衆議院

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第2号 令和3年2月1日(月曜日)

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令和三年二月一日(月曜日)

    午前九時二分開議

 出席委員

   委員長 木原 誠二君

   理事 平  将明君 理事 冨岡  勉君

   理事 中山 展宏君 理事 藤原  崇君

   理事 松本 剛明君 理事 今井 雅人君

   理事 後藤 祐一君 理事 濱村  進君

      青山 周平君    安藤  裕君

      井出 庸生君    池田 佳隆君

      岡下 昌平君    金子 俊平君

      神田 憲次君    小寺 裕雄君

      杉田 水脈君    鈴木 貴子君

      高木  啓君    津島  淳君

      永岡 桂子君    長尾  敬君

      西田 昭二君    野中  厚君

      本田 太郎君    牧島かれん君

      牧原 秀樹君    松本 洋平君

      吉川  赳君    和田 義明君

      阿部 知子君    大河原雅子君

      大西 健介君    玄葉光一郎君

      森田 俊和君    森山 浩行君

      山井 和則君    柚木 道義君

      吉田 統彦君    江田 康幸君

      古屋 範子君    塩川 鉄也君

      宮本  徹君    足立 康史君

      岸本 周平君    山尾志桜里君

    …………………………………

   国務大臣         西村 康稔君

   内閣府副大臣       赤澤 亮正君

   厚生労働副大臣

   兼内閣府副大臣      山本 博司君

   内閣府大臣政務官     岡下 昌平君

   内閣府大臣政務官     和田 義明君

   内閣府大臣政務官     吉川  赳君

   法務大臣政務官      小野田紀美君

   厚生労働大臣政務官    こやり隆史君

   経済産業大臣政務官    佐藤  啓君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    近藤 正春君

   政府参考人

   (内閣官房内閣参事官)  川上恭一郎君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  河村 直樹君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  梶尾 雅宏君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  奈尾 基弘君

   政府参考人

   (内閣府地方創生推進室次長)           長谷川周夫君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 堂薗幹一郎君

   政府参考人

   (出入国在留管理庁出入国管理部長)        石岡 邦章君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 安東 義雄君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房生活衛生・食品安全審議官)  浅沼 一成君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           山本  史君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           志村 幸久君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           堀内  斉君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  正林 督章君

   政府参考人

   (厚生労働省子ども家庭局児童虐待防止等総合対策室長)           岸本 武史君

   政府参考人

   (中小企業庁事業環境部長)            飯田 健太君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           木村 典央君

   参考人

   (独立行政法人地域医療機能推進機構理事長)    尾身  茂君

   内閣委員会専門員     近藤 博人君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月一日

 辞任         補欠選任

  安藤  裕君     井出 庸生君

  宮崎 政久君     津島  淳君

  吉川  赳君     青山 周平君

  柚木 道義君     山井 和則君

  塩川 鉄也君     宮本  徹君

  岸本 周平君     山尾志桜里君

同日

 辞任         補欠選任

  青山 周平君     吉川  赳君

  井出 庸生君     安藤  裕君

  津島  淳君     鈴木 貴子君

  山井 和則君     柚木 道義君

  宮本  徹君     塩川 鉄也君

  山尾志桜里君     岸本 周平君

同日

 辞任         補欠選任

  鈴木 貴子君     井野 俊郎君

同日

 辞任         補欠選任

  井野 俊郎君     野中  厚君

同日

 辞任         補欠選任

  野中  厚君     宮崎 政久君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出第六号)


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     ――――◇―――――

木原委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、参考人として独立行政法人地域医療機能推進機構理事長尾身茂君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房内閣参事官川上恭一郎君外十五名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

木原委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。冨岡勉君。

冨岡委員 おはようございます。自由民主党・無所属クラブの冨岡勉です。

 今日は、自民党の医療系議員団の団長としてもひとつ質問をさせていただきたいと思います。

 まず初めに、新型コロナウイルスによってお亡くなりになりました多くの皆様方に心よりお悔やみ申し上げます。

 また、最前線でこの診療に当たっておられる医療従事者の皆様、深く感謝申し上げます。ありがとうございます。

 さて、西村大臣におかれましては、連日のコロナ対応、本当にお疲れさまでございます。コロナにかからないように注意してください。

 今日、今から質問するのは、大体五項目にわたって質問をしたいと思います。

 今般は、感染症法、特措法の法案審議ということでございますけれども、全体にわたっての質問になりますことをまず御了解いただきたいと思います。

 まず最初に、経口イベルメクチンを使えば、今問題になっているワクチンの投与も、極端に言えば、しなくていいのではないかという視点からの質問でございます。

 お手元にお配りしている参考資料を御覧になっていただければと思いますけれども、このイベルメクチンというのは、大村博士が二〇一五年ノーベル賞を取られた題材の薬でございます。毎年一億人以上の方に投与され、四十年間これが投与され、非常に軽微な副作用ということで、アフリカ諸国、東南アジア諸国、広くわたって用いられている薬であります。

 今般、北里大学のグループ、非常にマルチプルなランダマイズドスタディー、いろいろな施設で研究されて、その解析が出ているのが資料の下の方に、ちょっと見ていただければと思います。

 予防投与を行えば、極端に簡略化して言うと、九一%の方々が寛解というか、軽微な発症で済む。また、死亡率も非常に低減化され、英国では大体四分の一以上の死亡率が改善が見られたという画期的な、我が国が開発したというんですか、ノーベル賞を取った、そういう事案の薬でございます。

 ここで質問ですけれども、これ、主治医が行うリサーチの、主治医主導型のリサーチがもう既に始まっておりまして、厚生労働省も認識していると思うんですが、まず、最初の認識として、今どのようなことを行って、どの程度のリサーチ、ワークが進んでいるかをお答えいただければと思います。

山本政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のイベルメクチンにつきましては、様々な研究論文が発表されていると承知しております。

 例えば、非臨床試験においてウイルス増殖抑制効果が認められたというものや、幾つかの臨床試験におきまして、臨床症状の改善や入院期間の短縮等の効果があったというものがございます。

 その一方で、最近の発表された複数の臨床試験の結果を統合して解析した査読前の論文では、より大規模で適切に管理された臨床試験の結果をもって有効性等を評価すべきとの考察がなされているものと承知しております。

 現在、北里大学を中心に医師主導治験が実施されているところでございまして、今後、治験等で得られた科学的データなどを評価してまいりたいと考えております。

冨岡委員 まさに今私もその点を指摘したんですが、今、数万人に及ぶPCR陽性患者で自宅待機あるいは療養先のホテルに入っている方が何も治療されなくてただ経過観察をされているという事案が、現象がずっと続いているわけであります。それらの中には突然死亡する例も後を絶たないわけでありますが、仮にこのイベルメクチンがそういう方たちに投与されると、非常に死亡率を低減化させるということが期待されるわけでありますよ。ただ、そういう方たちはただじっとしているだけなので、なぜそこに投与をしないのかという声が上がってきております。

 この訴えに対して当局はどのような対応を取っておられるのか、お聞きしたいと思います。

正林政府参考人 お答え申し上げます。

 イベルメクチンについては、有効性を示唆する報告はあるものの、現時点においては有効性が期待できるほどの十分な情報は収集されておらず、現在、国立医療研究開発機構、AMED研究事業において御指摘の医師主導治験が行われると承知しています。

 この治験について、入院患者に限る等の制限は行っておりませんが、これまでの医療提供体制等の状況から、実質的に入院患者を対象に実施されてきたと承知しています。

 一方で、自宅療養や宿泊療養におられる患者さんに対する治験の実施については、治験実施の基準であるGCPの遵守に加え、適切に経過観察を行う必要があることなどから、自宅療養や宿泊療養における治験実施の留意点等について周知を行うなど、治験の推進に努めているところであります。

冨岡委員 まさにそのとおりですけれども、医師主導型でやるというと、適応外使用というのが認められている。数十年にわたって使われている安い薬でありますから、なぜ使われないのか、処方しないのか。経口薬でありますので、家族が取りに来てオンラインで処方していただければ、これはできるわけでありまして、家族が持って帰って自宅で投与することもできるし、また、ホテルで投与して、悪い薬じゃないんですよ、法的違反状態ではありませんから、まあスタディーとして取り組むという一面もありますけれども、もう前もってそういうのをやってのけるという手はある、予防的投与としてあると思います。

 薬というのは面白いものですね。クラリスという非常に効きのいい薬がありますけれども、これも、慢性閉塞性肺疾患、COPDといいますが、それに予防投与という、抗生剤を予防投与といったら菌交代現象が出てくるんじゃないか。違います。これは薬が、出ないんですね。半量ぐらいの投与をずうっと一年間続けると、そういった緑膿菌感染も抑えるし、疾患自体で死亡する方が非常に低減する、そういう現象が起こるということが近頃知られてきて、抗生剤の予防投与なんておかしいじゃないか、そういう一昔前の考えが否定される時代になっておりますので。

 このイベルメクチンも、そういう意味で、広く普及しておりますし、南アフリカで昨日から政府がこの使用を一部でありますけれども認めた、そういう薬でありますので、西村大臣、是非ちょっと検討を改めて行っていただければと思います。

 次に、医療施設におけるゾーニング、区分設計というんですか、これも広く問題視されているわけであります。汚染区域と清潔区域を分ける、そういう発想であります。当然なことではありますが。

 我々、一昔前の医療従事者は、感染症といったら大体結核病棟を思い出して、その結核菌が伝播しない程度のゾーニングという概念しか持っておりませんでしたが、今般のこのパンデミック、全く違う概念を導入しないと、今のような状態になるということが分かってきました。

 そこで、この状態を防ぐには、やはり第一は、大学病院とか国公立病院の、病院全体を見たゾーニングというのが必要になります。つまり、一般の患者さんと感染を起こした患者さんが同じ待合室で待っているという、十年後にはそんなことをやっていたのという状態が今あります。これを分けるには、大学病院自体の動線を切り離して、感染症あるいは発熱外来というのは別に造らなくてはいけない、そういうことをしなければならないという状態に今あります。

 したがいまして、申し上げたいのは、大学病院八十一か所ですか、国公立病院を合わせると二百とも三百とも、そういう病院の造り替えをやらないといけない。造り替えというのは、増改築を含めて、年間やはり、三十年耐用年数とすると、三十か所ぐらいは今でも一年間にゾーニングをしなくてはいけない。この今の忙しい時間にそういう設計からやり直さないといけないという状態が、今あるわけなんです。

 これに対して我が政府は、この感染が終わってからちょっと考えればいいという、感染研のレポートを見ましたけれども、あれではどう造っていいか分かりませんよ、病院関係者は。

 そこの点はどう考えて、今やっているのですか、どうなんですか、から聞きたいと思います。

正林政府参考人 お答えします。

 医療機関における感染拡大を防止するためには、感染している方と感染していない方ができる限り交わらないように、時間的、空間的な分離を行うことが重要と考えています。

 このため、これまでも、国立感染症研究所等において考え方を取りまとめて自治体に通知するなど、院内感染防止のための方策を周知してきたところであります。

 御指摘のように、医療機関における感染拡大を防止する方法として、新築や増築の際に感染症対策を考慮に入れた設計を検討する方法もあり得るものの、現下の感染状況では、まずは目の前の感染拡大の防止などに速やかに手を打つことが重要であり、例えば患者に応じて診療時間を変更するという時間的なゾーニングも含めて、様々な対応をいただいていると思っております。

冨岡委員 それ、遅いんですよと今言っているわけですよね。二十か所も三十か所も増改築しているんですよ。場合によっては新築しないといけない病院があるのに、規格のこの「急性期病院における新型コロナウイルス感染症アウトブレイクでのゾーニングの考え方」というのを感染研が出しておるけれども、読んでもぴんとこないんですよ。どうすればいいのと。

 だからこれは、埼玉県の戸田中央総合病院では、何と三百二十三人の院内感染が発生して、三十一名、私の知るところ、亡くなったんですよ。治す病院で三十一名の方々が亡くなったという事実があるわけなので、一刻も早くその規定項目を整理して、増改築している予算づけを少し増額して対応するように、終わってからでは遅いということを申し上げたいと思います。

 また、これらの概念は、これから造るであろう新築のビルあるいは地下街にも当てはまる政策でありまして、冷暖房だけでビルが運用していたのを、感染症対策を入れなくちゃいけないということが入ってくるわけで、食堂街や通路やイベント広場などの感染症対策、これを取らないと、そこのビルにはテナントとして入らない、マンションを買わないという現象が起こってくるわけであります。

 どうしても重要人物が集まる場所というのは、こういった感染症対策がなされた会議室、ここも危ないんですよ。この空間が、全く保証がありません。菌が浮遊しているかも分からないし、国会もそうであります。我が自民党の古ビルも非常に危ないんですよね、あそこも。

 したがって、こういった古いビルというのは、建て直して新しいICTの近代ビル化すると同時に、会議もやれるようなことにすると同時に、感染症対策をして建て直していかなくちゃいけない、そういう時代になっていると思います。是非そういう目で見てください。

 そういう意味で、三番目の、エアロゾル化した対策はどこで行うのか。つまり、コロナウイルスがこの部屋にもおるとすれば、実験でこれを殺す、つまりコロナを除去するということはできる大型施設がありますか、世界に。僕もちょっと、アメリカにあるというのは聞いたんですが。そういうウイルス対策、〇・一マイクロメートルの細かいウイルスに対する医療機器として開発できる実験室があるのかどうか、そこを教えてください、まず。

正林政府参考人 お答えします。

 新型コロナウイルスの感染は、感染者の唾液や飛沫等が主体である一方で、室内の密集した空間では、飛沫感染と併せてマイクロ飛沫感染が起こっている可能性が示唆されております。

 これらの感染経路を防止するために、現時点では、いわゆる三密を避けるとともに、頻回の換気を行うことなどが推奨されております。

 これまでに、空間除菌を行うことによる感染予防効果についてのエビデンスがあるとは承知しておらず、そのための大型実験施設がほかの国に存在するかについては承知しておりませんが、いただいた御意見も踏まえて、より効果的な対策を取るための研究実施の体制整備等について引き続き検討してまいりたいと考えております。

冨岡委員 ありがとうございます。

 早急にこの大型実験室を整えるべきだと思います。なぜならば、医療機器として導入するには、例えば酸化エチレンとかオゾンガスあるいは深紫外線、さらにはHEPAフィルター、ウルトラフィルター、いろいろな手段をこの部屋にも導入すれば我々は安心して議論できるんだけれども、非常に不安ですよね、何もない。何もないんですよ、この部屋は。

 したがって、それを医療機器として、滅菌とか殺菌という言葉を使える医療機器等を開発するには、大型の実験施設が必ず必要です。でないと、私の感覚では、これは大丈夫ですとかテレビでやっている、いわゆる普通の機器として除菌という言葉しか使えません。殺菌や滅菌という言葉、薬機法で使えるような言葉が使える、そういう器具が、体育館とかいわゆる地下街とかあるいは避難所ですね、大型のところには必要になってくる時代がもう来ているのに、それに対して反応が少ないということを御指摘させていただきたいと思います。

 学校でも、あるいはオリンピック・パラリンピックを最後に質問しますけれども、柔道場や空手場でいろいろ飛沫が飛び交いますよ。そこで一名でも感染者がおれば、その道場、会場は閉鎖になります。どうやって滅菌するのか、この滅菌という言葉が使えるのか、世界は注視するわけであります。オリンピック・パラリンピック、一番安全な国は日本だという非常にチャンスが回ってきていることを、大臣、是非認識していただきたいと思います。

 それから、時間が迫ってまいりました。IMAT、インフェクシャス・メディカル・アシスタンス・チーム、DMAT、ディザスターとか、JMAT、いろいろな災害時の派遣チームができて、非常にやはり日本も安心して、安心というか、それなりの対応ができるようになりました。

 ただ、感染症のときに、直ちにそういった、この感染症は感染症法で指定感染症にしないと危ないなと思って指定感染症にします、そのときに派遣するチームが今のところないのではないかと思いますが、当局の見解を、この名前自体、インフェクシャスでいいのかどうか、インシデントという言葉の方がいいのかどうかを含めてお答えください。

正林政府参考人 お答えします。

 地域において対応が困難と考えられる感染症が発生した場合に専門家等を派遣して支援する体制は、その感染症を制御するためにも重要であると認識しております。

 厚生労働省においては、クラスター対策班を設置し、自治体からの要請等に応じて専門家チームを派遣し、感染源や感染経路の検討や感染拡大防止対策の提案などの支援、それから、国立感染症研究所に実地疫学専門家養成コース、FETPと呼んでいますが、そうしたものを設けて実地疫学専門家を養成などの対応を行っているところであります。

 そのほか、日本環境感染学会において、認定感染制御医などの感染制御の専門家や感染管理認定看護師によって構成される災害時感染制御支援チーム、ディザスター・インフェクション・コントロール・チーム、DICTと呼んでいますけれども、そういったものを組織し、派遣等を可能としているというふうに承知しています。

 これらの取組を通じて地域における感染症発生時の対応の支援をしているところであり、御指摘も踏まえて、引き続き検討してまいりたいと考えております。

冨岡委員 これまでのDMATやJMATと少し性質が違うと思います。例えばDMATにすれば、長靴で家の中にどかどかどかと入っていって人を助けるなんて、全く感染とか清潔とか不潔という概念はないチームですね、お医者さんは入っているけれども。

 したがって、私申し上げたいのは、DMATにしてもJMATにしても割合短期間で、七十二時間、そういう時間もあるようですので、短期間で済むチームじゃ今度はないんですよ。したがって、十日や最低二週間ぐらいそこに、コロナは一応二週間という概念があるので、その期間をとどまって比較的中期的に対応をするチームになりますので、ここはやはり、看護師さんとかお医者さんも、今までとは違って、ああ、一週間で終わるんだ、お父さん帰ってきてね、そんな感覚ではないということを考えないといけないと思います。

 その点是非留意して、最初から感染症学会とかでも、やはり専門の人がそのチームの中に入っておかないと、ダイヤモンド・プリンセスのように、海外から笑われるような、長靴みたいなので入って、土足で入っていくチームが画像で流れたんですよ。これはもうとんでもないと多分諸外国は思って、そして一斉に、我が国民を帰すんだというので飛んできたじゃないですか。あの画像を見せられたらもう失格ですよ、日本の感染症対策は。

 そういう意味で、是非、最初の段階から感染症対策の専門家や看護師さんやそれのコメディカルの人を連れていくような体制を早急に取る必要があります。

 オリンピックを私は是非開いていただきたいなと思っていろいろその質問をしているわけですが、会場で出た途端、やはり、そこの会場の人たちはみんな、こういったチームの指揮下に入らないと分かりませんよ、対応が。

 だから、そういう意味では、是非早く、名称はどうであれ感染症チームをつくっていただきたいと思いますけれども、もう一度、取組についてお答えいただければと思いますが、どうですか。

正林政府参考人 お答えします。

 最初に、ダイヤモンド・プリンセスの話も出ましたので、私、あの船に乗って一か月間、全体の指揮を執っていましたので。

 あのとき、DMATにも来ていただいたり、それから感染症の専門家にも最初から乗っていただいて、いろいろな助言をいただきながら、最初から完璧だったかどうかというのはちょっと申し上げることはできませんが、徐々に徐々に、きちんとゾーニングを取りながら、感染対策、我々の感染対策、それから乗員乗客の感染対策を行ってまいりました。

 ただ、最後にDMATの人と話していて、DMATはやはり災害救助の観点、主に救命救急医で構成されていますので、やはり感染症の知識を持ったようなチームというのが必要だなということは彼らもおっしゃっていました。

 今、先ほど私、御答弁申し上げましたが、DICTとかFETPとか、まだまだ十分ではないにしても、感染症の専門家はおりますので、その方々の数をできるだけ増やし、そしてこういうパンデミックのときに活躍していただけるような、そういう場をつくっていければなというふうに考えております。

冨岡委員 僕も目指してきました。いろいろな方、当時は諸外国もびっくりしたんですが、その後の対応は非常にすばらしいものがあって、十三名の死者で済んだわけですけれども、本当に御苦労あったと思います。その教訓を是非生かしながら、この対応を考えていっていただきたいと思います。

 最後の質問。途中で言及しましたけれども、オリンピック・パラリンピックに対する準備状況について、大臣の方に総合的なことをお尋ねしたいんです。

 今言及しましたこの四項目は、オリパラ開催にすぐ直結する問題をずっと取り上げてまいりました。まず、選手村などでのゾーニングの進行具合、空手や柔道場、その他の会場における除菌や消毒、消毒という言葉が使えるようになっているのか、そういう状況はどうなっているのか。多数のクラスター発生時、緊急の対応などの戦略について、もし今、現時点での対応策、これで完璧だ、無観客でもやるんだ、PCRそれから抗原検査を駆使して必ずやり遂げる、そういうことであるのかどうか。どこまでいっているのか、お答えいただければと思います。

西村国務大臣 今、様々御議論をいただきました。

 まさに私ども、昨年、もう一年近くになるわけでありますけれども、様々な経験をし、また内外の様々な研究成果が出てきているわけでありまして、こういったものを踏まえながら、そして、冨岡先生とも御一緒させていただきましたけれども、長崎大学での蛍光LAMP法の、短時間で多数の検査ができる、ああいった仕組みも含めて、そういったものを全て踏まえながら、私の立場では、何としても開催できるように国内の感染を抑え、そして開催した場合にそこで何か感染が起こらないように、医学の専門家の御意見も聞きながら、全力を挙げて対応していきたいというふうに考えております。

冨岡委員 どうもありがとうございました。成功を祈っております。

 終わります。

木原委員長 次に、濱村進君。

濱村委員 公明党の濱村進でございます。

 新型インフルエンザ等対策特別措置法等につきまして質問いたします。

 今回の特措法改正で、蔓延防止等重点措置というものが新設されます。目的は、緊急事態宣言の発出にまで至らない段階で対策を講じるということができるようにと理解しておりますが、要件は政令に定められております。どういう要件を想定されておるのか、お答えください。

奈尾政府参考人 お答えをいたします。

 蔓延防止等重点措置でございますけれども、国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがある新型インフルエンザ等の蔓延を防止するということで、蔓延防止等重点措置を実施する必要があるものとして政令で定める要件に該当する事態が発生したときに、期間及び区域等を公示することになってございます。

 この政令で定める要件でございますが、例えば、新規陽性者数等の発生の状況を踏まえ、ある地域において感染が拡大していて、都道府県内に更に拡大するおそれがあるといったこと、それから、それに伴い医療の提供に支障が生ずるおそれがあると認められること、こういった内容を規定することを想定してございます。

 いずれにいたしましても、政令及び基本的対処方針におきまして、昨年夏、秋以降の経験、知見も踏まえまして、実効性が上がるために適切な範囲となるよう、かつ、できる限り分かりやすい形でお示ししたいと考えてございます。

 なお、実際の運用に当たりましては、特措法第五条で基本的人権の尊重というのを掲げられてございますので、必要最小限の措置になるようにするのは当然のことと考えてございます。

濱村委員 必要最低限の措置という中で、新規陽性者数とか医療提供体制とかを見ながら講じていくということでございますが、これと、今回、正当な理由なく命令に応じない事業者には過料が科されるわけでございますけれども、この正当な理由なくというのがどういう要件であるのかという点も重要なポイントだと思っております。

 営業時間を短縮すると店が潰れるという理由で、営業時間の短縮であったり、あるいは要請、命令に応じないという場合においては、これは正当な理由には当たらないんじゃないかと私は考えております。逆に言えば、これが正当な理由に当てはまるのであれば、極めて多くの事業者さんが要請、命令に応じないだろうということは容易に想像がつくわけでございます。そうなると、じゃ、一体どこまでであればいいんですかということが重要になってきます。

 私は、過料が科されるということについては、極めて悪質な場合であって、感染拡大防止の意思を感じられないような場合、こういう場合は相当するんじゃないかというふうに考えておりますが、正当な理由というのはどういう場合であれば当てはまるのか、お答えください。

西村国務大臣 御指摘のとおり、今回、事業者等が正当な理由がないにもかかわらず要請に応じない場合には、要請に応じていただけるよう命令をするというふうに規定をしているところであります。

 そして、この時間短縮の要請などについては、これまで法制局とも整理をしてきました、憲法の解釈も含めて議論してきましたけれども、財産権に内在する制約として受忍すべき限度内であることから、限定的に解釈されるべきものと考えております、その正当な理由の解釈についてですね。

 さらに、今回、御指摘のように、改正案においては、国及び地方公共団体が新型インフルエンザの影響を受けた事業者等を支援するために必要な措置を講ずる、この義務についても明記しており、これにより、事業者への影響は緩和されるということが考えられます。

 さらに、単に要請に応じないことのみならず、専門家の意見を聞いて、感染拡大防止のために特に必要があるか否かを精査した上で命令が行われるという仕組みを明記しております。

