第3号 令和3年2月17日(水曜日)
令和三年二月十七日(水曜日)午後零時十七分開議
出席委員
委員長 木原 誠二君
理事 平 将明君 理事 冨岡 勉君
理事 中山 展宏君 理事 藤原 崇君
理事 松本 剛明君 理事 今井 雅人君
理事 後藤 祐一君 理事 濱村 進君
安藤 裕君 池田 佳隆君
岡下 昌平君 金子 俊平君
神田 憲次君 小寺 裕雄君
杉田 水脈君 高木 啓君
永岡 桂子君 長尾 敬君
西田 昭二君 本田 太郎君
牧島かれん君 牧原 秀樹君
松本 洋平君 宮崎 政久君
吉川 赳君 和田 義明君
阿部 知子君 大河原雅子君
大西 健介君 玄葉光一郎君
森田 俊和君 森山 浩行君
柚木 道義君 吉田 統彦君
江田 康幸君 古屋 範子君
塩川 鉄也君 足立 康史君
岸本 周平君
…………………………………
国務大臣
(内閣官房長官)
(沖縄基地負担軽減担当) 加藤 勝信君
国務大臣
(国家公安委員会委員長)
(領土問題担当)
(防災担当)
(海洋政策担当) 小此木八郎君
国務大臣
(行政改革担当)
(国家公務員制度担当)
(規制改革担当) 河野 太郎君
国務大臣
(一億総活躍担当)
(少子化対策担当) 坂本 哲志君
国務大臣
(経済再生担当)
(全世代型社会保障改革担当)
(経済財政政策担当) 西村 康稔君
国務大臣
(デジタル改革担当)
(マイナンバー制度担当) 平井 卓也君
国務大臣
(女性活躍担当)
(男女共同参画担当) 橋本 聖子君
国務大臣
(国際博覧会担当)
(消費者及び食品安全担当)
(クールジャパン戦略担当)
(科学技術政策担当) 井上 信治君
内閣官房副長官 坂井 学君
内閣官房副長官 岡田 直樹君
内閣府副大臣 赤澤 亮正君
内閣府副大臣 藤井比早之君
内閣府副大臣 三ッ林裕巳君
内閣府副大臣 山本 博司君
内閣府副大臣 長坂 康正君
内閣府大臣政務官 岡下 昌平君
内閣府大臣政務官 和田 義明君
内閣府大臣政務官 吉川 赳君
内閣府大臣政務官 宗清 皇一君
内閣委員会専門員 近藤 博人君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
内閣の重要政策に関する件
公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件
栄典及び公式制度に関する件
男女共同参画社会の形成の促進に関する件
国民生活の安定及び向上に関する件
警察に関する件
――――◇―――――
○木原委員長 これより会議を開きます。
内閣の重要政策に関する件、公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。
加藤内閣官房長官、沖縄基地負担軽減担当大臣から、所信及び令和三年度における皇室費、内閣及び内閣府関係予算について説明を聴取いたします。加藤国務大臣。
○加藤国務大臣 内閣官房及び内閣府の事務を担当する国務大臣として、所信の一端を申し述べます。
現在、我が国は、新型コロナウイルス感染症を始め、多くの課題に直面しております。菅内閣におきましては、まずは、我が国でも深刻な状況にある新型コロナウイルス感染症の拡大を一日も早く収束させ、皆さんが安心して暮らせる日常、そして、にぎわいのある街角を取り戻すため、全力を尽くしてまいります。
菅内閣は、一人一人が力を最大限発揮し、互いに支え、助け合える、安心と希望に満ちた社会を実現します。引き続き、国民のために働く内閣として、全力で取り組んでまいります。
内閣官房及び内閣府は、内閣の重要政策に関する企画立案及び総合調整を図る役割を担っており、私は、内閣官房及び内閣府がその機能を十全に発揮するよう全力を尽くす決意であります。
まず、内閣官房におきましては、大規模自然災害を始め、北朝鮮による弾道ミサイルの発射等我が国領域内外における各種の緊急事態、重大事故、テロ及びサイバー攻撃への危機管理対応、外交・安全保障政策の機動的、戦略的な遂行、複雑多様化する国際情勢や依然として厳しい国際テロ情勢に対応するための情報収集・集約・分析機能の強化、情報保全の更なる徹底、未来志向のアイヌ政策の推進等に取り組んでまいります。
安定的な皇位の継承などに関する課題については、衆参両院の委員会で可決された附帯決議の趣旨を尊重し、対応してまいります。
また、沖縄の基地負担軽減は、政府の大きな責任であり、担当大臣として、沖縄の方々の気持ちに寄り添いながら、目に見える形で負担の軽減が図れるよう、全力で取り組みます。中でも、世界で最も危険と言われる普天間飛行場が固定化され、危険なまま置き去りにされることは絶対に避けなければならず、そのためにも、辺野古移設の工事を着実に進めてまいります。
