第2号 令和2年10月7日(水曜日)
令和二年十月七日(水曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 松本 文明君
理事 関 芳弘君 理事 丹羽 秀樹君
理事 牧島かれん君 理事 松本 洋平君
理事 村井 英樹君 理事 今井 雅人君
理事 大島 敦君 理事 太田 昌孝君
安藤 裕君 池田 佳隆君
石原 宏高君 上野 宏史君
岡下 昌平君 金子 俊平君
神田 憲次君 小寺 裕雄君
佐藤 明男君 薗浦健太郎君
平 将明君 高木 啓君
長尾 敬君 西田 昭二君
百武 公親君 藤原 崇君
穂坂 泰君 本田 太郎君
宮崎 政久君 山本ともひろ君
吉川 赳君 和田 義明君
泉 健太君 大河原雅子君
川内 博史君 源馬謙太郎君
中島 克仁君 中谷 一馬君
森田 俊和君 柚木 道義君
吉田 統彦君 早稲田夕季君
江田 康幸君 濱村 進君
塩川 鉄也君 足立 康史君
浦野 靖人君
…………………………………
国務大臣
(経済再生担当)
(経済財政政策担当) 西村 康稔君
内閣府副大臣 藤井比早之君
内閣府副大臣 三ッ林裕巳君
厚生労働副大臣 山本 博司君
経済産業副大臣 長坂 康正君
国土交通副大臣 岩井 茂樹君
内閣府大臣政務官 岡下 昌平君
内閣府大臣政務官 和田 義明君
内閣府大臣政務官 吉川 赳君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 小森 敏也君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 冨安泰一郎君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 梶尾 雅宏君
政府参考人
(内閣官房日本経済再生総合事務局次長) 松浦 克巳君
政府参考人
(内閣法制局長官) 近藤 正春君
政府参考人
(内閣法制局第一部長) 木村 陽一君
政府参考人
(内閣府大臣官房長) 大塚 幸寛君
政府参考人
(内閣府日本学術会議事務局長) 福井 仁史君
政府参考人
(出入国在留管理庁出入国管理部長) 石岡 邦章君
政府参考人
(外務省大臣官房参事官) 安東 義雄君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房高齢・障害者雇用開発審議官) 達谷窟庸野君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 依田 泰君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 山本 史君
政府参考人
(資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長) 茂木 正君
政府参考人
(中小企業庁事業環境部長) 飯田 健太君
政府参考人
(観光庁観光地域振興部長) 村田 茂樹君
参考人
(独立行政法人地域医療機能推進機構理事長) 尾身 茂君
内閣委員会専門員 笠井 真一君
―――――――――――――
委員の異動
十月七日
辞任 補欠選任
安藤 裕君 薗浦健太郎君
杉田 水脈君 上野 宏史君
高木 啓君 百武 公親君
泉 健太君 川内 博史君
佐藤 茂樹君 濱村 進君
浦野 靖人君 足立 康史君
同日
辞任 補欠選任
上野 宏史君 穂坂 泰君
薗浦健太郎君 安藤 裕君
百武 公親君 高木 啓君
川内 博史君 泉 健太君
濱村 進君 佐藤 茂樹君
足立 康史君 浦野 靖人君
同日
辞任 補欠選任
穂坂 泰君 佐藤 明男君
同日
辞任 補欠選任
佐藤 明男君 杉田 水脈君
同日
理事長坂康正君及び宮内秀樹君九月十八日委員辞任につき、その補欠として村井英樹君及び松本洋平君が理事に当選した。
―――――――――――――
九月十八日
一、公文書等の管理に関する法律の一部を改正する法律案(篠原豪君外十五名提出、第百九十五回国会衆法第四号)
二、公文書等の管理に関する法律の一部を改正する法律案(後藤祐一君外十三名提出、第百九十六回国会衆法第二一号)
三、国家公務員法等の一部を改正する法律案(後藤祐一君外七名提出、第百九十六回国会衆法第三〇号)
四、国家公務員の労働関係に関する法律案(後藤祐一君外七名提出、第百九十六回国会衆法第三一号)
五、公務員庁設置法案(後藤祐一君外七名提出、第百九十六回国会衆法第三二号)
六、性暴力被害者の支援に関する法律案(阿部知子君外九名提出、第百九十六回国会衆法第三五号)
七、公文書等の管理の適正化の推進に関する法律案(逢坂誠二君外十二名提出、第百九十七回国会衆法第一一号)
八、性的指向又は性自認を理由とする差別の解消等の推進に関する法律案(西村智奈美君外十名提出、第百九十七回国会衆法第一二号)
九、天皇の退位等に関する皇室典範特例法の施行の日の翌日以後における平成の元号を用いた法律の表記の取扱い等に関する法律案(大島敦君外六名提出、第百九十八回国会衆法第六号)
一〇、国民経済及び国民生活に重大な影響を及ぼすおそれのある通商に係る交渉に関する情報の提供の促進に関する法律案(近藤和也君外六名提出、第百九十八回国会衆法第二五号)
一一、手話言語法案(初鹿明博君外七名提出、第百九十八回国会衆法第二六号)
一二、視聴覚障害者等の意思疎通等のための手段の確保の促進に関する法律案(初鹿明博君外七名提出、第百九十八回国会衆法第二七号)
一三、多文化共生社会基本法案(中川正春君外五名提出、第百九十八回国会衆法第二八号)
一四、特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律及び特定複合観光施設区域整備法を廃止する法律案(安住淳君外十九名提出、第二百一回国会衆法第一号)
一五、新型コロナウイルス感染症検査の円滑かつ迅速な実施の促進に関する法律案(小川淳也君外八名提出、第二百一回国会衆法第三号)
一六、特定給付金等の迅速かつ確実な給付のための給付名簿等の作成等に関する法律案(新藤義孝君外四名提出、第二百一回国会衆法第一九号)
一七、内閣の重要政策に関する件
一八、公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件
一九、栄典及び公式制度に関する件
二〇、男女共同参画社会の形成の促進に関する件
二一、国民生活の安定及び向上に関する件
二二、警察に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
理事の補欠選任
政府参考人出頭要求に関する件
内閣の重要政策に関する件
公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件
栄典及び公式制度に関する件
男女共同参画社会の形成の促進に関する件
国民生活の安定及び向上に関する件
警察に関する件
――――◇―――――
○松本委員長 これより会議を開きます。
理事の補欠選任についてお諮りいたします。
委員の異動に伴い、現在理事が二名欠員となっております。その補欠選任を行いたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
それでは、理事に
松本 洋平君 及び 村井 英樹君
を指名いたします。
――――◇―――――
○松本委員長 内閣の重要政策に関する件、公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
各件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房内閣審議官小森敏也君外十五名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○松本委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。薗浦健太郎君。
○薗浦委員 おはようございます。自民党の薗浦健太郎でございます。
きょうの機会を与えていただきました先輩議員の皆様、同僚議員の皆様に心から感謝を申し上げ、質疑を始めたいと思います。
まず第一に、コロナの関係であります。
西村大臣、日々大変お疲れさまでございます。
我々は、ワクチン、また薬の一刻も早い開発というのが待ち望まれている一方で、万全の感染症対策を講じながら経済社会活動を再開、回していかなければなりません。
政府は今、ゴー・トゥー事業をやっていますけれども、この事業のこれまでの効果と今後の見通し、また、この事業が感染症に与えた影響についてどう受けとめられておられるのか、まずお伺いしたいと思います。
○松浦政府参考人 お答え申し上げます。
まず、ゴー・トゥー・トラベル事業についてでございますけれども、観光庁によりますと、七月二十二日の事業開始以降九月十五日までに、少なくとも千六百八十九万人泊の利用実績があったと承知しております。
一方、ゴー・トゥー・トラベル事業による割引を利用して宿泊された方で新型コロナウイルスの陽性と診断された方は二十二人と承知しております。
また、ゴー・トゥー・イート事業についても、十月一日より開始したポイント事業については順調に利用されているものと承知しております。
各地域での食事券の発行も、十月五日の新潟県を始め、順次始まっていく予定でございます。
このほか、十月中旬以降の事業開始を目指しているゴー・トゥー・イベント事業を含め、何回でも使えることがポイントであり、消費の後押し効果を期待しております。
ゴー・トゥー・キャンペーン事業は、感染防止策を徹底しながら需要を喚起するものと承知しておりまして、予算の執行を契機に新たな日常が着実に定着しつつあり、引き続き、感染拡大防止と社会経済活動の両立に向けた歩みを一歩ずつ着実に進めてまいりたいと考えております。
○薗浦委員 外務省での政務の経験等々を踏まえて、私のところに今一番多い陳情が、海外との行き来、特に、事業所を含めて人が来れない、出れない、ビジネスがとまっている、現場がとまっているという話がかなりあるんですけれども、外国人の受入れを含めた国際往来の再開見通しについて今後どうするのか、お伺いしたいと思います。
○安東政府参考人 お答えいたします。
国際的な人の往来の再開の見通しということでいただきました。
今後、我が国経済を回復軌道に乗せていく上で、国内外の感染状況等を踏まえながら、感染再拡大の防止と両立をする形で国際的な人の往来を部分的、段階的に再開していくことは重要だと考えております。
これまで十六カ国・地域との間で国際的な往来再開に向けた試行措置について協議を行い、ベトナム、タイ、カンボジア、韓国、シンガポール等の十カ国・地域との間で既に実施又は実施が合意されております。
また、九月一日から、入国拒否対象地域からの既に在留資格を有する外国人の再入国の受入れについても再開しております。
そして、十月一日からは、外国人の新規入国についても、原則として全ての国、地域から、必要な防疫措置を施した上で、順次許可することといたしております。
今後は、感染症危険情報のレベル引下げも視野に入れつつ、どのような施策、対策の組合せで国際的な人の往来を再開していくかについては、政府全体として引き続き慎重に検討してまいります。
○薗浦委員 ありがとうございました。
コロナの関係で申し上げれば、特にチェーン展開をする飲食店を含めて、さまざまな経済対策というのがこれから更に追加で必要になってくると考えています。
そこで、三次補正のことも含めて、今後の経済対策の考え方についてお伺いしたいと思います。
○西村国務大臣 お答え申し上げます。
薗浦委員御指摘のように、感染防止策を講じながら経済活動との両立を図っていくということが何より大事であります。菅総理からも、その両立に向けてしっかりと対策を考えていくように、特に、ちゅうちょなく、時期を逸することなく、臨機応変に対応するようにということで指示を受けているところでございます。
まずは、今お話がありましたゴー・トゥー・キャンペーン、あるいは家賃給付の支援金、それから、本当に厳しい方には緊急小口資金、こういった、一次補正、二次補正、また予備費などで対応してきておりますこの措置を着実に、そして迅速に執行していきながら、他方、足元の消費状況、あるいは海外の経済状況いかんによっては、輸出、生産も影響を受けます。投資に対しても、先行き見通しが立たなければ、非常にちゅうちょするところがあると思います。
こうした状況を日々見ながら、臨機応変に対応していきたいというふうに考えているところであります。経済運営に万全を期していきたいというふうに考えております。
○薗浦委員 ありがとうございました。
次に、今話題になっております学術会議のことについて幾つか質問をさせていただきたいと思います。
学術会議の会員は、特別職の国家公務員であります。また、十億円を超える税金でこれが運営をされています。今、大変重要な時期であって、いわゆる枠を超えた科学の知識の結集というのが求められています。
この学術会議というのは、政府機関でありますけれども、どういう役割が期待される組織なのか、また、今、任命権の話が出ていますけれども、今回の措置が日学法違反ではない、学問の自由を侵害するものではないということを、国民にわかるように明確に御説明をいただきたいと思います。
○三ッ林副大臣 日本学術会議は、我が国の科学者の内外に対する代表機関として、科学の向上発達を図り、行政、産業及び国民生活に科学を反映浸透させることを目的として設置された国の行政機関であり、その会員の任命権者は、日本学術会議法において内閣総理大臣とされております。
憲法十五条第一項の規定に明らかにされているとおり、公務員の選定、罷免権が国民固有の権利であるという考え方からすれば、任命権者たる内閣総理大臣が推薦のとおりに任命しなければならないというわけではなく、日本学術会議会員が任命制になったときからこのような考え方を前提としております。
任命権者たる内閣総理大臣がその責任をしっかりと果たしていくという一貫した考え方に立った上で、会員を任命する仕組みは時代に応じて変遷しており、その中で、日本学術会議に総合的、俯瞰的観点からの活動を進めていただくため、任命権者である内閣総理大臣が日本学術会議法に基づいて今回の任命を行ったものであり、法律違反という指摘は当たらないものと考えております。
また、憲法二十三条に定められた学問の自由は、広く全ての国民に保障されたものであり、特に大学における学問研究及びその成果の発表、教授が自由に行われることを保障したものであると認識しております。
したがいまして、先ほど述べた任命の考え方が、会員等が個人として有している学問の自由への侵害になるとは考えておりません。
○薗浦委員 この会員の推薦、今までいろいろな形があったとおっしゃいましたけれども、その昔は、これは公選制でした。その後、学協会による推薦制になり、今の、いわゆる現会員が後任を指名する、推薦するという形が続いています。
この推薦書を見るとすごくおもしろくて、本人の経歴とか本人の推薦よりも上に、一番上に要るのは、誰が推薦して、どういう理由で推薦するのかというのが一番。つまり、非常に推薦者の意向が色濃い、こういうのがわかるところでもあります。
他方、今のお話と、八三年のいわゆる中曽根答弁、総理の任命は形式的である、この話と、これは解釈変更じゃないんです。つまり、私の認識だと、確かに八三年当時こういう答弁があった、ただ、当時は学協会が推薦をする形であって、今はそれは形が変わっている。
こういうことも含めて、これが解釈変更なのかそうではないのか、明確にお答えをいただきたいと思います。
○三ッ林副大臣 お答えいたします。
昭和五十八年の日本学術会議法改正の際に、形式的な発令行為であるという趣旨の政府答弁があったことは承知しております。
日本学術会議の会員は特別職の国家公務員であり、憲法第十五条第一項の規定に明らかにされているとおり、公務員の選定、罷免権が国民固有の権利であるという考え方からすれば、任命権者たる内閣総理大臣が推薦のとおりに任命しなければならないというわけではない、昭和五十八年の法改正により日本学術会議会員が任命制になったときからこのような考え方を前提にしており、解釈変更を行ったものではありません。
○薗浦委員 一部には、平和安全法制を含めて政府の法制に反対したからなのだという指摘をする向きもありますけれども、私が調べた限りにおいては、今回任命された方の中にこうした法案に明確に反対の意思を示された方もいらっしゃる。この政府の法制への態度が今回の決定の原因ではないということを明確にしていただきたい。
○大塚政府参考人 お答え申し上げます。
今回の任命に当たりましては、日本学術会議が総合的、俯瞰的観点からの活動を進めていただくために、任命権者である内閣総理大臣が学術会議法に基づきまして任命を行ったものでございます。
詳細につきましては、人事に関することですのでお答えは差し控えさせていただきますが、お尋ねの点、総理からも、今回の任命と提出予定法案への立場は関係がないとの御説明があったというふうに承知をしております。
○薗浦委員 この学術会議、大変高名な先生方が会員になっておられますけれども、二百人余りの会員と二千人余りの連携会員がいらっしゃいます。他方、日本でさまざまな研究にいそしんでいる学者さんたち、八十七万人いらっしゃって、この会議は極めて閉鎖的であるという指摘があって、いろいろな改善を重ねてまいりました。
この学術会議の会員というのは八十七万人の中から選ばれるはずでありますけれども、その八十七万分の二千の方々、連携会員の中からどのぐらい選出されているのか、具体的な数字がわかればお教えをいただきたい。
○福井政府参考人 日本学術会議事務局長の福井と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
ただいまの御質問にお答えさせていただきます。
連携会員は、会員と連携して日本学術会議の職務の一部を行わせるため、すぐれた研究又は業績がある科学者のうちから会長が任命し、日本学術会議の審議活動、国際活動の活動に参画していただいております。
