衆議院

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第24号 令和3年5月14日(金曜日)

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令和三年五月十四日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 木原 誠二君

   理事 平  将明君 理事 冨岡  勉君

   理事 中山 展宏君 理事 藤原  崇君

   理事 松本 剛明君 理事 今井 雅人君

   理事 後藤 祐一君 理事 濱村  進君

      安藤  裕君    池田 佳隆君

      岡下 昌平君    金子 俊平君

      神田 憲次君    小寺 裕雄君

      佐々木 紀君    杉田 水脈君

      高木  啓君    永岡 桂子君

      長尾  敬君    西田 昭二君

      本田 太郎君    牧島かれん君

      牧原 秀樹君    松本 洋平君

      宮崎 政久君    吉川  赳君

      和田 義明君    阿部 知子君

      大西 健介君    森田 俊和君

      森山 浩行君    江田 康幸君

      古屋 範子君    塩川 鉄也君

      足立 康史君    岸本 周平君

      高井 崇志君

    …………………………………

   国務大臣

   (内閣官房長官)     加藤 勝信君

   国務大臣

   (国家公務員制度担当)  河野 太郎君

   国務大臣

   (経済再生担当)

   (経済財政政策担当)   西村 康稔君

   国務大臣

   (デジタル改革担当)   平井 卓也君

   国務大臣         井上 信治君

   総務副大臣        新谷 正義君

   外務副大臣        鷲尾英一郎君

   防衛副大臣        中山 泰秀君

   内閣府大臣政務官     岡下 昌平君

   内閣府大臣政務官     和田 義明君

   内閣府大臣政務官     吉川  赳君

   財務大臣政務官      船橋 利実君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    近藤 正春君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  冨安泰一郎君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  植松 浩二君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  十時 憲司君

   政府参考人

   (内閣官房内閣人事局人事政策統括官)       堀江 宏之君

   政府参考人

   (内閣府健康・医療戦略推進事務局長)       八神 敦雄君

   政府参考人

   (個人情報保護委員会事務局長)          福浦 裕介君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 阿部 知明君

   政府参考人

   (総務省国際戦略局次長) 渡辺  健君

   政府参考人

   (総務省情報流通行政局郵政行政部長)       佐々木祐二君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 赤堀  毅君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 岡田 恵子君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局私学部長)         森  晃憲君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           間 隆一郎君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           宮崎 敦文君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           山本  史君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           堀内  斉君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           横幕 章人君

   政府参考人

   (特許庁総務部長)    小見山康二君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           池光  崇君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房衛生監) 椎葉 茂樹君

   政府参考人

   (防衛省人事教育局長)  川崎 方啓君

   内閣委員会専門員     近藤 博人君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月十四日

 辞任         補欠選任

  池田 佳隆君     佐々木 紀君

  岸本 周平君     高井 崇志君

同日

 辞任         補欠選任

  佐々木 紀君     池田 佳隆君

  高井 崇志君     岸本 周平君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 内閣の重要政策に関する件

 公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件

 栄典及び公式制度に関する件

 男女共同参画社会の形成の促進に関する件

 国民生活の安定及び向上に関する件

 警察に関する件


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     ――――◇―――――

木原委員長 これより会議を開きます。

 内閣の重要政策に関する件、公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官冨安泰一郎君、内閣官房内閣審議官植松浩二君、内閣官房内閣審議官十時憲司君、内閣官房内閣人事局人事政策統括官堀江宏之君、内閣府健康・医療戦略推進事務局長八神敦雄君、個人情報保護委員会事務局長福浦裕介君、総務省大臣官房審議官阿部知明君、総務省国際戦略局次長渡辺健君、総務省情報流通行政局郵政行政部長佐々木祐二君、外務省大臣官房審議官赤堀毅君、外務省大臣官房審議官岡田恵子君、文部科学省高等教育局私学部長森晃憲君、厚生労働省大臣官房審議官間隆一郎君、厚生労働省大臣官房審議官宮崎敦文君、厚生労働省大臣官房審議官山本史君、厚生労働省大臣官房審議官堀内斉君、厚生労働省大臣官房審議官横幕章人君、特許庁総務部長小見山康二君、国土交通省大臣官房審議官池光崇君、防衛省大臣官房衛生監椎葉茂樹君及び防衛省人事教育局長川崎方啓君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

木原委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。高木啓君。

高木(啓)委員 おはようございます。自由民主党の高木啓でございます。

 本日は、質問の時間を賜りまして、誠にありがとうございます。

 早速、コロナ対策から質問に入らせていただきたいと思います。

 昨夜の菅総理の記者会見で、新たに五県の蔓延防止措置の導入、そして十三道府県にこの蔓延防止が拡大されることがほぼ確実になったと思います。また、緊急事態宣言は、現在、六都府県で発令されておりまして、これによって多くの国民が自由な活動を制限をされているというのが今の現状だと思うんです。

 これは、少しずつ増えているとは言いながらも、コロナ感染者の受入れベッドがやはり決定的に足りないということが現実的にあるからだと思うわけであります。

 私は、去る二月二十六日の衆議院予算委員会の第五分科会でこのことを一度指摘をしたんですが、つまり、それは何かといいますと、ベッドがいまだ不足しているのは、コロナ感染者を受け入れた場合の病院のいわゆる院内感染のリスクというものが払拭できないということが非常に大きな理由になっているということであります。

 つまり、今やられている、病院内のゾーニングと言われていますが、このゾーニングでの対応というのは非常にリスクが高くて、さらに、対策に経済的、心理的な病院側のコストが非常に大きいと思うわけであります。

 したがって、このような感染症が蔓延する事態にあっては、病院内のゾーニングということではなくて、地域ごとに、その地域の病院ごとのゾーニングができる仕組みというものが必要ではないかということを二月二十六日に伺ったわけであります。

 しかしながら、そのときの答弁は、簡単に言うと、それはもう都道府県の話だということだったんですが、あれから三か月が経過をしているんですけれども、今まさにこういう状況になって、この問題を本当にそのまま都道府県に任せたきりでいいのかというふうに思っております。

 もう一度、この点について是非お伺いしたいと思います。

宮崎政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の点、大変重要な課題でございます。

 各都道府県が医療提供体制を整備する上で、国といたしましては、医療機関単位又は病棟単位でコロナ患者の方々を重点的に受け入れる重点医療機関の指定を依頼した上で、既存の病院や病棟をコロナ患者専用に転換をして重点医療機関として病床を確保した医療機関に対しましては、コロナ患者を受け入れる病床のほか、そのために休診した病床についても一般の医療機関よりも高い病床確保料による補助を行うなどの取組をしております。

 その際に、今委員御指摘にございましたようなコロナの専門病院を設置するような場合に当たりましては、特にまとまった人数の医療従事者を確保することが課題になるということがございますので、こうした課題に対しまして、国といたしまして、医師が感染した場合の代替医師の確保ですとか、あるいは医師、看護師等の入院医療機関への派遣等に対しまして交付金によります財政的な支援を行っておりますほか、離職した看護職員の届出情報を活用いたしまして、日本看護協会と連携して潜在看護職員への呼びかけの実施、あるいは都道府県看護協会の調整の下で、支援が必要な医療機関へ看護職員を派遣する仕組みも整備を行ってまいりました。

 また、近いところでの具体例と申しますと、大阪府が設置をいたしております大阪コロナ重症センターにつきましては、看護師不足のために三十床ある重症病床が一部稼働していなかったという状況がございましたので、これにつきましては、厚生労働省が関係省庁と協力をいたしまして看護師の派遣を行いまして、四月二十八日より三十床の運用を開始するに至ったというような事例もございます。

 いずれにしましても、都道府県と連携いたしまして、国といたしましても全力でこの医療提供体制の確保に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

高木(啓)委員 一歩前進だと思いますので、更に進めていただきたいと思います。

 つまり、病院の中でゾーニングをして、一般の患者さんとコロナの患者さんを一緒に診るということのリスクをよく考えてください、こういうことですので、是非ともこの問題は進めていただきたいと思っています。

 続きまして、東京に三度目の緊急事態宣言が発令をされた四月二十三日の夜なんですけれども、菅総理はこのときに、補正予算は考えていないと記者会見で、こういうお話をされたわけです。しかし、これには、私は前提がある話だというふうに思っておりまして、補正を含めた昨年度の予算からの予備費の執行残というのは明らかにあるわけでありまして、この予備費の執行残を含めて、まずそれを有効に使うことが先だから、だから今のところは考えていませんよという言い方だったのではないかなというふうに私は理解をしております。

 そういう意味で、現状のこの予備費の執行残というのは一体幾らあるのかというのを是非明らかにしていただきたいと思います。

船橋大臣政務官 お答えいたします。

 令和三年度のコロナ予備費は五兆円を計上させていただいております。四月三十日に五千億円、そして、本日、五千百二十億円を使用いたしておりますことから、現時点におけます残額は三兆九千八百八十億円でございます。

高木(啓)委員 約四兆円ですよね。ですから、これが今のところ執行残ということですので、まずこのことを使い切ってきちっと政策を実現をする、これがまず第一。

 しかし、もう一方では、昨年度の予算の執行残もあるんだろうというふうに思うんですね。つまり、いわゆる補正の関係で、この問題はちょっと金額は言うといろいろあると思うんですけれども、一説には三十兆規模のお金がまだあるのではないかという話もされているわけであります。これは答弁は求めませんのでいいんですけれども。

 したがいまして、要するにきちっと予算を充てたところには使っていく。更に言うと、コロナ対策にしっかり使っていただいて、今私たちが言っている、自由が制限をされている、このことを一日も早く解消していただくように、是非財務省にもお願いしておきたいと思います。

 さて、続きまして、東京と大阪で自衛隊によるワクチン接種が行われることになっているわけでありますが、会場でその接種を担当される自衛官の方々は当然ワクチン接種の済んだ方だと思いますので、それはそれで結構なんですけれども、私は、自衛官を、特に現場で活躍する、部隊所属の自衛官もやはりコロナワクチンの優先接種の対象であるべきではないのかという気持ちが非常に強くしております。

 これはなぜかというと、いつ起こるか分からない災害派遣等も含めて、我が国の危機管理を考えれば、現場の自衛官にも一日も早く私はワクチン接種の機会があるべきだというふうに思っております。そのことに対して、まず見解をお伺いさせていただきたいと思います。

椎葉政府参考人 お答えさせていただきます。

 現在、新型コロナウイルスワクチンの接種順番でございますけれども、まずは医療従事者でございます。その次が六十五歳以上の高齢者、それが終わりますと、基礎疾患を有する方そして介護施設等に従事する従事者という順番でございまして、その後一般になるわけでございますが、自衛隊はその一般の方に含まれるということでございます。ただ、自衛隊の中にも医療に従事する人、救急搬送に従事する者がおりまして、約一万四千人を対象としておりますが、これは優先接種の対象としているわけでございます。

 こうした政府全体の方針の中で、今粛々とワクチン接種をやっているという状況でございます。

高木(啓)委員 順序については、それはそれで政府の方針は理解をするんですが、しかし、じゃ、あした仮に何か災害が起こったときに、災害派遣に自衛官が行かれますといったときに、やはりしっかりそういう接種をした方が行くべきだと私は思いますよ。ですから、これも一つ課題として、今日、中山副大臣が来られていますので、是非検討していただきたいなと思っています。

 さらに、自衛隊が担当する東京、大阪のワクチン接種センターに係る費用の問題なんですが、今言われているように、これが防衛費から充当されるというふうに聞きました。私は、これはさすがに、国民も含めて、これはいかがなものかと思っている方が大半であるというふうに思っています。私は筋違いだと思います、はっきり言って。

 また、自衛隊が本来業務でないことに対して、このワクチンセンターで従事をされるということに手当も支払われない。これもやはり、いかがなものかなと。本当に、自衛隊は便利屋じゃないんだという言い方がありますけれども、もっとやはりこれは大事にされるべきだと思いますので、この部分についても改善をしていただきたいと思いますが、副大臣の見解をお伺いさせていただきたいと思います。

中山副大臣 高木先生、ありがとうございます。

 まず、市区町村におきますワクチン接種を国として強力に後押しをし、確保したワクチンが可及的速やかに接種されるように、先月二十七日、菅総理から岸防衛大臣に対して、医官や看護官等による組織的な活動が可能な自衛隊により大規模接種センターを設置し、運営するように指示がございました。

 自衛隊が大規模接種センターを設置して高齢者等に新型コロナウイルスワクチンを接種することは、自衛隊法に基づき、自衛隊病院が果たすべき本来の任務の一つとして接種を行うものであることから、その経費については防衛関係費で対応することといたしております。

 他方で、今後、センターの設置、運営に必要な費用の全体像や予算の執行状況も見ながら、自衛隊の通常の活動に支障が生じることのないように、財政当局との調整を含めて適切に対応してまいりたい、かように思います。

 また、今、前段の御質問で衛生監の方が御答弁申し上げましたけれども、先生が指摘なさった、災害時、助けに行く側が助けられる側に回ることがないようにという懸念を念頭に置かれた御質問かと承知をいたしております。先生の御指摘を真摯に受け止めて、また省内でもしっかりと持ち帰って議論をさせていただきたい、かように思います。

高木(啓)委員 私は、我が国の防衛費が今現在でも少ないと思っている議員の一人です。ですから、一時的にしろ、防衛費からワクチン接種のセンターを運営される費用が支払われるということに大変違和感を感じているわけであります。もっと言うならば、防衛費から仮にこういうものが支払われざるを得ないんだということであれば、防衛費をやはり拡大を、増額をせざるを得ないと思います。

 私は、今の日本のこの国の状況からして、我が国の防衛費はやはり少ないと思いますよ。これはやはり、他国との関係だとか、アジア全体の安全保障だとか、アメリカとも先日菅総理が日米首脳会談でお約束をされたように、日本の防衛力は、増強する防衛力に対してしっかりと努力をしていくんだという表明もされたのですから、是非、このことに対して、これは防衛省だけの話ではないんですけれども、当然財務省にも関わる話ですので、国全体で是非防衛費をしっかりと手当てをしていく、そして、自衛官の皆さんに対する、本来業務でないようなことに対してもしっかり手当が支払われるようにしていただきたいと思います。国民はそこを見ていると思いますので、是非ともお願いをしたいと思います。この手当の問題も是非お願いしたいと思います。