 そして、措置が実施される期間は一時的である、こういったことから、この正当な理由については、御指摘のように、限定的に解されるべきものというふうに考えております。

 具体的には、その状況における諸般の事情を考慮して客観的に判断されるものでありますけれども、例えば、地域の飲食店が休業等、時間短縮などした場合、近隣に食料品店が立地していないなど、他に代替手段がなくて、地域の住民が生活維持をしていくことが困難になる場合とか、あるいは、その時短以外の時間帯で新型インフルエンザ等、コロナに関する重要な研究会を施設において実施する場合とか、かなり限定的に解すべきものというふうに考えております。

濱村委員 今大臣から御答弁いただいた、地域住民の生活の維持が困難になるというようなケース、極めて限られたケースだなと。それが損なわれるという意味において、適用されるんじゃないかという話でございました。

 少し大臣から財産権の話がありましたので、少しそちらの話をさせていただきたいと思いますけれども、受忍限度という言葉がございました。

 損失補償については、適法な公権力の行使によって加えられた財産上の特別の犠牲に対し、全体的な公平負担の見地からこれを調整するためにする財産的補償ということで、財産権に対する損失補償というのは定められているわけでございますけれども、これは行政法上の学説としてそのように考えられているわけでございます。

 一方で、判例としても、憲法二十九条三項により補償を請求できるのは、公共のためにする財産権の制限が社会生活上一般に受忍すべきものとされる限度を超えて、特定の人に対し特別の財産上の犠牲を強いるものである場合に限られると解されると、これは裁判で判例があるわけでございますが、六十三条二項とか、七十条二項とか、事業者や地方公共団体に対する財産上の措置を講じる義務、そういう規定がございます。

 受忍限度を超えないということというのは非常に重要な論点であろうというふうに思っているわけですが、その上で、ちょっと確認的に伺いたいと思います。

 この新型インフルエンザ等特別措置法、制定時には、要請しかできませんでしたし、過料は存在しておりませんでした。今回の法改正では、知事は事業者に命令することが可能となりまして、命令に違反すれば過料が科されるわけでございます。

 このような変化、改正があったとしても、休業等を要請したとしても、事業活動に内在する制約であることから、特別の犠牲には当たらず、憲法二十九条三項の損失補償の対象とはならないと、これは大臣が本会議で答弁されたとおりでございますけれども、予算委員会でしたか、失礼しました、この考え方、維持されるかどうか、伺いたいと思います。

奈尾政府参考人 お答え申し上げます。

 今委員御指摘のとおりでございまして、これは、判例上も、通説といたしましても、特別な犠牲ということが、まず特定の者に特別な犠牲を課すものかどうかということが判断要素の一つ。それからもう一つが、財産権の制約の程度がどうか、これが受忍限度を超えるような本質的な制約なのかどうか。この二つで判断されるということで理解してございます。

 今回、過料ということで実効性が担保されるわけでございますけれども、それによって財産権の制約の程度について変化があるかというと、必ずしもそうとは言えないんじゃないかということで、私どもとしては、本質的には変わりはないものと考えてございます。

濱村委員 ありがとうございました。

 では、続いて、蔓延防止措置と緊急事態措置、一体どのように違うのかというような話でございますけれども、事業者にとっては、蔓延防止措置、緊急事態措置、営業時間短縮までと休業まで要請できるという点においては制約に差が生じるわけでございます。

 さらには、緊急事態措置であれば、特定物資の収用が可能となるわけでございます。これは五十五条に記載があるわけでございます。ほかにも、五十条から六十一条まで、緊急事態に限って強い強制力を行使することができるようになっているわけでございますが、蔓延防止措置においてはこれらの規定が適用されないという整理をされたわけでございます。

 今回の改正で緊急事態措置に限定されている理由について、その理由を伺います。

奈尾政府参考人 お答え申し上げます。

 緊急事態は、全国的かつ急速な蔓延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがある事態でございまして、相当数の感染者の方が出るということは想定されてございます。そのため、特措法五十条から六十一条までという範囲だけで申しましても、例えば、物資や資材の供給の要請でありますとか、医薬品等の物資の売渡し、保管、これについては刑事罰までついてございます。こういった要請や命令を行うことはできるわけでございます。

 他方で、蔓延防止等重点措置でございますけれども、国民生活に大きな影響を及ぼすような緊急事態宣言を発出するような事態にならないようにするということで、まず、地域の感染状況に応じて、期間、区域、それから業態を絞った措置を機動的に実施できる仕組みとしてございます。それから、発生の動向等を踏まえた集中的な対策によりまして地域的に感染を抑え込むということで、全国的かつ急速な蔓延への発展を防ぐということで、知事の行う要請等の実効性を高める趣旨で実施するものでございます。

 特措法第五条におきましては、国民の自由と権利に制限が加えられるときであっても、その制限は必要最低限のものとなるようにされてございますので、蔓延防止等重点措置が発動されている状況や講ずるべき対策を踏まえますと、緊急事態において行われるような強制力の強い措置を実施する必要性まではないと考えたものでございます。

濱村委員 続いて、重ねて確認的に伺いたいと思いますが、臨時の医療施設の開設に際して、お伺いしたいと思います。

 今回の法改正で、政府対策本部が設置された段階から開設が可能となりました。このこと自体は我々からも提言等で要請してまいったので、適切な対応であり、評価をしておりますけれども、一方で、三十一条の三に、現行法四十九条一項で規定されております土地、家屋又は物資の使用が可能となる規定、これは移動しております。

 土地等の使用を同意なく可能とするという現行法の四十九条二項については、改正後も四十九条として生き残っているわけですけれども、引き続き緊急事態宣言下でのみ可能となったわけでございます。理由についてお伺いいたします。

奈尾政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、臨時の医療施設につきましては、今般、政府対策本部が設置された段階から開設できるということにいたしております。

 現行法におきましては、臨時の医療施設を開設するに当たりましては、私人の土地を私人の同意なく使用することができるということにされてございますけれども、緊急性の低い場合にまでそうした私権の制限といった強い措置を講ずるべきかどうかということがございます。

 これは、特措法第五条におきまして、「国民の自由と権利に制限が加えられるときであっても、その制限は当該新型インフルエンザ等対策を実施するため必要最小限のものでなければならない。」ということにされてございます中で、こういったことも踏まえまして、私人の土地を同意なく使用することができるのは緊急事態宣言中に限るということにいたしまして、それ以外の場合には、同意がある場合にのみ使用することができるという案でございます。

濱村委員 ありがとうございます。

 国民に対して大きな制約があるかどうかという点については、緊急性の程度によって非常に適切に講じられているんじゃないかということを私は今確認できたんじゃないかなというふうに思っております。

 午後も質問させていただきますが、よろしくお願いします。

 以上です。ありがとうございました。

木原委員長 次に、玄葉光一郎君。

玄葉委員 立憲民主党・無所属の玄葉光一郎です。

 この特措法改正案の核心、肝は、いわば三十一条の、緊急事態宣言前の措置にあるというふうに私自身は考えています。つまり、緊急事態宣言の前段の措置、いわば予防的な措置というものを罰則つきで置いたというところに極めて大きな特徴があるのではないかと。うまく使えば、本当にうまく機能すれば、今が第三波だとすれば、いずれ来るであろう第四波を未然に防ぐことができるというふうにも思いますし、他方で、緊急事態宣言も出ていないのに必要以上に私権を制限するというおそれもあるということだと思うんですね。

 これはそもそも論でもあるんですけれども、私、この感染症対策を考える上で、やはり西村大臣、あるいは菅総理が、是非分かりやすく戦略と方針を語ってほしいなとよく思います。つまり、全体の終息という目標の中で、どういう戦略と方針で終息させていくのか。あるいは、一か月で緊急事態宣言を終息、いわゆるステージ3にするんだというなら、そういう目標に対してどういう戦略と方針、手段で一か月で終息させるということなのか。あるいは、去年からずっと思っていましたけれども、以前も御指摘申し上げたかもしれませんけれども、経済を回すのと感染防止の両立を図るんだということであれば、その両立という目標を達成するための戦略と方針を政治のリーダーが分かりやすく語る、明確に語るということが今回は非常に大事だと私は思っています。

 どんな終息を考えても、私が大事だなと思うツールというか戦略の一つは初期消火です。タイムリーに初期消火をする。これは政府と私、考え方は違うかもしれませんが、検査も、安心のための検査というものを可能な限り導入するというのも私は大事だと実は思っていますけれども、ここは政府と違うかもしれません。

 いずれにしても、目標に対して戦略と方針を分かりやすく語ってほしいということなんですが、今回、西村大臣、この三十一条というツールを今度成立をしたら持つことになるわけです。これは、私の認識も兼ねて申し上げれば、いわば、ぼやをぼやのうちに止める、初期消火のためにこの三十一条というのは設けるものなんだ、少なくともそういう運用は想定されているのだ、そういうことでよろしいですか。

西村国務大臣 お答え申し上げます。

 まさに、ある地域で感染が広がってきた、その段階で、これをそのままにしておくと、その都道府県内に広がり、さらには全国的かつ急速な蔓延ということにつながりかねない。緊急事態宣言にならないようにするために、ぼやをどの程度のものと見るかはあるんですけれども、ある地域で感染が非常に広がってきているときに、それをそこで抑えるというために、今回この蔓延防止等重点措置を設けさせていただいたものであります。

 特に、私ども一年の経験を積んできておりますので、昨年夏に、東京でいえば新宿区から東京都内全域、そして全国に広がったという経験があります。また、大阪でも、ミナミの地域で広がったものが府内全体に、名古屋でも、名古屋市内の中心部の繁華街でくすぶっていたものがわっと広がってきたということがありますので、そういうときに、その地域で抑え込むためにこの蔓延防止措置を活用して、そして都道府県内に広がらないように、さらには医療が逼迫することがないように、そして、それが全国的な蔓延につながらないように、緊急事態宣言に行かないようにするために設けるものであります。

 緊急事態宣言は、もう幅広く全国に、全国の市町村に対策本部が立ち上がりますし、かなり多くの皆さんに自粛なり私権の制約をお願いしなければなりませんので、そうならないように、初期の段階で、まさにそこで封じ込めるという考え方に立って創設するものであります。

玄葉委員 私、むしろそういうふうに言っていただいた方がいいと思うんです。初期消火だ、ぼやを可能な限りぼやのうちに止めるためのものなんだというふうに言っていただいた方がいいんじゃないか。

 これは念のため簡単に確認なんですけれども、この措置でできることというのは、時短と、外出自粛要請も、特定の時間の特定地域に対する外出自粛要請と考えていいですか。

西村国務大臣 御指摘のとおりでありまして、営業時間短縮の要請より基本的には私権制約の程度の低いものを考えておりますので、今、政令十二条で書かれているような入場の整理であったり、あるいは症状がある人はそこに行かないとか、お店に行かないとか、あるいはマスクの着用を奨励するとか、御指摘のあったように検査を奨励するとか、そういったことを考えております。

玄葉委員 他方で、私、初期消火ということを申し上げましたけれども、想定される運用として、初期消火じゃなくて、逆に、残り火の消火というか、そういうものにも使うのかどうか。

 つまりは、今、緊急事態宣言が十一都府県に出ていて、これから延長される地域とそうじゃない地域が出てくるのかもしれませんけれども、例えばこれが成立をして、いずれ使えるツールになったときに、緊急事態宣言は解除するけれども、その残り火を鎮火というか消火しなきゃいけないので、この三十一条という、蔓延防止等重点措置を使って、いわば、緊急事態宣言から、次、四十五条から三十一条の事態に移動させるというか、三十一条を次使う、そのまま連続してですね、そういう運用も想定をされておられるか、その可能性もあるかどうか、お聞かせください。

西村国務大臣 これも御指摘のように、感染が広がっていくのを抑えるために使う場合と、それから、感染が、今まさに緊急事態宣言の措置を取っている地域があるわけですが、それが収まってきたときに、解除した後に、全体としてステージ3ということになってくるわけでありますけれども、しかし、まだある特定の地域で感染があって、そしてそこが、いずれにしても、対策は段階的に緩和をしていきますけれども、その部分をしっかり対策を講じておかないと、また感染拡大につながって緊急事態宣言になってしまうおそれもあるというふうな場合に、御指摘のように、蔓延防止措置を使うことはございます。

 念のためでありますが、玄葉委員もおっしゃったように、これは私権の制約を伴うものですから、濫用をしてはいけないわけでありまして、ぼやとおっしゃいましたが、ぼやが余りに小さいときからそういう私権の制約は使うべきではないわけでありますので、やはり、先ほど申し上げたように、県内全体に広がっていくおそれがある場合、あるいは解除した後もまたそういうおそれがある場合に、これは専門家の意見も聞きながら対応していくことになります。

玄葉委員 初期消火にも、場合によっては緊急事態宣言解除後のいわば残り火の消火にも、両方使うことを想定している、こういうお話でありました。

 今回の措置は、例えば、今までの特措法は、都道府県知事が、二十四条九項を使って、要請ベースで様々な要請をしていたというふうに少なくとも理解をしているのですが、今回は、三十一条というのは、総理が、政府対策本部長がこの期間とかあるいは対象を決めるということになります。

 ということは、例えば、昨年末に出ていたような、私は何があったのか分かりませんけれども、政府が水面下で要請されたのかどうか分かりませんけれども、ある地区で、大阪、北海道地区でかなり集中的に新しい感染者が出たといったときに、政府の要請があったのかどうか分かりませんが、かなり強い要請を北海道とか大阪は行った。他方で、東京は要請されたのかどうか分かりませんけれども、東京はしなかった。この問題が一時報道されましたけれども、三十一条を使っていけばそういうことはなくなっていく、そういうふうに理解してよろしいですか。

西村国務大臣 現行法では、御指摘のように、緊急事態宣言の前段階では、二十四条九項の一般的な要請、これが大きな手段となっております。

 二十四条九項は、元々のいわゆる逐条解説、制定時の議論などを見てみますと、マスクの着用から文化祭の自粛、そして時短の要請など、幅広い措置が含まれ得るということであります。特段何か法律上限定があるわけでなく、幅広く要請ができるということであります。

 他方、政府には都道府県知事との調整の権限がありますので、その中で、私もそれぞれの知事といろいろ意見交換しながら、九時までの時短をやるところもあれば十時までの時短もあればという、それぞれの知事の判断でそうした対応が取られてきたところであります。

 この二十四条九項では、しかし、そこまででありまして、そこから先、それを要請しても聞いていただけない事業者、特に年末には、神奈川県知事の言葉をおかりしますと、二割程度しか応じてくれていないという発言もございました。そうした中で、十二月という時期が飲食を共にする機会が多い時期でありまして、多くの人が、十二月、人出も減らず、そして飲食を共にして、そのことが感染拡大につながったと専門家から分析されているところであります。

 他方、昨年夏は、八時までの時短を行って、多くの事業者が聞いてくれたこともあり、大阪でも名古屋でも一か月でかなりの成果、半減とかの成果を出していますので、そういう意味で、実効性を上げていくために、今回、二十四条九項だけではやはりそれができないということで、知事会からの要請もあり、蔓延等防止措置というものを講じて、そして、これは、国としても、専門家の意見を聞いて地域を定めていくことができますし、また、都道府県知事からこれをやりたいという要請も受ける規定も置いておりますので、そういう意味で、更に国と都道府県と連携をして、この蔓延防止等重点措置によって、まさにその範囲で封じ込めができるように、抑え込みができるように対応していきたいというふうに考えております。

玄葉委員 特定の地域の名前を挙げるのは語弊があるんですけれども、例えば、東京の新宿の歌舞伎町でわっと出たときにわっとそこで封じ込めちゃうとか、ミナミで封じ込めちゃうとか、すすきので封じ込めちゃうとかということは、私も大事なことだと実は思っているんですね。

 もう一回ちょっと確認なんですけれども、北海道とか大阪は、政府の要請に応じて、いわば総合調整の中でかなり強い措置を取ったけれども、年末ですよ、東京は取らなかった、そういうことは三十一条を運用する中では起きにくくなるという理解でよろしいかということです。

西村国務大臣 基本的には、都道府県知事と政府との間で十分に緊密に連携を取り合いながら、その状況を確認し、いわば連携して一体的に対応していくことが何より重要だというふうに考えております。

 これは、首都圏において十時までの時短ということになったのは、それぞれの知事のお考えもあって、なかなか要請に応じてくれない、先ほどの神奈川でいいますと二割程度だというお話もございました。そうした中で、そこで更に八時までの時短をお願いして、どれだけ聞いてくれるのか、要請に応じていただけるのか、そういった判断もあって、私ども、かなり何度も議論を重ねてきましたけれども、結果的にはそういうことになりました。

 今回は、緊急事態宣言の前にこの蔓延防止措置というものを講じましたし、また、これは余り頻繁に使うべきではないと思っておりますけれども、国から都道府県知事への指示もできるようになっておりますので、そういう意味で、まずは、緊密に連携をしていくということの中で、この蔓延防止等重点措置をうまく有効に活用してその地域で封じ込めていきたいと考えておりますけれども、様々な規定も用意をさせていただいておりますので、いずれにしても、本当に感染拡大を抑えるために、しっかりとした実効性が上がるやり方で対応していきたいというふうに考えております。

玄葉委員 先ほども話が出た、政令で定める措置要件というのを是非分かりやすく、この措置を公示するときに、事前に示してほしいというふうに思いますけれども。

 その前に一言だけちょっと申し上げておくと、この特措法の二十四条九項という、いわば、公私の団体又は個人に対して、都道府県知事は対策の実施に関し必要な協力を要請することができるというこの項目で、かなり幅広く様々な要請がなされていて、私、本当にそれっていいのかなとずっと思っていたんですね。

 いろいろな逐条解説とかかつての答弁なんかを読むと、実際は、病院とか専門家などを想定していたり、手洗いとかうがいとか、そういうことをお願いすることを想定をしていたようなんですね。それが何か、休業要請までしていくというのが、本当にこれはいいんだろうか。お願いベースだからいいんだということなんです、聞けば。だけれども、実際には、自粛警察とか世間体とかあって、事実上の私権制限になっているんですよね。

 だから、余り、私はこれを、この条文でやっていくというのは本当はやはりよくなかったんじゃないかと思いますけれども、一言、何かありますか。

西村国務大臣 まさにこの法律は、新型インフルエンザの経験を踏まえて作られましたけれども、一度もその後使われることなく来ましたので、どの条項で何ができるかというのが必ずしも相場観ができているわけではなくて、これは、政府の方はもちろん行動計画とか基本的対処方針などでありますけれども、しかし、都道府県の側がどこまで何ができるのかというのは必ずしも相場観がなかった中で、しかし、緊急事態宣言に至る前にできる手段としては、感染拡大を抑えるにはこの二十四条九項というのがやはり最も重要な手段でありましたので、おっしゃるように、コンメンタール、逐条解説を見ますと、マスクの着用とか、うがい、手洗いとか、文化祭の自粛とか、かなり一般的な要請でありましたけれども、この条項を使って時短の要請などを行ったというのが現実であります。

 今回、様々な経験をしましたので、そうした経験を踏まえて、より明確にそうした対応をするために、蔓延防止等重点措置というものを講じることとしたところであります。

玄葉委員 これは先ほども申し上げたんですけれども、三十一条の要件を、是非、分科会が提言した六つの指標、あるいは、いわばステージの1から2、3、4とありますけれども、そういうものを使いながら、どういうときに措置をするのだということを可能な限り分かりやすく示してほしいと思いますけれども、いかがですか。

西村国務大臣 御指摘のとおり、分科会で、ステージ3とか4とかの判断をする六つの指標、いわば目安としての指標を示されているところでありまして、この蔓延防止等重点措置を公示すべき状況としては、やはり基本的にはステージ3相当での適用を想定をしております。

 ただ、それは、ステージ4の段階になると緊急事態宣言が視野に入るということで、そうならないようにするために3の段階でということでありますが、他方、2のレベルであったとしても、ある地域が急速に拡大して都道府県内に広がるおそれがある場合には、そういった場合もあり得るかと思いますけれども、いずれにしても、専門家の意見も聞きながら、そうしたことを基本にしながら、その具体的な状況を見て判断をしていきたいと思いますが、そうした方針はしっかりとお示しをしたいというふうに考えております。

玄葉委員 最後に、済みません、もう最後で。

 副大臣、ワクチンの関係で一つだけ聞きたいんですけれども、私、福島県なんですけれども、福島県には、原発事故の関係で、この接種体制について心配な点がありまして、三万人ぐらいが県外避難をされておられます、いまだに、十年たっても。そういった方々にスムーズに接種が実施されるような体制、仕組みというものをしっかりつくっていただくようにお約束いただけますか。

木原委員長 申合せの時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いいたします。

山本副大臣 ワクチンの接種に関しましては、住民票所在地の市町村で接種をするということが原則でございますけれども、一方、やむを得ない事情によりまして、長期入院であるとか長期入所であるとか、困難な方がいらっしゃいます。そういう場合は、住民票の所在地以外で接種を受けることができる方向で検討を進めております。

 御指摘の福島県外にいる避難者の皆様に関しましても、こうしたことが対象の方々でございますので、しっかり適切に接種が受けられるように、福島県と協力しながら進めていきたいと思います。

玄葉委員 丁寧にお願いしたいと思います。

 終わります。ありがとうございます。

木原委員長 次に、後藤祐一君。

後藤(祐)委員 立憲民主党の後藤祐一でございます。

 冒頭、尾身理事長にお越しいただいておりますのでお伺いしたいと思いますが、尾身理事長は、一月二十七日、先週水曜日の参議院の予算委員会で、緊急事態宣言を出したことの効果というのが恐らく今週の末あるいは来週の初めに分かると思いますというふうに答弁されておられます。

 まさに今、その時期になったわけでございますが、緊急事態宣言を出したことの効果と、これを踏まえた緊急事態宣言の解除あるいは延長についてどうお考えでしょうか。

尾身参考人 お答えいたします。

 今回の緊急事態宣言の発出は、四月のときと違って、かなり急所を押さえた対策を取ったわけですけれども、多くの人々の協力のおかげだと思いますけれども、十一の対象地域を中心に、比較的短期間に私は感染の減少傾向を見ていると思います。

 しかし、個別に地域ごとを見てみますと、実際にはまだ感染の水準が高いということと、それから、医療の逼迫というのは相変わらず続いているというのが私は今の現状だと思います。

 その上に、解除に当たってのことですけれども、これは私、前から申し上げたとおり、解除に当たっては三つのことを考えたらいいんじゃないかと思います。それは、一言で言えば、ステージ3相当に下がるということと、それから、感染状況だけじゃなくて、医療の負荷がだんだんと軽減しているということが明らかなこと、それから、解除後にステージ2にだんだんと行くという見通しがあるということが重要だと思います。

 簡単に言えば、解除をしてもすぐにリバウンドをするようなことなく、解除した後も比較的低位に感染のレベルを維持できるというような仕方で解除をすることが必要だと思います。

 解除の時期等々については、これは国が決めることで、恐らく、いずれ諮問委員会が開かれて、政府の対策本部で何らかの決定があるのではないかと私は考えております。

 以上であります。

後藤(祐)委員 西村大臣、今の理事長のお話を踏まえて、どうされるんですか。もう諮問委員会を開いて、あるいはその前のアドバイザリーボードを開いてすぐやるんですか。

西村国務大臣 アドバイザリーボードは、厚労省の方で感染状況を専門家に確認をするということで、いずれ、近々開かれることになると思いますし、私の方は、まさに今、尾身会長からありましたように、この感染状況あるいは医療の逼迫状況、日々、数字を見たり、あるいは都道府県と確認をしたりしているところであります。

 この状況をしっかりと見極めつつ、二月七日まででありますので、近日中に諮問委員会を開いて私どもの考えをお示しし、専門家の御意見を聞いた上で判断していきたいというふうに考えております。

後藤(祐)委員 尾身理事長、お忙しいでしょうから、これで結構でございます。

木原委員長 尾身理事長には御退席いただいて。

 ありがとうございました。

後藤(祐)委員 ありがとうございました。

 それでは、お手元の附帯決議をベースに、今回の法案について一つ一つ確認をしていきたいと思います。

 まず、お手元の配付資料、附帯決議の二ページ目、十三、これは財政上の措置についての附帯決議案でございますが、二十四条九項あるいは蔓延防止等重点措置、緊急事態宣言、いずれに基づく営業時短要請あるいは休業要請などに応じた事業者に対しても、必ずこういった措置を行わなければいけないということでよろしいでしょうか。例外的なケースとしてはどんな場合があるんでしょうか。

 そして、こういった措置を行う場合に、この休業要請あるいは営業時短要請に伴って大幅な減収になっている事業者がたくさんおられます。この減収を補填するだけの支援を行うべきだ、そしてそのことを条文にも書くべきだと我々野党としては求めてきたところでございますが、残念ながら、条文修正はなかなか難しいということでございますが、この十三番の、経営への影響の度合いに応じて必要な支援を行うという表現で与野党で合意したところでございます。

