衆議院

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第21号 令和2年8月26日(水曜日)

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令和二年八月二十六日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 松本 文明君

   理事 井上 信治君 理事 関  芳弘君

   理事 長坂 康正君 理事 牧島かれん君

   理事 宮内 秀樹君 理事 今井 雅人君

   理事 大島  敦君 理事 太田 昌孝君

      安藤  裕君    大西 宏幸君

      岡下 昌平君    金子 俊平君

      神山 佐市君    神田 憲次君

      高村 正大君    杉田 水脈君

      出畑  実君    長尾  敬君

      丹羽 秀樹君    西田 昭二君

      百武 公親君    平井 卓也君

      藤原  崇君    本田 太郎君

      三谷 英弘君    務台 俊介君

      村井 英樹君    泉  健太君

      大河原雅子君    源馬謙太郎君

      中島 克仁君    中谷 一馬君

      森田 俊和君    柚木 道義君

      吉田 統彦君    早稲田夕季君

      江田 康幸君    佐藤 茂樹君

      塩川 鉄也君    浦野 靖人君

    …………………………………

   国務大臣

   (経済再生担当)

   (経済財政政策担当)   西村 康稔君

   内閣官房副長官      西村 明宏君

   内閣府副大臣       平  将明君

   内閣府副大臣       御法川信英君

   総務副大臣        長谷川 岳君

   厚生労働副大臣      稲津  久君

   厚生労働副大臣      橋本  岳君

   内閣府大臣政務官     神田 憲次君

   内閣府大臣政務官     今井絵理子君

   内閣府大臣政務官     藤原  崇君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  向井 治紀君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  江口 純一君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  八神 敦雄君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  梶尾 雅宏君

   政府参考人

   (内閣府地域経済活性化支援機構担当室長)     石田 晋也君

   政府参考人

   (内閣府男女共同参画局長)            林  伴子君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 阿部 知明君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           森  源二君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 保坂 和人君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           蝦名 喜之君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           森  晃憲君

   政府参考人

   (文化庁審議官)     出倉 功一君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房生活衛生・食品安全審議官)  浅沼 一成君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           間 隆一郎君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           依田  泰君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           山本  史君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           小林 高明君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           岩井 勝弘君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           堀内  斉君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           横幕 章人君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           富田  望君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    赤澤 公省君

   政府参考人

   (中小企業庁次長)    奈須野 太君

   政府参考人

   (観光庁観光地域振興部長)            村田 茂樹君

   参考人

   (独立行政法人地域医療機能推進機構理事長)    尾身  茂君

   内閣委員会専門員     笠井 真一君

    ―――――――――――――

委員の異動

八月二十六日

 辞任         補欠選任

  池田 佳隆君     務台 俊介君

  小寺 裕雄君     出畑  実君

  高木  啓君     百武 公親君

同日

 辞任         補欠選任

  出畑  実君     小寺 裕雄君

  百武 公親君     高木  啓君

  務台 俊介君     神山 佐市君

同日

 辞任         補欠選任

  神山 佐市君     池田 佳隆君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 内閣の重要政策に関する件

 公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件

 栄典及び公式制度に関する件

 男女共同参画社会の形成の促進に関する件

 国民生活の安定及び向上に関する件

 警察に関する件


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     ――――◇―――――

松本委員長 これより会議を開きます。

 内閣の重要政策に関する件、公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房内閣審議官向井治紀君外二十三名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

松本委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。井上信治君。

井上(信)委員 おはようございます。自由民主党の井上信治でございます。

 まずもちまして、西村大臣始め政府の皆様、関係者の皆様には、連日、新型コロナウイルス対策に大変な御尽力をいただいておりますこと、心から感謝を申し上げたいと思っております。

 本日は、せっかくの機会ですから、ゴー・トゥー・トラベル・キャンペーンにつきまして質問したいと思います。

 このゴー・トゥー・トラベルですけれども、そもそも、まだまだコロナの終息を迎えていない中でこのゴー・トゥー・トラベルを開始をしていいのかどうか、そういった意見も確かにあります。ありますが、私は、やはり政府の務めといたしましては、感染拡大防止とともに、経済をしっかり回していく、ひいては国民の暮らしを守っていく、そういう意味で、この経済対策に力を入れるということも重要な役割であると考えておりますので、そういう意味では理解を示しております。

 ただ、問題は、東京発着の旅行を除外した点であります。この点について伺いたいと思います。

 この東京発着の旅行を除外したことですけれども、七月十七日に決定されましたが、その前日の新型コロナウイルス感染症対策分科会の議論を踏まえて判断されたと。そして、その分科会では、除外の理由につきまして、全国への感染の拡大というのは東京を出発点としている、東京の感染のレベルがいわばほかの県よりも格別、こういった二点を挙げております。

 確かに、当時、七月十七日の時点では、例えば人口十万人当たりの陽性者の割合は東京都が突出しており、二位の大阪府の実に四・六倍以上、そんな値を示しておりました。しかし、現在では状況が変化をし、人口十万人当たりの陽性者の割合は、沖縄県が東京都の一・七倍と、沖縄県の方が多い。また、大阪府も東京都の八三%。そういった意味で、東京が突出しているという状況にはないというふうに思っております。

 以上のデータに照らせば、尾身分科会長が述べた二点の理由、これは現在において、もはや妥当しないのではないかと思っております。

 そして、私も東京選出でありますし、松本委員長も東京選出でありますから思いは一緒だと思いますが、我々、やはり東京都民といたしまして、何で東京だけが除外されるのかと。東京の中にも、やはりこのゴー・トゥー・トラベル、夏休みに利用してどこかへ行きたい、そういうふうに期待していた方々、あるいは、多くの観光客をお招きをしよう、お迎えをしようといった事業者の方々、こういった方々もいらっしゃるわけです。

 先日、十七日の日に、東京都の町村会あるいは議長会、こういった方々をお連れをして、西村大臣にも要請をさせてもらいました。これがやはり地元の声なんです。

 ですから、そういう意味で、今、現状ですから、この東京の除外措置、これをいわば解除してもらいたい、東京を適用対象にしてもらいたい。一刻も早くお願いをしたいと思いますが、いかがでしょうか。

西村国務大臣 お答えを申し上げます。

 先般、井上委員始め、東京の西多摩地区あるいは島嶼部の方々、首長さんを始め、要請に来られまして、それぞれの地域の観光事業者が大変厳しい状況にあること、切実な声を伺ったところでございます。

 まずは、一日も早くこの感染者数が減少傾向に転じ、安定的な状況になることに向けて全力を挙げていきたいと考えているところでございますが、御指摘のゴー・トゥー・トラベル事業については、今お話がありましたとおり、七月十六日の新型コロナウイルス感染症対策分科会におきまして、当面の間は東京都を発着とする旅行は対象外として開始する方針を御了解いただいたところであります。御指摘のように、東京からの発着数、人口、旅行者数が圧倒的に大きいこと、それと、当時、その時点で感染者数が非常に多く、東京が発生源となって地方に広がるということ、そうした懸念から東京を対象外とすることになったわけであります。

 他方で、分科会の提言におきましては、東京での感染が落ちついてきた際には本事業を実施しても差し支えないとも指摘をされているところでございます。

 現在の東京都の感染状況また医療提供体制の状況につきましては、引き続き警戒感を持って注視していく必要はあると考えておりますけれども、東京都においても、発生時点で見た感染状況や実効再生産数は七月末ごろをピークに低下傾向にあるのではないかという御指摘、分析をいただいているところでございます。

 ゴー・トゥー・トラベル事業における東京都の取扱いにつきましては、今後、こうした感染状況などを総合的に考慮をし、政府全体として検討し、専門家の御意見を伺いながら適切に判断してまいりたいというふうに考えているところでございます。

井上(信)委員 ありがとうございました。ただ、もう少し前向きに、はっきり明言をしてもらいたいなというふうに思ってはおります。

 ちょっと政府の方にも確認をしたんですけれども、我々東京都民としては、除外されたことによって、既に一カ月以上がたっているということで、その間に適用がなかった、大変不公平ではないか、不利益ではないかといったような声が上がっているんですが、実は、ゴー・トゥー・トラベル、予算については、それぞれ全国をブロックに分けて、そして予算管理、執行管理をしているというような話を伺いました。

 ということは、これは割と都民の皆さん、国民の皆さんも知らないんですけれども、別に、例えば、これからなるべく早く東京を適用してもらえれば、一カ月おくれたけれども、それはただ単に適用が一カ月後ろにずれ込んだだけであって、全体の適用件数は変わらないことになる。そういう意味では、ほかの道府県と比べて何も不利益はない。もちろん、夏休みの旅行に適用できなかった、そういう思いはありますけれども、じゃ、秋には適用できる、何か東京都民だけ差別されたわけではないといったようなことを伺いました。

 このことについて、やはり都民の皆さんは心配していますから、西村大臣の口からこの国会の場でそういった趣旨のこと、しっかり、不利益ではないんだということを明言してもらいたいと思います。

西村国務大臣 お答え申し上げます。

 国交省におきまして、まさにゴー・トゥー・トラベル事業の利用者が全国各地を訪れていただいて、需要喚起の効果が特定の地域に偏ることのないよう、地域ブロックごとに予算の執行管理をしていくというふうに承知をしております。その中でも、特に旅行需要が大きいことから、東京都については他の地域と分けて個別に予算の執行状況を管理していくものというふうに承知をしております。

 今後、東京都の感染が落ちついてきた際には、東京都についても本事業の対象として予算の執行状況を個別に管理することで、東京都の事業者の方々にも他の地域と同様にゴー・トゥー・トラベル事業を御活用いただきたい、都民の皆様にも御活用いただきたいというふうに考えております。したがって、東京都の居住者の方々にも今後ゴー・トゥー・トラベル事業を十分に御活用いただけるよう、時期的な配分にも十分に配慮しつつ執行を行っていくということで聞いております。

 ぜひ、落ちついてきた段階には、このゴー・トゥー・トラベル事業も活用いただき、また、事業者の皆さんもこれによって厳しい状況を何とか乗り越えていただければというふうに考えているところでございます。

井上(信)委員 そういう意味では、多少おくれることがあっても、何も東京都民だけが不利益をこうむることはない、そういった趣旨だというふうに思っています。

 ただ、せっかくこの国会の場ですから、そうはいっても、やはり予算の全体の枠もありますし、当然、補正予算ですから今年度内に消化するということだと思います。そういうふうに考えると、じゃ、この東京の適用が例えば数カ月おくれてしまえば、実際にはなかなか予算が足りないということになってしまうかもしれません。

 ですから、そういう意味で、やはり状況はもう変わっていますから、今の時点で、じゃ、いつごろまでにはとか何らかのめどを、あるいは大臣の思いでもいいです。なるべく早くというのではなくて、じゃ、いつごろまでに、例えば秋の三連休、四連休までには何とかしたいといったような御答弁をぜひいただきたいと思いますが、いかがですか。

西村国務大臣 感染状況の動向につきましてはなかなか予想しにくいところもございますので、時期とか基準についてなかなか明言することは難しいわけでありますけれども、しかしながら、専門家の皆さんも、七月末ごろピークを迎えたのではないかと。ただ、もちろん重症者などはこの後おくれて数がふえることになりますので、そのあたり、十分注視をしていかなきゃいけないということで御指摘をいただいたところでありますけれども、こうした足元の感染状況を見ながら、九月に入って、状況を見ながらまた分科会を開き、そして感染状況など分析をいただいて、御意見をいただきながら判断をしていきたいというふうに考えているところでございます。

井上(信)委員 九月に分析をするという答弁がありましたので、ぜひ九月に分析をして、そして九月には適用していただきたいと思います。

 それから、少し別の課題に移りますけれども、ゴー・トゥー・トラベルでも、やはり政府の分科会の議論が大変重要な政策決定の材料になっているということがよくわかりました。

 この分科会について、前身の専門家会議のときにも、議事の公表、情報公開ということが問題にもなりました。この分科会、衣がえして七月六日に第一回をやって、もう一月半以上たっております。でも、残念ながら、議事を公開すると大臣もおっしゃっているようですけれども、まだ公開がなされておりません。

 ぜひ、この議事の概要をしっかりと公開をしてもらう、これは国民に対する説明責任、義務だというふうに思っています。しかも、議事概要といっても、本当に単なる概要だけですとやはりなかなかよくわからないということになりますから、いわば議事録的な、本当に詳細な記録をきちんと公表してもらいたい、なるべく早くこれを公表してもらいたいということを、ぜひこれも大臣の方から、しっかり公表しますということを明言いただきたいと思います。

西村国務大臣 御指摘のとおり、今回の事態、行政文書の管理に関するガイドラインに規定されております、まさに歴史的緊急事態に該当するということとされているところであります。将来また別の感染症が襲ってくる可能性もあるわけでありますし、さまざまな事態に備える意味でも、今回のこの新型コロナウイルス感染症の経緯や教訓をしっかりと後世に残していく、これは大変重要なことだと理解をしております。できる限り丁寧に記録を残していきたいと考えているところであります。

 既に、いわゆる基本的対処方針等諮問委員会は、ガイドライン上の政策の決定、了解を行う会議として位置づけておりまして、御指摘のとおり、議事録をもう順次作成、公開しているところでありますけれども、分科会においても、発言者名を明らかにした議事概要を作成し、そして各構成員のメンバーの皆さんの確認をいただいた上で公表していくこととしておりまして、できるだけ詳しい議事概要を作成したいというふうに考えておりますし、原則三カ月以内に作成することとされておりますけれども、そうした期限を待つことなく、できるだけ早く公表してまいりたいというふうに考えているところであります。

 現在、既に構成員の先生方にそれぞれの御発言について確認をいただいているところでございます。こうしたことが整い次第、できるだけ早く、期限を待つことなく公表してまいりたいというふうに考えているところでございます。

井上(信)委員 ありがとうございました。

 なるべく、できるだけ詳しいものをできるだけ早くということで、しっかり明言をいただきましたので、そのとおり実行してもらいたいと思います。

 ゴー・トゥー・トラベルの東京除外につきましては、やはり東京都民が大変期待しているということ。確かに、この感染状況の推移を見守らなければいけないということで、なかなか具体的なことを今の時点で言えないということは一定程度理解をします。理解をしますが、しかし、やはり、いつごろとか、あるいはどういう基準で、こういうことになれば東京も適用しますよということは、事前にちゃんと国民に対して伝えるべきだと私は思うんです。

 それは、東京都民だって自分の旅行計画を立てるとか、事業者だって自分の経営判断ですよね。今、本当にこのことによって苦しんでいる事業者もいます。下手すると、もう廃業しようかと思っているけれども、ゴー・トゥー・トラベルを適用してくれるんだったらもうちょっと頑張ってみようか、そういった苦しんでいる方もいるんです。

 だから、そういう意味では、やはり予測できるように、ちゃんと、いつ、どういう基準でということはしっかり言っていく、ある日突然ではなくて。そういうのは私は政府の役割だと思いますので、ぜひ前向きに御検討いただいて、しっかり対応してもらいたいと思います。

 どうもありがとうございました。

松本委員長 次に、太田昌孝君。

太田(昌)委員 おはようございます。公明党、太田昌孝でございます。

 本日は、内閣委員会閉会中審査の中で質問の機会をいただきました。感謝を申し上げます。また、西村大臣始め政府関係者の皆様方、寧日ない中で御苦労いただいておりますことに心から感謝を申し上げる次第でございます。

 ただ、私は、地方の、まさにコロナの最前線で頑張っていただいている地方自治体からの御要望、御意見等々を中心にきょうは質問をさせていただきたい、こういうふうに思います。

 ちょっと、単純な比較はできないわけでございますけれども、国の例えば非常事態宣言等々の指標の中で、ステージ3は直近一週間で十五人が一つの目安になっている。ですけれども、例えば、私の地元長野県において非常事態宣言を県独自で出すのは、これは五人ということになっています。特別警報で二・五人、警報でその半分の一・二、十万人当たりで。それだけでやはり非常事態宣言を考えなければならないし、警報を考えなければならないというような、それぞれの地域独自の医療体制であったり、バックアップ体制みたいなことがやはりある。

 ですから、やはりそういう中において、まだまだそれぞれの地方自治体の県知事あるいは市町村長においては国の支援を求めておりますし、あるいは、悩ましい思いをしながら、基準を示してもらいたいと思っていることも多々あるわけでございまして、そういう中で、できるだけ早期にいろいろと支援をお願いをしたいというようなことの中で、ちょっと何点か確認をさせていただきたいというふうに思います。

 初めは、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金についてちょっと伺いたいと思います。

 この交付金の、病床、宿泊施設等々の確保、あるいは重点医療機関体制整備事業につきましては、これは基本的に九月分までが今のところ対象になっているということでございまして、各都道府県からの申請、これは当然、自治体からは一年分の申請があって、今、九月までの交付決定がなされているというような状況で、十月以降について、今、各自治体において、期待もしつつ、まだ明快な、示されていないというようなことの中で、このまま放置すれば、当然、陽性患者受入れのための病床等の施設、病床あるいは宿泊施設の確保を計画的に行わなければならないところで支障が生じかねないというような状況にある。

 新型コロナウイルス感染症のこの緊急包括交付金、十月以降の交付予定並びに今後の考え方について、政府の見解をまず教えていただきたいと思います。

稲津副大臣 お答えいたします。

 厚生労働省としては、感染拡大の防止、医療提供体制の整備に優先的に取り組むために、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金として、第一次、第二次補正予算、合わせて一兆七千七百六十九億円を計上させていただきました。また、八月五日には、各都道府県の交付申請に対しまして、九月分まで第二次補正予算分の交付決定を行ったところでございます。

 当該の交付金事業につきましては、今後、都道府県の執行状況、これを随時調査をするということにしておりまして、各都道府県が執行する中で、十月以降に要する経費を含めまして交付金の不足が見込まれる、そのような場合には、留保財源や予備費等を活用して必要な予算を確保してまいりたい、このように考えております。

太田(昌)委員 執行状況を見きわめ、必要であれば確実に国の方で支援をしていただくということで受けとめさせていただきたいというふうに思います。

 また、そういう中で、受入れを決めていただいた病院で、この感染症包括支援交付金を活用しまして、陰圧室の整備、病院改修によって受入れ体制整備などにもこれは使えるように使途の拡充をしていただきたいという声もございます。先ほど言いましたとおり、なかなか地方の受入れ体制、脆弱なところもあるものですから、こうした要望、とても気持ちはわかるわけでございますが、こうした使途の拡充について御見解をお伺いしたいと思います。

