、病床がどれだけ埋まっているか、それから、重症者の数がどれだけおられて、その病床のうちどのぐらいのウエートを占めているか、こういったこと。それから、先ほどもございましたけれども、PCRの検査の件数、今は抗原検査もありますので、全体を見なきゃいけませんが、そういったことを、全体として、数字も含めて、厚労省、専門家の御意見も聞きながら、私は、できるだけ日々その数字もお示ししながら、判断の根拠を説明を申し上げているところでございます。

早稲田委員 説明をしていただいているということなんですけれども、例えば、じゃ、実効再生産数ですけれども、これは、東京都、神奈川県、埼玉県と見たいと思うと、ないんですよ、そういうサイトが厚労省に。それで、東洋経済オンライン、新型コロナウイルス感染症特設ページと。

 もちろん、計算すれば出ます。計算すれば出ますけれども、東洋経済の方から見ますと、今、東京都だけ申し上げますが、緊急事態の宣言の発出日、四月七日、これが一・六一、解除日は〇・五七、現在、どのくらいの感じがしますでしょうか、一・六二です。

 それで、こういうことを見ていくのも、やはり一緒に並べて説明をしていただきたい。だけれども、それでもこうなんだということを言っていただくのならわかるんだけれども、そうでなくて、今、ふえているけれども病床数はあるんですという、一ついい数字を、使いやすい数字を使うということだけではなくて、いつも同じ数字を一緒に出していただいて、だけれども、こうだから今は経済をとめる状態ではないということをしっかりと説明していただきたいと思います。

 そして、入院のことですけれども、大丈夫ですとおっしゃいましたが、入院も今四百二十七人、東京都。そうすると、二週間で二倍になっているんですね、倍増。これも決して大丈夫だという数字ではないと思うんです、病床が千人分ですから。これを三千床にふやしてくださいと都知事はおっしゃっていますけれども、そんなに簡単にいく話でもないので。

 そういうことを、わかりやすく、日々同じ数字もお使いいただいて説明をしていただき、でも、PCR検査をふやしていく、それから、病院の医療体制も充実をさせていくという中で、経済をとめなくてもできるんだ、そういうことまできちんと御説明をいただきたいと要望をさせていただきます。

 そして、PCR検査でございますが、日本のメーカーが、PSSというところがつくっている機械ですね、全自動の。五十人分を一回にできると書かれております、報道ベースでありますが。そして、もう既に、これまで非常に、オーバーシュートになっていた欧米諸国では、五十カ国、五百台使われているというふうにもありましたが、ようやく、この六月の中旬以降、日本では承認がされたようなことでありますが、なぜこれが活用されなかったのか。そして、もっと活用して、例えば空港検疫であるとか、そういうところにも使うべきだ。国として、補助金を出しているのはわかりますけれども、きちんと全自動のものを使っていただきたい。

 それからまた、今どのくらい全自動が全国で使われているか、ずっと数値を調査してくださいと申し上げてまいりましたが、その数値が出ていれば、それもあわせてお答えいただきたいと思います。

 済みません、時間の関係で、端的にお願いいたします。

小島大臣政務官 お答えいたします。

 PCR全自動検査装置につきましては、人の労力の省力化とか、そういう観点から大変有用であるというふうに考えております。

 先生御案内のとおり、新型コロナウイルス感染症には、検査方法にはさまざまありまして、PCR全自動検査装置のほか、LAMP法、そして抗原簡易キット、さらには抗原定量法などがございます。それぞれ時間が、三時間とか四時間とか二時間とかあるわけですけれども、自治体、医療機関におきまして、その状況はさまざまなニーズがあって、そのニーズに合わせて、厚労省としましても、一律にこれをと言ってはいませんけれども、そうした、今言ったことを適宜使っていただきたいというふうに考えております。

 緊急包括支援交付金におきまして、第二次補正予算で、一〇〇%、十分の十、補助を決めました。どうか、そうしたことをしっかり自治体や医療機関でそれぞれ適宜活用いただきたい、このように考えております。

 それと、今、検査ですけれども、先般も西村委員の方からも質問があったわけですけれども、ただいま精査していまして、来週ぐらいにははっきりと報告できると考えております。

早稲田委員 何で全自動がわからないんでしょうかね。今までずっと補助金も出していらっしゃったわけですから、調べようと思えばすぐ調べられるはずですし、それから、今、自治体のいろいろなニーズに合わせてとおっしゃいましたが、せっかく一〇〇%の交付金になりましたし、どんどん進めていかなければならないというのは、もう専門家会議の方でも、それから別の有識者の方からも、いろいろ提言が出ておりますよね。経営者や学者さん百人から、六月の十八日に、感染症に対する政府への提言を連名で公表をされております。これについても、冬までに一日当たり二十万件の検査能力の確保を求められている。それから、政府の方の骨太の方針でも、PCRの検査の拡充というのが一番目に入っているわけです。

 その中で、この全自動を使わない。わけがわからないというんですけれども、それからまた、自治体任せ、研究所任せということが、やはり、医療体制のときはECMOも政府の方で買い上げるぐらいの気持ちでやっていらっしゃるわけですから、これも、非常に高いお金ではありますけれども、数千万円から一億と言われていますけれども、それで人の命が助かるということである、やはり検査をふやすということは、重症化を防ぐという意味でも、ですから、ぜひこれをやっていただきたいと思います。

 さらに、加えまして、今、九州豪雨でも、ボランティアの人手が非常に少ないということで、また、本当は全国から来ていただきたい、そういう専門のボランティアの方にも来ていただきたいけれども、来ていただけないのは、コロナ禍であるからなんです。

 こういうPCR検査もやっていただけるように、ぜひ全自動のPCR装置の導入も含めまして、平副大臣に、どのようにお考えか、お聞きします。

平副大臣 全自動PCRの導入については厚労省の所管でありますが、ボランティアの活用について、全自動PCR検査の活用をすべきだ、そういう御質問だというふうに思います。今現在は、やはりコロナが不安だということで、少人数であったり、県内からボランティアを募集をしているという実態があるのも承知をしております。

 その中で、こういった新しいテクノロジーや、あと、接触確認アプリなどもつくらせていただきましたし、また、全自動PCRのみならず、抗体検査とか抗原検査などなどありますので、どういったものを入れることがその地域のニーズに合ったのかというところをしっかりと情報共有をしながら、検討をしていきたいと思っております。

早稲田委員 ぜひ、ボランティアの方のPCR検査もやはり拡充をしていただけるように、お取り計らいをお願いしたいと思います。

 それから、ワクチンの治験について、アンジェス社が今やっておりますものについて伺いたいのですが、まとめて伺います。

 動物実験の結果が公表されておりませんけれども、そういう中で治験に入るということが適切であるのかどうか。それから、医療従事者、しかも研修医をこの治験の対象とすること、これが妥当かどうか。それから、科学的データが示されていないうちに、非常に政府も、それから大阪市も前のめりになっている感が強いわけですけれども、これはしっかりと安全性を、本来の観点から、安全性の重視のためにもやはりきちんと、臨床試験、治験というのは医学的なことですから、医学の観点からやられるべきで、政治が余りにも前のめりになることには、ちょっと私は危険ではないかと考えますが、これについては、最後、西村大臣、お願いいたします、最後の、前のめりにならないようにというお話。

山本政府参考人 お答え申し上げます。

 アンジェス株式会社が行っておりますDNAワクチンにつきましては、その治験を開始する前に治験届出が医薬品医療機器総合機構に提出されまして、一定の安全性の確認はした上で治験が開始されております。

