衆議院

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第4号 令和2年11月18日(水曜日)

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令和二年十一月十八日(水曜日)

    午前九時三十五分開議

 出席委員

   委員長 木原 誠二君

   理事 平  将明君 理事 冨岡  勉君

   理事 中山 展宏君 理事 藤原  崇君

   理事 松本 剛明君 理事 今井 雅人君

   理事 後藤 祐一君 理事 濱村  進君

      安藤  裕君    井上 貴博君

      岡下 昌平君    金子 俊平君

      神田 憲次君    菅家 一郎君

      木村 哲也君    小寺 裕雄君

      杉田 水脈君    高木  啓君

      出畑  実君    永岡 桂子君

      長尾  敬君    西田 昭二君

      深澤 陽一君    牧原 秀樹君

      松本 洋平君    宮崎 政久君

      簗  和生君    吉川  赳君

      和田 義明君    大河原雅子君

      大西 健介君    玄葉光一郎君

      森田 俊和君    森山 浩行君

      柚木 道義君    吉田 統彦君

      早稲田夕季君    江田 康幸君

      古屋 範子君    塩川 鉄也君

      足立 康史君    浅野  哲君

    …………………………………

   国務大臣

   (国家公務員制度担当)  河野 太郎君

   総務副大臣        熊田 裕通君

   国土交通副大臣      大西 英男君

   内閣府大臣政務官     岡下 昌平君

   内閣府大臣政務官     和田 義明君

   内閣府大臣政務官     吉川  赳君

   法務大臣政務官      小野田紀美君

   政府特別補佐人

   (人事院総裁)      一宮なほみ君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  江口 純一君

   政府参考人

   (内閣官房内閣人事局人事政策統括官)       山下 哲夫君

   政府参考人

   (内閣官房内閣人事局人事政策統括官)       堀江 宏之君

   政府参考人

   (人事院事務総局給与局長)            松尾恵美子君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 茨木 秀行君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 阿部 知明君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 馬場竹次郎君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           志村 幸久君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房総括審議官)         長橋 和久君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局次長)       塩見 英之君

   政府参考人

   (海上保安庁総務部長)  宮澤 康一君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房審議官) 岩元 達弘君

   内閣委員会専門員     笠井 真一君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月十八日

 辞任         補欠選任

  池田 佳隆君     菅家 一郎君

  本田 太郎君     木村 哲也君

  牧島かれん君     井上 貴博君

  松本 洋平君     出畑  実君

  岸本 周平君     浅野  哲君

同日

 辞任         補欠選任

  井上 貴博君     牧島かれん君

  菅家 一郎君     簗  和生君

  木村 哲也君     深澤 陽一君

  出畑  実君     松本 洋平君

  浅野  哲君     岸本 周平君

同日

 辞任         補欠選任

  深澤 陽一君     本田 太郎君

  簗  和生君     池田 佳隆君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第五号)

 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第六号)


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     ――――◇―――――

木原委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官江口純一君、内閣官房内閣人事局人事政策統括官山下哲夫君、内閣官房内閣人事局人事政策統括官堀江宏之君、人事院事務総局給与局長松尾恵美子君、内閣府大臣官房審議官茨木秀行君、総務省大臣官房審議官阿部知明君、総務省大臣官房審議官馬場竹次郎君、厚生労働省大臣官房審議官志村幸久君、国土交通省大臣官房総括審議官長橋和久君、国土交通省水管理・国土保全局次長塩見英之君、海上保安庁総務部長宮澤康一君及び防衛省大臣官房審議官岩元達弘君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

木原委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。安藤裕君。

安藤(裕)委員 おはようございます。自民党の安藤裕でございます。

 本日は、質疑の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 時間がありませんので、早速質問に入らせていただきます。

 まず、確認ですけれども、人事院勧告、毎年行われておりますが、この人事院勧告が行われる趣旨について御説明をお願いいたします。

松尾政府参考人 お答え申し上げます。

 人事院勧告の趣旨という御質問でございますが、国家公務員は、その地位の特殊性及び職務の公共性に鑑みまして、憲法で保障された労働基本権が制約されております。人事院の給与勧告は、労働基本権制約の代償措置として、国家公務員に対しまして、社会一般の情勢に適応した適正な給与を確保する機能を有するものでございます。国家公務員の給与水準を民間企業従業員の給与水準と均衡させること、いわゆる民間準拠を基本として行っておるところでございます。

安藤(裕)委員 ありがとうございます。

 今御提示もありましたとおり、人事院勧告は官民給与の較差を是正するということで機能しているということでございますけれども、皆様のお手元に資料をお配りしておりますが、一枚目、給与勧告の改定率の推移の資料をお配りをしております。

 これを見ていただくとわかるんですが、高度経済成長の時期からインフレ期、いわゆる経済成長している時期は、基本的にはプラス改定でございます。昭和四十八年、四十九年なんか三〇%ぐらいプラス改定になっているんですけれども、すごい率になっておりますが、しかし、最近は、マイナス改定の時期もあり、それから、微妙にややプラスぐらいの時期もあります。

 つまり、私が問題意識を持っておりますのは、人事院勧告が、インフレ時には、適正な官民較差是正のために機能しており、なおかつ経済対策としても賃上げに寄与するので非常に適切でありますけれども、デフレ期においては、官民較差を是正するということでは機能するものの、マクロ経済対策としては、賃金下落ということを実現をしてしまい、デフレ圧力を促進してしまうという側面があります。この点を非常に重く見なくてはいけないと思っております。

 その意味で、十一月十六日にGDP速報が公表されましたけれども、七―九のGDPは、対前年同期比で見ると、実質でマイナス五・八%、名目でマイナス四・八%、四―六期に比べれば改善しているとはいうものの、まだ前年並みには戻ってきておりません。また、七―九の雇用者報酬も、実質マイナス三%、名目二・二%ということになっております。

 こういった現状の経済の認識、また、あるいは今後の民間の給与の推移について、政府はどのようにお考えか、お答えいただきたいと思います。

茨木政府参考人 お答え申し上げます。

 我が国経済の現状につきましては、感染症の影響によりまして非常に厳しい状況にございますけれども、各種支援策、これによる下支えの効果もございまして、このところ、全体としては持ち直しの動きとなっているというふうに認識をしてございます。

 また、先生御指摘のとおり、実質GDPにつきましては、四―六月期は緊急事態宣言のもとで大きく落ち込んだわけですけれども、七―九月期につきましては前期比で五%、年率換算で二一・四%となっております。

 ただし、経済の状況、水準につきましては、依然としてコロナ前の水準を下回っているということでありまして、回復はまだ途上にあるという状況だと思っております。

 こうした中、お尋ねの賃金の動向につきましては、毎月勤労統計調査、これで見ますと、一人当たり賃金の動きは、足元では徐々に落ちついていますけれども、四月以降、前年比で弱目の動きになっているということでございます。

 また、先行きにつきましても、欧米の感染拡大による輸出、生産への影響、あるいは、足元の国内の感染者数の増加による個人消費への影響など、下振れリスクには十分な注意が必要な状況かと考えております。

 引き続き、感染症の状況ですとか、あるいは内外の経済動向を注視いたしますとともに、所得や雇用がどう推移していくかといった点につきましては、しっかりと緊張感を持ちながら見てまいりたいと考えております。

安藤(裕)委員 ありがとうございます。

 やはり、持ち直しているとはいうものの、まだまだ厳しい状況であると思います。そういった意味では、やはり政府としては、賃金の下落を何としても落とすということが必要だと思います。特に、大手企業なんかは、月の賃金も落ちてくるだろうし、それから、ボーナスが支給されないというような企業も出ております。

 したがって、まず賃金の下落を抑えるために政府としてやれることとしては、例えば雇用調整助成金の特例措置の延長、あるいは粗利補償、失われた固定費を補償するような持続化給付金の大幅拡充などを考えるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

和田大臣政務官 お答え申し上げます。

 まず、経済対策全般の話についてでございますけれども、先般十日の日に、菅総理より西村大臣に対しまして、感染拡大を抑えながら雇用と事業を支えるとともに、ポストコロナに向け、経済の持ち直しの動きを確かなものとし、民需主導の成長軌道に戻していくため、新たな経済対策の取りまとめを進めるよう指示がございました。

 新たな経済対策でございますけれども、次の三つの柱から成ります。一つは、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策。二つ目は、ポストコロナに向けた経済構造の転換、好循環の実現。三つ目が、防災・減災、国土強靱化等、安全、安心の確保でございます。

 これらの柱のもとに具体策をしっかりと検討し、十分な効果を発揮できるような対策の取りまとめに尽力してまいりたいと思います。

 その上ででございますけれども、御指摘の支援策につきましては、雇用調整助成金につきましては、これまで約百八十三万件、約二・二兆円を支給することを決定してまいりました。この効果もございまして、失業の急増は何とか食いとめられている状況でございます。

 助成率等の特別措置については十二月末まで延長してございますけれども、その後につきましては、感染症の状況や雇用、経済情勢を踏まえつつ、適切に判断をしてまいりたいと思っております。

安藤(裕)委員 ありがとうございます。

 やはり一人も失業者を出さない、あるいは賃金の下落を招かないという意味では、今おっしゃったことも十分やっていただきたいと思いますけれども、やはり固定費の補償ということをしっかりやらないと、企業はこれから大変な状況になってくると思いますので、ぜひひとつそちらの検討もお願いをしたいと思います。

 それから次ですけれども、実質賃金を引き上げ、それから中小企業の経営を助けるためにも、消費税の減税、これをぜひ検討していただきたいと思います。

 特に、消費税というのは外形標準的課税の側面もありますので、転嫁ができなければ、企業はその分、利益を削って納税しなくてはなりません。このようなコロナで非常に苦しい状況のときに、自分の利益を削って納税する消費税というのは非常に厳しいものがあると思います。

 ぜひ消費税減税について検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

和田大臣政務官 お答え申し上げます。

 まず、最初にお話のございました補償の件でございますけれども、休業要請を含め、コロナの影響は事業者によって千差万別でございまして、その影響分が幾らかを事業者ごとに算定し、それに基づき補償するといった考え方の給付を行うことは極めて困難であることは御理解をいただきたいと思います。

 政府としては、補償であるかないかといった名称の問題ではなく、二度の補正予算にわたり、持続化給付金や家賃支援給付金、雇用調整助成金など、厳しい状況にある事業者の皆様に実質上の補償を行ってきているところでありまして、引き続き、これらを迅速に執行して、事業者の皆様に必要な支援を行き渡らせる所存でございます。

 また、十六日には、地方創生臨時交付金に五百億円の協力要請推進枠を設けまして、国の一定の関与のもとに、都道府県が、エリア、業種を限定した営業時間短縮要請等を行い、要請に応じる事業者に協力金の支給を行う場合に交付金の追加配分を行い、都道府県による機動的な対応を支援していくことといたしました。具体的な仕組みを検討して、早急に実施してまいりたいと思います。

 次にお話のございました消費税のお話でございますけれども、税収の全額が社会保障財源に充てられておりまして、全世代型社会保障の構築に向けて、少子化対策や社会保障の安定財源を確保するためにどうしても必要なものでございます。特に、幼児教育の無償化、高等教育の無償化、子育て世帯や低所得世帯への支援の財源となっていることを御理解いただけたら幸いでございます。

 また、消費税減税は、高所得者にとって恩恵が大きい一方、低所得者には恩恵が小さくなりがちであることも御留意いただければ幸いでございます。言い方をかえましたら、低所得者の方には、消費税減税のメリットが大きくなるようにするには、消費支出をふやす必要があります。生活不安などによって節約の意向が強ければ、消費税減税のメリットは限定になってしまうというふうなこともございます。

 政府といたしましては、御案内のように、一人十万円の特別定額給付金、これを実施いたしまして、ほぼ全ての、約五千九百十万世帯に十二・七兆円をお届けいたしました。これは消費税率で見ますと約五%に相当する対策でございます。

 また、低所得者の方にとりましては、消費支出の五%分よりも十万円の給付の方が恩恵が大きく、感染症の影響下での生活不安に対しまして安心感を醸成するといった効果もあるというふうに考えてございます。

安藤(裕)委員 ありがとうございます。

 消費税についてはもっと議論もしたいところですけれども、ぜひ、ありとあらゆる施策を総動員して、とにかく、これからまだまだコロナは続いてまいりますから、国民の皆さんの生活をしっかりと守るために、あらゆる手段を、何も排除することなく検討していただきたいというふうに思います。ぜひよろしくお願いいたします。

 和田政務官はこちらで結構でございます。どうもありがとうございました。

 そして、河野大臣にお伺いしたいと思いますけれども、冒頭申し上げましたとおり、人事院勧告が、インフレ期には賃金を上げ、公務員の給与も上げるということで、マクロ経済政策的にも正しいと思いますけれども、デフレ期には賃金を下落をさせる。官民較差を是正するという意味ではこれは正しい政策だと思いますし、国民感情的にもこれは合致していると思うんですが、マクロ経済政策的には、デフレ期に賃金を下げるということは、これは間違っている政策になってしまうのではないかということを私は問題意識を持っておりますけれども、大臣としてはどのようにお考えでしょうか。

河野国務大臣 公務員の処遇を適正に保ちながら国民の御理解を得るためには、やはり民間準拠というのがいい手法なのではないかと思います。

 経済対策については経済政策で行うというのがやはりあるべき姿なんだろうと思っております。

安藤(裕)委員 ありがとうございます。

 ぜひ、賃金を下げるではなくて、どうやったら民間の賃金を上げられるかということを政府としても考えていただきたいと思います。

 次の質問に移っていきたいと思いますけれども、皆さんのお手元に、海上保安庁の定員の推移と、自衛隊の定員それから欠員の状況の推移の資料をつけております。

 まず、海上保安庁それから自衛隊それぞれにお伺いをしたいと思いますけれども、今の定員の推移の状況それから欠員状況、それからまた、その理由について、そしてまた、あわせて、いかにして欠員ができた場合に欠員の補充を考えているか、それについてお答えをお願いをいたします。

宮澤政府参考人 海上保安庁では、尖閣諸島や大和堆周辺海域での対応等、業務需要がふえていることを受け、平成二十八年に決定された海上保安体制強化に関する方針に基づき、巡視船や航空機などを増強し、体制強化を進めていることから、同方針の決定前と比較して海上保安庁の定員も約八百人ふえております。