依田政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の病室などの陰圧室の整備につきましては、包括支援交付金が今般の新型コロナウイルス感染症対策として緊急に必要となる感染防止や医療提供体制の整備等を目的としているため、恒久的な施設の整備として行うものについては補助対象外となっているところでございます。

 一方で、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れている医療機関における簡易陰圧装置であれば補助対象としているほか、また、プレハブなどの簡易病室等の整備に必要な経費やそれに付随する設備については全額国費で補助させていただいているところでございます。

太田(昌)委員 簡易的なものについては補助を使えるというのは確かにそのとおりなんですけれども、やはり、そのまま、脆弱なまま、地方の病院、この機会に拡充をしていきたいという思いもございます。重ねてこれについては御検討を御期待を申し上げておきたい、御要望を申し上げておきたいというふうに思います。

 次に、ワクチンの供給体制についてお伺いをしたいと思います。

 八月二十一日に開かれました感染症対策分科会の報告の中で、これは、モデルナ、ファイザー、アストラゼネカ、カンシノの各ワクチン候補にかかわる治験の論文の中で、その安全性について、重篤でない全身性の有害事象が高頻度、数十%以上で発現したとの報告もあったわけでございます。また、小児、妊婦、高齢者のデータが少なく、不明な点が多いとも、これは有効性、安全性ともに記載があります。

 ワクチンには副反応があることは、これは知られていることでありますけれども、このたび、アストラゼネカ、ファイザーからワクチンが供給されることが決まったこと、新型コロナ感染症の終息に向けて大変に心強いことであると同時に、そのワクチンの安全性についての心配の声も一方では寄せられているわけであります。

 実際に接種を始める時期は、これは安全性、有効性について国が認める薬事承認が行われた後ということになると思われますが、ワクチンの実際の安全性、有効性について、さきの分科会の報告の中でも、考慮すべき事項の中に、実際の安全性、有効性などの性能評価については、これはPMDAでの検討とともに、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会での議論とあるだけで、現段階で具体的な安全性担保の手法が明示されておらないわけでございまして、供給から接種までの、例えば臨床検査を行うのかとか、そうした現段階で想定している工程についてぜひお示しをいただければと思います。

山本政府参考人 お答え申し上げます。

 一般的に、医薬品の研究開発から薬事承認されるまでには、まずは細胞や動物を用いた非臨床試験、人を対象とした臨床試験などを通じたデータの収集段階、その後、先生おっしゃいました医薬品医療機器総合機構、いわゆるPMDAにおける承認審査、さらに、医学、薬学等の専門家から成ります薬事・食品衛生審議会での審議などのプロセスが存在いたしまして、これらを通じまして有効性、安全性等を確認してございます。

 このプロセスは、新型コロナウイルス感染症のワクチンにおきましても同様でございます。現在、さまざまなワクチンが国内、海外で開発が進んでおりますが、いずれにいたしましても、最新の科学的知見や今後得られるデータに基づきまして有効性、安全性等の確認を十分に行ってまいりたいと考えておりますし、また、承認後の一定の安全性の調査などもしっかりとやっていきたいと考えております。

太田(昌)委員 ちょっと確認なんですけれども、そういうようなデータあるいは臨床試験なども行った上で当然薬事承認が行われるとは思われますが、これは、海外でのそうした調査と、日本の、日本人に対しての調査みたいなものは行わないんですか。

山本政府参考人 現在、日本でも日本人に対しての承認取得に向けた臨床試験、これが、国内、国産のワクチン、あるいは海外のワクチン、ともにいろいろ予定をされておりますので、そういったデータも見ながら、薬事承認の際にはその承認の可否を判断してまいりたいと考えております。

太田(昌)委員 国内の開発中のものは当然として、海外からの提供を受けるワクチンについても同様の手続が行われるということで、了解でございます。

 そんな中で、巷間言われている中で、このワクチンにおけるいわゆる重篤な副反応が発生した場合に、その患者に対する補償について政府である程度これはしっかり対応すると。新型インフルエンザのときには特措法などもつくって対応したというふうに承知をしておりますけれども、この補償について現段階の政府の御見解を確認をしておきたいと思います。

依田政府参考人 お答え申し上げます。

 予防接種につきましては、副反応による健康被害がまれであるが不可避的に発生するという特性がございまして、迅速な救済のための健康被害救済制度が必要であると考えているところでございます。このため、現行におきましては、予防接種法又は新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく接種を実施する場合には予防接種法に基づく健康被害救済制度が、また、それ以外の接種の場合につきましては独立行政法人医薬品医療機器総合機構法に基づく健康被害救済制度がそれぞれ設けられているところでございます。

 こうしたワクチンの接種につきましては、先日、八月二十一日でございますけれども、政府の分科会におきましても、接種した方が健康被害が生じた場合の救済措置についても、認定のプロセスを含め検討する必要があるという考え方が示されているところでございます。

 こうした御意見等も踏まえ、これまでの健康被害救済制度も念頭に置きつつ、どのように被害救済を行うのか検討してまいりたいと存じます。

太田(昌)委員 やはりこうしたワクチン、コロナ終息に向けて必要な措置ではあるわけでございますけれども、一方で、ワクチンの安全性と、さらに、これはあってはならないことではありつつも、もし万が一健康被害が生じた場合の救済措置もこれは一体のものとして当然スタートの段階では整備をして一歩進める、このようなことを申し上げておきたいというふうに思います。

 最後になりますが、PCR検査についてちょっとお話をさせていただきたいと思います。

 各自治体において、エッセンシャルワーカーあるいは医療従事者、こうした方々に定期的な検査を行いたい、こんな要望も出されているところでございます。

 また、対象者についても、例えば濃厚接触者じゃなくても、感染が多い地域については、そうした関係者に関係なく、幅広くPCR検査も行ってもよいのではないかというふうに考えます。

 そういう意味で、具体的な指針、方針を示していただきたい。また、現状として、そのような方針はあるものの、なかなか各自治体においていま一歩踏み出せていない現状について、確認の意味も込めまして、御確認をさせていただきたいというふうに思います。

依田政府参考人 お答え申し上げます。

 検査についての基本的な考え方でございますが、検査が必要な方がより迅速、スムーズに検査が受けられるようにするとともに、また、濃厚接触者に加えまして、感染拡大を防止する必要がある場合には広く検査を受けられるようにするといった考え方のもとに、検査体制を一層強化していくというような考え方に立っているところでございます。

 そうした中で、とりわけ入院患者や高齢者施設等の入所者につきましては、こうした感染症の重症化リスクが非常に高いことから、院内、施設内感染対策の強化が非常に重要であるというふうに考えております。

 検査の考え方といたしましては、具体的には、感染者が発生した場合には、適切な感染管理が可能となるように、感染が疑われる者への速やかな検査を実施することが重要であること、また、こうした施設また病院等に入所、入院する際でございますけれども、地域における感染の発生状況等を勘案して医師が必要と認める場合には、症状の有無にかかわらず検査を実施することが可能であること等をお示ししているところでございます。

 それから、さらに、先般でございますけれども、感染者が多数発生している、また、クラスターが発生しているような地域に所在する医療施設、高齢者施設に勤務する方や、入院、入所する方については、当該施設に感染者がいない場合であっても幅広く検査を実施することが可能であるといったことをお示ししているところでございまして、自治体に対しては積極的な検査の実施を要請しているところでございます。

 厚生労働省といたしましては、こうした取扱いにつきまして更に周知徹底をして、また、検査体制の強化に引き続き取り組んでまいりたいと存じます。

太田(昌)委員 時間が来ましたので、二つだけ、ちょっと要望したいと思います。

 それぞれの自治体において、単独事業においてPCR検査の拡大を行っているところもあります。こうした検査拡大の指標の修正も、ぜひ御検討いただければ。それから、拡大において、機器、試薬等々の調達が、各県単位でやっているわけですけれども、なかなか苦労もしているようでございます。国に対しての一層の支援を求めまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

松本委員長 次に、今井雅人君。

今井委員 おはようございます。立国社の今井雅人でございます。

 今、新型コロナウイルスへの戦いがまだ続いているわけでありますが、今、最高責任者の安倍総理の体調が非常に心配されておられまして、地元でも今もうこの話ばかりなんです、聞かれるのが、安倍総理の体調はどうなんだということで。

 最初にちょっとお伺いしたいんですけれども、きのうも閣議等でお会いになっていらっしゃると思いますが、総理の、今、御様子はどんな感じでいらっしゃいますか。

西村国務大臣 昨日も私はお会いしましてお話をしましたけれども、きのうの様子はふだんとお変わりない様子で、コロナの状況についても御報告をしたり、申し上げましたけれども、その後、二人でも少しお話をしましたけれども、ふだんどおりにいろいろなお話をされていましたので、先週、先々週ですかね、少し疲れた感じもお見かけしましたけれども、きのうは非常に、元気でと言っていいのかどうかはあれですけれども、ふだんと変わりない様子で、さまざま御指示もいただいたところでありますので、引き続き、健康、体調管理をしっかりしていただきながら、先頭に立って、リーダーシップを発揮していただければというように考えているところでございます。

今井委員 最高責任者として、重責、重圧も大変だと思いますので、体調はやはり万全を期してやっていただきたいですし、それと、やはり国民も大変心配しておりますので、御本人から状況をしっかり説明していただくということも大変重要だと思います。

 二十八日の日に記者会見をするというふうに伺っていますが、記者会見の場だけじゃなくて、この国会の場でもしっかり出てきていただいて、御自分の体調についてしっかり説明をしていただきたい。そのことによって、国民も安心して、また一致団結して対策に取り組めると思いますので、そのことをぜひお願いをしておきたいと思います。

 それと、国交省さん、いらっしゃっていますか。昨日、ゴー・トゥー・キャンペーンの対象の千葉の旅館でクラスターが発生したということでございますが、その状況とそれから原因等について御説明いただきたいと思います。

村田政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の点でございますけれども、昨日、千葉県の方から、勝浦市内の宿泊施設におきます従業員の新型コロナウイルス感染症の集団発生があったということで公表されたということでございます。

 当該宿泊施設につきましては、ゴー・トゥー・トラベル事業の参加登録事業者であるということは確認いたしておりまして、本件につきましては、現在、事務局におきまして詳細を確認中でございます。

 今後、保健所の指導や消毒の実施状況、こういったものを踏まえながら、速やかに当該宿泊施設につきまして現地調査を行う方針でございます。

今井委員 もう一度お伺いしたいんですけれども、そもそも、なぜ従業員の方は感染したのか。それと、報道によりますと、この間、三百五十九名の方が宿泊なさったということですが、その方たちの感染状況をどうするか。

 こういうことをしっかりやらないと、ゴー・トゥー・キャンペーン、このまま続けて大丈夫かということになりますから、ここは、しっかり調査をしてみんなに報告をすることが大事だと思うんですけれども、その点についてはいかがですか。

村田政府参考人 お答え申し上げます。

 本件につきまして、千葉県庁から情報収集も並行して行っております。

 御指摘のとおり、千葉県の方では、従業員の感染者が発生した間の宿泊された方々に対しては健康調査を行うということでございますので、そういったことにつきましても、私どもの方でしっかりと状況を確認してまいりたいというふうに考えております。

今井委員 繰り返しになりますが、この事業を継続するためには、こういうことはある程度予測をされることで、必ず一〇〇%防げるというものでもないですから、発生したときにどう対応するかということをしっかりやらないと、それと原因の分析も。全体に影響しますので、そのことはしっかり対応していただいて、国会にも報告していただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 それでは、本日は、お忙しいところ、尾身地域医療機能推進機構理事長にいらしていただいておりまして、分科会の会長もやっていただいておりますが、少し分科会の内容についてお伺いしたいと思うんですが。

 尾身理事長は、分科会の場を含めて、新型コロナウイルスの感染について、七月の終わりあたりですかね、ピークアウトをした可能性があるというふうに発言をしておられると承知しておりますが、その根拠を詳しく教えていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

尾身参考人 お答え申し上げます。

 根拠については、大きく二つあると思います。

 一つは、実は、ふだん、一般社会のマスコミの方に共有されているデータというのは、報告者ベースのデータですよね。その情報も非常に大事なんですけれども、感染症対策を打っていく上にそれよりもより重要なのは、実は、発症日ベースのいわゆるエピカーブというものをもとに感染症対策を立てていくということが、これは感染症対策の常識になっております。

 そのグラフを見ますと、一応七月の下旬の方に、新規感染症という点についてだけですね、これは強調させていただきたいと思いますけれども、新しい感染症の発症については、どうも七月の末ごろに一番高い山があったということ。ただし、これはもう何度も私はいろいろなところで申し上げていますけれども、これからどうなるかというのは、新たなクラスターなんかが発生すればまた別のことですし、それから、重症者というものがこれからもどんどん蓄積していく可能性があるので、これからも警戒を強める必要があります。一つ目は、だから、その発症日別のデータが一つの根拠。

 もう一つの根拠が、実は、実効再生産数というのが、これはいろいろな複雑な方法で推定していますけれども、これも全国的に見ると一を少しずつ下回っているんじゃないか。

 この発症日別のエピカーブと実効再生産数というものを見て、さらに、報告者ベースのものを見ると、総合的に考えれば、新規の感染症という意味では少しずつ緩やかな下降傾向にあるんじゃないか。ただし、先ほど申しましたように、これからも警戒あるいは必要な注意については十分継続していく必要があると思っております。

今井委員 その上でちょっとお伺いしたいんですけれども、テレビ等でいろいろな専門家の方が出てこられてさまざまな意見をおっしゃられるので、私もこういうところは知見は余りありませんので、よくわからないので教えていただきたいんですが、ピークアウトをしたとすれば、その原因というか、どうしてピークアウトをしているのかということで、ある方は、やはり、このコロナウイルスは高温多湿に非常に弱いので、八月に入ってから気温が急に上昇して多湿になったことによってこの感染がおさまっているんじゃないかと。ですから、この暑いのが過ぎるとまた拡大するんじゃないかというふうなことをおっしゃっている専門家の方もいらっしゃいます。あるいは、お盆前後のところでかなり自粛要請をしたことで人の移動が余りなかったことが感染を抑えているんじゃないかというふうにおっしゃっている方もおられます。

 どれももっともらしいんですけれども、尾身理事長が今考えておられる、七月末にピークアウトをしてそれからだんだん減少に転じているということの要因というのはどういうことだというふうにお考えでいらっしゃいますか。

尾身参考人 お答えいたします。

 まず、先生の高温多湿の件ですけれども、その要素が一定程度影響している可能性は否定はできないと思いますけれども、正式なエビデンスはまだ今のところないので、確かにそういう可能性はあって、冬に向けて警戒を更に強くする必要があるというのは、多分、その理由だと思います。

 先生の御質問の、一体なぜ、一応穏やかに、今のところはですね、新規感染者の数が穏やかな減少傾向に今のところ見られるというふうに判断していますが、その理由ということですよね。それはなかなか難しいけれども、私個人としては、大きく分ければ三つあったと思います。

 一つ目は、今回の緊急事態宣言解除後の、この感染が拡大しましたよね。これはいろいろな理由がありますけれども、あえて、最も重要な理由は、東京を中心とした、いわゆる接待を伴うお店を中心に、かなりここが、なかなか探知するのに少し時間がかかったということもあって、ここがいわゆる感染拡大の主要な地域であったと思います。これが東京都内に拡大し、更に全国に波及したということはほぼ間違いないというのが我々専門家の判断であります。

 したがって、今回の場合は、少し遅かったですけれども、東京のある地域を中心に感染拡大が、地域の自治体の方、関係者の方が物すごい努力で少しずつ下火になったということが、当初はちょっと気がつかない、遅くなりましたけれども、いろいろな関係者の努力で感染が少しずつ下火になったということが一つの原因。

 それから、二つ目の原因は、私はこれは大変よかったと思いますけれども、各都道府県の知事の方のリーダーシップで、その地域の感染状況に応じてさまざまな対策を打っていただきましたよね。そのことが私はかなりきいていると思います。

 三番目には、その知事、国の方のいろいろな応援もあったと思いますけれども、そうしたパブリック、地方自治体、国のいろいろな要請に対して、各都道府県、関係の都道府県の県民の方が、強制力がない協力であってもかなり協力していただいたということがあって、こうしたことが総合的に、基本的には人の動きも多少減ったと思うし、行動変容がまたあったということが、最終的に穏やかな下降、今のところ見られている大きな原因だと私は個人的に思っております。

今井委員 ありがとうございます。

 その上でお伺いしたいんですけれども、今回の二次感染拡大というか一次のつながりというか、それは評価が分かれるとしても、波、山が二回あったわけですね。今、少しおさまりかけているということなんですけれども、ひょっとすると、この先、また涼しくなって乾燥してくると広がるかもしれないと今お話しされていましたが、何としてもやはりこれは防がなきゃいけないわけで、しかし、コロナウイルスは世の中には消えるわけはないわけでありますから、今回のことを教訓にして、これから私たち、あるいは自治体も含めて、国も含めて、こういうことをやはり続けていかなきゃいけないということがございましたら、教えていただきたいと思います。

尾身参考人 お答えいたします。

 これからどんなことをすべきかということですが、もう先生御承知のように、このウイルスは変異をしやすいウイルスですから、これから病原性について、あるいは感染性についていろいろな変化が起こることはあり得ますが、これから何を国、都道府県、それから我々国民がやらなきゃいけないということで、私は、一つ極めて重要なことがあると思います。

 この感染が、二月ぐらい、初めて我々が経験したときには、このウイルスあるいはこの感染症について、わかっていることがほとんどなかったですよね。わかっているのは武漢からの情報。しかし、この半年の、我々、国、都道府県、国民が半年間で随分いろいろなことを経験して、このウイルスの実態というか、このウイルスも実は弱さがあるんですよね。

