衆議院

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第5号 令和3年2月24日(水曜日)

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令和三年二月二十四日(水曜日)

    午前九時二分開議

 出席委員

   委員長 木原 誠二君

   理事 平  将明君 理事 冨岡  勉君

   理事 中山 展宏君 理事 藤原  崇君

   理事 松本 剛明君 理事 今井 雅人君

   理事 後藤 祐一君 理事 濱村  進君

      安藤  裕君    池田 佳隆君

      岡下 昌平君    金子 俊平君

      神田 憲次君    木村 哲也君

      小寺 裕雄君    杉田 水脈君

      高木  啓君    中曽根康隆君

      永岡 桂子君    長尾  敬君

      西田 昭二君    本田 太郎君

      牧島かれん君    牧原 秀樹君

      松本 洋平君    宮崎 政久君

      吉川  赳君    和田 義明君

      阿部 知子君    伊藤 俊輔君

      大河原雅子君    大西 健介君

      神谷  裕君    玄葉光一郎君

      松田  功君    森田 俊和君

      柚木 道義君    吉田 統彦君

      江田 康幸君    古屋 範子君

      塩川 鉄也君    足立 康史君

      岸本 周平君    高井 崇志君

    …………………………………

   国務大臣

   (内閣官房長官)     加藤 勝信君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長) 小此木八郎君

   国務大臣

   (国家公務員制度担当)

   (規制改革担当)     河野 太郎君

   国務大臣

   (少子化対策担当)    坂本 哲志君

   国務大臣

   (全世代型社会保障改革担当)

   (経済財政政策担当)   西村 康稔君

   国務大臣

   (デジタル改革担当)

   (マイナンバー制度担当) 平井 卓也君

   国務大臣

   (女性活躍担当)

   (男女共同参画担当)   丸川 珠代君

   国務大臣

   (科学技術政策担当)   井上 信治君

   内閣官房副長官      坂井  学君

   内閣府副大臣       三ッ林裕巳君

   総務副大臣        熊田 裕通君

   財務副大臣        中西 健治君

   文部科学副大臣      丹羽 秀樹君

   厚生労働副大臣      山本 博司君

   農林水産副大臣      葉梨 康弘君

   経済産業副大臣      江島  潔君

   国土交通副大臣      岩井 茂樹君

   内閣府大臣政務官     岡下 昌平君

   内閣府大臣政務官     和田 義明君

   内閣府大臣政務官     吉川  赳君

   文部科学大臣政務官    鰐淵 洋子君

   厚生労働大臣政務官    大隈 和英君

   厚生労働大臣政務官    こやり隆史君

   国土交通大臣政務官    鳩山 二郎君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  松本 裕之君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  冨安泰一郎君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  河村 直樹君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  向井 治紀君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  梶尾 雅宏君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  能登  靖君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  奈尾 基弘君

   政府参考人

   (内閣官房内閣情報調査室次長)          森野 泰成君

   政府参考人

   (内閣官房内閣人事局人事政策統括官)       山下 哲夫君

   政府参考人

   (国家公務員倫理審査会事務局長)         荒井 仁志君

   政府参考人

   (内閣府男女共同参画局長)            林  伴子君

   政府参考人

   (内閣府子ども・子育て本部統括官)        嶋田 裕光君

   政府参考人

   (内閣府日本学術会議事務局長)          福井 仁史君

   政府参考人

   (警察庁長官官房総括審議官)           櫻澤 健一君

   政府参考人

   (警察庁生活安全局長)  小田部耕治君

   政府参考人

   (警察庁交通局長)    高木 勇人君

   政府参考人

   (警察庁警備局長)    大石 吉彦君

   政府参考人

   (総務省大臣官房長)   原  邦彰君

   政府参考人

   (総務省大臣官房政策立案総括審議官)       阪本 克彦君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 川窪 俊広君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 藤野  克君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 堂薗幹一郎君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 保坂 和人君

   政府参考人

   (財務省大臣官房審議官) 江島 一彦君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   宇波 弘貴君

   政府参考人

   (財務省主税局国際租税総括官)          武藤 功哉君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           間 隆一郎君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           宮崎 敦文君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           大坪 寛子君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           岩井 勝弘君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           堀内  斉君

   政府参考人

   (国立感染症研究所長)  脇田 隆字君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房審議官)           松尾 浩則君

   政府参考人

   (経済産業省電力・ガス取引監視等委員会事務局長) 佐藤 悦緒君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      松山 泰浩君

   政府参考人

   (観光庁審議官)     高田 陽介君

   政府参考人

   (海上保安庁総務部長)  宮澤 康一君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局次長) 大和 太郎君

   参考人

   (独立行政法人地域医療機能推進機構理事長)    尾身  茂君

   内閣委員会専門員     近藤 博人君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十四日

 辞任         補欠選任

  牧原 秀樹君     木村 哲也君

  和田 義明君     中曽根康隆君

  大西 健介君     伊藤 俊輔君

  森山 浩行君     松田  功君

  岸本 周平君     高井 崇志君

同日

 辞任         補欠選任

  木村 哲也君     牧原 秀樹君

  中曽根康隆君     和田 義明君

  伊藤 俊輔君     大西 健介君

  松田  功君     神谷  裕君

  高井 崇志君     岸本 周平君

同日

 辞任         補欠選任

  神谷  裕君     森山 浩行君

    ―――――――――――――

二月二十四日

 原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第八号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第八号)

 内閣の重要政策に関する件

 公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件

 栄典及び公式制度に関する件

 男女共同参画社会の形成の促進に関する件

 国民生活の安定及び向上に関する件

 警察に関する件


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     ――――◇―――――

木原委員長 これより会議を開きます。

 内閣の重要政策に関する件、公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、参考人として独立行政法人地域医療機能推進機構理事長尾身茂君の出席を求め、意見を聴取することとし、政府参考人として内閣官房内閣審議官松本裕之君、内閣官房内閣審議官冨安泰一郎君、内閣官房内閣審議官河村直樹君、内閣官房内閣審議官向井治紀君、内閣官房内閣審議官梶尾雅宏君、内閣官房内閣審議官能登靖君、内閣官房内閣審議官奈尾基弘君、内閣官房内閣情報調査室次長森野泰成君、内閣官房内閣人事局人事政策統括官山下哲夫君、国家公務員倫理審査会事務局長荒井仁志君、内閣府男女共同参画局長林伴子君、内閣府子ども・子育て本部統括官嶋田裕光君、内閣府日本学術会議事務局長福井仁史君、警察庁長官官房総括審議官櫻澤健一君、警察庁生活安全局長小田部耕治君、警察庁交通局長高木勇人君、警察庁警備局長大石吉彦君、総務省大臣官房長原邦彰君、総務省大臣官房政策立案総括審議官阪本克彦君、総務省大臣官房審議官川窪俊広君、総務省大臣官房審議官藤野克君、法務省大臣官房審議官堂薗幹一郎君、法務省大臣官房審議官保坂和人君、財務省大臣官房審議官江島一彦君、財務省主計局次長宇波弘貴君、財務省主税局国際租税総括官武藤功哉君、厚生労働省大臣官房審議官間隆一郎君、厚生労働省大臣官房審議官宮崎敦文君、厚生労働省大臣官房審議官大坪寛子君、厚生労働省大臣官房審議官岩井勝弘君、厚生労働省大臣官房審議官堀内斉君、国立感染症研究所長脇田隆字君、農林水産省大臣官房審議官松尾浩則君、経済産業省電力・ガス取引監視等委員会事務局長佐藤悦緒君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長松山泰浩君、観光庁審議官高田陽介君、海上保安庁総務部長宮澤康一君及び防衛省防衛政策局次長大和太郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

木原委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。阿部知子君。

阿部委員 おはようございます。

 内閣委員会の各担当大臣への所信の質疑、今日から始まります。冒頭をお時間いただきました、立憲民主党の衆議院議員の阿部知子です。

 本日は、行政改革担当大臣、そして、なお今、大変に、ワクチンの接種問題でロジを主に担当される河野大臣、お忙しい中ですが、少々のお時間を頂戴して質疑をお願いしたいと思います。

 私が本日冒頭で取り上げますのは、実は、昨年の十二月の下旬から本年の一月下旬まで、約一か月近くにわたって電力価格が高騰し続けるという事態が発生をいたしております。

 皆さんのお手元にお示ししてあります一枚目、「スポット価格:高値張り付き」と書いてございますが、通常五円から十円キロワットアワー当たりのスポット価格が、最高値は二百五十一円キロワットアワー、五十倍近い値を示しておりまして、高値での取引が行われているということがございました。

 その結果、こうした電力の約八割を供給している電力大手には、高い価格で売りますので余剰金が膨らみ、一方で、その価格で電力を買わねばならない新電力は、これが消費者に高く売れればいいですけれども、なかなかそうもまいりませんので、大変に高い価格で買ったものをそのとおりには売れないというジレンマを抱えまして、この電力料金を大手の電力に払わなきゃならない三月末には危機的事態になるのではないかという指摘もございます。

 さて、一問目でございますが、河野大臣が率いる再生可能エネルギー規制総点検タスクフォース、昨年十一月に立ち上がっていらっしゃいます。でも、この二月三日の第四回会議でこの価格高騰問題をお取上げでございますが、そもそも、このタスクフォース立ち上げの意義と、今回これを、二月三日にこの問題をお取り上げになった意味を河野大臣にお伺いいたします。

河野国務大臣 おはようございます。

 縦割り一一〇番の中でも、再生可能エネルギーに関する規制改革に強い要望がございました。また、それ以外の世論調査を見ましても、企業あるいは個人から、規制改革の必要性の高いもの、常に、再生可能エネルギーに関する規制改革は上位に来ております。そういうこともありまして、この規制改革の、再生可能エネルギーに関する規制改革を推進するためのタスクフォースを立ち上げたところでございます。これは、菅総理の二〇五〇年カーボンニュートラルという意思表明もございましたので、更にそのニーズは高まっていると考えております。

 このタスクフォースが取り上げる課題の順番その他につきましては、タスクフォースの委員それから事務局で相談をして決めるということにしているところでございまして、委員から今お話のありました電力の価格高騰問題についてもタスクフォースで取り上げたところでございます。

阿部委員 今大臣のお話にありましたように、再生可能エネルギーについて、もろもろの規制、あるいはこれの最大限の導入を阻むいろいろな制約については一つ一つ取り払って、大事なベースロードというか、再生可能エネルギーを基幹電源として位置づけていこうということでありますから、今回、このような価格高騰というのは大変に深刻な事態だと思いますし、恐らく、タスクフォースの各委員の皆様も、これを放置してはならないということでのお取上げだと思います。

 この価格高騰については、大臣の今のお話、突き詰めれば、ある種の異常事態が発生しているという御認識も共有されておられると思いますが、この事態について二月八日の予算委員会で秋本真利議員が丁寧な取上げ方をしてくださっていますので、なるべく重ならない範囲で私の問題意識をお尋ねしたいと思いますが、経済産業省の梶山大臣は、寒さが厳しくて電力需要が例年に比べて増えて、天候、特に北陸など、雪が多かったですから、天候の不順によって太陽光などの再エネの発電量が低下して、しかも、輸入に頼るLNG等の在庫が減少したというふうな御答弁や、これは新聞等々もなぞっておりますので、加えて、経産省のエネ庁からも、降雪などの悪天候が多かった北海道、東北、北陸などについては、二〇二〇年一月の平均発電量を下回ったというふうな御指摘もございました。

 しかしながら、このタスクフォースの皆さんの分析によれば、厳しい寒さといっても、実は数年に一度のレベル、二〇一七年とほぼ似通っております。そして電力の需要増も限定的だった。そして、太陽光等々はむしろ供給増であったということが分析されております。

 二枚目、お開きいただきました資料の、太陽光の出力が低下しているかというのが上段にございまして、これは、もちろん地域によって低下しているところもありまして、北陸などはそれに当たりますが、全体として見れば、太陽光発電は、各年の一月六日から十二日、一週間を比較いたしますと、一一・二七%増であると。電力は、今、日本全国、広域連携しておりますので、一か所で足りなくても一か所に送るということ、これは広域連携機関が頑張ってくださいますので、そのような取組、仕組みになっておりますし、あわせて、では風力はどうであったかと見ますと、地域的な差はもちろんございますが、これもトータルで約一八%、前年一月平均より増加をしておる。

 すなわち、再生可能エネルギーについては増加をしており、また、それを広域連携機関がいろいろなシグナルを取りながら供給しているということでもあろうかと思います。これは更に詳しい分析はもちろん必要と思いますが、とにかく、再エネが力不足で、あるいは足りなくてというふうに局所的に捉えるのではない捉え方の方が私は適切だと思います。

 先ほどタスクフォースの認識をお示ししましたが、その結果として、タスクフォースといたしましては、需要増というのは、先ほど申し上げました、限定的で、実は、この価格高騰の有様というのは、よく言われるスパイク、一時期だけではなくて、ずっと高くなっちゃった、高値張りつきであるということは、いかに何でも各国に例を見ないと。プラス、そうしたときに、当然、売り買いですから、売値があって買値があるんですが、そこに非常にギャップがあったということが指摘をされております。

 通常、こうした売り買い、取引、すなわち電力市場については、電力取引委員会がきちんとウォッチをしておられると思いますが、なぜかかる事態がずっと続いてしまったのか。あるいは、はっきり申し上げて、介入というか、何らかの手を打つのが遅過ぎたのではないか、一か月も高値というのはないことですので、この点について電力等監視委員会にお伺いをいたします。

佐藤政府参考人 お答え申し上げます。

 なぜこれだけ高値が続いたかという御指摘でございますが、先生が御説明の中にもございましたように、やはり今回のスポット市場における高値の原因は、何といっても、売り入札減少が大きかったというふうに考えております。

 御指摘にもございましたが、やはり、相当寒さが続いたということで、三年前も寒かったという御指摘でございますが、一般電気事業者の自社需要の増加と、それと、やはり相当続きましたのは、火力発電所におけますLNG、石油もございましたが、燃料制約の増加が相当あって、売り札の減少がとにかくあったというふうに考えております。

 また、もう一つ、高値が続いた理由といたしましては、ある意味、情報不足ということもありまして、買いが買いを呼ぶような、ある意味ですとパニック的な要素もありまして高値が続いたというふうにも考えております。

 そういったこともございますので、これまで、十二月から私どもも相当厳格な監視を行ったところでございますが、旧一般電気事業者及びJERAに対しましては、河野大臣の御指摘及び梶山大臣の御指示を踏まえまして、報告徴収命令もかけておりまして、今後、より詳細な要因分析を行おうかと思っております。

 明日二十五日には、これらの事業者に対しまして、有識者によるヒアリングを公開の場で行いまして、売り入札減少の要因や、今申しました燃料制約の判断基準等について、具体的な資料に基づき、各社ごとに説明を求めて、有識者の方々にも突っ込んだやり取りをしていただこうかと思っております。

 引き続き、このような取組を通じまして、本日いただいた、今の厳しい御指摘も念頭に置きながら、今般のスポット価格高騰について徹底的に真相究明いたしまして、具体的な対策につなげていきたいと考えております。

阿部委員 私が重ねて今日指摘したいのは、単に再エネが力不足であるとか、あるいは冬が寒かったとか、そういう、非常に、逆に言うと漠とした問題に帰結させないで、今御答弁のように、電力市場の在り方であるという認識を共有したいと思います。

 その上で、市場ですから、情報が隠されず、操作されず、きちんと伝わるということが重要で、今の電力取引委員会についても、電力の需給情報を公開するということもなさっておられますし、これは既にもう昨年の十月からそういうことの必要性は認識しておられたと思いますし、料金の上限を二百円に設定して、それ以上は高くならないようにという、ある意味の介入もなさったわけですが、いかに何でも期間が長過ぎて、本当に新電力の皆さんには、高いお金で買い続けなければならないという負担をおかけしたと思います。

 その上で、河野大臣にお伺いいたしますが、今、電力等監視委員会からも、あるいは公取にも関わることかもしれませんが、こうした、いわゆる市場のルールと透明化、ある意味の適切な規制かもしれません、そういうものが今、電力自由化が始まって五年目になろうとしておりますが、とても重要な時期だと思っております。そして、大臣は、そのためにこそ、この規制改革タスクフォースを立ち上げられた認識だと思いますが、今後、どのような点に着目し、またタスクフォースの役割を果たしていかれますでしょうか。お願いいたします。

河野国務大臣 タスクフォースでも、今回の事象は市場の構造的なゆがみの問題があるのではないかというような意見も出されているところでございます。

 電取委で報告徴収命令もかけながらしっかり調査をすると同時に、やはり大切なのは、この市場に関する情報公開だと思っておりますので、速やかに情報が公開をされるということが非常に大事だと思っております。

 電取委でしっかりと調査をやり切ることができるのか、公取などにも関わってもらう必要があるのか、そういったことも注視しながら、経産大臣の下で、この問題がしっかり議論され、解決に向けて対応されることを期待しているところでございます。

阿部委員 なぜ公正取引委員会、公取のところまで波及するやもしれないのかと申しますと、そもそも、電力というのは、旧一般電気事業者が自分たちで発電されて、その発電能力は、全体の八割のシェアを持っておられます。大きなシェアです。そこでつくった電気を自社で買ったり、あるいは既に売り先の決まっている長期相対契約に出したり、あるいは予備力を取っておいて残りを市場に出すというふうになっておりますので、この市場に出される部分も少ない。あるいは、さっきの、自分のところで買う、予備力に取る、相対売りにするなどに先んじて回してしまうと、どうしても少ないところの売りしか出ないのではないか。

 先ほど電力取引監視委員会の御答弁もそうでしたが、自社買いがどうであったかということも、これはきちんと検証していただきたい。やはり、多様な業態というか事業者が加わってこそ電力の自由化の意味があって、強い者勝ちで全部買い占めちゃって、自社でというのでは意味が違ってくると思いますので、是非その点もよく二十五日の日にお聞き取りをいただきたいと思います。また、その結果を受けまして、私も、この件、重要ですので、引き続いて取り上げさせていただきたいと思います。

 もう一方、喫緊の課題といたしまして、これは電力市場のいまだ途上、未整備の中で発生したことであるとすると、この制度的あるいは運営的なものかもしれません、の欠陥によって、大手の電力会社は高く売れました。そして、これは約定金額ですると、一兆七千五百六十四億円が入ってまいりました。

 ところが、新電力を始めとするいわゆる再エネの事業者は、通年であれば二千百四十八億円程度の取引が、一兆七千五百六十四億、一兆五千億余り高く買わなければならないという事態が生じて、当然ながら、非常に、支払いの時期を含めて負担が高まっております。

 再エネを伸ばしていくのは菅総理のいわばカーボンニュートラルにとっても大変重要だとさっき大臣が指摘をされましたので、こうした新電力の皆さんへどのような手当て、手だてがあるのか。大きな電力会社だけに行ってしまった利潤を還元する手だてもあろうかと思いますし、しっかりお考えいただきたいが、いかがでしょうか。これは経産省にお願いいたします。

江島副大臣 委員御指摘のとおり、卸電力市場から電力を調達する割合の高い新電力の方々から、今回の市場価格の高騰によりまして、資金繰りなど経営状況が厳しいという声をいただいているのは事実でございます。

 このような新電力からの声でありますけれども、一方、今回の市場価格高騰に対しては、あらかじめの対策を講じなかった事業者もいるんですけれども、一方で、自ら発電所を所有したり、あるいは、相対契約や先物市場を活用するなどしまして、手間やコストをかけてあらかじめ対策を講じていた事業者がいるということも事実でございます。

 このような中で、あらかじめの対策を講じなかった事業者だけに着目をいたしまして、市場参加者に対して市場取引の結果を遡及的に見直すというような処置を講ずることには、これは慎重でなければいけないというふうに考えております。

 その上で、新電力が資金繰りに困難を来す場合も今後出てくる可能性がありますので、そのような場合には、日本政策金融公庫による貸付けあるいは信用保証制度などによりまして、資金繰り支援を実施をしていきたいと思います。また、あわせて、資源エネルギー庁の中に設置した相談窓口を通じてこのような支援制度について紹介をしていくなど、厳しい環境に置かれる事業者にはしっかりと対応していきたいと考えています。

 また、委員御指摘のように、小売事業化が始まりまして五年ということで、まだそんなに年数もたっていませんので、当然、この中で分かってきた改善すべき点があるというふうに考えています。

 したがいまして、今回の市場価格高騰、これを教訓といたしまして、包括的な検証を是非進めていきたいと思います。また、今後の電力の安定供給、あるいは市場制度のあるべき姿というものを、検討をこの機にしっかり進めたいと思います。

阿部委員 今の資源エネ庁の御答弁は、半分は新電力の皆さんの自己責任であると。

 もちろん、いろいろな事業者は、自分が自らリスクを取ってその仕事をやるわけですから、その側面はあろうかと思います。しかし、今日私が御指摘したかったのは、そもそも電力市場の姿がゆがんでいるから負担が行きやすいところができて、またもうけが来やすいところができるとすると、これは公正な取引ではないということの結果のいわば今の新電力の苦境だと思います。

 もちろん、リスクは十分ヘッジしなければなりません、何事をやるについても。でも、もしも市場の姿がもうちょっと、逆に言うと成熟しておれば、今回のようなことは、私は、防げた。何せ一か月も高かったのですから。諸外国ではあり得ません。スポットというのは、ぴょんと上がるからスポットなのであって、ずっと高いというのはやはり異常事態なんです。そのことをしっかりと認識していただいて、またこれからも資源エネ庁とはやり取りをさせていただきますので、よろしくお願いします。

 河野大臣への質疑はこれにて終わりであります。ありがとうございます。

 続いて、企業主導型保育についてお伺いをいたします。

 坂本哲志少子化担当大臣にお伺いいたしますが、大臣にあっては、実は、安倍政権そして菅政権と続くこの内閣の中で、七人目の少子化担当大臣でいらっしゃいます。はっきり申しますと、毎年のように替わっておられて、私は、少子化というのはこの国にとって本当に根本的な重要なテーマであると思いますので、きちんと継続性を持って課題に取り組める体制というのを確立していただきたい。

 その観点からお伺いいたしますが、大臣は、少しずれますが、昨日発表の、今年度というか、二〇二〇年の予測ですね、子供の出生数が八十七万二千六百八十三人、予測よりは三、四万人減りますので、八十四万人を割ろうかということで、一番少なく子供の出生が予測をされておりますが、そのことと含めて、少子化担当大臣として何が一番重要と思われますか。お願いします。

坂本国務大臣 一昨日発表されました二〇二〇年の出生者数、やはり大変深刻に受け止めております。今言われましたように、八十七万人ということは、これは、日本で外国人の方も加わっている、それから海外でお生まれになった日本人の方も加わっておりますので、それを差し引きますと、やはり八十四万人ほどになります。二〇一九年に八十六万人ショックというのを私たちは受けましたけれども、それを更に下回るということになっております。

 加えて、昨年は、婚姻者数、婚姻率、これが一二%ほど減少しておりますので、二〇二一年、今年におきまして更に減少するのではないかということで、非常に深刻に受け止めているところでございます。

 全力で少子化対策をやっていかなければいけないと思いますけれども、一方の方で、一定の時間を要することもありますので、長期間にわたり継続性を持って取り組んでまいりたいと思っております。

 少子化社会対策大綱は、現在、第四次を迎えております。大臣はそれぞれ替わっていきますけれども、継続性を持って、結婚、妊娠、出産、そして子育て、このライフステージに応じた総合的な対応策をしてまいりたいと思っております。全力でしっかり努めてまいりたいと思っております。

阿部委員 済みません、江島経済産業副大臣、ごめんなさい、御質疑をできませんで。御退席いただいて結構です。申し訳ありません。

木原委員長 よろしいですか。

阿部委員 ええ、大丈夫だったと思います。あっ、カジノの問題がございましたから、これも国交省ですから結構です。ありがとうございます。あと資源エネ庁もありがとうございます。どうも済みません。

木原委員長 どうぞ、それでは御退席いただいて、副大臣。

阿部委員 今、坂本大臣に御答弁いただきましたが、婚姻率も低くなっておりますし、出生率も低いという大変深刻な状況の中に今我が国はあります。

 特に私が思いますのは、例えば今度のコロナでも特に非正規の女性たちが多く仕事を失う、いわゆるジェンダーの問題が、大きく日本における子供の出生あるいは育てることに影響をいたしておると思います。また、多くの女性が働きながら子供を育てるということで、安倍政権の中でも、子供の保育所の充実ということを掲げられて、企業主導型保育ということに取り組んでこられましたが、私は、この企業主導型保育というのは、企業から拠出金をいただいて運営する事業ですが、繰り返し取り上げさせていただきましたが、いろいろ、運営上も甘いし、財政的にも問題だし、本当にこういう形でいいのだろうかと思うことが多々ございます。

 坂本大臣にも、開けていただきますと、令和元年度の企業主導型保育事業における助成の取消し、取りやめ、休止施設の状況という一覧がございますが、助成の取消しが二十三、取りやめは自ら取り下げるわけですが、そして休止、やっていないのが八。例えば、厚生労働省がやっている他の保育事業などから見ると非常に、取消し、取りやめ、休止施設が多いですし、その内容は、御覧になったように、不正受給とか、なぜか申請してからも開設しないとか、様々、虐待も起きているとか、もう本当にいろいろな事案がございます。

 そして、この二十三の助成取消し施設のうち、助成を取り消して助成金の返還を求めている施設が十六施設ございますが、じゃ、残る七施設はどうなっちゃったんだと。助成金は入れました、そして、その実態はありません、不正もしています、じゃ、返してもらいましょうというのは十六施設、返されているわけではありません、とにかく返してもらいましょうという訴訟のアクションを起こしたりした。しかし、残る七施設、この中には特に問題になったANELAなどもございまして、この残る七施設はどうなっちゃうのか。事業主からのお金を投入しました、焦げつきました、取り返しもできません、これは、さて、内閣府としてはどのようにお考えでしょう。

坂本国務大臣 企業主導型保育事業につきましては、過去に幾つかの不正事業がありまして、大変その信頼を損ねておりますことを遺憾に思います。

 今言われました今後の返還、そういったものにどうするかということでありますけれども、例えば、七事業者の中の、七施設の中の一つでございますANELAというのがございます。この不正事案につきましては、既に法人が存在しておりません。そういうことで、児童育成協会におきましても、今後、法人の代表者等に対する法的措置、こういったものも考えております。そういうように、法人がなくなってしまったというような場合も結構ありますので、それは、あくまでもその代表者に対して、今後、法的措置をしっかり取って返還を求めていくということにしてまいりたいと思っております。

 こういった事案をきっかけにいたしまして、審査基準の厳格化、あるいは財務監査や労務監査の専門的な監査、これは、これまで以上に具体的な形で取組を進めてまいりたいと思っております。

 引き続き、児童育成協会による事業の実施状況について、点検・評価委員会におきまして継続的に点検、評価をしながら、事業の効果的な安定、そして、こういった不祥事が起きないように今後もしてまいりたいと思っているところであります。

阿部委員 国が出す補助金であれば、焦げついたからもうそこは取り立てられないというような事案は本当にないに等しいんだと思います。

 この児童育成協会に内閣府が委託をされて、そしていろいろずさんな事態が起きて、結果的にどうしようもないというのが七施設もある。これは全部、企業が拠出したお金から実は裁判対策費も、あるいは、おっしゃったように、個人を相手にする何か訴訟も全部払われていくわけです。

 私は、やはり内閣府のこの姿勢が、はっきり申しまして丸投げ。そして、児童育成協会については、事業者として適切かどうか再選考がされまして、二〇二〇年の三月、再びお願いすることにはなっておりますが、まだまだ充実させねばならない点が私はあると思います。

 その一つが、いわゆる内部通報窓口であります。

 内部通報窓口は平成元年の九月から恐らくスタートして、ネット上ではなくて窓口としてスタートしておられると思いますが、二〇一九年が四十九件、二〇二〇年が六十九件。

 内部通報ってどういうものかというと、例えば、子供の虐待が起きているとか、食事をちゃんとして与えていない、これも虐待ですけれども、などについて、保育の在り方がおかしいんだということが内部通報されています。それに基づいて指導監査に入られればいいですが、この内部通報窓口の人員強化はどのようになっているのか。

 ちなみに、労働条件等々の相談はこの内部通報窓口では、別途の枠でやってございますので、今私が御紹介したのは保育に関わります内容についての内部通報でございます。これを受け止める側はどのような体制になっているのか、教えてください。

坂本国務大臣 内部通報につきましては、委員おっしゃるように、前年同期比で二十件増加をいたしております。

 そして、立入調査の件数は二十三施設でありまして、これも、令和三年二月時点で前年度末の時点と比較すると六割程度ということになっております。現在、立入りの調査員は六人、これまで三人でしたけれども、倍の六人に増やしております。今後、通報が多くなるということであると、また非常に厳しい状況になりますので、それの増員も考えていかなければいけないと思っております。

 そういう状況の中で、児童の虐待とか児童に関すること、これを最優先に立入調査をやっております。そして、どうしてもコロナもありまして様々な活動が制約される部分もありますので、補助金等、お金に関することをその次に立入調査をするということにしているところでございます。

 今後も、こういった内部通報に対しましてはしっかりと対応し、調査部門の体制の充実も含めて、内閣府として必要な指導を取ってまいりたいと思っているところであります。

阿部委員 今の大臣の御答弁は、立入調査に入られる方の人数かと思います。窓口がどうなっておるのかということがいろいろ調べてもよく分かりませんので、これはまた追ってお願いをいたします。

 それから、調査に入る方の身分も、いわゆる非常勤、派遣、いわゆる正職じゃない方が多いと思います。私は、最新の児童育成協会の職務の割り振りというか、例えば、正職がどれくらいで、派遣がどれくらいで、あるいは年度つきの雇用がどのくらいか、最新のものが探したけれどもなかったので、ただ、新たに請け負うようになったこの児童育成協会は経験を蓄積していくことがとても重要ですので、そういう目でも是非大臣には御覧になっていただきたい。非常に多くの方々がいわゆる非正規でありますので、これは問題が大きかろうと思います。

 大臣に最後にお伺いいたしますが、私がもう何回も何回も取り上げてきたのが、この執行状況、予算の在り方であります。

 毎年度毎年度、過大な予算額を出しまして、そして、その結果、助成の決定、確定値の提出が非常に遅く、加えて、余剰金と申しますか、返納額と書いてありますが、五百億とか、毎年こういう余りを出しているわけです。

 普通で考えれば、予算の要求と、それが執行された後の過剰な余りがあれば、次の予算を低く見積もるなり、状況を見る。例えば平成元年度は、全く募集事業がなかった年であります、児童育成協会等々の問題があって。でも、予算だけはつるつると出てまいりまして、私は、一日も早くこの確定値を出してくれと申しましたが、もう毎年、三年前から申しておりますので。

 是非、坂本大臣にも、元々、私は、こういう予算の組み方は甘いし、おかしいと思います。単年度の事業ですから、おかしい。恐らく返納額は、令和元年度も五百億は下らないと思います。毎年それは積立てに入れているからいいんだじゃなくて、そもそも企業にお願いするんですから、きちんと必要額と予測ですね、立てていかれるべきと思います。

 またこの数値が出ましたら大臣にはお伺いいたしますが、今日のところは、こういう実態をどう御覧になりますか。

坂本国務大臣 待ったなしの待機児童対策ということですので、どうしても令和二年度末までに十一万人の受皿を確保する、そういった必要性から予算を計上してまいりました。

 平成二十八年度以来、本事業が開始されて、その執行率はだんだんだんだん高くなっているところでございますけれども、委員言われましたように、執行額が予算額を大きく下回るという状況になっていることも事実でございます。

 そういう状況も踏まえまして、令和三年度、来年度予算案におきましては、この企業主導型保育の予算というのは、一五%、三百億円減少をさせたところでございます。

 今後も、予算編成に当たりまして、事業の実施状況を踏まえながら、経済団体と一層丁寧に協議をし、適正規模の予算を確保するということに努めてまいりたいというふうに思っております。

阿部委員 大臣には、この経緯が異常であるというふうに認識していただければ、正常化されることもあろうかと思います。

 おまけに、会計検査院からも指摘されておりますけれども、いわゆる定員割れが大変多いわけです。すなわち、需要と供給、どう見積もって予算を立てていくか、これはもう本当に初歩的なことですので、それすらできていないと。内閣府が取った予算をそのまま育成協会に投げて、計画が緩くて余らせてという連続でありますので、よろしくお願いいたします。

 最後の御質問をさせていただきますが、いわゆるIR事業における課税についてでございます。

 私どもの政党は、IRそのものに、日本の中にいわゆる導入するIR推進ということには反対の立場を取っておりますが、今日お尋ねしたいのは、税は社会の姿を表すと申しますので、このIR事業の税制がどうであるかということであります。

 皆さんのお手元、国と地方自治体が右左で出ておりますが、国では既にカジノの管理委員会が設置され、基本方針が出て、パブコメが取られましたが、実は、このパブリックコメントの際には、カジノに来られた方にどんな課税をするかが全く示されておりませんでした。その後、最近になり、国土交通省の方から、下にありますような要望、所得税については公営ギャンブル並みの課税にしてほしい、消費税、法人税など、各々の税についての要望がございます。

 まず、第一点目の所得税ですが、国土交通省は、公営ギャンブル並みということをお願いされましたが、自民党、公明党の皆さんからは、外国の方がこれに加わる場合は非課税とするという案が出てございます。

 時間の関係で大変恐縮ですが、国土交通副大臣並びに経済産業副大臣に、今後どのようにされていくのか、申し訳ありません、この御答弁。特に、私は、大体、外から来る方はお金持ちです、しっかり課税していただいていいと思います。いかがでしょう。

木原委員長 岩井国土交通副大臣、時間が来ておりますので、簡潔にお願いいたします。

岩井副大臣 委員にお答えをいたします。

 まず、IR事業に関して、基本方針の決定に向けて様々な過程を踏むということと、税制自体、一般論でありますが、その進めていくというスキームは少し違うのではないかなと思います。

 委員御指摘のとおり、国交省は、IR事業の円滑な実施に向けて、参画しようとする事業者が適切に投資判断が行えるように、そんなことも踏まえながら、IRに関する税制上の取扱いが明確化できるようにということで、要望を提出させていただきました。

 本IR税制につきましても、ほかの税制と同様に、与党税制調査会において御議論をいただいて、そして令和三年度の与党税制改正大綱において、IR事業の国際競争力を確保する観点から、シンガポールやマカオなどと同じように、非居住者のカジノ所得について非課税とすることなど措置が盛り込まれ、令和四年度以降に具体化されているということで認識を今しているところでございます。

木原委員長 経済産業副大臣におかれましては退席をいただいておりますので、よろしいでしょうか、これで。

阿部委員 はい。そうでした。済みません、時間配分が悪くて。

 私は、先ほど申しましたように、この非課税というのは国民的にも納得できないと思います。

 ありがとうございます。

木原委員長 次に、柚木道義君。

柚木委員 立憲民主党・無所属クラブの柚木道義です。よろしくお願いいたします。

 冒頭、ちょっと質問の順番を変更させていただきます。

 西村コロナ対策担当大臣、今日は、お忙しい中、ありがとうございます。後ほど緊急事態宣言解除等に関連して幾つか質問をさせていただき、通告のものも質問させていただきますが、冒頭、これは通告しておりませんので、コロナの対策担当大臣という立場でちょっと御所見を二、三、お述べいただきたいんですね。

 皆さん御承知のように、総務省幹部の、菅首相の御長男も含む違法接待の問題で、本日、総務大臣が、聞くところによれば、午後四時にも会見をして、十一人処分をすると。

 この事案は、内閣委員会とも無縁じゃないんですね。処分される方の中に、今日入るか入らないのか存じませんが、山田真貴子元総務審議官、現、史上初の女性の内閣広報官ですね。菅首相肝煎りのこの山田さんは、まさに、また近く緊急事態宣言先行解除なり、あるいはされないところなり、恐らく、西村大臣も、あるいは菅首相も場合によっては会見を開かれるでしょう、その菅首相会見の司会、取り仕切りをされている方ですね。これは、所管は内閣委員会ですからね。

 こういうことも含めてまず伺いたいのは、総務省、これは合計十三人、延べ三十九回、そのうち菅首相の御長男は二十一回も出席をしている。しかも、これは緊急事態宣言で、まさに西村大臣、もちろん菅首相を始め、国民の皆さんに自粛、あるいはお店に時短要請、そういう本当にさなかも含めて、三十九件、合計六十万円以上もの国家公務員倫理規程違反、こういう違法接待をしていた。今日にも処分をされる。

 こういうことに関して、コロナのことに関連していろいろ国民、お店に御無理をお願いしている西村担当大臣として、これはちょっと国民の皆さんに、申し訳ないとか、何かおわびのお気持ちとかがあれば、一言いただけませんか。

西村国務大臣 まず、この事案は、報道等、あるいは武田大臣の答弁などは聞いておりますけれども、私は詳細を承知しておりませんので、お答えは差し控えたいと思いますけれども、私の立場から申し上げれば、昨年十二月以降、飲食の場を起点として感染が拡大してきたわけでありますので、そうした飲食について、特に緊急事態宣言後は外出の自粛なり八時までの時短、こういったこと、あるいは、アクリル板を活用したり、換気に注意したり、マスク会食など、様々呼びかけをしてきたところでありますので、政府の一員として、公務員の皆さんにもこれは是非率先してやっていただきたいと思っておりますし、私どもも常にそのことを頭に置いて行動しなきゃいけないと思っております。

 いずれにしましても、私の立場からは、こうしたことが国民の皆様お一人お一人にしっかり届いていくように、御理解していただき共感を持って対応していただけるように、引き続き取り組んでいきたいというふうに考えております。

柚木委員 いや、こんなことを総務省歴代幹部が、現職幹部も含めてやっていたら、あえてもう自民党さんのいろいろなこの間の報道は申し上げませんが、役所の方も含めて、それは国民の理解、共感は得られませんよ。

 しかも、この内閣委員会にも関わる現内閣広報官の山田真貴子さんは、突出していますよね、一回当たりの金額、飲食費七万四千二百三円。このときには菅首相の御長男も参加、利害関係あり、こういう認定がされている。当時は、総務審議官、総務省のナンバーツーというお立場ですね。

 西村大臣、私はちょっと懸念しているのは、今日、恐らく緊急事態宣言、先行解除を含めて、菅首相やあるいは田村大臣とも西村大臣は協議されると思いますけれども、それを決めて、この金曜日にもそのことを国民の皆さんに公表、周知をする。そのまさに首相会見が仮に行われれば、そのときの仕切りに、まさにこの山田真貴子内閣広報官が出席をして仕切って、まだ質問があります、手を挙げているのに、もう総理は予定がありますからと遮って、そういうことがまさか、今度の菅首相会見までに処分されずにそういう場に出てくる。

 これはあり得ないと思うんですけれども、コロナのことを国民の皆さんにまさに理解、共感とおっしゃった西村大臣、この山田広報官、次の首相会見までに、私は、政府として処分、場合によっては更迭すべきだと思いますよ。いかがですか。

西村国務大臣 今回の事案については、総務省において調査が行われ報告がなされている、それに基づいて処分がなされるものというふうに私自身は理解をしておりますけれども、公務員につきましては公務員のルール、これは倫理規程などルールがあるわけでありますので、その規定に従って処分が行われるものというふうに理解をしております。

柚木委員 これは委員長に是非お願いしたいんですけれども、まさに内閣広報官というのは、所管は内閣委員会です。そして、今回、今日にも十一人処分される方には、今の役職からすれば入らないとも言われていますが、他方で、これは予算委員会との絡みもありますけれども、放送行政がゆがめられたのではないか。これは、武田大臣はそんなことはないとおっしゃっていますけれども、本当にそうですか。当事者に聞かなきゃ分かりませんよ、菅首相の御長男も含めて。

 これは、是非山田内閣広報官を……(発言する者あり)いや、内閣広報官の所管は内閣委員会ですから、是非この内閣委員会に参考人としてお呼びをいただいて、放送行政がゆがめられているか否か、是非この内閣委員会でも、今日、予算委員会の議論にもなっていますから、是非内閣委員会にもお呼びいただいて、理事の皆さんを含めて、委員長、協議をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