 また、治験に参加する方に対するものでございますが、医薬品の治験につきましては、医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令、いわゆるGCP省令におきまして、治験に参加しないことにより不当な不利益を受けるおそれがある方を選出する場合にあっては、当該者の同意が自発的に行われるように十分な配慮を行うことが求められているところでございます。今回の治験においても、こういったことをきちんと遵守していただいているものと考えております。

 我が国といたしましては、有効性と安全性が確認された新型コロナウイルスの治療薬やワクチンをできるだけ早期に実用化することを目指して取り組んでおりますが、一方で、開発企業におきましては、引き続き、関係法令を遵守した上で適切に治験を実施していただきたいと考えているところでございます。

西村国務大臣 まさに治療薬とかワクチンは、全ての国民が待ち望んでいるものだというふうに思います。

 政治の役割として、全ての可能性のある品目について開発を推進していく、これを応援していくというのは基本的な役割であるというふうに認識をしております。

 しかし、迅速なそうした研究開発を進めていく一方で、応援していく一方で、安全性とか有効性、そうしたものを専門家によってしっかりと確認をし、評価がなされる必要があることはもう言うまでもございません。

 政府としては、有効性、安全性が確認された新型コロナウイルスに対する治療薬、ワクチン、これをできるだけ早期に実用化するということを目指して、必要な支援を適切に行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。

早稲田委員 もちろんそうなんですけれども、ワクチンにみんなが期待をしているんですけれども、だからこそ、きちんと静かな環境で安全性を重視していただけるように、政治の立場もそこをよく遵守をしていただきたいということを、最後、要望させていただきます。

 家賃支援、それから持続化給付金についてもいろいろ申し上げたいことはありまして、家賃支援も、一親等以下の場合でも、ほかの自治体がやっているように支援の対象とすべきではないか、やはりこれからもっと拡充をしていくべきではないかということも、最後、つけ加えさせていただきまして、私の質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

松本委員長 次に、柚木道義君。

柚木委員 立国社会派の柚木道義でございます。

 きょうは、理事の皆さん、質問の機会をいただきありがとうございます。西村大臣もよろしくお願いいたします。

 平副大臣、本当に災害対応で大変な中、お越しいただきありがとうございます。冒頭に質問させていただいて、それが終わりましたらちょっと御退席いただいて、もう公務にお戻りいただければと思いますので。

 まず冒頭、まさに九州、そしてまた、ずっとこちらに向かってきているというところで、先ほど、たしか今井さんの御地元もというお話もありましたが、そういった地域で災害に遭われ、本当にとうとい命を失われた方々へのお悔やみと、そしてまた、その御家族、関係者の皆様に本当に心からお悔やみとお見舞いを申し上げ、そしてまた、今全力で、現場の皆さんも本当に、自衛隊を始め頑張っていただいている皆様に敬意と感謝を申し上げ、行方不明者の方が本当に一日一刻でも早く救出されることを心からお祈りをし、少しでもそれに資する質問ができればと思います。

 平副大臣、通告をさせていただいておりますが、実は私、岡山県倉敷市が地元で、西日本豪雨災害、六日で二周年ということでありました。

 ところが、この二周年を機にNHKがアンケート調査を行ったんですね。そうした場合に、皆さん、資料の六ページ目にタイトルだけの記事をつけておりますが、実は、西日本豪雨災害、あれだけの、倉敷市だけじゃなくて本当に広範囲に、広島県を含めてあったわけですが、四国の愛媛とか含めてですね。こういう今の事態の中で一刻も早く避難が求められるときに、何と四割近くの方が、まさに今、新型コロナウイルス、まさに同時進行、複合災害という状況の中で、避難所に行きたくないと。これでは救える命も救えないということになりかねません。

 そこで、まさに与党の先生方からもそういった趣旨の質問もあったように承知しておりますが、内閣府の四月に出されている通知で、まさに、避難所の避難者密集を避け、健康な人と発熱者らのスペースを別に確保し、動線も分けると。

 今回の熊本県の豪雨災害などを中心に、甚大な被害が起こっているところもそうなんですが、今後、台風シーズンがやってきます。首都圏でも同じことが想定をされます。百年、五十年に一度どころか毎年起こるようになっている中で、まさに感染症、今は新型コロナ、そういったものと豪雨災害との複合災害対策としても、これは今、被災地ではされているという御答弁を後ろから先ほど聞いておりましたが、まさに今後のことを考えたときには、全国の避難所に、まさに検温計、消毒液、マスクやフェースガードなどの防護具の確保、備蓄、さらには、感染リスクの高い高齢者や持病のある方、そういった方とそうでない方とのスペースを分ける、あるいは、スペースが完全に分けられない場合の間仕切り等、あるいは、そのためのオペレーションのための人手の確保、こういった整備が急務だと思われますので、現状と同時に今後の取組についてもぜひ御答弁をお願いしたいと思います。

平副大臣 質問の順番の御配慮をありがとうございます。

 先生御指摘のとおりでありまして、コロナ禍におきましては三つの密をどう避けるかということだと思います。

 その際に、避難指示とか避難勧告のレベルがレベルフォーになると全員避難というのをちょっと強調し過ぎたものですから、本来安全なところにいらっしゃる方まで避難をしなければいけないんじゃないかという勘違いをされた方もいらっしゃいました。

 ですから、基本的には、これからしっかり広報を努めて、ハザードマップで自分が住んでいるところを確認していただいて、安全なところにいらっしゃる方はとどまっていただくということで、まずは数を絞り込んでいくということだと思います。その上で、できるだけ知人宅とかホテルとか旅館の活用もいただきまして、避難所の人数はできるだけ抑えていく。

 その上で、今度は、発熱のある方とかそういう方に対しては、別の部屋で用意をしていただいて、そちらで休んでいただく、避難をしていただくということもあると思いますし、また、段ボールベッドなど、パーティションなどをプッシュ型で送って、距離をとっていただく。

 その上で、あと、実は、各避難所の必要な在庫をインターネット上で情報を共有をして、プッシュ型ができるようにしていこうというふうに思っています。今回の熊本も実際にこのシステムを運用させていただいておりましたので、いずれにしても、自治体と政府でよく共有しながら、必要な在庫は持っていただく、足りないところは政府がプッシュをしていく、ITテクノロジーもしっかり活用しながら対応してまいりたいと思っております。

柚木委員 平副大臣にお越しいただいて、これの担当は武田大臣ですかね、防災担当は。西村大臣はコロナと経済等の担当で、そういう意味では連携も非常に重要だと思うんです。

 東日本大震災のときにも、あるいは熊本地震のときも、例えばノロウイルスとか、七ページ目にも、産経新聞かな、地元のことが書かれているんですが、阪神大震災のときにはインフルエンザ等、やはり感染症対策とこの避難、命を救うという部分の両立というのが非常にこの間も課題で、率直にそれがおくれてきている。

 だから、今回のこの新型コロナ対策、早く終息はいただきたいし、治療薬、ワクチンも開発いただきたい中で、しかし、二、三年のスパンの中でずっと波が続くとしたときに、西村大臣、ぜひ平大臣、武田大臣とも横の連携もいただいて、感染症でいえば厚労省、きょうコロナ対策班も来られていると思うんですが、ぜひそこの横の連携をしっかりとっていただいて、これが、月曜日にされた分科会とかでも場合によっては今後一定の議論、避難所における感染症対策のあり方等も、やはり経済への影響も当然、そこで感染が拡大して、今、長期、豪雨も長引いているとかいろいろな状況もありますから、そこでまた感染者が広がれば、復興だけじゃなくて経済全体へ与える影響にもかかわってくると思います。

 西村大臣、横の連携をしっかりとっていただいて、場合によっては分科会でもそういう、時宜に応じて新しく取り上げていただいて、ぜひ、コロナ対策と同時に豪雨災害などの複合災害対策についても、西村大臣としてもしっかり連携してお取り組みいただきたいと思いますが、一言御答弁いただけますか。

