衆議院

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第25号 令和3年5月19日(水曜日)

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令和三年五月十九日(水曜日)

    午前十時二十分開議

 出席委員

   委員長 木原 誠二君

   理事 平  将明君 理事 冨岡  勉君

   理事 中山 展宏君 理事 藤原  崇君

   理事 松本 剛明君 理事 今井 雅人君

   理事 後藤 祐一君 理事 濱村  進君

      青山 周平君    岡下 昌平君

      金子 俊平君    神田 憲次君

      杉田 水脈君    高木  啓君

      長尾  敬君    西田 昭二君

      星野 剛士君    牧島かれん君

      牧原 秀樹君    松本 洋平君

      阿部 知子君    大西 健介君

      玄葉光一郎君    森田 俊和君

      森山 浩行君    柚木 道義君

      吉田 統彦君    江田 康幸君

      古屋 範子君    塩川 鉄也君

      足立 康史君    岸本 周平君

    …………………………………

   国務大臣

   (領土問題担当)     小此木八郎君

   国務大臣         河野 太郎君

   国務大臣         西村 康稔君

   国務大臣         井上 信治君

   内閣官房副長官      坂井  学君

   内閣府副大臣       赤澤 亮正君

   内閣府大臣政務官     岡下 昌平君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  十時 憲司君

   政府参考人

   (内閣府健康・医療戦略推進事務局長)       八神 敦雄君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           間 隆一郎君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           宮崎 敦文君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           山本  史君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           横幕 章人君

   政府参考人

   (特許庁総務部長)    小見山康二君

   内閣委員会専門員     近藤 博人君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月十九日

 辞任         補欠選任

  安藤  裕君     星野 剛士君

  吉川  赳君     青山 周平君

同日

 辞任         補欠選任

  青山 周平君     吉川  赳君

  星野 剛士君     安藤  裕君

    ―――――――――――――

五月十八日

 新型コロナ禍に鑑みカジノIR二法の廃止を求めることに関する請願(中谷一馬君紹介)(第八一九号)

 同(辻元清美君紹介)(第八三二号)

 同(長尾秀樹君紹介)(第八三三号)

 同(大串博志君紹介)(第八六六号)

 同(江田憲司君紹介)(第八八六号)

 マイナンバー制度の中止・廃止に関する請願(清水忠史君紹介)(第一〇一二号)

 特定秘密保護法を即時廃止することに関する請願(畑野君枝君紹介)(第一〇一三号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律案(内閣提出第六二号)

 内閣の重要政策に関する件

 公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件

 栄典及び公式制度に関する件

 男女共同参画社会の形成の促進に関する件

 国民生活の安定及び向上に関する件

 警察に関する件


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     ――――◇―――――

木原委員長 これより会議を開きます。

 内閣の重要政策に関する件、公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官十時憲司君、内閣府健康・医療戦略推進事務局長八神敦雄君、厚生労働省大臣官房審議官間隆一郎君、厚生労働省大臣官房審議官宮崎敦文君、厚生労働省大臣官房審議官山本史君、厚生労働省大臣官房審議官横幕章人君及び特許庁総務部長小見山康二君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

木原委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。森山浩行君。

森山(浩)委員 おはようございます。立憲民主党の森山浩行です。

 先日の質問以来、委員長、また両筆頭を始め理事の皆様には、議事の整理をしていただきまして、誠にありがとうございました。感謝申し上げます。

 先日の質問の続きなのですが、高橋洋一内閣官房参与、その直前の動画で、政府に謝らない、謝る必要はないというふうに言っている状況の中で、総理に、その翌日の夜ですかね、電話をしたというような形で、総理がぶら下がりの記者会見でおっしゃっておられました。

 その後、週末のテレビでも、高橋洋一さんが出て、この件については触れずに、持論を展開をされておられたようでありますけれども、この状況、動画の発言との食い違いがあるわけですけれども、謝罪をされた理由について、お聞き取りをしていただいたでしょうか。

坂井内閣官房副長官 お答えをいたします。

 五月十三日に総理がぶら下がりで発言された内容について、高橋洋一氏本人に確認をしたところ、菅総理に対して、今回御迷惑をおかけして申し訳ありませんでしたとの連絡をしたとのことでありました。

 御指摘の投稿につきましては、高橋氏からは、個人の見識に基づくものであり、内閣官房参与の立場からではない、政府関係者との調整や連絡の上のものでは全くないということ、また、新型コロナウイルス感染症の人口比での感染者数の国際比較について、専門家の木村盛世氏の表現を引用して発言をしたものであることとの説明がありました。

 決して、新型コロナウイルス感染症に罹患した方、そして命を落とされた方を冒涜する意図はなく、最前線で御尽力いただいている医療従事者の皆様には感謝をしているということもありました。