木原委員長 ただいまの件につきましては、理事会で協議をいたします。

柚木委員 是非よろしくお願いいたします。

 これは本当に、この間、政府の中での、モリカケ問題を始め様々な事案もあった中で、またしてもこういうことが起こってしまっている中で、国民の皆さんへの説明責任は、政府だけではなく立法府、国会にもあると思いますので、是非、山田真貴子現内閣広報官、この方は、安倍前首相のときには女性初の首相秘書官、そして菅首相肝煎りの初の女性内閣広報官ですから、放送行政がゆがめられたのか否か、この内閣委員会でもしっかりと検証させていただきたいと思います。

 それでは、緊急事態宣言解除に関して、西村大臣に引き続き質問を申し上げます。

 これは、私もちょっと心配なのは、関西圏を始め、愛知とか岐阜とか福岡も含めて、先行解除の議論、これは、もちろん経済のことを考えたら、私も理解はします。理解はしますが、他方で、首都圏、一都三県ですね、神奈川、千葉はまだ新規感染者が増えている状況の中ですから、本当に先行解除を、東と西でこれは判断が分かれるわけですよね。こちら、西の方は先行解除、しかし、首都圏はそうじゃなくて、むしろ、三月七日になっても本当に解除できるかどうか心配だ。

 例えば、神奈川県知事なんかは、前倒しの宣言解除なんて冗談じゃないと。人がわっとそれで出始めて、だって、これから花見、卒業式、あるいは入学式、入社式、歓送迎会、去年のことを考えれば、第四波の襲来、そういった懸念もある中で、前倒しなんて冗談じゃないという危機感を一都三県は持っている。

 西村大臣、東西でこういう判断が分かれることを政府が決めて国民の皆さんにまさに発信されること、メディアも含めて。小池都知事もそれを受けて、一気に緩みが出るんじゃないかと心配されていますが、ちょっと、あともう一週間ほどのことで、東西ばらばらの、こちらは先行解除、こちらはそうじゃない、七日はできるかどうか分からない、こういうことだと国民の皆さんは混乱しませんか。いかがですか。

西村国務大臣 まず、政府の立場でどの地域をいつ解除するか、これを決めたということではありません。

 昨日は、関西圏の知事から、そして愛知県知事から、前倒しの解除について検討の要請がございました。私ども、数値をしっかりと精査をしながら、特に、感染状況、それから病床の状況などを精査をしながら、専門家の意見を聞いて判断していくことになります。

 基本的な考え方は、緊急事態宣言の下でしっかりと感染者の数を減らし、そして病床を安定的に確保していくこと。特に、やはり変異株の課題も出てきておりますし、この三月、四月はまた行事が多い機会でありますので、感染が再拡大するおそれもありますので、そういったことも頭に置きながら判断をしていきたいというふうに考えております。

 その上で、昨年の春もそうでしたけれども、一定の基準を満たして、安定的な病床確保、感染者の数がしっかり落ち着いてきている、一定の基準より下がってきているということであれば、昨年の春の例を見ても、解除することはあり得るわけでありますけれども、これは、この国会でも議論をいただきましたし、附帯決議にも書かれております、緊急事態宣言というものは、幅広い都道府県民の皆さんに様々な自粛などをお願いするものですから、私権の制約を伴うということで、できる限り必要最小限のものにすることという規定が、法律もありますし、附帯決議でも言われておりますので、そういったことも頭に置きながら判断していくことになります。

 いずれにしても、再拡大させないということを頭に置きながら、専門家の意見を聞いて判断をしていくことになる、こういうことでございます。

柚木委員 これは、各該当県並びに政府内においてもちょっとやはり意見がそれぞれあるみたいですので、くれぐれも、本当にそれぞれに配慮した形、御判断をお願いしたい。

 その中の一つとして、西村大臣もおっしゃっていますが、例えば東京、前週比新規感染者七〇%減目標に対して、現在、私が聞くところで八六・一%ですね。やはり首都圏、これから本当にオリンピック、今日、丸川男女共同参画大臣にも来ていただいていますが、これを開催ということも視野に入れられた中で、これが本当に七日に解除できるのかということに関連して、これは宣言を長引かせないために、改正コロナ特措法四十五条の適用もあり得ると西村大臣はおっしゃっています。

 ということは、この四十五条というのは、お店への時短営業、これは要請よりもより強い命令が可能になるということでございますが、私がちょっと確認をさせていただきたいのは、その命令が可能となって、それでも時短要請に応じない場合は、これは、例えば宣言中であれば三十万円の過料、罰金ですね。しかし、宣言中でなくとも、例えば重点措置、蔓延防止措置というのも設けましたが、二十万円以下の過料、罰金の可能性があり得ると思うんですが、命令に従わない場合には過料、罰金というのもあり得る、そういう認識でよろしいでしょうか。

西村国務大臣 時短要請につきましては、昨日も多くの知事と意見交換をしましたけれども、恐らく九五%を超える事業者の皆さんが協力に応じていただいて、そのおかげもあって、また国民の皆さんの御協力もあって、これだけ感染者の数が減少傾向になっているものというふうに理解をしております。

 ただ、今も御指摘がありましたように、ここに来て、首都圏で少し、首都圏を中心に減少傾向が鈍化傾向になっており、一部の県では少し増えたりもしてきております。これは、背景として、昼も夜も少し人出が増えてきていること、飲食の機会が増えていることなどのデータもございます。

 こうしたことを踏まえて、特に夜八時までの時短については徹底して御協力をお願いしたいということで、それぞれの都道府県が呼びかけなどを行っているところで、働きかけを行っているところでありますが、これを徹底していくために、何としても感染をここで抑えなきゃいけないというために、四十五条の規定の適用はあり得るということであります。

 その中で、御指摘のように、命令、罰則というのは、当然、場合によってはあり得るわけですけれども、その手順については、細かく、私ども、対処方針、そして通知でお示しをしておりまして、私権の制約を伴うということで、しっかりとその趣旨を文書でお示しをして、事業者の皆さんに理解を得ながら進めていくことでありますし、知事が特に必要と認める場合に限ってそういった手続に入りますし、専門家の意見も聞くことになっておりますので、しっかりとそこは手順を踏んでいただきながら、事業者の皆さんの理解を得て、できれば協力に応じていただいて、一緒になってこの感染を抑えていくということを取り組んでいければというふうに考えております。

柚木委員 罰金、過料、場合によってはあり得るということなんですが、そうであるならばなおさら、これは、まさにこの間、改正案の審議のときにも、補償なき罰則は駄目ですよ、まずはしっかりとした補償があれば、私も何度も大臣にもお願いしました、事業者の規模、前年比売上げ、従業員数など、一日六万円の時短協力金で、もちろん何とか頑張れる、しのげるところもあれば、そうでない大手のチェーンさんもある。そういう中で、場合によっては罰金もあるということであればなおさら、事業者に対しての経済的な支援、補償、言い方は、時短協力金、何でもいいんですけれども、是非これもセットで、むしろこちらを先行してやっていただく。

 報道で大臣のコメントも拝見しましたが、例えば、関西圏で一日四万円の時短協力金、解除して、なくなっても国としてしっかり財政的に支援してくれ、支援する、こういうやり取りがあった。これは、私は必要なことだと思うんですよ。でも、そうであるならば、宣言を解除してもそういうことをやってくれるんだったら、今、宣言をされていない地域も同じように本当に困窮しているんです、私の地元岡山県も。明日にも首をつらなきゃいけないかもしれないと、私の前で、何人もの経営者の方、お店をやっている方、本当に涙ながらにおっしゃっていますよ。公的ないろいろな支援を活用している。

 ですから、是非、罰金も場合によってはあり得るということであれば、事業者への支援、これは具体的に政府が一定期間の支援給付金を検討との報道もありますので、そういったことをしっかり宣言解除エリアにもやるということであれば、今、宣言中以外のエリアも含めて財政支援を行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

西村国務大臣 緊急事態宣言の地域は、今、最大百八十万円の協力金、これを政府が八割を支援をする。更に言えば、これが大幅に負担が大きくなった場合には更に支援をしていく枠組みもつくっているところであります。

 そして、緊急事態宣言以外の地域についても、感染状況に応じて都道府県知事の判断で、これは私どもともちろん協議しながらでありますが、時短要請を行った場合は、最大、月額換算で百二十万円までの協力金を行うこととしております。

 知事の判断を含めて、それが行う必要がないという場合にはやられていないわけですが、その場合に、二つ申し上げるとすれば、一つは、地方創生の臨時交付金が、一兆円を各都道府県、市町村に配分を、これは坂本大臣の下で配分をされておりますので、これを有効に活用いただいて、それぞれの地域の実情に応じて、特に影響の大きい事業者に対して支援を行う、こういった枠組みが各都道府県、市町村で検討されておりますし、既に始めようとしているところもあると聞いております。

 例えば、これから申し上げる二つ目の点は、地域、業種を問わず、この緊急事態宣言の影響を受けて、外出自粛などの影響を受けて五〇%以上売上げが減った場合には、法人の場合は六十万円、個人事業主の場合は三十万円の支援がありますけれども、これは五〇%以上ということでありますので、そうでない、例えば三〇%以上の影響があった事業者に対して、都道府県や市町村が先ほどの交付金を活用して支援をするケースもありますので、そういった意味で、交付金を活用していただきながら、そして、私ども、六十万円、三十万円の一時支援金を活用して、緊急事態宣言以外の地域においても、影響のある事業者、しっかり目配りをしていきたいというふうに考えております。

 当然、雇用調整助成金とか、様々、他の支援策も使えることは当然でありますけれども、いずれにしても、しっかりと目配りをしながら、必要な支援を行っていきたいというふうに考えております。

柚木委員 西村大臣、あとはまた時間があれば戻ってまいりますので。

 ちょっとワクチンのことに関して、河野大臣、今日、お忙しいところお越しいただいていますので、お伺いをさせていただきます。

 まず、今週中にも、今、自治体で、私の資料にも地元の、これは三ページ目、大臣、御覧いただければと思うんですが、岡山県、二十七市町村中、半分近い十二市町では、会場で予診や接種を担う医師、看護師の確保のめどが立っていない、これは地元新聞社の調査です。

 まさに大臣も、昨日も含めて、様々な自治体の皆さんとのやり取りも、それを通じて医療現場の皆さんも対応いただいているわけですが、このワクチンの確保、供給、接種の全体のスケジュール、これを本当に、今週中といっても、もう今日は水曜日ですから、今日、一定のことは是非この委員会を通じて全国の自治体、伴って医療現場、こういったところに、私のところにもいっぱい問合せが来ています。是非、今後、例えば高齢者の接種、医療従事者の先行、優先接種、優先接種で百万人ぐらい医療従事者の方が増えて、これがいい悪いは私は申し上げませんが、いずれにしても、そうすると、後ろ倒しにそれぞれがなっていく、そういうことが懸念をされます。

 今後の新たな接種スケジュール、本来であれば三月末から順次始まる高齢者への接種券の配付から接種の開始、接種期間の目安である二か月と三週間、これはオリンピックまでに本来であれば終了する、こういうタイムスケジュールだったと思いますが、それがどうなるのか。そして、まさに、大都市と地方では違うとおっしゃっています、大臣。大都市であるこの東京、オリンピックも開催されるかどうかの瀬戸際にあるこの東京ではどういう接種スケジュールになるのか。

 こういった点について、是非この委員会を通じて国民の皆様に、あるいは自治体の現場に御説明をいただければと思いますが、お願いいたします。

河野国務大臣 高齢者への接種については、早くても四月一日からとお知らせをしているとおりでございますが、自治体に、なるべくもう少し事実に基づいた、供給スケジュールに基づいた情報の発信をしたいと思っております。今週中にも調整をしてお知らせをしたいと思っているところでございます。

柚木委員 先ほどあえてちょっと触れさせていただいたんですが、高齢者の接種、これは遅れる公算で、本格的には連休以降になるだろうと。その増産を、EUから、毎回一回ごとに、三便以降が幾ら入ってくるかも分からない。そうすると、私もいろいろな報道も含めて、どうなるのかなと思って見たときに、これまでの一、二便のペース、三便以降はどうなるか分からないと大臣もおっしゃっていますからね、一回当たりどれだけ入ってくるか。そうすると、今後、まさに医療従事者も百万人ぐらい多く接種する、プラス、早くても四月一日以降と言われた高齢者接種、これは六月終了計画ですけれども、今のペースで入ってくるとすれば、毎日、そういうペースで今後来たとしても、何と百七十五回分来ないと計画どおりいかない、こういう試算もございますが。

 今日は丸川大臣にも来ていただいているので、是非、私も、東京オリンピック、感染拡大防止とそして事業者や個人への補償、こういったものをしっかりやっていただいた上で、両立するのであれば、それはアスリートの皆さんのことを考えても、やってほしいんですよね。しかし、国民の皆さんの八割が中止、延期を求めている中で、このワクチンの接種が計画どおりに本当に進むかどうかというのは、IOC、JOCの立場はまた別として、国民感情からすれば非常に重要な点なんです。

 河野大臣、高齢者の接種、これは予定どおりでいけば六末、オリンピック開会式は七月二十三日、それまでに接種完了の見通しということでよろしいですか。それとも違いますか。

河野国務大臣 高齢者の接種のスケジュールについては、早くても四月一日以降としか申し上げておりません。

 各自治体に、接種の体制を組むのにどれぐらいの目安なのかと聞かれたときに、二か月と三週間を目標として体制を組んでくださいというお願いをしてございますが、それは地域の事情によっていろいろと差があるわけでございます。今、自治体の職員の皆さんは、そのそれぞれの地域の事情に合わせた接種体制を組んでいただいているというふうに考えております。

柚木委員 今の御答弁だと、まさに大都市圏などはなかなか難しいという認識を大臣もされている中で、なかなかこれは、本当に六末の高齢者医療、特に大都市圏、東京を含めて接種完了というのは難しいというふうに私は認識します。

 丸川大臣、もちろん男女共同参画のことも通告しているので伺いたいんですが、今日、お立場上、五輪担当大臣というお立場もあるんですが、私は、国民の皆さんに、是非、本当にこれならオリンピックをやれるという状況を、やはり与野党を超えてつくる努力はすべきだと思うんですね。

 そんな中で、そもそも私たち一般の六十五歳以下はもとより、高齢者の方々、場合によっては有病者の方々、場合によっては高齢者施設で働いている方々、こういう方々の接種すら終わっていない中で、じゃ、オリンピックをやりましょう、これはJOC、IOCの、ワクチンとの兼ね合いは私は認識していますよ、でも、国民感情からしたときに、ワクチンの接種が高齢者の方すら終了していない中でのオリンピックを迎える。国民の皆さんの心情的な理解、得られるとお感じになられますか。(発言する者あり)

丸川国務大臣 まさに今お声がありましたが、この委員会の所管ではございませんが、私の所管でございますので申し上げますと、ワクチンの接種を前提としないで安全、安心な大会が実施できるように、今、総合的な施策の取組の検討を進めているところでございます。

 いずれにしても、国民の皆様の御理解なくして大会の成功はあり得ないと思っております。

柚木委員 本当に、国民の皆様の理解なくして大会の成功はあり得ない、これはもう与野党共通の認識です。

 この共通の認識の中で、男女共同参画という立場で結構ですので、私は、橋本大臣からいろいろな引継ぎが行われているはずだということで通告のときにやり取りしたんですけれども、余り詳細を事務方の方は御存じなかったみたいで。

 その中で、これは菅内閣の閣僚の一人として、ほかの大臣さんにも同じことを別に聞いてもいいんですけれども、橋本大臣が離党して、そして今回新会長に就任して、女性で、一定のことをちゃんとクリアしていただければ、今回、私個人は、男女どちらも、もちろん資質がある人がやるべきなんですが、このタイミングで女性の方がやった方が世界に向けての発信としては私は伝わりやすいと思って、前回予算委員会でも申し上げたんですが。

 ただ、一点だけ。これは、離党はされたんだけれども、いずれ復党するという報道も含めて、今後、では、国会の法案採決とかをどうされるのかな、本会議とか。復党前提だったら、恐らくやはり自民党さんと同じ歩調を取られると思うんです、普通に考えたら。でも、やはり橋本大臣自身がおっしゃった、一点の曇りもなくと、そのために離党もしたと。これは、本来なら、やはり会長職に専念をいただいて、お給料も会長職としてもらって、そして、ここはやはりけじめとして議員職を辞する、そして会長職に専念する、そのことの方がまさに国民の皆さんの理解を得られると私は思うんですけれども、菅政権の一閣僚としてどう思われますか。私はそう思うんですけれども。

丸川国務大臣 様々な御意見があると承知しておりますが、少なくとも、菅内閣の一員としてお答えをすべき問いかけではないと思いますので、答弁は控えさせていただきます。

柚木委員 これは、私は、機会があるときに是非五輪担当大臣として、そこはしっかり、今、そういう私は思いを申し上げましたから、是非そういうことも国民の皆さんに対して、あるいは橋本大臣とも、だって、本来、離党しないと言っていたのを、いろいろな意見を受け止めて離党されたわけですからね。私は、橋本大臣は迷っていらっしゃると思いますよ。そこは是非、五輪を成功させる、何としてもということであれば、こういう意見もあるということをお伝えいただきたいと思います。

 そして、ワクチンに戻りますけれども、河野大臣、一回の接種で、ファイザー製ですね、これはランセットなどにも書かれていて、発症が非常に、八割とか、場合によっては九割近く減じられる、こういう調査研究も出てきております。そういう中で、しかも、接種スケジュールが非常に遅れてきている。自民党さんの中でも、PTの事務局長の古川議員も、これは最終的には政治判断になると。

 つまり、私も事務方とやり取りをしたら、やはりこれはファイザーから薬事承認申請などが出てきて、もっと厳密な、やはりそういう治験という形での判断が求められるというのがこれは所管の省庁の認識なんですが、最終的に、これは政治判断というものも含めて、河野大臣御自身も田村大臣とも相談して、田村大臣は、今の段階ではやはり役所の見解に近い御発言をされていると思いますが、まさに今、オリンピックの話でもちょっと申し上げましたが、いろいろな接種スケジュール、計画が後ろ倒しにどんどんなっていくとしたときに、きっちりとやはり検証がなされた上で、当初二回ですから、これは効かなければ意味がありません、まさに集団免疫獲得にもつながりませんので。ただ、それが一定程度、ちゃんと検証されていくとしたときに、接種一回というケースも今後検討し得るかどうか、御答弁をいただけませんか。

河野国務大臣 そういう論文が出ているというのは承知をしております。

 現時点で、薬事承認は二回接種ということでございますので、私のところでは、二回接種で準備を進めております。

柚木委員 現段階ではということですから、今後の、私も別に一回にしてくれということじゃないんですね。きっちりとしたやはり科学的な検証に基づいて、これは、ほかの国ではいろいろな動きがまた出てきているということも含めて、日本としても、しっかりそういった対応も併せて御検討いただければと思います。

 ちょっと時間がなくなってきておりますので、山本厚労副大臣、今日、お越しいただいていますね、ありがとうございます。

 ちょっとまとめて伺います、時間がないので。今日は、坂本大臣にも是非伺いたいので。

 まず一つは、ワクチン接種に関連して、これは予算委員会でも申し上げましたし、先日も大きく、これはたしか報道ステーションですかね、介護現場の従事者の方々への接種が非常に、要は、医療現場の方に比べて遅い。しかも、訪問介護あるいはデイサービスとか、もうこれは本当にクラスターがいっぱい起こっています。私の地元では、病院以上に起こっていますよ。そういう方々は、高齢者の接種の中に合わせてスタートする高齢者施設従事者等の等にも入らない。

 これは、本当に現場は今、通知が出ていますね、厚労省から。ちゃんと、感染リスクが従事者にあっても受けてくれと通知まで出ている。そんな中で、ちょっと何か医療と介護の、これは差別というか格差というか、現場はもう本当に、大臣御承知のように、この間、こやり政務官のところにも陳情も伺いましたよ、現場の皆さんと。お聞きいただいていると思います。本当に求人倍率がもう十倍、二十倍みたいな世界で頑張っていて、家族からも、お願いだからもう辞めてくれと、介護士を。

 これは、是非、今の医療従事者の方の先行接種、優先接種とまでは申し上げませんけれども、できれば、高齢者が接種をするそのタイミングで、訪問介護あるいはデイサービス、そういった方々も含めて接種の開始をお願いできればというのが一つ。

 それからもう一つは、これから年度末を迎えてまいりますが、生活困窮者支援、非常に重要です。一つお願いしているのは、生活保護の家族の扶養照会、福祉事務所ごとにいまだに本当に運用が違う。家族にだけは知られたくない、だから、基準を満たしていても申請しない、そして、ともすれば命を失ってしまう、こういう方も出てきている中で、これは、是非、全国の福祉事務所の皆さん、できれば、本当に、生活保護は権利である、そして、それは何も、何か恥ずかしいという認識が多分私たちの中に、ひょっとしたら皆さんの中にあるかもしれませんが、そうじゃなくて、次にもう一遍ちゃんと頑張れるための命をつなぐための国民の権利なんだということを、例えば、今、内閣のコロナ対策、CMがいろいろ流れています。内閣広報担当とも相談していただいて、そういった発信をお願いしていただきたい。

 もう一つは、緊急小口融資は返済免除のあれが出ていますけれども、総合支援資金、これもまさに返済免除という部分の議論が、要件に合致すればこれは当たる、検討しているとお聞きしておりますから、これも是非、年度末に、私たちはいろいろな法案を今出してお願いしています。休業支援金の拡充、一人親世帯の臨時特別給付金、そして、今回、与党の中でも議論がある二度目のいわゆる定額給付金十万円、これは生活困窮者の方にということで今回法案も出す流れです。

 是非そういった流れの中で、年度末、まさに有期雇用の方々が、雇い止めが大量に発生するんじゃないか。そして、一人親家庭の方々も、本当に年度末で、お子さんがいらっしゃる方、いろいろなことを、学費とかいろいろな準備することのお金もない。二度目、年末にやってもらって何とか命がつながった。三度目ということも、私たちは法案を出しているけれども、この総合支援資金の部分の返済免除というのも、そういうメニューの中で、是非早く決めて、年度末までにはそれを実施していただく。

 そういったことを、今大きく二点伺いました、是非御答弁をお願いいたします。

山本副大臣 質問ありがとうございます。三点、質問をいただきました。

 一つは、ワクチンの優先接種の中に、訪問介護とか、介護の従事者の方のお話の御質問でございました。

 このワクチンの接種に関しましては、重症化リスクとか医療提供体制の確保等を踏まえまして、医療従事者、高齢者、また基礎疾患を有する方々、高齢者施設等の従事者等、これは順次接種できるように、政府の分科会で議論を経て決定した内容でございます。

 そうした意味で、重症化リスク等の大きさを踏まえまして、高齢者と高齢者施設の従事者の接種順位は異なっておりますけれども、施設内のクラスター対策の一層の推進のために、市町村及び施設等の双方の体制が整う場合におきまして、一定の要件を満たす高齢者施設におきましては、入所者と従事者の接種を同じタイミングですることは可能でございます。

 その意味で、高齢者の施設の従事者の範囲ということに関しましては、やはり、発生した場合に、高齢者の患者とか濃厚接触のサービスを継続することができるとともに、クラスターを抑止する対応を行う必要があるということから、高齢者が入所、居住する施設での利用者に直接接する方を対象にしていることでございます。

 委員御指摘の要望でございますけれども、デイサービスにつきましては、仮に事業所において新型コロナウイルス感染症の患者が発生した場合には、ケアマネジャーと自治体が連携の上で、介護サービスの必要性を再度検討した上で、他の事業所によるサービスの提供など様々な選択肢がございます。そのため、施設系サービスとは一定程度異なっているものと理解しておりまして、デイサービスの従事者は優先接種の対象とはなっていないという現状がある次第でございます。

 それから二点目の、生活保護の点でございますけれども、先日も、委員会でも委員から御指摘がございました。この生活保護に関しましては、具体的には、一連の事務連絡の中で、扶養照会の配慮とか、資産の保有に関する弾力的な運用等につきましても周知を行っているところでございます。

 今委員が御指摘されました広報に関しましても、政府広報を活用しながら、ヤフーのニュース上のバナー広告でございますとか、グーグルの検索機能、ツイッターを活用した広報等で、ためらわずに福祉事務所に御相談いただきたいことを呼びかけた上で、大臣も記者会見等で呼びかけたところでございまして、これは、引き続き様々な方法で、こうした保護を必要とする方が申請をためらうことがないように取り組んでいきたいと思う次第でございます。

 最後の、総合支援基金の返還免除基準についての検討でございますけれども、これに関しましては、先般、緊急事態宣言の延長等を踏まえた緊急経済支援策として、緊急小口支援に関しましては、令和三年度、令和四年度の住民非課税世帯が、確認できた場合には全額を一括で免除することとした次第でございます。

 また、委員御指摘の総合支援資金につきましては、引き続き、お困りの方の生活再建の支援という観点で検討を行っているところでございますので、早急に検討、調整を進めて、その結果を速やかに公表してまいりたいと思います。

 以上でございます。

柚木委員 各々是非よろしくお願いいたします。

 最後に、孤独、孤立対策の大臣、今日、本当にお忙しい中、あしたシンポジウム、菅首相も出席をされて、関係閣僚も出られるということで、すばらしいことだと思うんです。自民党さんの中でもそういう議連が立ち上がっている、私はそういう取組はすばらしいことだと思うんですね。

 是非、具体的に実態調査も、今後どういうことを行って、この孤独、孤立問題を担当する中での、自殺ですね、これは、大人も未成年も女性の方の方が多い。私、あした出られるライフリンクの方の、清水さんのレポートも読みましたよ、政府の調査に対する分析。本当に読んでいて胸が詰まります。

 具体的に、この孤独・孤立対策室の中で今後どのような取組を、今日、資料を八、九ページ目につけておりますけれども、もちろん、学校現場でのタブレットの利活用や、スクールカウンセラーなど支援体制の強化、困ったときに頼れる人がいる、そういうことを具体的にどういうスケジュールで今後取り組んでいくのか、是非御答弁をお願いいたします。

坂本国務大臣 特に、十代から四十代までの女性の方の自殺が増加しているということは大変憂慮しております。孤独、孤立に関する社会的な背景もあるのだろうと思います。

 そういうことで、この担当をいただきましたので、まず私が一種の司令塔になりまして、各省庁にありますそれぞれの対策について、連携を取りながら、しっかり総合的な対策として取りまとめていきたいと思います。

 今週中に、NPOの方々を中心に集まっていただきまして、緊急フォーラムをやります。その中で、様々な意見が出てまいりますので、今後、NPOの方々との連携をどうしていくかというようなことをしっかりと組織的に考えてまいりたいと思っております。

 さらには、今後、相談窓口体制とか様々な考えられることがありますので、今後のことにつきましては、これからの現場の声も聞きながら、一つ一つ検討をしてまいりたいと思っております。

木原委員長 申合せの時間が来ておりますので。

柚木委員 はい。

 通告、できなかった皆さん、大変申し訳ありませんでした。

 以上で終わります。ありがとうございました。

木原委員長 次に、足立康史君。

足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。

 七名の大臣の方にお越しをいただいています。所信質疑でございますので、何とぞ御理解をいただいて、質疑が終わりましたら退席をいただきたいと思います。

 まず、官房長官に尖閣の質問をさせていただきたいと思います。

 官房長官に御質問申し上げる前に、国交省から鳩山政務官においでをいただいています。

 十七日に奥島高弘海保の長官が、尖閣での武器使用は排除されないということを、定例の会見、国会でもおっしゃいました。大変いろいろ熟慮されての御発言とはもちろん承知していますが、私は当たり前だと思うんですね。排除されない、それは当たり前だと思うんです。

 今日、事務方ではなくて政務にお越しをいただいたのは、これは、尖閣を防衛するためには、武器を使用することは排除されないだけではなくて、武器を使用すべき局面が来れば使用する、こう言っていただくのが当たり前だと思いますので、御答弁をお願いします。

鳩山大臣政務官 御質問にお答えをさせていただきます。

 中国海警局に所属する船舶への対応につきましては、個別具体のケースに即して総合的に判断すべきであり、一概にお示しすることは困難であります。

 ただし、国際法上許容される範囲内において、海上保安庁法第二十条第一項で準用する警察官職務執行法第七条の要件に該当する場合には、警察比例の原則に基づき、武器を使用することは排除されないと認識をしております。

足立委員 いや、ちょっと答弁していない。それは分かっているんですよ。それは分かっている。その上で、しかるべき事態とか状況になれば武器は使用する、そういうことでいいですね。

鳩山大臣政務官 お答えをさせていただきます。

 繰り返しになりますけれども……(足立委員「いや、繰り返しは要らないって」と呼ぶ)

 また、海上保安庁による対応の詳細につきましては、我が方の手のうちを明らかにするおそれがあることから、お答えを差し控えさせていただければと思っております。

 いずれにしましても、海上保安庁では、今後とも、我が国の領土、領海を断固として守り抜くという方針の下、冷静に、かつ毅然として対応を続けてまいります。

足立委員 もう政治家を辞めた方がいいね、政治家。

 海上保安庁法二十条一項が準用を規定している警察官職務執行法第七条にはこうあります。「合理的に必要と判断される限度において、武器を使用することができる。」海上保安庁法の二十条の二項にも同じ趣旨のことが書いてあります。

 合理的に必要と判断される限度において武器を使用することができる、そうであれば、合理的に必要と判断されるある事態が起こる、その事態に応じて合理的に必要と判断される場合には武器を使用する、当たり前ですね。鳩山さん、なぜそう答えないんですか。それだけ、苦しいのは分かりますよ、苦しいなりにちょっと考えて。

 それで、法律には「合理的に必要と判断される限度において、武器を使用することができる。」と書いてあるんだから、事態に応じて合理的に必要と判断される場合には武器を使用する、もしそう言えないのであれば、なぜ言わないのか。政治家として、お願いします。

木原委員長 まず、海上保安庁宮澤部長。お答えをいただいた後、鳩山政務官にお答えいただきます。

宮澤政府参考人 お答えいたします。

 大変、繰り返しになりまして恐縮なんですが、国際法上許容される範囲内において、海上保安庁法第二十条第一項で準用する警察官職務執行法第七条の要件に該当する場合には、警察比例の原則に基づき、武器を使用することは排除されないと認識しております。

 先生、法律の件に言及されましたですけれども、当然のことではあるんですが、海上保安庁は、海上における法執行機関でございまして、国際法及び海上保安庁法等の関係法令にのっとり業務を実施しておりますので、答弁につきましても、それに立脚してお答えをさせていただいたということでございます。

 これも政務官から御答弁を申し上げましたとおりですけれども、海上保安庁による対応の詳細については、我が方の手のうちを明らかにするおそれがあることから、お答えを差し控えさせていただきます。

 いずれにしましても、海上保安庁では、今後とも、我が国の領土、領海を断固として守り抜くという方針の下、冷静に、かつ毅然として対応を続けてまいります。

足立委員 国土交通委員会でこの件は引き続きやりますが、国民は大変心配をしています。

 官房長官、大変お忙しい中、ありがとうございます。

 資料の二ページ目に、これは当たり前のことが書いてあるんですが、海上保安庁、自衛隊、あるいは米軍、様々なステージにおいて我が国は、我が国の領土、領海、領空、領域をしっかりと守っていく、これは当たり前のことだと思います。

 尖閣諸島については、固有の領土、あるいは、有効に支配している、政府の基本的立場、これは承知をしていますが、大事なことは、それぞれのステージに応じて、今申し上げた、合理的に必要なある事態が起こる、その事態において合理的に必要と考えられる場合には、判断される場合には、当然武器を使用し、武力を行使する、これは主権国家として当たり前のことであると思います。

 仮に日本の主権が侵害されるおそれが出てきた場合、あるいは有効に支配している状況が脅かされるような事態があれば、グローバルスタンダードで、グローバルスタンダードに認められている、これはまさに個別的自衛権の世界でありますが、しっかりと尖閣諸島を防衛していく、その政府の決意を官房長官からお願いしたいと思います。

加藤国務大臣 まず、中国海警局に所属する船舶が、我が国の接続水域内での航行、領海侵入等の活動が相次いで行われたこと、これは極めて深刻な事態というふうに考えており、我々としても、現場海域において、また外交ルートにおいて、必要な対応を取らせていただいております。

 また、今回の中国の海警法についても、こうした法律が国際法に反する形で運用されることはあってはならないと考えており、我が国の考え方等を中国側に伝えるとともに、引き続き高い関心を持って注視をしているところであります。

 また、中国側の尖閣諸島周辺の活動に対しては、先ほど申し上げましたが、海上保安庁を中心に、現行の法制に則して毅然と対応しております。

 また、武力攻撃に至らない事態、侵害に適切に対応するためには警察機関と自衛隊との連携が極めて重要であり、海上保安庁法、自衛隊法等、必要な法制の下、海上警備活動等の発令手続の迅速化を図ったほか、関係機関の対応能力、情報共有、連携の強化、各種訓練の充実など、必要な取組を推進をしているところであります。

 政府としては、大型巡視船の整備、警察機関、自衛隊の体制強化と能力向上を図り、国民の生命財産及び我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜く、こういう方針の下、冷静かつ毅然と対応していく考えであります。

足立委員 加藤長官におかれては、私がなぜこういう質問をしているかは御理解をいただけていると思いますが、今の御答弁は、従来の、従来というか、従来の答弁以外に答弁はないのも私ももちろん承知していますが、私が是非加藤長官に確認をさせていただきたいのは、我が国固有の領土なんですから、中国なりがある一線を越えてきた場合、イエローラインを踏んできた場合、あるいはレッドラインを踏みそうになって踏んできた場合、当然それには、武器の使用あるいは武力の行使、当然の主権国家としての対応を、要は、どうなればこうする、どうなればこうするという、ちゃんと尖閣を防衛する、何といいますかね、プランというか、そういうものが政府部内にあるのかどうか。

 国民は心配しています、とにかく言っているだけじゃないのかと。本当に、いざとなればちゃんと行動してくれるのか、そういう心配を国民はしているんです。その国民の懸念にお応えをいただけるような御答弁はないでしょうか。

加藤国務大臣 そこは、先ほど申し上げましたように、警察機関、海でいえば海上保安庁ということになるんでしょうが、と自衛隊との連携、あるいは、個々における対応の強化、能力の向上、こういったことをしっかり図らせていただいているわけであります。

 ただ、委員がおっしゃるように、具体的なということになれば、これは先ほどから答弁もさせていただいておりますように、これは我が国の、こういう場合こうしますと言ったんじゃ、これは話が始まりませんから、そこは控えさせていただきたいと思いますが、しかし、そういった様々な事態を想定しながら、それぞれが、またあるいは連携して、議論を重ねさせていただいているところであります。

足立委員 ありがとうございます。

 もう一言いただきたいんですが、私も理解します、それは。まあ、国会の中にもいろいろな人がいます。この国会の質疑は国民のみならず世界中が見られるわけでありますから、これは丁寧に、慎重に御答弁いただく必要があるのは分かります。したがって、手のうちをさらすような発言、これはできないというのは分かりますが、じゃ、今おっしゃった、こうなればこうする、そういう尖閣諸島防衛に向けたアクションの考え方みたいなものは、私はある、あるはずだと信じています。加藤長官にお答えいただきたいのは、そういう整理というか、対処方針みたいなもの、それはありますね。

 いや、国民が心配しているのは、大丈夫かと。要は、どうなればどうするという手のうちをここでおっしゃっていただく必要はありません。でも、手のうちはあるということを明言いただけませんか。そういう整理があるのである、言えないけれども存在はするのであると。お願いします。

加藤国務大臣 これは、先ほど申し上げておりますように、海上保安庁は海上保安庁として、自衛隊は自衛隊として、それから、いわゆる海上保安庁と、海でいえば、自衛隊とのいわゆるグレーゾーンというんでしょうか、そういったところも含めて、様々な事態を想定しながら、それぞれの機関、あるいは連携して、そうした状況に対する対応をしっかり検討しているところであります。

足立委員 ちょっと語尾を丸めてくださったので、また、これは大事な問題ですので、引き続き内閣委員会も含めて取り扱っていきたいと思います。

 小此木委員長、お越しをいただいています。お忙しいところ済みません。

 ちょっと資料の三を御覧いただきたいんですが、二月五日の予算委員会で、私、菅総理にスパイ防止法がやはり要るんじゃないかという質問を申し上げました。総理からは、そういう体制というのを整えていく必要というのはあるだろうという御答弁をいただきました。

 その際に議論したのは、ここに書いてある国家秘密に係るスパイ行為等を防止するために使えそうな法律、質問者である私が思うところを二つ挙げています。特定秘密保護法、不正競争防止法。

 これは、それぞれスパイ防止のために作ったというよりは、例えば、特定秘密はまさに特定秘密を保護するために作った、あるいは不正競争防止法は、この括弧の下の方に書いてあるように、企業の競争力の源泉になる技術情報などを保護するために作った法律、要は産業スパイを取り締まるために作った法律です。

 しかし、いずれも国家秘密に係るスパイ行為について若干かすっているわけです。全く取り締まれないわけではないがメインターゲットではない、メインターゲットではないが全く取り締まれないわけではない。

 この二つの法律に基づいた国家が保有する秘密等に係る検挙事例、ございますでしょうか。

小此木国務大臣 警察においては、これまでも様々な既存の法令を駆使して、いわゆるスパイ事件、諜報事件の取締りに努めております。

 例えば、今言われました不正競争防止法を適用した諜報事件の検挙については、令和二年一月、通信関連会社の当時社員が、在日ロシア通商代表部代表代理に唆されて、同社の営業秘密である機密情報を不正に領得した事件を検挙しています。

 お尋ねの国家が保有する秘密をめぐる諜報事件に関して、特定秘密保護法又は不正競争防止法を適用して検挙した事例はありません。

 今後とも、お尋ねの不正競争防止法等を含む各種法令に反する諜報活動に対しては、厳正な取締りを行うよう警察を指導してまいりたいと思います。

足立委員 ありがとうございます。

 ないわけですね。すると、日本に諸外国のスパイはいないのかということが問題になってくるわけであります。加藤長官、私はいると思います。いるが、しっかりと法律を整備する、あるいは、法律を整備するだけじゃありません、今小此木大臣がおっしゃったように、どれだけエンフォースしているか、これもまた課題になります。

 いずれにせよ、総理が予算委員会でおっしゃったように、スパイ防止のための体制整備、これは喫緊の課題であると思いますが、加藤長官、いかがでしょうか。

加藤国務大臣 まず、我が国国内において外国情報機関による情報収集活動が行われているとの認識に立って対応を考えていくことは重要だというふうに思います。

 政府としては、諸外国による我が国の国益を害する情報収集活動、こうしたことが行われていることを念頭に置き、外国情報機関等の情報収集活動に対抗して、政府の重要な情報を保護するよう努めているところであります。

 また、スパイ防止法等の必要性について、これは様々な議論があることは承知をしておりますが、先日、総理、今引用をお読みいただいた答弁にあるように、国の重要な情報等の保護を図ることは極めて重要であり、必要な取組の充実強化に引き続き努めてまいりたいと考えております。

足立委員 長官、私は、あえてちょっとブレークダウンすると、法令の整備が足りないと思います、足りない。今さっき申し上げたように、主たるターゲットとして整備された法律はないわけですから。だから、法令の整備、それから、今既に使える法律を駆使して、先ほど長官がおっしゃったように、外国のスパイはいるということを念頭に考えなくてはいけません。

 そうであればしっかりと、検挙事例が、だって日本人は中国で検挙されているわけです。日本人は複数検挙され、いまだに中国で勾留され、懲役刑に服しているにもかかわらず、中国を始めとする世界のスパイを少なくとも検挙した事例が、国家が保有する秘密について、ないというのは、私は異常事態だと思います。

 もう少し踏み込んで、私が、総理の答弁を受けて、少し政府の対応をお待ちできるような、しっかりとボールを、ボールは加藤長官が受け取った、加藤長官から、しばらく体制の整備に向けて何かこうするというお答えを待っていていいんだと思えるような御答弁をいただけないでしょうか。そうしなければ毎回聞くことになります。毎回、内閣委員会に加藤長官をお呼びしないといけない。

 ボールは引き受けた、検討するとお願いします。

加藤国務大臣 重複になりますが、国の重要な情報等の保護を図ることは極めて重要であります。カウンターインテリジェンスを始めとした必要な取組の充実強化、これは努めてまいりたいと思います。

 ただ、委員がおっしゃるように、具体的な中身について、これは申し上げるわけにはいかないわけでありますので、引き続き、先ほど申し上げたように、外国の情報機関による情報収集活動が行われておるということ、これをしっかり念頭に置きながら、政府としてしっかりとした対応を図り、また、そのための体制の充実を図っていきたいと思います。