西村国務大臣 大事な点を御指摘いただいたものというふうに思います。

 既に武田大臣とも何度となく、この感染症防止と、避難所の皆様への支援とそれから救助活動、こういったことをしっかりと両方、両立していけるように連携してやっていこうという話をしているところでございますし、御指摘のように、必要に応じて、分科会の場がいいのかほかの場がいいのか、さまざまあると思いますけれども、少なくとも、政府部内でしっかりと連携をとって、また、専門家の皆さんにもさまざま御意見をいただきながら、適切に対応していきたいというふうに考えております。

柚木委員 ありがとうございます。

 平副大臣に最後一点だけお願いをして。

 この資料の七ページ目の記事には「「三密」回避 新様式を模索」とあるんですが、まさに大きな被害があった私の地元倉敷市の中における真備町、これは実は加藤大臣の選挙区ではあるんですが、私もほぼ一緒なので、地元の方は、こういう三密回避、新様式のようなスペース、様態を確保できるような、適する場所がないというふうに実は市の担当の方は答えられていて、それはきょうの新聞の記事にもなっているんですが、すぐには解決できない課題だというコメントも出ています。

 ぜひ、そういう実態ももう少し、全体像を把握をいただいて、そして、本当に、百年、五十年に一度だったのが毎年のようなこういう災害について、感染症対策と命を救うことの両立をお願いをして、そして次の質問に入りたいと思いますので、副大臣、御退室をいただければと思います。ありがとうございます。

 それで、関連して、委員長。

 まさにこのテーマというのは、感染症、コロナ対策でいえば内閣委員会、あるいは例えば災害特別委員会、あるいは感染症の部分でいうと厚生労働委員会、こういったことで、本当に、これから台風シーズンに向けて今から備えておかないと、さっきのように、避難所で三密回避の様態なんか無理だという現実がある。人手も大変、予算どうするか。

 ですから、そういったことを、ぜひ国会を開いていただいて、内閣委員会、きょう開いたら、この後何か予定は聞いていませんので、連合審査でも結構ですよ、ぜひ、国会、休んでいる場合じゃないと思います、国会議員、夏休みをとっている場合じゃないです。ぜひ毎日のように国会を開いていただいて、ぜひ連合審査も含めた対応を、委員長、お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

松本委員長 後ほど、理事会に諮ります。

柚木委員 ありがとうございます。

 そういう意味では、ちょっと私、一点だけ、先ほど今井委員も少し触れられていましたが、ちょっと一言だけ西村大臣にコメントを、所感をいただきたいのは、私も非常に残念なのは、河井議員御夫妻はお隣広島県なんですね、私は岡山県です。本当に言われるんですよ、そんなところに税金、選挙対策に使うんだったらコロナに使ってよと、今ならね。それで、きょう、起訴という報道が出ていますね。

 これは、私はもちろん、先ほど御答弁されたように、当事者の説明責任、あるいは捜査の推移、推定無罪の原則も含めて重要だと思いますが、やはり税金から、一億五千万円の選挙資金のうち一億二千万円ぐらいが税金ですか、だとするならば、コロナ対策にこれだけ税金を使うことをお願いを国民にしている立場、政府としても、やはり国会における説明責任、これはあるんだと思うんですよ。それを、国会の場で説明責任を果たしていただくこと、安倍政権の一閣僚として、これは必要だという認識はお持ちかどうか、お答えいただけませんか。

西村国務大臣 事実関係、私、詳細を承知しておりませんので、ここで答弁することは控えたいと思いますけれども、しかし、一般論として、先ほど申し上げたように、政治家は、それぞれ疑念を持たれたらそれをしっかりと説明していく、その責任はあると思いますし、特に閣僚の立場にあられたわけでありますので、閣僚として重い責任、重い任務をいただいているわけでありますから、そうしたことも含めて、説明責任、そして政治家としての責任を果たしていただきたいというふうに思っております。

 本当に、事実関係、これ以上私は何も承知しておりませんので、これ以上の答弁は控えさせていただければと思います。

柚木委員 きょうのところはコロナ対策に私も特化してやりたいので、この点については終わりますけれども。ただ、やはり国民の不信感、これは政治全体への不信感につながっています。国政、立法府、行政府両方への不信感につながっていますので、これは、委員長、本当に、所管の委員会はまた別かもしれませんが、やはりその点において、政府においても立法府においても説明責任を果たすことは非常に重要だということを指摘をして、続きの質問に移りたいと思います。

 先ほども少し触れられておったんですが、私も、これは非常にきょう通告していることと直接かかわることなので、小池東京都知事の移動の自粛要請と、政府との見解の相違について少しやりとりがあったんですが、それも踏まえた上で、少し私からも確認をさせてください。

 実は、私自身が、小池都知事のその発言は、他県への不要不急の移動自粛の呼びかけというのは、これは、きょう尾身先生もおいでですね、尾身先生にもまた随時御見解をお尋ねしたいんですが、例えば、無症候感染者の方とか、あるいは経路不明の方が今ふえてきている、半数ぐらいになってきていて、そういった方々に対してメッセージ、アナウンス効果としては、私は医学的にも正しいメッセージだというふうに受けとめるんです。しかし、経済的な影響も踏まえて、多分、菅官房長官あるいは西村大臣も、都知事と、いや、今すぐそういう移動自粛要請は必要ないというお立場であると思うんですが、ちょっとやはりこれは整理していただかないと、都民の皆さんだけではなくて全国的に、これは、ゴー・トゥー・キャンペーンもこれから始まるとしたらば、ちょっとやはりちゃんと整理して発信をいただきたいということなんです。

 といいますのは、小池都知事のまさに不要不急の移動自粛要請については、私は、そういう無症候感染、経路不明の方、東京由来、夜の町クラスターが東京由来で拡大する懸念もある、そうした場合に一定の医学的なエビデンスを持ったメッセージだと思うんですが、そのことと、経済との兼ね合いで今すぐ移動自粛要請は必要ないというのはちょっと分けて発信していかないと、どっちなんだ、あるいは内容はどうなんだと。対象をちょっとちゃんと明確にした上でこのメッセージを発信していただかないと、結局、皆さんは今混乱しているだけの状況だと思うんです。

 だから、対象も含めて、無症候感染に対してはこう、全体としてはこう、経済への影響はこうだからとか、ちょっと整理して、そして、もう一遍東京都知事とも意思疎通をして、それぞれがワンボイスとなるような発信をいただきたいと思いますが、御答弁をお願いいたします。

西村国務大臣 繰り返しになりますけれども、日曜日の選挙が終わった後、小池知事と電話でお話をさせていただいて、私ども政府の考え方を改めてお伝えをしたところであります。

 基本的対処方針、あるいは都道府県への通知で明記をさせていただいておりますけれども、今の状況、時点では県をまたぐ移動は自由にできるわけであります。ただし、その中にも書いてあるんですけれども、症状がある方は、これはそもそも外出を控えていただいて、当然、したがって、県をまたぐ移動も控えていただくということでありますし、感染防止策をしっかり講じていただくというのが前提であります。感染防止策をしっかり講じて、そして経済社会活動との両立を図っていくわけであります。こうした基本的考え方について小池知事に申し上げて、小池知事も理解を示されたと思いますが。

 七日、きのうの小池知事の発言が、こういう言い方をされておられます。東京で感染者が多く出ているのは都民もわかっておられるので、都外への移動について気をつけていただきたいという配慮をお願いしたところというふうに改めて発言をしておられますので、私は、これは私の考えているところとそんなに違いはないと。ちょっと言いぶりは違いますけれども、症状のある方は当然行かないでほしい、それから、出かけられるときも感染防止策をしっかりとっていただくということが大事だ、その上で経済活動、社会活動との両立を図っていくという、その趣旨を、移動については気をつけていただきたいという配慮をお願いしたところということでありますので、そういう意味で、考えているところ、申し上げているところは一致をしているというふうに理解をしておりますが、改めて東京都とも確認をしたいというふうに思います。