 説明により理解を得られると、特段謝罪する必要を感じていなかったとのことでしたけれども、個人の見識に基づいて発信したとはいえ、その投稿における表現に対し、様々な受け止めがあるとの御指摘があり、各方面に迷惑をかけたと考えて、そのことについて謝罪する趣旨で総理に連絡したとのことでありました。

 私が話をしたときにも改めて謝罪があったところでありまして、高橋氏は本件について謝罪されたものと認識をしております。

 また、五月十一日、自身のツイッターにおいて「世界の中で日本の状況を客観的に分析するのがモットーなので、それに支障が出るような価値観を含む用語は使わないようにします。」と述べているものと承知しており、このような表現もその反省を表したものと受け止めているところでございます。

森山(浩)委員 ありがとうございます。

 高橋さんがどのような見解を持たれるか、また、どのように発信されるかというのは個人のことだということですけれども。

 ということは、この間、先日の質問で、さざ波というのは政府の認識と違うのだということについては、個人の見解だから関係ないということだと。さらに、笑笑、これはふざけているんじゃないかという部分については、これは動画の中で必要ならば謝罪、撤回するというようなこともおっしゃっていましたけれども、これについては触れられていない。

 そして、数千億円、オリンピックをやめたら賠償金が必要になる、それは政府も知っているからやれないんだというような話について、これは事実と違うという答弁がありましたけれども、この三点について、具体的な謝罪があったということではなくて、全体としての話であったということですね。

坂井内閣官房副長官 個別の話はありませんでした。

森山(浩)委員 先日の質問の頭で、アトキンソンさんが成長戦略会議のメンバーであって、この成長戦略会議でお話をなさったこと、これが総理へのアドバイスだと、それ以外のことについては個人的な見解というようなことで仕分けができるだろう。しかしながら、内閣官房参与というのは個人で総理にお会いになられるので、つまり、この人が言っていることは総理と打合せをしたものなのかどうか、あるいは政府の見解と一緒なのかどうか、外形的にはなかなか分かりにくいような状況にあるわけですね。

 ですので、この間、西川さんという官房参与もいらっしゃって、政府の立場なのか陳情者の立場なのか分からないというような議論も予算委員会でもありましたけれども、この参与という役職について、包括的に総理へのアドバイザーだというふうに説明をこれまでされていると思うんですけれども、それは違うんだ、総理と会っているときだけ参与であって、それ以外は個人なんだ、私人なんだというような政府の認識なのか、若しくは、この参与という役職自身が国民に与える影響また印象というものを考えるときに、政府の言っていることなのだというふうに誤解をされるという部分も含めて今後対応を考えられるのか、お示しください。

坂井内閣官房副長官 この高橋洋一氏につきましては、大学教授を本業とされていると認識をしております。そして、その専門的知見を生かして、経済財政政策について適宜総理に対して情報提供や助言を行っていただくため、非常勤の内閣官房参与をお願いしているところでございますが、御指摘のとおり、内閣官房参与として政府の見解を発信するということは、元々我々は想定をしていないという状況でございます。

 参与はこのような立場でございますから、個人の資格において対外的に行う発信について、とにかく高橋洋一氏の場合は大学教授を本業とされておりますから、大学教授の仕事の関係等々でもありまして、そういったところでの発信もありますが、そういう対外的な発信については、基本的にその内容等も含め御本人が責任を持って対応されるものと考えておりまして、こうしたことから、高橋氏の発信内容について、政府としてはコメントは差し控えるということで来ております。

 ここの、内閣官房参与という立場であり仕事でありということを、このようにしっかりと説明をさせていただくことが必要かと思います。

森山(浩)委員 つまり、内閣官房参与が発信することというのは個人的な意見であって政府の代弁ではないということだということですけれども、一つだけ、数千億円、政府は知っているよというようなことを政府の肩書のある人が言ったという部分、これは事実誤認、うそだということをこの委員会でも答弁されていますので、政府としては、追ってこれについては事実誤認だということをきちんと確認をしていただいて、高橋さんに、参与ということでこれ以上こういう発言を続けていたら悪影響があるから、身分についてもちょっと考えていただかないといけないんじゃないかというふうに思いますので、それをお願いをして、今日の質問にします。

 ありがとうございました。

木原委員長 次に、吉田統彦君。

吉田(統)委員 立憲民主党の吉田統彦でございます。

 本日もよろしくお願いいたします。

 井上大臣にも来ていただいていますので、せっかく来ていただいていますので、何とかそこまで質問を進めていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