せんだって、十月一日付で新たに任命されました会員九十九名のうちで過去に任期を六年とする連携会員の経歴がある方、これは八十一名でございます。率でいきますと八二%になります。同様に、三年前、平成二十九年の半数改選時において会員百五名を任命いただいておりますが、このうち連携会員歴を有する方は九十六名で九一%。もう三年さかのぼりますと、百五名のうち九十七名で九二%という数字になっております。
○薗浦委員 今の数字を見てもわかるように、この連携会員の方々が会員になる率が非常に高い。これをどう受けとめるかということも含めて、この学術会議のあり方については、古来、非常に長い議論が行われてきました。
最後の質問になると思いますけれども、手元に平成十五年、総合科学技術会議がまとめた報告書があります。これに何と書いてあるか。「日本学術会議の設置形態については、最終的な理想像としては、国家的な設置根拠」、つまり国が設置根拠を示せ、「財政基盤の保証」、要はお金は政府からきちっと出せ、「を受けた独立の法人とすることが望ましい」と書いてあります。一方、この改革に関して、平成十五年に、今後十年以内に新たなあり方を検討するための体制を整備して、評価、検討を行って、その結果を踏まえ、あり方の検討を行うこととすべきだと明確に書いてある。
それから十七年たっていますけれども、この独立する云々かんぬんの話が今どうなっているのか、その改革方針がどうなっているのか、これを最後にお伺いをしたいと思います。
○福井政府参考人 お答えさせていただきます。
御指摘ございました「日本学術会議の在り方について」という平成十五年の総合科学技術会議の報告がございます。これを踏まえまして、平成二十六年から内閣府特命担当大臣のもとで日本学術会議の新たな展望を考える有識者会議が開かれておりまして、ここにおきまして日本学術会議の今後の展望について検討が行われております。これは、平成二十七年の三月に「日本学術会議の今後の展望について」という形で取りまとめられているところでございます。この取りまとめの中では、「安定的な運営を行うためには、国の予算措置により財政基盤が確保されることが必要」とされ、「現在の制度は、日本学術会議に期待される機能に照らして相応しいものであり、これを変える積極的な理由は見出しにくい。」とされたところでございます。
以上でございます。
○薗浦委員 時間が参りましたので終わりますが、これは非常に大切な組織だからこそ、これからも、海外の大学との連携とか、さまざまな分野を含めて議論を深めてまいりたいと思っております。
ありがとうございました。
○松本委員長 次に、太田昌孝君。
○太田(昌)委員 公明党の太田昌孝でございます。
質問の機会をいただき、ありがとうございます。何点か質問させていただきますが、端的な御回答をよろしくお願いいたします。
さて、なかなか終息の、先が見えないコロナウイルスでございますけれども、菅総理を始め関係所管大臣、また関係省庁職員の皆様、そして何よりも全国の医療関係者の皆様方、関係する皆様方には衷心より敬意と感謝を申し上げる次第でございます。
さきに開かれました第十回の、新型コロナウイルス感染症対策本部並びに感染症分科会の御報告を頂戴をいたしました。ワクチンの確保、あるいは、都道府県、市町村への流れを含めた全国でのワクチン接種の体制、副反応に対する補償スキームの検討、接種順位の検討等々、多岐にわたり大変に御苦労をいただいているところというふうに拝察をしております。
また、分科会の中では、どうしたワクチンが出てくるかわからない中で接種勧奨と努力義務をつけることに強い抵抗感があるとの指摘もあるようで、接種勧奨と努力義務の適用との兼ね合い、インフルエンザのように流行期ごとに接種が必要となった場合の費用負担等、課題は山積である、このように存じます。
次期臨時会での審議も目前に控えておりますので、本日は、総括的な、予定されている予防接種法の改正案について、また明年のワクチン接種開始の予定時期、また、現段階での現場市町村、自治体での接種体制整備の状況、副反応等への補償のありようについてお伺いをしたいというふうに思います。
○山本副大臣 太田委員にお答えをいたします。
ワクチン接種のあり方につきましては、本年九月二十五日の新型コロナ感染症対策分科会の中間取りまとめを踏まえまして、厚生労働省の関係の審議会におきましても制度的な検討事項について審議を行ったところでございます。
具体的には、予防接種法の臨時接種をベースとし、さらに、実施主体は市町村とした上で、国が優先順位等を決定し、市町村に対しまして接種を実施するよう指示できるようにすること、費用負担につきましては、国が主導的な役割を果たし、国民への円滑な接種を実施するために、国の全額負担とするとともに、国民からの実費徴収を行わないこと、接種勧奨、努力義務の規定につきましては、原則として適用いたしますけれども、安全性や有効性等についての情報量に制約が生じる可能性があることから、必要に応じて適用しないことを可能とすること、健康被害時の補償につきましては、予防接種健康被害救済制度における高水準の救済給付とすることなどの方向性につきまして、審議会において了承を得たところでございます。
厚生労働省としては、こうした方向性に沿って、ワクチンが実用化した場合に備え必要な法的対応について検討を進めていくとともに、円滑にワクチンの接種が実施できる体制の整備に向けて準備を進めてまいります。
○太田(昌)委員 実施主体の市町村に対しましても、早期の情報の共有をよろしくお願いをしたいというふうに思います。インフルエンザも始まっておりますので、体制整備はきちんとできるかと思いますけれども、しかし、今不安に思っている市町村、結構多いということで伺っておりますので、お願いします。
次に、雇用調整助成金の特例措置の延長についてお伺いをいたします。
現在、本年十二月末までの延長を決めていただき、感謝をしております。しかし、今後、感染症防止と社会経済活動の両立が図られる中で、休業者数、失業者数が急増するなど雇用情勢が大きく悪化しない限りは、この雇用調整助成金の特例措置は段階的に縮減を行うこととされております。
しかしながら、総務省が二日発表した完全失業率三%、二カ月連続で悪化をし、失業者数も四十九万人増の二百六万人、特に製造業、宿泊業、飲食サービス業の悪化が目立つ状況になっております。また、有効求人倍率も八カ月連続の減少となり、十三都道府県では有効求人倍率一倍を切るなど、現下の雇用情勢、大変に厳しい状況が続いております。こうした状況、我が党のコロナ対策本部においても、先週、観光業界始め各業界からヒアリング等を実施する中で聞き取った内容とも合致をし、それぞれの業界より厳しい窮状が報告されております。
雇用調整助成金の本年度末までの延長を求めたいと思いますが、御所見をお伺いしたい。
○達谷窟政府参考人 お答え申し上げます。
雇用調整助成金につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、事業主の皆様の雇用維持の努力を強力に支援するため、雇用保険被保険者以外の方も対象に追加するとともに、日額上限一万五千円への引上げや、解雇等を行わない中小企業の助成率を十分の十への引上げを行うなど、これまで前例のない特例措置を講じてまいっているところでございます。
また、これらの特例措置につきましては、本年十二月まで延長しているところでございます。その上で、感染防止策と社会活動の両立の観点から、休業者数や失業者数が急増するなど雇用情勢が大きく悪化しない限り、通常の制度に向けて段階的に戻していくことといたしております。
一方で、これにあわせまして、ポストコロナを見据えた事業展開や、これに対応した人材の育成や確保等、全体としてバランスのとれた雇用対策を進め、雇用の安定を図っていくことが重要であるというふうにも考えてございます。
いずれにいたしましても、雇用調整助成金の特例措置の取扱いにつきましては、今後の雇用情勢等を踏まえ、適切に対応してまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
○太田(昌)委員 今の時期だとその程度の答弁になるんだろうなと思いますが、どうか、悪化したら再考というよりは、好転した状況を見詰めて新しいステージに進んでもらいたい、そういう観点で検討を進めていただきたいことを要望しておきたいというふうに思います。
次に、デジタル庁の創設についてお伺いをしたいと思います。
デジタルの利便性を実感できる社会をつくっていかなければなりません。住民への利便性向上の観点から重要なのは、これは地方公共団体との関係であると思います。地方公共団体がばらばらに情報システムを構築している現状の非効率を考えれば、全体最適の観点から、デジタル庁が地方公共団体の情報システム整備を主導的に推進することが極めて重要と思います。
そこで、デジタル庁は、地方公共団体に対してどのような権限を有することになるのか、地方公共団体の情報システムの構築に対してもどのようなかかわりを持って当たることができるようになるのか、検討状況についてお伺いをいたします。
○藤井副大臣 太田委員にお答えいたします。
本年九月二十三日に開催されましたデジタル改革関係閣僚会議におきまして、菅総理から、デジタル庁の創設により、国、自治体のシステムの統一、標準化を行うこと、マイナンバーカードの普及促進を一気呵成に進め、各種給付の迅速化やスマホによる行政手続のオンライン化を行うことなど、国民が当たり前に望んでいるサービスを実現し、デジタル化の利便性を実感できる社会を構築していくという指示があったところでございます。
国民の皆様が直接受けられる行政サービスの多くは基礎自治体からのものでございまして、デジタル庁の創設に当たりましては、国の情報システムのみならず、国と自治体間のシステム連携、自治体間の業務システムの統一、標準化を早期に実現することで、非効率性を排すとともに、行政職員の負担を軽減し、国民の皆様にとって真に便利な行政サービスが国、地方一体となって実現できるよう主体的に取り組むことが必要と考えております。
デジタル庁の所掌範囲や権限などにつきましては、今後、有識者からの意見も踏まえながら検討していきたいと考えておりますが、太田委員御指摘の自治体の課題につきましては、デジタル庁が適切な役割を果たせるよう検討してまいります。
○太田(昌)委員 ありがとうございます。大変に前向きな答弁をいただきました。
これから御検討ということになりますが、特に地方自治体、さまざまな、それぞれの今対応をとられているところですから、大変地味な作業になると思いますけれども、しかし、これはしっかりと標準化し、あるいは協調体制をとっていかなければ進められない。また一方で、小さな町村になりますと担当者もさまざまな事業とあわせてやっているというような状況も大変ございますので、そうした人の手配も含めて、どうか手厚い地方自治体への支援、それがひいては、結局、国民が利便性を一番享受できる社会ということになると思いますので、どうかよろしくお願いをいたします。
次に、ゴー・トゥー・キャンペーンについてお伺いをしたいと思います。
昨日、観光庁から公表されたデータによりますと、この七月二十二日から九月十五日までの利用実績の速報値ですが、これは利用人数が千六百八十九万人泊、割引支援額は約七百三十五億円とのことでございます。
先日、私、赤羽国土交通大臣とともに、観光関連事業者からの御意見を伺う、そういう場に同席をさせていただくことができました。皆様方からは、ゴー・トゥー・キャンペーンの効果によって観光客が回復傾向にあるとの評価をいただいた反面、鉄道事業者、バス事業者も含めて、インバウンドの再開や団体旅行の解禁、さらに、中止が続くイベントの再開などが必要と、なお窮状を訴える御意見を賜り、いかに観光関連産業を始め地域経済が持続的に維持、回復できることが、持続的な需要喚起を図っていくことが重要との感を強くいたしたところでございます。
現在、一月末までとも言われておりますが、予算執行状況とも関連をしまして、せめて今年度末、明年三月、また、可能ならば、失われた本年のゴールデンウイーク観光需要のため、明年ゴールデンウイークまでの延長を求めてまいりたいというふうに思います。昨日も、来年の実施について、政府・与党協議会の中でも我が党山口代表が提案をされたというふうにも伺っておりますが、御見解をお伺いをしたいと思います。
○岩井副大臣 太田委員にお答えをいたします。
ゴー・トゥー・トラベル事業につきましては、十月の一日より、東京を発着する旅行についても支援の対象に含めたことに加えまして、地域共通クーポン券の利用も開始をさせていただいております。委員御指摘のとおり、可能な限り息の長い需要喚起策をしていくことが大変重要だとも認識をしております。
現在、本事業の割引販売につきましては、先ほど御指摘のとおり、一月三十一日までの旅行商品を対象としておりますけれども、これはあくまでも一つの目安でございます。実際の割引販売の終了時期につきましては、予算の執行状況等も見ながら判断していくこととしております。できる限り息長く本事業を実施してまいりたいと考えております。
以上です。
○太田(昌)委員 息長くというところに翌年も含まれるということを期待をしながら、また、私の地元長野県、雪国でございまして、二月、三月、スキー観光、とても大切な観光需要、昨年実は余り雪がなくて、失われた観光需要みたいなこともございます。そうした雪国の状況もあります。どうか息の長い支援をよろしくお願いをしたいというふうに思います。
最後に、日本学術会議の新規会員任命に対しましても触れさせていただきたいというふうに思います。先ほど薗浦先生の方から大変に丁寧に質問をいただいておりますので、私の方からは、重複を避けまして、二つお伺いをしたいというふうに思います。
先ほどの質疑の中でも、一九八三年、昭和五十八年の中曽根総理の時代から、解釈は一貫して変更はないという御説明がございました。その後、法改正によって、日本学術会議から推薦された者を任命するというような形に変更になった流れの中で、候補者を選別すること、これが日本学術会議の独立性を損なうのではないかという指摘がありますが、これについての政府の見解をお伺いをしたいというふうに思います。
もう一つ、済みません。また、先日、内閣記者会のインタビューに答える形の中で、今回の任命につきましては、日本学術会議の総合的、俯瞰的活動を確保する観点から判断したとの総理の御説明がありました。先ほど副大臣からもこの言葉がありました。なかなかこれは耳になじまない表現であるため、国民に対しましてもなかなか伝わっていないように思います。これについても、どうか国民にわかりやすく、その使命等々、御説明いただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。
○三ッ林副大臣 太田委員にお答えいたします。
日本学術会議の会員は特別職の国家公務員であり、内閣総理大臣が日本学術会議法に基づいて任命されることとされております。憲法第十五条第一項の規定に明らかにされているとおり、公務員の選定、罷免権が国民固有の権利であるという考え方からすれば、任命権者たる内閣総理大臣が推薦どおりに任命しなければならないというわけではありません。
また、日本学術会議法において、日本学術会議は独立して職務を行うことが規定されており、任命権者である内閣総理大臣が日本学術会議法に基づいて会員を任命することによって日本学術会議の独立性が損なわれることにはならないものと考えております。
また、総合的、俯瞰的という言葉でありますけれども、具体的には、日本学術会議は、科学の向上発達を図り、行政、産業及び国民生活に科学を反映浸透させることが目的とされておりまして、その目的を果たしていただく上において、業績にとらわれない広い視野に立って活動を進めていただく必要があるということでございます。
○太田(昌)委員 今回も、人事については総合的な判断もあるため、個々の内容について言及したり全容を説明することはなかなか困難とは思いますが、できる限り国民の理解を得るよう引き続きの努力をお願いをして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○松本委員長 次に、大島敦君。
○大島(敦)委員 何点か新型コロナウイルス感染症対策について質問をさせてください。
きょうは、まず冒頭は持続化給付金。
私の地元事務所ですと、地元の中小・小規模企業、あるいは医療機関等の事業継続のために最大限のことはさせていただいておりまして、その中で、持続化給付金、あるいは家賃支援制度、政策金融公庫、商工中金、福祉医療機構、雇用調整助成金、ゴー・トゥー・トラベル、ゴー・トゥー・イート。
その中で、持続化給付金、九月一日から対応が変わっています。
例えば埼玉県ですと、これまで十四カ所、申請窓口がありました。
持続化給付金、インターネットで申し込める方はおおむね多いんだけれども、この間も全面広告で、持続化給付金、政府の方からこういう制度がありますよということを皆さんに広報していただいているんですけれども、なかなか届いていない中小・小規模企業の方、多いです。なかなか自分の会社が持続化給付金の対象だと思っている、小さな事業主の方、多いんです、なかなかインターネットを使えません。
北海道でも多分九月一日から、あるいは岩手県でも九月一日から申請受け付け窓口は一カ所のはずなので、その点について、政府参考人から手短に答弁をお願いします。
○飯田政府参考人 お答えいたします。
持続化給付金の申請サポート会場の件でございます。
持続化給付金は、極めて短期間に多数の事業者の皆様に迅速に現金を給付するという観点から、御指摘のとおり、申請はオンラインのみで受け付けということにさせていただいております。
ただ、電子申請にふなれな方もいらっしゃるということで、申請サポート会場を設けております。
制度開始、五月以来でございますけれども、五カ月間にわたって運用してまいりましたが、最近、申請サポート会場の利用状況は減少してきておりまして、こうした傾向を踏まえまして、会場数の見直しを行っているところでございます。