 続きまして、個人情報保護に関して質問をさせていただきたいと思います。

 去る三月三十一日に、個人情報保護委員会は、LINE株式会社及びZホールディングスに立入検査に入ったというふうに聞いております。

 そこで、まず以下二点お伺いをするんですが、問題となったシステム管理を委託されていた中国企業とLINE株式会社の契約実態はどのようなものであったのか、個人情報に関して契約上明記されていたことはあったのかどうか、お伺いしたいと思います。

 そして、二つ目は、当該中国企業の技術者から日本のサーバーにあるLINEユーザーの個人情報へのアクセスは、NHKの報道によれば、少なくとも三十二回あったというふうに聞いております。この事実は確認できたのかどうか、お伺いをしたいと思います。

福浦政府参考人 お答え申し上げます。

 LINE社と委託先でありますLINEプラス社間においては共同開発及び共同運営契約、また、委託先であるLINEプラス社と再委託先であるLINEデジタルテクノロジー社の間においては業務委託サービス契約、さらに、当該三社間におきましては個人情報保護に関する契約がそれぞれ締結をされてございました。

 これらの契約におきまして、委託業務の履行過程で知り得た個人情報を業務目的以外に利用しないこと、提供当事者の同意なく第三者への提供をしないこと等の個人情報に関する事項が明記をされてございます。これらの契約では個人情報保護法ガイドラインに記載された内容が盛り込まれておりまして、その内容に問題があるとは考えていないところでございます。

 また、LINE社がシステム開発等を委託をいたしました中国の子会社におきまして、報道された三十二回のアクセスがあったことは確認ができたところでございます。当該アクセスログと業務指示書の整合性等を確認した結果、業務上不必要なアクセスがなされた事実は認められませんでした。

 他方、LINE社では、更に詳細なアクセスログを保存しておらず、閲覧された個人情報の範囲等を特定することはできなかったことから、LINE社に対しまして、不正閲覧等を防止するために、アクセスしたデータの適切な検証を可能としますログの保存、分析など組織的安全管理措置を検討した上で、必要な措置を講ずるよう行政指導を行ったところでございます。

高木(啓)委員 結局、後段の方の答弁を今聞かせていただいて、三十二回アクセスがあったということは確認をされたわけでありますけれども、しかし、その内容については分からないということだと思います。

 実は、何がどのように三十二回アクセスをされて、何がどのように要するに情報が取られたのか、あるいは取ったのか見たのか分かりませんけれども、その中身が分からなければ、単に三十二回アクセスがあったということが確認をされただけで何の意味があるのかという気持ちがしてなりません。

 したがいまして、個人情報保護委員会は、アクセスログの解析を含めて、三十二回の内容というものをもっと詳細にきちっと調べるべきだと私は思いますので、分かる範囲というか、これはどこまで分かるのかちょっと、私も技術的に分かりませんけれども、しかし、この三十二回のアクセスで何があったのかということだけは、是非、更に調査を続けていただきたい、私はこのように思っています。

 さて、先般行われた日米首脳会談の共同声明、別添文書二というのがあるんですが、日米競争力、強靱化コアパートナーシップというふうにこの文書は書かれておりますけれども、この中に、イノベーション、信頼できる事業者、多様な市場の促進により、安全でオープンな5Gネットワークの推進という文言が入れられております。これは、今後のいわゆる5G社会をつくる上で、米国が安全保障上問題ありとして名指ししている中国系企業は確実に排除していくということの宣言であるというふうに私は思っています。

 つまり、安全でオープンな5Gネットワークを推進をするために、信頼できる事業者のみの採用が日米両国の約束事でなったということだと思うわけでありますが、このルールでいきますと、今の状況で、LINE株式会社が、先ほど三十二回のアクセスの話もありましたけれども、信頼できる事業者と政府は明言できるんでしょうか。このことを是非教えていただきたいと思います。

渡辺政府参考人 御指摘の日米首脳会談の成果文書における記載につきましては、多様で信頼できるベンダーの機器により構築されている安全でオープンな5Gの展開の推進について一致したものでございます。

 個別事業者がここで言う信頼できる事業者に該当するかについてはお答えを差し控えさせていただきますが、総務省としては、通信ネットワークの信頼性は重要と考えており、国内外においてその確保のための取組を実施しております。

 委員御懸念のLINE社に対しては、今回の事案を受け、総務省として、社内システムに関する安全管理や利用者への適切な説明に関して行政指導を行ったところでございます。

 総務省としては、今後とも、この米国との成果文書も踏まえ、引き続き、安全でオープンな5Gを始めとする信頼できる通信ネットワークの確保に向けた取組を推進してまいります。

高木(啓)委員 明言を避けるのはそれはそれで仕方ない面もあるんですけれども、信頼できるかどうかは、誰かがどこかの時点で、それぞれ何かあったときに判断をせざるを得ない事案だと思いますから、是非その心構えはしておいていただきたいと思います。

 さて、個人情報保護と米国との関係において、中国企業テンセントと楽天の関係についてちょっと伺いたいんですが、テンセントが楽天に六百五十七億円を出資したわけであります。中国国家情報法によれば、民間企業にも中国共産党政権の情報活動への協力が義務づけられているわけでありまして、この法律によって、中国では、利用者情報が中国当局に渡る可能性があるというふうに言われています。

 テンセントは、中国政府とのつながりも非常に強い、政府への協力を明言をしている会社でもあります。米国政府も、テンセントアプリを通じて個人情報が中国政府に利用される可能性があるのではないかという強い懸念を持っていると言われているわけでありますが、こうした企業と楽天との結びつきというのは、この度の日米首脳会談での日米合意と無関係でいられるのかどうかということを是非聞かせていただきたいと思います。

赤堀政府参考人 お答えいたします。

 個別の投資案件については評価を申し上げることはできませんが、その上で申し上げれば、個人情報を含む重要データの流出防止と経済安全保障上の課題に適切に対応していくことの重要性については、日米の間で認識を共有しておりますので、引き続き、両国政府間で緊密に連携を図ってまいりたいと存じます。

 我が国国内の取組については、一般論として申し上げれば、外為法や個人情報保護法等の国内法令に基づき、関係省庁において適切に対応されることが重要であると考えております。

高木(啓)委員 続きまして、楽天とテンセントの出資の関係ですけれども、これは純投資と説明されているようですけれども、投資会社でないテンセントが純投資するというのはおかしいんじゃないかというふうに私は感じているんですね。常識的には、お互いのメリットを生かす業務提携だと思うんですが、その部分を明確にするのが改正外為法だったというふうに思うんです。これは、審査付事前届出制度、これがあるわけでありまして、楽天は、安全保障上重要な業種の中でも更に重要なコア業種十二業種のうちの一つ、通信業に位置づけられているにもかかわらず、この事前届出制の免除になったわけですね、今回。これはその免除対象を広げ過ぎたからだと私は思うんですが、少なくも、コア業種については免除というのはなしとすべきではないのかと。今回の事例からここを早急に塞ぐ措置を私は取るべきだと思いますが、是非このことに対する見解を伺いたいと思います。

船橋大臣政務官 テンセント子会社による楽天株式会社への出資に係る外為法上の取扱いに関しましては、個別の事案に関わることでございますので、お答えは差し控えさせていただくことを御理解いただきたいと思います。

 その上で、一般論として申し上げますが、事前届出免除制度は、健全な投資を一層促進しつつ、国の安全等を損なうおそれのある投資へ対応するという法改正の趣旨を踏まえまして、一定の基準の遵守を前提として事前届出を免除することとしたものでございます。

 国の安全等を損なうおそれの大きい業種、いわゆる、今ほども御指摘ございましたコア業種に関しましては、一般投資家が会社の株式を一〇%以上取得する場合は免除制度の利用はできない、一〇%未満の取得である場合に限り、役員に就任しない、非公開の技術情報にアクセスしないといった通常の基準に加えまして、コア業種に属する事業に関しまして、取締役会等に自ら参加しない、会社に期限を付して回答等を求めて書面で提案を行わないとの上乗せ基準の遵守を前提に、免除制度の利用を可能としてございます。

 なお、外国投資家は、事前届出免除制度を利用する場合、株式を取得した日から四十五日以内に報告書を当局に提出する必要があるほか、免除基準を遵守し続ける必要がございます。当局は、基準の遵守状況について任意の聴取や外為法に基づく報告徴求を通じて確認を行うことが可能となっております。また、外国投資家が免除基準を遵守しない場合には、当局は、外国投資家に対しまして遵守勧告及び命令を行い、従わない場合は株式売却を含む措置命令を行うことが可能となっております。

 いずれにいたしましても、対内直接投資等については、外為法に基づきまして国の安全等を損なうことがないよう関係省庁などと連携をいたしますとともに、委員の御指摘を踏まえさせていただきまして、財務省としても違法行為を適時適切に監視できる体制の強化を図ってまいりたいと存じます。

高木(啓)委員 時間が来ましたので、ちょっと最後に一個だけ確認だけさせてください。

木原委員長 高木さん、大変恐縮ですが、時間が過ぎております。

高木(啓)委員 はい、済みません。

 今、船橋政務官からお答えをいただいた件、是非お願いしたいと思います。

 さらに、最後に申し上げたいのは、LINE問題と同じなんですけれども、テンセントと提携をした楽天が今のこの状況の中で本当に信頼できる事業者と言えるのかどうかということだと思います。このことだけ、ちょっと確認をさせてください。

木原委員長 大変恐縮ですが、時間が過ぎておりますので、答弁は結構でございます。

 質疑者を替わっていただきますよう、お願いいたします。

高木(啓)委員 はい。

木原委員長 次に、濱村進君。

濱村委員 公明党の濱村進でございます。

 今日は、平井大臣にお出ましをいただきました。

 参議院でもデジタル改革関連法案が通った後に何で呼び出されるんだというようなお気持ちも出てくるかもしれませんが、恐らく、これからいろいろなことを詰めていかなきゃいけないと思っています。やっとスタートラインに立ったと私は思っておりますので、大臣には最後にお伺いしたいと思っておりますが、いよいよこれから、デジタル改革関連法案、通ったんだけれども、じゃ、国民の皆さんからすればどういうところがありがたいんだっけというところが気になる段階になっていきます。

 便利になっていきますよと言いたいところなんですけれども、本当にそこまで日常的な便利さを実感できるかどうか。これは非常に大きな努力を要すると思っておりますし、業務をしっかり見直していく必要があったりなど課題はたくさんあるので、そうした課題の一つとして、分かりやすい事例として、行政手続におけるオンラインによる本人確認の手法について今日は整理をしたいと思います。

 実は、IT室としてはガイドラインを整備されておられまして、オンライン行政手続においては、オンラインで本人確認する際にこういうやり方がありますよという整理をされておられます。本当は今日皆さんにもお配りした方がよかったなと後から思ったんですが。

 実は、本人確認のレベルはレベルA、B、C、Dと分けられておって、身元確認を保証するレベルと当人認証を保証するレベル、それぞれレベル三から、三、二、一、ゼロというか該当しないレベルが規定されております。その組合せによって本人確認レベルがレベルA、B、C、Dと決まります。この本人確認レベルの中に、極めて高い本人確認レベルとしてレベルAが規定されているわけですが、そのレベルAの当人認証の在り方について、まず確認をいたしたいと思います。

 当人認証で保証されるレベルということでレベル三というのが規定されているんですけれども、これは、耐タンパー性があるハードウェアトークンを用いるということが規定されております。耐タンパー性とかという言い方をするんですが、タンパーレジスタントということで耐タンパー性、この業界では一般的なのかもしれませんが、私は知りませんでした。

 耐タンパー性のあるハードウェアトークン、PINとICチップがあるマイナンバーカードというのが例として掲げられているんですが、ほかに何かあるんですか。具体的に何があるのか、これをまず伺いたいと思います。

冨安政府参考人 御答弁申し上げます。

 委員御指摘の耐タンパー性につきましては、ICチップの中に入っている情報を取り出そうと不正にアクセスした場合に、そういう不正な読み出しとか改ざんとか、そういったものが非常に困難、ICチップが壊れるという意味で、非常にそういう攻撃が困難だということで、耐タンパー性と呼んでおります。

 御指摘の本人確認ガイドラインにおきましては、本人確認の保証レベルが最高となる条件として、耐タンパー性がISO等の国際的な基準に適合していることとしております。マイナンバーカードはこの基準を満たしております。

 このような耐タンパー性のあるハードウェアトークンの全てをIT室として把握しているわけではございませんですけれども、パスポートに搭載されているICチップなどが該当すると承知しております。

濱村委員 そうなんですよ。私も聞いて、パスポートに搭載されているICチップというのは例として出てくるんですが、ほな、ほかに何があんねんという話で、現実的にそれぐらいに限定されているんじゃないかと思うんですね。逆に言うと、行政手続においては行政が発行したそうしたマイナンバーカードあるいはパスポートを使用してくださいねとおっしゃっているのかなとさえ思うんですね。それは、逆に言うと、その結果、十分な本人確認レベルを担保できるということなんだと思うので、それは考え方としてあり得るなと思っております。

 じゃ、具体的な行政手続においてどのような運用をされているかというのを少し、住民票の請求手続を例に取って話をしたいと思うんですが、住民票の取得手続、郵送で行う場合はどのような手続になりますでしょうか。総務省さんにお答えいただきたいと思います。

阿部政府参考人 お答えいたします。

 住民票の写しの交付請求につきましては、住民基本台帳法第十二条第三項におきまして、市町村長に対し、個人番号カード等の本人確認書類を提示する方法等により、現に請求の任に当たっている者が本人であることを明らかにして行わなければならない旨定められております。その上で、住民基本台帳法第十二条第七項に基づき、郵便等により交付請求を行うことも認められてございまして、この場合には、住民基本台帳の一部の写しの閲覧並びに住民票の写し等及び除票の写し等の交付に関する省令第五条に基づきまして、請求者の氏名及び住所などを記載した請求書と併せて、本人確認書類の写しを請求先の市町村に送付しなければならないこととされております。

 請求を受けました市町村は、送付された請求書及び本人確認書類の写しを確認した上で、住民票の写しを作成し、原則として請求者の住所宛てに住民票の写しを郵送することとなります。

濱村委員 今、業務全体の話、手続を聞いたので、更にちょっとピンポイントで確認したいのが、本人確認書類の写しを提示いただければ本人確認についてはオーケーになるのかなというふうに聞こえたんですが、その点、事実としてどうなのか。本人確認の仕方については、これはどういう形でやっているのか、ちょっと更に教えていただけますでしょうか。