 まず冒頭は、西村大臣にお願いしたいと思います。

 四月に発出された蔓延防止等重点措置、それに引き続き発出されました緊急事態宣言は、ほとんどなかなか効果を見ることがなかったという評価をせざるを得ないかなと思います。宮城県の蔓延防止等重点措置は五月十一日に終了したものの、五月六日に発令済みの緊急事態宣言の継続、また、新たに愛知県、福岡県に緊急事態宣言が発出、さらには、十三日の見送り方針から一転、北海道、岡山、広島については緊急事態宣言が発出されるなど、政府の対応は混乱していらっしゃるようにお見受けします。また、後手後手に回っている印象もございます。こういった点については、マスコミや与野党問わず、厳しい批判も一部受けている、そういった状況かと思います。

 ハンマー・アンド・ダンスという言葉がありますね。感染症の疫学上からきた概念であります。しっかりと強力なハンマーを行えばダンスが長い時間楽しめる、また、小さなハンマーで済む感染初期にたたけばダンスを楽しめるという概念です。

 しかし、残念ながら、昨年のGoToキャンペーンで、このようなハンマー・アンド・ダンスという感染症の疫学の常識を無視したと言わざるを得ないですし、第二波の襲来を許してしまったこと、さらに、現在の第四波を招いた遠因であると言っても過言ではありません。その後も政府は同じような愚を繰り返しているようにも思えます。例えば、第三波の緊急事態宣言の解除はその一例と言ってよいと思います。

 そこで、まず西村大臣にお伺いしますが、今回の緊急事態宣言はどのような条件の下で解除するのか。ステージ3が解除のめどだということは承知しておりますが、どのような形で解除するおつもりなのか、端的にお答えください。

西村国務大臣 全体の認識をお示しをされました。私どもと違うところがございます。

 蔓延防止等重点措置も、宮城、愛媛など、地方部では特に効果を発揮していると思いますし、首都圏三県でも、緊急事態宣言と同等の措置を、東京と隣接する地域で強い措置を講じることによって、何とか急拡大せずに横ばいで抑えている、これも一定の効果を持っているものと思っておりますし、一月―三月の緊急事態も、大阪でいえば五、六十人まで一日の感染者を減らしましたので、夜の人流を減らすということで、一月―三月は東京、大阪共に効果を持ったものと思っております。

 ただ、変異株で、夜の人流を抑えるだけではなかなか減らないということで、大型連休を活用して昼間を減らすという意味で、休業要請など、百貨店などにお願いをして、その御協力によって、今、横ばい、あるいは、大阪は少し減少が見えつつある、こういう状況だと思っております。

 その上で、今の緊急事態宣言につきましては、基本的対処方針に書いてありますとおり、ステージ3を確実なものとして、そしてステージ2を目指してやっていく、段階的に様々なことは解除していく。

 さらに、変異株のことがございます。専門家からは様々な御意見をいただいた上で、対処方針には、「より慎重に総合的に判断する。」という書きぶりを加えさせていただきました。

 この意図するところは、今後、御指摘のように、流行は何度も起こります。起こったときに大きな流行にしないということが大事、ハンマーでその都度たたいていかなきゃいけないということでありますので、そういう意味で、今後、大きな流行としないように、しっかりと対処できるレベルということで、専門家の皆さんの御意見を聞いて判断をしていきたいというふうに考えております。

吉田(統)委員 大臣、ありがとうございます。

 かなり慎重な解除ということをお示しいただいたんだと思います。ステージ3からステージ2という御表現もいただきましたので、そこは本当に慎重に、西村大臣がおっしゃるとおりな部分は本当に多々あると思いますので、よろしくお願いいたします。

 今までの反省に立った部分も、西村大臣、御開陳いただいているんだと思います。ただ、ステージ2のことをお述べいただきましたが、やはり地域の解除、ステージ2になるまで待つだとか、そういったこと、また、我が党の掲げるゼロコロナ政策のように、感染拡大の波が十分に収束され、その状態を、さっきも波が来るとおっしゃっていましたが、継続させるという状況に至って緊急事態宣言を解除すべきだとも私は感じております。是非そこはしっかり御勘案いただきたいと思います。

 先日、政府の分科会の尾身会長は、緊急事態宣言は今回で最後にするべきだとおっしゃいましたよね。政府に今後数か月の具体的な目標を示すように求めたとも報道されています。これはハンマーをしっかりと確実に振り下ろすということを意味していると思いますが、この尾身会長の発言を受けて、政府はどのような目標を、目標を定めてほしいと尾身会長はおっしゃったと聞いておりますので、どのような目標を定めるのか、西村大臣、お答えいただけますか。

西村国務大臣 御指摘のように、私どもも、緊急事態宣言、毎回、何とかこれで感染拡大を抑えるという思いで対応してきているところであります。

 そして、今回、まさにワクチン接種が始まってきております。七月には、高齢者、希望する方々、二回打てるその体制、多くの自治体が、それを目指してやる、できるということで回答いただいているというふうに聞いておりますので、そういう意味で、三千六百万人の高齢者、そしてその前に医療従事者四百八十万人、合わせれば約四千万人がワクチンを接種することが七月までに完了するとすれば、かなり状況は変わってくることも期待されます。海外の例から見ても、ワクチン接種が進んでいる国では、経済活動を徐々に解除していく。