柚木委員 尾身先生、分科会の座長でもいらっしゃるわけで、一言、ちょっと御答弁いただきたいのは、今、大臣の答弁、私も理解します。ただ、申し上げたように、やはり無症候感染者の方に対するメッセージとしては、今の大臣の御答弁だけだと、そういう方も、気をつけるんだけれども、無症候だから自覚がないわけですから、検査していなければ感染かどうかもわからない、そういう方々に対しては、むしろ、この小池都知事の、まさに他県への不要不急の移動自粛というのは、そこからの感染拡大を防ぐという意味では、やはり、そういう県をまたいでの移動自粛というのはお考えいただくというのは、医学的には感染拡大防止の上で必要な観点だと思われますが、尾身先生、いかがでしょうか。

尾身参考人 お答えいたします。

 今先生の、都知事と国との、今西村大臣から気をつけていただきたいという趣旨だというお話を伺いましたけれども、私は、今、社会経済と感染症対策の両立ということを、これは恐らく国民的なコンセンサスだと思うんですよね。そういう中で、全ての動きを例の緊急事態宣言が出たような形でお願いするのは少し無理だし、今はその時期にはないと思います。

 しかし、もうこれは先生、釈迦に説法ですけれども、緊急事態宣言を出す前でも、例の特措法の二十四条ということで、県の知事なんか独自でいろいろな判断をできるということで、そういう意味で、恐らく都知事が、なるべく気をつけていただきたいということ、それについて、今大臣の方も、それについては同じ意見で、この感染症対策というのは、国の議論も非常に重要、それから国のリーダーシップも重要ですけれども、実は、最もと言うと語弊がありますけれども、非常に重要なのは各地域でのリーダーシップです。

 そういう意味では、特措法もそういうたてつけになっていて、知事たちがリーダーシップを発揮できるようになっていますが、ただ、特措法は、今緊急事態宣言は解除されていますけれども、例の二十四条ということで、知事たちがかなりリーダーシップをできるということで、そういう意味で、気をつけていただきたいということについては、国の方もそういう同じ意見だと私は思って、私もそう思います。

柚木委員 御丁寧な答弁、ありがとうございます。

 やはり、そのメッセージ、大臣は、そごはないようにという、ない認識でいらっしゃっても、受けとめる側が混乱をするようでは、無症候感染の方に対するメッセージも含めて、やはりちゃんと対象を分けたメッセージの発信の仕方をすれば、私は、それぞれが言っていることというのが、違うことを言っていても、対象によってはそうなんだと。無症候感染の方々に対しては、症状が出ていなくても、熱があればそれは自宅でとか病院とか、それはそうなんだけれども、そうでない方に対してはこうなんだとか、ぜひそこら辺を調整をいただいて、しっかり整理して、それぞれメッセージを発信をお願いしたいと思います。

 次の質問に参ります。

 私自身も非常に東京の今の状況を憂慮していますが、まさに豊島区のホストクラブ、これへの独自の休業要請、それから全従業員へのPCR検査実施、クラスター判明なら独自の休業要請そして休業補償、これを都と連携してやるという報道に触れて、それも踏まえながらお尋ねをしたいのは、まず、緊急事態宣言ですね、これの再発令、これが理論的にはあり得るということは尾身先生もおっしゃっていますし、官房長官も、そういうことは現段階ではないにしても可能性としてはある、否定はされていません。

 その点についての見解と同時に、それを全部再発令となると経済への影響が大変だということで、まさに夜の町対策含め、エリア限定、例えば新宿とか池袋とか、今、秋葉原も、メードカフェですか、そういうところで六人感染、三百人以上が検査ということが出ておりますが、例えば、新宿、池袋、秋葉原とか、クラスターが出ている、感染者が出ている、そういうところの地域限定かつ業種限定の自粛要請と、休業補償もセット、地域限定であれば補償する金額、税金の拠出も少なく抑えることができます。

 ですから、エリア限定、業種限定の自粛要請と休業要請、さらに、PCR検査も、その対象のお店だけじゃなくて、その一定のエリアの方には、同業でお互いやはり飲食に行ったりしますから、そういうエリアの方々は行っていただく、そういうPCR検査の実施の推奨、この三点をセットでぜひお取組をお願いをしたいと思うんですが、西村大臣、いかがでしょうか。

西村国務大臣 今の状況につきましては、尾身先生始め専門家の皆さんにも日々、分析をいただき、御判断をいただいているところでありますけれども、緊急事態宣言を発出した四月七日のあの前の状況、あの前後の状況とは違うということで確認をいただいておりますので、今の状況で、直ちに宣言を発するような状況ではないということは、もう繰り返し申し上げているところであります。

 ただ、感染者の数がふえておりますし、感染経路不明な方もふえております。そういったところ、市中感染が広がっていないのか、こういったことをしっかりと分析を進めていかなきゃいけませんし、今御指摘ありましたとおり、まさに感染がふえている部分の多くの部分を、バー、クラブなど接待を伴う飲食業で、新宿を中心に、それが池袋など豊島区にも数がふえているというような状況でありますので、そういったところの対策を強化をしながら取り組んでいきたいというふうに考えているところであります。

 その上で、緊急事態宣言前であっても、二十四条九項に基づいて、一般的な要請でありますけれども、これはさまざまな要請ができます。既に、鹿児島県の知事は、鹿児島市内のあるお店で八十人を超える陽性者が出ましたので、全県でそうした業種について休業要請、いわゆる施設の使用制限、一般的な休業要請を行われたものというふうに承知をしております。

 そこで、対応としては、二十四条に基づいてさまざま要請はできるということでありますけれども、知事の判断でできます、それを我々としてはしっかりとサポートし、調整をしていきたいというふうに思っております。

 その上で、エリアを限定するのがどうかということについては、これは、仮にどこかのエリアを限定して休業要請をやると、お客さんは違うエリアに行ってしまう可能性もあります。それから、そこで働いている方々も、チェーン店などありますので、仮に新宿じゃだめなら、じゃ、次は池袋とか、次は六本木とか渋谷とか、ほかの店で働くということもありますので、逆に感染を拡大させていくことにもなりかねません。

 そういったことも配慮しながら考えていかなきゃいけないということで、鹿児島県では全県で出されています。それから、東京で考える場合には一都三県で、広域で考えなきゃいけない面もあると思います。

 それから、新宿エリアでは、区長が先頭に立って、保健所の皆さんも頑張っておられて、陽性者が出たお店ではなくて、同業のお店全体に広く呼びかけてPCR検査を受けていただいておりますので、そうしたことを調整をしながら、そして、できるだけ効果的、重点を置いて対策をとっていければというふうに考えているところでございます。

柚木委員 ぜひよろしくお願いします。

 十兆円予備費、五兆円迅速対応で積んでいるわけですから、そういったものを生かして、東京豊島区をモデルケースにしたいと都知事も述べておられるようですから、国としての支援も今御答弁いただいたと思うので、ぜひよろしくお願いします。

 PCR検査の拡充、三パターン、分科会で示されました、尾身座長のもと。私、特に申し上げたいのが、感染リスクの低い無症状者に対してしっかり検査をいただくことについて、早く国民的合意を得ることが必要と、尾身会長、分科会がおっしゃっていますし、多分、西村大臣もそこは同じ認識なんだと思うんですが、現状のペースで続けば、既に一週間三桁という状況がありますが、これは、感染経路不明者が半分ぐらいいて、これがあと今後三週間ちょい続けば六倍になる、一日当たり百六十人ぐらいになるという推計も出されております。