阿部政府参考人 お答えいたします。

 郵便等による住民票の写しの交付請求を受け付ける際の本人確認についてでございます。

 住民基本台帳の一部の写しの閲覧並びに住民票の写し等及び除票の写し等の交付に関する省令第五条などに基づきまして、個人番号カード、旅券、運転免許証など、現に請求の任に当たっている者が本人であることを確認するため市町村長が適当と認める書類の写しの添付を求めることにより行ってございます。

 さらに、その者が本人であることにつきまして、窓口で請求を受け付ける場合と同水準の心証形成が必要なため、必要と判断されるときは、適宜、電話等により質問を行うなど、補充的に本人確認のための行為を積み重ね、慎重に取り扱うことが適当である旨、事務処理要領において定めているところでございます。

濱村委員 市町村長が認めるやり方、そして、窓口と同等であるかどうか、窓口でやっているような本人確認が、なかなか郵送でいただいた本人確認書類の写しだと分からないよということになれば、電話などをしながら確認をするんだという御答弁でございました。

 一生懸命そうやって、本人であるかどうかということは確からしさを高めようとされているのが今の現状の郵送による手続だと思います。

 この郵送による手続で、一生懸命、本人確認の確からしさを、確度を上げていこうということをされているわけですが、一方で、オンラインによって手続、住民票もオンラインで請求できるというところもありますが、この場合は本人確認はどのようにして行っておられるのか、伺います。

阿部政府参考人 お答えいたします。

 住民票の写しの交付の請求につきましては、情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律第六条第一項に基づきまして、御指摘のとおり、オンラインによって行うことも可能とされてございます。

 この場合の本人確認につきましては、原則として、総務省関係法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律施行規則第四条第二項に基づきまして、入力する事項についての情報に電子署名を行い、当該電子署名を行った者を確認するために必要な事項を証する電子証明書を併せて送付して行うこととなるものでございます。

 電子証明書は、暗号技術により成り済ましや情報の改ざんを防止できることから、オンラインでの安全確実な本人確認が可能となっているものと理解してございます。

濱村委員 電子署名が大事なんですね。なので、電子署名を得られるような形で今はやっていますということなんです。

 このことを、郵送によってやることとオンラインによってやることと比較すれば、極めて、オンラインでやることの方が本人確認の保証レベルが向上しているというか、本人とほぼほぼ断定できるようなレベルになっているんじゃないかなと思っております。私は、この郵送のやり方とオンラインでやるやり方、相当差があるなと思っておりますが、逆に、オンラインでやれるようになることによって、本人確認レベル、保証レベルが向上するというふうに感じていますが、総務省さんとしては、これはどう考えておられますか。

阿部政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のとおり、オンラインによる電子署名を用いた住民票の写しの交付請求では、暗号技術により成り済ましや情報の改ざんを防ぎ、安全確実な本人確認を行っております。

 他方で、郵便等による住民票の写しの交付請求におきましては、先ほども御説明しましたように、様々な本人確認書類の写しを送付していただいた上で、さらに、必要に応じ、適宜、電話等により質問を行うなど、窓口で請求を受け付ける場合と同水準の心証形成が得られるよう、補充的に本人確認のための行為を積み重ねることが適当である旨、事務処理要領においても定めているところでございます。

 私どもとしましては、これらによりまして、郵便等による手続の場合にも、対面での手続に準じた本人確認を担保しようとしているものでございます。

 各市町村におきましては、成り済まし等の不正な手段による交付請求を防ぐ観点から、事務処理要領を踏まえ、慎重に取り扱っていただきたいと考えているところでございます。

濱村委員 総務省さんとしては、今、現状の郵送がゆるゆるということだと認めるわけにもいかぬわけですし、それはちゃんと各自治体において適正に本人確認していただいているものということで御答弁いただいておりますが、それはそうだと思います。

 私も別に、郵送だから本人確認がなおざりにされているということを申し上げたいわけではなくて、これは行政コストが発生するわけですね。本人であるということで、これは本人かな、分からぬなと。社員証とか学生証でもいいと言っているような自治体もあります。そういうものの写しでオーケーなんですね。だったら、判然としないとなりますと、やはりこれは再度確認しようというような、行政窓口の方々の業務が発生するわけです。それが必要なくなるという意味においては、オンラインによる手続に切り替えていくことは非常に大きなメリットがあると思っております。

 ですので、こうした、今日は住民票の請求手続についてお伺いしましたが、それぞれの行政手続がどういった本人確認の保証レベル、認証レベルを必要とするのか、これは精査していかなきゃいけないんだと思っておりますが、最後、平井大臣にお伺いいたします。

平井国務大臣 私も濱村先生と同じ問題意識を持っておりまして、今の本人確認、いろいろな手続、例えば、選挙の投票、期日前投票なんかもそうだと思うんですけれども、要するに、本人確認レベルというのはそれぞれの現場に任せているところも多いんですよね。デジタル化によって、それは全体としてはやはり相当レベルが上がるというふうに思っています。

 今は、本人確認のガイドラインに基づいて、各省庁がリスク評価をしながら決めているということですけれども、国民への影響が大きい手続とか、いろいろな手続がある中で、内容に応じたレベルをどのように考えていくか、これを検討してまいりたい、そのように思います。

濱村委員 内容に応じた検討を是非進めていっていただきたいんです。

 このeKYC自体を非常に大事な分野として事業者としても取り組もうとされている方々もおられますので、予見性が高まるよう整理をしていただきますことをお願い申し上げて、終わります。

 ありがとうございました。

木原委員長 次に、大西健介君。

大西(健)委員 立憲民主党の大西健介です。よろしくお願いします。

 東京、大阪に出されていた緊急事態宣言が延長になり、私の地元の愛知県にも緊急事態宣言が発令されました。

 愛知に緊急事態宣言が出ることが決まったのが五月六日のことでありますけれども、その日のちょうど夕方四時頃だったと思いますけれども、大村知事は会見で、蔓延防止等重点措置の延長と名古屋だけだった対象地域を尾張地域に拡大をするというようなことを表明されていたんですけれども、そのほんの数時間後に突如として愛知も緊急事態宣言だということになりました。

 県の職員なんかも、蔓延防止等重点措置の延長ということで、もうビラを用意したりとか自治体に連絡をしたりとかしていて、県職員も寝耳に水で報道で知ったというふうに言っているんですけれども、我々もちょっと外から見ていて、国と県のコミュニケーションって大丈夫なのかなというふうに思ったんですが、この背景というのをちょっと西村大臣から御説明いただきたいと思います。

西村国務大臣 お答え申し上げます。

 愛知県の大村知事始め、それぞれの知事と本当に頻繁に、特に感染拡大している地域の知事とは一日何回もやり取りもしております。

 大村知事とも連休中から連休明けにかけて何度もやり取りをし、また、愛知、特に名古屋を中心に感染が広がっているということで強い危機感を持って対応してきたところでありますけれども、蔓延防止等重点措置も五月十一日までとなっておりましたが、それでもって対策を緩める状況にないという認識で一致をしていたところであります。その下で、五月六日昼頃だったと思いますけれども、大村知事より延長ということで考えているというお電話をいただいております。

 他方、知事とこういう形で状況を共有しながらでありますが、知事からの要請の中身、様々ありますので、それにかかわらず、国として専門家の意見を聞きながら最終的に判断をしていっているところであります。

 まさに、全体の中で幾つかの指標がステージ4であり、新規陽性者数が増えていること、変異株が七割になってきた、この辺り、知事とも共有をしてきたところでありますが、この日何度かやり取りをして、私どもの、専門家の意見も非常に厳しいということもお伝えをしながら、最終的に知事に、ちょっとどの時点で申し上げたか、何回かやり取りしているので私も正確な記憶はないんですけれども、知事も強い危機感を持っておられますので、御理解をいただいたというふうに理解をしております。

 その後、五月十二日に六百七十九名、十三日の六百二十四名ということで非常に高い数字になっておりますので、引き続き知事と連携しながら感染拡大を抑えていければと考えております。

大西(健)委員 ちょっと地元メディアの報道では、西村大臣から七日の朝まで言わないでくれと言われていたから言わなかったんだみたいな話が出ているんですけれども、そうすると、六日のこの記者会見で蔓延防止等重点措置の延長と言っていてその数時間後にということになると逆に混乱するので、そこら辺、ちょっと上手にもっとやれないのかなというふうに思うんですけれども、いかがですか。

西村国務大臣 恐らく、七日の朝までと私が申し上げたか事務的に申し上げたかあれなんですけれども、一般的に、公表されるタイミングが、分科会が開かれる時間に公表がされますので、その時間のことを多分連絡をしたんだと思いますけれども、ただ、蔓延防止重点措置の延長であれ、緊急事態であれ、当然、市町村なり事業者ともやり取りが必要ですので、ある程度のもちろんそういった調整、あるいはこういった方向で進んでいるということのお話は、当然していたことはあり得ると思っております。

大西(健)委員 とにかく混乱しないようにやっていただきたいなというふうに思います。

 あと、緊急事態宣言が愛知にも出たことで終日酒類が提供できないということで、事実上の禁酒令だと、飲食店の皆さんからそういう声があるわけですけれども、私も、先日地元である居酒屋の経営者の方とお話しする機会があったんですが、その方が言っていたのは、検温、手指消毒、アクリル板の設置、あるいは空気清浄器の設置、座席の間隔を取るとか、やれることは全部やってきた、時短要請等、今までいろいろなことについてもちゃんと従ってきた、ところが一方で、感染防止対策を全くやっていない店もあって、あるいは時短要請なんか全然守っていなくて、そっちの店の方が繁盛してしまっている、もう限界だというようなお声がありました。

 一方で、政府は、感染症対策をしっかりやればオリンピックはできるんだと言っておられます。その理屈に立てば、ちゃんと感染症対策をやっているんだったらば、時短とかは必要かもしれませんが、一定の範囲での酒類の提供も含めた営業を飲食店にも、ちゃんとやっているところとやっていないところを区別して、やらせるということも私はあり得るんじゃないかと。

 いわゆる山梨モデルという、感染症対策は守られているかというのを現地でしっかり確認した上で認証のお墨つきを与えて、そこのめり張りをつけるというやり方があると思うんですけれども、このことについて、西村大臣の御見解を伺いたいと思います。

西村国務大臣 御指摘のように、時短の要請、あるいはお酒、カラオケ、そういったものを提供しないようにということの要請も行っている中で、多くの事業者の皆さんに御協力いただいて、改めて感謝申し上げたいというふうに思いますし、そうした中で、なかなか応じていただけない店、あるいは感染症対策を丁寧にやっている店とやっていない店があるということ、私どももいろいろな形でそれぞれの県からも伺っているところであります。

 その上で、御指摘のような山梨モデルを始めとして、先進的に認証の仕組みを入れている都道府県のそうした取組を参考にしながら、四月三十日に全都道府県に対しまして、こうした認証制度の導入について、私ども内閣官房と厚労省、農水省連名で発出をいたしまして、自分たちで独自にやっているというだけではなくて、しっかりと第三者の認証を入れていく、この仕組みを導入することとしたところであります。事務費も、地方創生臨時交付金の中で、そうした徹底をしていく費用も見ているところであります。

 その上で、御指摘のように、アクリル板とか換気とか含めて徹底しておられるお店に対して、どういうふうなインセンティブを与えていくのか、あるいは対策上何か差をつけていくのか、こういったこと、まさに、変異株という、感染力が強いこの変異株の感染状況、これは今、スーパーコンピューターなども使って、今までの対策で十分なのかどうかも含めて検証を進めているところでありますので、そういった分析も踏まえながら、今後、適切に守っている店にプラスになるようなやり方、どういうものがあり得るのか、検討していきたいというふうに考えております。

大西(健)委員 とにかく、正直者がばかを見ないというか、ちゃんと守っているところが大変で、守っていないところに客がたくさんいるというのは、これは本当にやりきれないと思いますので、そこはよく考えていただきたいなというふうに思います。

 緊急事態宣言については、休業要請との線引きが曖昧、前は、これは蔓延防止のときでしたけれども、駅の北側と南側でみたいな、この場でも大臣と議論させていただきましたけれども、今回、特措法で同じ劇場等に区分されている施設の中で、映画館とプラネタリウムは休業しなければならない。むしろ逆じゃないか。役者の飛沫が飛ぶ劇場はいいのに、黙って見る映画、今、映画は普通に、前のときも、ポップコーンとか飲食は禁止になっているので、黙って見る分にはそっちの方が安全じゃないか。人流を抑えるというんだったら、なぜ、じゃ、劇場は営業できるのか。ここに合理的な説明をしっかりやるべきではないかという声がありますが、西村大臣、いかがでしょうか。

西村国務大臣 私ども、まず、国の基本的対処方針におきましては、イベントについては五千人、五〇%、御指摘の商業施設などにつきましては八時までの時短をお願いするという、映画館の場合は五〇%、そして二十一時までということになっていると思いますけれども、五〇%、五千人、二十一時までということで対処方針にしているところでありますが、その上で、感染状況に応じて、特に東京、大阪は厳しいということで、知事の判断でこれまでやっていたような措置を継続してできるというふうにしております。

 その中で、御指摘の映画館、プラネタリウムなどについて、東京都の判断で休業要請ということがなされているところであります。私どもも、何度かやり取りもしながら、都としてそういうふうに取り組むということでありますので、最終的には都の判断でございます。

 したがいまして、事業者の皆さんには都知事の要請を踏まえた対応をお願いしたいと思いますが、その中で、やはり事業者の理解を得なきゃいけませんので、東京都がそういう形で判断をして上乗せをしている措置については、事業者の皆さんに丁寧に御説明いただいて、理解をいただけるように取り組んでいただければというふうに考えているところであります。

大西(健)委員 要は、相当厳しい措置をお願いする以上は、それに従っていただく合理的な説明が必要だと思うんですが、今日の理事会で配付された資料によると、クラスターの発生の中で、劇場はクラスターが発生しています、興行施設も。ところが、映画館でクラスターは発生していないんです。だから、まさに映画館としては、我々は何も発生もしていないし、黙って見るのに、何で私たちがという話だと思うので、そこは、都の判断だからという話じゃなくて、ちゃんと合理的な説明が必要じゃないんですか。