見直しに当たりましては、来場者の数、それから地理的な立地状況、こうしたことを総合的に勘案いたしまして、一時間当たりの来場者数が一人から二人程度というようなことを一つの目安といたしまして、それ以下の会場につきましては、費用対効果の関係も勘案いたしまして、一部の会場を閉鎖するということにいたしております。
ただ、申請者の利便性が損なわれないために、各地を巡回……(大島(敦)委員「時間がないから、手短にお願いします」と呼ぶ)はい。キャラバン隊をつくるなどしております。
その結果、埼玉県につきましては、御指摘のとおり、新規に申請いただく方のサポートの窓口一会場と、これとは別途、既に申請いただいた方の不備解消をサポートする窓口でもう一カ所、合計二会場となっておるところでございます。
今後とも、キャラバン隊なども通じまして、電子申請にふなれな方々を含む事業者の皆様の事業継続のために、きめ細かに対応してまいりたいというふうに考えております。
○大島(敦)委員 政府参考人、ありがとうございます。
政府の皆さんには本当によく対応していただいていることはよく承知をしています。本当に丁寧に対応していただいていて、いろいろな問合せにも対応していただき、感謝申し上げます。
それで、長坂さん、ぜひ、なかなか難しいのよ。埼玉県でも、秩父の方からさいたま市まで出てくると一日がかりだし、北海道は、一カ所しかなければ、ほとんど一泊二日の旅行ですよ。
だから、やはりこれは顧客オリエンテッド、小さな会社の立場になって、郵送での受け付けをぜひ検討してほしいの。
それも、郵送での受け付け、わかりやすくポイント数も、結構、政府の資料、皆さんお若い方ですから十二・五ポイントぐらいなんですが、十四ポイントぐらいにしていただいて、大島に相談していただければ、わかりやすい資料はこうやってつくればいいですよとお教えしますので、ぜひこの郵送での受け付けをしていただくことが、これからやはり多くの小さな会社を救えるので、その点について、長坂副大臣、初答弁かもしれないので、前向きにお願いいたします。
○長坂副大臣 経産副大臣の長坂でございます。
引き続いての御指導、よろしくお願い申し上げます。
ただいま申し上げましたように、持続化給付金の申請件数は、九月末日までに合計で三百六十七万件の申請がございまして、直近の九月だけでも約二十六万件の申請があるなど、他の補助金等と比べまして突出した申請数となっております。こうした状況も踏まえまして、迅速な給付を実現するために電子申請でお願いをいたしております。
電子申請にふなれな事業者に対しましては、全国五十八カ所に設置しております申請サポート会場で申請できるほか、全国四十七カ所設置しております不備相談窓口で、既に申請していただいた方の不備解消をサポートしております。
それに加えまして、各地を巡回するキャラバン隊によるサポートや、商工会、商工会議所によるサポート体制の支援等、きめ細やかなサポート体制も確保しているところでございます。
さらに、パソコンやスマートフォン等がお手元にない方には、新聞、テレビ、ラジオ等におきまして持続化給付金の周知、広報も行っております。
引き続き、電子申請にふなれな方々を含む事業者の皆様の事業継続のため、現場に寄り添いながら、きめ細やかな対応をしてまいりたいと存じます。
○大島(敦)委員 この件については、これで質疑は、この件についてはね。特に、飯田事業環境部長さんにはよろしくお願いします。
やはり郵送の方がよっぽど合理的です。やはり全国津々浦々で、一カ所で郵送で受け付けて、まずは電話をして、自分の事業が対象かどうか一旦確認した上で送っていただいて、そこに添付資料をわかりやすく張って送る、それで可否を判断していただいた方が多くの小さな会社が救えるものですから、その点、ぜひ御検討をよろしくお願いします。
次に、尾身先生に。
いつもありがとうございます。尾身先生がいらっしゃってくれるおかげで、本当に日本のリスクコミュニケーションがうまく進んでいて、当委員会でも時々来ていただくことが本当に安心感につながっているものです。本当にありがとうございます。
それで、尾身先生、前回いろいろとお話しさせていただいて、国立国際医療研究センターのさまざまな分析はなかなかすぐれていると思います。一万人ぐらいの入院して退院した患者さんの分析をして、どこにリスクがあるかをよく検討していただいていて、こういう検討結果に基づいて対応をとっていただくことが必要だと思っています。
尾身先生にちょっと一問お伺いしたいところがありまして、なかなかこのマスク、皆さん最近うっとうしく感じられまして、いつごろまでマスクをしなければいけないのかという問題がある。多分、世界を見ていると、中国的な対応の仕方とスウェーデン的な対応の仕方、二つに何か分かれている感じがして、その真ん中が多分我が国かな、我が国というのか多くの国かなと思っています。
ですから、今後、マスクがいつごろとれるのかな、多分、ワクチンができるとか、特効薬ができてからということかなとは思うんですけれども、その点について、今、たしか実効再生産数はRの一前後ですから、大体今ずっとこの状態ですので、いつごろになったらこのうっとうしいマスクがとれることができるのかなという点について、ちょっと尾身先生の御見解をいただければと思いますので、よろしくお願いします。
○尾身参考人 お答えいたします。
マスクがいつとれるかという御質問は、実は、この感染症、いつごろになると制御可能で、みんなが安心できるようになるかという質問と同じだと思うんです。
私は、予想することは、いわゆる傍観者として、例えばこの冬にどうなるかということももちろん重要で、恐らく多くの人がこの冬どうなるかというのは知りたいと思うんですけれども、これがどうなるかを正確に予想することは、なかなか、神のみぞ知ることで、むしろ、私がこういう席で申し上げたいことは、今、感染がある程度制御できている段階では、こういう段階では、実は、人々の意識あるいは人々の行動、人々という意味は、これは我々一般の市民もそうですけれども、国や自治体のことも含めてですけれども、そういう人の意識、行動が、感染のこれからの、上に行くのか、下に行くのか、そのまま持続するのかということに極めて重要な役割を果たすものと思っていますので、そういう意味では、これはそれこそオール・ジャパンで、みんながある一つの方向に向かって、この感染を何とかしてこれ以上上げないという意識、行動をすることが極めて重要だと思っております。
○大島(敦)委員 尾身先生、ありがとうございました。
西村大臣にお願いしたい点が一点ありまして、ゴー・トゥー・イート、ゴー・トゥー・トラベル。やはり地元の小さな観光事業者の皆さんは、ゴー・トゥー・トラベルというのは意外と使い勝手が事業者としては悪いの。ゴー・トゥー・イートも、インターネットベースですから、小さな飲食店はなかなか難しいところがあって。税を使って、国の税金で皆さんにサービスをやっていただくので、ユーザー側からするといい制度だと思うんですけれども、事業主の皆さんは、できるだけそういう小さなところに配慮した制度設計をしていただけると非常にありがたいなと思うものですから、その点をお願い申し上げまして、この場での私からの質問は終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○松本委員長 次に、今井雅人君。
○今井委員 おはようございます。立国社会派の今井雅人でございます。
大島理事の時間も少しいただきまして、質疑をさせていただきたいと思っております。
きょうは尾身先生にいらしていただいておりまして、いろいろお伺いしたかったんですけれども、別のテーマを急遽やることになりましたので、一問だけちょっとお伺いしたいんです。
菅総理が、就任の会見のときに解散の話をされました。そのときに、コロナが完全に下火になるまではなかなか難しい、それに関しては専門家の皆さんの意見をよく聞いて判断する、こういう趣旨の発言をされておられたので、きょうは、専門家である尾身先生に御見解をお伺いしたいのは、コロナウイルスが完全に下火になるという状況は、専門家から見てどういう状況であると思われますか。それだけ教えてください。
○尾身参考人 お答えいたします。
このコロナの感染が、言ってみれば、いわゆるもうほとんどゼロになるということは、ここ当分、私はそれはなかなか難しいと思います。
それは、このウイルスの性質上、これは努力するとかしないとかでなくて、では、今、社会経済、今の衆議院の解散のことも含めて、社会経済と感染の両立というふうな文脈で考えますと、私は、ある程度感染が制御できて、社会との、経済との両立ができる範囲というのは、おのずと決まってきているのではないかと思います。
そういうことで、我々が国を挙げて、みんなが一生懸命達成すべき目標は、ある程度感染を制御できるレベル、抑えながら社会経済活動を両立するということで、今、そのコンセンサスが多分あると思うので、それに向けての方法論というのはかなり明らかになってきましたので、それについてみんなで少しずつ実行していくことだ、ここが必要だと私は思っております。
○今井委員 どうもありがとうございました。
尾身先生におかれましては、大変感染対策で御多忙だと思いますので、これで御退室をお願いしたいと思います。
ありがとうございました。
○松本委員長 尾身理事長、先生、ありがとうございました。いつもお世話をかけますが、今後ともよろしくお願いします。
きょうは、ありがとうございました。
○今井委員 どうもありがとうございました。
次に、日本学術会議の問題について取り上げさせていただきたいと思います。
この問題については、いろいろな観点からいろいろなことが言われておりますけれども、私は、この問題の本質はただ一点だというふうに思っています。それは、人事の公正性です。
思い返してみますと、安保法制のときに、集団的自衛権に慎重だった内閣法制局長官が更迭されました。中立であるべきNHKのトップにお友達人事というのもありました。そして、最近、記憶に新しいところで申し上げると、黒川検事長、これは検事総長にしたいからではないかと言われていますけれども、それまでの解釈をねじ曲げて定年を延長する、こういうことも行われてきたわけです。そして、今回、学問の世界にまでこういう恣意的な人事が行われているのではないだろうかという疑義が出てきていて、それが論点だと私は思っております。
ですから、きょうの私の質疑は、果たしてそういうことが行われたのであろうかということについて質疑をさせていただきたいというふうに思っております。
少し私の方で整理させていただきますと、日本学術会議は昭和二十四年に設立をされましたが、昭和五十八年に法律の改正が行われています。このときに、推薦する会員を選挙制から推薦制に変えたのは、皆さん御存じだと思います。そのときの議事録を、きょう、おつけしているので読ませていただきますが、二つ、一段目の段と二段目の段を読ませていただきますけれども、一つは、実質的に総理大臣の任命で会員の任命を左右するものではない。二段目、こちらの方が実は大事で、非常に明確に書いてあるんですけれども、二百十名の会員が研連から推薦されておりまして、いいですか、ここからが大事です、それをそのとおり内閣総理大臣が形式的な発令を行うというように私どもは解釈をしてございます、こういう答弁をされています。この答弁は、憲法十五条、六十五条、七十二条を根拠とした上でこういう解釈をしている、こういうことなんですね。
そして、平成十六年、今度は、登録学術研究団体を基礎とした推薦制から、日本学術会議が会員候補者を選考する方法に変更するという法改正がなされました。このときの議事録を全部読ませていただきましたが、この形式的な任命ということを変更するのかということに関しては何も議論がされておりません。ですから、五十八年の見解をそのまま踏襲しているというふうに考えられます。
問題はその後なんです。次のページに添付しておりますが、平成三十年の十一月の十三日、日本学術会議法第十七条による推薦と内閣総理大臣による会員の任命との関係という整理ペーパー、これは合い議のペーパーだと思いますけれども、これが出てきているんですが、問題となっているのは二ページ目の上のところですね、三行目です。「内閣総理大臣に、日学法第十七条による推薦のとおりに任命すべき義務があるとまでは言えないと考えられる。」こういう整理がなされています。
そこで、質問させていただきたいんですが、先ほども読ませていただいたとおり、昭和五十八年の答弁は、推薦された者をそのとおり内閣総理大臣が形式的な発令を行うというように私どもは解釈をしています、こういうふうに答弁しておられます。しかし、平成三十年は、必ずしもそれは義務ではないということですね。これは両方とも憲法十五条に照らした上でこういうふうになっていて、これは小学生でも、読んだら表現は違いますね。片方は、そのまま形式的に任命してくださいね、そういうふうに私たちは解釈をしていますとなっています。もう一つは、それは義務ではないと言っています。明らかに違うことを言っています。
この違いは、私は解釈変更だと思うんですが、副大臣は、これは解釈変更だと思われませんか。憲法がどうこうというのはやめてくださいね。両方とも憲法十五条に基づいた上でこういう答弁が、別々の表現があるので、その整合性はどうなのかを説明していただきたい。
○大塚政府参考人 お答えを申し上げます。
まず、今回の任命につきましては、任命権者である内閣総理大臣が、この法律に基づきまして、特別職の国家公務員として会員を任命したところでございます。
憲法第十五条第一項を引用させていただきますが、これはやはり公務員の選定、罷免権が国民固有の権利であるという考え方からすれば、任命権者たる総理大臣が推薦のとおりに任命しなくてはならないということではないということでございまして、これは、この会員が任命制になったときからこのような考え方を前提としておりまして、考えを変えたということではございません。
以上でございます。
○今井委員 じゃ、お伺いしますけれども、五十八年のときの答弁は間違っているということですか、これは。
だって、これは、推薦されてきた者をそのとおり内閣総理大臣が形式的な発令を行うというように解釈をしていますと明確に答えられておりますが、そのときからそうじゃなかったと今答弁されていますけれども、ということは、この答弁は間違っていたということですか。
○大塚政府参考人 お答えを申し上げます。
五十八年の答弁については承知をしてございますが、今回の任命につきましては、先ほど申しましたように、あくまでも任命権者たる総理が推薦のとおり任命せねばならないというわけではなく、これにのっとりまして、任命制になったときからこのような考え方は一貫しており、その考え方のもとで対応したということでございます。
○今井委員 余り時間がないので問答をしたくありませんけれども、何も答えていないですよ。何にも答えていないですよ。
だって、明確に言っているじゃないですか。そのとおりに内閣総理大臣が形式的な発令を行うと言っているのに、先ほど参考人は違うことをおっしゃったんですよ。そういう答弁をしているから、副大臣、どうですか、今伺っていて、おかしいと思いませんか。どうですか。
○三ッ林副大臣 昭和五十八年の国会答弁、私も承知はしております。
そして、今回の任命につきましては、任命権者である内閣総理大臣が、日本学術会議法に基づいて、特別職の国家公務員として会員を任命したということであります。
憲法十五条第一項の規定で明らかにされているとおり、公務員の選定、罷免権が国民固有の権利であるという考え方からすれば、任命権者たる内閣総理大臣が推薦のとおりに任命しなければならないというわけではありません。日本学術会議会員が任命制になったときからこのような考え方を前提としており、考え方を変えたということではありません。
○今井委員 私の日本語の能力が足らないんでしょうか。そのとおりに形式的に発令を行うということは、必ずしも義務はないということと一緒なんですか。とても理解できないですよ。
ちょっともう一回きちっと整理して、もういいです、きちっと整理してください、言っていることがめちゃくちゃですから。いいです。求めておりません。
それで、その上でお伺いしたいんですが、これは、突然、平成三十年十一月十三日にこういう論点整理みたいなのが行われているんですね、解釈変更だと私は思いますけれども。こういうことが行われるというのは、必ず端緒があるはずです、きっかけ。なぜこんな議論をこのときにしなきゃいけなかったんですか。それを教えてください。
○福井政府参考人 日本学術会議事務局長でございます。
この件は私どもの方から御相談をさせていただいているので、私の方から御説明をさせていただきます。
平成二十九年に、今の期の前の第二十四期の半数改選がございました。この後一年ほどたって、今回の二十五期の半数改選に向けまして、被任命者よりも多い候補者を推薦すること、これについて、推薦と任命の関係の法的整理を行ったものと承知しております。
○今井委員 事実関係だけちょっと申し上げますね。決めつけているわけではありませんが。
平成三十年の十一月十三日、平成三十年ですけれども、この直近五年間でいろいろな重要な法案が可決しています。平成二十五年、特定秘密保護法。平成二十七年、安保法案。平成二十九年、共謀罪法。このとき、多くの学者が反対をしました。その翌年にこのペーパーです。時系列でいうと、そういうところなんですね。
だから、皆さんが、これ、関係あるんじゃないのというふうに思ってしまっている。事実はわかりません。しかし、経緯としてはそういうことなわけです。
それで、お伺いしたいんですが、じゃ、この検討は、例えば官邸の方から、検討していただきたいとか、そういう指示はありましたか。
○福井政府参考人 そういう御指示に基づいて始めたものではないというふうに承知しております。
○今井委員 そういう指示は一切なかった。
もう一度確認します。官邸関係者から一切そういう指示はなかったですか。
○福井政府参考人 そのように承知しております。
○今井委員 わかりました。とても重要な答弁だと思います。
その上で、これも多分平行線になると思いますが、私が先ほどから申し上げているとおり、この文書をどう読んでも、解釈の変更としか読めません。であれば、やはりこれは、変更したときに国会なりに報告をすべきだった。つまり、この答弁、五十八年の答弁と違う整理をしているんですよ。それは解釈変更と言われても仕方ありません。