 そういった中で、感染リスクの低い無症状者というのは、別に、感染した場合に他人へ感染させるリスクが低いわけではないということはやはり留意すべきだと思うんですね。ぜひ、次回の分科会がいつなのか私は承知していませんが、今の状況が続けば、早急に開くべきだと思うんです。そこにおいて、次にでも、ぜひ、このカテゴリー分類三番目の、感染リスクの低い無症状者への検査の推奨と体制整備、これを決めていただきたいんです。

 そして同時に、カテゴリー二の中には、医療従事者や介護従事者、施設に一人でも出ればPCR検査するとあるんですけれども、それは当然として、出ていなくとも、できるだけ、いわゆるエッセンシャルワーカーの方々にはPCR検査を受けていただいて、この間、問題になった院内感染、施設内感染の防止、これにお取組をいただきたいと思いまして、ぜひ西村大臣、御答弁お願いいたします。

西村国務大臣 尾身先生から、こうした分類のもとに、戦略的にPCR検査を拡大していくという御提案がなされました。

 既にこれまでも、私どもも、厚労省を中心に議論を重ねてきているところであります。

 御指摘のように、有症者、あるいはリスクの高い業種あるいはエリア、こういったところは先ほど来御議論あるところでありますが、無症状の方に対してどういうふうに対応していくのかというところが議論でありまして、御案内のように、仮に陽性であっても、三割の方は陰性として出てしまうという偽陰性の問題があります。それから、かかっていないのに陽性として出てしまう人も、一%ぐらいおられる、一%よりもう少し高いかもしれません、おられる。こういった問題をどう考えていくのか。

 それから、もう既にプロ野球とかJリーグのように、何か感染者が出ると、事業全体、社会全体に影響を与えるということで、定期的に行っていこうと。これは、私費で、自費で行っていこうとされている方もおられます。

 今後、各国との行き来が盛んになってきますと、ビジネスマンはPCRの陰性証明を求められることもあると思いますし、海外から入ってくる方に対してPCR検査を行わなきゃいけないということもふえてくると思います。

 こうしたことも含めて、無症状でリスクの低い方、元気な方、この方々にどういうふうにやっていくのかというところはしっかり議論していきたいというふうに思っております。

 みんながみんな受ければ安心だという議論があるんですけれども、その日は陰性でも、本当にかかっていなくても、その日の晩あるいは次の日かかってしまえばその陰性証明は意味ないわけでありますので、毎日受けなきゃいけない。しかも、安心につながるからできるだけ多くという議論もありますけれども、一億三千万人弱全員が一遍に受けられるわけではありませんので、必ず受けていない人もおられるし、陰性でない、誰が持っているかわからない中で、マスクとか消毒とか基本的な感染防止策をやることが必要でありますので、国民の皆さんの安心につながるために、どういったPCR検査、そして抗原検査、こういったものを組み合わせていくのがいいのか、戦略的にぜひ議論を進めていきたいというふうに考えております。

柚木委員 終わります。最後、要請だけしておきます。

 通告しておきましたが、今の対策も重要なんですが、コロナの対応をしている医療機関以外の、まさにバッファーとしての医療機関、地域医療の体制整備、これは、経営が本当に悪化して、このままいくと廃院、いわゆる倒産、どんどん出ちゃうと、そこに行っていた人たちが今度はやはりコロナ対応の病院に行かざるを得なくなる。コロナ対策も、まさに目詰まりというか、できなくなるおそれがありますから、済みません、ちょっと厚労省に通告しておりましたが、入院ベッド、宿泊施設設備対応、あるいは、コロナの対応以外の医療機関への支援、そういった点もぜひあわせてお取組をお願いして、きょうの質疑を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

松本委員長 尾身先生、きょうはありがとうございました。委員会を代表して、心からお礼を申し上げます。また機会がありましたら、これに懲りずにまたお出ましをいただきたいと思います。

 きょうは、本当にありがとうございました。(拍手)

 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 最初に、豪雨災害についてお尋ねをいたします。

 この災害で亡くなられた方に御冥福をお祈りをし、御家族の皆さんにお悔やみ申し上げます。また、被災された方々にお見舞い申し上げるものであります。

 九州各地で記録的な大雨となり、深刻な被害が広がっております。また、岐阜県や長野県に大雨特別警報が発表されているということで、全国的にも豪雨による被害の範囲が広がっているところです。ぜひとも人命救助に全力を挙げていただきたい。

 我が党の国会議員団も、熊本や大分、福岡を始めとして現地に駆けつけて、地元の地方議員や党組織とともに被災者救援や被災者の要望を行政に届ける活動を行っております。避難所に足を運ぶと、三密状態になっている、こういった状況の改善とともに、まだパーティションもないとか段ボールベッドが届いていないという状況があるということです。

 政府はプッシュ型支援ということで取り組んでおりますけれども、被災地に支援物資が届いていない状況がある、ぜひこういった状況を打開をしていただきたい。避難所に物資を届ける手だて、この点について、どういうふうに取り組んでおられるのか、お答えください。

村手政府参考人 お答え申し上げます。

 現在、プッシュ型支援は、熊本県に対して実施してございます。飲料水や食料などのほか、新型コロナウイルス感染症対策として、段ボールベッド千五百台、非接触型体温計百本、パーティション約九百四十個なども手配し、順次県に到着しているところでございます。到着した物資は、県から被災市町村に向けて順次配送されていると承知してございます。

 引き続き、被災地のニーズを踏まえながら、コロナ対策も含め、迅速なプッシュ型支援などの必要な支援をしっかり行ってまいりたいと考えてございます。

 以上でございます。

塩川委員 プッシュ型支援をしっかりやっていただくと同時に、熊本にも限定されないわけですから、その他の被災県に対してもしっかりとした対応をとっていただくことを求めたい。マスクや消毒液など、コロナ対応の物資も重要であります。必要な支援物資が確実に届くように取り組んでもらいたい。

 もう一つお聞きしたいのが、コロナ禍で大きな影響を受けている事業者が今回の災害で大きな被害をこうむっております。熊本の人吉温泉や大分の天ケ瀬温泉といった温泉地なども甚大な被害を受けております。コロナとの複合災害となり、コロナ禍に加えてこの被害、到底やっていけそうにないといった声や、心が折れそうだと悲痛な訴えが届いております。ぜひとも、被災事業者を励まし、営業再開の後押しにつながる支援策が必要であります。

 グループ補助金など、これまで過去に実施をした支援策はもちろん、従来の対策にとどまらない支援策をしっかりと行うべきだ、この点についての政府の対応を求めたい。

村手政府参考人 委員御指摘のとおり、コロナ禍において経済状況が悪化している中、更に今回の豪雨により被災された方々や企業などに対して十分な支援を行っていくことは重要な課題だと考えてございます。

 政府といたしましては、五日に、非常災害対策本部における内閣総理大臣の指示を踏まえて、被災者支援を迅速かつ強力に進めるため、各府省横断の被災者生活・生業再建支援チームを速やかに設置いたしました。

 今後、被災地において、経営に打撃を受けた中小企業をいかに支援していくのかについても重要な課題と認識しており、関係省庁とも十分に連携をとりながら取り組んでまいります。

塩川委員 大臣からも一言お答えいただきたいと思うんですが、やはり今回の災害、そしてこの間続いているコロナという複合災害のもとにある、そういった中で、被災された皆さんをしっかり支援すると同時に、事業者の皆さんは大変な困難の中にあるわけであります。この複合災害という困難の中にある事業者を励ますために、これまでにない支援を行うべきだ、内閣の一員として、ぜひとも大臣としての役割を発揮をしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