西村国務大臣 五月の前半の大型連休のときは、人々の活動が例年活発になる時期ですので、人と人との接触を減らす、人流を減らすということ、これは変異株の急速な拡大があるものですから、それを抑えるためにはそれが必要だということで、多くの施設を休業要請という形でさせていただきました。

 いわば、感染防止策を徹底してクラスターが出ていないそうした施設であっても、そうした取組であっても、もうこれはそういったことも自粛していただかないと感染が収まらないという判断でそのようにさせていただきました。

 大型連休の後は、通常の生活モードに戻る中で、一定のベースラインを決めた上でそれぞれの知事の判断で対応できるということにしておりますので、御指摘のように、映画館の場合はクラスターも出ていないということで、私どももそういった説明も都との間でもやり取りを様々させていただいていますが、最終的に都の判断でそういうことを判断されていますから、これらの事業者の皆さんに対しても丁寧に説明をしてもらえればというふうに考えております。

大西(健)委員 やはり、それは都の判断で済ませる話じゃなくて、まさに特措法に基づいて、本当に、非常に不利益を被っていただくということですから、これはちゃんと国としてしっかり基準を示さないと、曖昧だと結局従ってもらえないことにつながっていくんだと思います。

 同じような話って幾つかあって、同じように声を出さない美術館とか博物館は、これも都の判断ということですけれども、休業していて、でも、ジェットコースターとか絶叫でばっと飛沫が飛ぶようなそういう遊園地は、もちろん観客を減らしてということですけれども、営業できる。あるいは、もう本当によく分からないのは、例えば本屋が営業できて古本屋は駄目だとか、本当によく分からないということなんですけれども、この辺は併せていかがですか。

西村国務大臣 いずれも、私どもの対処方針では、ベースとなる基本的な対策、必要な対策を定めておりまして、それよりもいわば上乗せして厳しい要請を行っているという状況であります。その辺りの判断、都知事の判断、都の判断でされておりますので、都としてどういう判断でそういう対策を、要請を行っているのか、このことについては東京都において丁寧に御説明をいただければというふうに考えております。

 ただ、いずれの場合も、事業者の皆さんには応じていただけるように、様々な支援策を国としても用意をいたしておりますので、今後も都と連携しながら対応していきたいというふうに考えております。

 最終的に、都知事、都の判断で様々な、法律上も裁量は知事に認められておりますので、知事の判断でなされることについては、丁寧に説明をいただいて御理解いただけるようにしていただければというふうに思います。

大西(健)委員 最終的に都の判断ということでありますけれども、西村大臣も小池知事としっかりお話しをいただいて、先ほども言いましたけれども、結局、従ってもらえるか従ってもらえないかは納得感の問題だと思うんですけれども、やはり、合理的な理由が、疑問符がつくようでは納得感が得られないというふうに思いますので、そこは是非お願いしたいと思います。

 西村大臣、ここまでで結構です。

木原委員長 どうぞ。

大西(健)委員 次に、ワクチンについてお聞きしたいというふうに思います。

 河野大臣は、十二日の夜の民放の番組で、高齢者のワクチン接種に予約が殺到している事態について、効率性より住民の平等性を重んじる自治体が多かった、これは完全に僕の失敗だというふうに発言をされました。この自ら非を認めて謝罪する姿勢には私は敬意を表します。

 であるならばなんですが、十一日の閣議後記者会見の中で、気長にお待ちいただきたいというような発言をされているんですが、これも撤回されてはいかがでしょうか。

 予約窓口に徹夜の列ができるとか、電話回線がパンクするとか、あるいは、自治体に、俺だけ打ってくれ、そういう無理を言う人が出てくるとか、ひとえにワクチン接種が遅れているからであって、気長に待ってくれというのは、ワクチン接種を一日千秋の思いで待っている国民の感情を逆なでする発言だと思いますが、いかがでしょうか。

河野国務大臣 三千六百万人に打っていただくわけですから、これは一日では打てません。一週間でも打てません。恐らく、七月の第一週ぐらいまで一回目の接種をお待ちいただかなければならないわけですから、そこは気長にお待ちいただかなければなりません。

大西(健)委員 今の発言は、気長にお待ちくださいとこの国会の場で再び言われたということですけれども、やはり私はそれはおかしいと思いますよ。

 趣旨は分かります、趣旨は分かりますから、私だったら、ワクチン接種が遅れていて大変申し訳ない、十分な量は確保しているので焦らなくても大丈夫ですよ、こう言えば全く問題ないわけです。

 ところが、気長に待ってくれって、誰のせいで待たされているんだよというのが国民の感情じゃないかと思いますけれども、これは撤回されないということでしょうか。

河野国務大臣 必要なら何回でも申し上げますが、ワクチンを一日で三千六百万人打てないということは、多くの国民の皆様に御理解をいただけると思います。

大西(健)委員 私は、繰り返して言いますけれども、先ほど大臣が別の部分で謝罪をされたことは非常にすばらしいなと思っていますし、今言ったように、表現の問題として、やはり、わざわざそんな感情を逆なでするようなことを言う必要はないんです。確かに、量は十分確保していますから御心配要りませんよというメッセージは、大臣が伝えたかったら、それはそれで正しいと思いますけれども、よく考えていただきたいなというふうに思います。

 次に、大規模接種についてお聞きしたいと思いますが、まず防衛省に確認します。

 一日当たり東京で一万人、大阪で五千人という数字は、これは防衛省・自衛隊自身がはじいた数字なのか、それとも、どこからか降ってきた、例えば官邸から降ってきた数字なのか、どちらなのか。これは明確に副大臣からお答えいただきたいと思います。

中山副大臣 東京、大阪の大規模接種センターにおきましてどれほどのワクチン接種を実施可能か見積もるに当たっては、ワクチン接種に当たる医官や看護官等の数だけでなく、問診や接種等に要する時間、経過観察場の収容能力といった地積の観点など、様々な要素が影響をいたします。

 こうした要素を分析、検討し、医官も参加した実地の綿密なシミュレーションを行いました結果、防衛省の想定した条件どおりに整々と接種が行われると仮定をさせていただければ、東京会場においては一日当たり最大約一万人、大阪会場におきましては一日当たり最大約五千人の方に接種可能な能力を提供できる、かように見積もっております。

大西(健)委員 再度確認ですけれども、じゃ、これは防衛省自身がはじいた数字であって、官邸から一万人と、まず上から言われた話ではないというお話ですね。

中山副大臣 繰り返しになりますけれども、私ども防衛省の方で……(大西(健)委員「それだけ答えてください」と呼ぶ)はい。

 能力を提供するという形で、こちらの方からお話を申し上げております。

大西(健)委員 先ほどその見積りの話を少し答弁されましたけれども、例えば、ざっと計算すると、一万人接種すると考えたら、八時から夜の八時までで十三時間あります。一万を割り算すると、一時間七百七十人打たなきゃいけない。一人接種するのに例えば五分というふうに仮定した場合に、一か所で、六十分ですから十二人。そうすると、七百七十を十二で割ると六十四か所、一つの会場で六十四か所、打たなきゃいけないということになります。

 加えて、先ほどちょっと御答弁の中にあったように、問診とか、看護助手とか交代要員とか必要になるので、じゃ、一万人接種するためには、医師、看護師、それから会場運営のスタッフ、何人必要と見積もっているのか。これは事務方からでいいので、御答弁いただきたいと思います。

椎葉政府参考人 お答えさせていただきます。

 今般、自衛隊東京大規模接種センターにおきましては、自衛隊の医官約五十名及び看護官等約百三十名並びに民間看護師約百十名を、また、自衛隊大阪大規模接種センターにおきましては、自衛隊の医官約三十名及び看護官等約七十名並びに民間看護師約九十名をそれぞれ配置いたしまして、ワクチン接種に当たることとしております。

 その上で、今般の自衛隊大規模接種センターの運営に際しまして、医官による予診でございますが、これまでのシミュレーションから約二分を要すると想定しております。この計算どおりならば、医官一人当たり一時間に約三十名の方の予診が実施できることとなるわけでございます。

 このシミュレーションを基に、現時点で考えている東京、大阪両会場におきまして、一日当たりの予診に当たる医官の人数を当てはめて計算した場合、東京会場では最大一日当たり約一万人に、大阪会場では約五千人にワクチンを接種できる能力を提供できると考えているところでございます。

 ただし、これらはあくまでも接種可能な能力でございまして、例えば、常用薬がある方や過去にアレルギー症状を呈した方などにつきましては、医官による予診の際により丁寧なやり取りが必要になると考えていることから、あくまでも接種可能な最大値であると考えております。

 いずれにしろ、東京、大阪に配置する医官、看護官等が安全かつ効率に接種を実施できる環境を整備し、より多くの方にワクチンを届けられるよう取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。

大西(健)委員 今、一定の見積りの内容が示されたわけですけれども、ただ、自衛隊の医官とか看護官というのは、全国にそれぞれ千人程度いると聞いていますけれども、各地の自衛隊病院に普通は勤務している。通常業務とか部隊運営に影響を与えない範囲で出せる人数というのはおのずと限りがあるというふうに思います。

 そこで、こうやってある種自衛隊にやってくれと丸投げされても自衛隊だけではなかなか難しいということで、実は、看護師の派遣とか接種会場の設営や運営のロジを外部委託しています。

 今日、皆さんのお手元に資料を配付をさせていただいていますが、東京会場については日本旅行が約十九億四千九百万円で、大阪会場については東武トップツアーズが九億六千五百五十四万円、それから看護師二百名の派遣については人材派遣のキャリアという会社が約七億六千三百七十七万円で、それぞれ受託をされています。

 さらに、もう少しめくっていただくと、最後の二枚ですけれども、これ、私はネットで探してきたものですけれども、インターネット上にある求人広告です。千代田区ワクチン接種会場での受付、案内、日払いオーケー、時給千四百五十円、経験不問、未経験オーケー、こういうのが出ています。あるいは、最後のやつですけれども、急募、コロナワクチン接種に関しての看護師業務、高時給二千百円、こういうのが出ているんですね。

 派遣会社に丸投げするならば、何も国防を担う、先ほども与党の委員からも質問がありましたけれども、本来業務じゃない自衛隊に何でやらせるんだと。国防を担う自衛隊にやらせなくても、別に厚労省やほかにやらせればいいんじゃないでしょうか、どうせ丸投げするんなら。

 また、なぜ会場のロジの委託先が旅行会社なのか。受託した旅行会社は、こうやってネットにあるように、共に派遣会社に再委託しているわけです。それだったら、結局、中抜きさせているだけじゃないか、こういう見方もありますけれども、これについては、副大臣、いかがでしょうか。

中山副大臣 四月二十七日、菅総理からの御指示を受けまして、防衛省・自衛隊におきましては、東京都及び大阪府に設置する大規模接種センターの運営に向けまして必要な準備を速やかに進めているところであります。

 国として新型コロナウイルスワクチンの国民の皆様への接種を速やかに進めるために、自衛隊はワクチン接種に専念をさせていただく、ワクチン接種を支える受付、案内、予約、また接種記録の管理などの周辺業務につきましてはできるだけ民間役務を活用することが効率的である、かように考えてございます。

 センターの運営に当たりましては、防衛省・自衛隊の能力を可能な限り活用させていただくとともに、民間に委託することができる業務につきましては民間の力を積極的に活用をさせていただいて、より早期にワクチンの接種が行えるように取り組んでまいりたい、そのような形で準備を進めさせていただいてもらっています。

大西(健)委員 先ほど与党の委員からもあったように、防衛費を使ってやるんですよね。防衛費を使ってやるのに、結局、このロジのところとはいえ、旅行会社に委託して、その旅行会社はまた再委託しているわけですよ。結局、そこで中抜きしているわけですよ。防衛費がそんなふうな使われ方をして、副大臣、いいと思いますか。

中山副大臣 国民の皆様方には様々な御意見があると思います。また、私どもの方も、今大西先生から賜ったような御指摘を踏まえまして、しっかりと国民の皆様方に御理解をいただけるように丁寧に説明を尽くしていきたい、かように思います。

大西(健)委員 中山副大臣にせっかく来ていただいているので併せてちょっとお聞きしたいと思うんですが、副大臣がツイッターで、イスラエルとパレスチナの衝突が今非常に激化している、これについて、私たちの心はイスラエルとともにありますという投稿をされました。

 これについては、日本政府は、この暴力の応酬をやめるべきだ、これはそれぞれに自制を求めていて中立的な立場を取っている、これが日本政府の立場だと思いますが、このことについて指摘を副大臣が受けられて、これは個人の見解だからということで、今もまだ削除されていないと思いますが、私は、個人の見解を言われるのは結構ですけれども、今、さっきの大規模接種の話も含めて、非常に政府の重要な職責を担っておられる方が、幾ら個人の見解だからといって、出すとこれは非常に誤解を招くと思うので、どうしても個人の見解を貫かれたいというのであれば、職を辞してそれを貫かれれば結構ですし、やはり、今の職責をしっかり全うしていただくためには、個人の見解は見解としてお持ちになるのは結構ですけれども、一旦これは削除されるのがよろしいんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

中山副大臣 御指摘いただきましてありがとうございます。

 御指摘のツイッターといいますのは、これはあくまでも一政治家としての見解を申し述べさせていただいたものでありまして、公安調査庁の国際テロリズム要覧というのがございます、この要覧におきましては、国際テロ組織に挙げられておりますのが、我が国がテロリスト等に対する資産凍結等の措置の対象としているハマスであります。このハマスがエルサレムを攻撃したとの声明を発出したことを踏まえまして、こうしたテロ行為というのは行うべきではないという趣旨で私は発信をさせていただいた次第であります。

 いずれにしましても、私は、暴力行為はいかなる理由によっても正当化できない、かように考えております。また、イスラエル、パレスチナ両当事者の抱える問題は暴力によって解決されるものでは決してなく、全ての関係者が最大限の自制をもって事態の更なるエスカレートを回避すべきだ、かように考えてございます。この点、政府の見解と私の立場は同じくしている、同様であるということを申し上げておきたい、かように思います。テロに屈するわけにはまいらないというふうに思っています。

大西(健)委員 先ほど、ツイッターは個人のものだからという話でありましたけれども、例えばトランプ前大統領なんかもツイッターでばんばんばんばん発言していることが世界を動かしているわけですから、それはやはり、副大臣がみんなが見れるようなそういうSNSで発言されたことというのはどのように受け取られるかということはしっかりお考えになって、私、行動すべきだと思います。