 当初は、このウイルスについては、全く、多くの人が恐ろしいウイルスだという印象を持ったと思うんですけれども、ここに来て、このウイルスはある程度マネージができるんだ、コントロールできるんだということがわかってきたと思うので、今のこのウイルスあるいはこの感染症について、大体、多くの人が実態が少しずつわかりつつあるので、相手をしっかり知って、マネージできるんだという姿勢を持ってこれから対処することが私は最も大事だと思っております。

今井委員 ありがとうございました。

 もう一問だけちょっとお伺いしたいと思うんですけれども、分科会のところで六つの指標をお示しになって、それをもとに四つのステージを、ステージ1からステージ4にして、それぞれのステージでどういう対応をするかという御提言をされていると思うんですが、野党の合同ヒアリングでいろいろお伺いしていると、六つの指標はあくまでも目安であって、ステージについては各自治体がそれぞれ判断することだというふうにおっしゃっているんですが、それぞれの自治体がどういうステージだと認識しているかということについては、国は把握していないし、それは独自の判断に任せる、あくまでも指標を見て、それで総合的に判断するとおっしゃっているんですけれども。

 私は、これはちょっと違うんじゃないかと思うのは、まず六つの指標を見て、そして総合的なことも勘案した上で、それぞれの自治体が、今、自分のところはステージがどこなのかというのをまず決めて、そうすると、ステージ4ならこういう対応をしてくださいというような御提言があるので、それに対して対応をしていく、こういうたてつけになっているんじゃないかと思うんですけれども、そういうステージが幾つかということを各自治体が判断するということは、ある意味、国からそういうような提案をしていないというか、それぞれ自分たちで考えてくださいというような、そういう姿勢のような説明なんですけれども、そのことについてはどう考えていらっしゃいますか。

尾身参考人 お答えします。

 各都道府県の、特に知事さんたちがリーダーシップで、いろいろなステージとかいろいろなアラートのレベル、私は、これは非常に重要で、すばらしい各知事のリーダーシップだと思います。

 それと同時に、やはり国は国で重要な責任を持っていて、最終的に緊急事態宣言なんかを出すのは国の判断ですよね。そうした意味で、各都道府県が参考になるような国としての目安を出すことは私は国の責任だと思いまして、したがって、分科会ではああいう形で提案をさせていただきましたが、今先生もおっしゃるように、これは各都道府県に活用していただきたいための目安で、基本的にはああしたもの、それから、各県で独自のもう指標をつくっておりますよね、そうしたものを総合的に判断して、各都道府県が独自で、待たないで積極的に早目にやっていただくということが非常に重要で、実際に今、そういうことが少しずつ行われているんじゃないかと私は思っております。

今井委員 まさに理事長が今おっしゃったとおりで、国も緊急事態宣言を次に出すときに、やはり今の状態を評価しなきゃいけないんですけれども、私たちのヒアリングでは、そこが非常に自治体任せになっていて、国が積極的に評価をしようとしていない、そういう実態がありますので、それはしっかりやっていただきたい。

 最後に、済みません、一問ですけれども、特措法ですね。

 私たちは、今回のいろいろな対応で、やはり自治体がやれなかったこと等がございますので、特措法は改正する必要があるんじゃないかというふうに考えているんですけれども、今、政府としては、この特措法の改正についてはどういう見解でいらっしゃいますか。

西村国務大臣 御指摘のように、特措法をより実効ある形にしていく、よりよい仕組み、よりよい制度としていく、こうした観点で、さまざまな、知事会を始めとして、問題提起がなされております。私、担当大臣としては、日々、この法律をより実効性のあるものにしていくにはどうしたらいいか、これを考えているところでありますし、私自身も、法制局長官と議論したり、日々、どうあるべきか考えているところでございます。

 具体的な論点は幾つかあると思いますが、きょう詳細は申し上げませんけれども、いずれにしても、引き続き、この足元の感染拡大防止、これに向けて全力を挙げて取り組みつつ、さまざまな論点について、幅広い視点、角度から議論を行うことが必要であるというふうに考えております。特に、この実効力、強制力のある措置について、その要件とか、あるいは体制とか、これをどうしていくのか、かなり議論が必要な部分があると認識をしております。

 引き続き、この特措法がよりよい仕組み、制度となるように議論を深めていきたいというふうに考えているところであります。

今井委員 特措法の改正を含めて、国会で議論をしなきゃいけないことはたくさんあると思いますので、早急に臨時国会を開いていただいて、この国会の場でコロナ対策についてしっかりと議論をしていきたいということで、臨時国会の早い開催を求めまして、質問を終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

松本委員長 次に、大島敦君。

大島(敦)委員 質問をさせていただきます。

 尾身先生には、お忙しい中、本当にありがとうございます。

 尾身先生の御答弁を聞いておりますと、危機の局面では科学的な根拠に基づいた説明とコミュニケーション能力と共感力が必要だと伺っているものですから、済みません、もう少し大きい声でしゃべります、こういう危機のときには科学的な根拠に基づいた対策、コミュニケーション力、共感力が必要だということを伺っておりまして、この二月、三月から、尾身先生の御対応そして御発言ぶりは国民の皆さんに本当に安心感を与えていると考えておりまして、本当にありがとうございます。きょうも何問か質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。西村大臣にもよろしくお願いします。

 時々、中国へ行っているんですけれども、武漢って近代都市ですよね、ホンダの最新鋭工場があったりイオンモールがあったり。その武漢で二月に都市閉鎖が行われて、そして、三月から相当国民の皆さんも自粛をしていただいて、ようやく緊急事態宣言が解除されたあの五月の二十五日には、新規の感染者数は二十一人まで減っています。

 ですから、三月十三日に、当委員会で可決をした特措法の改正案が参議院でも可決をされ、二十五日に、政府で対策本部が設置をされて、四月七日の緊急事態宣言、五月の二十五日の解除、そのときの新規感染者数は二十一人で、相当減らすことができた。

 この段階で、結構うまくいったのかなと思ったんです。国民の皆さんも、解除されたのでよかったなということで、非常に安心したんですけれども、その後、先ほど尾身先生が指摘されておりました、特定の地域の特定のお店の中で感染がくすぶっていた状況だったと思うんです。大都市の、多分、特定のエリアの特定のお店で感染がくすぶっていたのがもう一度感染をし始めて今に至っているかなと思っているんです。

 そうすると、先ほど今井委員から発言のあった特措法の改正案というのも、どうすればいいかなと考えなければいけないなと思うんです。都道府県ごと、大ぐくりでこれまでやって、先ほど尾身先生おっしゃっていたとおり、二月、三月の時点で、新型コロナウイルスの病原性が強いのか弱いのかよくわからなかったので、できるだけリスクを最大に振って対策をとったことは、私はよかったと思っています。ただ、今、ある程度その病原性についての知見が積み重なっているので、それに基づいて、どういうふうに振り返って対処した方がいいかなと。

 一つには、もう一度二十一人まで新規感染者数を減らして、特定のところまで追い詰められるようだったら、そこの最後の対策をやはりする必要があるかなと思っています。ですから、市町村ごとに緊急事態宣言、区ごとにする、もう地域を限ってやる。さらに、その地域の中で、例えば歌舞伎町でも、特定のところに限って、休業補償をした上で営業の自粛をお願いし、そしてPCRの検査を皆さんに受けていただくということも必要だなというお話は、せんだって、これは尾崎先生かな、お伺いいたしまして、ですから、そうすると、今の特措法の中でできないところがあると思うんです。

 ですから、本当にこれからもう一度感染者数を減らしに減らして最後に残ったところを、食いとめ続けるための法的な、特定な地域を限りながら、その地域における休業補償。ですから、全国一律にやるわけじゃありませんから、相当の費用がかかるとは思えない、特定の地域の休業補償ですから。そして、そこのPCR検査をしっかり関係者の人に受けていただくことも必要かなと思うんですけれども、その点についての西村大臣の御答弁をお願いします。

西村国務大臣 お答えを申し上げます。

 まず一点目として、緊急事態宣言、四月、五月と経験をいたしまして、国民の皆さんの御協力もあって感染者の数をかなり減らすことができました。改めて、そのときの御協力に感謝を申し上げたいと思います。

 しかし、その時点でも申し上げましたし、専門家の皆さんからも御指摘をいただいておりました、このウイルスは、無症状の方もおられますし、全員を一遍に検査することはできない中で、どこかに潜んでいる可能性があって、引き続き、感染防止策、三密を回避など、しっかりやっていかないと、いずれにしてもどこかで発生が生じる。それを第二波、第三波と呼ぶかどうかは別として、小さな波や流行は必ず起こる。それを検知をして、クラスター対策で抑え込んでいかなきゃいけないということを常々申し上げてきたわけでありますけれども、今回、それがかなり大きな流行、これは新規陽性者の数を見れば、緊急事態宣言のとき、そのとき以上の大きな流行にもなっているわけであります。

 そうした中で、今回、七月末にピークを迎えたのではないかという先ほど尾身先生のお話もございました。今回の大きな波に対して、御指摘のように、かなり要因もわかってまいりましたので、もとは、やはり接待を伴うバーやいわゆるキャバクラ、キャバレーやホストクラブなどの接待を伴う飲食店を中心に発生があったということで、それが少し広がってきたということだというふうに認識をしております。

 そういう意味で、御指摘のように、今回、かなり地域を絞り、また業種も絞った対応をとってまいりました。東京都、新宿区と連携をして、御指摘のように、幅広く事業者の皆さんにPCR検査をお願いをし、そして、それに応えてくれています。これによって、新規の陽性者の方がわかることによって、そこから二次感染、三次感染を防いでいるわけでもありますし、また、愛知県やあるいは大阪府においても、エリアを絞って、業種を絞って、休業要請やそして営業時間の短縮の要請などが行われてきました。

 そういう意味で、緊急事態宣言のときの経験を踏まえて、今回、かなり焦点を絞った対策がとられてきたわけでありますが、特措法との関係で申し上げれば、特措法は、先ほど申し上げましたように、どこで流行が起こるかわからない、無症状の人がいる中で、基本はやはり都道府県単位で考えていかないと、場合によっては経済圏、生活圏も考えて、首都圏とか大阪圏とか、こういったことも考えていかなきゃいけない、これが基本だというふうに思います。

 ただし、その上で休業要請を出したり、さまざまな措置をとるのは、エリアを絞り、業種を絞ってやるということ、これはそれぞれの都道府県知事の裁量、判断でできますので、そういう意味では、御指摘のような取組も現在の特措法の中で取り組める。

 特に、今回の、二回目というか、大きな流行を経験をする中でとられた対策のこうした経験も踏まえれば、仮に緊急事態宣言を将来発するときがあったとしても、県単位で地域を指定をし、そして知事の判断でエリア、業種を絞ってやるということは、この法律の中でもできるものというふうに理解をしております。

大島(敦)委員 西村大臣の御答弁だと、今の法体系の中でできるということなんですけれども、一つのお考えだと思います。ただ、法的根拠に基づいて、より具体的にやった方がいいかなとも思うものですから、その点はもうちょっと検討してください。

 もう一つ、尾身先生、伺いたいところがありまして、尾身先生に。なかなか今、結構感染が拡大すると、五月二十五日のように、新規感染者二十一人というほとんど極限まで抑え込めることというのは難しいかなと思うところもあるんですよ。特に、ドイツのメルケル首相ですか、三月十日だったかな、ビルト・ツァイトゥングの記事、報道を読んでいると、当時の時点で、国民の六割とか七割が感染するまでは続くということと、何か保健大臣が三十代後半のドクターの方で、やはり国民の八割ぐらいが無症状のまま感染し、終わっていくなんということも記事を読んでいて、ですから、なかなか誰が感染しているかを特定することも難しいかもしれないウイルスかなと思うんです。

 そうすると、尾身先生に伺いたいのは、特定の地域とか、ぎりぎりここの地域に限定してという考え方とともに、そうじゃないんだよ、もうちょっと個々のクラスターをしっかりと対応をとっていった方がいいんじゃないかという考え方もあるんですけれども、尾身先生としては、どのように今後の感染の対策を、今の政府あるいは都道府県の対策で盤石だと思っていらっしゃるのか、もっとこうした方がいいところがあるというところがあったら、教えていただけると助かります。

尾身参考人 お答えいたします。

 これからどうすべきかという御質問ですけれども、これは、四月の緊急事態宣言を出したときと今との比較をすることがわかりやすいんじゃないかと思うんですけれども、先ほど先生もおっしゃるように、三月、四月のときは、ほとんど、このウイルスの対処の方法、感染、このウイルス自体のことも余りわかっていない。したがって、緊急事態宣言を発出して、例の、極力八割、最低七割というかなり強力な対応をお願いして、多くの国民の方が協力していただいて、かなり急速に下方方向にいったと思うんですよね。

 今回は、先ほどの今井先生の際にもお答えさせていただきましたように、実は、これは本当にこの半年間に国民の皆さん、それから自治体、政府、研究者を含めて多くのことを学んだと思います。

 したがって、これから私はやるべきことは、今まで学んだことの評価をもとに対策を打つということが極めて重要で、そういう意味では、四月の段階では、ある意味では、これは言葉は適切かどうか、一律に、総花的に、がっとやったわけですよね。これからは、そのことを必ずしもやる必要がなくなって、むしろ、得られた知見、得られた分析をもとに、言葉は、いわゆるめり張りをきいてピンポイントでやるということが極めて重要で、そういう意味では、例えば、先ほどから議論があります、どのようにするかはまた政府が決めていただければと思いますが、いわゆるリスクの高い場所、接待を伴うようなものはわかっていますので、そういうところに検査も含めてどういうサポートをするか。

 それからもう一つは、今よく言われているように、換気の悪いところで大声を出したりお酒を飲むというところが実は感染の最も主たる場所で、そういうところを、日々、普通に町を歩いていて感染する機会は非常に少ないと思うので、そういうところにどうやる。

 集中的にポイントを決めて、今までのわかったことをもとにこれから感染対策を打っていくということがこれから極めて重要だと私は思っております。

大島(敦)委員 尾身先生、ありがとうございます。

 前回、七月八日に内閣委員会で指摘させていただいたことが一つありまして、先生は、今、分科会の会長でいらっしゃっていて、それまでは専門家会議の副座長でいらっしゃっていて、大きな違いがあって、専門家会議の方は、お医者さんとか研究者の集団。今の分科会は、経済人も入っていたり、働いている人の代表も入っていたり、経済学者も入っているという、なかなか混成部隊だと思っていて、厚生労働省は厚生労働省で、そこにはやはりお医者さんのアドバイスをするボードがあったりをして、ですから、私としては、国としての知見は尾身先生のところで集約した方がいいかなとも思っているんです。

 先ほど今井先生が御指摘がありました、さまざまな意見があるとは思うんですけれども、やはり国としては、尾身先生のところで、今おっしゃられたような今後の対応方針の科学的な知見をしっかり出していただくことが、国民も安心をするし、感染症対策というのはこういうフェーズでこういうふうに行っているということがよりよくわかるようになると思うんです。

 ですから、ぜひそういうことをお願いしたいのと、例えば、お手元に厚生労働省の資料を配ってありまして、この死亡率というところを見ると、八十歳以上だと、陽性になった人の一八・一%が亡くなっていますよ、そういう数字なわけ。ただ、これが八月十九日の段階で、その前の七月二十九日だと、八十歳以上は二五・四%で、意外と高い数字だったわけです。

 ですから、こういう統計資料を時系列的に全部整理するだけでも相当な知見が得られるなと思っていて、多分、変異をするから、時系列をとって、そこに年齢階層と男女別と地域別とどういう持病を持っているかというのを見ると、大体よくわかるようになると思うので、こういう分析をやると、どこに対応していけば、できるだけそんなにコストがかかることなく、皆さんの自由を制限することなく対策をとれると思うんですけれども、その点についての御所見があれば、一言お願いをいたします。

尾身参考人 お答えいたします。

 先生のおっしゃるとおりで、いろいろなデータを時系列、地域別に分析していくことは大変大事だと私も思います。

大島(敦)委員 ありがとうございます。

 それでは、厚生労働省に質問をちょっとさせてください。

 やはり、地域のお医者さんあるいは歯医者さん、医師、歯科医師と話していると、結構、大島、売上げが落ちている、診療報酬が落ちていると言うわけ。半分というのはともかくとしても、二割から三割落ちていると。病院は、もっとのところもあります。

 そうすると、厚生労働省に、医療機関が患者を診察するときに受ける診療報酬について、例えば、昨年、一昨年の実績を踏まえて、通常であれば想定できたであろう金額を支給することで、医療機関の支援、経営支援を行うことが必要な時期にそろそろ来ているのではないかと思うものですから、その点についての厚生労働省からの答弁をお願いします。

横幕政府参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘ございましたとおり、病院団体の調査等を通じましても、医療機関におきまして、患者の減少により経営が悪化している状況があると承知をしてございます。

 このため、まず、コロナへの対応を行う医療機関に対しまして、診療報酬上では、重症患者に対する一定の診療への評価を三倍に引き上げるということ、また、専用の病院や病棟などを設定する医療機関における空床確保への補助単価を大幅に引き上げて、かつ四月にさかのぼって適用する、こういった支援を行うこととしております。

 また、それら以外の、今のコロナ対応を行う以外の医療機関も含めた支援といたしまして、疑い患者受入れのための院内感染防止対策でありますとか、医療機関、薬局等における感染拡大防止のための支援、こういったことを行うとともに、当面の資金繰り支援として、無利子無担保等を内容とする融資の拡充などを行う、こういった形で地域の医療を継続して確保することができるような体制をとっていくこととしております。

 まずは、こうした第二次補正予算の執行や必要な資金繰り支援を速やかに行うことを通じまして、こういった支援を医療の現場にお届けすることが肝要と考えております。

 今後とも、関係者の方々から丁寧にお話をお伺いし、また、レセプトデータ等を参照して、新型コロナ患者の治療に当たっている医療機関等の経営状況を十分に踏まえつつ、必要に応じてさらなる支援も検討してまいりたいというふうに考えております。

大島(敦)委員 ありがとうございます。

 厚労省さんが、政府が今打っていらっしゃる、WAM、独立行政法人福祉医療機構の融資制度も、非常に地元のお医者さんが助かっています。歯医者さんも助かっています。ありがとうございます。

 その他のさまざまな助成措置があることも承知しておりますので、もう一歩踏み込んだ対策が必要だと思うので、その点、西村大臣にも、大切だということを最後に御答弁、それについてのお考えを伺わせていただいて、終わりにしたいと思います。