 欠員の状況につきましては、令和元年度末において海上保安庁全体の欠員率は三%台となっております。その理由でございますが、当庁では、現在職員の大量退職期を迎えている中、尖閣専従船及び規制能力強化型巡視船などが就役し、さらに、海上保安体制強化に関する方針に基づく大型巡視船などの就役が続いていることから、一時的に欠員が生じております。

 この状況を受けての対策でございますが、海上保安庁では、人材確保に向けて、海上保安学校の採用人数を平成二十六年度に約四百人から約六百人に、海上保安大学校の採用人数を平成二十八年度に約四十五人から約六十人にそれぞれふやし、基盤となる学生の確保を図っております。

 さらに、今年度から、大学卒業者を対象とした海上保安官採用試験を新設するとともに、海上保安学校学生採用試験の受験可能期間を、高校卒業後五年を経過していない者から、十二年を経過していない者に見直し、受験者の範囲を拡大するなどにより、着実に人材確保に努めております。

 また、定年退職者等の再任用を強力に推進し、約八割の職員を再任用するとともに、海技免状等の有資格者を対象とした選考採用も継続するなど、人材確保の取組を進めております。

 一方、海上保安庁の離職者の多くは二十代以下の若年職員であることから、離職者数の抑制を図るよう、上司による個々の職員への面談をきめ細かに行うなどして、よりよい職場環境づくりにも取り組んでいるところでございます。

岩元政府参考人 お答えいたします。

 令和元年度末時点の自衛官の定数は二十四万七千百五十四人、現員数は二十二万七千四百四十二人で、充足率は九二%となっており、現員が定数を下回っている状況であります。

 現員が定数を下回っている理由といたしましては、少子化による採用対象人口の減少等により、自衛官等について厳しい採用環境が続いていること、定年退職や中途退職等により、年度途中で人員の減少があることなどが挙げられます。

 今後、自衛官の充足を向上させるためには、防衛省・自衛隊といたしましては、これまで以上に人材の確保、流出防止、有効活用に関する総合的な取組を推進していくこととしております。

 具体的には、例えば、より多くの若者が目にする、ユーチューブやツイッターなど、SNSを活用した積極的な募集広報の展開、隊員の生活、勤務環境の改善、女性自衛官の活躍推進、ワーク・ライフ・バランスの推進、処遇の改善、ハラスメントの防止やメンタルヘルス施策の推進などによります自衛隊の魅力向上と人材の流出防止、さらには、定年の引上げや再任用の拡大による人材の有効活用などの取組を推進してまいります。

 防衛力の中核は自衛隊員であり、自衛隊員の人材確保と能力、士気の向上は防衛力の強化に不可欠であることから、人的基盤の強化をより一層推進してまいります。

安藤(裕)委員 ありがとうございます。

 欠員が出る状況は非常に憂慮すべき状況だと思います。特に、先日のニュースでも、中国海警局が、停船命令などに従わない場合には武器の使用を外国船舶に対して認めるというような法律を用意しているというふうな報道もあります。

 このような、日本周辺はやはり、広大な海域を持っておりますから、これを防衛するためには、この状況を放置しておくわけにはいかないと思いますが、中国の動き、あるいはロシア、北朝鮮の動きも含めて、政府として今、現状をどのように認識しておられるか、お答えをお願いしたいと思います。

大西副大臣 お答えをいたします。

 海上保安庁は、海上における法執行機関として、委員御指摘のような我が国周辺海域における治安の確保に加え、多種多様な任務を精力的に遂行しております。

 例えば、台風や豪雨などによる自然災害の発生時には、地方自治体に職員を派遣し、被災状況や生活支援ニーズなどの情報収集を行っています。さらに、巡視船艇や航空機、特殊救難隊などを被災地に派遣し、救助活動も行っています。

 また、海賊行為に対処するため、ソマリア・アデン湾に派遣されている海上自衛隊の護衛艦に捜査隊を同乗させているところでもあります。

 特に、今年度、四月から派遣された第三十六次派遣捜査隊においては、新型コロナウイルスの影響により上陸を制限されているという状況でありまして、狭い護衛艦の一室にずっと待機をしながら任務を遂行しております。

 これまでと同様に、司法警察活動に加えた即応体制を維持しつつ、海賊行為の監視及び情報活動を行っております。

 このような海上保安庁が所管する多種多様な任務を確実に遂行していくため、これまでも体制の強化を努めてきたところであり、引き続き、着実な人員の確保も含め、必要な体制を推進してまいります。

安藤(裕)委員 ありがとうございます。

 時間が参りましたので、最後に、大臣、前防衛大臣でございますので、一言、今の現状について御感想をお願いをいたします。

河野国務大臣 自衛隊、定員割れの状況になっている、これはゆゆしきことだと思っております。私のときも、SNSの発信を強化するなどして自衛隊に入ってくれる年齢層へのリーチを強めていこうということを考えておりました。

 任命権者におかれては、それぞれしっかり対応してもらいたいと思います。

安藤(裕)委員 どうもありがとうございました。

 終わります。

木原委員長 次に、濱村進君。

濱村委員 公明党の濱村進でございます。

 きょうは、給与法に関連して質問をさせていただきますが、先週、公明党としてもデジタル庁設置に向けての提言というものを出させていただきました。菅総理とデジタル改革担当大臣の平井大臣に提出をしたわけですが、その中に、実は、国家公務員の方として、デジタル庁の方もプロパーとしても必要だ、優秀な人が必要だと思っておりますけれども、あるいは、各省から、自治体からもローテーションメンバーも必要だというようなことも記載させていただいた上で、技官として、デジタル総合職という情報技術に関する技官の採用も、ぜひそういう採用枠をつくってくれというようなことも提言に盛り込んだところでございます。

 こうしたことをしながら、これからの役所に求められる仕事ができる人材をどうやって確保していくのか、若手の職員の確保という観点でどのように取組をされるかということが非常に重要だと思っております。

 そこで、ちょっと河野大臣にお伺いしたいんですが、先週十一月十三日の人事院勧告に対しての質疑の中におきましても、勤務時間の調査に関連して、若手の職員で辞職する意向を持っている人がふえているとか、国家公務員試験の希望者の数が平成八年ピークで現状では半減しているとか、長時間労働のため、プライベートと仕事、家庭と仕事の両立ができないという意向を持っているというような答弁がございました。

 このこと自体、そうなんだろうなと思っておりますが、そうはいっても、長時間労働だけではないんじゃないのと実は思っていまして、長時間労働も大きな影響を与える一つであるというふうには思っているんですが、働く人の価値観というのはそれだけではございませんよねということを思っております。

 労働時間と同様に、外形的な観点でいいますと、報酬であったり、あるいは、外形的なことじゃないことでいえば、社会的価値、国家公務員として仕事をすることがどのような価値があるのかとか、そういった社会的意義をどこまで自分に認めてやれるかということ、あるいは、能力や実績に対して評価がどのようになされているかとか、こうした多様な価値判断、価値基準があるというふうに思っておりますが、それぞれ、若手の国家公務員の確保における観点でいえばどのような問題意識をお持ちなのか、大臣に伺いたいと思います。

河野国務大臣 長時間労働の是正というのがまず第一歩だと思っておりますけれども、おっしゃるようにそれだけではないんだろうと思います。

 報酬面については、高い報酬を求めている方はきっと霞が関ではなくて民間に行かれてしまうのではないかなと思っておりますが、それでも、よもやサービス残業なんということが起こらないように、これは人事院がしっかり対応してくれるものと考えております。

 霞が関に来てくれる若い人は、やはり多少給料が低くても国のために仕事をするんだという意欲を持ってきてくれている人が多いと思います。そういう若手が本当にやりがいを感じて仕事をやってくれるというのが大事なんだと思いますが、残念ながら、どうもそうではない業務もたくさんある。そういうことについては、さまざま合理化をしたり、あるいはAIその他を導入をすることによってそういう業務を極力なくすとともに、上司がしっかりマネジメントをする。

 そして、今、さまざまな霞が関の若手のグループが、やりがいを持って仕事ができるためにどうするんだといういろいろな提案を出してくれておりますので、私としては、その提案を一つずつしっかり実行できるように努力してまいりたいと思っております。

濱村委員 報酬について、欲しい人は民間に行くんじゃないかというお話があって、確かにそれはそうだ、今は現状そうなんだと思っておりますが、報酬も、国家公務員であったとしても、能力が高い人についてはだっと張りつけられるような制度もつくっていかなきゃいけないんじゃないかと思っていますし、あと、デジタル庁の提言に書かせていただいたことでいえば、そうした民間の方を活用しながら、そのフェーズ、段階がそれぞれプロジェクトによってありますので、その段階が終わったらまた民間に戻っていただくとかそういうことができるような、回転ドア、リボルビングドアのようなこともできればいいんじゃないかというようなことも提言させていただいたことでございます。

 また引き続きこうした点について議論をさせていただければというふうに思っておりますが、ぜひ、内閣人事局におかれましても、人事管理のあり方についてもっと高度化をしていただきたいというふうに思っております。

 世間では大分、ヒューマンリソーステックとかというような言われ方をしながら、人事管理についてテクノロジーが非常に充実してきているわけでございますけれども、そういう中で重要だと言われているのが、戦略的人的資源管理、戦略人事でございます。

 人材を管理するだけではなくて、企業独自の戦略や目的などに合わせた人事を行うことを指すわけでございますけれども、労務等のオペレーション業務だけを行うようなオペレーション人事というのがこれまでの従来の人事でございました。そこから、賃金構造の見直しなどの人事インフラを担うような経営人事というものが行われるようになって、その先に戦略人事というものが今あるという理解でございます。

 高度な人事管理が行われ始めている一方で、役所はどうであるのかというところでございますが、優秀な人材の確保を行う人事としての施策が打たれているのかどうか伺いたいと思います。

堀江政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のとおり、民間企業におきましては、例えば業績の評価とそれに基づく処遇を確保する、こういったオペレーショナルな人事管理にとどまらずに、経営戦略、経営目標の達成を目的として社員の能力を伸ばして、その能力を最大限発揮させるタレントマネジメントという考え方、あるいは、社員の貢献意欲と組織の方向性というものを一致させて、いわゆるエンゲージメントを向上させていくといったようなことを重視する、そういった、いわゆる御指摘あった戦略的人事管理というものが進展してきているというふうに承知しております。

 公務におきましても、志望者数の減少とか若手職員の離職傾向が見られる中で、やはり、能力、実績に基づく人事管理のみならず、中長期的な人材の確保、育成、そういったことが喫緊の課題になっていく。そういったことからは、やはり、こうした戦略的人事管理といった考え方、そういったことの重要性は増してきているんだろうというふうに思っております。

 このため、民間企業の取組を参考にしながら、優秀な人材を確保、育成して、その能力を存分に発揮してもらう、そういったために、大臣のもとで働き方改革を進め、職員の自己成長を促していく、あるいは仕事に対するやりがいを高めていく、そういった具体的施策に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

濱村委員 ありがとうございます。

 タレントマネジメントという言葉が出ました。実は、世の中でタレントマネジメントなる取組が非常に多くあふれている状況ですが、その中にもいろいろな程度があると私は思っております。なんちゃってタレントマネジメントをやっているような企業さんもたくさんいらっしゃると思いますので。

 ぜひそうしたところも民間の取組を研究していただいて、最も先進的で、そして効果的であるような人事管理ができるように、ぜひ国家公務員の皆様にそれを適用できるように大臣にお力を振るっていただきたいということをお願い申し上げて、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

木原委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 国家公務員の業務についてお尋ねをいたします。

 最初に厚生労働省にお聞きいたします。

 資料を配付をさせていただきました。ハローワークの主な取組と実績という、厚労省の作成資料であります。これを見ますと、主要国の職業紹介機関の体制を載せております。冒頭、頭書きがありますが、職業安定機関の職員一人当たり労働力人口及び失業者数を比べると、ハローワークの職員数は欧州主要国の三分の一から十分の一程度とあります。

 お尋ねしますが、日本は余りにも少な過ぎるのではないでしょうか。

志村政府参考人 これまで、ハローワークにつきましては、雇用情勢の変化による行政ニーズ等に的確に対応できるよう、効率的かつ専門的な執行体制の確保に努めてきたところでございます。

 この資料に関しましては、行財政改革を踏まえつつも、ハローワークが国際的に見て必要なサービスを効率的に提供しているということを国民の皆様に広く御理解いただくため作成、掲載しているものでございます。

塩川委員 大きくほかの国に比べて少ない。効率的といっても、三倍、十倍も一人が仕事をするのかと。つまり、ここにあるのは、受け持っている形になる職員一人当たりの労働力人口とか職員一人当たりの失業者数が余りにも日本が多過ぎるというところがポイントであるわけです。これで、実際の働く皆さん、失業者の皆さんにきちんとした対応ができるのかということが問われているところです。

 雇用情勢の変化に伴うニーズに基づいての人員配置の話がありましたけれども、前回もやりとりしましたように、もともと非常勤の方が一万五千人もいて、その上に、まさに雇用情勢でプラスアルファの人の確保、そういう実態があるということをやはり踏まえてのものでなければなりません。

 ハローワークは、憲法第二十七条の勤労の権利を保障する重要な機関であります。国は、国民に勤労の機会を与え、憲法第二十五条の生存権を保障する責務があります。また、職業選択の自由を確保するために、国として労働者の希望や能力、適性にふさわしい勤労の機会を保障することが求められております。

 各国でも必要な人員配置を行っているのは見ていただいたとおりです。日本は余りにも少な過ぎるわけなのに、この間、常勤職員を削減し続けている、下のグラフにあるとおりであります。これはおかしいんじゃないでしょうか。この点についてお答えください。

志村政府参考人 お答えします。

 国民の勤労権保障のため、雇用のセーフティーネットを提供して労働行政の多様な課題に対応できるよう、第一線であるハローワークの執行体制の確保が必要だと認識しております。

 このため、雇用情勢の変化による行政ニーズに的確に対応できるよう、常勤職員と非常勤職員との適切な役割分担のもと、効率的かつ専門的な執行体制の確保に努めているところでございます。

塩川委員 常勤職員と非常勤職員の適切な役割分担と言いますけれども、例えば、求人開拓の仕事につきましても、以前は常勤職員の方々が中心に担っておられました。今は非常勤の方が大変多い、置きかえられているという状況であります。ですから、求人開拓の仕事というのは、まさに事業所の方、経営者の方などにお話を伺いながら、その相手のニーズと同時に、こういった方にきちっと仕事を紹介をする、こういう取組についても、マッチングの上でのさまざまな知見や経験の積み重ねが極めて重要であります。専門的知見や経験を蓄積することが可能となる常勤職員を確保することが国民の労働権、基本権を保障することになるということをきちっと受けとめて、対策が求められているわけです。