 時間がありませんのでちょっとここまでにして、最後、在外邦人の対応について、鷲尾副大臣に来ていただいていますのでお聞きしたいと思います。

 私、海外で日本で承認されたワクチンが打てない人をしっかり支援すべきだということを前にも予算委員会で言ったんですけれども、政府の方でも、一時帰国して住民票がない方々に対して空港でワクチン接種を検討しているというふうにお聞きしています。これは是非やっていただきたいと思います。

 ただ、駐在員とか留学生とかその家族が帰ってくる夏休みに是非間に合わせるべきだと思いますし、また、接種を受ける在外邦人の人数、もうアメリカとかで打っちゃったみたいな人もいると思うんですね、何人と見込んでいるのか。また、その分のワクチン、これは別枠で確保しなきゃいけないと思うんですけれども、どこから持ってくるのか、あるいは打ち手はどうするのか。

 こういうことをどのように詰めておられるのか、あるいはいつまでに詰めるのか、この辺を副大臣に決意も含めてお聞きしたいと思います。

鷲尾副大臣 海外在留邦人の安心、安全確保は外務省の最も重要な責務の一つであります。引き続き世界各国・地域において新型コロナが拡大する中で、その重要性は更に高まっていると存じます。

 こうした中で、日本国内に住民票を有しない海外在留邦人は市町村におきまして実施している新型コロナのワクチン接種を受けることができないことから、在留先におけるワクチン接種に懸念等を有する海外在留邦人が一時帰国時に接種を希望する場合に接種を受けられる体制を我が国が責任を持って構築すべく、関係省庁において検討を進めているところであります。

 現時点で具体的な接種開始時期について確定的なことを申し上げられる状況にはございませんが、国内におけるワクチン接種の状況や海外在留邦人の状況も踏まえまして、準備を進めている最中であります。

 また、接種を受ける人数につきましては、各国において、新型コロナのワクチン接種の状況や体制、医療事情、補償制度、日本が承認済みのワクチンの接種の可否等の事情が異なる中で、日本でのワクチン接種を希望する海外在留邦人がどの程度おられるのか、在外公館等を通じまして把握に努めてまいりたいと存じます。

 委員御指摘のワクチンと打ち手の確保並びに時期等も含めまして、しっかりと対応してまいりたいと存じます。

大西(健)委員 何も決まっていないのがちょっと残念ですけれども、是非やっていただきたい。

 時間が来ていますので、最後に申し上げるだけにとどめますが、インドが大変な状況です。帰ってこられる方が七十二時間以内のPCR検査と陰性証明を求められているんですけれども、なかなか予約が取れないとか、あるいは所定のフォーマットの証明書が出ないとか、あるいは検査を受けてもすぐに結果が出ないとか、なかなか陰性証明が取れないという話があります。

 私は、大使館にPCR検査器を設置して、外務省医官が検査するようなぐらいやるべきだと思いますし、もっと言えば、韓国は、インドとか変異ウイルスが流行している国、地域からの直行便をもう止めていて、代わりに自国民の保護のためにチャーター便を飛ばしているんです。私はそれぐらいやるべきだというふうに思いますが、もう時間がないので答弁は、答弁していただけますか、大丈夫……

木原委員長 もう時間が来ておりますので。

大西(健)委員 手を挙げていただきましたが、これは申し上げるだけにとどめますが、是非それぐらいやってください。

 だから、水際対策は厳しくする、でも、自国民を保護するためにはチャーター便を飛ばすことも辞さない、あるいは、ちゃんとPCR検査だって大使館が責任を持ってやる、これぐらいやっていただきたいということを申し上げて、終わります。

木原委員長 次に、足立康史君。

足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。

 大臣、お忙しい中、ありがとうございます。

 まず、河野大臣、四月の二十日に、自治体でいろいろワクチンの問題が起こっていることについて、私の指示不足であったということで、報道もされています。そうやって率直におっしゃっていただくことには敬意を表したいと思いますが、私が関心があるのは、じゃ、どうすればよかったのか。

 こうおっしゃっています。自治体の公平性に対する思い入れというものをしっかり把握をして、必要な措置を取っておくべきだったのかなと反省している、こうおっしゃいましたね。でも、私が言うのもなんですが、既に、接種券の段階的な発送とかアドバイスはしてきていました。何を反省されているのか、是非お願いします。

河野国務大臣 コールセンターの回線数とか、あるいはネットで予約を取るときの容量を見ると、これは、大勢の方が殺到すればパンクをするというのが見えている自治体が多かったものですから、それを避けるためには、例えば、最初は百歳以上、九十五歳、九十歳、段階的に人数を割って接種券をお出しくださいということを申し上げました。

 ところが、やはり、住民の皆さんと直接接している自治体は、そうは言われても、隣の家に接種券が届いているのにうちに届いていないよというクレームになっちゃうと、やはり公平性、平等性を重んじて、多少その予約を取るところが困難かなと思っても、やはり公平性重視だといって、接種券を一斉に出してしまった自治体が多かったわけで、そこは私が、そうしたらどうですかとかという程度にとどめるのではなくて、国の方からもう少し強い形で、段階的に接種をお願いしたいという、自治体からしてみれば、何でうちに届かないんだと言われたら、いやいや、それはワクチン接種を担当している河野がそう言っているのでその指示に従ったまでです、こう言えるような、国からもう少し強い指示というのか、強い勧奨をしなければいけなかったのかなと。

 それだけやはり自治体が公平性、平等性に重きを置いているというところに気づかなかったのは、これは失敗だった、せっかくそこまで気づいていたんだったら、もうちょっと強くお願いすべきだったというのが反省点でございます。

足立委員 七月末という総理がお示しになっている期限について、昨日、総務委員会で大議論になりました。

 実は、同じそのワクチンの接種について、総務大臣が何かメールを出されているのかな、何かメッセージを自治体に出されました。そうしたら、あろうことか、立憲民主党の委員が、昨日、総務委員会で総務大臣をつかまえて、おまえは何やっているんだ、国と自治体は対等だというのを忘れたのか、事例紹介ぐらいならいいよ、でも、何を自治体に命令しているんだといって、えらい立憲民主党が騒いでいました。そういう国会なんです。それは一理あるんですよ、対等ですねと。

 だからこそ、今、河野大臣が反省しているよとおっしゃったのは、私は反省しなくていいと思うんです。だって、自治体の事務としてやっているわけでしょう。だから、それは強く勧奨したら立憲民主党が怒るわけですよ。

 だから、じゃ、今、立法府で何を議論すべきかというと、やはり有事法制が要るねと。今、自衛隊が、防衛省が大規模接種会場を用意していますが、結局、今回の問題は自治体に任せるべきじゃなかったんですよ。法律で国が全部権限を引き揚げて、国が一括して全国のワクチン接種を自分の、自らの国の権限として全て、お金もどうせ見ているんだから。

 河野大臣に今日伺いたいのは、やはり次からは法律でちゃんと河野大臣のところに権限を集めて、自治体に命令できるような法律を作っておくべきではなかったか、その点を反省してほしいんですが、いかがですか。

河野国務大臣 今、このワクチン接種の真っただ中ではございますが、やはり今この仕事をやりながら思うのが、非常事態であるけれども、平時と同じ流れになっているものがいろいろございます、ワクチンの承認のところに始まって。

 だから、非常事態のときにどうするのかということと、地方自治といいながら、やはり、早く厚労省の通知を出してくれ、こう言われてしまう。自治体のここは裁量ですと申し上げても、通知が必要だというところ。逆に、政府の方から、これはこうしろ、これはああしろ、ワクチンをここからここへ融通してはいかぬとか、何か細かい手取り足取りの通知が行って、結果的にそれが自治体での柔軟な対応を妨げる。一体全体、どこまでが地方に任せて、どこまでが国が統一をするのかという、やはりその辺のルールというのが非常に曖昧になっているなと。

 地方自治の在り方と緊急事態のときの対応の仕方、これをどうするかというのは、やはりこの後、次を見据えて考えていかなければいけないことなんだろうなと考えております。

足立委員 ありがとうございます。

 河野大臣はこれで終わりですが、もしお時間があったらちょっと、大事な話をもうちょっとやるので、聞いておいていただきたい。大丈夫ですか。(河野国務大臣「大丈夫」と呼ぶ)

 同じ趣旨で、大臣、四月二十三日に総理が、緊急事態に対する法律を変えないといけない、痛切に感じている、落ち着いたら特別措置をつくらないといけない、こういうふうに発言をされています。

 また、五月十日の予算委員会で、田村大臣が、憲法の制約、移動の自由との関係で、まあ入国者の関係だったと思いますが、ちょっと若干答弁の趣旨が不明なところはあるんですが、移動の自由との関係で、憲法の制約ということを予算委員会でおっしゃったわけです。

 感染症に係る緊急事態法制というのは、今、西村大臣が新型インフル等特措法ということで措置されています。憲法上の制約、感じられますか。

西村国務大臣 特措法第五条にも、基本的人権の尊重と書かれておりまして、取るべき措置は、私権の制約に伴うものでありますから、必要最小限にすべきという規定がございます。

 したがって、どの範囲で何ができるのかというのは常にこの憲法の範囲内ということを考えながらやっているわけでありますが、今回、そうした中で、事業者の皆さんに対して、支援をしっかり行いながらでありますが、営業時間の短縮、休業などの命令、罰則というところを手当てをさせていただいて、与野党の協力をいただいて改正できたわけでありますが。

 さらに、今回の感染拡大を見ておりますと、なかなかやはり、休業要請を行って事業者の皆さんは応じていただいても人出が減らないという中で、人出を減らしていく、最終的には感染症は人と人との接触を減らさなきゃいけないというところまで来ますので、そうした場合、国民の皆さんの命を守るために、必要となればこうした、抑えていかなきゃいけないという中で、外出規制など移動の自由なども規制する必要があるのかどうか。

 多くの先進的な民主国、ヨーロッパやオーストラリア、ニュージーランドなど、そういった罰金なども設けておりますので、そういったことも参考にしながら、今後、データの分析などを進めて、必要とあれば、こうしたところを考えていきたいというふうに思いますが、そうした中で、憲法の範囲内でどこまでできるか、公共の福祉という範囲内でどこまでできるかということは是非考えていきたいというふうに思います。

足立委員 今、実は、立憲民主党の横暴で憲法審査会が止まっています。私は、並行して憲法の議論もすべきだと思うんです。

 西村大臣、もちろん、国会議員の任期とか、既に議論されていることもあるんだけれども、やはり、この感染症に向き合う中で、今あったように、非常に憲法の制約を感じながら、ぎりぎりのところで新型インフル等特措法を作り、提案し、また運用されているわけですね。

 やはり、私は、感染症のような有事にしっかりと対応できる体制に今の日本国憲法がなっているのかどうか、そういうところも議論していくべきだと私は思いますが、担当大臣としてどうお感じになっていますか。

西村国務大臣 まさに、日本と共通の価値観を持つ先進的な民主国家、自由主義、民主主義の国家で、基本的人権を尊重しながらでありますが、この感染症、新型コロナに対応する中で、外出を禁止し、移動を禁止し、それに命令、罰則をかける、基本的人権を極めて強く制約することによって抑えていこうとしている、これがそれぞれの国の法体系の中で認められて実施をされているわけであります。

 民主主義国家でやられているわけでありますので、日本として、本当に国民の皆さんの命を守るために必要となれば、憲法上のそうした議論も含めて、整理をしながら、どこまでやれるのかということ、何をしなきゃいけないのか、こういったことは、もちろんエビデンス、データに基づいた分析も必要でありますが、そうしたことを踏まえながら、不断の検討をしていきたいというふうに考えております。

足立委員 憲法審査会は立法府の問題です。大臣、是非、行政府として、感染症に向き合っている新型インフル等特措法の担当大臣として、憲法審査会、動かせと、ちょっと言ってください。

西村国務大臣 国会の在り方について、審議の在り方については国会でお決めいただくことでありますが、ただ、申し上げたように、例えば感じておりますのは、野党から、例えば、これは議運で質問を受けたと思いますけれども、こんな状態で衆議院選挙ができるのかという質問をいただきましたけれども、そういうふうにもし考えられるのであれば、まさに、こういうふうに感染症が蔓延して選挙をやるべきでない状態と判断したときに任期が来る、この任期をどう考えるのか、これは非常に大事な視点でありますし、こうした状況の中で、野党にとっては大事な、国会の、まさに国権の最高機関としての権限である不信任案などもいろいろ考えなきゃいけないというようなことを含めて、憲法上、いろいろ、もし考え得る議論は、これは国会において是非活発に行っていただければというふうに思いますし、私も、この感染症を抑えていくために何が必要か、これは憲法上の論点も含めてしっかりと考えていきたいというふうに思います。

足立委員 ありがとうございます。

 厚労省、間審議官、昨日に続いて済みません。

 歯科医師によるワクチン接種に係る違法性阻却判断について、ちょっと昨日やり取りしましたが、ちょっと簡単に、昨日御紹介いただいた、事務連絡を出した、私が申し上げたように、場合によってはその一般化、法律にそれをしっかりと定めておくべきかどうかについて、検討すると言っていただいたように記憶していますが、ちょっと簡単に、ここで内閣委員の皆さんに紹介いただきたいと思います。

間政府参考人 お答えいたします。

 ワクチン接種のための筋肉内注射については、現行法上は、医師又は医師の指示の下に看護師等が行う必要があるということでございます。

 その上で、今回は、今委員から御指摘ありましたように、新型コロナウイルス感染症による重症化を予防し、国民の命を守るために、できる限り迅速にワクチン接種を進める観点から、歯科医師によるワクチン接種について、刑法の専門家も含む有識者の懇談会において、判例における違法性阻却の考え方なども踏まえて議論いただいて、一定条件の下で違法性が阻却されると整理され、四月二十六日に事務連絡を発出したものでございます。

 その上で、御指摘のような、歯科医師によるワクチン接種について法的な措置をするかどうか、その必要性につきましては、今回の取組の状況や、あるいは将来感染症が蔓延したときに予防接種を適切に実施する上で、一般的にこのような措置を講ずる必要があるかどうかといったことも踏まえて検討する必要があるというふうに考えているところでございます。

