衆議院

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第22号 令和3年4月28日(水曜日)

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令和三年四月二十八日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 木原 誠二君

   理事 平  将明君 理事 冨岡  勉君

   理事 中山 展宏君 理事 藤原  崇君

   理事 松本 剛明君 理事 今井 雅人君

   理事 後藤 祐一君 理事 濱村  進君

      安藤  裕君    池田 佳隆君

      岡下 昌平君    金子 俊平君

      小寺 裕雄君    杉田 水脈君

      高木  啓君    永岡 桂子君

      長尾  敬君    本田 太郎君

      牧島かれん君    松本 洋平君

      吉川  赳君    和田 義明君

      阿部 知子君    大西 健介君

      玄葉光一郎君    森田 俊和君

      森山 浩行君    柚木 道義君

      吉田 統彦君    江田 康幸君

      古屋 範子君    塩川 鉄也君

      足立 康史君    岸本 周平君

      高井 崇志君

    …………………………………

   国務大臣

   (内閣官房長官)     加藤 勝信君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長) 小此木八郎君

   国務大臣         河野 太郎君

   国務大臣

   (経済再生担当)

   (経済財政政策担当)   西村 康稔君

   厚生労働副大臣      山本 博司君

   防衛副大臣        中山 泰秀君

   内閣府大臣政務官     岡下 昌平君

   内閣府大臣政務官     和田 義明君

   内閣府大臣政務官     吉川  赳君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  中込 正志君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  三貝  哲君

   政府参考人

   (内閣官房内閣参事官)  安中  健君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  河村 直樹君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  十時 憲司君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  梶尾 雅宏君

   政府参考人

   (内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官)            千原 由幸君

   政府参考人

   (内閣府日本学術会議事務局長)          福井 仁史君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 宮沢 忠孝君

   政府参考人

   (警察庁生活安全局長)  小田部耕治君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 赤堀  毅君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 石月 英雄君

   政府参考人

   (財務省大臣官房審議官) 土谷 晃浩君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           森田 正信君

   政府参考人

   (文部科学省科学技術・学術政策局科学技術・学術総括官)          合田 哲雄君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房高齢・障害者雇用開発審議官) 達谷窟庸野君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           宮崎 敦文君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           山本  史君

   政府参考人

   (国立感染症研究所長)  脇田 隆字君

   政府参考人

   (経済産業省貿易経済協力局貿易管理部長)     風木  淳君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房衛生監) 椎葉 茂樹君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局次長) 大和 太郎君

   参考人

   (独立行政法人地域医療機能推進機構理事長)    尾身  茂君

   内閣委員会専門員     近藤 博人君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十八日

 辞任         補欠選任

  岸本 周平君     高井 崇志君

同日

 辞任         補欠選任

  高井 崇志君     岸本 周平君

    ―――――――――――――

四月二十七日

 ストーカー行為等の規制等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四一号)(参議院送付)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 ストーカー行為等の規制等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四一号)(参議院送付)

 内閣の重要政策に関する件

 公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件

 栄典及び公式制度に関する件

 男女共同参画社会の形成の促進に関する件

 国民生活の安定及び向上に関する件

 警察に関する件


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     ――――◇―――――

木原委員長 これより会議を開きます。

 内閣の重要政策に関する件、公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、参考人として独立行政法人地域医療機能推進機構理事長尾身茂君の出席を求め、意見を聴取することとし、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房内閣審議官中込正志君外二十一名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

木原委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。今井雅人君。

今井委員 おはようございます。立憲民主党の今井雅人でございます。

 まず、官房長官にお伺いしたいと思います。

 まず、事実関係だけお伺いしたいんですが、来月の五月の十七にIOCのバッハ会長が来日されて、十八日に菅総理と会談をされるという報道がございましたが、まず、ちょっとこの事実関係だけ、こういう予定になっているかどうかだけ、教えていただけますか。

加藤国務大臣 済みません、ちょっと急なお尋ねなので、私のところではちょっとその日程は把握しておりませんので。(今井委員「ああ、そうですか」と呼ぶ)はい。

今井委員 官房長官のところでは総理の日程はまだ把握していらっしゃらないということですか。

加藤国務大臣 私のところで把握しているのは、もう本当に総理の日程は出たときというタイミングでありまして、余り長い、もちろん総理がどこかに行かれるとかいうのは把握しますけれども、それ自体、個々一つ一つ、私のところで把握しているわけではありませんし、また、IOCとの関係でいえば、国としては多分丸川大臣等のところではないかなというふうに思います。

今井委員 分かりました。じゃ、ちょっと別の場で確認したいと思います。

 バッハ会長が緊急事態宣言とオリンピックの開催は関係がないという発言をされました。現在緊急事態宣言が発令されているからオリンピックの開催に影響するということは、私もそれはないと思うんですね。多分そういう趣旨でおっしゃったんじゃないかと思うんですけれども、問題は、オリンピックの開催時期にこういう状況になったときにどうするかということなんですね。

 先のことは分からないにしても、コロナの感染というのは我々だけで、人間の力だけでは完全にコントロールはできませんから、オリンピックの開催時に今のような、例えば東京都が緊急事態宣言を発出しなきゃいけないような状況になっているということは十分あり得る、残念ながら十分あり得ることだと思うんですね。だから、そのときに、開催をするのか、開催をするに当たってそういう状況になったらどういう対策を打つのかということは、当然、コンティンジェンシーのプランとして持っておかなきゃいけないと思うんですけれども、その辺りについて政府はどういう検討をされていらっしゃいますか。

加藤国務大臣 まず、基本的な方針でありますけれども、政府としては、今、新型コロナウイルスの感染拡大、そして他方で経済の戦後最大の落ち込みといった、こうした状況に対して、国民の命と暮らしを守る、これを最優先に取り組んでおりまして、現下、今、緊急事態宣言、地域によっては蔓延防止等重点措置等で対応させていただいておりますけれども、そうした対策を講じることによって、感染の拡大あるいは抑止、これを徹底して図っていきたいと思っております。

 他方で、東京大会については、何よりも国民の皆さんに安心して東京大会を迎えられると思っていただけるようにすることが重要ということは従前から申し上げてきております。それにのっとって、国が入った、東京都、大会組織委員会等も入った、コロナ対策調整会議で実効的な感染対策を検討を進め、その中間整理が昨年十二月に取りまとめられ、更に具体的な検討を進め、必要な対策を確実に実施していくこととしております。

 例えば観客の在り方については、先月、五者協議において、海外観客の受入れを安心、安全な大会を実現するという観点から断念したところであり、また、観客数の上限についても、本日、五者協議が開かれ、議論がなされるというふうに承知をしております。

 そうした判断を一つ一つ重ねつつ、政府としても引き続き安全、安心を優先に、内外の感染状況を注視しつつ、また、関係者と緊密に連携して、大会に向けた準備を着実に進めていきたいと思っておりますので、今の御質問に対しては、まずは感染の拡大防止に徹底して対応していく、他方で、国民の皆さんのそうした様々な不安に対応できるように、東京オリンピック・パラリンピックの開催に当たっての感染対策、これに関係者とも連携して万全を期していきたい、こう考えております。

今井委員 昨日SNSを見ておりましたら、オリンピックより子供の運動会が見たいというお母さんのつぶやきが切実に響くというのは、何か、拡散されていたんですけれども、私も同じ境遇の親なので、よく分かるんですよ。だから、やはり、なかなかオリンピックということに対して国民の理解が今得られないと思うんですね。

 ですから、そこのところは、当日のところの対応も含めて、国民に分かりやすいように、今のように抽象的じゃなくて、具体的な方向性というのをしっかり説明していただきたいと思いますので、恐らくバッハ会長が来られた後にまたこの点について詳細に説明していただけると思いますから、その機会にまたお伺いしたいと思います。

 済みません、官房長官、ここで結構です。

 次に、緊急事態宣言が四月二十五日から発出されたわけですが、尾身理事長、済みません、今日はありがとうございます。

 まずお伺いしたいんですが、今回、四月二十五日から五月十一日ということで十七日間という期間になっているんですけれども、これまで一年以上いろいろな経験をされて知見が上がっていらっしゃると思うんですが、正直なところ、この十七日間で感染をある程度抑えるということは可能だというふうにお考えでいらっしゃいますか。

尾身参考人 私は、このゴールデンウィークを含む短期間に強力に、集中的にやるということは非常に重要だと思います。

 その中で、この期間で十分かどうかという委員の御質問ですけれども、私は、大事なことは、一生懸命頑張ると、この期間に。それで、当然、評価をするのは当たり前ですよね。そのときに、私は何度も申し上げておりますけれども、最低ステージ3、できればステージ2の方に行く。

 いろいろな今、委員今までの知見ということをおっしゃいましたけれども、いろいろなシミュレーションをしている専門家の中には、例えば、百なんということを言う人もいるぐらいです。私は、百がどうかというよりも、解除することはいつでもできるけれども、一番の問題は、やはりリバウンドをなるべく避けたいわけですよね。仮にしても、少し時間を稼ぎたいということがあるので。

 そのときには、私は、今までの知見を考えますと、二つのことが言えると思います。

 一つは、なるべく下げる。それが一部の専門家の人が、かなり多くの人が、百というのは一つの、象徴的に下げるということ。

 もう一つは、必ずしも下がらないこともあるんですね。幾らやっても下がらない、ある程度、もう少し高いレベルで下げ止まり。これはうんと高ければもう問題外ですけれども、ステージ2とか3の境界とか、数はともかく、ある意味で下げ止まりしたときにということもあり得る。このところの下げ止まりという時期が、これをなるべく長くするということも、実は、リバウンドの次に起こる機会を時間を稼ぐという。

 この二つはほぼ間違いないので、かなり下げるか、あるいは、ある程度下げ止まりになっているんだけれども、その場合には少し長くその期間を維持するということが、次の大きなリバウンドを下げる一つの我々の知見、大体の知見なので、そういうことも考慮したらいいんじゃないかと私は思います。

今井委員 ということになると、下がっていればいいんだけれども、下げ止まっている状況でなかなか停滞してしまっている場合はやはり延長も考えざるを得ないな、そういうことでよろしいですか。

尾身参考人 基本的には、何週間とかということはまだ、今、いろいろな不確定要素、一言、言葉でいえば、基本的には、どんどん下がるか、あるいは安定しているという状況が一定程度続くということは、ちょっと、下になったからすぐに解除というよりも、ある程度高いんだけれども、その安定した状況を一定期間続けるということは、そっちの方がいいんじゃないかと私は思います。

今井委員 同じ質問を脇田国立感染症研究所長にお伺いしたいんですけれども、昨日、アドバイザリーボードをやっていらっしゃって、私も読ませていただきましたが、変異株が非常に広がって、関西も八割、東京も四割、愛知で六割、これぐらいに広がっていて、このまま全部、全国的に変異株に置き換わっていくだろうというような評価をされていらっしゃいましたけれども、そうやって感染力が強い変異株が広がっていく中で、この十七日間、今の対策を講じていくということで十分な対策であるかどうかということについての御見解をいただきたいと思います。

脇田政府参考人 お答えいたします。

 昨日、アドバイザリーボードを開催いたしまして、現在の状況について分析、評価をしたところです。

 委員から御指摘があったとおり、変異株の割合についても、東京で四割、愛知で六割というような形で、関西ではほぼ八割ということで、かなり置き換わりが進んでいるというふうに認識しています。

 一方で、この変異株の実効再生産数、感染力の強さということですけれども、こちらは実効再生産数でいえば従来株の一・三二倍ということがあります。

 それから、地域における置き換わりの速度からの分析においては、地域によって違うんですけれども、感染性、伝播性の増加が従来株と比べて一・二一倍から一・六八倍ということで、やはり感染力、伝播力が強いということが指摘をされています。

 ですので、今現在、蔓延防止等重点措置あるいは緊急事態宣言ということで措置がされておりますので、そういった措置において、その地域における変異株の置き換わりの状況、感染拡大の速度、それから、抑止が始まればその低下の速度というものをしっかりモニタリングしていく必要があるというふうに認識をしております。

今井委員 その上でちょっとお伺いしたいんですが、いろいろな変異株があるんですが、今、B1・617という、いわゆるインド型の変異株ですね、これが二重変異型ということで、非常に感染力も強く重症化も進んで、かつワクチンも効きにくいんじゃないかということが言われています。

 アドバイザリーボードの資料の中にもこれについて言及があって、まだよく分からないところが多いということでありましたが、現時点でのこのB1・617に対する評価と、今後、やはり、水際で見つかっている人以外に国内でもう既に見つかっているわけでありまして、そうすると、もう感染拡大が始まっている可能性があるんじゃないかなということでとても心配しているんですが、この点について、現状、分かっているところで教えていただきたいと思います。

脇田政府参考人 お答えさせていただきます。

 御指摘のインドからの、二重変異株と言われておりますけれども、必ずしも二重変異株という名称が正しいかどうか、そこはちょっと議論があるところだと思っています。これは、B1・617系統に分類される変異ウイルスでありまして、国内で一例、検疫で二十例が報告をされております。

 この二重と言われている理由ですけれども、スパイク領域にL452のRそれからE484Qと呼ばれる変異を有しているということなんですけれども、必ずしも、この系統が全て両方持っているわけではなくて、片方だけ、L452Rのみを持つものがあるということであります。

 このL452R変異というのは、米国由来の変異株でも検出をされているところでありまして、いわゆるシュードタイプ、偽ウイルスともいいますけれども、実験系において、培養細胞であったり、あるいは培養臓器というものでの感染性が増加しているということが指摘されています。ただ、N501Yの変異と比べるとその感染性はやや低いという指摘でございます。それから、従来株に比べて回復患者での血清の中和抗体価が低下するということ、それから、ワクチンの接種者の血清でも中和抗体価が下がるということは指摘されております。ただ、まだ、重症化について明らかな報告がされているわけではないというふうに認識をしています。

 E484Kの変異については、免疫逃避変異、いわゆる中和抗体の効果が低下するということが言われていますけれども、このインドの変異株におけるE484Qの変異というのは、まだその意義が明らかにはされていないというところであります。

 また、インドでは今感染者が急激に増加しているというところですけれども、こちらも、必ずしもこの変異株の関係だけが明らかになっているわけではなくて、そのほかの、英国株等の流行もあるようですので、そこは状況をしっかり見ていきたいというふうに考えております。

 ですので、感染性、あるいはワクチンの効果、それから重症度ということは引き続き知見を収集していく必要がありますけれども、今後も様々な変異株が国内に侵入してくる、あるいは国内で発生をするという可能性がありますので、現在は501Y変異のサーベイランスということ、モニタリングを行っていますけれども、引き続き、ウイルスゲノムサーベイランス、こちらをしっかりやって、変異株の国内での発生については実態を把握していくことが必要だと考えております。

今井委員 変異株の脅威については私もこの質疑で何度も取り上げさせていただいて、事前にやはり厳しくしておかないと変異株はちょっと予測ができないので感染が拡大してしまうんじゃないかということを申し上げてきたんですが、残念ながら今、変異株が猛威を振るっている状況でありまして、特にこのインドの変異株はもっとすごいことになるんじゃないかなと思って非常に心配しておりますので、そのことはちょっとやはり頭に置きながら対策を是非考えていただきたいというふうに思います。

 その上で西村大臣にお伺いしたいんですが、今、緊急事態宣言が出ているところもあれば、蔓延防止等重点措置が出ているところもあれば、あるいは今申請を検討している岐阜や三重なんかもございます。全国的にこのゴールデンウィークは国民はどういう行動を取ったらいいのか、そのことをまず政府の方から簡潔にお伝えをいただきたいと思います。

西村国務大臣 お答え申し上げます。

 御指摘のように、今御議論があった変異株のことも含め、全国的に感染が拡大してきている状況にあると思います。

 その上で、特に緊急事態宣言のエリア、蔓延防止等重点措置のエリア、それから県独自に緊急事態宣言を発出をされていたりあるいは時短を行っていたり、こういった感染が拡大している地域がございます。

 こういった地域の方々は、それぞれの県知事が強く発信をされておられますので御理解いただけると思いますけれども、このゴールデンウィークを機に、会社も休みになる、企業も休みになるところもたくさんありますので、是非、できる限り自宅にいていただいて、人と人との接触を避け、感染を抑えていく。短期、十七日間でありますので、集中的に行う期間ということで御理解をいただいて、特に県をまたぐ移動などは控えていただくということでお願いをしたいと思います。

 ただ、全国の中でも幾つかの県は感染レベルが非常に低い県があります。この県では県内の移動も含めて可能な部分もありますけれども、いずれにしても、県知事、それぞれの県の取組をよく理解をしていただいて、基本的には感染が広がっておりますので、仮に外出をする場合も感染防止策の徹底をお願いをしたいというふうに思います。

今井委員 その上で、ちょっとお願いしたいことがありまして、観光地への影響なんですね。

 実は、今、順番が本当に逆になっていて、十一月ぐらいに勝負の三週間というのがあったんですが、あのときちょっとやはり緩んだせいだと思いますが、年末年始に厳しい措置を取らざるを得なかった。今回も、三月から四月のことが抑えられないでゴールデンウィークに厳しい措置。両方とも観光地は稼ぎどきなんですよ。私の岐阜県でも、お客様は、一番多いのは愛知県から来られますけれども、関西からも来られます、関東からも来られます。愛知県は蔓延防止、それから両側は緊急事態宣言、お客様は来られないわけです。岐阜県自体は今そういう対象になっていないわけですが、外から人が入ってきませんから、直に影響を受けるわけです。もう既にキャンセルが随分入ってきています。

 こういうところをちゃんと支援しないと、宣言をしたところだけ支援していても、実はその波及効果で観光地は大変なんですよ。だから、そういうところの支援をきちっとやってもらわないと、結果的には、緊急事態宣言をあるところは出したことによってほかに影響が出ている、ここをしっかりと見て支援をしていただきたいんですけれども、その点、いかがですか。

西村国務大臣 御指摘のように、観光地の皆様には、この間、大変厳しい状況に置かれていることを本当に申し訳なく思いますし、また、特にこのゴールデンウィーク、本来なら多くのお客さんを迎え入れて大事な時期にもかかわらず、今申し上げたように移動自粛をお願いしておりますので、大変厳しい状況になられると思います。