 ただ、これは、我々野党としては不満ではあります。経営への影響の度合いに応じて必要な支援を行うというのは、これは、大幅な減収になった、この減収は補填するという意味合いも含めてやっていただけるということでしょうか。大臣のお言葉でお答えください。

西村国務大臣 御指摘の二十四条九項あるいは蔓延防止等重点措置、緊急事態宣言措置に基づく時短の要請であったり、あるいは休業要請の対象となる事業者につきましては、経営に対する影響も大きいということが想定されますので、様々な支援を行ってまいります。

 いわゆる反社会的勢力は当然対象にならないわけでありますけれども、支援の対象は、それぞれ、様々な支援策を行っていきますので、支援策の趣旨、目的、要請の具体的内容に照らして判断されていくべきものと考えておりますけれども、基本的には、休業要請等に応じた事業者であれば、広く支援対象になるというふうに考えております。

 今般、まさに特措法に新設した支援規定の趣旨にのっとり、こうした支援につきましては、要請による経営への影響の度合い等を勘案し、公平性の観点や円滑な執行等が行われることを配慮し、要請に十分理解を得られるようにするため、必要な支援となるよう努めてまいりたいというふうに考えております。

後藤(祐)委員 この度合いという言葉は、我々野党側から、せめてこれは入れてくれということで入れていただいて、与党にも御理解いただいたんですが、まさに今、六万円だけでは大規模な飲食店なんかはとてもじゃないけれども足りない、どうしてくれるんだという議論、この後も同僚議員がやると思うんですけれども、この附帯決議、そして、今の答弁を踏まえて、規模の大きい事業者など一日六万円ではとても足りない、こういった事業者に対しては更なる支援があるということでよろしいでしょうか。

 昨日も「日曜討論」で、下村政調会長は、大店舗などは、大変だというところに対しての支援をどうするかというのは、法律が通った後で考える必要がある、社会的に弱い立場の人に対する支援は貧困家庭や一人親の家庭などもそうだ、更に深掘りしたあらゆる手だてを国民目線で考えていく必要があるというふうに政調会長が言っておられますけれども、この六万円だけではなくて、更なる深掘り、延長、あるということでよろしいですね。

西村国務大臣 まさに、この特措法の規定の趣旨を踏まえて、御指摘がありました、要請による経営への影響の度合いを勘案し、また、公平性の観点、円滑な執行等が行われることも配慮し、十分な理解を得られるように、必要な支援となるように努めてまいりますが、御指摘の点、様々な状況、経済の状況、事業者の状況を踏まえながら、ここは、予備費の三・八兆円もありますので、臨機応変に対応していきたいというふうに考えておりますけれども、その際、この支援が国民全体の負担、つまり、税金による支援で行うということ、それから、大規模店舗は中小店舗に比べて基本的には経営体力があるということなども踏まえて検討していく必要があるというふうに考えております。

 いずれにしましても、繰り返しになりますが、予備費もありますので、臨機応変に、感染状況、それから経済の状況を見極めながら、機動的に対応していきたいというふうに考えております。

後藤(祐)委員 いや、煮え切らない答弁ですね。過料を科すんですよ、この法律で。六万円じゃ足りない大規模事業者、このまま八時でやめていたらもう店が潰れる、従業員は解雇せざるを得ない、そういった事業者がやむなく八時以降も店を営業していたら過料になるんでしょう。そういう場合でも過料になるんですか。もし過料になり得るんだとしたら、それはお金を出さなきゃ駄目でしょう、追加で。

 今の答弁ですと、追加でやるかどうか分からない、でも過料は科すということですか、大臣。

西村国務大臣 先ほども答弁がありましたけれども、そもそもの整理、それから、今回も、法制局、憲法上の整理もさせていただきましたけれども、時短要請などは財産権に内在する制約として受忍すべきものというふうに考えております。その上で、過料を科すこととなったとしてもその考え方の整理に違いはございません。

 ただ、私どもとして、支援を全く行わないということではなく、支援を行うということを、義務づけを法律上書かせていただいておりますし、与野党の協議もございました。それを踏まえて、理解をいただけるよう、支援策はしっかりと取っていくということで、先ほど申し上げたとおりであります。

 その上で、御指摘のような点について、例えば、一店舗で何千万円もの売上げを上げているような店舗に対して、先ほど申し上げましたけれども、それを国民の皆さんの税金で手当てをしていくのか。これは、先ほど申し上げましたように、大きな店舗、大きな企業ほど経営体力があるわけでありますので、これは先ほど申し上げた公平性の観点あるいは円滑な執行の観点から、そうしたことも踏まえて判断をしていくことになるというふうに考えております。

 いずれにしても、理解をいただけるように、御指摘のありました経営への影響の度合いも勘案しということも頭に置いて対応していきたいというふうに考えております。

後藤(祐)委員 六万円で頭打ちでは理解されないですよ。是非この問題は、後続の議員もやると思いますので、今ここ、国民は見ていると思いますので、ここは税金をけちっている場合じゃありませんから、大臣の御判断をいただきたいと思います。

 続きまして、国会報告についてお伺いしたいと思いますが、配付資料一枚目の附帯決議二でございますが、蔓延防止重点措置の公示の際は国会へ速やかに報告することということで、附帯決議、与野党合意しているわけでございますが、これを大臣の御答弁で確認されたいと思います。

 この速やかにというのは大変残念な表現なんです。本来は条文に緊急事態宣言と同じように国会報告を位置づけて、かつ事前にということを我々として求めてきたわけですが、公示後速やかにというのは、事後に速やかにという意味に取られるということでないということでいいですね。できるだけ事前報告ということも含まれているということでよろしいですね、大臣。

西村国務大臣 この蔓延防止等重点措置の公示につきましては、あらかじめ学識経験者の意見を聞いた上で行うこととしております。国会への、その旨及び必要な事項について速やかに報告するということでございます。具体的なその在り方につきましては、国会でも様々議論がなされると思いますので、それに従って報告をしていきたいというふうに考えております。

後藤(祐)委員 この蔓延防止措置は、確かに地域ごとにばらばら出てくる可能性なんかもあるかもしれませんし、緊急事態宣言からランクダウンで蔓延ということもあるかもしれませんから、少なくとも、多くの都道府県なんかが一遍にどんと来るような場合は極めて重要なわけですから、そのときは必ず事前に国会報告ということを約束いただけませんか。

西村国務大臣 緊急事態宣言措置と違いまして、かなり私権の制約の程度は小さくなります、エリアも業態もですね。それから、取るべき措置も、繰り返し申し上げているとおりでありますので、そういったこと。それから、機動的にやはり対応することが大事であるということも頭に置いて対応しなきゃいけないというふうに考えております。

 いずれにしましても、速やかに報告を行うこととさせていただいて、具体的な在り方は、国会でのそういうような議論を踏まえて、それに従って対応していきたいというふうに考えております。

後藤(祐)委員 是非これ、蔓延防止措置というのは過料までかかるわけですから、やはり国会から、了承かどうかはともかく、やはり立法府に対してきちっと説明をしたということがこの過料を科す前提になってくると思いますので、是非そこは尊重してやっていただきたいと思います。

 続きまして、附帯決議の三に関連してですが、今回、蔓延防止措置については、都道府県知事から要請ができて、かつ、これ、やらない場合は理由を示すということになっていて、これはまさに我々野党側が緊急事態宣言に関して提出していた法案の中身が反映されているんですが、緊急事態宣言についても、実際には、要請があった場合には、それを拒否する場合には理由を示すということでよろしいですね。附帯決議にはその旨が書いてあるわけですが、確認です。

西村国務大臣 緊急事態宣言については、都道府県知事からの要請の規定は設けておりませんし、また、それが要件となっているわけではありませんけれども、これまでも、要請があった場合には、知事のいわば危機感が強く表れているということで私ども尊重してまいりましたので、ここにございますように、受けた場合には最大限尊重し速やかに検討する、そうでない場合はその旨及び理由をお示しすることとしたいと思います。

後藤(祐)委員 これは重要な答弁だと思います。

 続きまして、今日、法務省民事局から審議官に来ていただいております。ありがとうございます。

 過料と罰金はどう違うんですか。これは国民みんな知りたいことですので、前科がつくということはみんな知っているわけですけれども、それ以外に、検察との関係ですとか御説明ください。

 そして、今回の法案で、これは西村大臣にお答えいただきたいですが、この法改正に伴って、過料の適用に際して、警察が絡むことはあるんですか。捜査したり取調べしたりといったことが全くないということなんでしょうか。

 お二人、お答えください。

堂薗政府参考人 お答えいたします。

 過料は金銭罰の一種であり、法律の中でも、刑事罰と一緒に罰則としてまとめて規定されるという例もございますけれども、刑事罰である罰金とはその性質を異にするものでございます。

 過料の多くは、一定の法律秩序を維持するために、法令に違反した者に対する制裁的処分として科されるものでございます。

 一方、罰金は、過料の対象となる行為と比較いたしますと、一般的には、より違法性の高い行為を犯罪行為と捉えて、これに対して刑罰として科されるものでございます。

 以上のとおり、過料は罰金とは性質を異にし、刑事罰ではないため、刑法や刑事訴訟法といった刑事法の適用はなく、過料に処し、これを執行する手続については、非訟事件手続法が適用されるという点が大きな違いとして挙げられるというふうに考えております。

西村国務大臣 法務省からの説明、お分かりになったかどうかあれですけれども、行政罰である過料につきましては、刑事罰である罰金とは性質を異にするということでありますので、過料が科されるまでの間に警察が関与することはありません。

後藤(祐)委員 最後のところが重要です。国民の皆さん、そこだけは御安心いただければと思います。

 大臣、引き続きまして、この特措法の方の過料、飲食店なんかに対して科される場合があり得るわけですが、二十万なり三十万なりの過料を科された事業者が引き続き八時を超えてやっているような場合に、何度も何度もこの二十万、三十万の過料を科されるということがあり得るんでしょうか。

西村国務大臣 済みません。正確に答弁した方がいいと思いますので。

 要請に応じていただけない場合に命令、過料処分ということを行うことになるわけですけれども、まず、要請の趣旨を文書によって丁寧に説明するなど、理解を得ながら、しっかりとした手順で手続を行いたいというふうに考えております。

 これまで、様々な法律で過料の規定が設けられております。これは、今も説明がありましたけれども、重い処分ということでもありますので、法務省や裁判所にも確認をいたしましたけれども、実際に過料処分が科される例というのは極めて少ないわけであります。こうしたことも踏まえて考えれば、基本的に応じていただけるケースも多いと思いますし、都道府県知事、それぞれの行政主体がそういったものを科すことの判断もあると思いますが、基本的には、何度も過料処分を科すことは想定をしておりません。

後藤(祐)委員 重要な答弁だと思います。

 続きまして、附帯決議四の確認ですが、蔓延事態においては営業時間の変更までは要請できますが、そもそも、二十四時間やらないでくれという休業要請だとか、イベントなどによる施設の使用停止だとか、四十五条一項のような全面的な外出自粛要請は含めないということを、改めて大臣の口から確認までに答弁ください。

西村国務大臣 済みません。準備しているんですけれども、問い数が多いものですから、済みません。順番も変わりましたので、済みません。

 御指摘のとおり、この蔓延を防止するために必要な措置とは、主として営業時間の変更、みだりに出入りしないことへの要請でありますので、営業時間の変更を超えた休業要請とか、あるいはイベントなどによる施設の使用停止とか、あるいは四十五条一項と同様の全面的な外出自粛の要請は含めないこととしております。

 そして、法律に書いております営業時間の変更に加えて、政令で規定するものとしては、入場者の整理とか、発熱症状を呈している者の入場禁止とか、あるいは従業員に検査を受けることの勧奨などを想定をしておりまして、営業時間の変更より私権制限の程度が小さなものを規定する予定でございます。

後藤(祐)委員 続きは連合審査でやります。

 ありがとうございました。

木原委員長 次に、山井和則君。

山井委員 二十五分間、質問をさせていただきます。附帯決議に関係することも含めて、一番深刻な事案から順番に質問させていただきたいと思います。

 附帯決議案の十四のところに、国民及び協力事業者以外も含めた事業者に対し、生活及び事業継続等が可能となる万全の財政金融政策を講ずることというのが入っております。

 今回、近日中に緊急事態宣言の延長がなされると聞いておりますが、その直撃を受けるのはお子さん方でもあります。私も、この間ずっと、一人親家庭のお母さんとか低所得家庭の二人親家庭の方々の相談に乗っておりますが、長引くコロナ不況で仕事が減り、なくなり、そして子供の進学が難しくなる、あるいは進級が難しくなる、そういう悲痛な叫びを聞いております。

 このことについて、一月二十九日に、我が党の川内博史議員も同行の下、菅総理が一人親家庭のお母さん方と面会をされました。その中で、ここに要望書もございますけれども、その一人親家庭の方々は、菅総理に対して、また田村厚労大臣も同席をされておられました、三十五分間の面会の中で、新入学や進級に備えて、低所得の子育て家庭に給付金を支給してくださいという要望をされました。

 そのことについての報道が私の配付資料に出ておりますが、配付資料を見ていただきますと分かりますように、配付資料の五ページ、毎日新聞の報道にありますが、「ひとり親支援金 首相前向き姿勢」と。

 私たちも、十一ページにありますように、コロナ子供貧困給付金法案という十一ページの法案を提出しておりまして、一月と三月、昨年十二月に給付されたような給付金を、一人親家庭、そして、今回は低所得の二人親家庭にも給付すべきだという法案も出しております。

 そこでお伺いしますが、菅総理が、田村大臣同席の下、この報道によりますと、対応したい、この私が話を聞いたんだからというふうに答えられたということであります。コロナの緊急事態宣言が延びることによって、子供たちがこの四月、進学、進級のときに泣かなくていいようにする、これはもう与野党を超えた国会の責務だと思います。

 ついては、このような、三月に給付金を一人親家庭や二人親家庭の低所得の方々に出す、このことについて、菅総理が対応したいと答弁されたということですけれども、しっかり実現をしていただけますでしょうか。

岸本政府参考人 お答えいたします。

 総理が先週金曜日に母子家庭の方々と面会され、新入学や進級に備えて低所得の子育て家庭に給付金を支給してほしいとの要望を受けられたことは承知をしてございます。

 一人親家庭につきましては、昨年十一月にJILPTに依頼した緊急調査におきまして、その生活実態が依然として厳しいということが改めて明らかになったことから、予備費の使用を決定し、臨時特別給付金の再支給を実施したところでございます。現時点で、全ての自治体で給付金をお届けすることができたところでございます。

 今後の一人親家庭への支援でございますが、まずは、これまで二回実施した臨時特別給付金による支援を活用いただくことが重要と考えております。

 支給要件に該当するにもかかわらず申請されていない方に対する申請勧奨を行うとともに、資格取得のための訓練受講期間について、最大四年間生活費を支援する高等職業訓練促進給付金の支給を始めとした就労支援などに取り組んでまいりたいと考えております。

 また、一人親家庭を含む低所得の子育て世帯に対しましては、一時的な資金が必要な方に対する緊急小口資金等の特例貸付制度、休業などに伴う収入減により住居を失うおそれが生じている方への住居確保給付金の支給などのほか、関係各所とも連携し、就学支援に関する制度を含め、様々な支援制度の活用を自治体窓口を通じて働きかけ、個々のニーズに合った支援策に努めてまいりたいと考えております。

山井委員 ちょっと待ってください。今までの答弁と全く変わっていませんよ。今までそういうゼロ回答だったから、一人親家庭の方々が、田村大臣同席の下、菅総理に直談判されたんじゃないんですか。

 ということは、総理が対応したいとおっしゃったけれども、今までの答弁と基本的にスタンスは変わらないということですか。どういうことですか。

 菅総理は対応したいとおっしゃったと聞いております。それでも、厚生労働省のこの一人親家庭や低所得の二人親家庭に対する給付金のスタンスは変わらないということですか。明確にお答えください。

岸本政府参考人 報道の内容につきましては詳細には承知をしておりませんが、私どもとしては、これまでの臨時特別給付金でまだ活用されていない部分もあるだろう、あるいは、高等職業訓練促進給付、月十万円の支給が受けられる給付、こういったものの活用というのもあるだろうということで、それを是非支給につなげてまいりたいと考えております。

山井委員 一月二十九日、田村大臣も同席されていますが、この面会を受けて、総理や田村大臣から、前向きに検討するようにとかいう、そういう指示は来ているんですか、来ていないんですか、お答えください。

岸本政府参考人 金曜日の面会を受けまして、私ども政府としましては、今御答弁申し上げたような臨時特別給付金の更なる活用、また、高等職業訓練促進給付など様々な就労支援、この活用促進に努めてまいりたいと考えております。

山井委員 いや、ちょっと本当に信じられないです。総理大臣に直談判しても全く今までのゼロ回答から変わらないということは、これはあり得ないと思いますよ。

 これは、今後もまた、私はこのことをほかの議員とともにお願いしていきたいと思いますが、ちょっとびっくりしております。

 同様に、そのときには、大企業の非正規雇用の方々で休業手当がもらえなくて困っておられる方々、当事者の方々も面会をされ、ここに要望書がありますが、菅総理と田村大臣に、新型コロナ禍の休業、短時間労働により、休業手当もなく、無収入、収入激減で困窮する大企業非正規労働者を休業支援金の対象にしてくださいということを要望をされました。

 それに対して菅総理は、こうやって話をいろいろ伺ってよかった、どうしたらいいか、今後考えたいということをおっしゃったそうであります。

 このことについても、当然、金曜日、田村大臣、菅総理から、検討するようにという指示が出ておりますが、この要望があった大企業の非正規労働者に対しても休業支援金の対象を拡大するように、このことについては、検討、実現していただけますでしょうか。

志村政府参考人 これまで、企業の雇用維持の取組に対して、雇用調整助成金の特例措置を講じ、休業手当の支払いを支援することを基本として対応してきたところでございます。

 休業支援金は、人員体制や資金繰りの面から、雇用調整助成金を活用した休業手当の支払いもままならない中小企業の労働者を早期に支援するために創設したものでございまして、大企業を対象とすることは困難でございます。

 このため、厚労省としては、大企業の労働者の方々について、雇用調整助成金の特例を活用いただけるよう、企業に対し、引き続き丁寧に働きかけを行っていきたいと考えております。

 なお、今般の緊急事態宣言に伴い、対象地域の知事の要請を受けて営業時間の短縮要請等に協力する飲食店等に対しましては、大企業の助成率を引き上げるなど、制度を利用しやすい環境整備に努めているところでございます。

山井委員 これは、全然今までのゼロ回答の答弁と変わっていないじゃないですか。これはどういうことですか。

 結局、菅総理や田村大臣に当事者が必死になって要望して、総理も、どうしたらいいか今後考えたい、そして、私が話を聞いたんだからとまで総理大臣がおっしゃった。全くゼロ回答の内容、変わっていないじゃないですか。これは、総理や田村大臣から、当事者から要望を受けたから大企業の対象拡大を検討するようにという指示は下りてきていないんですか、下りてきているんですか、どっちですか。

志村政府参考人 厚労省といたしましては、常々から雇用対策をしっかり検討を考えている中での、休業支援金のこの問題も含めて、雇用対策を検討しているところでございます。

 いずれにしても、厚労省といたしましては、雇調金の特例を活用いただけるよう、企業に対して丁寧に働きかけを行っていくとしておりまして、また、一般的な制度といたしましては……(山井委員「もう結構です、一般的なことは」と呼ぶ)

木原委員長 答弁中ですから。

志村政府参考人 シフト制の減少等により仕事が……(山井委員「結構です、結構です」と呼ぶ)ちょっと説明させてください。(山井委員「もう結構です、結構です。そんなことは聞いていないから」と呼ぶ)

木原委員長 ちょっとお待ちください。答弁中ですから最後までお聞きください。

志村政府参考人 シフトの減少等により仕事が減少、喪失した方々に対しては、個々の状況に応じて、雇用保険の失業等給付や求職者支援制度等を活用しながら、他分野への就職を支援する道筋も考えられることから、引き続き再就職支援を強化する方策等も検討してまいりたいと思っております。(山井委員「答えていない」と呼ぶ)

木原委員長 山井君、どうぞ質問を。

山井委員 総理、大臣から、大企業への休業支援金の対象拡大について、指示は金曜日以降あったんですか、なかったんですか。

木原委員長 簡潔に、的を得た答弁をお願いをいたします。

志村政府参考人 常々、包括的に雇用対策は検討しているところでございます。(山井委員「いや、答えていない。指示があったかどうかをお答えください」と呼ぶ)

木原委員長 ちょっとお待ちください。山井議員、もう一度御質問をお願いをいたします。

山井委員 指示があったかどうかをお答えください。

木原委員長 審議官、どうぞ。

志村政府参考人 多分、議員が御認識されている意味での個別の指示はないというふうに認識しております。

山井委員 いや、それはあり得ないでしょう。そういうことにならないために、菅総理は、田村大臣を三十五分間同席させたんじゃないんですか。

 今回、予算委員会での川内議員や大西議員の要望の中で、一人親家庭のお母さん方、そして大企業で休業手当がなくて本当に困窮しておられる方々に、菅総理がお忙しい中三十五分も時間を取ってくださったことは本当に私も感謝しています。

 その後、当事者の方々に、私、お目にかかりましたけれども、一人親家庭の方々も休業手当を払ってもらっていない大企業の非正規雇用の方々も、菅総理が丁寧に話を聞いてくださった、十五分の予定を三十五分も話を聞いてくださったと大変感激しておられました。私は、そういう意味では、本当に菅総理にもお礼を申し上げたいと思います。にもかかわらず、総理が検討するという趣旨のことを言ったにもかかわらず、指示は特に来ておりませんと。それはあり得ない話だと思います。

 なぜこんなことを言うのかというと、自殺、今回の附帯決議にも、自殺増加に関して効果的な対策を講じる。自殺は、昨年の男性の自殺は百三十五人減っています。女性が八百八十五人増えているんです。男性の自殺は減って、女性の自殺が八百八十五人増えている。

 その理由は、今日の配付資料にもありますように、野村総研の調査によりますと、今日の配付資料の四ページ、つまり経済的困窮。野村総研の調査によりますと、四ページ左、パート、アルバイトの女性で、五割以上のシフトが減って休業手当の支給なしの人を実質的失業者と定義したら、何と去年の緊急事態宣言以降九十万人の女性が、飲食、観光を中心に大幅にシフト減や仕事がなくなっているのに、休業手当も一銭ももらっていないわけです。これは、残念ながら、自殺者の増加に強く関係していると言わざるを得ないんです。

 おまけに、もう一つ申し上げますが、今審議官は、何とか雇用調整助成金、休業手当をやっていくということを答弁されましたけれども、八ページの左上にありますように、私たちが去年の九月から要望しておりますが、大企業の、雇用調整助成金を申請せず、シフト制のアルバイトの人に休業手当を出さないところ、二十五社、八ページの左上、厚生労働省は休業手当を出すように要請文を出しましたが、二十五社中、休業手当を出した会社は、大企業は一社もありません。ということは、今までのやり方をやっていっても困窮する非正規の方々は救えないんです。

 西村大臣にお伺いしたいんですが、今回、緊急事態宣言が延長されます。ますます深刻で、今回の緊急事態宣言の延長で直撃するのは、飲食であって観光ですよね。そこを支えてくださっているのは、非正規のシフト制のアルバイトの方々で、多くが女性なんです。その方々が、野村総研の調査のように、九十万人も、休業手当ゼロ、生活が困窮している。今回の延長でこれは百万人以上に増えるでしょうし、男性も含めたら百数十万人が、コロナによって仕事がなくなったのに休業手当もない。

 西村大臣、事業者への支援ももちろん重要です、この後質問しますが。同時に、そこでシフトが減ったり休業を余儀なくされる非正規労働の方々にも、休業補償、必要だと思われませんか。西村大臣、いかがですか。

西村国務大臣 今回のコロナの影響によって多くの人が厳しい状況にあり、特に、今御指摘あったように、パート、アルバイトの方、厳しい状況にある。これは、私ども、そうした状況をしっかりと認識して支援を行っていかなきゃいけないというふうに考えているところであります。

 その上で、まず休業支援金。今、総理と田村大臣が実際の当事者の方に会われたということ、私も報道で聞いております。直接、総理、田村大臣とこの件について私自身話したわけではありませんけれども、当然、こうした、御指摘のように、総理、田村大臣が会われて切実な声を聞かれたわけでありますから、こうした声を踏まえつつ、今後、厚生労働省においてその対応について検討されるものというふうに、私自身はそう認識をしております。