 こういった中で、そういったことも念頭に置きながら、今回、できる限り感染を抑え、そして、どこかで解除することになりますけれども、その後そのリバウンドにしっかり対処できる、そうした体制をつくることが、ワクチン接種も見据えながらやっていくということが非常に大事だと思っております。

 その上で、さらに、ワクチンの接種に加えて大事なことは、検査の拡充ということであります。

 PCR検査は今もう二十万件の能力があって、日々十万件ぐらい行ってきておりますが、それに加えて、少し具合が悪い方、熱があるわけじゃないけれどもちょっと喉に違和感がある、ちょっとだるい、この方々に抗原検査キットを活用して、つまり、御案内のとおり、うつしやすいウイルスの量があるときですから検知できますので、抗原検査キット、八百万回分確保しておりますので、これを高齢者施設、医療施設にも活用しながら、さらに、これまでもクラスターが発生しています大学の部活動であったりあるいは職場、こういったところでも活用していただきながら、大きなリバウンドを起こさない、それに対処できる、そうしたことの体制、対策をしっかり講じていきたいというふうに考えております。

吉田(統)委員 大臣、日々ちょっとお疲れなんじゃないかと思います。大臣、目標をちょっと聞いたので。分かりますよ、大臣が今努力をされることをおっしゃっていただいて、それは十分に是非頑張ってください。しかし、具体的な目標という部分を私は聞いたんですよ。大臣は本当に優秀な方だと私は存じ上げていますので、多分質問は分かっていらっしゃる。具体的な目標は定めないのか。じゃ、ちょっとそれも併せて教えていただきたいんです。もうちょっと具体的な目標を教えてください。

 尾身会長の話をもう少しいきますが、オリンピックの開催に関して、開催期間中の感染リスクや医療への負荷を事前に評価することが極めて重要だと尾身会長は指摘しましたね。この指摘に対して、具体的に政府としてはどのような評価をされているのか、端的にお答えください。

宮崎政府参考人 お答え申し上げます。

 尾身会長の御発言でございますけれども、オリンピック・パラリンピックに関しまして感染の評価をきちんとしていくというのは当然でございまして、この点につきましては、厚生労働省におきましても、関係省庁と連携して、また、専門家の意見も聞きながら対応していくということになると考えております。

吉田(統)委員 おかしいですね。これはどう見ても通告を受けての答弁には聞こえないですね。

 だから、どういうふうに評価するんだと言っているんです。どういう評価の下でやるんだと聞いているんです、私は。だって、尾身会長が、事前に評価することが重要だと言っているじゃないですか。どういう評価を行って、どうやって対応するのかということを私は聞いているんです。厚生労働省、もう一回ちゃんと答えてください。

宮崎政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほども申し上げましたように、オリンピック・パラリンピックに向けましては、関係の省庁で会議体を持っていますので、その中で厚生労働省としても必要な知見を提供していくという形になっております。

 具体的な感染状況の評価等につきましては、これまでも、アドバイザリーボードなどの意見を踏まえまして、その時点その時点での感染状況をお伝えしているということでございます。

吉田(統)委員 ちょっと、時間を返してくださいよ。そんなこと聞いてないよ、全く。ちょっと委員長。何とかしてよ、これ。

 開催期間中の感染リスクや医療への負荷を事前に評価することが極めて重要だ、その評価に関して聞いている。これはちゃんとレクで文書を読み上げて言っていますので、これはちょっと後で答弁を整理して答えてくれませんか。西村大臣、途中で退室をしていただけなくなっちゃいます、これじゃ。西村大臣、居残りになっちゃいますから。ちょっと、役所、これは迷惑をかけますからね、大臣に。ちゃんとやってください。

 じゃ、次に行きますよ。ひどいですね、本当に。

 第四波に関して。第四波、変異種の流行という状況の中で、我々も、我が党のゼロコロナ政策を更にバージョンアップしなければいけません。

 第三波の収束時、収束と言っていいのか分かりませんが、第三波の波が低くなったときに、大阪ではコロナ重症センターの病床が大幅に減床されてしまいました。結果論としては、これはちょっと成功とは言えない、失敗だったと言わざるを得ませんが、元の数に戻すのに時間がかかってしまいましたね。やはりこれはちょっと反省すべきことだと思います。