 そうしたことを踏まえまして、今回、宿泊事業者による前向きな様々な取組を、一千億円を使って支援をしようということで、これは今詳細を詰めておりますので、近々国交大臣から発表があると思いますけれども、様々な感染防止策をやってこられたことなどを含めて、あるいはワーケーションなど、いろいろな取組をしてきていることを踏まえて、そういったものをしっかりと支援をしていく。実質的に経営のプラスになるような、そういった支援を国交省において考えられていますので、私どももこれをちょっと後押しして、今詰めているところでございます。

 さらに、これは三次補正におきまして五百五十億円、この休む時期、お客さんが少ない時期に施設の改修を行ったり、経営力のプラスになるような何らかの取組をやる、こういったことの支援も四月九日から公募が始まっております。こういった取組。

 さらに、先ほど申し上げた、感染レベルが低い県では県内の移動も認められますので、こういったところには、ステージ2相当以下というところについては、県民による県内旅行の支援、これは、一泊一人当たり五千円、プラス土産物、飲食に二千円ということで、七千円の支援を行うこととしております。

 こういったものを活用していただきながら、休まれる、あるいはお客さんが少ない時期に次へのステップとなるような、そういった支援を国交省と一緒に考え、支援をしていきたいというふうに考えております。

今井委員 是非お願いします。年末年始が駄目でゴールデンウィークにかけていたら、またかくっとなって、ここを、本当に今こらえどきなんですよ。次は夏ですから、このときにまた行けなくなったら、本当にもう皆やっていけませんので、そのことも踏まえながら、今の支援と、それから八月にちゃんと感染を抑えて旅行ができるような環境、これをつくっていただきたいということを強くお願い申し上げておきたいと思います。

 済みません、お三方、どうもありがとうございました。

 次に、河野大臣、ワクチンのことでお伺いしたいんです。

 まず、先日、田村厚生大臣が、一般の方向けのワクチン接種について少し言及をされていました。場合によっては七月から接種開始することが可能ではないかというような御発言がありましたけれども、田村さんの発言はともかくとして、今、河野大臣の御認識では、七月に一般の方がワクチンの接種を開始するということができる可能性というのはあるんでしょうか。

河野国務大臣 この委員会でも度々申し上げておりますように、ワクチン接種は、これはもう市区町村がやることでございます。例えば、鹿児島県の十島村は、恐らく今日の午後には一般の方を含め全ての村民の方の一回目の接種が終わります。そういうことですから、自治体によってこれはいろいろな差が出てまいります。

今井委員 それは分かっているんですけれども、田村大臣は、早ければ七月に接種が可能になる可能性があるとおっしゃっているんですから、七月からずっと、自治体によって違うと思うんですけれども、一番早いところは七月にもやれる可能性があるということをおっしゃっているわけです。それについてはいかがですか。

河野国務大臣 申し上げましたように、一番早いところは、例えば沖縄の津堅島、久高島はもう既に一般の方の接種をやっていただいておりますので、もう既に自治体によって一般の方の接種が始まっているところは幾つもございます。

今井委員 ということは、順次一般の方も始まっていくということですね。

 その上でちょっとお伺いしたいんですけれども、今はファイザーが一本でやっているわけでありますが、今モデルナとアストラゼネカが承認の審査をしているということでありますけれども、今日の東京新聞には、まずモデルナの国内の承認は五月の二十日にも判断をしたい、それからアストラゼネカのも早ければ五月に承認が出る見込みであるというような報道がございますけれども、この今の承認審査の状況について、現段階で言えることを教えていただきたいと思います。これは参考人でもどちらでも結構ですけれども。これはどなたでも結構ですというふうに通告をしておりますが。

河野国務大臣 済みません、厚労省が来ておるかどうか分かりませんけれども、これは厚労省が専門家に協議をいただいてするものですから、今の時点で承認の状況というのは分かりません。

今井委員 いや、これは実は結構大事なことでして、御存じのとおり、ファイザーのワクチンの保管の仕方とモデルナとアストラゼネカの保管の仕方は違いますよね。ですから、同じところで接種をするということは、多分とても混乱を来すと思うんです。そうすると、現行、今やっているファイザーでの接種とは別な形でモデルナやあるいはアストラゼネカを使うというやり方をしないと、実務的には回らないと思うんですね。

 そこで、今、総理が、防衛大臣に対して、まず東京、そしてその次は大阪、五月二十四日から大規模接種をやるようにというような御指示をされたと。当然、ワクチン接種のことですから、河野大臣も関係していらっしゃると思うのでお伺いしたいと思うんです。

 まず、これをどういうふうにやるかということと、当然、ここでやるときに、これに併せてモデルナ社ですとかアストラゼネカ社のワクチンが承認が出て、そこでそれが使われるというふうになれば、流れとしては非常にスムーズなんじゃないかなというふうに思うんですけれども、そういうふうに今考えて計画をしていらっしゃるのかどうかということがお伺いしたかったんです。

河野国務大臣 おっしゃるように、それまでに新しいワクチンが承認されていれば、当然別ルートで打つようになるという委員のお見立ては、そのとおりでございます。

 今、マイナス七十度、三週間の間隔で二回打つというファイザーが全国の市町村で接種が行われている中で、マイナス二十度で四週間の間隔で打つというモデルナ社、あるいは四週間の間隔で冷蔵庫の温度というアストラゼネカ社、これはなかなか同じ接種会場でというわけにはいきませんので、承認されれば、当然、別ルートで打つようになるということにせざるを得ないと思っております。

 今回予定されている大規模接種につきましては、そこまでにワクチンが承認されていれば、それを別ルートとして使うということになりますし、もし期日に承認が間に合わなければ、当面はファイザー社でやりながら、承認され次第スイッチするということになろうかと思います。その場合、ファイザーの二回目についてはどうするかというのは検討しなければならないところでございますけれども、そういうことを想定しての接種会場と思っていただいてよろしいかと思います。

今井委員 分かりました。プロセスはよく分かりました。

 その上で、今、私がさきに申し上げましたけれども、まず東京、一都三県、それと、関西なんですかね、大阪なんですかね、やはりこれは、この辺に集中するというのは、やはり人口が多いのでそこを集中的にやろう、そういう考えでこれを計画していらっしゃるということでよろしいですか。

河野国務大臣 大阪についてはまだ検討中でございますが、東京は、三千六百万人の高齢者の恐らく四分の一ぐらいがこの首都圏にお住まいなんだろうと思います。そういう意味で、接種のスピードを上げるということで、この地域で新たなルートをつくっていくというのは非常に重要なことだと認識をしております。

 恐らく、その次に高齢者の人口が多いのは近畿圏だと思いますし、近畿圏の今の感染状況を考えて、今検討を行っているということであります。

今井委員 あと一分しかありませんので、最後、指摘だけというか、お願いを申し上げておきたいんです。

 今、接種に関しては、自衛隊の技官の方ですとか看護官の方、そして今、歯医者さん、こういうところに拡大しようということだと思うんですけれども、イギリスなんかを見ると、ボランティアの方に少し研修をしてワクチンを打ってもらっている。そこまで日本ができるかどうかといったら、そこはちょっと微妙なんですけれども。やはり先ほどの自治体の体制次第ということでありますから、自治体の体制を早く促すためにも、そういうワクチンの接種を誰ができるのかということをもう少し広げることができないのかとか、そういうことも含めて是非検討していただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

木原委員長 次に、後藤祐一君。

後藤(祐)委員 立憲民主党の後藤祐一でございます。

 まず、河野大臣にお聞きしたいと思いますが、東京と大阪で大規模接種というのが始まるそうでございますが、これは一都三県の六十五歳以上の高齢者を対象に行うというふうに書いている新聞もあるんですが、そういう方向なんでしょうか。むしろ、エッセンシャルワーカー、多数のお客様に触れ合うスーパー、コンビニとか、あるいは市役所だとか、あるいは空港を守っている人とか、そういう方々を先にやるべきではないかと思うんですが、どうお考えですか。

河野国務大臣 高齢者に打つということで今準備作業を進めております。優先順位をどうするか、これは、厚労省の下で専門家の会議で決めていただいておりますので、そこの御判断になろうかと思います。

後藤(祐)委員 これは是非法律を守っていただきたいんですね。元々、新型インフルエンザ特措法では二十八条で特定接種ということが定められていて、この特定接種をどういう順番でやるかについては、まず医療の提供、これは最優先ですね、国民生活及び国民経済の安定を確保するため緊急の必要があると認める人、事業者、あと地方公務員と、もうこれは法律二十八条に書いてあるんです。

 これに基づいて、新型インフルエンザ等対策ガイドラインというのが平成三十年七月に定められていて、この表の中で、どういう方々がこの特定接種の優先で受けられるかというのはもう明確に書いてあって、介護施設ですとか、あるいは空港の管理者ですとか、コンビニ、スーパーですとか、鉄道業とか電気業とか、あるいは医療品の卸の方とか、まさにエッセンシャルワーカーの方々を具体的に列挙しているんですよ。こういう方々こそまず守ってさしあげるべきだし、実際に感染拡大のリスクが、御本人も受ける可能性があるし、うつしてしまうリスクも高い方々だと思うんですね。

 私も神奈川ですけれども、例えば神奈川の比較的東京なんかに出ないようなところに住んでいるお年寄りの方は、わざわざ大手町まで行くというのは逆にリスクを高めるんじゃないんですか。ちょっとこれはお考え直しされた方がいいと思いますし、やはり法律の趣旨を守っていただきたいと思います、二十八条。いかがですか。

河野国務大臣 御意見は御意見として承ります。

後藤(祐)委員 高齢者に限定してやるというところが、しかも、何で東京と大阪だけなんですか。これは、七月の都議選とかあるいは衆議院選向け対策ということじゃないんですか、河野大臣。

河野国務大臣 ありません。

後藤(祐)委員 是非法律の趣旨にのっとって、高齢者が駄目とは言いませんけれども、エッセンシャルワーカーの方もせめて大手町ですとか大阪でも接種可能にしていただきたいと思いますので、御検討をお願いしたいと思います。

 河野大臣、これで結構でございます。

 続きまして、日本学術会議について聞きたいと思いますが、今日、日本学術会議事務局長にお越しいただいておりますけれども、配付資料の九ページ目、先週、こういった学術会議としての、日本学術会議のより良い役割発揮に向けてというものが出されておりますが、確認です。

 ここに書いてあるように、現行の日本学術会議の設置形態は、ナショナルアカデミーの五要件を満たしており、その点では学術会議に期待される機能に適合しています、現在の国の機関としての形態は、日本学術会議がその役割を果たすのにふさわしいものであり、それを変更する積極的理由を見出すことは困難ですとありますが、この見解でよろしいですか、事務局長。

福井政府参考人 学術会議事務局でございます。

 先生がお配りいただきました資料のとおり、現行の日本学術会議の設置形態は、ナショナルアカデミーの五要件を満たしており、その点では日本学術会議に期待される機能に適合しているというのが現在の見解でございます。

 なお、学術会議、この報告の中で、今後もまたいろいろな検討をしていくということも述べております。

後藤(祐)委員 変更する積極的理由を見出すことは困難ということについてもよろしいですか。

福井政府参考人 現状、そのような結論でございます。

後藤(祐)委員 見解が違うということですか。今後検討であって、積極的理由を見出すことは困難とは必ずしも今の段階で言えないということですか。これは、だって、先週、学術会議が出したものですよ。事務局長として、変更する積極的理由を見出すことは困難ということでよろしいですね。

福井政府参考人 そのとおりでございます。

後藤(祐)委員 官房長官に伺いたいと思いますが、この学術会議の見解についてどのように受け止めますか。現行の設置形態を変更する積極的理由はないということでよろしいですか。

加藤国務大臣 まず、日本学術会議において、四月二十二日に日本学術会議のより良い役割発揮に向けてが取りまとめられ、同日、井上大臣に報告されたと承知をしております。

 報告書の中で、「今後の方向」の中に、ナショナルアカデミーとしての機能をよりよく発揮するための最善の設置形態がどのようなものであるかについては、本報告書の検討結果を踏まえつつ、更に検討を深めていく必要があると考えますという記述があるわけであります。

 そうしたことも含め、組織形態、望ましい日本学術会議の在り方については、この報告書を尊重しつつ、また、様々な御意見も頂戴しているわけでありますから、井上大臣が梶田会長と引き続きコミュニケーションを取りながら、未来志向で検討が進められていくものと承知をしております。

後藤(祐)委員 この学術会議としての見解を踏まえて検討を行うということでよろしいですか、政府としても。

加藤国務大臣 この報告書も尊重しつつでありますが、同様に、様々な御意見もいただいているわけでありますから、そういった御意見も踏まえながら、先ほど申し上げた、井上大臣のところで検討が行われていくものと承知をしております。

後藤(祐)委員 是非、この報告書を踏まえてやっていただきたいと思います。

 先日、この学術会議の会員に任命されなかった六人の方が、行政機関の保有する個人情報保護法に基づいて、任命拒否の理由ですとかその経緯について、自らの個人情報の開示請求というのをなさったと報道されておりますが、その事実関係と、これは、行政機関の保有する個人情報保護法第十四条に基づいて、開示しないとすれば十四条のいかなる号を理由に非開示とするのか、あるいは当然開示していただけるのか、お答えいただきたいと思います。

加藤国務大臣 行政機関においては、日々、行政機関個人情報保護法や情報公開法等に基づき様々な開示請求を受け付けており、開示請求が行われた場合には、当該法令にのっとり、請求に係る行政文書の特定をした上で、その行政文書に不開示情報が記載されているかなどを精査し、一定の期間内に開示等の決定を行うこととなっているところであります。

 その際、情報公開請求に係る不適切な対応がかつてありまして、それを踏まえ、総務省行政管理局から通知がなされておりますが、それにおいては、開示請求者や請求内容に関する情報等は、請求処理のために必要な範囲に限定して取り扱われるべきものであり、当該情報を知る必要のない者にまで情報提供、共有することのないよう留意することとされているため、個々の開示請求者等、その内容についてお答えすることは差し控えさせていただいているところであります。

 いずれにしても、請求がなされれば、その請求を受けた行政機関の長、あるいは権限又は事務の委任を受けた部局長等が、関係法令に基づいて、これは適切に対応していくこととなります。

後藤(祐)委員 これは単なる情報公開請求ではなくて、行政機関の保有する個人情報の開示ですから、自らの情報を開示してほしいということでございますので、これは先日のデジタル法案の審議の中でも、行政機関の保有する個人情報が適切に保有されているか、そもそもその情報が間違いである場合には直す権利というところもきちんと条文上あるわけですから、その前提としての自らの個人情報の開示請求でございますので、通常の情報公開法に基づく開示とは違うということも踏まえて、かつ、これは世の中、非常に関心の高いことでもありますので、開示するという方向で対応いただきたいと思います。

 それでは、官房長官と学術会議の事務局長、これで結構でございます。

 続きまして、緊急事態宣言、蔓延防止等重点措置を中心に西村大臣にお伺いしたいと思います。

 私、神奈川なんでございますが、現在、緊急事態宣言は、東京都、大阪、兵庫、京都もありますが、東京都全域です。神奈川県は、昨日までは、横浜、川崎、相模原市、政令市三市だけ。今日からは、私の住んでいる厚木市ですとか、六市ほど加わっております。

 その結果、例えば、この前の日曜日、東京都ではどの映画館もやっていません。ですが、川崎の映画館とか海老名の映画館はやっているわけです。もう人がごった返しているわけです。こういった現象が、要は、緊急事態宣言の発出した都府県のその隣の県で人が集中する現象が起きているんじゃないでしょうか。

西村国務大臣 お答え申し上げます。

 私ども、人流、人出のデータも取っておりますけれども、二十五日を、その一週間前の十八日と、十五時、昼の三時の時点で比較しますと、東京、大阪はすごく減っているわけでありますが、御指摘の、例えば、神奈川県横浜市にあるららぽーと横浜、映画館も入っておりますけれども、一週間前と比べて四%人出が増加しているということでありました。

 二十五日日曜日から開始ということで、周知が徹底していなかった面もあると思いますが、まさに東京都の方には、県をまたぐ、都から外に出ることは控えていただくように知事からも強く発信されていますし、私どもも発信をしているところであります。

 さらには、神奈川県始め周辺の三県においても、蔓延防止等重点措置に基づいて、例えば、映画館やショッピングセンターに対しても、営業時間短縮あるいは入場整理、こういったことの働きかけを徹底しているところであります。

 今後、周辺地域に人出が増加することのないよう、これらの一都三県、連携してもらいながら、また、私ども、連携して対応していきたいと考えておりますし、御指摘のように、人の流れ、人流のデータなど、よく分析をしていきたいというふうに考えております。

後藤(祐)委員 四月二十五日はいきなりだったので、えっ、という感じだったかもしれませんが、ゴールデンウィークに映画を見に行きたい、御家族で行きたい、あれ、よく調べたら東京で見られないじゃん、じゃ、川崎まで行こう、横浜まで行こうという方はこれから増えてくるんじゃないかと思いますよ。幾ら行かないでくれと言ったって、それは、映画館がやっていれば行きますよ。

 つまり、神奈川県にとっては、東京都だけが緊急事態宣言になったことによって逆に人が東京から来るようになってしまって、非常に迷惑しているんですよね。映画については今のとおりですけれども、では、お酒についてはどうなっているかということですが、お手元、配付資料、これは、私の地元の厚木市と、右斜め上が、愛甲石田、これは厚木市、赤い線から斜め下が、これは伊勢原市なんですが、今日から厚木市は蔓延防止等重点措置の対象となって、今日からお酒の提供ができません。伊勢原市はこの対象外で、お酒の提供ができます。つまり、この駅の周辺では、厚木市のお店ではお酒が一切飲めない、二十四時間。伊勢原市では、時間の制限はありますが、飲める。何が起きるかというと、東京から一番近いのは、この伊勢原だったり、あるいは藤沢だったりするわけですね。