さらに、それぞれの担当大臣が担うワクチン接種の円滑な推進を始めとする新型コロナウイルス感染症対策、グリーン成長戦略やデジタル改革などの現下の重要政策課題に各大臣と緊密な連携を図りつつ取り組んでまいります。
あわせて、菅内閣が取り組む重要課題について、国民の皆様や国際社会に向けてしっかりと情報発信をしてまいります。
次に、内閣府におきましては、広範な重要政策に関し、経済財政諮問会議などを活用して英知を集め、総合的、戦略的な企画立案を行い、各般の施策を的確に推進するとともに、私の直接の担当分野である国際平和協力業務、政府広報、栄典行政などについても適切に推進してまいります。
なお、今後御審議をお願いすることを予定しております法案は、いずれも現下の重要政策課題を実現、推進するために必要なものであります。その内容につきましては逐次御説明をしてまいりますが、よろしく御審議のほどお願いを申し上げます。
木原委員長を始め理事、委員各位の御理解と御協力をお願いいたします。
引き続きまして、令和三年度における皇室費、内閣、内閣府及びデジタル庁関係予算について、その概要を御説明申し上げます。
皇室費の令和三年度における歳出予算要求額は、内廷費、宮廷費及び皇族費を合わせて百二十四億二千百万円を計上しております。
次に、内閣所管の令和三年度における歳出予算要求額のうち、内閣官房に係るものとして、内閣の重要政策に関する総合調整等のための経費三千六百九十六億八千五百万円、内閣法制局に係るものとして、法令審査等のための経費十一億九千六百万円、人事院に係るものとして、人事行政等のための経費九十二億一千七百万円を計上しております。
次に、内閣府所管の令和三年度における歳出予算要求額のうち、内閣府本府に係るものとして、各般の施策における総合的、戦略的な企画立案及び施策の的確な推進のための経費四兆三千三百二十五億二千九百万円、宮内庁に係るものとして、その人件費、事務処理のための経費百二十五億八千九百万円、個人情報保護委員会に係るものとして、個人情報の保護及び利活用の推進等を図るための経費四十億一千万円、カジノ管理委員会に係るものとして、カジノ施設の設置及び運営に関する秩序の維持及び安全の確保を図るための経費四十一億五千万円、消費者庁に係るものとして、消費者の安全、安心の確保、地方消費者行政の推進等を図るための経費百十八億六千八百万円を計上しております。
次に、今国会に提出を予定しておりますデジタル庁設置法案が御審議の上成立した際に必要となるデジタル庁所管の令和三年度における歳出予算要求額として、デジタル社会の実現に向けた施策を推進するための経費三百六十八億七百万円を計上しております。
以上をもって、令和三年度の皇室費、内閣、内閣府及びデジタル庁関係予算の概要の説明を終わらせていただきます。
よろしくお願いいたします。
○木原委員長 次に、河野行政改革担当大臣、国家公務員制度担当大臣、内閣府特命担当大臣から所信を聴取いたします。河野国務大臣。
○河野国務大臣 規制改革を担当する内閣府特命担当大臣、行政改革担当大臣、国家公務員制度担当大臣として、所信の一端を申し述べます。
規制改革は、国民からの期待が大きい分野です。行政の縦割りや前例主義を打破して、既得権益にとらわれずに、できるものから進めてまいります。書面、押印、対面主義の見直しなど、デジタル化への対応を始めとした改革にこれまで以上にスピード感を持って大胆に取り組みます。
行政改革は、政策効果を向上させ、政府に対する国民の信頼を得るために重要な取組であり、行政事業レビューやEBPMの推進等に引き続き取り組んでまいります。
国家公務員については、新型コロナウイルス感染症対策に万全を期し、必要な行政機能を維持することを前提としつつ、在宅勤務や時差出勤等を促進してまいります。
また、国民が必要とする行政サービスを持続的に提供していくため、優秀な人材を確保できるよう、霞が関の長時間労働を是正し、職員がやりがいを持って仕事に取り組むことができる働き方を実現します。さらに、職員の残業した時間を確実に把握し、これに応じた超過勤務手当が全て支払われるようにするとともに、効果的、効率的な体制づくりを進めてまいります。立法府におかれましても、政府の働き方改革に御理解を賜りますようお願い申し上げます。
PPP及びPFIについては、国民の側に立った活用の促進に向け、具体的な案件形成の支援や制度面からの検討を行ってまいります。