足立委員 実施状況を見ながら検討していただくということです。

 近藤長官、今日はお忙しい中、もう御尊顔を拝見できたのでもういいかなと思うんですが、もうさっきサイドでお話しさせていただいたのでちょっと割愛をさせていただきますが、御足労、本当にありがとうございます。経産省で直属の部下でお仕えしたことがありまして、最も尊敬して、西村大臣も尊敬しておりますが、近藤長官も尊敬しております。

 西村大臣、最後に、通告していませんが、予備費を今日決定していただいていますが、それは予備費はあると思いますよ、幾らか。補正予算をやはり組んだ方がいい、検討をお願いできますか。

西村国務大臣 今日、五千億強予備費を決定する、これはワクチン接種を進めるためのものでありますけれども、残りが四兆円弱になると思います。日々様々な感染状況そして経済状況を見ておりますので、まずはこの予備費の活用を含めて考えていきたいと思いますが、もちろん、日々見ておりますので、必要な対策は機動的にやっていかなきゃいけないというふうに思っております。

足立委員 時間が来ましたので、終わります。ありがとうございました。

 河野大臣も、済みません、時間を取りました。

木原委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 報道によりますと、オリンピック・パラリンピックのホストタウンのうち約四十自治体が事前合宿や交流事業での海外選手受入れを断念したといいますが、この事実関係について確認したいのと、あわせて、理由は何なのか。コロナ感染状況に関して大会参加チームが感染リスクを懸念していること、受け入れる自治体が地域医療への負担が大きいことから断念につながっているのではないのか。その点について御説明をいただきたい。

植松政府参考人 お答えいたします。

 まず、ホストタウンのうち約四十の自治体が事前合宿や交流事業の海外受入れを断念したということにつきましては、報道等により承知しているところでございます。

 それから、受入れ断念の理由につきましては、コロナ感染状況等を踏まえまして、相手国が事前合宿を実施しないこととしたケース、あるいは、相手国が合宿を一か所に集約したため来訪がなくなったケース、練習施設が確保できなかったケースなどがありますが、このほか、相手国からの実施の可否が返答なく受入れを断念したケースや、出場権が得られなかったものもあるところでございます。

 以上でございます。

塩川委員 相手国から事前合宿しないという、そういう連絡があったという話もありました。

 千葉県によりますと、四月十四日、アメリカの陸上競技連盟から、県内で七月上旬から八月上旬まで予定していた事前合宿を中止するとの連絡があったといいます。選手ら百二十人が選手村入村前に約二週間調整する予定をしていたということですが、事前合宿の中止の理由は、新型コロナウイルスの世界的流行が続き、今後も感染症収束の見通しが立たない中で、選手の安全面に関して懸念が生じているためだということだったそうであります。

 官房長官にお尋ねします。

 感染状況について選手の安全面に懸念が強いのではないのか、官房長官の受け止めをお聞きしたいと思います。

加藤国務大臣 まず、御指摘の千葉の事例を含めて、東京大会に参加する国、地域の選手団が新型コロナウイルス感染症の発生状況を要因の一つとして事前合宿を取りやめている事例などが生じていることは承知をしております。

 大会に出場するアスリートの皆さんなどに対して、安全、安心な大会運営を確保するとともに、最高のパフォーマンスを発揮していただくようにすることが必要であり、これまで、関係者が集まったコロナ対策調整会議においていろいろな検討を進めております。

 そこにおいては、検査について、出国前九十六時間以内に二回の検査、入国時検査、入国後は毎日検査を行い、入国後三日目の検査で陰性が確認されることを条件に試合参加を認める。入国後は、行動範囲を原則として宿泊施設及び競技会場等に限定し、移動方法を原則、専用車両に限定するなどの厳格な行動管理を実施し、国内にお住まいの方々と交わらないようにすること。ルールに違反した場合には大会参加資格を剥奪するといった厳しい防疫上の措置を講じているところであります。

 これは、アスリートの方々をお守りするとともに国民の皆さんをお守りするという観点でこうした内容を固めているところでありますので、我々としても、こうした措置をしっかりと講じることによって、選手の皆さん、また国民の皆さんにとって安全、安心な大会であるということ、こうしたことを思っていただけるように更に努力を重ねていきたいと考えております。

塩川委員 アメリカの選手団というのは最大規模の選手団でもあります。特に、陸上ということになれば、メダルの有力候補が軒並みそろっているような、そういった国において事前合宿をやらないということ自身が、非常に、最高のパフォーマンスを示す上でも、選択としては極めて厳しいものがあるだろう、入村前の五日ぐらいからしか対応できないわけですから。

 そういった点で、本当にこういった競技において公正性が担保できるのかということも問われておりますし、やはり感染拡大のリスク、医療体制への大きな負荷も考慮した場合に、オリンピック・パラリンピックについて、やはり中止という選択肢も含めて政府として考えるべきじゃないのか。官房長官として、お考えをお聞かせいただきたい。

加藤国務大臣 これまでも申し上げておりますように、まずは、オリンピック・パラリンピック以前の問題として、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止、これに全力を尽くしていきたいと考えております。

 また、東京大会については、昨年のIOC総会において、競技スケジュール、会場が決定されており、本年夏からの大会の成功に向けて、大会関係者も、そして政府も一体となって取組をさせていただいており、何よりも、国民の皆さんに安心して東京大会を迎えられると思っていただける、こうした環境をつくっていきたいと思っております。

 具体的な中身についてはもう先ほど申し上げましたので、重複は避けさせていただきますけれども、そうした措置をしっかり講じつつ、また、様々なスポーツ大会が、今、日本以外でも行われております、そういったところでの取組、さらに、専門的な知見も踏まえて、関係者とも緊密に連携しつつ、大会に向けた準備を更に進めていきたいというふうに考えております。

塩川委員 開催ありきという態度ではなくて、尾身会長自身も、感染拡大のリスクとか医療体制への負荷の問題とか、オリパラ対応について考えるべきだ、評価をすべきだという点を含めて、開催についての、政府として、中止も含めた決断も念頭に置いたしっかりとした対応を行うべきだ、我が党としては、中止を決断すべきだということを申し上げておきます。

 官房長官はここで御退席いただいて結構です。

 次に、介護施設に対するコロナ対応支援策についてお尋ねします。

 厚生労働省にお聞きしますが、高齢者福祉施設でのクラスター件数の推移がどうなっているか、四月以降、一週間単位の数字を示してください。

宮崎政府参考人 お答え申し上げます。

 クラスターの発生件数に関してでございますが、厚生労働省では、自治体のプレスリリース等を基に、同一の場で二名以上の感染者が出たと報道等されている事案の件数を集計をしております。

 そういう意味で、正確な評価を経たものではございませんけれども、そういう限界があるという前提で申し上げますと、今週月曜日、五月十日までの累積の件数は七千百四十三件となっておりまして、このうち高齢者福祉施設は千四百二十二件となっております。

 四月以降の毎週の件数ということでございますが、これは、各週、最初の営業日におけるものを発表しておりますので、その各週ごとの件数の差分で算出いたしますと、四月五日から十一日までが二十八件、四月十二日から十八日までが四十三件、四月十九日から二十五日までが四十八件、四月二十六日から五月五日までが七十二件、五月六日から五月九日までが三十三件ということになっております。

 高齢者福祉施設のクラスターの発生件数、一月の下旬に同じような期間で取りますと、七十件あるいは百十件を超えるような件数がございました後、一旦減少しておりましたけれども、四月に入りまして中旬以降、四十件から五十件ぐらいの件数は今上がってきている、足元ではそういう数値になっております。

塩川委員 今説明がありましたように、四月以降、クラスターの件数が増えてきている。

 資料もお配りいたしました。御覧いただいて分かりますように、飲食店千三百十七、医療機関千百四十三に比べても、高齢者福祉施設が千四百二十二件ということで、大変クラスターの発生件数が大きい、そこでの死亡者の数が多いということも極めて重大であります。

 是非、こういった状況を踏まえて、感染者の入院先の確保が必要ですし、感染拡大時の医療チームや介護チームの派遣体制を整えること、この点、強く要望しておきます。

 それでお聞きしたいのが、入所者と施設職員のワクチン接種はどうなっているのか。その場合に、入所施設だけではなくて、通所施設の従事者についても高齢者施設等の従事者への接種に含まれるのかどうか、この点確認したいと思います。

宮崎政府参考人 お答え申し上げます。

 新型コロナワクチンの接種順位につきましては、重症化リスクの大きさや医療提供体制の確保等を踏まえまして、まずは医療従事者等、次に高齢者、その次に基礎疾患を有する方、高齢者施設等の従事者という形で順次接種できるようにすることを、専門家、政府の分科会での議論を経て決定をしております。

 その上で、御指摘の、訪問介護や通所介護等を含む在宅サービス事業者の従事者の方々につきましては、市町村の判断によって、地域における病床逼迫時に高齢の新型コロナウイルス感染症患者の皆さんなどが自宅療養を余儀なくされた場合にも介護サービス等を提供する意向のある事業所を把握した上で、こうした場合に介護サービスの提供等を行う職員につきまして、高齢者施設等の従事者に含めて優先接種の対象とすることとしておりまして、引き続き、こうした考え方について丁寧に説明をしてまいりたいというふうに考えております。

 四月十二日には高齢者向けの優先接種を開始をいたしまして、現在は、七月末を念頭に、各自治体が、希望する高齢者に対する二回目の接種を終えられるように取り組んでいただいているところでございますので、引き続き、国といたしましても、自治体と連携をいたしまして、ワクチン接種の効率的な、迅速な実施に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。

塩川委員 通所、訪問施設の従事者について、市町村の判断でということでお話もありました。

 実際には、通所の方をワクチンの接種会場に送迎するような仕事に当たるようなことも含めて行われておりますので、こういった対応について、高齢者施設等の従事者への接種という枠組みでの対応というのも、是非、自治体にも求めていきたいと思っております。厚労省としても、その旨の対応をお願いをしたい。

 それから、職員と入所者への頻回で定期的な検査について、事業者がちゅうちょすることがないように、全額公費負担で行うべきだと考えますが、この点についてお答えください。

宮崎政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のように、施設入所者あるいは従事者の方に対する検査は非常に重要だと考えておりまして、感染リスクが高いと判断される場合には、施設における感染拡大を最小化するために、高齢者施設において積極的に検査を行うことが重要であるということを繰り返し自治体の皆様方にもお伝えをしているところでございます。

 感染リスクが高いと判断される場合に、保健所の判断により必要な検査を積極的に実施していただくという意味としては、その費用は行政検査として見るということでございますので、こうした仕組みを活用いただいて、積極的にお願いしているという状況でございます。

 緊急事態措置区域や蔓延防止等重点措置区域におきましては、さらに、陽性者が発生していない高齢者施設を含めまして、できる限り週に一回程度、少なくとも二週に一回程度の定期検査の実施も要請をしているところでございまして、こうした検査に必要な費用を実質的に全額国の負担としているところでございますので、引き続き、各現場におきまして、施設での検査が積極的に行われますように取り組んでまいりたいと思っております。

塩川委員 国として、できる限り多くの介護施設に、高齢者施設等に検査を受けてもらうことを求めているわけです。しかしながら、感染多数地域における四月から六月にかけての集中的検査については、自治体によって、対象施設や対象者、検査の頻度、費用負担などに違いがあります。

 そこで、確認ですけれども、対象施設については、入所施設だけでなく、通所介護施設、訪問介護施設も除かれていないということでよいですか。

宮崎政府参考人 お答え申し上げます。

 除かれているわけではございません。

塩川委員 対象者については、施設の従事者はもちろん、入所者や施設利用者も除かれていないということでよろしいですか。

宮崎政府参考人 お答え申し上げます。

 除かれておりません。

塩川委員 再確認ですけれども、高齢者施設側の費用負担は生じないということでよろしいでしょうか。

宮崎政府参考人 お答え申し上げます。

 感染拡大防止、感染を収束させるために必要な検査につきましては、行政検査として費用を負担をしているということでございます。国として、行政として、費用を負担して行っていただいているということでございます。

塩川委員 西村大臣にお尋ねします。

 高齢者福祉施設の感染拡大防止対策に、是非とも全力を挙げていただきたい。大臣としての答弁を求めます。

西村国務大臣 まさに、御指摘のように、高齢者施設でたくさん、多数のクラスターが発生しており、大変感染拡大につながっているわけでありますけれども、まさに、利用者や家族の皆さんにとっては欠かせないサービスでありますので、何としても感染予防、感染拡大を抑えていかなきゃいけない、この徹底を図っていければと思います。

 今、厚労省から答弁がありましたので繰り返しませんけれども、やはり集中検査をしっかりやっていくこと、四月から六月にかけても行っていっております。これは行政の負担でやっていっておりますし、また、改めて、抗原簡易キットですね、これは八百万個を、高齢者施設にも配分をしながら、これは、ちょっと具合が悪い人、熱がなくともちょっと具合が悪い人に使えますので、これで、もし陽性者ということで探知できれば、そこでPCRを広げていくというのも一つの方法ですので、可能な限り早く進めたいというふうに考えておりますし、うまくPCR検査と組み合わせながら、感染拡大を抑えていければと思います。

 併せて、厚労省、様々なマニュアルや動画、実地での研修などを行っておりますので、こういったことも働きかけをしながら、高齢者施設の感染予防、感染拡大防止に全力を挙げていきたいというふうに思います。

塩川委員 しっかりと取り組んでいただきたい。

 介護サービス事業所においては、コロナの影響もあって、休業している事業所もあると承知をしています。厚生労働省としては、その実態は把握をしていないということですが、お話を伺ったある都内の介護施設では、四月に入所者、職員合わせて数十人が感染をして、通所リハビリを一か月以上休業せざるを得なくなった、そのために数千万円の減収になったということです。埼玉県内のある小規模な通所介護施設では、過去一年間新規の利用者はなかった、このような話もお聞きしました。

 コロナ感染の長期化によって、事業所が倒産、廃業するなどして、利用者への介護サービス提供が困難になることや介護サービスが存在しない地域が出てくることも懸念をされます。

 厚労省にお聞きしますが、地域における介護サービスを確保するためにも、休業が余儀なくされた事業所への経営支援策が必要であります。コロナ感染症によって通所施設が休業した場合、支援策はどうなっておりますか。

堀内政府参考人 お答え申し上げます。

 介護サービスは、利用者の方々やその家族の生活を継続していく上で欠かせないものでありまして、感染防止対策を徹底した上でサービスを継続していただいている介護事業者に対して、必要な支援をしっかり行っていくことが重要と考えております。