 これは、今日から五月十一日まで、こういったところに飲みに来る方、増えてしまうんじゃないですか。つまり、感染拡大リスク、むしろ増えてしまうんじゃないんですか、いかがですか。

西村国務大臣 是非御理解いただきたいんですけれども、全国一律に同様の規制をしなければ、お願い、要請をしなければ、どこかで境目は生じます。ですから、そこでは、当然、あっち、向こう、越えれば規制が緩いとかということは起こり得ますので、これは全国一律に同様の、今申し上げたような酒類提供をやらない、カラオケ提供をやらない、私権の制約を伴う強い措置をやることはできませんので、どこかで境目は必ず生じます。

 ですので、このことを是非国民の皆様は御理解いただいて、御自身の地域が感染が広がっているから厳しい措置が取られているわけでありますので、またがって行くようなことは是非控えていただきたいと思いますし、これは、後藤委員のように発信力のある方がそういうふうに言われると、何だ、伊勢原に行けば飲めるじゃないかと、むしろそういうことをお示しをされているわけでありますので、そういう御指摘よりも、むしろ、御自身の地元の皆さんに、境目は行かないでくれ、感染が広がっているから徹底して感染対策に取り組んでくれという、そういう取組をまさに与野党を超えて一緒にやっていければというふうに考えております。

後藤(祐)委員 一都三県一律に前回と前々回の緊急事態宣言のときはやっていたんですよ。それは、神奈川県と静岡県の境目の熱海あたりが増えちゃうとか、それを全部言い出したら切りがないのは分かりますが、これまでは一都三県一遍にやっていたので、この問題というのは比較的少なかったんですが、特に蔓延防止等重点措置は市町村単位でやっているので、この問題がすごく起きるんです、いろいろなところで。

 蔓延防止等重点措置という運用がまさにこの問題をすごく引き起こしてしまうということを分かっておられて、今回、緊急事態宣言を東京だけにしたんですか。そこをちょっとお聞きしたいんです。

 やはり今回は、神奈川の数字、千葉、埼玉もですが、東京都ほどは、確かに新規感染者数などは若干少なかったと思いますが、むしろ感染拡大リスクを緊急事態宣言によってお隣が増やしてしまうというのは非常によろしくない。だから、今までも緊急事態宣言は一都三県はセットでという形でやっていたと思うんです。

 そこは、具体的な数字というよりは、こういう経済の一体性みたいなものを見て、一都三県を同時に、つまり、今回の緊急事態宣言は、東京だけではなくて、神奈川、千葉、埼玉も同時にやらなかったのはなぜですか。

西村国務大臣 その点、私ども、非常に苦慮したところであります。いろいろ考えましたし、それぞれの知事とも意見交換をさせていただきました。また、専門家の皆さんにも最終的に、お諮りして一致をして賛同いただき、御了解いただいたところであります。

 基本的に生活圏、経済圏一体に考えていく、御指摘のような点は私も基本に考えております。

 ただ、今回、東京の感染レベルも、実は、半分ぐらいは予防的な措置と言っていいと思うんですけれども、変異株が急速に広がるであろうから、感染者の数だけ見ればステージ4に入ってきているんですが、病床とか考えると、まだ全体として総合的にステージ4ではないけれども、大阪の状況を考えれば、東京は急速に広がるという中で、今回、緊急事態宣言措置を取らせていただきました。知事とも連携をさせていただきました。

 三県は、それよりも一段低いレベルで、御指摘のように今後上がってくることも当然想定をしておりますけれども、今のレベルはまだステージ3、2から3に行くかどうかのレベルで、それぞれの知事と話しても、何とか蔓延防止等重点措置で我々頑張っていくということも言われております。

 今日の御議論の中心になるかもしれませんけれども、まさに緊急事態宣言というのは非常に強い私権の制約を伴うものでありますので、これをどの範囲にかけていくかというのは私ども慎重に考えなきゃいけない面も、これは附帯決議でもいただいておりますので、そういったことを全体的に判断して、強い措置で抑えていきたい、その気持ちもあります。

 他方、私権の制約を伴う、そして生活圏をどう考えるか、こういったことを全体としてバランスを見ながら総合的に考えて、今は東京に緊急事態宣言措置を行い、そして周辺は、三県は蔓延防止等重点措置で同等の措置をやって、また県民、都民に呼びかけて移動を防いでいくという中で、何とかこのゴールデンウィーク、多くの皆さんに、この一都三県の皆さんはステイホームをしていただくということを強くお願いしながら対策を講じていくという判断をしたところでございます。

後藤(祐)委員 西村大臣は、蔓延防止等重点措置で神奈川、千葉、埼玉が本当に守れるとお考えですか。

西村国務大臣 まず、それぞれの地域にどういう措置を取り、やっていくのか、この権限は知事にあります。そして、基本的には知事がそれぞれの地域に責任を持っていただくというのが基本だと思いますが、知事と連携をして、私ども、様々な措置あるいは支援策、これを講じることによって、感染拡大、この十七日間、大型連休を機に抑えていきたいというふうに考えております。

 蔓延防止等重点措置につきましても、それぞれの知事と連携しながら、知事も悩んでおられます、どの範囲にかけていくのか。これも、飲食店の皆さんを始め、それぞれの事業者の皆さんに様々御負担をお願いすることになりますので、知事も悩みながらやっておられますけれども、その知事の悩み事も私も聞きながら、また、あるときには背中を押しながら、あるときには知事の思いをしっかり実現するために、そういった連携を取りながら、蔓延防止等重点措置を活用して、何とかこの感染を抑えていければというふうに考えているところであります。

後藤(祐)委員 去年四月の緊急事態宣言は今よりも全然数字が小さかったんですよ。実際利いたじゃないですか。最初だったからという面もあるかもしれませんけれども。

 知事から要請が来ていないから、あるいは知事の権限だからと、それはそうですが、西村大臣の御見解としてどうですか。本当に緊急事態宣言を出さないで、蔓延で守れますか。大阪はそれで失敗したじゃないですか。大阪は今、重症者用のベッドは一〇〇%じゃないですか。神奈川、千葉、埼玉は、大阪と同じ道を、目の前で失敗しているのに歩もうとしているんですよ。本当にそれで守れると西村大臣としてお考えですか。

西村国務大臣 私は、今の状況、埼玉、千葉、神奈川共に、蔓延防止等重点措置を講じて、そして県民の皆さんもそれぞれの立場で努力をされて、今何とか踏ん張って、感染がじわじわ増えていますが、急拡大にならずになっている、変異株が増えてくる中でも事業者の皆さんも御協力いただいて対応してくれている、こういった状況だと思います。

 蔓延防止等重点措置、特に川口とか浦安とか、感染の高いところ、川崎、横浜、こういったところに重点を当てた措置、これは緊急事態宣言と同等の厳しい措置をお願いをしていますので、先ほど申し上げたように、私権の制約を伴う最も強い緊急事態宣言ということには慎重であらなければならないということも踏まえて、この蔓延防止等重点措置を活用して、範囲を広げたわけでありますし、何とか抑えていければと、知事と連携して全力を挙げていきたいと考えております。

後藤(祐)委員 全く自信のない発言ですね。何とかできればって、そんな運を天に任すような発言をされても困りますよ、神奈川県民としては。神奈川県知事に対して、本当に緊急事態宣言を出さなくて大丈夫かと背中を押したんですか、さっきおっしゃったように。是非そこは、国の方からむしろ出さなくて大丈夫かということを言うべきだったと思いますよ。

 さて、この緊急事態宣言の対象地域における休業要請の対象施設についてお伺いしたいと思いますが、配付資料の二ページ目に、これは東京都のケースですが、大阪、兵庫、京都も同じです。

 これは、特措法の施行令第十一条の中で号が指定されているんですが、この四号、七号、九号、十号、十一号、十二号について休業要請がされているわけでありますが、これら全てについて、クラスター発生ですとか直接的な感染拡大の事実が確認されている施設というのはどれだけあるんでしょうか。網羅的に挙げてください。

西村国務大臣 幾つか象徴的なことを、できる限り網羅的にという御指摘でありますので申し上げたいと思いますが、四号の演劇場などでは、これまで、一月以降で見ましても四件、それから、商業施設、デパート、スーパーなどで七件、九号、運動施設などでは十七件、それから、博物館など十号では一件、十一号は、これはもう多数出ております。それから、十二号も理髪店等で五件出ております。

 いずれにしましても、それぞれの施設でクラスターが発生を確認しているところであります。

後藤(祐)委員 例えば、先ほどの博物館等、第十号は一件しか出ていないわけですよね。ですが、こういったところというのは、相当対策を取られて、しかも公的なところなんかも多いと思うんですけれども、こういったものは相当慎重にやるべきじゃないですか。

 商業施設で七件というのは、百貨店とかショッピングセンターで実際に出ているんですか。そこでクラスターになったという事例があるんですか。

西村国務大臣 百貨店でもクラスター発生が確認されております。スーパー、スーパーですからショッピングセンターの中に入っているスーパーなのかどうかはちょっと今手元にありませんけれども、確認されております。

 それで、御理解いただきたいのは、この間、私どももスーパーコンピューター「富岳」を使ったりデータの分析などもしながら、それぞれの業態、業界のいわゆる感染防止策、ガイドラインを進化をさせてまいりましたので、それぞれの施設で取組を強化されて、感染は非常に低く抑えられてきています。クラスターの発生も、以前に比べれば減少しているところも数多くあります。

 そういう意味で、業界の皆さんが取り組んでおられることを、本当に改めて敬意を表したい、感謝申し上げたいというふうに思いますけれども、ただ、御理解いただきたいのは、今の変異株による感染拡大、もう既に東京は七百人、八百人のレベル、関西圏はそれを上回る、大阪は千百人、千二百人のレベルであります。感染レベルがここまで達したこと、それから、この変異株がこれまで以上に感染力が強い、先ほど脇田所長もありましたけれども、一・三二倍の強さがある、感染していなかった人でも感染しているということでありますし、そうした中で、クラスターが多様化し、また感染経路不明が東京、大阪共に六割を超えてきております。つまり、どこで感染したか分からない人が増えている。

 こういった状況の中で、感染防止策を徹底されてきた、クラスターの発生を抑えられてきたそうした業態、業種であっても、今回は、人の流れを減らし、人と人との接触を避ける、そのための対策をお願いせざるを得ない。そういう状況にあるということを御理解いただいて、今回、この大型連休という機を捉えて、十七日間集中的に、多くの皆さんには御不便をかけますけれども、是非自粛をしていただいて、この期間に抑えていきたい。そういう趣旨で、今回、緊急事態宣言、休業要請をさせていただいているところであります。

後藤(祐)委員 この自転車屋、本屋とか物すごい違和感があるんですけれども、この内訳というレベルでそれぞれクラスターが何件出ているかの資料を提出いただくようお取り計らいください、委員長。

木原委員長 理事会にて協議をいたします。

後藤(祐)委員 それにしても、百貨店に対する支援措置二十万円というのは余りにひどくないですか、一日二十万円。

 蔓防のときの大企業、飲食店、これが二十万だからということかもしれませんが、百貨店は一日で売上げ一千万という単位のお店がいっぱいあるわけですよ。それに対して二十万って、ばかにするなって額ですよね。私、経済産業省流通産業課課長補佐をやっていた人間なんですけれども、これはちょっと幾ら何でもひどいのではないかと思いますけれども。

 特に、テナントなんかは別法人だったりします。そこに対してプラスアルファのお金を出すとかいうお話も伺っていますが、百貨店単体で見たときに、幾ら何でもこの二十万円というのはひどくて、特措法の附帯決議でも、要請による経営への影響の度合い等を勘案し、必要な支援となるよう努めることとなっているんですよ。

 これはちょっと、ちょっとというか、かなり桁の違う積み増しが必要じゃないですか。

西村国務大臣 支援は協力金だけではございませんで、もう釈迦に説法でありますけれども、雇用調整助成金は一人一日一万五千円まで、パート、アルバイトの方、あるいはシフト減も含めて一〇〇%国が支援をいたします。その意味で、百貨店、一店舗で五百人とか千人とかおられると思いますけれども、休まれると、仮に五百人休まれるとして、休業手当、国から一日最大七百五十万円の支援があります。これが、十七日間ということであれば、当然一億の単位の支援になってまいります。

 その上で、百貨店、大体数千億円から一兆円規模の企業でありますので、こうした大企業に対して国民の税金を使ってどこまで支援をするかというのは、これはいろいろ議論があると思います。その意味で、雇用調整助成金で億単位の支援を行って雇用をしっかり守るということを行いながら、今回、一店舗当たりの協力金二十万円、そして中に入っているテナントは一店当たり一日二万円の支援を行うということを決めたところでございます。

 いずれにしても、百貨店にとっては、もちろん全額支援ということではありませんけれども、大企業なりの体力、こうしたものもお持ちだと思いますので、何とかこうした支援は活用していただきながら要請に応じていただければというふうに考えているところであります。

後藤(祐)委員 百貨店、いけにえですからね。人流を増やすからやめてくれというところが大きいわけですから、是非そこはもう一段の支援をお願いしたいと思います。

 最後に、この前、金曜日もやりましたけれども、食事ではなく飲酒を中心としているバーみたいなところに対して、お酒を提供することはできません、だけれどもお酒を提供しない形でお店をやることはできますというのは、それはへ理屈であって、事実上の休業要請じゃないですか。なぜこれは法律上できるんですか、大臣。

西村国務大臣 まず、緊急事態宣言の下では、四十五条で休業要請ができます。

 御指摘は、恐らく蔓延防止等重点措置における話だと思いますけれども、私ども、様々検討、詰めた上で、酒類提供、カラオケ設備の提供を止めていただくということを要請をさせていただいておりまして、休業の要請は行っていないわけであります。

 営業時間の変更を超えた休業要請を行えないということを私も答弁させていただいておりますし、そう解釈して進めておりますので、私どもとして、営業時間の変更よりも私権制約の程度は低いという判断をさせていただいております。

 ノンアルコールなどを提供して営業を続けておられるお店もありますし、私どもとして、是非要請に応じていただければというふうに考えております。

後藤(祐)委員 三ページに、二月一日のときの西村大臣の答弁、休業要請は蔓防ではできないという答弁、そして八ページが、今回の根拠となっている厚生労働省の告示を示させていただきましたが、これは、板とかを置いたりとか、そういう工夫をしてくださいという告示に、酒を出すなというのを加えているんですよ。めちゃくちゃですよ、これ。

木原委員長 そろそろ終わりますか。時間が来ておりますので。

後藤(祐)委員 これはもう脱法行為だということを申し上げて、終わります。

 ありがとうございました。

木原委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 最初に、加藤官房長官にお尋ねをいたします。

 四月二十五日投票の三つの国政補欠選挙、再選挙は、北海道二区の不戦敗を含め、政権与党が全敗という結果でありました。

 菅総理は、一昨日の記者会見で、国民の皆さんの審判を謙虚に受け止め、正すべき点はしっかり正していきたいと述べておりましたが、この正すべき点とは何なのか。官房長官、お答えください。

加藤国務大臣 総理が、投開票翌日、ぶら下がりをさせていただいて、昨日の選挙について、国民の皆さんの審判を謙虚に受け止め、更に分析をした上で、正すべき点はしっかり正していきたい、こういうふうに述べられたところであります。

 まさにこれから、分析の結果を踏まえ、真摯に必要な対応を図っていきたいと考えておりますけれども、その際のやり取りの中でも、例えば、記者の方から、政治と金の問題が焦点となる中で云々というお話があって、いろいろな指摘もいただいておりますから、そうしたことについても重く受け止めたい、こう申し上げておられます。

 現時点で、報道によれば、有権者の関心事項として、例えば、新型コロナ対策、経済、雇用、政治資金などが挙げられているところであり、新型コロナ対策については、もう内容は細かく申し上げませんけれども、現在緊急事態宣言も発出をしているところであり、この感染拡大をしっかり抑えるとともに、ワクチン接種等を、申し上げている形で、円滑に、そして一日も早く接種できるよう取り組んでいきたいと思っております。

 また、経済、雇用においても、この新型コロナで大きな影響を受けた方々もおられます。様々な対策を講じることで、雇用と事業、暮らし、これをしっかり守っていきたいと考えております。

 また、政治資金の取扱い、これは政府ということにはなりませんが、政治家としては、その責任を自覚して、法律にのっとって適切に処理をしていくこと、国民に不信を持たれないよう常に襟を正していく必要があるというふうに考えているところであります。

塩川委員 お話の中にも、政治と金という質問に対して、いろいろな指摘も受け止めたいと、今、総理の紹介もありました。有権者の関心であるコロナの問題や経済の問題の点もありました。

 自民党の世耕弘成参議院幹事長が、広島選挙区再選挙の敗因について、政治と金の問題が頻発しているにもかかわらず、十分な説明責任を果たせていない、改革案を打とうとしているふうに見えないと受け取られたのではないかと言っておりましたが、これは官房長官も同様の認識ということでよろしいでしょうか。

加藤国務大臣 党としてという世耕参議院幹事長のお話でありまして、党としてということに対して私の立場で申し上げるのは差し控えたいというふうに思いますけれども、先ほど申し上げたように、マスコミ等の取り上げているこの選挙における関心事項としては、政治と金、あるいは政治資金、こういった問題があったことは認識をしているところであります。

塩川委員 国民は、吉川元農水大臣の贈収賄事件や河井選挙買収事件、特に、自民党からの一億五千万の資金の提供、そのうち一億二千万円が政党助成金であることなど、政権与党の政治と金の問題を正すべき点としたということは認めざるを得ないところだと思います。

 現金を配って公選法違反が問われている菅原一秀元経産大臣も、本人は説明すると言っていたのに何も説明しておりません。アキタフーズの顧問であり内閣官房参与だった西川公也元農水大臣も、贈収賄事件への関与など何も説明しておりません。