それをなぜ公表しなかったんですか。教えてください。公表と報告ですね。
○福井政府参考人 当時、私ども事務局としての業務を進めていくに当たっての勉強ということで始めさせていただいておりましたので、特に公表するようなものというふうには理解しておりませんでした。
○今井委員 じゃ、お伺いします。
私の先ほどの議論を聞いていただいたと思いますけれども、五十八年のときは、推薦が来た者はそのまま形式的に任命するというふうに解釈をしていますというふうになっていますね。しかし、今回の整理は、必ずしもそれを全て推薦する義務はないという整理ですね。明らかに違うことを言っていますね。五十八年のときには、解釈という言葉まで使っています、そういう解釈をしていますと。御丁寧に、その後、「内閣法制局におきます法律案の審査のときにおきまして十分その点は詰めたところでございます。」御丁寧に、法制局できちっと見解まで詰めましたという、ここまで言っているんですよ。
ここまで言っておいて、これと違う内容を言っていたのに、それは解釈の変更じゃない、報告の義務はない、おかしいと思われませんか。いやいや、今のその提案者の方に聞いてくださいよ。
○大塚政府参考人 お答え申し上げます。
解釈の変更ということに関しましてのお尋ねですので改めてお答えを申し上げますが、昭和五十八年の答弁についても、形式的な発令行為との発言がされている、これは事実でございます。ただ、必ず推薦のとおりに任命しなければならないということまでは言及されておりません。
その前提といたしまして、憲法十五条第一項の規定、公務員の選定、罷免権が国民固有の権利であるという考え方が、これは当時からございまして、任命権者たる内閣総理大臣が推薦のとおりに任命しなければならないというわけではない、この解釈は一貫しているものでございます。
○今井委員 もう話になりません。
そのとおりに形式的に任命しろということは、そういうことを書いてある、そういうことを答弁しているんですよ。今、間違ったことをおっしゃっています。こんな答弁を続けちゃだめです。もう一回整理してください。
多分、これは次の方が拾っていただけると思いますので、先に行きたいと思います。
まず、ちょっと事実関係。今回の日本学術会議の会員を選ぶに当たって、日本学術会議から百五名の推薦があり、うち九十九名を任命、六名の方は任命しなかった。
まず、事実関係、これで間違いありませんか。イエスかノーでお願いします。
○大塚政府参考人 お答えを申し上げます。
今回の任命に当たりましては、学術会議から推薦をいただき、十月一日付で九十九名の会員を任命をさせていただいたところでございます。
○今井委員 ちょっと、そこを飛ばさないでくださいよ。百五名の推薦をもらって、九十九名を任命して、六名は任命しなかったということでいいですね。
○大塚政府参考人 失礼いたしました。
お答え申し上げます。
百五名の推薦をいただき、九十九名の方について任命をしたということでございます。
○今井委員 それを確認した上でお伺いしたいと思いますから、六名、もう一回聞きましょうか。
六名の方は、百五のうち、九十九名は任命したけれども、六名は任命していない。ちょっともう一度そこを、隠すところじゃないので、はっきり答えてください。
○大塚政府参考人 お答え申し上げます。
百五名の推薦があり、九十九名の方について任命をした、これが決定事項でございます。
○今井委員 残りの六名の方はどうされましたか。
○大塚政府参考人 まさしく九十九名について任命した、そういう事実でございます。六名についてはそうではないということでございます。
○今井委員 残りについてはそうではないということを今おっしゃいましたか。任命しなかったということですよね。
それで、日本学術会議法の第七条にはこう書いてありますね、会員は、第十七条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する。十七条にはどう書いてあるかというと、日本学術会議が内閣総理大臣に会員の候補者を推薦することとなっているということなんですが、先ほどの平成三十年の十一月のペーパー、上の段のところが今クローズアップされていますが、実は、私はその下のところがとても大事、括弧の二番、これがとても大事だと思っているんです。
ここには何が書いてあるかというと、今私が読みました第七条、日本学術会議の推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命するという法文がありますけれども、では、なぜ日本学術会議の推薦に基づかなければいけないんですかということがここに整理されています。
一番を読みますね。「会員候補者が優れた研究又は業績がある科学者であり、会員としてふさわしいかどうかを適切に判断しうるのは、日本学術会議であること」、つまり、会員としての適性を判断できるのは日本学術会議だけだ、そういう整理をしているわけです。内閣総理大臣にはそれはできないということですよ、ここで整理をされていることは。ですから、その下に、ゆえに「内閣総理大臣は、」一番下ですね、「任命に当たって日本学術会議からの推薦を十分に尊重する必要があると考えられる。」こういうことですね。いやいや、このペーパーがそういう整理になっているんです。
私は、だから、このペーパーのことを聞いているんですよ、こういう整理をされていらっしゃるわけだから。ここにそう書いてあります、だから、日本学術会議の推薦に基づかなければいけないんだ、そういう法律になっているんだという説明が書いてあります。そうすると、総理大臣でわからない、日本学術会議でないとわからないと言っているものを、総理大臣がその推薦に従わなかったということは、それはそれなりの理由が必要になりますよね、当然。
お伺いしますけれども、じゃ、この六名を任命しなかった、残りの九十九名の方と違った、この理由は何でしょうか、御説明ください。
○大塚政府参考人 お答えを申し上げます。
先ほど今井委員がまず引用されました先ほどの三十年のペーパーの箇所でございますが、これは、あくまでもなぜ推薦に基づかなくてはならないのかということを考えた考え方を整理したものでございます。
ただ、法律のたてつけは、それを前提にした上で、最後は総理大臣に任命権があるというところもこれまた総理に担保をされてございますので、あくまでもこの推薦の考え方に十分基づいた上で、あくまでも十分に尊重し、かつ、最後は総理が任命権者として決定をしたということでございます。
個別具体の人事につきましては、これはまさしく人事でございますので、お答えは差し控えさせていただきます。
○今井委員 個別の人事をお伺いしているのではなくて、考え方です。
どういう考え方で九十九名の方は認められて、六名は認められなかったんでしょうか、そこを教えてください。
○大塚政府参考人 お答えを申し上げます。
この日本学術会議の会員につきましては、先ほども答弁させていただきましたが、あくまでも、総合科学技術会議の答申等におきましても、「総合的、俯瞰的な観点から活動することが求められている。」といった考え方が示されておりまして、まさしく、こうした活動を進めていただくために、任命権者である内閣総理大臣が法律に基づいて今般の会員の任命を行ったものと承知をしております。
○今井委員 抽象的で全くわからないんですが。
じゃ、この総合的、俯瞰的、総理もこの言葉を使っておられますが、これは一体どこから来たのかなと思って調べましたら、ありました。資料のところにあるんですけれども、次のページだったかな。
「日本学術会議の在り方について」、平成十五年二月二十六日、総合科学技術会議で議論されています。この考え方を整理して、翌年、法改正が行われているんですね。
そこの一段目のところに、いろいろ書いてありますが、そこに、総合的、俯瞰的な観点から活動することが求められるとあります。総理はここを引用しておられるんだと思うんですね。
これをどんどん読んでいきますと、まず、次のところを読みますね。したがって、日本学術会議は科学者コミュニティーの総体を代表し、個別学協会の利害から自立した科学者の組織とならなければならず、在来の学問体系や諸学問分野の勢力図から離れて組織が構成され、メンバーも選出されるべきであると。
何を言っているかというと、これまで各団体から推薦を出していたので、どうしてもその団体の利益を主張してしまいがちなので、推薦をするときの選び方を変えなさい、そのときに総合的、俯瞰的な観点で考えてくださいねというもので書かれている表現です。
その次の丸のところを読ませていただきますね。ここに重要なことが書いてありまして、日本学術会議が、科学的水準の高い提言等の活動を行い、その権威を高め、社会に貢献していくためには、すぐれた研究者が科学的業績に基づいて会員に選出されることが重要であり、欧米諸国のアカデミーのコオプテーション方式による選出を基本とする。
これは、現会員が欠員、推薦するという方法ということを提唱しているので、今推薦の形になっているということでありますが、ここに、つまり、会員はどういう人であるべきかというのが書いてあります。すぐれた研究者が科学的業績に基づいて会員に選出されることが重要であると書いてあります。つまり、その人の審査をするときに当たっては、科学的業績に基づいて選出をしてくださいね、こういうことが書いてあるわけです。
すると、こういう結論になります。総合的、俯瞰的な観点で考える場合は、その方の科学的業績に基づいて適任か適任じゃないかを判断する、このペーパーはそういうふうにしか読めません。
そこで、質問です。
その観点でいきますと、皆さんがおっしゃっている総合的、俯瞰的な観点で考えれば、今回選任されなかった六人の方は科学的実績においてほかの方よりも劣っていた、こういうことでよろしいですか。
○大塚政府参考人 お答えをいたします。
委員が今御紹介いただきました、平成十五年の総合科学技術会議の、基本的なあり方についての提言の該当箇所でございますが、おっしゃるとおりの今記述が確かにされております。
まさしく、日本学術会議の任命の仕組みにつきましては、先ほど御紹介されたような観点に基づいて、推薦による会員選出方法が見直される必要があるというふうな指摘がなされ、そこも踏まえて、十六年の法改正で、学術会議の会員みずからが推薦する形に改め、当該推薦に基づき任命する仕組みとなっておりますが、その推薦の具体的な方法は、これは日本学術会議に委ねられておりまして、具体的には会議がみずから規則を定めて運用しているというところでございます。
一方で、その推薦を最終的にいただいて任命する側の総理大臣といたしましては、その立場で任命権者としての責任をしっかり果たしていく、これは従来からの一貫した考え方でございますが、これがある関係上、ここにも書かれている、あくまでも総合的、俯瞰的な観点からの活動が求められている、これは提言として出していただいたことそのものでございますので、この観点に沿って今回も会員の任命を行ったものでございます。
○今井委員 副大臣にお伺いしますが、私はこの文書を読む限り、総合的、俯瞰的というのは、そういうそれぞれの学会を代表しないでください、それで、ちゃんとした科学的実績がある方というふうに説明してありますけれども、先ほど、業績を超えてという答弁をされていました。総合的、俯瞰的というのは、この文書を読む限り、業績を超えるというように読めませんが、それは、違う違う、副大臣の答弁に対して聞いているんです、あなたは出てこなくていいです。
○三ッ林副大臣 今井委員にお答えします。
この総合的、俯瞰的な観点からの活動ですけれども、先ほどの答弁で、科学の向上発達を図り、行政、産業及び国民生活に科学を反映浸透させることが目的とされており、その目的を果たしていただく上において、業績にとらわれない広い視野に立って活動を進めていただく必要がある、こう答弁いたしました。
これは、一つの研究分野にとらわれずに幅広い視野に立って、そういった意味で、これをわかりやすく説明するために答弁させていただいたものでございます。
○今井委員 ちょっとよくわからないですけれども。
今回の事案、先ほどもちょっと御説明しましたが、平成三十年に突然ペーパーをつくって解釈を変えていますが、僕はデジャビュかと思いましたが、黒川検事長を延長したときと全く同じロジックですよ、これは。それまでの解釈を変えてできるようにして、それも省内での検討で、外には出していない、それで勝手にそれに従って延長してしまった。同じじゃないですか。全く同じです、これは。ここに非常に疑義が残るということをまず指摘しておきます。
その上で、もう時間がないので、私、この六名の皆様方を、本人にお会いした方もいらっしゃいますし、本やネットでいろいろ調べさせていただきました。一番最初のページにこの六名の方を並べております。
まず、東京大学の宇野重規教授、この方は政治思想史の権威でありますが、サントリー学芸賞、渋沢・クローデル賞特別賞、こういうのを受賞されておられる大変立派な先生です。
京都の芦名定道先生、この方はキリスト教学の権威の方で、日本宗教学会にも入られて、京都大学だけじゃなくて大阪市立大学の助教授もされておられました。キリスト教に関する著書もたくさん出しておられます。
早稲田大学大学院の岡田正則教授、これは行政法の権威の方でありますけれども、御本人いわく、現在も別のところで政府の委員となっていて、私、特別国家公務員なんですということをおっしゃっておられました。ちょっと私自身は確認しておりませんけれども、御本人はそうおっしゃっておられました。多くの論文も出しておられます。
それから、東京慈恵会医科大学の小沢隆一先生、教授、この方は憲法学の権威で、「クローズアップ憲法」という著書も含めて数々の著書を出していらっしゃいまして、日本学術会議の連携員でもございました。静岡大学でも教えておられた。世では、この方は護憲派ということで有名な方のようです。
それから、東京大学大学院の加藤陽子教授、これは日本近現代史の先生ですけれども、この方は大変有名な方で、皆さん御存じだと思いますが、「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」という著書で小林秀雄賞を受賞しておられます。そして、二〇一〇年、内閣府の公文書管理委員会の委員も務めておられます。大変立派な方です。
それから、立命館大学大学院の松宮孝明先生、教授、この方は刑事法の御専門でありますが、一番の専門は過失犯論、いわゆる公害とか製造物被害とか火災、労働災害、こういうところにおける刑事についての御専門だということであります。
何か社会的に問題を起こした方がいらっしゃるかなということを確認しましたが、私が確認した限り、そういう方は一人もいらっしゃいませんでした。
これだけそれぞれの分野で精通しておられる方がなぜ選に漏れたのか。これは、個別の人事だから説明できませんでは説明がつきませんよ。何かほかの理由があるとしか思えないじゃないですか。これだけ立派な業績、論文も皆さん物すごくたくさん出しておられましたよ。どうしてこういう方が選から漏れるんですか。教えていただきたい。
○大塚政府参考人 お答え申し上げます。
一部繰り返しになりますが、この日学法の体系のもとで総理大臣に付与されている任命権者としての権限と責任、これをしっかり果たしていく、これは従来から一貫をした考え方でございまして、そのもとで、日本学術会議に総合的、俯瞰的な観点、これはやはり任命権者としてもきちっと踏まえるべき観点だと認識しておりまして、こうした観点から活動して進めていただくため、あくまでもこの学術会議法に基づいて会員の任命を行ったものでございます。
○今井委員 そうなると、今の説明ですと、この方たちは、専門性はあるけれども、人間的に問題があるということですか。いやいや、ほかの要因があるということをおっしゃっているわけでしょう。ほかの要因ということですよね。総合的とおっしゃっている。皆さんが使っていらっしゃる総合的というのは、そういう意味でおっしゃっているわけでしょう。ほかに問題があるということじゃないですか、何かわかりませんけれども。やはりそれは明らかにすべきですよ。
先ほど、どなたかからありました。私、実は、九十九人の方もできる限りチェックしました。確かに、安保法案の反対の署名に賛同していらっしゃる方もいらっしゃいました。なぜこの方々だろうと思ったら、やはり表舞台で堂々としゃべっておられる方ばかりなんですよ、公聴会に来て反対したりとか。そういう方がこの中にほとんど含まれています。それだけを見ると、やはりそうやって政府に盾突いたから外されたんじゃないかと思っても不思議じゃありませんよ。だから、説明しなきゃいけないんですね。
じゃ、ちょっとお伺いしますけれども、先ほどのペーパーにもありました、日本学術会議の推薦は、内閣総理大臣は尊重しなきゃいけないとありましたね。それを六人の方だけ蹴ったわけですね。学術会議の皆さんは、自信を持って推薦した方を六人蹴られたんです。その理由は、学術会議の皆様にはしっかり説明はされましたか。
○福井政府参考人 私の方から回答させていただきます。
日本学術会議では、十月二日付で要望を出しておりましたとおり、六人の方々の任命がなかったことについての理由は承知しておりませんので、それを教えていただきたいという立場でございます。
したがいまして、会員の皆様に、こんな理由ですというお話をしたことはございません。
○今井委員 なぜ説明しないんですか。これは、選に漏れた方たちの名誉にかかわりますよ。
一番最後に私は置いてありますが、第二十五期新規任命に関する要望書ということで、日本学術会議から内閣総理大臣、菅総理大臣に要望書が出ていますね。推薦した候補者が任命されない理由を説明いただきたいと。御本人に説明がつかないからですよ。それから、この方たちを速やかにまた任命していただきたいと。
十分科学的功績がある方が選に漏れたわけですから、なぜ漏れたかを推薦した方たちに説明するのが当たり前じゃないですか。なぜしないんですか。今からでもいいから、やってくださいよ。