また、特定秘密の保護に関する制度を適切に運用してまいります。
新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を円滑に推進するため、行政各部の所管する事務の調整を担当いたします。
木原委員長を始め理事、委員各位の御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。
○木原委員長 次に、西村経済再生担当大臣、全世代型社会保障改革担当大臣、内閣府特命担当大臣から所信を聴取いたします。西村国務大臣。
○西村国務大臣 経済再生担当大臣、全世代型社会保障改革担当大臣、経済財政政策を担当する内閣府特命担当大臣、新型コロナウイルス感染症対策推進に関する事務を担当する国務大臣として、所信の一端を申し述べます。
我が国経済は、感染症の影響により、大変厳しい状況にあります。昨年十―十二月期のGDP成長率は実質で前期比プラス三・〇%と、二期連続のプラスとなるなど、日本経済の潜在的な回復力を感じさせる内容となっていますが、経済は依然としてコロナ前の水準を下回っており、回復は道半ばです。
足下では、緊急事態宣言を発出している影響も含め、感染拡大による経済の下振れリスクの高まりには十分な注意が必要です。感染リスクの高い場面に効果的な対策を徹底し、テレワークや不要不急の外出自粛等の御協力をお願いするとともに、予備費を活用したモニタリング検査に取り組み、変異株への対応にも万全を期し、何としても感染拡大を抑えることを最優先に対応します。厳しい影響を受ける方々には、協力金や一時金の支給等を行うとともに、実質無利子無担保融資を始めとする資金繰り支援や雇用調整助成金の特例措置など、万全の支援策を講じます。今後とも、感染状況や経済的な影響を注視しながら、今年度残額二・七兆円の予備費の活用も含め、機動的に必要な対策を講じてまいります。
今国会において、新型インフルエンザ等対策特別措置法等の改正案が成立いたしました。早期の審議、採決に御協力をいただき、御礼申し上げます。本改正に沿って、今後とも、地方自治体と連携して、実効性の高い対策を行うとともに、対策に係る要請に応じていただく事業者に対して必要な支援となるよう、努めてまいります。
その上で、国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策と、その裏づけとなる今年度第三次補正予算、来年度当初予算を一体とした経済財政運営を行います。これらにより、来年度の成長率は実質四・〇%、GDPは来年度中にはコロナ前の水準を回復することを見込んでおり、その実現に向けて全力で取り組みます。
また、経済再生なくして財政健全化なしとの基本方針の下、着実に民需主導の成長軌道に戻していくとともに、政策効果の高い歳出への転換を徹底し、財政健全化につなげてまいります。
コロナ危機は大変厳しい試練ではありますが、その一方で、テレワークの浸透や地方移住への関心など、未来に向けた芽も出始めております。こうした動きを後戻りさせず、新しい成長につなげてまいります。
一つは、デジタルニューディールです。デジタルガバメント、通信網の高度化等のインフラ整備を進め、デジタル化を通じた企業の経営革新を促してまいります。
二つ目は、グリーンニューディールです。二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向け、グリーン成長戦略が策定されました。民間投資やイノベーションに向けた取組を後押ししてまいります。
三つ目が、人への投資、ヒューマンニューディールです。少人数学級とICT活用による個別最適な学び、キャリアアップ支援やリカレント教育の強化、テレワークや副業、兼業、フリーランス等の働き方の環境整備を進め、多様な人材の能力、発想が発揮される社会を目指してまいります。
成長戦略会議で取りまとめた実行計画において、ポストコロナ時代も見据えた主要改革の基本的方向性を具体化しました。今国会において、産業競争力強化法の改正など所要の法案を提出するとともに、最終取りまとめに向けて、成長戦略の検討を更に進めてまいります。
TPP11については、引き続き署名国による協定の早期締結を促すとともに、その着実な実施、拡大に取り組んでまいります。加入要請を通報した英国については、協定のハイスタンダードを満たせるか見極めつつ、加入手続に従って、まずは交渉開始までのプロセスを円滑に進められるよう議長国として取り組みます。