西村国務大臣 私は、経済再生の方も担当しておりますので、そういった立場からも、地域経済を支えてこられた中小企業を始め、さまざまな企業も、経済活動を行ってきた方々が被災をされているという中で、まずは人命救助、これが第一でありますけれども、そして、復旧復興に向けて、さまざまな事業者の方々がなりわいを継続していけるように、そうできるように、できる限りの支援を行っていくのは当然だというふうに思っております。

 私の立場からも、しっかりと後押しをしていきたいというふうに思います。

塩川委員 災害対策を進める上でも、しっかりとした対応を求めたいと思いますし、コロナ対策に取り組む上でも、今やはり政府への信頼が問われているわけであります。

 この政府への信頼にかかわる重大問題として、前法務大臣である河井克行衆議院議員とあんり参議院議員による選挙買収事件の問題があります。

 逮捕された両名は、昨年の参議院選を前にして、地方議員などに配った現金が二千九百万円を超え、きょうにも起訴と報道されております。選挙買収は、金の力で公正な選挙をゆがめるものであり、民主主義を冒涜するものであります。選挙違反の中で最も悪質な犯罪であります。

 西村大臣は、昨年、官房副長官でありました。官房副長官だったときに、あんり候補の支援にかかわったということはなかったんでしょうか。このような選挙買収事件は国民の不信を招く行為という認識があるか、この二点についてお尋ねをいたします。

西村国務大臣 官房副長官当時、総理、官房長官が応援に出られることが多いものですから、むしろ私は留守番をしておりまして、官房長官会見をかわりに代理で行う、そういった対応をしておりました。記憶に間違いがなければ、広島県には一度も行っておりませんし、何か特別のことをした記憶はございません。

 他方、私の立場で、今、さまざまな疑惑が、疑念があって今の事態になっているわけでありますけれども、その事実関係については承知をしておりませんので、お答えするのは控えたいと思いますけれども、しかし、国民の皆さんから疑念を持たれた政治家は、それぞれ、しっかりと説明責任を果たしていくこと、そして、そうしたことも含めて、特に閣僚であった立場も含めて、辞任という、責任は果たしておられますけれども、政治家として、引き続き、説明責任を始め、国民の皆さんに選んでいただいた、そうした責任をしっかりと果たしていくことが大事だというふうに思っております。

塩川委員 今回の選挙買収事件の場合については、昨年の参議院選挙の前に数カ月にわたって多額の資金が地方議員や首長などに提供される、そのことを受け取った側も認め、その責任をとって辞任をする、そういった政治家の方もおられるわけであります。

 ある意味、選挙前に金を配る、それを受け取ったということが問われているわけで、大臣として、選挙前にこういった形で有権者に金を配る、政治家に金を配る、こういうことはもうやらない、そういうことをはっきりと言えますか。

西村国務大臣 公正な選挙が何より大事だと思います。

 さまざまな法律の中で、選挙のあり方が決められております。公職選挙法であったり政治資金規正法であったり、そうした法にのっとって適正に政治活動、そして選挙活動を行うことが何より大事であるし、国民に選んでいただく以上、そうした中で選挙を通じて選んでいただくということが大事であるというふうに思っております。

塩川委員 選挙買収事件というのが、公正な選挙をゆがめ、民主主義を冒涜するものだ、そういう点でも、参議院選挙の前にお金を配ったということがまさに今問われている大問題ですから、政治家として選挙前に金を配ることは行わないということこそ求められているということを申し上げておきます。

 自民党本部から、一億五千万円の資金が河井夫妻に提供されたといいます。そのうち一億二千万円は、税金を原資とする政党助成金との報道であり、税金が選挙買収の資金に使われた可能性が問われています。

 先ほど、疑惑を持たれた政治家としての説明責任の話をされましたけれども、そもそも、一億五千万の資金を提供した自民党として、その使い道などについて説明をしていない、こういう点でも、総理・総裁である安倍首相自身の責任が厳しく問われるということは申し上げておきたいと思います。

 次に、新型コロナの政府専門家会議の廃止の問題についてお尋ねをします。

 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議、政府専門家会議は、この間、感染実態の状況分析や、三密の回避、また人と人の接触の八割減など、いろいろなコロナ対策の提案を行い、政府の施策にもそれが反映されてきたところであります。政府対策本部に直属していた政府専門家会議は、専門家としての知見を発揮をして、政府のコロナ対策に貢献をしてきました。それなのに、なぜこの政府対策本部のもとに置かれた専門家会議を廃止しなければならないのか。

 西村大臣は、会見などで、政府専門家会議は特措法に根拠があるわけではない、特措法に基づいて有識者会議のもとに分科会として位置づけることにしたんだと述べておられます。

 そこで、お尋ねしますけれども、専門家の意見聴取については、そもそも特措法ではどういうふうに規定されているんでしょうか。今回の政府専門家会議の廃止、分科会の設置というのは、特措法のどの規定に基づく措置ということになっているんでしょうか。お答えください。

西村国務大臣 新型インフルエンザ等対策特別措置法、いわゆる特措法では、第六条で、行動計画の作成や変更などの際に学識経験者の意見を聞かなければならないとする規定を設けております。そして、基本的対処方針等を定める際、これは十八条でありますけれども、同様に、学識経験者の意見を聞かなければならないとなっております。

 こうした規定を受けて、専門家の皆様から御意見をいただく、聴取するための会議体として新型インフルエンザ等対策有識者会議が置かれているところでございます。その役割につきましては、設置要綱においても、特措法の規定も明確に引用する形で定めております。第六条五項の規定に基づく意見を述べるということで書かれております。

 そして、もう御案内かと思いますが、その有識者会議のもとに基本的対処方針等諮問委員会というものを設けて、この委員会では、基本的対処方針の諮問を行っていく、つまり、緊急事態宣言を発出する際とか解除する際、当然、対処方針を変更しますので、そういったことを諮問をして、御意見をいただくこととしております。

 今回、専門家会議の皆様から、御自身のこれまでの取り組んでこられた経験を総括をされて、六月二十四日に提言がなされました。私も、委員御指摘のとおり、これまで、専門家会議の提言を受けて、政府としてさまざまな対策をとってきました。日々、尾身先生を始め、いろいろな専門家の皆さんと意見交換をさせていただく中で方向を決めていく、そんな分析、評価もいただいております。私も本当に感謝を申し上げたいと思います。

 その専門家の皆さんがみずから、医学や公衆衛生以外の分野からもさまざまな領域の知を結集した組織とする必要がある、新たな組織をつくるべきだ、いろいろ誤解を受けてきたということも、前のめりになってきたというようなことも書かれております。そうした御意見を踏まえて、今般、分科会というものをこの有識者会議のもとに設置をしたところであります。

 したがって、今後、専門家の多くの皆さんはこの分科会に入っていただいておりますので、引き続き、当然、対策の連続性のことも必要になってきますので、そうした専門家の皆さんの知見をいただきながら、そして、今回はそれ以外の幅広い領域から入っていただいておりますので、さまざまな観点からの御意見をいただいて、今後、対策をしっかりと講じていければというふうに考えているところでございます。

塩川委員 この新型コロナウイルス感染症対策分科会は、第六条第五項に基づく新型インフルエンザ等有識者会議のもとに置かれるということですから、特措法上の位置づけは第六条第五項ということでよろしいんですね。

西村国務大臣 第六条第五項に基づいて置かれました有識者会議のもとに分科会として置かれるということであります。

塩川委員 ただ、第六条第五項というのは、内閣総理大臣は、政府行動計画の案を作成しようとするときは、学識経験者の意見を聞かなければならない。つまり、政府行動計画の案を作成しようとするときなんですよね。それは、だから、平時対応の話です。