 これでいいのかという問題で、元大臣や元内閣官房参与など、政府の要職を務めた政治家が全く説明責任を果たしていないことが問われているんじゃないでしょうか。

加藤国務大臣 あくまでもここは政府としてであり、私は政府としての役職しか持っておりませんので、答弁にはそういった意味で限界がありますが、ただ、政治家として、先ほど申し上げたその責任を自覚し、法律にのっとって政治資金に対しては適正に処理をすること、また、国民に不信が持たれないよう政治家として常に襟を正し、そして必要な説明責任を果たしていくこと、このことは大事だというふうに考えております。

塩川委員 政権与党自民党のこの政治と金の問題の体質が問われたということを申し上げておきます。

 官房長官、ここまでで結構です。

 今、官房長官にもありましたけれども、一昨日の記者会見で菅総理は、高齢者のワクチン接種についても触れました。やはり選挙の結果というのが、政府のコロナ対策への批判も大きかったということを受け止めざるを得ないということとしてお聞きしたところです。

 河野大臣にお尋ねします。

 菅総理は一昨日の会見で、七月末を念頭に、高齢者の皆さん希望する方全員に二回目のワクチン接種、終えるように、政府としては挙げて取り組んでいきたいと述べておられましたが、七月末までに希望する高齢者へのワクチン接種が終わる、これはどんな工程表を考えて発言をされたのか、御説明いただけますか。

河野国務大臣 変異株が急速に拡大している中で、ワクチン接種というのは非常に大事だと思います。自治体がやっているワクチン接種を国としても最大限支援して、できれば七月末までに高齢者に接種をしていただきたい、そういうことでございます。

塩川委員 七月末までに希望する高齢者の方へのワクチン接種が終わるという段取りはどんなふうになっているんですか。自治体の取組を国として支援するということですけれども、自治体の方はどうなっているのか。

河野国務大臣 自治体それぞれ接種体制を組んでいただいておりますので、更にそれの強化をするために、必要な支援を国としても支えていきたいと考えております。

塩川委員 この自治体の接種計画、先日の本会議の質問で、このワクチン接種の問題、質問がありまして、河野大臣は、高齢者接種の際には、政府から自治体に対して、二か月と三週間で接種計画を作成いただくようにお願いをしてきたと述べておられます。

 この自治体の接種計画がどうなっているのかというのは把握をしておられますか。

河野国務大臣 これは、厚労省、総務省で日々把握に努めているところでございます。

塩川委員 高齢者の接種を七月末までに終えるという計画はどの程度あるんでしょうか。

河野国務大臣 それの把握に努めているところでございます。

塩川委員 七月末までに終えますという計画を持っている自治体がどれだけあるかというのはまだ把握をしていないということですね。

河野国務大臣 検討中のところもございますし、スピードアップを図っているところもございます。

塩川委員 総理が七月末と言った根拠は何かを確認したいんですが。

河野国務大臣 先ほど申し上げましたように、変異株が急速に拡大している中で、なるべく早く、一人でも多くの希望する方にワクチン接種をしていただくのが非常に重要だということでございます。

塩川委員 河野大臣の本会議の答弁で、これもずっと述べておられることですけれども、自治体において二か月と三週間で接種計画を作成していただくようにお願いしてきたということですけれども、この二か月と三週間の考え方ですよね。一回目と二回目があって、三週間ずらすから、その三週間という部分は分かるんですけれども、二か月で六十五歳以上の高齢者の方を終えるという、その二か月という期間の設定というのはどういう根拠で示されているんでしょうか。

河野国務大臣 自治体の方から何らかの目安が必要だということで二か月ということ、それに、三週間ずれて二回目が始まりますので、二か月と三週間ということでございます。

塩川委員 自治体の方から何らかの目安が欲しいということで二か月と答えたということですけれども、その二か月の根拠は何ですか。

河野国務大臣 厚労省に確認します。

塩川委員 ですから、自治体によっては、甲府市の事例のことなども紹介されていましたけれども、六月末とか、いろいろそれぞれの自治体の事情で考えておられるところになっています。

 その点では、国がやることは自治体の接種計画をしっかりサポートをすることだ、そういうことになりますよね。

河野国務大臣 最初からそう申し上げております。

塩川委員 ですから、そうしますと、菅総理の七月末というのはかえって自治体を混乱させているんじゃないですか。

河野国務大臣 そんなことはございません。

塩川委員 だって、前倒しをするという話になれば、当然いろいろな問題も出てくる。そういうことについては、現場の話というのは受け止めておられませんか。

河野国務大臣 再三申し上げておりますように、変異株が急速に拡大している中でワクチン接種を前倒しをするというのは、これは国民全体の願いではないでしょうか。

塩川委員 その際に、高齢者の接種に先んじて医療関係者への接種を進めていますけれども、医療関係者の方への接種をいつまでに終えるか、その点についてはどうなっていますか。

河野国務大臣 五月十日には、医療関係者、二回接種していただける分のワクチンの配送を五月十日の週には終わりますので、あとは都道府県が、コロナの治療に当たっている医療従事者あるいはワクチン接種に当たる医療従事者を優先して、今配付して、現地で接種していただいているところです。

塩川委員 供給の話はそういうことで、五月十日に必要な量ということですけれども、実際に医療関係者の方が接種を終える、そういう目安、総理でいえば高齢者の方は七月末と言っていたようなことを、医療関係者についてはどういうふうにお考えでしょうか。

河野国務大臣 鳥取県のように、ワクチン接種に当たる医療従事者の接種が終わったとおっしゃっているところもありますし、様々、都道府県が計画を立てて実行していただいております。

塩川委員 医療関係者の方のお話をお聞きする中で、二回目の接種を終えた職員の方の半数以上に副反応があったという話もございました。発熱など体調不良で休むと年次有給休暇で休んでくれとか、点滴が必要だったのに点滴費用を請求されたとかという話もあります。こういった実態は御存じでしょうか。

 医療従事者の方にこういう形での自己責任を求めるようなやり方はふさわしくないと思いますが、その点についてのお考えをお聞かせください。

河野国務大臣 医療従事者であっても、ワクチン接種は自ら決めて打たれていると承知しております。

塩川委員 医療関係者がまさにワクチン接種に従事をするということを公的な仕事として行うときに、こういった負担について自己責任というのはおかしいんじゃないかと思うんですが、いかがですか。

河野国務大臣 おっしゃっている意味がよく分かりません。

塩川委員 公的な責任としてやっていることを、自己責任を押しつけるのはおかしいじゃないかということですよ。

河野国務大臣 ワクチンの接種は、何度も繰り返しますが、自己の判断で、希望する方に打っていただいております。

塩川委員 医療関係者の方がワクチン接種をしっかりやるということが高齢者の方の接種にもつながっていくという点では、まさに公の役割を果たしておられる医療関係者の方に負担を求めるようなやり方はおかしいということははっきりしているんじゃないでしょうか。

 やはり、今後、高齢者の方の接種で副反応なども一層懸念されます。ワクチンの安全性や副反応などについての丁寧な説明や、アナフィラキシーショックなど副反応時の適切な医療体制を整えることが必要だと思います。その点について取組を教えてもらえますか。

河野国務大臣 接種会場で当然にやっております。

塩川委員 必ずしも現場で整っていないという声も聞きますので、そういう点についての適切な対応を求めていきたいと思います。

 河野大臣、ここまでで結構です。

 西村大臣にお尋ねします。

 先ほど後藤さんも質問された点ですけれども、政府は、蔓延防止等重点措置区域において、飲食店に対して、緊急事態措置の実施期間における酒類提供の停止の要請を行っています。

 政府は、蔓延防止等重点措置については営業時間の変更があるが、これよりは私権制限の程度は小さなものということが必要だ、酒類提供の停止については、営業時間の変更に比較をすると私権制限の程度は小さいという答弁を、この前、後藤さんの質問に対して行っております。

 しかし、居酒屋、バーのような酒類提供の店の場合に、酒類提供の停止の要請は休業と同等の措置になります。営業時間の変更より私権制限の程度が重いのではないですか。

西村国務大臣 法律上は、もう御存じのとおり、政令において、感染防止のために必要な措置として厚生労働大臣が定めて公示するものというふうに規定をされております。この公示を、改正をいたしまして、酒類の提供の停止などを規定したところであります。

 まさに、この告示に追加して規定できる措置については、法律に規定しております営業時間の変更より私権制限の程度は小さなものであることが必要、これは私も答弁をしてまいりましたし、この考えの下で検討を重ねてまいりました。

 今回規定をいたしました酒類提供の停止、これにつきましては、営業そのものを制限するのではなく営業のやり方に関する規制であるということで、先ほども申し上げましたけれども、ノンアルコールを出されて営業を続けておられる店舗もございます。そういう観点から、営業のやり方に関する規制ということで、私ども、対応可能だというふうに判断をして、今回、このような対応を取らせていただきました。

塩川委員 でも、それは納得を得られないんじゃないでしょうか。やはり、お酒を提供することで様々な料理も食べてもらう、まさにお酒があることで商売が成り立っているという居酒屋などについて言えば、まさに、酒の提供をやめてくれということは、もう実質上休業を要請するのと同じことだ。それが時短よりも軽いというのは、これはどう考えても理解を得られないんじゃないでしょうか。もう一回。

西村国務大臣 繰り返しになりますけれども、酒類の提供をやめていただくということは、営業そのものを制限するということではなく、営業のやり方に関する規制というふうに整理をいたしまして、私ども、このようなやり方で対応させていただいております。

 と同時に、支援策も用意をしておりますので、支援策も活用いただいて、工夫をしていただきながらでありますが、先ほど申し上げたノンアルコールの提供など、工夫をしていただきながら営業を続けていただくことも可能でありますし、是非、支援策を活用して要請に応じていただければというふうに思います。

塩川委員 法律の執行という手続として、こういうやり方はおかしいということを申し上げなければいけませんし、法律ではなく厚労省の告示で、それを新たに追加する形で実質休業要請となるような重い私権制限をかけるというのは、そもそも法を逸脱する行為ではありませんか。

西村国務大臣 この法律上の、法のたてつけと申しますか、政令において、感染防止のために必要な措置として厚生労働大臣が定めて公示するものというふうに規定をされておりますので、法律の規定にのっとって私ども対応させていただいておりますし、営業そのものを制限するのではなく、営業のやり方に関する要請ということであります。

 もちろん、多くの店舗の皆さんには御迷惑をおかけしますけれども、支援策もありますので、是非要請に応じていただければというふうに思います。

塩川委員 居酒屋、バーの経営者の方にそういうことが言えるのかということを申し上げておきたい。こういうことは許されないということを申し上げ、支援策の話について言うと、一方で、蔓延防止等重点措置区域における飲食店の時短要請に対する協力金と、緊急事態措置を実施すべき地域における飲食店の休業要請に対する協力金が同じというのは納得いかないんですが。

梶尾政府参考人 飲食店に対する協力金につきましては、与野党の様々な御議論などを踏まえまして、先般、事業規模に応じた支援、売上高の減少額に応じて月額換算最大六百万円の支援を行うなどの事業規模に応じた支援となるような見直しを行ったところでございます。

 今般の緊急事態措置区域におきまして、休業要請あるいは二十時までの時短要請に応じていただいた飲食店に対しては規模別の協力金で支援するということで、酒類又はカラオケ設備を提供する飲食店については休業要請、あるいは、酒類又はカラオケ設備を提供せず二十時までの時短要請に応じていただいた場合に協力金の支援の対象、また、酒類及びカラオケ設備のいずれも提供していない飲食店については二十時までの時短要請に応じていただいた場合に協力金の支援対象になります。

 また、蔓延防止等重点措置区域において、飲食店に対しまして、酒類提供の禁止やカラオケ設備使用の停止を要請しているところでございまして、二十時までの時短要請に応じていただいた場合には、同様に、月額換算の飲食店向け規模別協力金の対象になるということでございます。また、加えて、雇用調整助成金等の対象ということでございます。

塩川委員 時短要請と休業要請、要するに、違うのに協力金が同じというのは改めるべきだ、しっかりとした、事業規模に応じた、経営を支えられるような支援策を取れということを求めて、質問を終わります。

木原委員長 次に、柚木道義君。

柚木委員 立憲民主党・無所属の柚木道義でございます。質疑機会をいただき、ありがとうございます。

 質問の順番をちょっと変えまして、公安委員長、済みません、参議院から来ていただいて恐縮ですが、ちょっと先にワクチン接種の方から質問させていただいて、その後、終わったら退席していただきますので、よろしくお願いいたします。

 河野大臣、今日も既に質疑がありますが、五月の二十四日から、都内、大手町ですか、それから大阪、大規模接種、一日一万人を想定して、総理からも指示が出て準備が進められるということでございます。

 冒頭一つ伺いたいのは、後藤委員も、医療従事者への優先接種、関係、エッセンシャルワーカーの、法律に基づいて、しっかり法を守ってほしいとありましたが、私も全くそのとおりだと思っています。従事者の皆さんの健康を守るということが、まさに、接種のときにも、その対象者の方々の感染拡大を防ぐという意味でも、まさにこの大規模接種をやるのであればなおさら、とりわけこの大規模接種に従事される自衛隊の医官、看護官、あるいは民間からも想定されているということですから、まずそういった方々には当然、既に全員ワクチン接種が終わっている、あるいは五月の二十四日までには全員が終わる、こういうことでよろしいでしょうか。

椎葉政府参考人 お答えさせていただきます。

 自衛隊の医官や看護官等の医療従事者のうち、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を受けている者は、現在のところ一部にとどまっているところでございます。一回接種が約四割、二回接種が約三割でございます。

 大規模接種センターの運営に関わる医師、看護師及びその他の職員のうち、まだワクチンの接種を受けていない者の接種につきましては、ワクチンの供給状況等を踏まえつつ、できる限りセンターの開業までに、少なくとも一回のワクチン接種を受けられるよう、関係機関と調整してまいります。

柚木委員 もう当然、医療従事者、とりわけこの大規模接種、一日一万人、一時間千人ぐらいが出入りするということですよね。もちろん感染拡大防止の様々な対策をするといえども、大変なリスクが生ずるわけでございますので、是非お願いをします。

 河野大臣、現実的な問題として、なかなかこの大手町に、東京都民の近い方はまだしも、対象となるのが神奈川、埼玉、千葉、この方々がこの大手町に、本来無料で受けられる接種も、交通費は自己負担でしょう。本当にやってきて接種を受けられるんですか。私、本当にこれは現実的なのかなと非常に、ちょっと疑問に思うんですが、大臣も本当に、一都三県、一日一万人、六十五歳高齢者の方々がやってきて、もちろん医療従事者も対象にしていただきたいんですけれども、本当に一日一万人の接種が実現される、そういうふうにお考えになられますか。その根拠も併せてお答えください。

河野国務大臣 今、関係省庁で詰めているところでございます。

柚木委員 実際にこの大規模接種会場でこれだけの、一日一万人、毎時千人ぐらいというふうに聞いていますけれども、そうすると、東京、そして大阪で同様にやれば、当然のことながら、このワクチンの供給については、大臣も需要に応じて供給するとおっしゃっているわけですから、いわば大都市圏といわゆる地方とのワクチン接種格差は必然的に生じます。これに対してどう対応する、あるいはどうお考えになられていますか。

河野国務大臣 ファイザー社のワクチンについては、自治体に必要に応じて供給をしてまいります。モデルナあるいはアストラゼネカという新しいワクチンが追加で承認をされたときに、現在、ファイザーを打つ体制を取っている自治体のルートに、マイナス七十度とマイナス二十度あるいは冷蔵といった温度の違い、三週間間隔で二回接種あるいは四週間間隔で二回接種という、全く違うワクチンを同じルートに流せば、これは混乱をするわけですから、別ルートをつくらざるを得ないわけでございます。

 この大規模接種もその新しいワクチンのルートで考えておりますので、それは需要に応じて各自治体には当然に今後も供給は続けられます。

柚木委員 半分ぐらいお答えになったんですが、格差が生じた場合のその考え、対応というのは余り明言されませんでしたが、なおかつ、ファイザー社以外のモデルナ、アストラゼネカ、承認というのが前提というお話ですから、まだ非常に私は不透明だと言わざるを得ないんですね。

 この問題だけやっているわけにはいきませんから、私、菅総理が、七月中に高齢者二回接種完了する、こうおっしゃられたわけですが、我々野党ヒアリングにおいても、自治体の中では、非常に報道を見て驚いた、全ての高齢者にワクチン接種を終えるのは、これは山梨県甲府市の方ですが、九月頃の見込みで、医療従事者への接種次第では更にずれ込むということを述べられておられるわけです。

 私も、確かに、人口が少ないところは、大臣もおっしゃっていますけれども、可能なところもあるのかもしれませんが、十万人以上ぐらいの規模になってくると、菅首相のおっしゃっている七月末まで高齢者二回接種というのは非常に困難なのではないかと思いますし、大臣もそういう御見解をお持ちだとも仄聞するわけですが、自治体によっては、菅首相が言われる高齢者二回接種が七月中に完了というのがずれ込む可能性がある、そういう理解でよろしいですか。

河野国務大臣 これだけ変異株が急速に拡大をしている中で、希望される方に一人でも多く、一日でも早く打っていただくというのは、これはもう国民全体の願いだと思います。

 菅総理は、そうしたことを念頭に置いて、七月末までに高齢者が二回接種、それぞれの自治体で終えることを念頭に、国として必要なサポートをしっかりやっていくというふうにおっしゃっておりますので、国として今、できることをしっかりとリストアップして、それを実現すべく努力しているところでございます。

柚木委員 願いは私どもも同様ですが、実現できるかどうかが別問題ということで、高齢者二回接種を七月中に完了できることを、今、念頭に菅首相がおっしゃったと、河野大臣、率直におっしゃられたと思うんですが、つまり、七月中に完了はずれ込む可能性はある、そういうことを想定して、今まさに、ワクチンは供給確保できても人手が確保できなくて接種が遅れることも想定されますので、七月中完了はずれ込むことも想定して準備を進めているという認識でよろしいですか。

河野国務大臣 何で委員がそういうふうに取りたがるのかよく分かりませんけれども、一日でも早く、一人でも多くの方がワクチン接種をしたいというのは、これは国民全体の願いだと思います。ですから、七月末までに高齢者が二回接種できるように、そういうことを念頭に自治体をサポートしていくと総理がおっしゃっているのであって、今そのとおりのことをやろうとしているわけでございます。