今回のコロナ危機では、弱い立場にある方々が大変厳しい状況に直面しています。生活困窮者や一人親世帯への支援など、誰一人として取り残されない包摂的な社会の構築に取り組んでまいります。就職氷河期世代の方々についても、きめ細かな支援を行います。
その上で、生産性向上に向けた支援、雇用、賃上げを促進する税制措置等を通じ、賃上げのモメンタムが維持できる環境整備に取り組んでまいります。
全世代型社会保障改革については、昨年末の閣議決定に沿って、少子化対策の抜本的強化と高齢者医療について負担の仕組みの見直しに取り組むため、今国会で所要の法案が提出されたところであり、引き続き、改革を前に進めてまいります。
木原委員長を始め理事、委員各位の御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。
○木原委員長 次に、橋本女性活躍担当大臣、内閣府特命担当大臣から所信を聴取いたします。橋本国務大臣。
○橋本国務大臣 女性活躍担当大臣、サイバーセキュリティ戦略本部に関する事務を担当する国務大臣、また、男女共同参画を担当する内閣府特命担当大臣として、所信の一端を申し述べます。
東京大会におけるサイバーセキュリティーの確保については、運営に大きな影響を及ぼし得る事業者等を対象としたリスク評価の促進や、脅威、事案情報共有等のための対処体制の整備等に取り組んでまいります。
サイバーセキュリティ協議会の充実強化やクラウドサービスのセキュリティー評価制度の整備を始め、サイバーセキュリティ戦略に係る施策を確実に実施するよう、関係大臣と連携してまいります。
本年中に、今後三年間の諸施策の目標と実施方針を示す次期戦略を策定します。デジタル庁創設を始め、デジタル社会形成への改革とサイバーセキュリティー対策は、一体的な推進が極めて重要との認識の下、関係大臣と緊密に連携し、検討を進めてまいります。
女性は我が国の人口の約五一%、有権者の約五二%を占めています。政治、経済、社会などあらゆる分野において、政策、方針決定過程に男女共に参画し、女性の活躍が進むことは、我が国の経済社会の持続的発展を確保するとともに、あらゆる人が暮らしやすい社会の実現につながります。
近年、様々な取組を進めてきた結果、我が国の女性活躍は一定の前進が見られました。しかしながら、我が国のジェンダーギャップ指数の総合順位は百五十三か国中百二十一位と、大変残念な状況になっております。グローバル化が進む中、男女共同参画の取組は、世界的な人材獲得や投資をめぐる競争を通じて、日本経済の成長力にも関わる問題です。
今後の新型コロナウイルス感染症拡大の影響は、女性に特に強く表れています。DVや性暴力の増加、深刻化の懸念や、女性の雇用、所得への影響等は、男女共同参画の重要性を改めて示すものです。
昨年末に第五次男女共同参画基本計画を策定いたしました。計画の策定に当たっては、これからの社会を生きる若い世代を始め、多くの方々からいただいた声を可能な限り反映しました。女性が直面する課題を一つ一つ解決していくことは、全ての女性が輝く令和の社会の実現のために不可欠です。新型コロナの感染拡大による女性の雇用や生活への影響等にしっかりと対処するとともに、あらゆる分野における女性の参画拡大、女性に対する暴力の根絶、男女共同参画の裾野を広げる地域における取組、固定的な性別役割分担意識の解消に向けた取組など、新たな計画を着実に実行してまいります。
特に、女性に対する暴力は、被害者の心身に重大な影響を及ぼす深刻な問題であり、相談件数も増加する中で、この対応は喫緊の課題だと考えております。DVについては、相談支援体制の拡充や民間シェルター支援など、対策の更なる強化を図ります。性犯罪、性暴力については、令和四年度までを集中強化期間として、ワンストップ支援センターの充実、相談体制の整備などの被害者支援、教育、啓発の強化等を進めてまいります。
木原委員長を始め理事、委員各位の御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
○木原委員長 次に、平井デジタル改革担当大臣、内閣府特命担当大臣から所信を聴取いたします。平井国務大臣。
○平井国務大臣 デジタル改革担当大臣、また、マイナンバー制度を担当する内閣府特命担当大臣として、所信の一端を申し述べます。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により社会が変容する中、デジタル化について様々な課題が明らかになりました。これまでに学んだ教訓を踏まえ、我が国のデジタル化への遅れを抜本的に解決するため、全力を挙げてデジタル改革を進めてまいります。