 その際に、この資料の下の、ハローワークの職員数等の推移のグラフの、その更に下の部分に注記がありますけれども、ここを見ていただいたとおり、定員合理化計画によって、この間、機械的に毎年二%を削減する、こういうことが行われている。常勤職員を減らして、そういう中で非常勤職員をふやすことで対応する。これが必要な常勤職員の確保の妨げになっているんじゃありませんか。

志村政府参考人 常勤職員、基本的にはこういった中においても、まさに処分に係る業務、雇用保険に係る受給認定、どうしてもこれは行政の職員でやらなくてはいけないものというようなものは常勤職員に重点化いたしますし、確かに、議員のおっしゃる職業紹介、職業紹介技法ですから、いわゆる個々の労働者がどのような職を求めているかということもありますし、あるいは、適性、仮にそこの職に入っていただいたとしてもうまくやっていけるかどうかとか、あるいは求人者のニーズとか、そういったようなところも見ていくという業務はございます。

 そういったようなところの部分、非常に重要な、いろいろ、就職困難者もいらっしゃいますから、そういったところはやはり常勤というようなところであります。

 ただ、また一方で、いろいろ、実際に若者、若者がそういうのが必要ないということはないんですけれども、いろいろ求職者の特性に応じて、また非常勤と分担させていただいて、業務をこなしてやっていっているというところが実情でございます。

塩川委員 ですから、常勤職員で対応する必要があるということは当然お認めになっている、そういうところがあるということは認めているわけで、そういった常勤職員をどんどんどんどん減らしている、これじゃ対応できないんじゃないのかということが問われているんですが、その点。

志村政府参考人 そういった中で、一方で、マッチングというところもありますけれども、求人情報とか、求職がいわゆる情報化されているという面もありますので、そういったようなところは、自主的な、検索の端末とかそういったようなことを求職者で、いわゆる自分で見てやっていただくという場面もあり、そして、かつまた、しっかりじっくり相談したいということであれば、そこはまたじっくり相談に応じていくというようなところで、確かに求職者は今、一層、結構多く訪れている状況でございますけれども、そういった中でも、求職者ニーズ等にも、そこをよく見て、実際の、ハローワークの一線の職場で差配してやっているという状況でございます。

塩川委員 非常勤職員をどんどんふやしているわけですよ。だから、常勤職員を減らす必要がないと。

 そうなっているのは、定員合理化計画のもとで必要な常勤職員が減らされている、その確保の障害となっている、このことが問われているわけです。

 もう一つ、国交省に地方整備局の組織体制についてお尋ねします。

 二〇〇八年から始まったTEC―FORCEは、大規模な自然災害に際し、被災自治体が行う被災状況の把握や被害の拡大の防止、被災地の早期復旧に対する技術的な支援を円滑かつ迅速に実施するものとして、全国の地方整備局の職員の方が派遣をされています。担当の業務を脇に置いて、被災地に派遣をされ、作業に従事をしておられます。大規模自然災害が恒常化する中、地方整備局の現場の負担は大変大きなものになっているのではないのか、この点についてお答えください。

塩見政府参考人 お答えを申し上げます。

 地方整備局における定員の合理化が進みまして、定員事情が大変厳しくなっている中で、近年の自然災害の激甚化、頻発化が進み、また、被災自治体からは支援に対するニーズが大変高まっております。

 これは、自治体における技術職員が非常に不足しているということが背景にあるかと思いますが、こういったことを背景にしまして、近年、TEC―FORCEの活動規模が大変大きくなってございます。

 このように、TEC―FORCEの活動規模が拡大する中におきましても、現地で活動いたします隊員の負担が過度になりませんようにすることが重要というふうに認識しております。

 このため、隊員として指名をいたしております職員をふやすというようなことをいたしまして、一週間程度でのローテーションによりまして、特定の者に派遣が偏らないようにしているところでございます。

 また、隊員が現地で効率的な活動、また充実した活動ができますように、例えば、短時間で被災の状況の調査ができますドローンを装備品として充実する、また、隊員の携行品や宿泊所の確保といった現地で活動しやすい環境づくりを行う専門の部署を設けるといったような対応もさせていただいております。

 また、派遣が終了した後には活動の振り返りを行いまして、隊員の意見も踏まえまして、改善に取り組んでいるところでございます。

 隊員からは、派遣先の自治体から感謝のお言葉をいただくことにやりがいを感じるというふうな声も聞いておりますし、また、大臣から激励とか表彰といったこともやっていることがモチベーションの向上にもつながっているものと考えてございます。

 こうした取組を通じまして、隊員の負担に十分考慮しながら、高い使命感を持ちまして、被災地の早期復旧に役立てますように、TEC―FORCE活動の充実に取り組んでまいります。

塩川委員 大変誇りを持って活動しておられるということを受けとめることは大切だと思いますし、そういう点でも、現地で頑張ってもらう、偏らないようにする、これはこれで必要なんですけれども、戻ってきたらもとの仕事が残っているわけですよ。そっちの方はどうするのかということが問われているわけですよね。

 ですから、新たに通常業務の上にTEC―FORCEの業務が上乗せをされる、それが今お話しのように拡大をしてきている。そういうTEC―FORCEの活動規模が大きくなっているという状況ですから、それに見合った必要な要員の確保が求められている。

 そういったときに、定員合理化が進んでいるという答弁もありました。

 もう一つお聞きしますが、赤羽国交大臣は、地方整備局の二〇二〇年度の定員について、発足後初めて対前年度比百一人の純増となったと述べています。地方整備局の二〇二〇年度定員の査定数、また定員削減等数の内訳についてお示しいただけますか。

長橋政府参考人 お答え申し上げます。

 地方整備局の令和二年度の定員でございますが、五百三人の定員削減数等に対しまして、六百四人の増員を認めていただきました。これで対前年度比百一人の純増というふうになったということでございます。

 定員削減数等の五百三人の内訳でございますが、合理化減としては四百七十一人、さらに、時限でセットした定員の時限到来減が三十二人となってございます。

 一方で、増員数六百四人の内訳でございますが、恒常定員として二百五十三人、時限定員として百六十一人、自律的再配置による定員増が百六十人というふうになってございます。

塩川委員 定員削減の方で、いわゆる定員合理化の通常分と省内で行っている業務改革分、それを分けて示してもらえますか。

長橋政府参考人 お答え申し上げます。

 定員削減の、業務改革によるものが百六十四人で、通常の定員削減が三百七名ということでございます。

塩川委員 業務改革、自律的再配置、削って新たにつける、それは省内の中で独自に行っているものですけれども、定員合理化計画に基づいての一律の削減という点では三百七人減らして、その一方で、恒常を二百五十三人ふやし、時限は百六十一人ふやすということになっているわけです。

 赤羽大臣は、地方整備局の定員について、平成十三年の国交省発足以来、約二割純減しており、出先の事務所、出張所の組織体制もかなり細っている、昨年の台風十九号のように、災害発生時における機敏な初動対応について、本当にぎりぎりでやって、本当に危うくという、地元の皆さんに心配をかけてしまった例があると述べておられます。

 ですから、平成十三年の国交省発足以来、約二割純減しており、出先の事務所、出張所の組織体制もかなり細っているのだから、組織を細らせてきた定員合理化計画の見直しこそ必要だと国交省としては考えませんか。

長橋政府参考人 定員事情につきましては、先ほど先生の方から御指摘があった、大臣が申し述べたとおりでございます。定員合理化を進めてきた結果、ずっと二割の純減ということになった結果、かなり広域な、今、災害が広い、広範にわたって起こる場合がかなりふえてございますので、そうしたときに、初動対応ですとかあるいは情報提供というところで十分に対応ができなかったような反省点もあったということも事実でございます。

 そういうことを背景として実情を御配慮いただいて、さっき申し上げたように、今年度、令和二年度につきましては純増を認めていただいたということでございまして、私どもとしては、決まった定員削減のもとで、さらに、要求としては、恒常定員とか、あるいは災害対応の部分というのはある程度時限的な作業になる部分がございますので、そういうところは更に時限的な要求という分も活用させていただきまして、要求官庁としてできる枠の中で最大限の努力をこれからしていきたいというふうには考えてございます。

塩川委員 河野大臣にお尋ねします。

 ハローワークにおいて常勤職員が担当していたものが非常勤職員に置きかえられるような事態が生まれていますし、そういうときに、決まった定員削減というのはずっと行われてきました。地方整備局においても、TEC―FORCEの活躍のように、通常業務に加えて、大規模災害対応での新たな業務が上乗せをされている。そういった中でも、決まった定員削減で常勤職員が減らされる。そういう中で、それを上乗せするような措置を行うというやりくりになっているわけで、そう考えると、機械的に毎年二%削減しろという、この決まった定員削減である定員合理化計画というのが、必要な定員確保の妨げになっているんじゃないのかと。いかがでしょうか。

河野国務大臣 いずれの行政分野においても定員合理化に取り組んでいただいて、それを原資として、その時々の行政需要に対応できるように定員を再配分する必要がある、そういうふうに考えております。

塩川委員 それぞれの社会経済情勢など、それぞれの行政需要に応じてということですけれども、ハローワークの場合でも、また地方整備局の場合においても、まさにその業務量が恒常的にあって、その業務量が更にふえるような状況もある。そういった中で常勤職員を減らすということは、これはそもそも恒常的な仕事があるわけですから、一律の削減というのはおかしいんじゃないのか。

 ニーズや業務量も変化をするということなども河野大臣はおっしゃっておられましたけれども、実際に各省では、自律的な再配置や業務改革という形で、ニーズや業務量に応じて人員配置を変更しているわけです。

 ですから、ハローワークや地方整備局のように、ニーズや業務量が減るどころか増大している恒常的な仕事があるわけですから、そういう仕事を削るような定員合理化計画というのはおかしいんじゃないんですか。

河野国務大臣 それぞれの部署で業務をしっかり効率化しながら、時々の需要に応じて要求をしていただいていると認識しております。

塩川委員 いや、まさに先に定員合理化計画があるわけですよ。そのもとでやむなくこういった二%の定員合理化というのはかかっているわけで、それが現場における実際の仕事量に逆行するような削減の措置になっているわけですから、それを見直すということが本来必要な業務、国民に対して責任を負う、公務を担う仕事としては必要なことなんじゃないんですか。

河野国務大臣 先ほど申し上げましたように、行政は多岐な分野にわたるわけで、時々の行政の需要量というのは違ってまいります。その原資をどこかで出さなければなりませんので、しっかりと業務の効率化を常に進めていただくことは、これはどういう部署であっても必要なことだと思います。

塩川委員 業務量がふえている、業務量が恒常的にある、そういう中でも定員合理化計画で人を削るというやり方自身が公務の仕事そのものを細らせるということにもなっているわけで、こういった定員合理化計画の一律の押しつけをやめるべきだということを申し上げて、質問を終わります。

木原委員長 次に、後藤祐一君。

後藤(祐)委員 立憲民主党の後藤祐一でございます。

 まず冒頭、配付資料で配付させていただきましたが、先週水曜日、デジタル化を進める上で、戸籍上の氏名を読み仮名を振るべきではないかということを提案させていただきましたが、きのうの上川法務大臣の記者会見で、読み仮名をつける方向で検討を進めていることを明らかにした上で、今年度中に研究会を設置して、法改正などに向けた検討を急ぐ考えを示したということで、こういう御決断をされたことについては歓迎をしたいと思います。

 これは通告していませんので質問はしませんが、きょう、別件で小野田法務政務官にお越しいただいていますので、ぜひこれはスピード感を持って進めていただきたいのと、年度内に研究会設置ではちょっと遅いですよね、与党の先生方も、多くの方が首を縦に振っておりますが。ぜひ、せめてことしじゅうに設置して、できれば、来年、通常国会に法案を出すぐらいの意気込みで、スピード感を持ってやっていただきたいと思いますので、申し上げておきたいと思います。余り遅いようだったら、議員立法で出すことも考えたいと思います。

 続きまして、前回も委員会の質問通告をオンラインで私はさせていただいたんですが、残念ながら、デジタル部局である平井大臣のところが対応できなかったりですとか、幾つかあったんですけれども、きょうも、昨日の質問通告をオンラインでやらせていただきました。今回は全ての役所が対応いただきまして、ウエブイーエックスで全てやらせていただきました。私の周りには誰もいない状態でさせていただきましたので、これは対応をいただき、ありがとうございました。

 ただ、できれば、Zoomを使える国会議員は多いんです。というか、うちも、党の会議は皆Zoomで、遠隔で見られるようになっているんですが、ウエブイーエックスは、まだ国会議員側で対応している人は、与党の先生はいらっしゃるのかもしれませんが、なかなか追いついていないと思いますので。ぜひ河野大臣、これはちょっとお伺いしたいと思いますが、Zoomも含めて、国会と行政の意思疎通というのはできるだけ図っていきたいと思いますので、質問通告に限らず、Zoomについては、もちろんリスクもあるかもしれません、ですから、役所の中のシステムにつながっていないような、だけれども、ネットにだけつながっているような端末でやるというような、やり方はいろいろあると思いますので、ぜひもう少し対応を進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

河野国務大臣 質問通告をオンラインでやっていただいたというのを伺いまして、後藤祐一、やるなと正直思いました。さすが霞が関の経験者、今の霞が関の状況やら問題点をよく御理解をいただいているんだと思います。こういう試みが与野党を問わずどんどん広がっていくということがこの霞が関のホワイト化につながるんだろうと思います。

 今御指摘をいただきましたZoomの話、確かに、それはZoomを使っていろいろなことをやっていらっしゃる議員は非常に多いわけで、オンライン通告をやってください、オンラインレクをやってくださいとお願いをしている側からすれば、そういう御要望にやはり真摯に応えなければいかぬと思いますので。

 防衛大臣をやっているときに、防衛省内Zoom禁止というのが確かにございました。いろいろなリスクを考慮してだと思いますが、何も役所のシステムにつなげる必要はないわけですから、そこは霞が関としてしっかり対応できるように、少し検討をスピード感を持ってやっていきたいと思います。

 どうもありがとうございます。

後藤(祐)委員 大変前向きな答弁、ありがとうございます。

 まさに、DXと難しい言葉で言っているものというのは実はこういうことだと思いますので、ぜひ平井大臣なんかとも力を合わせていただいて、進めていただければと思いますし、我々立法府側もこの覚悟を、進めていく必要があると認識しています。