 その中で、コロナに対応している医者や医療従事者も心身共に限界であります。経営状況の悪化自体は、しっかり対応していただく中でよくなっていますね。大臣、これは本当に頑張っていただいていると評価いたします。しかし、現場で働く医師、看護師等の処遇は、負荷が増しているのに全然改善されていないんです。これは、ある大学病院に聞き取りをしたときにはっきりおっしゃっていました、救急の教授が。コロナ対応をしている看護師さんの合い言葉は、コロナが収まったら辞めようねだそうです、大臣。これは実話ですよ。

 まず、コロナ蔓延で誘発されている医療崩壊を食い止めるために、本当にアカデミアとか中核病院、総合病院の勤務医や医療従事者の待遇改善をしなきゃいけません。コロナ難民も起こっているわけじゃないですか、入院難民。そして、コロナ対応で予備能がなくなっちゃっているから、お産難民も起こっているし、救急車の不応需、たらい回しも起こっちゃっているんですよ。これをなくすためには、本当に医療従事者の過重労働、医療過誤もなくさなきゃいけない。そういった中で、やはりしっかりと、組織ではなくて現場の一人一人に届く形の予算づけをしっかり行っていただかなければいけないと思います。

 現場でなく個々に届く予算づけ、こういったことを考えていただけませんか、大臣。

西村国務大臣 本当に、現場の医療従事者の皆さん方、昼夜問わず、コロナへの対応、また、感染リスクを抱えながらという中で、必死の対応に心から敬意を表したいと思います。

 そうした中で、これまで、もう既に何度も答弁がされておりますけれども、四・六兆円の予算を計上して医療機関への支援を行ってきております。

 その中で、例えば一床当たり最大千九百五十万円の緊急支援事業というものを実施しておりますが、これは、まさに医療従事者の人件費に補助基準額の三分の二以上を充てるということとしております。

 このことによって、医療従事者の処遇改善、それから、私も現場でもお聞きしましたけれども、外注の費用などにも使っていますので、シーツを替えたり、ごみを出したり、専門の事業者に頼むということで、看護師さんの負担軽減にもつながっているということであります。そして、結果として、御指摘のような医療機関の経営改善にもつながっております。非常に役立っているというお話も、私も何か所か視察をする中でお聞きをしたところであります。

 この申請期限も、緊急事態、そして蔓延防止等重点措置の延長に合わせて六月十三日まで延長することとしております。

 こうした中で、皆さん方への処遇改善、負担軽減につなげていければと考えておりますし、引き続き、現場で献身的に対応していただいている方々、そうした皆さんのお気持ちに寄り添いながら、必要な支援策、厚労省を中心に考えていきますけれども、私の立場からも厚労省をサポートして対応していきたいというふうに考えております。

吉田(統)委員 大臣、ありがとうございます。ただ、なかなか現場の不満は大きいようですよ。

 あと、コロナの最前線に立つ方とほかのスタッフ、これは別に、私は皆さんに、リスクは一緒ですから押しなべてということでもいいんですけれども、特に例えばコロナ対応をしている方には更にプラスアルファなんていうことを考えないと、いや、私は全員やっていいと思います、医療機関に勤める全ての人、リスクですから。しかし、特に、本当に直接ICUでずっと見ている看護師さんや医師なんかはリスクが高いです。

 あと、もう一点いきますと、大臣、国家資格を持っていない人にもやはり目を向けていただきたいんです。看護助手さんとか、患者さんとの接触の機会は看護師さんより場合によっては多い可能性がある中で、そういった方にもやはり慰労金を、一日何がしか、五千円とか支給するとか、そういった政策も進めてください。

 ちょっと時間がないので、ここはお願いだけにしておきます。

 では、大臣、ちょっとハード面の対応に関してお伺いします。

 現在、プレハブ病棟の建設なども進めていただいていますね。これは、一定の需要を満たして、本当に大きくかじを切っていただいてよかったと思います。しかし、感染者数と入院必要患者数が増加してプレハブ病棟で対応できなくなった場合は、やはり郊外の例えば比較的新しい廃屋とか建造物を病院及び医療施設として対応する、これはやはり隔離をする意味でも適切であり、今後の感染拡大に備えて事前の整備も必要じゃないかと思うんですが、今までの政府の政策は、こういった点に関しては後手後手になっています。無駄になるなら無駄になるで今回はいいと思います。そういった形で事前整備を進めるお考えはありませんか、大臣。

西村国務大臣 御指摘のように、プレハブを活用して、臨時の医療施設、東京都のお台場で百四十床用意したケースなどがございます。それ以外にも、千葉のがんセンターの旧病棟を使っている例とか、神奈川県で広い敷地に、グラウンドに百八十床を用意したケースとか、幾つかございます。そして、それと同時に、医療法の特例として、大阪のコロナ重症センターとか東京都の府中市の専用施設百床など、様々工夫をして対応しているところであります。