○大塚政府参考人 お答えを申し上げます。
一部繰り返しになりますが、日学会の推薦に基づきまして、内閣総理大臣が九十九名の方の任命をさせていただいた、これが決定事項の全てでございます。
○今井委員 済みません、お伺いします。
決定するに当たっては、選定の理由はありますね。何もなく選んだわけじゃないですね。どうですか。
○福井政府参考人 ちょっと済みません、推薦側でございます。
私どもの方は、すぐれた研究又は業績がある科学者の中から適切な方を選んだという認識でございます。
○今井委員 ですから、日本学術会議は、その基準に適した人を推薦してきたわけですよ。それを皆さんが蹴ったんですよ。じゃ、なぜかと説明するのは当たり前じゃないですか。
私たちよりも、まず、推薦した日本学術会議にちゃんと説明して、選に漏れた六名の方が納得いくような説明を学術会議から御本人たちにしてもらうようにしなきゃ、名誉が傷つきますよ。やってください。
○大塚政府参考人 お答えをいたします。
総理大臣としては、任命権者として、日本学術会議に総合的、俯瞰的な観点から活動を進めていただくために、法律に基づいて任命を行い、それの趣旨につきましては、先般、総理もインタビューで申し上げていたと承知をしております。
○今井委員 もうこんな壊れたレコードみたいな答弁を聞いていても仕方ありませんから、やはり菅総理御本人に聞かなきゃわからない。だから、菅総理への質疑を、予算委員会もそうですけれども、いろいろな場でさせていただきたいと思います。
もう時間が来ましたので、きょうはこれで終わりますが、映画界の是枝監督含め二十二名の有志の方もそうだし、ここに毎日新聞がありますが、いろいろな学会の皆さんも、この理由がはっきり明らかにならなかったら、私たちは怖くて自由に活動できない、萎縮しているとおっしゃっておられるわけですから、いや、そうじゃないのなら、ちゃんと、なぜこの方たちが漏れたかということをしっかり説明すれば、その誤解は解けます。それをやらないまま、そんなことはないんだ、大丈夫だと言ったって、これは払拭できないですから、それをしっかり説明責任を果たしていただく、そのことをお願い申し上げまして、質疑を終わります。
ありがとうございました。
○松本委員長 次に、柚木道義君。
○柚木委員 立憲民主党の柚木道義でございます。
きょうは、西村大臣始め、それぞれ答弁いただいている皆さん、ありがとうございます。
今井委員から学術会議の方の質疑が続いておりましたので、西村大臣、コロナの通告もしておりますが、先にちょっと学術会議の方から入らせていただきたいと思います。
三ッ林副大臣の方に主に聞きますので、官房長、私が、これは官房長だろうというところは官房長に聞きますから、勝手に遮ってするのは、ぜひ、委員長、これは慎んでいただきたいということを冒頭申し上げます。
六人の方が、日本学術会議が、まさに業績、私は、正直、この間、六名の方のお話も聞いていて、本当に人格者でいらっしゃる、すばらしい、やはりお人柄もそうなんだなと、本当にこれは率直に思いました。
そういった面も含めて推薦されたにもかかわらず菅首相が任命拒否と。戦後、戦後って、この制度始まって初、中曽根元首相も私は草葉の陰で泣いておられると思いますよ。
こんなことをなぜやったのか。この任命拒否の理由について、まず伺います。
昨日の、私も直接伺いましたが、野党合同ヒアリングの中でも、本当に、内閣法制局の職員の方、まあ、悪気はないのかもしれませんが、六人の中の実際に任命が見送られた早稲田大学の岡田先生、教授ですね、この方を目の前にして、国民に責任を負えない人を総理が任命する義務はないと断定したんですよ。とんでもないと思いますよ、本当に。そこまで断定するのであれば、理由を言えなかったら、本当に名誉毀損で訴訟になってもおかしくないですよ。
副大臣、こういうことまで内閣法制局は言い放っています。この任命排除された六人の方は一体何か犯罪を犯したんでしょうか。論文を捏造したんでしょうか。任命を拒否されるのは、しかも、あそこまで、昨日、内閣法制局からも、国民に責任を負えない人を総理が任命する義務はないと断言、断定したからには、よほどの理由がなければ名誉毀損。なぜ任命拒否されたのか、理由をぜひ明確にお答えください。
○三ッ林副大臣 お答えいたします。
日本学術会議は、我が国の科学者の内外に対する代表機関として、科学の向上発達を図り、行政、産業及び国民生活に科学を反映浸透させることを目的として設置されたものであります。
また、日本学術会議は、すぐれた研究又は業績がある科学者のうちから会員の候補者を選考し、内閣総理大臣に推薦することとされております。
日本学術会議の会員の任命については、設立以来、累次の改正が行われてきていると承知しております。すなわち、昭和二十四年設立当初、科学者を選挙人とする選挙制をとってまいりましたが、科学者を評価するのに選挙制が適当でない、こういったことがこの推薦制を改めた理由であります。個別の学術団体の利害から自立した科学者コミュニティーの総体を代表する組織を目指して、学術団体に依存した推薦制度をやめ、平成十六年から、七十歳定年と再任不可制度を導入するとともに、学術会議の会員みずからが推薦する形に改めました。
憲法の規定に基づき、任命権者たる内閣総理大臣がその責任をしっかりと果たしていくという一貫した考え方に立った上で、会員を任命する仕組みは時代に応じて変遷しており、その中で、日本学術会議が専門、業績のみにとらわれない広い視野に立って総合的、俯瞰的観点から活動を進めていただくため、任命権者である内閣総理大臣が日本学術会議法に基づいて任命を行ったものと承知しております。
この日本学術会議の会員の任命につきましては、八月三十一日に日本学術会議から百五名の会員候補推薦書が内閣総理大臣に提出され、十月一日、九十九名の任命が行われたものであります。九十九名の任命をすることについては、起草から決裁までの過程において初めから一貫しております。
これ以上の会員の具体的な選考過程については、人事に関することであり、お答えを差し控えたいと思います。
○柚木委員 ぜひ、副大臣、加藤官房長官のかわりにお越しいただいていると聞いていますから、聞かれたことを端的に、明確にお答えください。
具体的な理由をお答えになられないと今言われましたが、私、過去のことを調べましたよ。答えているじゃないですか。
自民党政権に政権再交代で戻って、その翌年、石原環境大臣、まさに今回と同じような構図ですよ。脱原発派の方が中央環境審議会に三名内定していた、それが突然取消しになったんですよ。それについて、当時の石原環境大臣は、国会でも記者会見でも、今回の菅首相、官房長官始め政府の皆さんの対応よりはるかに、我々からしてみれば明確にわかる形で答弁されていますよ。
例えば、こういうくだりですよ。脱原発の方々、当然、我々民主党政権のときに脱原発の方向でかじを切ってやっていた、そういった中でそういう方々が内定していた。その中でこういう答弁をしていますよ、石原大臣は。
中環審は環境省の重要な諮問機関ですので、その諮問機関にふさわしい方々が事務方から上がってきて、その方々にお願いしています、それはどういう過程で決まったかといえば、今後の審議案件の内容等を考慮してふさわしい方を選んでいるということでありますと。
環境省としてふさわしいという方に委員をお願いするということ、これは、はっきり言えば、脱原発路線を転換する、それにふさわしい方と。わかりやすい答弁ですよ。こういうわかりやすい答弁を求めているんですよ。
人事の話だから答えられない。それじゃ逃げられませんよ。ちゃんと答えてください、もう一回。
○三ッ林副大臣 お答えいたします。
日本学術会議の会員の任命については、八月三十一日に日本学術会議から百五名の会員候補推薦書が内閣総理大臣に提出され、十月一日に九十九名の任命が行われたものでございます。九十九名を任命することについては、起案から決裁までの過程において初めから一貫されております。
これ以上の会員の具体的な選考過程については、人事に関することであり、お答えを差し控えたいと思います。(発言する者あり)
○柚木委員 よしじゃないですよ、与党の皆さん、今の答弁。国民の皆さん、今の答弁で納得できますか。三ッ林副大臣……(発言する者あり)ちょっと静かにしてください。やじを静かにさせてください。
三ッ林副大臣、三ッ林先生、私は、厚生労働委員会時代も含めて、先生は私の議連にもお顔を出していただいたり、本当に、人柄、そして、この間の臨床経験、大学での教壇に立たれている、そういった経験を持って国会にお越しになられて、立派な仕事をされていると思っているんですよ、本当に。
先生、もし先生が学術会議の六人のメンバーに推薦されたら、本当に名誉なことでしょう。そんな中で、国民に責任を負えない人を総理が任命する義務はないと目の前で内閣法制局の職員に言い放たれて、納得できますか。
ぜひせめて、せめてですよ、これは提案ですよ、六人の任命拒否をされた当事者の方々にはせめて、なぜ任命拒否されたのか、理由をお伝えするべきだと思いますが、いかがですか。
○松本委員長 大塚官房長。(柚木委員「いやいや、これは政治家としての副大臣に、まさに、言ったじゃないですか、学者として研究者として国会に来られているんですよ。邪魔をするな」と呼ぶ)
大塚官房長、まず答えて。(柚木委員「副大臣、政治家としての副大臣の御所見をお願いしているんですよ。審議妨害はやめてください。質疑妨害はやめてください」と呼ぶ)
○大塚政府参考人 お答えを申し上げます。
御質問は、任命に関する、手続に関する話とも思いますので、まずは事務方から答弁させていただきます。(柚木委員「ルールねじ曲げるのはやめてください」と呼ぶ)
○松本委員長 どうぞ、答えて。
○大塚政府参考人 失礼いたします。
総合的、俯瞰的観点に立って、法律に規定された任命権者として総理大臣が任命をさせていただいたということが今回の結論でございます。
これにつきましては、既に公表され、総理もインタビュー等で答えているところでございまして、まさしく総合的、俯瞰的観点に立って任命をしたというところが考え方でございます。
○柚木委員 副大臣、副大臣の、本当にこれは、私は掛け値なしで、尊敬している一議員でいらっしゃるんですよ。
御自分が、面前で、本当に世のため人のためと思って人生をかけて働いてきた、学者として。先生もそうですよ、教壇に立たれてきた、臨床経験も経て。面前で、この人は国民の責任を負えない、言われたらどう思うんですか。せめてその理由を当事者本人には説明をするべきだと率直に思われませんか。
○三ッ林副大臣 柚木委員にお答えします。
私に対しましていろいろ、ともに議連等でも一緒に議論していただきました。そういったことは私も敬意を表したいと思います。
この人事の件につきましては、これ以上の会員の具体的な選考過程、また人事に関することであり、お答えは改めて差し控えたい、そのように思います。
○柚木委員 苦しい答弁ですよね、本当に今。胸の中に、本当だったら、せめて当事者にはやはり、今、学者の良心がにじみ出た答弁だと思いますよ。
本当に、そりゃ当然、だって、ここに書いてあるじゃないですか、皆さんが出した政府のペーパーに。不適当な行為とは、例えば犯罪行為等が想定される、あるいは、研究資金を不正使用、あるいは論文でデータの改ざん、捏造。やったんですか、この六人の人。やっていないから推薦されているんでしょう、当然。
ちなみに、任命拒否するためには、これは日本学術会議法の中で定員二百十名と決められている中で、今、法律違反の状態ですよ。しかも、仮に候補者に問題がある場合でも、日本学術会議に相談をして了承を得ないとやめさせたりできないと明記されています。それから、政府の委員会とは異なって、日本学術会議は独立したたてつけの法律になっておりますので、理由も伝えず任命しないのは明らかに法律違反であると、まさにこの学術会議の法務委員会のメンバーの方が明確に述べられています。これは、そもそも、任命をせず理由を言わないこと自体違法じゃないですか。副大臣、いかがですか。
○大塚政府参考人 お答えを申し上げます。
まず、違法ではないかというお尋ねでございますが、あくまでも学術会議法上は、学術会議の方からの推薦に基づいて総理大臣が任命をするということを決めているものでございます。
それから、先ほど委員から、任命の決定に絡めて、例えば、犯罪行為あるいはデータの改ざん、捏造といったようなお話もございましたが、これは、あくまでも欠格条項というものが別に定められておりまして、その欠格条項の中の話として、今申し上げたような犯罪行為あるいは改ざん、捏造といったことが規定されておりますので、それは任命手続の規定とは直接は関係していないということを御説明申し上げます。
○柚木委員 官房長、端的に答えてください。今まさに御自分が述べられた欠格条項のどれか一つにでも、今回任命排除された六人、該当する人はいたんですか。お答えください。
○大塚政府参考人 繰り返しになりますが、これはあくまでも欠格条項ということでございますので、任命と、手続とは連動してございません。
あくまでも、任命に当たっては、総合的、俯瞰的な観点に立って今回の決定が行われたということでございます。
○柚木委員 だんだん絞られてきましたね、官房長。いい答弁ですよ。
じゃ、なぜ任命拒否されたのか。
ますます、皆さんがかたくなに否定し、認めるわけにはいかない、政府がこの間出してきた安保法制、特定秘密保護法、共謀罪、こういったことに反対したから以外の理由がなくなっちゃうじゃないですか。図らずもそのことを固める御答弁をいただき、ありがとうございます。
安倍政権の継承を菅政権は掲げて自民党の総裁選挙で圧勝されましたが、まさにこの菅政権の安倍政権の継承の本質、中身というのは、さきの検察庁法の改正案でもまさに脱法的に、しかもこっそりと秘密裏に法解釈を変更して、そして国民からの非難を浴びて断念、撤回した。でも、今回の日本学術会議法も、まさに秘密裏にそれまで前にもやっていたんでしょう。
二〇一六年、二〇一七年、それぞれやって、そして今回は、学術会議側が、定員よりも多目の人を出してくれ、それはつまり、任命拒否することを前提に官邸、政府から要望があった、拒否したわけですよ。だから、ばれて明るみに出ているんじゃないですか。そのことを検察庁法の脱法的な改正をやろうとしたより前からやっていた。最高裁の判事もそうだ、NHK会長人事もそうじゃないか。法や正義や報道、言論の自由を圧力をかけてねじ曲げて、これが菅政権の安倍政権からの継承の本質じゃないんですか。
副大臣、そういうふうに国民の皆さんから見えていることに対して、その疑念を払拭する、その責務を一身に負ってここに今答弁に立たれているんですよ。なぜ任命拒否をしたのか、そしてまた、今回、改めて聞くのは、こういう法解釈変更を実際にやったのかやらなかったのか、これが明らかになっていません。
今回、任命拒否をした、しかし、それは法解釈変更をやった上で、変更したのか、それとも、法解釈は変更していないけれども任命拒否を行ったのか、どちらかお答えください。端的な質問だから、副大臣、お答えください。端的な質問ですから。
○大塚政府参考人 お答えを申し上げます。
公務員の選定、罷免権が国民固有の権利であり、そして、日学法におきまして、総理が任命権者として規定をされております。あくまでも推薦に基づいて総理が任命をするということでございまして、この考え方は任命制になったときから一貫しておりまして、考え方を変えたということはございません。改めて答弁申し上げます。
○柚木委員 じゃ、なぜ二〇一八年に、日本学術会議法第十七条による推薦と内閣総理大臣による会員の任命との関係についてというやりとり、合い議を内閣法制局と内閣府がやることになったのか、そのきっかけを教えていただきたいと思いますが、時間がないので、私はこう考えているので、それも含めて答弁してください。
この日本学術会議というのは、御承知のように、戦後の、本当に、戦前に科学者の皆さんが政府に本当に言うべき意見表明をすることができず、深い反省に基づいて、その後、一九五〇年声明、そして今般も、二〇一七年には、当時二〇一五年に防衛装備庁が安全保障技術研究推進制度をスタートして、まさに大学と軍の共同研究、自衛隊のですね、なるという危惧が学術会議の中にあって、学術会議は、軍事目的のための研究を行わない旨の声明を出しているんですよ。まさにその直後に、この二〇一八年の合い議が行われています。
そういうことで、まさに法解釈変更のための協議が始まったというふうに私は受けとめざるを得ないんですが、何がきっかけでこれは始まったのか、副大臣、御答弁ください。
○福井政府参考人 きっかけの話、私どもの方から相談をしておりますので、日本学術会議事務局の方から御説明をさせていただきますが、平成二十九年に第二十四期の半数改選を行っております。三年後のことしは第二十五期の半数改選をしなきゃいけないということで、被任命者よりも多い候補者を推薦することについて、推薦と任命の関係の法的整理、これをしたかったというそれ以上のことではございません。
○柚木委員 政府の認識を今問うたわけですから、これはきっかけとして、政府としてですよ、内閣府と内閣法制局がそういうやりとりをしたのは、私はまさに二〇一七年のこの軍事研究に学術会議としては協力しないという声明が一つの発端になっているというふうに、いやいや、官房長官のかわりで来られているので、副大臣、そういう認識を持っておりますが、それは間違っていますか、あるいは一部でも当たっていますか。官房長官のかわりに来られている、かわりに副大臣、来られているわけですから、お答えください。いやいや、もう事務局長はいいです。いや、もういいです。さっきのでわかりましたって。時間がないので。それだったらいいです、もういいです、いいです、本当に。
○福井政府参考人 そのような認識は私どもは持っておりません。
○三ッ林副大臣 そのような意図はなかったと承知しております。
○柚木委員 じゃ、ぜひ、そういう経緯について、どういうきっかけでこの合い議が行われることになったのか、文書で出していただくように、ぜひ委員長、政府の方に、この委員会からお願いします。
○松本委員長 後ほど理事会に諮ります。