 続きまして、きょうは給与法案の質疑でございますので、給与法の条文についてまずお伺いしたいと思いますが、配付資料の二ページ目に、今回の給与法改正案の条文の肝のところを示しておりますが、この条文、いきなり読んでわかった方はいらっしゃいますか、これは先生方にお伺いしたいんですけれども。河野大臣も、これはわかりましたか。

 つまり、この法律の第一条はこう書いてあって、百分の三十を百分の二十五に、これは期末手当の割合を下げるんですけれども、問題は、第二条も同じ条文、十九条の四第二項の同じ条文をこういうふうに改正すると書いてあって、これを瞬間的にわかる人はいないと思うんですよ。

 堀江統括官、短く簡単に説明してください。附則のところをあわせて説明していただければと思います。

堀江政府参考人 お答えいたします。

 今回の法案は、期末・勤勉手当のうち、御指摘のとおり、期末手当に関して年間〇・〇五月下げるものでございます。

 一条と二条の関係でございますが、施行期日が異なっております。一条につきましては、本年十二月の期末手当を〇・〇五月下げるという内容でございます。それから、第二条は、来年以降、来年以降につきましては、六月と十二月、二回ボーナスが出ますので、それぞれ〇・〇二五月ずつを下げるということで、年間〇・〇五月下げるということは変わらないんですが、ことしは六月のボーナスを既に払っておりますので、ことしの分については十二月で調整し、来年以降は六月、十二月それぞれを下げていく、こういうことが、技術的に書き下すとこういうことになるということでございます。

後藤(祐)委員 これは、最初からこの条文を見てわかった人はいますか。私は、給与法を相当前から誰よりも勉強してきていますが、最初わかりませんでした。

 概要紙を見ると、今、堀江統括官が説明いただいたようなことが書いてあって、概要紙を見れば簡単なんですよ。でも、法律の条文というのは、事ほどさようにすごく難しく書いてあって、これは通告もしていますので、河野大臣にお伺いしたいと思いますが、例えば、この法律であれば、確かに十九条の四第二項というのを、そのもの本体を変えるので、なかなかそこの書き方を変えるのは難しいと思うんですが、せめてこの附則のところで、これを読んで今の内容を理解しろというのはかなり難しいわけですよ。第一条については、この法律を公布の日から施行し、その直後の期末手当の支給に適用する、第二条については、その後、令和三年四月一日以降、最初の期末手当の支払い以降に適用するとぐらい書けば、せめてわかると思うんですよ。

 何かもう少し法律の条文を読んでわかるようにする努力をすべきだと思いますが、いかがですか。一般論でも結構です。この法律を今変えろということじゃないですよ。

河野国務大臣 解説してもらうと、ことしはボーナス一回だから百分の百三十を百二十五で、来年は二回あるからそれの半分ずつというのは、言われればそうだなとわかりますけれども、それは言われなきゃわからないですよね。

 これまでも、法律あるいは政省令、改め文で書いてあって、何が何だかよくわからぬというのを新旧で改定できるようにしようということで、今、政省令はかなり新旧でやってもらえるようになってまいりましたけれども。

 やはり国民の皆様に広くいろいろなことを理解してもらおうと思ったら、解説がないとわからぬのではなくて、やはり国民の皆さんが見てわかるように、わかりやすく法律を書き下して、それがこういうふうになりますと。官報のページ数がやたらふえるとか、デメリットはあるのかもしれませんけれども、官報だってやがてデジタル化されていくわけですから、余りそこを気にしても仕方ないと思います。

 そういう意味で、少し法律の書き方、改正の仕方、あるいは改正案の書き方、こういうものはもう少ししっかり検討しなきゃいかぬな、それは御指摘ごもっともだと思います。

後藤(祐)委員 大変前向きなお答え、ありがとうございます。

 ぜひ御検討いただければと思いますし、法律の条文そのものだけではなくて、よく、私も役所にいたとき手伝ったんですが、法律が改正されたりすると、この法改正の意味はこういうことですという解説本を有料で売ったりするんですね。昔は、それで稼いだお金を役所の小遣いにしていたとか、いろいろあったんですけれども、最近ないと思いますが、そんなことを有料で売るべきではなくて、その条文の解釈はこういうことですよとかいうのは、全部ホームページにやはり載っけるべきだと思うんですよね。

 だから、条文そのものもそうなんですが、その条文というのはこういう意味です、あるいは、補助金なんかをもらうときに、どういう要件なのかみたいなことなんかは、最近そういったものはかなり載っていると思いますが、せめてホームページを見たら全部わかりやすくなっているというようにするということも大事だと思いますので、ぜひお取り組みいただきたいと思います。

 続きまして、きょうは小野田法務政務官にお越しいただいていますので、裁判官と検察官の一時金についてお伺いしたいと思いますが、通常、人事院勧告があると、裁判官と検察官についても、これは裁判官の報酬等に関する法律及び検察官の俸給等に関する法律が改正されますが、今回は、月例給の改正がないために、一時金の改正だけのために、これら二つの法律の改正がありません。でも、それは何でなんでしょうか。

 つまり、裁判官と検察官の処遇そのものなわけですよね、一時金についても。なぜ裁判官と検察官の一時金はこれら二つの特別法に書かず、一般職給与法あるいは特別職給与法を準用するような形でやっているのでしょうか。本来、この特別法の方に、一時金についても、同じ数字でもいいんですけれども、書くべきではないでしょうか。

小野田大臣政務官 釈迦に説法になりますけれども、裁判官及び検察官の月例給については、先ほど先生がおっしゃっていただいたとおり、職務と責任の特殊性から一般の政府職員と異なる給与体系を定める必要があるので、裁判官の報酬等に関する法律及び検察官の俸給等に関する法律においてそれぞれの内容を定めております。

 一方、裁判官及び検察官の特別給については、一般の政府職員と同様の取扱いとするのが相当であるという判断のもとで、裁判官の報酬等に関する法律及び検察官の俸給等に関する法律において、一般の政府職員の例に準じて、又は、例により支給することとした上で、その具体的規律を最高裁判所規則等に委ねているものと承知しております。

 こうした法律の規律により、裁判官と検察官の特別給が一般の政府職員と同様に扱われていることが明らかになっているという点をわかりやすくするという意味でこういうふうにしている、例に準じてなどの規律の仕方をしているというところなんですけれども、この規律の仕方は、ほかの法制においても散見されるところでありまして、特にわかりにくいものとは言えないかとは思うんですけれども、いずれにいたしましても、法務省としては、わかりにくいんじゃないかとか、御指摘をいただいた上で、裁判官の報酬等に関する法律及び検察官の俸給等に関する法律を所管する立場として、今後とも必要な説明を行ってまいりたいというふうに思っております。

後藤(祐)委員 三権分立がかかわりますからね、これは。やはり司法は司法で決めるというところを形式としてはきちっと維持した方が私はいいと思いますけれどもね。数字としてはいいんですよ、横並びでいいんですけれども、今回、この二つの法案の審議がないものですから、ここで少し触れた方がいいかなと思って、触れさせていただきました。

 続きまして、総務副大臣通知、資料三ページ目です。これは前回も、水曜日、触れさせていただきましたが、きょうは、熊田総務副大臣、まさにこの通知を出されている御本人にお越しいただきましたが、これをそのままやると、十一月三十日に条例を通さなきゃいけないというのは大変問題ではないかと前回指摘させていただきましたが、実際、各地方公共団体ではどうなっているのでしょうか。

 実は、私の身の回りでも、もう通しちゃったというところもあります。予定では、議会は十二月にならないと開かれないというようなところもあります。

 ぜひ、十一月の恐らく二十七になるんじゃないかと思われますが、この給与法成立より前に条例を通してしまいそうなところ、給与法が成立した後、十二月一日より前という、まさに総務副大臣通知のとおりやるところ、それと、十二月一日に間に合わないところ、三種類あり得ると思いますが、地方公共団体、都道府県、政令市はもちろん、それ以外の市町村もどういう状況でしょうか。

熊田副大臣 地方公共団体における給与改定につきましては、地方公務員法における均衡の原則及び情勢適応の原則にのっとり実施する必要があります。そのため、国の給与法の改正の措置を待って行うべきものであると同時に、速やかな対応を図るべきと認識しており、その旨の助言をしてきておるところでございます。

 各団体において、例年と比べて極めて短期間での対応がなされており、ボーナスにつきましては、全国全ての人事委員会において既に勧告などがなされておるところでもあります。

 各団体の議決予定につきましては、各地方議会の議事運営の問題であり、承知しておりませんけれども、先ほど述べた趣旨のもと、地方公共団体においては、給与改定に向けて適正かつ速やかに取り組まれるものと理解をしております。

後藤(祐)委員 ひどいですね。これは完全に通告をしてあったわけですし、ちょっと、きょうは配付していませんが、前回、水曜日の配付資料では、全ての都道府県と政令市の議会の予定がどうなっているかという資料を配付させていただいて、その中で、かなりの数の県や政令市が十二月から議会が始まるという予定になっていたんですね。

 そこは大丈夫か、ちゃんと前倒しでやるような検討になっているのかぐらいは調べてくださいよ、数カ所だから、一桁カ所だからということを通告のときにも申し上げていますが、どうなっていますか。調べられましたか。

熊田副大臣 御指摘のように、会期が、御心配いただく会期で設定されておるところもございますが、そういったところにつきましては、臨時議会を開く予定を組んでいただいておるということも確認をさせていただいております。

後藤(祐)委員 そのぐらいは確認をしていただく必要があるんじゃないかと思うんですね。

 もう一つお伺いしたいと思いますが、これは、十二月一日に間に合わないところが出てくる可能性があると思うんです。それは、議会がなかなか開けない状況になっているようなところだってあるかもしれませんしね。その場合、どうするんでしょうか。

 きのう、総務省の担当の方にお伺いしたら、それから後の月例給を下げることで対応するという形と、来年の夏のボーナス以降で、ボーナスで調整するという二つのやり方があると思いますが、それぞれの地方公共団体で御判断いただくことになると思いますというお答えでしたが、来年夏のボーナスでの調整でいいんですか。

 つまり、年度をまたいでしまいますから予算額が変わりますし、また、三月に定年退職する方というのは当然いっぱいいらっしゃるわけですよ。そういう方は、〇・〇五カ月分余計にもらって退職することを認めるということですか、総務省は。これは本当に認めるんですか。

熊田副大臣 さまざまな御指摘をいただきましたが、この調整に当たりましては、職員間の公平性という観点のほか、情勢適応の原則の趣旨にのっとって速やかに行うことが適当である、日々の生活に充てられる月例給の性格を踏まえること、それぞれが考えられておりますが、地方公共団体において、これらを総合的に考慮しながら適切に御判断をいただきたいと考えております。

後藤(祐)委員 ということは、認めるということですね。

 じゃ、〇・〇五カ月分余計にもらってやめちゃうことを認めるということですね、総務省は。

熊田副大臣 同じ答弁になりますけれども、地方公共団体において、それらを総合的に考慮していただきながら、適切な御判断をしていただきたいと思っております。

後藤(祐)委員 少なくとも禁止はしない、だけれども、そういう批判もあるだろうからよく考えてやってねということだと思いますが、そうしますと、月例給で下げろという話になって、ボーナスが少し下がるというのは、生活に対するダメージはまだ少ないと思うんですけれども、月給が下がるというのは相当なことなわけですよ。だから、これはどっちもだめなんですよ。

 なので、十二月一日に間に合うようにしなきゃいけない、だから、給与法が成立する前に条例をやってもいいですよということを明確に言うということが本来の地方分権のあり方だということを改めて申し上げておきたいと思います。実際、やっているところもあります。

 続きまして、人事院総裁にお伺いしたいと思いますが、総務省はそこまでかな、総務副大臣、もうこれで結構でございます。

木原委員長 御退席いただいて結構です。

後藤(祐)委員 続きまして、人事院総裁に、人事院勧告の前提となる民間給与実態調査についてお伺いしたいと思いますが、ことしはコロナで大変でした。

 特に、月例給については四月の月給を調べるわけですから、緊急事態宣言下で調べる。その後、五月、六月とかいうふうになってくるわけですけれども。お伺いしているところですと、一時金については、六月二十九日から調査を始めて、七月三十一日に集約、月例給については、八月十七日から始めて、九月三十日に集約したと伺っています。

 一時金については、必ずしも現地に行かなくても調べられるのに対して、月例給は、どの方がどういう職種に当たるのかとか、なかなかやはり現場に行かないとわからないという面があるというふうに伺っていますので、月例給は、かなり遅くなって、お盆明けからというふうに伺っておりますが、九月三十日に月例給の分が集約されて、人事院勧告は、一時金が十月七日、月例給は十月二十八日です。

 十月二十八日に人事院勧告ができて、十一月六日に給与法が閣議決定されるわけですけれども、給与法をつくるところはもう数字を当てはめるだけなので、関係の方面に、大臣に説明するとかということですから、そんなに時間はかからないと思うんですけれども、これが来年また続いていた場合に、このプロセスをやると間に合わなくなる可能性があると思うんです。

 というのは、今回は、月例給がプラス・マイナス・ゼロだったから、俸給表に配分する作業というのがなかったわけです。ですから、割かし早く、民間給与実態調査が終わった後の人事院勧告の俸給表の数字をつくるところの時間というのは短くて済んだと思うんですけれども、通常であれば、そこは何らか数字が変わるわけですよね。同じペースでやっていたら間に合わなかった可能性があるんですね、今回ですら。

 これはちょっとまとめてお伺いしますが、間に合わなかった可能性があるんじゃないんですかということと、来年このような状況が仮に続いていた場合に、同じやり方をしているとまずいと思うんです、先ほど申し上げたように。ですから、会社によっては、リモートで月例給についても調査できるようなところもあるかもしれませんし、要は、百点を目指さないで、多少、平時よりもややサンプル数が少ないとか、若干の妥協をしてでも、民間給与実態調査のまとまる日付をことしよりはもう少し早い段階で、まとまるところから逆算して、この調査を工夫すべきだと思いますが、いかがですか。

一宮政府特別補佐人 本年は、委員御指摘のとおりに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を考慮し、先行きが見通せない状況下において、企業活動への影響も見きわめながら、二回に分けて民間給与の実態調査を実施いたしました。

 月例給の調査に関して、俸給表の改定を含めて、早期勧告に対応できるように体制を整えて準備をしておりましたが、勧告に当たって検討が必要な事項が多く生じた場合には、おっしゃるとおり、より時間を要した可能性というのは否定できません。