西村国務大臣 医療関係者の皆様から、大変厳しい経営状況にあること、日々いろいろな声を、切実な声を伺っているところでございます。

 さまざま、厚生労働省を中心に支援を行っているところでありますけれども、まさに日々、日夜こうした治療に当たっておられる医療機関について、状況を十分に踏まえつつ、必要に応じてさらなる支援も検討してまいりたいというふうに考えております。

大島(敦)委員 ありがとうございました。

松本委員長 次に、大河原雅子さん。

大河原委員 おはようございます。立国社の大河原雅子でございます。

 閉会中審査ということで、きょうは、持ち時間が二十分、大変タイトな質疑となりますことを残念に思います。早急に臨時国会を開いて、しかるべき答弁を責任者からしっかりと国民に発信していただきたいというふうに思っております。

 七問、質疑をしたいと思って用意をいたしました。コンパクトな、そして国民に対してしっかりと安心を与えることができるような前向きの答弁をお願いします。

 まず最初に伺いたいのは、第五次男女共同参画基本計画策定に当たっての問題です。

 現在パブリックコメントをとっておりますけれども、この素案に対してはたくさんの意見がございます。いずれ、立憲民主党ジェンダー平等推進本部としても意見書を提出させていただきますが、本日は二点のみ伺います。

 政府は、二〇二〇年までに指導的地位における女性の割合を三〇%にするとしたこの男女共同参画政策の目標達成、これを早々と断念して、新たな目標時期は、二〇年代の可能な限り早期にという、大変曖昧な形で先送りをしております。

 断念に至ったことについて、きょうは今井政務官からお答えをいただけるということなので期待をしておりますが、どのような認識なのか、まずお尋ねします。若い世代の代表として、この計画、更に更に着実に進めていくということが責務かと思いますので、真摯な御答弁をお願いいたします。

今井大臣政務官 社会のあらゆる分野において、二〇二〇年までに指導的地位に女性が占める割合が三〇%程度となるよう期待するという、いわゆる二〇二〇年三〇%目標の達成状況についてですが、二〇〇三年に掲げられたこの目標が必ずしも社会全体で十分共有されず、現時点で到達しそうにない事実をしっかりと受けとめなければいけないと考えております。

 第五次基本計画策定専門調査会の議論の中では、政治分野、経済分野など、進捗がおくれている分野があることを指摘されております。

 一方、四次計画のもとで、女性就業者数や上場企業の女性役員数が増加し、民間企業の各役職段階に占める女性の割合は着実に上昇しており、目標達成に向けた土壌が醸成されてきているとされています。

 議員の御質問でもありますが、各分野で進捗がなぜおくれているのか、なぜ達成できなかったかという要因なんですけれども、政治分野においては、立候補や議員活動と家庭生活との両立が困難なことであったり、また、人材育成の機会が不足していることが挙げられております。また、経済分野においては、女性の採用から管理職また役員へのパイプラインの構築が途上であること、社会全体においては、固定的な性別役割分担意識、男性はこう、女性はこう、こういった意識があること等が示されてきました。

 また、今後、先生の御指摘も踏まえ、今、専門調査会において、二〇二〇年三〇%目標にかわる新しい旗印を立てておりまして、二〇三〇年代には、誰もが性別を意識することなく活躍でき、指導的地位にある人々の性別に偏りがないような社会を目指すことが打ち出されました。二〇二〇年代の可能な限り早期に三〇%となるような取組を強化されることとされており、専門調査会における今後のさらなる議論を踏まえて、計画策定に向けた検討を進めてまいりたいと思っております。

大河原委員 今井政務官、ありがとうございます。

 今井政務官はお生まれになったのが一九八三年と伺いまして、これは本当に政治家として必死にやらなければならない問題と御自覚いただきたいなと思うんです。というのは、今、政権におられます。政府におられます。この三〇%を目指そうというのは、世界的には九〇年から目指されていることなんですね、世界的には。でも、いまだこれを達成できない、先進国と言われる日本は一体どういうことなのか。

 もちろん、政治分野、そして公務員、指導的立場というところには、政策決定をする場にいる者の責任というものもあります。パブコメをとっているところですから、ここに政府としてもっと前向きな姿勢を出していく、最終の答申が出た後、政府がどうやっていくのかということについても大変注目をされると思いますので、しっかりやっていただきたいと思います。

 次に、コロナ禍は今回のジェンダー問題、日本のジェンダー問題をさらけ出したと思います。つまり、男女平等が実現をしていない。第五次計画素案の中にも随所にコロナ禍によるジェンダー問題が記述はされているんですね。現象を記述するに実はとどまっていて、これは計画ですから、計画でありながら未来に向けた言及が不足しているというふうに言わざるを得ません。

 女性国連機関の提言では、十七のチェック項目まで示して各国に警鐘を鳴らしています。第五次計画には、これらを踏まえた、一歩も二歩も踏み込んだ記載が必要だと思っています。林新局長から御答弁をいただきたいと思います。

林政府参考人 お答え申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症拡大により、外出自粛や休業等による生活不安、ストレスから、DVあるいは性暴力の増加、深刻化が懸念されているところに加えまして、今般のコロナショックにより、女性の雇用に特に影響が強くあらわれております。その一方で、これを契機にオンラインの活用が普及することによりまして、働き方や暮らし方に新しい可能性ももたらされているところでございます。

 こうしたことから、現在策定中の第五次基本計画策定に当たっての基本的な考え方の素案におきましては、新型コロナウイルスによる感染症の影響や変化を踏まえながら施策を進めていくことが重要としているところでございます。本年末を目途に策定する第五次男女共同参画基本計画においては、今後、意見募集や公聴会でいただく御意見も踏まえ、更にどのような記載ができるか、政策の踏み込みについて検討をしっかりしてまいりたいと思います。

大河原委員 あえて言わせていただきますけれども、男女平等社会をつくっていく、そのために非常に重要な時点に今あるわけですね。第五次計画の中には、今おっしゃったパブコメ、専門家会議でもう一度しっかりと審議をする、そしてそこから答申が出されるということですけれども、政府の姿勢は本当にここで発揮されなければなりません。

 コロナのことで女性に対する影響というのは本当に世界じゅうで心配され、それに取り組んでいるところですから、二歩も三歩も先、政治家としても、そして官僚の皆さんにしても、この政策決定は日本の未来を本当に大きく変えるものになりますので、しっかりと注目し、私たちも後押しをしていきたいと思います。積極的な方針を出してください。

 次に伺いたいのは、障害のある方とケアをしている家族が新型コロナウイルス感染、罹患した際の対応についてです。

 地元ではさまざまコロナでのお困り事や心配事を伺う機会がたくさんございます。コロナ禍で介護事業所の閉鎖やサービスの縮小によりまして、在宅でのケアが困難になっています。家族のケア時間が増大し、支援も不十分。障害者が罹患をした場合、軽症の場合でも、ホテルなどへの隔離や入院は困難です。専ら家族のケアに頼る現状では、家族が罹患した場合、障害者本人が罹患した場合、本当に自分はどうなるんだろうか、本当に不安に駆られている方々が多いわけです。さらに、施設の入所者が罹患した場合は施設内での隔離になりますけれども、施設側も人員が大変厳しい状況です。

 こうした現状を捉えて、医療体制をどうやっていくのか、どうなっているのか、そしてまた、どう提供していける医療があるのか、この点について御答弁ください。

赤澤政府参考人 お答え申し上げます。

 新型コロナウイルスに感染した障害者は、原則として医療機関への入院となりますが、軽症及び無症状である場合、医師の判断に基づき宿泊療養等を行うことや、障害の特性を踏まえ、障害者支援施設等の中で療養するということも考えられると思っております。

 厚生労働省といたしましては、このうち宿泊療養につきましては、ケアつき宿泊療養施設を整備している例というのがございますので、そういうものも踏まえつつ、都道府県等にその実施について検討するようお願いをしております。

 また、障害者支援施設内での療養につきましては、施設内療養に備えて、生活空間等の区分け、いわゆるゾーニングでございます、に係るシミュレーションを行うことや、人員体制に関する関係者との相談等をお願いしておりまして、施設内での療養を行う場合の具体的な業務の流れ、それから留意点などについてもお示しをしているという状況でございます。

 また、予算上では、宿泊療養施設の借り上げ費、それから、緊急時の応援に係るコーディネート機能の確保等に関する必要な経費などを補正予算で確保しております。

 さらに、在宅の障害者の家族の方、この方を含む例えば支援者の方とかが新型コロナウイルスに感染して治療が必要になった場合、そういう場合もあるわけでございまして、そうなりますと支援者の方が不在となるわけでございますので、障害者の方が安心して生活できるよう、例えば、医療的ケア児の方であれば、同居の方が感染しますと、同居者にかわる支援者がいないということになりますので、かかりつけ医療機関に相談し、短期入所への移動や、病状の変化を勘案した医療機関への入院を検討していただきたいということも申し上げておりまして、そういう必要な体制整備をお願いしているということでございます。

 引き続き、障害者や支援者が新型コロナウイルスに感染した場合であっても障害者に必要な支援がなされるよう、適切に対応してまいりたいと考えております。

大河原委員 障害を持った方々とその御家族の罹患については、非常に状況が複雑になってくると思うんですね。医療のスタッフ、それから介助をする介護のスタッフ、常にケアということで、非常に大きな不安と闘いながらやるわけですから、ぜひ、その点も、障害を持つ方々に安心が渡るように、今はしようがないかな、諦めとあるいは絶望、こういうことが伝わってはならないと思うんです。

 きのう、ニュースでECMOカーの活用のことを言っていました。緊急の救急チームということも、もっともっとつくり出すべきだと思いますし、それにあわせて、障害者の方々を支えていく、そういうスタッフのさらなる感染症の研修、こういったことにも力を尽くしていただきたいと思います。

 次に、新型ウイルス感染にかかわる介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱い、第十二報について伺います。

 これは、介護報酬の特例措置によって、利用者から同意を得て、利用時間でもないけれども、二区分上位の報酬を、少し上の報酬を算定して利用者に自己負担を求めるものです。

 今回の利用者負担はわずかとはいえ、特例措置の期限が不明であること、それから、長期にわたれば、これは当然ながら利用サービスの手控えが起こりますし、介護の重度化、それから家族介護の負担増、そして家族の介護離職ということも招きかねません。

 コロナ禍の中で、利用者支援を継続した事業所に対して評価を行う、こういう考え方はわかります。認識はしています。しかし、余りにも唐突な利用者負担、それから算定の基準が不明確な点、そして感染予防に努めたという尺度の曖昧さ、これが指摘されているわけです。そのために算定を断念した事業所も少なくないと聞いています。さらに、同意した人と同意しない人とに不公平が生じる。

 サービス利用者が自己負担することなく、新型コロナウイルス感染拡大防止の適切な評価、これは公費によるべきだと思います。したがって、この方式については撤回をすべきと考えますけれども、いかがでしょうか。

堀内政府参考人 お答え申し上げます。

 今御質問いただきました特例は、通所サービス事業所等におきまして、新型コロナウイルス感染症対策に要する時間を介護報酬上評価する取扱いを可能とするものでございます。

 この特例につきましては、今御指摘いただきましたように、利用者負担を求めずに実施すべきであるというような御意見もいただいているところではございますが、感染症対策の徹底は利用者の安全、健康を守るためのものであり、利用者にとってもメリットがありますので、通常の介護報酬と同様に、利用者にも御負担いただくことは必要であると考えております。

 今般の特例措置のこうした趣旨につきまして、利用者やケアマネジャーの方々に御理解いただくことが重要であると考えております。今御指摘ありましたように、算定したかどうかとか、利用者の同意がとれるのが大変だというような御意見もありますので、特例措置の利用状況の実態把握に今後努めるとともに、引き続き必要な周知に努めてまいりたいというふうに考えております。

大河原委員 利用者に継続的な支援を行うということは大事です、もちろん大事です。だけれども、この決め方について、そして、利用者が合意するかどうかについて不公平が起こる、これは看過できません。こんな不公平なやり方をやるということ自体がおかしなことだと思います。

 ケアマネジャーの皆さん、介護支援専門員の皆さんが地域でアンケートなどもとっておられますので、そういったこともしっかりと把握をして、これは早急に、改めて撤回を求めてまいります。

 次に、持続化給付金の支給対象の拡大について伺いたいと思います。

 きょうは、私は、ワーカーズコレクティブで働く知人の新聞への投書がこの間ありましたので、それをまず御紹介させていただきます。ワーカーズコレクティブというのは、日本に適した法人の形態がございません。なので、やむなく人格なき社団ということを選択して活動している方々です。

 この方は、二十八年前に事業届を出して以来、法人登記はしていないが、毎年きちんと法人税を納めてきた。コロナ禍で二カ月間休業を余儀なくされ、売上げは前年より八〇%以上ダウンした。それで持続化給付金を申請したが、法人番号がエラーと受け付けてもらえなかった。いわゆるみなし法人で、法人番号を持っていても給付対象ではないという。法人格はないが、二十八年間地域で真摯に商いをしてきた。それなのに、まさかこの状況で、まるで存在していないもののように取り扱われるとは。それも税金を納めているこの国に。絶望的な気持ちでいる。事業の低迷は何としてでも耐えようと思うが、国に見捨てられたこの苦しさに耐えるすべが見つからない。こういう投稿でした。

 私たちは、この人格なき社団の皆さん、地域の相互扶助の力をかりながら、地域に必要な課題を解決するために事業を行っている方々にどうしてこの持続化給付金の支給対象を広げることができないのか、支給対象とするよう強く求めるものです。

 七月十日の政府・与野党協議会では、中小企業庁の部長は、自治体の首長が証明すれば対象にすることができるかもしれない、ちょっと希望的な発言をされました。ぜひ前向きな御答弁をお願いします。

奈須野政府参考人 お答え申し上げます。

 持続化給付金でございますけれども、新型コロナウイルス感染症の影響で特に影響を受けている事業者に対して、事業の継続を下支えして再起の糧とするということを目的として現金を給付しておりますので、給付後も安定的に事業を継続してもらうということが重要でございます。

 そこで、事業体としての永続性、それから、個人財産との混同を防ぐという観点から、法人格があるということを要件としております。

 御指摘のみなし法人でございますけれども、法人格がない社団又は財団であって、収益があるということで法人税を納めているという団体の概念ということでございまして、全国で二万社程度ございます。

 これらの団体には、年金基金、それから、保険組合、マンション管理組合、町内会、サークル活動とかさまざまなものが含まれまして、構成員の福利厚生、財産管理、そういった共益事業や相互交流、意見交換というものが多数を占めております。

 こうした団体は、構成員からの会費や掛金で活動費が賄えるものであって、たとえ法人税を納めているということであっても、公費による支援にはなじまないというふうに考えております。

 こうしたように、人格なき社団というのは非常に多様な実態がございます。

 中小企業庁においてそれぞれの団体内容を一つ一つ分類して給付の是非について判断する基準をつくるのは、非常に困難でございます。

 また、申請された内容について審査するには現地で確認するということが不可欠なわけですけれども、国が全国津々浦々で活動している団体の実態を把握するということも現実的ではございません。

 そこで、地方自治体の中には、顔の見える距離できめ細かい対応ができるというメリットを生かして、公共施設の指定管理者となっていたり、あるいは自治体の支援制度の対象となっているような団体に対して、それぞれの活動の地域社会における意義を踏まえて、法人格がなくても独自に給付金の対象としているというところもございます。

 人格なき社団について国の持続化給付金の対象とすることは困難ではございますが、こうした方法によって、自治体の創意工夫を通じて、さまざまな地域の、地域に根差した活動が支援されるということが重要と考えております。

大河原委員 今の人格なき社団のこともそうなんですが、西村大臣、済みません、私たちが今コロナ対策でやろうとしていることは、例えば定額給付金、一人残らず給付をする、そういうことですよね。一人残らず救出する、救援の手を差し伸べる、こういうことだったと思うんです。これは、今るる説明があったように、各省庁がそれぞれやってきた範囲の中でこれを緩めることとか、例えば、住所がないからホームレスの方たちの申請ができない、こういったことを乗り越えて、一人も取り残さずにこのコロナ危機を乗り越えていく、そういう国の姿勢が見えなきゃいけないことだと思うんですよ。

 申請の期間を、例えば、ホームレスの方々は手続が手間取ると思います。自治体によってはもう期限が切れているということにするかもしれません。でも、そこを、やはり、期間を延ばそう、あるいは、そこは柔軟に対応しろ、とにかくこの政策の中心は、一番困っている人に一番必要なものを届ける……

松本委員長 大河原さん、時間超過していますので。

大河原委員 はい。

 ということなので、決意だけで結構ですけれども、政治家として答えてください。

西村国務大臣 ただいま特別定額給付金のホームレスの方への支給の課題について御指摘がありました。

 四月二十七日時点を基準日としておりますけれども、この時点で住民登録がない方においても、シェルターや無料低額宿泊所といったところを含めて住民登録をいただければ給付の対象になるということで、市町村やそれぞれの支援団体でもさまざまな周知活動をされてきたものと思います。

 これは、まだ期限が残っているところもありますし、総務省として申請期限を延長することはないと考えているというふうに聞いておりますけれども、引き続き、ホームレスの方を対象とするものも含めて、積極的に周知を行っていただければと思います。

 それから、ただいまの持続化給付金の件もそうなんですけれども、国として、不正を防止したり、さまざまな観点から一定のルールでやっておりますけれども、どうしても目の届かないところが出てきます、手の届かないところが出てきます。

 これは、それぞれの地域で、都道府県、市町村に地方創生の臨時交付金を三兆円お配りをいたしておりますので、手の届かないところ、我々が行き届かないところは、ぜひ、それぞれの市町村、都道府県において、こうした交付金も活用していただいて、しっかりと多くの方、苦しい状況にある方への支援をしていただければと思いますし、国としてもそうしたことをサポートしていければというふうに考えております。