○柚木委員 ちょっと時間がないので、もう一点だけ。ちょっとコロナも聞きたいので。
今回、今井さんの資料についているのをちょっと借りて恐縮なんですが、最後の今井さんのページにあったんですが、日本学術会議は、二点の要望を菅首相に、これは十月二日付で出されています。その一つ、重要な点は、まさに、今回任命拒否された六名、この方々を速やかに任命していただきたい。つまり、再推薦、再任命の要請が正式に学術会議からなされておりますので、これは法律的にも、当然、そういうたてつけになっておりますので、これは政府としてきちんと再推薦を再審査すべきだと思いますので、ぜひ、政府としてそのようなお取り計らいを、副大臣、お願いいたします。
○松本委員長 先に、福井局長。
○福井政府参考人 推薦者は私どもでございますので、申し上げさせていただきます。
とりあえず、今、私どもの方、要望でございますけれども、推薦した会員候補者のうち任命されていない方について速やかに任命していただきたいというお願いをいたしております。いろいろ手続的には、恐らく、今回任命されなかった方について、任命手続自体は終わっておりますので、速やかに任命していただきたい、これが通じるものでございましたら、いろいろな手続を踏んででもお願いしたいと思っております。
○柚木委員 わかりました。
ちょっと済みません、一点だけ。せっかく大臣に来ていただいたので、一点だけで結構です。
西村大臣、大事なことなので、経済政策とコロナの感染防止策、非常に重要で、難しいお立場なのはよくわかっているんです。
しかし、今般こういうことで、ホワイトハウスの問題も含めて、全世界からビジネスパーソンや留学生の方がどんどん日本に入ってくる、必要なことかもしれません。でも、今回の、まさに日本でいえば首相官邸の中でクラスター、集団感染が起こっているような状況が同盟国アメリカとの間にあるわけです。同盟関係は重要です。しかし、今後、通告していますが、世界の方々が入ってきていただくときに、やはりその国々の感染状況や、あるいはそのガバナンス、マネジメントも含めて、これは第一波のときは日本も当然入国制限がかかったわけですよね、アメリカに対して。日本として、そういうことも含めて、ぜひ、経済政策も重要だけれども、感染拡大防止の観点、そして、今回のホワイトハウスにおける集団感染、こういったことの我が国への教訓、こういったこと、事前通告していますので、済みません、もう最後、一言お答えください。
○松本委員長 西村大臣、端的に。
○西村国務大臣 はい。
御指摘のように、感染防止策を徹底しながら経済活動との両立を図っていくということが大事だというふうに考えています。
そうした中で、今後、海外との人的な交流も広がっていくわけですが、大事なことが二点あります。
一つは、水際でしっかりと感染防止策を徹底していく、水際で防いでいくということが第一であります。第二に、当然、感染状況、各国の状況あるいは国内の状況をさまざま見ながらいろいろな国々と協議をしながら進めていくということでありますので、いずれにしても、徐々に徐々に、一遍にわっと開くわけではなくて、徐々に徐々に広げていくということも大事だというふうに認識しております。
いずれにしましても、感染防止と経済活動両立をしっかりと図っていきたいというふうに考えています。
○柚木委員 済みません、きょうは副大臣、厚労副大臣に来ていただきましたが、最後まで行かなくて済みませんでした。これで終わります。ありがとうございました。国交副大臣も済みません。ありがとうございました。
○松本委員長 次に、川内博史君。
○川内委員 川内でございます。
委員長、そして各党の理事の先生方にお許しをいただいて、大変大事な委員会の時間に発言の機会を頂戴をいたしましたこと、心から感謝を申し上げます。
そしてまた、西村大臣始め政府の皆様方には、日夜、コロナ対策等を始めとして御努力をいただいておりますことに心からの敬意を申し上げたいというふうに思います。
まず、私も引き続き、この学術会議の任命の問題というのは大変重要な、これは与党の先生方も同じ認識であるというふうに思いますが、重要な課題であるというふうに思いますので、何点か御教示をいただきたいというふうに思います。
まず、私もこの問題が発生して、大変残念なことに、学術会議から推薦をされながら現在まだ任命をされるに至っていない小沢先生に話を聞きました。
九月二十九日に学術会議事務局長から電話があり、任命されなかったということを聞いた、驚愕をし、九月三十日、事務局長さんに直接お会いして事情を聞いた、そのときに事務局長からは、いや、私も何かの間違いじゃないかと思ったんですというふうに聞かされたというふうに小沢先生からお聞きしました。
まず、学術会議事務局長にお尋ねをいたします。何かの間違いであると思ったということは、そのとおりでよろしいかということを教えてください。
○福井政府参考人 お答えをさせていただきます。
日本学術会議から、総会の了承を経て、会長名で内閣総理大臣に推薦をさせていただいた、そういう推薦書について任命されないという例はこれまでございませんでしたので、大変驚愕したことは覚えております。
○川内委員 いや、事務局長さん、それで、小沢先生に対して、まだ任命に至っていない小沢先生に対して、自分もこれは何かの間違いではないかと思ったということを、政府の学術会議の事務局長としての立場でおっしゃられたのかという事実を尋ねております。
○福井政府参考人 お答えをさせていただきます。
小沢先生との会話でお話ししたときには、内閣府から連絡を受けたときの私の気持ちということでお話ししたと理解しております。確かに、間違いではないかと思って確認しましたという話をしたと思っております。
○川内委員 要するに、本件については、学術会議に全く協議、相談がない中で、百五名の推薦の中で九十九名のみ任命をするということが行われたということであります。
先ほどから政府の御答弁を聞いておりますと、総理が任命権者であるということを繰り返しおっしゃっていらっしゃいますが、学術会議法上、総理が任命権者であるということがどこに書いてあるのかを御教示いただきたいと思います。
○大塚政府参考人 お答えを申し上げます。
学術会議法に基づきまして、まずは学術会議が推薦をする、その推薦に基づきまして総理大臣が任命をするとなっているところでございます。
○川内委員 いや、だから、学術会議法の何条にどのように書いてあるのかということを御教示くださいということを申し上げております。
○大塚政府参考人 大変失礼いたしました。改めてお答え申し上げます。
日本学術会議法第七条の第二項に、会員は、第十七条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命をするとなっているところでございます。
○川内委員 いや、私が聞いたのは、大塚官房長さん、総理大臣が任命権者であるということを書いてある条文が日本学術会議法にあるのですかということを聞いておるのでございますけれども。
○大塚政府参考人 お答えを申し上げます。
今御紹介いたしましたこの第七条の二項、会員は、第十七条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命をする、まさしく、その任命の主体としての内閣総理大臣でございますので、これをもって内閣総理大臣が任命権者であると申し上げたところでございます。
○川内委員 きょう法制局にも来ていただいているわけですけれども、任命することイコール任命権者であるかというと、過去の条文の解釈等を参照するならば、形式的に任命をする、すなわち形式的な任命権者である、形式的なという言葉を省略して任命権者というふうにおっしゃっていらっしゃるのであろうというふうに、まあ、善意に解釈をさせていただきますが、そうすると、どのような場合でも必ず任命をしなければならないのかということについて、今回解釈を明確化させて、いや、それはどんな場合でも任命しなければならないという義務があるとまでは言えないんだということを明確化されたんだというふうに先ほどから御主張されていらっしゃる。
しかし、これまで形式的に任命をするということをおっしゃっていらっしゃったものに加えて、義務とまでは言えないということを加えられたわけですけれども、じゃ、この二つの間の違い、形式的に任命するよと言っていることと、でも、どんな場合でも絶対任命しなきゃいけないということじゃないんだということの、この間の違いというのは何なんだろうかということを、法制局に、国民の皆さんにもわかりやすく、どんな場合に任命しなくてもよいという事情になるのかということを教えていただきたいというふうに思います。
○木村政府参考人 御指摘の七条の二項でございます。「会員は、第十七条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する。」とのみ書かれております。
これだけ見ますと、確かに、推薦に基づいたら必ず任命しなきゃいけないとも、あるいは、その推薦に基づいて任命するしないというのは裁量があるとも解され得るということかというふうに思いますけれども、ただ、当然、こういう法律の条項は憲法の趣旨に適合するように解釈をするべきものだろうというふうに思っておりまして、るる御説明がございました憲法十五条第一項の、国民の公務員の選定、罷免権でございますけれども、その趣旨に沿って解しますならば、ここで内閣総理大臣が任命すると言いますのは、国民に対する責任を負うという観点から、義務的に、必ず推薦があれば任命をしなければならないとまでは解せないというふうに解釈するのが憲法の規定と整合的なのではないかというふうに私どもとしては考えておりまして、その点を今まで述べられているということだろうと思います。
○川内委員 いや、だから、国民の皆さんにもわかりやすく、国民に説明できないような場合については、形式的な任命、するという責任は発生しないんだよと、国民に説明できないような場合にはということでいいんですかね、法制局。
○木村政府参考人 会員の任命につきましては、任命権者たる内閣総理大臣が、国民に対する責任において、個別にやはり御判断されるべき人事に関する事項であるということだろうと思います。
推薦のとおりに任命しないことが許容される場合につきまして、事柄の性質上、明確にお答えするというのはなかなか困難なところはございます。
どういう場合に、任命権の最終的帰属者であります国民に対して責任を果たす必要があるとの観点から任命しないことができるかということにつきましては、なかなかこれまでも明確にお答えをしたことはないということかと思いますけれども、一例を申し上げますと、従来、昭和三十年代、四十年代ごろに、大学の学長の任命権をめぐっていろいろと議論になったことはございます。そういったところでは、例えば大学の目的に照らして明らかに不適当と認められるような場合というのは少なくとも該当するだろうというような議論がなされておりますけれども、それ以上明確な基準というのはなかなかお示ししづらいというのが、今回についても言えることではないかと思っております。
○川内委員 結局、日本国憲法に整合的にいろいろなことを説明しなければならぬよと法制局はおっしゃるわけですが、日本国憲法には、公務員は全ての国民への奉仕者であって、一部の奉仕者ではないということを書いてあるわけですけれども、これまでの政府側の答弁をるる聞いておりますと、国民全体の奉仕者であるという、日本国憲法の公務員としての責務を忘れていらっしゃるんじゃないかと。国民に対してわかりやすく説明しなければならない。
結局、よくわからぬのですよ、今回のこの人事はね。本当にわからない。菅総理大臣は、いや、これまでの法案への態度などについては一切関係ない、全く関係ないとおっしゃっているんですよ、会見で。それなのに、六名の方がいまだ任命されていない。理由は何なんですか、いや、総合的、俯瞰的だと。これ、全くわからないんですよ。一体どういうことが起きているんですか、一体何なんですかということをきちんと説明しなきゃいかぬわけですけれども。
一点、事実関係を確認させていただきたいと思うんですけれども、九月二十四日に、百五名の推薦のうち九十九名の任命をするがよろしいかという決裁文書が内閣府人事課で起案されて、九月二十八日に内閣総理大臣、菅新総理大臣が決裁印を押していらっしゃる。だから、九月二十四日の時点では九十九名を任命するよということになっているわけですね、よろしいかと、文書が起案されて。
ということは、九月二十四日までの間に菅総理大臣並びに菅総理大臣の意向を受けたどなたかが、内閣府の事務方、山崎事務次官なのか、大塚官房長なのか、吉岡人事課長なのか、あるいは矢作参事官なのか、いずれかに対して、総理大臣若しくは官房長官、あるいは官房副長官、あるいは総理補佐官から何らかの指示や働きかけがあったのではないかと。そうでなければ、九月二十四日の時点で決裁文書の起案など、できようもないわけですけれども。
きのう質問通告で、総理大臣始め官邸の高官から何か連絡があったかどうか、関係者の皆さんに確認して答弁をしてくださいということをお願いしてございますが、大塚官房長に教えていただきたいと思います。
○大塚政府参考人 お答えを申し上げます。
今委員から御紹介ありましたとおり、今回のこの任命の決裁につきましては、九月の二十四日に起案をし、二十八日に決裁を終了したということでございまして、九十九人の任命をさせていただいたということでございます。
これが今回の決定のプロセスでございまして、これ以外のことにつきましては、あくまでも人事に関することでありまして、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○川内委員 そのような働きかけはなかったということはおっしゃらなかったので、結局、九月二十四日までの間に、恐らくどなたかからこの六人は決裁文書に入れないでねという働きかけがあったんでしょう。それを今実質的にお認めになられたというふうに私は理解いたしますが。
だから、よくわからぬのですよ、とにかく。いや、法案への態度は関係ない、だけれども外すと。それじゃ、本当に、学問とか、学問の自由とか、あるいは日本学術会議の独立性とか、そういうものに対する、私は大変な侮辱になるんじゃないかというふうに思うんですね。
菅総理大臣には私も頑張っていただきたいので、一つ提案したいんですけれども、今現在、学術会議からの百五名の推薦名簿は内閣府人事課が管理している。九十九名は任命されたわけですけれども、されるわけですけれどもね。残りの六名の先生方の推薦名簿の扱いというのはこれはまだ、確認しますが、六名については任命を拒否する、任命しないんだという政府としての意思決定は行われていないということでよろしいですね。
○福井政府参考人 推薦側の私から御説明した方がいいかと思いまして、お答えさせていただきます。
八月三十一日に内閣総理大臣に推薦しました会員候補者百五名につきましては、十月一日に九十九名の会員が任命されたことをもって今般の任命手続は終了していると思っております。
○川内委員 任命手続が終了していると。
そうすると、日本学術会議は二百十名の会員をもって組織するというふうに学術会議法に書かれているわけですけれども、二百十名いないから直ちに法に反するとは私も思いませんが、余りこれが長い期間続くのはよくないねということは、そのとおりだということでよろしいですよね。
○福井政府参考人 日本学術会議は、学術会議法によりまして二百十名の会員から構成されることとなっております。ただし、従来からも欠員があるときはございまして、二百十人がないからといって、直ちに構成できていないとは思っておりません。
○川内委員 いや、だから、事務局長さん、私もそう言ったじゃないですか、直ちに法に反するとは私も思わないけれども、それが長い期間続くのはよくないよねと。長い期間続くと法に反するという状況にもなってしまいますよねということを確認しているんですけれどもね。
○福井政府参考人 二百十人が早くそろうのが好ましいと思っております。
○川内委員 そうすると、ちょっと官房長に確認したいんですけれども、六名は推薦を拒否するという意思決定が行われたんですか、政府として。任命しない、任命しないもんという意思決定をしたんですか。
○大塚政府参考人 お答えを申し上げます。
八月三十一日に日本学術会議が内閣総理大臣に推薦した会員候補者百五名については、十月一日に九十九名が会員として任命されたことをもって今般の任命手続は終了したものと考えております。
○川内委員 いや、だから、頭のいい人たちは本当によくわからぬな。もっと僕たち一般の国民にもわかるように説明していただきたいんですよ。六名は任命しないという意思決定をしたんですかと聞いているんですけれどもね。
○大塚政府参考人 お答え申し上げます。
意思決定としては、十月の一日に九十九名を会員として任命した、これをもちまして今般の任命手続は終了したということでございます。
○川内委員 だから、日本学術会議の事務局は、学術会議の会長以下先生方に、六名はまだ任命しないという意思決定は行われていないんだ、ちゃんともう一回推薦すればまた検討してもらえるよということをちゃんと言わなきゃいかぬですよ。
今、要望書になっているわけですね。六名を任命してよという要望書になっていますね。そこはだめですよ、法的にちゃんと推薦の手続をとって、もう一回内閣総理大臣宛て任命のお願いをする、法的手続をしっかりとらないかぬです。それで六名の先生方の名誉を回復しないと、これは、先生方個人の名誉だけではなく、日本の学問の行く末にも大きくかかわることです。よくわからない理由でこんなことが行われては絶対にならないんです。よっぽどの理由がなければならないんです。
よっぽどの理由がないのであれば、ちゃんともう一回堂々と推薦の手続をとる、六名の先生方について推薦の手続をとるということでよろしいですか。
○福井政府参考人 先生御指摘のとおりでございますけれども、日本学術会議は、任命されていない方について速やかに任命していただきたいという要望を出しております。そのようにしていただけるのであれば、必要な手続はいとわないと考えております。