 プレハブを活用する、これは、一定の敷地、駐車場などの敷地を用意する、あるいは、空いている建物、前に使っていた病棟など、様々都道府県の状況に応じて違ってくるところで、都道府県を中心にそれぞれ構想して、いざというときはここを使おうということを考えていますけれども、こういったことを、我々の立場でも事前に、それぞれの都道府県と緊密に連携を取りながら、いざというときはここを使うという都道府県側の意向、あるいは、こちら側からも、厳しくなってきているのでそういう場所を探して対応しましょうというようなことを含めて日々対応しているところでございます。

 いずれにしても、特措法の改正をしていただいて認めていただいて、臨時の医療施設も造りやすくなっておりますので、是非、病床の確保、こうした活用も含めて全力を挙げていきたいと考えております。

吉田(統)委員 大臣、頑張ってください。

 ただ、まだ連携がうまく取れていない部分がかなりあると思いますので、地域のニーズ、かなりあるんですけれども、大臣、ちょっと合致していない部分が相当多いと感じますので、そこもお願いします。

 大臣はここで終わりなんですけれども、さっきの答弁はできますか。さっきの答弁をちゃんとしていただいたら、これで西村大臣は御退室なんですが。

宮崎政府参考人 御答弁申し上げます。

 先ほどの委員の御指摘、五月十三日の参議院の内閣委員会で、杉尾委員からの御質問に答える形で尾身会長の方から、感染リスクと医療への負荷について前もって評価をする必要があるという御答弁があったと思います。

 この点につきましては、その中で尾身会長自身も御指摘を幾つかされておりましたけれども、アスリート以外の大会関係者の動き等々の感染の評価等がございますので、オリパラの開催の具体的な在り方などとも関わってまいりますので、オリパラ事務局ともよく連携して、この尾身会長の御指摘についてどういうふうに対応していくかを今後検討していくという状況でございます。

吉田(統)委員 今後検討って、オリンピックをいつやるつもりですか。

 厚生労働省、大丈夫ですか。本当はこれは全く駄目なのでもっと言いたいんですけれども、西村大臣はお忙しいと思うのでもう結構ですけれども、ちょっと厚生労働省さん、ひど過ぎますよ。事前に申し上げていたことにはちゃんと御用意していただかないと。またやりたいと思いますけれども、その機会があるかどうか分かりませんが、ちょっとちゃんとそこはやってください。

 大臣、もう結構です。ありがとうございます。

 それでは、河野大臣に伺っていきたいと思います。

 河野大臣、端的にお伺いしますので、河野大臣の御答弁は本当に切れ味が鋭いので、そういった感じで是非言っていただきたいと思うんですが、医療従事者の優先接種が進んでいますね。この方の二回目の接種はいつ頃終了するでしょうか。

河野国務大臣 医療従事者は、最初に四百八十万人と数字が上がってきております。この医療従事者四百八十万人が二回打てる分のワクチンは、既にそれぞれの都道府県に送付をしております。この四百八十万の中には、例えば高齢者の健康体操のボランティアみたいな方までこの数字の中に入っておりますので、四百八十万人全員が二回終わるというよりは、コロナの治療に当たってくださっている、あるいはコロナのワクチン接種に携わってくださっているような医療従事者になるべく優先的に接種をしてくださいというお願いをしているところでございます。

 幾つかの都道府県では、この配分に問題が生じていて、遅れが出ているということが分かってまいりましたので、そういったところには少し注意して、必要な方に優先的に打っていただく、そういうお願いをしているところでございます。

吉田(統)委員 本当は、大臣、大体の目安をお示しいただきたかった。

 今、対象者のことを大臣は少しおっしゃいましたね。だけれども、申し上げますけれども、歯科技工士、いますね。これは優先接種の対象になっていないんじゃないかと思うんです。

 ただ、これは感染リスクもある方ですし、やはり接種をすべきだと思いますが、技工士の方もこの医療従事者に含めるべきかどうか。私は含めるべきだと思いますが、大臣、どうお考えになりますか。

河野国務大臣 今の時点で何か変えるつもりはございません。

吉田(統)委員 変えるべきだと思いますが。

 それでは、さっきの答えにも時期をおっしゃっていただけないので。

 大臣は四月に、国内の全ての対象者に必要な数量を九月中に供給できる見通しだと、はっきりおっしゃっていただいていますが、接種従事者の確保はできているかということと、供給完了がゴールじゃないですよね、接種完了がゴールですよね。だから、この供給完了から接種完了までのラグがどれくらいあるかということは、これは国家戦略としてやっていく場合は絶対に必要な試算なんですが、ここをどうお考えですか。ラグはどれくらいとお考えになりますか。