足立委員 ありがとうございます。

 しっかり、この質問、もうあとは加藤長官に任せておけば大丈夫だと思えるところまではちょっといきませんでしたので、また次回お越しいただきたいと思いますが、今日は、お忙しいと思いますので、加藤長官、小此木委員長はもう退席いただいて結構です。ありがとうございます。

木原委員長 足立委員、国交政務官もよろしいですか。

足立委員 そうですね。はい。

木原委員長 それでは、お三方、御退席をいただいて結構でございます。

足立委員 次に、少子化対策でございます。

 坂本大臣、またお忙しいところ、ありがとうございます。

 少子化対策、とにかく現状では足りないと思います。私たち維新の会は、結党当初から、例えばN分のN乗方式の税制、あるいは、今年から、今まとめております新所得倍増計画にあっては、給付つき税額控除、あるいは、給付つき税額控除を更に極めた、進化させたところのベーシックインカム、このような個人一律給付を提案しています。

 この最大の狙いは少子化対策です。個人に一律給付することによって、当然、子供がたくさんいらっしゃる世帯は助かります。そういう、子供の数を正面からカウントするような再分配政策など、大胆な対策が必要だと思いますが、大臣の任期中に御検討いただけないでしょうか。

坂本国務大臣 いつも新たないろいろな御提案、ありがとうございます。

 N分のN乗税制にいたしましても、これは、子供が増えれば増えるほど一人当たりの税金が安くなる、全体の税金が安くなるということ、それから、ベーシックインカム、あるいは給付つき税額控除、それぞれに御提案をいただいております。

 国民の皆さんの間に様々な御意見もあることでありますので、皆さんたちの御議論の推移をしっかり見守ってまいりたいと思います。

 その上で、少子化社会対策大綱の中にも、多子世帯に対して負担軽減を進めるという旨は明記してあります。

 なぜ希望するだけ子供が産めないかといいますと、やはり、子育て費用、あるいは教育費、こういったものの負担が非常に重いということで、なかなか多子世帯までいけないということでございますので、少子化社会対策大綱をしっかり守りながら、一方の方で財源の確保を図りながら、経済的負担あるいは心理的、肉体的負担の軽減を図りながら、これからの多子世帯に対する、あるいは希望の出生に対する実現の隘路、この打破に向けて強力に取り組んでまいりたいというふうに思っております。

足立委員 この問題は我が党の一丁目一番地ですので、引き続きお願いしたいと思いますが、今日はこれで大丈夫です。ありがとうございます。

木原委員長 どうぞ御退席いただいて結構です。

足立委員 次いで、丸川大臣、またこれも、お忙しいところありがとうございます。

 丸川大臣、御就任からいろいろなところで、選択的夫婦別氏、選択的夫婦別姓制度について大変ネガティブでいらっしゃるというような報道が散見をされます。

 この四ページ目の資料を御覧いただきたいんですが、確かに、共産党や立憲民主党が提案しているような制度、選択的夫婦別姓制度は私も反対です。これをやると、彼ら、彼女たちは認めないかもしれませんが、事実上、戸籍廃止につながる内容になっています。私は、そういう制度を掲げている限りは事態が前進することはないと。かといって、今、自民党、政府・与党が推進している旧姓の併記、一番左側ですね、旧姓の併記では混乱するばかりで、グローバルには通用しません。

 そこで、維新の会はかねがね、旧姓を公証したらいいじゃないかと。旧姓を旧姓のまま一般的法的効力を与えて、本来の氏は少し使用を制限する。

 氏に関する人格権を侵害するんじゃないかとか、いろいろな課題はありますよ。課題はありますが、極論をぶつけ合って全く不便を解消できない事態を打開するために私たちはそれを先導してきたし、また稲田議員なども、婚氏続称制度のアナロジーで婚前氏続称制度というのを御提案されている。ほぼ、おっしゃっていることは、言っていることは私たちと全く一緒です。

 丸川大臣も、今申し上げた、立憲、共産が言っているラジカルな案は到底賛成できないが、今申し上げた戸籍とか日本のそういういろいろな伝統みたいなものも十分配慮しながら、不便を解消するためにできることはやる。よろしいですね。

丸川国務大臣 御質問ありがとうございます。

 私の考えは私の考えとして存在をしておりまして、懸念している点は、足立委員がおっしゃっているような点も懸念されるポイントだなと思っておりますが、一方で、私は、選択できる状況にあるということは、非常にこの多様な社会の中で重要だと思っております。とりわけ、国際的に活動される女性が今後増えていくし、私たちの子供たちの世代というのは地域にいてもグローバルに活動していただくんだろうという中で、どのような形でそれをかなえていくのか。

 特に、別姓、別氏、いろいろな考え方がある中で、今本当にたくさんの議論を先生方にしていただいております。その議論を国民の皆様によく知っていただくこと。

 恐らくは、成人されるまでのプロセスにそれを考えたことがあるかどうかといえば、多分、成人して婚姻を考える年齢になられて初めて、ああ、そういうものがあるのかと思われる方もいらっしゃるのではないか。若い世代の方の中には、前回、橋本大臣のところに三万人の署名を持っておいでになられた方もいらっしゃる。

 いろいろな考えがある中でございますので、是非、この活発な議論を後押ししたいと思っております。

足立委員 ありがとうございます。

 稲田先生ともクラブハウスで少しこの件を議論しまして、私たちの考えと稲田議員の考えは全く同じであることを確認済みです。是非政府からも御支援をいただきたいと思います。

 続いて、ちょっと時間、急ぎますが、給付つき税額控除、税と社会保障であります。

 これはもう総務委員会でさんざんやってきたテーマですので、ちょっと前さばきを若干簡単にやってしまいたいと思いますが、中西副大臣、改めて、頭の整理をしてきていただいていると思いますが、給付つき税額控除を導入するための前提条件としていろいろ課題があるから、なかなかテーブルにのらないというのがこれまでの議論でした。でも、総務委員会で度々議論させていただいた。何か議論をちゅうちょするような、議論を脇に置かざるを得ないようなハードル、これはもうないのであるという私の主張は、もう御理解いただけていますか。

中西副大臣 足立委員おっしゃるとおり、総務委員会で何度か議論をさせていただいております。その際、やはり所得や資産の把握、これを全体的にすることは非常にまだ技術的にも難しいというようなことをハードルとして申し上げさせていただいております。

 それと同時に、より本質的なことも申し上げさせていただいているというふうに思っておりますけれども、低所得者に対する給付をどのようにしていくかということが、この給付つき税額控除のメインの大きな関心事、理由だということだと思いますけれども、各種社会保障制度がございます、生活保護もございます、そして所得制限つきの児童手当といったようなものもございます。そうしたものとの間で、目的も違ったりしますから、どのようにこの給付つき税額控除を整理していくのか、これがなければ前に進むということはないんだろうというふうに思います。

足立委員 総務副大臣、熊田先生、ありがとうございます。

 総務省の認識を改めて確認したいんですが、市町村には低所得者の所得情報が基本的にはあるということでいいですね。

熊田副大臣 委員御指摘のとおり、市町村は、地方税に関する事務において、個人住民税の賦課決定のために必要な範囲で前年中の所得情報を把握しているところでございますが、例えば、給与所得者じゃなく、個人住民税が課税されない程度の所得のみを有する方については、個人住民税の申告義務がないために、全ての住民の所得情報について網羅的に把握しているということではございません。

足立委員 それは問題ですね。

 皆さん、資料六を御覧ください。社会保障分野において申請等により所得を把握している例です。ここに挙げたものは例ですから、たくさんあります。要するに、市町村には、だって、低所得の方々の所得状況を把握せずに、どうやって福祉をやるんですか。どうやって社会保障のサービスを提供するんですか。もし市町村がそれを網羅的に把握できていないんだったら、それは問題じゃないですか。

 熊田副大臣、何か網羅的とおっしゃった。網羅的な話はちょっと後でやります。でも、確かに、捜せばどこかにある。だって、そこから漏れている、これらのサービスから漏れている住民がいたら、それは問題じゃないですか。手が届いていないということですね。

熊田副大臣 総務委員会でこれは足立議員と大臣がやり取りを度々されておる話でありますが、確かに、地方、市町村はそういったものを把握はしておりますが、例えばしっかりした形で給付つきの税額控除をやろうという場合は、例えば、資産だとか、その方が持っていらっしゃる様々な情報までは、どういう形を取っても網羅することができないということでございますので、一応、今御答弁をさせていただいたとおりでございます。

足立委員 委員長もここはよく御理解いただける、ああ、委員長は関係ないか。委員長も多分、政治家として、私が今何のためにこの質疑をしているか、委員の皆様も御理解いただけていると思いますが。

 把握できていなかったらおかしいんですよ。資産だって同じですね。だって、このサービス、いずれも、資産を把握せずに、所得が低いからといって、所得を把握せずにやっていますか。そんなこと、例えば生活保護、生活保護だけかもしれませんが、資産をしっかりと追っかけていますよ。もっともっとそういうものをしっかりと、申請主義でいいからそれらを把握していくことによって社会保障をしっかりと、要は、取るべきところからしっかり取り、手を差し伸べるべきところにしっかりと手を差し伸べるような、もっと優しい、もっと透明で、もっと公正公平な社会保障、これを私たちはつくるために給付つき税額控除ということを申し上げています。

 西村大臣、西村大臣の所管からいうと少し細かい話ですが、ただ、私たちは、税と社会保障の一体改革、消費税を上げるためにはやってきました。あるいは、消費税の逆進性緩和のための議論はやってきました。

 この資料に、五ページ目、ちょっと御覧をいただきたいと思いますが、当時、三党合意で行われた社会保障と税の一体改革においては、番号制度の本格的な稼働及び定着を前提にということで入口が閉じられていましたが、昨年から、菅内閣ができて一丁目一番地にデジタル大臣ということで平井大臣が御就任された、この前提条件はもうなくなったわけです。そうであれば、この青い線のところにあるように、所得の把握、資産の把握、こうした問題、執行面での対応の可能性等を含め様々な角度から総合的に検討すると、かつて、今この法律は無効ですよ、ただ、当時はそういうことを言っていたわけであります。

 課題がある課題があるじゃなくて、今の社会保障制度だって、六十点ぎりぎり取っているぐらいのものですよ。私たちは、この六十点を七十点、八十点、九十点に引き上げていくために、再び本格的な、本質的な社会保障と税の一体改革、我々は社会保障と税と労働市場の一体改革と申し上げていますが、改めて中期的な日本の社会保障の姿を議論すべきではないですか。

西村国務大臣 これまでも様々な御提案をいただく中で、私どもも、例えば消費税増税に伴って、幼児教育の無償化とか、高等教育実質無償化あるいは大学の実質無償化など進めてきております。

 そして、今、労働市場と一体改革というお話もございました。一人でも多くの方が支えられる側から支える側に回っていただくということで、高齢者の皆さんも元気で意欲があれば働く環境をつくってくる、あるいは女性の皆さんにもっと活躍していただく、そういったことに私ども取り組んできたところであります。

 その上で、今後も、長い目で見て、三十年、五十年、そうした目で見て、少子高齢化が続く中で、社会保障の、これは特に全世代型社会保障ということで、全ての世代が安心していただけるようにこれをしっかりとつくっていく、そして引き継いでいくことが大事だと思います。

 それで、今御指摘のあった給付とそれから負担の在り方、特に公平性ということも大事だと思います。総務委員会の議論、今、一部紹介をいただきましたけれども、まさに低所得者の方々のところの所得の把握は難しいということで、これまで私も理解をしておりますけれども、個々個別の制度ごとに把握はした上で給付を行っているということであります。

 御提案の給付つき税額控除の場合には、それをある意味整理をした上でどういうふうにしていくかということだと思いますので、いずれにしましても、今後も、公平の観点、それから全世代型社会保障をしっかりと構築していく観点、そして給付と負担の観点、こういったことを含めて、私は不断の検討を進めていくべきものというふうに考えております。

足立委員 ありがとうございます。是非論戦を続けさせていただきたいと思います。

 平井大臣、ごめんなさい、お忙しいところ。この一問だけでお越しいただいているんですが、今ちょっと議論を聞いていただいた。まさに平井大臣が進めるデジタル改革、マイナンバーを基礎とすれば、今あったように、要は、ばらばらにあるんです。生活保護あるいは社会保険、年金、福祉、それぞれが小さな目的のために内向きに閉じこもっている制度をマイナンバーでざっとつなげていけば、緊急事態も含めて、私が申し上げたような、もっと透明で公正公平で、漏れ、網、セーフティーネットから漏れているような方が生まれないような、すばらしい、優しい経済社会をつくることが可能だと思います。

 マイナンバー制度を使っていく上での課題はもうないと思いますが、それでよろしいですね。

平井国務大臣 委員御指摘の点ですけれども、社会保障制度、税制等の在り方や制度設計は所管省庁において検討されるものと承知していますが、これらの制度においてのマイナンバーの利用が必要となる場合には番号法の改正やシステムの改修等が必要にはなりますが、仕組みとしてはマイナンバーの利用が可能なものと考えています。つまり、政策判断であるということです。

足立委員 明快な御答弁、ありがとうございます。

 それでは、平井大臣、熊田副大臣、それから中西副大臣も結構です。ありがとうございます。

 次に、最後、お待たせをしました、ワクチンでございます。

 丸川大臣、当委員会の所管ではない形で大変恐縮ですが、可能であれば御答弁いただきたいのが、オリパラ、医療従事者一万人という議論があります。これは無観客であればどうなるのか教えていただけますか。

丸川国務大臣 ありがとうございます。

 橋本大臣から既に、一日にするとどのくらいかという数字はこの委員会でも御答弁いただいて、この委員会じゃないかもしれませんが、御答弁いただいているかと思うんですが。

 無観客にした場合については、今、東京都とIOCと、それから組織委員会と私たちとで、観客数をどうするか、そのときの体制もどうするかも含めて検討をさせていただいているところでございますので、今ここで具体的にお答えすることができなくて申し訳ありません。

足立委員 河野大臣、私は、やはり国民の命と健康を守ることが最優先だと思います。そういった観点で、まだ無観客かどうかというのは議論中だと思いますが、無観客であればどうかということもまだ分からないという中で、時間がないんですが、私は、もしオリパラに医療従事者の負担が大きいのであれば、日本の国民の命と健康を最優先する観点から、ワクチン担当大臣とされては、オリパラの再延期を決断すべきだという方向で閣内調整をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

河野国務大臣 橋本大臣に、ワクチンの接種に影響は出ない、オリンピックで医療従事者が必要になるという話は聞いておりますが、ワクチン接種に影響が出ないようにそこは対応するというお話をいただいておりますので、私としては、ワクチン接種のスケジュールの中にオリンピックを入れずに、粛々とスケジュール調整をしているところでございます。

足立委員 お立場上、よく分かります。ありがとうございます。

 さて、少しワクチンの関係で話が変わりますが、後遺症の問題が今マスコミでも取り上げられています。山本副大臣、後遺症、どの程度分かってきましたか。

山本副大臣 後遺症に関しまして、一定の割合で持続される方がいるという報告がされていることは承知している次第でございます。ただし、新型コロナ感染症と回復後に見られる症状に関しまして、いまだ関連の有無が明らかになっていない点も多く、まずはその実態を明らかにしていくことが重要と厚労省は考えております。

 現在、その実態把握、原因究明に関する調査研究等を実施している段階でございまして、研究結果を取りまとめ次第、速やかに公表していくこととしております。具体的には、後遺症障害として頻度が高いとされる呼吸苦に関する研究、さらには後遺症の症状、頻度、持続期間に関する研究、また味覚、臭覚障害に関する研究が動いているところでございます。

 こうした専門家の意見を踏まえながら、感染症の科学的知見を積み上げていくこととしております。

 以上でございます。

足立委員 丸川大臣、もう大丈夫です。ありがとうございます。

 今の後遺症の問題、西村大臣、これまで、西村大臣は尾身分科会長と一緒に、若者に対しては、高齢者にうつさないようにしてほしいから気をつけてくれというメッセージが強かったと思います。しかし、もしかしたらこれは若者にとっても、人生において大変な、その人生を、大きく負担になるような健康上の課題を抱えていく可能性があるということが分かってきたわけで、西村大臣のこの国民へのメッセージ、少し修正が必要ではないでしょうか。

西村国務大臣 若者向けには、御指摘のように、重症化するリスクは低いわけですけれども、家族や職場、様々な機会を通じてリスクの高い高齢者にうつしてしまう可能性があるということを主として発信をしてきましたけれども、私も折に触れて、後遺症のこととか、中には重症化される方もいるということも発信をしてきております。

 御指摘のように、ここのところ、御協力もいただいて、若い人の感染が少し減ってきて、むしろ高齢者の感染が高まってきているということもあります。ここで若い人たちにもう一度正確にメッセージをしなきゃいけないということで、改めて、最近始めた、二月に入ってからですけれども、国立国際医療研究センターの忽那先生に、特に若者向けで後遺症について動画を、私どもツイッターなどでも発信をしておりますし、また、新宿や渋谷などのビジョンでも、街頭で若い人たち向けにそうした発信も強化をしているところであります。

 いずれにしましても、重症化する方もおられること、そして、御指摘があった後遺症、様々な報告、倦怠感とか脱毛とかありますので、こういったことも含めてしっかりと発信をしていきたいというふうに考えています。

足立委員 西村大臣、ありがとうございます。これで結構です。

 河野大臣、最後、時間がなくなってきましたが、ちょっと二問、簡潔にお答えを、簡潔じゃなくてもお答えいただきたいんですが。

 人口比に応じてワクチンを配るという発言をされていますが、高齢者の比率は地域によって全然違います。資料八、都道府県ごとに、高齢化比率、六十五歳以上の人口の総人口比はこれだけ違うわけです。これから高齢者向けにワクチンを配っていくときにどういう形で配るのか、人口比なのか、高齢者の人口比なのか。これが一点。

 それから、九ページ目。一枚めくっていただくと、ワクチンパスポートについて意味がない発言があったと報じられています。しかし、自治体向けには接種証明を出す必要も想定していると書いています。そごがあるので、改めて明確なメッセージをお願いしたいと思います。

 二問お願いします。

河野国務大臣 人口比と申し上げましたのは、感染が拡大しているところを優先するかどうかという御質問がメディアでありましたので、特にそういうことではなく人口に応じてということを申し上げました。

 高齢者の接種がスタートするときには、恐らくまずは人口に応じてというのか、ちょっとそこは、今週中にどのようにスタートするかは調整をしていきたいと思っておりますが、その後は、自治体の接種のスピードに応じて、供給が途切れないように、しっかり供給をしてまいりたいというふうに思っているところでございます。

 自治体が接種をしたときには個人に接種記録というのが残りますが、これは何か外に示すものではなくて、どういうワクチンを打ったのかということを個人が記録をするためのものでございます。

 国内で、ワクチンを打ったということを証明するような書類を使うことを想定されにくいと思っておりまして、それは、アレルギーなどで打てない方がいらっしゃる中で、本人が打ったかどうかを対外的に、本人が打ちましたといって出すのは、これは全然止めるわけではありませんけれども、打ったのかどうなのかということを聞かれて、答えたくないのに答えなければいけないような状況になるのはいかぬと思っております。

 他方、国際的にそういう接種証明書が求められたときに今の接種記録システムがあれば対応することはできますが、まだ国際的にそのような、一部動きがあるのは承知をしておりますが、少なくともG7などでそうしたことをやろうという話にはなっていないというのが現実のところだと思います。

木原委員長 申合せの時間が来ておりますので。

足立委員 はい。

 以上で終わります。ありがとうございました。

木原委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 内閣委員会の質疑に入らせていただきます。

 今日は、国家公務員制度、公務員の倫理法令に関わってということで、総務省の接待問題をまず質問したいと思っております。

 しかしながら、この理事会におきまして、私が要求をいたしました総務省の谷脇氏、吉田氏、秋本氏、湯本氏、その国会出席が与党の反対で認められなかったというのは極めて認め難いことだと言わざるを得ません。予算委員会にも出席をしている秋本、湯本氏も出さないというのは一体どういうことなのか。まさに内閣委員会が国家公務員制度、公務員の倫理法令を所管しているというのであれば、当然、具体の事例として総務省の接待問題を議論するのは当たり前のことであって、それを拒否する与党の姿勢は極めて認め難い、断固抗議をするものであります。

 そこで、まず総務省にお尋ねをいたしますが、月曜日、二十二日に総務省から出されました倫理規程に違反する疑いがある会食一覧についてお尋ねをいたします。

 ここで名前が挙がっている職員については、衛星放送行政を担う歴代局長や課長らが連続して接待を受けていた、こういうことを示していると思いますが、確認です。

阪本政府参考人 お答えいたします。

 そういったものに関係している職員がそこに掲げられております。(塩川委員「もう一回」と呼ぶ)

木原委員長 もう一度、大きな声で明瞭に御発言ください。

阪本政府参考人 はい。

 お答えいたします。

 そのような担当をしておる、あるいは、おった職員が挙げられていたところでございます。

塩川委員 少なくとも、情報流通行政局長あるいは情報流通行政局担当の官房審議官、衛星・地域放送課長などについては、若干欠けているのもありますけれども、三代にわたって名前が出ているというのが実態であります。

 次に、東北新社は三十八件全てで会食の費用を負担したと述べている、これはそのとおりですね。

阪本政府参考人 お答えいたします。

 それぞれ、一応、会食につきましては、それぞれ会費につきまして、東北新社の方でもお支払いいただいているというふうに承知しています。

塩川委員 いや、東北新社に確認をして、東北新社側は全て負担をしていると述べていたのではありませんか。

阪本政府参考人 お答えいたします。

 東北新社側の方で負担していただいていると承知しております。

塩川委員 だから、秋本さんが一部負担をしていたと言っていたというのは事実と異なるということですね。

阪本政府参考人 お答えいたします。

 自己負担分につきましては、現在精査しているところでございます。

塩川委員 この点でも秋本氏にはしっかりとおいでいただいて、本人からこの点についての説明をいただきたいということを重ねて申し上げておきます。

 続けてお聞きしますが、この東北新社との会食は調査をしましたが、他の事業者との会食は行っていないのか、その点はどうですか。

阪本政府参考人 お答えいたします。

 四名の総務省職員、谷脇、吉田、秋本、湯本につきましては、総務省の大臣官房において聴取をした際に、今回問題となった事業者以外の者との間で倫理法違反と疑われるような事案がなかったかどうかにつきましても調査を行っております。

 調査をした結果、四名と他の放送事業者との間で倫理法違反を疑われるような事案はなかった、そう報告を受けております。

塩川委員 倫理法令の疑いがなかったという点も、今回の東北新社のことがあるとにわかに信じ難いというのがありますけれども、調査として、四人以外については聞いたんですか。

阪本政府参考人 お答えいたします。

 今回の四名以外につきましても、そういった事案がなかったかどうかにつきまして調査を行っております。

塩川委員 調査を行っている途上。

阪本政府参考人 お答えします。

 調査を行いまして、同じく、そのような事案はなかったとの報告を受けております。

塩川委員 これは報告書が出されるということなんでしょうか。

 それで、報告書はいつ出るんですかね。

阪本政府参考人 お答えいたします。

 本日までに調査を終えまして、その結果を国家公務員倫理審査会に報告する予定でございます。

塩川委員 それは、今日、倫理審査会に提出をする、何時ぐらいですか。

阪本政府参考人 早急に提出すべく、今作業中でございます。

塩川委員 またその報告書を見て改めて問いたいと思います。

 衛星放送行政を担う総務省幹部が軒並み、歴代にわたって東北新社とのみ会食を重ねる、こういう特別扱いというのはなぜなんでしょうか。

阪本政府参考人 お答えいたします。

 非常にお答えしにくいところではございますが、まさに今回そういった倫理法等につきましての意識が非常に薄かったということではないかと考えております。

塩川委員 いや、意識が低いから東北新社とのみ会食したということなんですか。

阪本政府参考人 済みません、繰り返しのお答えになって申し訳ございませんが、まさに国家公務員というのは常に中立公正性を保ちながら職務を遂行することが重要でございまして、そういう中で今回の事案があったということは、まさにそういった倫理法等に関する理解が薄かった、そういうことだと理解しております。

塩川委員 もう一回。

木原委員長 もう一度御質問いただきます。

塩川委員 東北新社だけ会食に応じた、ほかの事業者の会食に応じなかったというふうに答えられましたから、なぜそんな違いが出るんですか。

木原委員長 少々お待ちください。

 よろしいですか。よく整理をして御答弁いただきたいと思います。

阪本政府参考人 お答えいたします。

 現時点におきまして、そういった理由というところにつきましてはちょっとこの場で即答はできませんが、まさに事実としてそういうふうな状況になっておるということにつきましては重く受け止めて、そして、厳しく対処してまいりたいと思っております。

塩川委員 理由を即答できない、理由を言えないということで報告書を出されるんですか。理由も明らかにせずに報告書を出すということですか。

阪本政府参考人 お答えいたします。

 まさに今回、公務員の倫理法に違反するかどうかという、そういう外形的な態様、そういうのがあったかどうかという事実関係につきましてまずは調査を行っておりまして、そして、その結果に基づいての御報告を今作成しているというところでございます。

塩川委員 報告書がどうなっているのか拝見した上で、改めてその点をただしたいと思います。なぜというのがなしの調査はあり得ない、報告はあり得ないわけで、その点は是非ともはっきりさせていただきたい。

 そういう点でも、谷脇氏、吉田氏、秋本氏、湯本氏は、東北新社との最初の会食の際には、同席していた相手方の中には菅総理の長男であります菅正剛氏がいらっしゃったわけですけれども、この四氏については、最初に東北新社と会食した際に、菅正剛氏が菅総理の息子だということは認識しておられたんでしょうか。

阪本政府参考人 お答え申し上げます。

 まさにその四名から総務省大臣官房において調査を行いまして、四名と菅正剛氏との最初の接点について聴取をいたしました。

 そして、それらにつきまして、まず、谷脇総務審議官からは、最初の会食のときに知ったというふうな回答、そして、吉田総務審議官からは、菅義偉総理大臣が総務大臣当時に政務の秘書官をしていたということで知り合った、そして、秋本大臣官房付は、木田由紀夫氏を介して平成二十七年以降に知り合った、そして、湯本大臣官房付は、菅義偉総理大臣が総務大臣当時、政務秘書官をしていた菅氏と知り合った、そういった回答を受けております。

塩川委員 少なくとも、この四人のうち三人は、菅正剛氏が政務秘書官だったことは当然承知をしていたということでありますし、知らないという人は当然いないだろうと思いますけれども、こういった特別の縁があったということが背景にある。

 ですから、総務省幹部による東北新社とのみ会食を重ねるという特別扱いは、菅総理の長男の菅正剛氏が同席したからこその特別扱いということになるんじゃないでしょうか。この点について調べられましたか。

阪本政府参考人 お答え申し上げます。

 これらの会食につきましては、東北新社の方からのお話を受けて会食をしたというふうに伺っておりまして、必ずしも、菅正剛氏がいるからというふうなことでその会合を行ったとは聞いておりません。

 また、実際に、菅正剛氏がいない場もあったというふうに承知しております。

塩川委員 最初の会食の話をしているわけです。その最初の会食のときには菅正剛氏はいらっしゃる。案内についても名前も入っていた。そういう確認の中での出席ということになるんじゃないでしょうか。

 この問題について、報告書を踏まえて引き続き取り上げたいと思いますが、官房長官にお尋ねします。

 総務省の幹部が東北新社から度重なる接待を受けていた。この接待が東北新社に係る放送事業の許認可などに影響を与えなかったと言えるんでしょうか。

加藤国務大臣 去る二十二日、総務省から、国家公務員倫理法違反に該当する可能性がある行為という報告がなされ、今、倫理審査会というんでしょうか、そこに報告をし、処分について検討をされているというふうに承知をしております。適切に対処されるものというふうに承知をしております。

 また、今お話があった件でありますけれども、国家公務員は、常に中立性、効率性を保ちつつ職務を遂行することが重要であり、法令に基づいて粛々と職務執行が行われていること、これがまさに基本であります。

 今回の調査で、国家公務員倫理法違反の疑いのある事実が認められた事案が十二名、延べ三十八件に上ったこと、これは甚だ遺憾でありますし、総務省において、再発防止策を含め厳正な対処、そして再発防止策をしっかり実施していただきたいと思います。

 あわせて、国民からの強い疑念の目が向けられることになったこと、これはしっかり重く受け止め、今朝の総務大臣の記者会見でもたしか発言があったと思いますけれども、今後、全力で国民の信頼の回復に取り組むべく、具体的な検討がなされるものと承知をしております。

塩川委員 この間取り上げられていますように、東北新社、また、その子会社に係る総務省の関与という点でいっても、二〇一七年八月の放送法関係審査基準の策定ですとか、二〇一八年五月の囲碁・将棋チャンネル、ザ・シネマHDがCS放送に係る衛星基幹放送に認定された件や、二〇二〇年三月のスターチャンネル1、3の放送事項の変更の許可、その十二月、スターチャンネル1の認定の更新、こういう点でも、総務省は東北新社に係る多数の許認可の権限を持っております。

 また、東北新社が加盟する衛星放送協会は、昨年の秋に、衛星料金の低減を求める要望を総務省の会議の場でも出していた。そういう時期に会食を重ねていた。その点でも、贈収賄など刑事事件に発展する可能性もある問題であって、倫理法令にとどまる話ではない、徹底解明が必要だ。

 その点でも、当委員会においても、国家公務員制度所管の立場から、しかるべき、当事者にはしっかりと出席をしてもらう、こういうことで徹底解明が必要だということを申し上げておきます。

 続けて、官房長官にお尋ねをいたしますが、内閣広報官である山田真貴子氏の接待問題についてであります。

 二十二日月曜日に報告をされた山田氏の調査というのは、誰が行ったものなんでしょうか。

木原委員長 ちょっとお待ちいただいて。

 総務省からお答えいただけますか。

阪本政府参考人 お答えいたします。

 総務省が確認をしたというふうに承知しておりますが、具体的なその調査、確認方法まで、済みません、ただいまお答えできるものを持ち合わせておりません。

塩川委員 いや、内閣広報官ですので、官房長官の下にいる方でありますからお聞きしているわけですけれども、この一枚紙を見ますと、上に米印があって、山田氏が、相手方から確認を取りつつ、現時点で確認できた範囲での事実関係として、報告のあったものと書いてあるんですよ。

 ということは、山田さん本人が東北新社側と連絡を取って出しました、こういう説明として受け取ったんですが、そのとおりでよろしいですか。

加藤国務大臣 まず、本件は総務省から出された資料で、総務省がまさに今答弁をさせていただいたように、山田広報官から確認された事実として受けて、それを総務省から出されたものと承知をしております。

 加えて、今朝、杉田副長官に広報官から報告がございまして、ほぼ同趣旨の話を私どもは承知をしているところであります。

塩川委員 そうすると、今のこのペーパーでいえば、総務省が出したという話ですけれども、その場合に、先ほどの米印のところなんですが、要は、山田さんが東北新社から確認を取って明らかにしたものを総務省が記録をした、山田さんが東北新社と連絡を取ったということでいいですか。

阪本政府参考人 お答えいたします。

 まさにそのようなことで結構でございます。

塩川委員 自分が関わる事件を自分が調査をして報告をするなんて、あり得ないじゃないですか。

 官房長官、おかしいと思いませんか。自分が関わる事件について自分が調査をして報告をしていた、そんなことはあり得ないと思うんですが。

加藤国務大臣 これは調査ということになれば、調査する側に一定程度権限がなきゃならないということになりますけれども、御承知のように、制度的にいえば、今の内閣広報官の行為は総務省在職中の行為でありまして、総務省を退官し、内閣広報官を、退任した時点で、いわゆる懲戒処分等ができないという規定になっております。

 また、内閣広報官は、特別職の国家公務員であり、一般職のような法律に基づく懲戒処分の規定も設けられていないという現行の規定がございます。

 しかし、規定があるからということではなくて、私どもとしては、今、総務省の関係者の処分等がこれから確定するということでありますから、そうした対応を見ながら対応はしていきたいというふうに考えているところであります。

 ですから、したがって、そういった状況の中でありますから、まずは御本人から、先方から確認をして御報告をいただく、これがまず基本になるんだと思います。

塩川委員 いや、そもそも、特別職について、倫理法令が対象にならないということ自身がおかしいんじゃないでしょうか。

 特別職国家公務員について、官邸にたくさんの方がいらっしゃるわけです。この間の中央省庁再編、官邸機能強化の中で、総理の補佐官や総理の秘書官や、また、この山田さんのような内閣広報官とか、そういった国家の枢要を担うような、政策立案過程に関わるような特別職の国家公務員について倫理法令がないということはおかしいと思いませんか。

加藤国務大臣 いやいや、今申し上げたのは、まず、在職中の行為でありますから、これは。ですから、在職中の行為であり、総務省を退官し、内閣広報官に就任した現時点では懲戒処分の対象にならないということを申し上げているところであります。

 それから、もう一個言ったのは、一般職のような法律に基づく懲戒処分の規定は設けられていないということであります。内閣広報官としての非違行為については、内閣官房職員の訓告等に関する規程に基づく厳重訓戒又は訓告等が可能と承知をしております。

塩川委員 いや、特別職国家公務員について倫理法令は必要ないのかと。

加藤国務大臣 特別職の国家公務員というその性格に基づいて、現在の制度ができ上がっているものと承知をしております。

塩川委員 こういった格好で抜け穴になっているという点も、そもそも問われてくる問題であります。この点についても、しっかりと今後具体的な対応を考えていくことが求められている大きな課題だと申し上げておきます。

 それで、実際に、山田内閣広報官が総務審議官当時の接待では七万円以上という高額だったわけですが、どういう会食か、これは一度だけなのか。菅総理は、予算委員会の答弁で、詳細については確認したいと述べておりましたが、この点は確認されたんでしょうか。

加藤国務大臣 先ほど申し上げましたように、杉田副長官に対して御本人から報告がございました。その中で、今、回数のお話があったと思いますけれども、総務省在職中についての記録を東北新社に確認し報告したところ、この一件のみという報告があったと聞いております。

塩川委員 七万円、どんな会食だったのかは確認されていないんですか。

加藤国務大臣 会食の具体的な中身は明確ではありませんが、和牛ステーキ、海鮮料理などがメニューというか、提供されたということであります。

 それから、具体的な金額については、東北新社に問い合わせたところ、合計額が三十七万一千十三円と確認できましたので、参加人数が五人ということで、頭割りをした金額ということで報告が行われているところであります。

塩川委員 この点でも、山田さんにも御出席いただいて、具体的な経緯を含めて、ただす機会を設けていくことが必要であります。本人任せの調査など論外だということを申し上げておきます。

 官房長官にお尋ねしますが、菅総理の身内の特別扱いと官僚の忖度という構図は、モリカケ疑惑をめぐる安倍前総理の身内の特別扱いと官僚の忖度と全く同じ構図であります。人事を通じた過度な官僚支配の仕組みがこのような行政のゆがみをもたらしたという認識はお持ちでありませんか。

加藤国務大臣 今般、公務員倫理審査規程違反に該当する可能性が高い行為があったこと、これは甚だ遺憾だというふうに考えております。

 ただ、その件と、官邸としてあるいは政府全体として人事をどうするか、これは別物だというふうに思います。

塩川委員 この問題についての徹底解明という点で、冒頭申し上げましたけれども、谷脇氏、吉田氏、秋本氏、湯本氏についての当委員会への出席と、山田真貴子内閣広報官の当委員会への出席、また、東北新社側の木田氏や菅正剛氏らの国会、当委員会への出席を求めたいと思います。

木原委員長 引き続き理事会で協議をいたします。

塩川委員 続けて、日本学術会議会員候補の任命拒否問題についてお尋ねをいたします。

 これは、二〇一八年の文書の作成過程について、学術会議の事務局から資料をいただきました。最初に、学術会議の事務局に幾つか事実関係をお尋ねをいたします。

 二十回ぐらい、ここは書き直している文書になっているわけですけれども、二〇一八年九月二十日、日本学術会議事務局作成の、内閣法制局の見解を求めることとした経緯について、その中には、法制局の見解を求めるテーマとして二点を挙げております。

 一つは、日本学術会議から内閣総理大臣に推薦された補欠会員の候補者一人について内閣総理大臣が会員に任命しないことが法的に許容されるか否か、二つ目が、今後、選考、任命手続の見直しにより、日本学術会議から一人の会員の欠員当たり複数名を内閣総理大臣に推薦することとした場合、内閣総理大臣が推薦順位が下位の者を任命することが法的に許容されるか否かということを内閣法制局の見解を求めるということで挙げております。

 そこで、お尋ねをいたします。

 この一つ目に関連してですけれども、推薦候補について、内閣総理大臣に推薦したんだけれども、総会での承認が見送られた、そういう事例というのはどうなっていますか。

福井政府参考人 お答えさせていただきます。

 私どもの仕組みでは、まず、学術会議の中の幹事会が、会員に推薦したい人、この推薦案をつくりまして、総会に提案をするということをしております。それから、総会においてこの提案について承認をされますと、幹事会の方が会長に、内閣総理大臣にこれを推薦しろということを指示をする。それから、内閣総理大臣に推薦をして、任命という流れになっております。実際、この総会において、学術会議の幹事会が総会に提案をして、それが承認されなかったということはございません。

 ただ、このときに法制局の方に御説明しております、承認が見送られた事例という言い方をしておりますが、これは平成二十八年、二〇一六年でございますけれども、この夏に定年により三人の欠員が生じることになって、その後任となる会員を選考、任命することが必要になったんですが、三人について総会への承認提案自身を学術会議の中で行わなかった例、それから、このペーパーを整理したとき、そのときでございますけれども、平成三十年十月の総会までの間に三人の欠員が生じておりましたけれども、このうち一人について総会への承認提案を行わなかった例、この二つを挙げて、総会の承認が見送られたという言い方を、過去こういう事例があったという説明をしております。

 以上でございます。

塩川委員 法制局に見解を求めるテーマの一つ目として、具体の事例としては二〇一六年、二〇一八年の話が紹介されました。つまり、二〇一六年以降に起こった新しい事態に対処しようとするものだったわけであります。

 もう一つ聞きます。

 二つ目の点ですけれども、昨年十二月十七日の田村参議院議員への政府の答弁では、任命権者側から定数以上の推薦を求められる可能性があったというのは、どのような事態だったんでしょうか。

福井政府参考人 お答えをさせていただきます。

 田村議員にお答えしたときに同じような御説明をさせていただいているのですが、平成二十七年のことでございますけれども、会員一名の補欠人事について、補欠一人に対し候補者一人という名簿を任命権者側に説明したところ、複数名の候補者の提示を求められたことはございました。

 これは、いわゆる事前のすり合わせの段階の問題でございますけれども、このペーパーを整理する段階では、複数名の推薦ということを学術会議の総会において意思決定する、その法的な推薦としてそのようなことを求められる可能性はあるのではないかということで考え方の整理をしたというふうに理解しております。

塩川委員 平成二十七年でいいですか、平成二十七年。

福井政府参考人 今申し上げました、補欠一人に対して候補者一人の名簿を説明したところ、複数名の候補者の提示を求められたということは、私どもの提出しております資料の中で、当時の会長が前々回という言い方をして説明したところでございまして、この前々回というのはいつかというのは田村先生からも御質問がありまして、平成二十七年の際であるという回答をさせていただいております。

塩川委員 平成二十七年以降に起こった新しい事態に対処する、複数の推薦ということが求められるということだったわけであります。

 日本学術会議事務局が内閣法制局の見解を求める契機となったのは、任命権者である安倍総理官邸が、これまで行ったことのない、今確認したような異例の要求を行ったからこそ、内閣法制局の見解を求めるということに至ったのではありませんか。

福井政府参考人 済みません、先ほどの答弁でもしゃべらせていただきましたけれども、学術会議の方では、当時、平成三十年の総会までの間に定年で三人の欠員が生じることとなって、その後任となる会員を選考、任命することが必要であったという状況でございます。このうち一人について、結局、十月総会への承認提案を行っていないのでございますけれども、このような状態でございました。

 既にそれまでのいろいろな経緯などから考えて、推薦作業をいろいろ進めていくためには、従来からの推薦と任命の関係の法的整理をしておく必要があるのではないだろうかというふうに考えて、このような整理を行ったものと認識しております。