柚木委員 大臣、ちょっと、自治体の声ですから、私がそう言いたいんじゃなくて、自治体から声が上がっているんですよ、私の地元も含めて。だから代弁しているんです、ここで。自治体が、今のままでは接種計画が進まないんです。だからここで代弁しているんです。是非御認識ください。

 じゃ、菅首相がおっしゃっている、七月、二回、高齢者接種完了するための、まさにそのワクチン接種に必要な人員の確保、これは歯医者さんも含めて加わるということですが、実際、ちゃんと七月末完了で見通しが立っているんですか。ちゃんとそういう計画が立っているんですか。いかがですか。

河野国務大臣 そういう計画が立っているなら更にスピードアップをしていきたいというふうに考えております。

 総理がおっしゃるように、まず七月末までに二回接種ができるようにしっかりと自治体をサポートしてまいりたいと思います。

柚木委員 そういう計画が立っていないことを今認められたわけですから、そうすると、非常に、次の質問に移りますが、これはオリンピックに一万人、医療従事者を動員している場合じゃないでしょう。

 大阪、救急医療、何時間待たされているんですか。人が亡くなっているじゃないですか。派遣しているじゃないですか。丸川大臣と小池都知事が内輪もめしている場合じゃないですよ。

 今日は五輪の組織委員会の関係も通告していますから伺いますけれども、看護師約五百人を原則五日以上要請、日本看護協会にですね、これは事実ですか。それからもう一点、オリンピックに、入国する選手、コーチ、関係者、毎日PCR検査実施とか、本当に一万人の方々を要請するとすれば、これは毎日お医者さんが三百人とか、看護師さん四、五百人とか必要になるということですが、これも、実際、このタイミングでそれぞれ要請しているという事実関係、確認したいんですけれども、いかがですか。

河村政府参考人 お答えいたします。

 まず、御指摘の報道についてでありますが、組織委員会が四月九日付で日本看護協会宛てに発出いたしました文書におきまして、お一人五日程度の参画を前提に、大会期間を通じてトータル五百人程度の看護師の方々に協力を依頼したと承知しております。

 現在、組織委員会においては、御指摘の日本看護協会を含め、選手のコンディションに日頃から精通しておられるスポーツドクター等が所属する国内競技団体や大会協力病院等の関係団体に丁寧に説明をしながら御協力を求めているところであります。

 その中で、安全、安心な東京大会の実現に向けて、医療スタッフの皆様に御協力いただくに当たり、地域の医療体制に支障が生じさせないことは極めて重要であると心得ております。東京都や組織委員会と緊密に連携し、準備を進めてまいります。

 検査についてお尋ねがございました。

 選手を対象に原則毎日検査を実施することを含め、安全、安心な大会を開催するための方策として、現在検討を進めているところであります。

柚木委員 組織委員会の武藤事務総長がおっしゃられたんですかね、地域の医療体制に悪影響を与えない。これは丸川五輪担当大臣もおっしゃっていますね。与えているじゃないですか、既に。何で五百人、足りなくなって要請したんですか。コロナ対応で無理だから、計画が狂ったからじゃないですか。与えているんですよ、既に。

 河野大臣、これが現実です。ワクチン接種も含めて、人材の確保、追いついていませんよね、計画立たないぐらいですから。是非、ワクチンの担当大臣として、人員確保が、五輪への確保も、そっちに行っちゃえば当然ワクチンの接種も含めて影響を受けるわけです、救急医療も含めて。

 そんなことになってしまうのであれば、是非、五輪の所管ではなくても、ワクチンの、まさに菅内閣の命運を本当に担っておられる担当大臣として、ワクチン接種も含めて医療人材が五輪に取られたりして確保できないのであれば、まして七月に次の波が来るとも言われている、ここはもう本当に影響が出ていますから、地域医療に。五輪の中止、再延期、こういったことを、ワクチンをしっかり確保する上でも、菅首相に進言していただけませんか、いかがですか。

河野国務大臣 所管外でございます。

柚木委員 これは是非、所管外とおっしゃられずに、これは国民の七割、八割が、まさに今、緊急事態宣言、これだけまた再発令されて、事業者も困り、失業者も増え、本当に皆さんの声ですよね。おまけに、五輪でまた感染大拡大したらどうされるんですか。次の首相候補の本当に筆頭と言われている河野大臣が、まさにこの今の五輪の再延期、中止、こういった声を代弁していただければ、国民の支持は圧倒的に集まるんじゃないんですか。

 河野大臣、国民の声、五輪の中止、再延期、菅首相に是非進言いただけませんか、いかがですか。

河野国務大臣 所管外でございます。

柚木委員 これは河野大臣にかかわらず、この後、西村大臣にも伺いますけれども、五輪のことは、もうこのタイミングで地域医療に実際に悪影響が出ていますから、こういう要請を受けて。大阪も大変な状況ですから。今日の大阪はあしたの東京ですよね。東京も早晩そういう状況になりかねませんので。五輪の問題も、この連休中にも、今日、五者協議ですか、御判断をいただくようにお願い申し上げたいと思います。

 西村大臣に伺います。

 今、今日議論も出ていますが、休業要請で非常に、これから連休にも入って一番の稼ぎどきで、様々な事業者、飲食店、百貨店、苦慮されています。

 そこで、まず伺いたいのは、この間も非常に指摘をされていますが、百貨店への補償が一日二十万円ということですが、私もスキームはやはり、我々もずっと提案をしてきた、事業者規模に応じて補償をしっかりしてほしいということで、まさに蔓延防止措置の施行以降そういう体制になって、私の手元にもそのスキームがあるわけですけれども、大企業の場合、一日当たりの売上高の減少額掛ける四割、固定費を支援するということも含めたスキームで、私はこれはこれでいいと思うんですが、これを援用して、時間もないし、二十三日に決めて二十五日から発令と。上限二十万、二十万の上限というのは、やはり余りにも現実とかけ離れ過ぎていると思うんですね。これを取り払っていただいて、それこそ、都内でも一日平均一億円以上ですよね、百貨店の売上げ、三億とかありますよ。一日二十万、これはちょっとやはり事業者規模に応じて積み増していただく、御検討いただけませんか、いかがですか。

西村国務大臣 百貨店の皆さんには、休業要請をさせていただいておりまして、大変御迷惑をおかけしますけれども、感染拡大を抑えていくということで、是非御理解をいただいて、御協力をいただければというふうに思います。

 その上で、支援策についてでありますが、協力金も一日二十万円ということで支援をさせていただきますけれども、何より一番大きいのは雇用調整助成金でありまして、一人一日上限一万五千円まで、パート、アルバイトの方も含めて国が一〇〇%支援をさせていただきますので、仮に五百人いれば七百五十万円になりますし、千人の方を休ませるとなれば一千五百万円の支援を一日に行わせていただきます。

 これと併せて、協力金、さらには融資なり、どうしてもというときは、経営全体に関わるようなときは、劣後ローンなり出資なりも、十二兆円の資金がありますので、用意をしておりますけれども、年間の売上げが数千億円から一兆円規模の大企業でありますので、大企業としての経営体力があること、十七日間という今回の要請でありますけれども、そうした大企業に対して国民の税金を使ってどこまで支援を行うかというような課題もあるかと思います。

 こうしたことを勘案しながら、私ども、雇用調整助成金による支援に加え、こうした協力金の支援をさせていただくということにしたところでございます。

柚木委員 雇用確保の上で雇調金は結構ですが、売上げがやはり立たないわけですね。利益率も非常に、そういう意味ではそんなに高くない業種、業態ですよ。もっと言うと、雇用、今回の再発令によって失業者が二万八千人増えるというシンクタンクの試算も出ていますけれども、まさにその影響も大きいわけですよね。

 ですから、今そういう御答弁いただきましたけれども、期間の延長もあり得るし、また七月のそういう可能性もあるわけですから、蔓防のときに私たちずっとお願いして、これを実現していただくまで大分時間がかかりましたけれども、一年たっているわけですから、事業者規模に応じた補償をしっかりとやはり考えて、今後対応いただきたいと思うんです。

 今そういう御答弁でありましたが、是非、今後の、百貨店に加えて、その他の様々な業種、業態、私も仄聞すると、例えば映画館とかもいろいろな、やはり文化は非常に重要ですよね、生きていく上でも。たしか、大型の映画館だとスクリーンの数も多いですよね、座席数でもいいんですが、そういうのに応じて補償、支援を行っていくというようなことを検討いただいているという話も聞くんです。

 いろいろなやり方で、業種、業態の様々な実情に応じて、一言で、今回、事業者の皆さんから聞くのは、政府の対策が粗過ぎると。もっときめ細やかに、それぞれの業種、業態に応じて補償、金額の上積み、そのための基準の工夫、是非お願いしたいと思うんです。検討するぐらい、ここでお答えください。

西村国務大臣 附帯決議をいただいておりまして、事業への影響の度合いに応じた支援ということ、そして公平性とかあるいは支援の円滑さ、円滑に行うこと、こういったこと全体を勘案しながら、私どもずっとこの間も検討してきておりますし、その一つの表れがまさに飲食店に対する事業規模別、売上げの減少別の支援策であります。

 引き続き、大企業にどこまで支援をするかという論点はありますので、これも含めて、併せて、引き続き様々な各国の例も含めて、検討は進めていきたいというふうに考えております。

柚木委員 是非早急な、検討から実行へ、お願いします。

 今日、国家公安委員長にもお越しいただいておりますので。

 こういう事業者の補償はもとより、なぜ休業要請をここまで御無理をお願いするかといえば、人流の抑制でありますね。その中でまさに象徴的な路上飲み会ですね。これは越境飲み会にまでなっているわけですけれども。特にこれからゴールデンウィークとかに入ると、お仕事がお休みの方は別としても、友人とか、学生さんだったらまさにお休みで、学校もオンラインの状況もあって、そういう皆さんがいろいろなところにお集まりになって、場合によっては、だってバーベキューとかオーケーなわけですから、休業要請になっていないわけですから、そこで持込み検査できないということですよ、事業者、お酒もね。だから、事実上の路上飲み会が行われるわけですよ。

 そんな中で、いろいろ報道を見ていると、そうやって路上飲み会、路アルとかいうんですか、路上でアルコールを飲むという方々に、いわゆる注意というか、自粛の要請というか、呼びかけ隊とかも言われていますけれども、それで、報道ベースで見ていると、要は警察、お巡りさんに任意同行を求められているような場面も見えるんですね。いろいろなそういうことが見られるわけですが、警察が路上飲み会の方々に様々な注意というか指導というか要請というか、これはどういう法的根拠で行われていて、また、同行等が行われるというのはどういうケースなのか、お答えいただけますか。

小田部政府参考人 お答えいたします。

 個別の事案につきましてはお答えは差し控えさせていただきますが、一般論として申し上げますれば、例えば路上での飲酒に関連した騒音等の苦情に関する一一〇番通報を受理した場合に、警察官が現場に臨場して、トラブル発生の観点から関係者に注意を行ったり、あるいは、そういった現場で犯罪行為が行われたと認められる場合には、当該行為をしたと認められる者に対して警察官職務執行法に基づいて職務質問を行ったり警察署への同行を求めるなど、事案に応じて適切な対応を取ることがあるものと承知しております。

柚木委員 せっかく公安委員長にお越しいただいているので、もう時間がないので、次は公安委員長に答弁をお願いしたいんですが。

 今お答えになられたように、私が事前通告も含めて理解をしたのは、要は、路上飲み会をしている方々は、法的には特措法四十五条、大阪は二十九条を援用しているんですかね、そういう集まって感染リスクがあるような行為をしないでほしいとか、そういったものに基づいて路上飲み会はやめてほしいという要請ができる、罰則はないと。

 そういう中で、警察においてそういう呼びかけ隊とかをやる中で、特措法上のそういうものに基づいてということではなくて、路上で飲んで、若者たちがお店からも何か追い出されてとか、よく私たちも聞くんですけれども、そうやって盛り上がったときに、ちょっと騒音とか、あるいは道路交通法上の問題とか、場合によってはお巡りさんから言われて言い合いになるとか、様々な、今の御答弁にあったケースより、同行なり、ともすれば連行、検挙というケースもあり得るわけですね。

 そうすると、世の中的には、そういうことをする若者たちが非常に責任があるというか悪い、そういう見方と、それから他方で、みんなが我慢しているんだからやはりそこは自粛すべきだという、それぞれ意見があるんですね。警察としては、路上の飲み会をしている若者たちを検挙するとか、悪いんだ、そういうことで徹底的にやるという認識なのか、そうではなくて、やはりあくまでも、元々罰則、そういうのはないんだけれども、何とかそこはお願いしてほしい、そういう認識でされているのか、どういうスタンスでされているのか。御答弁お願いできますか。

小此木国務大臣 今事務方がお話しいたしましたけれども、あくまでも、警察は警察官職務執行法に基づいて保護を行っています。刑罰の法令に触れる行為が認められる場合は所要の取締りを行うということになっています。

 御案内のように、四月の二十五日から特措法に基づいて宣言が発出されましたけれども、あくまでも、いわゆる夜のといいますか、今、路上飲み会のことを言われましたけれども、そういったところの見回りをしています、繁華街も含めて。これは自治体がやっています。そして、それに協力をしている、警察は協力をしているということであって、特に今おっしゃった路上で飲んでおられる方々の今の状況、このコロナ禍で大変に鬱憤もたまっている、ストレスもたまっているということも、もちろん人間ですから、警察官も配慮をしているところだという話も聞いております。

 また、コロナ以前から、通常業務の中でも、路上飲み会というのはあったわけでありますから、それが通報なり、あるいはパトロール中にそういう混乱や人様に迷惑をかけているようなところが認められれば、これは警察の業務として声をかけたり、法律に触れる場合はしっかりと適切な対処を取るということでありまして、繰り返しますけれども、今このような時期なので、更にそういう方々の気持ちに立って業務を行っているということも言えるという話を聞いております。

柚木委員 まだ論点はあるんですが、ちょっと次の方に行きますので、済みません、公安委員長、ここまでで結構です。ありがとうございました。

 西村大臣、それから今日は尾身先生もお越しいただいておりますので、宣言期間十七日間の部分について是非お伺いをいたします。

 またこの状態でいって、しかも十七日間で解除してしまうと、東大の仲田准教授もいろいろなシミュレーションを出されていますが、結局また七月には次の波が来て宣言を出さざるを得ない、こういうシミュレーションもあるわけですが、尾身先生、実際に延長する場合は、どれぐらいのタイミングでどういう基準で判断されることになるのか。また、そもそも、この十七日間ということに対して分科会の中にも様々な意見、異論があったとお聞きしておりますので、その内容の御紹介も含めて御答弁をお願いいたします。

尾身参考人 お答えいたします。

 分科会では、ほとんどコンセンサスと言ってもいいことは、今回、短期間に集中的に強力な対策を打つということでは全員一致。と同時に、今回の場合は、結論ありきというよりは、しっかり評価して、感染のレベル等々が、最低ステージ3に行って、ステージ2まで行くことを見通しというようなところまでやらないと、実は、何が一番分科会の人たちの関心というか問題意識かというと、解除した後のリバウンドですよね。中途半端にすると必ずリバウンドが早期に起きてしまうので、これを何とか、次のリバウンドは必ず来ますが、大きなリバウンドが来るための時間をなるべく稼ぎたいということが分科会のコンセンサス。

 そういう意味では、先ほど言ったように、二通り私はあると思います。一つは、なるべく下げる、どこまでということは数はともかく、なるべくできる限り下げる。しかし一方、必ずしも一生懸命やってもどんどんどんどん下がらなくて、下げ止まりすることがあるわけですよね。下げ止まりした場合には、少しその期間を維持をするということが、次のリバウンドに至るまでの時間が稼げるということが今までの経験で分かっていますので、慎重に、解除のときはそういうことを考慮しながらやるべきだというのがほとんどの人のコンセンサスであります。

柚木委員 今の尾身先生の御答弁を受けて西村大臣にも伺いますけれども、そうすると、まさに厚生労働大臣も含めて十七日間は短過ぎるという、決まった十七日間を含めて、いろいろな議論があったと聞きますが、私もそうだと思うんですね。なぜならば、効果が出る出ないの問題もありますが、評価をするしないのときに、二週間プラス三日ですけれども、本当にその段階で、今、尾身先生がおっしゃったようになるべく下げるとか、再延長の基準を具体的にはおっしゃられなかったんだけれども、それもお示しをしなければならない中で、非常に判断するのが難しいと思うんですね。

 そうすると、再延長も当然あり得るということでいえば、タイミング、またぎりぎりになって、事業者さんたちもまたてんやわんやで、もう勘弁してくれということになりかねないわけですが、本当に再延期するとすれば、なるべく早くそのことを、基準も含めて、対応も含めてお示しをいただかないと、本当に国民生活に更なる重大な影響があると思うんです。どれぐらいのタイミングでそれをお示しいただいて、どういう基準に基づいて担当大臣としてお考えいただけるでしょうか。答弁をお願いします。

西村国務大臣 まず、今回、極めて強い措置、先ほど来、百貨店のお話もございましたけれども、幅広く休業要請を求めております。極めて強い措置を求めるということ、これを十七日間、まずこの期間、集中して、是非とも多くの皆さんに御協力いただいて、何としてもみんなで協力して感染を抑えていきたい、そういう思いで大型連休の機を捉えて対策を講じているところであります。

 その上で、もう一点、尾身会長もお話ございましたけれども、私から加えるとすれば、四月十二日から東京は蔓延防止等重点措置を行っておりますので、その効果も見ていきたい。大阪が四月五日から始めて、もう二週間以上たって、今、千百、千二百のレベルで、急激に増えている状況から少し横ばい状況になっておりますので、蔓延防止等重点措置の効果も一定程度はあるという評価も専門家の皆さんからもいただいておりますので、そう考えると、その蔓延防止等重点措置の効果も含めて、この十七日間足せば一か月ぐらいのあれになりますので、しっかりと見て判断をしていきたいと思います。