 ただ、現実に、実際の調査におきましては、調査対象企業が在宅勤務、テレワークが行われているなどによって、調査員が民間事業所の担当者と連絡をとることが非常に苦労がありましたが、最終的には、どちらの調査もともに八〇%を超える完了率を得ることはできました。

 来年、新型コロナウイルスの感染症がどのような状況になっているかということは、予想は現在のところできませんけれども、来年の勧告に向けましては、本年の経験も踏まえ、民間給与の実態調査におけるオンラインツールの一層の活用促進なども含めて工夫をいたしまして、例年のスケジュール感で勧告作業が進められるように努力してまいりたいというふうに考えております。

後藤(祐)委員 ぜひ、百点を目指さないで、それよりはタイムスケジュールを守るというところを重視してください。これは、立法府に対しての責任として、百点ではなくてもいいと私どもは少なくとも思っているということを皆さんに示したことで、来年の皆さんの裁量の幅を広げるために私はやっている質疑でございますので、ぜひ柔軟に対応いただきたいというふうに思います。それよりは、地方公共団体に迷惑をかける方がよくないと思います。

 続きまして、労働基本権の回復に行きたいと思います。河野大臣、配付資料はお手元にありますでしょうか。配付資料の四ページ目をお開きいただけますか。よろしいですか。

 実は、労働基本権の回復については、私が筆頭提出者になって、これを回復するための法案、この内閣委員会にも付託をされているところでございます。きょうの理事会でも、審議するようお願いしたところでございますが、なかなか審議に至っていないことについては遺憾であります。

 その上で、この十二条、これは成立している法律でございますが、国家公務員制度改革基本法第十二条において、「協約締結権を付与する職員の範囲の拡大に伴う便益及び費用を含む全体像を国民に提示し、その理解のもとに、国民に開かれた自律的労使関係制度を措置するものとする。」とされておりますが、この全体像を国民に提示することは法律の義務であるということが、既に平成二十五年十一月二十九日の内閣委員会において稲田国家公務員制度改革担当大臣から答弁されております。

 それを受けて、そこはちょっと答弁を求めませんが、資料の五ページ目に、線を引いてありますけれども、「関係者の皆様、特にここに関係する職員団体の方々の意見も聞きながら、引き続き検討されるということでよろしいでしょうか。」稲田大臣は、「そういうことでございます。」と。その後も、「国民の理解が得られる制度を、引き続き関係者の意見を伺いながら検討していく必要があるというふうに思います。」というふうに答弁されておられますが、河野大臣に伺います。

 この自律的労使関係を確立するための検討、これを関係者の意見を伺いながら検討をしているのでしょうか。現時点での状況を御説明ください。

河野国務大臣 済みません、先ほど私が政省令の改正を新旧でやっていると申し上げましたが、正しくは省令でございます。訂正させてください。もちろん、政令についても新旧でやれるようにしていきたいと思っております。

 政府としましては、この十二条ですか、稲田大臣が答弁されたとおりというふうに認識をしておりますが、多岐にわたる課題、いろいろな議論がございますので、引き続き慎重に検討する必要があると考えております。

 関係する団体の皆さんと意見交換をやりながら、慎重に検討してまいりたいと思います。

後藤(祐)委員 検討を続けていただきたいんですよね。便益と費用がどうなるのかということを引き続ききちんと検討していただきたいと思いますし、恐らく大臣も、ことし既に二回ほど労働組合側の方々とお会いされたりしているんじゃないかと思いますけれども、そういったところでのお話合いの中でこの労働基本権についてもぜひ御議論をしていただきたいというふうに思います。

 これを受けて、ILOの個別審査、日本案件、こういうものの議長集約というものが配付資料六ページ目にございますが、ILOから、日本の労働基本権については問題であるということが既に集約されておりまして、この六ページ目、大臣、ごらんください、最後のところですね、ちょっと線を引いていなくて済みません。最後の三行のところで、委員会は、これらの勧告を実施するため社会的パートナーとともに期限を定めた行動計画を策定することを政府に要請しています。

 今の状況はどうなっているでしょうか。

河野国務大臣 この要請については、日本政府としてもしっかり認識をしております。やはり課題その他ございますので、慎重に検討してまいりたいと思います。

後藤(祐)委員 これは、行動計画を策定するとあるわけですから、国際的な政府に対しての正式な要請ですから、行動計画の策定を今すぐにでも始めていただきたいと思います。

 特に、問題が大きいのは刑務官なんですね。

 小野田法務政務官、残っていただいておりますけれども、その同じ六ページの議長集約の上にポツが五個並んでいますが、そのうちの四つ目、「刑務官のうちどのカテゴリーが警察の一部と考えられ団結権から除外されるのか、どのカテゴリーが警察の一部とは考えられず団結権を有するのか、社会的パートナーと協議しながら検討する。」とされていて、それも含めて、期限を定めた行動計画を策定ということになっているわけでございますが、法務省として、この刑務官の団結権について、どういう今状況でしょうか、社会パートナーと協議しながら検討をしているのでしょうか、こういった協議は行っているのでしょうか。

小野田大臣政務官 刑務官は、厳しい服務規定を保持して、階級制による指揮命令系統に基づいて一体となって行動することによって刑事施設の規律及び秩序を適正に維持しなければならず、また、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二百九十条第二項の規定において、刑事施設の職員は、刑事施設の長の指名に基づき、刑事施設における犯罪について、法務大臣の定めるところにより、刑事訴訟法の規定による司法警察職員としての職務を行うこととされています。

 これらのことから、国家公務員法においては、一律に刑事施設職員の団結権が制限されると考えているところでございます。

 他方、御指摘いただきましたように、二〇一八年のILOの御指摘、議長集約では、刑事施設の職員への団結権に関し、社会的パートナーと協議しながら検討することが要請されているところでございますけれども、刑事施設の職員については、その具体的な職務内容を十分に理解している、協議を行うにふさわしい社会的パートナーが存在していないというふうに認識しております。

 ゆえに、刑事施設に勤務する職員については、ILO第八十七条約第九条において、同条約に規定する保障の適用する範囲を国内法令で定めることとされている警察に含まれる旨を引き続き御理解いただけるように努めてまいりたいというふうに思っております。

後藤(祐)委員 社会的パートナーと協議することが義務なんですよ。これは、消防は、同じように団結権がない中で、協議しているんです、総務省は。団結権がないから、誰と話していいかわかりませんというのが今の答弁なんですけれども、消防については、団結権がない中で、協議しているんですよ。それは不真面目だと思いますよ。

 それと、じゃ、ほかの国はどうなっているんですか。この刑事施設の職員の団結権について、ほかの国は、きのう来た皆様からお伺いした資料によると、平成十五年にILOから提供された資料によると、数カ国だけが刑事施設の職員の団結権を認めていない。つまり、ほとんどの国は認めているという情報が、平成十五年の情報としてありますという紙がぺらっときのう来たんですけれども、今の状況で、先進各国、多くのところは刑事施設職員の団結権を認めているんじゃないんですか。各国の状況、把握している限りでお答えください、簡単に。

小野田大臣政務官 先ほどの、平成十五年に関しては、トルコ、ナイジェリア、スワジランドの三カ国が団結権を認められていないというところの調査は出ているんですけれども、その後の調査は行っておりません。

 先ほど、済みません、答弁が少し不足していたかもしれないんですけれども、パートナーがいないと認識しているから何もしていないというところではなくて、同議長集約を踏まえて、二〇一九年以降、刑事施設職員が矯正管区において勤務環境等に関する意見を述べる機会を設定してきたところでありまして、引き続き、そういった形で、ありとあらゆる方法で皆様の意見はしっかりと伺っていきたいというふうに思っております。

後藤(祐)委員 勤務環境については、まさに刑務官の方々から、職員の方からお話を伺っているわけじゃないですか。そのときに、団結権についても聞けばいいじゃないですか。何でそれが社会的パートナーがいないからわからないということになるんですか。

 しかも、今のお話ですと、かなり、先進国でない数カ国以外は認めているわけですよ。ほかの国で、どうやってこの団結権を認めながら刑務所を運営するかということの知恵は既に世界各国にあるわけですから、日本だけが言い張るというのは、これは国際的にもたないと思いますよ。ぜひ、まずは、勤務環境についてお伺いしている方々からこの団結権についても御議論をいただくということを要請したいと思います。

 最後、時間がなくなりましたので、機構・定員と級別定数の柔軟性についてお話ししたいと思いますが、これは河野大臣にお伺いしたいと思います。

 デジタル庁をつくるということになっておりますが、デジタル庁をつくるには、機構・定員、そして級別定数、各職ごとのお給料を何級にするかということについては相当柔軟に運営しないと、これは、実際、平井大臣は、完全な雇用をする形態と兼務もオーケーという形で能力を提供してもらう、あとプロジェクトごとに参加してもらう、いろいろな形で柔軟にしたいと思っていますとおっしゃっておられます。

 ただ、これを現在の霞が関のルールに当てはめると、機構要求、定員要求、級別定数要求をどういう形にして、そして、それをどういう運用にしてというところで、既存のルールに、またこれはスタックする可能性があります。

 これは、ぜひ、平井大臣の言うように、多様な機構・定員、そしてお給料の形、採用の形を認めるべきだと思いますが、これについては、河野大臣は査定官庁側です。河野大臣が認めれば、人事院の意見を聞いてですけれども、できることになるわけです。これは、平井大臣が要求して、河野大臣が認める側ですから、河野大臣がイエスと言えばできる話ですから、これほど心強い査定官庁はいらっしゃらないわけですから、それをやると言ってください。

 そして、きょうの読売に出ていましたが、公務員採用にデジタル枠をつくるということもやるそうですが、これは、いわゆる国家公務員試験の行政職ですとか、この関係でいうと、電気・電子・情報職というのがあるんですけれども、こういったもののデジタル職というのをつくるということを求めていくということなんでしょうか。あわせてお答えください。

河野国務大臣 デジタル庁というのは、これまでの霞が関とは大分違った形でつくらなきゃいかぬと思いますので、最大限柔軟性が発揮できるようなやり方でやっていきたいというふうに思っております。

 デジタル職というものが必要になるかどうか、これは、今、平井大臣の部局と一緒になって検討をしているところで、必要とあらば、これはつくらなきゃいかぬと思っております。

 もちろん、今からですとデジタル庁の発足には間に合わないのかもしれませんけれども、その後、そうしたことが必要であるというならば、そういうデジタル職のキャリアパスをどうするかということも含め、あるいは採用試験をどういうふうにするのかということ、これは人事院とも相談をしなければいけませんが、柔軟性を持って新しいことに挑戦をしていきたいと思っております。

後藤(祐)委員 質問時間が来たので終わりますが、ぜひ人事院総裁、人事院がこれを決めるんですよね、職種については。河野大臣がぜひやろうじゃないか、平井大臣がやろうじゃないかということになったら、国家公務員の試験職種にデジタル、デジタル職というのを加えることをぜひ今からでも検討していただきたいということを申し上げて、終わります。

 ありがとうございました。

木原委員長 次に、森田俊和君。

森田委員 立憲民主党の森田俊和でございます。

 前回の人事院勧告の質疑に続きまして、給与法ということで、その議論を踏まえたものも含めて質問をさせていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

 まず初めに、前回の人事院とのお話でもさせていただいたんですけれども、平成三十一年の四月から超過勤務の取扱いを厳しくしたという、新しい人事院規則の中での勤務が始まったということでございまして、この検証、分析の結果を六カ月以内にまとめるというようなことが規則上出されているということがありました。

 前回の人事院からのお話ですと、それがまだ全部出そろっていない、あるいは、出てきたものを踏まえた調整を今省庁と行っているところであるというようなお話を人事院の方ではされていらっしゃいましたけれども、内閣の方の公務員制度を担当されていらっしゃる河野大臣としては、この検証結果をこれからどのように取りまとめてその後につなげていくお考えか、お聞かせいただきたいと思います。

河野国務大臣 超過勤務につきましては、今、人事院のところで取りまとめをやっているということでございますので、間違ってもサービス残業などが発生しないように、人事院から各府省にしっかりと指導その他やってくれるものと思っております。

 政府といたしましては、内閣人事局の方から霞が関の働き方改革の一環として、在庁時間をまず見える化しようということで、十月、十一月、本省の在庁時間の実態について、組織別、年代別、採用試験等の種類別に調査をしているところでございますので、そうしたものも踏まえながら、この霞が関の働き方改革に向けて努力してまいりたいと思っております。

森田委員 ありがとうございました。

 ぜひ、その具体的な今後への生かし方についてもまた聞かせていただきたいなと思っております。

 また、十月のインタビューの中だったんだと思いますが、出勤、退勤の管理について、ICカードを使った管理を試みとして今始められているというようなお話がございました。そのときのお話ですと、内閣の人事局の方で、試行ですね、試しに行われているという段階だというお話を伺っておりますけれども、民間企業への労基署とのやりとりなんかでも、やはり客観的な裏づけというものがいろいろな労働に関するトラブルの記録として採用するにはやはりふさわしい、そんなお話も出ておりますが、今後このICTの活用を出退勤の管理というところに関してどのように進めていくお考えか、お聞かせいただきたいと思います。

河野国務大臣 長時間労働を是正するためには、まず実態を把握して、それを見える化するということが必要だと思っておりますので、ICカードですとか、あるいは業務用の端末のログイン、ログアウトの時間といったものを使って客観的に在庁時間をまず把握をしていきたいというふうに思っております。

 そういう機能を備えたシステムを内閣人事局で今試しに試行しているところでございまして、今年度中には財務省、来年度中には環境省が採用をする、あるいは試行する、そういう予定になっております。

 こういう客観的なデータがとれる管理システムを入れることによって、まず勤務時間を正確に把握し、見える化をすることができる。それから、一々判こを押さなくて済むということで、業務の効率化にもなります。また、誰がどういうときに超過勤務になっているというようなことが上司にもきちんと伝わることによって、誰がどういう理由で長時間労働になっているかということを上司が把握してそれをしっかりマネジメントする、そのデータベースにもなると思っておりますので、見える化すると同時にマネジメントをしっかりやってもらって、働き方改革のためのツールとして役立てていきたいというふうに思っております。