大河原委員 歴史的な緊急事態ですから、ぜひ政治の力を発揮していただきたいと思います。

 ありがとうございました。

松本委員長 次に、早稲田夕季さん。

早稲田委員 立国社の早稲田夕季でございます。

 きょうは、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 冒頭に、きょうは、質問に当たりまして、地元神奈川から大学生のインターン生が多数来られました。今、大学におきましては、本当に、四月に始まってからオンライン授業ばかりで、そして、それでそのまま夏休みに突入する。また、後期もオンライン授業が主でありまして、一部対面授業ということもあるわけですけれども、なかなか通常の学業ができないという状況でございます。さらに、アルバイトは切られ、そして学費が重くのしかかっている、困窮している学生も多かろうということであります。

 その中でございますので、政府も、西村大臣始め、皆さん一丸となってやっていただいていることはよくわかりますけれども、さらなる大学へ、そしてまた大学生への支援をお願いを申し上げまして、質問に入らせていただきます。

 質問の順番を変えまして、まず、きょうは、JCHO理事長、そして分科会の会長もされております尾身先生にお越しをいただきまして、ありがとうございます。

 検査の拡充という大きな題目について伺うわけですけれども、まず、分科会において、八月七日、六つの新たな指標が示されました。このことについてはさきの厚労委員会の方で小川淳也委員が質問されておりまして、尾身先生もこれにお答えをされておりますが、私もどうも腑に落ちない。

 なぜかと申しますと、最初、緊急事態宣言下の状況では、四月七日、これが十万人当たり新規陽性者数が五・〇人でした。指定解除のときには〇・五人の基準になった。そして、分科会で、八月七日、四段階の指標が示されて、四段階の一番重いところで二十五人と基準を数倍に拡大をされておられます。

 この基準を上げた、つまり、大幅に基準を緩和した理由として、感染のいろいろな状況がそのときとは異なっていること、それから、さらに、医療の体制、病床の問題を総合的に判断したと尾身会長も御答弁をされておりますが、そのことについては私も承知をしておりますが、具体的な数値を示して御教示をいただけますようお願いいたします。

尾身参考人 お答えいたします。

 今、早稲田先生が御指摘になるように、基準の数、これが当時と違っているということでありますが、それはまさにそうです。

 基準の数が変化したというのは幾つか理由がございますが、具体的に申しますと、当時と最近になっての感染の年齢構成がまず違うということがありますね。当時は高齢者が多かった、今は比較的若い人が多いということ。それから二番目は、重症と軽症の割合が、今は比較的、当時と比べると軽症者の割合が多いということ。それから三番目には、検査の数、これはまだまだ私自身は検査のキャパシティーを上げなければいけないと思いますが、当時に比べたら少しずつふえているということ。そういうことを考えますと、数をそのまま当時と、そのまま当てはめるというよりは、今申し上げた状況、地域の感染状況、それから医療体制、この準備のぐあいというものを総合的にやるのがむしろ、数をそのまま、同じことを繰り返すんじゃなくてやるということが感染症対策上はより合理的だということで、数を変更したということであります。

早稲田委員 それではなぜ五倍になさったのかということを聞いておりますと時間が来ますのでそこは伺いませんが、今私も、そこのところが非常にまだ、しっかりと、胸にすとんと落ちていない状況であります、先生の御教示いただいたことについては一定の理解をいたしますが。

 それでは、西村大臣。

 以前、五月十四日の記者会見のところで、これは、緊急事態宣言を再指定するようなこと、そのときには基準を厳しくするということをおっしゃっておられました。そして、感染経路のわからない人は今五割だけれども、更に、三〇%ぐらい、厳しくしなければいけないのではないかということもおっしゃっていました。

 そして、三カ月後の八月七日の会見では、私の言ったことよりも専門家がおっしゃったことの方が正しかったと。その理由としては、新規の陽性者数よりも医療体制、病床こそが一番重要なんだと力を込めておっしゃっておられました。

 そこで、内閣官房に伺います。

 私が見ている、分科会にも出されている入院者数云々の割合という表を見ておりますと、四月の二十八日と、それからこの八月七日の分科会の前の、八月四日の指標を見ても、全国規模で申しますけれども、その入院者数、病床数の割合として、四月は三四%でありましたが、これが二三%に、まただんだん、徐々に戻りつつある状態でした、八月四日が。

 それでは、内閣官房に伺いたいのは、八月二十一日、現在の直近でありますけれども、この確保病床使用率がステージ3の二五%以上に達している都道府県が何県あって、それから、この医療提供体制の五つの全ての指標が、全ての指標です、これがステージ3に達している県がどこなのか教えてください。

梶尾政府参考人 お答え申し上げます。

 八月二十一日に厚生労働省が公表しました新型コロナウイルス感染症患者の療養状況、病床数等に関する調査、これは十九日のゼロ時の時点でございますけれども、では、全入院者数での確保病床使用率がステージ3の指標、二五%以上に達しておりますのは、茨城、群馬、埼玉、東京、石川、愛知、滋賀、大阪、兵庫、徳島、福岡、沖縄の十二の都府県でございます。

 ただいまのは全入院者数ですけれども、重症者数での確保病床使用率がステージ3の指標、二五%以上に達しておりますのは、大阪、福岡、沖縄の三府県でございます。

 御指摘の医療提供体制の五つの指標というのは、今の全入院者数での確保病床使用率と確保想定病床使用率、及び重症者数での確保病床使用率と確保想定病床使用率、及び全体の療養者数の人口十万人単位でございますけれども、これが全てステージ3に達しておりますのは、大阪府と福岡県と沖縄県の三府県でございます。

早稲田委員 今お答えをいただきましたとおりでございまして、十二県。これがもう既に3以上になっている指標であります、二十一日現在ですね。そして、八月四日から上がってきてこの数字であります。

 先ほど、尾身先生は、新規陽性者数はピークアウトではないかというお話もいただきましたが、その後の重症者数、これが大変なんだ、注視をしていかなければならないという答えに鑑みれば、この医療体制の逼迫ということがこの中でもう既に起こりつつある、ステージ3ですから起こっていると言っても過言ではないのではないか。

 西村大臣は、このことについて、医療が一番大切だとおっしゃった中で、更に基準を緩めた。そのときに、八月四日にはもう既に医療の体制は逼迫しつつあったわけですけれども、なぜこのようになさったのか。医療の逼迫ぐあいについて、どのような御見解をお持ちでしょうか。

西村国務大臣 御指摘のように、四月、五月の感染状況と今の感染の状況、新規陽性者の数だけ見れば確かに数は非常に多いわけですけれども、若い方が多いとか、そして、今尾身先生からもありましたけれども、さまざまな経験を積んで、院内感染や施設内感染、東京ではもうかなり減っています。これはPCR検査がかなり導入されてきている効果もあると思います。そして、治療法も、レムデシビルとかデキサメタゾンという治療薬も承認をされ、そして標準治療法として規定をされております。こういったこと、さまざまな経験を踏まえて、今の状況について、そうした経験、新たな知見も踏まえて分析をしていかなきゃいけないというふうに考えております。

 したがいまして、当初考えていたよりも、病床あるいは重症化、病床の数の確保あるいは重症化する人の数、こういったものを十分注視しながら判断をしていくわけでありますけれども、御指摘のように、ステージ3に該当する項目が当たっている県も幾つか出てきておりますし、沖縄の場合にはステージ4に当たるものも指標が出てきております。これは、当然、病床の使用率が高まってきているわけですから、我々も非常に警戒感を持って、それぞれの都道府県と連絡をとりながら、病床の確保なり、あるいは、軽症の方、無症状の方はホテルに入ってもらうということで、その療養施設、ホテルの確保などにも国としても支援をしてきているわけであります。したがいまして、危機感、警戒感を持ってこの間ずっと注視をし、また都道府県と連携をし対応してきたというのが実情でございます。

 そうした中で、先般、七月末に、新規陽性者の数について見れば、発症日ベースのエピカーブで見ればピークを迎えた可能性があるということで御指摘をいただいておりまして、この後、予断を許しませんが、重症者は当然後からおくれて出てきますので、この一週間、二週間とか、予断を許せないということで、先週も申し上げましたけれども、しっかりと病床を見ながら、都道府県と連携して、命を守るということに全力を挙げていきたいというふうに考えております。

早稲田委員 御丁寧に御説明いただきましたが、私は医療のことだけを伺っているんです。それは、大臣が、新規陽性者数よりもそちらが大切なんだとおっしゃるから。そして、十二都道府県がもう既に3ステージになっているということを見れば、非常に重大な局面を迎えているということはもう火を見るより明らかであります。そこを説明のところから除外して、新規陽性者数はこうですということだけでは、国民にはなかなか伝わりません。私だって、これをみんな見て全部書き込まない限りわからないわけですから、毎日いろいろデータは出していただいていますけれども、継続してそれを見ていかないと一つもわからない。もちろん私は専門家ではありませんから、尾身先生にはまたお考えがあるかもしれませんけれども、やはり、そういう、今、八月におっしゃっていたことをしっかりとここでも披瀝をされて、そして、こちらの数字はこうだけれどもここはこうだからということの御説明は必要なのではないでしょうか。突然、陽性者数が少し減少になったからとそこだけを取り上げるのはいかがなものかと私は感じます。

 そして、その上でですけれども、今、そうした状況の中で、残念ながら基準が緩和をされております。そして、ゴー・トゥー・トラベルも、いろいろ議論がありますが、地域によっては全然効果が出ていないというところが非常に多い中で、このような、誰が見ても、カーブを見てみると、第一波よりも第二波の方が大きいんですよ、カーブが。それが下がってきたかもしれないけれども、大きいということは事実なんです。その中で、西村大臣は、第二波という定義もないとおっしゃる。そういう言葉の、何か惑わしでやられるのは、私は誠意がないのではないかなという感じがしております。

 だから、そういう意味においても、まだまだ不十分なんです。そして、ゴー・トゥー・トラベルを延期して、必要なときにやるのは、私たちももちろん大賛成です。でも、今、効果がないということが第一弾で出ているわけですから、そういうことも踏まえてぜひお考えをいただきたい。

 それから、PCR検査の拡充です。拡充をされた、されたというふうにおっしゃっています。それは前よりは当然、二万件、三万件、五万件のキャパがあるかもしれない。でも、社会的検査として、社会的なインフラを維持するための検査を公費でやるというところまでには全く至っておりません。

 このことについて伺いたいのですが、昨日、世田谷区の保坂区長から、新たに世田谷区でなされる、これは、もちろん濃厚接触の方は三百人から六百人に倍増する、それ以外の介護者それから保育者、そういう現場の方たちにも一日千人あたりの検査をするということを民間にも委託をしてやられる、全て公費で四億余りということであります。

 こういうことをやっていらっしゃる自治体がどんどん出てくると思いますが、それにしても費用がかかることですし、いろいろ圧力も強いと区長はおっしゃっておられました。この国はなかなか、検査を拡大するということに対する非常に逆の圧力が強いんだということを話されておりまして、大変残念なことですが。

 それを払拭するためにも、政府としても、ぜひ、先ほども大河原委員がおっしゃいました、エッセンシャルワーカーについての不安を払拭するために、国民の皆さんに安全そして安心をしていただくための社会的検査をもっと拡充すべきだと私は思いますし、それが先ほど尾身先生がおっしゃった、前と違ってコロナウイルスについてはある程度わかってきた、そしてこれをマネジメント、コントロールできるのではないかともおっしゃっていました。そのマネジメントの方法の一つの大きな柱がこの社会的な検査を拡大していくことではないかと私は考えます。

 このことについて、残念ながら厚生労働省は、きのうの厚生労働部会でも前向きなお答えはしておられません。まだまだ後ろ向きです。でも、尾身会長、分科会の会長としてどのような御見解をお持ちでしょうか。社会的検査を拡大していくことにぜひ後押しをしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

尾身参考人 お答えいたします。

 私ども、私も含めて分科会では、先日、これからの検査のあり方についてということで政府に提案しました。

 簡単に要約をしますと、私どもは、国民を検査という観点から、文脈では三つのグループに分けたらいいと思います。

 それは、一つは有症者ですね。これはもう当然のことながら、発熱なんかがあったらすぐに検査をする体制。我々はこれを1と言っています。

 その他、今度は無症状の人も大きく二つに分けて、無症状の中で、今先生がおっしゃったような、必ずしも感染者がいないんだけれども、そこでリスクがある、あるいは感染が起こると死亡者がたくさん出てしまうような状況がありますよね、そういうカテゴリーは、これは我々は2aと言っていますが、そうしたものには、私は、1と一緒に、最初のカテゴリーと一緒に集中的なリソースの投入が必要だと思います。

 最後の三番目の、いわゆる、まだそれほど事前の確率も少ないし、検査をやってもほとんど、これについては、例えば外国に行くときに、外国に行くビジネスマンが、相手国がPCRの検査をしていないと、いわゆる陰性の証明ですよね、そういうことについては当然、そういう場合やる。あとは興行ですよね、スポーツとかそういうような幾つかのところにはリスクが少なくてもやるという。

 そういう意味では、この検査というものは、民間と国がそれぞれできる役割が違いますよね。そういう意味で、オール・ジャパンで最初の二つのカテゴリーは集中的に、最後のカテゴリーについては、国民的なコンセンサスを得る時期に来て、どういう形で国が応援するのか、どこまでするのかということを早急に結論を得る時期に来たというふうに私は思っています。

早稲田委員 尾身先生からも大変前向きなお答えをいただきました。三番目についても、国民的コンセンサスを得て国が支援できるようにということだろうと私は理解をさせていただきました。

 民間でやるだけでは、三万円ぐらいのもので普通の方がどんどんできるわけではございません。これを抗原検査キットなどの千五百円とかそういうものも使えるように、それからまた支援をしていただけるようにして、そして、高齢者の方の重症化につながらないような方法をもっと積極的にとっていただくことを要望をいたしまして、そして、費用対効果というお話もありますが、五百億円のアベノマスクよりは、この世田谷区の予算は四億円ですから、それを見ても、多くの方々に安心を得ていただくための検査の拡充を切にお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。

 たくさん残りましたけれども、御答弁をいただけなかった皆様には申しわけなく思います。

 ありがとうございました。

松本委員長 尾身先生、きょうは本当に忙しい中、御多用の中お出ましをいただいて、ありがとうございました。委員会を代表して、心から厚く御礼を申し上げます。

 どうもありがとうございました。(拍手)

 次に、吉田統彦君。

吉田委員 立憲民主党の吉田統彦でございます。

 極めて短時間の質疑になりますので、私も端的にわかりやすく質問してまいりますので、端的にお答えをいただきますようお願いを申し上げます。

 まず、西村内閣官房副長官、お忙しい中、来ていただきました。よろしくお願いいたします。

 まず、内閣総理大臣、安倍総理の体調に関して、国家のリーダーであり、最高指導者、VIPであります。こういった方がこのコロナの時期に大学病院、私も大学病院の勤務が長いですし、今も総合病院の勤務をしておりますが、七時間いたということは、私の医師としての常識から見ても、通常の状態ではない、検査だけではなく何か特殊な治療をした可能性すらある。また翌週、これは十七日でありましたが、二十四日もまた追加の検査ということで、本当に、なるべく人が病院に、総合病院に行かないようにしている状況の中で、こういった長時間、また密に、一週間ごとに、一週間後にまた検査ということで、これはもういち早く御自身の口から状況を説明していただく、そういったことをまず切にお願いを申し上げますので、官房副長官、御対応ください。

 そして、その上で、このコロナ特措法の改正や、本日もちょっと報道で出ておりましたが、感染症法の二類の見直し、あと予備費の活用等に対する行政監視等々に対して、臨時国会をいち早く開かなければいけない状況である。我々はもちろん要望を出しておりますし、国民の多くが思っている中で、臨時国会を早期に開かない理由を明確に御答弁いただけますか。

西村内閣官房副長官 国会の早期召集につきましては、国会のことでもございますので、与党の皆さんともいろいろ御相談しながら対応してまいりたいというふうに考えております。

 いずれにしましても、現在、新型コロナウイルスの感染症対策に関係省庁を挙げて取り組んでいるところでもありまして、その中で、通常国会で成立した本予算そして補正予算の執行に、まずはしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

吉田委員 内閣総理大臣は自民党総裁でもいらっしゃいますので、自民党の意思決定をされるのは総裁であると考えます。野党としては、もういち早く開くように要望しているわけであって、あとは、与党の総裁がお決めになれば国会というのは開けるわけでありますから、その中に、常識的に考えて、臨時国会を開かない理由というのは総裁がお持ちであると考えるのが通常であると思いますが、内閣の一員として、そこはどうお考えなんですか。もっと明確に、ないんですか、国会を開かない理由というのは。

西村内閣官房副長官 安倍総理は自民党の総裁でもあるというのは御指摘のとおりでございますが、自民党は非常に民主的な党でございますので、党の運営に関しましてはしっかり党の方と協議をさせていただきたいというふうに思っております。

吉田委員 要は開きたくない、そういった答弁に聞こえました。それならそれで結構でございます。

 官房副長官、どうぞ、お忙しいので、これで結構です。ありがとうございました。それを聞きたかっただけなので、ありがとうございました。

 それでは、貴重な時間なので、どんどんいかせていただきます。

 今度は、また西村大臣に御質問させていただきます。

 先ほど来の答弁や議論を聞いておりまして、何か二波でないということを、認めたくないような御答弁がやはり感じられます。ただ、さっきの尾身理事長の話、西村大臣は聡明な方でいらっしゃるので矛盾はわかっていると思うんですけれども、ピークアウトとかピークの話をしている時点で二波の話をしているんですよ、尾身先生は。ピークアウトとかピークの話、さっきの理論的、あれは統計の話ですから、私も統計はある程度専門ですからわかるんですが、ピークの話をしているんです。二波の話をしているんですよ、尾身理事長は。だから、二波なんですよ。そこはもう認めていただかなきゃいけない。矛盾しちゃいますよ、そうじゃないと、答弁が。尾身先生の言ったこと、全部矛盾しちゃいます、ピークの話をしている、第二波の話をしていたんだから。

 それよりも、大臣、大事になるのは、インフルエンザが秋から冬にかけて到来してきます。第三波というものがインフルエンザとのコンビネーションで国民を、そして医療機関を襲います。この第三波に関しては、大臣、どのように対応して、どのような防御対策、いろいろ政策的なことをお考えなのか、お答えいただけますか。