 異例かどうかというのは、ちょっとなかなか申し上げづらいところでございますけれども、当時の事務局が非常に悩んでいたのは事実でございます。

塩川委員 当時の事務局が悩むような注文が官邸からついていたということが背景にあるということであります。ですから、任命権者の、学術会議の推薦どおりの任命を行わない、複数の名簿を出せ、こういうのが内閣法制局に見解を求める動機となっているということであります。

 そこで、この文書の中で根幹となっているのが、憲法第十五条第一項の規定を引用して、任命権者たる内閣総理大臣が必ず推薦のとおり任命しなければならないわけではないとする考え方、これは、日本学術会議会員の任命に関する安倍、菅政権の考え方の根幹ということでよろしいですか。

福井政府参考人 その点は、当時の内閣といいますよりは、学術会議が推薦制度の形になって以来の考え方であったというふうに認識しております。

塩川委員 昭和五十八年の、推薦制度を導入した、そのとき以来の考え方だということでありました。

 日本学術会議の事務局が作成した法制局との協議に関する資料によりますと、こういった法解釈の文書は、九月の五日から十一月の十三日、二か月間かけて、二十回近く文書を書き換えて、文書の案文の検討が行われておりますが、この憲法十五条第一項の規定を引用した考え方というのは九月五日の最初の文書には出てこないと思うんですけれども、そういうことですね。

福井政府参考人 それは、提出しております資料のとおりでございます。

塩川委員 この九月五日の、学術会議側がまず作成をした案文の中には、憲法十五条第一項というのは挙げられていないわけです。

 では、いつから憲法十五条の第一項というのは出てくるんでしょうか。

福井政府参考人 法制局との御相談の過程で憲法十五条についても議論が及んだものと認識しております。

塩川委員 何回目の文書からか、分かりますか。

福井政府参考人 申し訳ございません、手元にございませんので、今ちょっとお答えしかねます。

塩川委員 最初のにはないんですよ。二回目にもなくて三回目もなくて、四回目、ですから、十月四日なのか五日なのかちょっと微妙なんですけれども、記録上は十月の五日とされている文書の中に憲法第十五条第一項の規定が出てくる。

 いずれにしても、早い段階ではないものだということでよろしいですか。

福井政府参考人 文書上はそのとおりでございます。

塩川委員 日本学術会議事務局が内閣法制局との協議を始めてから一か月後に、やっと憲法第十五条第一項の規定が出てくるわけです。

 そうしますと、昭和五十八年の、選挙制が廃止され推薦制になったときからの政府としての一貫した考え方だったならば、なぜ最初から憲法十五条第一項と記述されていなかったんですか。

福井政府参考人 済みません、当時の考え方を明確に追いかけることはできておりませんけれども、憲法にまで遡る必要があるのかどうかといったことを議論したんじゃなかろうかと思います。

塩川委員 いや、だって、憲法第十五条第一項を持ち出して、これは昭和五十八年以来の政府の一貫した考え方だと言っていたんでしょう。一貫した考え方だったら、最初の案文から出ていて当然じゃないですか。何でないんですか。

福井政府参考人 そのような考え方に基づいて既に日本学術会議法はでき上がっておりますので、そこまで触れる必要があるのかどうかということを議論したんじゃないかと思います。

塩川委員 三回も四回も法制局とも議論していて、法制局側からそういう話も出てこないということ自身が、この第十五条第一項というのが後づけの理屈じゃないのかということを示している。この任命拒否が先にありきで、理由が後からついてくるというのが実態であります。

 憲法十五条は、公務員の選定、罷免権が主権者国民にあることを規定したものであります。その具体化は、国民を代表する国会が法で定めることになっており、法に反した任命こそ憲法第十五条違反となる。公務員の選定、罷免権をあたかも首相にあるかのごとく条項を読み替えるというのは、首相が、主権者である国民から公務員の選定、罷免権を簒奪をする暴挙だということを我が党は批判をしてまいりました。

 これはきちっと明らかにしてもらう上で、ここで出された文書の中に墨塗りがたくさんあるんですよ。墨塗りで何を隠しているんですか。墨塗りの部分を明らかにしてもらいたいんですが。

福井政府参考人 墨塗り部分、一つは、今般の個々の会員任命に係ります任命権者の考え方について、誤解を招き得る記述であると考えて不開示としたものがございます。

 そのほかにも、細かい部分でございますけれども、当時の事務局の作成担当者の氏名が記載されておりまして、公にすることによって当該職員の現在従事する事務の適切な遂行に支障を及ぼすおそれがあるのではないかということで不開示としている部分もございます。

塩川委員 誤解を招くというよりは、そもそも理由が後づけだということを示すような文言が入っているんじゃないのかという疑念だって湧くわけであります。

 そういう点でも、真摯に、こういった問題について明らかにするのであれば、墨塗り部分についてきちっと開示をする、こういうことこそ政府として行うべきことじゃないでしょうか。

 改めて墨塗り部分の開示を求めたいと思いますが、いかがですか。

福井政府参考人 繰り返しになりますが、任命権者の考え方についての誤解を招き得る記述、あるいは、職員の現在従事する事務の適正な遂行といった観点からどうしても支障があるということで不開示とさせていただいております。

塩川委員 是非、資料要求として、墨塗り部分の開示を求めると、理事会での協議をお願いします。

木原委員長 ただいまの件につきまして、理事会にて協議をいたします。

塩川委員 あわせて、この当事者であります杉田官房副長官の当委員会への出席を求めます。

木原委員長 理事会にて引き続き協議をいたします。

塩川委員 官房長官にお尋ねします。

 この学術会議は一九四九年に設立をされました。第一回総会で、科学者の戦争協力を反省をし、科学こそ文化国家、平和国家の基礎となるとの決意表明を行いました。

 日本学術会議の政府からの独立性の根本には学問の自由があります。学問の自由によって保障された日本学術会議の独立性を侵害する会員候補の任命拒否、これは是非とも撤回をし、六人全員の任命を求める、この点についてお答えをいただきたい。

加藤国務大臣 日本学術会議法上、学術会議は、科学に関する重要事項の審議等の職務を独立して行うことが規定をされております。

 他方、学術会議の会員の任命は、今議論もあったところでありますが、憲法第十五条第一項の規定の趣旨を踏まえ、任命権者である内閣総理大臣が、日本学術会議法に沿って、国の行政機関である学術会議の役割なども踏まえて公務員に任命するものであり、先般の会員の任命においても、日本学術会議が専門分野の枠にとらわれない広い視野に立って総合的、俯瞰的観点からの活動を進めていただけるようにという観点から、任命権者である内閣総理大臣が学術会議法に基づいて任命を行ったものであり、こうしたことはこれまでも幾度と御説明をさせていただきました。

 こうした任命権の行使は、会議の職務の独立性を侵害することになるとは考えておりません。

 また、先般の任命は、推薦された者の扱いを含め、任命権者たる内閣総理大臣が今申し上げた考え方にのっとって最終判断がなされたものであり、一連の手続は既に終了しているものと考えております。

塩川委員 任命拒否の理由が後づけだということを指摘をしましたが、こういう問題について、学術会議も要求をしている、この拒否の理由をしっかり説明してもらいたい。そして、拒否を撤回をして、六名全員の任命を、これこそ政府が行うべき取組だ、このことを強く求めておきます。

 それでは、官房長官、御退席いただいて結構です。あわせて、総務省接待問題や学術会議関連の方は結構ですので、御退席ください。

木原委員長 どうぞ御退席ください。

塩川委員 残りの時間で、改正コロナ特措法に基づく措置についてお尋ねをいたします。

 西村大臣、お世話になります。

 法改正を受けて、いろいろ、基本的対処方針の見直しもありましたし、コロナ室発出の事務連絡文書なども出されております。

 この二月十二日付の事務連絡文書で、事業者に対する支援に当たっての留意点に関する記述があります。その中に、「要請の対象となっていない事業者についても、例えば、要請の対象となる事業者の取引先である場合、特定都道府県における不要不急の外出・移動の自粛による直接的な影響を受ける場合などは、効果的な支援を行うよう努めることとする。」と書かれておりますが、そこの部分の確認なんですけれども、要請の対象となっていない事業者についても、例えば、要請の対象となる事業者の取引先である場合は効果的な支援を行うよう努めるとありますが、この場合、緊急事態措置、蔓延防止等重点措置、第二十四条第九項のいずれであっても、その要請の対象となる事業者の取引先は支援を行うということでよろしいでしょうか。

奈尾政府参考人 お答え申し上げます。

 今般の特措法改正によりまして、特措法第六十三条二第一項において、国及び地方公共団体が新型インフルエンザ等の影響を受けた事業者を支援するための必要な措置を講ずる義務を明記したところでございます。

 今般の施行通知にも記載いたしましたとおり、事業者等に対して必要となる具体的な支援措置につきましては、その時々の感染症の感染状況や社会経済情勢などによって随時変わっていくというものでございますため、新型コロナウイルス感染症の感染状況などをよく見極め、状況に応じて適宜適切に対応していくということとしてございます。

 お尋ねの、要請対象となる事業者の取引先等につきましても、要請がどの条文に基づいて行われたかということにかかわらず、この規定の趣旨に沿って対応を行っていくことが必要と考えてございます。

 例えば、これまで、緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出、移動自粛等による厳しい影響を受けまして、一月から三月のいずれかの月の売上げが五〇%減少するといった場合には、地域、業種を問わず、中堅・中小事業者に対して、法人では最大六十万、個人事業主では最大三十万円の一時金を支給するということにしてございます。

 また、第三次補正で措置いたしました地方創生臨時交付金の地方単独事業分、一兆円ございますけれども、これについては、国の一時支援金の対象とならない、県独自の営業時間短縮要請等に伴い影響を受けた関連事業者に対する支援を行うこととしている自治体もあると承知してございます。

 いずれにいたしましても、事業者等に対する支援措置については、その時々の感染症の感染状況や社会経済情勢などを踏まえて、適宜適切に対応してまいりたいと思っております。

塩川委員 その点に加えて、もう一つ、西村大臣にお答えいただきたいと思いますが、要請の対象となっていない事業者についても、例えば、特定都道府県における不要不急の外出、移動の自粛による直接的な影響を受ける場合などは、効果的な支援を行うよう努める、この不要不急の外出、移動の自粛による直接の影響といった場合の指定の仕方が、特定都道府県におけると書いてあるんですけれども、不要不急の外出、移動の自粛による直接的な影響を受ける場合というのは、特定都道府県、つまり、緊急事態措置に限定しているということなんでしょうか。

奈尾政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほども、事業者の方々に対して必要となる具体的な支援措置については、その時々の感染状況とか社会経済情勢などによって随時変わっていくものであるため、感染状況などをよく見極めて、状況に応じて適宜適切に対応してまいりたいというお答えを申し上げました。

 今お尋ねの件でございますけれども、要請に基づいて営業時間を短縮した方のみならず、多くの事業者の皆様が極めて厳しい状況にあるといったことから、効果的な支援を行うよう努めることとしている場合の、例示上、書いたものでございますので、支援を行う場合を緊急事態措置の場合に限定しているものではございません。

塩川委員 緊急事態措置に限定していないということなんですけれども、ただ、文面を読むと、特定都道府県におけるという書き方をしているんですよ。

 例えばというのが頭についているといえば、ついているのかもしれないけれども、これは、読み方とすると、緊急事態措置にしか対象にならないよと読める書きぶりなんです。それはおかしいんじゃないのかと。

 西村大臣、こういうのをきちっと見直して、都道府県においてしっかりとした対応が取れるような、そういう工夫は必要じゃないかと思うんですが、その点、どうですか。

西村国務大臣 今答弁申し上げたとおりなんですけれども、通知においても、その柱書きというか前段のところで、国及び地方公共団体は、コロナの蔓延防止に関する措置が事業者の経営及び国民生活に及ぼす影響を緩和し、国民生活及び国民経済の安定を図るため、当該影響を受けた事業者を支援するために必要な措置を効果的に講ずるというふうに、まず全体として総論を書いております。

 それからさらに、先ほどの御指摘があったところの該当箇所についても、御指摘がありましたように、例えばと書いてあるのと、それから、特定都道府県における不要不急の外出、移動の自粛、この特定都道府県におけるというのは不要不急の外出の自粛にかかっておりますので、これによって、その地域以外であっても直接的な影響を受ける場合もありますし、更に言えば、例えばというふうに記載をしているということで。

 私ども、もちろんこの通知をしてできるだけ分かりやすくというふうに考えておりますけれども、様々な問合せなどについても丁寧にお答えしながら、いずれにしても、影響を受ける事業者への支援、その必要な措置を効果的に講じていきたいというふうに考えております。

塩川委員 ちょっと微妙な言い方なんですけれども、緊急事態措置だけじゃなくて、二十四条九項に基づいての自粛の要請などもあるわけですよね。二十四条九項で行った自粛の要請についても、直接的な影響を受ける場合については支援の対象だということでよろしいですよね。

木原委員長 申合せの時間が来ておりますので、一言で、西村大臣。

西村国務大臣 当然、その影響の度合いとか経済の状況とか国民生活への影響とか、こういったことを見ながら適時適切に判断をしていきたいというふうに考えております。

塩川委員 終わります。

木原委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時六分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

木原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。今井雅人君。

今井委員 立憲民主党の今井雅人でございます。よろしくお願いします。

 午前中の質疑でちょっと僕はびっくりしたんですけれども、総務省の官房長、いらっしゃっていますか。

 実は、今日の午前中に、東北新社の方が、例の三十八回の会食は全て東北新社の方でお金を出していたというふうに言っているということだったんですけれども、二月十五日の予算委員会で私は秋本局長に、四回のうち残りの三回はどうなさいましたかというふうに伺ったんですけれども、こう答えていらっしゃるんですね。十二月十日の事案を除き、過去三回同席をさせていただいたとき、会食当時に負担額をお願いし、その場で現金でお支払いをしていますと、自分で払っているというふうにおっしゃっているんですが、東北新社側は自分たちが出したと言っているんですか。

原政府参考人 お答えいたします。

 東北新社側から出てきた書類では、全額東北新社側が払っているということになっております。

 一方、秋本氏本人は、かなり細かく手帳等で幾ら払ったかとつけておりまして、そこのところを最終的に調整して、今整理している、こういう状況でございます。

今井委員 報告書ではそのことが明らかになって出てくるということでよろしいですか。

原政府参考人 お答えいたします。

 明らかにしたいと思ってございます。

今井委員 じゃ、それをお待ちしたいと思います。

 官房長官、いらっしゃっていただいていますので、ちょっとお伺いしたいんですが、午前中にもちょっとありましたが、今の内閣広報官の山田真貴子さん、これは二十二日の予算委員会で、総理がこの約七万四千円の詳細について聞いてみるということで、午前中、和牛と海鮮という御答弁がありました。

 これは、実はちょっと確認していなかったんですけれども、この約七万四千というのは、これは東北新社側に負担していただいた、つまりごちそうになった、こういう理解でよろしいですか。

加藤国務大臣 二つあると思います。

 一つは、七万幾らですかね、というのは、午前中も申し上げたように、当日の飲食で東北新社が当該飲食店に支払った金額を五で割った数字であります。それからもう一つは、費用の支払いについては、自分の飲食分は支払ってはいないということであります。

今井委員 山田広報官が、自分の分は払っていらっしゃらないというふうにおっしゃったということでよろしいですか。もう一度ちょっと確認です。

加藤国務大臣 会食の際には、自身の飲食分は支払っていないということであります。

今井委員 分かりました。ということは、この分は東北新社にごちそういただいたということが確認できました。

 それで、もう一点ちょっとお伺いしたいんですけれども、二月十五日の予算委員会、これは私の質疑のところですけれども、これも総理に、山田内閣広報官が菅正剛さんと会食をしたかどうかということをお伺いしたところ、その場で総理の方から、首相長男と会食したとの明確な記憶がないというふうに山田広報官は言っているという御答弁をいただきました。ところが、その後調べてみると、一回会食が最低でもあったということが明らかになったんですね。

 これは、二〇一九年の十一月ですから、そんな遠くないことなんですけれども、こんな七万幾らもするような高級なところに行って、菅正剛さんや東北新社の方と会食をした記憶がないという、こんな答えが果たして本当に信憑性があるというふうに思われましたか。

加藤国務大臣 まず、国会において、菅氏、菅総理の長男と会食したことがあるかと問合せがあって、山田広報官に聞いたところ、東北新社、当時です、東北新社の二宮社長と社長の就任の機会に会食をしたかもしれないという機会があったが、菅正剛氏が同席したかどうかははっきりしていなかったので、菅氏との会食の明確な記憶がないとそのとき申し上げたと聞いております。

 その後、しっかり調べるようにという御指摘もあり、東北新社に事実関係を確認してもらったところ、会食に同席しておられたという事実が明らかになったとのことであります。

今井委員 ちょっと、なかなか信じ難い。総理の息子さんがおられてもそこにおられたか覚えていないというのは、ちょっと私は本当に信じ難いんですけれども。

 今、実は、この方、話題になっておりまして、去年の若者向けの動画メッセージで、御自分自身について、飲み会を絶対に断らない女としてやってきたと。飲み会に誘われたら断らないんだそうです。それで飲みに行ってしまったのかもしれませんけれども、非常にやはり不適切だったと僕は思うんですが。しかも、最初の答弁も非常に曖昧なことをおっしゃっている。

 官房長官、こういう方は、内閣の広報官として、資質として適任だと思われますか。

加藤国務大臣 まず、国会への対応については、まず最初、聞かれたので、本人の記憶をたどって、そこがはっきりしなかったので、菅氏との会食の明確な記憶がないと言われ、しかしその後、しっかり調べて、事実関係を確認して、会食に同席をしていたということを明らかにし、先般の報告も、総務省を介して国会にも提出させていただいているわけであります。

 そういった意味で、こうした事案に対しては、当初の記憶の不明確になっているところはあったにしても、その後しっかりとした、先方にも確認をして、対応されているものと承知をしております。

 また、広報官の仕事に関しては、日頃からしっかりとその職責を果たしていただいているものと認識しております。

今井委員 仕事をしているかどうかというより、僕は人格の問題だと思うんですね。

 今回、当初から私、この問題を取り上げさせていただいていますが、関係者の人は、最初から言っていることと途中で答弁が変わるんですよ。つまり、最初うそをついているんですね。それを、何か証拠が出てくると認めざるを得なくなるという、この繰り返しなわけです。だからこの話はこんなにこじれているんです。初動を間違えなかったらここまでになっていなかったかもしれません。

 山田広報官だって、私は同じだと思いますよ。そういう方が政府の広報をしていらっしゃるというのは、私は不適任、不適切だと思いますけれども、そう思われませんか。

加藤国務大臣 細かい御本人の説明の変化の詳細は承知をしておりませんけれども、御本人としては誠実に、その時々の状況の中で答えられるものを答えてこられたというふうに思っております。

今井委員 その上で、官房長官は二十二日の会見でも、関係者の処分を踏まえ当然対応する、山田広報担当官についても何らかの対応を考えると。午前中もそういうふうにおっしゃっていました。

 何らかの対応というのはどういうことでしょうか、例えば。

加藤国務大臣 現在、総務省の関係者について、大変、甚だ遺憾なことではありましたけれども、公務員倫理規程違反の疑いということで、現在、調査結果を踏まえて、公務員審査委員会ですかね、と、その処分について協議がなされているということでありますから、その協議、協議というか処分の結果、それを踏まえた対応を考えていきたいということであります。

今井委員 それは、今の職はやはりちょっと解かざるを得ないということもあり得るんでしょうか。

加藤国務大臣 済みません、さっきはちょっと間違ったかもしれません、公務員倫理審査会でございますが、まさに、どういう処分ということでございますから、その処分の状況を踏まえて対応するということであります。

今井委員 しっかりとこれは対応していただきたいと思います。

 私は今日呼んではおりませんけれども、同僚議員が今日質疑に参考人として来ていただきたいということでしたが、来ていただけないんですね。

 今も申し上げたとおり、最初のときと後でおっしゃっていることが違いますから、これはやはり国会で明らかにしなきゃいけませんので、予算委員会の方でも今、要求しています。山田広報官は、予算委員会もそうですし、この内閣委員会でも是非出席をしていただきたい、そのことをお願い申し上げたいと思います。

木原委員長 理事会にて引き続き協議をいたします。

今井委員 ほかにもちょっとやりたい点がありますので、もう一点だけ。

 人事院さん、今日、済みません、ありがとうございます。

 国家公務員倫理審査会というのは、月に二回ほど定例でやっていらっしゃると思うんですね。お伺いすると、次回が三月四日だというふうに伺っていますが、こういう事案が出たときは柔軟に対応するというような話もおっしゃっておられたので、この総務省の件に関して、総務省から報告が出てきたら、速やかに審査会を開いてそれを審査するということでよろしいですか。

荒井政府参考人 お答えいたします。

 総務省、御指摘の案件につきましては、先日二十二日に臨時の倫理審査会を開催いたしまして、御指摘の事案について事務局から報告をし、内容について審査をいただいたところでございます。

今井委員 そうすると、最終的な、これが妥当であるかどうかというのを、人事院さんはちゃんと見て、判断をされて、決定をするということを、もう一回、次やられるということですね。近日中にそういうことをやられるということですか。

荒井政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の点につきましては、速やかに対応していきたいというふうに考えております。

今井委員 はい、分かりました。

 では、あした、あさってもまた、私、予算委員会の方でこの問題を取り上げますので、今日はここまでにしておきます。

 官房長官と、あと関係者の皆様、これで結構でございます。ありがとうございました。

木原委員長 御退席いただいて結構です。

今井委員 次に、河野大臣、ワクチンについて。

 今日は、尾身理事長も脇田所長も来ていらっしゃっていますので、ワクチンの話、いろいろしたいんですけれども、ちょっと簡潔にして次の話題に行きたいと思うんですが。

 実は、この質疑に入る前に、私の選挙区に十五の市町村がありまして、全部に聞き取りをしてまいりました。ワクチン接種に関してどういうことが困っていらっしゃるかということだったんですけれども、医師とか医療従事者の確保はもう、随分苦労していらっしゃいましたけれども、十五自治体とも一応済んでいる、何とかやっているということで、先ほどの岡山のような状態ではないみたいなんですが、多くの方がやはりおっしゃっているのは、スケジュールがやはりはっきりしないので、どれぐらいのキャパをきちっと用意していいかが本当によく分からないのでこれを何とかしてほしいという声ばかりなんですね。

 もちろん、どう供給が来るかが不確定なところもありますから、確定的なことをおっしゃれないのは分かるんですけれども、今分かることだけでちょっと教えていただきたいんですが、既に、二月十七日から先行四万人の医療従事者が始まり、大体五百万人ぐらいいらっしゃるというふうに伺っています。それから、四月から、今度は高齢者の方に向かうということなんですけれども、これに関して、もちろん契約は終わっていますよ、ワクチンの契約は終わっていますが、これまでどれだけ供給をもう既に受け取っていて、これから、もう既に供給がどれだけ、受け取れる確実な見込みのものがどれぐらいあるかというのを、それをちょっと教えていただきたいんですね。

河野国務大臣 一便、二便が既に日本に到着をしているところでございます。

 これから、今日のこの委員会後、少しいろいろとスケジュールの調整をしたいと思っておりますが、日本向けの供給がやはり立ち上がってくるのが五月になるのではないかと思っております。三月、四月について、なかなか自治体向けに御説明ができていないのは申し訳なく思っておりますが、医療従事者が、想定三百七十万人から、都道府県で出していただいた数字がかなり上振れをしておりますので、そこを先にやらなければいけない部分もあると思いますので、なかなか今、正直、高齢者向け、早くても四月一日と申し上げておりましたが、そこの調整をなるべく急いでやりたいと思っているところでございまして、もう少々お待ちいただけたらと思います。

今井委員 国内の方でも製造する拠点をつくられたということなんですが、そちらの方はいかがなんですか。

河野国務大臣 二月五日に承認申請が出ましたアストラゼネカ社は国内での製造も行うということでございます。ただ、アストラゼネカ社の承認がいつになるか、まだ見通せないという状況でございます。

今井委員 分かりました。

 今週中に出る、何か発表なさるということなんですけれども、是非、各自治体とちゃんと連絡を取り合いながら、彼らも本当に初めてのことで、どれぐらい確保して予算をつけておけばいいかとか非常に困っていらっしゃるので、そこをしっかりやっていただきたいというふうに思います。

 ちなみに、これは御答弁は要らないんですが、ある自治体で今起きていることなんですけれども、最初にどういう勘違いをしたのか、厚労省がそういう指示をしたのか、個別接種は人口五千人に一か所のめどでという理解をしていて、その人数だけに合わせて個別接種の場所を決めて、ほかのところは個別接種を認めないので、市でやる集団接種のところに、お医者さん、協力してくれませんかと要請をして、これでえらいトラブルになっているんです。そんな話聞いていない、俺のところだって個別接種をやりたいんだと。それで、大もめになっているんですね。

 伺うと、その五千人に一人なんというのは、厚労省はそもそもそんな指示はした覚えがないと言っているんですが、自治体はそういうふうに受け取っているんですね。それがこの混乱の一番の原因なんです。

 だから、そういうことがやはり現場で起きているかどうかというのをよく確認してやっていただきたいということなんですね。ちょっとそこだけ御答弁ください。

河野国務大臣 それぞれの自治体の職員の皆さん、首長さんを含め、本当にいろいろと御努力をしていただいておりまして、感謝申し上げたいと思います。

 混乱の原因は、供給スケジュールを示せない私の責任でございますので、国民の皆様には、自治体の職員の皆さんが本当に頑張ってくださっているということを御理解いただきまして、是非御協力を賜りたいと思っております。物事がうまくいかないのは全て河野太郎の責任だというふうに考えていただいて結構でございます。

今井委員 是非よろしくお願いをしたいと思います。

 各お医者さんが、いきなりそういうふうに決まったものだから、まるで自分のかかりつけの患者さんを見捨てたように取られてしまって本当に困っているというような声を私は何人からも御相談を受けまして、それはいかぬなということだったんですが、どこにボタンのかけ違いがあったかということなんですけれども、やはり、でも、現場でそういうことが起きないように、是非これから指導力を発揮していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 それでは、河野大臣、こちらまでで結構です。ありがとうございました。

 残りの時間は、緊急事態宣言等についてお伺いしたいと思います。尾身理事長とそれから脇田所長、今日はどうもありがとうございます。

 午前中もちょっとあったんですが、今緊急事態宣言が出ている十個の都道府県のうち、東海圏とそれから関西圏の方から、二月の末で解除をお願いしたいというような要請が来ているということなんですけれども、感染防止の専門家の観点から考えまして、この時点で緊急事態宣言を解除するということについての御意見をお二人それぞれからいただきたいと思います。

尾身参考人 お答えいたします。

 中京あるいは関西については、知事たちの意向がなるべく早くということは私たちも承知しております。知事たちの意向というのは当然重要な要素だと思います。

 と同時に、これは私どもも従来から申し上げているように、やはり客観的な考え方というものが非常に重要で、それは私どもがずっと示して言っていたあのステージの考え、六つの指標を総合的に考えて、特に医療への圧迫というのが大事で、そういう中で、しっかりとまずステージ3に行っているということが大事で、さらに、医療への負荷あるいは感染状況が改善している、それからステージ2に行く見通しがあること、そして、これは私は最も大事だと思いますのは、リバウンドがしないような形で解除をするということ。それから解除した後も大事ですから、そういうことを総合的に判断を、これはまた、恐らく諮問委員会が近日開かれ、最終的には政府対策本部で決めるものだと思っております。

脇田政府参考人 お答えいたします。

 今、尾身理事長がおっしゃったことでもうほとんど言い尽くされていると思うんですけれども、我々、指標を見ていますと、新規感染者数の減少スピードがここのところやや鈍化をしているというふうに判断をしておりますので、感染の減少のスピードを今後もしっかりと続けていくことが重要だと思っておりますので、解除がされたとしても対策を継続させること、それから、緩和においては、段階的に対策を緩和していく、そういったことが必要だと考えております。

今井委員 ありがとうございます。

 資料をちょっとお配りしているんですけれども、これは、毎週一回、厚労省さんが発表しておられる、いわゆる六つの指標がどうかということの各都道府県の数字なんですが、一枚目の一番下の方、私の選挙区の岐阜県あるいは愛知県がございます。岐阜県の数字を見ていただくと、若干まだ、一番左の指標の二つですね、確保病床使用率と確保想定病床使用率というのが若干高いんですけれども、それでも非常に落ち着いている状態になっております。愛知県と一体なので、愛知県を見なきゃいけないということなんですけれども、愛知県もある程度落ち着いてはきつつあるんですね。

 一方、めくっていただいて、二枚目、沖縄県を見ていただきたいんですけれども、沖縄県の各数字と東海の数字を見ますと、明らかに沖縄の方が悪いんです。別に沖縄のことを悪く言うつもりはないんですが、六つの指標を勘案して物事を判断するというのであれば、東海地方が緊急事態宣言に置かれていて、沖縄県はそういう状態にないというのは、やはり理屈が通らないと思うんですね。ここが実はよく分かりにくいところなんです。もちろん、指標だけじゃないというふうにおっしゃっていますけれども、医療の状況も、こうやって見る限りは、やはり沖縄の方がちょっと厳しそうですね。

 西村大臣、こういうところがある程度やはり分かりやすくないと、みんながなかなか協力しづらいと思うんですよ。その点については何か御意見ございますか。

西村国務大臣 御指摘のように、この指標、これは私ども、毎日更新をして、状況を確認して、専門家の皆さんにも毎日御覧いただいているところであります。

 まず、岐阜県、愛知県、これが先週末の段階だと思いますので、その後の数日間で更に改善をしてきているという状況にあります。その上で、愛知県知事からは、昨日、前倒しの解除の要請もいただきました。岐阜県知事は、ちょっと病院のクラスターなど発生していることもありますので、若干慎重なお答えでありましたが、最終的に、国の御判断を待ちたいということでありました。

 その上で、沖縄のお話であります。沖縄も、これもかなり数値としては改善してきているんですが、一時かなり緊迫した状況で、知事ともかなり私は頻繁にやり取りしていますが、玉城知事からも、独自の緊急事態宣言のようなことを出され、また、国の方にも、同等の措置、特に知事からは経済的な支援策をということで言われたわけでありまして、私ども、日々こうした状況を確認をしながら、県と確認しながら、また専門家の皆さんにもお伺いして、特に医療、御指摘の医療が沖縄は脆弱な部分がありますので、現地の医師とも私どものスタッフはやり取りをしながら、状況を確認してきたところであります。

 特に、宮古島でクラスターが発生して、時には自衛隊の派遣も行ってきたわけでありますし、夏にも派遣を行ってきたということで、そうした状況の中で、日々確認をしてきていますけれども、何とかピークを越えて、今改善の傾向に向かっておりまして、この一週間で比べてみましても、前週比で〇・五一ということで、一週間、一週間で見ますと半分にまで感染者の数が落ち着いてきております。陽性率も三・五%ということで、かなり低くなってきております。

 陽性率で見ますと、岐阜県が四・三%、愛知県五・一%でありまして、ここも少し改善はしてきていますけれども、いろいろな状況を総合的に判断しながら私ども見てきているところでありまして、御指摘のように、沖縄県については一時、非常に緊迫した状況にあったことは事実でございます。

今井委員 尾身理事長、もう一点。

 今度は、一都三県、関東です。ちょっと今回は厳しいのかもしれませんが、三月七日というと、もう来週末ですから、そろそろ状況を見ていかなきゃいけないんですが、今、一都三県の状況をどういうふうに御覧になっていらっしゃいますか。

尾身参考人 お答えいたします。

 一都三県については、中京と阪神に比べて、先ほど西村大臣の方からもお話がありましたけれども、中京、関西の方は比較的、医療の逼迫、感染状況もかなり改善している、それに比べると首都の三県は、医療の方もまだ随分逼迫している状況が一定程度続いているし、感染の、先ほど脇田先生の方からありましたけれども、少し今、高止まったりして、一部の県では少し感染が増えているというようなこともあって、明らかに状況としては、関西、中京に比べたら、首都三県の方がまだ状況は改善のスピードが弱いというふうに言えると思います。

今井委員 一都三県はまだちょっとかなり厳しいということでございましたので、ちょっと慎重にまた対応していただきたいと思います。

 その上で、済みません、脇田所長にちょっと一点、変異株のことをお伺いしたいんですけれども、最近、報道ベースで、いろいろな変異株が国内で発見されていると。特に、感染力が強いのも怖いんですけれども、もう一点、ワクチンの有効性が低いかもしれないと。

 私、ちょっと、余り詳しくないんですが、501Y.V2とか、こういう型のものはワクチンの効きが弱いんじゃないかというふうな指摘もあるんですけれども、その点も踏まえまして、今、変異株についてどういう評価をしていらっしゃいますか。

脇田政府参考人 お答えいたします。

 いわゆる変異株につきましては、スパイクたんぱくというところの、表面のたんぱくに多重の変異を特徴としまして、発生国を基に三系統、いわゆる英国株、それから南アフリカ株、ブラジル株、この三系統が報告をされています。N501Yという変異を有することを特徴としておりまして、この変異によって感染伝播力の上昇というものが示唆されております。また、一部には、ワクチン効果を減弱させる免疫逃避の可能性が指摘されておりまして、国内への流入と感染伝播を注視しているところであります。

 一方で、今回、新たな変異株として感染研の方から御報告させていただきましたのは、検疫及び国内で検出した新たなウイルス系統ということで、先ほどのN501Y変異は有しておりませんが、E484Kというアミノ酸変異を有するウイルス系統でございます。この系統につきましては、変異が単独で既存の免疫やワクチンを無効化させるものではないと考えておりますけれども、効果を低下させる可能性が指摘をされております。

 国内での蔓延は、中長期的に感染制御のリスクとなり得ると評価、分析をしておりますので、感染研としましては、厚労省と連携をして変異株についての評価、分析を進め、地方衛生研究所、大学、民間機関とも連携をして監視体制を強化し、このN501変異それからE484変異を有する変異株について実態を更に把握していくということにしております。

今井委員 ありがとうございます。

 ちょっと、これは本当に心配な材料でございますので、また新たな知見がありましたら、分かりやすく説明していただきたいと思います。

 尾身理事長、済みません、もう少しお伺いしたいことがあるんですけれども、今回、感染がある程度収まってきた後の、先の話なんですけれども、まず、今回これだけ感染が拡大をしてしまったということの原因なんですね。

 それは、気温が低いとか湿度の問題とか、そういうことが影響しているのか。つまり、これから暖かくなっていくんですけれども、その状況になってまた第四波というのが果たして来る可能性がどれぐらいあるのかということですね。寒かったからこれだけになったのか。その辺の評価はどうでしょうか。

尾身参考人 お答えいたします。

 全く同じ条件の二つの地域があって、温度差だけが違うということを仮定すれば、確かに、気温が下がる方がウイルスにとっては都合がよくて感染がその分ということはあると思いますけれども、今回の場合は、気温の影響ということよりは、今回の冬の場合も十二月の末にかけて急に増えましたよね。それまでも、ほかの沖縄のような暑いところまであって。

 結局は、一言で申し上げると、気温の変化、影響ということも多少あると思いますけれども、それよりも、今回の感染の拡大は、例えば冬の十二月の暮れ、これは結果的には、忘年会のようなもので三密のところは避けた、これが重要な要素であったということはもう間違いないと私は思っております。

今井委員 そうすると、一応、今回、いろいろな状態を、徐々に規制を緩和していったとすると、状況によっては再び感染拡大をする可能性は気温に限らずあり得る、そういう御認識でいらっしゃいますか。

尾身参考人 お答えいたします。

 これからまたどういうことがあるかというのは、私は、予想するというよりも、もうここまで来て、リバウンドを絶対に避けるという気持ちで、そのためには大きく分けて二つで、国、自治体がしっかりとした対策をこれからも必要なものを続けるということと、それから、それに応えて一般の市民が協力する、この二点に懸かっていると思います。

今井委員 気をつけなきゃいけないということなんですけれども。

 せっかくお二方いただいていますので、ちょっと別の観点でお伺いしたいんですが、オリンピックの話なんですけれども、私は、東京オリンピックのとき二歳だったので記憶になくて、できれば東京でオリンピックが開かれているのを生きているうちに見たいなと思っておりまして、できるのであれば開催してもらいたいと思っているんですけれども、そうはいっても、いろいろなリスクがあると思うんです。

 ちょっとお二方にそれぞれお伺いしたいんですけれども、オリンピックを開催するということに対して、感染の専門家として、これは対策をしっかり講じれば開催できるものなのか、できるんだとすればどういう対策をしなきゃいけないのか、そのことについて、それぞれちょっと御意見をお伺いしたいと思います。

尾身参考人 お答えいたします。

 私自身はオリンピックを開催すべきかどうかということを判断する立場にありませんけれども、感染症対策をずっとやってきた者の立場だけで申し上げれば、オリンピックを開催するのであれば、感染のレベルをしっかりと低くするということは大変重要なことだと思っております。

脇田政府参考人 お答えいたします。

 現在、内外の感染状況を注視しながら、大会に向けた準備が進んでいるというふうに承知をしておりますけれども、やはり尾身理事長が言われますように、感染の減少の傾向を確実にして、感染状況を改善するということが重要だと考えております。

 現在、緊急事態宣言があり、感染者数は減少傾向にありますけれども、先ほど述べましたように、宣言の解除は総合的に判断されるとともに、解除も、リバウンドを絶対に起こさないように対策を継続をして、そして、緩和に関しては段階的に慎重に行うべきというふうに考えます。

今井委員 私が心配しているのは、例えば、感染がある程度収まって、どこかの段階でもう開催すると決めなきゃいけないわけなので決めました、決めて、オリンピックが始まる前にまたぼわっと拡大してしまった、その状態でオリンピックを迎えたら一体どうなるのかということなんですよ。

 そうすると、ひょっとすると、オリンピックの開催前にもう一回厳しい措置をして、絶対そういうことを起こさないという状態をつくり出しておかなきゃいけないのかもしれないんですね。ピークがそこに来るなんて誰も予想できませんから、やはり事前にそこを抑え込まなきゃいけないのじゃないかと思うんですが、その点についてはいかがでしょうか。

 尾身理事長、済みません、よろしくお願いします。

尾身参考人 お答えいたします。

 委員おっしゃるように、私は、緊急事態宣言の解除ということが今国民的な関心になっていますけれども、解除をどこがするかというのは非常に重要ですけれども、それと同じぐらい、あるいは、ある意味ではそれ以上に大事なのは、解除した後にいかにリバウンドを起こさない、起こしそうになったらばすぐに対応して、小さなピーク、ちょっとでも上がればやる、そういう心構えというか、そういう準備を国、自治体、それと国民が、みんなが同じ心を持つ、同じ方向性を持つということが極めて重要だと思っております。

今井委員 今回は一旦収まるんでしょうけれども、今お話があったとおり、更に拡大する可能性が否定できないわけですね、状況によっては。そんな状態でオリンピックを迎えてしまったら、本当に大混乱になりますし、医療関係者の方の負担も急に増えますから、やはりそのロードマップをちゃんと考えて、事前にそこは拡大しないように政府としてやっていただきたいと思います。

 あと数分ですので、西村大臣に最後お伺いしたいと思うんですけれども。

 今回、緊急事態宣言をどこかの段階で解除するんですが、既にいろいろお話しされていますが、その次の段階をどうするかですね。大村知事なんかは県独自の方に移行したいとおっしゃっているから、二十四条の九項を使うということなんだと思うんですけれども、私は、特措法の改正の議論をしたときに、最初の入口の段階で、だんだん増えていって蔓延防止があって、緊急事態宣言という順番に行くというのは想定していたんですが、解除するときに、もう一回蔓延防止に入って、二十四条九項に入って通常に入っていくという、これはちょっとやはり分かりにくいと思うんですよ。

 だから、緊急事態宣言できちっと抑えておいて、ある程度、蔓延防止等重点措置を発令しなくていいような状態まで対策をやっておいて解除するという方がやはり分かりやすいと思うんですけれども、それはいかがでしょうか。

西村国務大臣 先ほど来のやり取りを聞いておりまして、まず、今後どこかのタイミングでは解除の判断をしなきゃいけなくなりますし、また、今、その解除後の対策をどうしていくのかというお話であります。