国民が当たり前に望んでいるサービスを実現し、誰もがデジタル化の利便性を実感できる、誰一人取り残さない、人に優しいデジタル社会を実現するため、昨年末に、デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針を閣議決定しました。この基本方針に基づき、デジタル社会の形成による我が国経済の持続的かつ健全な発展と国民の幸福な生活の実現等を目的とするデジタル社会形成基本法案、新たな基本法が描く社会を実現するために強力な総合調整機能を有し、デジタル社会の形成に関する司令塔となるデジタル庁を設置するための法律案を今国会に提出いたしました。
さらに、デジタル社会の形成に関する施策を実現するため、個人情報保護制度の一元化やマイナンバーの情報連携の促進などを図るための関係法律を整備する法律案、緊急時の給付や様々な公金の給付等における手続の簡素化、迅速化を可能とする法律案、本人の同意を前提に、一度に複数の預貯金口座にマイナンバーを付番できる仕組み等を設け、相続時や災害時において預貯金口座の所在確認を円滑に行うことを可能とする法律案についても今国会に提出いたしました。これらの早期成立に向けて努力してまいります。
また、徹底した利用者目線に立ちながら、規制改革担当大臣や関係大臣と連携し、医療や教育分野などでデジタルを前提とした制度改革を進め、国民のためのデジタル改革を進めてまいります。
国民本位の行政のデジタル化を阻んできた最大の原因は、国や地方の情報システムが個々に整備され、十分な連携が図れていなかったことであることを踏まえ、全ての政府情報システムに対するプロジェクト管理や地方自治体の業務システムの統一、標準化を強力に進めていくとともに、行政のデジタル化を徹底するため、昨年末に閣議決定したデジタル・ガバメント実行計画に基づき、各施策の実現を加速します。
官民のデータ基盤を整備していく観点から、昨年末に策定したデータ戦略に基づく、いわゆるベースレジストリーの整備などに取り組み、官民のデータの利活用を促進します。
デジタル社会にとって不可欠な基盤となるマイナンバー制度については、情報連携の円滑な運用と拡充を図るとともに、引き続き関係府省と連携し、デジタル化の鍵であるマイナンバーカードを含めた制度の普及、利活用の促進や、マイナポータルを活用した各種手続のワンストップ化、利用者の使い勝手や満足度の抜本的な改善、最大化などに取り組んでまいります。
木原委員長を始め理事、委員各位の御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
○木原委員長 次に、小此木国家公安委員会委員長、領土問題担当大臣、内閣府特命担当大臣から、所信及び令和三年度警察庁予算について説明を聴取いたします。小此木国務大臣。
○小此木国務大臣 小此木でございます。
国家公安委員会委員長、領土問題担当大臣、海洋政策を担当する大臣及びカジノ管理委員会に関する事務を担当する大臣として、所信の一端を申し述べます。
初めに、新型コロナウイルス感染症については、感染拡大の防止のために政府を挙げて取り組んでいるところですが、最前線で働いている方々に感謝しつつ、私としても引き続き最大限力を尽くしてまいります。
また、行政のデジタル化に向け、政府を挙げて取り組んでいるところですが、私としても、マイナンバーカードを活用した運転免許証のデジタル化など、所管の事項について強力に取組を進めてまいります。
良好な治安を確保することは、政府の重要な責務です。日本を世界一安全な国にするため、以下の諸施策を強力に推進します。
第一に、我が国に対するテロの脅威が継続している中、東京オリンピック・パラリンピックの安全かつ円滑な開催等に向け、情報収集・分析、水際対策、警戒警備、交通対策などの諸対策に万全を期します。また、北朝鮮による拉致容疑事案等の捜査、調査に全力で取り組みます。さらに、経済安全保障の確保に向けた取組を推進します。
あわせて、本年三月で東日本大震災の発災から十年の節目を迎えます。先週末の晩遅くに震度六強を観測いたしました。東日本大震災の余震と思われるものですが、その対応にも今全力で当たっているところであります。様々な災害の教訓を踏まえつつ、警察の災害対処能力の一層の向上に取り組んでまいります。
第二に、社会のデジタル化が進展する中で、セキュリティーの確保は極めて重要な課題です。サイバー空間の脅威に的確に対処すべく、産学官の連携や外国治安機関等との協力を推進し、警察の対処能力の強化等に努めます。