西村国務大臣 お答え申し上げます。

 私もこれまで、会見でも答弁でもそうなんですが、新規陽性者の数で見れば、これは、四月、五月に経験した、これを、武漢から来たものを第一波と呼び、ヨーロッパから来たものを第二波と呼ぶのもありますし、これを第何波と呼ぶというのはありますけれども、あの緊急事態宣言の大きな流行と同じか、あるいは、日によっては当然それ以上の陽性者の数が出ていますので、そういう意味で、大きな波であること、流行であることは間違いないということを答弁しておりますが、何が第一波、何が二波というのは定義がないということで申し上げておりますので、当然……(吉田委員「波と認めていただければ結構です」と呼ぶ)ということでありますから、その点をまず申し上げたいと思います。

 その上で、これは、厚労省の感染症の専門家の皆さんが開いたアドバイザリーグループにおいても、インフルエンザ、この秋冬にかけての流行とコロナへの対応と両方やらなきゃいけない可能性があるというか、当然そういうことを想定しなきゃいけないということで、いろいろな指摘をいただいております。検査体制、それからワクチンの体制、そういったことも含めて、しっかりとこの対応をしなきゃいけないということで、現在、厚労省を中心に議論を進めているところでございます。

吉田委員 波ともう認めていただいたので、大波と認めていただいたので結構です。第二か第三か、それは大臣がおっしゃる、大臣は本当に聡明でむちゃくちゃ賢い方なので、もうわかっていらっしゃると思うので、余り、さっきもお話が出ましたけれども、言葉遊びになることなく、大波であるのはもう間違いないので、そういった御答弁をしっかりしていただきたいと思います。

 それで、大臣、特措法の話は先ほど出ましたので、ちょっと私、準備していたんですが飛ばさせていただきまして、きょうの報道でも出ておりますが、感染症法に関して二類の見直し。今、二類の類型に入ってございますね。ただ、これはもう矛盾してしまって、二類相当の対応ができていないのは、もう大臣よくよく御存じなんだと思います。

 それで、では、この二類の見直しということであれば、なおさら臨時国会をすぐ開くべきなんですけれども、大臣、それとともに、どうして変えなきゃいけないのか、何を変えるのか、どのように変えるのかを御答弁いただけますか。

西村国務大臣 指定感染症としてこの新型コロナウイルスは扱っておりまして、結果として、さまざまな政令でいろいろな措置を対応してきた結果、実態上、二類相当、二類と同等のものの対応になっているというのが実態だというふうに理解をしております。

 そうした中で、さまざまな医療機関の方々から、軽症の人、無症状の人も含めて入院の措置をとるのかなどといったさまざまな御指摘をいただいてきたところでありまして、私も強い問題意識を持って議論、検討をしてきたところでございます。

 そして、先般、分科会から、改めてこのことについてしっかりと議論、検討をするようにということで提言をいただきましたので、厚労省において、さまざまな論点はあると思います、私の方の論点で一つ申し上げれば、例えばで申し上げれば、就業制限をかけられるという措置もありますので、これをどうするか。陽性者の方がどこかに就業する、仕事をすることで感染を広げる可能性がありますので、こういった措置がとれることもあります。また、建物の立入り制限をすることもできるようになっております。

 それぞれ、さまざまな規定がございますので、一つ一つについて、今回、無症状の方、軽症の方が多いということも踏まえながら、厚労省においてしっかりと検討を進めていくというふうに理解をしております。

吉田委員 ぜひ検討を進めて、国会を開いて、改正の方を進めていただきたいとお願いします。

 今、大臣、くしくもやはりおっしゃったんですけれども、本当にこれは難しい問題を内包しているんです。軽症の自宅待機があるがために、逆に、大臣、これで家族内感染が広がっている面がありますよね。トイレを共有していることがほとんど、トイレはやはりリスクですよね、同じトイレを使うこと。そういった形で、家族内の感染、家族内クラスターというんですかね、そういったものが出てきているので、いち早く、やはりこれは、類型の整理とともに、そういったところをしっかり対応しないといけないと思います。西村大臣は、しっかりと、今伺うと、危機意識は相当持っていらっしゃるし、いい形を目指して改正する意欲に燃えていらっしゃると感じましたので、それで結構です。

 ちょっと時間がないので、次に行きます。

 今度は、橋本副大臣にお伺いしたいと思います。

 ワクチンに関して副大臣にちょっとお伺いしたいんです。もう何のことかおわかりで、よくレクでしっかり聞いて。

 とにかく、国産で、すばらしいワクチンをつくるのは極めて重要な問題だと思います。しかし、実は、一番多くの予算がついているのは、三十億円程度ですよね、アンジェスの、いわゆるDNAプラスミドワクチンという、今まで、有史上、使われたことがないワクチンなんです、これは。

 今回の世界的な研究を見ていても、新規技術というのがかなり入っています。これは、平時であれば、もちろん、そういったものをどんどん育てるということは大事なんですが、私は、個人的な感想としては、この前、アメリカ時代に一緒に共同研究をしたノーベル賞学者ともちょっと話したんですが、こういったときこそ、古典的な方法によるワクチン製作を重視した方がいいんじゃないかと、まあ、それはノーベル賞受賞者個人の意見ですけれども、おっしゃっていました。私も同じことを思うんです。

 その中で、DNAプラスミドワクチンというのは、もう副大臣御存じのとおり、まず抗体産生能が弱いんです。つまり、病原体から体を守る力が弱いことを開発者御本人がインタビュー等々で認めています。かつ、副反応が、データによっては、三割、四割起こるなんというデータもありますよね。非常に高い割合で副反応が起こる。つまり、危ないし、効果が薄いワクチンなんですよ、これは。私も多くの医者に、これが認可されたら使うか、自分は使うかと聞いたら、みんなノーですよ、みんなノー。東大の教官もみんなノーです。名古屋大学の教官も、私が聞いた人はみんなノー、使いたくないと。

 なぜこれにトップの予算がついているのか。開発者の方は、御自身もおっしゃっていますが、安倍総理のゴルフ友達であると。御本人も、これは私も直接知っている方ですから、おっしゃっているんですが、何でこの額の予算がついたのか。それは、私はそんな、国民の命にかかわることなので、ゴルフ友達だからなんと思いたくないですよ。

 ただ、今、科学的に、エビデンスの中で、効果が弱くて安全性が担保できないワクチンになぜトップの三十億の予算がつくのか。そのお答えを明確に、副大臣、お答えいただけませんか。かなり細かくレクしてありますから、しっかり答えてください。

橋本副大臣 ワクチンの開発につきましてお答えをいたします。

 まず、新型コロナウイルスのワクチンにつきましては、政府としても、できるだけ早期に国民に供給できるように、日本じゅう、世界じゅうの企業、研究者の英知を結集して開発を進めておりまして、これまで第二次補正予算等におきまして、研究開発及び国内の生産体制の整備を全面的に支援をしております。

 例えば、研究の体制の支援、それから生産体制等緊急整備事業などで、ワクチンの整備というのは、我々は支援をしている。そして、今御指摘のあったアンジェスさんもその一社であるということは、それは間違いないところでございますが、ただ、例えば生産体制等緊急整備事業では、九事業者の応募があって、六事業者に対して交付をしていて、そのうちの一つがアンジェスであるということでございまして、先ほどの、それについては、さまざまな専門家によってきちんと進捗等を見ていただいて、採択を決めていただいた、こういうプロセスを踏んでおります。

 御指摘のように、DNAプラスミドによるワクチンというものについて、これまでの実績も余りあるものではございませんし、また、一般論として、それのほかの種類の、例えば、不活化ワクチンでありますとか組み換えたんぱく、ペプチドワクチンでありますとか、そうしたさまざまな方法の中で、免疫がつきにくい可能性があるという指摘があるということも私たちは承知をしております。

 ただ、先ほど、例えば六種類のものについて生産支援の事業に採択をしたと申しましたが、その中にはさまざまな種類の開発によるワクチンというのを含んでおりまして、実際にどのワクチンが効くのか、成功するのかしないのか、そうしたことがわからない中で、どれだけきちんと国民の皆様にワクチンを提供できるか、こうした観点の中で、そして、もちろん、補助をする対象として適切かどうかを評価をした上で、私どもとしてはそうしたものの支援を決めたということでございまして、私たちとしては、一日も早く国民の皆様に安心していただけるように全力を尽くしてまいる所存でございます。

吉田委員 いや、尊敬する副大臣がそんな御答弁では困ります、はっきり言って。

 だから、全然答えになっていないんですよ。普通に、御本人も認めているように、抗体産生能も弱い、副反応が高いワクチンをなぜ優先するのかがよくわからない。なぜ一番大きな額が、だから、そこだけ答えてくれと言っているんですよ。

 だから、理由はないわけじゃないですか。理由がないと、また私はそう思いたくないと繰り返し申し上げますが、ゴルフ友達だからそういう予算をつけたと、みんな、やはりまともな科学者が見ると思っちゃうんですよ。だから、もうちょっと明確なエビデンスを、なぜそこに最大の予算をつけなきゃいけなかったのか、なぜそれを採択したのか、本当に国民のためになるかというお答えを副大臣から聞きたかった。

 しかし、るる私が聞いていないことを説明されましたので、もう時間がないので、次に行きます。

 じゃ、副大臣、もうちょっとこれは答えやすいお話です。

 病院が赤字なんですよね、副大臣。総合病院を中心に赤字です。総合病院というのは労働集約型で、非常に利益が出にくいですよね。副大臣はよく御存じだと思います。

 その中で、病院に潰れてもらってはいけない。中核病院は、今本当に、手当が削られたり、大学病院も、手当が削られたり、ボーナスが削られたり、時間外が削られたり、コロナの最前線で戦っているにもかかわらず、そんな不当な扱いを受けている、そんな感じなんですよ、副大臣。これは、このまま診療報酬の積み上げ型の形でやっていると、絶対に破綻します、一〇〇%。

 私は、例えば、昨年比で減少した診療報酬の五割とか八割を公費で補填するとか、まず、そういうことでとりあえず当面のしのぎをさせる。だから、お金を貸すではだめなんですよ、副大臣。お金をただ貸してあげるだけでは立ち直れない。もうパラダイムシフトをしないと、副大臣、だめなんです。

 そこで、例えば、規模や、病床数ですね、人員数、機能によって診療報酬以外で加算をして、赤字にしないための新しい病院に対する公的な支援というか、いわゆる収益の上げさせ方というのをさせないと、これは、だって、介護とかいろいろな他の事業ではそういうことをやっているじゃないですか。医療においても、機能、権能、規模、人員数、そういったことをやはり見て、収益が上がりにくい業種なんです。井上先生もあそこにいらっしゃいますけれども、井上先生の御実家も病院ですからね。三密ですから大変ですよ、本当に。

 ですから、そういったところを見て、やはりちゃんと評価をするということを今やらないと、病院がばたばたと。崩れたものを直すのは大変です。崩れるのは簡単ですよ、副大臣御存じのとおり。医療崩壊が起こっちゃったら、それを立て直すのは非常に難しいですよ。勤務医もどんどん開業していって、勤務医がいなくなっちゃったということがあったじゃないですか。二〇〇七年、二〇〇八年、医療崩壊が起こっていましたよね。同じことも起こり得ますし、これは大変です。

 副大臣、どういう手だてをされるのか。全国の医療従事者が元気が出るような答弁をお願いします。

橋本副大臣 お答えをいたします。

 医療機関の経営につきまして、補正予算等々、さまざまな支援を行っていることはもう繰り返しません。申しません。

 今御指摘をいただいたような状況があるということは私たちも重々理解をしておりますし、また、関係団体あるいは直接医療機関の方からお話を伺うこともございます。

 もちろん、まずは二次補正をきちんとお届けをするということが私たちとしてまずやらなきゃいけないことではありますが、その上で、さまざま今御指摘もいただいたことも頭に置きながら、どんなことができるか、まずはきちんと実態を把握をし、またいろいろな方のお話も伺いながら、必要に応じてさらなる支援というものが必要かどうか考えて、具体的に何ができるのか、考えていきたいと思っております。

吉田委員 今やはり考えていただかないと、手おくれになります。

 大学病院、私の手元にあるデータでは、二〇二〇年度につき、四千八百六十四億円でしたか、そういった減収になる、そういったデータもあります。これは一般論として非常に厳しいので、副大臣、リーダーシップをとって頑張ってください。

 最後にもう一問だけ、平副大臣に来ていただいていますので、そちらに一問。

 端的に申し上げます。パラジウムがむちゃくちゃ高くなっていますね、副大臣。金もむちゃくちゃ高くなっています。相場として、八月二十四日で、一グラム、金が七千二百八円、パラジウムは七千九百七十円です。パラジウムに至っては、ことしの二月二十八日に一万円を超えていますね、一万九百二十三円。こういった貴金属は歯科医療にとって不可欠なんですね。

 今、診療報酬、二年に一度だったのが、六カ月ごとの随時改定という形で見直されて、かつ、今は、三月、更に改定して、年四回改定できることになりました。しかし、五%ルールと、多くは申し上げませんが、また、一五%以上の変動がないと四回はできない。

 そういった中で、今のような高騰相場だと、いずれにせよ、歯科医師や歯科技工士は損をしていくことには変わりないわけであります。その幅は、確かに改定を繰り返していただければ減るは減るんですが、ここは非常に難しい問題になってしまって、これは対応してあげないと、ただでさえ歯科はコロナでまた減収していますので大変なことになりますが、ここをちょっと一問だけ、最後に、平副大臣、お答えいただきたいと思います。

平副大臣 歯科医療の制度の件は、厚労省にお尋ねいただきたいと思います。

 私の所管は研究開発と新たな新産業の創出でありますので、代替されるそういう素材の開発とか、画期的なものがあれば、御相談をいただければと思います。

吉田委員 チタンなど、そういったものが一応候補にも出たりしているようでありますが、その辺も含めて、代替物も非常に大事ですので。

 しかし、内閣府は医療も担当で、別に研究開発じゃないことも、医療、大臣はちゃんと答弁でおっしゃっていましたよ。だから、副大臣、別に内閣府が所管じゃないということはおかしいと思いますが、また議論をしていきたいと思います。

 以上です。ありがとうございました。

松本委員長 次に、中谷一馬君。

中谷(一)委員 立国社の中谷一馬でございます。本日は、よろしくお願い申し上げます。

 私からは、まず、コロナ禍におけるベーシックインカムの実証実験についてということで伺わせていただきます。

 新自由主義における経済、これは、非正規労働者や派遣労働者、これを大量に生み出し、労働力需給を調整することで人件費、固定費を抑えてきました。その結果、格差は大きく開き、大多数の人々にとって有益に機能していない事実が如実にあらわれ、生活がどんどんと疲弊している現実がコロナ禍で特に顕著となりました。

 そして、IMFの世界経済見通しでは、二〇二〇年の世界全体の成長率、これがマイナス四・九%、日本はマイナス五・八%と、景気後退に陥ると予測をされています。

 新型コロナウイルスの第二波、これが発生をしていく現状、こうしたものが想定をされ、下振れリスクは相当高いんじゃないかということが言われている現状がある中で、スペイン政府が、新型コロナの影響で困窮する低所得家庭に対して、一世帯当たり月五万五千円から十二万円程度の支給を、ベーシックインカムの導入を決定をしました。そして、ドイツやイタリア、フィンランドなどにおいても、ベーシックインカムの実証実験や導入検討が行われている現状があります。

 こうした中、日本においても、全ての人に十万円を配った特別定額給付金、これの影響もありまして、家電を中心に個人消費が伸びておりまして、消費者のマインドが持ち直されている傾向があります。

 こうした現状を鑑みれば、日本においても、インフレ率を考慮した上でベーシックインカムの研究、検討を行うことは現実的にも財源的にも可能でありますから、社会保障並びに経済対策の観点からも検討を行う必要があると考えております。

 行き過ぎた新自由主義に歯どめをかける観点からも、日本において、コロナ禍におけるベーシックインカムの導入に関する実証実験に加え、特別定額給付金の効果検証を行っていただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。大臣の御所見を伺います。

西村国務大臣 御指摘の、ベーシックインカムについての御質問でございます。

 今後、一般論として申し上げれば、人工知能とかロボットとか、こういったものが発展、普及をし、さらに、働き方改革も一層進む、そうした中で、働き方や生活のあり方、こういったものが大きく変わることが想定をされますし、指摘をされているところであります。

 そうした中で、ベーシックインカムについてもさまざまな議論が行われており、これまで、スイス、フィンランド、ドイツなどで社会実験や議論、そして、スペインでの取組も御指摘のとおりであります。

 我が国では、病気やけがあるいは失業、あるいは老後の生活、こういったさまざまな、人生のそれぞれの段階における生じ得るリスクに対して、年金制度や生活保護あるいは生活福祉資金貸付けなど、さまざまなセーフティーネットを講じてきているところでございます。そうしたことを踏まえれば、今直ちにベーシックインカムについて何か検討を急がねばならないという状況ではないというふうに考えております。

 特に、御指摘のベーシックインカムを生活に必要な基礎的な所得としていくということにすると、例えば、その膨大な財源をどうするのか。一人月十万円を一年間続けると約百五十兆円必要になってきますし、現在の社会保障制度をどう再編するのか。二〇一七年度の数字ですけれども、社会保障給付費が約百二十兆円であります。また、勤労意欲を阻害するのではないかといったさまざまな指摘もあるところでございます。

 その上で申し上げれば、御指摘ありました一人十万円の特別定額給付金など、支援策を実施してきたところでありますし、さらに、地域おこし協力隊、これは、一定期間、地域に居住して地域の支援活動などを行うという中で、報償費約二百四十万円をお渡ししているところでありまして、今回の定額給付金一人十万円、それから、こうした制度も、ある意味、ベーシックインカムと類似の効果を持つような取組である、そういった効果も持つのではないかというふうに考えられているところでございます。

 いずれにしましても、経済財政を運営する責任者として、今後、新型コロナウイルス感染症の動向、あるいは、より中長期的な人工知能とかロボットの普及、こうしたことも含めて、将来のさまざまな状況を踏まえながら、幅広い視点からの検討を行うことが必要な課題であるというふうに認識をしております。

中谷(一)委員 御答弁をいただきました。

 私も、第四次産業革命が進んでソサエティー五・〇の時代が迎えられてくる中で、やはりこのベーシックインカムの議論というものは、中長期的には避けて通れない議論だと思っています。