 そうした判断をしていく上で、今御議論あったように、変異株への対応、これを常に頭に置いておかないと、感染力が一・五倍ぐらいあるという海外の研究もありますので、それを頭に置くこと。そして、去年三月、四月に大きく拡大したこと、これは、十二月と同様に行事が多いシーズンでありますので、飲食の機会も多いですから、移動の機会も多いということで、そのことを頭に置きながら判断していかなきゃいけないと思います。

 その上で、御指摘のように、やはり緊急事態宣言というのは非常にこれは重い判断、強い宣言でありますので、この下でしっかりと感染者の数を減らして、そして病床も安定的な体制にしておくこと、これが大事だというふうに認識をしております。

 御指摘のように、蔓延防止措置が法改正でできたわけでありますけれども、蔓延防止措置があるからといって安易に緊急事態宣言を解除してということは考えておりません。したがって、解除後直ちに蔓延防止措置に行く、機械的に何か行くようなことを考えているわけではありません。

 御指摘のように、何人かの知事とも意見交換をしておりますけれども、いずれにしても、蔓延防止措置をやるかどうかは別として、やらないとしても段階的に様々な対策を緩和していく。特に、今もお話ありましたように、飲食がその起点になってきたということでありますので、ほっておけば十二月と同じような状況も起こりかねないということを頭に置いて、しっかりと対策を講じていきたいというふうに考えております。

今井委員 あと一分しかありませんので、じゃ、私の最後の指摘だけして終わります。

 今おっしゃったように、飲食が原因であるわけで、これは通常になったらまた飲食が戻るわけですよ。GoToイートとかいろいろなものも始まると思うんですけれども、私は、飲食の店に行っていつも本当に思うのは、アクリル板ですね、アクリル板のない店が多過ぎるんですよ。あれをちゃんときちっとやっていれば食事に行ってもある程度私は防げると思うんですけれども、私が行っている限りもう二、三割ぐらいしかないんじゃないですかね。ああいうことを徹底させてください。

 補助金を出しているとかいろいろおっしゃっていますけれども、そうじゃなくて、ちゃんとそういうものをして食事をしていれば感染は防げるんだということで、そういう政策を打ち出してほしいんです。そうすれば飲食からくる蔓延というのはある程度防げると思いますので、是非それをやっていただきたいということをお願い申し上げまして、時間になりましたので、終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

木原委員長 次に、吉田統彦君。

吉田(統)委員 立憲民主党の吉田統彦でございます。

 本日は四十分時間をいただいておりますが、我が国の現下の状況を鑑みれば十分な時間とは言えませんので、早速質問に入らせていただきます。

 まず冒頭、官房長官、戦後補償の問題についてお聞きします。

 太平洋戦争末期、日本本土への空襲によって、五十万とも百万とも言われる方が犠牲になったと言われています。また、一九四五年八月六日に広島、同八月九日に長崎に原子爆弾が投下されました。放射線被曝による後遺症も含め、五十万人以上の方が亡くなりました。人類史上初、なおかつ世界で唯一、核兵器が実戦使用された例であります。これらは民間人に対する大量虐殺であり、戦争犯罪であります。

 我が国政府は、本件に関して、一義的に誰に責任があるとお考えでしょうか。例えば、それが当該国にあるとお考えであれば、当該国に対し公式に謝罪を求めた、ないしは求めるつもりがあるのでしょうか。ないしは、一元的に我が国に責任があるのでしょうか。官房長官にお伺いします。

加藤国務大臣 まず、さきの大戦においては、当時の全ての国民、またあるいは現在においてもそうした影響がつながっていると思いますが、何らかの戦争の犠牲を被って、一般市民の中にも筆舌に尽くし難い労苦を経験された方も多数あると承知をしております。

 また、これまで政府も申し上げておりますように、当時の状況について、今、誰がというお話、これについてはいろいろな見方があるとは思いますけれども、例えば、長崎、広島における原爆の投下、あるいは東京大空襲、これは国際法の根底にある基本思想の一つたる人道主義には合致しないものであったと考えておるところではあります。

吉田(統)委員 官房長官、やはりなかなかはっきりおっしゃりにくいところもあると思うんですけれども、これは、ただ、戦争を起こしたこと、またそして様々なそういった、人道的な部分に合致しないと大臣はおっしゃいましたので、そこはやはり当該国にも責任があるんだということですよね、大臣。

 どこに責任があるのか、もうちょっとはっきりとお答えください。

加藤国務大臣 今申し上げましたように、当時の歴史をどう評価するかということにもつながりますから、それはいろいろな見方があるんだろうというふうに思います。ただ、今申し上げた国際法の根底にある基本思想との関係では、その一つたる人道主義とは合致しないものと考えております。

 それから、その責任論と対である請求権の問題があるというふうに思います。これについては、さきの大戦に係る両国及びその国民の間の財産及び請求権の問題については、個人の請求権を含め、サンフランシスコ平和条約により完全かつ最終的に解決済みであるというのがこれまでの政府の立場であります。

吉田(統)委員 そうですね、サンフランシスコ講和条約がございますので。ただ、それは、敗戦の結果、サンフランシスコ講和条約というのは受け入れざるを得なかった部分があると思いますね、官房長官。だから、いろいろな見方があると思います。

 だから、この先の質問の前提としてお伺いしましたので、じゃ、この先の質問をしてまいります。

 私の選挙区内の名古屋市の東区の大幸というところには、当時、日本の航空用発動機の四割以上を生産していたと言われる工場がある。当初は、その他軍関連の工場や、名古屋港などの商業施設の爆撃がされていた。

 しかし、終戦時には無差別爆撃になって、罪もない方々が多く犠牲になりました。名古屋では、中心市街地が罹災した昭和二十年三月十二日、名古屋駅が炎上した三月十九日、名古屋城を焼失した五月十四日の大空襲が知られています。

 被害は人間だけにとどまらず、当時、東洋一とも言われた千種区の東山動物園でも、爆撃で壊された飼育施設から逃げ出さないようにという配慮から、猛獣類が殺処分されてしまいました。この中で二頭の象が生き延びまして、戦後、この象に会いたいと望んだ子供たちのために特別列車が名古屋に向けて走った様子は、「ぞうれっしゃがやってきた」そういった絵本にもなっています。

 しかし、こういった多大な犠牲をもたらしたにもかかわらず、戦後、民間人の空襲被害者には国からの補償、援護は一切ありませんでした。また、空襲の実態調査を行われておらず、犠牲者の追悼も十分とは言い難い状況です。

 この空襲被害に対する補償を求めた裁判では、いずれも原告側の敗訴の判決が出されました。しかし、近時の裁判の判例では、給付そのものを否定しているというよりは、補償給付の必要性は、様々な政治的配慮に基づき、立法を通じて解決すべき問題であるとするものがあり、政府そして国会はこの問題に真摯に向き合わなければならないと私は考えます。

 そこで、官房長官に伺います。

 昨年が戦後七十五年ということで、関係者の多くは亡くなっています。長く被害と補償を訴えてきた方々にとっては、もう待ったなしの状況となっています。

 政府は、戦後、国と雇用関係にあった軍人軍属等が公務等による傷病によって死亡した場合には、国が国家補償の精神に基づいて補償を行う仕組みがあって、六十兆円以上と承知しておりますが、巨費を支出してきたとされています。しかし、それ以外の民間人の被害に関しては、今日まで対象外としてきました。

 政府として、この太平洋戦争時の民間人に対する空襲被害の補償については議論はされていますでしょうか。

加藤国務大臣 政府としては、これまでも、一般戦災者の方に対しては、一般の社会保障施策の充実などを図る中でその福祉向上を努めてきたところでありまして、各府省がその所掌に応じて対応しているところであります。

 また、一般戦災死没者の追悼においても、例えば全国戦没者追悼式を開催する等、そうした事業というんでしょうか、そうした対応も取らせていただいているところであります。

吉田(統)委員 各省庁がばらばらと、官房長官、いろいろな社会保障政策の中でそこを穴埋めしてきたという趣旨でしょうかね、今の御答弁は。

 しかし、そうすると、政府が一貫として、例えば官房長官なりが、この空襲被害者の補償、七十五年の長きにわたってはっきりとしたメッセージを出してこなかったということになると思うんですけれども、それはどうしてそういったはっきりとした、先ほど官房長官がおっしゃる意味は分かります、各社会保障によって包括的にそこを覆ってきたとおっしゃりたいんだと思いますが、しかしながら、画一的なしっかりとしたメッセージとしての補償がされてこなかった。

 どうしてこれは補償されなかったと官房長官はお考えでしょうか。

加藤国務大臣 この認識は、先ほど申し上げたように、さきの大戦においては、全ての国民が何らかの戦争の犠牲を被って、一般の市民の中にも筆舌に尽くし難い労苦を体験された方が多数ある、こういった認識に立った上で、社会保障政策を始め、そうした中で個々の事情に応じた対応を図っていく、こういう考え方でこれまでもやってきたところだというふうに考えております。

吉田(統)委員 おっしゃることは分かるんですけれども、それはコロナもそうですよね。これは全国民が不自由をされて、本当に戦時中とまごうべき今は大変な時期ですが、戦時中、本当に全ての国民が、もちろん日本国民、我が国の全ての国民が様々な意味で犠牲になったのはそうなんですが、しかしながら、メッセージとして明らかなものをやはり出していただくということが非常に重要じゃないかと思うんです。

 そこで、昨年、超党派による議員連盟で、空襲被害者に対する補償を目的とする空襲被害者救済法の要綱案がまとめられています。それによると、空襲で身体に障害を負ったり精神に疾患を抱えたりした民間人が対象であります。厚生労働省が設置する審査会の認定によって支給をするというたてつけになっています。恩給法や戦傷病者戦没者遺族等援護法に基づく給付金の受給者は除き、五十万を給付するというものであります。

 そこで、対象者も非常に限定的な法律でありますし、そもそも法施行時点で生存していることを要件としておりまして、政府が危惧するような、際限なく、今も際限なく全てだというふうに官房長官はおっしゃいましたが、広がるということもないと考えますが、政府として、この救済法の定めようとしている補償の範囲についてはどのようにお考えになるか。

 官房長官でもどちらでも結構ですが、官房長官、お答えいただけますか。

こやり大臣政務官 お答え申し上げます。

 先生を始め国会において様々な御議論をなされていることは承知をいたしております。

 その上ででございますけれども、お尋ねの議員立法につきまして、今まさに検討されている段階にあるというふうに承知をしております。その範囲等、御指摘ございましたけれども、コメントは差し控えさせていただきたいというふうに思います。

 いずれにせよ、我々厚労省を始め政府といたしましては、一般戦災者に対しまして、社会保障施策の充実などをしっかりと図る中で対応をしてまいりたいというふうに考えております。

吉田(統)委員 政務官、ありがとうございます。

 おっしゃる趣旨は分かるんですが、この範囲はどう考えるかということに関しては答えを差し控える必要はないんじゃないかと私は思うんですが、もうちょっと何かおっしゃれませんかね。範囲の問題に関して申し上げているので、そこは差し控えるようなところではないような気もいたすんですが、どうでしょうか。

こやり大臣政務官 お答えいたします。

 まさにさきの大戦において、多くの国民が被災されました。そうした中で、先生を始め国会の中で今その法案につきまして中身を検討されているということでございます。

 そういう状況を鑑みまして、政府としてあえてコメントを入れるということは差し控えた方がいいかというふうに承知しております。

吉田(統)委員 分かりました。国会でしっかり議論してまいりたいと思いますので、厚生労働省、また立法、法が施行された折にはしっかりと御対応いただきたいとお願いを申し上げて、次の議題に移ります。

 次に、新型コロナの対策にまつわる予算について官房長官にお聞きします。

 新型コロナ感染症対策に使われるものが大宗を占めるとして、三次補正では、一般会計で新規の国債発行を八十兆円、財投債を三十兆円、八十兆円と財投債が三十兆円発行しています。

 もちろん、多額の予備費の計上、これはもう国会でも度々指摘をされていますが、疑義があることは改めて申し上げておきますが、国債は補正予算で必要であるから発行した、これは当然理解しています。しかし、国債の発行高は、短期のものを含めて千二百兆円規模になっています。

 これらの国債の償還をどのようにしていくのか、特に、増加した新規発行の八十兆円の国債についてはどうしていくのか、官房長官、お答えください。

加藤国務大臣 先般の令和二年度補正予算等を通じて、新型コロナ禍において国民の命と暮らしを守るための対策上、その財源として大量の国債を発行して、その確保を図ったところでございます。まだ現状、新型コロナの影響、また緊急事態宣言も発出をされ、それぞれの影響は国全体に広く及んでいるところであります。現状において債務の議論を進めるというよりは、まずは感染を収束させることに全力を尽くすべきだと考えているところであります。

 その上で、これまでも経済あっての財政との基本的な考え方を申し上げてきたところであります。成長志向型の経済政策を進め、経済再生に取り組むとともに、財政健全化に向けた取組も並行して進めていく必要があると考えております。

吉田(統)委員 官房長官、今のお話は承りましたが、ただ、今回、特別にやはり相当な額の国債を新規に発行をしているわけです。それに関して、六十年償還ルールで返還をしていくんでしょうけれども、これを償還するためには、このまま、今のままの税収でそれを償還していくというのは非常に難しい部分があるんじゃないかとみんな国民は思うわけです。

 国民の皆さんは、消費税を上げるのかとか、金融課税を強化するのか、法人税を上げるのか、もしそういったちゃんとした具体的な方策がないのであれば、償還額がいたずらに増加するだけの無軌道、無計画に国債を発行したと理解される国民もいらっしゃるから聞いているんです。それでよろしいかということであります。

 しかし、もちろん、念のため申し上げておきますが、消費税は時限的であっても下げるべきであって、私は上げろとは決して言っておりませんので、そこは御留意ください。

 官房長官、お願いします。

加藤国務大臣 吉田委員の議論の、背景と言ったら失礼かもしれませんが、の中には、東日本大震災のときの対応ということもあるのかなと思って今の質問を聞かせていただきました。

 ただ、あのときは特定の地域に大変大きな被害が発生をし、その被害を国民全体で分かち合う、こういう考え方であったと思います。そして、復興債務の区分経理そして税制による措置、これが講じられたところであります。ただ、今回は国民全体に大変大きな影響が広い範囲にわたっているわけですから、おのずと性格は異なるんじゃないかなというふうに思っております。

 その上で、もちろん我が国の財政に対する信頼性あるいは国債に対する信頼性ということは、これは非常に大事でありますから、それに向けた取組をしっかり行っていく、このことは大変大事だと思っております。

 今、具体的なことを申し上げる状況ではないということは、先ほど、コロナ禍への対応がまず第一だということでありますけれども、しかし、そうしたことと、それをまず第一に取り組みながらも、先ほど申し上げた成長志向型の経済政策を進めて、まず経済再生、これをしっかり図っていく、そういった中で、財政の無駄等を排しながら財政健全化に向けた取組をしっかり進めていくことが、あるいは、財政改革を通じて財政の健全化を進めていくことが必要だということであります。

吉田(統)委員 官房長官、経済再生は、常に、ずっとテーマとしてやられているわけですよね。今の話は、ふだん、平素から官房長官がお考えになっていることでもありましょうから、はっきり申し上げて、私の質問の趣旨からはちょっとずれてしまうんですけれども、いずれにせよ、今の官房長官のお話を考えると、平素どおりのことを取りあえずはやっていく、そういうことですよね。お答えは要りませんが、そういうことだと聞こえます。

 では、少しまた別の質問をしていきます。

 三次補正、そして令和三年度の一般会計予算でも、感染防止対策、感染拡大防止策の対応がやはり少ないような印象を受けます。コロナ対策と銘打って計上された予算、例えば三次補正ではGoToキャンペーンの経費が計上されるなど、経済優先で、感染防止対策に余り力が入っていないようなイメージを受ける方も国民に多くいらっしゃるんですが、私も若干そう思いますが、官房長官、そうではないということであれば、端的にはっきりとお答えをいただけますか。

加藤国務大臣 先般成立をしていただきました令和二年度第三次補正予算では、病床の確保、雇用、事業の支援などに対する財政措置を盛り込むとともに、現時点では二・七兆円になっていますが、コロナ予備費も確保しているところであります。

 また、来年度予算では、保健所の人員体制の強化、診療報酬の大幅な加算に加えて、これも五兆円のコロナ予備費により、新型コロナ対策はしっかり行っていくということにしているところでございますので、私どもとして、先ほど申し上げた、まずはコロナの対策を第一に取り組む、こういう姿勢で予算も組ませていただき、また、その予算にのっとって執行等、しっかり進めていきたいと考えております。

吉田(統)委員 ありがとうございます。

 次の問いまでまとめてお答えいただきましたので、ありがとうございます。

 そこを前提にちょっとお話をしますが、今、官房長官、診療報酬ということもおっしゃっていただきました。しかし、診療報酬で支援するということは、患者さんの負担も増えるんですね、当然ですが、患者さんは自己負担分がありますから。そうすると、逆に受診抑制がかかったり、いろいろなことが起こってくる可能性があるんです。

 やはり、総合病院対策のことを先ほど申し上げたかったんですが、それもまとめて言っていただいたんですが、小手先の対応はちょっと難しい現状になっていると私は思います。それが後々の質問にも関係するんですが、例えば、私が申し上げたように、診療報酬に頼らず、医療機関の規模とか患者数に応じた給付型で今回医療機関は乗り切っていかないと、特に、大きな、大規模な病院になればなるほど大変厳しいですね、政務官もそう思っていらっしゃると思いますが。

 政務官、ここに関して、じゃ、ちょっとお答えいただけますか。どうですかね、診療報酬以外の、給付なりなんなりかで応援していこうという意図や思いや、そういう支援策があるのであれば、お願いできますか。

こやり大臣政務官 お答えいたします。

 先ほど官房長官からも少し答弁の中で触れられました。厚生労働省といたしましても、今回のコロナの対策におきまして、昨年の補正予算あるいは来年度予算において相当程度の予算を確保し、これは、特に、昨年末の緊急パッケージにおきましても、かなりの額、病床当たり、支援をしています。

 そうした中で、医療従事者の方々にもしっかりと人件費が行くような形で支援をさせていただいているということでございますので、いずれにせよ、地域の医療提供体制、これをしっかりと守るという観点で引き続き支援を続けていきたいというふうに考えております。

吉田(統)委員 ありがとうございます、政務官。

 確かに、昨年の二次補正予算でも、新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業を行っていただきました。ちょっと不十分だと私は思いますけれども、現場に立つ、奮闘されている方々に応援がされています。ただ、その後、すっかりそういったものも影を潜めてしまいまして、なくなってしまっている。

 やはり医療機関自体も、後ほど女子医大の話もしますが、ボーナスがかなりカットで、年次の昇給も全部、大体、開業医の先生も含めて、カットですね。一方、大阪で、コロナ専門病院の看護師さんが大量に退職するなど、差別、偏見とも戦う立場にある方がたくさんいるんです。

 我々立憲民主党は、野党として、今国会の冒頭、一月十八日、もう御存じのとおり、衆議院に、新型コロナウイルス感染症対応医療従事者等を慰労するための給付金の支給に関する法律案を提出しております。こういった形でしっかりとまた応援をしていきたいという趣旨なんですが、これは野党からの提案の法案でありますが、こういった形のものは再度やっていく御意思はないですか、政務官。

こやり大臣政務官 先生御指摘の慰労金、これは昨年の第二次補正予算において措置をいたしました。

 他方で、この新型コロナ感染症の状況については、昨年当初のときと現状で、その内容でございますとか対処の方法、大分明らかになってきたというような事情の変更があると思います。

 そうした中で、先ほど御答弁申し上げましたように、地域の医療提供体制を守るという観点でしっかりとした支援をこれまで行ってきているところでございまして、先生御指摘の昨年の慰労金のような形での支援というのは、現時点では考えておりません。

吉田(統)委員 いや、政務官、かなり限界にもう来ていますよ。私も救急の担当をまだ今でもちょこちょこやるんですけれども、本当に今厳しい状況です。医者もかなり、現場の医者がやはりもう感染しています。ですから、変わったというより、より悪くなっている状況でもあると思います、この冬、感染者が増えた状況の中で。

 では、官房長官にちょっと一言お伺いしたいんですけれども、今も厚生労働省、政務官が、医療従事者への支援と、度々、大臣も含めて言っていただいていますが、なかなか、口先だけに聞こえちゃうんです、私も現場の人間ですから。現場にメッセージが届いていない状況なんですが、官房長官はそういった状況をどうお考えになるか、また、今後どのようなお考えで対応するか、お聞かせください。

加藤国務大臣 総理も申し上げていますように、医療従事者の皆さん方、まさに現場、最前線で、場合によっては御自身そのものが感染するリスク等、あるいは御家族との関係等、いろいろな困難な状況がある中で、コロナの患者さんを救うために日々全力で尽くしていただいていることは、心から感謝を申し上げたいというふうに思います。

 医療現場の状況も、当時、私も厚労大臣を務めていたこともございますけれども、関係者からもお話を聞きながら、こうした、特にコロナの対応をすることによって、その病院で働く人が、逆に損失というかマイナスを被るようなことがあってはならない、こういう思いでこれまでも対応してきたところでございまして、そういった中で、先般も、そうした受入れをしていただく病床等に対する特別の給付金というんでしょうか、加算も設けさせていただいたところでございます。しかも、そうした加算は、基本的に働く人の方にも回してくれということも申し上げ、また、使いやすいようにも厚労省において日々工夫もされているというふうに承知をしております。

 基本的に、先ほど申し上げたように、コロナ等の対応に当たっている皆さんが、それによってむしろダメージを被る、こういうことがないように、引き続き取り組んでいきたいと思います。

吉田(統)委員 ありがとうございます。

 では、ちょっと時間が大分なくなってきましたので、テーマを変えさせていただきたいと思いますが、引き続き官房長官にお伺いしたいんですが、菅総理は、二月十七日の予算委員会の集中審議で、新型コロナウイルスワクチンを国内で開発、生産できる体制を確立することは極めて重要な危機管理だとして、国内でのワクチン製造に意欲を示されていましたですね。

 私は、民主党政権時代に、医療の安全保障の一環として、国産の医薬品及び医療機器を増やすために薬事法を抜本改正して薬機法を作った当時、党の責任者を務めさせていただきましたが、国産医薬品及び医療機器を増加させることは我が国の喫緊の課題であり、これは大いに応援をしてまいりました。ですから、今回のコロナ危機においても、また永続的な感染症対策においても、国内でのワクチン生産体制の確立は、もう切望しております。我が国の医療業界の悲願でもありますしね。

 だからこそ伺うんですが、一体どこがこれを担うことができるのか。先ほど感染研から脇田所長がいらしていましたが、感染研は全く力不足ということ、これが露呈してしまいました、今回。

 また、昨年十一月十八日の厚生労働委員会で私がもう指摘済みですが、大阪府の吉村知事が、威勢よく、進んでいると言っていたアンジェスのワクチンのタイムスケジュールは完全に崩れていますよね。そもそもこのDNAプラスミドワクチンは、開発者自身が、抗体をつくる力が弱いとされる、十分な抗体を確認できるか一番の課題と発言して、効かない可能性にすら言及しているワクチンです。こんな惨たんたる状況で、一体どこが国産ワクチンの国内生産までこぎ着けることができるのか。菅総理の発言の真意を聞かせてほしいんです。

 また、これが仮に、ただ単に外国産のワクチンを国内で生産する体制をつくればいいというだけの話であったら、これはもう国内発のワクチンを諦めたということになってしまいますが、この認識でよろしいでしょうか。

加藤国務大臣 今回の新型コロナウイルスへの対応も含めて、ワクチンについて、これは国内で開発、生産ができる体制を確立することは、我が国の危機管理においても極めて重要であり、そうしたことも含めて、総理が先ほどのような答弁をさせていただいたというところであります。

 では、一体誰がワクチンを作るのかということについては、一義的には企業において行われるものと考えておりますが、政府としては、新型コロナウイルス感染症のワクチン開発の支援として、研究開発や生産体制の整備への補助、また、国産ワクチン開発企業について、発症予防効果を評価する試験の実施費用の補助など、様々な支援を実施してきているところでありますし、また、感染症危機の発生時には、大学や医療機関からの臨床情報や検体等を国立感染症研究所に集約して解析し、これを民間企業を含む研究機関等に提供することで、検査手法、治療薬、ワクチン開発にも活用できるようにしていくことが重要と考えております。

 このため、国立感染症研究所を中心とした基盤整備のための事業を新たに第三次補正予算の中に盛り込ませていただきました。また、令和三年度の定員において、国立感染症研究所については大幅な増加を図ることとしております。

 こうした対応を取って、国内での開発、そして製造を含めて、感染危機管理体制の強化、これにしっかり取り組ませていただきたいと思います。

吉田(統)委員 官房長官がもう言及していただきましたが、感染研は、やはり本来なら非常に大きな役割を果たすべきなんです。しかし、今おっしゃっていただいたことをちょっと、官房長官自体が、もしかしたら別のしっかりとした説明を受けていない可能性があるので申し上げますが、感染研、国立感染症研究所、ナショナルセンターですね、本来は、パンデミックが起こったら、パンデミック対策の司令塔として疫学調査、PCR検査、封じ込め、もちろんワクチン開発、治療まで一気通貫で対応しなきゃいけない組織です。こういった役割を我々も感染研に期待しています。

 そのための役割を果たすための予算をつけることを再三再四提案してきましたが、しかし、現在まで、その今おっしゃった話の前までは感染研への予算は全く増えていませんでしたし、定員は、逆に減らされてきましたよ、官房長官。やっと来年度の予算案で、ようやく感染研の定員、現在の三百六十二人から七百十六人、ほぼ倍増することを決められたようですが、ワクチンの開発に精通した人材とか優秀な研究者を呼んできたり、管理職を増やしたりできる予算立てに、官房長官、なっていないんですよ。

 定員が倍増されても、実際、管理職に関して、来年度は一増です、一増。国立感染研全体ではプラス・マイナス・ゼロです。所管の厚生労働省が汗をかかなきゃいけないんですけれども、危機管理をした、政府として、倍増した定員に対してガバナンスとかそういったものに関して、来年度の管理職は一増という状況、これは話にならないと思いますが、官房長官、どう思われますか。

木原委員長 こやり厚生労働大臣政務官。(吉田(統)委員「官房長官に聞きたいんです」と呼ぶ)

 まず、こやりさんからどうぞ。大臣政務官、よろしく。その後、長官にお伺いします。

こやり大臣政務官 委員御指摘のとおり、来年度におきましては、約二倍増という形で定員の強化を図っております。

 管理職の定員が不十分ではないかというような御指摘ではございますけれども、今まさにこの感染症対策において、この国立感染症研究所を中心に、我が国の感染防止に対する研究力の向上の体制も含めて、今、自民党の方でも議論をしていただいておりますし、政府としても検討しているところでございます。

 そうした流れの中で、具体的なその人員の配置等についてもこれから検討してまいりたいというふうに考えております。

加藤国務大臣 具体の話は、今、あるいは厚労省から更に説明させていただきたいと思いますが、先ほど申し上げたように、対応については、大学や医療機関から臨床病床や検体等を国立感染症研究所等に集約し、解析し、これを先ほど申し上げた民間企業を含む研究機関等に提供することで全体としては図っていく、要するに、我が国のシステム全体の中で図っていくというわけでありますから、その中で国立感染症研究所が担うべきその役割が果たせるように、定員等の配置等もしっかり進めていきたいと思います。

吉田(統)委員 ありがとうございます。全然話にならないので、官房長官、政務官、ちゃんとやってください。この後しっかり備えないと大変ですよ。

 ちょっとアンジェスのワクチンに関して、官房長官のお話を聞きたいですね。

 アンジェス社のワクチンは、昨年十一月七日に大阪府の吉村知事は、十一月に入って第三相、第四相といって大量化する段階に入っていると事実に基づかない発言をしていたことは、私が厚生労働委員会で指摘済みです。

 その後、吉村知事の発言が二転三転しています。二月二十日の読売テレビ、「ウェークアップ!ぷらす」では、いつ確実に実用化されるか分からないと、あれだけ実用化できるとあおってきたにもかかわらず、すごくトーンダウンしちゃっています。

 こうしたアンジェス社のワクチンに九十三・八億円、莫大な予算をつけられていますね。そもそも、予算がついた過程も極めて不透明です。アンジェス社の創業者は安倍前総理のゴルフ友達であります。本人が私に言っていますからね。本当に不透明なんですよ。タイムスケジュールも完全に壊れちゃっています。税金の無駄遣いに見えるんですが、政治家としても、吉村知事、非常にこれだけあおって前言を翻しちゃうのは無責任極まりないと思うんですが、官房長官はどう思われますか、この点。

こやり大臣政務官 お答え申し上げます。

 厚労省といたしましては、個別の企業はともあれ、全体、開発力の強化に取り組んできているところでございまして、一次補正予算、二次補正予算で総計六百億円を予算を確保して、研究開発を始め臨床試験の支援に努めているところでございます。

 先生御指摘のアンジェスにつきましては、今まさに開発段階でございます。その評価について予断を持ってお答えすることは差し控えたいというふうに思います。

 いずれにせよ、こうした開発が実用化された場合に備えて、円滑な接種が実施できる体制の整備にしっかりと準備をして進めてまいりたいというふうに考えております。

吉田(統)委員 政務官、アンジェスの話はもう世界の学者で笑い話になっていますから。私も一応ノーベル賞受賞事由の論文も一枚書いていますからね、様々な学者と今でも交流していますけれども、笑われています。ちょっとこれは反省された方がいいと思いますよ、本当に。こんな、国民もそんなばかじゃないですから、だまされないですよ。

 せっかく河野大臣に来ていただいているので、河野大臣、一問だけ端的にお伺いしますが、今回、ファイザーのワクチンが前倒しされましたね、日程が。当初の予定より接種開始を早めていって、当初は二月下旬の予定というところから、二月十五、二月十四と早まってきたんですが、これは、厚生労働省、今まで私が行政の在り方を見てきた場合は、非常に慎重な省庁で、こういった前倒しをするということは、やはり安全性とかいろいろなことを考えると、通常なかなか考えにくいパターンのやり方だと私は考えました。

 その中で、河野大臣、どうしてこれは早めたのか。もちろん、封じ込めを早くしたいというのもあるかもしれませんが、それにしても、何かいつもの厚生労働省の行政の在り方とはちょっと違う印象を受けるんですが、いかがでしょうか。

河野国務大臣 ワクチン接種が早まったということですね。それは、準備が滞りなく進み、ファイザーからの供給が参りましたので、予定より前倒しできました。

吉田(統)委員 整ったからなんでしょうけれども、整った場合でも、通常はゆっくり安全性の評価なりをして、普通は予定どおりに、じゃ、接種しましょうかと。それは、前もって準備するのは当然のことですから、こういったものに関しては。前もって準備がある程度できた段階で少し余裕を持って開始をしていくのが普通なんですが、着いたらすぐ、じゃ、やりましょうという感じに印象を受けたんです。それは特に、じゃ、他意はないということで、河野大臣、よろしいですか。

河野国務大臣 そのとおりです。

吉田(統)委員 ちょっと時間がないので、もう少しいろいろ聞きたいんですが、河野大臣、これで、済みません、お忙しいので退席いただいて結構です。

 女子医大の問題をちょっと確認させてください。

 二月九日に、東京女子医大は職員に対し、新型コロナウイルスの感染で休んだ場合、感染の原因によっては休業中の給与を無給にすると文書を出していたことが同大関係者の取材で判明したということであります。不適切な行為で感染したなどと認められれば、民法上の債務不履行に当たるとして無給にするというニュースは、びっくりしました。どこで感染したかなんて明確には分からないパターンが多い中でこういったことがされた中で、私だったら、即座に女子医大を辞めますね。こんな、ばかにしていますよ、働いて、前線で戦っている医者や医療従事者を。

 今日は文科省から来ていただいていると思いますが、これはどういうふうに対応されたのか。当然厳しく御対応されたんだと思いますが、そこをはっきりちょっと御説明いただけますか。

鰐淵大臣政務官 お答えいたします。

 まず、事実関係を申し上げたいと思いますが、御指摘の件につきまして、東京女子医科大学に確認をいたしました。

 同大学では、院内クラスターの発生等を防止するため、職員に対しまして、会食や外出の自粛を求めるとともに、自粛要請に反する行為により発熱等の症状が出た職員等については休業中又は自宅待機中の給与を無給とするとの説明を行ったと聞いております。

 本件に対する文部科学省の対応でございますが、大学の労務管理につきましては、一義的には各大学の判断において行われるものではございますが、労働基準法では、使用者の責に帰すべき事由による休業については、休業手当を支払うよう規定されております。また、発熱等の症状のある職員や濃厚接触者となった職員を使用者が休ませる場合、一般的には使用者の責に帰すべき事由に該当することとされていますので、文部科学省としましては、同大学に対しまして、労働基準法等、関係法令にのっとり、疑義が生じないよう適切に対応すべきであると指導をいたしました。大学の方からは、今後適切に対応する旨の回答を得ているところでございます。

 文部科学省としては、これまでも各大学病院に対しまして適切な労務管理を行うよう周知をしてまいりましたけれども、本件を踏まえまして、引き続き、会議等を通じて周知を図ってまいりたいと思っております。

吉田(統)委員 政務官、しっかりやってくださいね。本当に、これはみんな辞めちゃいますよ。そもそも、勤務医がいなくなっていることが日本が医療崩壊を起こした原因ですから、勤務医が、しっかりずっと勤務医でやっていただけるような仕組みを本当に力を合わせてやっていただかないと、これは大変なことになります。

 大臣に来ていただいていますので、またちょっと端的にお伺いさせていただきます。

 保育、介護、調剤とか、そういったところの公益的な部分を担う、時間がもうちょっとありますのでお伺いさせていただきたいんですが、坂本大臣、保育とか介護というのは、現場で働く皆さんというのは、なかなか本当に十分な給与が得られませんね。看護師さんというのは、やはり今すごく人気があるんです。看護学校というのはむちゃくちゃ人気があって、やはりそれは、私は現場でいつも看護師さんによく会いますので聞くと、食いっぱぐれがないからとか、一般のサラリーマンより給与がいいからと、端的に、本当にそういうことをよくおっしゃいます、なった理由ですね。もちろん、医療、看護職への魅力というのもあるんでしょうけれども。

 そういう中で、保育、介護の人材を増やすためには、やはり給与とか待遇面をよくすることが一番の近道ですよね、当然ですけれども。

 そういう中で、なかなか現場の方に手が届かないわけですよ。経営者は、もちろん、もうけていただいて構わないんですけれども、ビジネスで。ただ、本来はウィン・ウィンに、経営者もウィンになって、そして、現場で働く保育士さん、介護士さん、介護従事者もみんなウィンになるような、そういったことをしなきゃいけない。

 医療というのは、医療法人というのがあって、理事長とか経営者がべらぼうにもうけることができないたてつけになっていますよね。ですから、保育とか介護に関しても、もっと具体的に、現場にしっかりと。いや、分かりますよ、ちゃんとルールをつくって皆さんがやっていただいているのは分かるんです。それでもなお、やはり大臣、なかなか現場に届かないんですね。そこを、大臣、今後どのようにされていくかということをちょっと御説明いただけませんでしょうか。

坂本国務大臣 保育士の皆さんたちの処遇改善は本当に大事なことであるというふうに思っております。

 そういうことで、平成二十五年度以降は、月額四万四千円に加えまして、平成二十九年度からは、技能、経験に応じまして、月額最大四万円の処遇改善をしてまいりました。その処遇改善を始めました平成二十五年度と比べまして、六年間で、全国平均で約五十四万増加しておりまして、一定程度、処遇改善の効果は出ているというふうに思っております。

 それから、理事長や施設長が不当に高い報酬を得ているのではないかというような委員の思いもあられると思いますが、そこまではないというふうに考えております。

 いずれにいたしましても、高い使命感を持って保育士になられた方々が永続的に働けるように、今後も改善に努めてまいりたいと思います。

木原委員長 吉田君、申合せの時間が来ておりますので。

吉田(統)委員 間もなく時間なので、もう終わります。まとめて終わります。

 坂本大臣、ありがとうございます。私は別に、不当に収入を得ているとは言っていないですよ。それよりも、やはり現場の方にとにかく、だから、さっきも質問の前に申し上げましたが、収益を得てもらって結構なんですよ、もちろん経営者も。それはビジネスですから。ただ、より現場に落ちるような仕組みをつくってほしいということを申し上げている。

 また次回議論をさせていただきたいと思いますので、これで終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

木原委員長 次に、高井崇志君。

高井委員 国民民主党・無所属クラブの高井でございます。今日は、岸本委員に代わっていただいて、質問の機会、四十五分いただき、ありがとうございます。

 それでは、早速、まず丸川大臣にお聞きしたいと思います。

 丸川大臣、大臣御就任おめでとうございます。私は大学の同級生でございまして、ついでに言うと委員長も同期なんでございますけれども、二人とも大学時代から有名だったので私はよく存じ上げておりますが、余談はさておき、質問に入りたいと思います。

 まず、丸川大臣、先ほどから東京オリパラの話が出ておりますけれども、やはり、そろそろどういう開催にするかを決めないと、いろいろな意味で準備が間に合わなくなると思います。もちろんオリンピック・パラリンピック実行委員会が決めることでしょうけれども、しかし、いろいろな準備は、実は政府に関わってくる予算との兼ね合いなんかもありますから、これはやはり大臣がイニシアチブを取っていかないといけないと思っています。

 その中で、今いろいろな、テレビなどでも話題になって、私も結構ずっと見ているんですけれども、実は余り皆さん指摘されないことが一つあるので、ちょっと御指摘しておきたいと思うんです。

 これは恐らく、フルに観客を全部入れてやるというのは、今どこの大会でも、世界中そんなところはありませんし、まして、来年の夏にそこまで感染が収まっているというのもなかなか期待はできないだろう。そうすると、観客を、やるとしてですよ、やるとするならば、一部削減するか、若しくは無観客かみたいな議論だと思うんです。

 ただ、これは、一部削減するといっても、もう既に、ほかの大会と決定的に違うことがありまして、一年以上前にチケットを販売していますよね。そうすると、その販売している人の中の、では誰を今から断るのか。例えば偶数席だけにするとかいったら、多くの方はペアとか家族で買ったりしているわけで、ではそこの部分が、ペアの方が来られないなんてことが起こると、あるいは、何かS席の人だけ呼ぶとか、そんなことは、私は国民の皆さんは到底納得されないんじゃないかと。

 そう考えると、やるとしたら無観客しか私はあり得ないんじゃないかと思っているんですが、その辺りの検討状況、お考えをお聞かせください。

丸川国務大臣 高井委員、御質問ありがとうございます。このような形で同級生がそろって一緒に仕事ができることを、大変うれしく、ありがたく思います。

 まず、所管としては、私の所管ではありますが、一応、この委員会の所管事項ではないと思いますけれども、御関心のことでございますので、お答えをさせていただきます。

 まず、観客をどの程度会場に入れるのかというのは、今まさに、感染拡大の状況、それから世界の感染の状況等を見ながら、東京都とIOC、また組織委員会、国と一緒になって検討を進めているところでございます。

 もう御承知だと思いますが、既にアスリートトラックというのがあります。これは、非常に厳しい行動規制等をしいて、いろいろな検査を随時行っていくものですが、こうしたやり方を、あるいは全豪オープンの様子等を踏まえながら、我々の国でどういう工夫ができるのかということとの見合いでもあろうと思いますので、これを踏まえて、どのくらい観客の方に入っていただくか、それは外国人なのか日本人だけなのか、そういう検討をこれから進めてまいります。

 チケットの話ですけれども、チケットは、もし観客の数を減らすということになって、今戻ってきている分もありますけれども、既に売ってしまった分がオーバーしている場合は払戻しをするということになっております。

高井委員 申し訳ありません、所管外ということでしたのでもうこれ以上聞きませんけれども、本当にこれは早く決めないと、やはりいろいろな準備が間に合わなくなるし、いろいろな国の予算も関わって、七十三億円のアプリなんという話も、これは観客が入るか入らないかで全然変わってきますから、そこは早く決めるということを是非お願いしたいと思います。

 それでは、今度は男女共同参画担当大臣としての丸川大臣にお聞きしますが、私は、この男女共同参画において非常に重要なのがやはり選択的夫婦別氏制度、これがやはりいろいろな女性活躍の妨げになっているという声がありますが、まず、この選択的夫婦別氏についての、丸川大臣、丸川さんのお考え、お聞かせください。