 一方、もう一つ紹介されていた第十八条第四項というのは、政府対策本部長は、基本的対処方針を定めようというときは、学識経験者の意見を聞かなければならないということで、これは、ですから、既に新型コロナが発生した段階であり、政府対策本部が立ち上がり、総理は政府対策本部長となっています。つまり、新型コロナの蔓延のおそれが高いと認めるときという状況において、基本的対処方針を作成するに当たっての専門家の意見聴取が求められる段階であります。

 これまでこの政府専門家会議が果たしてきた役割というのは、まさに政府対策本部のもとに置かれていて、十回にわたる見解や状況分析・提言などを出されて、それが諮問委員会の議論にも反映をされ、政府対策本部の決定を踏まえて基本的対処方針にもつながっている。まさに新型コロナの蔓延のおそれが高いと認めるときという、本部が設置された段階で求められる専門家の意見として尊重されてきたものであるわけです。

 それを何で平時対応の政府行動計画に対しての意見を求める第六条の第五項のもとの有識者会議の下に置かなければいけないのか。政府専門家会議を法的に位置づけるのであれば、平時対応ではなく、第十八条四項に基づく政府対策本部に直結した組織として位置づけるというのが当然じゃないですか。

西村国務大臣 この十八条は、基本的対処方針を定めたり変更したりする際にお聞きをする、つまり、緊急事態宣言を発出したりする場合も、当然基本的対処方針を変更しますので、そういう場合の有識者の組織として基本的対処方針等諮問委員会というものが置かれているわけであります。

 実は、この基本的対処方針等諮問委員会も、六条に基づく有識者会議のもとに設置をされています。平時は、御指摘のように、有識者会議というもので行動計画を策定したりしていくわけですけれども、ある意味で、この十八条の緊急事態、緊急の、今のような、緊急事態宣言は発出していませんけれども、本部が立ち上がったものについても、この有識者会議のもとで、特に緊急事態に対応するということで基本的対処方針等諮問委員会が置かれているわけであります。

 ただ、この基本的対処方針等諮問委員会の方は、我々が、政府が緊急事態宣言を出す出さない、あるいは対処方針を変更する、こういう諮問を受けて回答、それに対する意見を述べていただくという諮問、答申のような立場の委員会なものですから、専門家の皆さんからのお立場でも、むしろ、さまざまなテーマについてもう少し自由に率直に議論する場が欲しいと。これは、御指摘のように、専門家会議がこれまで担ってきたような役割も担っていただくためにどうしたらいいかということで、専門家の皆さんとも議論をし、そしてこの有識者会議の全体のたてつけも考えた上で、今回のような分科会という形にさせていただいたところであります。

塩川委員 平時対応の政府行動計画をつくるに当たっての意見を求めるという専門家の組織ではなくて、もう既にコロナが問題となっている、政府対策本部が立ち上がっている、政府の方針というのは基本的対処方針になるわけです。ですから、基本的対処方針の諮問委員会は、平時のときにも一応常置して、いざというときに対応するために有識者会議のもとにあるかもしれないけれども、しかし、そもそもこの十八条の四項に基づく組織として専門家の意見を聞く。だとしたら、この諮問委員会の下に政府専門家会議を位置づければいいだけの話であって、わざわざ平時対応の政府行動計画をつくる際の六条五項に置くというのは、これはやはり位置づけとして伴わないものだと言わざるを得ません。

 政府の専門家会議は、その専門的知見を踏まえて見解や提言を発表してきました。その中には、官邸の意向に沿わない提案もあったということです。一年以上持続的対策が必要との文言が五月一日の提言で削除をされたとか、緊急事態宣言解除の基準について、直近一週間の十万人当たりの感染者〇・五人以下に抑えるとしたところ、官邸が、十万人当たりの感染者が一人程度以下の場合は総合的に判断するとの表現に変えて、判断基準を弱める対応を行ったと報道されています。

 六月二十四日、政府専門家会議のメンバーは、構成員一同として、「次なる波に備えた専門家助言組織のあり方について」という意見書をまとめました。その中には、専門家会議として、「感染症対策として人々の行動変容を促す意図から、政府へ経済的な補償・援助の要請を言及するに至った。」と、休業要請と一体の補償を求めてきたことに触れています。自粛要請と補償をセットで行うことが感染症対策として有効だという指摘です。

 これに背を向けてきたのが政府であって、今回の政府専門家会議の廃止というのは、こういった官邸の意向に沿わない提案を行ってきた政府専門家会議を政府対策本部から遠ざけようと意図したものだと言わざるを得ません。この点について一言いただきたい。

松本委員長 時間が過ぎておりますので。

西村国務大臣 全くそういった意図はございません。

 引き続き、耳の痛いことも含めて、専門家の皆さんから御意見をいただいて、政府として適切に判断して、対応していきたいというふうに考えております。

塩川委員 科学的知見を軽んずる姿勢ではコロナ対策を進めることができないと申し上げて、質問を終わります。

松本委員長 次に、足立康史君。

足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。

 バッター表をごらんいただきたいと思いますが、当初、一議席しか違わない共産党と私の質疑時間、二十分と十分と割り振られていまして、内閣委員会ってすごいなと思って、ちょっとおかしいということを申し上げたら、三分追加をいただきまして、野党理事の皆様には、寛大なる御配慮、感謝を申し上げたいと思います。

 西村大臣、きょうは、ちょっと通告から、下からいきたいと思いますので、御理解をいただきたいと思いますが、大臣にはぜひ、もう答弁要領、ほとんど必要ありません。幾つかの点について、取り組まれるのか取り組まれないのか、そこを端的に教えていただきたい、こう思って用意をしてきました。

 まず、第一波のピークアウトですね。ここは資料一にもあります。第一波のピークアウトが、なぜこのタイミングでピークアウトしたか、その要因の分析を私は十分にできていないと思うんですね。これは、やられるべきではないでしょうか。

西村国務大臣 既に専門家の皆様からは、幾つかの分析、提言などが行われております。

 そうしたことを踏まえつつでありますが、最近の新しい知見、あるいは人工知能、スーパーコンピューター「富岳」、こういったものも含めて、データをしっかりと分析をして、どういった対策がどういう効果があったのか、そして、今回、感染者の数をピークアウトさせて減らすことができたのか、このことについてはしっかりと分析、評価を行いたいというふうに考えております。

足立委員 資料一でお配りをしています。

 ふだん、例えば、分科会に先日出された資料にはないデータがこの記事には載っていますが、要すれば、推定感染日ですね。要は、検査で陽性が出たタイミングじゃありません、その前に感染しているわけですから、感染推定日を見ると、緊急事態宣言が発令されたのは大分後で、むしろ三月の中旬の取組が重要だったことがわかります。

 例えば、九日の中国等からの入国制限、十一日のWHOのパンデミック認定、十三日の特措法成立、十九日に吉村知事が大阪―兵庫の往来自粛を要請しました。二十四日に東京オリパラの延期が決まりました。二十五日に小池都知事が週末の外出自粛を要請しました。二十九日に志村けんさんが亡くなられる、こういう報道がありました。

 こういうアナウンスメント効果が大変大きかった。実際に特措法に基づく休業要請が功を奏したということは余り証拠として出てきていない、こういうことが客観的に明らかだと思います。

 大臣にお願いしたいのは、いろいろやるということなんですが、ちゃんとやっていただきたい。第二波、もう来ているのかもしれません。第二波、第三波ということを考えると、私は、分科会にワーキングをつくるべきだと思います。分科会に、サーベイランスと感染者に対する差別の問題、この二つのワーキングをやる。検証されるということなんだから、しっかりワーキングを分科会につくるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