森田委員 ありがとうございます。

 たしかあのときのインタビューの中では、これから内閣府の中でやっていくのかな、どうかなというぐらいの形の受け答えだったと思うんですが、今御答弁の中に財務省ですとかあるいは環境省のお話が出てきたということで、今年度中というような具体的な年限についてもお話が出てまいりました。どちらかというと国は民間にはこういうことを指導している立場のことでもありますので、ぜひ河野大臣に音頭取りをしていただいて、早急な導入をぜひしていただければなというふうに考えております。

 技術的なことをちょっと参考人の方にお伺いしたいと思うんですが、ICカードを何かにかざして記録をしたりというときに使う、このカードを使って今試みをやっていらっしゃるということなんですけれども、省庁の建物に入るときに、Suicaだとか、ああいうPASMOみたいな感じでピッとかざして入っている、そういうものをお使いだと思うんですが、そういう、ほかのものとの共有のものを使うというようなことも含めての技術的な検討をされていらっしゃるんでしょうか。ちょっとそのあたりの技術的なことをお聞かせください。

堀江政府参考人 私どもで今、開発、試行中の勤務時間管理システム、これは、勤務時間の客観的把握部分につきましては市販ソフトを活用しております。そういった関係で、Suica、PASMOなどのカードをリーダーにかざすような方式をとっております。一方、各省で独自に客観把握しているところでは、業務端末のログイン、ログアウトを使っているというところもございます。

 今後、勤務時間の実態を見える化するとともに、日々のマネジメントを改善していくためにシステム化が重要と考えておりますけれども、どのような方式が望ましいかにつきましては、費用対効果なども十分考えた上で検討してまいりたいと考えております。

森田委員 ありがとうございます。

 SuicaとかPASMOというお話が出てきて、確かに、こういう一般的に皆さんがお使いのものを使ってやることで、ソフトの開発の費用なんかも、あるいは使用する機器の導入費用なんかも大分安く抑えられるということなんだろうと思います。結果としてそういうものが全省庁に取り入れられるというふうになったとして、また別に入館用のカードが必要だとか、また何とか用のカードが必要だとかということで、何か出勤に使うのに三枚も四枚もカードが出てくるようなことがぜひないように、システムの共通化、共有化というか、そういったものを進めていただければいいかなと思いますが。

 さっきSuica、PASMOが出てきたということは、私もSuicaは携帯に入れて使っておりますけれども、ということは、カードの現物がなくてもそういうものでできるということであれば、非常に利便性、携帯性も向上するということもあると思いますので、ぜひそのあたりの、ほかのシステムとの共通化みたいなところも含めて御検討を進めていただければいいかなというふうに思っております。

 また、テレワークのことについてお伺いしていきたいと思います。

 伺っております数字が、一昨年度と昨年度を比べたときに、一昨年度が九千八百人、昨年度が二万六千人という、約ですけれども、一年間の比較、一昨年と昨年との比較で二・七倍ぐらいのテレワークを実施した方の職員さんの数がふえたということが出ております。

 昨年度というと二月、三月の数字も入っておりますので、緊急避難的にテレワークを一気にという時期が入っているものですから、その影響というのもあるとは思いますが、ただ、ちょっとそこをおいておいたとしても、テレワークというものをこれから国家公務員の職員さんの一般的な勤務形態として推進をしていくというようなことだと思うんですが、そのあたりについての大臣のお考えを。

河野国務大臣 テレワークというのは非常に重要だと思っておりまして、今後もしっかり進めてまいりたいと思っております。

 一つには、今回の感染症対策あるいは災害時においてテレワークというのは非常に重要でございますし、また、育児あるいは介護を抱えている職員、あるいは何らかの障害を持っている職員が能力を発揮するという意味でも、このテレワークは非常に重要でございます。

 また、テレワークができるようにするということは、業務のプロセスの見直しにもなりますし、ペーパーレスで業務ができるようにしなければいけません。そういう意味で、業務の見直しにもつながってくる。それは、合理化その他、働き方改革にも当然つながるわけでございますので、テレワークを今後もしっかりと進めていけるように、端末を用意をしたり、あるいは職員の負担の平準化をしっかりやったりということに取り組みながら進めてまいりたいと思っております。

森田委員 ありがとうございます。

 さっき、御答弁の中にも端末のお話も出てきたんですが、今回、いろいろ職員さんのお話を聞いてみますと、テレワークをしたいという思いがありながらも、持ち帰れる端末の数が足らなかったのでテレワークができなかったと。どういうパソコンでも省庁のシステムにつなげられちゃうと、それはそれでセキュリティー上の大変な大きな問題なんだと思いますが、そういった機器の上での障害というものもあったというようなお話も伺っております。

 こういったことも含めて、これからこのテレワークに関する技術的な課題というものをどういう形でこれから解決していくというお考えか、そのあたり、お聞かせいただきたいと思います。

江口政府参考人 お答え申し上げます。

 先生今御指摘のとおり、テレワークの推進に当たりましては、システム環境の整備というのが非常に重要になってまいります。

 今先生御指摘のあったとおり、端末の数とかアクセスできる数とか、さまざまな課題というものがあるというふうに認識をしております。

 そのような中で、国家公務員のテレワークにつきましては、昨年十二月に閣議決定をいたしましたデジタル・ガバメント実行計画に基づきまして、必要な者が必要なときにテレワーク勤務を本格的に活用できるといったことなどを目指しまして、計画的な環境整備を進めるということにしておるというところでございます。

 さらに、そのような中で、今般、新型コロナウイルス感染症対策として、三月十二日に、各府省に対しまして、必要な機器の増設などのテレワーク環境の整備の強化につきまして要請をさせていただいたところでございます。

 また、コミュニケーションツール、会議をしたりというようなものでございますが、このようなものにつきまして、ウエブ会議システムにつきまして、新型コロナ禍におきまして、府省間及び外部機関との間で円滑にこのようなシステムがつながらなかったというような問題なども発生をいたしましたので、緊急措置といたしまして、民間が提供するウエブ会議システムを調達いたしまして、各府省に配付をさせていただいたところでございます。

 さらに、縦割りとなっております政府ネットワーク環境の整理、再構築に向けた実証というようなものも詰めるということといたしております。これによりまして、統一的なセキュリティーを確保して、他府省、さらに、議員の先生方、民間企業なども含め、ウエブ会議等により組織を超えた迅速かつ円滑なコミュニケーションをとることが可能になるということかというふうに思っております。

 また、テレワークの推進というようなことなど、柔軟な働き方にも資するというものと考えており、このような環境の整備に努めてまいりたいというふうに考えております。

森田委員 ありがとうございます。

 先ほど後藤委員の方からも、ウエブを使った通告をされたとおっしゃっていましたけれども、システムとかこういう環境の目指すべきものというのは、それを使える人とか使えない人とか、あるいは機器があるとかないとかじゃなくて、もうそこにいれば誰でも使えるというふうになるのが、このウエブ会議のシステムにしても、あるべき姿なんだろうなというふうに考えております。

 ぜひ、そういった、さっき、縦割りをなくしていくなんというお話もありましたけれども、システムの共通化、共有化をしていくときにも、国会の中での対応も含めて、ぜひ円滑に、皆さんがストレスなくやりとりができるように工夫をしながら検討を進めていっていただきたいなというふうに考えております。

 それから、先ほど大臣の方から、テレワークに当たって、やはり業務のいろいろな整理をしていかなければいけないというようなお話がありました。どういう業務がテレワークにふさわしいか、ふさわしくないか、あるいは、同じ仕事であっても、テレワークができるような体制で形を整えていく、こういう話もあると思うんですが、やはり、いろいろな省庁があり、いろいろな部局があり、あるいはその部局の中でもいろいろな業務内容がありということで、かなり膨大な業務量というか事務量というか、こういうものが各省庁にはあるんだろうと思います。

 この分類をやるというのも、それはそれで相当な手間暇をかけてやるような仕事になってくると思うんですが、この分類とか整理について、今どのように進めていらっしゃるのか、お聞かせいただきたいと思います。

堀江政府参考人 お答えします。

 先ほど大臣からも答弁ありましたとおり、テレワークにつきましては、平常時あるいは非常時、ともに重要な勤務形態の一つであろうと考えております。

 ことしの七月から九月までの間、各府省においては働き方改革推進強化月間というのをやっていただきました。この間、各府省で新型コロナ感染症対応として取り組んだ四、五月の出勤回避時の業務実施状況、これについて検証していただいて、業務の見直しですとかテレワークを可能とする業務プロセスの構築の検討に取り組んでいただいたところでございます。

 現実には、窓口業務を始めとする現場業務など、テレワークが困難な職場というのもあるわけですが、基本的な考えといたしましては、我々といたしましては、やはり業務継続という観点も含めますと、テレワーク可能な業務を切り出して整理するというよりは、まずはテレワークを可能とするような業務プロセス等を構築できないのかという観点から検討することが重要であろうというふうに考えております。こういうことによりまして、例えば障害を持つ職員などにとりましても、より働きやすい環境ができるんだろうというふうに考えているところでございます。

森田委員 確認なんですが、こういう膨大な作業をやるために、もっと本当は人手が必要なんだけれどもとか、あるいは、本末転倒な話ですけれども、もっと残業が今出ちゃっているとか、そういうことはないということでよろしいんですか。

堀江政府参考人 業務見直し自体にある程度手間がかかるというのは御指摘のとおりでございますけれども、まさにそれも含めて効率的に進めていただきたいと思っております。

森田委員 ありがとうございました。

 今回の長時間の勤務あるいは超過勤務のことを扱う中で、やはり今、国家公務員の方の、志望する方の数、目指そうとする方の数が減ってきているというお話がございます。国家1種、総合職ですね、一番多いとき、平成に入ってから四万三千人ぐらいの志望者がいらっしゃったというのが、最近の数字ですと二万人ぐらいに、約半分になってきているというようなことがあります。

 また、三年以内にやめたいと言っていらっしゃるような職員さんが、三十歳未満、若い方ですけれども、男性で一四・七%、女性で九・七%、こういう方が、もうやめたいんだ、こういうことをお話をされていらっしゃるということなんですが、やはり、私たちの国の仕事をしていただくというのは、非常に骨の折れる仕事でもあるし、また逆にやりがいのある仕事であるとも思うんですけれども、やはり、優秀な人材が来ていただいてその中から選抜をして、この方にぜひやっていただこうという方に集まっていただく。これが、よく教職員の話でも、三倍を切ってくると結構現場としてはきつくなってくるよと、こういうお話をよく聞くわけですが、魅力ある職場であることを、どうやって大臣の方としてつくり出していく、あるいは発信していくかというあたりの、その辺の考えをお聞かせいただきたいと思います。

河野国務大臣 平成八年から比べて志望者が半減してしまったというのは、これは極めて危機的な状況だと思っておりますし、今委員おっしゃいましたように、若手の職員の中でやめたいという割合がそんなにふえているというのも危機的状況と言わざるを得ないと思います。

 一つは、やはり長時間労働を是正をする。今、プライベートライフあるいは家庭と仕事が両立しないという意見が非常に多くありますので、これはもう長時間労働を是正をする。

 それからもう一つは、多少給料が安くても国のために働こうと思って来てくれた若手の職員が、入ってみたらあれっとなってしまうというのは、これはやはり何とかせにゃいかぬ。本当に国のために俺は頑張っているぞ、国のために役に立っているぞと思って、やりがいを持って働ける、そういう職場にしなければならぬと思いますし、やはりそういう業務にしなければいけないんだと思っております。今、それを阻害している要因をピックアップして何とか潰していこうと。

 一つは、デジタル化その他でそういう無駄な業務というのをなくしていく。後藤委員からオンライン通告という話もございましたが、今、オンラインレクですとか、あるいは、部会その他の説明もできればオンラインでやらせていただいたり、資料も紙からデジタルに切りかえさせていただいたり、いろいろ立法府の御理解もいただいて進めております。

 また、役所のマネジメントをしっかりやらにゃいかぬ。これは、役所によっては管理職にマネジメント研修をやらせていないところがどうもあるようでございまして、管理職になるときには、やはりマネジメントの手法をきちんと身につけさせるということをやらないといけないんだと思います。

 そうやって若手職員がやりがいを持って仕事に当たれるようにする、これが大事だと思っております。ことしは、実はコロナもありましたので、オンラインで説明会みたいなことをやり始めまして、これは今までにないところにもリーチができるのではないかなというふうにちょっと期待をしているところでございます。

 それから、新しくできるデジタル庁、これは、民間で働いていた人たちの中で、デジタル庁で働いて更に次のキャリアのステップアップを目指すというようなことにもつながっていったらいいなと。特にエンジニア関係ですけれども。

 それからもう一つは、霞が関に一度来てやめて民間に行った、民間でいろいろ仕事をしてそれなりの報酬を得る、それなりの地位を得た、やはりもう一度国のために働きたいという声もどうもあるようでございます。そういう人にも戻ってきてもらうというようなことも十分に考えられると思いますので、いろいろなことを考えながらやってまいりたいというふうに思っております。

森田委員 ありがとうございました。

 調べてみましたら、民間企業でも今、三年以内にやめる若手の方が三割以上いらっしゃるということで、これは国家公務員に限らず、若い方をどうやって職場に定着をしていただくのかというのは大きな課題だとは思うんですけれども、先ほどオンラインでの説明会もやっていらっしゃるようなお話も出ましたし、インターンなんかもやっていらっしゃるというお話がありましたけれども、やはり、職場をよくして、かつ、その実情、内情も含めた職のPRというものもしていっていただきたいなというふうに思っております。

 職場の難しさの中で、仕事と家庭の両立が難しいというお話がよく出てくるんですが、最後に、男性の産休、育休取得の促進について、これも職場の理解も含めて必要なことだと思うんですが、このあたりについての大臣のお考えを、最後、お聞かせいただきたいと思います。

河野国務大臣 男性の公務員の育児休業あるいは男の産休、これは取得の意向を持っている職員が八割を超えております。ただ、一方で、業務多忙でどうしようかという職員もおりますので、今年度から、子供が生まれた全ての男性職員が育児に伴う休暇あるいは休業を一カ月以上取得できることを目標として、上司が取得計画の作成、業務分担の見直しを行う、こういう取組を始めたところでございます。その結果、直近の調査で、令和二年度の第一・四半期に子供が生まれた男性職員の約九割が一カ月以上の育児休業等を取得予定、平均四十三日ということになっております。

 男が育児、家事に参画するというのは、子育てしやすい家庭環境にもつながってまいりますので、長時間労働の是正、働き方環境の整備に取り組みながら、育児休業、産休を男性がしっかりとれるように努力してまいります。