 いずれにしましても、御質問の点につきましては、五月十一日まででありますので、その前の適切なタイミングで、感染状況、そして病床の状況なども見ながら、特に病床の状況、関西は非常に厳しい状況ですので、これを見ながら、専門家の御意見を聞いて、適切に判断をしていきたいというふうに考えております。

柚木委員 終わりますが、是非、今回の宣言の時期も、それからワクチン、高齢者、七月、二回完了も、結局、菅首相が、例えば解散の時期、解散権を自分が守りたいとか、オリンピック絶対やりたいとか、それも解散のためとか、そういう見方を国民にされているわけですから、そういうことに左右されずに、本当に国民最優先で検討、対応をお願いして、質疑を終わります。

 ありがとうございました。

木原委員長 次に、高井崇志君。

高井委員 国民民主党・無所属クラブの高井でございます。

 今日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。今日も、両大臣、政府参考人は誰もつけずに、私はどうぞ誰でもいいですよと言ったんですけれども、お二人の御判断でつけない、立派だと思います。ほかの委員会で、大臣、いや、大体、役所が念のためつけさせてくださいと言って、何十人も、何十人ということはないか、来るケースが多いんですけれども、それこそ霞が関の働き方改革につながらないと思うので、是非大臣の責任で御答弁いただくというのはあるべき姿だと、敬意を表したいと思います。

 その上で、まず西村大臣に聞きますが、先ほどから議論になっていますけれども、この蔓延防止措置で、休業要請に、事実上同じような、お酒の提供禁止とかカラオケの機器停止、これが告示で行われているわけですね。これは、二月一日の内閣委員会、特措法の改正のときに、山尾委員が西村大臣に再三確認をして、蔓延防止措置で休業要請は法的にできるのかと言って、大臣は二回できないと答えているわけです。

 しかし、やはりお酒を出すお店、ノンアルコールを出せばいいじゃないかとおっしゃるかもしれませんけれども、あるいは、ほかに料理を出している店ならそれでもいいですけれども、お酒だけを出すお店というのも世の中にはたくさんあるわけですし、あとはカラオケですよね、カラオケ店がカラオケできなかったら、もうこれは明らかに休業要請じゃないですか。これを、営業のやり方の問題で営業そのものは禁止していないと言うのは、これはもう明らかに詭弁で、明らかに法を潜脱する、脱法的な告示改正だと思いますけれども、いかがですか。

西村国務大臣 私ども、特措法の規定に基づいて、政令において、感染の防止のために必要な措置として厚生労働大臣が定めて公示するものという規定に基づいて、今回告示を改正して酒類の提供停止あるいはカラオケ設備の使用の停止など、措置を取らせていただいたところでありますけれども、二月一日ですかね、答弁をさせていただいたとおり、休業要請は蔓延防止等重点措置ではできないということで、私、答弁をさせていただいています。

 ですので、営業時間の変更よりも私権の制限の程度が小さなものとして、営業そのものを制限するのではなく、営業のやり方に関する要請ということでありますので、私ども、議論をし整理をして、このような形で、営業のやり方に関する要請であるということで対応可能というふうに判断して、対応させていただいているところでございます。

高井委員 もう一度聞きますけれども、カラオケ店、カラオケをやる目的で営業している店がカラオケ機器を使えない、これはもう営業そのものの規制じゃないですか。

西村国務大臣 カラオケ、昼カラオケやスナックなど、カラオケを機として、感染が、クラスターがもう数多く発生をしているという観点で、カラオケに対する一定の停止が必要だと。これはまさに、法律上、蔓延防止のために必要な措置として政令で定める措置ということで、政令において、感染防止のために必要な措置ということで規定をされております。

 その上で、営業そのものを制限するのではなく、営業のやり方、カラオケはやめていただいて、その代わりに食事を出すとかほかのサービスを何か提供されるということでこれは可能だというふうに私ども判断をして、このような対応を取らせていただいているところであります。

高井委員 どう見ても苦しいですよね。

 いや、私もしようがないと思いますよ。カラオケでクラスターが発生するから、それを止めてもらうのはしようがないんですけれども、であれば、やはり、法律できちんと、そういう法律にしておかなきゃいけなかった。それを告示で、しかもこれはパブリックコメントもやっていませんし、報道発表すらしていないんじゃないですかね。知らないうちにこっそり告示が改正されて、このような強大な私権の制限が行われるということを、繰り返しますけれども、やるなとは言いません、法改正で私はちゃんとやるべきだということを申し上げておきたいと思います。

 是非、今後、検討いただきたいと思います。

 それと、やはり、私権制限はやむを得ないんですけれども、玉木代表が言っていますけれども、北風と太陽なんですね。北風は必要だけれども、やはり太陽、つまり補償です。休業するところには十分な補償が必要ですが、今のこの一日二十万円、若干、数十万円までアップするという報道も聞きますけれども、余りにもやはり、特に百貨店、一日三億円売上げがあるところはどうするんだと。ここは是非、再三お願いしていますけれども、国民民主党の提案をする法案、四月二日に出していますから。これは、一日に直すと、六百六十六万円なんですよ。月最大二億円なので、二十万が六百六十六万、これでも足りないし、焼け石に水かもしれないけれども、せめて事業規模といったらこのくらいですよ。これはドイツで既にやっている制度ですから、これを是非やっていただきたい。

 それともう一つは、つなぎ融資です。

 前回もお願いしましたけれども、いまだに、一月七日に休業しているお店に休業支援金、協力金が払われていないところがまだ結構あるんですね。やはりそれだけ時間がかかっちゃう。その間を銀行が融資でつなぐ。そして、これはポイントは、協力金、給付金を担保にして銀行が融資できるという、まさにこれはアメリカでやっているPPPという制度なんですね。これを是非やっていただきたいと再三提案して、この間、総理からも、ある程度前向きな、検討したいという答弁をいただいていますので、是非これをもう一度真剣にこの機会に検討いただきたいと思いますけれども、いかがですか。

西村国務大臣 まず、百貨店の皆さんには、今回、休業要請ということで、大変な御迷惑をおかけします。これまでの感染防止策を徹底していただいていることも含めて感謝申し上げながら、今回の支援策、十分でないのかもしれませんが、でも、私どもとして、例えば雇用調整助成金、これは、パート、アルバイトの方も含めて、シフト減も含めて、一人最大一万五千円まで国が一〇〇%支援をするということでありますので、百貨店、五百人、千人とおられると思います、休業、休むようなことになった場合に、仮に五百人であれば、一万五千円、お一人上限でありますので、最大七百五十万円の支援となります。

 協力金の額は小さいという御指摘がありますけれども、雇用調整助成金で雇用もしっかり守りながら対応ができれば、こうした支援をさせていただきますので要請に応じていただければというふうに考えているところであります。

 その上で、ドイツの仕組みも御紹介ありました。以前から御指摘をいただいております、参考にしながら、今回、法案を出されているということで、これまでも様々御提案いただいていることに感謝申し上げたいと思いますが、その上で、ドイツでも、売上げの上限が七・五億ユーロということで、約一千億円の事業者までの支援となっております。

 今回、百貨店、規模は様々ありますけれども、総じて見れば数千億円から一兆円の規模の大企業であります。先ほど申し上げた雇用調整助成金で十七日間でも数億円の単位の支援になると思いますので、こうした、大企業として経営体力があること、そして、この規模の大企業に対して国民の皆さんの税金を使ってどこまで支援をするかという議論もあると思います。そうしたことも踏まえて、今回、このような対応をさせていただいておりますところは御理解をいただきたいと思います。

 私ども、各国の制度を含めて、さらに、附帯決議もいただいておりますし、これまで様々御指摘もいただいておりますので、今後更に検討は深めていきたいというふうに考えております。

 それから、つなぎ融資につきましても、三月八日と三月二十五日、さらに四月十六日ですね、民間金融機関に対して、まさに協力金の、事業規模に応じた協力金の導入を踏まえて、多少時間がかかるケースもあると思いますので、御指摘のようなつなぎ融資、実態的につなぎ融資となるように、民間金融機関に積極的な融資を要請したところでございます。

 一月の分はもう八割以上出ているものというふうに思いますけれども、御指摘のように、まだ手続を取っている飲食店もあるかと思いますので、その間の運転資金、つなぎ融資がしっかりとできるように、引き続き、関係省庁と連携しながら、金融機関にも要請を行うことも検討していきたいというふうに考えております。

高井委員 検討しますとずっと言いながら、もう三か月、四か月たっちゃっているんですよ。これは早く結論を出さないとコロナ禍が終わっちゃいますから、是非これは早急に御検討いただきたい。

 それから、つなぎ融資は、やはり、一般的に、幾ら金融機関に融資してくれと言っても、今もう貸し渋りが既に起こっています。やはりこの協力金、給付金を担保にしてつなぎ融資するというのがこの法案の肝ですから、そこを是非取り入れていただきたい。

 あと、百貨店の例は分かりやすく言っているだけで、我々の法案もドイツと一緒なので上限があります。そういう巨大なところよりも、むしろ中小企業で本当に困っている、それでも二十万はやはり安過ぎるというところはたくさんありますから、やはり月二億円、一日六百六十六万円というのは、私は妥当な数字と。

 それで、これは全国で、しかも業種を問わずにやって、我々の試算では六・五兆円でできるんですよ。今、緊急事態宣言、しかも業種が限られていれば、はるかにこれは、十分の一ぐらいで恐らくできますから、まずはこの十分の一だけでもやるということを是非御検討いただきたいと思います。

 西村大臣、もう結構です。

 それでは、河野大臣にお聞きします。

 河野大臣、まず一つは、ワクチンパスポートの件、お聞きしたいと思います。

 これは、西村大臣がおととい経団連に行った際に、ワクチンパスポートを是非導入してほしいと要請されたと報道されていますが、これは経団連の、もっともで、EUではもう既に二十七か国でこれを導入して夏からやろうと、あるいはイスラエルとかアメリカの一部の州なんかでもやっています。

 大臣が、差別につながっちゃいけない、そのことはよく分かります。でも、それは差別防止のガイドラインというのをきちんと定めた上で、それでやはり私はやるべきだと思います。国民民主党も、デジタル健康証明書という名前で、差別防止のガイドラインを作成した上でという条件付ですけれども、しっかりこれをやるべきだということを提案させていただいています。

 これをやると、私は、ワクチンだけじゃなくて、所管外と言われるかもしれませんが、PCR検査とか、あるいは頻回検査を受けた方なんかも、この際、せっかくマイナンバーとワクチン接種のシステムをつくりましたから、そこに連携させて、それで、ワクチンを受けていない人を差別するんじゃなくて、受けた人に積極的にプラスアルファ、例えば、通常は八時までしか駄目だけれどもこのパスポートを持っている人は八時以降でもいいとか、そういうインセンティブを与えるというやり方は私は十分に考えられると思います。これを是非、検討だけでもすぐにやっていただきたいですし、あと、システムをつくっているわけですから、そのシステムと連携するための検討は是非今すぐやるべきだと思いますけれども、いかがですか。

河野国務大臣 ガイドラインについては検討しておりまして、どこかの段階で、法的に何か拘束することはできませんけれども、お願いをするというレベルになってしまうのかもしれませんけれども、こういうガイドラインをお願いをしたいということは申し上げようというふうに思っておりまして、これは田村大臣とも話をしているところでございます。

 また、ワクチンパスポート、これは、ワクチンパスポートは今いろいろな意味になっていますが、まず海外渡航をするためのワクチンパスポートというのは、各国が検討し、あるいは導入している中で日本も導入をしていく、そういうニーズがあるだろうというふうに思います。官房長官とも話をしておりまして、いずれ取りまとめを、どなたが内閣でやるかというところを決めて検討を進めていくということになろうかと思います。その際、アレルギーなどでワクチンを打てない方もいらっしゃいますので、委員おっしゃるように、PCR検査も当然にその対象にしなければならないというふうに思っております。

 今のワクチン接種記録は、データは自治体のデータということでございますので、自治体に一肌脱いでいただかなければならないということがございます。システムをどうするか、どういう形で、個人のアルファベットの名前というものが自治体にはないわけでして、パスポートのシステムとつなげるのか、あるいは別途申請をしていただくのか、その辺のことも検討しなければならないというふうに思っております。

 また、国内でワクチンの接種記録あるいは委員のおっしゃっている健康証明のようなものをどうするかというのは、これは、今の段階では発症予防、重症化予防のワクチンということで、感染予防とはまだ専門家もおっしゃっていないものですから、その辺りの議論というのがまず必要になるのではないかというふうに思います。

高井委員 ありがとうございます。

 初めてワクチンパスポートに前向きな答弁を聞いたような気がいたします。是非検討いただいて、それで、やはりせっかくマイナンバーとの連携システムをつくったわけですから、そこにうまくひもづけて、スマートフォンでも使えるような、まさにデジタル庁をつくって世界最先端のシステムをつくれば私は大きな成果になると思いますので、期待しておりますので、是非よろしくお願いいたします。

 ありがとうございます。

木原委員長 次に、江田康幸君。

江田(康)委員 公明党の江田康幸でございます。

 本日は、私の方からは、国産ワクチンの開発を中心に質問をさせていただきます。

 ようやく我が国でも新型コロナウイルスワクチンの接種が始まり、医療従事者、高齢者へと接種が進んでいるわけでございます。十分なワクチン供給と万全の接種体制で着実にワクチン接種が進むことを強く要望をいたします。

 一方、世界においてワクチンナショナリズムが広がっている状況、今後、日本特有の変異株が出現した際の対応などを考えますと、国内のワクチン開発は必要不可欠であります。

 公明党のワクチン・治療薬開発推進プロジェクトにおきましては、国産ワクチン開発の課題について、国内の代表的な製薬企業からヒアリングを行ってまいりました。その中で、今後、国内はもちろん海外においても、プラセボを用いた大規模な第三相臨床試験が難しいことや、ワクチン製造のための原材料、資材不足などの課題を伺いました。公明党は、これらを踏まえて、本日午後でありますが、菅総理また田村厚生労働大臣に国産ワクチンの早期開発と生産体制の整備に関する要請を申し入れる予定であります。

 本日は、これに関連して質問をいたします。

 まず、これまでの国産ワクチンの開発状況と国の支援について、コンパクトにお伺いをいたします。

    〔委員長退席、平委員長代理着席〕

宮崎政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、国内の主なワクチン開発の進捗でございますけれども、アンジェス社、塩野義製薬、第一三共、KMバイオロジクスの四社におかれまして、人を対象とした臨床試験に入ってございます。

 具体的には、アンジェス社が二、三相試験、他の三社については一、二相試験に入っているところでございます。それぞれ具体的なワクチン名が定まっているわけではないと承知をしている状況でございます。

 これまでの開発、生産に対する支援につきましては、令和二年度の第二次補正等におきまして研究開発や生産体制の整備への補助を行っていることに加えまして、令和二年度の第三次補正におきましても、国産ワクチン開発企業について、発症予防効果を評価する試験の実施費用の補助を行うこととしておりまして、累次の補正におきまして開発、生産に対する支援を行ってきているところでございます。

江田(康)委員 ありがとうございます。

 今申されましたように、塩野義の組み換えたんぱくワクチン、またKMバイオロジクスの不活化ワクチン、そして第一三共のメッセンジャーRNAワクチン、アンジェス、阪大のDNAワクチン、いずれもこれは高い有効性と安全性が期待できるワクチンであります。現在、第一相、二相、さらには二相、三相に進んでいるということであります。

 一方で、今後の国産ワクチンの開発を迅速化する上での最大の課題は、これはワクチンの有効性を証明する大規模臨床試験、第三相試験の在り方にあります。国内外で新型コロナの感染拡大とワクチン接種が進む中で、大規模な第三相臨床試験の実施は困難となってきます。このような中で、国産ワクチンの開発に関わる第三相試験の在り方を早急に示すとともに、海外と国際共同治験を実施する場合には、国と国との間の調整及び交渉は、メーカーに任せるのではなくて、国が前面に立って対応すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

山本政府参考人 お答え申し上げます。

 新型コロナウイルスワクチンの評価方法につきましては、現時点におきまして、国内外を問わず、原則として新型コロナウイルス感染症の発症予防効果を評価する第三相試験を実施する必要があると考えております。

 一方で、先生御指摘のように、新型コロナワクチンの接種が今後進むことを考えますと、プラセボを対照とする第三相試験の実施が困難になることも想定されているところでございます。このため、国際的にも、発症予防効果を検証するプラセボ対照試験に代わる評価方法等に関する議論に着手しているところでございまして、今後、この議論が進むよう我が国としても働きかけていくとともに、国内のワクチン開発を担う企業に対しても、そのような議論を含め、適切に開発計画に関する相談、指導を進めてまいりたいと考えております。

 あわせて、国際共同治験の実施に当たりましては、開発企業が当該国の規制に従って実施する必要がございますが、厚生労働省といたしましては、新型コロナワクチンの特殊性を踏まえ、開発企業のニーズ等に応じて必要な対応を進めてまいりたいと考えております。

江田(康)委員 では、引き続き、国産ワクチンの条件付早期承認制度を弾力的に運用せよということに関して質問をさせていただきます。

 既に有効性を示すワクチンの接種事業が進む中で、数万例のプラセボ群を設定することは、倫理的また物理的にも実施困難であります。国際共同治験を実施する場合にも同様の問題をはらみます。

 発症率の低い日本においては、プラセボ群を設定する場合には、全体症例が数十万例に上る可能性も否定できません。そこで、国産ワクチンの早期承認へ向けて、国内においては、ワクチンのみの単群設定でまず数百例規模の臨床試験を実施して、中和抗体をサロゲートエンドポイントとして、既に有効性が示された臨床試験と比較してワクチンの有効性を証明し、そして大規模臨床試験に代替することで先行承認する。その後に一般接種を開始して、同時に、数万例規模の臨床試験を実施して有効性及び安全性を確認する。このような条件付早期承認制度の弾力的運用が望まれるわけであります。

 早急に検討して、明確な方向性を国が示していただきたい、財政支援を含む新たな支援措置も講じていただきたいと要望をいたします。迅速な国産ワクチンの開発が求められています。いかがですか。