丸川国務大臣 ありがとうございます。

 私には、私自身の一個人としての思いも、それから政治家としての思いもございますが、今回、私が今この場に立っている今までの経緯を考えますと、これは、国際社会に日本がきちんと女性の政治参画も含めた男女共同参画に取り組んでいるという姿を見せなければならない、非常に重要な局面にあると考えております。

 ですので、私は、今回は私の考えは脇に置いて、いかに国際社会の理解を得られるかということに力を尽くしてまいりたいと思っております。

高井委員 その答弁を聞けて安心いたしました。

 やはり、まさに去年の第五次男女共同参画基本計画のときも、当時の橋本大臣がかなり頑張っていただいて、私は推進すべきだと思っていますが、しかし、自民党の中で別の意見もあって、結局、私からすれば後退した表現になってしまいましたけれども、これはやはり男女共同参画大臣が先頭に立って、まさに自民党の中も説得していただかなきゃなりませんので、是非そこの役割は担っていただきたいと思っております。

 それでは、丸川大臣、忙しいでしょうから、どうぞ御退席ください。

木原委員長 どうぞ御退席いただいて結構です。

高井委員 それでは、続いて西村大臣にお伺いしたいと思います。

 今、大変、時短要請協力金、一律六万円というのが非常にやはり評判が悪い。もちろん喜んでいる人はいるんですが、喜んでいる人というのは、元々余り、小さなお店で収益がなかった方が、これをもらったら一月百八十万にもなって、史上最高の利益だなんて、このままコロナ禍が終わらなきゃいいなんていう不届きなことを言う人もいるぐらい。そして一方で、大きなお店はなかなかこれが満足されないということで、不公平だということで大変不評なんですけれども。

 実は、我々国民民主党会派として、玉木代表がずっと昨年から言ってきました日本版PPPという制度があります。

 今日は皆さんに、私のブログからちょっと転記、転記というか、私がまとめ直したものを配っています。アメリカのPPPについては二ページ目のところに書いておりますが、実は、アメリカのPPPをそのままやるといろいろ課題があるというのは、先般、山尾委員が予算委員会で西村大臣に聞いて、大臣からいろいろ答弁いただいたんですが、三つか四つあったんですけれども、それは全て今我々が提案する日本版PPPでは解決されています。

 日本版PPP、どういうのかというと、ちょっとページを打っていなくて申し訳ないんですけれども、四ページ目なんですけれども、最後から二枚目にその概要というのが書いています。一つは、この二の「制度の概要」というところを見ていただくと、緊急事態宣言又は蔓延防止措置等期間中に、その要請に応じた事業者に対して、家賃、それから従業員掛ける何万円、この何万円というのはちょっと議論がありますけれども、ただ、これは給料じゃないんですね、給料保障、アメリカのPPPというのは雇用を保障するプログラムなので、そうすると、大臣が言うように雇調金との関係が出てくる、バッティングするということがあるんですけれども、我々は、あくまでも事業規模を測る一つの目安として、この従業員掛ける五万円とか十万円とか、そういうのを考えています。それを支払う。

 一番のポイントは、アメリカのPPPの最大のエッセンスは、金融機関に先に融資をしてもらうという制度を我々は考えています。先に金融機関が融資をして、そして後から、実際に支給するときはその金融機関の口座に振り込んであげれば相殺できちゃうわけですね。こういう制度をアメリカでもやっている。

 これも、大臣が、政策金融公庫がやるには荷が重過ぎるという答弁だったんですけれども、政策金融公庫がやらなくても大丈夫です、法制局と議論していますけれども。政府保証というのは日本は、日本の場合はアメリカと違って政府保証は政策金融公庫しかできないんですけれども、我々は政府保証じゃない形で実効的にやろうと。だから、市中銀行でこれをやることは可能なんですね。そして、我々の案では、緊急事態宣言のときは十割国が見ましょう、蔓延防止措置のときは都道府県知事の判断があるので八割見ましょうと。

 こういう主に三本柱でもう作っていまして、もう法制局のほぼ了解も得て、来週にも法案を出せるというぐらいのところまで来ていますが、大臣が今日、それいいよ、採用しようとおっしゃってくれれば我々が法案を出すまでもなく実現するので、玉木代表にもその了解も取っていますので、是非この場で、これはいいな、これでいこうとおっしゃっていただければありがたいと思うんですが、いかがでしょうか。

西村国務大臣 いろいろと工夫をされて、検討を重ねられていることには敬意を表したいというふうに思います。

 御指摘のように、先般御議論させていただいた中で幾つか課題を私から申し上げて、その中でも、雇用調整助成金との関係、これをどう整理するのかというのはまだ残っているのかなと思っております。今見させていただきまして、そのように直感的に思ったところでありますが。

 いずれにしましても、今回、昨年の春からの経験も踏まえて、最大百八十万円を店舗ごとに出すということで、これは、かなり大きな店舗、チェーン店も含めて、大企業も含めて支援をしていきますので、そういう意味で、かなりの部分はカバーできているというふうに理解をしています。

 そして、今申し上げた雇用調整助成金で、一人当たり三十三万円までは、パート、アルバイトの方も含めて、月額、シフトが減った分も含めて支援ができますので、そういう意味で、店舗数、それから人員含めてかなりの部分をカバーしているというふうに理解をしております。

 しかし、こういった御提案もいただいておりますし、国会でも様々御議論をいただいておりますので、引き続き、経営への影響の度合いを勘案しながら、御指摘のあった公平性の観点も含め、また円滑な執行が行われるということも含めて検討は進めていきたいと思っております。

 ちなみに、これも答弁をもう既に申し上げていますけれども、今回の月額最大百八十万円も、そこを最大として、規模を分けて、一日六万円を更に細分化して、規模によって四万円とか二万円とかにすることは可能なんですけれども、自治体の方の、都道府県の方の判断で、やはり円滑な執行、迅速性という観点から一律にしているという事情もございます。

 この辺りも、都道府県と今様々、執行上の課題も含めて議論をして進めておりますので、是非、様々な御議論、こういった提案も含めて受け止めながら、引き続き研究、検討を進めていきたいというふうに考えております。

高井委員 ずっと、附帯決議にも書いていますから検討する、研究すると言っていますけれども、本当に本気でやっていらっしゃいますかね。

 今の四万円、二万円とかいう、下げる方はいいけれども上げる方は駄目だという、これが、大阪の吉村知事なんかは言っているわけですけれども、そんなのは本当に今すぐできることだからやればいいと思うし、だけれども、それでもやはり、従業員百人とか、そういう大きな飲食店はそんなものじゃどうしようもないんですよ。だから我々は提案しているわけで。

 ちょっと、今見たみたいな感じでおっしゃっていましたけれども、雇調金の問題はもう解決していますから。全く雇調金とはバッティングしませんし。今まで、米国、PPPでできないと言っていた理由は、例えば不正が多いなんというのも、不正が多いのは、雇用を維持することを目的とする補助金だから、再雇用するみたいな不正があって不正が多かった。これは雇用は関係ありません。雇用維持を義務づけていませんから、不正は起きませんので。

 そういう意味では、ほとんど問題点をカバーした案になっていますので、是非真剣に、そういうことであれば法案を提出させていただきますので、是非、法案提出後にしっかりと検討いただきたいというふうに思います。

 それでは、もう大臣は結構です。

 それでは、今度は河野大臣にお伺いしたいと思いますが、ワクチン接種のマイナンバーとの関連でお聞きしたいと思います。

 河野大臣が就任されてからというか、平井大臣が先だったんですかね、一月十九日に平井大臣が、ちょっとこういう新聞記事が、朝日新聞は表題が、マイナンバーでワクチン管理、突如浮上に厚労省は困惑、それから産経新聞は、三システム併存、混乱懸念、ワクチン接種、官邸VS厚労省とか、あと毎日新聞も、状況管理、台帳から一転。急遽、一月十九日に突然出てきたというような報道です。

 それまでは、ワクチン接種の個人情報等の管理、誰が二回ちゃんと打ったのかという管理はそれぞれの自治体がやると。厚労省は当然、去年の夏か秋ぐらいからずっと検討してきたわけで、そこの部分はやってもらうと。ただ、それをやると、よく河野大臣もテレビなんかで言っていますけれども、接種台帳だと二、三か月かかる、そんな、待っていられないということなんですけれども、そんなのはもう去年から分かっていた話で。

 これは、厚労省は、二、三か月かかると分かっていて、これでいこうと思ったんですか。厚労省は、去年の秋あるいは一月十九日まではこれで大丈夫だと思っていたから、これで進めていたわけですよね。その辺、厚労省の考えをお聞かせください。

大坪政府参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘のように、今般の新型コロナの予防接種は予防接種法に基づく予防接種となっておりまして、これまで、従来、予防接種法に基づく予防接種でどうやって履歴を管理していたかと申し上げますと、まず、基本的には、本人に対して接種済証の交付というものがなされます。また、定期の予防接種はお子様が多いものですから、母子手帳への記録などにより、基本的に個人で管理をするというスタンスでございました。それとともに、先生御指摘のように、各市町村が、予防接種台帳、これは数か月かかりますが、接種記録を管理する、こういった両者でやってまいりました。

 御指摘のとおり、この枠組みでいいますと、接種直後に直ちに履歴が市町村は把握できるかといいますと、そういうふうにはなっておりませんで、この場合でも、接種の証明書は個人が持っているということをもって医療機関などでは対応していただいてきたところでございます。

 今般の新型コロナに関しましては、自治体や医療機関の事務負担等々を考えまして、これまでの既存の枠組み、これを最大限活用するという方向でこれまで進めてきたところでございますが、いずれにいたしましても、関係府省と連携しながら、潤滑に、円滑に進んでいくように努力してまいりたいと思っております。

高井委員 肝腎なところがいずれにしましてもでごまかされたんですけれども、それまでは既存のでできると思っていたわけですよね。それでやってきたのが、やはりそれはできないということが一月十九日になって分かったということじゃないんですか。

 なぜ一月十九日に、今までできると思っていたことがやはりできないということが分かったわけですか。

河野国務大臣 今までのやり方ではできるんですが、今までのやり方ですと接種台帳に戻ってくるのに時間がかかる、そういうことと、それから、そこまでの間は予診票という紙の管理をしなければいけないということで、これは、システムに入れることができれば便利にもなるし、災害やら何やらのときに対応も利くし、そういうことでこのシステムの開発をスタートさせたわけでございます。

高井委員 私も、マイナンバーは是非使うべきだと。この仕組みに異論を唱えるものじゃないんですけれども、ただ、何で、遅いんじゃないですかと。もっと早く、去年からやっておけば。

 というのは、現実に自治体なんかはかなりやはり混乱をしていて、もう既に自治体が先行して、国がやらないと思っていたので、先進的な自治体なんかは自らシステムをつくったりしていまして。そういった費用もどうするのかと後で質問したいと思うんですけれども、そういう混乱が出ていますので。

 あと、この後質問しますけれども、本当に大丈夫なんですか。四月以降の高齢者接種に間に合わせるようにと大臣はおっしゃっていますけれども、私は本当に大丈夫かなと。

 これがもし失敗したら、やはり、一つは、去年の段階でなぜやらなかったとか、厚労省はどういう甘い見積りをしていたのかということになりますし、それから、一月十九日以降、河野大臣が就任してからここに切り替えたという、大きな政治判断だと思いますけれども、そこの責任が私は問われることになると思いますので、ちょっと、そこ辺を少し聞いていきたいと思いますけれども。

 今回、実は、新システムを受注した会社が、もうこれはオープンになっていますけれども、二月十九日の日経新聞に出ていますけれども、ミラボという会社だそうですね。私もミラボって聞いたことないなと思って調べたら、資本金が三千万円、二〇一三年にできた、まだベンチャー企業というか新興企業ですよね。

 日経新聞によると、選考過程ではNECや富士通など大手企業の名前も挙がったが、従来型の開発体制を引きずり、政府が求める二週間という短期間には対応できなかった模様だ、受注額は三億八千五百万だそうですけれども、全国規模のシステムをこの金額で提供するのはクラウドサービスとはいえ安価だという印象だと。非常に安くて、ベンチャーならではという。

 確かに、通常時だったら、より安いもの。しかし、これは随契なんですよね。競争入札じゃない。でも、一刻を争うから随契でもしようがないと思うんですが。ただ、やはり、前から準備していればもっときちんとした選考もできたでしょうし、あと、本当にこのベンチャー、信用して大丈夫ですかというところが。

 というのは、システムの開発だけじゃなくて、そこから千七百の自治体に運用していってもらわなきゃいけない、そこに本当にトラブルが起きないかなと。ある意味、NECや富士通が私もいいとは思わないんですけれども、しかし、そういった会社はそういった自治体との長年のつき合いがあるので、そういうノウハウ、まあ恐らく、私の推測ですけれども、こういう大手は、とてもリスクが高い、こんな短期間でこんなものを背負って失敗したら本当に会社が重大な責任を負うことになるということで、私は避けたんじゃないかなと。そういう中で、こういうベンチャー企業に任せて本当に大丈夫なのかということを大臣にお聞きしたいと思います。

    〔委員長退席、平委員長代理着席〕

河野国務大臣 大丈夫だと思っています。

高井委員 大丈夫だと思っていますと。大丈夫と断言するのは難しいのかもしれませんけれども、本当に私は、非常にリスクがある選択を取られたなと思います。

 確かにマイナンバーを使う方がいいですけれども、しかし、このタイミングで、もうあと残り期間がない中で、私も、役所にいましたので、今のIT室のメンバーがどれだけ苦労しているかというのもよく分かりますし、本当に大丈夫かなというのは心配ですが、大臣が大丈夫だと思うとおっしゃるのであれば、これは結果責任だと思いますから、またそれを見ていきたいと思いますが。

 もう一つお聞きしておきたいのは、先ほど、市町村が既につくってしまっているようなところもあります。そういったところの費用負担、どうしてくれるんだということを現場の自治体からは直接聞いています。

 また、本当に運用は大丈夫なのか。なかなか、計画もまだ、一回だけ説明会がありましたけれども、あの説明資料、私も見ましたけれども、皆さん、あれでは到底分からない、納得できないと言われていますので、市町村に周知するという、これがやはり非常に重要な、システムを開発するだけじゃなくて、そこからどこを運用していくかということが本当に我が国の行政のシステムの大問題だと思うんですけれども、その辺りをどうしていくのか、その点をお聞かせください。

河野国務大臣 今回のコロナワクチンの接種に関しましては、国が全額費用を負担するということでございます。

 それから、四月に高齢者のワクチンの接種がスタートするまでにシステムの御説明を自治体にしっかりやり、また、必要なら、デモができるような体制を組んでいきたいと思います。

高井委員 是非これは本当に、今、国会の場ではクールに答弁していただきましたけれども、これは本当に失敗したらとんでもないことになると思いますし、万全を期すために、やはり市町村への運用というのを甘く見ないでいただきたいなと。

 正直言うと、今のIT室、何人でやっているんですかと言ったら十九人という答えが返ってきたんですけれども、そんな人数でやっていいのか、あるいは、三億八千五百万、こういう予算で本当に大丈夫なのか。私はここはお金をけちるところじゃないと思いますので、是非、万全の体制、政府を挙げてこれは取り組むということをやっていただきたいなと思います。

 それでは、次の質問ですが、今度は、ワクチン接種証明、ワクチンパスポートと言われているものですが、日曜日の「Mr.サンデー」を私見ていましたら、木村太郎さんと河野太郎さんのバトルがなかなか興味深かったんです。

 私は木村さんが言うことも結構一理あるなと思ったのは、やはり、私も気になって調べてみたら、もう既にイスラエルではグリーンパスというワクチン接種証明がスタートしていますし、あと、ヨーロッパでは、デンマーク、スウェーデン、アイスランドなどはもう既に導入すると。それから、イギリスやアメリカは検討中、スペインとかポルトガルも検討中だということで、かなり前向きにワクチン接種証明が進んでいく。世界中が進んでいくと、今度は世界に日本人が渡航するときにそれが求められるということになるわけですが、ここで、日本でそのワクチン接種証明がないと渡航できなくなるという問題が生じるんじゃないかと。

 これは、日本がどう考えるかもそうですけれども、やはり世界の議論の中で歩調を合わせていかないと、今言ったような海外渡航ができなくなるとかいう問題が生じますので、これは是非、やはり検討せざるを得ないんじゃないかと思いますけれども、いかがですか。

河野国務大臣 ワクチン接種証明を国内で使うようなことは、今想定をしておりません。また、海外渡航についても、そういう話は出ておりますが、具体的になっている、少なくともG7の中で具体的になっているものはございません。

 アレルギーでワクチンを打てない方というのはどの国にもいらっしゃるわけですから、ワクチンを打たなければ何かができないということになれば、そういう方を疎外してしまうことになりますので、恐らく各国ともそこは慎重にやるんだろうと思っております。

 国際的に何かということになれば、この接種記録のシステムを使えばそれに対応することはできると思っておりますが、今の時点で何か国際的にそうした動きがあるとは思っておりません。

高井委員 ちょっと、河野大臣の何か持論的なものもあるのかなと「Mr.サンデー」を見ていても思ったんですけれども。

 ただ、先ほども言いましたように、世界がそういうふうに動いていったら日本もやらざるを得ないと思いますね。やはり海外に行くときにそれがないと不利益になってはいけませんから。

 そういう意味では、やはり状況を常にリアルタイムでウォッチいただいて、私はかなり、G7の中でも先ほど言ったイギリス、アメリカはもう検討しているようですし、報道で知る限りなんですけれども、やはりここは是非敏感になっていただいて、日本だけ乗り遅れたということにならないように是非お願いしたいと思います。

 それでは、次は、平井大臣と、あと、ちょっと河野大臣にもこの後関係するのでもうちょっと残っていただきたいんですが、COCOAの問題です。

 COCOAの不具合が生じていろいろこの国会でも議論になっていますけれども、何となくというか、平井大臣も、やはり厚労省の発注能力の問題だ、あるいは業者が十分対応できなかったというような論調になっているんですけれども、私はこの問題はそんなに単純なものじゃないと思っています。まさに、これからデジタル庁をつくる、あるいは、今度のマイナンバーとワクチン接種新システムでも同じことが言えると思うんですけれども、やはり、発注だけして終わり、そういう日本の今までのITに対する行政の姿勢、これが引き起こしてしまったと。

 特に、アプリというのはバグが起こるのは当たり前なんですね。バグが起こったのを修正、修正、繰り返していって、それで初めてシステムとして成り立つ。

 そういう意味では、この保守運用費というものをきちんと用意しないと、それは業者に幾ら言っても駄目だし、あと、厚労省の責任にしても、厚労省も、そういった予算がちゃんとないと、分かっていても発注できない。

 あと、もっと言えば、上の人、政治家、トップダウンでこれをやれと言われたら、もう何が何でもそれをやらなきゃいけない。いや、それはちょっとできませんとか、こういう問題がありますとはなかなか言いにくい空気が安倍政権以降私はできているというような、そういう大きな問題も含めてこの問題は捉えなければいけないと思いますけれども、改めて、このCOCOAの不具合の件、平井大臣の見解をお聞かせください。

    〔平委員長代理退席、委員長着席〕

平井国務大臣 委員もよく御存じのことだと思いますが、やはり厚労省に限らず政府全体として、要するに、内製化できていないんですね、エンジニアというか、発注者の能力を高める。二年か三年で異動してしまいますし。つまり、発注者側の発注能力も十分ではなかったということが一つ言えると思います。それと、一緒にリスクを取ってこういうアプリをローンチして常に改善していくという、そのマインドにも欠けていたというふうに思います。

 そういうことを全部含めて、今回の件を見て、やはりデジタル庁では、エンジニアをできるだけ内製化するというか自分で抱える、プラス、役所の皆様方にもその能力を高めていただくような研修もやり、マインドセットから変えてこういうものには臨んでいきたいというふうに思っています。

 ですから、今回いろいろな不具合がありました、今後も全然ないとは、私、思っていませんが、それもきっちりと早めに対応できる体制をつくることになりましたので、頑張っていきたい、そのように思っています。

高井委員 今御指摘いただいたとおりだと思います。

 ただ、やはり、業界の方とも私、話すんですけれども、ちょっと平井大臣、記者会見なんかの言葉が少し強いのかもしれませんけれども、いや、もうデジタル庁ができればこんな問題は起こらないんだ、解決するんだというような感じで受け取っておりましたので、そうではないなと。やはり非常に、元々の政府の発注システムの在り方とか、根深い問題で、厚労省がやらずにIT室、デジタル庁がやれば簡単にできたという問題ではないということは是非指摘させていただきたいと思います。

 これはいろいろな業界内でも議論になっているテーマですので、また是非今後も質問させていただけたらと思います。

 そういう意味では、今まさに平井大臣が、デジタルの人材、これを増やしていくんだということを、課題だというふうにおっしゃっていただきましたけれども、私も全くそのとおりだと思っていまして。

 これはちょっと私も結構驚いたんですけれども、知らなかったんですけれども、二〇二〇年の経済財政白書で、今、行政機関に属しているIT人材の割合、日本全体の中で行政機関にIT人材がどれだけいるかというと、たった〇・五%しかいないそうなんですね。実は教育機関にも〇・三%しかいないそうなんです。

 ところが、これをアメリカと比較すると、アメリカは五%、十倍いる。教育機関も十倍いるそうです。また、シンガポールは、国がちょっとちっちゃいですけれども、七%いて、シンガポールの政府の中で二千六百人がITの人材だということなんですね。

 まさにここに決定的な、日本のデジタル化の遅れの象徴だと思いますけれども、これはやはり、デジタル庁をつくるに当たって、IT人材の定員を増やすということ、これをやっていただかなきゃならないと思います。

 これは平井大臣と、それから国家公務員の定数は河野大臣の所掌だと思うので、それぞれお聞きしたいと思うんですが、じゃ、まず、平井大臣から。この点、いかがですか。

平井国務大臣 デジタル庁においては、能力と志を併せ持つ優秀な人材を世間から広く集めようということで、原則的には公募形式で人材の採用を今進めています。

 今般、その第一弾として民間人材採用を実施しており、東京にとどまらず、様々な地域にお住まいの方を含めて、本当に、千四百件以上の応募をいただきました。

 今までの霞が関の人とはちょっと違うエンジニアの方々がたくさん、デジタル庁に力をかしたいというふうに言っていただいておりまして、その上で、デジタル庁としては、採用された人材がデジタル庁での経験を生かして民間のフィールドで活躍してもらいたいなと。

 というのも、政府もそうですけれども、日本の民間企業もそうですよね。ITのエンジニアを内製化しなかった弱さが今、まさにこのアフターコロナで出てきているということですから、そういうリボルビングドアについても推進して、民間も含めた社会全体のDXを進める、そのきっかけになりたいというふうに思っています。

 今、様々なバックグラウンドを有する人材を広く集めて、そうした人材がデジタル庁の経験を踏まえて社会で活躍できていただけるようにしたいというふうに思いますし、そういう皆さんと当然公務員の皆さんも一緒のチームで働くということなので、採用においてもデジタル職の創設を御検討いただいているところでございます。

高井委員 平井大臣の立場とすると、そういう答弁で、それでいいと思うんですけれども、問題は、やはり定数が増えないと。幾らいい人材、千四百人応募していても、やはり定数が増えていかないと。さっき言ったように、十倍ですから、アメリカやシンガポールと比べると、比率が。

 やはりそのくらい増やしていくとなると、これは並大抵のことじゃないですし、これは河野大臣の出番だと思ってちょっと残っていただいたんですが、河野大臣もITには造詣が深いと思うので、是非これは河野大臣の力で、今回のデジタル庁創設に合わせて定員をがっと増やす、そこまでやっていただきたいんですけれども、いかがですか。

河野国務大臣 令和三年度の予算案では、このデジタル庁の設置に合わせまして、新規増員百六十名を含む三百九十三人を手当てしております。さらに、非常勤職員を合わせれば、恐らくデジタル庁は五百人規模で発足ということになるんだろうと思います。

 それ以外にも、人事面、様々、平井大臣の御要望を承りながらやってまいりたいと思います。

高井委員 もちろんデジタル庁に人を集めるのも大事なんですけれども、やはり各省庁にそれぞれITの専門家を置かないと、今回のCOCOAの厚労省の問題、あるいはさっきのワクチン接種も、厚労省がやっていたときにマイナンバーを使うということまで思いがなかなか行かなかったのも、そういう点にあるかもしれません。

 これは日本全体がそうなんですね。IT人材が、実は六割から七割がIT産業に集中しちゃっている。ところが、欧米諸国を見ると、逆にIT企業には三割ぐらいしかいなくて、ほかの一般の会社にそういったIT人材がいる。

 そういうことを考えると、日本もまさに役所がそうなっちゃっているということですから、これは平井大臣と河野大臣でタッグを組んで、これを是非進めていただきたいと思っております。

 では、もう河野大臣、結構です。ありがとうございます。

 それでは、残りでデジタル庁の話を進めたいと思うんですが、ちょっと今の関係で平井大臣にもう一つ聞きたいのは、民間から公募して千四百人集まって、手を挙げてくれているというのはいい話なんですが、ただ、私も業界の方と話をしていると、本当に優秀な人材が集まるのかなという点。

 優秀な人材というのは、やはり各会社はなかなか手放したくない。そういった中で泣く泣く手放すとなると、出向というか、事務方に聞いたら、出向という形は取らず、辞めてもらってから来るんですよというんですけれども、だけれども、それは幾らでもできる。一旦辞めてまた再雇用というのはよくある、できる話なので。

 そうすると、民間の人が集まったデジタル庁は、まさに民間の大手のベンダーの方がいっぱい集まって、そこに、例えばベンチャーとかが、いろいろな相談に行ったり新たな情報とかサービスとかの相談に行きづらいという話を実際に聞いています。

 そんなデジタル庁になったら我々はとても協力できないし、むしろまだ官僚、役所の皆さんだけでやってくれている方がいろいろなコミュニケーションが図れるという現実的な悩みも聞いておりますが、民間の方が集まって、出向元とつながっているかもしれないという中で、どうやってこれを解決していくかというのは非常に重要な問題だと思いますけれども、大臣の御見解をお聞かせください。

平井国務大臣 これはいろいろやってみなきゃ分からないところもあるんですけれども、私自身が今ヒアリングしたり多くの方々と意見交換をさせていただく中で、今回のデジタル庁の存在というのは、本当に日本の社会全体のデジタル化を進められるかどうか、地方も含めて。地方自治体にも協力したいという方々もいらっしゃいますし、一つの方向性に向いた一つのプロジェクトである以上、今までの、単にシステムを、発注を受けてそれをうまく無難にこなす、そういう方々ではない方々が、今回デジタル庁に要するに手をかそうというふうな動きになっていることを我々は大歓迎しています。

 出向とかそういうことではなくて、我々はやはり、非常勤、兼業もオーケーにしておりますし、日本の技術者であれば、海外在住のままでも日本で雇用するということも当然検討しています。非常に柔軟に考えておりまして、その力を発揮できる場をどのようにつくっていくかということの方が今大きなテーマだと考えています。

高井委員 今の答弁は、答弁書というか、御自身の言葉ですらすらと答えられたので、大変頼もしくは思いました。

 これは本当に深刻な、最重要と言ってもいい、私はデジタル庁の課題じゃないかと思いますので、大臣なりのお考えはあるというふうに拝察しましたので、ここをうまくやってこそのデジタル庁だと思いますから、何か、形だけ何百人集めましたとか、そういうことに終わらないように、是非本物のデジタル庁をつくっていただきたいというふうに思います。

 それでは次に、今度は予算の話をしたいと思うんです。

 これは去年の十二月十三日の産経新聞に、寺崎さんという元総務審議官、総務省の役人の方で、その後、NTTドコモに働かれて、私もよく存じ上げて、大変聡明な方なんですが、その方が「デジタルゆでガエル」という表題で寄稿しているんですけれども、その肝は、私もずっと前から指摘していることなんですけれども、一九九五年以降、日本の予算、IT関連予算というのはほとんど変わっていないんですね。私も総務省でこの頃から働いているんですけれども、ずっと全く、ほとんど変わっていません。

 しかし、アメリカやフランスは三倍増えているそうです。イギリスも一・五倍増えているそうです。やはり、このくらいの予算、予算で全てではないですけれども、しかし、これだけ予算に開きがあると、やはりそれは日本は遅れるなというのをつくづく実感しますが、この寺崎さんも言っていますけれども、これは本当に、近い将来、日本に国家的危機をもたらす重大な問題だ、こういうふうに指摘しています。

 まさにデジタルゆでガエルになっているんじゃないかという御指摘ですが、この予算、なかなか平井大臣一人ではできないと思いますが、しかし、大臣に頑張っていただかないと増えませんので、大臣の決意をお聞かせいただきたいと思います。

平井国務大臣 ありがたい御指摘、ありがとうございます。

 IT関連の予算は増やしたいと思うんですが、その一方で、今の予算の使い方のままで増やしても意味がないだろうというふうに思っているのは、例えばシステムの予算、大体平均して八千億ありますけれども、六割、場合によってはもっと多く、維持管理コストなんですね。ですから、新しいシステムに対する純粋な投資、戦略的な投資というのは、日本の場合、ほぼないんですね。

 その構造を変えていくというのもデジタル庁の大きな仕事で、そのためには、システムのアーキテクチャーを見直していかなきゃいけないという大変高いハードルがありますが、是非そこはやり抜きたいと思いますので、先生のお力をおかりしたい、そのようにも思います。

高井委員 この分野は本当に与野党で協力しながらずっとやってきましたので、そこは是非応援させていただきたいと思います。

 それでは最後の質問ですが、今度、閣法が出てきます、五本ですかね、六本、まとめて。本当にどれ一本取っても重要な法案で、これをまとめて審議するのかとびっくりしますけれども、例えばJ―LIS法なんて、J―LIS法一本だけでも十分重要な法案なので、本当に何十時間審議してもいいような中身だと思うんですが、ちょっと私に出番が来るか分からないので、先取りして一つだけ聞かせていただきます。

 マイナンバーと金融機関の口座のひもづけ法案という、ちょっと正式名称、今ありませんけれども、がありますね。これを我々は、我が会派の中では議論したんですけれども、やはり本来なら、真に必要な方々への的を絞った公的支援をするとか、あるいは正確な所得捕捉による公平な税制の確保、こういった観点から、私は義務づけした方がいいんじゃないかと。党内でもそういう意見が多かったわけですけれども。

 これは、当初の政府案、検討段階では、私は義務づけというのは新聞報道などでも何度も見ましたけれども、途中から自民党、与党の中の反対があったやに聞いています。義務づけまでは行っていないということになっていますが、これはやはり義務づけした方が私はいいと考えますが、大臣の見解をお聞かせください。

平井国務大臣 この話は岸本先生にも御指摘をいただいておりますし、多くの先生方にも義務づけの話は御指摘を受けております。

 今回は、金融機関には義務づけるんです、ちゃんと聞いてくださいよと。ただ、国民自体に義務づける、そしてそのときに罰則はどうするのかというような議論は、まだ自民党内でも恐らく、与党内でも議論がまとまっていないと思っています。ですから、これは今後の政策判断になっていく中で議論を進めていただければいいということで、今回は付番による利便性というものを我々強調した改正になっていますが、実質、付番が進められるように、国民がメリットを感じて進められるように、今回の改正で一歩でも二歩でも前に進めていきたい、そのように思っています。

高井委員 時間が参りましたので終わりますが、デジタル関係はいい議論ができたんじゃないかなと思っております。出番をいただいて、本当にありがとうございました。

 終わります。

木原委員長 次に、大西健介君。

大西(健)委員 立憲民主党の大西健介です。

 今日は所信質疑ということですので、私、小此木国家公安委員長と警察行政についていろいろと議論していきたいと思っているんですが、その前に幾つか、官房長官と西村大臣にお伺いしたいと思います。

 まず官房長官ですけれども、先ほど今井委員からもお話があった、予算委員会の理事会に提出をされました山田真貴子内閣広報官と東北新社の皆さんとの会食についての資料ですけれども、これについて、今日、山田内閣広報官はこの場には来られないということですので、その上司である官房長官に、私の方から紙でしっかりと項目を通告させていただいて、御本人に確認をした上でこの場でお答えをいただきたいということで、お願いをしております。

 それは、飲食単価がなぜ七万四千二百三円と高額なのか。それから、誰から誘いを受けてこの会食に出席をしたのか。また、その場に菅正剛氏が同席をするということを知っていたのか。それから、菅正剛氏と山田内閣広報官が知己を得たのはいつであって、そしてどういうきっかけで知ったのか、知り合ったのか。そして、会食の相手が利害関係者であるという認識があったのか。

 このことをしっかり書いた上で、御確認してここで答弁してくださいというふうにお願いしておりますけれども、是非、官房長官の方から御答弁いただきたいと思います。

加藤国務大臣 済みません、今、ずっと羅列されたので、ちょっと漏れがあったら御指摘いただきたいと思いますけれども。

 まず、どういった食事の内容だったのか。(大西(健)委員「なぜ高いのか」と呼ぶ)まず、本人は、安価な店だと思わなかったが、どの程度の金額なのかという認識はなかったと聞いております。会食自体には、午前中申し上げましたが、和牛ステーキ、海鮮料理などのメニューとなっており、全体とした総額をこれは先方からお聞きをし、その総額を出席者五人で割った数字が七万何がしだということであります。

 それから、利害関係者ということについてでありますが、会合の参加者の肩書をきちんとチェックしておらず、これらの方々が利害関係者であるとの認識の下に会食に参加したものではなかったと思うが、確認すべきであったことを深く反省しているとのことでありました。

 それから、会食の経緯でありますが、自分から持ちかけているということは考えられない、東北新社側から申出があったのではないかと思うということであります。

 また、菅正剛氏の同席でありますけれども、この懇親会というんでしょうか、この会食は、二宮氏の社長就任に当たっての懇親会ということでお誘いがあったのではないかと思われるとのことであります。菅正剛氏がそもそも同席をすること等は承知をしていなかったということであります。

 それから、いつ頃から菅正剛氏を知っているかということに関しては、名刺交換を行った程度の関係であり、具体的に、時期や場所については明らかではないとのことであります。

大西(健)委員 先ほども、午前中も、何か和牛ステーキと海鮮という話がありましたけれども、それにしても高額だと思うんですけれども、例えば高級ワインを開けているとか、そういう話はないんでしょうか。なぜ高額なのかということで私は確認をお願いしたんですけれども。

加藤国務大臣 なぜといってもあれですけれども、先ほど申し上げた和牛あるいは海鮮、こういったものが結果的に高額になったことにつながるんじゃないかというふうに思います。

大西(健)委員 あと、菅正剛氏をいつ知ったのか、どういうきっかけで知ったのかということですけれども、今の御説明だと名刺交換程度はしたことがあるんじゃないかということですけれども、菅正剛氏は、総務大臣秘書官、政務の秘書官として勤務されていたということですから、そんなことではなくて、よく知っていたんじゃないかというふうに私は思いますけれども。

 それからまた、社長就任祝いという認識だったということですけれども、これだけ多くの方が出席をされて、もちろん社長ですから、全事業の責任者でありますけれども、利害関係者と思わなかったなんというのはあり得ない話だと思いますけれども、官房長官、そうお思いになりませんか。

加藤国務大臣 大勢といっても、本人を除くと四名の参加というふうに承知をしております。

 あくまでも、東北新社ということで、放送関係の子会社の役員を兼ねているかなど、こうした事前のチェックをしっかりやっておかなかったということについては、深く反省しているとのことでありました。

大西(健)委員 先ほど、今井委員からも、そういう脇の甘い人が内閣広報官という重要な職責を果たすことができるんだろうかという話がありました。

 ちなみに、午前中も官房長官記者会見があって、この後も十五時四十五分から記者会見が予定されていますけれども、その場の進行というのは、山田内閣広報官がやられたんでしょうか、やられる予定なんでしょうか。いかがですか。

加藤国務大臣 私の記者会見の進行は広報官はやっておりません。

大西(健)委員 総理の記者会見については進行されるということですけれども、そういう方が進行していて、例えば、この問題について質問が出た場合に、誰を当てるか当てないかというのは、進行されるのは山田内閣広報官だと思いますけれども、そういうことであると公正な進行というのができない。まさに総理の記者会見というのを進行するという重要な仕事ができない状態にあるという状態で、引き続き職責を担わせることが適当だというふうに、官房長官、お思いになりますでしょうか。

加藤国務大臣 総理の記者会見において進行役を務める広報官は、あくまでもマスコミの皆さんのバランスを取りながら、幹事社であったり内閣記者会に所属していたり、あるいは地方紙であったり、あるいはそれ以外であったり、そうしたバランスを考えながらこういった指名をされているというふうに承知をしておりますので。

 これまでもそうでありますし、今後とも、そういった意味においては適正な議事進行というんでしょうか、運営が図られるものというふうに思います。

大西(健)委員 国会でもこれだけ問題になっていて、今、世論の関心も高い、その渦中の人が、公正に、本当に、質問の手が挙がった記者とかを当てるということができるんでしょうか。私はちょっと無理なんじゃないかというふうに思います。

 仮に、そういうことで、本来やらなきゃいけない重要な仕事ができなくなっているということであるならば、まずはしっかり説明していただくことだというふうに思いますので、是非、予算委員会に御本人に出席をしていただいて、そして十分な説明をして、皆さんが納得できる状態であれば、引き続きしっかりと職責を担っていただければというふうに思いますので、是非そのことは、国会から求めがあったらしっかり出席するようにと、上司である官房長官から山田内閣広報官に言っていただけますでしょうか。

加藤国務大臣 これまでもそうでありますけれども、国会でお決めになられたことに対し、政府としては誠心誠意対応させていただきたいと思います。

大西(健)委員 官房長官、お忙しいと思いますので、ここまでで結構です。

 引き続き、西村大臣にお伺いしていきたいと思うんですが、先ほど、これも今井委員から質問がありましたので、重複を避けたいと思いますけれども、今井委員は地元が岐阜県、私は愛知県ですけれども、中京二県それから関西三県から、前倒しでの緊急事態宣言の解除を求める声が上がっております。これについては慎重に判断をされるということで伺っておりますけれども、一方で、先ほどもありましたけれども、一都三県については、減少はしてきているんだけれども、減少のスピードがちょっと鈍ってきているんじゃないかというような話もあります。

 そういう中で、例えば大阪なんかも、大阪―和歌山の移動なんかよりも大阪―東京間の移動の方がよっぽど多い。つまり、首都圏が引き続き緊急事態宣言が続いていたら、幾ら大阪を解除したって、そこは首都圏の方は続いているという状態があるんじゃないかというような話であったりとか、あるいは、千葉県の森田知事も、今はまだ崖っ縁だ、風が吹けば真っ逆さまに落ちてしまうような状態だということを言っておられますけれども、この一都三県の方は、じゃ、予定している七日ですかね、でしっかり解除できるのか、それとも、延長というのも場合によってはあり得るのか、どうなのか。

 この延長というのがあり得るのか、どうなのかについて確認をさせていただきたいと思います。

西村国務大臣 まず、愛知、岐阜の状況は、御指摘のように、かなり改善をしてきておりますけれども、病床も含め、数値をしっかりと精査をして、専門家の意見を聞いて判断をしていきたいというふうに思います。

 それから、移動については、緊急事態宣言が出ない地域、解除された地域も含め、出ない地域と緊急事態宣言地域との移動は、当然自粛をしていただくことに今もなっておりますし、仮に首都圏だけが何らかの形で残ったとすれば、そことの移動は控えていただく、不要不急の移動の自粛はしていただくということになると思います。

 そして、首都圏についてでありますけれども、千葉県の知事始め、昨日、四人の知事とも意見交換をさせていただきました。まさに千葉と神奈川が直近で少し増加傾向にあるような状況にもありまして、これは一週間通して見なければいけませんので、曜日で凸凹、また、昨日は休みでもありましたので、様々不確定なそうした要素もありますので、一週間通して見ていくことが大事だと思っておりますけれども、いずれにしても、それぞれの四人の知事とは、ある意味で強い危機感、厳しい認識を共有したところであります。

 着実に減少傾向にあったものが、それが鈍化をし、一部にそういう形で増加傾向にもあるということで、特に、議論しましたのは、今後、変異株の動向をしっかり見ていかなきゃいけない、さらには、三月、四月、昨年、非常に増えた時期でありますので、行事の多い時期であります、この辺りも含めて、数字を見ながらしっかりと判断をしていきたいと思います。