また、刑法犯認知件数の総数は継続して減少しておりますが、依然として深刻な状況にある特殊詐欺、ストーカー、配偶者からの暴力、児童虐待等の、主に高齢者、女性又は子供が被害者となる犯罪に対しては、被害の未然防止に向けた取組等を強力に推進するほか、凶悪事件から市民を守ります。
また、最近における犯罪等の実情に鑑み、相手方の承諾を得ないでその所持するGPS機器の位置情報を取得する行為の規制等を内容とするストーカー行為等の規制等に関する法律の一部を改正する法律案、クロスボウの所持の禁止等を内容とする銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案をそれぞれ提出いたします。
第三に、世界一安全な道路交通を実現するとの目標の達成に向け、高齢運転者対策、悪質、危険な違反の取締り等、総合的な交通事故防止対策を各界各層と連携して推進するほか、自動運転の実用化に向けた環境の整備にも努めます。
第四に、取調べの高度化等を的確に進めるとともに、客観証拠に基づく適正な捜査を一層推進します。また、暴力団による対立抗争等、現下の厳しい組織犯罪情勢に対し、取締りを徹底するほか、資金源の封圧や薬物の乱用防止に向けた取組を推進いたします。
これらの諸施策を推進するに当たっては、積極的かつ合理的な警察運営及び業務改革を推進し、高い規律と士気を有する組織を確立することにより、国民の期待と信頼に応えてまいります。
令和三年度警察庁予算では、一般会計予算の歳出予算要求額として、三千二百三十四億八千五百万円を計上し、警察庁職員百二十四人の増員を盛り込んでおります。
領土・主権対策については、北方領土問題を担当する北方対策本部と連携し、また、竹島の領土問題及び尖閣諸島をめぐる情勢に関して、国内外において我が国の立場についての正確な理解が浸透するよう、外交政策等との整合性を確保しつつ、領土・主権展示館を拠点とした内外発信の強化に努めてまいります。
また、安全保障上重要な土地などの所有や利用の実態について、調査や規制を行うための新法を提出いたします。
海洋政策については、我が国周辺海域の緊迫化を踏まえ、海洋の安全保障の取組を進めるほか、海洋資源の開発利用等、海洋基本計画に基づき、政府一丸となって取り組んでまいります。また、有人国境離島について、政府、地方が一体となって、その保全と地域社会の維持に関する施策を引き続き強力に推進します。
我が国で初めて行われるカジノ事業が健全な運営を確保できるよう、高い独立性を有するカジノ管理委員会が、厳格なカジノ規制の詳細を検討し、その実施に取り組んでまいります。
以上、所管行政について申し上げましたが、木原委員長を始め理事、委員各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。
ありがとうございました。
○木原委員長 次に、坂本一億総活躍担当大臣、内閣府特命担当大臣から所信を聴取いたします。坂本国務大臣。
○坂本国務大臣 一億総活躍担当大臣、少子化対策を担当する内閣府特命担当大臣として、所信の一端を申し述べます。
社会全体のつながりの希薄化が語られる中、私たちの誰もが、生活の様々な局面で不安を感じ、望まぬ孤独、社会からの孤立に直面する可能性が高くなっています。今般の新型コロナウイルス感染症の拡大による人との接触機会の減少、その長期化により、それがより身近なものとして顕在化してきています。政府はこれまで様々な支援に取り組んできましたが、これらを総合的な対策として推進し、適時的確に必要とする方々へ支援を届けてまいります。これにより、社会的な孤独、孤立を防ぎ、人と人とのつながりを守る活動を推進していきたいと考えております。関係閣僚とよく連携し、国民の皆様に安心を届けられるよう、全力を尽くしてまいります。
一昨年の八十六万ショックに引き続き、昨年の婚姻件数や月別出生数等も減少しており、我が国の少子化の進行は深刻さを増しています。新型コロナウイルス感染症の今後の状況も注視しつつ、少子化という国民共通の困難に真正面から立ち向かってまいります。希望出生率一・八の実現を目指し、少子化社会対策大綱に基づき、ライフステージや地域の実情に応じた総合的な少子化対策を大胆に進めていくことで、一人一人の結婚や出産、子育ての希望の実現を阻む隘路の打破に強力に取り組みます。
昨年十二月に閣議決定した全世代型社会保障改革の方針において、少子化対策を前に進めるため、待機児童の解消や、男性の育児休業の取得促進を図るための取組等の方針が取りまとめられました。この方針に基づき、総合的な少子化対策の一環として、子ども・子育て支援の効果的な実施を図るため、子ども・子育て支援法及び児童手当法の改正法案を今国会に提出いたしました。早期成立に向け努力してまいります。