 その上で、大企業については、今回、私ども、十分の十にしたわけですから、これは是非、雇用調整助成金で、これを活用していただいて、一人当たり、パート、アルバイトの方、月額最大三十三万円まで、国が一〇〇%支援をするわけですので、是非休業手当を払っていただきたいというふうに思いますし、また、コロナが終息した後、是非できるだけ早く終息をさせたいと思っていますけれども、その後、日本全体で考えれば、やはり人手不足の状況がまたやってくることも考えられるわけでありますが、休業手当も払わないような企業には人は集まらないということだと思いますので、大企業の皆さん方におかれても、一〇〇%国が休業手当を支援しますので、是非ともこれは活用して休業手当を払っていただきたいというふうに思います。

 その上で、もう一つ、先ほどありましたけれども、雇用保険に入っていない方でも、求職活動をされる場合、月十万円の給付金を受けながら職業訓練を受けることができる、御案内のとおり求職者支援制度もありますので、こういったことも含めて、そしてまた中小企業の方は休業支援金が使えるということも含めて、私の立場でもしっかりと発信をし、多くの人に知っていただけるように努力を重ねていきたいというふうに考えております。

山井委員 今、西村大臣の方から、総理と田村大臣が当事者に会ったわけですから適切に厚生労働省がしっかり対応するだろうという答弁をいただきました。当然のことだと思います。

 それで、次に事業者への支援の質問に移りたいんですが、私も、毎週末、地元の商店街の声を聞いておりますけれども、延長が決まるということで、もうこのままでは店がもたない、首をくくらねばならない、本当に切実な声をお聞きします。

 具体的に言いますと、今日も私の地元の商店街の方々が市役所に昼のお店の財政支援を要望に行かれております。これは、西村大臣、晩の会食だけじゃなくて昼のランチも自粛という、よくないということをおっしゃいましたよね。ということは、喫茶店とか昼だけのランチのお店、こういうところもお客さんが激減しているわけですから、晩のお店でなくても一時金を、緊急事態宣言の地域で、昼の喫茶店とかランチの飲食店にも、五割収入減になったら出るという理解でよろしいですね。西村大臣、お願いします。

西村国務大臣 御指摘のように、緊急事態宣言下の地域においては不要不急の外出自粛もお願いしておりますので、これによって影響を受けるという飲食店の方々で、昨年と比較をして一月、二月の売上げが五〇%以上減少する場合は、これは法人四十万円、個人二十万円の一時金の対象になるということでありますと私は理解をしておりますし、経産省においては詳細を今詰めているところでありますけれども、対象となるということであります。

山井委員 非常に重要な答弁で、喫茶店や飲食店も五割減収になれば一時金の対象になるということです。

 逆に言えば、理髪店、整体、パン屋さん、昼のカラオケ屋さん、薬局、お花屋さん、商店街には様々なお店があるんですが、私も毎週末回りますが、商店街の人が激減しているんですから、飲食店以外の店も、五割減の売上げの店は大幅に増えているんです。ということは、これは別に飲食店関係なく、どのような業種でも半分以下に売上げが減少したら一時金が入るという、西村大臣、そういう理解でよろしいですか。

西村国務大臣 繰り返しになりますが、不要不急の外出自粛を、緊急事態宣言の地域、これをお願いしておりますので、それによって影響を受ける中小企業が先ほど申し上げましたような要件を満たした場合は、幅広く対象になるものと考えております。

 詳細、経済産業省で現在内容を詰めておりますので、近いうちに公表があると思いますけれども、必要であれば、経産省も来ておりますので答弁していただければと思います。

山井委員 いや、ちょっと気になるのが、私も、週末、地元に帰るたびに、本当にもらえるの、本当にもらえるのと聞かれるんです。

 逆に、確認しますよ。緊急事態宣言で大幅に売上げが減って、五割以上減った商店街のお店で、こういうケースは一時金の対象にならないというケースというのはあるんですか。どんなケースなのか、ちょっと西村大臣、もし事例があるなら言っていただけませんか。

飯田政府参考人 お答えいたします。

 今大臣が御答弁していただいたように、基本的に、影響があるかどうかということで考えております。

 商店街の方々で、事業実態、これからいろいろ調べてまいらなければなりませんけれども、その商店街の方で、人出と関係なく、例えば特定の大企業の方とだけ取引があるとか、そういったような方で、この影響と関係がないような方がいらっしゃれば、そういった方は対象にならないかと思いますけれども、人出の関係で、要するに人が来なくて売上げが五〇%減ったという方であれば対象になるということでございます。

山井委員 今のも重要な答弁だと思います。

 おっしゃる意味は分かります。例外的に、人出と関係なく大幅に減った、これは対象にならない可能性があるのは分かりますけれども、西村大臣、確認ですけれども、今までのような例外的なケースはおいておいて、一般的には、商店街に人が歩いていない、それによって売上げが五割以上減ったお店に関しては、業種を問わず一時金の対象になるという理解でよろしいですか。

西村国務大臣 基本的に、外出自粛の影響を受けているそうした中小企業者の方々の場合、要件を満たせば幅広く対象になるものというふうに考えられます。

 詳細は、いずれにしても、経産省の方から公表されるものというふうに思います。

山井委員 今週にも緊急事態宣言が延長されると聞いております。この二十万と四十万の上限や、あるいは、昨日もお聞きしましたが、一年前はやっていなかった、半年前に開店したお店は対象にならないのかとか、やはり、五割じゃないけれども三割でも厳しいんだ、本当にこのままでは潰れてしまうと。

 繰り返し言いますが、緊急事態宣言で、政府の指示に従って国民が抑えたことによって感染は縮小しつつあるけれども、それによって小規模なお店は潰れかかっているんですね。

 そういう意味では、延長する以上、一か月の予定を二か月、例えば延長する以上、この二十万、四十万という上限や、新規のお店も対象に、一年前にやっていなかった店も対象に入れるとか、五割じゃなくて三割のところも対象に入れるとか、今回、近いうちに緊急事態宣言を延長されるのであれば、この一時金の対象要件、こういうものも拡充をする、そういうことを御検討いただけませんか。

木原委員長 申合せの時間が来ておりますので。

西村国務大臣 はい。

 感染状況や経済の状況を見ながら、予備費もありますし、必要とする支援策をしっかりと行っていけるよう、機動的に対応していきたいというふうに考えております。

山井委員 今回の延長によって事態はますます深刻化して、このままでは本当に商店街はどんどんどんどんお店が潰れかねません。是非とも十分な財政支援をお願いしたいと思います。

 終わります。ありがとうございます。

木原委員長 次に、阿部知子君。

阿部委員 立憲民主党・無所属の会、阿部知子です。

 私に頂戴いたしました時間、二十分ですので、なるべく御答弁も簡潔にお願いいたします。

 そして、今回、特措法の改正を含めて、感染症法、検疫法の改正が俎上に上っておりますが、二十七項目、恐らく後ほど附帯決議がつくということは、この審議自体が、もっと十分な時間を持って、問題点、先ほどの山井さんの御指摘もそうですが、そうしたことが詰められてこそ、国民も納得して様々な指示に従うこともできようかと思いますが、明らかに急ぎ過ぎ、走って、そしてたくさんのものを積み残しておると思います。

 冒頭、この新型インフルエンザ担当の、特措法担当大臣である西村さんにお伺いいたしますが、実は、大臣は昨年の三月六日にこのお役に就かれました。そして、十三日に一回目の特措法改正、今回また特措法の改正を担われるわけです。

 その間、十一か月、状況を御覧になって、そもそも、私から見れば、特措法というのは、まず、海に守られた国日本では、検疫法でしっかりと外からの感染者を防ぐ、そして、国内に入った場合は感染症法を用いて拡大の防止に努める、並びに治療もする、そして足らざるところ、いろいろ、先ほどの経済的な問題もあろうかと思います、これも含めて特措法、そういう三段階のプロセスを踏む考え方でよろしいでしょうか。いかがでしょう。

西村国務大臣 この間の経験を見ましても、中国からのウイルスが来たこと、そして、その後それが変異したヨーロッパからのウイルスが入ってきたこと、それによって国内に広がったということ、こういったことを踏まえて、まずは、御指摘のように水際対策、検疫法で、今回改正をさせていただきますけれども、更に水際対策に万全を期して今後も対応していかなきゃいけないというふうに考えておりますし、その上で、御指摘のように感染症法で、お一人お一人の感染された方あるいは濃厚接触者を追っかけていく、いわば点で追っかけていく、このことも、日本はクラスター対策で世界から評価をされてきたわけでありますし、引き続き対応していかなきゃならない。

 その上で、御指摘のように、特措法はいわば面的に感染を抑えていく仕組みでありますので、この間の経験を踏まえて、より実効性を上げるものとするために今回改正をお願いしたところであります。

 野党の皆様方にも、こうした早期の審議をしていただいたこと、また、事前にも様々な協議を重ねていただいたことに改めて感謝を申し上げたいと思います。

阿部委員 では、大臣と私は認識が同じだということで、果たして検疫法の改正、今回最後についてございますが、これが十分かどうかということで、この間起きた事実に基づいてお尋ねをさせていただきますが、十二月の十四日、イギリスで変異株が見つかっておりまして、これを我が国が一応入国禁止、停止をしたのは十二月二十四日でございます。

 それで、実は、十二月二十二日に入国された方から、この方がいわゆる健康観察期間の間に何人かと接触されて、後ほどこの方が陽性と分かり、またそこから感染者も拡大したわけです。

 今回の検疫法の改正においては、当然ながら元々感染者で症状がある方は当たり前ですが、ない方も、症状がなくても隔離の中に置くということも決まり、ただ、健康観察期間、最初マイナスで健康観察だけされている方には果たしてどんな強制力があるのでしょうか。今回のような事案は、今回の法改正で防げるものでしょうか。

 この方は、自分が陰性だと思っていた、後に陽性になった、健康観察期間の中で人と接触をされた。私は、今回の法改正が、その点、またざるではないかととても懸念しておりますが、厚生労働省の方にお願いいたします。

正林政府参考人 お答えします。

 現在、新型コロナウイルス感染症の水際対策強化の一環として、閣議了解に基づき、全ての入国者に対し、入国後十四日間の、指定場所、自宅等での待機や公共交通機関の不使用について協力要請していますが、この要請について、今回、法改正により法的根拠を与えることにしております。

 ただ、自宅等での待機や公共交通機関の不使用を義務づけたり、違反した場合に罰則を科すことについては、個人の行動を直接に制限するものであり、私権の制約の程度が強いことから、慎重に検討する必要があるというふうに考えています。

 現在、英国や南アフリカ共和国での変異ウイルスの感染拡大を受け、十四日間の自宅又は宿泊施設での待機等について誓約を求め、誓約に違反した場合には、氏名や感染拡大の防止に資する情報の公表がされ得ることになっております。

阿部委員 私の質問に端的に答えていただきたいです。

 私は、そうやって誓約を取って、しかし、やはり防げないということがあろうかと思います。これだけ国際的な感染症になり、調べて陽性、症状がない人、でも陽性、ここまでは今回様々な法的措置が取られます。それで、陰性なんだけれども経過観察中の方、でも後で陽性になる、こういうものがたくさん出てくると思うんです。誓約書を取ったから防げるというものではない。これは、しっかりとその期間、経過観察、健康観察していただかないと、これからオリンピックをやろうかというようなお話も聞きますが、検疫はざるになります。

 このコロナウイルスの特性を考えたら、無症状で感染者もいる、あるいは途中から陽性になる人もいる。非常に、私は、この検疫法は不十分どころか不安であります、国民を守るために。今回そのことは附帯にも述べられてはおりませんが、しっかりした検疫法があってこそ、コロナは拡大防止されます。

 西村大臣、うなずいていただきましたので、足らざる点として認識していただいて、これは、もちろん私権の制限云々はあろうかと思いますが、国内にウイルスを持ち込まない、この強い決意がなければ対応していけませんので、どうか御認識をとどめていただきたいと思います。

 その次に伺いますが、さて、感染症法にのっとった措置は十分であろうかという問題です。今検疫は私が指摘しましたが、今回の改正でも不十分。次に感染症法であります。

 西村大臣は、多分経済産業省で先輩後輩に当たられるかもしれませんが、和歌山県の仁坂知事、よく御存じではないかと思います。この間の感染症対策で最も、ある意味、現在の持てる力を十分に発揮させながら、早期の発見、早期の隔離、そして必要な方の治療、さらに徹底した行動履歴の追跡、そして保健所のネットワークの活用、これを成し遂げられたのは、和歌山県の仁坂知事だと思います。

 人口が九十一万だからとか、人口サイズにするのではなくて、大臣は、この実績、この考え方をどのように受け止めておられますか。

西村国務大臣 御指摘のように、この間、和歌山県の仁坂知事とはかなり頻繁に電話でやり取り、また直接お会いしてもお話を何度も伺ってまいりました。

 そして、実際のクラスター対策などを指揮されている野尻さんという女性の責任者の方とも私も何度もお話しさせていただきましたし、野尻さんがまとめられたDVDがありまして、CDがありまして、これは大変クラスター対策について有効であるということで、専門家の皆さんも高く評価をされているところであります。

 和歌山県がやられたのは、御指摘のとおり、とにかく保健所の機能を充実をさせて、そして濃厚接触者を限りなく追っかけていく。そして、検査を徹底的に行って、その範囲で封じ込めていく。そして、分かった方には当然、隔離という言葉が適切かどうかは別として、一般的な感染症法の言葉で言えば隔離を行い、そしてその範囲で封じ込めていく、こうしたことを何度も何度も繰り返し重ねて対応しておられて、まさに有効な手段だというふうに認識をしております。

 そうした意味で、基本はもちろん、手洗い、消毒、マスク、三密回避があるわけですけれども、まさに濃厚接触者などの積極的疫学調査、これが大事でありまして、その上で検査を重点的、幅広く行っていくということであります。

 検査については、国としても、リスクの高いエリア、これは繁華街であったり、あるいは感染者が一人もいなくとも高齢者施設など、行政検査で全員行うといったことも含めて進めてきているところであります。

 最近では、民間も幅広く検査を行っております。もちろん、精度の課題とか陽性の場合の届出の課題とかはありますけれども、今後、そういった民間の検査能力も活用しながら、御指摘のような積極的疫学調査、そして早期の検査、隔離、診断、治療といったようなことを是非進めていきたいというふうに考えております。

阿部委員 大臣には十分認識してくださっていると思います。とにかく、感染症ですから、検査して隔離、医学の、例えば病院では隔離室と使いますから、隔離とは菌を拡大させない意味ですから、プラス早期の診断、治療、これはもう原則であります。

 私が懸念しますのは、原則がしっかり守られない、構築されないで屋上屋を重ねても、その建物はもろいということであります。大臣はこれからもこの大事な役割を担われるでしょうから、今おっしゃっていただいたように、ビデオもございます、各地でこのことを徹底していただけるよう、なおよろしくお願いをしたいと思います。

 さて、今大臣のお話にも出ましたが、果たして検査についてはどうであろうか。はっきり言って、約一年前です、二月七日、私は予算委員会で、ダイヤモンド・プリンセス号の、クルーズ船の検査体制は余りにも検査が少ないということを指摘させていただきました。そして、文部科学省とも連携すべきであると申し上げたのは、約一年前です。

 今回の法改正で、民間の様々な研究機関とも連携とはなっておりまして、検査は増えるであろうことを期待はいたしておりますが、果たして、人材、費用、どうであるかということでお尋ねをいたします。

 実は、今日皆様のお手元にお示ししているのは、九月の十五日の厚生労働省の通達でございます。この通達は、実は、安倍総理の最後のお仕事だと私は思っていますが、総理は八月下旬に退陣を表明されましたが、そのときに、検査を二十万件に増やすんだということを言いおいてというか、決意として述べられてお辞めになりました。とても大事なことであります。

 そして、そのときおっしゃったことは、今大臣がおっしゃったように、例えば高齢者施設で職員等々もきっちり検査をする必要があることなど、そして、一日二十万件とそのとき安倍総理はおっしゃいました。果たして、今までの間どれくらい実施されたであろうか、本当に心もとない。例えば世田谷区、高齢者施設の職員の検査、あるいは、この間、広島市で八十万人以上の検査がやっと出てまいりましたが、九月からもう半年、五か月と申しましょうか、近くたっております。

 その間に第三波を迎えてしまったということで、早期の検査が実施されないということの問題が、私は、この厚生労働省の通達では、そのための費用の補助はいわゆる臨時交付金というもので補填されますよと書いてございますが、果たして内閣府から出た通達というかチャート図はそうなっているかということで、開けて二枚目を見ていただきますと、これはホームページに掲載のものですが、臨時交付金は、実は、補助率の定まった、ほかの補助を受けているものには地方の裏打ち分として臨時交付金を使えない、バツ、充当不可のように見える記載がございますが、これは間違って受け止められますよね。訂正していただきたいですが、いかがでしょう。

長谷川政府参考人 お答え申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金につきましては、一次、二次補正予算で三兆円、三次補正予算においても総額で一・五兆円追加することといたしております。

 このうち一次補正の三千億円と三次補正予算の三千億円につきましては、これまでの経済対策に盛り込まれている国庫補助事業の地方負担分に相当する額として計上しておりまして、行政によるPCR検査に係る地方負担分も算定対象に含まれております。

 一方で、今委員御指摘のお話でございますけれども、行政によるPCR検査につきましては、法律により二分の一が都道府県の負担と規定されておりますため、地方創生臨時交付金、これも国費でございますので、直接当該事業の地方負担分に充当することはできませんが、相当する金額はきちんと都道府県に交付いたしまして、その他の必要な事業に充当していただくことによりまして財政的にしっかり支援していきたいというふうに考えております。

 このような取扱いにつきましては、これまでも事務連絡等により周知をしてまいりましたが、今後とも執行が円滑に進められるように、制度の詳細についてできるだけ分かりやすく地方公共団体の方にも周知してまいりたいと考えております。

阿部委員 これは非常に分かりづらいです。これを見た地方の方は、ああ、裏打ち分がないんだと思ってしまいます。検査は進めなければ、感染症なのですから、検査があって初めて分かる。もちろん万全ではないです。でも、検査もしなければ次がありません。

 私に質疑が終了と来ましたが、まだ十六分までと思いますので続けさせていただきます。次の質問をお願いいたします。

 二〇〇三年の感染症法改正においては、この感染症というものの、そのときはSARSでしたが、感染症の発生を、行政的に備えるということが二〇〇三年の感染症法の改正でありました。

 厚生労働省に伺いますが、今回様々な新型コロナの事態の中で、当初、衛生研究所が何件くらい検査をしているのかの情報を何度求めても入手ができませんでした。私は、今回必要な法改正は、衛生研究所をきちんと感染症法上に位置づけて、情報の、いわば、保健所、都道府県、国、感染研、これの一体化を図ることであると思いますが、この点について厚労省から御答弁をお願いします。

正林政府参考人 済みません。通告を恐らくされていなかったと思いますけれども……(阿部委員「通告をしています」と呼ぶ)失礼しました。

 地方衛生研究所については、今回のパンデミック対応でも大変活躍していただきましたが、これを法的に位置づけるとかそういったことについては、まさに国と地方の在り方をどうするかとか、かなり大きなテーマですので、中長期的な課題として考えています。少し骨太の議論をした上で対応する必要があるかなと思っています。

阿部委員 中長期的な課題とか言っているから、一体何件検査がされて、どこにどんなリソースがあるかが分からないんです。もう一年以上分からないんです。それを中長期的と言っているのは、緊急性がないし、自覚が余りにもありません。本当に、私は、そうしたことからちゃんとやっていくのが正しい改正であると思います。

 もう一つお尋ねをいたします。

 西村大臣のお手元、私の資料の最後のページを見ていただきたいですが、これだけどうしても伺いたいです。

 大臣、私はこの図を見てびっくりしました。自宅待機者の数が、十二月の中旬より著しく上がっています。また、確認中という方も著しく増えています。緊急事態宣言の発出は、やはりこれを見れば余りに遅い。自宅で医療にも届かない人がたくさん出たときが私は一つの判断のめどだったと思いますが、いかがでしょう。ほかの質問を予告してありますが、時間の兼ね合いで恐縮です。西村大臣にお願いします。

木原委員長 簡潔にお願いいたします。

西村国務大臣 緊急事態宣言につきましては、感染状況に加えて、御指摘のような医療の状況、そして、まさにこの調整をするという公衆衛生、保健所の負担なども勘案して判断をしてきているところであります。

 専門家の皆さんにも御意見を伺いながら対応してきておりまして、十二月の二十三日の段階で、分科会でも緊急事態宣言を出す状況ではないという御判断をいただいておりますので、私どもとして、専門家の意見を聞き、適切に判断してきたものというふうに考えております。

阿部委員 その判断が今日の更なる……

木原委員長 申合せの時間が過ぎておりますので、よろしくお願いいたします。

阿部委員 はい。拡大を招いたと思います。

 終わらせていただきます。

木原委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 午後、連合審査もあります。私の方は、新型インフル特措法を中心に質問をいたします。

 最初に、補償の問題について西村大臣にお尋ねをいたします。

 昨年四月の決算分科会で、私が、感染症対策の実効性を上げるために、自粛を求める事業者に対し補償を行うことが有効ではないかと質問した際に、西村大臣は、特措法は、要請と指示、公表までで、罰則を伴う強制力はない、その全体のバランスの中で補償措置も書かれていないと述べました。

 今回の法改正で、罰則を導入したのに補償措置を行わなかった。このときの答弁とそごがあるのではありませんか。

西村国務大臣 その後、私ども、実効性を上げていくために、今回の蔓延防止等重点措置などを含めて、命令、罰則という規定を書き込んで提出をさせていただいたところであります。

 その上で、この補償の事柄についても、憲法との関係、法制局での審査なども議論を重ねまして、その上で、今回、新たに過料の適用があることとなっても、基本的に憲法二十九条三項の損失補償の対象とはならないという整理をさせていただいております。基本的には、この法律制定時の考え方が基本的に当てはまるというふうに整理をさせていただいているところでございます。

塩川委員 特措法の逐条解説に、第四十五条第二項に基づく施設の使用制限等による施設管理者等に対する公的な補償は規定されていないと。その説明書きの中に、その期間は一時的なものであること、学校、興行場等の使用制限の指示を受けた者は法的義務を負うが、罰則による担保等によって強制的に使用を中止させるものではないこととあります。

 期間の一時的というのは、あの当時の議論は二週間程度という想定でしたけれども、現実には一か月、二か月という状況に今なっております。これらを見ても、公的な補償を規定しない根拠が崩れているにもかかわらず補償を規定しないという点が厳しく問われるわけであります。

 特措法における罰則の導入というのは、感染症対策によって営業が困難になる、仕事を失う、収入が落ち込むなど、不利益を被る国民の側を犯罪者扱いするものではないのか。結局これは、国民に責任を転嫁をし、国が行うべき補償を免れようとする、そういうものになるのではありませんか。

西村国務大臣 法制定時の議論、それから憲法二十九条、判例もございますので、そういったものも整理した上で、今回の改正法においても補償という考え方は取らないこととしております。

 そこの整理は、通常、特別の犠牲として損失を補償しなければならない場合として、特定の個人に対する財産権の侵害であって、社会的制約として受忍すべき限度を超えていると考えられることがその損失補償をしなければならない場合ということであります。

 そして、判例上も、この種の制限、これは河川法の、河川付近地制限令事件というものであります、昭和四十三年の事例でありますけれども、この種の制限は、公共の福祉のためにする一般的な制限であり、何人もこれを受忍すべきものである、特別に財産上の犠牲を強いるものとは言えないから、損失補償を要件とするものではなくとされていまして、公共の福祉のためにする一般的な制限であれば受忍すべきものであり、損失補償を要件としないというふうに整理をされております。そして、御指摘のように、法制定時の議論も含めまして、今回、その対象とはしないということで整理をさせていただいております。

 そうした中で、国民の皆様、事業者の皆様にも御協力をいただいて感染を抑えていく、まさに国民の命を守るために、公共の福祉のためにそれをお願いをしているわけでございます。是非御理解をいただいて、対応していただければと思いますし、他方、今回、この影響を受けた事業者を支援するための必要な措置を講ずる義務を明記をさせていただいておりますので、そうした事業者への影響を緩和していくためにもしっかりと支援を行っていきたいというふうに考えております。

塩川委員 二〇一二年の新型インフル特措法の審議における参議院の附帯決議では、新型インフルエンザ等対策に係る不服申立て又は訴訟その他国民の権利利益の救済に関する制度に関する検討条項が規定されていました。昨年三月、私の質問の際に西村大臣は、行政不服審査法で対応するとなったと答弁されましたが、今回の新型感染症の終息後には、改めてその課題についても検討を行いたいとも述べておりました。それなのに、権利利益の救済に関する制度の検討もないまま、罰則だけを押しつけるような法改正は認められません。コロナの感染防止に必要なのは罰則の導入ではない、正当な補償を明記する法改正だと述べておきます。

 その上で、時短などの営業規制に応じてもらうためにも、事業規模に応じた補償を規定することで、関連業者、労働者、国民の暮らしと営業を守るべきではないかと考えますが、この点についてお答えください。