 いずれにしても、首都圏の状況については昨日時点で厳しい状況を共有しておりますので、この緊急事態宣言を長引かせないためにも、一都三県の知事からは、三月七日に終わらせるためにも、ここで対策の強化、徹底が必要だということでお話があったところでございます。

大西(健)委員 肝腎のところを、終わらせるためにもということですけれども、三月七日の時点で十分じゃなければ延長はあり得るんでしょうか。これはもう可能性だけでも結構ですので、可能性としてはあり得るのか。いや、もう三月七日では必ず解除するんだ、当初の予定ですからそこで解除するんだ、一旦解除するんだということなのか、どちらなのかお答えいただきたいと思います。

西村国務大臣 今の時点で申し上げるのは、三月七日までとなっておりますので、そこまでで終わらせるべく、国民の皆様、事業者の皆様にもいま一度対策の徹底をお願いをして、長引かせないという決意の下で対応していきたいというふうに考えております。

大西(健)委員 あともう一つ、これは少し前ですけれども、一月二十二日ですけれども、埼玉の大野知事が時短要請に応じない飲食店に対して、警察官が県の職員と一緒に飲食店を訪れて協力を呼びかけるということを言われました。そのときに大野知事は、国から警察と協力体制を組むようにという要請があったというふうに述べておられますが、そういう要請をしたというのは事実なのか。また、事実だとすれば誰が誰に対してそういう警察と協力してやってくれということを言ったのか。このことについてお聞きしたいと思います。

西村国務大臣 警察につきましては、通常、例えば人がにぎわう年末年始に犯罪防止とか、それから、消防と一緒に火災の防止とか、こういったために行う、いわゆる年末特別警戒といったような取組を行っているところでありますが、その一環として、営業時間の短縮や外出自粛が要請されているという旨の呼びかけ、あるいは、それぞれの県庁の職員と一緒に、職員が飲食店へ出向いて個別の要請を行う際に、様々なトラブル、客と店とのトラブルもありますので、トラブル防止、こういった観点から知事部局と連携して取り組んでいただいているものと承知をしております。

 内閣官房として、私から小此木大臣にもお願いをして、こうした一環で、トラブル防止の観点からも是非お願いをしたいということで申し上げたところでございます。

大西(健)委員 ふだんの、何というか、治安の見回りというか、警察の本来業務としてやっていることはあると思うんですけれども、時短要請について警察が何か権力を行使するということは、法的拘束力、法的な根拠というのはないということで、これは確認ですけれども、よろしいでしょうか。

西村国務大臣 そのとおりでございます。

 トラブル防止のためのいわゆる一般的な呼びかけを行っているということでございます。

大西(健)委員 西村大臣、ここまでで結構です。ありがとうございました。

 今、警察の話に移ってきましたけれども、警察の話をしていきたいと思うんです。

 これまで警察とか警察職員、警察学校なんかも含みますけれども、累計で感染者がどれぐらい出たのか、またクラスターと認識されるものがどれぐらい発生したのか、改めて確認をしたいと思いますので、事務方からお答えいただきたいと思います。

櫻澤政府参考人 お答えいたします。

 警察職員の累計の感染者につきましては、昨年三月から本年二月二十三日までに全国で合計千三百八十三名の感染が確認されています。

 個々の感染事例がクラスターに該当するか否かにつきましては保健衛生当局において判断されるものと承知しておりますが、警察庁において把握している地方自治体が発表したクラスターというのは十八件であります。

大西(健)委員 千三百八十三名という数字が多いか少ないか、また十八件というクラスターが、他の、業界と言うとちょっとあれですけれども、ほかの集団と比べて多いのか少ないのかという判断はあると思いますけれども、例えば警察や警察学校でクラスターが発生した事例というのは、先ほどお話あったように、いろいろな都道府県の発表だとか報道もされています。

 今申し上げましたように、この数というのを多いと感じているのか、少ないと感じているのか、また、これは警察の業務の特性からして、こういうことが、これだけの人数が発生していることの背景をどう分析されていて、そしてそれを、再発防止のためにどういうことをやらなきゃいけないと考えておられるのか、この点についても事務方からお答えいただければと思います。

櫻澤政府参考人 お答えいたします。

 警察業務は不特定多数の人との接触ですとか、あるいは、一定の人数による集団的な活動というのが避けられないことから、こうした警察業務の性質を踏まえた上で、各都道府県警察において感染防止対策を講じているところでございます。そうした特性があるがゆえに、今申し上げた人数あるいはクラスターの数が多いのか少ないのかという評価はなかなか難しいところでございます。

 様々な対策を講じている具体的なものを挙げますと、まず不特定多数の市民と接する窓口への透明ビニールカーテン等の遮蔽物の設置ですとか、あるいは、物品の授受等が必要な場面におけるトレー等の活用等、警察職員と接する市民への感染拡大を防止するための対策を講じるとともに、平素からの消毒措置の徹底、柔軟な勤務形態の積極的活用等の職員の感染防止措置を講じているところでございます。

 また、職員の体調管理を徹底し、体調不良の職員を把握した場合には、当該職場において職員の健康観察を行うとともに、必要に応じて休暇等の措置について指導するなどの対策を講じているところでございます。

大西(健)委員 警察の業務の特性上、相手が感染者かどうなのかは分からないけれども、何か犯罪があったらそれは対応しなきゃいけないんですから、それはしようがないと思うんですけれども、ただ、これは、一旦感染が出てしまうと非常に影響もある。

 例えば、クラスターではないかと思われる、新潟県の南魚沼署、昨年十一月に全署員九十二人が入院か自宅待機になって、二週間にわたり体制を縮小する。一つの警察署が、全員が入院、自宅待機になってしまうということになると、その地域の治安は大丈夫なのかなというふうに思っちゃうんですけれども。

 このように、警察署で大規模なクラスターが発生すれば、警察機能自体が麻痺をして、治安維持にも重大な支障を及ぼしかねないというふうに思いますが、このことについて小此木国家公安委員長はどのように思われますか。

小此木国務大臣 今総括審議官が述べましたように、不特定多数、対する人が様々な犯罪に絡んでいるかもしれない、あるいは、その中でコロナ感染しているかもしれないという不安の中で対処をしておりますので、様々な不安が警察側にもあるわけですけれども、各種活動において、職員のまず感染防止に努めるとともに、職員の感染が確認された場合には当該職員と接触のあった職員を自宅待機とするなど、感染拡大防止のための対策をまず徹底をしております。

 また、お尋ねにあったと思いますけれども、警察署で感染が確認され、欠勤者が増加した場合であっても、警察本部から支援要員を派遣するなど、管内の治安維持に支障が生じないような必要な措置を講じているところでもあります。

 引き続き、警察庁と都道府県の警察が連携をして、新型コロナウイルス感染症対策に的確に取り組み、治安維持に支障が生じることのないよう、国家公安委員会としても指導してまいりたいと存じます。

大西(健)委員 本部から応援をというような話もありましたけれども、今のように、南魚沼署のように、一つの署が全員入院だとか自宅待機になるようなことが起こり得るわけですから、これは、逆に言うと、今は感染症、新型コロナウイルスのパンデミックということですけれども、意図的にバイオテロのようなことも起こり得るということ、可能性もあるんじゃないかというふうに思いますので、これは、これを機にしっかり見直していただきたいというふうに思っています。

 それから、ちょっと話題を変えて、令和二年度中の懲戒処分数という資料が発表されています。総数自体は、二〇〇〇年度以降の中では最も少なかったということで、減少しているということなんですが、ただ、例えば、その中身を見ると、逮捕者数四十九人中十七人がわいせつ関連容疑。処分理由で最も多い、全体の四割を占めているのが、盗撮、強制わいせつ、ストーカー、セクハラなどの異性関係、こういう分類になっています。総数は減っているけれども、異性関係というのは前年より十一人増えて九十一人になっている。

 この異性関係というのが警察の処分の中で多発しているという状況について、国家公安委員長、どのように見ておられるか、御感想も含めてお答えいただきたいと思います。

小此木国務大臣 まず、おっしゃったように、令和二年中に懲戒処分を受けた全国の警察職員は、前年比マイナス十四人の二百二十九人と八年連続で減少し、統計が残る平成十二年以降最少となりましたが、処分の事由別に見ますと、委員御指摘のとおり、異性関係、言ってみますと、盗撮、強制わいせつ等の異性関係が九十一人と、全体の約四割を占めています。

 引き続き職員の非違事案には厳正に対処するとともに、職員の規律と士気を高め、国民の期待と信頼に応えるように努めてまいりたいと思いますが、そういう指導をしたいと思いますけれども、これはもう個人の様々な理由があろうかと思います。深くこれを掘り下げて、それぞれで警察署で士気を高めていかなきゃ、原因もそれぞれありましょうけれども、一つ一つ取り上げるのはなかなか困難でありますけれども、そういったところは深く掘り下げて、警察の中での教育は必要であろうと思いますし、そういった発信は国家公安委員会からしていかなきゃならないと思います。

大西(健)委員 私は、その異性関係が増えていることについてはやはりしっかり分析も必要だし、これは個人の話では済まされない話なんじゃないかなと思うんですね。

 それで、特に、例えば、警察の中でも皇宮警察というのがあります。これは非常に、天皇皇后両陛下の警護に当たるという重要な仕事をしているわけですけれども、先日、皇宮警察の幹部が、内縁関係の女性を赤坂御用地に宮内庁の許可なく招き入れていたということで処分を受けました。

 皇宮警察では、皇宮警察学校で未成年者に飲酒をさせたりとか、那須の御用邸で淫らな行為を行った、職場内不倫とか、近年、まさに今の異性関係のような処分事案が続発をしている。本当に、天皇皇后両陛下のおそばでこのような不謹慎なことが後を絶たないというのは、私はあるまじきことだというふうに思います。

 これは、ホームページに掲載されている皇宮警察のキャリアプランというのを見ると、警察庁への出向なんというのも途中あるみたいですけれども、ただ、非常に、ある種、閉鎖的な職場であるという構造的な問題があるというふうに思います。これは、組織の抜本的な見直しとか、キャリアプランを本当に抜本的に、もっと人事交流を活発にさせて変えるとか何かやらないと、これこそ、何か個人の問題だということでは済まされない話だと思うんですけれども、この点について国家公安委員長の御答弁をいただきたいと思います。

小此木国務大臣 警察庁では、赤坂御用地内の立入り制限区域に知人女性を出入りさせたほか、既婚者でもあるにもかかわらず二名の女性と不適切な交際を行った皇宮警視正を先日、懲戒処分にしたところであります。

 このほかにも、皇宮警察では一昨年来、幹部による非違事案が発生しており、誠に遺憾といいますか、私といたしましても申し開きのできないことと思っておりますが、一連の非違事案の原因について、先ほど申し上げたように、これもまた一概になかなか申し上げることは困難でありますけれども、基本的には、非違事案を起こした職員の規範意識の欠如に起因するところが大きいと考えます。

 皇宮警察では、皇宮警察本部長による幹部職員に対する個別教養を実施するなど、綱紀粛正を徹底することはもとより、各護衛署長からの業務報告の機会を増やすなど、幹部職員に対する監督を強化するなどの対策を講じるものと承知しております。

 引き続き、皇宮警察の任務の重みに対応した組織運営がしっかりとなされるよう、国家公安委員会委員長としても警察を指導してまいります。

大西(健)委員 先ほども言いましたけれども、これは規範意識だけにとどめずに、そのキャリアプランとか、そういうことをやはり考えた方がいいんじゃないですか。やはり、組織が閉鎖的なところでずっとやっているからこういうことが起きちゃうんじゃないかと。組織の見直しとかキャリアプランまで踏み込むというおつもりは、国家公安委員長、ありませんか。

小此木国務大臣 キャリアプランという言い方もありますけれども、確かに、閉鎖的なところで、一つのところでずっと職務を重ねるというよりは、もっと広い中での様々な経験を積むということ、そして、この仕事自体は、誇りある、そして厳かな、努めれば立派な職務でありますので、そういったことをしっかりと教えることもできる、誇りに思えることのできる、そういう環境づくりにも努めてもらいたいと思いますし、そういう角度から指導してまいりたいと存じます。

大西(健)委員 次の問題に移りたいと思いますけれども、運転免許証の更新、これについては有効期間の延長とか様々な措置をしていただいていますが、ただ、更新のセンターは今すごい密になっています。

 これは、それぞれの県警ごとにいろいろな工夫はしていただいているようで、例えば大阪なんかは完全予約制にしているということですし、これは面白いなと思ったのは、山梨県で試行的にやったということですけれども、ドライブインシアター方式ということで、駐車場にモニターを設置して、車内のFMラジオの音声で講習を受けることができる、受付から交付までずっと車を降りずに対応できる。これは面白いなと思いましたけれども、ただ、そうなると大きな駐車場が必要になりますので、全部でできるというわけではないというふうに思います。

 ただ一方で、例えば神奈川県なんかは、国家公安委員長の御地元ですけれども、密を避けるために、講習の受けられる人数というのを限っているそうです。そのため、当日行ってみて制限人数を超えていると受講できない。その場合にはもちろん有効期間の再延長はしてもらえるそうなんですけれども、でも、仕事を休んでわざわざ行ったけれども、今日はいっぱいです、もうこれでいっぱいになっちゃいましたから受けられませんということになると、これはちょっと酷なんじゃないかなというふうに思います。

 そういう意味では、この密を避ける工夫、いろいろなことをやっていただいていると思いますが、好事例を横展開していただいて、まさにこの運転免許更新手続における密を避けるということをしっかりやっていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

小此木国務大臣 この一年、対策を様々、私の所管でないところでも取っていただいていると思いますけれども、その中で新たな発見といいますか、新たな試み、こういったものがいろいろなところで生まれてきているものと思います。

 今委員がおっしゃった運転免許証の更新時の講習等の手続にしましても、ドライブインシアター方式が行われておりますが、それも今言われたとおりであります。ホームページ上でのオンライン予約の導入による、今おっしゃったような混雑の緩和、こういったものにも取り組んでいるところもございます。

 様々な取組が行われているものでありますけれども、おっしゃったように、横の展開、情報を共有しながら、この機会、いいものはいいものとして、一人でも多くの方々に認知していただくようなコマーシャルも、ウイルス感染防止のための中で効果的な取組がなされるように努力をしてまいります。

大西(健)委員 今のに関連してもう一つ、自動車教習所の話なんですけれども、以前にこのことは、私、ほかのところでも申し上げたことがあるんですが、自動車教習所は、密を避けるためにやはり工夫をされています。また、教習所でも教習の人数を限定したりとかやっておられます。それでも、例えば学生が免許を取りに来るのは春休みとか、どうしても集中をするということであります。

 そして、それに加えて、最近では高齢者講習、これもやっているので、これは大変です。高齢者講習は単価が安過ぎて合わないという話も出ていますので、これは単価を上げてくださいということを以前、私はほかのところで申し上げました。

 今日お願いしたいのは、今まさにそういうシーズンですけれども、今から春休みにかけて、教習所は就職を控えた高校生で混み合うシーズンになります。ところが、密を避けるために、教習所の方でも受講者の数を制限せざるを得ないということであります。あわせて、働き方改革というのがありますので、この繁忙期に職員の残業、これを調整しなきゃいけないということがあります。

 ところが、多くの学校では、学校側が自動車教習所の入校解禁日というのを決めていて、それは多くの学校で十二月になっているそうです。でも、十二月になって教習所にどばっと人が来ても、教習所の方は密を避けなきゃいけないから、先ほど言ったように、受講者を制限しなきゃいけない。このままだと、春の、四月の入社、就職に免許が取れないという学生、生徒さんたちがたくさん出てくることになりかねないという状況があります。

 そこで、私たち、私もこれはお願いしているところなんですけれども、学校長とか教育現場の皆さんにこのことを十分に理解していただいて、最終的な免許の取得日、これは調整します、ですから、早く免許を取っても、卒業までに、春休みに車を乗り回すみたいなことがないように、最終的な免許日の調整はするにしても、自動車教習所に入校することができる、その解禁日というのを学校側で前倒ししていただきたいということなんです。

 これについては、私、実は、愛知県の方には、教育委員会だとか県の方に教習所の皆さんと要請に行きました。今日は私と同じ愛知の丹羽副大臣に来ていただいていますので、丹羽副大臣のお地元にも教習所はあると思います。是非聞いてみてください。そこから絶対に、この前倒しを是非やってほしい、働き方改革の面でも、密を避ける意味でもやっていただきたいと。

 これは既にいろいろやっていただいているところもあるみたいですけれども、是非、十分にこれは現場とか学校の方に伝わっていないと思いますので、文科省からこのことをしっかり伝えていただいて、柔軟に対応してほしいということを一言お声がけいただけないでしょうか。

丹羽副大臣 お答えいたします。

 委員おっしゃるように、高等学校の生徒が、就職等の進路決定に際し、自動車運転免許の資格が求められる場合があり、また、高校生等の指定教習所への入校が、新年一月から年度内の三月末にかけて非常に集中するということも十分に承知いたしております。

 このような場合において、例年の年度末の繁忙を緩和するため、現在のこのコロナ禍において密となることを避けるためにも、指定教習所への入校時期を早期化することも考えられるところでございます。

 各高等学校等につきましては、必要に応じて指定教習所と協議しつつ、学校や保護者と共通の理解の下、学業に支障のないように配慮しながら、校長の権限において御判断いただくものだというふうに理解いたしております。

大西(健)委員 当然、学業に支障がないということと、それから、私、先ほど申し上げましたように、最終的な免許取得日は調整するということなんですけれども、今言ったようなことが働き方改革、それからコロナの密を避けなきゃいけないということで今起きていて、このままじゃ就職までに免許を取れない子が出てきますよというこの切迫感が、残念ながら、私は学校とか教育現場に伝わっていないと思いますね。これを是非文科省からお伝えいただきたいというふうに再度お願いしておきたいと思います。

 副大臣、ありがとうございました。

 それから次に、コロナによって、今申し上げたようないろいろな影響が出ているんですけれども、巣ごもり需要を受けて、ウーバーイーツに代表されるようなデリバリーサービスというのが非常に伸びている。

 一方で、この配達の自転車の事故というのも多発をしています。配達員の皆さんは回数に応じて自分の収入が増えるわけですから、配達のため急いでいるということがありますので、これがまた事故につながっているんじゃないかという指摘もあります。

 一方で、既に事故が起きて裁判等になっている事例があるんですけれども、その中では、配達員はデリバリーサービス会社とは雇用関係にないと。ですから、例えば、デリバリーサービス会社は、うちは知りません、それは配達員は個人でやっているんですと。これは、独立した個人事業主だから私たちは責任ありませんというようなことが既に起きちゃっているんですね。

 こういう中で交通事故が多発していくということになると、これは大問題だと思うんですけれども、このデリバリーサービス配達員の交通事故が増えていることに対して、警察としてどのように対応していこうと考えているのか、小此木国家公安委員長にお尋ねしたいと思います。

小此木国務大臣 まず、デリバリーサービスの自転車配達員の皆さんに、やはり、運転しながら携帯電話等々を使わないでいただきたい、これをまず広く申し上げたい、こういうふうに思います。

 令和二年中の自転車関連事故は、全体の件数が前年比で一五・九%減少の約六万八千件である一方で、業務運転中の事故件数は三・六%増加して一千二百八十一件となっております。自転車を用いた業務運転中の交通事故の状況については、改めて注意していただきたい、こういうふうに思います。

 こうした状況を踏まえて、警察庁では昨年、厚労省等と連携し、関係団体に対し、各事業者における配達員に対する交通ルールの周知や注意喚起等について協力を依頼したところであります。また、都道府県警察において、事業者等と連携した自転車安全講習会の開催や注意喚起のメール配信等を行っております。

 警察としては、今後も、自転車を用いた業務中の事故実態の把握に努めつつ、関係機関、団体と連携の上、諸対策を推進し、業務運転中の自転車の安全利用を促進してまいりたいと思います。

大西(健)委員 今の御答弁の中で確認ですけれども、業務運転中の自転車事故については、統計というか、把握をされておられるけれども、今私が申し上げたような、デリバリーサービスの事故という数字は把握できていないということでよろしいでしょうか。

 それで、今、大臣の御答弁でも、実態をよくというようなお話がありましたけれども、私は、それはやはり実態把握を何らかの形で、難しいかもしれませんけれども、やり方は工夫が必要だと思いますけれども、それは、先ほど言いましたように、ほかの事業者と違って、事業者は責任ありませんよ、これは個人事業主ですからとなっちゃっているという現実があるわけですから、やはり、そこをもうちょっと、このデリバリーサービスに特化して実態把握を考えていただきたいと思いますが、これはちょっと検討してもらえませんか。

小此木国務大臣 昨年の十月に、例えば一般社団法人日本フードサービス協会、あるいは全国の飲食に関わる生活衛生同業組合等に、くだんの交通事故防止のための通知を発しています。これは、イコール、こういう事故が増えていますので、こういったことにお互い注意してやってまいりましょうという発信だと私は認識しております。

 正確な数字は今、私、頭にありませんけれども、そういったことも把握をしながら、こういった重大なことについては対処していかなきゃならない、こういう意識でおります。

大西(健)委員 時間が残り僅かになってきたので、自転車に関連してもう一つお聞きしたいんですが、皆さんのお手元にちょっと資料をお配りさせていただきました。これは、ここに書いてありますけれども、「道路交通法違反が常態化している「六歳未満の壁」」という、六歳未満の壁という問題なんですけれども、ここに絵が描いてあるように、こういう、後ろと前に幼児用座席をつけてお子さんを幼稚園や保育園に送り迎えしているお母さんの姿というのを皆さんも御覧になったことがあるんじゃないかと思いますけれども、特に、この右上の方に書いてある、後ろの椅子、二十二キログラム以下、目安の使用年齢、一歳以上六歳未満と書いてあります。

 ですから、これは六歳未満になっているんですね。そのために、例えば年長さんになって、四月生まれだと、六歳の誕生日を迎えると、乗せると法令違反になっちゃうということなんです。

 ただ、そこの下のところに小さく書いてありますけれども、例えば安全基準、この安全基準の方は既に見直しが行われていて、小学校に入るまでということでしていただいています。ここに書いてありますけれども、二〇二〇年四月一日からですかね、小学校に入るまで大丈夫ですよというふうに改定していただいています。

 そういう意味では、この安全基準に合わせて小学校に入るまでとしていただきたい。実際に、もう既に多くの県で、例えば、私が把握しているだけでも、大分とか長野とか福井とかでは既に改正をされて、六歳未満ではなくて小学校に入るまでと、安全基準と合わせていただいているということなんですけれども、是非これは、それぞれ任せるんじゃなくて、大分、昨日聞いたら、もう二十以上の都道府県でそういうふうになってきているということですから、いっそのこと、ちゃんと警察から、これは安全基準に合わせて小学校に入るまでで大丈夫だ、六歳未満の壁というのはもうないんだということを通知していただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

小此木国務大臣 自転車の幼児用座席に乗車できる者の年齢制限については、都道府県の公安委員会の規則において定められております。

 各都道府県においては、令和二年三月、自転車用幼児用座席のSG基準の適用範囲が、六歳未満から、委員言われましたように、小学校就学の始期に達するまでに改正されたことを踏まえ、制限年齢を引き上げる規則改正を進めているものと承知しております。

 改正されたSG基準を踏まえて適切に規則の見直しが行われるよう、引き続き、各都道府県警察を指導してまいります。

大西(健)委員 是非よろしくお願いしたいと思います。

 最後に、コロナ禍の中で、ステイホームを受けて、オンラインカジノなど、海外を拠点とするネットギャンブルサイトへの国内からのアクセスが増えていると言われています。

 そこで、確認ですけれども、海外において合法的なライセンスを取得しているオンラインカジノに日本国内のパソコンから個人でアクセスをして過去に処罰を受けた事例というのはあるんでしょうか。

 そして、その中で、私、ほとんど略式起訴になっているけれども、不起訴になった事例があるんじゃないかというふうに思うんですけれども、不起訴ということの事例があるのかも含めて、法務省から説明いただきたいと思います。

保坂政府参考人 お尋ねの、海外の合法なオンラインカジノにアクセスした事案という、そういう観点から処罰事例を把握するということはいたしておりませんので、お答えは困難でございますが、御指摘のあった、海外で開設された無店舗型オンラインカジノで賭博をしたとして京都区検におきまして略式請求をして処罰された、三名が略式命令を発せられた例があることは承知をいたしております。

大西(健)委員 今私が言ったように、不起訴になった例があるんじゃないですか。海外で合法的にやられているオンラインカジノに日本国内からアクセスして不起訴になっている例があるんじゃないですか。

保坂政府参考人 先ほど、刑罰という形で略式命令を受けた者については私ども公表という形でお答えさせていただいておりますが、不起訴につきましては、一般的にそういう事例があったかどうかということはお答えをさせていただいておりませんので、三名については略式命令を受けたことがあるということについては承知をいたしております。

大西(健)委員 じゃ、一般論として、海外で合法なオンラインカジノに日本国内からアクセスすることは違法ですか、合法ですか。

保坂政府参考人 違法か合法かということで、犯罪の成否につきましては、捜査機関により収集された証拠に基づいて個別に判断されるべき事柄でございますので、一概に申し上げることは困難でございますが、一般論として申し上げますと、賭博行為の一部が日本国内において行われた場合、この場合には刑法百八十五条が適用されて賭博罪が成立することがあるというふうに考えております。

木原委員長 大西君、申合せの時間が来ておりますので。

大西(健)委員 時間になっていますので、最後に。

 今のは違法だということだと思うんですけれども、じゃ、警察は取り締まらなきゃいけないと思いますけれども、胴元の拠点が海外にあると証拠収集等は難しくてハードルが高いと思いますけれども、これはしっかり取り締まるということでよろしいかどうか。小此木国家公安委員長に聞いて終わりたいと思います。

小此木国務大臣 オンラインカジノに係る賭博事犯については、これまでも警察において厳正な取締りを実施、推進してきたところでありますので、変わらずにこれは行ってまいりたいと思います。

大西(健)委員 終わります。

木原委員長 次に、大河原雅子君。

大河原委員 立憲民主党の大河原雅子でございます。

 内閣委員会では、これまでも歴代の女性活躍担当大臣、そして男女共同参画担当大臣に、特命大臣に質疑をさせていただいてまいりました。

 野田大臣のときはセクハラ問題、御自身にもいろいろ被害に遭った経験があるとおっしゃっておりましたし、片山さつき大臣のときはシェルター問題、民間のシェルターを支援することがいかに大事かということで力を入れていただきました。

 そしてまた、今回残念ながら交代をいたしましたけれども、橋本大臣におかれましては、オリンピックのことと相まって、世界水準のジェンダー平等というものを本当に実現をするんだということで、第五次計画にも並々ならぬ意欲を示されて、期待をしていたところでございます。

 丸川大臣とは、私は東京選挙区で二〇〇七年に初当選を共にさせていただきました。

 そうした中で、この国際都市東京で開かれる、もちろん復興も含めた、日本が一丸となってオリンピックをやるんだという機運が、今回の交代劇で本当に正しく、科学的に、そして多くの人たちの合意をもって納得のできる結論が出てくるのか、私たちは国会の中にいてもしっかりとそれを議論をしなければならないと思っています。

 オリンピックに関しては所管外、この内閣委員会ではないということでございますので、今日は、内閣府の特命担当大臣、男女共同参画、このことについて伺っていきたいと思います。

 まず、大臣、日本は男女平等の国だと胸を張って言えるような、そういうお気持ちはございますでしょうか。

丸川国務大臣 今日は御質問ありがとうございます。

 まず、同じ選挙で、最初に同じフィールドで戦わせていただいて、そして今このような形で一緒に仕事をさせていただけることを本当にありがたく思います。

 私は一九七一年に生まれまして、済みません、足し算がちょっと下手くそでございますけれども、一九九三年の春から社会に出ました。ちょうど、先輩方が本当に職場での男女の平等ということに取り組んでいただいた成果が表れ始める時期でございました。十四年間勤めましたけれども、その間、劇的に女性の社会における地位の向上というのが図られたのは、ひとえに私どもの先輩方がたくさんの努力を積み重ねてくださった成果だと思っています。

 しかしながら、ここの委員会の話ではないかもしれませんが、私の所管で申しますと、今回の一連の森会長の発言に伴って組織委員会の会長が交代となり、私が大臣に就任したということをもってみましても、日本の男女共同参画は道半ばだなということを改めて感じた次第でございます。

 特に、私、夫婦共働きでもございますので、固定的な性別における役割分担意識というものについては根強いものがあるなということを感じております。

 これから、男女の平等ということも大切ですが、時に暫定的な特別措置ということが女子差別撤廃条約の中で触れられておりますけれども、そうしたことへの理解というものをより一層深めていかなければいけないという気持ちでございます。

大河原委員 なかなか男女平等というのは、言葉では易しくても、現実の社会に出てみると、様々なところで、あれっ、こんなはずじゃなかったのにと思うことがたくさんございます。私は、大学に入ったのが七二年ですので、雇用機会均等法もない時代に就職をするというところで、初めて就職の差別で、同じ成績なのになと思っていながら、女性にはなかなか仕事がないというところで大きな差を感じたところでございます。

 まず、今もお話の中でありましたけれども、二月三日の森元会長の女性蔑視発言に端を発しまして、憲法に男女平等は掲げてありながらも、また先進国と自ら言ってきたにもかかわらず、海外からも国内からも大変大きな批判を浴びた蔑視発言。でも、その蔑視発言を撤回して会長が替わられただけでは、私はこの問題が片づいたというふうには思っていないんです。

 さすがに、ジェンダーギャップ百二十一位というこの恥ずかしい数字の内実を海外に発信してしまったなという思いなんですが、丸川大臣は、この問題、問題の本質は何だったとお考えでしょうか。

丸川国務大臣 いろいろな御指摘がある中で、またあるいはこの発言に対して御発言があった中で、全豪オープンで優勝された大坂なおみ選手が、無知であったという御指摘をされました。まさにこの言葉が一番私には刺さりまして、本人に悪気があろうがなかろうが、相手の気持ちを考えるだけの十分な、これまでの環境の変化であったり女性が置かれている立場であったりに対する無知というものがそうさせているのではないかということを強く感じました。

 加えて言うならば、年齢でそのように発言したのだということについて、御本人が、老害だと言われるのはというような御発言もありましたし、また、周りでそういうことも言う方もいらっしゃいました。しかしながら、私は年齢で区切るのも非常に違和感がございまして、そうした属性に基づいて何かを決めたり判断するということから私たち自身が自由にならなければいけないのだという思いを持っております。

大河原委員 橋本元大臣が東京大会の組織委会長になられたことと、それから小池都知事もおられます。主要な大臣が三人女性。世の中的に見ると、何か事足りたような、少し落ち着いて、これから先、オリンピックがもしかしたらできるんじゃないの、これで準備に拍車がかかるねみたいな空気が実は流れているかなと、ちょっと心配しているんです。

 私は、そういう意味では、問題は、今おっしゃったように、オリンピック自体が、二回目の大会から女性が参加をして、そして時代とともに、人権、差別をなくす、このことをやはりムーブメントとしてやってきたんだと。ともすれば、お祭り騒ぎ、スポーツ大会に終わっているものの奥深さを、本当はこれとともに日本政府も、そしてこれまでのそうした動きを受けた国民ももっと変わっていなければならなかったはず。

 その意味では、これからオリンピックが実施される、実施することができるかどうか分かりませんけれども、でも、そこには、このオリンピック精神の根本をしっかりと今回獲得をして、よりよいものにしていく、つまりは、これから先の未来の子供たちが、何かすごい変なことがあったんだよね、何だか世の中のことを知らない大人たちがいっぱいいたんだねとむしろ笑われてしまうようなことが起こるんじゃないかなと思っています。

 ちょっと蛇足ですけれども、組織委員会のホームページを見ますと、オリンピック憲章について学ぼうというメッセージの漫画、動画が、まだお父さんが女の子に、娘に教えるというパターンなんですね。何かちょっと、あれっ、まだこんなのやっているのという異常な気持ちもいたしまして。

 橋本元大臣が、政治の師である、自分は娘のようだ、森元総理は父のようだとおっしゃったのは個人的なことですからしようがないですけれども、私は、全体に、本当の意味でのジェンダーイクオリティーを確保していく、そういうきめ細やかなアンテナが必要だと思うんですよ。

 丸川大臣、いかがでしょうか。そうした意味で、丸川大臣の政治に対する思い、一体何を一番おやりになりたいのか、ちょっと教えてください。

丸川国務大臣 まず、今回、都知事が女性で、これは主催都市です、そして組織委員会の会長が女性で、大臣が女性になった。このことは世界に対して大きいメッセージを発信するものだということは、IOCの会長からいただいたお手紙の中にも書いてございました。

 一方で、ここで止まってはいけないという危機意識のようなものは橋本会長と共有をさせていただいております。

 橋本会長が既におっしゃっていることですけれども、組織委員会も理事をなるべく同数に持っていきたいということをおっしゃっておられましたし、男女同数ですね、そしてまた、男女の平等の推進に関するチームをつくるということをおっしゃっていました。これは、会長ができるだけ早くとおっしゃっていましたので、今、一生懸命準備をしていただいていると思いますけれども、これについては私もしっかりサポートをしていきたいと思っています。

 加えて言うならば、私、すぐに、IOCのウーマン・イン・スポーツという委員会の、コミッティーの委員をやっておられる渡辺守成さんに御連絡をさせていただきました。恐らく、今、私たちのスポーツ界の中で国際的な動きに一番お詳しい方だと私は思います。

 個別の話の具体的なことは申し上げませんけれども、言ってみれば、日本というのはなかなか男女平等の点においては大変状況の厳しい国だよねと思っていたけれども、思っていた以上に厳しかったねという印象を与えたのではないかということを、私は、お話の結果、そのような感想を持ちました。

 ですので、私が今この立場でできること、まず、IOCとも少し連携をさせていただきながら、このオリンピックをきっかけに、男女の平等の推進ということを日本社会全体として取り組んでいけるような連携をしていきたいと思っています。そしてまた、オリンピック・パラリンピックのレガシーとしても、そうした男女の共同参画、男女の平等の推進に係ることについて取り組めること、残された期間は非常に短いわけでございますけれども、この後の世の中に対して働きかけをしていきたいと思っております。

大河原委員 コロナによって昨年から一年間延期となり、そして、今まさに、できるかできないかの判断をしなければならない、本当に瀬戸際にいると思います。私自身は、もっと早くに、難しいことは難しいと丁寧に説明をして収拾を図るべきだというふうな立場に立ってまいりました。

 何より、この一年間でアスリートの皆さんは確かに苦しまれたと思います。大変なことだと思います。でも、同じように、理事でいらっしゃる山口香理事が、アスリートのおごりもあったんじゃないかということもおっしゃっている。それは、スポーツをやはり多くの方たちが、鼻歌を歌うようにいつでもできるような環境があったのかどうか。そして、これから先も、トップアスリートの方たちの高い技術を、もちろん私たちは褒め、そして羨ましいと思い、それを目指そうという子供たちも出てくる、そういうことはもちろんなんですけれども、やはりこのオリンピックこそ、歴史の中で、先ほどから申し上げましたように、差別と闘い、そして人種偏見をなくす様々な過程を経てここまでたどり着いているわけですね。

 開催国でこのような交代劇をしなければならなかった、この日本の現実を見せなければならなかったというのは、大変、周回遅れだか、二周だか三周だか遅れていると思うような気持ちで多くの国民が見ております。ですから、私は、橋本さんにも、それから丸川大臣にも、やはり科学的にしっかりと見ていただきたい。

 橋本元大臣は、それこそトップアスリートとして世界中を回られて、世界の水準を知っていらした、価値観を知っていた。オリンピックはどのようなものと闘ってきたのかも御存じだった。だから、本当はもっと早くに、この東京のオリンピックの組織委員会の中の問題点についても気がついておられたかもしれない。だから、その思いが、私は、この第五次計画にも入っているんじゃないかなというふうにも思っているんです。

 丸川大臣、男女共同参画担当大臣として、基本的に、今一番何を力を入れてやっていきたいと思っていらっしゃるでしょうか。先ほど申し上げましたように、野田さんのセクハラ防止問題とか、片山さんがシェルターとか、橋本さんが五次計画を残して、このことをやろうとしていらっしゃいますが、丸川大臣は一番何をおやりになりたいでしょうか。

丸川国務大臣 まず、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けておられる女性たちに、しっかりとサポートをしたいということでございます。

 既にもう御承知のことかと思いますけれども、雇用に対する影響、生活に対する影響というものは、一旦感染拡大が収まったとしても、すぐに回復するような状況にないであろうということを巷間言われております。

 こうした中で、時代の流れもありまして、非常に雇用の環境は大きく変化をしております。そうした今までとは違う形での雇用がこれから増えていくということも考えられる中で、非常に脆弱な立場に置かれている女性たちがきちんと新しい時代の変化についていけるような雇用におけるサポートあるいは教育訓練、こういうものはしっかりやっていきたいと思いますし、今、目先、生活に大変苦しい思いをされている、特にお子様がいらっしゃる女性の皆さん、これは、私、母子寡婦福祉議連というところの事務局長を自民党でやっておりまして、昨年の夏から、一回目の臨時特別給付金が出たときから、二回目は年内にお願いしますということをずっと閣僚の皆さんにお願いして歩いて回っておりました。

 おかげさまで、野党の先生方にも大きなお声を上げていただいて、十二月の末にこれが実現をしたわけでございますけれども、この年度末、また子供たちが進級をする時期を迎えます。非常に厳しい状況に置かれるのではないかと本当に心配をしております。

 また、雇用の状況も、雇用調整助成金があるからこそ今雇用が維持されているという部分もあるということで、これは所管外でございますので、これについては今私の口から申し述べられませんけれども、とにかく、今維持されている状況を何とか次に回復するときまでつないでいくための支援というものをしっかり進めていきたいと思っております。

大河原委員 コロナが発生してから、国連機関、女性機関も通じて、女性それから少女たち、ここに特別な手当てをしなければならないということが本当に熱心に言われてきました。今おっしゃっていただいたように、コロナの影響を一番受けている脆弱な立場にいる方たちを真っ先に救う、そのことが私も本当に大きなことだと思います。

 コロナだからこういうふうにゆがみが大きくなっているわけですけれども、これまでの社会の中でつくられてしまったゆがみなんですよね。そのことについては、どのような御感想をお持ちでしょうか。これまで自民党政権がずっと続いてきたわけで、そういう意味では、いろいろな気づきもあったと思うし、足りなかったなと率直に思っていらっしゃること、たくさんあると思うんです。いかがでしょう。

丸川国務大臣 ありがとうございます。

 本当に先輩方が、今でこそ私は仲間に女性が増えたなと思っておりますが、まだまだ足りませんけれども、私どもの一世代、二世代上の先輩方は、女性が少ない中で女性の立場を訴えるという、本当に厳しい道のりを歩んできていただきましたが、そうした中で、必ずしも、女性が置かれている立場、千差万別でございますけれども、一番脆弱な立場に置かれている女性に目を向けるということが十分行われてきたかどうかということは、常に反省をしなければならないことだと思います。

 特に、私は本当に、身近なところで、親族の中にDVを受けていた、昔は駆け込み寺と言いましたけれども、そうしたところへ命からがら逃げ込んで救われた親族もおりまして、民間の皆様がどれほど大きな力を今まで発揮して命を、暮らしを、そしてその家族を守ってきたか、女性と子供を守ってきたかということを痛切に感じております。

 そういう意味でいいますと、ようやく政府がモデル事業を、暴力に対して何らかの支援をということで始めているわけでございますけれども、これは本当にまだ緒についたばかりだと思っております。相談体制が十分かといえば、これも本当に、残念ですけれども、十分な時間、全部できているかどうか、あるいは返事がすぐ返ってくるかどうか。同行支援等もございますけれども、これはDVの場合と、それから女性に対する一般的な暴力という場合と、それぞれ違いますけれども、十分かと言われれば、それは私はまだまだ十分ではないと思っております。

 何しろ、ずっと寄り添って支援ができる体制をつくるということが非常に重要でありますし、最終的にはいろいろなほかの、例えば厚生労働省の社会・援護局、こうしたところが最終的には、今度は自立支援までサポートしてくれるチームがあるわけですけれども、こうしたものとのつなぎが非常に重要であります。自治体の中で必ずしもそれが、地域によってちゃんとつながっているところとつながっていないところがあるのではないかという認識も持っておりまして、こうしたところも支援するのが私たちの大きな役目だろうと思っております。