企業主導型保育事業等については、施設への指導監査の強化等による質の確保、向上や自治体との連携強化などの取組を着実に進めることにより、制度を適切に実施してまいります。
今般の新型コロナウイルス感染症により、子供の貧困問題もより一層重要な課題になる中、子供の貧困対策に関する大綱に基づき、子供の未来応援国民運動や地方公共団体の取組の支援等、子供の貧困対策を総合的に推進してまいります。支援が必要な貧困状態にある子供を見つけ、適切な支援につなげるためのデータベースの構築に向け、調査研究を進めます。
未来を担う子供、若者が、誰一人取り残されることなく成長、活躍していけるよう、本年三月末を目途に、新たな子供・若者育成支援推進大綱を策定し、支援してまいります。
第四次障害者基本計画に基づく施策を総合的かつ計画的に進めるとともに、障害を理由とする差別の解消の一層の推進を図るため、事業者に対し合理的配慮の提供を義務づけること等を内容とする障害者差別解消法の改正法案を今国会に提出いたします。
交通事故のない社会を目指し、本年度内に、次期交通安全基本計画を策定するとともに、各種施策を着実に推進してまいります。
このほか、高齢社会対策、ギャンブル等依存症対策に取り組みます。また、共助の重要性が高まる中、休眠預金等に係る資金の活用やNPOの促進、成果連動型民間委託契約方式の普及に関する施策等に取り組みます。
木原委員長を始め理事、委員各位の御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。
○木原委員長 次に、井上国際博覧会担当大臣、内閣府特命担当大臣から所信を聴取いたします。井上国務大臣。
○井上国務大臣 国際博覧会担当大臣、また、食品安全、クールジャパン戦略を担当する内閣府特命担当大臣として、所信の一端を申し述べます。
二〇二五年大阪・関西万博に向けて、万博特措法に基づく基本方針を閣議決定しました。本基本方針の下で、各国への参加招請活動の実施、会場及び周辺インフラの整備、万博開催に向けた全国的な機運の醸成、企業等の積極的な参画の確保など、万博開催に向けた準備を着実に進めてまいります。
大阪・関西万博のコンセプトは、未来社会の実験場です。新しいアイデアや最先端技術に規制改革やデジタル化などを組み合わせながら、「いのち輝く未来社会のデザイン」を世界に示し、日本が大きな飛躍を遂げるきっかけといたします。万博を訪れる子供たちが、未来社会を体感し、驚きや未来へのわくわくを感じることができるすばらしい万博をつくり上げてまいります。大阪・関西を始めとする自治体や経済界など関係者と緊密に連携し、オール・ジャパンで取り組んでまいります。
食品安全については、食品の安全性の確保のため、新たな評価方法を確立するとともに、科学的知見に基づき、客観的かつ中立公正に食品健康影響評価を行います。また、その評価結果についてリスクコミュニケーションを実施してまいります。
クールジャパン戦略については、新型コロナの影響が長期化する中で経済的損失を受けている関連産業の存続確保に万全を期すとともに、社会様相の変化も踏まえつつ、日本の多様な魅力を掘り起こし、デジタル技術も活用しながら発信を強化してまいります。
このほか、新型コロナウイルス感染症に係る研究開発を始め、基礎から実用までの一貫した研究開発の推進等を内容とする健康・医療戦略、デジタル化を含めた適正な公文書管理の推進、遺棄化学兵器処理などの政策を推進します。
また、原子力政策として、原子力発電施設等の立地地域において、避難道路等の防災インフラ整備への支援などを引き続き実施していくため、原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法の有効期限を延長するための法律案を今国会に提出しました。
いずれの分野においても、行政の縦割りを打破していくことが重要であり、関係省庁と連携して未来を切り開いていく所存です。
木原委員長を始め理事、委員各位の御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
○木原委員長 以上で各大臣の所信及び予算説明は終わりました。
次回は、来る十九日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時五十二分散会