 その中で、あえて申し上げますと、先ほどの十万円を配る特別定額給付金、これは予算規模が十二兆八千八百三億円、一年やれば百五十兆という御答弁をいただいたんですけれども、これを例えば半分ぐらいにして所得税の課税対象とすれば、多分、一回当たり五兆円ぐらいの予算規模で済むと思うんですね。

 なので、そういった柔軟な考え方もあると思いますし、もちろん、財源は、国債の発行に加え、シニョリッジだったりとか、財源のリサイクルとか、いろいろな考え方があると思うんですけれども、やはり、社会を好循環させていくという環境をどうつくっていくかということを私たちは中長期的な目線で考えていく必要があると思っています。

 今のこの財源の現状を見ても、マネーストックも年率五%ぐらいはふやせる水準だと思いますので、ぜひ検討いただきたいということを思っておりますし、フィンランドの研究でも、実証実験を行った結果、やはり皆さんのQOLが極めて向上している、社会生活を非常に送りやすい環境になっているという事実もありますから、そのあたりも踏まえて、直ちに導入してほしい、検討してほしいということを言っているんじゃなくて、まず実証実験をして、それを将来へ備えていただいたらどうですか、若しくは、特別定額給付金、せっかくベーシックインカムに類似したものをやりましたので、その効果検証をしっかりと行っていただきたいということをお願いをしているんですが、大臣、もう一度、いかがでしょうか。

西村国務大臣 御指摘の定額給付金一人十万円のこの取組、それから、繰り返しになりますが、地域おこし協力隊のような取組、ある意味でベーシックインカムに類似の効果を持つような、持つとも考えられるような取組も進めてきておりますので、こうしたことも踏まえながら、また今後、全世代型社会保障を検討を進めていく、社会保障全体を、より安心で、皆さん方に安心してもらえる仕組みに、更にそうなるように構築をしていかなきゃいけない中で、幅広い観点から議論を行っていければというふうに考えております。

中谷(一)委員 ぜひ御検討をいただきたいと思います。

 そして、世界的には、このコロナ禍の現状を踏まえて、消費減税、これに関する取組も進んでいます。

 イギリスでは、コロナ禍によって大きな打撃を受けている飲食店やホテルなどを支援をするため、消費税率を二〇%から五%に引き下げると発表しました。また、ドイツでも、消費税率を一九%から一六%に引き下げ、食料品などに適用されている軽減税率も七%から五%に引き下げられました。

 そして、ドイツの経済研究所によりますと、今回の措置で、一世帯当たり一月最大で一万四千円余りの家計の負担が減り、そして、消費税の減税は、比較的早く実行できて、短期的にも効果をもたらす、景気対策に有効な選択肢だということを示しておりまして、日本経済においても、消費税を一〇%に引き上げたことで、残念ながら、個人消費も実質賃金も下がっていた現状に対して、コロナ禍で、それが追い打ちとなって、非常に厳しい状況を迎えているのは共通認識だと思います。

 こうした現状を打破をしていくためにも、デフレ、低金利が続く日本において、インフレ率をコントロールしながら、私は、時限的な消費税率の引下げを行うことは現実的な解だと思っています。

 例えば、消費税一%当たりの税収は二・五兆円、五%分であれば、一年間で約十二・五兆円となるわけですが、こうした減税を行うことで国民生活を安定させ、その期間に、持続可能な社会づくりに必要な長期的な視点を持った投資を着実に進めることの方が、将来にわたって信頼される国になり得ると思うんですが、いかがでしょうか。大臣の御所見を伺います。

西村国務大臣 消費税についての御質問でございます。

 消費税につきましては、昨年十月の消費税引上げ分、これにつきましては、その全額が社会保障財源に充てられるということになっておりまして、先ほども申し上げました全世代型社会保障制度の構築に向けて、昨年十月からは、幼児教育、保育の無償化の安定財源として充てられるということも含めて、社会保障財源として使われているわけでございます。そのことをまず頭に置かなきゃいけないというのが第一点であります。

 その上で、先ほどの一人十万円の特別定額給付金、これは総額で約十三兆円弱でありますので、消費税率に換算すれば約五%分、これを国民の皆様にお渡しをしているわけでもありまして、実は、イギリスとかドイツとか、それぞれの国でそれぞれの政策がなされておりますが、こうしたお一人お一人に定額給付のような形での施策はとられていないものというふうに理解をしております。

 そうした中で、より所得の低い方には、高額者も含めて一人十万円ですから、より所得の低い方の方がよりいわば還元率が多いというか、消費税に直せば、そういったことも言えるのではないかと思っております。

 そうしたことも含めて、いずれにしても、今後の感染状況、あるいは経済の状況、国民生活への影響、特に、海外の経済の動向も注視をしなければなりません。必要であれば、予備費のさらなる活用も含めて、また、臨機応変かつ時期を逸することなくしっかりと対応し、経済を支えていく、そのために家計や雇用、事業をしっかりと守っていくという決意で臨んでいきたいというふうに考えております。

中谷(一)委員 御答弁をいただきました。

 全て社会保障財源に使われているということだったんですけれども、ちまたでは、法人税の減税に対して使われたんじゃないかという指摘も当然ございまして、この消費税の引上げによって私たちの生活が本当によくなっているのかということが、実感ができていない方が極めて大きいということに加え、やはり、この消費税率を上げていく形だけでの社会保障の維持というものは、人口構造を見たときに、これが本当に賄えるのか。要するに、これから人口が減っていく、今回の出生率の話がまた速報で出ておりましたけれども、そういう環境を迎える中で、例えば、じゃ、これを一五%にしていくのか、二〇%にしていくのか、二五%にしていくのか、そうしていかなければ社会保障は維持できないという論点であるのだとすれば、これは国民生活がもちません。

 なので、どう考えても、短期的に経済を活性化させ、中期的には、先ほど大臣がおっしゃったデジタル化だったり第四次産業革命を進めて、そして、長期的には抜本的な少子化対策であったりとか、そういったフローでの、やはり段階的な経済施策を社会保障を維持する観点からも進めていかなきゃいけないんじゃないですかということを思っておりますので、この議論はこのあたりにさせていただきますが、ぜひ、消費税の時限的な減税も含めた長期的な視野を持った経済施策を進めていただきたいと思います。

 次に、コロナ禍におけるカジノを含むIRの必要性について、御法川副大臣に伺わせていただきます。

 コロナ禍は世界的に続いており、観光産業にも大きな影響を与えています。二〇二〇年七月における訪日外客数の推計値が前年同月比の九九・九%減の三千八百人となっており、四カ月連続で訪日外客数がほぼゼロに近い状態になっております。

 そうした中、カジノを含むIRの誘致をめぐり、横浜市の林市長が、八月十九日、事業者の公募条件などを定めた実施方針の公表を再延期すると明らかにしました。理由としては、新型コロナウイルス感染の再拡大と、政府が整備地域の選定に関する基本方針を策定していないことを挙げておりますので、これに関連して何点か伺わせていただきます。

 まず、IRに関する基本方針についてですが、政府は、ことし一月にも基本方針を公表する予定でしたが、コロナ禍の影響を受けて先送りを続けています。

 まず、この基本方針はいつ公表される予定でしょうか。現時点の見通しについて端的に教えてください。

御法川副大臣 お答え申し上げます。

 基本方針に関しましては、現在、IR整備法に基づいて、カジノ管理委員会を含めました関係行政機関との協議を行っているところでございまして、IR推進本部の決定を経た上で、正式に決定をして公表することというふうになってございます。

 先生御指摘のとおり、横浜市ももちろんそうなんですけれども、IRの誘致を検討している各自治体に対して、現在の準備の進捗状況について、随時連絡をとりながら確認をしているというところでございます。

 そういう中で、このコロナ禍の中で、自治体の状況を丁寧に確認しながら、適切にその時期を判断してまいりたいというふうに考えてございます。

中谷(一)委員 ことし一月公表予定だったものですから、もう半年以上、基本方針の公表がおくれているわけですね。いつまでにお示しいただけますか。

御法川副大臣 先ほどお答えしましたけれども、各自治体、このIRの誘致を考えている自治体も、事業者とのさまざまなやりとり等々で、やはりこれは全て新型コロナウイルスの影響でおくれているというようなこともございますので、その辺、随時地方自治体の皆さんと御連絡をとり、確認をしながら、適切に進めてまいりたいというふうに考えてございます。

中谷(一)委員 自治体の皆さんからの申請の受け付け期間をまだ聞いているわけじゃなくて、政府としての基本方針を御法川副大臣はいつごろをめどに示していただけますか、見通しがあれば教えてくださいということを伺っているんですが、もう一度御答弁いただけますか。

御法川副大臣 今の段階でいつまでにお出しできるという具体的なものはございませんけれども、しっかりと自治体とその辺お話をしながら、適切に考えてまいりたいというふうに思います。

中谷(一)委員 見通しが立っておらず、いつになるか政府としてもわかっていないということでよろしいですか。

御法川副大臣 見通しが立っていないというよりも、今、この新型コロナウイルスの状況の中で、自治体の皆さんも、IR以外のさまざまなことで一生懸命取り組まれているという中でございますので、そういうものも考えながら、確認作業を今随時やっておりますので、状況を見ながら適切に判断していきたいということでございます。

中谷(一)委員 要するに、見通しが立っていないということだと思うんですけれども、今、公表できないということですから。いつぐらいにお示しいただけますかということも御答弁をいただけておりませんので、そういうことだと認識をいたしますが。

 各自治体からの申請の受け付け期間、要するに、基本計画はもう半年以上延びているわけです。にもかかわらず、政府は、二〇二一年一月四日から七月三十日までを自治体からの受け付け期間として、今、日程案を公表しているわけですね。これは、もう四カ月後とかの話なんですけれども、現時点においてこの工程は変わりがないか、所見を伺います。

御法川副大臣 区域整備計画の認定申請期間については、今先生から御指摘のあったとおり、来年の一月から七月までとの案を、これは昨年のパブリックコメントにおいてお示しをさせていただいているということでございます。

 ただ、新型ウイルス感染症の広がりの中で、IRの誘致を目指している、考えていらっしゃる各自治体が、事業者選定などのスケジュールをおくらせているという状況もございます。

 そういうことも承知しているところでございまして、今の案で支障がないのかどうか、ここを、各自治体の意向を丁寧に伺いながら、これも適切に対処をしてまいりたいというふうに思っております。

中谷(一)委員 要するに、変更の可能性も当然あり得るということでよろしいですか。

御法川副大臣 自治体の方の御意向を踏まえながら、しっかりと適切に考えてまいりたいと思います。

中谷(一)委員 答えていただいておりません。

 要するに、変更の可能性があるかどうかということを聞いておりますので、次の質問もあわせて伺いますが、それも変更の可能性があるのかを教えてください。

 IRの開業時期の認識も、赤羽大臣の答弁だと思いますが、コロナ禍の状況で、要するに、事業者の収入も非常に大きく減っていますから、この開業時期も二〇二〇年半ばから後半という認識を現時点では示されているんですけれども、このスケジュールも含めて、各自治体からの申請受け付け期間、そしてIRの開業時期、これは変更の可能性が当然あり得るんじゃないかと思っているんですけれども、現時点においては、これは変わりないのか、変更の可能性があるのか、端的にどちらかで教えてください。

御法川副大臣 先日の赤羽大臣の発言の中で、二〇二〇年代半ば以後というか後半に想定をしているという答弁をしておりますけれども、IRの整備に当たりましては、さまざまな手続、あるいは建設工事等に相応の期間を要するというようなこともありまして、我が国のIRの開業は二〇二〇年代後半になるものと想定しているところでございます。

中谷(一)委員 答弁が漏れています。

 各自治体からの申請受け付け期間については変更がないのかあるのか、これを教えていただきたいのと、もしそのまま維持されるんだとしたら、なぜこのフローで、要するに、コロナ禍も落ちついていないフローで各自治体からの受け付けができると考えているのか、エビデンスも含めて教えてください。

御法川副大臣 先生の今の御指摘というか御質問、ちょっと正確に答えられるかどうかわかりませんが、いずれにしても、IRの事業を考えている自治体が今どういう状況にあって、この計画をどういうふうに考えていらっしゃるのか、これをしっかり我々の方で確認をとりながら、それに応じた形で進めてまいりたいということを先ほどから申しているつもりでございます。

中谷(一)委員 全くお答えをいただけずに残念なんですが、基本方針がおくれて、こういう状況でありますから、変更があるなら、変更がある、ないなら、ない、そういったことをしっかり整理をしていただきたいと思います。

 時間が参りましたのでここで終了させていただきますが、平副大臣、長谷川副大臣、お越しをいただきましたのに申しわけございません。そして、参考人の皆さんにも大変失礼をいたしました。

 質問を終わります。ありがとうございました。

松本委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 きょうは、最初に、カジノ汚職事件について質問をいたします。

 きょう、東京地裁でカジノ汚職事件の初公判が行われております。午前中においても、前観光会社会長があきもと司議員への贈賄を認めるという証言をした、こういうことも報道をされ、午後においても引き続き別件での公判が行われるということであります。

 自民党に所属をしていたあきもと司衆議院議員は、カジノをめぐる汚職事件の収賄容疑で逮捕、起訴されました。カジノ担当副大臣としてIR、カジノの制度設計を行う立場だったのがあきもと司議員であります。このあきもと議員が、保釈中に贈賄側被告に虚偽の証言をするよう働きかける買収工作に関与したとして、再び逮捕されました。その疑惑は極めて重大であります。これらの事件について何らの説明責任も果たしておりません。国会議員としての資格がない、直ちに議員辞職すべきだということを強く申し上げるものであります。

 そこで、西村大臣にお尋ねいたします。

 西村大臣は、二〇一六年のIR推進法案審議のときに、IR推進議連事務局長であり、法案提出者として国会で答弁に立っております。また、政府は、成長戦略の柱としてIR、カジノの整備推進を掲げておりますが、西村大臣はその成長戦略の担当大臣でもあります。カジノを推進してきた政治家として、このようなカジノ汚職事件が起こったことについて反省はありませんか。

西村国務大臣 あきもと議員が逮捕されたことは大変残念なことではありますけれども、その事案については、私、詳細は承知しておりませんし、また、捜査中の事件にかかわる事柄でありますのでコメントは差し控えさせていただきたいと思います。今後、司法の手続、その場を通じて事実関係を明らかにしてもらえればというふうに考えております。

 政府としては、まさに立法府でありますこの国会の審議を経て成立をいたしましたIR整備法、これに基づいて必要な準備を進めていくというのが基本的な立場であるというふうに承知をしております。

塩川委員 いや、IR推進法案の提出者なんですよ。事態がまさにこういうことになっていることについて、率直に法案提出者として思うところはないんですか。おかしいと思わないんですか。

西村国務大臣 繰り返しになりますけれども、逮捕に至ったということは大変残念なことであります。しかしながら、事実は私は承知をしておりませんし、また、捜査中のことでありますからコメントは控えたいと思いますし、今後、司法の場においてしっかりと事実関係を明らかにしてもらえればというふうに考えております。

塩川委員 西村大臣自身、米カジノ企業シーザーズの関連企業にパーティー券を購入してもらったということがあるわけであります。

 カジノ、IRは、刑法で禁じられた賭博を特定事業者に認めるというカジノ特区をつくるというものであります。莫大な利権が絡む事業だ、特定の事業者との癒着が排除できない、まさにそこにカジノの問題点があるんじゃないのか、そういうことは自覚をしておられなかったんですか。

西村国務大臣 私の政治資金につきましては、政治資金規正法にのっとって適正に処理をしているところでございます。

 また、国会での審議を経て成立をいたしましたIR整備法でございますので、その法律に基づいて、国として必要な準備を進めていくということでございます。

塩川委員 腐敗、不正の温床となるカジノについて、そういう認識もなく進めていたのか、このことがまさに問われているんじゃないでしょうか。

 このコロナ禍のもとで、インバウンド頼みのビジネスモデルは破綻をしております。カジノは中止、カジノ法は廃止をすべきだ。カジノ担当副大臣に任命をし、カジノを成長戦略として推進してきたのが安倍総理であり、その責任は重いので、こういった問題についてきちっと国会に出て説明をしていただきたいと思います。

 野党はカジノ法廃止法案を提出しております。市民と力を合わせてカジノ廃止に全力を挙げる、このことを改めて申し上げておくものであります。

 次に、今のリーマン・ショックを超える経済危機の問題、消費税減税に踏み出すべきときではないのか、この点についてお尋ねをいたします。

 ことし四―六月期のGDP、年率換算で二七・八%の減、昨年十―十二月期から三期連続のマイナスであります。リーマン・ショックを上回る戦後最大の落ち込みであります。

 雇用と営業、日本経済に深刻な影響を及ぼす事態であって、雇用を守るために雇用調整助成金や、また休業支援金、これの延長を図ることや、営業を守るために持続化給付金や家賃支援の拡大など、抜本的な対策を求めたい。その一つとして、消費税減税を求めたい。

 安倍総理は、昨年の消費税増税前に、リーマン・ショック級の出来事がない限り、消費税は一〇%に引き上げると述べておりました。しかし、まさに現在、リーマン・ショックを超える経済危機に直面をしているわけであります。

 西村大臣、リーマン・ショックを超える経済危機に直面しているときだからこそ、消費税の減税に踏み出すべきではありませんか。

西村国務大臣 消費税についてのお問合せ、御質問でございます。

 昨年十月、消費税率引上げを行ったわけでありますけれども、政治家誰も、税率引上げ、増税はやりたくないものでありますけれども、全世代型社会保障の構築へ向けて歩み出すという中で、苦渋の選択で増税をしたものというふうに私自身は理解をしております。

 そうした中で、全額社会保障財源に充てられることになっております。幼児教育、保育無償化が、もう既に、先行的に全世代型社会保障の改革の第一歩として進められているところでございます。少子化対策や社会保障に対する安定財源の確保のため、どうしても必要なものであったということ、このことをまず申し上げたいと思います。

 その上で、今般の新型コロナウイルス感染症による経済へのダメージ、これは緊急事態宣言を経験し、人為的に経済をとめましたので、そういう意味で大変大きなダメージがあるわけでありますけれども、一次補正、二次補正において事業総額二百三十四兆円規模の対策を講じているわけであります。