 緊急事態宣言下でも、政府の基本的対処方針におきまして、高齢者、障害者など特に支援が必要な方々の居住や支援に関する全ての関係者について事業の継続を要請するものとされているところでございまして、介護サービス事業者によるサービスを継続していただくために、感染防止策の徹底、人員基準や介護報酬の柔軟な取扱い、また、休業を余儀なくされるような場合でも、通所サービスの訪問サービスへの切替えなども要請しているところでございます。

 また、新型コロナウイルス感染症の影響下におきまして、資金繰り支援としまして、無利子無担保等を内容とします経営支援融資も行っているところでございます。

 引き続き、介護報酬や基金を含め、予算事業など様々な対応を組み合わせながら、御苦労されている介護の現場をしっかり支援してまいりたいと考えております。

塩川委員 西村大臣にお尋ねします。

 今、答弁があったんですけれども、休業した場合については、例えば通所の場合、訪問サービスに切り替えるといったことで、補助金は出るけれども、その金額というのは年間で五十三万七千円なんですよ。そういう意味では、数千万の単位で減収が生じているような事業所にしてみれば、とてもそれでは足りない。実際に、あとは融資しかありませんということでは、地域の介護サービスが維持できるのかどうか、こういう問題になってくるわけです。

 ある埼玉県内の利用者五十人規模の通所介護の事業所では、昨年、感染を懸念をし自主的に二週間休業したところ、減収は一千万円になったと聞きました。その穴埋めが本当に大変だったということもお聞きをしています。

 代替サービスへの費用補助など、僅かな支援では経営は維持できません。休業の補填を何とかしてほしいというのが現場の強い要望です。是非、地域の介護サービスを維持するためにも、コロナ感染拡大防止の観点で休業した介護通所施設などに対して減収補填をしっかり行うべきだ、このことを強く求めたい。

西村国務大臣 今、厚労省から答弁があったところでありますけれども、基本的な感染症対策の実施のために、介護報酬改定を行っているほか、令和三年度の予算において、通常の介護サービスの提供時では想定されないかかり増しの経費などの支援を実施をしているところであります。

 いずれにしましても、サービスを継続していくこと、これはもう欠かせない、利用者の方々や家族の生活を考えれば欠かせないサービスでありますので、現場で献身的に取り組まれている方々に寄り添いながら、必要な支援策をしっかりと講じていきたいというふうに考えております。

塩川委員 かかり増しの補助は五十万円程度なんですよ。これじゃとてもやっていけない、減収補填をしっかり行うべきだと強く求めて、質問を終わります。

木原委員長 次に、森山浩行君。

森山(浩)委員 立憲民主党の森山浩行でございます。

 冒頭、今日は内閣官房参与の高橋洋一さんをお呼びをしてくださいと言ったのに、かなえられていません。委員長、これはひどいじゃないですか。本人が嫌だと言ったんですか。

木原委員長 参考人の招致につきましては、理事会における全員の一致というのが原則になってございます。

 朝の理事会におきまして与野党でこの点を確認をし、今日お呼びをしないということで合意をしておりますので、御承知おきください。

森山(浩)委員 同意をしないことで合意をしたのではなくて、呼ぶということを合意しなかったということですよね。

木原委員長 今日の時点では理事間の合意が整いませんので、今日はお呼びができないということで理事会は休憩になっている、こういうことでございます。

森山(浩)委員 非常に残念です。

 だから、これは、中身、本人に聞けば分かることもいっぱいあるんですけれども、じゃ、質問に入っていきます。

 まず、政府と各種アドバイザーとの関係についてお伺いをします。

 成長戦略会議、ここに、中小企業の集約で生産性を上げるという考えを表明されているアトキンソンさんが指名をされていますけれども、この成長戦略会議とアトキンソンさんの位置づけについてお答えください。

西村国務大臣 まず、成長戦略会議の有識者につきましては、会議の設置の趣旨を踏まえまして、改革を具体化していくこと、また成長戦略を具体化していく、その推進に関して見識のある方として議論に御参加いただいております。

 アトキンソンさんに限らず、それぞれの有識者が様々な見識をお持ちでありますので、有識者同士、時に激しい議論になることもあります。あるいは、閣僚も含めて自由な発想の中で活発に御議論いただいて、政策の参考としているところでございます。

森山(浩)委員 いろいろな意見の人を呼んで議論をする、その場が戦略会議で、そこにいろいろな意見の人が来ている、そのうちの一人だということだとお伺いをしました。

 じゃ、内閣官房参与の高橋洋一さんの位置づけというのはどういうことになっていますか。

加藤国務大臣 まず、内閣官房参与は、内閣官房に置かれる一般職非常勤の国家公務員、内閣総理大臣の諮問に答え、意見を述べることを任務としております。

 高橋洋一氏については、昨年十月に総理から経済財政政策に関する内閣官房参与として任命されたところであります。

森山(浩)委員 ということは、成長戦略会議と違って、個人として個別に意見を述べるという役割でいいですね。

加藤国務大臣 経済財政政策に係る専門的知見を生かし、適宜、経済見通し、財政運営などについて総理に対して情報提供や助言は行われているものと承知をしております。

森山(浩)委員 その高橋洋一さんなんですけれども、コロナについて、日本はこの程度のさざ波、これで五輪中止とか笑笑、笑笑というのは笑うという字を二つ重ねるんですけれども、ツイッターでこのような発信をして、何を言っているんだというような、いわゆる炎上といいますけれども、非常に多くの意見、また国民の間からも批判が巻き起こってまいりました。

 それに対して総理は、五月十日の予算委員会で、高橋氏については、私、経済見通しとか経済運営、そうしたものを官房長官以前から相談をしております、そういう中で、今回、参与にさせていただきました、五輪のことについては全く相談をしていません、高橋さん個人の主張について私から答弁することは控えるべきだろうと思いますというような答弁をされています。

 これを見ると、五輪について発言をすることは関知しない、知らぬというふうに聞こえるんですけれども、この答弁の解釈はそれでいいですか。

加藤国務大臣 高橋参与について申し上げれば、大学の教授を本業とされております。そして、その専門的知見を生かし、経済財政運営について適宜総理に情報提供や助言を行っていただくため、非常勤の内閣官房参与としてお願いをしているところであります。

 こうした立場でありますので、個人の資格において対外的に行う発信について、基本的にはその内容等も含めて御本人がその責任において行っておられるということでありますから、政府としてコメントは差し控えるということ、これは従来からもそうした立場でお答えさせていただいているということであります。

森山(浩)委員 ところが、ツイッターにしても、内閣官房参与だというように名のって、まあ当然ですけれども、発信をしている。動画などもたくさん上げておられますけれども、私、政府にいたからよく知っているんですよ、政府にいるから分かるんですよというようなことを重ねて発言をされています。

 だから、どこからどこまでが彼の個人的な意見で、どこからどこまでが政府のことを言っているのか、あるいは、ファクト、事実はどうなのかという部分についてない交ぜになっているというふうに認識をするんですけれども、例えば、さざ波という言葉を使っています。これは木村盛世さんの言葉だというふうにその後の動画でおっしゃっていますけれども、さざ波という認識は、これは政府としてはされていますか。

西村国務大臣 高橋洋一さんのコメントにつきましては、私の立場からは、個人的な発言ということだと思いますので、コメントは控えたいと思いますが、政府の感染の認識につきましては、私はさざ波という認識はしておりません。

 既に、地域によっては年末年始の大きな流行を超える大きな流行となっておりますので、だからこそ、緊急事態宣言も発出してこの感染を抑えておりますので、私どもは、この感染拡大、大きな流行を是非抑えていきたいということで、全力を挙げたいというふうに考えております。

森山(浩)委員 政府の内容と違うことを言っているということなんですが。

 さらに、世界から笑われるだろう、笑笑というのは、世界から笑われるだろうという認識だ、こんな状態で五輪を中止したらというような言い方をされています。これは誰にどんな理由で笑われるんでしょうね。

 政府としては、笑われると思っておられますか。

加藤国務大臣 まず、先ほどから申し上げておりますように、参与が個人的な資格で行っておられる発言に対して、政府としてコメントは差し控えさせていただいております。

 その上で、御質問の趣旨がちょっといま一つつかめなかったのは、誰がどういうことなのか、もう少し限定して御指摘いただければと思いますが。

森山(浩)委員 これで五輪中止とか笑笑という意味は、こんな状態で五輪を中止をしたら世界から笑われるだろうと認識しているという、動画で発言をされています。

加藤国務大臣 五輪に対する私どもの対応は、もう既にIOCがこの七月に実施をすることをお決めになっておられる、それに向けて、国民の皆さんがいかに安全な大会と思っていただける環境をつくるべく、大会関係者とも調整会議を行って、そして、先日は変異株のことも踏まえた対策も打ち出させていただいた。まさに、そうした安全、安心な大会に向けて、総力を挙げて取り組ませていただいている、これが政府の姿勢であります。

森山(浩)委員 努力は当然していただきたいと思いますし、されているということですけれども、笑われるんですか。

加藤国務大臣 いや、ですから、そこのコメントは、高橋参与のコメント、御自身の御見解ということで、それに対して政府から申し上げる立場にはないということであります。

森山(浩)委員 やはり本人に来てもらわないと分かりませんね。根拠も真意も分からないという言葉であります。

 さらに、こんなことも言っておられる。十一日、この発言の後の動画ですけれども、主催者はIOCであって、主催者のIOCから、日本が巨額の賠償金、恐らく数千億円を払わなきゃいけないことになる、政府も知っているというコメントがありました。

 これについては事実ですか。

十時政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の高橋洋一内閣官房参与の発言については、報道等で承知をしております。

 御指摘の点については、国は、開催都市契約を締結している当事者ではなく、何ら承知していることはございませんが、いずれにせよ、東京大会の開催も含めたその在り方については、主催者であるIOC、IPC、大会組織委員会、東京都において最終的に決定されるものと理解をしています。

 政府としては、引き続き、東京大会の主催者である東京都や組織委員会、IOCなどと緊密に連携しつつ、大会に向けた準備を着実に進めてまいります。

森山(浩)委員 今の答弁は、つまり、恐らく数千億円、政府も知っているというのは事実ではないということでいいですか。

十時政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の点については、国は何ら承知していることはございません。

森山(浩)委員 国会で、高橋洋一さんがうそをついているというふうに答弁をされました。

 根拠もなく言っているんでしょうか。非常にこれは、本当に本人に真意をたださないと全く分からないじゃないですか。

 さらに、政府の人に申し訳ないと言っていないし、言う必要はないというコメントもしています。こんなのは知らないと言っていたらいいんだというように、かなり強気のコメントをしていて、その後、私、見ました、更に次の動画を上げていないかな、反省していないかなと見ましたけれども、上がっていません。

 昨日、十三日夜の会見で、首相が、非常に残念だと思っている、私自身に、申し訳ないという連絡があったという会見をされています。どっちが本当でしょうか。

加藤国務大臣 どっちがというのは分かりませんが、少なくとも、昨日総理はぶら下がり会見、ぶら下がりを行いまして、高橋さんの発言については非常に残念だと思っており、そうした中で、高橋さんから、総理に申し訳ないという連絡があった旨、これは述べられているところであります。

森山(浩)委員 まず、この最初のツイート、さざ波だと言っている中で、亡くなった人もいる、そして今、医療従事者の皆さんも一生懸命頑張っていただいている、私たち地元の大阪では一万人を超える自宅待機者もいる。全国だってそうです。こんな状況の中で、笑笑というような形でやったことが不謹慎だということをお謝りになったのか、あるいは、さっき政府からおっしゃられました、ファクトではない、事実じゃないことを言った、うそをついたということについて謝られたのか。何を謝ったんですか。

加藤国務大臣 済みません、総理と高橋さんとの会話を逐一承知をしておりませんので。私どもが承知しているのは、昨日総理が、高橋さんから、総理に申し訳ないということ、こういったことでございます。

森山(浩)委員 ちょっとこれはやはり進められないですね。高橋洋一さんの話を聞かないと状況は分からないし。

 五輪、オリンピックというものは、私、一年延期をするというような形でよく交渉していただいたと思っていますよ。この一年の間に何とか感染拡大を防止をして、できるようにしたいと御努力されてきたことも認めます。でも、今この状態、世界でパンデミックになっている、変異株も出てきている、日本の状態だって大変だという中で、それでも五輪をやるのかというぎりぎりの判断を求められるような状況にあるんです。

 そんな中で、こんな状態で中止したら笑われるよというようなツイートをされる人が内閣官房参与でいて、しかも、その真意を説明もせず、言っていることはうそだよ、意見は政府と違う、こういう状況。とてもこんなのじゃ質問を続けられません。

木原委員長 森山委員に申し上げます。

 再度申し上げますが、この委員会は、理事会の場の協議を経て運営をされております。そして、今朝の理事会においては、全員一致で呼ぶのが原則である参考人について、全員一致が取れないということを確認をして、今日はお呼びをしないということを確認をしてこの委員会を運営をさせていただいております。

 どうぞ御質問をしてください。

森山(浩)委員 じゃ、ちょっと言い方を変えましょう。

 私も、今日、ダイヤモンド・プリンセス号の話で、乗客だった人の話を聞いて、皆さんにお伝えをしたい、また主張したい防疫の話があって、こんなことに時間を取っていられないんですけれども、何で謝ったのか、これは本人にしか答えられないんですよ。だから、朝の時点で、この質問の流れでこんなことになると思っていないから、何で謝ったのか、この事実は本人しか答えられませんから、呼んでください。

木原委員長 申し上げますが、今日の委員会の運営については、既に朝の理事会において協議を経て運営をさせていただいております。

 どうぞ質問をお続けください。(森山(浩)委員「答えてくれないと駄目だよ」と呼ぶ)何を答えればいいか、もう一度御質問をお願いいたします。(発言する者あり)

 ただいま、立憲民主党・無所属、日本共産党所属の委員が退席をされました。

 理事をして御出席を要請させますので、しばらくお持ちいただきたいと思います。

 速記を止めてください。

    〔速記中止〕

木原委員長 速記を起こしてください。

 理事をして御出席を要請させましたが、立憲民主党・無所属、日本共産党所属委員の御出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。