西村国務大臣 先ほど申し上げましたとおり、全国のいろいろな研究者の知恵を結集して、今回の対策がどういう効果を持ったのか、新規感染者の数を減らすことができたのは、どういう、何が減らすことができたのかというところを、これは人工知能やスーパーコンピューターなども使って研究を始めようとしているところでありまして、近々公募を行います。迅速に手続を行って、もちろん、感染症の専門家にも入っていただいて議論を進めていきます。

 そうしたことを進めていく上で、実は分科会とは別に、黒川清先生を座長として山中教授にも入っていただいた、この会で、要は、少し、これまで対策をやってきた我々や専門家とは違う目で大所高所から見ていただいて、第三者的に見ていただいてその評価をいただこうというふうに考えているところでございます。

足立委員 第一波がピークアウトした要因をしっかりと固めていく、これは今後のために迅速にやっていかなければならないと思います。

 いつごろまでに政府としての、大臣としての定見を定めていただけるか、ぜひ国民の皆様にお伝えをいただきたいと思います。

西村国務大臣 このデータの分析には若干の時間はかかりますので、公募を行い、しかも透明な手続でやっていきたいと思っておりますので、そうしたことを行って、全国の研究者に手を挙げていただき、また、全国から必要なデータも、もう既にさまざまなデータはありますけれども、更に必要なデータをとって、そして、より精度の高いものにしていきたいというふうに考えておりますので、これは、この夏にはぜひ行って、秋以降、インフルエンザなど、特に大きな第二波、あるいはインフルエンザと重なってくることが想定されますので、この夏には、一定の成果を上げたい、分析、評価を行いたいというふうに思っているところでございます。

足立委員 ありがとうございます。

 まさに秋から冬、大事な時期を迎えますので、夏の間にという御答弁をいただきました、ぜひしっかりお願いをしたいと思います。

 さて、もう一つ、西村大臣がたびたびおっしゃっている特措法。特措法の見直しに言及されることがたびたびあります。見直すのか、特措法を改正するのかしないのか、いかがですか。

西村国務大臣 特措法については、さまざまな課題があると認識をしております。この国会でも、さまざまな御指摘もいただいているところであります。

 今その論点を整理をいたしておりますし、さらに、法律を改正するには立法事実というものも必要になってきます。そうしたところをしっかりと見きわめた上で判断をしていきたいと思いますが、いずれにしても、課題はあることは間違いがありませんので、検討を進めたいというふうに思っております。

足立委員 日本維新の会は、二月三日から、当然法律改正が必要だから二月三日から、政府、与党、野党、もちろん、今、連絡会議みたいなものができていますが、余り機能していません。しっかりと緊急立法協議会というものをつくって、まさに政府で検討が終わった段階で国会で議論を始めるんじゃなくて、今おっしゃった、政府で今検討しているわけです、そうですね、しています、政府の検討が終わってから国会に持ってくるんじゃなくて、政府と与党と野党が同時に検討するしか、もう時間がありません。そういう政府・与党野党連絡協議会を使ってもいいし、私たちが二月から言っている緊急立法協議会をつくってもいい。

 とにかく、速やかに検討内容を国会に開示して、もし特定野党は教えたくないということであれば、維新だけでも結構です、しっかりとその検討状況を共有して迅速な立法作業をするべきだと思いますが、何かそうした、政府の外に、国会に検討状況の提供をいただくことはできないでしょうか。まさに協議会を活用してもいいと思います。ぜひお願いします。

西村国務大臣 検討課題の中には、まさに今、論点、項目など整理をしているところでありますけれども、非常に大きな論点もあります。例えば、感染症法との関係で、今回、インフル特措法を改正しないと新型コロナウイルスに使えなかったというわけですけれども、そういったところをどう考えるのか。

 こういったことを含めて、少し事態が収束してからやるべき話と、しかし、第二波に備えて考えなきゃいけない話とあると思います。休業要請なりに応じてくれなかった事業者に対してどうするのかとか、そういった論点もあると思いますので、論点をしっかりと整理をしながら、政府としては適切な対応をしていきたいと思っておりますが、国会におかれては、国会でどういう体制で、特に立法府のあり方として、これは私の立場でこういうふうにしてくれということではなくて、国会は国会で議論を整理されていただければというふうに思っているところであります。

足立委員 私は、当たり前ですが、こうした問題は、最悪の事態に備える、まだ最悪の事態に至っていない段階で、平時から、まあ、今はもう平時ではありませんが、平時から最悪の事態に備えて法律をつくっておく、そういう必要があると思っていますので、ぜひ速やかに検討状況を国会にシェアいただきたい、こう思います。

 さて、最後にマイナポイントです。これはひどいですね。

 大臣、私は、西村大臣はかねがね、私がいろいろ国会で苦しい立場に置かれたときも、いつも部屋に呼んでいただいて、温かく御指導いただいた御恩は忘れませんが、やはり少し役人でもできる仕事をやり過ぎだと思うんですよ。例えば、何か細かい資料を説明される、あんなのは役人にやらせたらいいと思います、僣越ながら。大臣にしかできないことをやっていただきたい。それは、マイナポイント事業延期です。

 だって、これはひどいですよ。もともと、六月までは経産省のキャッシュレス・ポイント還元事業をやっていました。もう終わりました。なぜ終わったか。七月、八月はオリンピックがあるから、六月で終わりだったんですよ。そして、七月、八月のオリパラを挟んで、九月からマイナポイントです。

 じゃ、なぜ六月以前にマイナポイントをやっていなかったかというと、これは、大臣、通告していませんが、大臣にもちょっとよく聞いて、こういうのをやはり見直しは、大臣がやれと言うしかないんですよ。

 それで、きょうは、ごめんなさい、進藤政務官においでいただいていますので。ちょっと時間がなくなってきたんだけれども。

 これはひどいと思いませんか。東京オリパラは延期になったんですよ。なぜ九月かというと、そういう説明しかしてこなかった。

 なぜマイナポイントの前にキャッシュレスポイントというのをやったかというと、マイナポイントの準備が整っていなかったからなんです。でも、これは整っていますか。マイナンバーカードはまだ普及していない。だから、役所は早目に申し込めと言っているけれども、マスコミは待てと言っているんです。だって、上乗せの動きがまだまだこれからも続く。

 政務官、一つだけ答えてください。要は、上乗せの動き、決済業者によるポイント上乗せの動きはいつまでかで、期限はあるんですか。役人でもいいですよ。期限、ないよね。ちょっと、政務官、ないと一言言ってください。

進藤大臣政務官 お答え申し上げます。

 その期限はございません。

足立委員 すなわち、慌てずに出そろうのを待てと日経新聞には書いてある。当たり前ですよ。どんなおいしい上乗せが出てくるかわからない。でも、それはいつ出てくるかわからないんですよ。いつまで待つんですか。待っていたら、四千万人を突破して、予算の上限に達する、ひどい制度ですよ。

 こんなひどい制度、西村大臣、ちょっと考えてみると、一言お願いします。

西村国務大臣 今回の特別定額給付金の給付に当たっても、マイナンバーを活用してということで、さまざまな課題もわかってきておりますので、そうしたことを踏まえながら、今、総務省において、このマイナポイントを有効に経済支援になるようにということで制度設計をなされていると思いますが、私の立場からもしっかりと確認して、有効に活用できるように対応していきたいと思います。

足立委員 時間が来ましたので終わりますが、きょうは、本当は尖閣や香港もやりたかった、でも、災害が来ましたのでね。きょうは和田政宗政務官を呼んでいましたが、朝、きょうは災害で忙しいだろうと思いまして、もう結構ですということで、この問いは割愛しました。でも、しっかりとまた閉会中審査を開いていただいて、さまざまな、国民の生命と財産、命と健康を守るための取組をしていきたいと思います。

 西村大臣、ありがとうございました。

松本委員長 本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十一分散会


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