 そうした中で、一人十万円の特別定額給付金も、今やほぼ九九%の五千八百二十六万世帯にお届けをしております。約十二・六兆円でありますが、これは年間の消費税率五%に相当する支援額でございます。消費税率を五%下げるのと同等のマクロの経済効果がある。更に言えば、所得の低い方の方がより恩恵が大きい、消費税額を支払うよりもより大きな十万円ということで、定額でありますので所得の低い方の方がより大きな恩恵があるということも申し上げたいと思います。

 その上で、さらに、今後の内外の感染状況、あるいは経済の動向、国民生活への影響などを今後も注意深く見ながら、必要があれば予備費のさらなる活用、さらには、臨機応変に、かつ時期を逸することなく対応し、経済、特に生活、雇用、事業をしっかりと守っていく、そのために万全を期していきたいというふうに考えているところでございます。

塩川委員 お話がありましたけれども、今、世界的な経済危機で、日本以上にアメリカやヨーロッパなどの落ち込みも広がっているときであります。

 特別定額給付金の話が出ました。これは既に今措置しているものであって、その後、こういったリーマン・ショックを上回るような事態ということがくっきり浮き彫りになった。当然、その先の見通しすら見えていないときであるわけですから、特別定額給付金が効果があった、しかし、リーマン・ショックを上回るような落ち込みが生じたときに、じゃ、もう一回特別定額給付金をやるのか。消費税の減税も含めて、私たちは消費税の五%への減税が必要だと訴えておりますけれども、まさにリーマン・ショックを上回るような事態に直面したときに、そういう対策こそ必要なんじゃありませんか。

西村国務大臣 GDPの四月―六月の数字はまさに二七・八%のマイナスでございましたけれども、これは、四月、五月の緊急事態宣言を発出していた時期に経済を人為的にとめたがゆえに当然悪くなるものでございまして、そのことも頭に置きながら、このぐらいの数字になる、そういったことは当然頭に置きながら、一次補正、二次補正、予算を御審議いただいて成立をさせていただいたところでございます。

 その中で、総額二百三十四兆円の事業規模の予算、今の定額給付金以外にも持続化給付金や、さらには、最近では家賃の支援給付金が給付が始まりました。こうしたものも活用しながら、雇用調整助成金ももう一兆円規模で御利用いただいております。

 雇用、事業、そして何より生活をしっかり守るという強い決意で、引き続き、臨機応変に、かつ時期を逸することなく対応していければというふうに考えているところでございます。

塩川委員 内需喚起こそ必要で、ドイツ、イギリス、韓国などでも付加価値税や消費税の減税などに取り組んでいます。ぜひ、暮らしを温め、中小・小規模事業者の支援策として、消費税の五%への減税、そのための補正予算を組むこと、臨時国会を開くこと、このことを改めて強く求めたいと思います。

 次に、コロナの検査体制の抜本的な強化について、医療機関、自治体への支援を求める問題について質問をいたします。

 厚労省にお尋ねをいたします。

 PCR検査等の拡大に伴う自治体の費用負担についてでありますけれども、行政検査の費用は公費で負担されますが、それについては国と自治体が折半をするということだそうですけれども、しかし、それが自治体としての負担に積み重なっていく、こういう点では、やはり国が全額負担する必要があるんじゃないのか。この点についてお答えください。

依田政府参考人 お答え申し上げます。

 感染症の蔓延防止の観点から行われる行政検査の費用負担につきましては、感染症法の規定により、都道府県等が支弁することとされており、国においては都道府県等が支弁した費用の二分の一を負担することとなっているところでございます。

 国におきましては、一次補正予算及び第二次補正予算におきまして、PCR検査経費のほか、地域外来・検査センターの運営経費などにつきましても必要な額を確保しているところでございます。

 それから、お尋ねございました地方負担でございますけれども、先ほど申しましたように、国において感染症予防事業費等負担金におきまして二分の一を負担することとしているところでございますが、自治体の負担の分につきましては、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の算定対象となっておりまして、地方自治体の財源として措置されるものと考えているところでございます。

塩川委員 地方創生臨時交付金の話がありましたけれども、全国知事会におきまして、ワーキングチームにおきまして、この地方創生臨時交付金を活用している、三兆円だ、しかし、それでも足りないという現場の声が出ているわけであります。そういう点でも、地方の負担をいかに軽減して、実際の検査体制を大きく拡充をしていく、こういうところへの財政支援こそしっかりと行うべきだ、このことを申し上げるとともに、もう一点、保険適用の行政検査の場合には、初診料や実施料や判断料など、患者の一部負担金は発生します。ですから、検査については公費負担ではありますけれども、初診料等患者の一部負担は発生する、この部分について、やはり公費できちっと措置すべきじゃないのかと知事会からも緊急提言でも要望があるところですが、これについての対処を求めたいと思いますが、いかがですか。

依田政府参考人 お答え申し上げます。

 行政検査につきましては、保健所等が行うものにつきましては全額公費で負担をしているほか、また、これはいろいろな議論を踏まえまして、一般の医療機関等におきまして保険診療で行われているものについては保険でカバーしていただいた上で、その自己負担分については、行政検査として、三割分については公費で負担をするというようなことで取り進めているところでございます。

塩川委員 いや、本人の一部負担金についても公費負担にすべきじゃないのかと。

依田政府参考人 お答え申し上げます。

 ちょっと繰り返しになりますけれども、いわゆる検査費用として、まさにこれは行政検査といたしまして実施しているものとの兼ね合いのもとに、保険診療についても、その検査部分については、行政検査と同等とみなし得るという考え方のもとに、公費で負担しているものでございます。

 一方、保険診療といたしましては、いろいろな診断でございますとかそういうものがございますので、保険診療の範囲の中でやっていただいているというところでございます。

塩川委員 ですから、保健所なり行政検査であれば本人の負担はないわけだけれども、保険診療の行政検査となると一部負担金が発生するわけですから、こういったことについてきちっとした手当てというのは、それはやはり具体化すべきじゃないですか。

依田政府参考人 お答え申し上げます。

 繰り返しになりますけれども、行政検査といたしましては全額公費で負担をしているわけでございまして、一般の医療機関におきます保険診療として行われるものにつきましても、検査部分に相当する分については、自己負担が発生する分については、行政検査と同様の効果を持つものだということをみなしまして、その分については公費で負担させていただいているというところでございます。

塩川委員 ですから、初診料は本人負担というところは変わらないと。そういうところこそきちっと見直して検査体制の拡充につなげていくということを求めていきたい。

 検査体制の拡充については、世田谷区が非常に熱心に取り組んでおられます。世田谷区は、発熱外来の運営に対して、一日当たり四万一千七百円の補助を行って支援をすることにしました。資料にも全国の帰国者・接触者外来等の一覧表があります。多い県、少ない県いろいろありますけれども、こういうところをどんどんふやしていくということが極めて重要で、このような帰国者・接触者外来等の医療機関に対して世田谷区のような支援措置を国がしっかりと行って、こういう発熱外来の設置をふやしていく、そういう医療機関をしっかりとサポートしていく、こういうことを行うべきだと思いますが、いかがですか。

依田政府参考人 お答え申し上げます。

 帰国者・接触者外来等の運営につきましては、患者を診察した際の診療報酬が支払われるほか、行政検査に係る自己負担分につきまして公費で負担しており、さらに、必要に応じて、備品や消耗品等について感染症予防事業費等負担金を用いることが可能となっているなど、自治体の検査体制に応じた支援を行っているところでございます。

 また、支援策といたしましては、第一次、第二次補正予算におきまして創設いたしました新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金におきまして、発熱患者の診療を行う外来の設置についても対象としているところでございまして、プレハブ、テントの設置、またドライブスルー方式等の費用についても全額国費で支援しているところでございます。

 こうした支援策を通じまして、地域における検査体制の整備に努めてまいりたいと存じます。

塩川委員 医師確保のための支援も必要なんですよ。ですから、必要な備品ですとかテントなども当然ですけれども、医師を特別にオンするような格好で確保するという考え方で、東京都などではそういう支援についての議論もあるそうですけれども、そういった取組を世田谷区がやっているということを応援をする、こういうことを求めていきたいと思います。

 全国知事会も緊急提言で、予備費を活用して新型コロナウイルス感染症対応の地方創生臨時交付金を増額をし、早急に追加の交付を行うことと要望しています。こういうのにしっかりと応える必要がある。

 それと、もう一点、世田谷区では、社会的インフラを継続的に維持するためのPCR検査、社会的検査に十月から取り組むことを公表しました。介護事業所、保育園、幼稚園、特養ホーム等の施設入所予定の人を対象に実施をします。今後、障害者施設で働く職員や小中学校の教職員などを対象にしていくことを予定しております。世田谷区は、社会的インフラを支える人たちへの継続的な検査を実施する社会的検査の費用に対して国の助成を求めています。

 こういう要望に応えてもらいたいと思いますが、いかがですか。

依田政府参考人 お答え申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症に係る検査につきましては、検査が必要な方がより迅速かつスムーズに検査を受けられるようにするとともに、濃厚接触者に加えまして、感染拡大を防止する必要がある場合には広く検査が受けられるようにする必要があると考えているところでございます。

 こうした考え方のもと、地域の感染状況を踏まえた幅広い検査を実施することといたしまして、クラスターの発生など地域における感染状況を踏まえまして、感染拡大を防止する必要がある場合には、感染が発生した店舗等に限らず、地域の関係者を幅広く検査することも行政の判断で行っていただくことは可能となっているところでございます。

 また、先般でございますけれども、感染者が多数発生している又はクラスターが発生している地域に所在する医療施設、高齢施設に勤務する方や、また入院、入所する方につきましては、当該施設に感染者がいない場合であっても幅広く検査することは可能であるといったこともお示ししているところでございます。

 これらの新型コロナウイルス感染症の検査に係る費用につきましては、先ほどございましたけれども、行政検査として行うものについては公費で賄うこととしているところでございます。

 その上で、世田谷区が実施を検討されているものにつきまして、私ども直接相談を受けているわけではございませんが、行政検査として認められるものということであれば、その費用については公費において負担されるということになっているところでございます。

塩川委員 世田谷区のこの社会的な検査については、知事会、あるいは先ほどの尾身先生でもその必要性、支援の重要性について触れておられるところです。ぜひ、検査体制の抜本的強化、医療機関への減収補填、地方創生臨時交付金についてはその増額を求めて、質問を終わります。

松本委員長 西村大臣におかれましては、御退席いただいて結構でございますので。ありがとうございました。

 次に、浦野靖人君。

浦野委員 日本維新の会の浦野靖人です。よろしくお願いいたします。

 きょうは、まず最初に、コロナとインフルエンザの診療体制についての質問をさせていただきます。

 大阪も暑いですけれども、やはり東京に来ると少し涼しい感じがします。まだまだ、ここにいらっしゃる、東京に住んでいる方はそうは思わないかもしれないですけれども、秋の入り口が見えているような雰囲気さえするぐらい涼しいです、東京は。

 連日、それでも熱中症でお亡くなりになっている方の数が東京都も非常に多い。全国でもかなりの人数に上っている。むしろ、コロナウイルスでお亡くなりになる方以上に、熱中症でお亡くなりになる方が多い状況もあります。

 これから秋口にかけて、風邪、インフルエンザは当然毎年流行していますので、それが予想されているわけですけれども、今現在、発熱があった場合、風邪なのかインフルエンザなのか、これが果たしてコロナなのかということは、初期の段階ではわからないですよね。今現在も、熱中症も、初期の段階では、どちらか、コロナなのか熱中症なのかわからないということで、大変現場は困っておられる。

 八月二十五日の報道によれば、コロナとインフルエンザの双方の検査ができる医療機関をふやすということなんですけれども、現状、非常に、今でもみんな、医療機関は必死になって対応をしているわけですけれども、果たしてそれができるのかという懸念を持っています。患者が殺到して、医療機関がパンクするんじゃないかと。

 その体制をどういうふうにこれから構築していくのかというのをお聞かせいただきたいと思います。

依田政府参考人 お答え申し上げます。

 例年の季節性インフルエンザの流行期におきましては多数の発熱患者が発生しており、今年度も、同様に多数の発熱患者が発生することを想定して対策を講じる必要があると考えているところでございます。

 一方、季節性インフルエンザと新型コロナウイルス感染症を臨床的に鑑別することは困難であることから、次のインフルエンザ流行に備え、地域における外来医療、検査体制を整備していく必要があると考えているところでございます。

 したがいまして、地域の実情に応じまして、多くの医療機関で発熱患者を診療、検査できる医療提供体制をどのように整備していくかということを考えていく必要があるところでございます。

 御指摘ございましたように、一昨日でございますが、八月二十四日、アドバイザリーボードにおきまして、インフルエンザの流行に備えた体制整備について議論を行っていただいたところでございます。専門家の方々からは、多くの発熱患者に対応するため、地域の診療所等の多くの医療機関で診療、検査できる体制を整備すべき、また、そのために、帰国者・接触者相談センターを介さずに直接電話予約により医療機関を受診できる体制とすべき、また、その際、重要になりますのは院内感染対策でございますけれども、そうしたところが重要であるといったことを、御意見を伺ったところでございます。

 厚生労働省といたしましては、引き続き専門家や自治体、現場の方々の御意見を伺った上で、今後の体制整備の方針を示した上で、季節性インフルエンザの流行期における外来診療体制や医療機関の受診方法について、あわせて広く国民に周知を行ってまいりたいと存じます。

浦野委員 これから検討をされるということなんですけれども、実際、地元のかかりつけのお医者さんとかに行くと、発熱していたら、やはり受けてもらえませんよね。

 最近テレビでもよく取り上げられていますけれども、ふじみの救急クリニックのような、別のところにまずはそういった発熱をされている方々を受け入れる、全く別のところをつくって、そこで検査をした後に本体の病院に振り分けるということをされたりとかしています。そういうことを考えると、かなり早目にそういったことを検討してきっちり決めていただかないと対応し切れないんじゃないかというふうに考えていますので、ぜひ早目の体制の構築をよろしくお願いしたいと思っております。

 続いて、再入国制限ですけれども、九月から、中長期の在留資格を持っている外国人の再入国要件を緩和して再入国を認めるという方向で検討をしているという報道もありました。

 実際、海外ではやっているコロナウイルスの型と日本ではやっている型が違うんじゃないかとか、せっかく抑えているのに、またそれがきっかけになってコロナの発症がふえるんじゃないかという心配もされていますけれども、水際対策の強化についてお答えをいただきたいと思います。

浅沼政府参考人 お答えいたします。

 政府におきましては、出国前PCR検査などの追加的防疫措置を講じた上で在留資格保持者等の再入国等を順次許可することの検討を行った結果、八月五日から、再入国許可保持者の再入国が開始されているところでございます。

 現在、検疫におきましては、海外からの新型コロナウイルスの侵入を防止するため、入国拒否対象地域に十四日間以内に滞在歴のある入国者全員に対しまして、新型コロナウイルスの検査を実施し、海外からの入国者全員に対しまして、指定場所での十四日間の待機及び公共交通機関を使用しないことの要請などの措置を講じてきております。

 御指摘の在留資格保持者等の外国人再入国者につきましては、検疫におきましては、新型コロナウイルスの抗原定量検査の結果が判明するまで空港内にとどめ置き、陰性と判明してから入国審査へ向かっていただき、入国審査におきましては、出国前七十二時間以内に実施した検査において陰性の検査証明の提出を求めることとしており、出国前と入国時で二回ウイルス検査の結果を確認することで、水際対策の強化を図っております。

 今後とも、国際的な人の往来の再開に備え、出入国在留管理庁を始め関係省庁と連携しながら、水際対策を適切に行ってまいります。

浦野委員 ありがとうございます。

 できれば、そういった入国された方々に、厚生労働省が行われたCOCOA、追跡のアプリですね、ああいうのも義務づけをしていただけるようなことを考えてもらえたらな、更にやっていただけたらなと思っていますので、またよろしくお願いいたします。

 時間がありませんので、次に行きます。

 指定感染症の妥当性について質問をします。

 これは、きょう報道でもありました、産経にもあります、読売にも出ていました、二類から五類への検討を始めるということですけれども、これは我が党の梅村聡議員が参議院の厚労委員会で質問して、答弁をしていただきましたけれども、それからもう一週間がたちましたけれども、今どのような見解を持っているのか、いま一度お聞かせをいただきたいと思います。

依田政府参考人 お答え申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症につきましては、二月一日に感染症法上の指定感染症に位置づけまして、これは、政令で法の規定を準用するという仕組みになっておりますけれども、それによりまして、入院措置でありますとか公費負担等の必要な措置が実施ができるということで、これは一定の期限が決まっておりますけれども、そういう措置を行ったところでございます。

 現状におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染に対応するために、引き続き感染症法に基づく感染防止対策を講じる必要があると考えておりまして、少なくとも、直ちに指定感染症の指定を取りやめる状況にはないものと考えているところでございます。

 一方で、八月二十四日の専門家の分科会におきましては、一定のエビデンスが蓄積し、疫学的状況も理解が進んだことも踏まえ、感染法上の措置の運用について整理が必要ではないかなどの御意見があったというふうに承知しているところでございます。

 今後、新型コロナウイルス感染症の感染法上の取扱いにつきましては、当該感染症の発生状況や、また、こうした専門家の御意見等も踏まえながら検討を行ってまいりたいと存じます。

浦野委員 いずれにせよ、一月の末には指定感染症の期限が切れる。それまでには、やはりどういうふうにしていくか決めないといけないですし、我々は五類に位置づけた方がメリットが非常に大きいというふうに考えていますので、ぜひ検討をよろしくお願いいたします。

 時間が来てしまいましたので、最後、質問したかったんですけれども、一〇〇%リモートで授業が続いてしまっている大学等があるということで、対面で授業、小中高はもう既に対面の授業が行われています。確かに、人数が限られているとか、そういう違いはあれど、やはり大学でも、対面での授業という、人と人とのコミュニケーションも重要になってきますので、一〇〇%対面は、リモートでしかまだ授業を続けていない大学は二割弱あるということですので、文科省もいろいろと大臣の方から言っていただいているみたいですけれども、ぜひ対面でも授業を始めていただきたいなと思っております。

 これは、時間がないので、これで終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。

松本委員長 本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十六分散会


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