西村国務大臣 まさに、事業者の皆さんに御理解をいただいて、要請に応じていただけるよう、その影響の度合いなども勘案しながら支援策を行っていきたいと考えておりますが、今回、協力金も月額換算最大百八十万円まで、そしてこれも、大企業であっても店舗ごとに出しますので、ある意味、規模に応じた支援となっておりますし、それから、雇用調整助成金につきましても、パート、アルバイトの方も含めて一人月額最大三十三万円まで、大企業も含めて一〇〇%国が支援をするということにもしておりますので、そういったことを考えれば、従業員の方が多い企業はこれでかなりの部分をカバーできるということであります。

 こうした支援策をしっかり講じることによって、御理解をいただいて、要請に応じていただければ、それによって感染拡大を抑えていく、こういった取組ができればというふうに考えているところでございます。

塩川委員 家賃などは固定費が非常に大きいという事業者の方もいるわけですから、こういった事業規模に応じた補償をしっかりと行うということで、感染症対策に協力をしっかりと求められる、その環境を整えるために政治が力を発揮をするということを申し上げておきます。

 次に、蔓延防止等重点措置に関してですけれども、最初に国会の関与の問題についてです。

 この特措法上、政府対策本部の設置及び緊急事態宣言の発出に当たっては、いずれも国会への報告が義務づけられております。

 私権制限や罰則を伴う措置を可能とする蔓延防止等重点措置において国会報告を義務づけないというのはなぜなんでしょうか。

西村国務大臣 蔓延防止等重点措置は、緊急事態宣言とは違いまして、緊急事態宣言の場合は、全国の市町村に対策本部を立ち上げ、全国の多くの皆さんに、それぞれの地域の状況に応じた感染対策、そして幅広くいろいろな自粛なども行っていただくことになりますので、私権制約の程度は極めて大きいということでございます。

 他方、この蔓延防止等重点措置においては、地域を限定をし、また業種も絞り行っていく、その範囲で感染拡大を抑えていく、いわば機動的に対応することによってその効果を上げていくというふうに考えております。

 私権制約の程度が小さいこと、そして機動的に行うこと、こういったことから国会報告は必要ないとしたところでありますが、しかし、この実施に当たっては専門家の意見を聞いて、対応する期間、区域の指定変更に当たっては専門家の意見を聞くこととしておりますし、また、実際に命令を行ったりすること、これは都道府県知事の権限ですけれども、その判断に当たっては学識経験者の意見を聞かなきゃならないということで、恣意的な運用はされない仕組みとしておりますが、与野党で様々な議論も行われておりますので、それに従いまして、公示をしたときには速やかに国会に報告をするという対応をしていきたいというふうに考えているところでございます。

塩川委員 第二十四条第九項に基づく要請よりも強い権利制限、そして罰則を新たに科すのが蔓延防止等重点措置であります。

 この第二十四条第九項に基づく要請というのは、政府対策本部の設置で都道府県対策本部ができて、都道府県知事がその要請を行うというわけなんですよ。そのスタートとなる政府対策本部の設置には国会への報告を義務づけているんです。

 緊急事態措置の関係ではなくて政府対策本部の設置のときに国会報告を義務づけているのに、いや、権利制限が小さいからという理屈は成り立たないんですけれども、どういうことなんですか。

西村国務大臣 繰り返しになりますけれども、権利制限をかなり限定的に行う、これは具体的な措置も、営業時間の短縮よりも程度が小さいものを考えておりますし、また、繰り返しになりますが、機動的に対応することによってその地域において感染を抑え込むという観点から、このような対応を取らせていただこうと考えているところでございます。

塩川委員 いや、答えていないですけれども、蔓延防止等重点措置における権利制限、罰則の前、それよりも弱い段階の第二十四条第九項の要請ができる、そのスタートとなる政府対策本部の設置のときに国会への報告を義務づけているのに、何で重点措置のときにはやらないんですか。

奈尾政府参考人 お答え申し上げます。

 現行でございますけれども、政府行動計画を作るときに国会に対する御報告ということで書いてございます。

 この趣旨でございますけれども、政府行動計画というのは、内閣が処理する国の行政全体に……(塩川委員「行動計画じゃなくて、政府対策本部の設置」と呼ぶ)はい。

 趣旨といたしまして、新型インフルエンザ等が発生した場合に、立法府を含めて国全体で対策を講じる必要があるということから、この段階から国会に報告するというふうに理解してございます。

塩川委員 大臣、答えてください。

西村国務大臣 十五条の第二項で、政府対策本部を置いたときは、その名称、設置の場所及び期間を国会に報告するということになっております。

 これは、政府対策本部の設置がまさに新型インフルエンザ対策の重要事項であるということで、十四条一項、これはコロナの場合、読み替えておりますけれども、こういった事態が発生したと認めることを公表し、本部が開かれることになっておりますので、まさに、この設置によって国民全体にこうした状況にあることを知っていただくことも含めて、国会に報告するとされているところであります。

 ただ、御指摘のように、これによって何か権利制限を求めるものではありませんから、国会承認の対象とはしていないということでございます。

塩川委員 権利制限を伴うような、罰則を新たに導入するようなスキームのときに、国会の関与もここに書き込まない、法定をしないと。そういう点での、恣意的な運用との懸念の問題というのは拭えないということを申し上げておきます。

 次に、基本的対処方針のことなんですが、政府対策本部が設置をされると、政府対策本部は政府行動計画に基づき基本的対処方針を定めることになっております。コロナ対策実施の準拠となるべき統一的指針が基本的対処方針であり、自治体も基本的対処方針に基づき対策を実施をします。

 新たに創設される蔓延防止等重点措置の実施の際に、基本的対処方針の改定を、法定をしないんですか。

西村国務大臣 今回、審議を経て法改正がなされた場合には、新たに蔓延防止等重点措置が入りますので、当然、基本的対処方針の中にその運用などについてしっかりと明示をしたいというふうに考えております。

塩川委員 政府対策本部を設置をする際には、政府対策本部は基本的対処方針を定めるというのが法定されています。ですから、法定しないのかということなんですが。

西村国務大臣 法律の三十一の四の第五項におきましても、この公示をしたときには基本的対処方針を変更するということを明記をいたしておりますので、当然、そもそも運用のことも法律が制定されたときにしっかりと書きたいと思いますし、さらに、具体的に公示をしたときには基本的対処方針を変更するということになります。

塩川委員 もう一回、三十一条の四。

木原委員長 正確に御答弁お願いします。

奈尾政府参考人 お答え申し上げます。

 この改正法案の三十一条の四の第五項におきまして、政府対策本部長は、蔓延防止等重点措置の公示をしたとき、これについては基本的対処方針を変更しなきゃならないというふうに規定されてございます。

塩川委員 基本的対処方針というのは、まさに政府全体の統一的な指針となります。それが去年、四月、五月の緊急事態宣言が解除されて以降、七か月以上も放置をされていたという点でも、この基本的対処方針をしっかりと受け止める、こういった対応というのが求められているということを申し上げなければなりません。そういう点でも国や自治体による恣意的な運用の懸念が拭えないということを申し上げておきます。

 それと、蔓延防止等重点措置の区域に係る都道府県知事は、感染の状況等を考慮して都道府県知事が定める期間及び区域について、感染の状況について政令で定める事項を勘案して措置を講ずる必要があると認める業態に属する事業を行う者に対し、営業時間の変更等の措置を要請することができるとありますが、この蔓延防止等重点措置実施に当たって、都道府県知事が定めるという期間、区域、業態はどのように定めるんでしょうか。

奈尾政府参考人 お答え申し上げます。

 例えば業態につきましては、政令で、今後どういう、業態を定めるに当たって考慮すべき事項かというのを検討することになってございます。

 都道府県知事につきましては、区域それから期間、こういうものにつきまして、感染の状況それから医療提供体制等を踏まえまして、具体的には、これは恐らく基本的対処方針に今後考え方を書き込んでいくものと思いますけれども、その辺りを分かりやすく周知してまいりたいと思っています。

塩川委員 業態を政令で書くということですけれども、どんな書きぶりになるんでしょうか。

奈尾政府参考人 お答え申し上げます。

 政令の内容は現在検討中でございますけれども、当該業態における感染の発生の状況、例えばクラスター発生の状況等を中心に規定する予定でございます。

塩川委員 これは、現行の緊急事態措置の、政令の第十一条に使用の制限等の要請の対象となる施設というのがあるわけですけれども、これに準じるような、そういう業種、業態ごとを書き出していく、そういう形になるんですか。

奈尾政府参考人 お答え申し上げます。

 現行の施行令十一条、緊急事態措置の発動要件でございますけれども、この政令とはまた別でございますので、具体的な業態というのは、これは業種より少し狭い概念を想定してございますけれども、その業態でどの程度の発生があったかとかクラスターがあったのかということで考えてございます。

塩川委員 事業者への要請事項も政令であり、さらに、今言った業態も政令ということで、そういう点では非常に曖昧なままであります。

 国会の関与を認めずに国民に罰則を押しつける、こういった恣意的な運用が懸念をされる。こういったやり方は認められないということを申し上げて、質問を終わります。

木原委員長 次に、山尾志桜里君。

山尾委員 国民民主党の山尾志桜里です。

 まずは、このパネル、そして議員のお手元の配付資料を御覧ください。この資料ですけれども、自民党と立憲民主党とで合意をしたと報じられている特措法の内容、これを表にしたものです。

 私たち国民民主党は、この内容で足りるという合意はしていないんですけれども、聞いているところでは、恐らくこの内容で、今日のどこかの時点で自民党と立憲民主党の共同提案として出される運びになっているのではないかというふうに仄聞をしております。

 この自民と立憲の修正合意案には、前進も確かにあります。ただ、本質的に改善されていない重大な問題が残っているので、限られた時間ですので、それを指摘し、改善を求めるということで質問を運んでいきたいというふうに思っています。

 まず、この修正合意案なんですけれども、見ていただくように、横三段階、縦三段階に分けています。横軸が、平時、そして重点措置、今回新しくできるもの、そして緊急事態宣言ですね。縦が、政府ができること、そしてそれを守らないときの強弱や罰則の有無、そして補償の義務、そして国会の関与です。

 この修正合意案を見ていただくと分かるように、平時の場合は、要請、お願いができるだけなので、受ける側には法的義務も罰則もありません。その分、補償の義務もない、国会の関与もないという整理です。

 問題は、重点措置と緊急事態宣言なんですね。

 重点措置、ここでは、営業時間の変更等ができる、そしてそれに対しては要請も命令も罰則もかけられるということになっています。一方、政府の方には補償の義務はありません。補償の義務はないですよね、支援の努力義務はあっても。その上で、国会の関与、これも聞いているところだと、法文には書かれない、附帯決議で報告ということで聞いております。

 では、緊急事態宣言、これを見てみると、これも同じなんですね、およそ。要請も命令も罰則もできる。そして、政府には補償の義務はない。そして、ここは法的に、報告ということが決められています。内容としては報告ということになります。

 そこで、端的に、少なくとも三点、改善した方がいいと思うんですね。私たちは、やはりこの三つの段階をきちっと区分することで緊急事態宣言の実効性をしっかり担保する、そして、しっかりと国会の関与も、法的に担保することで民主的コントロールも確保するということがすごく大事だと思っています。

 なので、一つ目に重点措置のところからは罰則はなくしましょうと。三十万と二十万の違いじゃ、緊急宣言が出ても全然緊張感が持てないと思います。

 そして二点目が一番大事な補償であって、これは、重点措置でも緊急事態宣言でも、少なくとも、国民の側にそれを聞かなきゃいけないという法的な義務を課す以上は、政府の側も補償の義務を負いましょうと。

 三点目が国会の関与です。これは、重点措置は、附帯決議ではなくて、ちゃんと法文にせめて報告と書く。そして、今回、罰則ができるわけですから、緊急事態宣言は承認に格上げするということをやるべきだと思います。

 そういったことが附帯決議で対応されたり、あるいは政府の答弁で対応されたりというような話がこの修正協議で伝わってくるわけですけれども、ちょっと改めて西村大臣にここで質問をいたします。

 先ほどから西村大臣も、協議の中で附帯決議などがつくというような話もされていますけれども、今回、附帯決議がついた場合、大臣としてその附帯決議を守りますか。

西村国務大臣 附帯決議が議決をされれば、そのことはもちろん真摯に対応していきたいというように考えております。

山尾委員 守りますとは、大臣は絶対言わないんですね。真摯に対応すると言うんです。

 法制局長官は来ていますか。法制局長官に質問します。附帯決議は政府を法的に拘束しますか。

近藤政府特別補佐人 お答えいたします。

 附帯決議それ自体は法令ではございませんので、広く国民等に対する法的拘束力があるものではございません。

山尾委員 これは、議員は知っているんですけれども、一般の国民の方は余り知らないんです、当然のことながら。

 附帯決議というのは、国会の意思、国会から西村大臣や政府の側に出すラブレターみたいなものです。それを受け止めて尊重しますと言うんだけれども、決して守りますとは言わない、コミットはしない、これが附帯決議です。

 じゃ、質問でちょっと確認するんですけれども、西村大臣、今回、附帯決議で国会報告が求められた場合、今後政府がこの報告を出さずに重点措置というのを発令しちゃったら、政府の行為は違法ですか。

西村国務大臣 まだ、どういう形の附帯決議になるか、恐らく協議が行われているものと思いますけれども、その附帯決議を、私としてはしっかりと受け止めて尊重し、そして真摯に対応したいと考えておりますので、ということですね。

山尾委員 今の答弁を聞いていただいたら分かると思います。違法にはならないわけですよね、先ほど法制局長官も、政府を法的に拘束しないと言ったわけですから。西村大臣も、一生懸命、受け止め、尊重し、真摯に対応すると言葉を重ねても、決して守りますとは言えないんです。法的な義務はないですから。だから、附帯決議では足りないとずっと言っています。

 今回は罰則も付加される。そうしたら、やはり緊急事態宣言は承認を、法的に格上げすべきだし、やはり重点措置、後で話しますけれども、ほとんど緊急事態宣言と同じことが法的にできますから、せめて報告をちゃんと法文で書くべきだと思います。

 補償のことを話したいんですね。

 西村大臣、さっき経営への影響の度合いに応じた支援ということでおっしゃっていましたが、こうした西村大臣の今日の答弁ですね、この補償をめぐる、この答弁というのは、将来の政府をも法的に拘束するんでしょうか。将来の大臣も、今日の西村大臣の答弁を守らなきゃいけないですか。

西村国務大臣 国会答弁も非常に重いものだと思っております。私もそういう思いで、しっかりと答弁しなきゃ、丁寧に説明もしなきゃいけませんし、答弁しなきゃいけないと思っておりますし、今回、この法改正を行うに際しても、法制定当時の中川大臣、担当大臣の答弁も私ども精査をさせていただき、そして、その上で今回改正案を出させていただいております。

 当然、コロナの感染症ですから、いろいろな状況が変わってくると思いますので変わり得ることはあると思いますけれども、その対策なり、変わってくることはあると思いますが、私は責任を持って答弁をさせていただいております。後々の、もちろん、判断の重い一つの根拠になってくるものというふうに思います。

山尾委員 今の大臣の答弁は正直だと思うんですね。重いけれども、状況によって答弁というのは変わり得るということです。

 これまで私たち、本当にこの状況で変えていいのか、政府答弁ということを、検察庁法の一件等々で国民の皆さんも感じていることもあると思うんですけれども、残念ながら、政府の答弁というのは、いいかどうかは別として、合理的な理由がなくても変わり得ることがあるというのを目の当たりにしてきました。

 今、西村大臣が、中川大臣、民主党政権のとき、この特措法を最初に作った大臣の名前を引いて、こういった答弁も重いんだと。うなずいていらっしゃいますよね。作った時代のその答弁も重いということをおっしゃいましたけれども、これで次に行きやすくなりましたので。

 これは、ちょうど、それこそ民主党政権のときに、特措法ができた際に、その逐条解説で引いてきたものです。なぜ、この特措法で、政府が様々時短の要請とか指示とか休業要請とかしても補償が要らないのかということを、この逐条解説にこのように書いてありますね。これに従って西村大臣も、今日も、そしてこれまでも、内在的制約なので補償は不要ということをおっしゃってきました。

 私が言いたいのは、相当、この平成二十四年から事情が変わっているし、また、必ずしも二十四年の政府見解や逐条解説が百点満点だったかというと、そうじゃない面もあるというふうには思います。ただ、少なくとも一つの重い物差しなので見てみます。

 これは、なぜ補償が要らないのと国民の皆さんは思いますよね。なぜ、私たちには義務がかかっても政府は補償の義務を負わないのと。ここに書いてあります。

 一つ、感染症の蔓延の原因となることから実施。まあ、書いていて書いていないようなものですね。必要があると。こういう制約をする必要があるんです、蔓延の防止のためにはということです。

 二、本来危険な事業というのはそもそも自粛されるべきなんだ、自分で危ないことは控えるべきなんだと。私が一番当時の見解としてもおかしいなと思うのはこれです、本当はね。

 三番、ここから随分事情が変わっています。緊急事態宣言中の一時的なものである。今回、蔓延防止措置も入りました。そして、蔓延防止措置や緊急事態って本当に一時的なんでしょうか。延長も言われていますよね、今。

 四番です。罰則によって強制するものではない。ここは根本的に変わりました。罰則が入りました。

 西村大臣、ここは、罰則によって強制するものではないということは、やはり補償が要らないとしてきた政府の大きな理由のうちの一つなんですよね。それにもかかわらず、先ほどからの議論を聞いていると、罰則があっても受忍限度に変わりがないので補償は要らないという理屈の構成に変わりない、こういう発言が過去の政府見解と矛盾するように思うんですけれども、いかがですか。

西村国務大臣 御指摘のように、逐条解説にもこのように書いてありまして、私もこの点何度もこの改正案をつくる過程で議論を重ねてまいりましたし、法制局ともかなり議論をした結果の整理をさせていただきました。また、先般、玉木代表からも質問をいただき、私なりにこの点も重く受け止めて検討をしてまいりました。

 その上で申し上げれば、詳細、もしあれば法制局長官から答弁していただければいいんですけれども、まさに特別の犠牲として損失を補償しなければならない場合とは、まさに特定の個人に対する財産権の侵害、あるいは社会的制約として受忍すべき限度を超えていると考えられる、そういうことが該当するということ。

 それから、四十三年の河川付近地の制限令、河川の付近にある土地の制限がかけられている、これの制限についても判例がございまして、昭和四十三年の判例ですけれども、これも見させていただきました。そこでもまさに、この種の制限は公共の福祉のためにする一般的な制限であって、受忍すべきである、特別に財産上の犠牲を強いるものとは言えない、こういった整理をなされておりまして、公共の福祉のためにする一般的な制限であれば受忍すべきものであり、損失補償を要件としないというふうに整理をされております。

 こういったことを含めて法制局とも整理をさせていただいて、新たに過料の適用があることとなっても、基本的にこの考え方は当てはまるというふうに認識をいたしております。

 ただ、今回、この影響を受ける事業者に対して支援するための必要な措置を講ずることを義務として明記もさせていただいておりますので、事業者への影響の緩和に向けてしっかりとした支援は行っていきたいというふうに考えているところであります。

山尾委員 今おっしゃったのは、一般論に換言してやはり当てはまるんだということをおっしゃったんですけれども、根本的な説明にはなっていないんですね、聞いていた方も分かるとおり。

 しかも、この四つのうちの一つだけが変わってあとは一緒なんですというならともかく、これは大きく変わっています。

 一時的なものというところも、余りはっきりしていないので聞いておきたいんですけれども、西村大臣、緊急事態宣言も今度新しくつくられる蔓延防止措置も、これは実は、延長回数の制限というのはないんじゃありませんか。

西村国務大臣 緊急事態宣言については複数回延長できることとなっておりますけれども、その期間は合計して一年を超えてはならないとなっています、考えております。これは法制上ですね。

 それから、蔓延防止等重点措置についても複数回延長することは可能ですけれども、延長する期間については、一回の延長当たり六か月を超えない範囲内でというふうに考えております。

 これは、緊急事態宣言の方が国民生活全体に極めて大きい私権の制約をお願いする、そういった措置を含むものであるためということであります。蔓延防止等重点措置の方が、それに比べれば、期間や区域、それから業態などを絞った措置を講じるということで、私権の制限の程度が低いものであるということからこのような違いがあるものというふうに考えております。

山尾委員 ちょっと大事なところなので確認したいんですけれども、そうすると、蔓延防止措置というのは、延長の回数に制限がないから、いわば全体を通した期間の制限というものはないということですね。今うなずいていただきました。

 そうしたら、緊急事態宣言は、延長を繰り返すことはできるけれども、その延長の期限を合算したものは一年を超えてはならない。本当ですか、そうなんですか。超えてはならない。

 そうすると、最初が二年、その後延長するとして一年。そうすると、緊急事態宣言というのは、どんなに長く見ても三年以内、そういうことですか、全ての期間を通して。

西村国務大臣 条文上、そういうふうに整理させていただいております。

山尾委員 じゃ、それを前提にしますけれども、今回は、蔓延防止措置ができることによって、じゃ、蔓延防止措置が起こる、その後緊急事態に移行する、それでまた蔓延防止措置に戻る、こういうことが起こり得るわけですよね、今回のことによって。そうすると、蔓延防止措置、緊急事態、蔓延防止措置、その後緊急事態をするということは、これはできますよね、当然、必要があれば。

 そう考えていくと、本当にこれは一時的なものと言っていいんですかという話なんです。緊急事態宣言だけだったら確かに一時的と、まあ百歩譲って言えるかどうか、これだけ、三年できる中で、本当に言えるかどうか。

 だけれども、今回、蔓延防止措置の方の補償も話に出ている中で、これだけ、期間の限り、法的にはですよ、ない中で、国民に犠牲を強いるのに、補償が不要ということが言えなくなっているのではないかということを強く指摘をしたいというふうに思います。

 その上で、先ほどから蔓延防止措置と緊急事態措置は随分違うんだというお話がずっと出ているんですね。

 端的に伺います。

 政令を改正して蔓延防止措置で休業要請をかけることは法的に可能ですか。

西村国務大臣 営業時間の変更よりも私権の制限を小さいものを考えておりますので、休業要請は考えておりません。

山尾委員 質問にお答えになっていないんですね。私が言ったのは、政令を改正して休業要請をかけることは今回の法制度上可能か不可能かと聞いています。考えているかどうかではないです。

西村国務大臣 代表的に挙げている例が営業時間の変更でありますので、それはできないというふうに考えております。

山尾委員 そうすると、政令の改正の限界を超えるということですね。休業要請をかけることは、政令を改正しても蔓延防止措置ではできないということを明確にしていただいたと。もう一回確認させてください。

西村国務大臣 そのとおりであります。

山尾委員 では、その上で、事業者に対する措置で、緊急事態宣言ではできるけれども重点措置では政令改正してもできないという措置、休業措置はできないと今伺いました。ほかにありますか。

西村国務大臣 いわゆる全面的な外出自粛、こういったこともできないものと考えております。

山尾委員 全面的な外出自粛と休業要請、事業者に対する休業要請はできないということで、では、確認を取りました。

 もう一つ聞きたいんですけれども、今回、公表なんですが、前は、要請、指示をしたときは公表しなければならないとなっていたんですね。今回、公表できることとするとなりました。つまり、公表するかしないか行政が決められるというふうになったんですけれども、なぜここを変えたんですか。

西村国務大臣 これは、これまでの経験、特に昨年春のときに、要請なり指示なりに応じていただけない店舗が、これを公表しなければならないとなっているものですから公表したわけでありますけれども、都道府県知事がですね。そうすると、逆に、その店が開いているということで、そこに人が集まってしまって、かえっていわゆる密な状況などを生じてしまったということがございます。

 したがって、利用者の皆さんの合理的な行動の確保につながらない場面があったということでありますので、今回、そういった観点から改正案を提出させていただいたものであります。

山尾委員 そうすると、この公開の趣旨なんですけれども、前のコンメンタールでは、これは情報公開、利用者の側に知らせるためということなんですが、今回、それに制裁、サンクションという目的は加わったんですか加わっていないんですか。

西村国務大臣 サンクションを目的としてそういったことを行うわけではありません。利用者の合理的な行動を確保するというために行うものであります。

 ただ、要請を行って、そして、正当な理由がなく、今度は命令を行うとき、それに従ってもらえないということで命令を行いますので、つまり、命令については、正当な理由がないのに要請に応じない者に対して行われるというその旨を公表しますので、結果的に、ある意味制裁的な意味合いが出てくることは否定はできないと思いますが、私ども、目的として考えているのは、利用者の合理的な行動を確保するということで、そこはこれまでと変わりはございません。