河野国務大臣 今の時点で明確に申し上げるのは困難でございます。

吉田(統)委員 多分それは困難でもないとは思います。

 そういうときこそ、例えば数学的な専門家やプログラマーとか、そういった専門家の知恵をかりることが、国際的にはやっていますよね。日本は、医師や医療従事者だけの知恵をかりていると見受けられる面もあります。ここは、そういったあらゆる知恵を結集した方が、国際的にはやっていますよ、イギリスなんかも。様々な国。台湾だって、今ちょっと具合が悪くなってきていますけれども、オードリー・タンさんはプログラマーですよね。

 だから、そういった形であらゆる知恵を結集して、日本はスパコンもあるじゃないですか、スパコン。そういった中で計算をしていけば、やはり、決してこのラグを、今の段階でいかにも困難だ、困難だとおっしゃるんですが、そうではない部分もあると思います。それはやってみないと分からないこともあるんですが、やはり、そういった数学的な思考、様々な試算によってここは見通しは出せると思うので、大臣みたいな英邁な大臣がそういうおっしゃり方をされるとちょっと国民はがっかりしちゃう部分があると思うので、しっかりそこは評価してください。お願いです。

 また、福岡市が、七月の一般接種向けに合わせて二十四時間接種可能な接種会場を開設することを考えておりますが、政府としては、全国的にこういった二十四時間の接種会場を準備するなどということを考えていらっしゃいますか。

河野国務大臣 福岡市が二十四時間の接種の準備をしているのは承知をしておりますが、政府として、特に二十四時間接種の会場を設けるところは、今のところ、ございません。

吉田(統)委員 では、次に、ちょっといろいろ聞いていきます。

 大分、河野大臣や西村大臣の御努力で、様々な医療機関、サテライト医療機関も含めて、かなり接種のノウハウ等が蓄積してきている状況であります。ただやはり、こういった医療機関が、物が入ってこない、物が入ってこないという訴えが相当多いんですね、大臣。

 せっかくノウハウがあって、モチベーションも高くなって、地域の住民の皆さんのために頑張ろうと、それなりの規模の病院まで、やはりそういった声が出てきているのが事実です。しかし、ワクチンの供給がどうしてもそういったところに遅れてきているという現状があります。

 本当に、高齢者で、集団接種会場に行きたくないとか、やはりそういった方もたくさんいるわけですが、大臣、必ず九月中には医療機関にも接種場所にも届くという理解でよろしいですか、ワクチンが。

河野国務大臣 済みません、九月中という意味が正直よく分からないんですが。

吉田(統)委員 大臣、九月までにワクチンが供給できるとおっしゃいましたよね、四月の時点で。供給できると。その供給できるの意味は、医療機関に届くという意味なのか、それとも物が国内にそろうという意味ですか、どっちですか。

河野国務大臣 九月までには国内に物がそろうということでございます。

吉田(統)委員 じゃ、大臣、そこから更に医療機関、接種会場に届くまではやはり当然ラグがあると考えるべきですか。

河野国務大臣 空港に物が到着してから国家検定を経て国に売却されるまでにも時間がかかりますし、そこから様々、接種会場に配送されるにも時間がかかるわけでございますが、現時点で九月末までに物が入るということで、具体的にいつ入ってくるかというのは、これは今交渉をしているところでございます。

吉田(統)委員 分かりました。

 じゃ、大臣、最後に、もう時間がないので、あと二問、一問だけ河野大臣、あとは、井上大臣が来ていらっしゃいますので、一問、井上大臣にお伺いしたいんですが。

 結局、ワクチン、やはり六回接種の部分、これもただ、体重が、アメリカ人の男性が九十キロ以上ある中で、日本人の女性が四十、五十キロ台で、同じ分量を打つことは、副反応のことを考えると、やはり評価が十分じゃなかったんじゃないかと思う部分も私はありますので、そこはまたちょっと御検討いただきたい部分でもありますが、この余った分、どうしても余りが出た場合は、六十五歳以下に打ってはいけない、廃棄してくださいと、医師会に問い合わせたり、市に問い合わせたりしても言われるということがあるんですが、厚労省に問い合わせると、市町村の裁量だが、なかなかこういったことは、大きな自治体だと、接種券がないので、明確に指示できないということがあります。つまり、硬直した状況であります。

 つまり、河野大臣がお得意とする、こういったところを破る、硬直した状況を破るという意味で、河野大臣からひとつメッセージを、やはり無駄に使わないようにというメッセージを出していただきたいんですが、いかがですか。

河野国務大臣 ここはもう自治体の裁量の範囲だということを繰り返し申し上げておりますし、厚労省からもその旨の通知を出しております。いまだに分かっていない行政の部局がたまに散見されますので、そこは都度申し上げているところでございます。