○川内委員 だから、そのようにしていただけるのであればって、ここで政府に何か、官邸にお伺いを立てるような言葉をつけちゃだめですよ。
内閣総理大臣はよっぽどの理由がなければ任命しなければならないんですから。そして、過去も、よっぽどの理由がなければ任命するよと言っているわけですから。よっぽどの理由なんかないということがこの間のさまざまな議論の中で明らかなんですから。
政府は物すごい権力を持っているから何でもできるんですよ。黒を白とも言えるし、もう大変な力ですよ。それはそうだと思いますよ、私も。だけれども、やはり法律やルールより以上に大事なことというのが世の中にはあるんじゃないですかね、西村大臣。法律やルールなんかよりよっぽど大事なことがある。
それは、みんなが理解し、納得できるように政治や行政を運営していくということだと思うんですよ。よくわからない理由で、だって僕が決めたんだもん、政府が決めたんだからということで、よくわからないことを国民に押しつけていくというのは大きな禍根を残します。それは絶対やってはならぬことだと思います。
だから、ちゃんと学術会議はもう一度六名の先生方を推薦し、そして、総理大臣は気持ちよくそれを任命するということで、事をおさめていただきたい。
認めていただけるならということじゃなくて、推薦すればいいんです。推薦しますよね。だって、それが学術会議の意思だから。
○福井政府参考人 学術会議の要望では、任命されなかった理由もちょっと教えていただきたいと思っておりまして、その理由を見せていただきながら、再度どうするかというふうに考えていくというのが要望書の思想でございます。
○川内委員 事務局長さんは学術会議の意思を代弁できる立場ではないので、きょうは学術会議の会長さんにも来ていただきたかったなというふうに思うところなんですけれども。
本件、まだ議論が続いていくのであろうというふうに思いますし、私は、菅新政権が国民から信頼を受けて、しっかりとした政治、行政をしていただきたいと思っていますよ。なぜなら、私たちは野党ですけれども、私たちにとっても総理大臣ですからね。その総理大臣が、ああ、なるほど、ちゃんとしたことをしてくれるねというふうに思わせていただきたいということをお願いしておきたいというふうに思います。
新型コロナウイルスに関して質問させていただきますが、全国知事会からも、西村大臣、いろいろなことが提言されていて、実は、情報の共有に関して、市区町村と都道府県、そして都道府県と政府との間の情報の共有が余りうまく図れていないということが全国知事会から提言をされております。
菅総理大臣は、デジタル庁をつくるよ、デジタルトランスフォーメーションを進めるんだということをおっしゃっていらっしゃるわけですが、そういう大上段に振りかぶったことも大事ですが、例えば新型コロナウイルス感染症等情報把握・管理システム、HER―SYSですね、このHER―SYSでさえ自治体には入力義務はないんですよね。入力義務はないんです。国が入力してねとお願いしているだけなんですよね。
新型インフルエンザ等対策特別措置法二十条では、政府対策本部長、内閣総理大臣ですが、新型インフルエンザ等対策、今回の場合はコロナ対策に関する総合調整を行うことができると書いてあります。総合調整の中には必要な情報の提供を要請するということも含まれるわけですが、都道府県知事に即座に必要な情報提供を義務づけるという規定はないんですよ。新型インフルエンザ等対策特別措置法には、都道府県知事に、対策本部長に対して、内閣総理大臣に対して必要な情報を提供することを義務づける規定はないということでよろしいですよね。
○梶尾政府参考人 お答え申し上げます。
新型インフルエンザ等特別措置法におきましては、新型インフルエンザ等緊急事態においては都道府県知事等に対して必要な指示を行うという規定がございますけれども、そうでない時期につきましてはそういう規定はございません。
○川内委員 大臣、私は、この政府の対策本部長たる内閣総理大臣が情報をしっかり集約するということが、まず対策をとる上で最も大切なことではないかというふうに思います。
私ども、いろいろな意見がありますけれども、野党ヒアリングの場で厚生労働省の方やら政府のコロナ本部の方々にさまざまなことを教えていただきます。とても感謝しています。そういう中で、ああ大変だなと思うのは、いろいろな情報を各都道府県のホームページで確認していますと時々おっしゃられるんですよね。都道府県のホームページで確認しています、こうおっしゃられる。そうではなくて、やはり政府として情報の集約というものはしっかりとしなければならない。すなわち、必要な情報提供を都道府県知事に対して義務づける規定が、HER―SYSの周知徹底などのためにも必要であるというふうに考えます。
臨時国会で新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正というものをしなきゃいかぬと思うんですよ。だって、インフルエンザと新型コロナウイルス感染症の同時流行が大変懸念されている、そういう中で、まず感染の状況がどうなっているのかということについてしっかりと把握する上でも、法的枠組みというものはしっかりつくっておかなきゃいかぬと思うんですけれども、西村大臣のお考えを聞かせていただけますか。
○西村国務大臣 御指摘のように、情報の共有は極めて大事だというふうに認識しております。特に感染の状況については、これは市町村、都道府県、そして厚生労働省、そして私どもコロナ対策室含めて、一体的に情報を共有しながら連携して対応することが必要だという認識であります。
御指摘の特措法は今申し上げたとおりなんですけれども、感染症法が別途ありまして、この十五条におきまして、都道府県知事又は保健所設置市の市長はその調査の結果を厚生労働相に報告しなければならないという旨が規定されております。ここで厚生労働省には、感染の状況については、県から、また保健所設置市から情報が上がってきておりますので、私ども、それを共有しながら日々対応しております。
課題は、都道府県とこの保健所設置市の間の共有がうまくいっていないケースがございますので、いずれにしても、この情報の共有をより速やかにしていく、しっかりとしていくということの課題を認識をしているところでございます。
○川内委員 大臣、その感染症法のところにしても、今大臣が御指摘になられたように、都道府県と保健所設置自治体との間の情報の連携、さらに、情報を上げるに当たっても、細かく政省令で何日以内とか即座にとか直ちにとかいろいろな言葉が使われているんですけれども、なかなか難しいんですよね。そういうものをしっかりと整理するということが必要なんじゃないか。
だから、私ども立憲民主党もちょっと大きく構えをさせていただいたので、きょう、手前どもの泉政調会長もこの委員会に出席をさせていただいているわけですけれども、この秋の臨時国会で、この新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正案、要するに、このコロナの対応というものを更に強化していくということで改正案を考えさせていただいておりますので、ぜひ大臣にも参考にしていただいて、しっかりとした国民生活の安心というものを獲得していけるようにしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
次に、時間もなくなってまいりましたので、経産省の補助金交付事業、特に、一般社団法人が受けているものについて聞かせていただきます。
持続化給付金とか家賃支援給付金とかさまざまな給付金事業をやっていらっしゃるわけですけれども、経産省。この補助金交付事業で最も古い一般社団法人というのが環境共創イニシアチブという社団法人でございまして、電通さんが設立時の社員でありますけれども、二〇一一年二月に設立されたと。この一般社団法人環境共創イニシアチブは、現在でもたくさんの補助金交付事業の事務局を担当していらっしゃいます。電通さんに外注したりしているわけですけれども、まあ、それはちょっときょうはおいておいて、時間もないので。
企業からの補助金の申請に対する審査体制の中に、補助金申請企業の方やあるいは補助金申請企業のOBの方、いわゆる利害関係者と呼ばれるような方たちが参加しているという指摘がございます。これは調べてくださいということでお願いしてございますが、お調べいただいた事実をお述べください。
○茂木政府参考人 お答え申し上げます。
今御指摘いただきました、エネルギー使用合理化等支援事業者補助金というのがございまして、こちらが今、一般社団法人の環境共創イニシアチブで補助金の交付先の決定及び交付の業務を行っております。
具体的にどういうプロセスでやっているかということでございますが、まず、申請書類がございまして、その中に、更新予定の設備の省エネ量ですとか省エネ率ですとかあるいは費用対効果ですとか、こうしたものがきちんと適切に計算されているかどうかという確認を、これは事務局の職員が行います。この職員の中に、団体に在籍している民間企業からの出向者あるいは企業のOBで、こうした技術的な知見を有している方がこうした確認行為を行うということになっています。
この際に、確かに、ケースによっては、この出向企業から来た方というのが、申請を出している、あるいは関連した申請の中に入っているということがあり得ます。したがいまして、こうしたケースにおいては、出向元に関連する申請案件にはこの出向者はかかわらないという形で業務の運用を行っているということであります。
その上で、こうした確認行為の後に、企業関係者が含まれていない、学識経験者で構成される第三者委員会、外部委員会がございまして、この外部委員会を設置した上で、そこで客観性を担保しながら補助金の交付先の決定を行っているということでございます。
○川内委員 利害関係者はいるけれども、関係する審査にはタッチさせていないよという御答弁だったと思いますが、私は、そこはしっかり確認をする必要があると思いますので、後ほど、その運用の手続等を決めているのであれば、ここで御答弁されたわけですから、文書をいただきたいということをお願いしておきたいと思います。
最後に、ゴー・トゥー・トラベルについて聞きます。
大臣、ゴー・トゥー・トラベルは、事務局になっている旅行代理店、大手旅行代理店は、めちゃめちゃいいわけです。だって、事務費でもうかって、更に旅行商品の販売でもうけて、更に旅館、ホテルに送客することで手数料を取るわけですね。三つからもうかるんですよ。民間だから、特に今、このコロナで厳しいときだから、それはもうけてもらっていいんですよ。だけれども、このゴー・トゥー・トラベルは、旅館、ホテルを、地域の旅館、ホテルがもう大変なんだということで、これも菅総理大臣が官房長官時代に肝いりでお始めになられた事業ですから、旅館、ホテルが助からなきゃ意味がないんですね。
旅館、ホテルに、じゃ、お客さんが泊まりました、旅行代理店を通じて。これは、いつお金が払われますか。いつお金が振り込まれますか。
○村田政府参考人 お答え申し上げます。
今御質問のございましたような、旅行者の方が旅行業者経由で宿泊施設へ宿泊した場合につきましては、このゴー・トゥー・トラベル事業の給付金の請求につきましては、旅行業者が事務局へ行うことになります。
この給付金の請求につきましては、参加登録事業者の資金繰りへの配慮の観点から、月二回の申請を可能とするとともに、事務局におきまして内容を審査の上、適正な内容であると確認した日から三十日以内に事業者の指定口座……(川内委員「時間がないので、ちょっと」と呼ぶ)了解しました。指定口座に振り込むということでございますが、いずれにしても、旅行業者から宿泊事業者への代金の支払いのタイミングにつきましては、民間事業者同士の取決めに基づくものでありまして、一律に定められているものではないと承知をしております。
○川内委員 大臣、これを覚えておいてください。事務局から、お客さんから受けた旅行代理店には、最短で三十日、最長で六十日でお金が振り込まれます。そこから旅館、ホテルに対しては、民民のことだからわかりませんと今言ったわけですね。そうすると、旅館、ホテルにいつお金が払われるのかというのはわからないということなんですよ。
これは政府が、ゴー・トゥー・トラベルというのは、旅館、ホテルが大変だからといって始めたわけですから、少なくともゴー・トゥー・トラベルの商品については、お客さんが泊まったらすぐお金を払いなさいということをゴー・トゥー・トラベルの参加条件にすることぐらいは、ちょっとこれは契約を見直さないと大変ですよ。地域のためにやっているわけですから、地域にお金が行かないと意味がないんですから。
そこはちょっと、もう時間になっちゃいましたので、これの続きは予算委員会でやりますけれども、見直してくださいということをきょう申し上げておきます。次、予算委員会で聞いたとき、見直しましたと言っていただけるように検討しておいていただきたいというふうに思います。
終わります。
○松本委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
きょうは、日本学術会議会員の任命拒否問題について質問をいたします。
今回の問題は、単に六人の任命問題ではありません。日本の学術全体の問題であり、国民に対する挑戦であります。学術と政治の関係を壊し、学問の自由に介入したものであり、日本の民主主義が問われています。
そもそも、一九四九年に設立した日本学術会議とはいかなる存在か。
日本学術会議法は、教育基本法や国立国会図書館法と並び、前文を持つ理念的で特別な法律であります。その前文には、「日本学術会議は、科学が文化国家の基礎であるという確信に立つて、科学者の総意の下に、わが国の平和的復興、人類社会の福祉に貢献し、世界の学界と提携して学術の進歩に寄与することを使命とし、ここに設立される。」とあります。
ところが、この学者の国会を政権の思いどおりにしようとしてきたのが歴代の自民党政治であります。
日本学術会議が発足当時、日本学術会議は、一定の資格を有する全国の科学及び技術の研究者によって選挙される会員をもって民主的に組織されるとしておりました。それを、一九八三年の法改正で、日本学術会議に登録された一定の要件を備える科学者の団体を基礎とする研究連絡委員会ごとの推薦制に改めたものです。ですから、会員の選任を、一九八三年に公選制から推薦制に変えました。
このとき、当事者である学術会議の了承、同意を得ずに法案を提出をし、強行した。学術会議は抗議声明を出して、大問題となりました。そして、国会審議の焦点となったのが、まさに学術会議の推薦と総理大臣の任命の関係であります。
お尋ねしますが、一九八三年五月十二日の参議院文教委員会での中曽根首相の答弁には、法律に書かれているように、独立性を重んじていくという政府の態度はいささかも変わらない、学問の自由は憲法でも保障しており、特に日本学術会議法には独立性を保障する条文もあり、そういう点については今後政府も特段に留意をしていく、こういう答弁に間違いはありませんね。
○大塚政府参考人 お答えを申し上げます。
委員から、学術会議法の前文から始まり、御紹介がございました。
今のその独立云々というところでございますが、まさしくその第三条におきまして、日本学術会議は、独立して次の職務を行うとして、「科学に関する重要事項を審議し、その実現を図ること。」もう一つが「科学に関する研究の連絡を図り、その能率を向上させること。」この二つの職務に関して独立性が定められているというふうに認識をしております。
一方におきまして、第七条を見ますと、第七条の二項におきまして、会員は、十七条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命をするというふうになっておりまして、一方で、ここで総理の任命権が明定をされているというふうに理解をしております。
○塩川委員 ですから、この答弁には、今後政府も特段に留意をしていくとあるように、日本学術会議の独立性を改めて確認をするというものだったわけであります。
そして、法解釈についても明確に示しております。
同じ一九八三年五月十二日の参議院文教委員会で、内閣総理大臣官房総務審議官は、実質的に総理大臣の任命で会員の任命を左右することは考えていない、何か多数推薦されたうちから総理大臣がいい人を選ぶのじゃないか、そういう印象を与えているのじゃないか、研連から出していただくのはちょうど二百十名ぴったりを出していただく、それを形式的に任命行為を行うと答弁をしております。
この答弁は、そのとおりで間違いありませんね。
○大塚政府参考人 お答えを申し上げます。
昭和五十八年の日本学術会議法の改正の際に、その形式的な発令行為である云々の趣旨の政府答弁があったことは承知をしております。
その上で、憲法第十五条第一項の規定に明らかにされているとおり、公務員の選定、罷免権が国民固有の権利であるという考え方からすれば、これは、任命権者たる内閣総理大臣が推薦のとおりに任命しなければならないというわけではないということでございまして、これは、この会議の会員が任命制になったときからこのような考え方を前提にしており、解釈変更を行ったものではないということをあわせて申し上げます。
○塩川委員 そういう後段の説明は全く納得いく話ではありません。
そもそも、この八三年の法改正のときに、公選制を推薦制に変える、その推薦と総理の任命の関係が十分議論されてきているわけですよ。八三年、一年かけて、この問題を中心に議論をしているんですから、この八三年の国会答弁でこそ整理がされている話のはずなんです。そういう点でも、二百十名ぴったりを出していただく、それを形式的に任命行為を行うといったことがまさに重く受けとめられる話であります。
この総務審議官の答弁の後に、内閣総理大臣官房参事官は、この条文について、会員は、第二十二条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命するとは、二百十人の会員が研連から推薦されてきて、それをそのとおり内閣総理大臣が形式的な発令行為を行うというように条文を解釈している、この点については、内閣法制局における法律案の審査のときに十分詰めたと言っているわけであります。