山尾委員 やはりこれ、目的が結果として変わっているんですね。あらゆる要請、あらゆる指示に行政の判断が介入せず、全部公示しますよ、公開します、これについてはということであれば、別に公開されたお店や事業主、何か悪いわけじゃないんです。ただ、今回は公表するかどうかというその判断権を行政が握ることによって、公表されるお店というのはどんなお店なんだという、社会的に見たら制裁の意味合いがやはり出てくる。そして、今大臣もお認めになったように、結果としてそういった制裁的意味合いが出てくるということは、極めて今回重い変更だというふうに私は感じます。そこを同じ公表だということでは一くくりにできないというふうに思うんですね。

 その上で、ちょっと先ほどの話、一点だけ確認させてください。

 政令を変えても、蔓延防止措置で全面的外出自粛はできない、そして休業要請はできないということでありました。でも、先ほど大臣がおっしゃったように、事情が変わると答弁が変わるので、これは法文に書くべき重大なことだと思うんですが、いかがですか。書いていただけませんか。

西村国務大臣 まず、コロナ一般について言えば、この一年の経験でかなりのことが分かってきましたし、私どもも経験をしてきましたので、それを踏まえて今回改正案を出させていただいております。

 ただ、今後、変異株のこともありますし、どういったことが起こるか想定できない部分がありますので、先ほど来申し上げていますとおり、私の答弁は重いものでありますし、附帯決議がなされるとすれば、それはしっかりと受け止めて、尊重して、真摯に対応したい。これは与党も含めて決議がなされることになる、決議がなされるとすればですね、なると思いますので、これは与党もそれに合意をしているということでありますから、そういった意味でしっかりと対応していきたいと思いますが。

 そういう意味で、今後何が起こるか分からないという中で、御理解をいただいて、今の時点で私の答弁を、私も責任を持って答弁をしておりますので、将来、いろいろなことがあった場合もこの答弁が引用されるでしょうから、そういったことも含めて、責任を持って対応していきたいというふうに考えております。

山尾委員 そうすると、これは、蔓延防止措置は、政令改正しても休業要請はできないという答弁も今後の状況次第では変わり得るということを今おっしゃったんですね。私、それはやはりちょっとおかしいんじゃないかなと思う。法的にできるかできないかということは答弁の変更と違うから。

 どうぞもう一度。

西村国務大臣 先ほど申し上げた、政令で休業要請などできないということは、これは法制局も含めて整理をされておりますので、そういう意味で、できないということを断言させていただきます。

山尾委員 やはり大事なことは、だから、できないということであれば、法文に書かない理由がないんですね。物すごく重大なことだから。中間措置で休業要請ができないとか、外出自粛、全面的なものはできないということは、書いてある法文から見ても、できることとできないことを具体的に書いてあるところもあるわけなので。しかも、蔓延防止措置のところは営業の変更等となっていて、この等がいかようにも、大きくも小さくも読めるという、物すごく心配している部分なんですよ。これを法文上に書くことを強く求めます、そこまで言っていただくなら余計。

 その上で、もう一つ、まだ時間ありますかね、特措法の関係なんですけれども、三十一条の要請、指示の関係なんです。

 これはどなたでも結構なんですけれども、三十一条で、知事さんが公的病院や民間病院にも要請、指示できるんですけれども、今、知事さんに三十一条で要請や指示をする権限というのはあるんですか、ないんですか。

こやり大臣政務官 お答え申し上げます。

 先生御指摘の特措法三十一条でございますけれども、知事は、医療関係者に対する要請や指示が可能、条文上可能となっておりますけれども、この規定は、病原性が非常に高い場合など、極めて緊急性の高い状況が想定をされています。

 このため、厚労省といたしましては、現時点では、まずは感染症法第十六条の二などその他の規定を活用しつつ、協力要請を行っていただきたいというふうに考えておりますし、厚労省としても、医療機関に対する支援をしっかり行っていきたいというふうに考えております。

山尾委員 今、緊急の必要性、高くないんですか。緊急事態宣言が出て、病床逼迫して、病院は悲鳴を上げていますけれども、それでもなお、三十一条の求めるほどの緊急性はないというのが厚労省の意見ですか。本当ですか。本当に。

こやり大臣政務官 今、特措法三十一条の規定に基づいたガイドラインというのが出ております。そのガイドラインにおきましても、例えば地域のほとんど全ての医療機関が診療を休止する、そういった場合など、ほかに代替手段が確保できない、そういったことを想定しているところでございます、この場合の規定につきましては。

山尾委員 そのガイドラインって、ちょっと限定し過ぎじゃないですか。

 今回、感染症法の十六条の二で、対象を明示することによって使いやすくするみたいな改正が出ているんですけれども、そもそも、そっちをやるよりも、ちゃんと三十一条で、これだけ今、緊急な状況になっている、少なくとも病院逼迫という点では。そこの解釈を、そんなガイドラインで当てはめていないで、ちゃんと知事さんたちに、三十一条の権限を使えます、民間病院にも使えます、これは感染症法十六条と違って、協力要請じゃなくて、要請プラス指示もできますと。その上で、地域の事情を考えて、最後、どういうふうに判断されるか、それは知事さんの権限ですよ。

 それを厚労省が上から、いや、まだ知事さん、三十一条使えません、使えません、使えませんとずっと言い続けているのがおかしいと思うし、それをほっておいて、今もなお三十一条駄目だと言いながら、十六条だけ、対象だけちょっと明示してどうするんですかという話をしているんです。今、病床逼迫を何とかするためにこれを改正しようとしているんですよね。

 もう一つ伺います。

 今回、自宅療養とかホテル療養に応じない人を、入院勧告して、入院措置するというルートが新しくできようとしています。感染症法の会議体でも、多くの方が、これはやめてくれ、そんなの困る、病床がなくて困っているのに、必要ない人まで入院させられたら困る、やめてくれと言っているんですけれども、今回、どうしてこれをやるんですか。やめてほしいです。やめましょう。いかがですか。

こやり大臣政務官 お答えいたします。

 今回の改正法案におきまして、宿泊療養あるいは自宅療養の実効性を高めるために、現在の政令上の取扱い、これを法律上明記する。具体的には、協力の求めに応じない者には入院を勧告することができる、協力に応じず入院した者については入院費用の自己負担を徴収できるものとするという改正案を今御提案をさせていただいているところでございます。

 この宿泊療養あるいは自宅療養につきましては、入院のように医療の提供を主目的とするものではなくて、感染予防を目的としているものでございます。こうしたことから、強制的に行動そのものを制限するという仕組みを新たに求めるかどうかにつきましては、慎重に検討すべきものというふうに考えております。

山尾委員 いやいや、病床が足りないときに、病床の必要までない人を入院させるような法改正を慎重に考え直してほしいんですよ。まずいと思いますよ、これをそのままやったら。

 そもそも憲法との観点も、だって、そういった感染抑止を目的としているのに、むしろ病床逼迫を悪化させて、そして感染抑止に反するような手段をつくるということ自体が、人権保障の観点からも極めて問題だというふうに思います。憲法上違憲の疑いすらあると思います。

 それで、もう一つ行けますかね。入院措置なんですけれども、入院勧告があって、入院措置で、今回、懲役がなくなって、刑事罰がなくなって行政罰になったからよかったというような話があるんですけれども、ちょっと私、よくないんじゃないかなということを思っています。

 いつ法律上の義務が生じるんでしょうか、この入院勧告を受けた側に。入院のプロセスがはっきりしていないので、そのまま罰則をつけるということが極めて不合理だと思うんですけれども、入院勧告を受けた側はいつ法律上の義務を生じるんですか。

 ちょっとつけ加えると、過料の対象になるので、その前提として、その人は行政上の義務を負っていなきゃいけないですよね。だから、それに反するから過料なんです。入院勧告は、義務ないので、いつ義務を負うんですか。

木原委員長 申合せの時間が来ておりますので、簡潔にお願いいたします。

正林政府参考人 お答えします。

 感染症法の入院措置は、感染症の患者が入院勧告に従わぬ場合に強制的に入院させることができる即時強制の仕組みでありますが、この対象となった方にはこれを受忍していただく必要があり、応じていただけない方を罰則の対象とすることに法的な問題はないと考えております。

木原委員長 申合せの時間が来ておりますので、おまとめください。

山尾委員 はい。時間が過ぎたのは分かりますけれども、全く質問に答えていないし、義務の生じるタイミングというのは、国民にとっては、それに応じないと自分が罰を受けるタイミングなんですね。そこをはっきりしないまま罰を科すということは、これはできないというふうに思いますので、本当に幾つも深刻な問題がそのまま残っていると思います。更なる修正を求めます。

 以上です。

木原委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午後零時八分休憩

     ――――◇―――――

    午後三時十九分開議

木原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。長尾敬君。

長尾(敬)委員 自由民主党の長尾敬です。

 今日は総括質疑ということで、西村大臣、長時間どうもお疲れさまでございます。

 どうしても、水際対策について、これまでの対応に触れさせていただきたいと思っております。

 緊急事態宣言、二月の七日までということでありますが、延長される模様、報道によるところですが、ビジネストラック、レジデンストラックの件です。

 当初、このビジトラ、レジトラについては停止されていなかった。現在は停止されている。この扱いについて、自由民主党やあるいは個々の議員から、やはりこれは停止するべきだろうと大変な声が上がって、現在の措置になったものと承知をいたしております。やはり最初は停止していなかったというのが当初の政府のスタンスだったということで、どうしてもこれは心配事が残るということで、あえてこちらで質問をさせていただきたいと思います。

 ビジネストラック等の水際措置について、今後どう対応されていくのか御答弁ください。

西村国務大臣 御指摘のように、ビジネストラック、レジデンストラック始め、現在一時停止をしている、こうした対応につきましては、緊急事態宣言が発令されている間は運用を停止するということを、まず、私ども、そういうことで決めております。

 そして、まさにこうした措置は、国民の皆さんの不安を取り除くという観点も踏まえ講じてきたものでありますけれども、政府として、今、新たに変異株について、様々な、また新たなことも分かってきたりしてきております、こうしたことに対して、強い危機感を持って対処する必要があるというふうに考えております。御指摘のこれらのトラックの扱いを含む必要な水際対策の在り方については、国内外の感染状況なども見極めつつ、慎重に対応していく考えでございます。

 いずれにしましても、水際対策、万全を期していきたいというふうに考えております。

長尾(敬)委員 たまたま今、延長されるやもしれぬという雰囲気になっていますが、中国の春節が、本来であれば二月の十一日から二月十七日までということになります。場合によっては、緊急事態宣言が解除された後、この扱いがどうなるかということが、やはり国民の多くの皆さんの関心事になろうかと思っています。くれぐれも適切に対応していきたいと思いますが、少々、私も含めて、この機会に耳の痛いこともちょっと申し上げたいなと思っています。

 というのは、昨年の一、二、三月の国会、行政、世論はどうあったかということなんですが、中国の武漢で二十七人が当時原因不明のウイルス性肺炎を発症と発表したのが十二月の三十一日で、このとき、カルロス・ゴーンがレバノンにいるといったとき、そういうニュース一色でありました。一月の九日に中国国営放送がこれを発表して、十一日に武漢で初の死者が出た。十六日に日本初の患者が確認された後、一月二十日に国会が召集された。残念ながら、当時の安倍総理の施政方針演説の中には、武漢ウイルスについての発言はありませんでした。

 一方、その日、中国では、同日夜、習近平が感染拡大を阻止するための大号令をかけていた。日本政府は、この時点でまだ対策本部を設置していなかった。

 二十二日には、与野党の代表質問でやはり武漢ウイルスについての言及はなく、本当に桜の質問に明け暮れて、二十三日、初めて公明党さんと日本維新の会さんがウイルスについて取り上げた。その一月の二十三日ですよ、武漢が完全封鎖されたのが。この緊張感の度合いというのは恐らくWHOも共有してくれるだろうなと思っていたところ、緊急事態宣言を出さなかった。

 恐らくこれは中国に配慮をしてというような、いろいろな言われ方はしておりましたけれども、その後の予算委員会等々も桜の話ばかりで、政府が初めて対策本部を設置したのは一月の三十日、WHOもこれに追随したというような形になります。

 実は、二月の一日、ちょうど今日ですね、一年前の。指定感染症に前倒しで決定したというのはいいんですが、このときやはり、過去二週間以内に湖北省に滞在歴のある外国人の日本への入国拒否を決めたということなんですが、当時、一千百万人の武漢市民のうち五百万人以上は既にもう移動していて、春節に向かっていた。そして、やはり、御記憶にあるように、札幌の雪祭りに多くの方々が来られて、クラスターが発生して、今日に至るということになると思います。

 一、二、三月に、入管の調査によりますと、何と三か月で三百四十四万人の外国人が入ってきていたと。これがやはりどうしても、ノーマークであったということを我々は反省しなきゃいけないと思う。

 ですから、今後どうウイルスが世界を席巻するか分かりませんが、昨年は中国・武漢から入ってきましたが、これからは全世界から入ってきますので、くれぐれも慎重にお願いをしたいと強く訴えておきたいと思います。

 野党さんからも繰り返し質疑がなされてきました。与党からも押さえておきたいと思います。

 特措法の第六十三条の二について、この支援規定というのは、努力義務ではなく義務であるということの理解でよろしいでしょうか。

西村国務大臣 御指摘のとおりであります。

 与党内での議論も踏まえ、そして、努力義務ではなく義務規定というふうにしたものであります。具体的には、「影響を受けた事業者を支援するために必要な財政上の措置その他の必要な措置を効果的に講ずるものとする。」と明記をしたところであります。

 もう既に、協力金や雇用調整助成金、あるいは四十万円、二十万円の一時金など対応をしてきているところでありますけれども、事業者の皆さんに必要な支援が行き渡るよう、しっかりと対応していきたいというふうに考えております。

長尾(敬)委員 繰り返し、これは義務であるということをメッセージとして頂戴しました。

 ただ、これも、なぜそんな質問をあえてするかということなんですが、当初、政府から提案をされた方向性の中には、事業者及び地方公共団体に対する支援という中に、事業者の経営に及ぼす影響を緩和するために、事業者に対する支援を講ずるように努めるものとすると記されていた。また、地方公共団体の施策を支援するために必要な財政上の措置を講ずるように努めるものとすると。

 これはやはり当時の政府の本音だったと思うんですよ。どうしてもそういう本音が見え隠れするので、法律にあのような形で落とし込んでいただいたけれども、多くの有権者の皆さん、特に事業者の皆さんは、本当にやってくれるんだろうかというような危惧があるということを指摘させていただきたいと思っております。

 また、我が党の下村政調会長は、テレビ番組でも、特措法の枠組み以外でも事業者への支援が更に必要であるということもおっしゃっておられました。

 個人的には、心ある仲間と、消費税の課税停止やあるいは粗利補償などをやはりこれからも政府に求めていきたいと思っております。

 最後の質問です。

 今回の改正特措法には、差別や人権侵害の問題も含まれております。

 昨年秋、我が党の高鳥修一議員が、御自身が大変な差別的扱い、謝罪や不当な要求を体験して、御自身が中心となって議員立法の提出をする動きがございました。自民党、公明党に加えて、維新の会の皆さん、また共産党さんも賛成してくださいましたが、一部野党の御協力が得られず、提出を断念せざるを得なかったという経緯があります。

 ここで、今回の法改正には、条文に明記はされておりませんが、新型コロナウイルス感染症による差別を念頭に置いたものなのか、また、成立後、政府広報において、新型コロナウイルス感染症による差別を明記して、どのような行為が差別に当たるのか、分かりやすく具体的に説明する必要があると思うが、そのお考えについて御答弁ください。

奈尾政府参考人 お答え申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症の感染者の方や関係する方々への差別はあってはならない、これは当然でございます。

 条文上は、「新型インフルエンザ等に起因する差別的取扱い等」とされてございますけれども、「新型インフルエンザ等」には新型コロナウイルス感染症を含むものでございます。

 また、現在、新型コロナウイルス感染症対策でありますとか、あるいは感染の真っ最中でございますので、委員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症に関する差別的取扱い等を念頭に、国民は何人に対しても新型インフルエンザ等に起因する不当な差別的取扱い等を行ってはならないということを明確にさせていただいたものでございます。

 改正法案が仮に成立した場合には、こうした点に加えて、差別的取扱いの具体的な事例でありますとか、新型コロナウイルスに関する情報を分かりやすく周知してまいりたいと思っております。

長尾(敬)委員 ありがとうございます。

 議員立法は至りませんでしたが、政府の方でチョイスしていただいて、今回に至ったと思っております。

 国民の皆さんは、与野党の戦いをもう望んでいません。それぞれの知恵を出し合って、コロナウイルスに対して脱却することのできるような対応を絞り出す、これが国会に求められている。また、政府もこの期待に応えていただくよう、自らも戒めながら頑張っていきたいと思います。

 以上で質疑を終わります。ありがとうございました。

木原委員長 次に、濱村進君。

濱村委員 公明党の濱村進でございます。

 今までの法案審査、委員会の質疑を聞いておりますと、幾つか気になるような点もございました。

 というのは、例えば積極的疫学調査について、そういう状況で過料を科すのかとかというような話のときに、ある方が陽性だということで積極的疫学調査を受けるわけですが、実際に、この人と会いました、この人と会いましたということを調査として質問にお答えいただくという必要があるわけですが、そのお会いしていた方に気を遣って言わないというような話もございました。

 これは、気を遣ってというのであれば、私、陽性になりました、陽性になったので、ちゃんと保健所に言っておきましたよ、あなたも陽性かもしれませんということを言うのが本来正しい気の遣い方なんじゃないかなというふうに思います。なので、気を遣って言わないというようなことはあり得ないんじゃないかと思いますし、更に言うと、言わなかったらそうした方に過料がかかるというのは、これは、過料がかかっちゃうので、申し訳ないですけれども、保健師さんに正直にお話ししましたということで言っていただくというのが私は妥当な筋なんじゃないかなと思っております。

 これも、通常の人間の考え方であれば、私はそういうふうに思うんじゃないかしらと思っておりますが、あくまでも、こうした積極的疫学調査の過料は悪質な方に対して過料を科すということであるということを、もう一度ここでちゃんと申し上げておきたいなというふうに思いますのと、もう一点、日本の医療提供体制というのは非常に優れているという、先ほどの連合審査の中でもございました、私もそのように思っております。

 地域医療計画に感染症対応、余り充実した記載がなかったんだろうというふうに思っておりますので、この点については、今すぐというわけでは決してないだろうと思いますけれども、平時のときから有事のときに組み替えられるようなことを今後準備していっていただきたいというふうに思いますのとともに、そのために大事なのは、今、現状で感染が広がっている中で、どのように組み替えればよいのか、組替えが可能なのかということを、今この感染がある中で試行錯誤をしておいていただくことなんじゃないかと思っております。

 今、飲食店の営業時間短縮によって感染者数の減少を、ちゃんと減少をさせていかなければいけないわけでございますけれども、もう一方で、医療資源をコロナ対策に重点投入していかなきゃいけないんじゃないかと思っております。

 医師、看護師、病床を今よりもコロナ対策に振り向けていかなければいけないんじゃないかというふうに思っているわけでございますが、地域において、通常医療の維持、提供ということを担保しながらそれを行わなければいけないということでは、非常に難しいことだと思っております。調整が必要だと思います。

 だからこそ、大事なことは、そうした医療資源の振り分け方に試行錯誤をしていただくということなんだと思っています。

 今、私がお伺いしている話でいえば、病院に通院される方、二週間に一回お薬をもらうために通院していますと言っていたところが、患者さんに三か月分のお薬を提供できますと。そうしたら、通院が六分の一になって、医療費が減っているという話でございます。

 医療費が減っているのは事実だと思っています。理由については、その方がおっしゃっているだけなので、それが事実かどうかは分かりませんが、こういう状況があって、つまり、通院は減っているんじゃないんですか。受診控えかもしれません。であれば、そのクリニックの医師、看護師の方々に、ちょっと特例的に、平時ではないような形で臨時的に休診をいただいて、例えば保健所が行う健康観察に代わりに出向いていただく。これも医師会に委託することが可能ですというような話もございました。宿泊療養とか自宅療養の質の向上のために訪問診療をしていただくとか、そういうでき得る限りの試行錯誤をやっていただくことが今非常に重要なのではないかと思っております。

 実際、私、地元は兵庫県ですけれども、神戸市では、通常医療を制限してコロナ受入れ病床を拡大している。市民病院だけでなくて、民間病院も合わせて四十七床確保するという見込みですよというような話もありますが、今までも努力をしていただいている上に、更に御協力を要請するのは心苦しいわけでございますけれども、今そうした試行錯誤が重要なんじゃないかなと思っております。

 その上で、御質問させていただきますが、この試行錯誤というのはどういう条文に沿ってできるのかということです。

 感染症法二十二条の三に、感染症指定医療機関が不足するおそれがある場合等に十九条又は二十条の規定による入院の勧告又は入院の措置その他の事項に関する総合調整を行うと。つまり、総合調整でこうした試行錯誤の取組はできるのかどうか。あるいはもう一つ、協力の要請が十六条の二にあります。厚労大臣及び都道府県知事は、医師その他の医療関係者、民間等の検査機関に必要な協力を求めることができるということで書いてあるわけです。こうした二つの協力要請と総合調整、どっちで何ができるんですかということでございます。

 ちょっと私の通告の二問をまとめてお伺いするような形でございますが、厚労省にお伺いいたします。

正林政府参考人 お答えします。

 まず感染症法二十二条の三ですけれども、新型コロナウイルス感染症対策では、地域で病床が不足する場合に、保健所設置市、特別区の単位で受入れ医療機関を調整すると病床が効率的に配分されないことがあります。特に、重症化リスクのある方を優先的に入院させるためには、都道府県知事が感染状況や病状、病床の状況を把握し、広域的に調整する必要があります。

 実際の運用上もこうした対応が取られているものの、法令上の規定がなかったため、今般、都道府県知事の入院患者の受入れ機関の調整を行う権限を明確にいたしました。

 この規定を活用し、地域の医療機関の受入れ状況などの情報を共有して連携を強化するとともに、昨年末にまとめた病床確保のための政策パッケージにより、受入れ医療機関に対する財政面の支援に加え、人材確保や回復した患者を受け入れる後方医療機関の支援等を行い、地域の状況に応じた医療提供体制の確保を全力で支援してまいりたいと考えております。

 もう一つ、十六条の二の方ですけれども、この規定の中に病床の確保に関する協力というものも含まれると考えています。医師、看護師等の人材確保の状況や要請に応じていただけないことによる患者の生命、健康等への影響を総合的に考慮して、正当な理由なく協力要請が応じられなかったときは勧告、さらに、正当な理由なく勧告に従わないときは公表できる。この正当な理由については、要請等を行う厚生労働大臣又は都道府県知事が判断するものと考えています。

 いずれにしても、病床確保に当たっては、地域の医療関係者の意見を十分に伺いながら、まずは必要な協力をお願いし、関係者の御理解を得られるようにしていくことが重要かなと思っています。

 御指摘の試行錯誤、現場でいろいろなシミュレーションなり、もし開業医さんが保健所のお手伝いをしていただけるのであれば、そういう方向で御議論いただいたり、いろいろなことを各現場でなさっていただけたらというふうに思っています。

濱村委員 今局長が最後におっしゃっていただいたような、医師の方々、これまでも御協力いただいておるんだろうと思いますが、やはり医療費が減っているという事実等を含め考えれば、そうした試行錯誤はできるのではないかと思いますので、引き続きの取組を知事と共同してやっていただきますようお願いをして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

木原委員長 次に、森田俊和君。

森田委員 立憲民主党・無所属の森田でございます。

 初めに、前段で、これから出てまいります附帯決議の案に関する確認の質問を幾つかさせていただきたいなと思っております。後藤委員の資料も皆様のお手元に行っていると思いますが、その中に含まれるものについて確認していきたいと思います。

 附帯決議の七に入っていることなんですが、昨年、パチンコ店が休業要請に従っていただけないというところを公表したら、逆にそこに人が集まってしまったというようなこともありました。

 公表するというのは、逆効果にならないように、制限するつもりがかえってお客さんを集めてしまうというようなことも当時出てきたわけでございますけれども、そういうことのないようにということでこういう案文が入っていることと思いますが、どうなんでしょう、今回のコロナの感染症の対策において、営業時間の短縮要請であるとか休業要請を守らない店舗の公表というものは、今のところ、どうなんでしょうか。考えているのでしょうか、考えていないのでしょうか。

西村国務大臣 御指摘のように、この改正案では公表できる規定としておりまして、これは、まさに今お話のあったとおり、公表を行うことで、かえって利用者の合理的な行動の確保につながらない場面が去年あったということも踏まえて、公表に係る知事の裁量を確保する観点から改正したものであります。