 具体的にどこかあれば、私の方からも指示したいと思います。

吉田(統)委員 大臣、ありがとうございます。もう数分ですから、大臣、もう結構です。

 最後、井上大臣に少しだけ伺いたいと思います。

 我が国が始めた条件及び期限付早期承認制度は、有効性が推定され安全性が確認されれば、七年以内に有効性、安全性を改めて検証することを条件に特別に早期承認する制度と承知しています。

 私は、国内に必須医薬品や医療機器の必要性を再三再四委員会でも述べていますし、革新的イノベーティブな医薬品、医療機器の開発は我が国の至上命題だとも、これも再三再四述べています。しかし、残念ながら、この制度自体はサイエンスとかネイチャーの誌上で大変厳しい批判を受けている事実があります。

 確認ですが、例えば、私は、以前から政府の研究助成決定の仕組みに疑問を呈しているアンジェスが開発している新型コロナウイルスに対するDNAワクチンに早期承認制度の適用を要望する意見があるとお聞きしていますが、これは一例ですが、例えばこのアンジェスのワクチンに条件及び期限付早期承認制度が適用されることは、これはワクチンなので恐らくないと思うんですが、どうでしょうか。理由も併せてお答えください。

山本政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の条件及び期限付承認制度は、薬機法上で再生医療等製品を対象に設けられたものでございます。再生医療等製品の法律におけます定義は、疾病の治療に使用されることが目的とされているものであってとされております。

 先生が御紹介いただきましたアンジェス社の新型コロナワクチンは、遺伝子に関連する技術を応用したものではございますが、予防を目的としたワクチンでございまして、治療を目的とするものではないため、この薬機法における再生医療等製品には該当しないというものでございます。

吉田(統)委員 ありがとうございます。

 本当は、ごめんなさい、井上大臣に答弁いただきたい。何か来ていただいただけになっちゃって本当に申し訳ないんですけれども、山本審議官にしっかりお答えいただいたので結構です。

 要は、ここは、制度の仕組みを理解していない方が結構いらっしゃって、これによって、早期承認をしろという声が上がっている事実があるんです。これはマスコミも含めてですよね。なので、ちょっとここは一旦クリアカットにしておかないといけないという意味で、山本審議官にしっかりお答えいただきましたので、これでもう十分結構です。

 井上大臣、済みません。お言葉、何か発することはないですか。最後、せっかくですから一言。それで終わりたいと思いますが、いいですか。(井上国務大臣「大丈夫です」と呼ぶ)大丈夫ですか。

 じゃ、これで終わります。ありがとうございました。

     ――――◇―――――

木原委員長 次に、内閣提出、重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。小此木国務大臣。

    ―――――――――――――

 重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

小此木国務大臣 よろしくお願いします。

 ただいま議題となりました重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明いたします。

 この法律案は、近年、我が国を取り巻く安全保障をめぐる環境が不確実性を増している状況に鑑み、我が国の安全保障等に寄与することを目的として、防衛関係施設、海上保安庁の施設等の周辺並びに国境離島及びその周辺の有人離島の区域内にある土地等の利用状況を調査するとともに、当該土地等がこれらの機能を阻害する行為の用に供されることを防止するための措置について定めるものであります。

 以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。

 第一に、政府は、重要施設の施設機能及び国境離島等の離島機能を阻害する土地等の利用の防止に関する基本的な方針を定めることとしております。

 第二に、内閣総理大臣は、重要施設の敷地の周囲おおむね一千メートルの区域内及び国境離島等の区域内の区域で、その区域内にある土地等が当該重要施設又は当該国境離島等の機能を阻害する行為の用に供されることを特に防止する必要があるものを、注視区域として指定することができることとし、注視区域内にある土地等の利用の状況についての調査を行うこととしております。

 第三に、内閣総理大臣は、注視区域内にある土地等の利用者が当該土地等を重要施設又は国境離島等の機能を阻害する行為の用に供し、又は供する明らかなおそれがあると認めるときに、当該利用者に対し、当該土地等を当該行為の用に供しないこと等を勧告するとともに、正当な理由がなくてその勧告に係る措置を取らなかったときは、当該措置を取るべきことを命令することができることとしております。

 第四に、内閣総理大臣は、注視区域に係る重要施設又は国境離島等について、その機能が特に重要であり、又はその機能を阻害することが容易であって、他の重要施設又は国境離島等による代替が困難である場合には、当該注視区域を、特別注視区域として指定することができることとし、特別注視区域内にある一定面積以上の土地等について、所有権等の移転等をする契約を締結する場合には、原則として、その当事者があらかじめ内閣総理大臣に届け出なければならないこととしております。

 第五に、内閣府に、土地等利用状況審議会を設置することとしております。

 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。

 なお、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、公布の日から起算して一年三月を超えない範囲内で政令で定める日としております。

 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。

 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。

 ありがとうございました。

木原委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る二十一日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時五分散会


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