山本政府参考人 先ほど御答弁させていただきましたところと重なりますが、また、委員御指摘のとおり、新型コロナワクチンの接種が進むことで、発症予防効果を検証するプラセボ対照第三相試験の実施が今後困難になっていくことが想定されます。一方で、国産ワクチンの開発というのは非常に重要なことと考えております。

 このため、国際的な枠組みの中で、プラセボ対照試験に代わる評価方法について議論を進めているところでございまして、この議論が更に進むよう働きかけてまいりたいと考えております。

 また、条件付早期承認制度につきましてでございますが、この制度は、重篤で有効な治療方法が乏しい疾患の医薬品で、患者数が少ない等の理由で検証的臨床試験の実施が困難なものや長時間、長期間を要するものについて、医療上の有用性が高い医薬品の速やかな患者アクセスの確保を図るものといった制度でございまして、前回、薬機法改正の際の附帯決議におきまして、ワクチンを含む予防薬について、この条件付早期承認制度の対象としようとするときは、特に慎重に検討することといただいております。

 私どもといたしましては、この附帯決議をいただいていることを念頭に置きながら、条件付早期承認制度を適用するかどうかというものについては、特に慎重に検討が必要と考えております。

 政府といたしましては、国産ワクチン開発企業が、国内だけでなく海外も含めて必要な臨床試験の参加者を確保し、発症予防効果あるいは有効性を評価する大規模な治験を実施することができるよう、その実施費用を補助するための予算として、第三次補正予算で一千二百億円を計上しているところでございます。

 いずれにしましても、様々な取組を通じまして国産ワクチンの早期実用化を目指し、引き続き後押しをしてまいりたいと考えております。

    〔平委員長代理退席、委員長着席〕

江田(康)委員 ありがとうございます。

 今は緊急事態なんですね。日本国内で日本特有の変異株が出てきたときには、海外のメーカーは、これは開発はしませんよ。国内の企業が開発して、それを安定供給していく。こういう国家の安全保障に基づく課題なんです。

 だからこそ、中和抗体をエンドポイントとして代替性試験を行う、こういうことについても早急に国際的議論を詰めてもらいたい。そして、この中和抗体が代替評価項目になり得るということを早く示すべきです。

 そしてまた、この条件付早期承認制度については、平時において、そのような附帯決議を我々国会の方はつけておりますけれども、これは緊急事態なんですよ。そういう中で、フェーズ1、2で安全性は確認をした上でその有効性について迅速に承認できる、その提案をしているわけですから、それらについて徹底して検証して、国際的な議論も踏まえて早く結論を踏まえていっていただきたいと思います。変異株は常にこれは生じておるわけでございますから、どうぞ強力に進めていただきたいと思います。

 更に質問をいたします。ワクチンの生産体制の支援についても一言。

 海外において製造したワクチン供給は、自国優先です。原材料、資材等の輸出を制限している国もあります。バイオテクノロジーで使うのは、培養培地とかフィルターとか、また様々な資材が、機器がございます。

 これらは、この原材料、資材の確保が困難になってきておりまして、開発や生産に遅れが出ないように、国が責任を持って確保に努めて国内の安定供給を図るべきであると考えますが、いかがでしょうか。

山本副大臣 国内企業におけるこの新型コロナワクチンの開発、生産の進捗状況につきましては、委員御指摘の、ワクチンの開発、生産のために必要となる機器や部材の確保の状況も含め、随時連絡、報告を受けておりまして、必要な対応を行っているところでございます。

 なお、その内容につきましては、個別の企業の開発状況といった企業情報に関わるものでございますので、企業の競争上の利益を害する可能性があることから、政府としてお答えすることは差し控えたいと思います。

江田(康)委員 改めて申しますが、今は緊急事態なんですね。そういう中において、実際にこういうような、ワクチンもワクチンナショナリズムで寡占状態にあって、そして、その原材料、資材においても供給されなくなってきているという事実を真っすぐに見ないと、またこれはサプライチェーンの問題と同じように、供給できなくなってきた場合においては大きな障害が出てくると思います。強力に、政府間協議による割当てとか、国内メーカーへの更なる支援なんかも進めていくべきだと考えますので、強く要望をしておきます。

 時間がもうなくなりましたので、やはり今回のワクチンは、今、海外のワクチンに頼っているわけでありますけれども、やはり国産ワクチンを開発する必要があるわけでございます。

 それには、早期承認をする道筋を明確に国が示すとともに、そして、実は、平時における中長期的な課題についても、例えば、世界的大流行を起こす感染症については国内自給するという意思を政府は持つべきであります。そしてまた、緊急時のワクチン生産基盤をあらかじめ整備しておくべきであります。そして、危機管理のためのワクチン開発、生産、確保については、厚生労働省に新たな財源、基金を確保してでも、強力に緊急対応をできるようにしていくべきと考えております。

 このことは要望として申し上げて、今日は質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

木原委員長 次に、長尾敬君。

長尾(敬)委員 自由民主党の長尾敬です。

 今日は、質疑の時間をいただき、ありがとうございました。

 今の江田議員の最後の国産ワクチンの部分、本当に共感をいたします。モデルナ社は、二〇一三年に米国の国防省の傘下の団体から何と二千四百六十万ドルの支援を受けて今日に至っている。まさに戦略物資でありますので、共感をさせていただきたいと思います。

 引き続き、経済安全保障の問題の質疑でございます。

 日米首脳会談が行われました。大変有意義な首脳会談だったと評価をしたいと思います。日米同盟の深化、特に台湾問題について平和と安定を声明に出すことができたこと、大変大きな意味のあることだったと思います。

 同時に、たくさんの宿題を日本はもらったと思います。それを覚悟を持ってどれだけ履行することができるかということが、今後の日米同盟が更なる強固なものになる、大きな影響があるわけであります。

 そこで、中国のサイバー攻撃について、警視庁の公安部の捜査によって、中国人民解放軍のサイバー専門部隊が主導したサイバー攻撃の摘発が行われました。その概略について御答弁を求めます。

宮沢政府参考人 お答えいたします。

 お尋ねの件については、平成二十八年から二十九年までの間、合計五回にわたり、住所、氏名等の情報を偽って日本のレンタルサーバーの契約に必要な会員登録を行った事件につき、四月二十日、警視庁が中国共産党員の男を被疑者として東京地方検察庁に書類送致したものと承知しています。

 当該事案を通じて契約された日本のレンタルサーバーは、JAXA等に対するサイバー攻撃に悪用されることとなりました。その後の捜査等を通じて、約二百の国内企業等に対する一連のサイバー攻撃がTickと呼ばれるサイバー攻撃集団によって実行され、当該Tickの背景組織として、山東省青島市を拠点とする中国人民解放軍第六一四一九部隊が関与している可能性が高いと結論づけるに至ったものです。

長尾(敬)委員 大変具体的に公表されたのは今回が初めてではないかな、我が国の高い捜査能力を示したことにもなるのではないかなと思っております。

 しかし、任意の事情聴取を受けた関係者二人はもう既に国外に出ているということは、ちょっとまだ納得がいかないです。

 先ほど、JAXA等のお話がありました。ほか、民間企業、一橋大学や慶応大学などもターゲットになったということなんですけれども、被害は確認されているんでしょうか。

宮沢政府参考人 お答えいたします。

 警察では、本件事案を通じて契約された日本のレンタルサーバーを用いて行われたJAXAに対するサイバー攻撃に加え、本件との直接の関係はないものの、中国人民解放軍第六一四一九部隊が関与している可能性が高いサイバー攻撃が約二百の国内企業等に対して実行されたことを把握しております。

 こうした企業等に対しては、攻撃を認知後、速やかに警察からマルウェアの感染可能性や有効な対応策について個別に情報提供を実施をしておりまして、現在に至るまで情報流出等の被害は確認されていないものと承知しています。

長尾(敬)委員 被害はないという御答弁でありました。引き続き、厳しく監視をしていただきたいと思います。

 ただ、通常、ほかの国では、国外追放処分であるとか、強い経済制裁であるとか、また、個人、企業、団体の資産凍結などがあって、我が国はちょっとそれに達するほどの措置を取れていない現状があります。

 それで、ちょっと、出国しちゃった対象者のことについてなんですけれども、例えば、何らかの法令違反の事実を根拠に、中国に対して、容疑者の引渡しを求めて、外交ルートで抗議、制裁に進むべきと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。

赤堀政府参考人 お答えいたします。

 本事件につきましては、先ほど警察庁から答弁ございましたが、その上で申し上げますと、日本政府としては、本事案について大変重く受け止めております。自由、公正かつ安全なサイバー空間という民主主義の基盤を揺るがしかねない悪意あるサイバー活動は看過できず、国家安全保障の観点からも強く懸念すべきものでございます。

 本事案を含め、我が国の国益を害するサイバー攻撃については断固非難し、厳しく取り組んでいく考えでございます。また、こうした日本側の考え方については、中国政府にしかるべく伝えております。

 政府といたしましては、今後も、同盟国、有志国とも連携し、自由、公正かつ安全なサイバー空間の創出、発展のため、また国民の安全、権利を保障するため、必要な対応を取っていく考えでございます。

長尾(敬)委員 これで終わりではありませんので、引き続き厳しくお取り組みをいただきたいと思っております。

 そして、前回質疑をさせていただいた中国国防七校の件であります。

 資料の一ページ目を御覧いただきたいと思うんですが、右下の方にあります北京航空航天大学を始めとする中国国防七校と日本の大学が共同研究をしている、四十二大学あったという御答弁でありますが、この研究分野について、報告を求めていないので把握していないと答弁があった。今後も報告を求めないんでしょうか、文科省さん。

森田政府参考人 お答え申し上げます。

 文部科学省におきましては、大学における教育内容、方法の改善等の状況を把握するという趣旨で、大学における教育内容等の改革状況調査を実施しておりまして、その中で、全ての大学を対象に海外の大学との交流協定の締結状況を調査しておりますが、共同研究の分野についてはこれまで調査をしていなかったところでございます。

 しかしながら、政府としては、昨年七月に閣議決定いたしました統合イノベーション戦略二〇二〇において、国際的に技術管理の重要性が高まっている点を踏まえ、大学等が技術流出の未然防止、リスク低減のための措置に取り組むことが重要であるとしております。

 文部科学省といたしましても、大学における内部管理体制が一層強化されるように、関係府省と問題意識を共有して取り組む必要があるというふうに考えております。

 これまでも、経済産業省と連携し、大学における機微技術の管理が徹底されるよう取り組んでおりまして、大学における輸出管理担当部署や関係規定の整備の状況の調査をし、報告を求めてまいりましたが、さらに、昨日開催された統合イノベーション戦略推進会議において研究インテグリティーの確保に係る対応方針が決定されたことも踏まえて、この方針の確実な実行のため、御指摘の点につきましても、研究活動の透明性確保の観点から、関係府省等とも連携し、どのように取り組むか、検討させていただきたいと考えております。

長尾(敬)委員 しっかりお願いします。

 中国国防七校とちょっと関連して、資料の二ページ目なんですが、千人計画、これもまた気になるところでありますが、所属する研究者の参加状況をどれだけ把握できているんでしょうか、御答弁ください。

合田政府参考人 お答え申し上げます。

 中国の千人計画とは、国外のハイレベルな人材を同国に招致する計画であると承知いたしておりますが、詳細については、中国政府が公表していないこともあり、把握できない状況にございます。そのため、文部科学省としては、個別の研究者のこの計画への参加については承知できないと申し上げざるを得ないところでございます。

 他方、もとより、大学や研究機関では、所属する研究者が、どの国であろうと、外国の大学における教育研究活動を含む兼業を行う場合、所定の手続が必要となっており、大学においてはこのことは把握されているところでございます。

 その上で、先ほど御答弁を申し上げましたとおり、昨日の政府の統合イノベーション戦略推進会議において、研究インテグリティーの確保に関する対応方針が決定されたところでございます。

 この対応方針におきましては、大学や研究機関は所属する研究者の人事及び組織のリスク管理を行うということが明記されてございます。

 また、これに加えて、研究資金配分機関等による公的資金申請時の確認が明記されてございます。

 具体的には、研究資金配分機関等は、全ての競争的研究費事業において、不合理な重複、過度な集中の排除の観点から、国内の競争的研究費のみならず、国外を含めた全ての現在の研究資金の応募、受入れ状況に関する情報や、兼業、外国の人材登用プログラムへの参加、雇用計画のない名誉教授など、全ての現在の所属機関や役職に関する情報の提出を求めるということにされてございます。

 その際、これらの情報につきましては、府省共通研究開発管理システム、e―Rad等を活用して、関係府省や配分機関間で共有することといたしてございます。

 文部科学省としては、昨日、これにつきまして通知を発出しましたし、競争的研究費事業に関する対応については、内閣府とともに共通的なガイドラインの早期の改定に取り組んでまいりたいところでございます。

 なお、文部科学省においては、このような課題に対応するため、本年四月から、担当参事官を設置し、体制を強化したところでございます。

 我が国としての国際的に信頼性のある研究環境を構築するため、今後、この対応方針を踏まえ、より一層、研究者や研究機関との対話、研究資金配分機関等や関係府省、あるいは外国政府機関との連携を重ね、技術流出防止に取り組んでまいりたいと考えている次第でございます。

長尾(敬)委員 今、担当参事官がこの四月に設置されたというのは、これは、文科省さんだけの問題じゃなくて、やはり我々政治の側の指針をしっかりと示さなきゃいけないという危機感が足りなかったなと、一人の政治家として反省をしなければならぬなと思っております。

 二つの案件については、やはり、これから報告を求めるという、いわゆる論点はたくさんありますので、日米同盟の深化のためにも、これは、米国は必ず見ていると思いますので、履行していただきたいなと思っております。

 資料の五ページ目なんですが、これは二〇一八年の外国ユーザーリストというものなんです。この外国ユーザーリストに中国国防七校のうち三校が掲載されているんですけれども、このリストとは何か、なぜ三校なのか、御答弁ください。

風木政府参考人 お答えいたします。

 今御指摘のありました外国ユーザーリストでございますが、これは、経済産業省が国内外から収集した各種情報を分析して、大量破壊兵器等の開発等に関与している懸念が払拭されないと判断される外国団体を選定いたしまして、それを公表しているものでございます。

 このリストでございますが、この掲載された企業や大学等に輸出等を行う場合にありましては、大量破壊兵器等の開発等に用いられないことが明らかな場合を除き、経済産業大臣の許可が必要になるということでございます。

 お尋ねの、中国国防七校について、うち三校が既に外国ユーザーリストに掲載されている、御指摘のとおりでございます。これで、安全保障貿易管理に関する審査においても、十分、当然考慮をしているということでございます。

 個別主体の評価、中身等は、これは安全保障に関わる話でもあり、お答えは差し控えたいところであります。それから、今後の掲載可能性についても差し控えたいところであります。

 いずれにしろ、安全保障貿易管理の審査に当たっては、これは、全体を含めて、国際情勢の変化にしっかり対応しながら徹底してやっているところでございます。

長尾(敬)委員 大学の現場というのは本当に最前線でありますし、首謀者がわざわざ最前線に出てきて悪さはいたしません。企業や大学や研究者に成り済まして様々な情報を取ろうということ、これがきっちりと対応できていなければ経済安全保障を担保することはできない。

 省庁間の連携が必要だというお話も今ありましたが、そんな中、六ページの資料ですけれども、各省庁の連携について、研究機関を創設すると。今朝、産経新聞さんにも同じような記事がありましたが、どういった機関なんでしょうか。

千原政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の件、安全、安心に関するシンクタンク機能につきましては、本年三月に閣議決定されました第六期科学技術・イノベーション基本計画におきまして、国民生活、社会経済に対する脅威の動向の監視、観測、予測、分析、国内外の研究開発動向把握や人文・社会科学の知見も踏まえた課題分析を行う取組を充実するため、安全、安心に関する新たなシンクタンク機能の体制を構築するとされておりまして、安全、安心につながる技術を知る上で重要な役割が期待されているところでございます。

 この新たなシンクタンク機能につきましては、昨日開催されました統合イノベーション戦略推進会議におきまして、我が国及び国民の安全、安心の実現に向けて、政府からの課題設定を受けて、戦略的に育てるべき重要技術等に関する政策提言を行うための仕組みを構築するために、本年度前半にシンクタンク機能を立ち上げること、量子やAI等の先端技術の安全、安心への活用の可能性を検討するに当たっては、国民生活等の利益だけではなく脅威ともなることや科学技術の多義性があることに留意が必要であること、高度な科学技術的知見を有する専門人材を迅速に集め得る仕組みを構築する必要があることから、内閣府から政府関係機関を含む外部に委託することにより立ち上げる予定であることなどの諸点が検討の進捗として報告されたところでございます。

 また、政府からの課題設定を適切に行う等の観点から関係省庁との連携は重要であり、具体的には、内閣府に加えまして、内閣官房、警察庁、総務省、消防庁、法務省、外務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、海上保安庁、環境省、防衛省、防衛装備庁などと連携していくこととしております。

 内閣府におきましては、新たなシンクタンク機能を立ち上げ、その中で得られる知見も踏まえつつ、二〇二三年度を目途に組織を設立する予定でございまして、引き続き、関係府省と連携しつつ、着実な活動に向けて取り組んでまいりたいと思います。

長尾(敬)委員 なかなかデュアルユースという言葉は使えないと思うんですけれども、政治の側からも全力で支援をさせていただきたいと思います。

 次は、金融の面からちょっと心配事がありまして、日本の企業を守るという観点から、おととし外為法が改正されました、その背景について御答弁ください。

土谷政府参考人 お答え申し上げます。

 令和元年の外為法改正におきましては、健全な対内直接投資を一層促進するため、一定の基準の遵守を前提に事前届出を免除する制度を導入する一方で、国の安全等を損なうおそれがある投資に適切に対応するため、上場会社の事前届出の対象となる閾値を一〇%から一%に引き下げたところでございます。