こういう答弁については、内閣府の方、また内閣法制局も、間違いありませんか。
○大塚政府参考人 委員今御紹介のございました答弁のその逐一の記録を今全て私として記憶しているわけではございませんが、ただ、あくまでも、先ほど申しましたとおり、総理の任命権が法律上きちんと規定をされている、それにのっとって今回の任命を行った結果でございます。
○塩川委員 法制局にも確認します。
○木村政府参考人 昭和五十八年の審議におきまして、法制局として答弁を申し上げているわけではございませんが、当時の資料を確認をいたしますと、説明資料と思われる資料の中に、推薦人の推薦に基づいて全員を任命することとなっており、この任命は形式的任命であるという記述はございます。
ただ、その記述がどういう理由で、あるいはどういう経緯で盛り込まれているのか、当時、具体的にどのようなやりとりがあったのかということにつきましては、残念ながら、つまびらかではございません。
○塩川委員 全員任命するとなっているというのが記録であるということじゃないですか。つまり、内閣法制局における法律案の審査のときに十分詰めた、その詰めた結果が全員任命するとなっているということになる。まさに一九八三年の国会答弁はそういうことじゃないですか。
○大塚政府参考人 お答えを申し上げます。
公務員の選定、罷免権が、これは憲法に基づく国民固有の権利であり、そして、法律の中で、総理大臣が推薦のとおりに任命しなければならないというわけではないということも法制局と確認をさせていただいております。
これに基づきまして、任命制になったときから、このようになったときからこのような考え方を前提としており、考え方を変えたということはございません。
○塩川委員 この一九八三年の国会答弁のときに、今言った点については、議論というのはされているんですか。何らか確認しているんですか。
○大塚政府参考人 ただいまの御答弁は、平成三十年のときの法制局との確認結果に基づいて申し上げました。
○塩川委員 だから、一九八三年当時、そういうのはないんですよ。十分詰めている話なんです。詰めた上で、一応記録として残っているところには、全員については任命するとなっているということですから、それを後づけで改めようというのがまさに今のやり方じゃないですか。
この一九八三年の十一月二十四日の法改正審議における政府答弁では、今度はいわゆる推薦制にしていこうということであり、その推薦制もちゃんと歯どめをつけて、ただ形だけの推薦制であって、学会の方から推薦をしていただいた者は拒否はしない、そのとおりの形だけ任命をしていくと明確に答弁をしているわけであります。
ですから、学会の方から推薦していただいた者は拒否はしないという、日本学術会議が推薦をし、総理大臣が形式的に任命するという法律のスキームは何ら変わっていないですよね。
○福井政府参考人 日本学術会議法についてのお問合せでございますので、お答えさせていただきます。
昭和五十八年の改正以来、日本学術会議から推薦をして内閣総理大臣が任命するというスキームは変わっておりません。
○塩川委員 ですから、まさにそういうことで、法律のスキームは何ら変わっていないのに、後づけの解釈だけ突き出してくるというのが今回の話であって、全く納得のいく話ではありません。
それから、昨日の野党合同ヒアリングで内閣府から提出をされた資料、二〇一八年の内閣府日本学術会議事務局ペーパー、内閣総理大臣の任命権のあり方についてでは、次のようにあります。
日本学術会議が内閣総理大臣の所轄のもとの国の行政機関であることから、憲法六十五条、七十二条の規定の趣旨に照らし、内閣総理大臣は、会員の任命権者として、日本学術会議に人事を通じて一定の監督権を行使することができるものであると考えられるとしていますけれども、しかし、一九八三年、法改正のときの日本学術会議関係想定問答、政府の文書では、特に法律に規定するものを除き、内閣総理大臣は、日本学術会議の職務に対し指揮監督権を持っていないと考える、指揮監督権の具体的内容としては、予算、事務局職員の人事及び庁舎管理、会員、委員の海外派遣命令等である。ここでは、事務局職員人事の監督権には触れていますが、会員の人事に関する監督権には触れていないわけであります。
ですから、八三年の想定問答、国会対応としてはこのように書かれていたということですよね。
○大塚政府参考人 お答えを申し上げます。
今委員が読み上げられましたその想定問答は今手元に持ち合わせておりませんが、今その読み上げた内容をお聞きする限りは、その職務に関するところのいわば独立性と申しましょうか、そこは先ほど私も条文で申し上げました第三条のところで、独立して職務を行うとなっておりますので、基本は、職務については独立性が認められている。そこで何か監督権が及ぶのは極めて限られたところであろうというのは、そのとおりだと考えております。
一方で、第七条におきまして、こちらは、その職務を独立して行うという条文と全く同じ、その一つの法律の中の別の条文として総理の任命権が規定をされておりますので、この総理の任命権は任命権としてきちんと位置づけられているものと考えております。
○塩川委員 事務局職員の人事については書いてあるけれども、会員の人事について触れていないんですよ。それはそういう整理だというのが想定問答の中にあるということは改めて確認しておきます。
それで、昭和二十四年一月の日本学術会議の発会式における吉田総理の祝辞があります。日本学術会議はもちろん国の機関ではありますが、その使命達成のためには、時々の政治的便宜のための制肘を受けることのないよう、高度の自主性が与えられている。
この祝辞を紹介をした我が党の吉川春子参議院議員の質問への丹羽兵助総理府総務長官答弁では、あくまで学術会議は国の代表的な機関であると、学術会議こそ大切なものだという考え方、それがこれに干渉したり中傷したり運営等に口を入れるなどという考えは、吉田総理がその当時言われたことと変わってはおりませんし、変えるべきではないと。
政府が干渉したり中傷したり運営に口を入れるという考えはない、変えるべきではない、このようにはっきりと答えていたんじゃないですか。
○大塚政府参考人 お答え申し上げます。
ただいまの委員のその引用のポイントも、運営に何か関与をするといったような趣旨で今受けとめさせていただきましたが、ここはまさしく、独立してその職務を行うと言っているところの、その職務を行う上での独立性、ここは当然、法律にも書かれておりますように、私どももそこは十分踏まえているという考え方でございます。
ただ、一方で、会員の任命のところは、これは、職務の独立性を定めた第三条と同じように、法律の中で別の条文で決められておりますので、任命についての、総理大臣が任命権限を、責任を持ってきちんと任命をするということとこの職務の独立性ということは、直接関係はないと考えております。
○塩川委員 この吉田総理の祝辞は、学術会議の使命達成のためには、時々の政治的便宜のための制肘を受けることのないよう、高度の自主性が与えられていると。それは、当然、人事にも及ぶ話であって、まさに人事を通じて学術会議の高度の自主性を侵害する、まさにその時々の政治的便宜のための制肘を加えたんじゃないのか。このことが問われているときに、こういう答弁をしっかりと踏まえるということこそ求められているわけであります。
この一八年のペーパーでは、「憲法第十五条第一項の規定に明らかにされているところの公務員の終局的任命権が国民にあるという国民主権の原理からすれば、任命権者たる内閣総理大臣が、会員の任命について国民及び国会に対して責任を負えるものでなければならない」としていますけれども、ということは、今回、六人の任命を外したことについて、任命権者たる総理が責任を持って外したということですね。
○大塚政府参考人 お答えを申し上げます。
法律に基づく任命権者として今回の判断をされたということであるというふうに承知をしております。
○塩川委員 まさにそこが問われているんですよ。
吉田総理の祝辞で指摘をしているような、政治的便宜のための制肘になっているんじゃないのか、そういった点で菅総理の関与そのものが問われている。菅総理自身にしっかりと国会でも答弁してもらわないといけない。そういう場をしっかりと設けることを求めたいと思います。
そもそも、条文は変わっていない、解釈は変えていない、じゃ、この二〇一八年の文書、ペーパーというのは何なのか。総理が責任を持って任命を外すことそのものが、学問の自由への介入であり侵害だ。会員の任命拒否は、日本学術会議の独立性、自律性を否定するものであり、学問の自由を侵害する政治介入だと言わざるを得ません。
今回の任命を拒否された松宮孝明教授は、この問題の被害者は、日本の学術によって恩恵を受ける人々全体です、任命されなかった我々自身は被害者だとは考えていません、日本の学術がきちんとこれから伸びていけるのか、日本と世界の人々にその恩恵を与え、成果を還元することができるのかということに関する影響が一番大きい。国民全体が被害者という大問題なんです。
日本学術会議の要望のとおり、推薦した会員候補者が任命されない理由を明らかにしてほしい、任命されていない六人について速やかに任命すべきだ、任命権者である総理が説明責任を果たせと強く求めて、質問を終わります。
○松本委員長 次に、足立康史君。
○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。
浦野委員にかわりまして質問させていただきます。
今、共産党の質疑を聞いていましたが、民主主義というものを理解していないですね。
きょう、ちょうど私はここに来る前にツイッターを見ていましたら、辛坊治郎さんがこういうことを書いていらっしゃいました。日本に独立委員会を導入したのはアメリカだ、それはいいですけれども、その本家アメリカの独立委員会の委員は政権が決める、これは当たり前ですよね。民主主義国では、政権の監視がきかない政府組織は存在してはいけない、これは民主主義の鉄則中の鉄則であると書かれていました。
全くそのとおりで、例えば、今ニュースになっているアメリカの最高裁の判事、これはトランプ大統領、大統領が指名するんですね。これが民主主義国のバランスなんです。だから、日本学術会議についても、公の組織でありますから、これを完全に独立させるということはあり得ません。
そういう中で、累次、再三御紹介をいただいている憲法の第十五条には、「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。」これはまさに、民主的統制をきかせないといけないんだよということが明確に書いてあるわけであります。
また、別のところでも御紹介があった同じような規定、日本学術会議法と同じような規定、国立大学法人法にも、国立大学法人の申出に基づいて文部科学大臣が学長を任命する、こういう規定がある。同じですね。これは拒否権があります。
近藤法制局長官、きょう、おいでいただいています。いや、いいんですが、私が今申し上げた民主的統制、まさに憲法十五条の趣旨というのはそういうことですよね。要すれば、完全に独立したら、戦争中の軍部になりますよ。そうじゃなくて、一定の民主的統制を働かせながら、その運営に当たっては独立性を担保していく。これが、いわゆる憲法十五条の趣旨はそういうことだと思いますが、そうだということで結構ですから、お願いします。
○近藤政府参考人 先ほど御紹介がございました憲法十五条一項で、「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。」国民主権のあらわれであり、国民が公務員というものをきちっとグリップをしていくという趣旨でございまして、そういう意味では、憲法十五条というのは、その趣旨を踏まえて、いろいろなところに任命権というのが、最終的には国民につながるような形できちっと規定されており、内閣あるいは各大臣において、そういった趣旨をきちっと踏まえて、きちっと国民に対して責任のある任命をしていくという整理になっているというふうに承知しております。
○足立委員 これは当然です。日本の国会議員であれば、日本国の国会議員であれば、これは常識だと思いますよ。しっかりと、国民的常識、これを踏まえた質問をこの委員会ではやっていくべきだと指摘をしておきたいと思います。
さて、焦点になっている日本学術会議法七条二項、会員は、十七条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する。これの解釈をめぐって、昭和五十八年の国会答弁も含めて議論になっています。
ちょっと内閣府それから法制局に伺いますが、私は、伺うところ、推薦をそのまま任命する義務があるとまでは言えないという内閣法制局の見解は当時から一貫していると理解しました。
一方で、当時の総理府、今の内閣府は、いや、そうなんだけれども、運用する当事者として、推薦をそのまま任命、形式的に任命しても、それは、解釈上、内閣法制局がそれはだめだよ、形式的にやるのはだめだよと言うつもりもない、内閣府、当時の総理府が、そういう運用方針で臨むことについては法律違反ではないというのが私は法制局の解釈だと思っているんですね。
三ッ林さん、私は、はっきり言った方がいいと思いますよ。要は、総理は、前例踏襲でよいのかと言っている。すなわち、形式的にやってきたんですよ、形式的にやってきたんだけれども、その前例は踏襲しないことに変えたんです。解釈じゃない、条文解釈じゃないですよ、運用方針は変えた、これは認めた方がいいんじゃないですか。
○福井政府参考人 日本学術会議事務局でございますが、平成三十年文書を整理しましたのは私の方でございますので、一言御説明をさせていただきますと、昭和五十八年の制度導入以来、基本的に総理が任命権を持っているということだけは確かであるというふうに理解しております。
○足立委員 いや、だから、それはわかった。私も、それはそうだと思う、伺っているとね。
もう時間がないので、法制局長官にはそれは聞きません、聞きませんが、ずっとおっしゃっている、一貫してそこの解釈は変わらないんだと。それは憲法十五条との関係でも整合的であるということは私は理解をしました。
問題は、内閣府、当時の総理府が、その運用方針ですよ。皆さんも、解釈はぎりぎりぎりぎりやってきた。その中で、形式的に、推薦された者をそのとおり任命するということもありだし、今回のように、その一部を任命することもありなんですよ。いや、全然問題ない、法律上。でも、かつて、もし、形式的にやるという運用方針を公言されていて、今回はその運用方針という前例を踏襲しないことに決めたのだったら、今回は前例を踏襲せずに、しっかりと本来の法律の趣旨を、今まではサボっていたわけですよ、内閣は。総理大臣がサボっていたんです、今までの総理大臣は。安倍総理、菅総理の前の総理大臣はサボっていたんです。本来の法律の趣旨をしっかりと貫徹して民主的統制を働かせてこなかった。今までの総理が悪いんです。安倍内閣、菅内閣は、法律の趣旨、憲法の趣旨を十分に理解をし、民主的統制を働かせた、前例を踏襲しなかった、そういうことで私は理解していますが、いいですね、三ッ林さん。大体そんなところだということで言ってください、大体そんなところだと。
○三ッ林副大臣 お答えいたします。
これまでも答弁してまいりましたけれども、憲法第十五条第一項の規定に明らかにされているとおり、公務員の選定、罷免権が国民固有の権利であるという考え方からすれば、任命権者たる内閣総理大臣が推薦のとおりに任命しなければならないというわけではなく、日本学術会議会員が任命制になったときからこのような考え方を前提としております。
○足立委員 僕が言ったとおりなんですよ。
与党の皆さん、しっかり、せっかく質疑時間があるんだから、こういうのをちゃんと明らかにして、その後の野党の質疑者が困るような質問をしたら。何でぼうっとしているの。大体、これぐらいの問題はこの一日で終わらすべきですよ、こんな問題は。ほかに重要な問題があるんだから。
最後に一問、焦点になっているもう一つの論点、総合的、俯瞰的ということでありますが、これは単なる人事じゃなくて、まさに独立性の高い公の組織の任命行為なんです。そうであれば、推薦側であれ、任命側であれ、その理由を国民に開示していく、民主的統制というのはまさに国民に説明できるからこそ民主的統制なんだから。この国会の場でもいいですよ。その理由をやはり私たち日本維新の会ははっきりしていった方がいいんじゃないかな、こう思っているわけでありますが。
内閣は、理由は言わないと言っている。内閣府側あるいは学術会議側は、推薦理由は公にしているんですか、個別の。
○福井政府参考人 お答えさせていただきます。
日本学術会議の会員の任命につきましては、八月三十一日に日本学術会議から会員候補推薦書が内閣総理大臣に提出され、十月一日付で任命が行われたものでございます。
日本学術会議会員候補者の内閣総理大臣への推薦は、日本学術会議会員候補者の内閣総理大臣への推薦手続を定める内閣府令に基づきまして、任命を要する三十日前までに当該候補者の氏名を記載した書類を提出する、これによって行うものとされております。
この推薦書類につきまして、内閣総理大臣への推薦手続の中において、推薦理由の書類は添付されておりません。(足立委員「いや、だから、推薦側がそもそも……」と呼ぶ)
○松本委員長 足立さん、委員長の指名を受けてから。
足立康史君。
○足立委員 そもそも推薦側が理由を開示していないんだよね、これはおかしいよね。
まず、推薦側がなぜそれを推薦するのか、それに対して、もし採択、一部を任命するのであれば、その一部が任命されることの適正性、これを国民に政府は説明すべきだと思います。
これについては重要な問題であり、要は、国会がまたモリ、カケ、桜みたいな形でこの問題で席巻されることがないように、日本維新の会として、責任政党として、今の最後の論点だけは引き続き質問をしながら、早く国の未来にかかる本質的テーマについて議論できる国会にしていくことをお誓いして、質問を終わります。
ありがとうございました。
○松本委員長 本日は、これにて散会いたします。
午後零時十二分散会