 それで、要請の場合と、それから、その後の命令の場合とあるんですけれども、命令については、正当な理由がないのに要請に応じない者に対して行われるものでありますので、その旨を公表することができるわけですが、その旨を公表することによって、結果的にその対象者に対する制裁的な意味合いを持つこと、これは否定はできないんだろうというふうに思いますが、しかしながら、御指摘のように、公表することで逆に多くの利用者が集まるなど、合理的な行動を確保することにつながらない場面もあったということを踏まえて、合理的な行動を確保することを目的とした規定でございます。

森田委員 ありがとうございます。

 続いて、附帯決議の九に関するところで確認をさせていただきたいと思います。

 今日のいろいろな議論で出てまいりましたが、私権を制限するということで、かなり慎重に取扱いをしなければいけないということも議論がなされておりますが、不服申立てなどの救済の権利、これをどのように、どの辺の条文に基づいて行うのか、御答弁をお願いしたいと思います。

西村国務大臣 お答え申し上げます。

 そもそも、特措法第五条に基本的人権の尊重が規定をされております。この罰則、過料の適用に当たっても、国民の自由と権利が不当に侵害されることのないよう、慎重に運用していきたいというふうに考えております。

 現在においても、要請に応じない場合に、要請の趣旨を文書により丁寧に説明した上で、緊急事態宣言の下での、四十五条ですね、指示を行うことを基本としております。

 改正後においても、まずは要請に応じていただけるようしっかりと支援をしながら、それでも応じていただけない場合にも、要請の趣旨を文書により丁寧に説明をし、理解を得ながら手続を進めることとしたいと考えております。

 そして、御指摘の不服申立てなど救済の権利の保障につきましては、過料処分の前提となります営業時間の変更等の命令や、緊急事態宣言の下での施設の使用制限等の命令が行政不服審査法第一条第二項の処分に該当することから、処分についての審査請求を求める同法第二条に基づいて保障されるというふうに考えております。

 また、過料処分に対する不服申立てなど救済の権利の保障については、過料についての裁判に対して当事者が即時抗告することができる旨を定めております非訟事件手続法第百二十条の第三項、それから、略式手続の場合には、当事者が裁判所に異議の申立てをすることができる旨を定める同法第百二十二条の第二項に基づいて保障がされるというふうに考えております。

森田委員 ありがとうございます。

 続けて、附帯決議の二十五、二十六の辺りに関係するところなんですが、緊急事態宣言のまず発出、それから解除、それに伴ってGoTo事業の実施ということがありました。これは誰がやっても、このアクセル、ブレーキの判断というのは非常に難しいことだと思います。

 この附帯決議の案に書いてあるとおり、是非、いろいろな、今走りながらやっているという段階ですので、それが落ち着いた時点で、速やかにやはりその判断あるいは実際の効果というものがどうあったのか、どう影響が出ていたのか、こういうことを客観的、科学的に検証し、その結果を公表するということが後の世代にとっても大変重要になってくると思いますが、この辺りについてのお考えをお聞かせください。

西村国務大臣 御指摘のように、私ども、新型コロナウイルス感染症対策、今回の対策につきましては、担当大臣として、これまでも様々なデータの分析、エビデンスに基づいて、また、専門家の御意見も聞きながら対応してきたところであります。

 昨年夏の経験を踏まえて、歓楽街、繁華街の接待を伴う飲食店など、地域、業種を絞った営業時間短縮、あるいは重点的なPCR検査、こうしたものが効果があるということも分析から分かってきておりますし、また、こうした知見、経験、また専門家の分析を踏まえて、今回の緊急事態宣言でも、飲食店の時間短縮と、そしてテレワーク七割、外出自粛などの要請を行っており、専門家からも一定の効果、成果が出てきているというふうに評価をされているところであります。

 そして、今回、こうした経験を踏まえて特措法の改正案を提出させていただいたところであります。

 これまでも、このように感染状況や対策等を分析し、それに基づき対策を進化させてきたところであります。

 今後ともエビデンスに基づき対応していきますが、まさに御指摘のように、政府がこれまで取ってきた対応について、今後いろいろな感染症もあると思いますし、そうした今後の政府の対応に活用していくため、第三者的な立場から客観的、科学的に検証し、そして、その結果については公表していきたいというふうに考えております。

森田委員 分かりました。ありがとうございます。

 病院の受入れのことについて、こやり政務官、厚労の政務官にお越しをいただいております。よろしくお願いいたします。

 私が日頃お世話になっている地元の病院の理事長さんに、今回、病院がベッドの提供に応じていただけないような場合に公表するんだというようなお話が出てきたときに、どうぞ公表してください、ただ、これを余り無理に進めると、院内感染を誘発するようなことになるんじゃないのということを言っていました。

 その先生が言うには、やはり自分たちも大変怖いし、医師といっても感染症の専門家でもないし、現場の看護師さん、その他の方も専門的な知識経験を持っているわけでもないし、非常に怖い、その二、三名を受け入れるがために動線がどこかで入り乱れたり、あるいは、この患者さんを診ていたお医者さんが今度はこっちの患者さんだというふうになったときに、一瞬の隙で院内感染がやはり出てきてしまうんだ、そういうことで非常に危惧をしているというようなお話がありました。

 埼玉県内でも、先ほども、午前中もお話が出てきましたけれども、三百名の院内感染を起こしてしまったという事例もございますし、私の地元でも、三十名を超える院内感染を起こしてしまったというような病院も出ております。

 松本モデルなんというお話を私も聞いておりますが、その医療圏の中で、大学病院だったり、国立病院だったり、県立病院だったり、市立病院だったり、あるいは民間の病院であったり、あるいは、いろいろな持っている医療資源に応じて役割分担をしていく。

 先ほどの先生が言うには、例えば、一括でいろいろな患者さんを診ていただけるような、仮設なり専門病棟なり、そういうものをつくってもらって、そこに人を送ることだったらできると。そこに送った医療スタッフは、例えば、ちゃんとした専門のガウンテクニックを持っている、支援があって、体をそこに移して、いろいろな医療の関係だとかその他の業務に当たれる、こういうことだったら、一病院としてもかなりハードルは下がる、こんなことを言っていました。

 ですから、先ほど中国のお話も出てきましたけれども、あれと同じようにやるというつもりは私もありませんが、やはりある程度集中をさせて、院内感染のリスクを少なくしながらやっていくということが、医療関係のそういった生の声としても、医療スタッフの方の生の声としても出てきているということでございますが、この辺りのことについて厚労省としていかがお考えか、お聞かせいただきたいと思います。

こやり大臣政務官 お答えさせていただきます。

 先生も、今質問の中で、様々事情をお話しいただきました。この感染の状況であるとか医療資源等々、地域によっても大分違いますし、個々の医療機関によっても事情は異なります。

 このため、先生御指摘のあったコロナ専門病院あるいは臨時の医療施設を設置することについても、これはやはり都道府県の知事を中心に、地域が判断していただくものであるというふうに考えています。

 それを前提として、厚労省といたしましては、都道府県に対して、医療機関単位あるいは病棟単位で新型コロナウイルス感染症患者を重点的に受け入れていただく重点医療機関の指定を依頼した上で、専門性の高い医療従事者の集約による効率的な治療の実施、院内感染防止対策等を促してきておりまして、これまで累次の補正予算あるいは予備費を活用して支援をしているところでございます。

 今、各地域におきましても、例えば、東京都でありますとか神奈川県、あるいは愛知県、大阪府等々でこのいわゆるコロナ専門病院の設置が進められているところというふうに承知をしています。

 国といたしましても、引き続き地方と緊密に連携をしながら、地域の医療資源を総動員をいたしまして、病床確保に引き続き努めてまいりたい、かように思っております。

森田委員 私の地元でも、羽生総合病院さんというところが、プレハブをいっぱいつなげたような仮設の病棟を建てていただいて、八十床受けていただいているというような、そういう病院もございます。

 全ての病院がそういうことをできるわけではないと思いますけれども、是非そういった頑張っていただいている病院さんなんかの事例を共有しながらやっていっていただきたいなというふうに思っております。

 そういうことを踏まえて西村大臣にお伺いをしたいと思うんですが、先ほど、いろいろな都道府県でこういう取組、対策をしていますよというような事例も御報告をいただきました。

 このコロナの対策にとって、今回の特措法ですけれども、都道府県の知事の役割というものは非常にやはり大きいということでして、確かに、都道府県にはかなりの御負担がかかるでしょうし、大変な思いを各知事さんもされていらっしゃると思うんですが、私は、やはりいろいろな取組が同時並行的に、少なくとも四十七のケースが目の前に広がるというのは、非常に私たちの経験ということにとってはプラスではないかなと思っております。

 医療のことだけではなくて、例えば経済の支援であったりとか、いろいろな支援の在り方であったりとか、そういったことも含めて、少なくとも四十七のケース、しかも、その都道府県の中でもいろいろな地域によっていろいろな実情もあるでしょうし、そういったいろいろなケースを、国が一括して描いたモデルでばんとやってくださいというだけじゃなくて、いろいろなケースが出てくるというのは、私は、非常にこれからの取組の在り方を考えても役に立っているんじゃないかなと思っております。

 ただ、やはり、例えば、十一の宣言が出ている地域、都道府県の知事さんには密に情報が行くけれども、ちょっとそこから外れるとなかなか情報が行かないよということもあるかもしれませんし、いずれにしても、せっかくいろいろな取組をいろいろな知事さんが一生懸命やっていただいている、あるいは、いろいろな自治体の市町村長さんが汗をかいていただいているこの取組を、是非いい取組はいい取組としてみんなが即座に共有できるような仕組みというものも、国としても御用意をいただけるといいんじゃないかなと思っておりますが、その辺りについての大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

西村国務大臣 大変大事な御指摘だと認識をしております。

 特に、今回私の担当する特措法でいえば、都道府県知事の権限が非常に大きいわけでありますので、知事会の代表の皆様方、そして、その方々には分科会にも諮問委員会にも入っていただいて意見を述べていただいておりますので、様々な感染症や経済の専門家から出る意見も知事会の方で受け止めて、その共有を図っていただいておりますし、私自身も、十一の都道府県知事とのやり取りがやはりより多くなるわけでありますけれども、様々な地域の知事と連携をしながら、感染状況の確認であったり、病床の確保であったり、経済的な支援策であったり、私の立場で、それぞれの知事が判断していくサポートをしやすいように対応してきておりますし、今後もそうしていきたいというふうに考えております。

 特に、地方創生の臨時交付金、一兆円を今度改めて配分をすることになりますので、近々、坂本大臣の方で調整をして、配分額、内示額が提示されると思いますけれども、これもそれぞれの知事が工夫されて、これはまた市町村も配分がありますので、それぞれの知事や市町村長が工夫をされて、それぞれの地域の事情に応じていろいろな上乗せをされたり、あるいは独自の産業、地域の産業を支援を行ったりしておりますので、こういった情報も、私の立場からも多くの皆さんに紹介をしたりもしておりますし、また、知事会や市町村長会でも共有をされているものというふうに思いますので、引き続き、こうした首長の皆さん方と連携をしながら、この感染拡大を抑え、そして経済の支援もしっかりと行っていければというふうに考えております。

森田委員 ありがとうございました。

 是非、横の連携も、各都道府県の間でもできるようにお願いしたいなと思っております。

 それから、再びこやり政務官にお伺いしたいと思います。介護のことについてお伺いをしたいと思います。

 介護のスタッフにも五万円が支給をされるということがございました。既に昨年のうちに、埼玉県はもう締切りを過ぎておりますし、多分、ほかの県でもそうだと思うんですが、五万円で、コロナウイルスの感染者の方を扱ったら二十万円、こういう慰労金がございました。

 さらに、感染症対策のいろいろな物品の購入であるとか、私も自分のところで介護の事業に携わっておりますので、例えば、アルコールの消毒液を買ったりとか、あとは、感染症対策で、いざというときのグローブだとかキャップ、あの頃はガウンが手に入らなかったので、それに代わるような雨がっぱ、そういったものを買わせていただいたり、あるいは、改装費用にも使っていいよというようなことがありましたので、センサーつきの水栓、どうしてもみんなが触るようなところがリスクが高いということで、センサーつきの水栓だとか、あとはトイレに入ったときのセンサーライトとか、こういういろいろ触ったりなんだりというのも防げるような形で、改装費用としても使わせていただいたようなこともございました。

 あれは去年出ているものでして、埼玉県の場合ですと、一月の三十一日でその申請が終わった。ほかのところも二月いっぱいぐらいで終わるというふうに聞いておりますが、いずれにしても、また緊急事態宣言が出されている地域がある中で、引き続き、いろいろな物品の購入だとか消毒だとか、いろいろなところに費用がかかってくるというのはまた出ているんじゃないかなと思っております。

 あるいは、介護スタッフも、昨年の状況よりも今年の状況の方がすぐ身近に感染者の方が迫っているなという感覚を持ちながらどうしても介護のスタッフもやらざるを得ない状況にありまして、そういった意味では、心理的な負担というのも非常に高くなっているというのが今の状況だと思っておりますので、こういった慰労金だとか、そういったいろいろな感染対策に使えるような、こういった支給というものがもう一度できないものかなというようなことを考えておるわけでございますが、厚労省としていかがでございますでしょうか。

こやり大臣政務官 お答えいたします。

 先生、本当に現場の、真正面から取り組んでおられますことを今御指摘をいただきまして、本当に感謝申し上げたいというふうに思います。

 先生御指摘の慰労金につきましては、これは当初六月まで、全く経験のない、未知のウイルスとの戦いであったということ、そうしたことから、こうしたリスクの高い患者さんに接していただく業務について、特別の慰労金として給付をさせていただきました。そうした当時の状況とは、七月以降は、少し全体像も判明をしてきていて変わってきたかなというふうに思っております。

 したがいまして、慰労金のような形で再度給付をするということについては、現時点では、厚労省としては検討しているところではございません。

 他方で、厚労省としても、介護現場を支えるために、先生御指摘の給付金も含めて、これまで約五千億円の予算を計上して支援をしてきたところでございます。

 こうした取組、まさに介護の現場にしっかり届くように、そしてまた、今先生も御指摘がありましたように、これからも、ますます厳しい状況が続いていることも踏まえまして、支援が行き届くように、しっかりと支援を継続していきたいというふうに考えております。

森田委員 ありがとうございます。

 もう一問、その続きのようなお話なんですけれども、埼玉県の事例ですけれども、いわゆる入所する施設には、専門の医療関係のスタッフの方が巡回、医療関係だけじゃないですね、福祉の関係の方が、県の担当者が巡回をしていただいた、感染対策がちゃんとできているか、そういう御相談に乗っていただきながら巡回をしていただいたなんということがございました。

 ただ、通所系あるいは在宅サービスのところにはそういう巡回をしていただいたということは今までございませんで、そういった意味では、是非、通所あるいは在宅系のサービスにもそういった感染対策というものが、やはりみんな不安の中でやっておりますので、そういったいろいろなアドバイスをしていただけるような、相談に乗っていただけるような仕掛けというものができるとありがたいなと思っております。

 是非、そういった通所系、在宅系のサービスにもクラスター対策というものを充実させていただきたいなと思っておりますが、厚労省としてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。

こやり大臣政務官 お答えいたします。

 介護サービス事業所等における感染拡大防止対策の徹底、これを行っていくためには、委員も御指摘もございましたが、平時からの感染症対応力の底上げを図っていくことが必要であるというふうに考えております。

 このため、介護事業所における感染対策の具体的な留意点をお示ししながら、感染対策のポイントをまとめたマニュアルあるいは動画等の作成、公表をいたしているところでございます。

 加えまして、感染症の専門家、先生先ほどございました、専門家が実際に施設等を訪問をして、実地で研修を行うなどの取組も実施しておりますし、こうした取組を更に強化をしていきたいというふうに思っておりますし、令和三年度介護報酬改定におきましては、全ての介護事業者さんに対しまして、一定の経過措置期間を設けながら感染症対策の実施を義務づけ、これに対する支援も行うという形にしているところでございます。

 引き続き、しっかりと感染症対応力の向上に向けて支援を行っていきたいというふうに考えております。

森田委員 ありがとうございます。

 中小企業への支援についてお尋ねをしたいと思います。

 飲食店の、直接じゃなくて関連する業種の方についての支援というものがあるということで案が出てまいりましたけれども、これがいつ頃出てくるのかということと、あと、タクシーというのがそこに入っていたんですが、同じような業種、業種というか、やはり飲食に関係するようなことで、代行の方が非常に今困っているというようなお話もありました。

 その辺りのことを含めて、この中小企業への支援、どのようにこれから行っていただけるか、お答えいただきたいと思います。

佐藤大臣政務官 お答えいたします。

 先生今御指摘の支援でありますが、現段階で確定的なスケジュールを申し上げることは難しい状況でありますけれども、三月下旬の申請受付開始が一つの目安だと考えているところでございます。

 今後、申請受付開始に向けて速やかに準備を進めて、準備が整い次第公表してまいりたいと思っております。

 事務局については、一月二十日より事務局の公募を開始して、二十七日に開札を行ったところであります。そして、本日にも契約を締結する見込みという状況でありますので、できる限り申請を早く受け付けられるよう、前倒しをしていきたいと思っております。

 それから、もう一つの御指摘でありますけれども、運転代行業といった御指摘がございました。

 御指摘の事業者についても、売上げ減少の理由として、緊急事態宣言に伴う不要不急の外出、移動の自粛により影響を受けた事業者ということであれば対象となり得るというふうに考えておりますけれども、確認方法も含めた要件の詳細については、制度を具体化する中で検討をしてまいりたいと思います。

森田委員 ありがとうございます。

 最後に、大臣にその辺りのことを含めて御答弁いただきたいと思いますが、是非これは感染症対策とセットで休業の補償、企業の支援というものがあろうかなと思います。

 是非、国としてどのようにこの中小企業の方に寄り添っていくかということで、最後、御答弁をお願いして、私の質問を終わりたいと思います。

西村国務大臣 御指摘のように、今回の緊急事態宣言の下の対応措置によって、多くの事業者、特に中小企業の皆さんは大変厳しい状況にあるというふうに思います。

 既に協力金最大百八十万円、あるいは、今御説明のあった、一時金として四十万円、二十万円の支給も決めているところでありますけれども、感染の状況、そしてその影響の状況、こういったものをしっかりと見極めながら、予備費三・八兆円もありますので、機動的に必要な対策を講じていきたいというふうに考えているところでございます。

森田委員 質問を終わります。ありがとうございました。

木原委員長 答弁の訂正があるそうですので。

 佐藤経済産業大臣政務官、簡潔にお願いいたします。

佐藤大臣政務官 申し訳ございません、スケジュール、三月下旬と申し上げましたが、三月上旬の間違いでございます。申し訳ございませんでした。

森田委員 終わります。

木原委員長 次に、足立康史君。

足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。

 いよいよ、この十五分の質問時間が終わりましたら特措法等の採決ということで、私どもからすれば、昨年の一月の二十三日に、私が事務局長となって、党に対策本部を、どの党にも先駆けてつくってから、本当にこの一年、特措法の改正に向けて、西村大臣始め政府の皆様にいろいろな機会に提言等を申し上げてきました。

 あと十五分で採決ということでいろいろな思いが錯綜しておりますが、その辺は後ほど討論で申し上げたいと思います。

 若干の時間ですが、どうしても西村大臣に確認をしておきたいことを何点か御質問させていただきます。

 まず、ちょうど今日あした、明日になるのかな、緊急事態宣言が延長される流れになっております。一か月か何か分かりませんが、これは大変重たい判断で、言うまでもなく、大変大きな副作用を伴う緊急事態宣言でありますので、また後ほど議論しますが、補償も、私どもが一年間求めてきた補償も、十分な補償がままならない中で、私は、この一か月、それはまだ分かりませんよ、まあ明日でしょうが、一か月、仮に一か月延長されるのであれば、その一か月の期間中であっても、現場の知事の申出等があれば、エリアごとの、その一か月の期間途中での地域的な緊急事態宣言の解除も検討すべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

西村国務大臣 足立委員から、かなり早い段階から、この特措法の改正について様々な提案をいただき、問題提起もいただきました。私もこの間、よりよい制度にするにはどうしたらいいか、ずっと考えてまいりましたので、足立委員と全く思いは同じでありまして、頭の中に様々なこの一年間の思いが巡っているところでございます。

 緊急事態宣言、二月七日に期限を迎えるわけですが、この後どうするかはまだ決めているわけでもございませんし、諮問委員会を開いて専門家の皆さんの御意見を聞いて判断をしていくことになりますが、仮に延長した場合に、これは、その延長期間の前に個別の都道府県を解除することはあり得るというふうに考えております。

 御指摘のように、非常に重い判断をしなきゃいけません。経済への影響、事業者への影響を考えても、できるだけ必要最小限の措置としていきたいわけであります。そうした中で、改善傾向が見られれば、これは、それより前に解除することはあり得るということでありまして、昨年春もそういう対応をさせていただきました。

 その上で一点だけ。感染者の、新規の陽性者の数はかなり減少傾向にあります。ただ、病床は引き続き逼迫しているところが多いわけですし、その病床について言えば、陽性者の数より遅れて入院される方が増え、さらに、重症者は二、三週間遅れて増えるということも分かってきております。そして、入院調整に様々、時間がかかっているというような状況もありますので、そういったことも専門家の皆さんに御判断いただいて、総合的にとなりますが、適切に判断をしていきたいというふうに考えております。

足立委員 ありがとうございます。

 今大臣がおっしゃった点は私たちも重々承知をしておりますし、私が選挙区としております大阪も、まさに今御指摘のように、やはり重症者が多いということで、大変そこは注視をしているところであります。

 ただ、吉村知事からも、一か月延長の議論、関西の二府一県、多分、今か今日されていると思います。で、今日あしたという流れになりますので、やはりこの重い決断を、知事、そして大臣、内閣と、そして地域の知事たちが重い決断をされるに当たっては、今大臣が改めて確認くださった、状況に応じて、知事の要請に応じて、そこは途中で解除することもあり得るという明確な御答弁をいただきました。ありがとうございます。

 私たちも、とにかく、内閣と国と、昨日もNHKのNHKスペシャルで、何か知事と内閣がとかいうのがありましたが、やはりここは心を一つにして、しっかり国民の命と健康を守っていきたい、こう思います。

 さて、先ほど申し上げた補償ですね、これは私たちが昨年の春からこだわってきた話であります。これも詳細は後ほど討論の場で申し上げますが、大臣、どうしようかな、今日、法制局長官にもおいでいただいています。

 長官、これは、本当は西村大臣にまず御質問して、近藤長官というお約束なんですけれども、ちょっと一言だけ先に近藤長官にいただきたいのが、いわゆる、今回の感染症みたいな、健康被害を回避する目的の規制、健康被害を回避する目的の制約は、いわゆるこの補償の議論、経済的自由に係る憲法論議の中で消極的目的制約に位置づけられると私は理解していますが、いかがですか。

近藤政府特別補佐人 お答えいたします。

 私どもも、今回の感染症、公衆衛生上の危険というものを回避していくということのためのやむを得ない制約ということで、今お話がございましたように、大きく分ければ消極的な、警察的な規制ということかと思います。

足立委員 大臣、これは本当に重要なテーマだと思うんですが、この国会で、先ほども、今日も、山尾議員とかいろいろな方がこの補償の問題を、私たちは一年間ずっと取り組んできた、でも、何か最近になって、特に山尾さんなんか、何ですか、採決直前になって騒ぎ立てるというのは、まあいいや、余りそういうのはやめておきますが、大事だったら一年前から議論しましょうよ。私たちはしてきた。

 その中で、今、法制局長官から、消極的目的制約に該当する、これは整理すると普通はそうなるということですね。その中で、山尾さんたちは、何か一時的なものであるとか強制性とか、そういうことを今日議論されました。それはいいんです。私は、それらは今日議論されたので結構ですが、今申し上げた、規制の、制約の目的ですね、この目的が消極的ということであり、また、緊急事態宣言において飲食店を対象に休業要請等をするわけですから、これは一般性も大変怪しい。そういう中で、なぜそこの地域の飲食店の経済的自由を規制するのかということについては、相応のエビデンスがなければ、それは私は、憲法上合理化されない、そういうことをずっと議論してきました。

 エビデンスが十分じゃない中で、今申し上げたような形で今回の法律を施行すると、それはやはり特別の犠牲に該当して補償が必要だということになると思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。

西村国務大臣 憲法上の整理については、もし必要があればまた議論したいと思いますけれども、エビデンスのお話がございました。

 昨年夏は、八時までの時短を大阪で行いました。これは、テレワークも要請されて、かなり人出が減って、新規陽性者の数が一か月で半減する、非常に効果がありました。

 同様に、九時までの時短でありました関西圏、あるいは、首都圏は十時までの時短を十一月の末から十二月にかけて行いましたけれども、残念ながら、従ってもらう事業者が、年末はやはり飲食の機会が多いという稼ぎどきであってというのもあるでしょう、神奈川県の知事のお言葉をかりれば、二割程度しか応じてもらっていないということもございました。そうした中で感染が拡大をした。