 予算の獲得も努力したいと思いますけれども、そうした民間で頑張っていただいている皆様ともっと連携をしながら、そうしたところの人材育成も支援をしていく、また、そうした方が地域に満遍なくいていただけるような環境をつくっていくということを支援してまいりたいと思います。

大河原委員 橋本大臣のときに、コロナ下の女性への影響と課題を検討する研究会が立ち上げられまして、二十二日にもあったんですかね、春までにまとめられるということだったので、私は、春じゃ遅いんだ、今とにかくコロナ禍で痛んでいる人たちがこれだけいるんだから、もっと早めにということで、十一月には緊急提言も出していただいたんですね。取りまとめは三月を越えるのかな。これをやはり確実に実施していただくということの、女性活躍加速のための重点方針というのを多分そこに入れられると思うんですけれども、これについての意気込みをお聞かせいただきたいと思います。いかがでしょう。

丸川国務大臣 困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会、これはまさに十二月に一度中間まとめを出していただいて、また更に今議論を加速をしていただいているところでございます。

 何しろ、コロナの感染拡大が収まったところで、より一層支援が必要だという人たちへ意識を向けるということは非常に重要だと思っておりまして、ある意味、世の中が少し落ち着いてきたところで、しっかり認識を世の中に持っていただくための発信を行っていきたいと思いますし、また、必要であれば、今後の予算、更に追加ができないかということも、この検討会の中身を踏まえてお願いをしてまいりたいと思っております。

大河原委員 一番脆弱な、そして私たちの市民生活に欠かせないエッセンシャルワーカーの方たち、介護職もそうです、医療職もそう、それから保育もそうです、女性たちが行ってきたケア労働、感情労働、この再評価がやはりこれまで全くされてこなかったんじゃないかというふうに思いますが、その点はいかがですか。

丸川国務大臣 まず、今おっしゃっていただいた医療従事者の皆様、介護従事者の皆様方が、この感染拡大の、これは、一年に及ぶ期間の間、大変な緊張感を持って、現場で、とにかく命を守ろうという思いで、非常な緊張感の中で従事をしてくださった、そのたまもので多くの命が守られたことについて、心から感謝申し上げたいと思います。

 私、党の方で社会保障制度調査会の介護委員会の事務局長もやっておりましたので、この間、何とか、介護の現場で働いておられる皆様方の処遇の改善ということを、ちょうど介護報酬の改定もございましたので、お願いをしてまいりました。

 非常に予算の状況が厳しい中でございましたけれども、引上げということで、十分な額ではございませんけれども、お認めをいただいたということでございます。

 でも、処遇面、あるいは働く環境で、なお非常に厳しい状況にあられると思います。いつまでこの状況が続くのかという思いで取り組んでいただいているとも思いますので、この皆様方に対して、私、今、立場は変わりましたけれども、引き続き、男女共同参画という立場から一生懸命取り組んでまいりたいと思います。

 特に、女性が多い職場でございます。女性が多い職場ということをしっかり私は念頭に置いて、取組をさせていただきたいと思います。

大河原委員 だから、女性に多く担わされてきた、偏った仕事ですよね。

 実は介護職なども、男性を介護する、介助するというときには同性介護。体の大きな方を小さな女性の介護士さんが、なかなか難しいです。

 男性、女性にかかわらずその仕事をやっていけるような賃金、環境、そういったものがやはりしっかりと整えられなければならない。でも、どうしてそうやって差がついてしまうのか、なかなかその差が解消されないのか。そこにはやはり、刷り込まれてしまった男性優位の働き方、そこに、補助的に仕事をしている女性、特にケア労働は男性の仕事ではなくて女性たちが担ってきた、そういう刷り込み、そしてそういう働かせ方、そういったものが根強く残っていると思うんですよ。

 だから、その点を是非とも、ケア労働に携わるということ、多くの方たちが自分の仕事として選んでいけるような、そういう環境を是非意識的につくっていただきたいというふうに思います。

 この第五次計画ですが、進行管理をどのようにしていくのか、このことについてお答えをいただきたいと思うんですが、特命担当大臣ですから、菅政権の中でもこの問題は大変大きな課題として、最重要課題としていただいていらっしゃる、だから、御自身の持っていらっしゃる権力というのは、他省庁についても、企画立案をし、そして助言をする、勧告をする、こういった仕事までできるわけですね。

 進行管理、どのようにされていくんでしょうか。

丸川国務大臣 第五次男女共同参画基本計画については、御承知のように、具体的な取組や成果目標、大変幅広い分野に及ぶ数値目標というものが掲げられております。

 まず、これは次の計画改定までにきちんとフォローアップをしていくことが重要でございますので、少なくとも計画中間年の二〇二三年には、全八十九の成果目標全てについて、その達成状況をフォローアップ、また、点検、評価をさせていただいて、私から、ただ、この時期に私が大臣をやっているとは限りませんけれども、担当大臣からしっかり内閣総理大臣及び関係各大臣に対して意見を述べさせていただきます。

 毎年度、特に重要な項目については、男女共同参画会議の皆様にお願いをして進捗状況を点検をしていただき、もちろんその時点で、これは余りにも進捗が遅いと思いましたら、私の方からきちんとお願いをさせていただきたいと思っております。

大河原委員 本当に日本が、このコロナを経て、オリンピックも越えるかどうか分かりませんけれども、この大事な年を越えていくときに、中心的な役割があると是非御自覚をいただきたいと思うんですね。ここから変わったんだと是非言われるようになりたいというふうに思います。

 女性たちの困難度というのは本当に日に日に増しておりまして、また三月がやってまいります。いろいろな仕事がなくなる、困難はまだまだ増してくるという時期になります。

 実は、女性を支援する、女性を助ける、そういう法律が、仕組みが余り整っていない。系統的に、統合的なものがないというのは、知られてもいませんし、そういう意味では使えないということがあって、困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会というのが立ち上げられておりましたよね。この中間のまとめが出ていたのが令和元年十月だったと思いますが、この中間のまとめが示している、これから先こういう総合的な支援が必要なんじゃないかというものをお手元に配付しました。ポンチ絵と中間まとめの概要です。

 若い女性たちや、また、これまでは婦人相談所、婦人保護事業、こういったところに頼ってきたそういったものを、今コロナで、本当に現実にどうやって救えるのか。民間の方たち頼みになっている、むしろ国がもっとしっかりやらなければならない、さっき特別措置とおっしゃったけれども、そういうものも含めて、国の責任、是非ともやっていただきたいと思っておりますけれども、どうでしょう。

 DV法でも支援の対象にならない事例はたくさんございます。相談窓口の在り方、こういうことも、先ほど少しおっしゃったのかな、まず自治体によってばらばらです。整っているとは完全に言えないけれども、それさえもなかなかないところもある。だから、こういった包括的な支援についても動いていないんですよ、一年半も。

 コロナがあっても、コロナがあるからこそこの必要性が分かると思うんですが、大臣、これを積極的にお進めになりませんか。

丸川国務大臣 まさに御指摘のとおりでありまして、この検討会、厚生労働省でやっていただいているわけではありますけれども、私も非常に問題意識を持っておりまして、これは自治体にも働きかけが必要でございますけれども、何しろ、いろいろなことをやっていても、実際、そのお困りの方のところに届いていないということが非常に問題だと思っております。

 広報、周知の在り方というのを、三原じゅん子先生、今副大臣でいらっしゃいますけれども、のところでもチームを組んでお取り組みをいただいておりまして、連携しましょうという話を今しているんですが、やはり、そうした情報がここにありますということをワンストップで見ていただけるようにするということがまず重要だと思っています。

 加えて、今おっしゃっていただいたように、法律にカバーされていないところ、今のところ、婦人暴力相談所で配偶者間ではない暴力についても相談を受けておりますけれども、年間三千件ぐらいと伺っておりますが、ではありますけれども、実際その立場にあられる方が、これは私が相談する場所なのかどうかということを迷うような状況では、やはり十分支援が行き届いているとは言えないのではないかという問題意識を持っております。

 ですので、私ども、これから、男女共同参画基本計画にもこのことは盛り込まれておりますので、しっかり関係省庁とも連携をしながら、隙間になってしまう事案をつくらないという思いで、しっかりと包括的に支援が進んでいくように、この婦人保護事業の見直しということをきっかけに、支援体制というものを大きく包み込むような形で広げていきたいと思います。

大河原委員 私も、婦人保護事業が売春防止法を根拠にしているということで、非常に驚きました。物すごく古い法律で、その実態が合っていませんし、今必要なことをきちんとつくっていくためには、ばらばらになっている法律をやはりきちんと統合していく、そのやらなければならない部分をしっかり集めて、支援する仕組みがあるんだという、その安心感を多くの国民の皆さんに共有していただく、特に女性の方々に共有していただく、そういった環境を是非ともつくらなきゃなりません。

 DV法もそうなんですけれども、議員立法だったという言い方をよくします。もちろん、議員立法は私たちの仕事ですからやらせていただきますけれども、こんな大事なこと、やはり国が責任を持って、公助としてきちんと確立するということが今こそ必要だと思うんです。自助、共助、公助で、菅総理は社会像とおっしゃっていますが、自助も駄目、今、共助もここまで来たら駄目、そういう状況の中に女性たちはいます。これこそ公助でやるべきじゃないでしょうか。

 国がしっかりとやるべきだと思いますが、是非ちょっとお考えをお聞かせください。しっかりと予算をつけていくためには、やはり政府が出す法律じゃなきゃ駄目だと思います。

丸川国務大臣 誠にありがとうございます。

 誰が出すかということよりも、きちんとまず私たちが今できることをやっていくということが非常に重要だと思っておりますので、現場の皆様のお声をしっかり伺いながら、今、コロナですので、例えば、橋本大臣、BONDという団体の皆様方と、また今度直接お会いしましょうねと言われたまま途中になってしまったとお伺いしておりますので、緊急事態宣言が明けたら直接伺って、お話を伺ってきたいと思いますし、そうした現場のお声を伺いながら、まず今できることをやりながら、法律の形態はどういう形態がいいのかということを、今、この婦人保護事業の見直しをやっておられる厚生労働省ともきちんと議論をさせていただきたいと思います。

 とにかく、先生がおっしゃるように、包括的にきちんと女性への支援ということができるということが、しかも、それに抜けがないということが大事だと思いますので、これからも御指導を賜りたいと思います。よろしくお願いいたします。

大河原委員 是非、この第五次共同参画計画をしっかりと前に進める、前倒しでできるところはどんどんやっていく、そういうお立場に立っていただきたいと思うんです。

 今日、同僚議員が選択的夫婦別姓については何人か御質問されたんですけれども、私はやはりこの点も、個人的な思いは別に、脇に置いてとおっしゃったんだけれども、この第五次計画の中で、多くの方たちが選択的夫婦別姓導入はやはり期待をしていたんですよ、だけれども、選択的夫婦別姓という言葉さえ削ってしまって、それが、一部の与党の議員の皆さんの議論の中で、この中からかき消えてしまった。

 私はちょっと驚いてしまったんですが、自民党の自治体議員の方のところに、その反対をされていた皆様がお手紙を出している。五十人の衆参の議員の皆さんが、この選択的夫婦別姓導入は反対をしてほしいという、簡単に言えばそういうものなんですが、丸川大臣のお名前も入っているんですね。これは一月の三十日です。とてもがっかりいたしましたし、今、ここまで御答弁いただいたこと、この選択的夫婦別姓についても、家族の在り方とかいう話ではない。

 今実際に選べなくて困っている人たちがいる、このことを、多くの方たちが選択肢を増やして、誰も私たち、それに対して、制度が導入されても困る人は出てこないんですよね。困る人は出てこないんです。だから、何かそうした思いで活動していらっしゃる方たちの声をじかに聞きたいというふうに思ったらば、この埼玉の県議の皆さんに送られた手紙がそれだったので、やはり正々堂々、もう議論は熟しているんじゃないか、だから、丸川大臣がここにいらしたこと自体が大きな巡り合わせでございますので、御自身の思いはあるかもしれないけれども、この議論をどうやって進めていくのか、そのことについても私は早期にお取り組みをいただきたいと思いますが、どうでしょう。

丸川国務大臣 ありがとうございます。

 昨年末、閣議決定されました第五次男女共同参画基本計画においては、選択的夫婦別氏制度を含めて、夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方に関し、国民各層の意見や国会における議論の動向を注視しながら、司法の判断を踏まえて更なる検討を進めるとされているところでありまして、民法を所管する法務省において、国会における動向を注視しながら検討が進められていくものと承知をしております。

 この第五次男女共同参画基本計画から選択的夫婦別姓あるいは別氏という言葉がなくなったという御指摘がある一方で、大変書き込みが増えたというお声も伺っておりまして、これはそれぞれの見方なのかなという思いをしております。まず、その部分についてはそのように思います。

 そして、この問題については非常に幅広い議論がこれまでもなされてきた。特に、十二月末の議論というのは非常に、ここしばらく、これだけの激論はなかったと思うくらいに激論でありました。

 一九九六年に法務省の法制審の案が出てから、その後、たくさんの議員がまた新たに入り、あるいは、その中で、余りこうした議論に触れないできた議員の方もたくさんおられたと思いますけれども、こうした議論というのがあるんだということをまず私たちの中でも一旦共有をし、伺いますと、ほかの党でももう一度振り返りをしているんだというようなお話を伺っております。

 また、役所の立場としては、特に若い世代の皆さんに選択的夫婦別氏制度の導入を望む切実な声が多かったということも認識をしておりまして、こうしたこと、これから結婚しようかということをお考えになる世代の皆様方にとって、どういう形が望ましいのかということもいろいろと考えをお伺いをしながら、しっかり、まず国民の皆様がつぶさに、選択的の次に続く別姓あるいは別氏ということが具体的にどういうことなのか、戸籍と氏との関係というのが案によって様々に異なっているということの認識であったり、あるいは、案によって戸籍について書かれていないものもあるのだと承知をしておりますけれども、本当に多様な案を、今、国会でお出しをいただいている、こうしたものについて、国民の皆様が深い議論をしていただけるような環境を後押ししていくことが私の役目ではないかと思っております。

木原委員長 大河原君、申合せの時間が来ておりますので、おまとめください。

大河原委員 はい、分かりました。

 これまでもずっと同じ答弁を繰り返されてきているんですね、歴代、この質問をいたしますと。でも、党の中でも反対の表明をしていらっしゃる方は僅かだったと。まあ、お声が大きかったかもしれませんけれども。そして、地方議会の皆さんも、何で私の党はそんな議論をやっているんだというお声も聞こえてくるんですよ。だから、それは御党も、自治体の議員の皆さん、普通の国民の皆さんの声と同時にしっかりと聞いていただきたいということがあります。

 それで、やはり……

木原委員長 大河原委員、恐縮ですが、申合せの時間が来ておりますので、おまとめください。

大河原委員 はい、やめます。

 家族に対する無理解とか誤解とか、いろいろ解いていかなきゃなりませんので、早急にお取組を構想していただけたらなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。

木原委員長 次に、後藤祐一君。

後藤(祐)委員 立憲民主党の後藤祐一でございます。

 早速、雇用調整助成金について、厚生労働省大隈政務官、お越しいただいておりますが、聞きたいと思います。

 雇用調整助成金に関する緊急事態宣言下での措置、大企業を含めて十分の十というものについては、緊急事態宣言を解除された翌月までということで、配付資料の一ページ目にあるように、わざわざ、二月中のいずれの日までとされた場合、四月三十日は三月三十一日になりますというふうに、二月二十二日の、今週月曜日の資料でわざわざここに書いてあるんですが、四月以降の人繰りですとかいろいろなことを考えて企業はもうやっていると思うので、幾ら何でもひどいと思うんです。

 実際、二月二十八日で終わりになるかもしれないのが現実味を帯びてきている中で、二月二十八日で終わりにしたとしても、せめて四月三十日、できれば六月いっぱいというふうにすべきではないでしょうか。

大隈大臣政務官 後藤委員の御質問にお答えいたします。

 御指摘のとおり、現行の緊急事態宣言を前提といたしますと、特例措置は四月末までの継続というふうになっております。五月以降でございますが、雇用情勢が大きく悪化しない限り、原則的な措置を段階的に縮減することになっておりますが、感染が拡大をしている地域、例えば、蔓延防止等重点措置対象地域において知事の要請を受けて営業時間の短縮等に協力してくれる飲食店等、また、特に業況が厳しい企業、先生御指摘のとおり、最近三か月の売上げ等の月平均値が前年同期比三割減などの厳しい企業におきましては、二か月間特例措置を講じるということにしております。

 いずれにしても、その時々の感染状況や雇用情勢等をしっかり見極めながら、引き続き適切に対応してまいりたいというふうに思っております。

後藤(祐)委員 ちょっとよく分からなかったんですけれども、二月二十八日で緊急事態宣言が終わった場合でも、せめて四月三十日までは特例措置は続くという理解でよろしいんですか。

大隈大臣政務官 おっしゃるとおりでございます。

後藤(祐)委員 これは非常に大きなことだと思います。二月二十二日の資料でわざわざ三月いっぱいだというものを、やはりいろいろな情勢を考えて柔軟に対応いただいたということで、これは大変評価をさせていただきたいというふうに思います。

 大隈政務官、この一問でございますので、結構でございます。

木原委員長 どうぞ御退席ください。

後藤(祐)委員 続きまして、厚生労働省こやり政務官にお伺いしたいと思いますが、ワクチンの優先接種に関してでございますけれども、介護事業者や障害者施設で働く従事者の優先順位に関してなんですけれども、これについても、配付資料二ページ目でございますが、クラスター対策の一層の推進のため、地元が整う場合は、介護保険施設や一定の要件を満たす高齢者施設において、当該施設内で入所者と同じタイミングで従事者の接種を行うことも差し支えないというふうにしておりますが、これは確認ですけれども、介護施設だとかその他障害者施設も含めて、高齢者が一人でも入所しているような施設においては、高齢者たる入所者にワクチン接種をすることになるわけですから、高齢者以外の入所者そして施設で働く職員の方々に対しても同時に接種していただける、そしてそのためのワクチン数を確保していただけるということでよろしいでしょうか。

こやり大臣政務官 後藤委員にお答えをいたします。

 まず、前提として、接種順位の考え方でございますけれども、これは重症化リスク等を踏まえて、まず医療従事者、今始まっております、次に高齢者の方、その次に基礎疾患のある方あるいは高齢者施設等の従事者という形で、これはリスクに応じて基本的な順番が決定をされております。

 先ほど委員御指摘のありましたように、障害者施設についても、高齢者がおられる方については、高齢者施設等の従事者として、高齢者の次に接種をいただくという形で決めております。

 一方で、高齢者施設の従事者へのワクチンの接種については、これは、流通の効率性の観点で、まず、市町村及び施設等の双方の体制が整う場合、そして、ワクチン流通量の単位が施設入所者と一緒に受けることが効率的である場合、これは今、必ずしもワクチンが十分に確保できるかどうか、今まさに懸命に努力をしているところでございますけれども、ある程度制限がある。そういう中で、ワクチン流通量の単位で効率的であるということが認められる場合には、高齢者施設の入居者と同じタイミングで従事者の方も打っていただくということになっております。

 他方で、例えば、一人、介護施設の中に高齢者がいらっしゃるような場合において、その従事者まで順番を繰り上げて接種をいただくということについては、現時点では考えていないというのが現状でございます。

後藤(祐)委員 冷たいですよね。テレビでもやっていたし、今日、柚木委員もやっていましたけれども、訪問介護は一切含めないですとか、介護施設、障害者施設で高齢者がいて、その方にワクチンを打つのに、ほかの方は、ワクチンが足りない場合はごめんなさいということですか。

 先ほどの雇用調整助成金のように、ちょっと考えてくださいよ。全体が後ろに少しずつ遅れていくことになるかもしれませんが、それは国民は許容すると思いますよ。介護施設とか障害者施設で、そこで働いていらっしゃる方は本当に大変なわけですよ。実際、特に知的障害のある方なんかはなかなかマスクをしてくれないとか、防ぎようがない、病院に入院させることもできないというような状況なので、そこはよく考えた上で対応を変えていただくよう、強く申し上げたいと思います。

 こやり政務官はこれで結構でございます。

木原委員長 どうぞ御退席ください。

後藤(祐)委員 河野大臣、この前はちょっと質問ができず、済みませんでした。

 このワクチンの新システムでございますけれども、この新システムで、個々の国民のコロナワクチンに関する、誰が、いつ、どこで打ったという情報が把握できることになると思うんですけれども、以後、個別の接種情報と言いますが、この個別の接種情報を利用できる行政機関というのはどこなんでしょうか。これはマイナンバーにひもづけるということなので、この住民が住んでいる市町村は間違いなくいいと思うんですけれども、転居したような場合には、その転居の前と後の市町村、これも恐らくマイナンバー法上入ると思うんですけれども、それ以外の、厚生労働省など国、あるいは都道府県はこの接種情報は、個別の情報ですね、触れないということでよろしいんでしょうか。

河野国務大臣 この接種記録システムでは、各市区町村ごとに、システム内に区分された領域で、個人の接種情報を市区町村が管理することを想定をしております。

 その上で、住民が市区町村から転入してきた場合に、転入先の市区町村が従前の市区町村の接種情報についてマイナンバーをキーに提供を受けるなど、市区町村間の情報照会、提供を行うことができるようにすることを検討しております。

 こうした情報照会、提供につきましては、今回の新システムの必要性、情報照会、提供の都度本人の同意を得ることを想定していることを考慮すると、マイナンバー法第十九条第十五号の、人の生命、身体の保護のために必要がある場合において、本人の同意があり、又は本人の同意を得ることが困難であるときに該当し、許容されるものと考えております。

 また、国としては、個人の接種情報を取り扱うことはなく、市区町村の管理する個人情報を基に作成された接種情報に関する統計データを活用することを想定をしております。当該統計データにつきましては、個人の接種情報ではなく、国が利用できると考えております。

後藤(祐)委員 そこの区分というのが本当に守られるんでしょうかね。そこはまた、この後、デジタル法案なんかもあるでしょうから、よく議論させていただきたいと思います。

 それでは、総務省の接待の問題に行きたいと思いますが、ちょっと公務員制度に関わる部分もあるので、河野大臣、引き続き、済みませんが、座っていただければと思います。

 つい先ほど、この私の質問の十分ほど前に、関係者の処分等についてというものが私の手に参りましたが、谷脇総務審議官が減給三月十分の二、その他、減給処分、戒告処分ということだそうでございます。

 まずルールを確認したいと思いますが、人事院、今日お越しになられていると思いますけれども、供応接待の場合は、人事院規則二二―一の別表の第十で、減給と戒告、物品の贈与の場合は、第三で、免職、停職、減給、戒告となっている、こういう理解でよろしいですか。

荒井政府参考人 お答えいたします。

 人事院規則二二―一で、倫理法令に基づく命令に違反した場合の懲戒処分の基準がございまして、その中では、利害関係者から金銭又は物品の贈与を受けた場合の懲戒処分の基準は、免職、停職、減給又は戒告、また、利害関係者から供応接待を受けた場合の懲戒処分の基準は、減給又は戒告とされておるところでございます。

後藤(祐)委員 同じ人事院規則二二―一で第四条というのがあって、違反行為に該当する複数の行為を行った場合の取扱いというのがありますが、この第四条においては、複数の行為、すなわち、供応接待や物品の贈与が複数回行われた場合は今言ったものよりも一つ重いものを科されることができるとなっている、これを確認させてください。

荒井政府参考人 お答えいたします。

 第四条においてそのような規定はございます。

後藤(祐)委員 懲戒処分を受けた場合は昇任とか昇格は一定期間できないというルールがあると伺っておりますが、減給と戒告の場合、昇任だと、減給は一年六月、戒告だと一年昇任はできない、昇格も、減給の場合は一年、戒告の場合も一年できないということで、これは間違いないですか。

荒井政府参考人 お答えいたします。

 そちらの昇格基準につきましては、倫理審査会の方で特別に所管しておりませんので、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。

後藤(祐)委員 総務省官房長、お答えください。

原政府参考人 お答えいたします。

 ちょっと事前に詳細な御通告をいただいていなかったものですから、その点は。そういうような、今、処分に応じて昇格、昇任等が制限されるということは承知してございます。

後藤(祐)委員 総務審議官が事務次官に上がるのは、指定職の俸給が、事務次官は十一号俸、総務審議官は十号俸、これは間違いないですか。だとすると、号俸が上がるので、少なくとも総務審議官だった方は事務次官になれないということですか。

原政府参考人 お答えいたします。

 指定職の給料表で、事務次官は、今は、指定の八、それから総務審議官は指定の七ということでございます。

 先ほど御答弁しましたとおり、昇任、昇格とか、なかなかちょっと微妙なところもあるものですから、ちょっと事前に通告がなかったものですから、そこのところはちょっと、今の段階でお答えすることは控えたいと思います。

後藤(祐)委員 それは確認して、後で御報告いただきたいと思いますが。

 先ほどのこの懲戒処分、まだきちっと読み込めていませんが、人事院規則二二―一の第三条には、当該職員が行った行為の態様、公務内外に与える影響、当該職員の官職の職責、当該行為の前後における当該職員の態度等を考慮し、決めるとなっておるんですが、官房長に伺いますが、この件はもう連日報道が大きくされておりまして、公務内外に与える影響は極めて大きいんじゃないんですか。

原政府参考人 お答えいたします。

 大変大きな影響があるというふうに認識しております。

後藤(祐)委員 総務審議官や情報流通行政局長、あるいはその経験者といった高いレベルの方がおられますけれども、この当該職員の官職の職責というのも極めて重いんじゃないんですか。

原政府参考人 お答えいたします。

 大変重い職責を担っているというふうに存じております。

後藤(祐)委員 人事院規則二二―一の第五条では、重い懲戒処分を行うことができる場合として、今官房長がおっしゃった、職員が行った行為の公務内外に及ぼす影響が特に大きいとき、職員が管理又は監督の地位にあるなどその占める官職の責任の度が特に高いときが挙げられていますが、これに該当していますか。

原政府参考人 個別の条文というよりは、全体として職責が大変重いということを踏まえて今回の処分を行っております。

後藤(祐)委員 法律に根拠のあるこういった条文を適用しているかしていないかは明確にお答えいただけないですか。

原政府参考人 お答えいたします。

 今回、倫理規程違反の供応接待等に該当するということで処分を行っておりますが、その全体としては、今おっしゃったようないろいろな、職責の重さ、そういうことも勘案して処分を行っております。

後藤(祐)委員 あしたもまた予算委員会があるので、そこは詳しく聞きましょう。

 坂井官房副長官、お越しいただいておりますけれども、ありがとうございます。

 山田真貴子氏に対しては、今日午前中の塩川委員に対する官房長官の答弁で、内閣官房職員の訓戒等に関する規程に基づいて、厳重訓戒又は訓告等ができるという答弁がありました。山田真貴子内閣広報官に対しては、通常の国家公務員法を根拠とする懲戒処分はできないわけですが、できることとしては、人事異動か、この厳重訓戒又は訓告、これだけですか。そして、この厳重訓戒って、懲戒処分との関係でいうとどのぐらいに該当するものなんでしょうか。

坂井内閣官房副長官 御承知のように、今、山田広報官は一般職の国家公務員ではないということでございまして、特別職の国家公務員ということで、御指摘がありましたように、法律に基づく懲戒処分の規定は設けられていないということでございます。そして、内閣広報官としての非違行為につきましては、内閣官房職員の訓告等に関する規程に基づく厳重訓戒又は訓告等は可能ということでございますが、その厳重訓戒又は訓告がどの程度のレベルに当たるかということに関しては、申し訳ありません、今ここで、私はその知識を持っておりませんので、ちょっとお答えできないということです。申し訳ありません。

後藤(祐)委員 河野大臣、公務員制度改革担当大臣でもあられるので、ちょっとお聞きしたいんですが、これは通告していなくて申し訳ないんですけれども、山田真貴子さんのように特別職になると、一般職公務員だけに適用される懲戒処分がないわけです。それで、今のような、官房副長官が答えられないような厳重訓戒又は訓告というものだけが、内閣官房職員の訓戒等に関する規程に基づいてできると。非常におかしな状態なんですね。

 実際、その同期であられる谷脇総務審議官は、減給三月十分の二なのに、山田さんに対してはこういうことができないわけです。これは法律の不備だと思うんですよ。是非、これは特別職に対する懲戒処分を可能とする法制度が必要じゃないですか。

河野国務大臣 通告がないものですから、ちょっと今は何とも申し上げられませんが、私の方でも調べてみたいと思います。

後藤(祐)委員 倫理法もないんですよね。特別職に対する倫理法というのもないわけです。逆に言うと、特別職は誰とも飯食い放題。おかしくないですか。これは政治家としておかしいと思いませんか、河野大臣。

河野国務大臣 調べてみたいと思います。

後藤(祐)委員 是非、公務員制度改革担当大臣として、今の特別職に対する懲戒処分、そして倫理法については、是非検討いただきたいというふうに思います。

 配付資料の最後のページに、月曜日に発表になった、それぞれの方々の会食の一覧というのがあるんですが、この中で、官房長に伺いますが、玉田官房総務課長が内閣官房内閣参事官のときに木田氏と会食をしているということで、この会食時の利害関係、丸となっていて、米印がついていないんですね。米印というのは、会食時の官職としては利害関係はないけれども、それより前の官職のとき、例えば一番上から二番目の吉田総務審議官なんかは、情報流通行政局長から異動後三年以内なので利害関係があるというような、※1とかついているわけですが、この玉田内閣参事官は※がついていません。ですから、内閣官房内閣参事官は、東北新社関連の方々と会食をすると、それは利害関係があるということでよろしいですか。

原政府参考人 お答えいたします。

 ちょっと確認が取れませんが、御指摘の、もしかしたら米印のちょっと漏れかもしれません。大変申し訳ございません。それはちょっと今確認をいたしています。済みません。

後藤(祐)委員 これは、世の中みんなが注目している月曜日のこの紙が間違っているかもしれないということですか。ちょっと時間を止めて確認していただけないですか。これを基にやっているんですから。

木原委員長 もう一度、原官房長。

原政府参考人 お答えいたします。

 とにかく私ども、急いで、迅速かつ正確にということでやっておりましたが、ちょっと今確認いたしますので、二月二十二日時点で確認できた事実ということで資料を出させていただいております。今、至急確認いたします。

後藤(祐)委員 ちょっと今確認しますと言うので、ちょっと止めていただけないですか。

木原委員長 ちょっとお待ちください。どれぐらいでできるか、お答えいただけますか。

 では、速記を一度止めてください。

    〔速記中止〕

木原委員長 速記を起こしてください。

 改めて、原官房長。

原政府参考人 お答えいたします。

 玉田氏については、過去三年間の職で利害関係があるということで、その点で米印が漏れていたということでございます。大変失礼いたしました。

後藤(祐)委員 二十二日のこの資料に誤りがあったということですよね。困りますよね。

 ということは、内閣官房内閣参事官は利害関係がないということなんですか。でも、内閣官房はいろいろな調整権限、立案権限、あるわけですよ。これはないと何で総務省が判断できるんですか。

原政府参考人 お答えいたします。

 この倫理規程の利害関係性については、有権解釈を持っております人事院と検討を重ねながら判断しております。玉田については、総務省の課長のときに、過去三年間の利害関係があるということで丸とさせていただいております。

 具体的には、具体的な許認可に決裁権限があるとか、実際の権限、こういうものに注目して有権解釈を人事院が行っているというふうに承知しております。

後藤(祐)委員 実際、そういう形でやれと官邸から指示することはできるわけですよ。実質的な利害関係があるんじゃないんですか。こういったものは一切認めないんですか、人事院。

荒井政府参考人 お答えいたします。

 国家公務員倫理規程二条二項によりますと、職員に異動があった場合において、当該異動前の官職に係る当該職員の利害関係者であった者が、異動後引き続き当該官職に係る他の職員の利害関係者であるときは、当該異動の日から起算して三年間は、当該異動があった職員の利害関係者だとみなすという規定がございます。

木原委員長 後藤祐一さん、もう一度質問をお願いします。

後藤(祐)委員 内閣官房の高いレベルにある方が、総務省のこういう放送行政なんかの利害関係者になり得るかどうかを聞いているんです。

 ちょっと時間がないので、副長官にお伺いしたいと思いますけれども、内閣官房の方というのはいっぱいいらっしゃいます。総理大臣までいらっしゃるわけです。まあ、内閣官房かどうか微妙ですけれども。内閣官房副長官も含まれるわけです。

 総理とか官房長官とか内閣官房副長官が東北新社側の方々と会食をしているとした場合には、これは利害関係者との会食に当たるんじゃないんですか。

 坂井副長官は、東北新社側の方々と会食したことはありますか。

坂井内閣官房副長官 委員からお尋ねの東北新社の会社の関係者の方々と会食をしたという認識は、私はありません。

 認識というのは、私自身はないと思っておりますが、例えば、複数の肩書を持つ方が別の肩書でということがあるかもしれないということではございますが、私個人は、東北新社の方々と会食をしたということは思っておりません。

後藤(祐)委員 肩書のことではなくて、これは明確に通告していますよ。

 二宮清隆氏、三上義之氏、木田由紀夫氏、菅正剛氏、故植村伴次郎氏、故植村徹氏と会食したことはありますか。

坂井内閣官房副長官 その名前が出されている方々ということであれば、ありません。

後藤(祐)委員 そうすると、東北新社側のほかの方とはあり得るということなんですか。

坂井内閣官房副長官 そこまで絶対にないというところまでは、要は、いわばいろいろな方々と何人も、例えば異業種交流会のような会があったときにおられるかどうかまでは分かりませんので、そこまでは否定はしませんが、でも、いわばその程度ということでございます。

後藤(祐)委員 今申し上げた方々、あるいは東北新社及びその関連会社側から政治献金を受けたことはございますか。あるいは、パーティー券を買ってもらったことはありますか。

坂井内閣官房副長官 事務所の職員に確認をさせましたけれども、私が代表を務める自由民主党神奈川の第五選挙区支部等の収支報告書において、御指摘の会社などによる寄附及びパーティー券の購入についてはありません。

後藤(祐)委員 今日、吉田恭子衛星・地域放送課長を通告をしているんですが、課長でお越しいただけないというのは非常に問題があると思いますし、そもそも今日は、山田真貴子内閣広報官、あるいは吉田、谷脇両総務審議官、これらの方々もお越しいただけないというのは大変不本意であります。

 ですが、通告しておりますので、代わりに官房長にお答えいただきたいと思いますが、この谷脇総務審議官、吉田総務審議官、秋本前情報流通行政局長、湯本前情報流通行政局担当審議官、井幡放送政策課長、そして吉田恭子衛星・地域放送課長、それぞれについて、東北新社側との会食において、BSやCSに関する話はあったか、そしてBSやCSの特に利用料金についての話があったか、お答えください。

原政府参考人 お答えいたします。

 そういった文春の報道を受けまして、私ども、より具体的にどんな話が出たのか、BS、CSあるいはグループ会社の話は出なかったんですかということをそれぞれ関係者にも伺っております。

 そうした中で、思い返していただいて、出てきていたのは、例えばコロナの影響ですとか、それからワクチンですとか、それから、谷脇は通信の専門家ですから、4Gとか5Gとか、そんな話はしたというような話は聞きました。

 ただ、東北新社側にも同じことを聞きましたが、基本的に同じような話がありまして、だからといって、BS、CSなど放送の話をしなかったとは言い切れないので、実情の話はあったかもしれない。それから、そういった中で、グループ会社の話題が出たかもしれない。ただし、不適切な働きかけ、行政をゆがめるような行為はなかったと記憶しているという回答を得ております。

後藤(祐)委員 質問に答えていません。

 利用料金についての話はありましたか。

原政府参考人 お答えいたします。

 利用料金についての話もあったということは確認できなかったということでございます。

後藤(祐)委員 あったかどうか、確認はできない。官房長のこういった答弁は全く信用できないわけですよ。ここを徹底的に調べた結果がさっき発表になったこの報告書じゃないんですか。この報告書を見ても、こういう会話があったとか、全然書いていないじゃないですか。

 どんな会話をしたかは極めて重要じゃないですか。確認できないって、なかったと言い切れないということですか。

 でも、その会話があったかどうかは、極めて行政をゆがめているかどうか、そして、場合によっては贈収賄罪になりかねない。そこが確認できないで、それで終わりでいいんですか。甘いんじゃないですか、この調査報告は。

原政府参考人 お答えいたします。

 私ども、この調査は、国家公務員倫理規程に違反しているかどうかということを調べる調査でございます。それで、これもこれまで申し上げておりますが、私どもも弁護士同席、それから東北新社に行く場合は東北新社側の弁護士の方、東北新社側の、第三者委員会を立ち上げられましたが、この弁護士の方が同席されております。それから、これも申し上げましたが、ヒアリングする前に、この供述でもし真実でないことを言えば、そのこと自身が倫理規程違反で問われますよということを申し上げた上で臨んでいる。

 したがって、とにかく記憶のある限り、いろいろなことを話してくださいということで申し上げて、そうした中で、ただいま申し上げたようなことがヒアリングの中で出てきたということでございます。

 それで、先ほど御報告しました私どもの報告書には、利害関係者を判断するということで大変重要な事実、これはいろいろ聞きましたけれども、これまで国会で御議論があった、行政をゆがめたのではないか、この点、私どもヒアリングでは確認できておりませんが、この点については、今日の報告書で、副大臣をヘッドとする検証の場を設けるということも報告書に盛り込んでおりますので、そこでまたしっかりとそういった点についても検証を行ってまいりたい、このように思っております。

後藤(祐)委員 そうしますと、どんな会話があったのか、BS、CSの利用料金など、詳しい話がどうだったのかというのは、これから調べるということなんですか。そこはまだ調べ終わっていないけれども、処分を発表したということですか。

原政府参考人 お答えいたします。

 私どもできる限り、今の倫理規程違反という制度の中では、最大限聞き取りを行い、関係者の記憶の中で、先ほどのようなBS、CSといった業界の話はあったかもしれない、その中でグループの話も出たかもしれない、それ以上の具体的な話については関係者から確認ができなかったということでございます。

後藤(祐)委員 利用料金の話ですとか認定の話ですとか、具体的な利害関係が絡むような話をしていたら、懲戒処分がこれじゃ軽過ぎるということになる可能性だってあるじゃないですか。

 懲戒処分以外の、いつ、どこで、どういう飯を食っていたとかということの事実認定はいいですよ。だけれども、懲戒処分をするということは、何を話していたかということも含めて懲戒処分するんじゃないんですか。

原政府参考人 お答えいたします。

 繰り返しになりますが、今回は、供応接待があったとか、それから届出漏れがなかったとか、利害関係者がどうかという、あくまでも国家公務員倫理規程違反の調査でございます。

 先ほどの行政をゆがめる云々の話はこれと別途検証を立ち上げるということにしておりますので、仮に、その中で新たな事実が出れば、それを踏まえてまた対応をする必要がある、このように思っております。

後藤(祐)委員 ということは、まだ、何を話したかということについては、これからきちっと調べるということですね。特に、BS、CSの、具体的に、利用料金ですとか、認定ですとか、右巻き、左巻き、それぞれの配分ですとか、こういったことについても、会話があったかどうか、これから調べるということを約束してください。

原政府参考人 お答え申し上げます。

 副大臣をヘッドとする検証チームを立ち上げて、その中で、これまでの東北新社の許認可、いろいろあるわけでありますので、それについて、行政をゆがめるといったことがなかったかどうか、しっかりと検証してまいりたいと思っております。

木原委員長 後藤君、申合せの時間が来ておりますので、おまとめください。

後藤(祐)委員 最初の調査がずさんで、文春が出てきたらもう一回調べ直して、こんなのが出ましたと新しく出てきた。そして、今日の報告なり懲戒処分が出て、でも、まだこれから出るかもしれない、三回目がある、こういうことですね。どんな調査なんですか。

 あした予算委員会で続きをやります。ありがとうございました。

     ――――◇―――――

木原委員長 次に、本日付託になりました内閣提出、原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。井上国務大臣。

    ―――――――――――――

 原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

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井上国務大臣 この度政府から提出いたしました原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 原子力発電施設等の立地地域において、防災インフラ整備への支援及び企業投資、誘致に資する不均一課税への支援を引き続き実施していくため、令和三年三月末までとされている原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法の有効期限を十年間延長するものであります。

 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。

 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同を賜りますようお願い申し上げます。

木原委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時十三分散会


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