 質疑を続行いたします。高井崇志君。

高井委員 国民民主党・無所属クラブの高井でございます。

 今日は、私、内閣委員じゃないんですけれども、岸本委員にお願いをして出番をいただきまして、本当に感謝を申し上げます。

 ちょっと状況がよくつかめていないんですけれども、岸本委員からしっかり予定どおり質問しろという御指示をいただきましたので、質問をさせていただきます。

 それでは、まず河野大臣にお伺いいたしますが、おとといですか、ニュース23、拝見をいたしました。太田光さんとの対談、大変興味深く見させていただきました。私は非常に河野大臣のおっしゃっていることに共感いたしました。

 一つは、やはり日本が非常事態に非常に弱いというか、そういう御指摘。それからあとは、関連しますけれども、やはり公平性を非常に重んじる、特に地方自治体。まあ、地方自治体に限らず、私も、やはり日本の、政府全体も、非常にやはり、もちろん、政府全体というか国民性、あるいはマスコミも含めて、この公平性というものをちょっと過度に重視し過ぎじゃないかという意味では、私は河野大臣と同じ思いを持ったと思っておりますけれども。

 私は河野大臣には、いずれ将来、あの番組でも総裁候補という紹介をされていましたけれども、やはりそういう大きな立場から、日本の今のこのコロナ禍における状況を克服するための大きな話をもっと伺いたいんですが、今日はワクチン担当大臣としてお越しいただいていますのでワクチンの話を聞きますけれども、百万人のワクチン接種計画、これはいろいろ賛否両論あります。しかし、総理がそういった目標を掲げるということは、私は評価していいんじゃないかなと思っています。

 もちろん、それが本当にできるのかということが大事になってくるわけですけれども、私は、しかし、現実にできるとなると相当難しいだろうなと。地方自治体の反応や、あるいはインフルエンザで六十万ですから、やはりそれと比べても相当な高いハードルを掲げた目標を立てていると思いますが、やはりこれをやろうと思ったら、私は、相当やはり河野大臣が、ある意味無理をして、今言った公平性とかもある程度もう捨ててやらなきゃいけないと。

 私はアメリカが一つのやはり大きな参考になると思っていまして、やはりいろいろなテレビのニュースなんかを見ていても、アメリカのあの気迫ですね、とにかくワクチンを打ち切るんだというその気迫が、例えば薬剤師さんが薬局でも、あるいはコンビニでも打てるとか、予約なしでできる、あるいはワクチンを打った人にはプレミアをつけてあげるとか、そういった、多少マスコミから批判されても、多くの国民の皆さんがうっと思ってもやはりやり切る、そういう強い姿勢がなければこの一日百万人というのは私はできないと思いますが、河野大臣、これをやり切るというその決意、そして具体的な方策があれば教えてください。

河野国務大臣 これだけ変異株が急速に拡大している中で、まず重症化しやすい高齢者の方を七月末までに二回接種を終えるというのは、医療への負担の軽減ということから考えても、これはやらなければいかぬことだと思っております。

 そのために、一つはワクチンの供給がネックだと言われておりましたが、ワクチンにつきましては、高齢者に二回分のワクチンの供給、六月の末までに各自治体にお配りをします。また、新しくワクチンが承認されれば大規模接種でそれも使いますので、ワクチンの供給については問題がなくなってきたと思っております。

 そうしますと、それを打つ接種現場での医療従事者の確保というのがどこの自治体でもネックになってくると思いますので、まずこれをきちんとやっていかなければならないというふうに思っております。それでも足らないときには更に強いことを考えていかなければならないというふうに思っておりますが、まず現時点では、しっかりと医師会、看護協会などを通じてお願いをしてまいりたいと思っております。

高井委員 それでは私、多分無理だと思いますね。

 現実に、もうワクチンの供給量はいいんですよ、やはり打つ体制。それで、河野大臣がよく分かっているとおり、地方自治体のある意味お役所仕事的な面、そして公平性を大事にする点などを考えていたら、とても七月末も無理だし、一日百万というのも無理だ。

 そう考えると、もちろん、あと打ち手の問題ですね。これは私、厚労委員でもあるので、この後厚労委員会で、田村大臣にはもう何度も聞いているんですけれども、歯医者さん、歯科医は、私も提言したらようやくできました。しかし、やはり薬剤師それから医学部生ですね。海外ではもうやっているし、あるいはボランティアまでやっている。そのくらいのことをやはり政治決断でやらないと、私は、一日百万人、七月末接種というのはできないと。その覚悟を、所掌は田村大臣かもしれませんけれども、これは河野大臣からも是非言っていただきたいと思います。

 併せて聞きますけれども、ワクチンパスポート、これについては前回の内閣委員会で非常に河野大臣から前向きな答弁をいただいて、ニュースにもなったりして、私も大変うれしかったんですけれども、ただ、あのときも、答弁は海外の関係ですよね。国内は難しいんだという話。河野大臣も、終わった後にちょっと私もお話を聞かせていただきましたけれども、これもやはり、もちろん差別との問題、これは本当に大事です。ですから、しっかりとガイドラインを作るということが前提ですが、しかし、ワクチンを接種したという情報を、今この時代ですから、スマホなどに、そのためのシステムもせっかく政府で準備しているわけですから、これを、ただ海外だけに使うんじゃなくて、国内でも私は是非活用していただきたい。

 この間、私、理容室に行って若いお兄さんに髪を切ってもらったときに、やはりワクチンなんか受けたくないですよ、受けませんよと言っていました。だけれども、例えばこういうワクチンパスポートがあって、これで、例えば夜八時以降もこのワクチンパスポートがあれば飲食店に行けますよとなったらどうしますか、いや、それはみんな受けるでしょうねと。私は、一つの考え方だなと。アメリカのようにドーナツを上げるとかチーズケーキを上げるとかもいいですけれども、やはりそのくらいでは私は打たないんじゃないかなと。

 やはり、今の休業要請をしている中でも、例えば八時以降ワクチンパスポートがある人は営業をしてもいいとなれば、これは飲食店も喜ぶし、そして、ワクチンの効果はもちろん一〇〇%じゃない、しかし、政府はやはりワクチンを打ってくれと言っているわけですから、そのくらいのことをワクチンパスポートでやる。

 これは、差別するんじゃなくて、インセンティブを与える、ワクチンを打った人にはプラスアルファでいいことがありますよという政策は、私、政治決断でやらないと、若い人なんかは特にワクチンを打たないというふうに感じていますけれども、大臣、いかがですか。

河野国務大臣 前回も申し上げたかと思いますが、今政府は海外渡航用のワクチンの証明書をどうするかという議論をしております。委員がおっしゃる国内向けのそういう検討をしたらどうかという御意見は、確かにインセンティブにはなるんだろうなと思っておりますが、そこはもう少し議論が必要かなというふうに思っております。

 ワクチンを打った方に例えばデパートで五%引きとかギョーザ二つ追加とか、そういう打ったらプラスというのは、これはある面よろしいのかなと思いますけれども、どこかお店に入るのには打っていなきゃ駄目、要するに、打たない人は入れませんというネガティブな差別につながるようなことを国内でやるかどうか、これはもう少し国民の皆様の間でも御議論をしていただかなければならないのかなというふうに思っております。

高井委員 大臣、気づいていると思いますけれども、国民的議論をしていてはもう間に合わないし、やはり反対の声もあるので、私はもう決断で押し切るということも必要だと思いますし、今も言ったように、例えば、現状八時までしか駄目という要請をしているところにプラスアルファでワクチンを打った人は行ってもいいよということですから、決して排除とか差別をしているわけじゃありません。

 それから、あと、接種券を持っている、市町村がそれぞれやるのはいいよと大臣おっしゃって、それはそのとおりだと思います。だけれども、やはり接種券を持ってうろうろするというよりも、スマートフォンで、同じワクチンパスポートという仕組みで、全国一律にいろいろできるというシステムがあれば、後はそれは自治体の判断でやってもいいですけれども、まずそのシステムをつくってあげる。これは政府の役割として、ワクチンパスポートを、やはり所管した以上、私はそこまでやることを是非考えていただきたいし、隣の西村大臣と連携しないと、特措法との関係とか時短要請の関係もありますから、しかし、是非お二人で検討していただきたいと思います。

 今度、西村大臣にお聞きしますが、私は、やはり私権制限、先ほど足立さんとのやり取りもちょっと見ていましたけれども、足立さんとか自民党の方はすぐ憲法の話に持っていきたがりますが、そうすると話は進まなくなるんですよ。

 別に憲法を改正しなくても、憲法の緊急事態条項がなくたって私権制限はできますよ。特措法は、確かに与野党の協議があった。でも、我々国民民主党は反対していますし、それに、例えば災害対策基本法とか原子力災害特措法なんかはかなり強力な私権制限をやっていますから、別に憲法を変えなきゃ私権制限できないわけじゃないんですね。

 私は、一月の時点、特措法改正の時点では、まだ、確かに国内の空気も醸成されていなかったけれども、事ここに至ったら、ほとんどの国民の皆さんはもう私権制限やむなしだ、ロックダウンだって必要だともう思っていると思います。それが何か、マスコミとか、政府の皆さんも、日本ではできないんですがと言いますけれども、そんなことはない。

 私は、田村大臣にも、感染症法とか、検疫法だって、十四日間の待機した、今八千人の方が捕捉できないんですよ。家に十四日間ちゃんと待機してもらうということを強制できない。罰則もない。それを提案しても、田村大臣は、日本の法律ではできないんです。そんなことはない。できますから。

 是非、田村大臣にもこの後また言いますけれども、特措法をもうちょっと強化するということを、今後の課題とするんじゃなくて、今まさにこのタイミングだから、政府として提案していただければ、私は、野党も賛成する余地は十分あると。全ての野党じゃないかもしれませんけれども、十分、賛成多数で通す。私は法務委員会もやっていて、入管法なんかを強行採決するぐらいだったら、こういう法律をしっかり政府の責任で通していただきたいと思いますけれども、西村大臣、いかがですか。

西村国務大臣 まさに御指摘のように、感染拡大を抑えていくためにどうすべきか、何をしなきゃいけないのか、日々考えているところでありまして、蔓延防止等重点措置、改正で認めていただいて、講じました。確かに、夜の人流はこれで二、三割どこも減ります。しかしながら、昼はなかなか対策が打ちにくい。緊急事態宣言をやりますと、昼の人流も落ちます。それでも五割、六割であります。

 やはり最終的には、御指摘のように、人と人との接触を避けて、人を減らしていく、外出をできるだけ控えていただくということ、これが最も有効な究極の対策でありますので、そういう意味で、様々データ分析をしながら、どういった対策を更に講じるべきかということを常に考えているところであります。

 そうした中で、外出の、いわば移動の自由を制限する形で対応することも必要ではないかという御指摘。先ほども申し上げましたけれども、先進的な民主国家、もう多くの国で、ヨーロッパも、オーストラリア、ニュージーランドも、外出禁止で、罰金もあります。オーストラリアに至っては最大百六十六万ぐらいの罰金が個人にありますし、イギリスでも百万円近いというふうに思います。

 そうした、まさに我々が手本としてきた、自由主義、民主主義、基本的人権を尊重する国でもそうしたことが行われているということも参考にしながら、また、御指摘の憲法十二条も、国民は、自由及び権利の濫用をしてはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負うというふうに書かれておりますので、この範囲の中で、国民の皆様の命を守るために必要となれば、まさに感染症、感染を抑えていく、そのためにどういった制度があり得るのか、このことについては国会でも今後またいろいろな議論があると思いますし、私どもも不断の検討を行っていきたいというふうに考えているところであります。

高井委員 これをやるときは、ちょっと言い忘れましたけれども、補償もセットなんですね。北風と太陽。やはり補償。

 それから、もう一つ提案しますけれども、我々国民民主党会派は、事業規模に応じた給付金、もう法案も出して、何度も西村大臣に、今日はもう問いませんけれども、あと、一般の多くの国民の皆さんにもやはり我慢してもらうためには、私は、政府の分科会の委員の小林慶一郎さんが提案している所得連動型給付金、これは非常にいい制度じゃないかなと。

 つまり、一旦まず給付をして、そして、所得がある人には後で課税という形で返してもらうということをやる。これは、日本で実はマイナンバーの金融機関の口座のひもづけが義務化ができていれば、できるんですよね。我々国民民主党は、それを法案を出しているんです。

 是非、その法案とセットでこれをやって、まさに所得連動型給付金を私はすぐやるべきだと思いますけれども、いかがですか。

西村国務大臣 高井議員にはこれまでも、事業規模に応じた協力金、支援策ということで、私ども参考にさせていただきながら、今回、百貨店などに対しても規模に応じた支援ということで、御提案いただいている内容と遜色ないような支援策、近い支援策となってきていること、改めて、これまでの提案にも感謝したいと思います。

 その上で、御指摘の所得連動型給付金についてでありますが、昨年、お一人十万円の特別定額給付金を給付させていただいたところでありますけれども、これは、全国一律の緊急事態宣言の下で、お一人お一人それぞれの立場で感染症対策、感染対策を取り組んでいく、まさに連帯をして、一致団結して取り組んでいこうという、そうしたまさに姿勢の中で、国難を克服すべく、十万円を非課税で給付させていただきました。

 そして、御指摘の所得連動型給付金については、様々な、小林さんの御提案もあればいろいろな御提案があるので確たることは申し上げませんけれども、将来、同様の給付をやるような場合には一つのアイデアなのかなというふうに考えているところであります。

 現時点では、厳しい状況にある皆さん方に、一人親の方の一人五万円の給付であったり、あるいは緊急小口資金など、様々な対応をしておりますけれども、引き続き、感染状況なども見ながら、臨機応変に対応していきたいというふうに考えております。

高井委員 最後に一言。

 緊急小口資金、よく西村大臣は言われるんですけれども、私、厚労委員会で田村大臣に何度もこの緊急小口資金、今、滞っているんですね。これの改善をやってくれたら、本当に多くの国民の方が救われますから、是非。総理も、四十一回、緊急小口資金って国会で言っているんですよ。そこまで言うなら、田村大臣にちゃんと、説得していただいて、やるように言っていただけたらと思います。

 以上で終わります。ありがとうございました。

木原委員長 速記を止めてください。

    〔速記中止〕

木原委員長 速記を起こしてください。

 これより森山浩行君の残余の質疑時間に入ります。

 これにて森山浩行君の残余の質疑時間は終了いたしました。

 次に、吉田統彦君。

 これより吉田統彦君の質疑時間に入ります。

 これにて吉田統彦君の質疑時間は終了いたしました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後一時散会


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