森田委員 ぜひ大臣のリーダーシップをもって、積極的に育休がとれるような環境をつくっていただきたいと思います。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

木原委員長 次に、足立康史君。

足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。

 きょうは給与法の審査ということでございますので、給与費と地方交付税法の関係に始まりまして、少し、大阪都構想に関連して毎日新聞が報じた大誤報についても取り上げさせていただきたいと思います。

 まだ大阪都構想をやるのかと思われるかもしれませんが、今週末に大阪維新の会の代表選挙が予定されております。そういう意味では、喪が明けるのは来週からということで、今週は何とぞ御理解をいただいて、おつき合いをいただきたい、こう思います。

 まず、きょうはそういうことで、総務省、お越しをいただいています。ありがとうございます。

 地方交付税法上の給与費の扱い、これを、簡単で結構ですから、御紹介ください。

馬場政府参考人 お答え申し上げます。

 地方交付税における地方団体の給与費につきましては、地方公務員に関する給与実態調査による平均給料単価及び各地方団体の人事委員会勧告による給与改定率等を基本として単価を設定しているところでございます。

足立委員 大臣、通告はさせていただいていないんですが、すぐ戻られますよね。

木原委員長 はい、すぐお戻りになられます。

足立委員 ぜひ河野大臣にも聞いておいていただきたい、こう思っておりますので、よろしくお願いします。

 さて、十月下旬に毎日新聞等が報じた大阪都構想に係る基準財政需要額の算定値、これについては、私は、三重の意味で誤った数字である、こう思っています。

 第一に、個々の特別区の需要額の算定式はそもそも存在せず、府と、都、府ですね、大阪の場合は府、府と特別区の需要額を合算して初めて意味を持つんですね。ところが、そういう当たり前のことを踏み外している。

 それから二つ目に、需要額を計算するときには補正係数があるわけですが、幾多の補正係数があるわけですが、需要額が上振れする特定の補正係数だけをきかせて、下振れする補正係数を無視していることは、これは、地方交付税法上、認められることではありません。

 三つ目、そもそも需要額は単なる理論値にすぎないため、大阪府市は実質的な財政シミュレーションを行って公開している。

 こういう三つの意味で、毎日新聞が十月二十六日に夕刊一面トップで報じ、それを民放各社、NHKまでもが更に輪をかけて、特別区、都構想と名指しをしながら、間違った数字を有権者に提供した、こういう大変な問題のある事案であったと私は認識をしておりますが、交付税法を所管している……(発言する者あり)ちょっと、今、誰。

木原委員長 御静粛にお願いいたします。

足立委員 交付税を所管している総務省から、今の私の指摘について見解を御答弁ください。

馬場政府参考人 お答え申し上げます。

 地方交付税制度の面から申し上げれば、特別区の基準財政需要額の算定につきましては、特別区ごとにそれぞれ算定するのではなく、特別区の区域全体を一つの市町村とみなして算定することとなっております。その上で、これを通常の道府県分として算定をした都分と合算することとなっております。

 次に、地方交付税の算定に用いる基準財政需要額は、各行政項目別に設けた測定単位にさまざまな補正を加え、これに単位費用を乗じて算出することとされております。

 地方交付税法におきましては、人口規模等に応じて単位当たり費用が割安又は割高になるものについて行う段階補正、人口密度等の大小に応じて単位当たり費用が割安又は割高になるものについて行う密度補正、都市化の程度や法令上の行政権能等、地方団体の態容に応じて単位当たり費用が割安又は割高になるものについて行う態容補正、寒冷又は積雪の度合いにより経費が割高になるものについて行う寒冷補正等、さまざまな補正について規定をされているところでございます。

 このように、基準財政需要額は、それぞれの経費に係る測定単位にさまざまな補正を適用して算定するものでございます。

 次に、基準財政需要額の性格、性質でございますが、各地方団体の標準的な水準における行政を行うための財政需要を算定するものであり、各地方団体の実際の決算や予算とは異なるものでございます。

 以上でございます。

足立委員 ありがとうございます。

 今まさに私が指摘をした三点について、地方交付税法を所管している総務省からも、そのとおりだというふうに御紹介をいただきました。

 総務省審議官、馬場審議官、ありがとうございます。もう一つ、もう一つというか、今お答えいただいたことで全てなんだけれども、もうちょっと言うと、今回の毎日新聞の二百十八億円、これは共産党と自民党とどうも裏でつながっていたようで、これについては、今、大阪市議会で、きょうもこの検証が行われています、それはいいんですが。

 審議官からもう一言いただきたいのは、段階補正だけをきかせているんですよ。例えば、人口。大阪市を四つに分割したとき、分市をした、特別区じゃないですよ、人口が変わる。人口が変わる影響というのは、段階補正だけに影響するんじゃなくて、ほかにも、段階補正以外の係数にもかかるので、私は、仮に人口に着目したとしても、段階補正係数だけを掛けた数字を、日経新聞、毎日新聞が要求をして、いいから、意味がなくても計算してくれればいいんだから出してくれと言われて、裏で出したということが今回の事案なんだけれども、段階補正係数だけを掛けるということに、きかせるということに、私は、地方交付税法上、何ら意味を見出せないでいます、私はね。何か意味を見出すことができますか、馬場審議官。

馬場政府参考人 試算についての御質問でございますが、各地方団体が試算を行うかどうかも含めまして、どのような試算を行うのか、あるいは、その際にどのような前提条件を置いて試算を行うのかということについては、各地方団体の判断ではございますが、一般的に申し上げれば、人口について大きく数値が変わった場合には、段階補正係数以外の補正係数にも異動が生じることは想定されるかと思います。

足立委員 そうなんですよ。だから、段階補正だけを取り上げて数字を出すことには何の意味もないんです。これはもう捏造ですよ。だって、意味のない数字を無理やり出した。

 先ほどあったように、いいよ、とにかく我々も、今回の住民投票についてはもう否決をされたんだから、この民意というものはしっかりと受けとめます。でも、我々国会議員は、これから憲法改正にも取り組むんですよ、河野大臣、憲法改正。憲法改正にも取り組むんですよ。今回の住民投票は、ある意味で、国民投票の前哨戦みたいなものですよ、国民投票をやったら何が起こるかですよ。

 そのときに、今回起こったことは、公党が、与党も野党も、公党がデマの数字を拡散したんです。

 二十七日に、大阪市財政局長がわざわざ記者会見をして、これは違う、要すれば過失であると、過失。そして、財政局長はこうも言っています、実際にはあり得ない数値を出した。まさに今、馬場審議官がおっしゃったとおり、実際にはあり得ない数値を出したんですよ。

 それを二十七日に会見をして、その会見をした後は、自民党の岡下さんたちのグループの幹事長かな、が、もう間違いだということがわかったから、これからは公党としてこれはもう使わないとまで言っているのに、岡下政務官、ちょっときょうは資料を却下されましたが、まず、毎日新聞が報じた二十六日の報道、これを取り上げて、何かよくわからないですね、勝つまでじゃいけんに後出しじゃいけんとかいってツイートしています。

 それから、記者会見で大阪市の財政局長が、この数字は意味がない、過失であるということをはっきりとおっしゃった後も、京都大学の藤井聡教授のツイッター、この二百十八億円の話はサービス下落コストの話だというツイートをリツイートし、そしてさらに、毎日新聞が追加報道したものに対して、これが正確な情報発信であるといって、それを、要は、間違いだと情報を出した出元が言っているにもかかわらず、引き続き、その毎日新聞の側に立ってそれをエンドースし、そして拡散をしています。

 終わってから、十一月二日には、河野大臣のところにも御報告に行かれて、岡下さんから写真を上げていらっしゃいますけれども、河野大臣に大阪市での住民投票否決の御報告を申し上げましたといって、胸を張ってツイートされている。

 そして、十日には、大阪府連の会合を永田町で開いて、二度の住民投票を許した大都市法には問題があるということをぶち上げていらっしゃる。恥ずかしくないのかね、こういうことをして。

 岡下さん、これは事実ですか。

岡下大臣政務官 今の足立委員の御質問ですけれども、それは、私は今内閣府大臣政務官という立場でこの場に来ておりますので、一議員としての活動についてはコメントを差し控えさせていただきます。

足立委員 総務委員会でもこういう御答弁で逃げられました。総務委員会で、そうだよね、一議員の話だからということで、じゃ、国会議員と国会議員でサイドでやりましょうと言っていたんですが、結局逃げ回って、私が岡下政務官の事務所にコンタクトを求めても、スルーをして、逃げ回っています。要は、平場でも話をしない、そして委員会でも話をしない。

 だから、岡下さん、じゃ、こういう聞き方をしたらどうですか。

 今、馬場審議官、総務省からも御答弁いただいた、二百十八億円というのはあり得ない数字だということがきょう明らかになっています。そして、大阪市でも、数字を出した当局の局長が、実際にはあり得ない数値であった、これは重ねての過失でありということで謝罪をしている。にもかかわらず、岡下政務官は、政府の一員でありながら、大阪で、まあ、岡下さんだけじゃないんですけれども、宗清経済産業政務官、岡下内閣府政務官、みんな、毎日新聞の新聞をパネルに張って、街頭で、二百十八億ですよ、毎日新聞が報道していますよということをやり続ける。街宣車でもそれを、二百十八億円、二百十八億円とやり続けて、今回、僅差で否決となった。

 我々は、私は、かつて憲法審査会で海外調査に行って、イギリスのキャメロン首相と御一緒したこと、お話をさせていただいたことがある。私がちょうど、キャメロン前首相に、ブレグジットすることになったけれども、キャメロン元首相としては不本意だった。マスコミがまたむちゃくちゃやったんです、あのときは、イギリスでも。マスコミは問題じゃないですか、今どう捉えていらっしゃいますかと聞いたら、いや、足立さん、足立さんとは言っていないかもしれないけれども、国民投票においてマスコミに文句を言うのは、農家が、農民の方が作物のふできを天候のせいにするようなものだから、私は言わないという御返事でした。なかなか立派な姿勢だと思いますが、だから、私も、毎日新聞が下劣な新聞社だということはわかっていますから、もうそれは言いません。

 でも、私は、きょう、委員の皆様に申し上げたいのは、公党ですよ、公党、それも政府の一員である宗清経済産業政務官、岡下内閣府政務官が、情報源である当局がこれは違うと言った後もこういうふざけた発信を続け、いまだにこのツイッターは残っていますよ。これは、皆さん、ぜひこのツイッターを見てやってくださいよ。本当に小学生みたいなツイッターが続いています。

 私は、もう大阪都構想は諦めました。しかし、憲法改正だけは何としてもやらないといけないので、あしたの憲法審査会にも出向いて、参上して、同じような議論をしていきたいと思いますが、岡下さん、岡下さんは、こういうひどいことを行政改革の分野でもやるんですか。

岡下大臣政務官 先ほどからの答弁の繰り返しになりますけれども、今、内閣府大臣政務官という立場でここの場に立たせていただいております。今、足立委員の御質問は、私一議員に対しての御質問と受けとめました。

 その上であえて申し上げますけれども、今、憲法改正の問題と、恐らく大都市法の勉強会の問題、これを御指摘になられているんだと推測しますが、憲法改正も、やはり時代に即した憲法にするべきだという指摘があり、いろいろな議論が行われていると思います。

 それで、この大都市法の改正についても、さまざまな、いろいろな現場の意見等々もあり、そして、その大都市法の勉強会を尊重し、その意見を尊重し、勉強会を行った。それは一議員として行ったことでございます。

 以上です。

足立委員 憲法について語れるんだったら、大都市法についてだって語ったらいいじゃない。言っていることがむちゃくちゃだよ。

 だから、言っているんですよ。岡下政務官は、内閣府政務官としてここに来ているんだから、内閣府のことを聞いてくれと言っているから聞いているんですよ。河野大臣のもとで行政改革を担当されているんでしょう。行政改革を担当しているに当たっても、国民に間違った情報を提供し続けるんですかと言っているんです。

岡下大臣政務官 今、行政改革のお話をされましたけれども、公平公正に、誠実に対応してまいる所存でございます。

足立委員 だから、岡下さんというのは二重人格で、政府に入るとうそはつかないけれども、地元では……(発言する者あり)

木原委員長 足立君に申し上げます。

 適切な言葉をお使いいただくようにお願いいたします。

足立委員 うそをついたんですよ。だって、大阪ではうそをついたんですよ。だから、一議員としてはうそをついているんです。筆頭が何か怒っていらっしゃるんですけれども、だって、うそだということはきょう証明されたじゃない。

 じゃ、後でまた。

木原委員長 質問を続けてください。

足立委員 また理事会で議論をさせていただいたらいいと思うけれども、岡下政務官は、一議員としては何でもやるんですよ。でも、政府に入ったら、やらない、やらないといって答弁しない。

 だから、私は、こういう公党の国会議員がこういうことをやっているようでは、憲法改正の国民投票が公正公平な形で、正しい形で国民投票を実施することはままならないと思っています。

 私は、きょう、岡下さんが……(発言する者あり)いや、私の考えだよ。だって、私の考えを言う場じゃないんですか。

木原委員長 不規則発言は控えてください。質問者は、質問をしっかり行ってください。

足立委員 いや、自民党は本当は、まあいいや、やめておこう。

 とにかく、私たちは、憲法改正の国民投票のことを思えば、今回のことは検証しておかないといけないと思っているんです。公党の国会議員が、政府を離れればデマを拡散をすることにちゅうちょなく、いまだに残っているわけです。こういうことを許していたら、日本の公党、自民党なんかは、それは表ではいいことを言うけれども、裏ではむちゃくちゃやるということになりますよ。それも、そこで大阪で岡下さんたちがやったことは、共産党と立憲民主党がやっていることと全く一緒ですから。

 だから、私たちは、今回の住民投票、重く受けとめますが……(発言する者あり)野党が怒っていますね、自民党と一緒にするなと。今回の住民投票は、結果は厳粛に受けとめるが、憲法改正の国民投票のことも考え、これからも岡下政務官始め大阪自民党の不正については追及を続けることをお誓いして、質問を終わります。

 ありがとうございます。(発言する者あり)

木原委員長 御静粛にお願いいたします。

 次に、浅野哲君。

浅野委員 国民民主党の浅野哲でございます。

 本日は、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、また特別職の給与に関する法律の一部を改正する法律案について質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 この法案については、さまざまな論点がございます。給与の水準、また民間との差の見直しの問題、また非常勤職員の処遇改善に向けた取組など、ほかにもさまざまございますけれども、これまでの議論も踏まえまして、今回は、非常勤職員の処遇に焦点を当てた質疑を中心に行わせていただきたいと思っております。