 これは専門家の分析をいただいておりまして、昨年十二月以降のクラスターを分析しますと、医療福祉施設はかなり出ているんですけれども、それを除いたクラスターのうち約三分の一が、飲食の場である飲食店、あるいは家庭の、そういうホームパーティーみたいなものも入っておりますけれども、全体の三分の一ぐらいがこれを占め、全体でいいますと、五千六十一人のうち千六百六十四人が、これで感染が、クラスターとして感染拡大しているということでありますし、最近の例でいえば、成人式の後の飲食によって、幾つかの地域で、かなりの数が夜遅くまで飲食を行うことによって感染拡大している。

 こういったデータの分析、そして実際に対応している知事会の要請も踏まえ、今回、このような措置を講じさせていただいたわけでございます。

足立委員 同意しませんが、百歩譲って、今おっしゃったようなことを一旦受け止めるとしても、仮にそうだとしても、じゃ、感染症対策、感染対策、感染防止対策を万全に講じた上で感染者も出していない、そういう飲食店は、命令対象から、命令や過料の対象から除外する枠組みをつくるのが当然だと思うんですが、いかがですか。

西村国務大臣 ふだんは、飲食店のガイドラインを作り、まさにアクリル板、こういったものを設置をする、距離を取る、マスクをする、こういったことを奨励をしたり、あるいは換気を常にチェックをする、換気をよくする、こういったことで感染を抑えていただいている店もたくさんあると思います。

 しかしながら、一定程度感染が拡大して、まさに緊急事態宣言の対象となるような状況になってきた場合に、そうした正しい行動を取っている場合であっても、これはもう、感染を抑えるために一定の制約がかかってくる、こういう整理をしております。

 したがって、面的にこれは抑えていくために、そうしたお店も含めて、八時までの時短をお願いし、補償ではありませんが、応じていただけるような支援策を講じていくということでございます。

足立委員 法制局長官、私は、強制性、やはりこれは強いですよ、この規制は。その中で、今大臣がおっしゃったように、除外もしない。私は、やはりこれは、冒頭、消極的目的制約ということを、仮に整理すればということでおっしゃっていただいたことからすると、大臣もおっしゃっていた、法制局長官と相当議論したと。まさにこの議論は、大変な議論があると思うんです。あったと思うんです。

 長官、これは、そんな簡単に、明らかにそうだと、いや、足立が間違っている、西村大臣が合っていると、そんなクリアに言えることですか。議論はありますよね。悩ましいですよね。国賠の対象になって敗訴する可能性、政府はないですか。

近藤政府特別補佐人 今回の特措法における営業制限等につきましては、制定時にかなり議論をもちろんされておりまして、その時点において、これまでも西村大臣から何度も御答弁されておりますように、憲法二十九条三項の、公共のために特定の財産権についていわゆる特別の負担又は制約を課する場合に正当の補償を要するという旨を定めたものであって、今回の制約については、財産権に内在する社会的制約の場合には補償は不要で、やはり、それ以外の、特定の個人に特別の犠牲を加えた場合に補償が必要であるというふうに解されておりますので、それに当てはめて、前回、制定時も考えました。

 今回も、その議論を再度踏まえて、また、実態に、世の中にとってそれが本当にうまくフィットしているのか、あるいは、どういうふうにやると本当に効果があり、そこに感染の原因が起こっているのかというところもお聞きしまして、やはりいろいろ必要性がある、現実にもそういうところに因果関係があって、やはり感染防止のための起点になっている現実があるということもお聞きしまして、私ども、再度同じような整理でいけるというふうに思いました。

 ただ、過料を科するということで、特に今回、私の方からお願いをいたしましたのは、これまでの措置の、都道府県知事が行われる前に、特に専門家の方の意見を再度聞くようにということを法律で義務づけていただきまして、より科学的知見で、不用意に広がらないように、本当に疫学的な見地からここはどうしてもやらなきゃいけないというところにある程度絞っていただくというところで、より過料との見合いで、厳重、慎重な発令というものをお願いするように今回の条文ではなっております。

足立委員 法案には賛成をしますが、今の御答弁、異論があります。是非、これはもう法律は仕上がるわけでありますが、予算委員会等を通じて引き続き議論をしていくことをお誓いして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

木原委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

木原委員長 この際、本案に対し、松本剛明君外三名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主党・無所属、公明党、日本維新の会・無所属の会の共同提案による修正案が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。今井雅人君。

    ―――――――――――――

 新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案に対する修正案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

今井委員 ただいま議題となりました新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 本修正案は、政府提出の原案における入院の措置等に係る罰則及び積極的疫学調査に係る罰則並びに緊急事態宣言及び蔓延防止等重点措置の際の命令に違反した場合の罰則の見直し等を求める御意見を踏まえ、また、迅速な対応が求められている現下の状況にも鑑みつつ、与野党において真摯な修正協議を行い、国民的見地に立った迅速かつ柔軟な合意形成に基づいて、取りまとめたものであります。

 次に、本修正案の主な内容について御説明申し上げます。

 第一に、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の一部改正に関する修正事項であります。

 これに関しては、まず、入院の措置等により入院した者がその入院の期間中に逃げたとき又は入院の措置の対象者が正当な理由がなくその入院すべき期間の始期までに入院しなかったときの罰則について、政府提出の原案においては一年以下の懲役又は百万円以下の罰金の刑事罰とされていたものを、五十万円以下の過料といった行政罰に修正することとしております。

 次に、新型インフルエンザ等感染症の患者等が、都道府県知事又は厚生労働大臣が行う積極的疫学調査に対して正当な理由がなく応じなかったときの罰則についても、同じように、政府提出の原案においては五十万円以下の罰金の刑事罰とされていたものを、三十万円以下の過料といった行政罰に修正することといたしております。

 また、この行政罰である過料に前置きする手続として、新型インフルエンザ等感染症の患者等が積極的疫学調査に対して正当な理由がなく協力しない場合において、なお感染症の発生予防又は蔓延防止のため必要があると認めるときは、都道府県知事又は厚生労働大臣は、当該積極的疫学調査に応ずべき旨の命令を発することができる制度を設け、この命令に違反した場合に、初めて過料の対象となることとしております。また、この命令については、必要な最小限度のものでなければならないということを明記するとともに、書面による通知に関する規定を整備することとしております。このような規定を整備することによって、行政罰といえども、慎重かつ謙抑的な姿勢でもって対処するべきこととしているところであります。

 第二に、新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部改正に関する修正事項であります。

 これに関しては、緊急事態宣言時の特定都道府県知事による命令に違反した場合における過料の額を、政府提出の原案における五十万円以下から三十万円以下に引き下げるとともに、蔓延防止等重点措置時の都道府県知事による命令に違反した場合における過料の額についても、政府提出の原案における三十万円以下から二十万円以下に引き下げる修正をすることとしております。

 なお、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の一部改正については、感染症の発生予防又は蔓延防止のための措置の実施に対する必要な協力の要請対象として、医師等に加えて、医療機関を明記する修正もすることとしております。

 このほか、以上の修正に伴って生ずる条文整理等、所要の規定の整備を行うこととしております。

 以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

木原委員長 これにて修正案の趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

木原委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。

 討論の申出がありますので、順次これを許します。柚木道義君。

柚木委員 立憲民主党の柚木道義でございます。

 私は、立憲民主党・無所属を代表し、ただいま議題となりました修正案及び修正部分を除く原案に賛成の立場で討論いたします。

 ただし、以下申し上げる点を政府、与野党で全責任を共有して進められることが大前提です。

 確かに、野党提案で、法案から刑事罰は全て削除され、過料も全て減額されたことは評価し得ます。

 しかし、過料の感染拡大防止への科学的根拠、蔓延防止措置への国会関与など、なお課題は残り、また、昨年十二月二日提出の特措法野党改正案は、十分な補償で、罰則なしでも事業者協力は得られるとの考えに立ちます。

 そこで、提案です。

 まず、時短要請への補償は、緊急事態宣言地域、蔓延防止措置地域、各々一律補償ではなく、売上げ、従業員数、店舗規模や店舗数など事業者規模に応じた補償の実施で、あらゆる事業者が倒産することなく時短要請に応じられること。これで、従業員の雇用や暮らしを守るために時短要請を拒否してまで罰則対象となる事業者は、ほぼほぼなくせるはずでございます。

 また、蔓延防止等重点措置実施へは、国民の代表たる国会に実効性ある関与を持たせること。緊急事態宣言が出しづらいからと、私権制限や罰則を伴う蔓延防止措置が乱発されることがあってはなりません。

 そして、感染症法上の刑事罰が削除されたことは当然ですが、過料の科学的実効性、つまり立法事実は不十分と言わざるを得ません。子育て、介護、経済的理由などで入院が困難な場合などは、罰則となることを恐れて検査を避ける人が出て感染防止に逆行し得る点、違法行為への告発義務などが加わる保健所の業務負担増で、そうでなくとも遅れている入院調整が更に遅れるなどの懸念解消が不可欠です。

 こうした課題への対応を政府、与野党の連帯責任で完全かつ確実に実施せずして、この法案に魂を入れることはできません。

 菅首相の言う最終的には生活保護もあるとの認識ではなく、十分な補償や支援、そして、該当する場合は遅滞なく権利である生活保護が受けられる政治であるべきです。

 最後に、緊急事態宣言が仮に一か月延長されるなら、宣言地域以外でも、コロナの影響を受けている地域の事業者、医療機関、個人などへの補償、補填、支援の拡充も絶対不可欠でございます。

 どうか、全てのコロナ患者さんや御家族、御遺族、エッセンシャルワーカー、そして誰もがどんなに感染防止に注意していても感染し得るという現実に向き合い、寄り添い、ここで申し上げたことを政府、与野党挙げて全力で取り組んでいくことが大前提であることを強くお訴えをし、賛成討論といたします。

 ありがとうございました。

木原委員長 次に、宮本徹君。

宮本委員 私は、日本共産党を代表して、特措法等改正案に反対の討論を行います。

 緊急事態宣言で飲食店の営業時間短縮をお願いしているさなか、与党自民党の議員の皆さんが夜遅く銀座のクラブに通っていたことが次々明らかになっております。政府・与党に国民を罰する法律を提案する資格はないと言わなければなりません。

 さて、法案では、野党の結束で刑事罰を外すことができましたが、行政罰は残りました。短い審議の中でも罰則導入の問題点が浮き彫りになっております。

 参考人質疑で、私の質問に橋本英樹参考人は、罰則があることで水面下に潜ってしまう行動を誘発してしまうかもしれないと指摘されました。田村大臣も、感染制御が困難になる可能性を否定できませんでした。橋本参考人は、さらに、保健所には過料事件通知書の書面を作成し裁判所へ通告する業務が追加となるため、現状のコロナの膨大な量の中で、今の保健所では業務的にもたないと告発されました。そして、感染症法に関して、罰則は一切踏みとどまるべきだと強調しております。また、舘田参考人は、入院や積極的疫学調査について、お願いベースで進めていくのがいいと答えました。差別や偏見が、罰則がリンクすることで増長されるような仕組みにならないような配慮の必要性も述べました。

 罰則導入は、感染拡大防止に逆行し、新たな困難をもたらすという公衆衛生の専門家、保健所の現場からの警告を無視してはなりません。保健所職員が住民との信頼関係を基盤に推進してきた対策を無にしてはなりません。偏見と差別を助長するおそれがある罰則の導入は撤回すべきであります。

 新型コロナ感染症の拡大を抑え込むために必要なことは、罰則ではなく正当な補償を明確にする法改正を行うことです。そして、何よりも差別と偏見をなくしていくことであります。

 事業者が安心して要請に応じられるよう、事業規模に応じた補償を行うべきであります。

 また、自営業の方が仕事のために入院を拒否したというケースも報道されております。新型コロナ患者の入院や治療は原則無料ですが、患者さんや濃厚接触者の休業補償は原則ありません。四日目から支給される傷病手当も、国民健康保険の個人事業主やフリーランスにはありません。濃厚接触者には何もありません。収入が断たれ、不安定な雇用なら、仕事を休むことで職を失う可能性もあります。

 感染拡大防止のためにも、感染者や濃厚接触者への所得保障、ケアが必要な家族が取り残される場合への支援こそ、やるべきであります。

 感染拡大防止のためにやるべきは罰則ではなく補償であることを重ねて指摘して、討論を終わります。

木原委員長 次に、足立康史君。

足立委員 日本維新の会の足立康史です。

 私は、会派を代表して、新型インフル等特措法等改正案の修正案及び修正部分を除く原案に賛成の討論をいたします。

 私たち日本維新の会は、昨年の一月二十三日に、数ある政党の中で真っ先に党対策本部を立ち上げ、私自身が事務局長として、新型インフル特措法の速やかな改正を求める緊急提言を取りまとめました。

 それからちょうど一年。遅きに失したとはいえ、政府・与党が、民主党政権時代にできた出来の悪い新型インフル特措法の大改正に取り組まれたことは評価をしています。

 第一に、我が党が、知事の権限を強化する観点から、緊急事態宣言の発令要件の見直しを求めるとともに、それがかなわない場合には緊急事態宣言の発令前から知事に必要な権限を付与すべきと訴えてきたところ、そうした私たちの提言を受けて蔓延防止等重点措置が創設されました。

 第二に、特措法十六条の二に医療機関を追加することによって、現行法に規定する医療関係者に医療機関が含まれることを法律レベルで明確にしました。

 これら知事の権限を強化、明確化するための我が党の提言を取り入れることを早々に決定したことは、政府の見識であると評価をし、本改正法案に賛成をいたします。

 他方、日本維新の会が当初からその必要性を訴えてきた、知事の休業要請等に応じた飲食店等事業者の経済的損失に係る補償的な措置については、新型インフル特措法に新型コロナを追加した際の政府・与党と日本維新の会との歴史的合意が、維新の手柄になるような合意は認めないとする立憲民主党の政局的企てによって幻に終わるなど、残念な結果に終わりました。

 いわゆる受忍論を取る政府・与党の姿勢とも相まって、自民党と立憲民主党との、与野党協議じゃなくて二党協議において、最も大事な補償の議論が回避され、事業者への支援とともに、罰則規定までもがバナナのたたき売りのようになってしまったことは大変遺憾であります。

 有事に国民が受ける損失、損害、被害に係る補償の問題は大変に難しいテーマでありますが、私たち日本維新の会は、公約にも明記しているとおり、政権を掌握すれば、最初にこの補償の問題に正面から取り組むこと、次なる有事への対応と準備に万全を期すること、そして第三波の終息に全力を挙げることをお誓いし、賛成討論といたします。

 ありがとうございました。

木原委員長 次に、岸本周平君。

岸本委員 国民民主党・無所属クラブの岸本周平です。

 会派を代表して、新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案につきまして、修正案及び修正部分を除く原案に対しまして、反対の立場で討論をいたします。

 本修正案につきましては、与野党合意で一定程度前進したものとして評価できる点もありますが、以下に掲げる理由から、法案には反対であります。

 まず、特措法改正案の最大の課題は、時短要請等を受けた飲食店等が事業規模や従業員数に応じた十分な支援を受けられるかでありましたが、結局、法律に明確な規定は設けられず、附帯決議でも大臣答弁でも、事業規模等に応じた十分な支援は何ら担保されませんでした。

 また、新設される蔓延防止等重点措置の国会報告は、法律上、何らの規定がありません。附帯決議でも大臣答弁でも、現在の緊急事態宣言に求められている事前の国会報告が担保されませんでした。罰則が導入されるにもかかわらず、民主的統制の観点から大きな問題であります。

 加えて、緊急事態措置の前に蔓延防止等重点措置というグレーゾーンを新設し、平時と有事の差を曖昧にしてしまったことで、緊急事態宣言を発令する効果がかえって減少し、実効性がむしろ低下することに懸念が残ります。

 最後に、罰則を新たに導入するなど、私権制限を伴う規定を新たに創設する大変重要な法改正にもかかわらず、衆議院における審議が実質一日というのは、国会審議の在り方として全く不十分であり、プロセスの観点からも問題であります。

 私たち国民民主党が特措法等の改正を求めたのは、何より十分な補償と罰則をセットで導入し、感染拡大防止の実効性を高めるためでした。しかし、十分な補償が担保されず、また、平時と有事の差を曖昧にしたことで緊急事態措置の効果も薄れる可能性があります。

 この改正では感染を抑え込めるかどうか誠に疑問であり、修正案及び修正部分を除く原案には反対いたします。

木原委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

木原委員長 これより採決に入ります。

 内閣提出、新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。

 まず、松本剛明君外三名提出の修正案について採決いたします。

 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

木原委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。

 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。

 これに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

木原委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

木原委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、平将明君外三名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主党・無所属、公明党、国民民主党・無所属クラブの共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。後藤祐一君。

後藤(祐)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明いたします。

 案文の朗読により趣旨の説明に代えさせていただきます。

    新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たっては、次の事項に留意し、その運用等について遺漏なきを期すべきである。

 一 まん延防止等重点措置を公示する際に満たすべき要件について、新型コロナウイルス感染症対策分科会が提言したステージ1から4、六つの指標及び目安との関係などを含め、あらかじめ客観的な基準を示すこと。

 二 まん延防止等重点措置の公示については、あらかじめ学識経験者の意見を聴いた上で行うこととし、国会へその旨及び必要な事項について速やかに報告すること。また、まん延防止等重点措置の公示期間の延長、区域変更、又は解除についても同様とすること。

 三 まん延防止等重点措置の公示又は緊急事態宣言(以下「緊急事態宣言等」という。)について、都道府県知事からの要請を受けた場合は、当該要請を最大限尊重し、速やかに検討するとともに、要請に応じない場合は、当該要請を行った都道府県知事に対し、その旨及びその理由を示すこと。また、緊急事態宣言等の延長、区域変更、又は解除についても同様とすること。

 四 まん延防止等重点措置の実施に当たっては、緊急事態措置以上に、国民の自由と権利の制限は必要最小限のものとすること。また、「まん延を防止するために必要な措置」とは、主として営業時間の変更及びみだりに出入りしないことの要請であり、営業時間の変更を超えた休業要請、イベントなどによる施設の使用停止、新型インフルエンザ等対策特別措置法(以下「特措法」という。)第四十五条第一項と同様の全面的な外出自粛要請等を含めないこと。

 五 まん延防止等重点措置においては、国民の自由と権利の制限は必要最小限とすることについて、緊急事態措置における場合より一層配慮すること。また、適用できない「正当な理由」が認められる場合を、具体的なケースを含めガイドラインで明確に示すこと。

 六 緊急事態措置における命令及び過料を適用できない「正当な理由」が認められる場合を、具体的なケースを含めガイドラインで明確に示すこと。

 七 まん延防止等重点措置又は緊急事態措置(以下「緊急事態措置等」という。)に係る要請・命令の公表は、感染拡大防止の観点から逆効果になったり、誹謗中傷行為等が起きたりしないよう、その影響に配慮すること。

 八 緊急事態措置等に係る立入検査の実施に当たっては、原則として立入先の同意を得て行うこととし、同意が得られない場合も物理力の行使等は行わないこと。

 九 罰則・過料の適用に当たっては、国民の自由と権利が不当に侵害されることのないよう、慎重に運用すること。さらに、不服申立てその他救済の権利を保障すること。

 十 入院拒否等に対する過料の適用については、現場で円滑に運用がなされるよう、その手順などを分かりやすく示すとともに、適用についての具体例など、適用の適否の判断材料をできる限り明確に示すこと。また、宿泊施設や居宅の場合も含め、本人、その子供や高齢者などの生活維持に配慮するとともに、必要な対応を行うこと。

 十一 積極的疫学調査の拒否等に対する過料の適用については、PCR等の検査拒否につながるおそれや保健所の対応能力も踏まえ、慎重に行うこととし、現場で円滑に運用がなされるよう、その手順などを分かりやすく示すとともに、適用についての具体例など、適用の適否の判断材料をできる限り明確に示すこと。

 十二 国及び地方自治体は、かつてハンセン病や後天性免疫不全症候群等の患者等に対するいわれなき差別や偏見が存在したことを重く受け止め、国民は何人に対しても不当な差別的取扱い等を行ってはならないことを明確にし、悪質な差別的取扱い等を行った者には法的責任が問われ得ること等も含めて周知するとともに、不当な差別的取扱い等を受けた者に対する相談支援体制の整備など、万全の措置を講ずること。

 十三 特措法第六十三条の二に基づく「必要な財政上の措置その他の必要な措置」は、同法第二十四条第九項、まん延防止等重点措置及び緊急事態措置に係る要請に応じた事業者に対しては、行うものとすること。また、これらの要請に伴う支援については、要請に応じたこと、要請による経営への影響の度合い等を勘案し、公平性の観点や円滑な執行等が行われることに配慮し、要請に十分な理解を得られるようにするため、必要な支援となるよう努めること。

 十四 新型コロナウイルス感染症の感染拡大により所得が減少している国民及び協力事業者以外も含めた事業者に対し、生活及び事業継続等が可能となるよう万全の財政・金融政策を講ずること。

 十五 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う自殺が増加していることから、地方自治体と連携し、自殺の原因となり得る事由に対応した効果的な対策を講ずること。

 十六 国及び都道府県は、感染者のための病床等を確保するため、地方自治体及び医療機関等との連携や協力に応じる医療機関への費用、収入等経営状況を踏まえた財政的な支援など必要な措置を講ずること。また、都道府県知事が感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律並びに特措法第二十四条及び第三十一条に基づき必要な要請等を行えるものと解釈すること。さらに、正当な理由がなく勧告に従わない場合の医療関係者等の公表は、医療機関等の事情も考慮し、慎重に行うこと。

 十七 国、都道府県、保健所設置市等の間の情報連携の強化に当たっては、患者等のプライバシーが侵害されることのないよう、個人情報の利用及び関係者による閲覧を必要最小限とすること。また、新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER―SYS)の入力作業の効率化に向けたシステム更改等、負担軽減のための措置を講ずること。

 十八 医療機関、介護施設、障害者支援施設等の職員等に対する検査を徹底するとともに、エッセンシャルワーカーを含め社会経済活動のための検査が受けやすくなるよう、検査体制の強化に努めるとともに環境整備を進めること。

 十九 約二週間ごとに変異する新型コロナウイルスに対して、現在流行している変異株を把握し対処するため、ゲノム分子疫学調査(全ゲノムシークエンス)の実施頻度を高め、速やかに公表すること。また、我が国における対策に大きな影響を及ぼし得る新型コロナウイルスの変異株の更なる市中感染拡大を防止するため、遺伝子解析等を実施する検体数の増加、変異株を特定できる技術の確立と普及の促進等、変異株の感染拡大防止に万全を期すこと。さらに、検疫官増員、検査機器充実等の体制強化、感染防止対策が施された移動手段の拡充の支援等水際対策を徹底すること。

 二十 感染症研究に係る国の機関の人員及び予算の十分な確保を含め、その体制を強化すること。また、地方衛生研究所については、新型コロナウイルス感染症対策における位置付けを明確化し、国立感染症研究所及び保健所との連携を強化すること。

 二十一 新型コロナウイルスに係るワクチン接種を迅速かつ円滑に実施できるよう、副反応情報、審議会の議事録の速やかな公表など安全性及び有効性その他の接種の判断に必要な情報を徹底して公表するとともに、住民票の住所地以外に住む者(例えば、単身赴任者や学生等)が当該地域でもワクチン接種ができるようにすること。また、地方自治体の接種体制整備に対し人材や財政措置を含む国による最大限の支援を行うこと。

 二十二 まん延防止等重点措置が設けられること等により、地方自治体においても行動計画の見直し等の対応が必要となることから、特措法の運用指針等を速やかに定め、公表するとともに、運用・解釈に関する地方自治体からの質問に対して迅速かつ誠実に回答すること。

 二十三 国及び都道府県は、これまでの検査、保健所、医療提供体制の問題点を検証の上、今後の計画的な整備を図ること。

 二十四 新型インフルエンザ等の感染拡大に伴う諸課題の共有・解決に向け、与野党に対して必要な情報提供を適時、適切に行うとともに、与野党の意見を尊重して感染症対策の実施に当たること。

 二十五 新型インフルエンザ等の感染拡大により緊急事態宣言等の決定に至り得る場合においては、会議録等の経過記録及び科学的根拠となるデータの保存に万全を期し、国民への説明責任を果たすとともに、海外の関係機関との情報共有を行い、今後の感染症対策のために活用できるようにすること。

 二十六 令和二年五月の緊急事態解除宣言の時期の妥当性など、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に関する政府のこれまでの対応について、今後の政府の対応に活用するために、第三者的立場から、客観的、科学的に検証し、その結果を公表すること。

 二十七 今次法改正の実施状況を検証するとともに、前項の検証結果も合わせ、法制度面も含め必要な見直しを行うこと。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

木原委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

木原委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。西村国務大臣。

西村国務大臣 ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重してまいりたいと存じます。

    ―――――――――――――

木原委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

木原委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時五十分散会


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