 この改正の背景といたしましては、健全な対内直接投資は日本経済の発展に重要な役割を果たすことから一層その促進を図っていく必要がある一方で、国の安全等を損なうおそれのある投資につきましては、当時、米国やEUなどの主要国におきまして制度改正による対応強化の動きが進んでおりまして、日本としても適切な対応を図る必要があったと認識した次第でございます。

長尾(敬)委員 これは米国と連動しているんですね。

 八ページを御覧いただきたいんですけれども、その下段、申請に当たっては、コア業種の事前届出免除というのがあって、この免除基準、あと上乗せ基準というのがあるんです。

 先日、とある日本有数のIT企業がテンセントという中国の会社の子会社から出資を受けるという報道がありました。これは今私が紹介した免除基準を利用したものなんですけれども、果たしてこの出資が純投資なのかどうかというのが非常に心配なわけです。

 なぜならば、出資を受けた側は、テンセント子会社の出資は純投資であり、業務での協力を前提としたものではない、経営、ガバナンス、データに関与するものでもない、株主の間では情報は遮断され、特段懸念せられる事態は生じないということをコメントしているんですけれども、当のテンセント側はそう思っていないんです。

 この企業に投資することでグローバルイノベーションリーダーとしての発展を支援できることをうれしく思う、私たちは、デジタルエンターテインメントやEコマースなどの様々な活動で戦略的に協力し、共にインターネットのエコシステムを構築していきたいと考えている。ちょっとここに、投資を受ける側とする側にずれがあるんです。

 これは純投資とは言えないんじゃないかという疑念があるんですが、果たしてどうでしょうと聞いても答えられないと思いますので、質問はしません。あくまでも問題提起であります。つまり、日本の企業がやはり狙われているという部分です。抜け道はたくさんあるような気がするんですね。

 米国でエンティティーリストというのがあります。要は、信用できない企業リスト。ここに、皆さんも御記憶にあると思います、ティックトックの運営会社であるとかウィーチャットであるとか、また、テンセントも、中国の軍事産業と非常に密接な関係があるということでリストに載りかけたんです、トランプ大統領のときに。ただ、それに載っかると、株の売買、手数料が入らないから困るという金融機関の大変な圧力を受けて、リストには載らなかった。しかし、軍事関連企業ではないということが理由じゃなくて、載らなかったわけじゃなくて、テンセントは軍事関連企業であることには変わりはないと私は思っています。

 このエンティティーリストに似たもので、同様に、対中政策の一環として、米国政府が主導する5Gクリーンネットワーク構想というのがありますが、これについて説明をしてください。

赤堀政府参考人 御説明いたします。

 クリーンネットワーク構想とは、二〇二〇年八月に米国のトランプ前政権が提唱した構想であり、具体的には、悪意のある攻撃者から市民のプライバシーや機密情報を含む国家の資産を保護するとの目的の下、信頼できないITベンダーが米国の通信ネットワークに入り込まないようにする包括的なアプローチであると承知しております。

 右構想には、例えば、米国の安全保障に危険を及ぼす通信キャリアによる米国内の通信ネットワークへの接続の防止等の取組が含まれていると承知しております。

 バイデン政権においても、5Gを始めとする通信ネットワークの安全性は重視していく方針と認識しておりますが、クリーンネットワーク構想自体がその名称を含め引き継がれるか否かについては、引き続き注視していきたいと考えております。

 いずれにいたしましても、日米両国は、5Gやその次の世代の移動通信システムについて安全性、信頼性を確保することで一致しており、引き続き日米での連携をしていきたいと考えております。

長尾(敬)委員 理事の皆さんにお許しをいただいて、ちょっとここにお示しすることだけ。これがクリーンネットワークに所属している通信会社の一覧です。最初は日本のKDDIさんとNTTさんだけが、ただ、後に二社が入ったわけですが、そのうち一社が、せっかく入ったのに、今回テンセントの子会社から出資を受けるということについて、非常に懸念が残ります。

 ですから、財務省さんには、ちょっと答弁は求めませんが、純投資でも事後報告が義務づけられている、政府にはとにかく厳格に審査をしていただきたいと思いますし、場合によっては売却を含む措置命令を発することができるわけでありますから、日本の有数の企業また機微技術をとにかく守るために、国民の情報を守るために御尽力をいただきたいと思っております。

 最後に、やはりこういった価値観を共有する国家とともに日本の企業が歩んでいかなきゃいけない、だけれども、なかなかうまくいかない事例も多々あるんですけれども、こういった関連する事案について、経済班からちょっと御所見を求めて、質疑を終わらせていただきたいと思います。

中込政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のとおり、経済分野における国家安全保障の中で、外国人投資家による対内直接投資の審査は非常に重要な課題になっているところでございまして、先ほど先生から御指摘ありましたとおり、二〇一九年にも外為法の改正というのが行われておりますし、その中で、国内だけじゃなくて、国外の行政機関との情報連携の強化というのも図っていくということになっているところでございます。

 国家安全保障局の経済班におきましても、今後とも、経済分野における国家安全保障上の課題について、関係省庁と連携しながらしっかり取り組んでまいりたい、このように考えているところでございます。

長尾(敬)委員 純投資ではないのに純投資だと言い張って、日本の企業が危機にさらされることのないようにお願いをして、質疑を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

木原委員長 次に、足立康史君。

足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。

 お忙しい中、今日もありがとうございます。

 昨日、我が党の馬場伸幸幹事長が提出した質問主意書について、答弁書を閣議決定いただきました。それに関連して幾つか御質問申し上げたいと思います。

 この答弁書には、冒頭、政府の基本的立場ということで、河野談話を継承しているという従来の答弁が繰り返されていますが、その後、具体的な質問に対して、馬場議員の質問に対して、従軍慰安婦という言葉を、従軍慰安婦又はいわゆる従軍慰安婦という用語ではなくて、単に慰安婦という用語を用いることが適切であると考えているという答弁書を決定をいただいています。

 そうであれば、私たちは、河野談話自体を見直す、こういうことにも取り組んでいくべきであると考えますが、加藤長官、いかがでしょうか。

加藤国務大臣 まさに質問主意書に書かせていただいておりますように、政府の基本的立場は、平成五年八月四日の内閣官房長官談話、いわゆる河野談話を全体として継承するということで、この談話そのものの見直しは考えておりませんが、昨日閣議決定した答弁書において、これまでの経緯を踏まえ、政府としては、従軍慰安婦という用語を用いることは誤解を招くおそれがあることから、従軍慰安婦又はいわゆる従軍慰安婦ではなく、単に慰安婦という用語を用いることが適切であると考えており、近年、そうした用い方をしているということを、その立場を示させていただいたところであります。

足立委員 今日、ちょっと質問の時間が限られていますので、最後まで論戦というか質疑を尽くすことはできないかもしれませんが、幾つか、今後の国会での議論に資するためにということで、基本的なことを、参考人で結構ですから、確認させていただきたいと思います。

 まず、この答弁書で、冒頭、政府の基本的立場は河野談話を継承と書いていただいていますが、ここで言う政府の基本的立場は継承、継承しているのは河野談話の全てなのか、河野談話のどの部分なのか。

 例えば、河野談話にある「旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。」とか、「官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。」とか、「総じて本人たちの意思に反して行われた。」とか、幾つか記述がありますが、それらの記述全てを継承していることは私はないはずだと思うんですね。

 なぜならば、当時、平成五年から時間がたって、研究等も進んでいます。これらの記述の中には、明らかに事実ではないという証拠が研究の中で積み上がってきていると私は考えていますので、全てを継承するのはおかしいと思うんです。いかがですか。

安中政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のとおり、平成五年八月四日の官房長官談話におきましては、慰安所の設置、管理、慰安婦の移送について日本軍が直接あるいは間接に関与した、あるいは、募集に関しては、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くある、また、さらに官憲等が直接これに加担したこともあったことなどが記載されているところでございます。

 この談話につきましては、従来から、これを全体として継承しているというのが政府の基本的立場でございます。

足立委員 ここが大事なところでありまして、今、全体としてとおっしゃったわけですが、じゃ、ちょっと更問いをしますが、河野談話には「旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。」とありますが、直接関与した証拠はないはずで、そうであればこの「直接」という部分は否定できるはずなんですが、これについてはどうですか。各論過ぎて難しいですか。難しければまた改めますから、ちょっと答えてください。

安中政府参考人 これまでも、日本政府が発見した資料の中に、軍や官憲によるいわゆる強制連行、これを直接示すような記述は見つかっていないところではございますけれども、この河野談話につきましては、平成二十六年に検証報告書が出されておりまして、この中でもこうした記述について確認が行われたというところでございます。

足立委員 河野談話自体についてちょっと議論したいんですが、ちょっと今日は時間が限られているので、問題意識だけ申し上げておくと、やはり河野談話の中で、「旧日本軍が直接あるいは間接」の「直接」の部分は特に議論があると思います。というか、証拠がないと思います。それから、「官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。」これも、読み方によりますが、厳しいと私は思いますね。それから、甘言等による、総じて「本人たちの意思に反して」という部分も議論したいと思うんですが、ちょっとそれは次の機会に譲って、今日は閣議決定された文書についてだけもう一回聞きたいと思います。

 まず、先ほど、一つ目は、政府の基本的立場というものを改めて伺いました。もう一つ、後段にある、「「従軍慰安婦」という用語を用いることは誤解を招くおそれがある」と書いていただいています。この誤解を招くというのは、どういう誤解なのか。それは、この答弁書では吉田証言について否定してくださっていますが、その吉田証言のみを否定しているのか、軍の関与全般を否定しているのか。

 要は、従軍慰安婦という用語を用いることによって招くおそれがある誤解というのは、どういう誤解ですか。

安中政府参考人 お答え申し上げます。

 昨日閣議決定されました答弁書におきまして、政府として、慰安婦が軍より強制連行されたという見方が広く流布された原因として、吉田清治氏の虚偽の事実の発表があるということを書かせていただいておるところでございます。

 こうした経緯を踏まえまして、政府としては、従軍慰安婦という用語を用いることは誤解を招くおそれがあることから、こうした言葉ではなく、単に慰安婦という用語を用いることが適切である、そしてそれを近年用いているということを答弁させていただいたところでございます。

足立委員 ちょっと、お答えになっていないので、次の機会に譲ります。

 最後に、一番最後の部分に「客観的事実に基づく正しい歴史認識」と書いていただいていますが、最新の研究に基づく正しい歴史認識を私は政府として国民に知らしめていくべきだと思います。そういう意味で、最新の研究に基づく客観的事実に基づく正しい歴史認識というのはどういう認識か、御答弁をいただけますか。

石月政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の客観的事実に基づく正しい歴史認識の形成とは、諸外国において特定の個人や団体による主観に基づく根拠のない主張がなされている実態を踏まえ、政府自身の取組や公的資料等に基づき明らかとなっている歴史上の事象につき正確な理解を広めるという趣旨でございます。

 日韓間の慰安婦問題について申し上げれば、慰安婦問題を含め、日韓間の財産、請求権の問題は一九六五年の日韓請求権協定で完全かつ最終的に解決済みであり、また、慰安婦問題について、二〇一五年の日韓合意において、最終的かつ不可逆的な解決が確認されております。

 外務省としましては、このような慰安婦問題についての政府の考え方やこれまでの真摯な取組を様々な形で関係者に対して説明してきているところでありますが、我が国の考え方や取組が正当な評価を受けるよう、こうした努力を引き続き行っていく考えでございます。

足立委員 これは引き続き取り上げさせていただきたいと思います。

 次、ちょっともう時間が余りありませんが、どうしても取り上げたかったのは台湾有事であります。

 加藤長官、台湾の問題は、台湾有事への備え、これは大変、今、日本国にとって最も重要な事項の一つだと思いますが、差し迫った危機感を私は持っています。長官はいかがですか。

加藤国務大臣 まず、台湾をめぐる問題について、我が国としては、当事者間の直接の対話により平和的に解決されることを期待するというのが従来から一貫した立場であり、引き続き両岸関係の推移を注視していきたいと考えております。

 また、その上で、我が国を取り巻く安全保障環境、これは厳しさを増しているわけであります。政府として、様々な事態を想定して初動対応に当たっているところであり、また、あらゆる事態に対し速やかに対応できるよう、平素から体制の整備に努め、危機管理に万全を期していきたいと考えております。

足立委員 その際に私が一番心配しているのは、指揮権の問題です。

 先日、防衛省の防衛研究所にお招きをいただいて、政党講義なるものを、維新の代表として、僭越ながらさせていただきました。

 その際に、受講いただいた方、特に米軍から来られている方が、自分は韓国にもいたことがあるんだと。例えば、NATO、あるいは米韓、これは統合作戦本部を当然つくって、そして連合軍の司令官、あるいは連合司令官が指揮権を統一する、これは運用上当たり前なんだという御指摘がありました。

 中山副大臣においでいただいています。

 指揮権が二つに分かれたままで、自衛官の命を守りながら、いや、国を守るんですが、自衛官の命を無駄にするわけにはいきません。

 まず最初に、今の指揮権の形がどうなっているか御紹介ください。

中山副大臣 ありがとうございます。

 まず、自衛隊による全ての活動は、米軍との共同対処を含め、我が国の主体的な判断の下、日本国憲法、国内法令等に従って行われており、自衛隊及び米軍は各々独立した指揮系統に従って行動しております。

 二〇一五年に策定した日米ガイドラインにおきましても、自衛隊及び米軍の活動について、各々の指揮系統を通じて行動すること、また、各々の憲法及びその時々において適用のある国内法令並びに国家安全保障政策の基本的な方針に従って行われることが明記されています。

 なお、他国軍隊同士の指揮権の詳細については、全てが公開情報で明らかにされているわけではないため、確定的にお答えすることは困難でございますが、その上で申し上げれば、湾岸戦争における多国籍軍においては、各国が自国の軍隊の指揮権を保有していたとの指摘があると承知しております。

足立委員 それは自衛官を無用にリスクにさらすことになりませんか。

中山副大臣 ありがとうございます。

 自衛隊による全ての活動は、米軍との共同対処を含め、我が国の主体的な判断の下で、日本国憲法、国内法令等に従って行われることになっており、自衛隊及び米軍は各々の独立した指揮系統に従って行動しているということでございます。

 一方、各々の指揮系統を通じて行動する場合であっても、日米間で緊密な協議や適時の情報共有、調整等を適切に行うことなどにより、事態に際して自衛隊と米軍で整合の取れた対処を行う必要があるのは当然であります。

 日米は、二〇一五年の日米ガイドラインにおいて、平素から有事まで緊密に連携するため、同盟調整メカニズムを設置し、自衛隊及び米軍により実施される活動に関連した政策面及び運用面の調整を行い、適時の情報共有等を行うこととしております。また、事態対処時においては、必要に応じて自衛隊と米軍の間の調整所を設置するとともに、共同活動を行っていく考えであります。

 日米は、これらの取組を通じてあらゆる事態に日米で緊密に対処することとしており、指揮権が分かれていることにより自衛隊員が危険にさらされることはないと考えております。

足立委員 もう時間が来ましたが、加藤長官も同じですね。

 私は、現場が統合されているから大丈夫だというのはおかしいと思うんですね。現場が統合される、指揮権は別。私は逆だと思うんですよね。

 これは議論はありますよ。でも、私はこれは議論した方がいいと。少なくとも自衛隊の皆さんも国会での議論を望んでいると私は勝手に受け取っています。

 加藤長官、一言だけいただいて、終わりにさせてください。

木原委員長 時間が来ておりますので、長官、手短にお願いいたします。

加藤国務大臣 御指摘の有事の際、複数の国家の実力組織の間にどのような指揮系統あるいは調整系統を設けるか、これはまさに政策上、運用上の課題、問題であるというふうには認識をしております。

 現行においては中山副大臣から申し上げたとおりでありますけれども、いずれにしても、我が国の防衛、そして、それをつかさどる自衛隊の命、これをしっかり守っていくという見地から、日々検討していくことは必要だと思います。

足立委員 終わりたいと思いますが、この従軍慰安婦の問題、慰安婦の問題、それから台湾有事の問題……

木原委員長 足立委員、どうぞ終わってください。

足立委員 引き続き、取り上げてまいりたいと思います。

 ありがとうございました。

     ――――◇―――――

木原委員長 次に、内閣提出、参議院送付、ストーカー行為等の規制等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。小此木国家公安委員会委員長。

    ―――――――――――――

 ストーカー行為等の規制等に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

小此木国務大臣 よろしくお願いします。

 ただいま議題となりましたストーカー行為等の規制等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主な内容を御説明いたします。

 この法律案は、最近におけるストーカー行為等の実情に鑑み、相手方の承諾を得ないで、その所持する位置情報記録・送信装置により記録され、又は送信される当該装置の位置に係る位置情報を取得する行為等を規制の対象に加えるとともに、禁止命令等に係る書類の送達について定めることをその内容としております。

 以下、各項目ごとにその概要を説明いたします。

 第一は、規制対象行為の拡大についてであります。

 その一は、相手方が現に所在する場所の付近において見張りをし、当該場所に押しかけ、及び当該場所の付近をみだりにうろつく行為並びに拒まれたにもかかわらず連続して文書を送付する行為を「つきまとい等」に追加して、規制の対象とすることとしております。

 その二は、相手方の承諾を得ないで、その所持する位置情報記録・送信装置により記録され、又は送信される当該装置の位置に係る位置情報を一定の方法により取得する行為等を位置情報無承諾取得等として規制の対象とすることとしております。

 第二は、禁止命令等に係る書類の送達についてであります。

 これは、禁止命令等について、書類を送達して行うこととするとともに、その送達を受けるべき者の住所及び居所が明らかでない場合には、都道府県公安委員会は、その送達に代えて公示送達をすることができることとしております。

 なお、この法律の施行日は、相手方が現に所在する場所の付近において見張りをし、当該場所に押しかけ、及び当該場所の付近をみだりにうろつく行為並びに拒まれたにもかかわらず連続して文書を送付する行為を「つきまとい等」に追加する規定については公布の日から起算して二十日を経過した日、その他の部分については公布の日から起算して三月を経過した日としております。

 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。

 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願いいたします。

 ありがとうございました。

木原委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る五月十二日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時九分散会


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