 まず初めに、河野大臣に基本的な認識をお伺いしたいと思いますけれども、働き方改革というのが現在全ての職場で進められております。当然、公務員の皆様もその対象となっているわけでございますけれども、この働き方改革は、民間の皆さんも今一生懸命取り組まれておりますが、公務員における働き方改革も重要な取組の項目だと認識をしております。まさに公務員の皆さんが率先して働き方を改革し、それを民間に広めていく、よりよい方向を展開していく、こういうことがあるべき姿だと思っておるんですが、まず、この点に関しての大臣の基本的見解をお伺いしたいと思っております。

河野国務大臣 働き方改革というのは、官民ともに大事なことであると思います。プライベートライフ、あるいは家庭と仕事が両立できる、あるいはどの職場であってもやりがいを持って仕事に取り組むことができる、これは非常に重要なことだと思います。

浅野委員 公務員においても、民間と同様に重要であるということだと認識をいたしました。

 その上で、次の質問、ちょっと通告の順番を変えて質問をさせていただきます。問いの五というところに書いてあるものを質問させていただきます。

 昨年、当時の武田大臣は、国会におきまして、全ての非常勤職員の期末・勤勉手当の支給、常勤職員と同様の給与法改正に伴う基本給改定がなされることを目標に取り組むというふうに明確に答弁をしておられました。

 それから一年が経過しているわけですけれども、本来であれば、この一年の間に何らかの進捗があってしかるべきだというふうにも思っております。その状況について内閣人事局から御答弁をいただきたいと思いますが、加えて、既に全ての非常勤職員に適用されているという理解でよいのかどうか、この点についても答弁をお願いいたします。

堀江政府参考人 御指摘の武田大臣の御答弁を受けまして、令和元年十一月に、内閣人事局から各府省に対しまして、各府省で申し合わせたことにつきましてその趣旨が徹底されるよう、具体的には、期末・勤勉手当の支給、あるいは基本給の改定などについて改めて要請をしたところでございます。

 その現状につきましては、今後、期末・勤勉手当の支給に係る各府省の取組状況について確認をしたいというふうに思っております。その結果も踏まえまして、必要に応じてさらなる働きかけをしてまいりたいと考えております。

浅野委員 ありがとうございます。

 この点に関してなんですが、令和二年度における人事管理運営方針という資料の中には、やはり「全ての非常勤職員に対する特別給の支給及び遅くとも改正給与法施行の翌月からの基本給の改定がなされることを目標に取り組む。」というような記載もございます。

 要請をしたということで、これから確認をするということなんですが、こういった職員の処遇に関することを、この一年で要請しかしていない、これから確認をしますというのは、いささかスピード感がないのではないかというふうに感じるところもあるんですけれども、その点に関して、もし追加の御説明をいただけたらと思います。

堀江政府参考人 さかのぼってちょっと御説明させていただきますと、平成二十九年度における人事管理運営方針というのを私ども定めております。その中で、国家公務員の非常勤職員に関する実態調査、あるいは民間における同一労働同一賃金の実現に向けた取組を踏まえながら、関係機関と連携して処遇改善について検討を進めるということを決めております。

 実態といたしましては、平成二十八年、その運営方針の策定にさかのぼる二十八年の実態調査では、期末・勤勉手当の支給状況、常勤職員と類似の職務を行っている非常勤につきましては、全体で二割から三割程度の支給状況でございました。このため、二十九年の五月に、運営方針を踏まえまして、各府省申合せをいたしました。その結果といたしまして、令和元年にまとめたところでございますと、期末・勤勉手当の支給状況は九割を超えるような状況まで来ております。

 そういった意味で、先ほど改めて確認と申し上げましたのは、つまり、既に九割を超える状況には来ておりますけれども、その後のさらなる進展がどうであるかということについて確認をしたいということを申し上げたものでございます。

浅野委員 ありがとうございます。

 私の手元にも、平成三十年十月に行われた国家公務員の非常勤職員の処遇の状況に関する調査結果というものが、いただいておりまして、これを見ますと、今の答弁の内容のように、九割以上の方に支給がされているという実態を確認することができるんですが、事処遇というものに対しては、九割だから大丈夫とか、二割三割から九割に改善しているから順調だなんという評価ではだめだと思うんですね。やはり一〇〇%、完全なる目標達成というところに強くこだわっていただかないと、職員の方々のモチベーションはもとより、やはりそういったモチベーションの低下は組織的なリスクの要因にも、民間でもなり得るというふうに言われておりますから、ぜひさらなる確認と、ことしの、今度の確認においてはしっかりと徹底をいただきたいというふうに思います。

 この調査なんですが、追加でちょっと質問をさせていただきたいんですが、本来、これは毎年行うべきものというふうに感じるんですけれども、この平成三十年以降、直近の調査というのは行われているんでしょうか。

堀江政府参考人 この調査につきましては、先ほど申し上げました二十九年の申合せを踏まえまして、その申合せにおきましては、三十年度から段階的に処遇改善に取り組むということを決めております。その実施状況を把握したいということで、三十年度分について確認したものであります。

 その後も、状況に応じた確認等は、調査という名前は使っておりませんけれども、しておりますし、それから、先ほど御答弁させていただきましたけれども、今年度の状況についても改めて確認をしたいというふうに考えております。

浅野委員 今、調査という形では行っていないけれども、確認はしているというような趣旨の答弁がありましたが、その確認内容というのは御提出はいただけますでしょうか。また、今度の、行われる予定の確認内容についても同様に、できましたら、調査結果という形でしっかりとまとめていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

堀江政府参考人 先ほど私が申し上げました、一度調査したものについて確認をしたということにつきましては、先生お持ちの数字と同じだと思いますけれども、期末手当の支給が行われている者が九六・八%、勤勉手当の支給が行われているという者が九五・一%。これは、当初調査の予定で出た数字を改めて実績として調査し直し、それを確認をしたという数字でございますので、今申し上げた数字が確認後の数字でございます。

 それから、今年度の状況につきましては、支給もこれからでございますので、今後、確認をして、また改めて整理したいと思っております。

浅野委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 やはり支給されているかどうかの調査も大事ですし、あとはそこに対して公平公正さというのをしっかり確認もするのも必要な措置だと思っております。

 やはり、今、同一労働同一賃金というのが始まりまして、これからそういった処遇面での公平さ、公正さ、しっかり客観的に、立ち上げ期だからこそ定期的な確認が必要だとも思っておるんですが、これまでの調査内容や確認した内容の範囲内で結構なんですが、国の非常勤職員の期末・勤勉手当の実態について、どの省庁がどの程度対応しているのか、その水準についてどのような把握をされているのかについて、御答弁できましたら、お願いいたします。

堀江政府参考人 国の非常勤職員につきましては、全体で約十五万六千人ほどいらっしゃいます。その中で、いわゆる常勤職員と同様の、類似した職務を行っている方、例えば、事務補助職員の方ですとか、あるいは勤務時間が同等程度である、あるいは勤務日数が週三日あるとか、そういったところに絞って調査をしております。

 その結果といたしまして、平成三十年の十月に一旦調査をしたものにつきまして、昨年の十月時点でもう一回確認をして、その数字をリバイスしております。その結果が、先ほど申し上げました平成三十年度の期末・勤勉手当、常勤職員に類似している業務を行っている非常勤職員の期末・勤勉手当については、期末手当九六・八%、勤勉手当九五・一%が支給されているということでございます。

浅野委員 済みません、それは支給された割合ですよね。

 九十何%という数字、今おっしゃっていただきましたけれども、それは、支給された割合なのか、水準についてなのか、ちょっともう一度確認をさせてください。

堀江政府参考人 これは、支給水準といいますよりは、支給があったかどうかということ、支給の有無の率でございます。

浅野委員 であれば、支給があったかどうかも大事なんですが、やはり処遇の内容が同一労働同一賃金の理念に見合う、公務員といっても幅広いと思うんですけれども、各省庁、そして、その職種によってしっかりとその理念が達成されているのかどうかというのを確認するためにも、その水準部分の確認も必要だというふうに思っての質問をさせていただきました。

 ちょっともう一度だけ確認するんですが、水準については、今そういった情報をお持ちでしょうか。もしお持ちなら、お答えいただきたいと思います。

堀江政府参考人 現時点においては把握しておりません。

浅野委員 ありがとうございます。

 やはり非常勤職員の方とそれ以外の方の水準の差、また民間との差、あるいは省庁間の差、いろいろな差があると思うんですけれども、支給するというのは我々からしてみたら至極当たり前の話で、じゃ、具体的な中身としてどのくらいの水準なのかというところが同一労働同一賃金の肝になるところだと思いますから、ぜひ、今後そういった調査も含めて取組を行っていただきたいということを申し上げさせていただきたいと思います。

 次の質問ですけれども、残り時間が少なくなってまいりましたので、河野大臣にお伺いをしたいと思います。

 こういった処遇にも予算が必要になりますけれども、今、人事局の方とのやりとりの中では、処遇の水準については十分な情報がないというような内容でありました。

 ただ、今後、この非常勤職員に対する適切な処遇あるいは同一労働同一賃金の理念にかなった処遇の実現のためには、それに対してしかるべき予算の確保というのも重要になってくると思います。

 予算というのは政策に基づき措置されるものですので、政策が既に存在しますから、しっかりとそのあたりの対応をしていただきたいんですけれども、このあたりに対して、大臣の御見解がありましたら、お願いしたいと思います。

河野国務大臣 例えば、非常勤職員の中には、労働時間が短い人もいらっしゃるわけです。そうすると、そういう人に対する期末手当、勤勉手当をどのように支払ったらいいかというのは、これは人事院の方で何らかの考え方を示していただいて、それに基づいて支払うということになろうかと思いますので、この非常勤職員の期末手当、勤勉手当につきましては、人事院が何らかの形で明確な考え方を示していただいて、各府省がそれに基づいて予算を要求をする、そういうことになろうかと思います。

 おっしゃるように、予算の確保というのは、これは大事なことでございますから、人事院の考え方を踏まえた上で、内閣人事局としても、人事院と連携しながら、各府省に適切な予算要求をするように求めてまいりたいと思います。

浅野委員 ありがとうございます。

 続いて、人事院の総裁にお伺いしたいと思いますけれども、今大臣もありましたように、基本的には、人事院の方で基本的な方針というのを決めていただくということがその前段のものとして必要なんだと思うんですけれども、やはり、きょう、この間質疑させていただいたように、非常勤職員と、それでない方々の処遇の差であったり、あるいは民間との差であったり、あるいは、短時間勤務や週に数日しか出ない方々の処遇の内容について、民間企業では、例えば職能定義書ですとか、いろいろ、それぞれの働き方に応じて、それを評価する価値基準というようなものが既に整備されている場合が多いんですけれども、やはり、今後、こういった判断基準、価値基準のさらなる深掘りも含めて、人事院が果たすべき役割は非常に大きいものがあると思います。

 ましてや、テレワークですとか、公務員の方も一部既に取り組まれていると思いますけれども、働く場所の変化、働く時間帯の変化、いろいろな変化が今起きていますし、人事院としてこのあたりにどのように対応していくのか、そして、今、河野大臣がおっしゃったような人事院の責任を果たすために、どういった今基本的なお考えを持っているのかというのを確認させていただきたいと思います。

一宮政府特別補佐人 人事院といたしましては、国の非常勤職員の処遇について、非常に重要な課題であると認識しておりまして、これまでも取組をさまざま進めてきております。

 具体的に、給与に関して言いますと、平成二十年に、非常勤職員の給与に関する指針を発出し、この指針に基づいて、各府省において適正な給与の支払い、支給が行われるように必要な指導を行ってきております。

 また、平成二十九年七月には、勤勉手当に相当する給与の支給に努めるということを追加するなどの指針の改正を行い、現在、これに基づく各府省の取組が進んでいるところでございます。

 人事院としても、引き続き、今御指摘のあったような事項も含め、常勤職員の給与との権衡をより確保し得るように取り組んでまいる所存でございます。

浅野委員 時間が参りました。これで質問を終わらせていただきますが、ぜひ、人事院総裁、今、コロナもありまして、大変公務員の皆さんも苦労を重ねています。河野大臣もそうなんですけれども、職場で頑張られている皆様に継続的な激励のメッセージ、励ましの発信をいただきますように最後お願い申し上げて、私の質問を終わります。

 以上です。ありがとうございました。

木原委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

木原委員長 これより両案を一括して討論に入ります。

 討論の申出がありますので、これを許します。塩川鉄也君。

塩川委員 私は、日本共産党を代表して、国家公務員一般職給与法案に対し、反対の討論を行います。

 本案は、新型コロナウイルス感染症拡大による経済状況が悪化するもと、政府が行った自粛要請と不十分な補償によって引き下げられた民間労働者の賃金に合わせて、国家公務員の期末手当を引き下げるものです。

 この引下げは、厳しい人員体制のもとで、新型コロナウイルスや頻発する自然災害への対応など、市民の生命、暮らしを守るために奮闘する職員に冷や水を浴びせるものです。

 人事院は、政府の責任やコロナの影響を一切考慮せず、民間準拠だけを理由に期末手当を引き下げる勧告を行いました。これは、国家公務員の労働基本権制約に対する代償措置としての役割を無視したもので許せません。本案は、国家公務員の生活給を保障せず、一方的に年収減を押しつけるものであり、反対です。

 また、国家公務員の給与引下げにより、地方公務員、独立行政法人、国立大学法人、学校、病院等、約七百七十万人の労働者に大きな影響を与えます。さらには民間事業者にも波及して、コロナによって冷え込んでいる経済に対し、国民の消費を一層冷え込ませ、負のスパイラルを生み出すものです。

 内需拡大には全労働者の賃上げこそ必要であり、消費冷え込みに更に追い打ちをかける給与引下げには反対です。

 なお、特別職給与法案については、公務員の給与体系が内閣総理大臣、国務大臣、副大臣、政務官といった幹部職に厚いことから、今回の特別職の給与引下げは当然であり、賛成とします。

 最後に、政府が推し進める定員合理化計画の破綻は明らかです。今すぐ撤回し、定員管理の柔軟な運用で、国民の生命、暮らしを守るために必要な要員を確保する仕組みに改めることを求め、討論を終わります。

木原委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

木原委員長 これより採決に入ります。

 まず、内閣提出、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

木原委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 次に、内閣提出、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

木原委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

木原委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時八分散会


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